JP2008182197A - 有機蛍光体、有機蛍光体材料、発光装置およびその発光方法 - Google Patents

有機蛍光体、有機蛍光体材料、発光装置およびその発光方法 Download PDF

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Abstract

【課題】有機蛍光体材料を利用して可視光発光ダイオード励起で高輝度な緑色発光を得る発光装置および発光方法を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)で表される構造からなる化合物を含有し、波長380nm〜420nmの範囲に発光極大を有する光源を用いて励起させることにより緑色の発光を呈する有機蛍光体。
Figure 2008182197

(式中R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していても良い芳香環基、置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していても良いアルケニル基、置換基を有していても良いアルキニル基、シアノ基、又はカルボキシル基を表し、R〜Rの少なくとも2つは置換基を有していても良い芳香環基である。)
【選択図】なし

Description

本発明は、波長380nm〜420nmの範囲に発光極大を有する光源を用いて励起させることにより青色ないし緑色の発光を呈する有機蛍光体及び有機蛍光体材料と、このような有機蛍光体材料を用いて波長380nm〜420nmの範囲に発光極大を有する可視光発光ダイオードによる励起で緑色の発光を呈する発光装置および発光方法に関する。
有機蛍光体は無機蛍光体に比べて、製造コストが抑えられる上、比重が小さいことにより媒体への分散性が良いなどの利点から、蛍光増白剤、色素レーザー、バイオイメージング、有機EL用発光色素など幅広い分野での利用がなされている。
しかしながら、有機蛍光体の特性として、高濃度条件では一般的に濃度消光による大幅な輝度低下や、エキシマー形成による発光波長の長波長化を引き起こすことが知られており、これらの問題を回避するために、溶剤やホスト材料(低分子・高分子など)へ分散させた希薄状態での利用が常套手段となっていた(特許文献1参照)。
しかし、このように有機蛍光体を希薄状態で利用した場合には、バインダーなどに含まれる溶存酸素などの影響を受けやすく、光劣化を受けやすいという問題があった
一方、有機蛍光体を発光させる方法としては、主として紫外光や近紫外光による光励起(特許文献1参照)や、電場による励起が一般的に用いられているが、紫外光や近紫外光による光励起では有機蛍光体の光劣化を促すため、材料としての長寿命化には不利であり、また、電場による励起の場合には、蛍光発光に必要な一重項励起状態が25%しか生成されないため、発光効率は原理的に低くなり、高輝度化には不利であることが明らかとなっている(非特許文献1)。
以上の問題から、有機蛍光体材料の光劣化を最小限に抑えるために、波長380nm〜420nmの可視光発光ダイオードの光励起により色変換可能な蛍光体の開発が求められている。
波長380nm〜420nmの可視光発光ダイオードの光励起により色変換可能な蛍光体については、これまで、赤色の有機発光体に関して、ローダミン誘導体やペリレン誘導体(特許文献5,6参照)、さらに有機配位子からなるランタノイド系金属錯体で、高輝度な発光を得ることが可能であることが見出されている(特許文献2,3参照)。また、緑色の有機発光体に関しては、ピリジンーフタルイミド縮合体が、発光効率の高いものとして報告されているが、化合物の特性から主の発光ピーク以外にサイドバンドピークを有しており、このことが色純度を落とす原因となっている(特許文献4参照)。
一方、青色発光に関しては、液体シンチレーション用試薬として用いられている、下記構造のBBOT、Bis(MSB)、PBBO、POPOPをPMMA(ポリメチルメタクリレート)に溶解して分散させた状態で紫外励起した結果が報告されているが、このものは、いずれも波長450nm以下に吸収極大を有する発光であるため、発光装置として使用できるに充分な青色発光を示していない。また、完全に溶解して使用しているため、実用的な観点で耐光性を確保することが出来ない。
Figure 2008182197
一方、発光装置として使用できるに十分な発光を呈する蛍光体のうち、青色蛍光体としてはZnS:Ag、Sr(POCl:Eu、BaMgAl1017:Euなどの無機蛍光体しか見出されていなかった。これらの無機蛍光体は、耐光性に関しては優れているものの、発光波長や半値幅のチューニングが難しく、また高比重であることによる分散性の悪さが、他の蛍光体と組み合わせて使用する上での問題点となっていた。
特開平10−12925号公報 WO2004/104136号公報 特開2005−15564号公報 特開2002−348568号公報 特開平11−279426号公報 特開2002−317175号公報 「有機ELディスプレイ」(オーム社)
本発明は上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、波長380nm〜420nmの範囲に発光極大を有する光源を用いて励起させることにより高輝度な青色ないし緑色の発光を呈する有機蛍光体及び有機蛍光体材料と、この有機蛍光体材料を利用して可視光発光ダイオード励起で高輝度な緑色発光を得る発光装置および発光方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、下記一般式(1)で表される構造からなる有機化合物が、波長380nm〜420nmの範囲に発光極大を有する光源を用いて励起させることにより高輝度な青色ないし緑色の発光を呈することを見出し、本発明を達成するに至った。
即ち、本発明は、以下を要旨とする。
[1] 波長380nm〜420nmの範囲に発光極大を有する光源を用いて励起させることにより緑色の発光を呈する有機蛍光体材料を発光媒体に含むことを特徴とする発光装置。
[2] [1]に記載の発光装置の発光媒体に含まれる有機蛍光体材料であって、下記一般式(1)で表される構造からなる化合物を固体状態で含有することを特徴とする有機蛍光体材料。
Figure 2008182197
(式中R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していても良い芳香環基、置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していても良いアルケニル基、置換基を有していても良いアルキニル基、シアノ基、又はカルボキシル基を表し、R〜Rの少なくとも2つは置換基を有していても良い芳香環基である。)
[3] 下記一般式(1)で表される構造からなる化合物を含有し、波長380nm〜420nmの範囲に発光極大を有する光源を用いて励起させることにより青色ないし緑色の発光を呈することを特徴とする有機蛍光体。
Figure 2008182197
(式中R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していても良い芳香環基、置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していても良いアルケニル基、置換基を有していても良いアルキニル基、シアノ基、又はカルボキシル基を表し、R〜Rの少なくとも2つは置換基を有していても良い芳香環基である。)
[4] 下記一般式(2)で表される構造からなる化合物を含有することを特徴とする[3]に記載の有機蛍光体。
Figure 2008182197
(式中、R1a〜R6aは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していても良い芳香環基、置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していても良いアルケニル基、置換基を有していても良いアルキニル基、シアノ基、又はカルボキシル基を表し、R1a〜R6aの少なくとも2つは置換基を有していても良い芳香環基である。Xは共役可能な2価の連結基を表す。)
[5] 波長380nm〜420nmの範囲に発光極大を有する可視光発光ダイオードを用いて、発光媒体に含まれる有機蛍光体材料から、緑色の発光を得ることを特徴とする発光装置の発光方法。
本発明の有機蛍光体は、波長380nm〜420nmの範囲に発光極大を有する光源を用いて励起させることにより、青色ないし緑色の高輝度な発光を呈する。しかも、前記一般式(1)におけるR〜Rの置換基により、最大波長や半値幅のチューニングも可能である。このため、このような有機蛍光体を用いた本発明の有機蛍光体材料は、波長380nm〜420nmの範囲に発光極大を有する可視光発光ダイオードを用いた緑色発光装置および発光方法に有効に利用することができ、有機蛍光体本来の特長、即ち、製造コストの低減、低比重であることによる媒体への高分散性、を確保した上で、可視光発光ダイオード励起による高効率発光と光劣化の抑制を図ることができる。
このような本発明の有機蛍光体材料は、単色発光装置として利用されるだけでなく、RGBの組合せによる白色発光装置として用いることが可能であり、該発光装置を用いることにより、イルミネーション、液晶用バックライト、自動車用ヘッドライト、一般照明、レーザーディスプレイなどへの応用が期待できる。
本発明の有機蛍光体材料は、近紫外光(NUV)の吸収効率が高く、NUVを外部に漏らさないので、液晶用バックライトに使用した場合、液晶の保護にも役立つ。また、本発明の有機蛍光体材料をNUVカットフィルム、シートとして利用することもできる。これらを有機ELと組み合わせ、有機EL用の色変換材料としても使用可能である。
以下、本発明の実施の形態を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々に変更して実施することができる。
[発光装置]
本発明の発光装置は、380〜420nmの波長範囲に発光極大を有する光源を用いて励起させることにより緑色の発光を呈する有機蛍光体材料を発光媒体として含むものであり、通常、波長380nm〜420nmの波長範囲に発光極大を有する光源、好ましくは可視光発光ダイオードと、後述の有機蛍光体材料を含む発光媒体とを備える。
以下に図面を参照して本発明の発光装置の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の発光装置の実施の形態を説明する発光装置の模式的な断面図であり、1は発光ダイオード等の光源、2は発光媒体、3は第1の光透過性媒体、4は第2の光透過性媒体、5はソケット、6はキャップ、7A,7Bは電極である。
{光源}
光源1は、波長380nm〜420nmの範囲にピーク波長を有する光を発光するものであれば特に制限は無く、任意のものを用いることができる。光源1から発光される380nm〜420nmの波長範囲に発光極大を有する光が、発光媒体2である蛍光体層に含まれる蛍光体によって吸収され、より長波長の可視光を発光する。光源1のピーク波長が過度に短波長側にあると、蛍光体および樹脂等の有機化合物が光劣化しやすい傾向にあるので好ましくない。また、ピーク波長が過度に長波長側にある場合は、光変換効率の低下に伴う発光輝度の低下の理由により好ましくない。
そのような光源としては、一般的には半導体発光素子が用いられ、その具体例としては、発光ダイオード(LED)、レーザーダイオード(LD)、有機EL(OLED)等を挙げることができる。その他、光源として使用できる発光体としては、例えば、有機エレクトロルミネッセンス発光素子、無機エレクトロルミネッセンス発光素子等が挙げられる。但し、光源として使用できる発光体は、本明細書に例示されるものに限られない。
その中でも、GaN系化合物半導体を使用した、GaN系LEDやLDが好ましい。なぜなら、GaN系LEDやLDは、この領域の光を発するSiC系LED等に比し、発光出力や外部量子効率が格段に大きく、蛍光体と組み合わせることによって、非常に低電力で非常に明るい発光が得られるからである。
例えば、20mAの電流負荷に対し、通常、GaN系LEDやLDはSiC系の100倍以上の発光強度を有する。このGaN系LEDやLDにおいては、AlGaN発光層、GaN発光層、またはInGaN発光層を有しているものが好ましい。GaN系LEDにおいては、それらの中でInGaN発光層を有するものが発光強度が非常に強いので、特に好ましい。さらに、GaN系LDにおいては、InGaN層とGaN層の多重量子井戸構造のものが発光強度が非常に強いので、特に好ましい。なお、上記においてX+Yの値は通常0.8〜1.2の範囲の値である。GaN系LEDにおいて、これら発光層にZnやSiをドープしたものやドーパント無しのものが発光特性を調節する上で好ましいものである
GaN系LEDは、これら発光層、p層、n層、電極、および基板を基本構成要素としたものである。中でも、発光層をn型とp型のAlGaN層、GaN層、またはInGaN層などでサンドイッチにしたヘテロ構造を有しているものが発光効率が高いため、好ましい。さらに、ヘテロ構造を量子井戸構造にしたものは、発光効率がより高く、より好ましい。
なお、光源として用いる発光体は、1個のみを用いてもよく、2個以上を任意の組合せおよび比率で併用してもよい。
本実施形態においては、光源1として、GaN系LEDを用いているものとするが、何らこれに限定されるものではない。
{発光媒体}
本発明の発光装置に用いる発光媒体2は、380〜420nmの範囲に発光極大を有する光源を用いて励起させることにより、緑色の発光を呈する有機蛍光体材料を用いて形成されるものである。即ち、本発明の発光装置に用いる発光媒体は、380〜420nmの範囲に発光極大を有する光源を用いて励起させることにより、緑色の発光を呈する有機蛍光体を少なくとも1種以上含むこととなる。好ましくは、以下に説明する本発明の有機蛍光体を含む有機蛍光体材料から形成されるものである。
[有機蛍光体]
本発明の有機蛍光体は、波長380nm〜420nmの範囲に発光極大を有する光源を用いて励起させることにより、緑色の発光(通常490nm以上、好ましくは500nm以上、より好ましくは505nm以上、また、通常560nm以下、好ましくは550nm以下、より好ましくは545nm以下、特に好ましくは540nm以下)を呈するものであり、下記一般式(1)で表される構造からなる化合物(以下「化合物(1)」と称す場合がある。)を含むものである。
なお、本発明の有機蛍光体は緑色発光を呈するものであるが、R〜Rの置換基を選択することにより青色発光(通常420nm以上、好ましくは440nm以上、また、通常480nm以下、好ましくは470nm以下の波長範囲にピーク波長を有する光)及び中間のピーク波長(480nm〜490nm)を有する光を呈するものを得ることもできる。
Figure 2008182197
(式中R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していても良い芳香環基、置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していても良いアルケニル基、置換基を有していても良いアルキニル基、シアノ基、又はカルボキシル基を表し、R〜Rの少なくとも2つは置換基を有していても良い芳香環基である。)
化合物(1)を含む有機蛍光体は、発光波長の半値幅を置換基により大きく変えることが出来るため、色純度の調整に優れる点において好ましい。
化合物(1)を含む本発明の有機蛍光体を使用することにより、本発明の発光装置は、前述の光源に対して高い発光効率を示し、更には、液晶ディスプレイ用光源等の白色発光装置に使用した場合にディスプレイの色再現範囲が広くなるという点で、優れた発光装置となる。
なお、本発明の有機蛍光体がディスプレイ用途に用いられる場合には、その発光色のJIS Z8701に基づくCIE色度座標xおよびyの値は、以下の規定を満たすことが望ましい。
即ち、本発明の有機蛍光体のCIE色度座標xの値は、通常0.080以上、好ましくは0.090以上、より好ましくは0.095以上、また、通常0.300以下、好ましくは0.280以下、より好ましくは0.260以下の範囲であることが望ましい。
また、本発明の有機蛍光体のCIE色度座標yの値は、通常0.001以上、好ましくは0.002以上、より好ましくは0.0030以上、また、通常0.340以下、好ましくは0.320以下、より好ましくは0.300以下の範囲であることが望ましい。
CIE色度座標xおよびyの値が上述の範囲を満たすことにより、白色光合成時に色再現範囲が広くなるという利点が得られる。
なお、発光装置の発光スペクトルは、気温25±1℃に保たれた室内において、オーシャンオプティクス社製の色・照度測定ソフトウェアおよびUSB2000シリーズ分光器(積分球仕様)を用いて、20mAで通電して測定を行なうことができる。この発光スペクトルの380nm〜780nmの波長領域のデータから、JIS Z8701で規定されるXYZ表色系における色度座標として色度値(x,y,z)を算出できる。
この場合、x+y+z=1の関係式が成立する。
本明細書においては、前記XYZ表色系をXY表色系と称している場合があり、通常(x、y)で表記している。
本発明の発光装置は、特に白色発光装置とした場合、そのNTSC比が高いという特徴もある。具体的には、本発明の発光装置のNTSC比(%)は、通常70以上、好ましくは72以上、より好ましくは74以上である。また、NTSC比は、数値が高ければ高いほうが好ましいが、理論的には150以下となるものである。
なお、NTSC比の測定方法は以下の通りである。
日本のカラーTVの標準であるNTSC方式では、基準となるR、G、B色度点を、CIE色度座標上のポイント(x、y)で次のように規定している。
R(0.67,0.33)
G(0.21,0.71)
B(0.14,0.08)
このRGBの3点で形成される三角形の面積を100とした時、求めるディスプレイのR、G、Bで形成される三角形の面積、具体的には求めるディスプレイで単色RGBを発光させて色度(x、y)を測定し、CIE色度図上にプロットして得られる三角形の面積をNTSCの標準三角形の面積で割った値に100を掛けた値をNTSC比(%)と定義する。
また、発光効率は、前述のような発光装置を用いた発光スペクトル測定の結果から全光束を求め、そのルーメン(lm)値を消費電力(W)で割ることにより求められる。消費電力は、20mAを通電した状態で、Fluke社のTrueRMSMultimetersModel187&189を用いて電圧を測定し、電流値と電圧値の積で求められる。
本発明の発光装置のうち、特に白色発光装置は、具体的には、上述のような励起光源を用い、本発明の有機蛍光体の他、後述するような赤色の蛍光を発する蛍光体(以下、適宜「赤色蛍光体」という)、緑色の蛍光を発する蛍光体(以下、適宜「緑色蛍光体」という)、青色の蛍光を発する蛍光体(以下、適宜「青色蛍光体」という)、黄色の蛍光を発する蛍光体(以下、適宜「黄色蛍光体」という)等の公知の蛍光体を任意に組み合わせて使用し、公知の装置構成をとることにより得られる。
ここで、該白色発光装置の白色とは、JIS Z8701により規定された、(黄みの)白、(緑みの)白、(青みの)白、(紫みの)白および白の全てを含む意であり、このうち好ましくは白である。
以下に、化合物(1)について詳細に説明する。
{化合物(1)}
<語句の説明>
本発明において「芳香環」とは、芳香族性を有する環、すなわち(4q+2)π電子系(qは自然数)を有する環を意味する。その骨格構造は、通常、5または6員環の、単環または2〜6縮合環からなる芳香環であり、該芳香環には、芳香族炭化水素環、芳香族複素環の他、アントラセン環、カルバゾール環、アズレン環のような縮合多環も含まれる。そして、本発明において「芳香環基」とは、これら芳香環の有する一個の環炭素原子の一個の水素原子を除去することにより生成される基を意味する。
また、本発明において「置換基を有していても良い」とは、置換基を1以上有していても良いことを意味する。
<R〜R
(置換基R〜Rの種類)
〜Rはそれぞれ独立に水素原子、置換基を有していても良い芳香環基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シアノ基、カルボキシル基を表す。R〜Rの少なくとも2つは置換基を有していても良い芳香環基である。
複数の水素原子以外の置換基は同一であっても異なっても良い。合成の容易さの点では同一であることが好ましく、発光波長のチューニングが可能な点では異なることが好ましい。
また、高い発光効率を得るという点で、R〜Rの少なくとも2つの置換基を有していても良い芳香環以外の置換基は、水素原子、置換基を有していても良い芳香族炭化水素基、シアノ基であることが好ましく、特に水素原子や置換基を有していても良い芳香族炭化水素基であることが好ましい。また、発光波長の長いものを得るという点では、R〜Rの少なくとも2つの置換基を有していても良い芳香環以外の置換基は、置換基を有していても良いアルキニル基、置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していても良いアルケニル基、置換基を有していても良い芳香族複素環基、シアノ基が好ましい。
〜Rの芳香族炭化水素基としては、炭素数6〜16のものが好ましく、これらは単環基に何ら限定されず、縮合多環式炭化水素基、環縮合炭化水素基、であっても良い。具体例としてはフェニル基等の単環基、ビフェニル基、フェナントリル基、ナフチル基、アントリル基、フルオレニル基等の縮合多環式炭化水素基、ビフェニル基、ターフェニル等の環縮合炭化水素基等が挙げられる。
芳香族複素環基としては、炭素数5〜20のものが好ましく、具体例としてはピリジル基、チエニル基、オキサゾール基、チアゾール基、オキサジアゾール基、ベンゾチエニル基、ジベンゾフリル基、ジベンゾチエニル基、ピラジル基、ピリミジル基、ピラゾイル基、イミダゾイル基、フェニルカルバゾイル基等が挙げられる。
アルキル基としては、炭素数3〜20のものが好ましく、具体例としてはi−プロピル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
アルケニル基としては、炭素数2〜20のものが好ましく、具体例としてはスチリル基、ジフェニルビニル基等が挙げられる。
アルキニル基としては、炭素数2〜20のものが好ましく、具体例としてはメチルエチニル基、フェニルエチニル基、トリメチルシリルエチニル基等が挙げられる。
これらの置換基は更に置換基を有していても良い。更に有しても良い置換基としては、アリール基、アリールアミノ基、アルキル基、パーフルオロアルキル基、ハライド基、カルボキシル基、シアノ基、アルコキシル基、アリールオキシ基、カルボニル基、オキシカルボニル基、カルボン酸基、複素環基などが挙げられる。好ましくは、炭素数6〜16のアリール基、炭素数12〜30のアリールアミノ基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のパーフルオロアルキル基、フルオライド基、炭素数1〜10のオキシカルボニル基、シアノ基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜16のアリールオキシ基、炭素数2〜16のカルボニル基、炭素数5〜20の芳香族複素環基などが挙げられる。
更に有しても良い置換基のうち、炭素数6〜16のアリール基の例としては、フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基などが挙げられる。
炭素数12〜30のアリールアミノ基の例としては、ジフェニルアミノ基、カルバゾイル基、フェニルカルバゾイル基などが挙げられる。
炭素数1〜12のアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、ブチル基、t−ブチル基などが挙げられる。
炭素数1〜12のパーフルオロアルキル基の例としては、トリフルオロメチル基などが挙げられる。
炭素数1〜10のオキシカルボニル基の例としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などが挙げられる。
炭素数1〜10のアルコキシ基の例としては、メトキシ基、エトキシ基などが挙げられる。
炭素数6〜16のアリールオキシ基の例としては、フェニルオキシ基などが挙げられる。
炭素数2〜16のカルボニル基の例としては、アセチル基、フェニルカルボニル基などが挙げられる。
炭素数5〜20の芳香族複素環基の例としては、ピリジル基、チエニル基、オキサゾール基、オキサジアゾール基、ベンゾチエニル基、ジベンゾフリル基、ジベンゾチエニル基、ピラジル基、ピリミジル基、ピラゾイル基、イミダゾイル基などが挙げられる。
以上に説明したR〜R及びR〜Rが有しても良い置換基のうち、パーフルオロアルキル基やフッ素原子、シアノ基などの電子吸引性の基は、化合物(1)の発光波長の短波長化に寄与する。よってR〜RやR〜Rが有しても良い置換基として、これらの置換基を選択することによって、青色発光を呈するものを得ることもできる。
(R〜R分子量)
〜Rの分子量は、精製(不純物があると発光効率の低下に繋がるため、再結晶、昇華精製、カラム精製などにより化合物の高純度化を行う必要があることから、精製効率に優れたものが望まれる。)の観点から、さらに置換基を有する場合はその置換基も含めて、R〜R各々1000以下であることが好ましい。
<化合物(2)>
化合物(1)のうち、特に好ましいものは、下記の一般式(2)で表される構造からなるものである(以下において、一般式(2)で表される構造からなる化合物を「化合物(2)」と称す場合がある。)。
Figure 2008182197
(式中、R1a〜R6aは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していても良い芳香環基、置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していても良いアルケニル基、置換基を有していても良いアルキニル基、シアノ基、又はカルボキシル基を表し、R1a〜R6aの少なくとも2つは置換基を有していても良い芳香環基である。Xは共役可能な2価の連結基を表す。)
一般式(2)において、R1a〜R6aは一般式(1)におけるR〜Rと同様の置換基を表し、好ましい置換基も同様である。
一般式(2)において、Xは共役可能な2価の連結基を表す。ここで、2価の連結基とは、共役に関与する性質を有するものであり、具体的にはアセチレン、ビニレンやフェニレン、ビフェニレン、フルオレン、アントラセン、ピレン、ペリレンなどの芳香族炭化水素からなる連結基、オキサゾール、ピリジル、ビピリジル、ピラジン、チオフェンなどの複素環基からなる連結基が挙げられる。
<分子量>
以上に説明した化合物(1)、好ましくは化合物(2)は、単位量あたりの分子数を増やすことによる高効率化の点から、通常分子量1500以下、中でも1200以下であることが好ましい。
なお、化合物(1)、好ましくは化合物(2)は、潮解性による取り扱いの困難さの理由から、通常水不溶性であることが好ましい。
ここで「水不溶性」とは、25℃、1気圧の条件下における水に対する溶解度が、通常0.1重量%以下、好ましくは0.01重量%以下であることを言う。
<具体例>
化合物(1)の具体例を以下に例示するが、本発明はその要旨を超えない限りこれらに限定されるものではない。
Figure 2008182197
Figure 2008182197
Figure 2008182197
Figure 2008182197
Figure 2008182197
Figure 2008182197
<合成法>
化合物(1)、好ましくは化合物(2)は、例えば以下のスキームで合成することができる。
Figure 2008182197
即ち、上記式(1−1)又は(2−1)で表される化合物は、対応するベンゾフェノン誘導体とホスフォン酸エステル誘導体とを塩基の存在下に、有機溶剤中で反応させることにより得ることができる。
なお、上記塩基としては、カリウム−t−ブトキシド、水素化ナトリウム、ナトリウムメトキシドなどが好ましい。また、上記有機溶剤としては、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン(THF)、トルエンなどが好ましい。
この反応温度は用いる有機溶剤により変わるが、好ましくは0℃〜110℃である。更に添加剤としてクラウンエーテルを用いてもよい。
<特性>
このようにして得られる化合物(1)は、波長380nm〜420nmに発光極大を有する光源を用いて励起することにより、青色から緑色の光、即ち、波長420nm〜550nm好ましくは440nm〜540nmの光を発するものであり、高い耐熱性、固体状態での高い発光強度、媒体への高い分散性などの特長を有するものである。
なお、化合物(1)の耐熱性を示す指標として、融点と分解温度が挙げられ、示差走査熱量計(DSC)や示差熱重量分析装置(TG−DTA)で容易に確認することができる。
励起光源として好適に用いられる可視光発光ダイオードは、経時使用により熱を帯びるが、励起光源の熱により、有機蛍光体が溶融したり分解したりすると、発光効率の低下や色ムラに繋がるため、有機蛍光体には高い耐熱性が求められている。
従って、有機蛍光体としての化合物(1)には、好ましくは融点120℃以上、さらに好ましくは融点150℃以上であることが求められる。
また、化合物(1)の分解温度としては、窒素フロー条件下で5%以上重量減少する温度が150℃以上であることが好ましく、160℃以上であることがより好ましい。
有機蛍光体材料の固体状態での発光強度は、蛍光分光測定器を用いて測定することができる。
化合物(1)の発光強度は通常1.0×10cps(count/s−1)以上、好ましくは2.0×10cps(count/s−1)以上、特に好ましくは3.0×10cps(count/s−1)以上である。発光強度は無機蛍光体と同程度以上であれば有機蛍光体として十分使用することが可能であり、化合物(1)の発光強度として好ましくは10cps(count/s−1)以上、より好ましくは10cps(count/s−1)以上である。
また、化合物(1)は、発光ピークの半値幅(前記発光強度の1/2強度における最大発光ピークの幅)が、通常200nm以下、好ましくは150nm以下、特に好ましくは100nm以下である。
また、化合物(1)は、通常吸収効率75%以上、好ましくは80%以上を達成できる。なお、吸収効率とは、蛍光体サンプルによって吸収された励起光のフォトン数を励起光の全フォトン数で割った値を指す。
これらの特性は、サンプルを乳鉢などで細かく粉砕したあと、専用の測定セルに詰めて測定することにより得ることができる。
なお、有機化合物である化合物(1)は、無機蛍光体に比べて明らかに比重が小さいため、媒体への分散性に関しては無機蛍光体に比べて明らかに良く、このことは有機蛍光体の利点である。
[有機蛍光体材料]
{本発明の有機蛍光体材料}
本発明の有機蛍光体材料は、本発明の有機蛍光体、即ち、前述の化合物(1)の少なくとも1種を含むものである。本発明の有機蛍光体材料には、前述の化合物(1)の1種が単独で含まれていても良く、2種以上が混合して含まれていても良い。また、本発明の有機蛍光体材料は、前述の化合物(1)と共に、必要に応じて他の青色や緑色の蛍光体や赤色蛍光体を含んでいてもよく、この組合せによって白色光を発光する蛍光体材料として用いることもできる。
前述の化合物(1)は、分子間相互作用の効果が大きく、フラットな励起スペクトルが得られることから、有機蛍光体材料において固体状態で使用されることが好ましい。ここで固体状態とは、結晶状態、アモルファス状態、固溶体状態、もしくはそれらの混合状態であり、特に励起子寿命の長い結晶状態の微粒子で使用されることが好ましい。即ち、本発明の有機蛍光体材料は、前述の化合物(1)を含む本発明の有機蛍光体を粉末状態で含むことを特徴とする。
本発明の有機蛍光体材料に占める本発明の有機蛍光体の割合は、単独で使用する場合と他の蛍光体と混ぜる場合とで異なり、状況に応じてその重量割合を変える必要があるため、特に割合に関しての制約はないが、化合物(1)の含有割合が少なすぎると、発光ダイオードの色変換効率が低下するため好ましくなく、化合物(1)の含有割合が多すぎると、発光ダイオードからの熱による分解も懸念されるため、化合物(1)は、有機蛍光体材料中に2重量%〜95重量%で使用されることが好ましい。
前述の化合物(1)と他の有機蛍光体とを併用する場合には、有機蛍光体の合計の割合が有機蛍光体材料中に2重量%〜95重量%になるように調整することが好ましい。蛍光体の成分比に関しては、望まれる発光色に応じた成分比で混合する必要があるため、特に限定されるものではない。
また、有機蛍光体材料に後述のバインダーや各種の添加剤を用いる場合には、形成された有機蛍光体材料に占める本発明の有機蛍光体の割合が上記の範囲内となるように、バインダーや添加剤の使用量を調整することが好ましい。
なお、前述の化合物(1)の優れた特性を十分に発揮させる観点から、バインダーや添加剤が極力使用されないことが好ましいが、同一蛍光体の凝集による色ムラが生じないよう工夫する必要がある。
{併用可能な蛍光体}
本発明の発光装置において、以下に説明する併用可能な蛍光体(橙色ないし赤色蛍光体、緑色蛍光体等)の使用の有無およびその種類は、発光装置の用途に応じて適宜選択すればよい。例えば、本発明の発光装置を青色発光の発光装置として構成する場合には、本発明の有機蛍光体のみでも問題ないが、他の青色蛍光体と併用することにより、発光波長の調整をすることが可能である。
一方、本発明の発光装置を白色発光の発光装置として構成する場合には、所望の白色光が得られるように、本発明の有機蛍光体と、併用可能な蛍光体を適切に組み合わせればよい。
また、本発明の有機蛍光体は、他の蛍光体と混合(ここで、混合とは、必ずしも蛍光体同士が混ざり合っている必要はなく、異種の蛍光体が組み合わされていることを意味する。)して用いることができる。特に、上記に記載の組み合わせで蛍光体を混合すると、好ましい蛍光体混合物が得られる。なお、混合する蛍光体の種類やその割合に特に制限はない。
<併用可能な有機蛍光体>
本発明の有機蛍光体と併用可能な有機蛍光体を以下に例示する。
<橙色ないし赤色有機蛍光体>
橙色ないし赤色蛍光体を用いる場合、380nmから420nmの波長範囲にピーク波長を有する光を発光する光源からの光の少なくとも一部を吸収して発光するものを用いるようにする。この際、橙色ないし赤色蛍光体としては、橙色ないし赤色有機蛍光体を用いることが好ましい。
橙色ないし赤色有機蛍光体を使用する場合、当該橙色ないし赤色有機蛍光体は本発明の効果を著しく損なわない限り任意のものを使用することができる。この際、橙色ないし赤色有機蛍光体の発光ピーク波長は、通常570nm以上、好ましくは580nm以上、より好ましくは585nm以上、また、通常780nm以下、好ましくは700nm以下、より好ましくは680nm以下の波長範囲にあることが好適である。
また、橙色ないし赤色有機蛍光体の発光効率に制限は無いが、発光効率が高いものを用いることが望ましい。具体的には蛍光体の発光効率が、通常20%以上、好ましくは30%以上、より好ましくは45%以上のものを用いる。このように発光効率の高い橙色ないし赤色蛍光体を用いることにより、蛍光体使用量を少なくすることができたり、光源のパワーが小さい場合でも輝度の高い発光装置を作製することができる。
本発明で用いることができる赤色有機蛍光体としては、例えば、β−ジケトネート、β−ジケトン、芳香族カルボン酸、または、ブレンステッド酸等のアニオン配位子を有する希土類元素イオン錯体からなる赤色有機蛍光体が挙げられる。
また、ペリレン系顔料(例えば、ジベンゾ{[f,f’]−4,4’,7,7’−テトラフェニル}ジインデノ[1,2,3−cd:1’,2’,3’−lm]ペリレン)、アントラキノン系顔料、レーキ系顔料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、アントラセン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、フタロシアニン系顔料、トリフェニルメタン系塩基性染料、インダンスロン系顔料、インドフェノール系顔料、シアニン系顔料、ジオキサジン系顔料を用いることも可能である。
<緑色有機蛍光体>
緑色蛍光体としては、一般式(1)で表される蛍光体のうち、発光波長範囲が下記に該当するものを用いることが好ましいが、本発明の有機蛍光体の優れた特性を損なわない範囲で、他の緑色有機蛍光体を併用することもできる。
他の緑色蛍光体を用いる場合、380nm〜420nmの波長範囲にピーク波長を有する光を発光する光源からの光の少なくとも一部を吸収して発光するものを用いるようにする。この際、緑色蛍光体としては、緑色有機蛍光体を用いることが好ましい。
緑色有機蛍光体としては、通常490nm以上、好ましくは500nm以上、より好ましくは505nm以上、また、通常560nm以下、好ましくは550nm以下、より好ましくは545nm以下、特に好ましくは540nm以下の波長範囲にピーク波長を有する光を発するものが望ましい。この発光ピーク波長λpが短過ぎると青味を帯びる傾向がある一方で、長過ぎると黄味を帯びる傾向があり、何れも緑色光としての特性が低下する場合がある。
このような緑色有機蛍光体の発光スペクトルは視感度曲線との重なりが大きくなるため、より輝度の高い発光装置を作製することができる。
また、緑色有機蛍光体の発光効率に制限は無いが、発光効率が高いものを用いることが望ましい。具体的には、蛍光体の発光効率が、通常30%以上、好ましくは35%以上、より好ましくは40%以上、特に好ましくは45%以上のものを用いる。このように発光効率の高い緑色蛍光体を用いることにより、蛍光体使用量を少なくすることができたり、光源のパワーが小さい場合でも輝度の高い発光装置を作製することができる。
本発明で用いることのできる緑色蛍光体としては、ベンゾオキサジノン系、キナゾリノン系、クマリン系、キノフタロン系、ナルタル酸イミド系等の蛍光色素、テルビウム錯体、ペリレン系などの緑色有機蛍光体や特開2002−34568号公報に開示されるピリジン−フタルイミド縮合誘導体などの黄緑色有機蛍光体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
なお、これらの緑色有機蛍光体の配合比率は、一般式(1)で表される本発明の緑色有機蛍光体に対する重量割合で、0重量%〜95重量%、好ましくは0重量%〜75重量%とする。
<青色有機蛍光体>
青色蛍光体としては、一般式(1)で表される蛍光体のうち、発光波長範囲が下記に該当するものを用いることが好ましいが、本発明の有機蛍光体の優れた特性を損なわない範囲で、他の青色有機蛍光体を併用することもできる。
他の青色有機蛍光体を用いる場合、380nmから420nmの波長範囲にピーク波長を有する光を発光する光源からの光の少なくとも一部を吸収して発光するものを用いるようにする。
他の青色有機蛍光体を使用する場合、当該青色有機蛍光体は本発明の効果を著しく損なわない限り任意のものを使用することができる。この際、青色有機蛍光体の発光ピーク波長は、通常420nm以上、好ましくは430nm以上、より好ましくは440nm以上、また、通常490nm以下、好ましくは480nm以下、より好ましくは470nm以下の波長範囲にあることが好適である。
本発明で用いることのできる青色有機蛍光体としては、例えば特開2005−276785号公報などに開示されるナルタル酸イミド系、ベンゾオキサゾール系、スチリル系、クマリン系、ピラリゾン系、トリアゾール系化合物の蛍光色素、ツリウム錯体等の有機蛍光体や、1,4−ビス(2−メチルスチリル)ベンゼンなどが挙げられる。
なお、これらの青色有機蛍光体を用いる場合、その配合比率は、一般式(1)で表される本発明の青色有機蛍光体に対する重量割合で、0重量%〜95重量%とする。
<黄色有機蛍光体>
黄色蛍光体を用いる場合、380nm〜420nmの波長範囲にピーク波長を有する光を発光する光源からの光の少なくとも一部を吸収して発光するものを用いるようにする。この際、黄色蛍光体としては、緑色有機蛍光体を用いることが好ましい。
黄色蛍光体を使用する場合、当該黄色蛍光体は本発明の効果を著しく損なわない限り任意のものを使用することができる。この際、黄色蛍光体の発光ピーク波長は、通常530nm以上、好ましくは540nm以上、より好ましくは550nm以上、また、通常620nm以下、好ましくは600nm以下、より好ましくは580nm以下の波長範囲にあることが好適である。
このような黄色有機蛍光体としては、例えば、brilliant sulfoflavine FF(Colour Index Number56205)、basic yellow HG(Colour Index Number46040)、eosine(Colour Index Number45380)、rhodamine 6G(Colour Index Number45160)、等の蛍光染料等を用いることが可能である。
<併用可能な無機蛍光体>
本発明の有機蛍光体材料には、分散性等の理由から蛍光体として上述した有機蛍光体のみが含まれることが好ましいが、有機蛍光体の優れた特性を損なわない範囲で、無機蛍光体を併用することもできる。
<橙色ないし赤色無機蛍光体>
併用し得る橙色ないし赤色無機蛍光体としては、前述した橙色ないし赤色有機蛍光体と同等の発光特性を有するもの、例えば、赤色破断面を有する破断粒子から構成され、赤色領域の発光を行なう(Mg,Ca,Sr,Ba)Si:Euで表されるユーロピウム賦活アルカリ土類シリコンナイトライド系蛍光体、規則的な結晶成長形状としてほぼ球形状を有する成長粒子から構成され、赤色領域の発光を行なう(Y,La,Gd,Lu)S:Euで表されるユウロピウム賦活希土類オキシカルユゲナイト系蛍光体等が挙げられる。
さらに、特開2004−300247号公報に記載された、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、W、およびMoよりなる群から選ばれる少なくも1種の元素を含有する酸窒化物および/または酸硫化物を含有する蛍光体であって、Al元素の一部または全てがGa元素で置換されたアルファサイアロン構造をもつ酸窒化物を含有する蛍光体も用いることができる。なお、これらは酸窒化物および/または酸硫化物を含有する蛍光体である。
また、そのほか、赤色蛍光体としては、(La,Y)S:Eu等のEu付活酸硫化物蛍光体、Y(V,P)O:Eu、Y:Eu等のEu付活酸化物蛍光体、(Ba,Mg)SiO:Eu,Mn、(Ba,Sr,Ca,Mg)SiO:Eu,Mn等のEu,Mn付活珪酸塩蛍光体、LiW:Eu、LiW:Eu,Sm、Eu、Eu:Nb、Eu:Sm等のEu付活タングステン酸塩蛍光体、(Ca,Sr)S:Eu等のEu付活硫化物蛍光体、YAlO:Eu等のEu付活アルミン酸塩蛍光体、Ca(SiO:Eu、LiY(SiO:Eu、(Sr,Ba,Ca)SiO:Eu、SrBaSiO:Eu等のEu付活珪酸塩蛍光体、(Y,Gd)Al12:Ce、(Tb,Gd)Al12:Ce等のCe付活アルミン酸塩蛍光体、(Mg,Ca,Sr,Ba)Si(N,O):Eu、(Mg,Ca,Sr,Ba)Si(N,O):Eu、(Mg,Ca,Sr,Ba)AlSi(N,O):Eu等のEu付活酸化物、窒化物または酸窒化物蛍光体、(Mg,Ca,Sr,Ba)AlSi(N,O):Ce等のCe付活酸化物、窒化物または酸窒化物蛍光体、(Sr,Ca,Ba,Mg)10(POCl:Eu,Mn等のEu,Mn付活ハロリン酸塩蛍光体、BaMgSi:Eu,Mn、(Ba,Sr,Ca,Mg)(Zn,Mg)Si:Eu,Mn等のEu,Mn付活珪酸塩蛍光体、3.5MgO・0.5MgF・GeO:Mn等のMn付活ゲルマン酸塩蛍光体、Eu付活α−サイアロン等のEu付活酸窒化物蛍光体、(Gd,Y,Lu,La):Eu,Bi等のEu,Bi付活酸化物蛍光体、(Gd,Y,Lu,La)S:Eu,Bi等のEu,Bi付活酸硫化物蛍光体、(Gd,Y,Lu,La)VO:Eu,Bi等のEu,Bi付活バナジン酸塩蛍光体、SrY:Eu,Ce等のEu,Ce付活硫化物蛍光体、CaLa:Ce等のCe付活硫化物蛍光体、(Ba,Sr,Ca)MgP:Eu,Mn、(Sr,Ca,Ba,Mg,Zn):Eu,Mn等のEu,Mn付活リン酸塩蛍光体、(Y,Lu)WO:Eu,Mo等のEu,Mo付活タングステン酸塩蛍光体、(Ba,Sr,Ca)Si:Eu,Ce(但し、x、y、zは、1以上の整数を表す。)等のEu,Ce付活窒化物蛍光体、(Ca,Sr,Ba,Mg)10(PO(F,Cl,Br,OH):Eu,Mn等のEu,Mn付活ハロリン酸塩蛍光体、((Y,Lu,Gd,Tb)1−x−yScCe(Ca,Mg)1−r(Mg,Zn)2+rSiz−qGe12+δ等のCe付活珪酸塩蛍光体等を用いることも可能である。
以上の中でも、赤色無機蛍光体としては、(Ca,Sr,Ba)Si(N,O):Eu、(Ca,Sr,Ba)Si(N,O):Eu、(Ca,Sr,Ba)AlSi(N,O):Eu、(Ca,Sr,Ba)AlSi(N,O):Ce、(Sr,Ba)SiO:Eu、(Ca,Sr)S:Eu、(La,Y)S:EuまたはEu錯体を含むことが好ましく、より好ましくは(Ca,Sr,Ba)Si(N,O):Eu、(Ca,Sr,Ba)Si(N,O):Eu、(Ca,Sr,Ba)AlSi(N,O):Eu、(Ca,Sr,Ba)AlSi(N,O):Ce、(Sr,Ba)SiO:Eu、(Ca,Sr)S:Euまたは(La,Y)S:Eu、もしくはEu(ジベンゾイルメタン)・1,10−フェナントロリン錯体等のβ−ジケトン系Eu錯体またはカルボン酸系Eu錯体を含むことが好ましく、(Ca,Sr,Ba)Si(N,O):Eu、(Sr,Ca)AlSiN:Euまたは(La,Y)S:Euが特に好ましい。
また、橙色蛍光体としては(Sr,Ba)SiO:Euが好ましい。
<緑色無機蛍光体>
緑色の無機蛍光体としては、例えば、破断面を有する破断粒子から構成され、緑色領域の発光を行なう(Mg,Ca,Sr,Ba)Si:Euで表されるユウロピウム賦活アルカリ土類シリコンオキシナイトライド系蛍光体、破断面を有する破断粒子から構成され、緑色領域の発光を行なう(Ba,Ca,Sr)SiO:Euで表されるユウロピウム賦活アルカリ土類マグネシウムシリケート系蛍光体等が挙げられる。
また、その他の緑色蛍光体としては、SrAl1425:Eu、(Ba,Sr,Ca)Al:Eu等のEu付活アルミン酸塩蛍光体、(Sr,Ba)AlSi:Eu、(Ba,Mg)SiO:Eu、(Ba,Sr,Ca,Mg)SiO:Eu、(Ba,Sr,Ca)(Mg,Zn)Si:Eu、(Ba,Ca,Sr,Mg)(Sc,Y,Lu,Gd)(Si,Ge)24:Eu等のEu付活珪酸塩蛍光体、YSiO:Ce,Tb等のCe,Tb付活珪酸塩蛍光体、Sr−Sr:Eu等のEu付活硼酸リン酸塩蛍光体、SrSi−2SrCl:Eu等のEu付活ハロ珪酸塩蛍光体、ZnSiO:Mn等のMn付活珪酸塩蛍光体、CeMgAl1119:Tb、YAl12:Tb等のTb付活アルミン酸塩蛍光体、Ca(SiO:Tb、LaGaSiO14:Tb等のTb付活珪酸塩蛍光体、(Sr,Ba,Ca)Ga:Eu,Tb,Sm等のEu,Tb,Sm付活チオガレート蛍光体、Y(Al,Ga)12:Ce、(Y,Ga,Tb,La,Sm,Pr,Lu)(Al,Ga)12:Ce等のCe付活アルミン酸塩蛍光体、CaScSi12:Ce、Ca(Sc,Mg,Na,Li)Si12:Ce等のCe付活珪酸塩蛍光体、CaSc:Ce等のCe付活酸化物蛍光体、Eu付活β−サイアロン等のEu付活酸窒化物蛍光体、BaMgAl1017:Eu,Mn等のEu,Mn付活アルミン酸塩蛍光体、SrAl:Eu等のEu付活アルミン酸塩蛍光体、(La,Gd,Y)S:Tb等のTb付活酸硫化物蛍光体、LaPO:Ce,Tb等のCe,Tb付活リン酸塩蛍光体、ZnS:Cu,Al、ZnS:Cu,Au,Al等の硫化物蛍光体、(Y,Ga,Lu,Sc,La)BO:Ce,Tb、NaGd:Ce,Tb、(Ba,Sr)(Ca,Mg,Zn)B:K,Ce,Tb等のCe,Tb付活硼酸塩蛍光体、CaMg(SiOCl:Eu,Mn等のEu,Mn付活ハロ珪酸塩蛍光体、(Sr,Ca,Ba)(Al,Ga,In):Eu等のEu付活チオアルミネート蛍光体やチオガレート蛍光体、(Ca,Sr)(Mg,Zn)(SiOCl:Eu,Mn等のEu,Mn付活ハロ珪酸塩蛍光体、MSi:Eu、MSi12:Eu(但し、Mはアルカリ土類金属元素を表す。)等のEu付活酸窒化物蛍光体等を用いることも可能である。
<青色無機蛍光体>
青色無機蛍光体としては、例えば、規則的な結晶成長形状としてほぼ六角形状を有する成長粒子から構成され、青色領域の発光を行なうBaMgAl1017:Euで表されるユウロピウム賦活バリウムマグネシウムアルミネート系蛍光体、規則的な結晶成長形状としてほぼ球形状を有する成長粒子から構成され、青色領域の発光を行なう(Ca,Sr,Ba)(POCl:Euで表されるユウロピウム賦活ハロリン酸カルシウム系蛍光体、規則的な結晶成長形状としてほぼ立方体形状を有する成長粒子から構成され、青色領域の発光を行なう(Ca,Sr,Ba)Cl:Euで表されるユウロピウム賦活アルカリ土類クロロボレート系蛍光体、破断面を有する破断粒子から構成され、青緑色領域の発光を行なう(Sr,Ca,Ba)Al:Euまたは(Sr,Ca,Ba)Al1425:Euで表されるユウロピウム賦活アルカリ土類アルミネート系蛍光体などが挙げられる。
また、そのほか、青色蛍光体としては、Sr:Sn等のSn付活リン酸塩蛍光体、(Sr,Ca,Ba)Al:Euまたは(Sr,Ca,Ba)Al1425:Eu、BaMgAl1017:Eu、(Ba,Sr,Ca)MgAl1017:Eu、BaMgAl1017:Eu,Tb,Sm、BaAl13:Eu等のEu付活アルミン酸塩蛍光体、SrGa:Ce、CaGa:Ce等のCe付活チオガレート蛍光体、(Ba,Sr,Ca)MgAl1017:Eu,Mn等のEu,Mn付活アルミン酸塩蛍光体、(Sr,Ca,Ba,Mg)10(POCl:Eu、(Ba,Sr,Ca)(PO(Cl,F,Br,OH):Eu,Mn,Sb等のEu付活ハロリン酸塩蛍光体、BaAlSi:Eu、(Sr,Ba)MgSi:Eu等のEu付活珪酸塩蛍光体、Sr:Eu等のEu付活リン酸塩蛍光体、ZnS:Ag、ZnS:Ag,Al等の硫化物蛍光体、YSiO:Ce等のCe付活珪酸塩蛍光体、CaWO等のタングステン酸塩蛍光体、(Ba,Sr,Ca)BPO:Eu,Mn、(Sr,Ca)10(PO・nB:Eu、2SrO・0.84P・0.16B:Eu等のEu,Mn付活硼酸リン酸塩蛍光体、SrSi・2SrCl:Eu等のEu付活ハロ珪酸塩蛍光体、SrSiAl19ON31:Eu、EuSiAl19ON31等のEu付活酸窒化物蛍光体、La1−xCeAl(Si6−zAlz)(N10−z)(ここで、x、およびyは、それぞれ0≦x≦1、0≦z≦6を満たす数である。)、La1−x−yCeCaAl(Si6−zAl)(N10−z)(ここで、x、y、およびzは、それぞれ、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦6を満たす数である。)等のCe付活酸窒化物蛍光体等を用いることも可能である。
以上の例示の中でも、青色無機蛍光体としては、(Ca、Sr,Ba)MgAl1017:Eu、(Sr,Ca,Ba,Mg)10(PO(Cl,F):Euまたは(Ba,Ca,Mg,Sr)SiO:Euを含むことが好ましく、(Ca、Sr,Ba)MgAl1017:Eu、(Sr,Ca,Ba,Mg)10(PO(Cl,F):Euまたは(Ba,Ca,Sr)MgSi:Euを含むことがより好ましく、BaMgAl1017:Eu、Sr10(PO(Cl,F):EuまたはBaMgSi:Euを含むことがより好ましい。また、このうち照明用途およびディスプレイ用途としては(Sr,Ca,Ba,Mg)10(POCl:Euまたは(Ca、Sr,Ba)MgAl1017:Euが特に好ましい。
<黄色無機蛍光体>
黄色無機蛍光体としては、前述した黄色有機蛍光体と同等の発光特性を有するもの、例えば各種の酸化物系、窒化物系、酸窒化物系、硫化物系、酸硫化物系等の蛍光体が挙げられる。
特に、RE12:Ce(ここで、REは、Y、Tb、Gd、Lu、およびSmからなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素を表し、Mは、Al、Ga、およびScからなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素を表す。)やM 12:Ce(ここで、Mは2価の金属元素、Mは3価の金属元素、Mは4価の金属元素を表す。)等で表されるガーネット構造を有するガーネット系蛍光体、AE:Eu(ここで、AEは、Ba、Sr、Ca、Mg、およびZnからなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素を表し、Mは、Si、および/またはGeを表す。)等で表されるオルソシリケート系蛍光体、これらの系の蛍光体の構成元素の酸素の一部を窒素で置換した酸窒化物系蛍光体、AEAlSiN:Ce(ここで、AEは、Ba、Sr、Ca、MgおよびZnからなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素を表す。)等のCaAlSiN構造を有する窒化物系蛍光体等のCeで付活した蛍光体が挙げられる。
また、その他、黄色蛍光体としては、CaGa:Eu、(Ca,Sr)Ga:Eu、(Ca,Sr)(Ga,Al):Eu等の硫化物系蛍光体、Cax(Si,Al)12(O,N)16:Eu等のSiAlON構造を有する酸窒化物系蛍光体等のEuで付活した蛍光体、(M1−a−bEuMn(BO1−p(POX(但し、Mは、Ca、Sr、およびBaからなる群より選ばれる1種以上の元素を表し、Xは、F、Cl、およびBrからなる群より選ばれる1種以上の元素を表す。a、b、およびpは、各々、0.001≦a≦0.3、0≦b≦0.3、0≦p≦0.2を満たす数を表す。)等のEu付活またはEu,Mn共付活ハロゲン化ホウ酸塩蛍光体等を用いることも可能である。
{液体媒体}
本発明の有機蛍光体材料中の本発明の有機蛍光体の存在状態としては、公知の構成を任意に適用することができる。通常は、液体媒体中に本発明の有機蛍光体を溶解した固溶体状態、蛍光体の微粒子を液体媒体に分散した分散状態などがある。この場合、本発明の有機蛍光体は液体媒体により固定され、光源の光を吸収して発光することになる。
本発明の有機蛍光体材料に使用される液体媒体としては、本発明の有機蛍光体の性能を目的の範囲で損なわない限りにおいて特に限定されない。例えば、所望の使用条件下において液状の性質を示し、本発明の有機蛍光体を好適に分散させるとともに、好ましくない反応を生じないものであれば、特に制限はなく、有機・無機・ハイブリットを問わず、任意である。
無機系材料としては、例えば、金属アルコキシド、セラミック前駆体ポリマー若しくは金属アルコキシドを含有する溶液をゾル−ゲル法により加水分解重合して成る溶液、またはこれらの組み合わせを固化した無機系材料(例えばシロキサン結合を有する無機系材料)等を挙げることができる。
有機系材料としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等が挙げられる。具体的には、例えば、ポリメタアクリル酸メチル等のメタアクリル樹脂;ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体等のスチレン樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリエステル樹脂;フェノキシ樹脂;ブチラール樹脂;ポリビニルアルコール;エチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート等のセルロース系樹脂;ポリイミド系樹脂;エポキシ樹脂;フェノール樹脂;シリコーン樹脂等が挙げられる。
これらの中で特に照明など大出力の発光装置に本発明の有機蛍光体を用いる場合には、耐熱性や耐光性等を目的として珪素含有化合物を使用することが好ましい。
珪素含有化合物とは、分子中に珪素原子を有する化合物をいい、例えば、ポリオルガノシロキサン等の有機材料(シリコーン系材料)、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素等の無機材料、およびホウケイ酸塩、ホスホケイ酸塩、アルカリケイ酸塩等のガラス材料を挙げることができる。中でも、ハンドリングの容易さ等の点から、シリコーン系材料が好ましい。
上記シリコーン系材料とは、通常、シロキサン結合を主鎖とする有機重合体をいい、例えば下記式(i)で表される化合物および/またはそれらの混合物が挙げられる。
(R212223SiO1/2)(R2425SiO2/2)
(R21SiO3/2)(SiO4/2) …(i)
上記式(i)において、R21からR26は同じであっても異なってもよく、有機官能基、水酸基、水素原子からなる群から選択される。また、上記式(i)において、E、D、TおよびQは、各々0以上1未満の数であり、且つ、E+D+T+Q=1を満足する数である。
該シリコーン系材料は、例えば、液状の該シリコーン系材料に本発明の有機蛍光体を混合した後、熱や光によって硬化させて用いることができる。
シリコーン系材料を硬化のメカニズムにより分類すると、通常、付加重合硬化タイプ、縮重合硬化タイプ、紫外線硬化タイプ、パーオキサイド架硫タイプなどのシリコーン系材料を挙げることができる。これらの中では、付加重合硬化タイプ(付加型シリコーン樹脂)、縮合硬化タイプ(縮合型シリコーン樹脂)、紫外線硬化タイプが好適である。以下、付加型シリコーン系材料、および縮合型シリコーン系材料について説明する。
付加型シリコーン系材料とは、ポリオルガノシロキサン鎖が、有機付加結合により架橋されたものをいう。代表的なものとしては、例えばビニルシランとヒドロシランをPt触媒などの付加型触媒の存在下反応させて得られるSi−C−C−Si結合を架橋点に有する化合物等を挙げることができる。これらは市販のものを使用することができ、例えば付加重合硬化タイプの具体的商品名としては信越化学工業社製「LPS−1400」「LPS−2410」「LPS−3400」等が挙げられる。
一方、縮合型シリコーン系材料とは、例えば、アルキルアルコキシシランの加水分解・重縮合で得られるSi−O−Si結合を架橋点に有する化合物を挙げることができる。
具体的には、下記一般式(ii)および/または(iii)で表される化合物、および/またはそのオリゴマーを加水分解・重縮合して得られる重縮合物が挙げられる。
m+ p−q …(ii)
(式(ii)中、Mは、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、およびチタンより選択される少なくとも1種の元素を表し、Xは、加水分解性基を表し、Yは、1価の有機基を表し、mは、Mの価数を表す1以上の整数を表し、qは、X基の数を表す1以上の整数を表す。但し、p≧qである。)
s+ s−t …(iii)
(式(iii)中、Mは、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、およびチタンより選択される少なくとも1種の元素を表し、Xは、加水分解性基を表し、Yは、1価の有機基を表し、Yは、u価の有機基を表し、sは、Mの価数を表す1以上の整数を表し、tは、1以上、s−1以下の整数を表し、uは、2以上の整数を表す。)
また、縮合型シリコーン系材料には、硬化触媒を含有させてもよい。この硬化触媒としては、例えば、金属キレート化合物などを好適なものとして用いることができる。金属キレート化合物は、Ti、Ta、Zrの何れか1以上を含むものが好ましく、Zrを含むものが更に好ましい。なお、硬化触媒は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用してもよい。
このような縮合型シリコーン系材料としては、例えば特願2006−47274号〜47277号明細書(例えば特開2007−112973号〜112975号公報、特開2007−19459号公報)及び特願2006−176468号明細書に記載の半導体発光デバイス用部材が好適である。
縮合型シリコーン系材料の好適例については、後述する。
液体媒体に蛍光体を分散させて使用する場合、液体媒体に対する蛍光体の使用量は特に限定されるものではない。ただし、通常は、液体媒体100重量部に対して、蛍光体を、0.01重量部以上、好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは1重量部以上、また、100重量部以下、好ましくは80重量部以下、より好ましくは60重量部以下とする。液体媒体の量が多い場合には特段の問題は起こらないが、発光装置とした場合に所望の色度座標、演色指数、発光効率等を得るには、通常、上記のような配合比率で液体媒体を用いることが望ましい。一方、液体媒体が少な過ぎると流動性がなく取り扱い難くなる可能性がある。
液体媒体は、本発明の有機蛍光体材料において、主にバインダーおよび封止材料としての役割を有する。液体媒体は、1種を単独で用いてもよいが、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用してもよい。例えば、耐熱性や耐光性等を目的として珪素含有化合物を使用する場合は、当該珪素含有化合物の耐久性を損なわない程度に、後述の本発明に好適なシリコーン系材料と共にエポキシ樹脂など他の熱硬化性樹脂を含有してもよい。この場合、他の熱硬化性樹脂の含有量は、バインダーである液体媒体全量に対して通常25重量%以下、好ましくは10重量%以下とすることが望ましい。
また、液体媒体には、蛍光体以外の添加剤を含有させてもよい。添加剤の例としては、色調補正用の色素、酸化防止剤、燐系加工安定剤等の加工・酸化および熱安定化剤、紫外線吸収剤等の耐光性安定化剤およびシランカップリング剤などが挙げられる。
本発明の発光装置に用いる発光媒体の形成に用いる蛍光体としては、本発明の有機蛍光体、即ち前述の化合物(1)を1種類のみ用いてもよく、本発明の有機蛍光体を2種類以上、任意の組み合わせおよび比率で併用してもよい。
図1の発光装置において、光源1と発光媒体2との位置関係について制限は無く、発光装置が所望の光を発することができるかぎり任意である。ただし、通常は、橙色ないし赤色蛍光体、青色蛍光体、緑色蛍光体などの蛍光体を含む発光媒体2を、光源1上に配置するようにする。この場合、橙色ないし赤色蛍光体は、青色蛍光体、緑色蛍光体とは必ずしも同一の層中に混合されなくてもよい。例えば、青色蛍光体と緑色蛍光体を含有する液体媒体層の上に、橙色ないし赤色蛍光体を含有する液体媒体層が積層されていてもよい。この場合、用いられる橙色ないし赤色蛍光体としては、有機蛍光体の項で述べたものが挙げられ、液体媒体としては、有機蛍光体材料の項で液体媒体として述べたものが挙げられる。
また、発光媒体2は、光源1の上部(通常は、発光装置の光が発せられる側)に設けることができる。発光媒体2は、例えば、光源1と後述する第1の光透過性媒体3との間の接触層として、または、後述する第2の光透過性媒体4の外側のコーティング層として、または、外部キャップの内側のコーティング層として設けることができる。さらに、光透過性媒体内に蛍光体を含有させた形態をとることもできる。
本実施形態では、有機蛍光体を液体媒体に分散させた発光媒体2を、発光LEDよりなる光源1の表面に後述の第2の光透過性媒体4を介して形成している。
{本発明に好適なシリコーン系材料}
本発明で用いる液体媒体として好適な縮合型シリコーン系材料の中で、特に好ましい材料について、以下に説明する。
シリコーン系材料は、一般に半導体発光素子や素子を配置する基板、パッケージ等との接着性が弱いことが課題とされるが、密着性が高いシリコーン系材料として、特に、以下の特徴〔1〕〜〔3〕のうち1つ以上を有する縮合型シリコーン系材料が好ましい。
〔1〕ケイ素含有率が20重量%以上である。
〔2〕後に詳述する方法によって測定した固体Si−核磁気共鳴(NMR)スペクトルにおいて、下記(a)および/または(b)のSiに由来するピークを少なくとも1つ有する。
(a)ピークトップの位置がテトラメトキシシランを基準としてケミカルシフト−40ppm以上、0ppm以下の領域にあり、ピークの半値幅が0.3ppm以上、3.0ppm以下であるピーク。
(b)ピークトップの位置がテトラメトキシシランを基準としてケミカルシフト−80ppm以上、−40ppm未満の領域にあり、ピークの半値幅が0.3ppm以上5.0ppm以下であるピーク。
〔3〕シラノール含有率が0.1重量%以上、10重量%以下である。
本発明においては、上記の特徴〔1〕〜〔3〕のうち、特徴〔1〕を有するシリコーン系材料が好ましく、上記の特徴〔1〕および〔2〕を有するシリコーン系材料がより好ましく、上記の特徴〔1〕〜〔3〕を全て有するシリコーン系材料(以下「本発明に好適なシリコーン系材料」と称す場合がある。)が特に好ましい。
以下、上記の特徴〔1〕〜〔3〕について説明する。
<特徴〔1〕ケイ素含有率>
従来のシリコーン系材料の基本骨格は炭素−炭素および炭素−酸素結合を基本骨格としたエポキシ樹脂等の有機樹脂であるが、これに対し本発明に好適なシリコーン系材料の基本骨格はガラス(ケイ酸塩ガラス)などと同じ無機質のシロキサン結合である。このシロキサン結合は、下記表1の化学結合の比較表からも明らかなように、シリコーン系材料として優れた以下の特徴がある。
(I)結合エネルギーが大きく、熱分解・光分解し難いため、耐光性が良好である。
(II)電気的に若干分極している。
(III)鎖状構造の自由度は大きく、フレキシブル性に富む構造が可能であり、シロキサン鎖中心に自由回転可能である。
(IV)酸化度が大きく、これ以上酸化されない。
(V)電気絶縁性に富む。
Figure 2008182197
これらの特徴から、シロキサン結合が3次元的に、しかも高架橋度で結合した骨格で形成されるシリコーン系のシリコーン系材料は、ガラス或いは岩石などの無機質に近く、耐熱性・耐光性に富む保護皮膜となることが理解できる。特にメチル基を置換基とするシリコーン系材料は、紫外領域に吸収を持たないため光分解が起こり難く、耐光性に優れる。
本発明に好適なシリコーン系材料のケイ素含有率は、通常20重量%以上であるが、中でも25重量%以上が好ましく、30重量%以上がより好ましい。一方、上限としては、SiOのみからなるガラスのケイ素含有率が47重量%であるという理由から、通常47重量%以下の範囲である。
なお、シリコーン系材料のケイ素含有率は、例えば以下の方法を用いて誘導結合高周波プラズマ分光(inductivelycoupledplasmaspectrometry:以下適宜「ICP」と略する。)分析を行ない、その結果に基づいて算出することができる。
(ケイ素含有率の測定)
シリコーン系材料を白金るつぼ中にて大気中、450℃で1時間、次いで750℃で1時間、950℃で1.5時間保持して焼成し、炭素成分を除去した後、得られた残渣少量に10倍量以上の炭酸ナトリウムを加えてバーナー加熱し溶融させ、これを冷却して脱塩水を加え、更に塩酸にてpHを中性程度に調整しつつケイ素として数ppm程度になるよう定容し、ICP分析を行なう。
<特徴〔2〕固体Si−NMRスペクトル>
本発明に好適なシリコーン系材料の固体Si−NMRスペクトルを測定すると、有機基の炭素原子が直接結合したケイ素原子に由来する前記(a)および/または(b)のピーク領域に少なくとも1本、好ましくは複数本のピークが観測される。
ケミカルシフト毎に整理すると、本発明に好適なシリコーン系材料において、(a)に記載のピークの半値幅は、分子運動の拘束が小さいために、全般に後述の(b)に記載のピークの場合より小さく、通常3.0ppm以下、好ましくは2.0ppm以下、また、通常0.3ppm以上の範囲である。
一方、(b)に記載のピークの半値幅は、通常5.0ppm以下、好ましくは4.0ppm以下、また、通常0.3ppm以上、好ましくは0.4ppm以上の範囲である。
上記のケミカルシフト領域において観測されるピークの半値幅が大き過ぎると、分子運動の拘束が大きくひずみの大きな状態となり、クラックが発生し易く、耐熱・耐候耐久性に劣る部材となる場合がある。例えば、四官能シランを多用した場合や、乾燥工程において急速な乾燥を行ない大きな内部応力を蓄えた状態などにおいて、半値幅範囲が上記の範囲より大きくなる。
また、ピークの半値幅が小さ過ぎると、その環境にあるSi原子はシロキサン架橋に関わらないことになり、三官能シランが未架橋状態で残留する例など、シロキサン結合主体で形成される物質より耐熱・耐候耐久性に劣る部材となる場合がある。
但し、大量の有機成分中に少量のSi成分が含まれるシリコーン系材料においては、−80ppm以上に上述の半値幅範囲のピークが認められても、良好な耐熱・耐光性および塗布性能は得られない場合がある。
本発明に好適なシリコーン系材料のケミカルシフトの値は、例えば以下の方法を用いて固体Si−NMR測定を行ない、その結果に基づいて算出することができる。また、測定データの解析(半値幅やシラノール量解析)は、例えばガウス関数やローレンツ関数を使用した波形分離解析等により、各ピークを分割して抽出する方法で行なう。
(固体Si−NMRスペクトル測定およびシラノール含有率の算出)
シリコーン系材料について固体Si−NMRスペクトルを行なう場合、以下の条件で固体Si−NMRスペクトル測定および波形分離解析を行なう。また、得られた波形データより、シリコーン系材料について、各々のピークの半値幅を求める。また、全ピーク面積に対するシラノール由来のピーク面積の比率より、全ケイ素原子中のシラノールとなっているケイ素原子の比率(%)を求め、別に分析したケイ素含有率と比較することによりシラノール含有率を求める。
(装置条件)
装置:Chemagnetics社Infinity CMX−400核磁気共鳴分光装置
29Si共鳴周波数:79.436MHz
プローブ:7.5mmφCP/MAS用プロー
測定温度:室温
試料回転数:4kHz
測定法:シングルパルス法
Hデカップリング周波数:50kHz
29Siフリップ角:90゜
29Si90゜パルス幅:5.0μs
繰り返し時間:600s
積算回数:128回
観測幅:30kHz
ブロードニングファクター:20Hz
基準試料:テトラメトキシシラン
シリコーン系材料については、512ポイントを測定データとして取り込み、8192ポイントにゼロフィリングしてフーリエ変換する。
(波形分離解析法)
フーリエ変換後のスペクトルの各ピークについてローレンツ波形およびガウス波形或いは両者の混合により作成したピーク形状の中心位置、高さ、半値幅を可変パラメータとして、非線形最小二乗法により最適化計算を行なう。
なお、ピークの同定は、AIChE Journal,44(5),p.1141,1998年等を参考にする。
<特徴〔3〕シラノール含有率>
本発明に好適なシリコーン系材料は、シラノール含有率が、通常0.1重量%以上、好ましくは0.3重量%以上、また、通常10重量%以下、好ましくは8重量%以下、更に好ましくは5重量%以下の範囲である。シラノール含有率を低くすることにより、シラノール系材料は経時変化が少なく、長期の性能安定性に優れ、吸湿・透湿性何れも低い優れた性能を有する。但し、シラノールが全く含まれない部材は密着性に劣るため、シラノール含有率に上記のごとく最適な範囲が存在する。
なお、シリコーン系材料のシラノール含有率は、例えば上記<特徴〔2〕固体Si−NMRスペクトル>の(固体Si−NMRスペクトル測定およびシラノール含有率の算出)の項において説明した方法を用いて固体Si−NMRスペクトル測定を行ない、全ピーク面積に対するシラノール由来のピーク面積の比率より、全ケイ素原子中のシラノールとなっているケイ素原子の比率(%)を求め、別に分析したケイ素含有率と比較することにより算出することができる。
また、本発明に好適なシリコーン系材料は、適当量のシラノールを含有しているため、通常は、デバイス表面に存在する極性部分にシラノールが水素結合し、密着性が発現する。極性部分としては、例えば、水酸基やメタロキサン結合の酸素等が挙げられる。
また、本発明に好適なシリコーン系材料は、通常、適当な触媒の存在下で加熱することにより、デバイス表面の水酸基との間に脱水縮合による共有結合を形成し、更に強固な密着性を発現することができる。
一方、シラノールが多過ぎると、系内が増粘して塗布が困難になったり、活性が高くなり加熱により軽沸分が揮発する前に固化したりすることによって、発泡や内部応力の増大が生じ、クラックなどを誘起する場合がある。
{光透過性媒体}
発光媒体2の上下には、熱の拡散(放熱硬化)、光取り出しの制御(光散乱、屈折率の制御)、防水効果、近紫外線+紫外線(波長380nm未満)遮断など長寿命化に向けて各種の機能を付与すべく、必要に応じて第1の光透過性媒体3および/または第2の光透過性媒体4が設けられる。
<第1の光透過性媒体>
第1の光透過性媒体3として、可視領域に吸収を持たない媒体であれば特に限定はないが、空気や水が発光媒体2に接しないようにするための媒体が好ましく、例えば、真空、Nのようなガスの充填、封止材料である液体媒体(フッ素系樹脂、シリコーンなど液体媒体として上述したのと同様のもの)などが挙げられる。
該液体媒体には、封止部材(光透過性媒体)の屈折率を調整するために、高い屈折率を有する金属酸化物となり得る金属元素を含有させることができる。高い屈折率を有する金属酸化物を与える金属元素の例としては、Si、Al、Zr、Ti、Y、Nb、B等が挙げられる。これらの金属元素は単独で使用されてもよく、2種以上が任意の組み合わせおよび比率で併用されてもよい。
このような金属元素の存在形態は、封止部材の透明度を損なわなければ特に限定されず、例えば、メタロキサン結合として均一なガラス層を形成していても、封止部材中に粒子状で存在していてもよい。粒子状で存在している場合、その粒子内部の構造はアモルファス状であっても結晶構造であってもよいが、高屈折率を与えるためには結晶構造であることが好ましい。また、その粒子径は、封止部材の透明度を損なわないために、通常は、半導体発光素子の発光波長以下、好ましくは100nm以下、更に好ましくは50nm以下、特に好ましくは30nm以下である。例えばシリコーン系材料に、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化イットリウム、酸化ニオブ等の粒子を混合することにより、上記の金属元素を封止部材中に粒子状で存在させることができる。
<第2の光透過性媒体>
第2の光透過性媒体4として、可視領域に吸収を持たない媒体であれば特に限定はないが、発光ダイオードの熱が発光媒体に伝わりにくい媒体が好ましく、例えば、封止材料として上述した液体媒体などが挙げられる。
また、本実施形態の発光装置は、蛍光体の耐久性向上の観点から、波長380nm未満の紫外線を遮蔽する処理を設けてもよい。このため、第1の光透過性媒体3および/または第2の光透過性媒体4に紫外線遮蔽処理(例えば、紫外線吸収剤等の添加)を施してもよい。
{ソケット}
発光装置には、上記の光源1および蛍光媒体2以外の部材を設けてもよい。例えば、発光ダイオード1、および発光媒体2から発せられる光を効率よく反射させるため、ソケット5を設けても良い。ソケット5の材料としては、光源1、および発光媒体2から発せられる光を効率よく反射し、光をロスしない材料であれば特に限定されないが、アルミニウムなどの金属板が好ましい。
{キャップ}
発光装置には、光源1や蛍光媒体2を保護するために、キャップ6などを設けてもよい。外部キャップ6の材料としては、光学的な特性を有するフレネルレンズ、複焦点レンズなどのレンズが好ましい。
{電極}
電極7A,7Bとしては、特に特定はしないが、Au,Ag,Cu,Al/Mg電極などが用いられる。
{発光装置の製造工程}
本実施の形態が適用される発光装置の製造工程には特に制限はなく、従来の発光装置における一般的な方法が適宜採用できる。即ち、上述の各部材を別個に作製し、面同士を接着剤やその他の手段によって接触させても良いし、成形された部材上に別の部材の材料(発光媒体、光透過性媒体、など)を塗布あるいは充填し、前記別の部材の材料に配合した液体媒体などに適する方法で固化・成形しても良い。
例えば、図1の発光装置の場合、ソケット5内に電極7A,7Bの付いた光源1を取り付け、その上から第2の光透過性媒体4を充填し、光や熱により固化させた後、発光媒体2を塗布、スプレー法、或いは蒸着法などにより充填し、必要に応じて熱や光による固化を行う。さらに、第1の光透過性媒体3を充填して固化させた後、キャップ6を取り付けることにより装置を作成することが出来る。
{発光装置の実施の形態}
本実施の形態が適用される発光装置は、単独で、または複数個を組み合わせることにより、例えば、照明ランプ、液晶パネルなどのバックライト、超薄型照明などの種々の照明装置、表示装置として使用することができる。
以下に図9及び図10に基づいて、本発明の発光装置の実施形態について、より具体的に説明する。
各実施形態の発光装置10は、発光素子A(光源)と、発光素子Aの近傍に配設された蛍光体部B(発光媒体)とを備えている。
蛍光体部Bは、発光素子Aの高耐久性封止剤、光取出し膜、諸機能付加膜などの機能を発揮しうると共に、発光素子Aからの光により励起されて所望の波長の光を発光する波長変換機能を発揮するものである。蛍光体部Bは、発光素子Aからの光により励起されて所望の波長の光を発光する蛍光物質を少なくとも含んでいればよい。このような蛍光物質の例としては、上に例示した各種の蛍光体が挙げられる。蛍光体部Bの発光色としては、赤色(R),緑色(G),青色(B)の3原色は勿論のこと、蛍光灯のような白色や電球のような黄色も可能である。要するに、蛍光体部Bは、励起光とは異なる所望の波長の光を放射する波長変換機能を有している。
発光装置10では、発光素子Aから放射された光の一部は蛍光体部Bをそのまま透過し、発光装置10の外部へ放射される。また、発光装置10では、発光素子Aから放射された光の他の一部が蛍光体部Bに吸収されて蛍光体部Bが励起され、蛍光体部Bにドープされた発光イオン特有の波長の光が発光装置10の外部へ放射される。
従って、発光装置10からは、発光素子Aで発光して蛍光体部Bを透過した光と蛍光体部Bで発光した光との合成光が、波長変換された光として放射されることになり、発光素子Aの発光色と蛍光体部Bの発光色とで発光装置10全体としての発光色が決まることになる。なお、発光素子Aで発光して蛍光体部Bを透過する光は必ずしも必要ではない。
近紫外光(NUV)は、該NUVを励起光として発光する蛍光体のような化合物を除くと、多くの有機材料を光劣化させる。特に本発明の発光装置をバックライト用途として用いる場合、液晶材料をNUVから保護する意味で、発光素子Aから照射されるNUVを発光装置10の外に逃がさないことが重要である。この場合、むしろ発光素子Aで発光して蛍光体部Bを透過する光は少ないことが好ましい。本発明の蛍光体材料は、前述の通りNUV吸収性に優れるため、該透過光の低減に有効である。
また、本発明の蛍光体材料は前述の通り耐熱性に優れるものであるが、発光素子から放出される熱による劣化を最小限に抑える意味で、発光素子Aと蛍光体部Bとは接していないことが好ましい。
〔実施形態I〕
本実施形態の発光装置10の基本構成は、図9に示すように、プリント配線17が施された絶縁基板16上に発光装置Aが表面実装されている。
また、絶縁基板16の上面側に発光素子Aを覆うドーム状の蛍光体部34が配設され、蛍光体部34の外面側に透光性樹脂からなる封止部19が形成されている。
発光素子Aは窒化ガリウム系のLEDチップであり、図9における下面側にn型半導体層(図示せず)、上面側にp型半導体層(図示せず)が形成されており、上述のp型半導体層およびn型半導体層それぞれに導電ワイヤ(例えば、金ワイヤ)15,15’がボンディングにより接続され、この導電ワイヤ15,15’を介して発光素子Aとリード端子12,13とが電気的に接続されている。導電ワイヤ15,15’は発光素子Aから放射される光を妨げないように断面積の小さいものが用いられている。
封止部19は、発光素子Aおよび蛍光体部34とを封止する円錐台状の封止機能部19aと封止部19の前端部においてレンズとして機能するレンズ状のレンズ機能部19bとで構成されている。封止部19の一部にレンズとして機能するレンズ機能部19bを設けたことにより、指向性の優れた配光を得ることができる。従って本実施形態においては、封止部19が発光素子Aを封止・保護する機能だけでなく、発光の指向性を制御するレンズ機能を有することになる。また、封止部19の耐候性を高めることができ、長寿命化を図ることができる。
本実施形態では、発光素子Aを覆うドーム状の蛍光体部34が配設されているので、蛍光体部34は発光素子Aに直接接しない。さらに、蛍光体部34を本発明に好適なシリコーン系材料として前述したような液体媒体に分散させて形成することにより、耐熱・耐光性と同時に封止部材としての機能を持たせることができ、外部からの水分などによる発光素子Aの劣化や、熱および外気接触による蛍光体の劣化をより確実に防止することが出来、長寿命化を図ることができる。
また、絶縁基板16とドーム状蛍光体部34とで形成される内部空間を、窒素などの不活性ガスや、光透過性に優れる封止剤などで充たしたり、減圧状態に保っても良い。このような構成とすることで、蛍光体部に含まれる蛍光体の劣化をより確実に防ぐことができる。
なお、図示していないが、図9の上方を前方として説明すると、発光層部Aの側面や後面には、反射層が形成されていても良い。反射層は、LEDチップから放射された光を前方に反射する機能を有し、LEDチップから放射された光および反射層により前方に反射された光は、封止部19の前端部においてレンズとして機能するレンズ状のレンズ機能部19bを通して前方に放射される。
該反射層は、絶縁基板16上に種々の方法を用いて成膜したり、リード端子の前端部にミラー(カップ部)を取り付け、発光素子Aの背面をダイボンドによって接合する、等の方法によって設けることができる。
なお、反射層と発光層部Aとの間に前述した無機蛍光体から構成される第2の蛍光体部を配置することもできる。蛍光体部34と第2の蛍光体部の発光色は同一であっても異なっていても良い。両者の発光色を揃えておけば、蛍光体部Bの発光に第2の蛍光体部の発光が重畳され、光出力を増加することができ、発光効率を高めることができる。
〔実施形態II〕
上述した実施形態(I)においては、光源として半導体発光素子を用いているが、本発明の発光装置の光源は、これら半導体発光素子に限定されるものではない。有機EL発光素子、無機EL発光素子、等、他の光源を用いて構成することも可能である。
実施形態IIでは、図10に基づいて、光源として有機EL素子を用いた発光装置について説明する。
本実施形態の発光装置10Aは、一方の基板41上に発光素子43(A)、対向する他方の透明基板42上に青、緑、赤色蛍光体からなる3色の蛍光体部を備えている。発光素子43は有機EL発光素子であり、図10では記載を省略しているが、導電性材料により形成したリード端子によって電気的に接続されている。リード端子はリードフレームにより形成されている。また、蛍光体部44(B)は発光素子43からの光によって励起され所望の波長の光を発光するものである。この発光素子43から照射される近紫外光が、透明基板42上に配置された青、緑、赤色の各蛍光体部44を通して、青、緑、赤色光として、発光されることになる。
以上、本発明の発光装置について特定の態様を用いて詳細に説明したが、本発明の意図と範囲を離れることなく、様々な変更が可能であることは当業者に明らかである。
[発光装置の発光方法]
上述のようにして得られた発光装置の発光は、通常、発光ダイオード(LED)から照射される光を、発光媒体である蛍光体層に含まれる蛍光体が吸収し、より長波長の可視光を発光することにより行う。
本発明の発光装置の発光方法では、380nm〜420nmの波長範囲に発光極大を有する可視光の照射によって、従来は難しかった青色から緑色の蛍光体を励起し、発光を得ることを特徴とする。
このため、紫外光や近紫外光による光励起において課題であった有機蛍光体の光劣化を避け、蛍光体の長寿命化を実現することができる。
なお、発光装置の発光特性の評価としては、耐光試験機(東洋精機(株)製アトラスCi4000)を用いて輝度低下を確認することにより行うことができる。
[発光装置の用途]
本発明の発光装置の用途は特に制限されず、通常の発光装置が用いられる各種の分野に使用することが可能であるが、色再現範囲が広く、且つ、演色性も高いことから、中でも照明装置や画像表示装置の光源として、とりわけ好適に用いられる。
{照明装置}
本発明の発光装置を照明装置に適用する場合には、前述のような発光装置を公知の照明装置に適宜組み込んで用いればよい。例えば、図11に示されるような、前述の発光装置10を組み込んだ面発光照明装置100を挙げることができる。
図11は、本発明の発光装置を適用した照明装置の一実施形態を模式的に示す断面図である。この図11に示すように、該面発光照明装置は、内面を白色の平滑面等の光不透過性とした方形の保持ケース101の底面101Aに、多数の発光装置102(前述の発光装置10に相当)を、その外側に発光装置102の駆動のための電源および回路等(図示せず。)を設けて配置し、保持ケース101の蓋部に相当する箇所に、乳白色としたアクリル板等の拡散板101Bを発光の均一化のために固定してなる。
そして、面発光照明装置100を駆動して、発光装置102の励起光源(第1の発光体)に電圧を印加することにより光を発光させ、その発光の一部を、蛍光体含有部(第2の発光体)としての蛍光体含有樹脂部における前記蛍光体が吸収し、可視光を発光し、一方、蛍光体に吸収されなかった青色光等との混色により演色性の高い発光が得られ、この光が拡散板101Bを透過して、図面上方に出射され、保持ケース101の拡散板101B面内において均一な明るさの照明光が得られることとなる。
{画像表示装置}
本発明の発光装置を画像表示装置の光源として用いる場合には、その画像表示装置の具体的構成に制限は無いが、カラーフィルターとともに用いることが好ましい。例えば、画像表示装置として、カラー液晶表示素子を利用したカラー画像表示装置とする場合は、上記発光装置をバックライトとし、液晶を利用した光シャッターと赤、緑、青の画素を有するカラーフィルターとを組み合わせることにより画像表示装置を形成することができる。
以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以下の実施例および比較例では蛍光体として利用可能か否かを判断するために、蛍光測定装置(堀場製作所製Fluorolog−3)を用いて固体状態での発光強度(最大発光ピークの発光強度)、半値幅(前記発光強度の1/2強度における最大発光ピークの幅)、最大発光波長の測定を行った。
[実施例1]
Figure 2008182197
窒素ライン接続三方コック、温度計、回転子を取り付けた200mL四口フラスコにベンゾフェノン(東京化成工業株式会社)1.0gとp−キシレンジホスホン酸テトラエチル(株式会社ワコーケミカル)990mgを入れ、窒素置換した後、脱水DMF40mL(関東化学株式会社)を加えて室温で撹拌させ溶解させた。よく撹拌しているところに、カリウム−t−ブトキシド1.27g(和光純薬工業株式会社)を加え9時間室温で撹拌を行った。
放冷させて、メタノール(純正化学株式会社)を加えて析出した結晶を吸引濾過で回収し、固体をメタノールで熱時濾過した。固体を加熱減圧下で乾燥して、黄色粉末状固体を得た。LC分析では純度99%であった。
収量960mg、収率85%。
得られた化合物(II−O)を70mg秤取り、測定用セルに充填して蛍光測定装置で測定した結果、図2に示すスペクトルを得た。
発光強度1.1×10cps(count/s−1)、半値幅90nm、最大発光波長492nmであった。
[実施例2]
1−ナフチルアルデヒド(東京化成試薬(株))3.1gとp−キシレンジホスホン酸テトラエチル(株ワコーケミカル)3.4gにDMF(純正化学試薬)50mlを加え、室温でナトリウムt−ブトキシド(和光純薬(株)4.8gを少しずつ加えながら攪拌を行った。反応終了後、反応液にメタノールを30mL加え、得られた固体を吸引濾過で回収し、この固体をメタノール(純正化学試薬)で懸濁洗浄して粗体を得た。得られた粗体をトルエン(純正化学試薬)から再結晶して目的物(下記構造式の化合物(II−C))を得た。LC分析では純度97%であった。
収量1.4g、収率38%。
Figure 2008182197
得られた化合物(II−C)を70mg秤取り、測定用セルに充填して蛍光測定装置で測定した結果、図3に示すスペクトルを得た。
発光強度1.0×10cps(count/s−1)、半値幅57nm、最大発光波長494nmであった。
[実施例3]
1−ナフチルアルデヒド(東京化成試薬(株))1.56gと4,4’−ビフェニルジホスホン酸テトラエチル(株)ワコーケミカル)2.0gにDMF(純正化学試薬)50mlを加え、室温でナトリウムt−ブトキシド(和光純薬(株)2.4gを少しずつ加えながら攪拌を行った。反応終了後、反応液にエタノールを30mL加え、得られた固体を吸引濾過で回収し、この固体をエタノール(純正化学試薬)で懸濁洗浄して粗体を得た。得られた粗体をトルエン(純正化学試薬)から再結晶して目的物(下記構造式の化合物(II−D))を得た。LC分析では純度99%であった。
収量2.0g、収率44%。
Figure 2008182197
得られた化合物(II−D)を70mg秤取り、測定用セルに充填して蛍光測定装置で測定した結果、図4に示すスペクトルを得た。
発光強度1.1×10cps(count/s−1)、半値幅55nm、最大発光波長486nmであった。
[実施例4]
9−フェナントリルアルデヒド(東京化成試薬(株))1.7gとp−キシレンジホスホン酸テトラエチル(株式会社ワコーケミカル)2.0gにDMF(純正化学試薬)30mlを加え、室温でナトリウムt−ブトキシド(和光純薬(株)2.4gを少しずつ加えながら攪拌を行った。反応終了後、反応液にエタノールを30mL加え、得られた固体を吸引濾過で回収し、この固体をエタノール(純正化学試薬)で懸濁洗浄して粗体を得た。得られた粗体をトルエン(純正化学試薬)から熱時濾過して目的物(下記構造式の化合物(II−E))を得た。LC分析では純度99%であった。
収量1.3g、収率26%。
Figure 2008182197
得られた化合物(II−E)を70mg秤取り、測定用セルに充填して蛍光測定装置で測定した結果、図5に示すスペクトルを得た。
発光強度7.0×10cps(count/s−1)、半値幅104nm、最大発光波長524nmであった。
[実施例5]
メシチルアルデヒド(東京化成試薬(株))1.5gとp−キシレンジホスホン酸テトラエチル(株式会社ワコーケミカル)1.7gにDMF(純正化学試薬)30mlを加え、室温でナトリウムt−ブトキシド(和光純薬(株)2.4gを少しずつ加えながら攪拌を行った。反応終了後、反応液にエタノールを30mL加え、得られた固体を吸引濾過で回収し、この固体をエタノール(純正化学試薬)で懸濁洗浄して粗体を得た。得られた粗体をトルエン(純正化学試薬)から熱時濾過して目的物(下記構造式の化合物(II−F))を得た。LC分析では純度98%であった。
収量1.3g、収率79%。
Figure 2008182197
得られた化合物(II−F)を70mg秤取り、測定用セルに充填して蛍光測定装置で測定した結果、図6に示すスペクトルを得た。
発光強度9.3×10cps(count/s−1)、半値幅70nm、最大発光波長459nmであった。
[実施例6]
4−トリフルオロメチルジベンゾフェノン(東京化成試薬(株))3.2gとp−キシレンジホスホン酸テトラエチル(株式会社ワコーケミカル)1.7gにDMF(純正化学試薬)50mlを加え、室温でナトリウムt−ブトキシド(和光純薬(株)1.2gを少しずつ加えながら攪拌を行った。反応終了後、反応液にメタノールを30mL加え、得られた固体を吸引濾過で回収し、この固体をメタノール(純正化学試薬)で懸濁洗浄して粗体を得た。得られた粗体をトルエン(純正化学試薬)から熱時濾過して目的物(下記構造式の化合物(II−G))を得た。LC分析では純度99%であった。
収量1.0g、収率17%。
Figure 2008182197
得られた化合物(II−G)を70mg秤取り、測定用セルに充填して蛍光測定装置で測定した結果、図7に示すスペクトルを得た。
発光強度9.0×10cps(count/s−1)、半値幅78nm、最大発光波長472nmであった。
[比較例1]
下記構造式で示される化合物(シンロイヒ(株)製「グリーン」)(Tm214℃)を固体状態で100mg測定用セルに充填して蛍光測定装置で測定した結果、図8に示すスペクトルを得た。
発光強度1.1×10cps(count/s−1)、半値幅(主ピーク)30nm、最大発光波長535nmであった。更に、578nmにサイドバンド吸収を有するため、黄緑色の発光を示すことが確認された。
Figure 2008182197
以上の結果を表2にまとめて示す。
Figure 2008182197
表2より、次のことが分かる。
即ち、比較例1の有機蛍光体は実施例のものと同様、高い発光強度を示したが、最大発光波長535nmとともに、波長578nmにサイドバンド吸収を有するため、黄緑色の発光を示すのに対して、実施例1〜6のものは何れも波長440nm〜530nmの青色〜緑発光を呈している。
しかも、本発明の有機蛍光体は、置換基により、最大発光波長、半値幅の更なるチューニングが可能である。即ち、本発明の有機蛍光体を用いることにより、波長380nm〜420nmの範囲に発光極大を有する可視光発光ダイオードの励起により波長440nm〜530nmに発光する蛍光体、およびそれを使用した発光素子、発光装置を提供することが出来る
本発明の発光装置の実施の形態を示す模式的な断面図である。 実施例1における本発明の有機蛍光体の発光スペクトル形状を示すチャートである。 実施例2における本発明の有機蛍光体の発光スペクトル形状を示すチャートである。 実施例3における本発明の有機蛍光体の発光スペクトル形状を示すチャートである。 実施例4における無機蛍光体の発光スペクトル形状を示すチャートである。 実施例5における従来の有機蛍光体の発光スペクトル形状を示すチャートである。 実施例6における無機蛍光体の発光スペクトル形状を示すチャートである。 比較例1における従来の有機蛍光体の発光スペクトル形状を示すチャートである。 本発明の発光装置の実施形態Iを示す概略断面図である。 本発明の発光装置の実施形態IIを示す概略断面図である。 実施形態の本発明の発光装置を適用した面発光照明装置を示す概略断面図である。
符号の説明
1 光源(発光ダイオード)
2 発光媒体
3 第1の光透過性媒体
4 第2の光透過性媒体
5 ソケット
6 キャップ
7A,7B 電極
10,10A 発光装置
A 発光素子
B 蛍光体部
12,13 リード端子
15 導電ワイヤ
16 絶縁基板
17 プリント配線
19 封止部
19a 封止機能部
19b レンズ機能部
21 発光層部
34 蛍光体部
41 基板
42 透明基板
43 発光素子
44 蛍光体部
100 面発光照明装置
101 保持ケース
102 発光装置
101A 底面
101B 拡散板

Claims (5)

  1. 波長380nm〜420nmの範囲に発光極大を有する光源を用いて励起させることにより緑色の発光を呈する有機蛍光体材料を発光媒体に含むことを特徴とする発光装置。
  2. 請求項1に記載の発光装置の発光媒体に含まれる有機蛍光体材料であって、下記一般式(1)で表される構造からなる化合物を固体状態で含有することを特徴とする有機蛍光体材料。
    Figure 2008182197
    (式中R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していても良い芳香環基、置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していても良いアルケニル基、置換基を有していても良いアルキニル基、シアノ基、又はカルボキシル基を表し、R〜Rの少なくとも2つは置換基を有していても良い芳香環基である。)
  3. 下記一般式(1)で表される構造からなる化合物を含有し、波長380nm〜420nmの範囲に発光極大を有する光源を用いて励起させることにより青色ないし緑色の発光を呈することを特徴とする有機蛍光体。
    Figure 2008182197
    (式中R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していても良い芳香環基、置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していても良いアルケニル基、置換基を有していても良いアルキニル基、シアノ基、又はカルボキシル基を表し、R〜Rの少なくとも2つは置換基を有していても良い芳香環基である。)
  4. 下記一般式(2)で表される構造からなる化合物を含有することを特徴とする請求項3に記載の有機蛍光体。
    Figure 2008182197
    (式中、R1a〜R6aは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していても良い芳香環基、置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していても良いアルケニル基、置換基を有していても良いアルキニル基、シアノ基、又はカルボキシル基を表し、R1a〜R6aの少なくとも2つは置換基を有していても良い芳香環基である。Xは共役可能な2価の連結基を表す。)
  5. 波長380nm〜420nmの範囲に発光極大を有する可視光発光ダイオードを用いて、発光媒体に含まれる有機蛍光体材料から、緑色の発光を得ることを特徴とする発光装置の発光方法。
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