JP2009023547A - 作業車のサスペンション構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 サスペンション機構の作動の極大位置A1及び極小位置A2を検出し、極大及び極小位置A1,A2の間の中間位置B1を検出する。中間位置B1が目標範囲H1から外れると、中間位置B1が目標範囲H1側に移動するように、サスペンション機構の作動を機体上昇側及び機体下降側に変更する。
【選択図】 図5
Description
この場合、作業車では車高の変化を抑えて、車高を所定の高さ範囲に維持することが望まれているので、前述のようにサスペンション機構の作動位置が目標範囲から機体上昇側及び機体下降側に変位すると、サスペンション機構の作動位置を目標範囲側に移動させる機構(作動変更手段)を備えて、車高ができるだけ所定の高さ範囲に維持されるように構成することがある。
本発明は作業車のサスペンション構造において、サスペンション機構に対し作動変更手段を備えた場合、作動変更手段の耐久性と言う面で有利なものとなるように構成することを目的としている。
(構成)
本発明の第1特徴は、作業車のサスペンション構造において次のように構成することにある。
走行用のサスペンション機構を備えて、サスペンション機構の作動を機体上昇側及び機体下降側に変更自在な作動変更手段を備える。サスペンション機構の作動の極大位置及び極小位置を検出し、極大及び極小位置の間の中間位置を検出する中間位置検出手段を備える。中間位置が目標範囲から外れると、中間位置が目標範囲側に移動するように、作動変更手段を操作する制御手段を備える。
本発明の第1特徴によれば、サスペンション機構、サスペンション機構の作動を機体上昇側及び機体下降側に変更自在な作動変更手段を備えた場合、サスペンション機構が作動して、サスペンション機構の作動位置が目標範囲から機体上昇側及び機体下降側に変位しても、直ちに作動変更手段が作動することはない。
本発明の第1特徴によると、サスペンション機構の作動の極大位置及び極小位置が検出され、極大及び極小位置の間の中間位置が検出されて、中間位置と目標範囲とが比較される。
本発明の第1特徴によると、作業車のサスペンション構造において、サスペンション機構に対し作動変更手段を備えた場合、作動変更手段の作動頻度を小さくすることができ、作動変更手段の耐久性と言う面で有利な構成を得ることができて、作動変更手段の耐久性を向上させることができた。
(構成)
本発明の第2特徴は、作業車のサスペンション構造において次のように構成することにある。
走行用のサスペンション機構を備えて、サスペンション機構の作動を機体上昇側及び機体下降側に変更自在な作動変更手段を備える。サスペンション機構の作動の極大位置及び極小位置を検出し、極大及び極小位置の間の中間位置を検出する中間位置検出手段を備える。中間位置が目標範囲から外れる回数を積算する積算手段を備える。中間位置が目標範囲から外れる回数が設定回数を越えると、中間位置が目標範囲側に移動するように、作動変更手段を操作する制御手段を備える。
本発明の第2特徴によれば、サスペンション機構、サスペンション機構の作動を機体上昇側及び機体下降側に変更自在な作動変更手段を備えた場合、サスペンション機構が作動して、サスペンション機構の作動位置が目標範囲から機体上昇側及び機体下降側に変位しても、直ちに作動変更手段が作動することはない。
本発明の第2特徴によると、サスペンション機構の作動の極大位置及び極小位置が検出され極大及び極小位置の間の中間位置が検出されて、中間位置と目標範囲とが比較され、中間位置が目標範囲から外れる回数が積算される。
本発明の第2特徴によると、作業車のサスペンション構造において、サスペンション機構に対し作動変更手段を備えた場合、作動変更手段の作動頻度を小さくすることができ、作動変更手段の耐久性と言う面で有利な構成を得ることができて、作動変更手段の耐久性を向上させることができた。
(構成)
本発明の第3特徴は、本発明の第1又は第2特徴の作業車のサスペンション構造において次のように構成することにある。
サスペンション機構を油圧シリンダにより構成し、油圧シリンダの油室にアキュムレータを接続して、油圧シリンダがサスペンション機構として作動するように構成する。油圧シリンダの油室とアキュムレータとを接続する油路に、ポンプの作動油を給排自在な制御弁を接続して、制御弁により油圧シリンダの油室の圧力制御を行うことにより、サスペンション機構の作動を機体上昇側及び機体下降側に変更するように、作動変更手段を構成する。
本発明の第3特徴によると、本発明の第1又は第2特徴と同様に前項[I][II]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
本発明の第3特徴によると、油圧シリンダに掛かる負荷の変化により、油圧シリンダの油室からアキュムレータへ作動油が流入し、アキュムレータから油圧シリンダの油室へ作動油が流入することにより、油圧シリンダがサスペンション機構として伸縮作動する。前述のような油圧シリンダにおいて、油圧シリンダの油室の圧力制御を制御弁によって行うことにより、サスペンション機構の作動を機体上昇側及び機体下降側に変更するように作動変更手段を構成している。
本発明の第3特徴によると、本発明の第1又は第2特徴と同様に前項[I][II]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第3特徴によると、サスペンション機構を油圧シリンダにより構成して、油圧シリンダをサスペンション機構として伸縮作動させる為のアキュムレータと、サスペンション機構の作動を機体上昇側及び機体下降側に変更する為の制御弁とを備えた場合、油路を少なくすることができて、構造の簡素化の面で有利なものとなった。
図1に示すように、右及び左の前輪1、右及び左の後輪2を備えて、作業車の一例である農用トラクタが構成されている。右及び左の後輪2は機体後部のミッションケース3にサスペンション機構を介して支持されておらず、位置固定状態で支持されている。
次に、油圧シリンダ7の油圧回路構造について説明する。
図3に示すように、油圧シリンダ7は底部側の油室7a及びピストン側の油室7bを備えた複動型に構成されている。油圧シリンダ7の油室7aに接続された油路9に、ガス封入式のアキュムレータ11、パイロット操作式の逆止弁13及び油圧回路の保護用のリリーフ弁15が接続されており、アキュムレータ11の手前部分に可変絞り部17が備えられている。油圧シリンダ7の油室7bに接続された油路10に、ガス封入式のアキュムレータ12、パイロット操作式の逆止弁14及び油圧回路の保護用のリリーフ弁16が接続されている。
パイロット弁19,20,29は電磁操作式であり、後述の[3][4]に記載のように制御装置(図示せず)によって、パイロット弁19(制御弁18)及びパイロット弁20,29が操作される。
次に、油圧シリンダ7の作動について説明する。
前項[2]に記載の構造により、図3に示すように、制御弁18が中立位置18Nに操作され、逆止弁13,14が開放状態に操作されている場合、地面の凹凸に応じて前車軸ケース8及び支持ブラケット6が横軸芯P1周りに上下に揺動しようとすると、油圧シリンダ7が伸縮して、油圧シリンダ7の油室7a,7bとアキュムレータ11,12との間で作動油が往復し、油圧シリンダ7がバネ定数K1を備えたサスペンション機構として作動する。
式(1) M×g=PH×AH−MP1×AR
これにより、油圧シリンダ7が伸長作動して機体の前部が上昇する(油圧シリンダ7(サスペンション機構)の作動を機体上昇側に変更した状態に相当)。この後、制御弁18が中立位置18Nに操作され、逆止弁13,14が開放状態に操作されると、油圧シリンダ7が伸長した状態で、前述のように油圧シリンダ7がサスペンション機構として作動する。
これにより、油圧シリンダ7が収縮作動して機体の前部が下降する(油圧シリンダ7(サスペンション機構)の作動を機体下降側に変更した状態に相当)。この後、制御弁18が中立位置18Nに操作され、逆止弁13,14が開放状態に操作されると、油圧シリンダ7が収縮した状態で、前述のように油圧シリンダ7がサスペンション機構として作動する。
次に、油圧シリンダ7の制御について、図3,5,6に基づいて説明する。
油圧シリンダ7の作動位置(伸縮位置)を検出する作動位置センサー(図示せず)が備えられて、作動位置センサーの検出値が制御装置に入力されており、制御装置において油圧シリンダ7の作動位置(伸縮位置)が記憶されている。
この場合、伸縮式の作動位置センサーを油圧シリンダ7に直接に取り付けて、油圧シリンダ7の作動位置(伸縮位置)を検出したり、ロータリ式の作動位置センサーを図2に示す横軸芯P1の位置に取り付けて、支持フレーム5に対する支持ブラケット6の角度を検出することによって、油圧シリンダ7の作動位置(伸縮位置)を検出する。
図5に示すように、極大位置A1は、油圧シリンダ7の作動位置が機体上昇側に変位した後に機体下降側に変位する位置(油圧シリンダ7が伸長作動から収縮作動に切り換わる位置)である。極小位置A2は、油圧シリンダ7の作動位置が機体下降側に変位した後に機体上昇側に変位する位置(油圧シリンダ7が収縮作動から伸長作動に切り換わる位置)である。
ステップS4,S5において、設定時間T11をある程度長いものに設定すると、設定時間T11の間に複数個の極大位置A1及び複数個の極小位置A2が検出される。この場合には、複数個の極大位置A1のうちの最大の極大位置A1を検出し、複数個の極小位置A2のうちの最小の極小位置A2を検出して、最大の極大位置A1及び最小の極小位置A2から中間位置B1が検出される(ステップS6)。
これにより前項[3]に記載のように、油圧シリンダ7の油室7b及び油路10の圧力がリリーフ弁28により設定圧MP1に維持された状態で、油圧シリンダ7が伸長作動して機体の前部が上昇する。中間位置B1と目標範囲H1との差の分だけ油圧シリンダ7が伸長作動すると(中間位置B1が目標範囲H1に入ると)、制御弁18が中立位置18Nに操作され、逆止弁13,14が開放状態に操作された状態(油圧シリンダ7がサスペンション機構として作動する状態)(ステップS1)に復帰する。
これにより前項[3]に記載のように、油圧シリンダ7の油室7b及び油路10の圧力がリリーフ弁28により設定圧MP1に維持された状態で、油圧シリンダ7が収縮作動して機体の前部が下降する。中間位置B1と目標範囲H1との差の分だけ油圧シリンダ7が収縮作動すると(中間位置B1が目標範囲H1に入ると)、制御弁18が中立位置18Nに操作され、逆止弁13,14が開放状態に操作された状態(油圧シリンダ7がサスペンション機構として作動する状態)(ステップS1)に復帰する。
前述の[発明を実施するための最良の形態]の図6に代えて、図7に示すように構成してもよい。
図7に示すように、積算回数Nが制御装置に設定されており、先ず積算回数Nが「0」に設定される(ステップS10)。制御弁18が中立位置18Nに操作され、逆止弁13,14が開放状態に操作された状態(油圧シリンダ7がサスペンション機構として作動する状態)において(ステップS11)、図6のステップS2〜S6と同様なステップS12〜S16が行われて、中間位置B1が検出される。
次にステップS12に移行し、ステップS12〜S16が行われて、中間位置B1の検出、中間位置B1と目標範囲H1との比較、積算回数Nの加算及び減算が行われるのであり、再びステップS12に移行して、ステップS12〜S16が繰り返して行われる。
これにより、前項[3]に記載のように、油圧シリンダ7の油室7b及び油路10の圧力がリリーフ弁28により設定圧MP1に維持された状態で、油圧シリンダ7が伸長作動して機体の前部が上昇する。中間位置B1と目標範囲H1との差の分だけ油圧シリンダ7が伸長作動すると(中間位置B1が目標範囲H1に入ると)、制御弁18が中立位置18Nに操作され、逆止弁13,14が開放状態に操作された状態(油圧シリンダ7がサスペンション機構として作動する状態)(ステップS11)に復帰する。
これにより、前項[3]に記載のように、油圧シリンダ7の油室7b及び油路10の圧力がリリーフ弁28により設定圧MP1に維持された状態で、油圧シリンダ7が収縮作動して機体の前部が下降する。中間位置B1と目標範囲H1との差の分だけ油圧シリンダ7が収縮作動すると(中間位置B1が目標範囲H1に入ると)、制御弁18が中立位置18Nに操作され、逆止弁13,14が開放状態に操作された状態(油圧シリンダ7がサスペンション機構として作動する状態)(ステップS11)に復帰する。
前述の[発明を実施するための最良の形態]の図6のステップS2〜S6、[発明の実施の第1別形態]の図7のステップS12〜S16において、設定時間T11を少し長く設定して、複数個の極大位置A1及び複数個の極小位置A2を検出するように構成した場合、以下のようにして図6のステップS6及び図7のステップS16の中間位置B1を検出してもよい。
前述の[発明を実施するための最良の形態][発明の実施の第1別形態][発明の実施の第2別形態]において、中間位置B1を極大及び極小位置A1,A2の間の中央の位置に設定するのではなく、機体の前部に装着する作業装置(例えばフロントローダ)の有無や種類、作業形態等に基づいて、中間位置B1を極大及び極小位置A1,A2の間の中央の位置から少し機体上昇側(油圧シリンダ7の伸長側)の位置に設定したり、中間位置B1を極大及び極小位置A1,A2の間の中央の位置から少し機体下降側(油圧シリンダ7の収縮側)の位置に設定したりしてもよい。
例えば機体の前部に作業装置(例えばフロントローダ)を装着した場合、中間位置B1を極大及び極小位置A1,A2の間の中央の位置から少し機体上昇側(油圧シリンダ7の伸長側)の位置に設定することにより、機体が地面に対して少し前上がり状態になるようにすればよい。
7a,7b 油圧シリンダの油室
9,10 油路
11,12 アキュムレータ
18 作動変更手段、制御弁
A1 極大位置
A2 極小位置
B1 中間位置
H1 目標範囲
N 中間位置が目標範囲から外れる回数
NU1,ND1 設定回数
Claims (3)
- 走行用のサスペンション機構を備えて、前記サスペンション機構の作動を機体上昇側及び機体下降側に変更自在な作動変更手段を備え、
前記サスペンション機構の作動の極大位置及び極小位置を検出し、前記極大及び極小位置の間の中間位置を検出する中間位置検出手段を備えて、
中間位置が目標範囲から外れると、中間位置が目標範囲側に移動するように、前記作動変更手段を操作する制御手段を備えてある作業車のサスペンション構造。 - 走行用のサスペンション機構を備えて、前記サスペンション機構の作動を機体上昇側及び機体下降側に変更自在な作動変更手段を備え、
前記サスペンション機構の作動の極大位置及び極小位置を検出し、前記極大及び極小位置の間の中間位置を検出する中間位置検出手段と、
前記中間位置が目標範囲から外れる回数を積算する積算手段とを備えて、
中間位置が目標範囲から外れる回数が設定回数を越えると、中間位置が目標範囲側に移動するように、前記作動変更手段を操作する制御手段を備えてある作業車のサスペンション構造。 - 前記サスペンション機構を油圧シリンダにより構成し、前記油圧シリンダの油室にアキュムレータを接続して、前記油圧シリンダがサスペンション機構として作動するように構成すると共に、
前記油圧シリンダの油室とアキュムレータとを接続する油路に、ポンプの作動油を給排自在な制御弁を接続して、前記制御弁により油圧シリンダの油室の圧力制御を行うことにより、前記サスペンション機構の作動を機体上昇側及び機体下降側に変更するように、前記作動変更手段を構成してある請求項1又は2に記載の作業車のサスペンション構造。
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