JP2014055346A - 転がり疲労寿命に優れた鋼部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】 鋼中の酸素含有量と硫黄含有量を規制し、介在物と周囲の母相との密着性の指標の隙間率を一定値以下に規制し、転がり疲労寿命に優れた機械用部品用の鋼部材を提供する。
【解決手段】 表面硬さ58HRC以上の機械部品用鋼部材で、鋼中の酸素含有量が8ppm以下、硫黄含有量が0.008質量%以下の、鋼部材からなる転動体が負荷を受けて回転する転動面から転動面に平行に被検面積40mm2以上400mm2以下の試験片を採取して観察する際、実効有害長さ4が10μm以上、実効有害幅6が2μm以上の介在物1を全て観察し、隙間率=隙間2の部分の面積÷(隙間2の部分の面積+介在物1の面積)と定義する隙間率を各介在物1について算出し、観察された全介在物1の隙間率の平均が8%以下で、観察された全介在物1のうち、隙間率1.0%未満となる介在物1が占める割合の隙間ゼロ個数率が30%以上となる転がり疲労寿命に優れた鋼部材。
【選択図】 図1

Description

本発明は、軸受、ギア、ハブユニット、トロイダル型CVT装置、等速ジョイント、クランクピンなどの優れた転がり疲労寿命が要求される、表面硬さ58HRC以上に硬化させて使用する機械部品や装置に適用される鋼部材に関するものである。
近年、各種の機械装置の高性能化によって、転がり疲労寿命が求められる機械部品や装置の使用環境は苛酷化している。それに伴い、これらの部品や装置の寿命の向上ならびに信頼性の向上に対する要求が高まっている。このような要求に対し、鋼部材の面からの対策としては、鋼成分の適正化や転がり疲労寿命に有害な不純物元素の低減が行われており、寿命の向上ならびに信頼性の向上が図られている。
従来の鋼としては、転動疲労寿命に優れた鋼であり、かつ、機械部品を製造するための鋼として、酸化物系非金属介在物の最大粒径が8μm以下である軸受鋼が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、鋼の清浄度評価値である極値統計法による√area maxを30μm以下とした準高温環境下における転動疲労特性に優れる肌焼鋼が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
上記の先行技術文献1や先行技術文献2のものは、介在物の直接的な大きさを解決手段としたものである。
特開平6−271982号公報 特開2001−234275号公報
発明者らは、優れた転がり疲労寿命が求められる機械部品において、早期の破損を抑えるためにL10寿命に着目し、鋼中の非金属介在物と母相である鋼との密着性を定量的に評価し、鋭意研究を行った。その結果、L10寿命を向上させて、軸受寿命の信頼性の向上に寄与させるためには、以下に定義する実効有害長さおよび実効有害幅をそれぞれ小さくすることが有効であることを見出した。そのためには、介在物自体を小径化することに加えて、介在物の周囲の隙間を無くして、介在物の密着性を向上させることが有効であることを見出した。なお、上記のL10寿命は、同一ロットの試験片を同じ条件で試験した場合に、そのうちの90%の試験片が剥離することなく回転するCycle数である。
ここで、実効有害長さおよび実効有害幅を次の2式で定義する。
実効有害長さ=介在物長さ+介在物長さ方向の隙間長さ
実効有害幅=介在物幅+介在物幅方向の隙間幅
ところで、非金属介在物のうち、酸化物の有害性は以前から言われている。それは、酸化物系介在物が、いずれの加工温度域においても、母相の鋼よりも硬質であるため、鋼の加工中に母相に追従して変形しにくいので、加工後に母相と密着していない部分を有する場合があることによる。そこで、転がり疲労寿命に対する酸化物系介在物の悪影響を軽減するためには、少なくとも鋼中の酸素含有量を8ppm以下とする必要があることを発明者らは見出している。一方、硫化物系介在物は、鋼の加工中に母相に追従して変形しやすいため、酸化物系介在物よりも有害性のレベルは低いと考えられる。ただし、鋼中のSの含有量が高くなると大きな硫化物系介在物が発生しやすくなるために、転がり疲労寿命に対して有害である。そこで、転がり疲労寿命に対する硫化物系介在物の悪影響を軽減するためには、少なくとも鋼中のSの含有量を0.008質量%以下に規制する必要がある。
さらに、転がり疲労寿命すなわちL10の優れた鋼とするためには、上述したように鋼中の酸素の含有量を8ppm以下とし、かつ、鋼中のSの含有量を0.008質量%以下に規制することに加えて得られた鋼の加工を工夫して、以下に示す評価方法および評価指標を満足する必要がある。
すなわち、評価方法としては、転動体が負荷を受けて回転する転動面から、転動面に平行に被検面積40mm2以上400mm2以下の試験片を採取して観察を行う。当該発明がなされた時点での技術レベルにおいて、介在物周囲の密着性を評価する手段は、直接観察法によるものであり、この観察は必須条件である。このように介在物を観察法で評価する技術としてはASTM法等がある。ところで、介在物周囲の密着性の定量評価については、これまで言及されておらず、従来技術においても着眼されていない。
そこで、本願発明が解決しようとする課題は、鋼中の酸素含有量と硫黄含有量を規制するとともに、適した加工により製造した部材に対して、転動面近傍の鋼材を一定の範囲で観察し、介在物と周囲の母相との密着性を定量的に評価し、その指標が適正な範囲となるように規制することにより、転がり疲労寿命に優れた機械用部品に使用される鋼部材を提供することである。
請求項1の発明では、表面硬さを58HRC以上とする機械部品に用いる鋼部材であって、鋼中の酸素含有量が8ppm以下、硫黄含有量が0.008質量%以下で、転動体が負荷を受けて回転する転動面から、転動面に平行に被検面積40mm2以上400mm2以下の試験片を採取して観察を行う際に、実効有害長さが10μm以上、実効有害幅が2μm以上の介在物を全て観察し、以下で定義される隙間率をそれぞれの介在物について算出し、観察された全介在物の隙間率の平均が8%以下で、かつ、観察された全介在物のうち、隙間率1.0%未満の介在物個数が観察された全介在物個数に占める割合を隙間ゼロ個数率としたとき、この隙間ゼロ個数率が30%以上となることを特徴とする転がり疲労寿命に優れた鋼部材である。
ただし、隙間率=隙間部分の面積÷(隙間部分の面積+介在物面積)とする。
ここで、実効有害長さは実際の介在物に加えて介在物周囲の隙間を含めた長さであり、実効有害幅は実際の介在物に加えて介在物周囲の隙間も含めた幅である。
請求項2の発明では、転がり疲労寿命に優れた鋼部材は、JIS規格において規定される高炭素クロム軸受鋼鋼材、ならびにSAE規格またはASTM規格A295において規定される52100、ならびにDIN規格において規定される100Cr6、ならびにJIS規格において規定される機械構造用炭素鋼鋼材、さらに機械構造用合金鋼鋼材のうち、クロム鋼、クロムモリブデン鋼、あるいはニッケルクロムモリブデン鋼から選択したいずれか1種の合金鋼鋼材を用いた鋼部材であることを特徴とする請求項1の手段の転がり疲労寿命に優れた鋼部材である。
本願の発明は、酸化物系介在物の悪影響を軽減するために鋼中の酸素含有量を8ppm以下とし、さらに転がり疲労寿命に対する硫化物系介在物悪影響を軽減するために、鋼中のSの含有量を0.008質量%以下とし、転動体が負荷を受けて回転する転動面から、転動面に平行に被検面積40mm2以上400mm2以下の試験片を採取して観察を行う際に、実効有害長さが10μm以上、実効有害幅が2μm以上の介在物を全て観察し、以下で定義される隙間率をそれぞれの介在物について算出し、観察された全介在物の隙間率の平均が8%以下で、かつ、観察された全介在物のうち、隙間率1.0%未満の介在物個数が観察された全介在物個数に占める割合を隙間ゼロ個数率としたとき、この隙間ゼロ個数率が30%以上となるとしたことで、転がり疲労寿命に対して優れた機械用部品に使用される鋼部材となっている。ただし、隙間率=隙間部分の面積÷(隙間部分の面積+介在物面積)とする。
実効介在物の長さおよび幅、実効有害長さおよび実効有害幅を示す模式図である。
本発明の実施の形態を表および図面を参照して以下に説明する。
表1、表2に実施例として各供試材の成分組成、表面硬さ、観察された全介在物の隙間率の平均、および、観察された全介在物のうち、隙間率が1.0%未満となる介在物個数が観察された全介在物個数に占める割合である隙間ゼロ個数率、および当該供試材を用いてスラスト型転がり疲れ寿命試験を行った結果である基準材に対するL10寿命を条件No.4の相対値で示している。これらの表1、表2中の供試材1〜16については高炭素クロム軸受鋼であるJISのSUJ2鋼を、供試材17についてはJISのSCr420鋼を、供試材18についてはJISのSNCM420鋼を、供試材19についてはJISのS53C鋼を、供試材20についてはJISのSCM420鋼を、供試材21についてはSAEの52100を、供試材22についてはASTMの52100を、供試材23についてはDINの100Cr6を用いた。
Figure 2014055346
Figure 2014055346
上記の表1および表2に示す供試材の化学成分からなる鋼種をアーク溶解炉で溶製した後に取鍋精錬し、さらに真空脱ガス装置で脱ガスを行った。脱ガス処理の後、引き続き、表1および表2のNo.34、No.36、No.38、No.40、No.58、No.60、No.62、No.64では、上記の真空脱ガスしたものをインゴット鋳造用の鋳型により鋳塊を製造した。一方、表1および表2のその他のNo.のものは、上記のインゴット鋳造用の鋳型による製造に替えて、上記の真空脱ガスしたものを連続鋳造により鋳塊を製造した。
上記で得られた鋳塊に対して、1150℃に加熱し、鍛伸加工を施して径90mmの鋼材へと加工を行った。その後、この径90mmの鋼材中の介在物と母相との界面の状態を変化させるために、以下の4つのプロセス(1)〜(4)のいずれかの加工を行って径65mmの鋼材とした。なお、実施したプロセスの(1)〜(4)は表1、表2中に記載している。
1つ目のプロセスの加工は熱間押出し加工であり、表1、表2中のプロセス欄に(1)と記載している分に対応している。1150℃に加熱した前述の径90mmの鋼材を、熱間押出し用として準備した金型内に挿入し、約300トンの荷重を加えることで熱間押出しを行い、径65mmの鋼材へと加工した。
2つ目のプロセスの加工は鍛伸加工であり、表1、表2中のプロセス欄に(2)と記載している分に対応している。1150℃に加熱した前述の径90mmの鋼材に、小型ハンマープレスにて逐次に鍛伸加工を施すことで径65mmの鋼材へと加工した。
3つ目のプロセスの加工は一般的な通常の圧延加工であり、表1、表2中のプロセス欄に(3)と記載している分に対応している。1150℃に加熱した前述の径90mmの鋼材に、一般的な圧延加工を施し、1パス目で径80mm、2パス目で径72.3mm、3パス目で径65mmとなるようなパススケジュールで、径65mmの鋼材へと加工した。1パス当たりの減面率(加工前後での断面積の減少率)は、通常の圧延で用いられる約20%となるように設定した。
4つ目のプロセスの加工は軽圧下の圧延加工であり、表1、表2中のプロセス欄に(4)と記載している分に対応している。1150℃に加熱した前述の径90mmの鋼材に圧延加工を施し、1パス目で径85mm、2パス目で径81mm、3パス目で径77mm、4パス目で径73.3mm、5パス目で径69mm、6パス目で径65mmとなるようなパススケジュールで、径65mmの鋼材へと加工した。1パス当たりの減面率は10%となるように設定した。
なお、上記の加工プロセスは鋼材中の介在物と母相との界面の状態を変化させることを目的としており、介在物と母相との界面の密着性の向上効果は、押出し加工が最も大きく、次いで鍛伸加工、一般的な通常の圧延加工、軽圧下の圧延加工の順となっている。
これらの各種の鋼材について、スラスト試験時に転動体が負荷を受けて回転する軌道面に対して、その40mm2の範囲を観察した。この中で、図1に示す、実効有害長さ4が10μm以上で、実効有害幅6が2μm以上である介在物1を全て観察し、以下で定義された隙間率をそれぞれの介在物1について算出した。この隙間率を用いて介在物1および母相の密着性の評価指標として、観察された全介在物の隙間率の平均値、および、観察された全介在物のうち、隙間率1.0%未満となる介在物1が占める割合である隙間ゼロ個数率を表1および表2の各供試材ごとに求め、その結果を表1および表2に記載している。
なお、隙間率の定義は、次の式により算出される百分率によるものとする。
隙間率=(隙間2の部分の面積)÷(隙間2の部分の面積+介在物1の部分の面積)
スラスト型転がり疲労試験について
No.1〜64の鋼材、およびNo.73〜78の鋼材は、800℃にて球状化焼鈍を施し、この鋼材から、外径が60mm、内径が20mm、厚さが5.8mmである円盤からなる試験片を作製した。この試験片を835℃で20分保持した後、油冷により焼入れし、次いで170℃で90分の焼戻し処理を行い、所望する58HRC以上の硬さを得た。その後、表面研磨を行ってスラスト型転がり疲労試験片として、スラスト型転がり疲労試験を行った。
No.65〜68およびNo.71、No.72の鋼材は、925℃にて焼ならしを施し、この鋼材から外径が60mm、内径が20mm、厚さが8.3mmである円盤からなる試験片を作製した。この試験片を930℃で浸炭処理した後、油冷により焼入れし、次いで180℃で90分の焼戻し処理を行い、所望の58HRC以上の硬さを得た。表面研磨を行ってスラスト型転がり疲労試験片として、スラスト型転がり疲労試験を行った。
No.69およびNo.70の鋼材は、870℃で焼ならしを施し、この鋼材から外径が60mm、内径が20mm、幅が8.3mmの円盤からなる試験片に作製した。この試験片を高周波焼入れし、次いで180℃で90分の焼戻し処理を行い、所望する58HRC以上の硬さを得た。その後に、表面研磨を行ってスラスト型転がり疲労試験片として、スラスト型転がり疲労試験を行った。
上記したスラスト型転がり疲労試験は、最大ヘルツ応力であるPmaxを5.3GPaとして行った。
表1および表2に示す各No.の供試材において、No.4のL10寿命を基準とするとき、この基準のNo.4のL10寿命に比して、本願発明の請求項1に係る発明の構成を満足するもののL10寿命は2.0倍以上の長寿命となっている。したがって、請求項1に係る発明の構成の鋼部材は、転がり疲労寿命であるL10寿命において優れている。
ただし、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではないことは言うまでもない。
1 介在物
2 隙間
3 介在物長さ
4 実効有害長さ
5 介在物幅
6 実効有害幅

Claims (2)

  1. 表面硬さを58HRC以上とする機械部品に用いる鋼部材であって、鋼中の酸素含有量が8ppm以下、硫黄含有量が0.008質量%以下で、転動体が負荷を受けて回転する転動面から、転動面に平行に被検面積40mm2以上400mm2以下の試験片を採取して観察を行う際に、実効有害長さが10μm以上、実効有害幅が2μm以上の介在物を全て観察し、以下で定義される隙間率をそれぞれの介在物について算出し、観察された全介在物の隙間率の平均が8%以下で、かつ、観察された全介在物のうち、隙間率1.0%未満の介在物が観察された全介在物に占める割合を隙間ゼロ個数率としたとき、隙間ゼロ個数率が30%以上となることを特徴とする転がり疲労寿命に優れた鋼部材。
    ただし、隙間率=隙間部分の面積÷(隙間部分の面積+介在物面積)
    ここで、実効有害長さは実際の介在物に加えて介在物周囲の隙間を含めた長さであり、実効有害幅は実際の介在物に加えて介在物周囲の隙間も含めた幅である。
  2. 転がり疲労寿命に優れた鋼部材は、JIS規格において規定される高炭素クロム軸受鋼鋼材、ならびにSAE規格またはASTM規格A295において規定される52100、ならびにDIN規格において規定される100Cr6、ならびにJIS規格において規定される機械構造用炭素鋼鋼材、さらに機械構造用合金鋼鋼材のうち、クロム鋼、クロムモリブデン鋼、あるいはニッケルクロムモリブデン鋼から選択したいずれか1種の合金鋼鋼材を用いた鋼部材であることを特徴とする請求項1に記載の転がり疲労寿命に優れた鋼部材。
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