JP2009024533A - ディーゼル機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】バイオ燃料濃度の高い燃料が用いられた場合であっても、すす等の粒子状物質の発生を抑制すると共に、排気浄化触媒において、所望の還元雰囲気を形成可能なディーゼル機関の制御技術を提供する。
【解決手段】ECU100は、燃料中のバイオ燃料濃度が、予め設定された判定濃度以上であるか否かを判定する。バイオ燃料濃度が判定濃度を上回ると判定された場合には、排気燃料添加弁88からの燃料に替えて、燃料噴射装置80からの燃料により、排気浄化触媒55において還元剤を含んだ還元雰囲気を形成する。燃料噴射装置80からの燃料は、高温の気筒内に噴射されて、気筒からの排出ガス中に含まれるため、バイオ燃料濃度が判定濃度を上回る燃料が用いられた場合であっても、すす等の粒子状物質の発生を抑制すると共に、還元剤としての燃料を十分に気化させて、排気浄化触媒55において所望の還元雰囲気を形成することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ディーゼル式内燃機関の制御技術に関し、特に、還元剤の供給を要する排気浄化触媒と、当該排気浄化触媒より上流側の排気通路から燃料を噴射可能な排気燃料添加弁とを備えたディーゼル機関の制御技術に関する。
ディーゼル式の内燃機関(以下、単に「ディーゼル機関」と記す)には、一般的に、排出ガス中の有害成分を触媒反応により浄化する排気浄化触媒が設けられており、排気浄化触媒には、例えば、排出ガス中の窒素酸化物(NOx)を吸蔵し、窒素に還元するNOx吸蔵還元型触媒等がある。NOx吸蔵還元型触媒に、還元剤としての炭化水素を供給することで、吸蔵された窒素酸化物を、炭化水素と反応させて窒素に還元することができる。
このように、還元剤の供給を要する排気浄化触媒を備えたディーゼル機関においては、排気浄化触媒に、還元剤としての炭化水素を供給するため、排気浄化触媒に向けて流れる排出ガス中に燃料を添加する必要がある。
排気浄化触媒を流れる排出ガス中に燃料を添加するため、ディーゼル機関においては、気筒内に燃料を供給する燃料噴射装置とは別に、排気通路のうち排気浄化触媒より上流側において燃料を添加する「排気燃料添加弁」が設けられたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、ディーゼル機関においては、近年、菜種油やパーム油、大豆油等の植物油を原料として合成された、生物由来のディーゼル燃料(以下、単に「バイオ燃料」と記す)が用いられることがある。バイオ燃料は、軽油に比べて高沸点成分を多く含んでおり、気化しにくい(揮発性が低い)等の特徴を有している。
このようなバイオ燃料は、所定の濃度で軽油と混合されて、ディーゼル機関に用いられることがある。このため、特許文献1のディーゼル機関の制御技術においては、混合燃料に含まれるバイオ燃料の濃度を、NOx吸蔵還元型触媒の下流側に設けられた空燃比センサの出力から検出し、検出されたバイオ燃料の濃度が高くなるに従って、所定の軽油(基準燃料)が用いられる場合に比べて、燃料添加初期の燃料添加量を増量させると共に、燃料添加後期の燃料添加量を減少させている。また、排気温度が低くなるに従って、所定の軽油が用いられた場合に比べて、燃料添加初期の燃料添加量と、燃料添加後期の燃料添加量との差が大きくなるように制御している。
これにより、所定の軽油(基準燃料)とは揮発性(蒸発性)が異なる混合燃料が用いられた場合であっても、NOx吸蔵還元型触媒近傍における空燃比の挙動(時間変動)を、所定の軽油が添加された場合の挙動に近づけている。
特開2006−177313号公報
しかし、特許文献1に記載の制御技術では、バイオ燃料の濃度(以下、バイオ燃料濃度と記す)が高くなるに従って、燃料添加初期の燃料添加量が増量されるため、バイオ燃料濃度が高い混合燃料が用いられた場合には、排気燃料添加弁から噴射された燃料の微粒化及び気化が悪化して、噴射燃料が酸化しにくくなり、すす等の粒子状物質の発生量が増大する虞があり、また、排出ガス中において燃料が十分に気化されないまま、排気浄化触媒に到達してしまい、排気浄化触媒において所望の還元雰囲気を形成できなくなるという問題が生じる。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、バイオ燃料濃度の高い燃料が用いられた場合であっても、すす等の粒子状物質の発生を抑制すると共に、排気浄化触媒において、所望の還元雰囲気を形成可能なディーゼル機関の制御技術を提供することを目的とする。
本発明に係るディーゼル機関の制御装置は、還元剤の供給を要する排気浄化触媒と、当該排気浄化触媒より上流側の排気通路から燃料を噴射可能な排気燃料添加弁と、気筒内に燃料を噴射可能な燃料噴射装置と、を備えたディーゼル機関に用いられ、燃料噴射装置及び排気燃料添加弁を制御可能な制御装置であって、燃料中のバイオ燃料濃度が、予め設定された判定濃度以上であるか否かを判定するバイオ燃料濃度判定手段を備え、バイオ燃料濃度が判定濃度を上回ると判定された場合には、排気燃料添加弁からの燃料に替えて、燃料噴射装置からの燃料により排気浄化触媒において還元剤を含んだ還元雰囲気を形成することを特徴とする。
本発明に係るディーゼル機関の制御装置において、燃料噴射装置により理論空燃比分の燃料を気筒内に噴射させて、理論空燃比での燃焼であるストイキ燃焼を行わせるストイキ燃焼制御手段を備え、ストイキ燃焼を行った後に、燃料噴射装置に燃料噴射を行わせることで、排気浄化触媒に還元雰囲気を形成するものとすることができる。
本発明に係るディーゼル機関の制御装置において、ストイキ燃焼制御手段は、メイン噴射、及びメイン噴射に対して進角した時期における燃料噴射を燃料噴射装置に行わせて、理論空燃比分の燃料を気筒内に供給するものであり、メイン噴射に対して遅角した時期において、燃料噴射を燃料噴射装置に行わせて、排気浄化触媒に還元雰囲気を形成するものとすることができる。
本発明に係るディーゼル機関の制御装置において、ディーゼル機関の運転状態が、気筒内においてストイキ燃焼を行うことが可能な運転領域であるストイキ燃料可能領域にあるか否かを判定する手段を備え、ストイキ燃焼可能領域は、ディーゼル機関の運転領域のうち、機関回転速度が低回転速度側の領域であり、且つ機関負荷が低負荷側の領域に設定されているものとすることができる。
本発明によれば、バイオ燃料濃度が判定濃度を上回ると判定された場合には、排気燃料添加弁からの燃料に替えて、燃料噴射装置からの燃料により排気浄化触媒において還元剤を含んだ還元雰囲気を形成するものとしたので、燃料噴射装置からの燃料は、気筒内に噴射されて、気筒からの排出ガス中に含まれるため、判定濃度を上回るバイオ燃料濃度の燃料が用いられた場合であっても、すす等の粒子状物質の発生を抑制すると共に、還元剤としての燃料を十分に気化させることで、排気浄化触媒55において所望の還元雰囲気を形成することができる。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
まず、本実施例に係るディーゼル機関及び車両システムの概略構成について、図1を用いて説明する。図1は、ディーゼル機関を含む車両システムの概略構成を示す模式図である。なお、図1において、ディーゼル機関及び車両システムについては、本発明に関連する要部のみを模式的に示している。
本実施例に係るディーゼル機関は、圧縮されて高温となった燃焼室内の雰囲気に、燃料を供給することで、燃料を自然着火させる圧縮自着火式の内燃機関である。ディーゼル機関は、原動機として自動車に搭載されるものであり、自動車には、ディーゼル機関を含む車両システムを制御する制御手段として、電子制御装置(以下、ECUと記す)が設けられている。以下、ディーゼル機関が有する複数の気筒のうち一つの気筒について説明する。
図1に示すように、ディーゼル機関10は、気筒ごとに設けられた燃料噴射装置80が気筒に燃料を直接噴射する、いわゆる直接噴射式のディーゼル機関10である。ディーゼル機関10には、気筒から排出される排出ガスの運動エネルギにより吸入空気を圧縮するターボ過給機60と、気筒から排出された排出ガスの一部を排気通路から取り入れて吸気通路に流入させる、いわゆる排出ガス再循環装置70(以下、EGR装置と記す)が設けられている。このように構成されたディーゼル機関10を制御するために、車両システム1には、ディーゼル機関10用のECU100が設けられている。
ディーゼル機関10には、内部に気筒が形成される機関本体系の部品として、図示しないシリンダブロック、ピストン、コンロッド、クランク軸、及びシリンダヘッド20が設けられている。シリンダブロックには、シリンダボアが形成されており、ピストンは、シリンダボアの内壁面(以下、シリンダ壁と記す)にピストンリング(図示せず)が摺接しており、シリンダボア内を往復運動する。
シリンダブロックには、ピストンの頂面に対向して、シリンダボアを塞ぐようにシリンダヘッド20が結合されている。これらシリンダボア、ピストン、及びシリンダヘッド20により囲まれた空間が「気筒」となる。なお、本実施例に係るディーゼル機関10の気筒配列は、直列4気筒となっている。
クランク軸が回転すると、ピストンが往復運動し、気筒には、空気が吸入される。さらに、気筒には、燃料噴射装置80により燃料が供給される。供給された燃料は、気筒内に高温の雰囲気に曝されて着火する。燃料の着火・燃焼により生じるピストンの往復運動は、コンロッドを介して回転運動に変換されてクランク軸から出力される。クランク軸の近傍には、クランク軸の回転角位置(以下、クランク角と記す)を検出するクランク角センサが設けられており、検出したクランク角に係る信号をECU100に送出している。
シリンダヘッド20には、シリンダボアの軸心を挟んで、一方の側には、後述する吸気通路からの吸入空気を気筒に導く吸気ポート24が形成されており、他方の側には、気筒からの排出ガスを後述する排気通路に排出する排気ポート26が形成されている。
シリンダヘッド20には、吸気ポート24及び排気ポート26の気筒側の開口に対応して、図示しない吸気弁及び排気弁が設けられている。これら吸気弁及び排気弁は、図示しないカムシャフトからの機械的動力を受けて駆動される。吸気弁及び排気弁は、クランク角に応じて所定のタイミングで開閉可能に構成されている。
吸気弁が開弁すると、吸気ポート24と気筒内が連通し、ディーゼル機関10は、後述する吸気通路の空気を、吸気ポート24から気筒内に吸入することが可能となっている。また、排気弁が開弁すると、排気ポート26と気筒内が連通し、ディーゼル機関10は、気筒内にある排出ガスを、排気ポート26から後述する排気通路に排出することが可能となっている。
また、ディーゼル機関10には、外気から気筒に空気を導く吸気系の部品として、外気から空気を導入する外気ダクト41と、吸入した空気(以下、吸入空気と記す)から塵芥を除去するエアクリーナ42と、吸入空気の流量を計測するエアフロメータ(図示せず)と、ターボ過給機60により圧縮された空気を冷却するインタークーラ45と、吸入空気の流量を調整するスロットル弁46と、吸入空気を各気筒に分配する分配管である吸気マニホールド48が設けられている。なお、以下の説明において、吸入空気の流動方向の上流側を、単に「上流側」と記し、流動方向の下流側を、単に「下流側」と記す。
吸気マニホールド48は、その下流側がシリンダヘッド20に接続されており、ブランチ通路49が吸気ポート24に連通している。ブランチ通路49より上流側には、これに連通するサージ室40aが形成されている。
一方、吸気マニホールド48のうちサージ室40aの上流側には、スロットル弁46が設けられている。スロットル弁46は、気筒に吸入される吸入空気の流量(以下、吸入空気量と記す)を調整する。スロットル弁46の開度は、ECU100により制御される。
また、スロットル弁46の上流側には、吸気配管47が接続されている。吸気配管47内に形成された通路40cは、吸気マニホールド48内のサージ室40aに連通している。吸気配管47の上流側には、インタークーラ45が接続されている。インタークーラ45は、熱交換器として構成されており、後述するターボ過給機60のコンプレッサ62により圧縮されて高温となった吸入空気を冷却する。
インタークーラ45の上流側には、吸気配管44が接続されている。吸気配管44内に形成された通路40eは、インタークーラ45内の通路(図示せず)を介して、吸気配管47内の通路40cに連通している。吸気配管44の上流側には、ターボ過給機60のコンプレッサ62が接続されている。吸気配管44内の通路40eは、ターボ過給機60のコンプレッサ62内に連通している。
ターボ過給機60のコンプレッサ62の上流側には、吸気配管43が接続されている。吸気配管43内に形成された通路40gは、ターボ過給機60のコンプレッサ62内に連通している。吸気配管43の上流側には、エアクリーナ42が接続されており、エアクリーナ42の上流側には、外気ダクト41が設けられている。吸気配管43内の通路40gは、エアクリーナ42を介して外気ダクト41内に連通している。
エアクリーナ42のエレメントより下流側には、図示しないエアフロメータが設けられている。エアフロメータは、外気ダクト41から導入された吸入空気量を検出する。エアフロメータは、検出した吸入空気量に係る信号を、ECU100に送出している。
外気ダクト41から導入された新気は、エアクリーナ42を通過し、エアフロメータで流量が検出されて、ターボ過給機60のコンプレッサ62で圧縮される。圧縮されて高温となった吸入空気(新気)は、インタークーラ45で冷却されて、スロットル弁46に流れる。スロットル弁46で流量が調整された吸入空気は、吸気マニホールド48のサージ室40aに流入し、ブランチ通路49から各気筒に分配され、吸気ポート24を経て気筒に流入する。
なお、「吸気通路」とは、前述の吸気系の部品と、吸気配管により形成され、外気ダクト41から導入された吸入空気が気筒に流入するまでに通過する流路を意味している。本実施例において、吸気通路には、吸気マニホールド48内のサージ室40aだけでなく、シリンダヘッド20の吸気ポート24が含まれている。
また、ディーゼル機関10には、気筒からの排出ガスを外気に排出する排気系の部品として、各気筒からの排出ガスを合流させてターボ過給機60に導く排気マニホールド52と、排出ガス中の窒素酸化物、及び粒子状物質(以下、単に「PM」と記す)を処理する排気浄化触媒55と、排気浄化触媒55からの排出ガスを酸化反応により浄化する酸化触媒58と、酸化触媒58と排気浄化触媒55との間にある通路50gにおける排出ガスの酸素濃度を検出するA/Fセンサ98が設けられている。なお、以下の説明において、排出ガスの流動方向の上流側を、単に「上流側」と記し、流動方向の下流側を、単に「下流側」と記す。
排気マニホールド52内には、マニホールド通路50aが形成されており、マニホールド通路50aのうち上流側には、各気筒に対応してブランチ部51が設けられている。排気マニホールド52内に形成されたブランチ部51は、各気筒の排気ポート26に連通している。また、マニホールド通路50aのうち下流側には、各気筒からの排出ガスが合流する合流部50cが設けられている。排気マニホールド52に形成されたマニホールド通路50aは、ディーゼル機関10が有する複数の気筒から吸気ポート26を経て排出された排出ガスを、合流部50cで合流させて後述するターボ過給機60のタービン64に導く。
ターボ過給機60は、吸気配管43と吸気配管44との間に介在して設けられたコンプレッサ62と、排気マニホールド52と排気管54との間に介在して設けられたタービン64とを有している。コンプレッサ62のハウジング内には、回転することで空気を圧縮するコンプレッサホイール(図示せず)が収容されており、タービン64のハウジング内には、排出ガスの流れにより回転駆動されるタービンホイール(図示せず)が収容されている。コンプレッサホイールとタービンホイールは一体に結合されている。
ターボ過給機60は、マニホールド通路50aの合流部50cからタービン64内に流入する排出ガス流の運動エネルギによりタービンホイール及びコンプレッサホイールが回転駆動され、コンプレッサ62内にある空気を圧縮してインタークーラ45に給送する。タービン64内の排出ガスは、排気管54内の通路50eを下流側に流れ、排気浄化触媒55に流入する。
排気浄化触媒55の前段(上流側)には、排出ガス中の窒素酸化物を吸蔵し、窒素に還元する排気浄化触媒であるNOx吸蔵還元型触媒55aが設けられている。一方、後段(下流側)には、フィルタ機構付き排気浄化触媒であり、PMと窒素酸化物を同時に浄化するDPNR触媒システム55cが設けられている。NOx吸蔵還元型触媒55a及びDPNR触媒システム55cは、還元剤の供給を必要とする排気浄化触媒であり、以下に詳細を説明する。
NOx吸蔵還元型触媒55aは、これを流れる排出ガスが、酸素を多く含む酸素過剰雰囲気(リーン雰囲気)となっている場合、排出ガス中の窒素酸化物を硝酸塩の形で吸蔵する。一方、NOx吸蔵還元型触媒55aを流れる排出ガスが、未燃の炭化水素(以下、単に「HC」と記す)を多く含む還元雰囲気(リッチ雰囲気)となっている場合には、排出ガス中に含まれる還元剤としてのHCにより、吸蔵された窒素酸化物を窒素に還元する。このようにして、NOx吸蔵還元型触媒55aは、排出ガス中の窒素酸化物を浄化することが可能となっている。
一方、DPNR触媒システム55cは、PMを捕集し、捕集したPMを燃焼させて二酸化炭素として放出することでフィルタを再生するディーゼル・パティキュレート・フィルタ(以下、DPFと記す)の機能と、上述のNOx吸蔵還元型触媒の機能を組み合わせたものであり、PMと窒素酸化物とを同時に浄化することが可能となっている。
詳細には、DPNR触媒システム55cは、これを流れる排出ガス中のPMをフィルタに捕集すると共に、排出ガスが酸素過剰雰囲気となっている場合、窒素酸化物を硝酸塩に変化させて吸蔵し、このとき生じた活性酸素と、排出ガス中の酸素により、捕集したPMを酸化する。一方、DPNR触媒システム55cを流れる排出ガスが、還元雰囲気(リッチ雰囲気)となっている場合には、排出ガス中に含まれる還元剤としてのHCにより、吸蔵された窒素酸化物を窒素に還元する共に、このとき生じた活性酸素によりPMを酸化する。このようにして、DPNR触媒システム55cは、連続してPMを酸化・燃焼させて、PMが捕集されたフィルタを再生することが可能となっている。
このように、NOx吸蔵還元型触媒55a及びDPNR触媒システム55cなど、排気浄化触媒55は、排出ガス中の有害成分を浄化するにあたって、還元剤の供給を必要とするものであり、還元剤として十分に気化した未燃の炭化水素(HC)を含んだ還元雰囲気が形成されることを必要としている。
以上に説明した排気浄化触媒55の下流側には、排気管56を介して酸化触媒58が設けられている。酸化触媒58は、排気浄化触媒55を通過した排出ガスに含まれている炭化水素や一酸化炭素を、酸化して浄化する。酸化触媒で浄化された排出ガスは、外気に放出されることとなる。
なお、「排気通路」とは、気筒から排出された排出ガスが、排気浄化触媒55に流入するまでに通過する流路を意味している。本実施例において、排気通路には、排気マニホールド52内に形成されたマニホールド通路50a(ブランチ部51,合流部50c)に加えて、シリンダヘッド20の排気ポート26、タービン64内の流路、排気管54に形成された通路50e、及び排気浄化触媒55内の通路が含まれている。
また、ディーゼル機関10には、気筒から排出された排出ガスの一部を、排気通路から取り入れて吸気通路に流す、いわゆる排出ガス再循環装置70(以下、EGR装置と記す)が設けられている。EGR装置70は、排気通路と吸気通路を連通させるEGR通路と、EGR通路を流れる排出ガス(以下、EGRガスと記す)の流量を調整するEGR弁77と、EGRガスを冷却するEGRクーラ74とを有しており、以下に詳細を説明する。
上述した排気マニホールド52には、EGRガスの取入口71が設けられており、取入口71には、EGR配管72が接続されている。EGR配管72のうち、EGRガスの流動方向の下流側(以下、単に「下流側」と記す)には、EGRクーラ74が接続されている。EGRクーラ74は、熱交換器で構成されており、流入したEGRガスを冷却することが可能となっている。EGRクーラ74の下流側には、EGR配管76が接続されている。
EGR配管76の下流側の端には、EGR弁77が配設されている。EGR弁77は、電磁式のバルブで構成されている。EGR弁77の下流側には、EGR配管78が接続されている。EGR配管78は、吸気マニホールド48に設けられたEGRガスの流出口79と、EGR弁77とを接続している。EGR弁77の開度、すなわちEGR通路を流れるEGRガスの流量は、ECU100により制御される。
なお、「EGR通路」とは、EGR配管72,76,78と、EGRクーラ74及びEGR弁77により形成され、取入口71から導入された排出ガスすなわち不活性ガスが、流出口79に至るまでに通過する流路を意味している。本実施例において、EGR通路には、EGR配管72,76,78内の通路だけでなく、EGRクーラ74及びEGR弁77内に形成された通路を含んでいる。
また、ディーゼル機関10には、気筒に燃料を供給する燃料供給系の部品として、気筒ごとに設けられ、気筒内に直接燃料を噴射する燃料噴射装置80と、各燃料噴射装置80に燃料を分配する燃料レール82と、燃料レール82に燃料を圧送する高圧燃料ポンプ84が設けられている。高圧燃料ポンプ84から燃料レール82に圧送された燃料は、燃料レール82で分配されて各燃料噴射装置80に供給される。
高圧燃料ポンプ84は、ディーゼル機関10のカムシャフト(図示せず)からの機械的動力を受けて作動し、燃料タンク120からの燃料を吸入して昇圧する。高圧燃料ポンプ84は、昇圧して高圧となった燃料を、燃料配管83から燃料レール82に供給する。高圧燃料ポンプ84の作動は、ECU100により制御される。
燃料レール82は、内部に燃料を所定の燃圧で蓄圧可能に構成されている。燃料レール82は、各燃料噴射装置80に燃料を分配して供給する。燃料レール82には、高圧燃料ポンプ84から高圧(例えば、180MPa)の燃料が供給されている。
各燃料噴射装置80は、共通の燃料レール82から所定の燃圧で燃料の供給を受けている。燃料噴射装置80は、ピエゾ駆動式の燃料噴射弁で構成されており、1サイクル中に複数回の燃料噴射を行う、いわゆる多段噴射を行うことが可能なものとなっている。各サイクルにおける燃料噴射装置80の噴射期間、すなわち噴射時期及び噴射時間長さ(開弁時間)は、図示しないドライバユニットを介して、ECU100により制御される。
燃料噴射装置80からの噴射燃料は、排気燃料添加弁88に比べて高い燃圧で噴射されており、排気燃料添加弁88から噴射(添加)された燃料に比べて微粒化されている。加えて、燃料噴射装置80からの噴射燃料は、気筒内に形成された高温の雰囲気に噴射されて大部分が燃焼するため、気筒から排出される排出ガスに含まれているHCは、十分に気化している。つまり、燃料噴射装置80からの燃料は、十分に気化した状態で排気浄化触媒55に流入することができる。
また、ディーゼル機関10には、気筒内に燃料を供給する燃料噴射装置80とは別に、排気通路に燃料を添加する排気燃料添加弁88が設けられている。排気燃料添加弁88は、電磁駆動式の燃料噴射弁で構成されており、高圧燃料ポンプ84から燃料配管86を介して、所定の燃圧(例えば、1MPa)で燃料の供給を受けている。
排気燃料添加弁88は、ディーゼル機関10に複数ある気筒のうち、排気ポート26からタービン64までの排気経路が最も短い気筒の排気ポート26近傍に設けられている。排気燃料添加弁88は、排気ポート26内に露出している噴孔から合流部50cに向けて燃料を噴射することで、排気通路を流れる気筒からの排出ガスに燃料を添加することが可能となっている。
このように、排気通路に燃料を噴射する排気燃料添加弁88は、気筒内に燃料を噴射する燃料噴射装置80に比べて低い燃圧で燃料を噴射することとなる。すなわち、排気燃料添加弁88から排気通路に噴射(添加)された燃料は、燃料噴射装置80に比べて低い燃圧で噴射されているため、燃料噴射装置80から噴射された燃料に比べてあまり微粒化されていない。加えて、排気燃料添加弁88からの燃料は、気筒内に比べて低温な排気通路に添加されるため、燃料噴射装置80からの燃料に比べれば、十分に気化することが困難である。つまり、排気燃料添加弁88からの燃料は、排出ガスの温度によっては、十分に気化していない状態で、排気浄化触媒55に流入する場合がある。
以上に説明したディーゼル機関10を含む車両システム1には、給油された燃料を貯蔵する燃料タンク120内に、低圧燃料ポンプ122が設けられており、上述の高圧燃料ポンプ84に向けて燃料を圧送している。低圧燃料ポンプ122からの燃料は、燃料フィルタ124で不純物を濾過されて、高圧燃料ポンプ84に供給される。
また、車両システム1には、運転者によるアクセルペダルの操作量を検出するアクセルペダルポジションセンサ102が設けられている。アクセルペダルポジションセンサ102は、検出したアクセルペダルの操作量(以下、アクセル操作量と記す)に係る信号を、ECU100に送出している。
以上のように構成された車両システム1において、ECU100は、クランク角センサからのクランク角に係る信号と、エアフロメータからの吸入空気量(新気量)に係る信号と、アクセルペダルポジションセンサ102からのアクセル操作量に係る信号と、A/Fセンサ98から、排気浄化触媒55を通過後(酸化触媒58流入前)の排出ガス中の酸素濃度に係る信号を検出している。
これら信号に基づいて、ECU100は、各種制御変数を算出している。制御変数には、クランク軸の回転角位置(以下、クランク角と記す)、クランク軸の回転速度(以下、機関回転速度と記す)、ディーゼル機関10がクランク軸から出力している機械的動力(以下、機関負荷と記す)、アクセル操作量、吸入空気量、及び排気浄化触媒55を通過後であり、且つ酸化触媒58流入前の排出ガス中に含まれる酸素濃度などがある。
ECU100は、これら制御変数から把握されるディーゼル機関10の運転状態に基づいて、燃料噴射装置80の燃料噴射量と、スロットル弁46の開度と、及びEGR弁77の開度を決定し、それぞれ制御することが可能となっている。
ディーゼル機関10において、ECU100は、出力発生を主目的として圧縮上死点近傍において行われ、気筒内で燃料を拡散燃焼させる燃料噴射(以下、メイン噴射と記す)を、燃料噴射装置80に行わせることが可能となっている。
また、ECU100は、スモークやすす等のPMや燃焼騒音の低減を主目的として、メイン噴射に対して進角した時期(例えば、圧縮上死点前70°CA)に行われ、気筒内で燃料を予混合燃焼させる燃料噴射(以下、パイロット噴射と記す)を、燃料噴射装置80に行わせることが可能となっている。
また、ECU100は、メイン噴射により発生したPMを減少させることを主目的として、メイン噴射に対して遅角した時期、詳細には、メイン噴射後の近接した時期(例えば、メイン噴射終了後から0.7msec後)に行われ、メイン噴射により生じた拡散燃焼(後期)を活発化させる燃料噴射(以下、アフタ噴射と記す)を、燃料噴射装置80に行わせることが可能となっている。
また、ECU100は、排出ガスの昇温や、排気浄化触媒への還元雰囲気の供給を主目的として、メイン噴射に対して大きく遅角した時期(例えば、圧縮上死点後40°CA)に行われ、気筒からの排出ガス中に含まれるHCを増大させる燃料噴射(以下、ポスト噴射と記す)を、燃料噴射装置80に行わせることが可能となっている。
また、ECU100は、燃料噴射装置80を制御して、パイロット噴射及びメイン噴射を行わせることで、吸入空気量に対して理論空燃比分の燃料量を、気筒内に供給して燃焼させることができる。気筒内における理論空燃比での燃焼を、以下、「ストイキ燃焼」と記し、気筒内においてストイキ燃焼を行うために、ECU100が実行する燃料噴射装置80の制御を「ストイキ燃焼制御」と記す。ストイキ燃焼を行うことで、気筒内に流入した空気中の酸素は、ほぼ全てが燃料との酸化反応に用いられることとなり、気筒内の既燃ガスに酸素をほとんど含まない状態を作り出すことが可能となっている。
さらに、ECU100は、上述のストイキ燃焼を行わせた後、メイン噴射に対して遅角した時期(クランク角)において、燃料噴射装置80にポスト噴射を行わせて、酸素をほとんど含まない既燃ガスに燃料を供給することで、気筒からの排出ガス中に、還元剤としての未燃の炭化水素(HC)を含ませて、十分に気化された状態で排気浄化触媒に供給することが可能となっている。
このようにして、ECU100は、メイン噴射と、メイン噴射に対して進角した時期において行われる燃料噴射、例えばパイロット噴射を燃料噴射装置80に行わせることで、気筒内に理論空燃比分の燃料を供給して、ディーゼル機関10にストイキ燃焼を行わせて、気筒内に酸素をほとんど含まない状態を作り出すことが可能となっている。
さらに、ECU100は、メイン噴射に対して遅角した時期において行われる燃料噴射、例えばポスト噴射を燃料噴射装置80に行わせることで、気筒内の酸素をほとんど含まない燃焼ガスに燃料を供給して、還元剤としてのHCを、十分に気化させた状態で排気浄化触媒に供給することが可能となっている。このように、ディーゼル機関10においては、ECU100が燃料噴射装置80を制御することで、排気浄化触媒55において、瞬間的に、極短時間(例えば、約200msec位の時間長さ)の還元雰囲気を形成することが可能となっている。
また、ECU100は、排気燃料添加弁88を制御して、排気通路に燃料を添加(噴射)することで、気筒からの排出ガス中に燃料を供給し、還元剤としてのHCを、気化させた状態で排気浄化触媒に供給することが可能となっている。このように、ディーゼル機関10においては、ECU100が排気燃料添加弁88を制御することで、燃料噴射装置80と同様に、排気浄化触媒において、瞬間的に還元雰囲気を形成することが可能となっている。
このように、ECU100は、燃料噴射装置80及び排気燃料添加弁88を制御することで、燃料噴射装置80からの燃料、又は排気燃料添加弁88からの燃料により、還元剤の供給を必要とする排気浄化触媒55(NOx吸蔵還元型触媒55a及びDPNR触媒システム55c)において、瞬間的に還元雰囲気を形成することが可能となっている。このような還元雰囲気が与えられることで、排気浄化触媒55に吸蔵された窒素酸化物を窒素に還元することができる。このように、排気浄化触媒55において還元雰囲気を形成するために、ECU100が実行する、燃料噴射装置80及び排気燃料添加弁88の制御を、以下の説明において「リッチスパイク制御」と記す。
ところで、燃料タンク120には、鉱物資源である原油を分留して作られたディーゼル燃料(以下、軽油と記す)だけでなく、生物由来の有機性資源(例えば、植物油)を原料として作られたディーゼル燃料(以下、バイオ燃料と記す)が、所定の濃度で混合されて給油されることがある。なお、「バイオ燃料」は、菜種油やパーム油等の植物油を、メタノール等と反応させてエステル化した脂肪酸メチルエステル(FAME)等で構成されている。
バイオ燃料は、軽油に比べて高沸点成分を多く含んでおり、気化しにくいという特徴を有している。また、バイオ燃料は、軽油に比べて動粘度が高いため、排気燃料添加弁88から噴射された燃料が微粒化しにくい。また、バイオ燃料は、軽油とは異なり、燃料を構成する分子中に酸素(含酸素化合物)を含んでいるため、この酸素により燃料の燃焼が促進され、すす等の粒子状物質(PM)の排出量が減少するという特徴がある。
このため、気筒内に直接、燃料を噴射可能な燃料噴射装置80に加え、排気通路のうち排気浄化触媒55より上流側から燃料を添加可能な排気燃料添加弁88を備えたディーゼル機関10においては、軽油とバイオ燃料が混合された燃料(混合燃料)が用いられた場合、気筒から排出される排出ガス中に含まれる「すす」の量や、排気燃料添加弁88により燃料添加を行った場合において排気浄化触媒55を通過した後の排出ガスに含まれる「すす」の量は、バイオ燃料の濃度(以下、バイオ燃料濃度と記す)に応じて変化することとなる。以下に、図2を用いて説明する。
図2は、燃料として軽油のみが用いられた場合(0%)を基準とする、バイオ燃料濃度の変化による「すす」の増減率を示す図である。図2において、「●」は、気筒から排出された排出ガス、すなわち排気浄化触媒に流入する前の排出ガス中に含まれる「すす」の増減率を示しており、「◇」は、排気燃料添加弁88により燃料添加を行った場合における、排気浄化触媒55を通過した後の排出ガスに含まれる「すす」の増減率を示している。なお、図2において、バイオ燃料には、菜種油をメタノールと反応させてエステル化した菜種油メチルエステルと所定の性状の軽油との混合燃料が用いられており、混合燃料中における菜種油メチルエステルの濃度を、図にバイオ燃料濃度と記している。
図2において、バイオ燃料濃度がゼロである、すなわち燃料として所定の軽油のみが用いられた場合における、すすの量を0%で示している。バイオ燃料濃度が、ゼロから30%に増大すると、バイオ燃料濃度が高くなるに従って、排気浄化触媒55に流入する前、排気浄化触媒55を通過した後の双方ともに、排出ガス中のすす量が減少する。これは、バイオ燃料濃度が高くなるに従って、燃料が微粒化及び気化しにくくなるものの、燃料中の含酸素化合物の濃度が高くなることで燃料の燃焼(酸化)が促進されて、排出ガス中に含まれるすすの量が減少するためと考えられる。特に、バイオ燃料濃度が30%の場合、排気燃料添加弁88により燃料添加を行った場合における、排気浄化触媒55通過後の排出ガス中に含まれるすすの量は、燃料として軽油のみを用いた場合(0%)に比べて、マイナス40%と大きく減少している。
そして、バイオ燃料濃度が30%から100%に増大すると、排気燃料添加弁88により燃料添加を行った場合における、排気浄化触媒55通過後の排出ガス中に含まれるすすの量は、燃料として軽油のみを用いた場合(0%)に比べて大きく増大して、増減率は170%となる。これは、バイオ燃料濃度が30%から高くなるに従って、燃料中の含酸素成分の濃度が高くなることによる燃焼促進効果を、排気燃料添加弁88からの燃料の微粒化及び気化が悪化する影響が上回ることとなり、排出ガス中に含まれるすすの量が増大するためと考えられる。
これに対して、気筒から排出され、排気浄化触媒流入前の排出ガス中に含まれる「すす」の量、すなわち排気燃料添加弁88による燃料添加の影響を受けていない排出ガス中のすすの量は、バイオ燃料濃度が30%から100%に増大しても、さらに減少しており、バイオ燃料濃度が100%の場合においても、燃料として軽油のみを用いた場合(0%)に比べて、増減率は−60%と減少している。これは、バイオ燃料濃度の増大により、燃料としては微粒化及び気化がしにくくても、燃料噴射装置80からの燃料は、気筒内に形成された高温の雰囲気に噴射されて大部分が燃焼して気筒から排出されるため、気筒からの排出ガスに含まれているHCは十分に気化すると共に、燃料中の酸素(含酸素化合物)により燃焼が促進されるため、気筒からの排出ガス中に含まれるすすの量が減少するものと考えられる。
以上のように、排気燃料添加弁88による燃料添加を行うと、バイオ燃料濃度が所定値より高い場合には排気浄化触媒55通過後の排出ガス中に含まれるすすの量が増大してしまうという問題が生じる。また、気筒から排出され、排気浄化触媒55に流入する前の(排気燃料添加弁88からの添加燃料の影響を受けない)排出ガスに含まれるすすの量は、バイオ燃料濃度が増大するに従って減少する傾向があるため、バイオ燃料濃度が高い場合には、この傾向に応じて燃料噴射装置80及び排気燃料添加弁88を制御することで、すすの発生量を抑制したいという要望もある。
そこで、本実施例に係るディーゼル機関10の制御装置(ECU)では、推定されたバイオ燃料濃度が所定値を上回る場合には、排気燃料添加弁88からの燃料添加を禁止して、燃料噴射装置80からの燃料により、排気浄化触媒に還元雰囲気を形成することを特徴としており、以下に、図1、図3〜図5を用いて説明する。図3は、ECUが実行する還元雰囲気形成制御(リッチスパイク制御)のフローチャートである。図4は、燃料噴射装置及び排気燃料添加弁の噴射パターンを説明する図である。図5は、ディーゼル機関の運転領域におけるストイキ燃焼可能領域を示す図である。
図1に示すように、本実施例に係るディーゼル機関10において、燃料タンク120からの燃料を高圧燃料ポンプ84に送る燃料配管126の途中には、ディーゼル機関10に供給される燃料のバイオ燃料濃度を検出又は推定するバイオ燃料濃度センサ128が設けられている。
バイオ燃料濃度センサ128は、光学式のセンサであり、燃料における特定の波長帯の光の吸収率を計測する。赤外線に近い特定の波長帯の光の吸収率と、酸素を含んだ炭化水素(脂肪酸)の濃度との間には、相関関係があることが知られており、これを利用して、計測された光の吸収率からバイオ燃料濃度を推定することが可能となっている。バイオ燃料濃度センサ128は、検出したバイオ燃料濃度に係る信号をECU100に送出している。なお、バイオ燃料濃度センサ128は、燃料タンク120内に設けられるものとしても良い。
ECU100は、バイオ燃料濃度センサ128からのバイオ燃料濃度に係る信号を検出し、この信号に基づいてバイオ燃料濃度を推定して、制御変数として取得する。つまり、ECU100は、ディーゼル機関10に供給される燃料中のバイオ燃料濃度を推定する機能(バイオ燃料濃度推定手段)を有している。
なお、バイオ燃料濃度を推定する手法は、上述のように、バイオ燃料濃度センサ128が、ディーゼル機関10に供給される燃料から、直接、バイオ燃料濃度に係る燃料性状情報を検出して、ECU100がバイオ燃料濃度を推定する手法に限定されるものではない。例えば、ディーゼル機関10の所定の運転状態において、燃料として軽油のみが用いられた場合と同様に、燃料噴射装置80等の燃料供給系部品を作動させ、このとき、A/Fセンサ98から検出された排気通路における排出ガス中の酸素濃度、すなわち排気通路における空燃比の挙動(時間変化)を、ECU100が把握する共に、予め適合実験等により求められた、燃料として軽油のみが用いられた場合における空燃比の挙動と比較することで、バイオ燃料濃度を推定することができる。
以上のように構成された車両システム1において、ECU100は、還元剤の供給を必要とする排気浄化触媒55において、瞬間的に還元雰囲気を形成するため、以下の「リッチスパイク制御」を実行する。リッチスパイク制御は、ディーゼル機関10の作動時において、ECU100により繰り返し実行されるものである。
まず、ステップS100において、ECU100は、上述の手法により、バイオ燃料濃度を推定して制御変数として取得する。また、ECU100は、クランク角、機関回転速度、機関負荷、アクセル操作量、吸入空気量等を制御変数として取得している。これら制御変数を取得することで、ECU100は、ディーゼル機関10の運転状態を把握している。
なお、ECU100は、ストイキ燃焼を行わない通常時において、気筒内の空燃比を酸素過剰状態(例えば、空燃比30〜60)に設定して、ディーゼル機関10を作動させている。排気通路を流れる排出ガス中には、酸素が多く含まれており、排気浄化触媒55には、酸素過剰雰囲気(リーン雰囲気)が形成されている。
そして、ステップS102において、ECU100は、排気浄化触媒55において窒素酸化物の還元が必要であるか否かを判定する。詳細には、ECU100は、ディーゼル機関10の運転状態に応じて、気筒から排出される窒素酸化物の時間あたりの排出量を推定し、推定された窒素酸化物の排出量の時間積算値が、排気浄化触媒55すなわちNOx吸蔵還元型触媒55a及びDPNR触媒システム55cの窒素酸化物の吸蔵能力に応じて設定された閾値に達した場合に、排気浄化触媒55において窒素酸化物の還元が必要であると判定することができる。
なお、ディーゼル機関10の運転状態(機関回転速度及び機関負荷)と、窒素酸化物の排出量との関係を示すマップ、及び排気浄化触媒55(NOx吸蔵還元型触媒55a及びDPNR触媒システム55c)における窒素酸化物の吸蔵能力は、予め適合実験等により求められており、制御定数としてECU100のROM(図示せず)に記憶されている。ステップS102において、窒素酸化物の還元が必要ではない(No)と判定された場合、再びステップS100に戻る。
一方、ステップS102において、窒素酸化物の還元が必要である(Yes)と判定された場合、ECU100は、ディーゼル機関10の運転状態に応じて、リッチスパイクを行う際の噴射パターンを設定する(S104)。
詳細には、まず、ECU100は、目標値として、排気浄化触媒55に到達すべき還元雰囲気の空燃比と、還元雰囲気が形成される時間長さと、隣り合う還元雰囲気が形成される時間間隔と、還元雰囲気を形成する回数を設定する。つまり、排気浄化触媒55において形成されるべき還元雰囲気の目標パターンを設定している。これと共に、ECU100は、ディーゼル機関10の運転状態から現在の空燃比(以下、ベース空燃比と記す)を把握している。
ECU100は、還元雰囲気の目標パターンとベース空燃比の差分から、排気燃料添加弁88が気筒からの排出ガスに噴射すべき燃料の噴射パターン、すなわち、燃料噴射装置80が、気筒内でストイキ燃焼が行われた後に、既燃ガスに添加すべき燃料の噴射パターンを設定する。噴射パターンに係る情報には、図4に示すように、各噴射パルスPの噴射時間長さL、隣り合う噴射パルスP同士の時間間隔I、及び噴射パルスPの回数が含まれている。
そして、ステップS110において、ECU100は、制御変数として取得されたバイオ燃料濃度が、予め設定された判定濃度を上回るか否かを判定する。判定濃度は、これ上回るバイオ燃料濃度が用いられた場合に、排気燃料添加弁88から燃料添加を行うと、排気浄化触媒55通過後の排出ガス中に含まれる「すす」の量が、燃料として軽油のみが用いられた場合に比べて増大するような濃度に設定されている。判定濃度は、例えば、80%に設定されている。判定濃度は、予め適合実験等により求められており、制御定数としてECU100のROMに記憶されている。
ステップS110において、バイオ燃料濃度が判定濃度以下である(No)と判定された場合、ECU100は、排気燃料添加弁88により燃料添加を行っても、排気浄化触媒55通過後の排出ガス中に含まれる「すす」の量が、燃料として軽油のみが用いられた場合に比べて増大しないものと判断して、ステップS114に進む。
ステップS114において、ECU100は、上述の噴射パターンで燃料を噴射するよう排気燃料添加弁88を制御して、排気燃料添加弁88からの燃料により、排気浄化触媒55において還元雰囲気を形成する。つまり、排気燃料添加弁88により、排気浄化触媒55にリッチスパイクを与える。これにより、排気燃料添加弁88からの燃料添加により、「すす」の排出量を増大させることなく、排気浄化触媒55に吸蔵されていた窒素酸化物を還元することができる。
一方、ステップS110において、バイオ燃料濃度が判定濃度を上回る(Yes)と判定された場合、ECU100は、排気燃料添加弁88により燃料添加を行うと、排気浄化触媒55通過後の排出ガス中に含まれる「すす」の量が増大するものと判断し、排気燃料添加弁88による燃料添加を禁止すると共に、排気燃料添加弁88からの燃料に替えて、燃料噴射装置80からの燃料により排気燃料添加弁88において還元雰囲気を形成すると判断して、ステップS120に進む。
ステップS120において、ECU100は、ディーゼル機関10の運転状態に応じて、気筒内においてストイキ燃焼が可能であるか否かを判定する。具体的には、ディーゼル機関10の機関回転速度及び機関負荷が、気筒内においてストイキ燃焼を行うことが可能な運転領域(以下、ストイキ燃焼可能領域と記す)にあるか否かを判定する。
「ストイキ燃焼可能領域」とは、ディーゼル機関10において、燃料噴射装置80が、バイオ燃料濃度が上述の判定濃度を上回る燃料であり、且つ吸入空気量に対して理論空燃比分の燃料を気筒内に噴射しても、バイオ燃料中の含酸素成分の燃焼促進効果により、噴射燃料の燃焼が促進されて、すすが生じないような、ディーゼル機関10の運転領域である。図5に示すように、ストイキ燃焼可能領域(図に二点鎖線Tで囲う領域)は、ディーゼル機関10の運転領域(図に実線Aで囲う領域)のうち、機関回転速度が低回転速度側の領域であり、且つ機関負荷が低負荷側の領域に設定されている。なお、ストイキ燃焼可能領域と、それ以外の領域である「ストイキ燃焼不可領域」との境界Tは、予め適合実験等により求められており、制御定数としてECU100のROMに記憶されている。
ステップS120において、ディーゼル機関10の運転状態がストイキ燃焼不可領域にあり、気筒内においてストイキ燃焼が可能ではない(No)と判定された場合、ステップS100に戻る。
一方、ディーゼル機関10の運転状態がストイキ燃焼可能領域にあり、気筒内において、ストイキ燃焼が可能である(Yes)と判定された場合、ステップS122に進み、ストイキ燃焼を行う。具体的には、ECU100が、燃料噴射装置80を制御して、パイロット噴射及びメイン噴射を行わせることで、吸入空気量に対して理論空燃比分の燃料を、気筒内に噴射して、これを燃焼させる。これにより、気筒内に流入した吸入空気中の酸素のうち、ほぼ全てが噴射燃料との酸化反応に用いられ、気筒内の燃焼ガスに酸素をほとんど含まない状態を作り出すことができる。
そして、ステップS124において、ECU100は、上述のストイキ燃焼を行わせた後、メイン噴射に対して遅角した時期(クランク角)において、ステップS104で設定された噴射パターンに基づいて、燃料噴射装置80にポスト噴射を行わせることで、気筒内の酸素をほとんど含まない燃焼ガスに還元剤としての燃料を供給し、気筒からの排出ガス中に、気化燃料すなわち未燃の炭化水素(HC)を含ませる。高温の燃焼ガスがある気筒内に、燃料噴射装置80が燃料を供給することで、バイオ燃料濃度が判定濃度を上回る燃料であっても、気筒内において十分に気化した状態の炭化水素にして、排気浄化触媒55に供給する。このようにして、燃料噴射装置80からの燃料により、排気浄化触媒55において、十分に気化したHCを含んだ還元雰囲気を形成する。これにより、バイオ燃料濃度が判定濃度を上回る燃料が用いられた場合であっても、すす等の粒子状物質の排出を抑制することができる。
以上に説明したように本実施例において、ECU100は、燃料中のバイオ燃料濃度が、予め設定された判定濃度以上であるか否かを判定する機能(バイオ燃料濃度判定手段)を備えており、バイオ燃料濃度が判定濃度を上回ると判定された場合には、排気燃料添加弁88からの燃料に替えて、燃料噴射装置80からの燃料により排気浄化触媒55において還元剤を含んだ還元雰囲気を形成するものとした。
燃料噴射装置80からの燃料は、高温の気筒内に噴射されて、気筒からの排出ガス中に含まれるため、バイオ燃料濃度が判定濃度を上回る燃料が用いられた場合であっても、すす等の粒子状物質の発生を抑制すると共に、還元剤としての燃料を十分に気化させることで、排気浄化触媒55において所望の還元雰囲気を形成することができる。
また、本実施例において、ECU100は、燃料噴射装置より理論空燃比分の燃料を気筒内に噴射させて、理論空燃比での燃焼であるストイキ燃焼を行わせる機能(ストイキ燃焼制御手段)を備えており、ストイキ燃焼を行った後に、燃料噴射装置80に燃料噴射を行わせて、排気浄化触媒に還元雰囲気を形成するものとした。
ストイキ燃焼により気筒内に酸素をほとんど含まない状態を作り出してから、還元剤としての燃料を気筒内に供給するため、燃料噴射装置80からの燃料により、排気浄化触媒55において、より確実に所定のパターンの還元雰囲気を形成することができる。ストイキ燃焼を行った後の燃料噴射によりトルク変動を生じさせることなく、排気浄化触媒55に所望の還元雰囲気を形成することができる。なお、判定濃度を上回るバイオ燃料濃度の燃料が用いられているため、気筒内においてストイキ燃焼をおこなっても、燃料として軽油のみが用いられた場合とは異なり、燃料中の含酸素成分により、噴射燃料の燃焼が促進されて、すす等の粒子状物質の発生が増大することがない。
また、本実施例において、ストイキ燃焼制御手段は、メイン噴射、及びメイン噴射に対して進角した時期における燃料噴射を燃料噴射装置80に行わせて、理論空燃比分の燃料を気筒内に供給するものであり、さらに、メイン噴射に対して遅角した時期において、燃料噴射(ポスト噴射)を燃料噴射装置80に行わせて、排気浄化触媒55に還元雰囲気を形成するものとした。ポスト噴射における燃料噴射量をなるべく少量にすることができ、メイン噴射に対して遅角した時期に噴射された燃料がシリンダボアの壁面に付着しているオイルを希釈してしまうことを抑制しつつ、排気浄化触媒55において所望の還元雰囲気を形成することができる。
なお、本実施例において、ディーゼル機関10は、排気浄化触媒55として、NOx吸蔵還元型触媒55aと、DPNR触媒システム55cを備えたものとしたが、本発明が適用可能なディーゼル機関の排気浄化触媒は、これに限定されるものではない。還元剤の供給を必要とする排気浄化触媒を備えたディーゼル機関であれば適用することができ、例えば、NOx吸蔵還元型触媒とDPNR触媒システムのうちいずれか一方を備えたディーゼル機関にも本発明を適用することができる。
なお、本実施例において、ディーゼル機関は、EGR装置やターボ過給機を備えるものとしたが、本発明を適用可能なディーゼル機関の構成は、この態様に限定されるものではない。還元剤の供給を要する排気浄化触媒と、当該排気浄化触媒より上流側の排気通路から燃料を噴射可能な排気燃料添加弁とを備えたディーゼル機関であれば本発明を適用することができる。
以上のように、本発明に係るディーゼル機関の制御装置は、還元剤の供給を必要とする排気浄化触媒を備えたディーゼル機関に適している。
実施例に係るディーゼル機関を含む車両システムの概略構成を示す模式図である。 燃料として軽油のみが用いられた場合(0%)を基準とする、バイオ燃料濃度の変化による「すす」の増減率を示す図である。 実施例に係るディーゼル機関の制御装置(ECU)が実行する還元雰囲気形成制御(リッチスパイク制御)のフローチャートである。 燃料噴射装置及び排気燃料添加弁の噴射パターンを説明する図である。 実施例に係るディーゼル機関の運転領域におけるストイキ燃焼可能領域を示す図である。
符号の説明
1 車両システム
10 ディーゼル機関
24 吸気ポート(吸気通路)
26 排気ポート(排気通路)
42 エアクリーナ
46 スロットル弁
48 吸気マニホールド
50a マニホールド通路(排気通路)
50c 合流部(排気通路)
50e 通路(排気通路)
52 排気マニホールド
55 排気浄化触媒
55a NOx吸蔵還元型触媒(排気浄化触媒)
55c DPNR触媒システム(排気浄化触媒)
60 ターボ過給機
80 燃料噴射装置(燃料噴射弁)
82 燃料レール
84 高圧燃料ポンプ
88 排気燃料添加弁
98 A/Fセンサ
100 ディーゼル機関用の電子制御装置(ECU)
102 アクセルペダルポジションセンサ
120 燃料タンク
122 低圧燃料ポンプ
128 バイオ燃料濃度センサ

Claims (4)

  1. 還元剤の供給を要する排気浄化触媒と、当該排気浄化触媒より上流側の排気通路から燃料を噴射可能な排気燃料添加弁と、気筒内に燃料を噴射可能な燃料噴射装置と、を備えたディーゼル機関に用いられ、燃料噴射装置及び排気燃料添加弁を制御可能な制御装置であって、
    燃料中のバイオ燃料濃度が、予め設定された判定濃度以上であるか否かを判定するバイオ燃料濃度判定手段を備え、
    バイオ燃料濃度が判定濃度を上回ると判定された場合には、排気燃料添加弁からの燃料に替えて、燃料噴射装置からの燃料により排気浄化触媒において還元剤を含んだ還元雰囲気を形成することを特徴とするディーゼル機関の制御装置。
  2. 請求項1に記載のディーゼル機関の制御装置において、
    燃料噴射装置により理論空燃比分の燃料を気筒内に噴射させて、理論空燃比での燃焼であるストイキ燃焼を行わせるストイキ燃焼制御手段を備え、
    ストイキ燃焼を行った後に、燃料噴射装置に燃料噴射を行わせることで、排気浄化触媒に還元雰囲気を形成することを特徴とするディーゼル機関の制御装置。
  3. 請求項2に記載のディーゼル機関の制御装置において、
    ストイキ燃焼制御手段は、メイン噴射、及びメイン噴射に対して進角した時期における燃料噴射を燃料噴射装置に行わせて、理論空燃比分の燃料を気筒内に供給するものであり、
    メイン噴射に対して遅角した時期において、燃料噴射を燃料噴射装置に行わせて、排気浄化触媒に還元雰囲気を形成することを特徴とするディーゼル機関の制御装置。
  4. 請求項2又は3に記載のディーゼル機関の制御装置において、
    ディーゼル機関の運転状態が、気筒内においてストイキ燃焼を行うことが可能な運転領域であるストイキ燃料可能領域にあるか否かを判定する手段を備え、
    ストイキ燃焼可能領域は、ディーゼル機関の運転領域のうち、機関回転速度が低回転速度側の領域であり、且つ機関負荷が低負荷側の領域に設定されていることを特徴とするディーゼル機関の制御装置。
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US9567918B2 (en) 2010-05-10 2017-02-14 Go Natural Cng, Llc Bi-fuel control systems for automotive vehicles and related methods

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