JP2009023914A - 新規希土類錯体、希土類錯体蛍光体並びに該蛍光体を用いた蛍光体含有組成物、積層体、色変換フィルム、発光装置、照明装置及び画像表示装置 - Google Patents

新規希土類錯体、希土類錯体蛍光体並びに該蛍光体を用いた蛍光体含有組成物、積層体、色変換フィルム、発光装置、照明装置及び画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】光や酸素に対する耐久性が高く、青色又は近紫外光により励起される希土類錯体蛍光体を提供する。
【解決の手段】希土類蛍光体に下記式のいずれかで表される配位子を有せしめる。
Figure 2009023914

1〜R3は1価の置換基を示し、これらのうち少なくとも1つが−X−Aで表される。R4、R5、R4’及びR5’は1価の置換基を示し、これらのうち少なくとも1つが−X−Aで表される基である。R6は2価の連結基を示す。Xは直接結合又は2価の連結基を示し、Aはヘテロ環基であり、該へテロ環基を構成するヘテロ環化合物の分子軌道計算によって求められる最高被占軌道の分子軌道エネルギーがベンゼン環よりも大きい。
【選択図】なし

Description

本発明は、有機及び無機の発光ダイオードに代表される、波長200nm〜450nmといった近紫外〜可視光の範囲に発光極大を有する光源を用いて励起させることにより、可視光発光が可能な新規な希土類錯体、該希土類錯体からなる有機蛍光体、並びに、該蛍光体を用いた蛍光体含有組成物、積層体、色変換フィルム、発光装置、照明装置及び画像表示装置に関する。
希土類錯体蛍光体は、金属中心の多重項遷移から生じる非常にシャープな狭帯域発光を示すため、例えば、蛍光プローブ、エレクトロニクス材料、レーザー用色素、バイオイメージング、センサー、照明などの発光部材として期待されている。
狭帯域発光材料としては無機蛍光体も知られているが、希土類錯体蛍光体のような有機蛍光体は無機蛍光体に比べて製造コストが抑えられる上、励起光の吸収効率が高く、励起光を外に逃がしにくいという利点がある。さらに、有機蛍光体は有機溶剤への溶解性、媒体への分散性など利点も多い。
希土類錯体蛍光体に関しては、1970年代にはシフト試薬として、1985年以降は蛍光プローブ用途として、それぞれ数多くの研究がなされてきた。なかでも、ジケトン系配位子とホスフィンオキサイド配位子とからなるユウロピウム錯体(例示物1)は、発光効率も高く、有機電界発光素子(有機EL)用途や近紫外励起用発光色素として注目を集めている(特許文献1参照)。なお、下記構造式において、Phはフェニル基を表わす。
Figure 2009023914
また、配位子を多座配位子にすることも考えられており、これまでに、2つのホスフィンオキサイドを連結し二座配位子化する検討(例示物2,3)が数多くなされている(非特許文献1及び特許文献2〜4参照)。なお、下記構造式においてt−Buはt−ブチル基を表わす。
Figure 2009023914
特開2004−179296号公報 特開2002−124383号公報 特開2005−015564号公報 特開2004−179296号公報 H. Xu, L.-H. Wang, X.-H. Zhu, K. Yin, G.-Y. Zhong, X.-Y. Hou and W. Huang, J. Phys. Chem. B, 110, 3023 (2006).
しかしながら、上記例示物1のような希土類錯体蛍光体は、光や酸素に対する耐久性の点で、実用化には不十分であった。
また、上記例示物2及び例示物3のような希土類錯体蛍光体は、リン上の置換基同士の立体反発の影響で、二座配位した場合の歪みが大きくなる。このため、これらは励起エネルギーを振動失活しやすく、発光効率の低下を生じることがあった。さらに、配位子が外れやすくなるため、耐久性の向上にはさらなる改良が望まれていた。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、半導体発光素子のような近紫外〜可視の領域に発光極大を有する光源を用いて励起させた場合に、耐久性が高く、高輝度な希土類錯体及び希土類錯体蛍光体を得て、これにより、耐久性の高い高輝度な発光を得ることができる蛍光体含有組成物、積層体、色変換フィルム、発光装置、照明装置及び画像表示装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定構造を有する配位子を用いた希土類錯体が、近紫外〜可視の領域に発光極大を有する光源を用いて励起させることにより高輝度な発光を示し、かつ非常に高い耐久性を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の要旨は、下記式(1)又は(2)のいずれかで表される配位子を有することを特徴とする、希土類錯体に存する(請求項1)。
Figure 2009023914
(式(1)中、R1〜R3は、それぞれ独立して、1価の置換基を示し、かつ、これらのうち少なくとも1つが−X−Aで表される基である。
式(2)中、R4、R5、R4’及びR5’は、それぞれ独立して、1価の置換基を示し、かつ、これらのうち少なくとも1つが−X−Aで表される基であり、R6は2価の連結基を示す。
ここで、Xは直接結合又は2価の連結基を示し、Aはヘテロ環基であり、かつ、該へテロ環基を構成するヘテロ環化合物の分子軌道計算によって求められる最高被占軌道の分子軌道エネルギーがベンゼン環よりも大きいものを示す。)
このとき、前記のXが直接結合であることが好ましい(請求項2)。
また、希土類錯体を構成する希土類金属元素が、Eu、Tb、Tm及びCeからなる群より選ばれる元素であることが好ましい(請求項3)。
さらに、本発明の希土類錯体は、下記式(3)又は(4)で表されるアニオン性配位子を有することが好ましい(請求項4)。
Figure 2009023914
(式(3)中、R7及びR9は、それぞれ独立して、パーフルオロアルキル基、電子吸引性基を有する芳香族炭化水素基、又は、置換基を有していても良い複素環基を示し、R8は、水素原子、重水素原子、アルキル基、置換基を有しても良い芳香族炭化水素基、又は、置換基を有しても良い複素環基を示し、式(4)中、R10は、電子吸引性置換基を有する芳香族炭化水素基、又は、置換基を有しても良い複素環基を示す。)
本発明の別の要旨は、上記式(1)又は(2)のいずれかで表される配位子を有する希土類錯体蛍光体に存する(請求項5)。
本発明の更に別の要旨は、本発明の希土類錯体蛍光体と、液体媒体とを含有することを特徴とする蛍光体含有組成物に存する(請求項6)。
本発明の更に別の要旨は、本発明の希土類錯体蛍光体を含有する蛍光体含有層を有することを特徴とする積層体に存する(請求項7)。
本発明の更に別の要旨は、本発明の希土類錯体蛍光体を含有することを特徴とする色変換フィルムに存する(請求項8)。
本発明の更に別の要旨は、第1の発光体と、該第1の発光体からの光の照射によって可視光を発する第2の発光体とを備え、前記第2の発光体が、本発明の希土類錯体蛍光体を1種以上、第1の蛍光体として含有することを特徴とする発光装置に存する(請求項9)。
このとき、該第2の発光体が、該第1の蛍光体とは発光ピーク波長の異なる蛍光体を1種以上、第2の蛍光体として含有することが好ましい(請求項10)。
本発明の更に別の要旨は、本発明の発光装置を備えることを特徴とする照明装置に存する(請求項11)。
本発明の更に別の要旨は、本発明の発光装置を備えることを特徴とする画像表示装置に存する(請求項12)。
本発明の希土類錯体及び希土類錯体蛍光体は、近紫外〜可視の領域に発光極大を有する光源を用いて励起させた場合に、耐久性が高く、且つ、高輝度に発光できる。
また、本発明の蛍光体含有組成物、積層体、色変換フィルム、発光装置、照明装置及び画像表示装置は、耐久性が高く、且つ、高輝度に発光が可能である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で、任意に変更して実施することができる。
[1.希土類錯体]
本発明の希土類錯体は、希土類金属を中心金属として有する錯体であって、下記式(1)又は(2)のいずれかで表される配位子を有するものである。
Figure 2009023914
(式(1)中、R1〜R3は、それぞれ独立して、1価の置換基を示し、かつ、これらのうち少なくとも1つが−X−Aで表される基である。式(2)中、R4、R5、R4’及びR5’は、それぞれ独立して、1価の置換基を示し、かつ、これらのうち少なくとも1つが−X−Aで表される基であり、R6は2価の連結基を示す。ここで、Xは直接結合又は2価の連結基を示し、Aはヘテロ環基であり、かつ、Aを構成するヘテロ環化合物の分子軌道計算によって求められる最高被占軌道の分子軌道エネルギーがベンゼン環よりも大きいものを示す。)
[1−1.中心金属]
本発明の希土類錯体を構成する中心金属元素としては、希土類金属元素であれば特に限定されない。その具体例を挙げると、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Er、Tm、Yb及びLuなどが挙げられる。
このうち好ましくは3価の金属元素であり、より好ましくはCe、Eu、Tb、Er及びTmであり、さらに好ましくはEu、Tb、Tm及びCeである。
なお、本発明の希土類錯体は、その組成比は変わらずに、二核錯体もとりうる。
[1−2.配位子]
本発明の希土類錯体は、配位子として、中性の配位子(以下適宜「中性配位子」という)とアニオン性の配位子(以下適宜「アニオン性配位子」という)とを有する。上記のように、本発明の希土類錯体は上記式(1)又は(2)のいずれかで表される配位子を有するが、これらの上記式(1)又は(2)のいずれかで表される配位子は、通常、中性配位子となっている。
[1−2−1.中性配位子]
中性配位子の数は、中心金属元素の配位数と価数、及び、アニオン性配位子の種類に応じて決定されるものであるが、通常、1〜5個である。ただし、本発明の希土類錯体は、中性配位子として、上記式(1)又は(2)のいずれかで表される配位子を少なくとも1個有する。具体的には、本発明の希土類錯体は、中心金属元素が3価金属である場合、通常、上記式(1)で表される配位子を2個、又は、式(2)で表される配位子を1個、中性配位子として有する。
[1−2−1−1.式(1)で表される配位子]
上記式(1)において、R1〜R3は、それぞれ独立して、1価の置換基を示す。ただし、R1〜R3のうち少なくとも1つは、−X−Aで表される基である。
ここで、Xは、直接結合又は2価の連結基を示す。2価の連結基に制限は無いが、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基等の、直鎖状、分岐鎖状若しくは環状の飽和脂肪族炭化水素の2価基;ビニレン基、プロペニレン基、シクロヘキサジエニレン基等の、直鎖状、分岐鎖状若しくは環状の不飽和脂肪族炭化水素の2価基;フェニレン基、ナフチレン基等の、芳香族炭化水素の2価基;ベンジレン基、ビフェニレン基等の、前記の2価基を複数組み合わせた2価基などが挙げられる。
このうち、Xとしては、好ましくは直接結合、又は、リン原子とAとの間を結ぶ炭素の数(以下適宜「連結炭素数」という)が6個以下となる基が挙げられ、より好ましくは前記連結炭素数が3個以下となる基が挙げられ、さらに好ましくは前記連結炭素数が2個以下となる基が挙げられ、特に好ましくは前記連結炭素数が1個以下となる基が挙げられ、その中でも、直接結合が最も好ましい。
また、上記の2価基は、本発明の希土類錯体の安定性に悪影響を与えない範囲で任意に置換されていても良い。前記置換基の具体例を挙げると、炭化水素基及びフッ化炭化水素基が挙げられる。このうち好ましくは、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基等の炭素数1〜6のものが挙げられる。なお、前記置換基は、1種のみが置換していてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で置換していてもよい。また、置換基の数は1でも良く、2以上でもよい。
前記のAはヘテロ環基を示す。ただし、Aは、前記ヘテロ環基を構成するヘテロ環化合物(即ち、前記ヘテロ環基の結合手に水素原子を結合させた構造を有する化合物)の分子軌道計算によって求められる最高被占軌道(HOMO)の分子軌道エネルギー値がベンゼン環よりも大きいものである。
該分子軌道計算方法としては、ab initio MO法、MP3法、HF/6−31G法等の公知の方法を任意に使用可能であるが、好ましくはab initio MO法が挙げられる。
該へテロ環化合物のHOMOの分子軌道エネルギー値は、通常−9.3eV以下、好ましくは−9.4eV以下、より好ましくは−9.5eV以下、特に好ましくは−9.6eV以下であり、また、下限としては、通常−15eV以上、好ましくは−12eV以上である。前記分子軌道エネルギー値が高すぎると光酸化による分解を受ける可能性があり、低すぎると金属へのエネルギー移動が起きにくくなる可能性がある。
該ヘテロ環基の具体例としては、ピリジル基、キノキサリニル基、イソキノリル基、キノリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基等の含窒素6員環基もしくは6員環で構成される縮合多環基;電子吸引性置換基を有する、ピラゾリル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、フリル基、チエニル基等の5員へテロ環基;ベンゾチエニル基、ジベンゾチエニル基、ジベンゾフラニル基、フェノキサチイニル基等の縮合環を有する5員へテロ環基などが挙げられる。また、上記電子吸引性置換基のうち好ましいものの例を挙げると、ハロゲン原子、ハロアルキル基、ハロアリール基、ピリジル基、ニトロ基、シアノ基、カルボニル基、カルボキシル基、アミド基などが挙げられ、中でもより好ましくはフッ素原子、フッ化アルキル基及びフッ化アリール基が挙げられ、更に好ましくはフッ素原子及びトリフルオロメチル基が挙げられる。
上記−X−Aで表される基のうち、好ましい具体例としては、下記に記載した基が挙げられる。なお、Meはメチル基を示す。
Figure 2009023914
なお、上述したA及びX、並びに、−X−Aは、それぞれ1種のみで用いても良く、2種以上を任意の組合せ及び比率で併用してもよい。
また、Aの結合位置(即ち、ヘテロ環基における結合手の位置)としては、そのヘテロ原子がXと結合している炭素のα位となっていることが好ましい。金属への配位による錯安定効果が期待されるためである。
1〜R3のうち、−X−Aで表される基以外の1価の置換基としては、希土類錯体に悪影響を与えない基であれば特に限定されない。その具体例を挙げると、置換されていても良い、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基等の、炭素数1〜20の直鎖、分岐鎖若しくは環状の飽和脂肪族炭化水素基;置換されていても良い、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基等の、炭素数2〜20の直鎖、分岐鎖若しくは環状の不飽和脂肪族炭化水素基;置換されていても良い、フェニル基及びナフチル基等の、炭素数6〜30の芳香族炭化水素基;置換されていても良い、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等の、炭素数1〜20のアルコキシ基などが挙げられる。このうち好ましくは芳香族炭化水素基である。
また、これらの置換基の種類及びその炭素数は本発明の希土類錯体の溶解性に影響を与えるため、本発明の希土類錯体を用いる用途・態様によって好ましい範囲が異なるが、その脂溶性及び分散性の観点から、炭素数6以上の脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基が好ましい。さらに、これらの脂肪族炭化水素基としては分岐を有するものがより好ましく、また、炭素数は8以上のものがより好ましい。
上記の飽和脂肪族炭化水素基、不飽和脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基及びアルコキシ基の置換基は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。その具体例を挙げると、ハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリール基、ハロアリール基、ニトロ基、シアノ基、カルボニル基、カルボキシル基、アミド基などが挙げられる。このうちフッ素原子、アルキル基、フッ化アルキル基、アリール基、フッ化アリール基などが好ましく、フッ素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のフッ化アルキル基、フェニル基、フッ化フェニル基などがより好ましく、フッ素原子及びトリフルオロメチル基が特に好ましい。なお、これらの置換基は1種のみが置換していても良く、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で置換していてもよい。また、置換基の数は1でも2以上でもよい。さらに、前記置換基が複数存在する場合には、2つ以上の置換基が互いに結合して1つの基を形成していても良い。
上記R1〜R3は、それぞれ同一でも異なっていても良いが、これらのうち少なくとも2つが同じ基であることが好ましい。また、2つが同じ1価の置換基であり、残りの1つが−X−Aで表される基であることが、合成上の観点からは簡便で好ましい。また、R1〜R3のうち2個以上が、互いに結合して環を形成していても良い。
上記式(1)で表される配位子の分子量は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常100以上、好ましくは150以上、より好ましくは200以上であり、また、通常1000以下、好ましくは800以下、より好ましくは700以下である。分子量が小さすぎると耐熱性が下がる可能性があり、大きすぎると精製が難しくなる可能性がある。
上記式(1)で表される配位子のうち、好ましいものの例を挙げると、以下のものが挙げられる。
Figure 2009023914
Figure 2009023914
Figure 2009023914
[1−2−1−2.式(2)で表される配位子]
式(2)中、R4、R5、R4’及びR5’は、それぞれ独立して、1価の置換基を示す。ただし、R4、R5、R4’及びR5’のうち少なくとも1つは、−X−Aで表される基である。ここで、−X−A、及び、−X−A以外の1価の置換基としては、上述の式(1)におけるR1〜R3の説明の項で記載したのと同様の基が挙げられる。
上記R4、R5、R4’及びR5’は、それぞれ同一でも異なっていても良いが、これらのうち少なくともR4とR5とが同じ基であるか、又は、R4’とR5’とが同じ基であることが好ましく、R4、R5、R4’及びR5’がすべて同じ基であることがより好ましい。また、R4とR5と、又は、R4’とR5’とが、結合して環を形成していても良い。
6は2価の連結基を示す。具体的には、上記Xの説明の項で記載した2価の連結基と同様の基が挙げられる。
上記式(2)で表される化合物の分子量は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常200以上、好ましくは300以上、より好ましくは400以上であり、また、通常2000以下、好ましくは1600以下、より好ましくは1400以下である。分子量が小さすぎると耐熱性が下がる可能性があり、大きすぎると精製が難しくなる可能性がある。
上記式(2)で表される配位子のうち、好ましいものの例を挙げると、以下のものが挙げられる。
Figure 2009023914
[1−2−1−3.式(1)又は(2)で表される配位子の製造方法]
上記式(1)又は(2)で表される配位子は、公知の方法に準じて任意に製造可能である。
中でも、式(1)で表される配位子の製造方法のうち好ましい例としては、下記式(a)〜(c)として記載した合成ルートが挙げられる。なお、下記式(a)はR1、R2及びR3がいずれも同種の基Rである場合の製造方法の例である。また、下記式(b)はR1、R2及びR3のうち2つが同種の基Rであり、1つが別の基R’である場合の製造方法の例である。さらに、下記式(c)はR1、R2及びR3のうち1つが基Rであり、2つが別の基R’である場合の製造方法の例である。また、下記式(a)〜(c)、並びに、後述する式(d)〜(g)において、Mは金属原子を表す。
Figure 2009023914
即ち、R1〜R3の置換基に相当する化合物のハロゲン化物R−X’をブチルリチウム等のアルキルリチウム又はグリニャール試薬と反応させて金属化合物R−Mを調製し、これと各種ハロゲン化ホスフィン(式(a)ではPCl3、式(b)ではR’PCl2、式(c)ではR’2PCl)とを反応させることにより各種ホスフィン化合物(式(a)ではPR3、式(b)ではPR2R’、式(c)ではPRR’2)を得、引き続いて過酸化水素などの酸化剤と反応させることにより配位子(式(a)ではPR3O、式(b)ではPR2R’O、式(c)ではPRR’2O)を得る方法が挙げられる。
具体的な操作及び反応条件等は目的物である配位子が得られる限り任意であるが、例えば、以下のように行うことができる。即ち、R1〜R3の置換基に相当する化合物のハロゲン化物と、脱水されたジエチルエーテルやTHFなどの有機溶剤とを混合し、不活性ガス条件下、−78℃〜0℃に冷却後、1.0〜1.2当量のアルキルリチウム類やグリニャール試薬を混合し、室温から環流条件下で1〜10時間反応させ、金属化合物を系内で調製する。そして、再度−78℃〜0℃まで冷却した後、該金属化合物に対応する量(ホスフィン中のハロゲン原子数換算で0.8〜1当量となる量)のハロゲン化ホスフィンを混合し、室温〜環流条件下で0.5〜10時間反応させることにより、中間体のホスフィン誘導体を得る。その後、反応系内から無機塩を除いた後、再結晶することによりホスフィン誘導体を精製する。このホスフィン誘導体を、例えばアセトン、エタノール、THF等の溶剤に溶かし、1〜10当量の30%過酸化水素水を0℃〜室温で混合し、室温で1〜10時間攪拌することにより、ホスフィンオキサイドを得ることができる。なお、精製は、例えば、カラムクロマトグラフィーや再結晶により精製することが出来る。
また、例えば下記式(d)に示すように、ハロゲン化ホスフィンの代わりに、二置換ホスフィン酸クロライドを用いれば、最後の酸化反応を簡略化することが可能である。
Figure 2009023914
さらに、R1〜R3が全て異なるホスフィンオキサイド化合物を配位子として製造する場合には、下記式(e)に記載するように、トリクロロホスフィンと、置換基R1〜R3それぞれに相当する金属化合物(R1−M、R2−M、R3−M)とを段階的に反応させることにより得ることが出来る。
Figure 2009023914
一方、式(2)で表される配位子の製造方法のうち好ましい例としては、下記(f)及び(g)として記載したように、出発原料であるハロゲン化物として、R6に相当する2官能性のものを用いる以外は、上記式(1)で表される化合物の製造方法に準じて製造する方法が挙げられる。
Figure 2009023914
[1−2−1−4.その他の中性配位子]
本発明の希土類錯体は、本発明の効果を著しく損なわない限り、上記式(1)又は(2)のいずれかで表される配位子以外の中性配位子を有していても良い。
しかし、本発明の効果をより有効に発揮させる観点から、中性配位子としては、上記式(1)又は(2)のいずれかで表される配位子のみを用いることが好ましい。
[1−2−2.アニオン性配位子]
アニオン性配位子の数は、中心金属元素の価数に応じて決定される。例えば、中心金属元素が3価金属である場合には、この中心金属に配位しているアニオン性配位子の価数が−3となるようにする。具体例を挙げると、前記アニオン性配位子がモノアニオン性の配位子であれば、本発明の希土類錯体は当該アニオン性配位子を3個有することとなる。
アニオン性配位子の種類は、中心金属に配位可能であれば特に限定をされず、希土類錯体の配位子として公知のものを適宜選択することができる。その例を挙げると、モノアニオン性の配位子としては、ジケトン系化合物、カルボン酸基を有する化合物、ホスホン酸基を有する化合物、スルフォン酸基を有する化合物などが挙げられる。
この中でも好ましい配位子としては、ジケトン系化合物、カルボン酸基を有する化合物又はホスホン酸基を有する化合物が挙げられ、より好ましくはジケトン系化合物又はカルボン酸基を有する化合物が挙げられ、さらに好ましくは下記式(3)又は(4)で表されるものが挙げられる。
Figure 2009023914
(式(3)中、R7及びR9は、それぞれ独立して、パーフルオロアルキル基、電子吸引性基を有する芳香族炭化水素基、又は、置換基を有していても良い複素環基を示し、R8は、水素原子、重水素原子、アルキル基、置換基を有しても良い芳香族炭化水素基、又は、置換基を有しても良い複素環基を示し、式(4)中、R10は、電子吸引性置換基を有する芳香族炭化水素基、又は、置換基を有しても良い複素環基を示す。)
上記式(3)中、R7及びR9は、それぞれ独立して、パーフルオロアルキル基、電子吸引性基を有する芳香族炭化水素基、又は、置換基を有していても良い複素環基を示す。
7及びR9を構成する基のうち、該パーフルオロアルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基等の直鎖状、分岐鎖状若しくは環状の基が挙げられる。中でも、直鎖状のものが好ましい。
また、パーフルオロアルキル基の炭素数は本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常1以上、また、通常8以下、好ましくは6以下である。
7及びR9を構成する基のうち、電子吸引性基を有する芳香族炭化水素基において、芳香族炭化水素基としては、例えば、後述の電子吸引性基を有する、フェニル基、ナフチル基、フェナントレニル基、トリフェニレン基、ビフェニレン基等が挙げられる。中でも、フェニル基及びナフチル基が好ましく、ナフチル基がより好ましい。
前記の芳香族炭化水素基が有する電子吸引性基としては、例えば、ハロゲン原子、ハロアルキル基、ハロアリール基、ピリジル基、ニトロ基、シアノ基、カルボニル基、カルボキシル基、アミド基などが挙げられる。このうち、フッ素原子、フッ化アルキル基及びフッ化アリール基が好ましく、フッ素原子及びパーフルオロアルキル基がより好ましい。なお、芳香族炭化水素基は、電子吸引性基を、1種のみ有していても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で有していても良い。また、電子吸引性基の数は1でも良く、2以上でもよい。
前記の電子吸引性基を有する芳香環基のうち、好ましいものの例を挙げると、フルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ニトロフェニル基、シアノフェニル基等が挙げられる。
7及びR9を構成する基のうち、置換基を有していても良い複素環基において、複素環基としては、例えば、ピリジル基、キノキサリニル基、イソキノリル基、キノリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基等の含窒素6員環基もしくは6員環で構成される縮合多環基;ピラゾリル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、フリル基、チエニル基等の5員へテロ環基;ベンゾチエニル基、ジベンゾチエニル基、ジベンゾフラニル基、フェノキサチイニル基等の縮合環を有する5員へテロ環基などが挙げられる。このうち、含窒素6員環基、及び、6員環で構成される縮合多環基が好ましいである。
前記の複素環基に置換していてもよい置換基としては、本発明の効果を著しく損なわない限り制限は無いが、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、上述の電子吸引性基などが挙げられる。なお、置換基は、1種のみが置換していても良く、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で置換していてもよい。また、置換基の数は1でも良く、2以上でもよい。
上記式(3)中、R8は、水素原子、重水素原子、アルキル基、置換基を有しても良い芳香族炭化水素基、又は、置換基を有しても良い複素環基を示す。
8を構成する基のうち、アルキル基の炭素数は本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常1以上、また、通常6以下である。また、前記のアルキル基は鎖状のものが好ましい。中でも、前記アルキル基としては、メチル基が好ましい。
8を構成する基のうち、置換基を有していても良い芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、トリル基などが挙げられる。また、前記の芳香族炭化水素基が有していても良い置換基としては、R7及びR9を構成する複素環基が有していても良い置換基と同様の基が挙げられる。
8を構成する基のうち、置換基を有しても良い複素環基としては、R7及びR9の項において説明した置換基を有していても良い複素環基と同様の基が挙げられる。
上記式(4)中、R10は、電子吸引性置換基を有する芳香族炭化水素基、又は、置換基を有しても良い複素環基を示す。
10を構成する基のうち、電子吸引性置換基を有する芳香族炭化水素基、及び、置換基を有しても良い複素環基としては、上述のR7及びR9の項で説明したものと同様の基が挙げられる。
上記式(3)又は(4)で表されるアニオン性配位子の好ましい具体例としては、下記に示されるようなものが挙げられる。このうち特に好ましくはジケトン系化合物である。
Figure 2009023914
[1−3.本発明の希土類錯体の製造方法]
本発明の希土類錯体は、公知の方法に準じて任意に製造することができる。その製造方法の一例を示すと、中心金属元素の価数に相当するアニオン性配位子と、上記(1)又は(2)で表される配位子とを有機溶剤中、塩基性条件下で、希土類金属塩に反応させることにより得ることが出来る。
具体例を挙げると、希土類金属塩がEuのハロゲン化物である場合には、アニオン性配位子を3.0〜3.1当量と当該配位子1〜6当量とをエタノールやイソプロパノールなどの有機溶剤に溶かし、トリエチルアミンなどの塩基を通常3〜6当量の範囲で混合した後、EuCl3・6H2Oのエタノールなどの溶液を滴下し、室温で1〜4時間攪拌することにより、粗生成物を得ることが出来る。精製は溶媒を留去したのち、無機塩を水で洗い流し、メタノールなどを用いて再結晶すればよい。
[1−4.本発明の希土類錯体の利点]
本発明の希土類錯体は、その配位子の部分構造−X−Aにおいて、特定構造のヘテロ環を有する。これにより、当該配位子がホスフィンオキサイド部分以外で中心金属に分子内や分子間で配位することが可能である。このため、配位安定化に伴う強い耐久性を保持している。
[2.本発明の希土類錯体蛍光体]
本発明の希土類錯体は、近紫外〜可視の領域の光を励起光源として、蛍光を発する希土類錯体蛍光体(以下適宜「本発明の蛍光体」という)として機能するものである。
本発明の蛍光体の励起波長の範囲を挙げると、本発明の蛍光体の中心金属がEuである場合には通常200〜450nmであり、中心金属がTbである場合には通常200〜440nmであり、中心金属がTm又はCeである場合には通常200〜400nmである。
本発明の蛍光体の最大発光ピーク波長は、該錯体の中心金属である希土類元素の種類によって異なる。例えば、その中心金属がEuである場合には通常600〜630nmであり、中心金属がTbである場合には530〜550nmであり、中心金属がTm又はCeである場合には440〜460nmである。
本発明の蛍光体は、窒素雰囲気中、室温下で、励起光強度500mW/cm2で励起光を照射し、90分後の発光スペクトルから求められる発光ピーク面積を、照射直後(0分後)の発光ピーク面積で割り求められる値(これを「輝度維持率)という)が、通常95%以上、好ましくは97%以上、より好ましくは98%以上、さらに好ましくは99%以上、特に好ましくは100%である。
本発明の蛍光体は、示差熱天秤・質量分析同時測定装置(TG−DTA装置)により求めた熱分解温度(TG)が、通常70℃以上、好ましくは80℃以上、より好ましくは90℃以上である。
本発明の蛍光体は、後述の測定方法(実施例の項を参照)による外部量子効率が、通常20%以上、好ましくは25%以上、より好ましくは30%以上、更に好ましくは35%以上、特に好ましくは40%以上である。
本発明の蛍光体の内部量子効率は、通常50%以上、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは80%以上、特に好ましくは85%以上である。
本発明の蛍光体の吸収効率は、通常40%以上、好ましくは50%以上、より好ましくは55%以上である。
本発明の蛍光体は、上記の波長範囲の光で励起すること、中でも好ましくは波長380nm〜450nmの範囲に発光極大を有する光源からの光で励起することにより、従来の錯体蛍光体と遜色のない高輝度な発光を示す。また、その配位子の部分構造−X−Aにおいて、特定構造のヘテロ環を有することにより、当該配位子がホスフィンオキサイド部分以外で中心金属に分子内や分子間で配位することが可能であり、配位安定化に伴う強い耐久性(特に、光や酸素に対する耐久性)を保持している。
このため、このような希土類錯体を用いた本発明の蛍光体は、近紫外〜可視の範囲に発光極大を有する発光ダイオードを用いた発光装置に有効に利用することができ、有機蛍光体本来の特長、即ち、製造コストの低減、低比重であることによる媒体への高分散性を確保した上で、発光ダイオード励起による高効率発光と光劣化の抑制を図ることができる。
本発明の蛍光体は、単色発光装置として利用されるだけでなく、RGBの組合せによる白色発光装置として用いることが可能である。該発光装置を用いることにより、イルミネーション、液晶用バックライト、自動車用ヘッドライト、一般照明などへの応用が期待できる。
さらに、本発明の蛍光体は近紫外光(NUV)の吸収効率が高く、NUVを外部に漏らさないので、NUVLED用液晶バックライトに使用した場合、液晶の保護にも役立つ。
また、本発明の蛍光体をNUVカットフィルム、シートとして利用することもできる。これらを有機ELと組み合わせ、有機EL用等の色変換材料としても使用可能である。
[3.蛍光体含有組成物]
本発明の蛍光体は、液体媒体と混合して、本発明の蛍光体と液体媒体とを含有する組成物として用いることもできる。本発明の蛍光体を液体媒体中に分散させたものを、適宜「本発明の蛍光体含有組成物」と呼ぶものとする。
[3−1.蛍光体]
本発明の蛍光体含有組成物に含有させる本発明の蛍光体の種類に制限は無く、上述したものから任意に選択することができる。また、本発明の蛍光体含有組成物に含有させる本発明の蛍光体は、1種のみであってもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
さらに、本発明の蛍光体含有組成物には、本発明の効果を著しく損なわない限り、本発明の蛍光体以外の蛍光体を含有させても良い。
[3−2.液体媒体]
本発明の蛍光体含有組成物に使用される液体媒体としては、上記蛍光体の性能を目的の範囲で損なわない限りにおいて特に限定されない。例えば、所望の使用条件下において液状の性質を示し、本発明の蛍光体を好適に分散させるとともに、好ましくない反応を生じないものであれば、任意の無機系材料及び/又は有機系材料が使用できる。
無機系材料としては、例えば、金属アルコキシド、セラミック前駆体ポリマー若しくは金属アルコキシドを含有する溶液をゾル−ゲル法により加水分解重合して成る溶液、またはこれらの組み合わせを固化した無機系材料(例えばシロキサン結合を有する無機系材料)等を挙げることができる。
有機系材料としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等が挙げられる。具体例を挙げると、ポリメタアクリル酸メチル等のメタアクリル樹脂;ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体等のスチレン樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリエステル樹脂;フェノキシ樹脂;ブチラール樹脂;ポリビニルアルコール;エチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート等のセルロース系樹脂;エポキシ樹脂;フェノール樹脂;シリコーン樹脂等が挙げられる。
これらの中で特に照明など大出力の発光装置に本発明の蛍光体を用いる場合には、耐熱性や耐光性等を高めることを目的として、液体媒体として珪素含有化合物を使用することが好ましい。
珪素含有化合物とは分子中に珪素原子を有する化合物をいい、例えば、ポリオルガノシロキサン等の有機材料(シリコーン系材料)、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素等の無機材料、及びホウケイ酸塩、ホスホケイ酸塩、アルカリケイ酸塩等のガラス材料を挙げることができる。中でも、ハンドリングの容易さ等の点から、シリコーン系材料が好ましい。
上記シリコーン系材料とは、通常、シロキサン結合を主鎖とする有機重合体をいい、例えば一般組成式(i)で表される化合物及び/またはそれらの混合物が挙げられる。
(R1a2a3aSiO1/2Q1(R4a5aSiO2/2Q2(R6aSiO3/2Q3(SiO4/2Q4 ・・・式(i)
一般組成式(i)において、R1a〜R6aは、有機官能基、水酸基、水素原子からなる群から選択されるものを表す。なお、R1a〜R6aは、同じであってもよく、異なってもよい。
また、上記式(i)において、Q1、Q2、Q3及びQ4は、それぞれ0以上1未満であり、Q1+Q2+Q3+Q4=1を満足する数である。
該シリコーン系材料は、半導体発光素子の封止に用いる場合、液状のシリコーン系材料を用いて封止した後、熱や光によって硬化させて用いることができる。
シリコーン系材料を硬化のメカニズムにより分類すると、通常、付加重合硬化タイプ、縮重合硬化タイプ、紫外線硬化タイプ、パーオキサイド架硫タイプなどのシリコーン系材料を挙げることができる。これらの中では、付加重合硬化タイプ(付加型シリコーン系材料)、縮合硬化タイプ(縮合型シリコーン系材料)、紫外線硬化タイプが好適である。以下、付加型シリコーン系材料、及び縮合型シリコーン系材料について説明する。
付加型シリコーン系材料とは、ポリオルガノシロキサン鎖が、有機付加結合により架橋されたものをいう。代表的なものとしては、例えばビニルシランとヒドロシランとをPt触媒などの付加型触媒の存在下反応させて得られるSi−C−C−Si結合を架橋点に有する化合物等を挙げることができる。これらは市販のものを使用することができ、例えば付加重合硬化タイプの具体的商品名としては信越化学工業社製「LPS−1400」「LPS−2410」「LPS−3400」等が挙げられる。
一方、縮合型シリコーン系材料とは、例えば、アルキルアルコキシシランの加水分解・重縮合で得られる、Si−O−Si結合を架橋点に有する化合物等を挙げることができる。その具体例としては、下記一般式(ii)及び/又は(iii)で表わされる化合物、及び/又はそのオリゴマーを加水分解・重縮合して得られる重縮合物が挙げられる。なお、これらの化合物及び/又はそのオリゴマーは、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
1m+1 n1 m-n 一般式(ii)
(一般式(ii)中、M1は、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、及びチタンより選択される少なくとも1種の元素を表わし、X1は、加水分解性基を表わし、Y1は、1価の有機基を表わし、mは、M1の価数を表わす1以上の整数を表わし、nは、X1基の数を表わす1以上の整数を表わす。但し、m≧nである。)
(M1s+1 t1 s-t-1u2 一般式(iii)
(一般式(iii)中、M1は、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、及びチタンより選択される少なくとも1種の元素を表わし、X1は、加水分解性基を表わし、Y1は、1価の有機基を表わし、Y2は、u価の有機基を表わし、sは、M1の価数を表わす1以上の整数を表わし、tは、1以上、s−1以下の整数を表わし、uは、2以上の整数を表わす。)
また、縮合型シリコーン系材料には、硬化触媒を含有させても良い。この硬化触媒としては、例えば、金属キレート化合物などを好適なものとして用いることができる。金属キレート化合物は、Ti、Ta、Zrのいずれか1以上を含むものが好ましく、Zrを含むものがさらに好ましい。なお、硬化触媒は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
このような縮合型シリコーン系材料としては、例えば特開2007−112973号〜112975号公報、特開2007−19459号公報、及び、特願2006−176468号明細書に記載の半導体発光デバイス用部材が好適である。
縮合型シリコーン系材料の中で、特に好ましい材料について、以下に説明する。
シリコーン系材料は、一般に半導体発光素子や素子を配置する基板及びパッケージ等との接着性が弱いことが課題とされるが、密着性が高いシリコーン系材料として、特に、以下の特徴〔1〕〜〔3〕のうち1つ以上を有する縮合型シリコーン系材料が好ましい。
〔1〕ケイ素含有率が20重量%以上である。
〔2〕後に詳述する方法によって測定した固体Si−核磁気共鳴(NMR)スペクトルにおいて、下記(a)及び/又は(b)のSiに由来するピークを少なくとも1つ有する。
(a)ピークトップの位置がテトラメトキシシランを基準としてケミカルシフト−40ppm以上、0ppm以下の領域にあり、ピークの半値幅が0.3ppm以上、3.0ppm以下であるピーク。
(b)ピークトップの位置がテトラメトキシシランを基準としてケミカルシフト−80ppm以上、−40ppm未満の領域にあり、ピークの半値幅が0.3ppm以上5.0ppm以下であるピーク。
〔3〕シラノール含有率が0.1重量%以上、10重量%以下である。
本発明においては、上記の特徴〔1〕〜〔3〕のうち、特徴〔1〕を有するシリコーン系材料が好ましい。さらに好ましくは、上記の特徴〔1〕及び〔2〕を有するシリコーン系材料が好ましい。特に好ましくは、上記の特徴〔1〕〜〔3〕を全て有するシリコーン系材料が好ましい。以下、上記の特徴〔1〕〜〔3〕について説明する。
[特徴〔1〕(ケイ素含有率)]
本発明に好適なシリコーン系材料のケイ素含有率は、通常20重量%以上であるが、中でも25重量%以上が好ましく、30重量%以上がより好ましい。一方、上限としては、SiO2のみからなるガラスのケイ素含有率が47重量%であるという理由から、通常47重量%以下の範囲である。
なお、シリコーン系材料のケイ素含有率は、例えば以下の方法を用いて誘導結合高周波プラズマ分光(inductively coupled plasma spectrometry:以下適宜「ICP」と略する。)分析を行い、その結果に基づいて算出することができる。
{ケイ素含有率の測定}
シリコーン系材料を白金るつぼ中にて大気中、450℃で1時間、次いで750℃で1時間、950℃で1.5時間保持して焼成し、炭素成分を除去した後、得られた残渣少量に10倍量以上の炭酸ナトリウムを加えてバーナー加熱し溶融させ、これを冷却して脱塩水を加え、更に塩酸にてpHを中性程度に調整しつつケイ素として数ppm程度になるよう定容し、ICP分析を行う。
[特徴〔2〕(固体Si−NMRスペクトル)]
本発明に好適なシリコーン系材料の固体Si−NMRスペクトルを測定すると、有機基の炭素原子が直接結合したケイ素原子に由来する前記(a)及び/又は(b)のピーク領域に少なくとも1本、好ましくは複数本のピークが観測される。
ケミカルシフト毎に整理すると、本発明に好適なシリコーン系材料において、(a)に記載のピークの半値幅は、分子運動の拘束が小さいために全般に後述の(b)に記載のピークの場合より小さく、通常3.0ppm以下、好ましくは2.0ppm以下、また、通常0.3ppm以上の範囲である。
一方、(b)に記載のピークの半値幅は、通常5.0ppm以下、好ましくは4.0ppm以下、また、通常0.3ppm以上、好ましくは0.4ppm以上の範囲である。
上記のケミカルシフト領域において観測されるピークの半値幅が大きすぎると、分子運動の拘束が大きくひずみの大きな状態となり、クラックが発生し易く、耐熱・耐候耐久性に劣る部材となる場合がある。例えば、四官能シランを多用した場合や、乾燥工程において急速な乾燥を行い大きな内部応力を蓄えた状態などにおいて、半値幅範囲が上記の範囲より大きくなる。
また、ピークの半値幅が小さすぎると、その環境にあるSi原子はシロキサン架橋に関わらないことになり、三官能シランが未架橋状態で残留する例など、シロキサン結合主体で形成される物質より耐熱・耐候耐久性に劣る部材となる場合がある。
但し、大量の有機成分中に少量のSi成分が含まれるシリコーン系材料においては、−80ppm以上に上述の半値幅範囲のピークが認められても、良好な耐熱・耐光性及び塗布性能は得られない場合がある。
本発明に好適なシリコーン系材料のケミカルシフトの値は、例えば以下の方法を用いて固体Si−NMR測定を行い、その結果に基づいて算出することができる。また、測定データの解析(半値幅やシラノール量解析)は、例えばガウス関数やローレンツ関数を使用した波形分離解析等により、各ピークを分割して抽出する方法で行う。
{固体Si−NMRスペクトル測定及びシラノール含有率の算出}
シリコーン系材料について固体Si−NMRスペクトルの測定を行う場合、以下の条件で固体Si−NMRスペクトル測定及び波形分離解析を行う。また、得られた波形データより、シリコーン系材料について、各々のピークの半値幅を求める。また、全ピーク面積に対するシラノール由来のピーク面積の比率より、全ケイ素原子中のシラノールとなっているケイ素原子の比率(%)を求め、別に分析したケイ素含有率と比較することによりシラノール含有率を求める。
{装置条件}
装置:Chemagnetics社 Infinity CMX-400 核磁気共鳴分光装置
29Si共鳴周波数:79.436MHz
プローブ:7.5mmφCP/MAS用プローブ
測定温度:室温
試料回転数:4kHz
測定法:シングルパルス法
1Hデカップリング周波数:50kHz
29Siフリップ角:90゜
29Si90゜パルス幅:5.0μs
繰り返し時間:600s
積算回数:128回
観測幅:30kHz
ブロードニングファクター:20Hz
基準試料 テトラメトキシシラン
シリコーン系材料については、512ポイントを測定データとして取り込み、8192ポイントにゼロフィリングしてフーリエ変換する。
{波形分離解析法}
フーリエ変換後のスペクトルの各ピークについてローレンツ波形及びガウス波形或いは両者の混合により作成したピーク形状の中心位置、高さ、半値幅を可変パラメータとして、非線形最小二乗法により最適化計算を行う。
なお、ピークの同定は、AIChE Journal, 44(5), p.1141, 1998年等を参考にする。
[特徴〔3〕(シラノール含有率)]
本発明に好適なシリコーン系材料は、シラノール含有率が、通常0.1重量%以上、好ましくは0.3重量%以上、また、通常10重量%以下、好ましくは8重量%以下、更に好ましくは5重量%以下の範囲である。シラノール含有率を低くすることにより、シラノール系材料は経時変化が少なく、長期の性能安定性に優れ、吸湿・透湿性何れも低い優れた性能を有する。但し、シラノールが全く含まれない部材は密着性に劣るため、シラノール含有率に上記のごとく最適な範囲が存在する。
なお、シリコーン系材料のシラノール含有率は、例えば[特徴〔2〕(固体Si−NMRスペクトル)]の{固体Si−NMRスペクトル測定及びシラノール含有率の算出}の項において説明した方法を用いて固体Si−NMRスペクトル測定を行い、全ピーク面積に対するシラノール由来のピーク面積の比率より、全ケイ素原子中のシラノールとなっているケイ素原子の比率(%)を求め、別に分析したケイ素含有率と比較することにより算出することができる。
また、本発明に好適なシリコーン系材料は、適当量のシラノールを含有しているため、通常は、デバイス表面に存在する極性部分にシラノールが水素結合し、密着性が発現する。極性部分としては、例えば、水酸基やメタロキサン結合の酸素等が挙げられる。
また、本発明に好適なシリコーン系材料は、通常、適当な触媒の存在下で加熱することにより、デバイス表面の水酸基との間に脱水縮合による共有結合を形成し、更に強固な密着性を発現することができる。
一方、シラノールが多過ぎると、系内が増粘して塗布が困難になったり、活性が高くなり加熱により軽沸分が揮発する前に固化したりすることによって、発泡や内部応力の増大が生じ、クラックなどを誘起する場合がある。
[液体媒体の含有率]
液体媒体の含有率は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、本発明の蛍光体含有組成物全体に対して、通常50重量%以上、好ましくは75重量%以上であり、通常99重量%以下、好ましくは95重量%以下である。液体媒体の量が多い場合には特段の問題は起こらないが、半導体発光装置とした場合に所望の色度座標、演色指数、発光効率等を得るには、通常、上記のような配合比率で液体媒体を用いることが望ましい。一方、液体媒体が少なすぎると流動性がなく取り扱いにくくなる可能性がある。
液体媒体は、本発明の蛍光体含有組成物において、主にバインダーとしての役割を有する。液体媒体は、1種のみを用いてもよいが、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。例えば、耐熱性や耐光性等を目的として珪素含有化合物を使用する場合は、当該珪素含有化合物の耐久性を損なわない程度に、エポキシ樹脂など他の熱硬化性樹脂を含有してもよい。この場合、他の熱硬化性樹脂の含有量は、通常、バインダーである液体媒体全量に対して25重量%以下、好ましくは10重量%以下である。
[3−3.その他の成分]
なお、本発明の蛍光体含有組成物には、本発明の効果を著しく損なわない限り、蛍光体及び液体媒体以外に、その他の成分を含有させても良い。また、その他の成分は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
[4.積層体]
本発明の積層体は、上述の本発明の蛍光体を含有する層(以下適宜「本発明の蛍光体含有層」という)を備えて構成されたものである。また、本発明の積層体は、通常、基板、担体等の基体上に、本発明の蛍光体含有層を備えて構成される。また、基体と本発明の蛍光体含有層との間、及び/又は、本発明の蛍光体含有層上に、例えば粘着層、表面コート層、反射防止層等の他の構成層を有していても良い。また、これらの層の積層順に制限は無く、本発明の積層体の各種用途に応じて任意に設定すればよい。
基体を構成する材料に制限は無く、例えば、木材、樹脂、ガラス等の任意の材料を挙げることができる。また、基体のその形状にも制限は無く、各種用途に応じて、球状、シート・フィルム状等適宜選択すればよい。
本発明の蛍光体含有層は、少なくとも本発明の蛍光体を含有して形成されていれば他に制限は無いが、通常は、上述した液体媒体等のバインダーを含み、このバインダーにより蛍光体が層内に保持されるようになっている。
本発明の蛍光体含有層中の蛍光体の濃度は、本発明の積層体の用途に応じて任意に設定することができるが、通常1重量%以上、好ましくは5重量%以上、より好ましくは10重量%以上であり、また、通常90重量%以下、好ましくは85重量%以下、より好ましくは80重量%以下である。蛍光体の濃度が低すぎると輝度が低下する可能性があり、高すぎると結晶化による発色むらが生じる可能性がある。
蛍光体含有層の厚さは、本発明の積層体の用途に応じて任意に設定することができるが、通常10-2μm以上、好ましくは10-1μm以上、より好ましくは1μm以上であり、また、通常104μm以下、好ましくは103μm以下、より好ましくは102μm以下である。膜厚が薄すぎると励起光を漏らす可能性があり、厚すぎると光の散乱による輝度低下の可能性がある。
なお、上述した蛍光体含有層及び基体には、必要に応じて、任意の添加剤、耐熱劣化防止剤、滑剤、帯電防止剤、分散剤等を配合することができる。
本発明の積層体の製造方法に制限は無い。例えば、本発明の蛍光体含有組成物を、射出成形、Tダイ成形、カレンダー成形あるいは圧縮成形などの成形技術を用いて成形、フィルム化した後に、基体と張り合わせて製造することができる。また、例えば、基体に本発明の蛍光体含有組成物を直接染着させて製造することもできる。さらに、例えば、基体上に本発明の蛍光体含有組成物を塗布・乾燥させて製造することもできる。また、例えば、基体上に必要に応じて粘着層を介して本発明の蛍光体そのものを直接積層させることにより製造することもできる。このうち、基体上に塗布・乾燥させる製造方法が好ましい。
以下に、本発明の積層体の一例として、プロジェクタ用スクリーンについて図を用いて説明する。
図1は、本発明の積層体の一例としてのプロジェクタ用スクリーンについて模式的に示す図である。このスクリーン1は、基体としてのシート2と、シート2の表面に形成された蛍光体含有層3とを備えて構成されている。ここで、蛍光体含有層3は、本発明の蛍光体含有組成物をシート2の表面に塗布・乾燥して形成したものであり、紫外から近紫外の波長範囲の光を照射した場合、蛍光体含有層3内の蛍光体が発光するようになっている。
このスクリーン1を使用する際には、プロジェクタ4からスクリーン1に向けて映像を投影する。この際、映像の投影に用いられる光は主として可視光であるので、蛍光体含有層3内の蛍光体は発光せず、映像の画質が低下することは無い。
また、スクリーン1の使用中、必要に応じてレーザーポインタ5からスクリーン1に紫外線又は近紫外線のレーザーを照射する。これにより、レーザーを照射されたスポット6において蛍光体が発光し、レーザーポインタ5によって指し示されたスポット6を明確に視認することができる。
この点、従来のレーザーポインタでは可視光レーザー(通常は赤色レーザー)を使用しており、スクリーン表面での可視光レーザーの反射を利用して所望のスポットを指し示すようにしていたが、本例の場合、スクリーン1の表面において蛍光体が発光するため、スポット6が従来よりも明るく輝くので、より視認しやすくなる。さらに、蛍光体を利用すればスポット6を視認性の高い緑色ないし青色に発光させることが可能であるため、従来の赤色レーザーの反射に比べて、より視認性を高めることが可能である。
また、蛍光体として有機蛍光体を用いているため、塗布法という簡便な方法でスクリーン1を製造することが可能であり、製造コストを抑制することが可能である。
さらに、従来の有機蛍光体は紫外ないし近紫外の波長の光及び酸素に対する耐性が低く、使用に伴って容易に劣化していたが、本例のスクリーン1では前記劣化を抑制した本発明の蛍光体を用いているため、実用上十分に安定して使用できる。
ただし、上記のスクリーン1は上記の構成に限定されるものではない。例えば、シート2及び蛍光体含有層3に加えて保護層などの他の層を備えさせても良い。さらに、例えば、液体媒体等のバインダーを使用せず、本発明の蛍光体をシート2の表面に固定し、本発明の蛍光体のみにより蛍光体含有層3を形成させるようにしてもよい。また、可視領域の光により励起されて発光する蛍光体を蛍光体含有層3中に含有させて、何らかの視覚的効果を発揮させるようにしても良い。
[5.色変換フィルム]
本発明の色変換フィルムは、本発明の蛍光体を含有して構成されたものである。その具体的構成に制限は無く、本発明の蛍光体を公知の色変換フィルムに任意に適用して構成することができる。
例えば、本発明の色変換フィルムは、透明基板上に本発明の蛍光体を含む蛍光体含有層を積層した上記の積層体の一形態として構成することができる。
前記の透明基板は、色変換フィルムを用いる用途に応じて任意に選択すればよいが、通常は、実質的に透明であって、吸収、散乱が大きくない材料により形成された基板を用いる。ここで、実質的に透明とは、着色が無いかほとんど認められず、可視光領域(420nm以上700nm以下の範囲)の光の透過率が、通常80%以上、好ましくは90%以上であることを意味する。
透明基板の材料の具体例を挙げると、ガラス、ポリオレフィン樹脂、非晶質ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エステル樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂等を挙げることができる。なお、これらの材料は、1種のみを用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
また、透明基板は、上記の樹脂等の材料の他に、必要に応じて添加剤、耐熱老化防止剤、滑剤、帯電防止剤等を配合することができる。
透明基板の厚みに制限は無く、その目的に応じて任意に設定できるが、通常は、10μm以上5mm以下の範囲である。
透明基板は、例えば、前記の材料を、射出成形、Tダイ成形、カレンダー成形、圧縮成形等の方法により成形して製造できる。また、例えば、前記の材料を有機溶剤等の溶媒に溶融させてキャスティングして製造することもできる。これにより、フィルムまたはシート(板)して透明基板を得ることができる。
かかる透明基板を構成する基材は、未延伸でも延伸されていても良い。また、他の基材と積層されていても良い。更に、該透明基板は、例えばコロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理、グロー放電処理、粗面化処理、薬品処理等の従来公知の方法による表面処理や、アンカーコート剤やプライマー等のコーティングを施しても良い。
また、例えば、本発明の色変換フィルムは、上述の蛍光体含有組成物をキャスティングしてフィルム状に成形し、当該成形体自体を色変換フィルムとして用いても良い。
さらに、例えば、本発明の色変換フィルムは、必要に応じて分散剤を用いて本発明の蛍光体をバインダーに練り込み、射出成形、Tダイ成形、カレンダー成形、圧縮成形等の方法によりフィルム状に成形し、その成形体を色変換フィルムとして用いても良い。
必要に応じて使用される分散剤としては、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、フェノキシ樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、石油樹脂、硬化ロジン、ロジンエステル、マレイン化ロジン、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。なお、分散剤は1種のみを用いても良く2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
また、使用されるバインダーとしては、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリエチルアクリレート樹脂等のアクリレート系樹脂、ポリカーボネート樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリアクリロニトリルスチリル樹脂(AS樹脂)、ポリエステル樹脂、ポリクロロ酢酸ビニル樹脂(塩酢ビ樹脂)、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニル樹脂(PVPA)、ポリスチレン系樹脂、フェノール系樹脂、フェノキシ系樹脂、ポリスルフォン、ナイロン、セルロース系樹脂、酢酸セルロース系樹脂等が挙げられる。なお、バインダーは1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
バインダーの使用量は本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、蛍光体に対して、通常10重量倍以上、好ましくは50重量倍以上であり、また、通常500重量倍以下、好ましくは350重量倍以下である。
色変換フィルムの寸法に制限は無く、その用途に応じて任意に設定することができる。ただし、その厚さについては、通常10-2μm以上、好ましくは10-1μm以上、より好ましくは1μm以上であり、通常5mm以下、好ましくは1mm以下、より好ましくは0.5mm以下である。厚みが薄すぎると励起光を外に漏らす可能性があり、厚すぎると光散乱による輝度低下の可能性がある。
[6.発光装置]
本発明の発光装置(以下、適宜「発光装置」という)は、第1の発光体(励起光源)と、当該第1の発光体からの光の照射によって可視光を発する第2の発光体とを有する発光装置であって、該第2の発光体として、本発明の蛍光体を少なくとも1種以上、第1の蛍光体として含有するものである。
本発明の発光装置は、具体的には、第1の発光体として後述するような励起光源を用い、第2の発光体として使用する蛍光体の種類や使用割合を調整し、公知の装置構成を任意にとることにより、任意の色に発光する発光装置を製造することができる。例えば、青色光を発する励起光源と緑色の蛍光を発する蛍光体(緑色蛍光体)と橙色ないし赤色の蛍光を発する蛍光体(橙色ないし赤色蛍光体)とを組み合わせれば、白色発光装置を製造することができる。この場合の発光装置の発光色は、本発明の蛍光体や組み合わせる橙色ないし赤色蛍光体の発光波長を調整することにより、好みの発光色にすることができる。例えば、いわゆる擬似白色(例えば、青色LEDと黄色蛍光体を組み合わせた発光装置の発光色)の発光スペクトルと類似した発光スペクトルを得ることもできる。更に、この白色発光装置に赤色の蛍光を発する蛍光体(赤色蛍光体)を組み合わせれば、赤色の演色性に極めて優れた発光装置や電球色(暖かみのある白色)に発光する発光装置を実現することができる。また、近紫外光を発する励起光源に、青色の蛍光を発する蛍光体(青色蛍光体)、緑色蛍光体及び赤色蛍光体を組み合わせても、白色発光装置を製造することができる。
ここで、該白色発光装置の白色とは、JIS Z 8701により規定された、(黄みの)白、(緑みの)白、(青みの)白、(紫みの)白及び白の全てを含む意であり、このうち好ましくは白である。
またさらに、必要に応じて、黄色蛍光体(黄色の蛍光を発する蛍光体)、青色蛍光体、橙色ないし赤色蛍光体、他種の緑色蛍光体等を組み合わせて、蛍光体の種類や使用割合を調整し、任意の色に発光する発光装置を製造することもできる。
本発明の蛍光体は、何れか1種のみを使用してもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
本発明の発光装置の発光スペクトルにおける青色領域の発光ピークとしては、400nm〜480nmの波長範囲に発光ピークを有するものが好ましく、緑色領域の発光ピークとしては、500nm〜550nmの波長範囲に発光ピークを有するものが好ましく、赤色領域の発光ピークとしては600nm〜650nmの波長範囲に発光ピークを有するものが好ましい。
なお、発光装置の発光スペクトルは、気温25±1℃に保たれた室内において、オーシャン オプティクス社製の色・照度測定ソフトウェア及びUSB2000シリーズ分光器(積分球仕様)を用いて20mA通電して測定を行うことができる。この発光スペクトルの380nm〜780nmの波長領域のデータから、JIS Z8701で規定されるXYZ表色系における色度座標として色度値(x,y,z)を算出できる。この場合、x+y+z=1の関係式が成立する。本明細書においては、前記XYZ表色系をXY表色系と称している場合があり、通常(x,y)で表記している。
また、発光効率は、前述のような発光装置を用いた発光スペクトル測定の結果から全光束を求め、そのルーメン(lm)値を消費電力(W)で割ることにより求められる。消費電力は、20mAを通電した状態で、Fluke社のTrue RMS Multimeters Model 187&189を用いて電圧を測定し、電流値と電圧値の積で求められる。
[6−1.発光装置の構成(発光体)]
(第1の発光体)
本発明の発光装置における第1の発光体は、後述する第2の発光体を励起する光を発光するものである。
第1の発光体の発光波長は、後述する第2の発光体の吸収波長と重複するものであれば、特に制限されず、幅広い発光波長領域の発光体を使用することができる。通常は、紫外領域から青色領域までの発光波長を有する発光体が使用され、近紫外領域から青色領域までの発光波長を有する発光体を使用することが特に好ましい。
第1の発光体の発光ピーク波長の具体的数値としては、通常200nm以上が望ましい。このうち、近紫外光を励起光として用いる場合には、通常300nm以上、好ましくは330nm以上、より好ましくは360nm以上、また、通常420nm以下のピーク発光波長を有する発光体を使用することが望ましい。また、青色光を励起光として用いる場合には、通常420nm以上、好ましくは430nm以上、また、通常500nm以下、好ましくは480nm以下の発光ピーク波長を有する発光体を使用することが望ましい。何れも、発光装置の色純度の観点からである。
第1の発光体としては、一般的には半導体発光素子が用いられ、具体的には発光LEDや半導体レーザーダイオード(semiconductor laser diode。以下、適宜「LD」と略称する。)等が使用できる。その他、第1の発光体として使用できる発光体としては、例えば、有機エレクトロルミネッセンス発光素子、無機エレクトロルミネッセンス発光素子等が挙げられる。但し、第1の発光体として使用できるものは本明細書に例示されるものに限られない。
中でも、第1の発光体としては、GaN系化合物半導体を使用したGaN系LEDやLDが好ましい。なぜなら、GaN系LEDやLDは、この領域の光を発するSiC系LED等に比し、発光出力や外部量子効率が格段に大きく、前記蛍光体と組み合わせることによって、非常に低電力で非常に明るい発光が得られるからである。例えば、20mAの電流負荷に対し、通常GaN系LEDやLDはSiC系の100倍以上の発光強度を有する。GaN系LEDやLDにおいては、AlXGaYN発光層、GaN発光層又はInXGaYN発光層を有しているものが好ましい。GaN系LEDにおいては、それらの中でもInXGaYN発光層を有するものは発光強度が非常に強いので特に好ましく、GaN系LEDにおいては、InXGaYN層とGaN層の多重量子井戸構造のものが発光強度は非常に強いので特に好ましい。
なお、上記においてX+Yの値は通常0.8〜1.2の範囲の値である。GaN系LEDにおいて、これら発光層にZnやSiをドープしたものやドーパント無しのものが発光特性を調節する上で好ましいものである。
GaN系LEDはこれら発光層、p層、n層、電極、及び基板を基本構成要素としたものであり、発光層をn型とp型のAlXGaYN層、GaN層、又はInXGaYN層などでサンドイッチにしたヘテロ構造を有しているものが、発光効率が高くて好ましく、さらにヘテロ構造を量子井戸構造にしたものが、発光効率がさらに高いため、より好ましい。
なお、第1の発光体は、1個のみを用いてもよく、2個以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
(第2の発光体)
本発明の発光装置における第2の発光体は、上述した第1の発光体からの光の照射によって可視光を発する発光体であり、第1の蛍光体として前述の本発明の蛍光体を含有するとともに、その用途等に応じて適宜、後述する第2の蛍光体(赤ないし橙色蛍光体、緑色蛍光体、青色蛍光体、黄色蛍光体等)を含有する。また、例えば、第2の発光体は、第1及び第2の蛍光体を封止材料中に分散させて構成される。
上記第2の発光体中に用いられる、本発明の蛍光体以外の蛍光体の組成には特に制限はない。その例を挙げると、結晶母体となる、Y23、YVO4、Zn2SiO4、Y3Al512、Sr2SiO4等に代表される金属酸化物、Sr2Si58等に代表される金属窒化物、Ca5(PO43Cl等に代表されるリン酸塩及びZnS、SrS、CaS等に代表される硫化物、Y22S、La22S等に代表される酸硫化物等に、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb等の希土類金属のイオンやAg、Cu、Au、Al、Mn、Sb等の金属のイオンを付活元素又は共付活元素として組み合わせたものが挙げられる。
結晶母体の好ましい例としては、例えば、(Zn,Cd)S、SrGa24、SrS、ZnS等の硫化物;Y22S等の酸硫化物;(Y,Gd)3Al512、YAlO3、BaMgAl1017、(Ba,Sr)(Mg,Mn)Al1017、(Ba,Sr,Ca)(Mg,Zn,Mn)Al1017、BaAl1219、CeMgAl1119、(Ba,Sr,Mg)O・Al23、BaAl2Si28、SrAl24、Sr4Al1425、Y3Al512等のアルミン酸塩;Y2SiO5、Zn2SiO4等の珪酸塩;SnO2、Y23等の酸化物;GdMgB510、(Y,Gd)BO3等の硼酸塩;Ca10(PO46(F,Cl)2、(Sr,Ca,Ba,Mg)10(PO46Cl2等のハロリン酸塩;Sr227、(La,Ce)PO4等のリン酸塩等を挙げることができる。
但し、上記の結晶母体、付活元素及び共付活元素は、元素組成には特に制限はなく、同族の元素と一部置き換えることもでき、得られた蛍光体は近紫外から可視領域の光を吸収して可視光を発するものであれば用いることが可能である。
具体的には、蛍光体として以下に挙げるものを用いることが可能であるが、これらはあくまでも例示であり、本発明で使用できる蛍光体はこれらに限られるものではない。
なお、本明細書中の蛍光体の組成式において、各組成式の区切りは読点(、)で区切って表わす。また、カンマ(,)で区切って複数の元素を列記する場合には、列記された元素のうち一種又は二種以上を任意の組み合わせ及び組成で含有していてもよいことを示している。但し、括弧内に併記される元素の合計は1モルである。例えば、「(Ba,Sr,Ca)Al24:Eu」という組成式は、「BaAl24:Eu」と、「SrAl24:Eu」と、「CaAl24:Eu」と、「Ba1-xSrxAl24:Eu」と、「Ba1-xCaxAl24:Eu」と、「Sr1-xCaxAl24:Eu」と、「Ba1-x-ySrxCayAl24:Eu」とを全て包括的に示しているものとする(但し、前記式中、0<x<1、0<y<1、0<x+y<1である。)。
(第1の蛍光体)
本発明の発光装置における第2の発光体は、第1の蛍光体として、少なくとも上述の本発明の蛍光体を含有する。本発明の蛍光体は、何れか1種のみを使用してもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
また、第1の蛍光体としては、本発明の蛍光体以外にも、本発明の蛍光体と同色の蛍光を発する蛍光体(同色併用蛍光体)を用いてもよい。例えば、本発明の蛍光体が緑色蛍光体の場合には、第1の蛍光体として、本発明の蛍光体と共に他種の緑色蛍光体を併用することができ、また、本発明の蛍光体が赤色蛍光体の場合には、第1の蛍光体として、本発明の蛍光体と共に他種の橙色ないし赤色蛍光体を併用することができ、本発明の蛍光体が青色蛍光体の場合には、第1の蛍光体として、本発明の蛍光体と共に他種の青色蛍光体を併用することができる。これらの蛍光体としては、本発明の効果を著しく損なわない限り任意のものを使用することができる。
ただし、本発明の発光装置に使用される第1の蛍光体は、上述の発光スペクトルにおける発光ピーク半値幅(full width at half maximum。以下適宜「FWHM」と略称する。)が、通常10nm以上、好ましくは20nm以上、より好ましくは25nm以上であり、また、通常85nm以下、中でも75nm以下、更には70nm以下の範囲であることが望ましい。この半値幅FWHMが狭過ぎると発光強度が低下する場合があり、広過ぎると色純度が低下する場合がある。
以下、本発明の蛍光体と併用できる蛍光体の例として、緑色蛍光体、橙色ないし赤色蛍光体及び青色蛍光体について説明する。
(緑色蛍光体)
緑色蛍光体を使用する場合、当該緑色蛍光体は本発明の効果を著しく損なわない限り任意のものを使用することができる。この際、緑色蛍光体の発光ピーク波長は、通常500nmより大きく、中でも510nm以上、さらには515nm以上が好ましく、また、通常550nm以下、中でも540nm以下、さらには535nm以下の範囲であることが好ましい。この発光ピーク波長λpが短過ぎると青味を帯びる傾向がある一方で、長過ぎると黄味を帯びる傾向があり、何れも緑色光としての特性が低下する可能性がある。
該緑色蛍光体として具体的には、例えば、破断面を有する破断粒子から構成され、緑色領域の発光を行う(Mg,Ca,Sr,Ba)Si222:Euで表わされるユウロピウム付活アルカリ土類シリコンオキシナイトライド系蛍光体等が挙げられる。
また、その他の緑色蛍光体としては、Sr4Al1425:Eu、(Ba,Sr,Ca)Al24:Eu等のEu付活アルミン酸塩蛍光体、(Sr,Ba)Al2Si28:Eu、(Ba,Mg)2SiO4:Eu、(Ba,Sr,Ca,Mg)2SiO4:Eu、(Ba,Sr,Ca)2(Mg,Zn)Si27:Eu、(Ba,Ca,Sr,Mg)9(Sc,Y,Lu,Gd)2(Si,Ge)624:Eu等のEu付活珪酸塩蛍光体、Y2SiO5:Ce,Tb等のCe,Tb付活珪酸塩蛍光体、Sr227−Sr225:Eu等のEu付活硼酸リン酸塩蛍光体、Sr2Si38−2SrCl2:Eu等のEu付活ハロ珪酸塩蛍光体、Zn2SiO4:Mn等のMn付活珪酸塩蛍光体、CeMgAl1119:Tb、Y3Al512:Tb等のTb付活アルミン酸塩蛍光体、Ca28(SiO462:Tb、La3Ga5SiO14:Tb等のTb付活珪酸塩蛍光体、(Sr,Ba,Ca)Ga24:Eu,Tb,Sm等のEu,Tb,Sm付活チオガレート蛍光体、Y3(Al,Ga)512:Ce、(Y,Ga,Tb,La,Sm,Pr,Lu)3(Al,Ga)512:Ce等のCe付活アルミン酸塩蛍光体、Ca3Sc2Si312:Ce、Ca3(Sc,Mg,Na,Li)2Si312:Ce等のCe付活珪酸塩蛍光体、CaSc24:Ce等のCe付活酸化物蛍光体、Eu付活βサイアロン等のEu付活酸窒化物蛍光体、BaMgAl1017:Eu,Mn等のEu,Mn付活アルミン酸塩蛍光体、SrAl24:Eu等のEu付活アルミン酸塩蛍光体、(La,Gd,Y)22S:Tb等のTb付活酸硫化物蛍光体、LaPO4:Ce,Tb等のCe,Tb付活リン酸塩蛍光体、ZnS:Cu,Al、ZnS:Cu,Au,Al等の硫化物蛍光体、(Y,Ga,Lu,Sc,La)BO3:Ce,Tb、Na2Gd227:Ce,Tb、(Ba,Sr)2(Ca,Mg,Zn)B26:K,Ce,Tb等のCe,Tb付活硼酸塩蛍光体、Ca8Mg(SiO44Cl2:Eu,Mn等のEu,Mn付活ハロ珪酸塩蛍光体、(Sr,Ca,Ba)(Al,Ga,In)24:Eu等のEu付活チオアルミネート蛍光体やチオガレート蛍光体、(Ca,Sr)8(Mg,Zn)(SiO44Cl2:Eu,Mn等のEu,Mn付活ハロ珪酸塩蛍光体、M3Si694:Eu、M3Si6122:Eu(但し、Mはアルカリ土類金属元素を表わす。)等のEu付活酸窒化物蛍光体等を用いることも可能である。
また、緑色蛍光体としては、ピリジン−フタルイミド縮合誘導体、ベンゾオキサジノン系、キナゾリノン系、クマリン系、キノフタロン系、ナルタル酸イミド系等の蛍光色素、テルビウム錯体等の有機蛍光体を用いることも可能である。
以上例示した緑色蛍光体は、何れか1種のみを使用してもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
(橙色ないし赤色蛍光体)
橙色ないし赤色蛍光体を使用する場合、当該橙色ないし赤色蛍光体は本発明の効果を著しく損なわない限り任意のものを使用することができる。この際、橙色ないし赤色蛍光体の発光ピーク波長は、通常570nm以上、好ましくは580nm以上、より好ましくは585nm以上、また、通常780nm以下、好ましくは700nm以下、より好ましくは680nm以下の波長範囲にあることが好適である。
このような橙色ないし赤色蛍光体としては、例えば、赤色破断面を有する破断粒子から構成され、赤色領域の発光を行う(Mg,Ca,Sr,Ba)2Si58:Euで表わされるユウロピウム賦活アルカリ土類シリコンナイトライド系蛍光体、規則的な結晶成長形状としてほぼ球形状を有する成長粒子から構成され、赤色領域の発光を行う(Y,La,Gd,Lu)22S:Euで表わされるユウロピウム賦活希土類オキシカルコゲナイド系蛍光体等が挙げられる。
更に、特開2004−300247号公報に記載された、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、W、及びMoよりなる群から選ばれる少なくも1種類の元素を含有する酸窒化物及び/又は酸硫化物を含有する蛍光体であって、Al元素の一部又は全てがGa元素で置換されたアルファサイアロン構造をもつ酸窒化物を含有する蛍光体も、本発明において用いることができる。なお、これらは酸窒化物及び/又は酸硫化物を含有する蛍光体である。
また、そのほか、赤色蛍光体としては、(La,Y)22S:Eu等のEu付活酸硫化物蛍光体、Y(V,P)O4:Eu、Y23:Eu等のEu付活酸化物蛍光体、(Ba,Mg)2SiO4:Eu,Mn、(Ba,Sr,Ca,Mg)2SiO4:Eu,Mn等のEu,Mn付活珪酸塩蛍光体、LiW28:Eu、LiW28:Eu,Sm、Eu229、Eu229:Nb、Eu229:Sm等のEu付活タングステン酸塩蛍光体、(Ca,Sr)S:Eu等のEu付活硫化物蛍光体、YAlO3:Eu等のEu付活アルミン酸塩蛍光体、Ca28(SiO462:Eu、LiY9(SiO462:Eu、(Sr,Ba,Ca)3SiO5:Eu、Sr2BaSiO5:Eu等のEu付活珪酸塩蛍光体、(Y,Gd)3Al512:Ce、(Tb,Gd)3Al512:Ce等のCe付活アルミン酸塩蛍光体、(Mg,Ca,Sr,Ba)2Si5(N,O)8:Eu、(Mg,Ca,Sr,Ba)Si(N,O)2:Eu、(Mg,Ca,Sr,Ba)AlSi(N,O)3:Eu等のEu付活酸化物、窒化物又は酸窒化物蛍光体、(Mg,Ca,Sr,Ba)AlSi(N,O)3:Ce等のCe付活酸化物、窒化物又は酸窒化物蛍光体、(Sr,Ca,Ba,Mg)10(PO46Cl2:Eu,Mn等のEu,Mn付活ハロリン酸塩蛍光体、Ba3MgSi28:Eu,Mn、(Ba,Sr,Ca,Mg)3(Zn,Mg)Si28:Eu,Mn等のEu,Mn付活珪酸塩蛍光体、3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn等のMn付活ゲルマン酸塩蛍光体、Eu付活αサイアロン等のEu付活酸窒化物蛍光体、(Gd,Y,Lu,La)23:Eu,Bi等のEu,Bi付活酸化物蛍光体、(Gd,Y,Lu,La)22S:Eu,Bi等のEu,Bi付活酸硫化物蛍光体、(Gd,Y,Lu,La)VO4:Eu,Bi等のEu,Bi付活バナジン酸塩蛍光体、SrY24:Eu,Ce等のEu,Ce付活硫化物蛍光体、CaLa24:Ce等のCe付活硫化物蛍光体、(Ba,Sr,Ca)MgP27:Eu,Mn、(Sr,Ca,Ba,Mg,Zn)227:Eu,Mn等のEu,Mn付活リン酸塩蛍光体、(Y,Lu)2WO6:Eu,Mo等のEu,Mo付活タングステン酸塩蛍光体、(Ba,Sr,Ca)xSiyz:Eu,Ce(但し、x、y、zは、1以上の整数を表わす。)等のEu,Ce付活窒化物蛍光体、(Ca,Sr,Ba,Mg)10(PO46(F,Cl,Br,OH):Eu,Mn等のEu,Mn付活ハロリン酸塩蛍光体、((Y,Lu,Gd,Tb)1-x-yScxCey2(Ca,Mg)1-r(Mg,Zn)2+rSiz-qGeq12+δ等のCe付活珪酸塩蛍光体等を用いることも可能である。
赤色蛍光体としては、β−ジケトネート、β−ジケトン、芳香族カルボン酸、又は、ブレンステッド酸等のアニオンを配位子とする希土類元素イオン錯体からなる赤色有機蛍光体、ペリレン系顔料(例えば、ジベンゾ{[f,f’]−4,4’,7,7’−テトラフェニル}ジインデノ[1,2,3−cd:1’,2’,3’−lm]ペリレン)、アントラキノン系顔料、レーキ系顔料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、アントラセン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、フタロシアニン系顔料、トリフェニルメタン系塩基性染料、インダンスロン系顔料、インドフェノール系顔料、シアニン系顔料、ジオキサジン系顔料を用いることも可能である。
以上の中でも、赤色蛍光体としては、(Ca,Sr,Ba)2Si5(N,O)8:Eu、(Ca,Sr,Ba)Si(N,O)2:Eu、(Ca,Sr,Ba)AlSi(N,O)3:Eu、(Ca,Sr,Ba)AlSi(N,O)3:Ce、(Sr,Ba)3SiO5:Eu、(Ca,Sr)S:Eu、(La,Y)22S:Eu又はEu錯体を含むことが好ましく、より好ましくは(Ca,Sr,Ba)2Si5(N,O)8:Eu、(Ca,Sr,Ba)Si(N,O)2:Eu、(Ca,Sr,Ba)AlSi(N,O)3:Eu、(Ca,Sr,Ba)AlSi(N,O)3:Ce、(Sr,Ba)3SiO5:Eu、(Ca,Sr)S:Eu又は(La,Y)22S:Eu、もしくはEu(ジベンゾイルメタン)3・1,10−フェナントロリン錯体等のβ−ジケトン系Eu錯体又はカルボン酸系Eu錯体を含むことが好ましく、(Ca,Sr,Ba)2Si5(N,O)8:Eu、(Sr,Ca)AlSiN3:Eu又は(La,Y)22S:Euが特に好ましい。
また、以上例示の中でも、橙色蛍光体としては(Sr,Ba)3SiO5:Euが好ましい。
以上例示した橙色ないし赤色蛍光体は、何れか1種のみを使用してもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
(青色蛍光体)
青色蛍光体を使用する場合、当該青色蛍光体は本発明の効果を著しく損なわない限り任意のものを使用することができる。この際、青色蛍光体の発光ピーク波長は、通常420nm以上、好ましくは430nm以上、より好ましくは440nm以上、また、通常490nm以下、好ましくは480nm以下、より好ましくは470nm以下、更に好ましくは460nm以下の波長範囲にあることが好適である。
このような青色蛍光体としては、規則的な結晶成長形状としてほぼ六角形状を有する成長粒子から構成され、青色領域の発光を行う(Ba,Sr,Ca)MgAl1017:Euで表わされるユウロピウム賦活バリウムマグネシウムアルミネート系蛍光体、規則的な結晶成長形状としてほぼ球形状を有する成長粒子から構成され、青色領域の発光を行う(Mg,Ca,Sr,Ba)5(PO43(Cl,F):Euで表わされるユウロピウム賦活ハロリン酸カルシウム系蛍光体、規則的な結晶成長形状としてほぼ立方体形状を有する成長粒子から構成され、青色領域の発光を行う(Ca,Sr,Ba)259Cl:Euで表わされるユウロピウム賦活アルカリ土類クロロボレート系蛍光体、破断面を有する破断粒子から構成され、青緑色領域の発光を行う(Sr,Ca,Ba)Al24:Eu又は(Sr,Ca,Ba)4Al1425:Euで表わされるユウロピウム賦活アルカリ土類アルミネート系蛍光体等が挙げられる。
また、そのほか、青色蛍光体としては、Sr227:Sn等のSn付活リン酸塩蛍光体、(Sr,Ca,Ba)Al24:Eu又は(Sr,Ca,Ba)4Al1425:Eu、BaMgAl1017:Eu、(Ba,Sr,Ca)MgAl1017:Eu、BaMgAl1017:Eu,Tb,Sm、BaAl813:Eu等のEu付活アルミン酸塩蛍光体、SrGa24:Ce、CaGa24:Ce等のCe付活チオガレート蛍光体、(Ba,Sr,Ca)MgAl1017:Eu,Mn等のEu,Mn付活アルミン酸塩蛍光体、(Sr,Ca,Ba,Mg)10(PO46Cl2:Eu、(Ba,Sr,Ca)5(PO43(Cl,F,Br,OH):Eu,Mn,Sb等のEu付活ハロリン酸塩蛍光体、BaAl2Si28:Eu、(Sr,Ba)3MgSi28:Eu等のEu付活珪酸塩蛍光体、Sr227:Eu等のEu付活リン酸塩蛍光体、ZnS:Ag、ZnS:Ag,Al等の硫化物蛍光体、Y2SiO5:Ce等のCe付活珪酸塩蛍光体、CaWO4等のタングステン酸塩蛍光体、(Ba,Sr,Ca)BPO5:Eu,Mn、(Sr,Ca)10(PO46・nB23:Eu、2SrO・0.84P25・0.16B23:Eu等のEu,Mn付活硼酸リン酸塩蛍光体、Sr2Si38・2SrCl2:Eu等のEu付活ハロ珪酸塩蛍光体、SrSi9Al19ON31:Eu、EuSi9Al19ON31等のEu付活酸窒化物蛍光体、La1-xCexAl(Si6-zAlz)(N10-zz)(ここで、x、及びyは、それぞれ0≦x≦1、0≦z≦6を満たす数である。)、La1-x-yCexCayAl(Si6-zAlz)(N10-zz)(ここで、x、y、及びzは、それぞれ、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦6を満たす数である。)等のCe付活酸窒化物蛍光体等を用いることも可能である。
また、青色蛍光体としては、例えば、ナフタル酸イミド系、ベンゾオキサゾール系、スチリル系、クマリン系、ピラリゾン系、トリアゾール系化合物の蛍光色素、ツリウム錯体等の有機蛍光体等を用いることも可能である。
以上の例示の中でも、青色蛍光体としては、(Ca,Sr,Ba)MgAl1017:Eu、(Sr,Ca,Ba,Mg)10(PO46(Cl,F)2:Eu又は(Ba,Ca,Mg,Sr)2SiO4:Euを含むことが好ましく、(Ca,Sr,Ba)MgAl1017:Eu、(Sr,Ca,Ba,Mg)10(PO46(Cl,F)2:Eu又は(Ba,Ca,Sr)3MgSi28:Euを含むことがより好ましく、BaMgAl1017:Eu、Sr10(PO46(Cl,F)2:Eu又はBa3MgSi28:Euを含むことがより好ましい。また、このうち照明用途及びディスプレイ用途としては(Sr,Ca,Ba,Mg)10(PO46Cl2:Eu又は(Ca,Sr,Ba)MgAl1017:Euが特に好ましい。
以上例示した青色蛍光体は、何れか1種のみを使用してもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
(第2の蛍光体)
本発明の発光装置における第2の発光体は、その用途に応じて、上述の第1の蛍光体以外にも蛍光体(即ち、第2の蛍光体)を含有していてもよい。この第2の蛍光体は、第1の蛍光体とは発光ピーク波長が異なる蛍光体である。通常、これらの第2の蛍光体は、第2の発光体の発光の色調を調節するために使用されるため、第2の蛍光体としては第1の蛍光体とは異なる色の蛍光を発する蛍光体を使用することが多い。したがって、第1の蛍光体として緑色蛍光体を使用する場合には、第2の蛍光体としては、例えば橙色ないし赤色蛍光体、青色蛍光体、黄色蛍光体等の緑色蛍光体以外の蛍光体を用いる。また、第1の蛍光体として橙色ないし赤色蛍光体を使用する場合には、第2の蛍光体としては、例えば緑色蛍光体、青色蛍光体、黄色蛍光体等の橙色ないし赤蛍光体以外の蛍光体を用いる。さらに、第1の蛍光体として青色蛍光体を使用する場合には、第2の蛍光体としては、例えば緑色蛍光体、橙色ないし赤色蛍光体、黄色蛍光体等の青色蛍光体以外の蛍光体を用いる。
該緑色蛍光体、橙色ないし赤色蛍光体及び青色蛍光体の例としては、前記第1の蛍光体の項で記載したのと同様の蛍光体を挙げることができる。
該黄色蛍光体の例としては、以下に記載したものが挙げられる。
(黄色蛍光体)
黄色蛍光体を使用する場合、本発明の効果を著しく損なわない限り任意のものを使用することができる。この際、黄色蛍光体の発光ピーク波長は、通常530nm以上、好ましくは540nm以上、より好ましくは550nm以上、また、通常620nm以下、好ましくは600nm以下、より好ましくは580nm以下の波長範囲にあることが好適である。
このような黄色蛍光体としては、各種の酸化物系、窒化物系、酸窒化物系、硫化物系、酸硫化物系等の蛍光体が挙げられる。
特に、RE32 512:Ce(ここで、REは、Y、Tb、Gd、Lu、及びSmからなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素を表わし、M2は、Al、Ga、及びScからなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素を表わす。)やMa 3b 2c 312:Ce(ここで、Maは2価の金属元素、Mbは3価の金属元素、Mcは4価の金属元素を表わす。)等で表わされるガーネット構造を有するガーネット系蛍光体、AE2d4:Eu(ここで、AEは、Ba、Sr、Ca、Mg、及びZnからなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素を表わし、Mdは、Si、及び/又はGeを表わす。)等で表わされるオルソシリケート系蛍光体、これらの系の蛍光体の構成元素の酸素の一部を窒素で置換した酸窒化物系蛍光体、AEAlSiN3:Ce(ここで、AEは、Ba、Sr、Ca、Mg及びZnからなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素を表わす。)等のCaAlSiN3構造を有する窒化物系蛍光体等のCeで付活した蛍光体が挙げられる。
また、その他、黄色蛍光体としては、CaGa24:Eu、(Ca,Sr)Ga24:Eu、(Ca,Sr)(Ga,Al)24:Eu等の硫化物系蛍光体、Cax(Si,Al)12(O,N)16:Eu等のSiAlON構造を有する酸窒化物系蛍光体等のEuで付活した蛍光体、(M3 1-a-bEuaMnb2(BO31-p(PO4p2(但し、M3は、Ca、Sr、及びBaからなる群より選ばれる1種以上の元素を表し、X2は、F、Cl、及びBrからなる群より選ばれる1種以上の元素を表す。a、b、及びpは、各々、0.001≦a≦0.3、0≦b≦0.3、0≦p≦0.2を満たす数を表す。)等のEu付活又はEu,Mn共付活ハロゲン化ホウ酸塩蛍光体等を用いることも可能である。
また、黄色蛍光体としては、例えば、brilliant sulfoflavine FF (Colour Index Number 56205)、basic yellow HG (Colour Index Number 46040)、eosine (Colour Index Number 45380)、rhodamine 6G (Colour Index Number 45160)等の蛍光染料等を用いることも可能である。
以上例示した黄色蛍光体は、何れか1種のみを使用してもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
本発明の発光装置に使用される第2の蛍光体の重量メジアン径は、通常10μm以上、中でも12μm以上、また、通常30μm以下、中でも25μm以下の範囲であることが好ましい。重量メジアン径が小さ過ぎると、輝度が低下し、蛍光体粒子が凝集する傾向がある。一方、重量メジアン径が大き過ぎると、塗布ムラやディスペンサー等の閉塞が生じる傾向がある。
(第2の蛍光体の組み合わせ)
上記第2の蛍光体としては、1種類の蛍光体のみを使用してもよく、2種以上の蛍光体を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。また、第1の蛍光体と第2の蛍光体との比率も、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。従って、第2の蛍光体の使用量、並びに、第2の蛍光体として用いる蛍光体の組み合わせ及びその比率等は、発光装置の用途等に応じて任意に設定すればよい。
また、本発明の蛍光体は、他の蛍光体と混合(ここで、混合とは、必ずしも蛍光体同士が混ざり合っている必要はなく、異種の蛍光体が組み合わされていることを意味する。)して用いることができる。特に、上記に記載の組み合わせで蛍光体を混合すると、好ましい蛍光体混合物が得られる。なお、混合する蛍光体の種類やその割合に特に制限はない。
(封止材料)
本発明の発光装置において、上記第1及び/又は第2の蛍光体は、通常、封止材料である液体媒体に分散させて用いられる。
該液体媒体としては、前述の蛍光体含有組成物の項で記載したのと同様のものが挙げられる。
また、該液体媒体は、封止部材の屈折率を調整するために、高い屈折率を有する金属酸化物となり得る金属元素を含有させることができる。高い屈折率を有する金属酸化物を与える金属元素の例としては、Si、Al、Zr、Ti、Y、Nb、B等が挙げられる。これらの金属元素は単独で使用されてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で併用されてもよい。
このような金属元素の存在形態は、封止部材の透明度を損なわなければ特に限定されず、例えば、メタロキサン結合として均一なガラス層を形成していても、封止部材中に粒子状で存在していてもよい。粒子状で存在している場合、その粒子内部の構造はアモルファス状であっても結晶構造であってもよいが、高屈折率を与えるためには結晶構造であることが好ましい。また、その粒子径は、封止部材の透明度を損なわないために、通常は、半導体発光素子の発光波長以下、好ましくは100nm以下、更に好ましくは50nm以下、特に好ましくは30nm以下である。例えばシリコーン系材料に、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化イットリウム、酸化ニオブ等の粒子を混合することにより、上記の金属元素を封止部材中に粒子状で存在させることができる。
また、上記液体媒体としては、更に、拡散剤、フィラー、粘度調整剤、紫外線吸収剤等公知の添加剤を含有していてもよい。
[6−2.発光装置の構成(その他)]
本発明の発光装置は、上述の第1の発光体及び第2の発光体を備えていれば、そのほかの構成は特に制限されないが、通常は、適当なフレーム上に上述の第1の発光体及び第2の発光体を配置してなる。この際、第1の発光体の発光によって第2の発光体が励起されて(即ち、第1及び第2の蛍光体が励起されて)発光を生じ、且つ、この第1の発光体の発光及び/又は第2の発光体の発光が、外部に取り出されるように配置されることになる。この場合、第1の蛍光体と第2の蛍光体とは必ずしも同一の層中に混合されなくてもよく、例えば、第1の蛍光体を含有する層の上に第2の蛍光体を含有する層が積層する等、蛍光体の発色毎に別々の層に蛍光体を含有するようにしてもよい。
また、本発明の発光装置では、上述の励起光源(第1の発光体)、蛍光体(第2の発光体)及びフレーム以外の部材を用いてもよい。その例としては、前述の封止材料が挙げられる。該封止材料は、発光装置において、蛍光体(第2の発光体)を分散させる目的以外にも、励起光源(第1の発光体)、蛍光体(第2の発光体)及びフレーム間を接着する目的で用いたりすることができる。
[6−3.発光装置の実施形態]
以下、本発明の発光装置について、具体的な実施の形態を挙げて、より詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に変形して実施することができる。
本発明の発光装置の一例における、励起光源となる第1の発光体と、蛍光体を有する蛍光体含有部として構成された第2の発光体との位置関係を示す模式的斜視図を図2に示す。図2中の符号11は蛍光体含有部(第2の発光体)、符号12は励起光源(第1の発光体)としての面発光型GaN系LD、符号13は基板を表す。相互に接触した状態をつくるために、LD(12)と蛍光体含有部(第2の発光体)(11)とそれぞれ別個に作製し、それらの面同士を接着剤やその他の手段によって接触させてもよいし、LD(12)の発光面上に蛍光体含有部(第2の発光体)を製膜(成型)させてもよい。これらの結果、LD(12)と蛍光体含有部(第2の発光体)(11)とを接触した状態とすることができる。
このような装置構成をとった場合には、励起光源(第1の発光体)からの光が蛍光体含有部(第2の発光体)の膜面で反射されて外にしみ出るという光量損失を避けることができるので、装置全体の発光効率を良くすることができる。
図3(a)は、一般的に砲弾型と言われる形態の発光装置の代表例であり、励起光源(第1の発光体)と蛍光体含有部(第2の発光体)とを有する発光装置の一実施例を示す模式的断面図である。該発光装置(14)において、符号15はマウントリード、符号16はインナーリード、符号17は励起光源(第1の発光体)、符号18は蛍光体含有樹脂部、符号19は導電性ワイヤ、符号20はモールド部材をそれぞれ指す。
また、図3(b)は、表面実装型と言われる形態の発光装置の代表例であり、励起光源(第1の発光体)と蛍光体含有部(第2の発光体)とを有する発光装置の一実施例を示す模式的断面図である。図中、符号21は励起光源(第1の発光体)、符号22は蛍光体含有部(第2の発光体)としての蛍光体含有樹脂部、符号23はフレーム、符号24は導電性ワイヤ、符号25及び符号26は電極をそれぞれ指す。
[6−4.発光装置の用途]
本発明の発光装置の用途は特に制限されず、通常の発光装置が用いられる各種の分野に使用することが可能であるが、色再現範囲が広く、且つ、演色性も高いことから、中でも照明装置や画像表示装置の光源として、とりわけ好適に用いられる。
(照明装置)
本発明の発光装置を照明装置に適用する場合には、前述のような発光装置を公知の照明装置に適宜組み込んで用いればよい。例えば、図4に示されるような、前述の発光装置(14)を組み込んだ面発光照明装置(27)を挙げることができる。
図4は、本発明の照明装置の一実施形態を模式的に示す断面図である。この図4に示すように、該面発光照明装置は、内面を白色の平滑面等の光不透過性とした方形の保持ケース(28)の底面に、多数の発光装置(29)(前述の発光装置(14)に相当)を、その外側に発光装置(29)の駆動のための電源及び回路等(図示せず。)を設けて配置し、保持ケース(28)の蓋部に相当する箇所に、乳白色としたアクリル板等の拡散板(30)を発光の均一化のために固定してなる。
そして、面発光照明装置(27)を駆動して、発光装置(29)の励起光源(第1の発光体)に電圧を印加することにより光を発光させ、その発光の一部を、蛍光体含有部(第2の発光体)としての蛍光体含有樹脂部における前記蛍光体が吸収し、可視光を発光し、一方、蛍光体に吸収されなかった青色光等との混色により演色性の高い発光が得られ、この光が拡散板(30)を透過して、図面上方に出射され、保持ケース(28)の拡散板(30)面内において均一な明るさの照明光が得られることとなる。
(画像表示装置)
本発明の発光装置を画像表示装置の光源として用いる場合には、その画像表示装置の具体的構成に制限は無いが、カラーフィルターとともに用いることが好ましい。例えば、画像表示装置として、カラー液晶表示素子を利用したカラー画像表示装置とする場合は、上記発光装置をバックライトとし、液晶を利用した光シャッターと赤、緑、青の画素を有するカラーフィルターとを組み合わせることにより画像表示装置を形成することができる。
[7.その他]
本発明は、上述した実施形態及び例示物等に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り、任意に変更して実施することができる。
例えば、本発明の蛍光体は、砂時計用の砂として用いても良い。このような砂時計の一例を、図5に模式的に示す。
図5に示すように、この砂時計31は、支柱32により連結された上下の台座33,34の間に透明容器35を備えて構成されている。そして、透明容器35は、その中央部に設けられたオリフィス36により2つの室37,38に区画され、この室37,38内に砂39が封入されている。砂39については、本発明の蛍光体をそのまま用いても良いが、何からのバインダーに封入した粒子を砂39として用いても良い。
このように、砂時計31において本発明の蛍光体を砂39に用いれば、視認しやすく、実用性、装飾性及び遊戯性に優れた砂時計を実現できる。また、従来の有機蛍光体は光や酸素に対する耐久性に課題があったが、本発明の蛍光体は十分な耐久性を有するため、砂39からの発光の輝度を高く維持することが可能である。
また、例えば、本発明の蛍光体は、スノードーム(スノーグローブ)用の雪材として用いても良い。このようなスノードームの一例を、図6に模式的に示す。
図6に示すように、このスノードーム40は、台座41上に透明容器42を設置し、透明容器42内に建造物等のミニチュア43を設けたものである。また、透明容器42内には水等の液体44を封入し、この液中に雪材45を分散させたものである。雪材45については、本発明の蛍光体をそのまま用いても良いが、何からのバインダーに封入した粒子を雪材45として用いても良い。
このように、スノードーム40において本発明の蛍光体を雪材45に用いれば、視認しやすく、装飾性及び遊戯性に優れたスノードームを実現できる。また、従来の有機蛍光体は耐光性、耐水性等の耐久性に課題があったが、本発明の蛍光体は十分な耐久性を有するため、雪材45からの発光の輝度を高く維持することが可能である。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。ただし、本発明はその要旨を逸脱しない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
[蛍光体の測定評価方法]
後述の各実施例及び各比較例において、蛍光体の各種の評価は、以下の手法で行った。
[1.発光スペクトルの測定方法]
発光スペクトルは、日本分光社製FP−6500を用いて測定を行った。
また、発光ピーク波長と半値幅は、得られた発光スペクトルから読み取った。発光強度は、三菱化学社製BR−101Aの波長455nm励起時のピーク強度を基準値100とした相対値で表した。この相対発光ピーク強度は高い方が好ましい。
[2.色度座標の測定方法]
発光スペクトルの480nm〜800nm(励起波長455nmの場合)の波長領域のデータから、JIS Z8724に準じた方法で、JIS Z8701で規定されるXYZ表色系における色度座標CIExとCIEyを算出した。
[3.輝度維持率の測定方法]
直径8mmの粉体用ホルダーに約100mgの測定サンプル粉(錯体蛍光体)を詰め、蛍光体負荷試験装置(向洋電子社製)内にセットした。付属の真空ポンプを25分間運転し、サンプル室を真空とした。次いで、真空ポンプを停止した後に純窒素で復圧し、そのまま2.5L/分で窒素を流しつづけてサンプル室を窒素雰囲気とした。励起光源としては、日亜化学社製の近紫外レーザダイオード(発光波長:407nm)を用い、励起光強度を500mW/cm2として窒素雰囲気中のサンプル室内のサンプル粉に照射した。サンプル粉からの発光スペクトルの時間変化を、大塚電子社製MCPD−3000を用いて測定した。なお、評価は室温で行った。
上記発光スペクトルから発光ピーク面積を算出し、その経時変化における時間t=90分でのピーク面積の、時間t=0分でのピーク面積に対する比(時間t=0分でのピーク面積を1と規格化したときのt=90分でのピーク面積)を輝度維持率(%)と定義した。
[4.内部量子効率、外部量子効率、及び吸収効率]
以下のようにして、蛍光体の吸収効率αq、内部量子効率ηi、及び、外部量子効率効率ηo、を求めた。
まず、測定対象となる蛍光体サンプルを、測定精度が保たれるように、十分に表面を平滑にしてセルに詰め、積分球に取り付けた。
この積分球に、蛍光体を励起するための発光光源(150WのXeランプ)から光ファイバーを用いて光を導入した。前記の発光光源からの光の発光ピーク波長を455nmの単色光となるようにモノクロメーター(回折格子分光器)等を用いて調整した。この単色光を励起光として、測定対象の蛍光体サンプルに照射し、分光測定装置(大塚電子株式会社製MCPD7000)を用いて、蛍光体サンプルの発光(蛍光)および反射光についてスペクトルを測定した。積分球内の光は、光ファイバーを用いて分光測定装置に導いた。
吸収効率αqは、蛍光体サンプルによって吸収された励起光のフォトン数Nabsを励起光の全フォトン数Nで割った値である。
後者の励起光の全フォトン数Nは、下記(式A)で求められる数値に比例する。そこで、励起光に対してほぼ100%の反射率Rを持つ反射板であるLabsphere製「Spectralon」(波長450nmの励起光に対して98%の反射率Rを持つ。)を、測定対象として、蛍光体サンプルと同様の配置で上述の積分球に取り付け、励起光を照射し、分光測定装置で測定することにより反射スペクトルIref(λ)を測定し、下記(式A)の値を求めた。
Figure 2009023914
ここで、積分区間は、410nm〜480nmとした。
蛍光体サンプルによって吸収された励起光のフォトン数Nabsは下記(式B)で求められる量に比例する。
Figure 2009023914
そこで、吸収効率αqを求める対象としている蛍光体サンプルを取り付けたときの、反射スペクトルI(λ)を求めた。(式B)の積分範囲は(式A)で定めた積分範囲と同じにした。実際のスペクトル測定値は、一般にはλに関するある有限のバンド幅で区切ったデジタルデータとして得られるため、(式A)および(式B)の積分は、そのバンド幅に基づいた和分によって求めた。
以上より、αq=Nabs/N=(式B)/(式A)を計算した。
次に、内部量子効率ηiを以下のようにして求めた。内部量子効率ηiは、蛍光現象に由来するフォトンの数NPLを蛍光体サンプルが吸収したフォトンの数Nabsで割った値である。
ここで、NPLは、下記(式C)で求められる量に比例する。そこで、下記(式C)で求められる量を求めた。
Figure 2009023914
積分区間は、481nm〜800nmとした。
以上により、ηi=(式C)/(式B)を計算し、内部量子効率ηiを求めた。
なお、デジタルデータとなったスペクトルから積分を行うことに関しては、吸収効率αqを求めた場合と同様に行った。
そして、上記のようにして求めた吸収効率αqと内部量子効率ηiの積をとることで外部量子効率ηoを求めた。
[実施例1]
Figure 2009023914
ジフェニルピリジルホスフィン2.1g(アルドリッチ製)をエタノール30mL(純正化学)に溶解し、0℃で30重量%の過酸化水素の水溶液2.0mL(和光純薬)をゆっくり滴下し、5時間室温で攪拌した。その後、反応溶液に水50mLを加え、塩化メチレンで抽出を行い、有機層に硫酸マグネシウム(関東化学)を加えて乾燥後、ろ過濃縮した。得られた固体をヘキサンで再結晶することにより、白色固体(ホスフィンオキサイド)1.1gを得た。
得られたホスフィンオキサイドとヘキサフルオロアセチルアセトン686mg(アルドリッチ製)をイソプロパノール5mLに溶かし、トリエチルアミン404mg(純正化学)を加えたのち、塩化ユウロピウム水和物EuCl3/6H2O 366mgのエタノール(5mL)溶液を滴下し、室温で2時間攪拌した。反応終了後、濃縮し、水を加えて粗精製物を洗浄ろ過し、ヘキサンで再結晶することにより、目的とする錯体1を2.0g得ることが出来た。
該錯体1について、その発光スペクトルを測定し、その最大発光ピーク波長(616nm)及び色度(CIE(x,y)=(0.65,0.31))から、目的とする錯体が得られていることを確認した。
また、該錯体1について、輝度維持率、量子効率及び吸収効率を測定した。結果を表1に示す。
[比較例1]
公知の錯体である下記錯体Aについて、実施例1と同様に輝度維持率、量子効率及び吸収効率を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2009023914
[比較例2]
公知の錯体である下記錯体Bについて、実施例1と同様に輝度維持率、量子効率及び吸収効率を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2009023914
Figure 2009023914
[実施例2]
Figure 2009023914
実施例1で得られた錯体1に重メタノールを6mL加え、4時間環流を行った。その後再結晶することにより、目的とする錯体2を824mg得ることが出来た。
該錯体2について、実施例1と同様にその発光スペクトルを測定し、その最大発光ピーク波長及び色度から、目的とする錯体が得られていることを確認した。
また、該錯体2について、輝度維持率、量子効率及び吸収効率を測定した。結果を表2に示す。
[比較例3]
公知の錯体である下記錯体Cについて、実施例1と同様に輝度維持率、量子効率及び吸収効率を測定した。結果を表2に示す。
Figure 2009023914
[比較例4]
公知の錯体である下記錯体Dについて、実施例1と同様に輝度維持率、量子効率及び吸収効率を測定した。結果を表2に示す。
Figure 2009023914
Figure 2009023914
[実施例3]
Figure 2009023914
ブロモピリジン6.3g(東京化成)を脱水ジエチルエーテル50mL(関東化学)に溶かし、窒素下−78℃でブチルリチウム26mL(関東化学)を加え、0℃まで昇温しながら30分攪拌を行った。その後、ジクロロフェニルホスフィン3.2gを加え、さらに室温で2時間攪拌した。塩化メチレン100mLを加え、無機塩をろ過したのち、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(展開溶剤ジクロロメタン/メタノール10/1)にて精製を行い、ジピリジルフェニルホスフィン1.7gを得た。
得られたホスフィン1.0gをエタノール50mL(純正化学)に溶解し、0℃で30重量%の過酸化水素の水溶液1.0mL(和光純薬)をゆっくり滴下し、1時間室温で攪拌した。その後、反応溶液に水50mLを加え、塩化メチレンで抽出を行い、有機層に硫酸マグネシウム(関東化学)を加えて乾燥後、ろ過濃縮した。得られた固体をヘキサンで洗浄することにより、白色固体(ホスフィンオキサイド)1.0gを得た。
得られたホスフィンオキサイド560mgとヘキサフルオロアセチルアセトン686mg(アルドリッチ製)をイソプロパノール5mLに溶かし、トリエチルアミン404mg(純正化学)を加えたのち、塩化ユウロピウム水和物EuCl3/6H2O 366mgのエタノール(5mL)溶液を滴下し、室温で2時間攪拌した。反応終了後、濃縮し、水を加えて粗精製物を洗浄ろ過し、ヘキサンで再結晶することにより、目的とする錯体3を880mg得ることが出来た。
該錯体3について、その発光スペクトルを測定し、その最大発光ピーク波長及び色度から、目的とする錯体が得られていることを確認した。
また、該錯体3について、輝度維持率、量子効率及び吸収効率を測定した。結果を表3に示す。
[実施例4]
Figure 2009023914
2−ブロモ−5−メチルピリジン2.58g(東京化成)を脱水ジエチルエーテル20mL(関東化学)に溶かし、窒素下−78℃でブチルリチウム10.3mL(関東化学)を加え、0℃まで昇温しながら30分攪拌を行った。その後、クロロジフェニルホスフィン3.75gを加え、さらに室温で2時間攪拌した。塩化メチレン50mLを加え、無機塩をろ過したのち、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(展開溶剤ジクロロメタン/メタノール10/1)にて精製を行い、5−メチル2−ピリジルフェニルホスフィン3.0gを得た。
得られたホスフィン3.0gをテトラヒドロフラン40mL(純正化学)に溶解し、0℃で30重量%の過酸化水素の水溶液4mL(和光純薬)をゆっくり滴下し、1時間室温で攪拌した。その後、反応溶液に水100mLを加え、塩化メチレンで抽出を行い、有機層に硫酸マグネシウム(関東化学)を加えて乾燥後、ろ過濃縮した。得られた固体をヘキサンで洗浄することにより、白色固体(ホスフィンオキサイド)3.2gを得た。
得られたホスフィンオキサイド587mgとヘキサフルオロアセチルアセトン686mg(アルドリッチ製)をイソプロパノール5mLに溶かし、トリエチルアミン404mg(純正化学)を加えたのち、塩化ユウロピウム水和物EuCl3/6H2O 366mgのエタノール(5mL)溶液を滴下し、室温で2時間攪拌した。反応終了後、濃縮し、水を加えて粗精製物を洗浄ろ過し、メタノールで再結晶することにより、目的とする錯体4を1.0g得ることが出来た。
該錯体4について、その発光スペクトルを測定し、その最大発光ピーク波長及び色度から、目的とする錯体が得られていることを確認した。
また、該錯体4について、輝度維持率、量子効率及び吸収効率を測定した。結果を表3に示す。
[実施例5]
Figure 2009023914
2−ブロモ−6−メチルピリジン1.65mL(アルドリッチ)を脱水THF29mL(関東化学)に溶かし、窒素下−78℃でブチルリチウム9.25mL(関東化学)を加え、0℃まで昇温しながら25分攪拌を行った。その後、クロロジフェニルホスフィン2.7mL(和光純薬)を加え、さらに室温で2時間攪拌した。塩化メチレン50mLを加え抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥ろ過濃縮後、カラムクロマトグラフィー(展開溶剤ジクロロメタン/メタノール10/1)にて精製を行い、6−メチル2−ピリジルフェニルホスフィン4.2gを得た。
得られたホスフィンをTHF 73mL(純正化学)に溶解し、0℃で30重量%の過酸化水素の水溶液1.5 mL(和光純薬)をゆっくり滴下し、40分室温で攪拌した。その後反応溶液に水100mLを加え、塩化メチレンで抽出を行い、有機層に硫酸マグネシウム(関東化学)を加えて乾燥後、ろ過濃縮した。得られた固体をヘキサンで洗浄することにより、白色固体(ホスフィンオキサイド)4.5gを得た。
得られたホスフィンオキサイド587mgとヘキサフルオロアセチルアセトン686mg(アルドリッチ製)をイソプロパノール5mLに溶かし、トリエチルアミン404mg(純正化学)を加えたのち、塩化ユウロピウム水和物EuCl3/6H2O 366mgのエタノール(5mL)溶液を滴下し、室温で2時間攪拌した。反応終了後、濃縮し、水を加えて粗精製物を洗浄ろ過し、メタノールで再結晶することにより、目的とする錯体5を1.1g得ることが出来た。
該錯体5について、その発光スペクトルを測定し、その最大発光ピーク波長及び色度から、目的とする錯体が得られていることを確認した。
また、該錯体5について、輝度維持率、量子効率及び吸収効率を測定した。結果を表3に示す。
[実施例6]
Figure 2009023914
3−ブロモピリジン6.32g(東京化成)を脱水ジエチルエーテル50mL(関東化学)に溶かし、窒素下−78℃でブチルリチウム26.3mL(関東化学)を加え、0℃まで昇温しながら30分攪拌を行った。その後、クロロジフェニルホスフィン9.7gを加え、さらに室温で2時間攪拌した。塩化メチレン100mLを加え、無機塩をろ過したのち、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(展開溶剤:ジクロロメタン/メタノール=10/1)にて精製を行い、3−ピリジルフェニルホスフィンを得た。
得られたホスフィンをアセトン100mL(純正化学)に溶解し、0℃で30重量%の過酸化水素の水溶液2.0mL(和光純薬)をゆっくり滴下し、1時間室温で攪拌した。その後反応溶液に水100mLを加え、塩化メチレンで抽出を行い、有機層に硫酸マグネシウム(関東化学)を加えて乾燥後、ろ過濃縮した。得られた固体をヘキサンで洗浄することにより、白色固体(ホスフィンオキサイド)3.3gを得た。
得られたホスフィンオキサイド559mgとヘキサフルオロアセチルアセトン686mg(アルドリッチ製)をイソプロパノール5mLに溶かし、トリエチルアミン404mg(純正化学)を加えたのち、塩化ユウロピウム水和物EuCl3/6H2O 366mgのエタノール(5mL)溶液を滴下し、室温で2時間攪拌した。反応終了後、濃縮し、水を加えて粗精製物を洗浄ろ過し、メタノールで再結晶することにより、目的とする錯体6を724mg得ることが出来た。
該錯体6について、その発光スペクトルを測定し、その最大発光ピーク波長及び色度から、目的とする錯体が得られていることを確認した。
また、該錯体6について、輝度維持率、量子効率及び吸収効率を測定した。結果を表3に示す。
[実施例7]
Figure 2009023914
トリフリルホスフィン1.5g(WAKO)をTHF32mL(純正化学)に溶解し、0℃で30重量%の過酸化水素の水溶液0.66 mL(和光純薬)をゆっくり滴下し、5時間室温で攪拌した。その後、反応溶液に水60 mLを加え、塩化メチレンで抽出を行い、有機層に硫酸マグネシウム(関東化学)を加えて乾燥後、ろ過濃縮した。得られた固体をヘキサンで再結晶することにより、白色固体(ホスフィンオキサイド)1.1gを得た。
得られたホスフィンオキサイドとヘキサフルオロアセチルアセトン686mg(アルドリッチ製)をイソプロパノール5 mLに溶かし、トリエチルアミン480mg(純正化学)を加えたのち、塩化ユウロピウム水和物EuCl3/6H2O 366mgのエタノール(5mL)溶液を滴下し、室温で2時間攪拌した。反応終了後、濃縮し、水を加えて粗精製物を洗浄ろ過し、メタノールで再結晶することにより、目的とする錯体7を836mg得ることが出来た。
該錯体7について、その発光スペクトルを測定し、その最大発光ピーク波長及び色度から、目的とする錯体が得られていることを確認した。
また、該錯体7について、輝度維持率、量子効率及び吸収効率を測定した。結果を表3に示す。
Figure 2009023914
本発明は耐久性が高く、高輝度な新規希土類錯体蛍光体に関するものであり、該蛍光体は、照明、画像表示装置等の光を使用する用途に用いて特に好適である。
本発明の積層体の一例としてのプロジェクタ用スクリーンについて模式的に示す図である。 本発明の発光装置の一例における、励起光源(第1の発光体)と蛍光体含有部(第2の発光体)との位置関係を示す模式的斜視図である。 図3(a)及び図3(b)は、いずれも、励起光源(第1の発光体)と蛍光体含有部(第2の発光体)とを有する発光装置の一実施例を示す模式的断面図である。 本発明の照明装置の一実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明の蛍光体の用途の一例としての砂時計を模式的に示す図である。 本発明の蛍光体の用途の一例としてのスノードームを模式的に示す図である。
符号の説明
1:スクリーン
2:シート
3:蛍光体含有層
4:プロジェクタ
5:レーザーポインタ
6:スポット
11:第2の発光体
12:面発光型GaN系LD
13:基板
14:発光装置
15:マウントリード
16:インナーリード
17:第1の発光体
18:蛍光体含有樹脂部
19:導電性ワイヤー
20:モールド部材
21:励起光源
22:蛍光体含有部
23:フレーム
24:導電性ワイヤ
25,26:電極
27:面発光照明装置
28:保持ケース
29:発光装置
30:拡散板
31:砂時計
32:支柱
33,34:台座
35:透明容器
36:オリフィス
37,38:室
39:砂
40:スノードーム
41:台座
42:透明容器
43:ミニチュア
44:液体
45:雪材

Claims (12)

  1. 下記式(1)又は(2)のいずれかで表される配位子を有する
    ことを特徴とする、希土類錯体。
    Figure 2009023914
    (式(1)中、R1〜R3は、それぞれ独立して、1価の置換基を示し、かつ、これらのうち少なくとも1つが−X−Aで表される基である。
    式(2)中、R4、R5、R4’及びR5’は、それぞれ独立して、1価の置換基を示し、かつ、これらのうち少なくとも1つが−X−Aで表される基であり、
    6は2価の連結基を示す。
    ここで、
    Xは直接結合又は2価の連結基を示し、
    Aはヘテロ環基であり、かつ、該へテロ環基を構成するヘテロ環化合物の分子軌道計算によって求められる最高被占軌道の分子軌道エネルギーがベンゼン環よりも大きいものを示す。)
  2. 前記のXが直接結合である
    ことを特徴とする請求項1に記載の希土類錯体。
  3. 希土類錯体を構成する希土類金属元素が、Eu、Tb、Tm及びCeからなる群より選ばれる元素である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の希土類錯体。
  4. 下記式(3)又は(4)で表されるアニオン性配位子を有する
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の希土類錯体。
    Figure 2009023914
    (式(3)中、R7及びR9は、それぞれ独立して、パーフルオロアルキル基、電子吸引性基を有する芳香族炭化水素基、又は、置換基を有していても良い複素環基を示し、
    8は、水素原子、重水素原子、アルキル基、置換基を有しても良い芳香族炭化水素基、又は、置換基を有しても良い複素環基を示し、
    式(4)中、R10は、電子吸引性置換基を有する芳香族炭化水素基、又は、置換基を有しても良い複素環基を示す。)
  5. 下記式(1)又は(2)のいずれかで表される配位子を有する希土類錯体蛍光体。
    Figure 2009023914
    (式(1)中、R1〜R3は、それぞれ独立して、1価の置換基を示し、かつ、これらのうち少なくとも1つが−X−Aで表される基である。
    式(2)中、R4、R5、R4’及びR5’は、それぞれ独立して、1価の置換基を示し、かつ、これらのうち少なくとも1つが−X−Aで表される基であり、
    6は2価の連結基を示す。
    ここで、
    Xは直接結合又は2価の連結基を示し、
    Aはヘテロ環基であり、かつ、該ヘテロ環基を構成するヘテロ環化合物の分子軌道計算によって求められる最高被占軌道の分子軌道エネルギーがベンゼン環よりも大きいものを示す。)
  6. 請求項5に記載の希土類錯体蛍光体と、液体媒体とを含有する
    ことを特徴とする蛍光体含有組成物。
  7. 請求項5に記載の希土類錯体蛍光体を含有する蛍光体含有層を有する
    ことを特徴とする積層体。
  8. 請求項5に記載の希土類錯体蛍光体を含有する
    ことを特徴とする色変換フィルム。
  9. 第1の発光体と、該第1の発光体からの光の照射によって可視光を発する第2の発光体とを備え、
    前記第2の発光体が、請求項5に記載の希土類錯体蛍光体を1種以上、第1の蛍光体として含有する
    ことを特徴とする発光装置。
  10. 該第2の発光体が、該第1の蛍光体とは発光ピーク波長の異なる蛍光体を1種以上、第2の蛍光体として含有する
    ことを特徴とする請求項9に記載の発光装置。
  11. 請求項9又は10に記載の発光装置を備える
    ことを特徴とする照明装置。
  12. 請求項9又は10に記載の発光装置を備える
    ことを特徴とする画像表示装置。
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