JP2009022404A - 炊飯器 - Google Patents

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Abstract

【課題】水の沸点以上の蒸気を利用してご飯の食味を向上させる炊飯器において、蓋加熱板に設けた蒸気発生部に水が無いときは蓋加熱板の温度上昇による鍋内上層のご飯の乾燥を低減するとともに蓋加熱板を過加熱するのを防止する。
【解決手段】鍋2を鍋加熱手段3により加熱し、鍋2を覆う蓋に配置した蓋加熱板10を蓋加熱手段13により加熱する。蓋加熱板10に水を貯え蒸気に生成する蒸気発生部を設け、蓋温度検知手段15の検知温度に応じて水有無検知手段21により蓋加熱板10に貯えた水の有無を検知し、鍋加熱手段3と蓋加熱手段13をマイクロコンピュータ23により制御する。マイクロコンピュータ23は、水無し検知結果に対応した水無し炊飯シーケンスと水有り検知結果に対応した水有り炊飯シーケンスとを有し、水無し炊飯シーケンスの消費電力量を水有り炊飯シーケンスの消費電力量より少なくなるよう構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、水の沸点以上の蒸気を利用してご飯の食味を向上させる炊飯器に関するものである。
一般的な家庭用の炊飯器においては、鍋内の米と水を加熱するために鍋底部に配置した鍋加熱手段が主であり、蓋内の加熱手段は鍋内の米、水の上方の空間を介するため、結果的に補助的な加熱となる。よって、鍋内上層の米は加熱量が不足し、鍋内の米、水を均一な加熱をすることができなかった。
さらに、本来、炊飯においては、水がほぼ無くなり米の流動性がなくなる、炊飯の最終工程である蒸らし工程で、それまでの加熱を継続し、米澱粉の糊化を完成させることが、美味なるご飯を炊くために必須であるが、この工程で、加熱を継続すると鍋底付近のご飯が焦げてしまうため加熱を弱めることが多かった。
加熱を弱めることに伴う糊化不足を防止し、食味を向上させるための手段としては、蓋内の給水容器にあらかじめ水を貯留し、この水を蓋に設けた蓋加熱板に供給して蒸気を発生させ鍋内上部の加熱を促進する炊飯器が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−160917号公報
しかしながら、このような従来の構成では、使用者が誤って蓋内の給水容器に水を入れないと蓋加熱板に貯留される水がなく、また、十分な水を供給しないと炊飯途中でなくなってしまい、蓋加熱板の温度上昇により鍋内上層のご飯の水分が蒸発して乾燥し、逆に食味を低下させる恐れがある。また、蓋や蓋加熱手段などが温度上昇して変形や故障する恐れがあるという問題を有していた。
本発明は上記従来の課題を解決するもので、蓋加熱板に設けた蒸気発生部に水が有るときは蒸気を発生しその蒸気を最大限に利用した制御を行って調理性能を向上し、蒸気発生部に水が無いときは蒸気を発生するためのエネルギーを追加するのをなくすることで、蓋加熱板の温度上昇による鍋内上層のご飯の乾燥を低減するとともに蓋加熱板を過加熱するのを防止することを目的としている。
本発明は上記目的を達成するために、炊飯器本体の内部に米と水を入れる鍋を収納し、この鍋を鍋加熱手段により加熱し、鍋の開口部を蓋により覆い、この蓋に配置した蓋加熱板を蓋加熱手段により加熱し、蓋加熱板に水を貯えこの水を蒸気に生成する蒸気発生部を設け、蓋加熱板の温度を検知する蓋温度検知手段の検知温度に応じて水有無検知手段により蓋加熱板に貯えられた水の有無を検知し、鍋加熱手段と蓋加熱手段を制御手段により制御するよう構成し、制御手段は、水有無検知手段の水無し検知結果に対応した水無し炊飯シーケンスと水有り検知結果に対応した水有り炊飯シーケンスとを有し、水無し炊飯シーケンスの消費電力量を水有り炊飯シーケンスの消費電力量より少なくなるよう構成したものである。
これにより、蓋加熱板に設けた蒸気発生部に水が有るときは蒸気を発生することができてその蒸気を最大限に利用した制御を行って調理性能を向上することができ、蒸気発生部に水が無いときは蒸気を発生するためのエネルギーを追加するのをなくすることで、蓋加熱板の温度上昇による鍋内上層のご飯の乾燥を低減できるとともに蓋加熱板を過加熱するのを防止することができる。
本発明の炊飯器は、蓋加熱板に設けた蒸気発生部に水が有るときは蒸気を発生することができてその蒸気を最大限に利用した制御を行って調理性能を向上することができ、蒸気発生部に水が無いときは蓋加熱板の温度上昇による鍋内上層のご飯の乾燥を低減できるとともに、蒸気を発生するためのエネルギーを追加するのをなくすることで、蓋加熱板を過加熱するのを防止することができる。
第1の発明は、炊飯器本体と、前記炊飯器本体の内部に収納し米と水を入れる鍋と、前記鍋を加熱する鍋加熱手段と、前記鍋の開口部を覆う蓋と、前記蓋に配置した蓋加熱板と、前記蓋加熱板を加熱する蓋加熱手段と、前記蓋加熱板に設け水を貯えこの水を蒸気に生成する蒸気発生部と、前記蓋加熱板の温度を検知する蓋温度検知手段と、前記温度検知手段の検知温度に応じて前記蓋加熱板に貯えられた水の有無を検知する水有無検知手段と、前記鍋加熱手段と前記蓋加熱手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記水有無検知手段の水無し検知結果に対応した水無し炊飯シーケンスと水有り検知結果に対応した水有り炊飯シーケンスとを有し、前記水無し炊飯シーケンスの消費電力量を前記水有り炊飯シーケンスの消費電力量より少なくなるよう構成したものであり、蓋加熱板に設けた蒸気発生部に水が有るときは蒸気を発生することができてその蒸気を最大限に利用した制御を行って調理性能を向上することができ、蒸気発生部に水が無いときは蒸気を発生するためのエネルギーを追加するのをなくすることで、蓋加熱板の温度上昇による鍋内上層のご飯の乾燥を低減できるとともに、蓋加熱板を過加熱するのを防止することができ、蓋や蓋加熱手段が変形や故障するのをなくすことができ、信頼性を向上することができる。また、水有り時と水無し時とでそれぞれ必要な消費電力量で炊飯できるので、省電力炊飯が可能な炊飯器を提供することができる。
第2の発明は、上記第1の発明において、制御手段は、水無し検知結果に対応した水無し炊飯シーケンスでは、水有り検知結果に対応した水有り炊飯シーケンスより小さい消費電力で少なくとも蓋加熱手段を制御するようにしたものであり、水無し炊飯シーケンスでは鍋加熱手段、蓋加熱手段の内少なくとも蓋加熱手段を小さい消費電力で制御することで、蓋加熱板に設けた蒸気発生部に水が無いときに蓋加熱板の熱容量が小さくなっても、印加する消費電力を小さくするので、温度変動幅を小さくすることができ、瞬間的に蓋加熱板の温度が上昇するのを防止することができる。
第3の発明は、上記第1または第2の発明において、制御手段は、水無し検知結果に対応した水無し炊飯シーケンスでは、水有り検知結果に対応した水有り炊飯シーケンスより小さい通電率で少なくとも蓋加熱手段を制御するようにしたものであり、水無し炊飯シーケンスでは鍋加熱手段、蓋加熱手段の内少なくとも蓋加熱手段を小さい通電率で制御することで、蓋加熱板に設けた蒸気発生部に水が無いときに蓋加熱板の熱容量が小さくなっても、温度の上昇時間を短くしているので、温度上昇を抑えることができ、瞬間的に蓋加熱板の温度が上昇するのを防止することができる。
第4の発明は、上記第1〜3のいずれか1つの発明において、水有無検知手段による水有り無しの結果を表示する表示手段を備えたものであり、使用者が今回の炊飯時に蓋加熱板に設けた蒸気発生部に水があったがどうかを知ることができ、水の有無による炊飯性能の差を確認することができる。その結果、つぎの炊飯での水の入れ忘れを防止することができる。
第5の発明は、上記第1〜4のいずれか1つの発明において、水有無検知手段による水有り無しの結果を報知する報知手段を備えたものであり、使用者が今回の炊飯時に蓋加熱板に設けた蒸気発生部に水があったがどうかを認識することができ、水の有無による炊飯性能の差を確認することができる。
第6の発明は、上記第1〜5のいずれか1つの発明において、制御手段は、白米、無洗米、玄米などの米の種類や炊き方に応じた炊飯メニューと、前記炊飯メニューを選択する選択手段とを有し、選択された炊飯メニューに応じて消費電力量を変更するようにしたものであり、米の種類や炊き方に応じた加熱が可能となり、また、水の有無に応じて消費電力量を調整するので、省電力炊飯が可能な炊飯器を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における炊飯器のブロック図、図2は同炊飯器の断面図、図3は同炊飯器の蓋加熱板の一部切欠した拡大斜視図、図4は同炊飯器の温度検知手段の拡大断面図、図5は同炊飯器の蓋加熱手段の平面図、図6は同炊飯器の操作表示部の拡大平面図を示すものである。なお、図面を簡潔にするために、電気的接続のためのリード線や水の給水経路等は省略してある。
図1および図2に示すように、炊飯器本体1は、上面を開口し、鍋2を着脱自在に収納し、鍋2の上面を覆う蓋7を開閉自在に設置している。鍋加熱手段3は、鍋2を加熱するもので、鍋収納部4の外側に鍋2の底面部に対向するように渦巻状に巻かれた鍋加熱コイル5を配置しており、鍋加熱コイル5から発生する磁界により鍋2の底部分を誘導加熱するようにしている。
鍋温度検知手段6は、鍋2の温度を検知するもので、炊飯器本体1の内部に配置している。この鍋温度検知手段6は、サーミスタで構成し、鍋2の底部に配置している。サーミスタは温度で抵抗値が変わるので、このサーミスタと所定の抵抗値を有する抵抗で分圧回路を構成し、所定の電圧をこの分圧回路の両端に供給することで、サーミスタの抵抗値をアナログ電圧に変換する。
蓋7には鍋2内を上方から加熱するステンレス製の蓋加熱板10を着脱自在に設けている。蓋加熱板10には、図3に示すように、水を貯留しこの水を蒸気に生成する凹部状の蒸気発生部11を設けている。また、蒸気となる水を貯留する給水タンク8を着脱自在に取り付けている。ポンプ9は給水タンク8に接続し、給水タンク8内に貯えた水を蓋加熱板10に供給する。蒸気噴出口12は水が加熱され蒸気になり鍋2内に蒸気を供給する出口で、蒸気発生部11と対角の位置に設けている。
蓋加熱手段13は、蓋加熱板10を加熱するもので、蓋7に設けた蓋加熱板10の中心の略真上に中心を有し、渦巻状に巻かれた蓋加熱コイル14を備えており、蓋加熱コイル14が発生する磁界で蓋加熱板10を誘導加熱するようにしている。さらに、蓋加熱手段13は、図5に示すように、蒸気発生部11をより加熱ができるように、誘導コイルからなる補助加熱手段13Aを直列に接続しており、凹部状の蒸気発生部11を加熱する位置に設けている。
蓋温度検知手段15は、蓋加熱板10の温度を検知するもので、図4に示すように、温度により抵抗値を変える蓋サーミスタ16とこの蓋サーミスタ16の後方から出ている2本のサーミスタリード線16Aを貫通するサーミスタ碍子16Bを蓋サーミスタ16のガラス部と溶着している。サーミスタリード線16Aの外周には絶縁チューブ16Cを設け、サーミスタリード線16A同士の短絡を防止している。蓋サーミスタ16の外周には蓋サーミスタ16を保持し、かつ有底筒状のアルミニウムやステンレスでできたコンタクト17に内装されている。蓋サーミスタ16の先端は、ポリイミドフィルム等の樹脂製のフィルムでできた絶縁フィルム18を介してコンタクト17の底面部に当接している。蓋サーミスタ16の側面外側には、樹脂製のホルダー19を設け、蓋サーミスタ16の姿勢を安定させるとともに、コンタクト17とサーミスタリード線16Aの沿面距離を増やし、コンタクト17に人間等から入る静電気を防止する。また、コンタクト17は蒸気発生部11に配置した凸部20で、かつ補助加熱手段13Aの中心部に当接する位置に設けている。
また、温度検知手段15を構成する蓋サーミスタ16は、温度で抵抗値が変わるので、この蓋サーミスタ16と所定の抵抗値を有する抵抗で分圧回路を構成し、所定の電圧をこの分圧回路の両端に供給することで、蓋サーミスタ16の抵抗値をアナログ電圧に変換する。
水有無検知手段21は、温度検知手段15の検知温度に応じて、蒸気発生部11に貯えた水の有無を検知するもので、制御基板22に設けたマイクロコンピュータ(制御手段)23に構成しており、温度検知手段15からのアナログ電圧より内蔵されたAD変換器を用いて温度を判断し、温度検知手段15の検知温度があらかじめ設定されている100℃より高い温度T2(例えば、110℃)以上になると蒸気発生部11に貯えられた水が無いと判定するよう構成している。
マイクロコンピュータ(制御手段)23には、時間カウントを行う機能も備えており、鍋温度検知手段6のアナログ電圧と、温度検知手段15のアナログ電圧を基に、鍋加熱手段3と蓋加熱手段13の制御を行うよう構成している。
ここで、マイクロコンピュータ(制御手段)23は、水有無検知手段21の水無し検知結果に対応した水無し炊飯シーケンスと水有り検知結果に対応した水有り炊飯シーケンスとを有し、水無し検知結果に対応した水無し炊飯シーケンスでは、水有り検知結果に対応した水有り炊飯シーケンスより小さい消費電力、すなわち小さい消費電力量で鍋加熱手段3および蓋加熱手段13を制御するよう構成している。
表示手段24は、水有無検知手段21による水有り無しの結果を表示するもので、図6に示すように、LCD25で構成し、このLCD25は炊飯残時間などの炊飯に関する情報の表示機能も兼ねている。炊飯途中で水有りと検知した場合には、炊飯終了後にLCD25により「給水タンク水あり」という表示を点灯させる。炊飯途中で水無しと検知した場合には、炊飯終了後にLCD25により「給水タンク水なし」という表示を点灯させる。
報知手段26は、水有無検知手段21による水有り無しの結果を報知するもので、図6に示すように、スピーカー27で構成し、このスピーカー27は炊飯残時間などの炊飯に関する情報の報知機能も兼ねている。炊飯途中で水有りと検知した場合には、炊飯終了後に、スピーカーにより「給水タンク水あり」という報知をする。炊飯途中で水無しと検知した場合には、炊飯終了後に、スピーカー27により「給水タンク水なし」という報知をする。なお、28は炊飯開始スイッチである。
上記構成において図7〜図9を参照しながら動作、作用を説明する。使用者が所定量の水を給水タンク8に準備し、炊飯器本体1にセットし炊飯開始スイッチ28を操作した場合には、所定のプログラムにしたがって、ポンプ9を駆動し給水タンク8に入れた水を蒸気発生部11に貯留させるとともに、鍋加熱手段3を制御して炊飯工程を実施する。炊飯工程は、図7または図8に示すように、浸水、炊き上げ、蒸らしの各工程で進行していき、浸水工程にて米粒の澱粉の糊化が始まる直前の温度(約50℃)に水温を一定時間維持することで、短時間で米粒に十分な吸水を行わせる。つぎに、炊き上げ工程にて高火力で一気に加熱を行い、鍋2の温度Taが約130℃付近まで上昇した時点で炊き上げ工程を終了する。
つぎに、蒸らし工程に入り、この蒸らし工程の初期に水有無検知手段21が蒸気発生部11に水が有るか無いかの判断を行う。蒸気発生部11に貯留された水は、炊き上げ工程の途中から蓋加熱手段13に通電するとともに、炊飯中に発生する蒸気の潜熱により蓋加熱板10の蒸気発生部11で熱交換され、蓋温度Tbは炊き上げ工程後半には、100℃より低い温度(例えば、80℃)で沸騰状態寸前となっている。
つぎに、図9に示すように、蒸らし工程を開始すると、水有無検知手段21は、ステップS1にて時間カウントを開始した後、ステップS2にて時間t1が経過すると、ステップS3にて蓋加熱手段13によって蓋加熱板10の加熱を行う。
蒸気発生部11に水がある場合、蒸気発生部11に加えられた熱量は水の気化熱として使用されるため、蒸気発生部11の温度は水の沸点である100℃近傍であり、蒸気発生部11の空間には、沸騰状態にある水から蒸発した蒸気が満たされているため、水有無検知手段21は100℃近傍を検知している。そこで、ステップS4にて温度検知手段15により検知した蒸気発生部11(蓋加熱板10)の温度とあらかじめ設定した100℃より高い温度T2(例えば、110℃)とを比較し、蒸気発生部11の温度が温度T2より低い場合はステップS5へ進む。
ステップS5にて水有無検知手段21はあらかじめ設定した時間t2(例えば、80秒)に達してない場合はステップ3に戻り、以下同様の動作を繰り返す。時間t2を経過している場合はステップS6に進み、ステップS6では蒸気発生部11に水が有ると判断した水有り炊飯シーケンスを行い、蓋加熱手段13により蓋加熱板10を加熱し、沸騰状態にある水の一部が直ちに蒸発し蒸気を出す。この蒸気が蒸気噴出口12より鍋2内に放出され、鍋2全体の加熱の局部的な温度上昇と上面とその近傍の米の乾燥を防止しつつ、鍋2内の底部の残留水分を除去することと米の糊化を促進させることができ、おいしい飯を炊き上げることができる。
そして、ステップS7にて表示手段26に「給水タンク水あり」を表示し、ステップS8にて報知手段26により「給水タンク水あり」を報知し、ステップS9の炊飯終了に進む。
蒸気発生部11に水がない場合、蓋加熱手段13によって、蓋加熱板10の加熱を続けると、蒸気発生部11は水の沸点である100℃を超える温度に上昇し、水有無検知手段21は100℃を超える温度を検知する。そこで、ステップS4、S5にて蒸気発生部11(蓋加熱板10)の温度があらかじめ設定した時間t2(例えば、80秒)以内の時間t3(図8参照)にて、あらかじめ設定した100℃より高い温度T2(例えば、110℃)より高くなると蒸気発生部11に水が無いと判断し、ステップS10へ進む。ステップS10では蒸気発生部11に水がないと判断した水無し炊飯シーケンスを行う。
この水無し炊飯シーケンスでは、水有り炊飯シーケンスより小さい消費電力で蓋加熱手段13を制御する。すなわち、水有り炊飯シーケンスでは、図7に示すように、鍋加熱手段3を1000W、蓋加熱手段13を500Wとしているのに対し、水無し炊飯シーケンスでは、図8に示すように、鍋加熱手段3を800W、蓋加熱手段13を200Wとしている。これにより、蒸気発生部11に水が無いときは蒸気を発生するためのエネルギーを追加するのをなくすることで、蓋加熱板10の温度上昇による鍋2内上層のご飯の乾燥を低減できるとともに、蓋加熱板10を過加熱するのを防止することができ、蓋7や蓋加熱板10が変形や故障するのをなくすことができ、信頼性を向上することができる。
そして、ステップS11にて表示手段26に「給水タンク水なし」を表示し、ステップS12にて報知手段26により「給水タンク水なし」を報知し、ステップS13の炊飯終了に進む。
なお、水無し炊飯シーケンスでは、水有無検知手段21により水無しを検知したとき、蓋加熱板10の温度が100℃を超えていると、鍋2内のご飯の表面が乾燥しやすくなるため、図8に示すように、所定時間経過する時間t4まで加熱を停止した後、加熱するようにしている。
また、米を炊飯するには、米の糊化を進行させる必要があり、この糊化に必要な熱エネルギーは米の種類によって異なる。例えば、白米に対して玄米は糊化しにくいため、鍋加熱手段3および蓋加熱手段13のオン時間を長くして消費電力を増やす必要があり、また、無洗米は白米より澱粉の溶出が多く、水を吸収しにくいため、熱エネルギーを大きくする必要がある。このため、マイクロコンピュータ(制御手段)23は、白米、無洗米、玄米などの米の種類や炊き方に応じた炊飯メニューと、炊飯メニューを選択する選択手段(図示せず)とを有し、選択された炊飯メニューに応じて消費電力量を変更することで、米の種類や炊き方に応じた加熱が可能となり、また、水の有無に応じて消費電力量を調整するので、省電力炊飯が可能な炊飯器を提供することができる。
以上のように、本実施の形態においては、マイクロコンピュータ(制御手段)23は、水有無検知手段21の水無し検知結果に対応した水無し炊飯シーケンスと水有り検知結果に対応した水有り炊飯シーケンスとを有し、水無し炊飯シーケンスの消費電力量を水有り炊飯シーケンスの消費電力量より少なくなるよう構成したので、蓋加熱板10に設けた蒸気発生部11に水が有るときは蒸気を発生することができてその蒸気を最大限に利用した制御を行って調理性能を向上することができ、蒸気発生部11に水が無いときは蒸気を発生するためのエネルギーを追加するのをなくすることで、蓋加熱板10の温度上昇による鍋2内上層のご飯の乾燥を低減できるとともに、蓋加熱板10を過加熱するのを防止することができ、蓋7や蓋加熱板10が変形や故障するのをなくすことができ、信頼性を向上することができる。また、水有り時と水無し時とでそれぞれ必要な消費電力量で炊飯できるので、省電力炊飯が可能な炊飯器を提供することができる。
また、水無し炊飯シーケンスでは、水有り炊飯シーケンスより小さい消費電力で鍋加熱手段3と蓋加熱手段13を制御するようにしたので、蓋加熱板10に設けた蒸気発生部11に水が無いときに蓋加熱板10の熱容量が小さくなっても、印加する消費電力を小さくするので、温度変動幅を小さくすることができ、瞬間的に蓋加熱板10の温度が上昇するのを防止することができる。
また、水有無検知手段21による水有り無しの結果を表示する表示手段24を備えたので、使用者が今回の炊飯時に蓋加熱板10に設けた蒸気発生部11に水があったがどうかを知ることができ、水の有無による炊飯性能の差を確認することができる。その結果、つぎの炊飯での水の入れ忘れを防止することができる。
また、水有無検知手段21による水有り無しの結果を報知する報知手段26を備えたので、使用者が今回の炊飯時に蓋加熱板10に設けた蒸気発生部11に水があったがどうかを認識することができ、水の有無による炊飯性能の差を確認することができる。
なお、本実施の形態では、水無し炊飯シーケンスでは、水有り炊飯シーケンスより小さい消費電力で鍋加熱手段3と蓋加熱手段13を制御するようにしているが、蓋加熱手段13のみ水有り炊飯シーケンスより小さい消費電力で制御するようにしてもよく、同様の作用、効果を得ることができる。
(実施の形態2)
図1に示すマイクロコンピュータ(制御手段)23は、水無し検知結果に対応した水無し炊飯シーケンスでは、水有り検知結果に対応した水有り炊飯シーケンスより小さい通電率、すなわち小さい消費電力量で鍋加熱手段3と蓋加熱手段13を制御するようにしている。他の構成は上記実施の形態1と同じである。
上記構成において図10を参照しながら動作を説明する。なお、浸水、炊き上げの各工程の動作および蒸らし工程での蒸気発生部11に水がある場合の動作は、上記実施の形態1の動作と同じであるので説明を省略する。
蒸気発生部11に水がない場合、蓋加熱手段13によって、蓋加熱板10の加熱を続けると、蒸気発生部11は水の沸点である100℃を超える温度に上昇し、水有無検知手段21は100℃を超える温度を検知する。そこで、蒸気発生部11(蓋加熱板10)の温度が所定の時間(例えば、80秒)以内の時間t3(図10参照)にて、あらかじめ設定した100℃より高い温度T2(例えば、110℃)より高くなると蒸気発生部11に水が無いと判断し、水無し炊飯シーケンスを行う。
この水無し炊飯シーケンスでは、図10に示すように、水有り炊飯シーケンスより小さい通電率で鍋加熱手段3と蓋加熱手段13を制御する。これにより、蓋加熱板10に設けた蒸気発生部11に水が無いときに蓋加熱板10の熱容量が小さくなっても、温度の上昇時間を短くしているので、温度上昇を抑えることができる。
なお、水無し炊飯シーケンスでは、水有無検知手段21により水無しを検知したとき、蓋加熱板10の温度が100℃を超えていると、鍋2内のご飯の表面が乾燥しやすくなるため、図10に示すように、所定時間経過する時間t4まで加熱を停止した後、加熱するようにしている。
以上のように、本実施の形態においては、水無し炊飯シーケンスでは、水有り炊飯シーケンスより小さい通電率で鍋加熱手段3と蓋加熱手段13を制御するようにしたので、蓋加熱板10に設けた蒸気発生部11に水が無いときに蓋加熱板10の熱容量が小さくなっても、温度の上昇時間を短くしているので、温度上昇を抑えることができ、瞬間的に蓋加熱板10の温度が上昇するのを防止することができる。
なお、本実施の形態では、水無し炊飯シーケンスでは、水有り炊飯シーケンスより小さい通電率で鍋加熱手段3と蓋加熱手段13を制御するようにしているが、蓋加熱手段13のみ水有り炊飯シーケンスより小さい通電率で制御するようにしてもよく、同様の作用、効果を得ることができる。
以上のように、本発明にかかる炊飯器は、蓋加熱板に設けた蒸気発生部に水が有るときは蒸気を発生することができてその蒸気を最大限に利用した制御を行って調理性能を向上することができ、蒸気発生部に水が無いときは蓋加熱板の温度上昇による鍋内上層のご飯の乾燥を低減できるとともに、蒸気を発生するためのエネルギーを追加するのをなくすることで、蓋加熱板を過加熱するのを防止することができるので、水の沸点以上の蒸気を利用してご飯の食味を向上させる炊飯器として有用である。
本発明の実施の形態1における炊飯器のブロック図 同炊飯器の断面図 同炊飯器の蓋加熱板の一部切欠した斜視図 同炊飯器の温度検知手段の断面図 同炊飯器の蓋加熱手段の平面図 同炊飯器の操作表示部の拡大正面図 同炊飯器の蓋加熱板に水がある場合の動作タイムチャート 同炊飯器の蓋加熱板に水がない場合の動作タイムチャート 同炊飯器の水有無検知工程を示すフローチャート 本発明の実施の形態2における炊飯器の蓋加熱板に水がない場合の動作タイムチャート
符号の説明
1 炊飯器本体
2 鍋
3 鍋加熱手段
7 蓋
10 蓋加熱板
11 蒸気発生部
13 蓋加熱手段
15 蓋温度検知手段
21 水有無検知手段
23 マイクロコンピュータ(制御手段)

Claims (6)

  1. 炊飯器本体と、前記炊飯器本体の内部に収納し米と水を入れる鍋と、前記鍋を加熱する鍋加熱手段と、前記鍋の開口部を覆う蓋と、前記蓋に配置した蓋加熱板と、前記蓋加熱板を加熱する蓋加熱手段と、前記蓋加熱板に設け水を貯えこの水を蒸気に生成する蒸気発生部と、前記蓋加熱板の温度を検知する蓋温度検知手段と、前記温度検知手段の検知温度に応じて前記蓋加熱板に貯えられた水の有無を検知する水有無検知手段と、前記鍋加熱手段と前記蓋加熱手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記水有無検知手段の水無し検知結果に対応した水無し炊飯シーケンスと水有り検知結果に対応した水有り炊飯シーケンスとを有し、前記水無し炊飯シーケンスの消費電力量を前記水有り炊飯シーケンスの消費電力量より少なくなるよう構成した炊飯器。
  2. 制御手段は、水無し検知結果に対応した水無し炊飯シーケンスでは、水有り検知結果に対応した水有り炊飯シーケンスより小さい消費電力で少なくとも蓋加熱手段を制御するようにした請求項1記載の炊飯器。
  3. 制御手段は、水無し検知結果に対応した水無し炊飯シーケンスでは、水有り検知結果に対応した水有り炊飯シーケンスより小さい通電率で少なくとも蓋加熱手段を制御するようにした請求項1または2記載の炊飯器。
  4. 水有無検知手段による水有り無しの結果を表示する表示手段を備えた請求項1〜3のいずれか1項に記載の炊飯器。
  5. 水有無検知手段による水有り無しの結果を報知する報知手段を備えた請求項1〜4のいずれか1項に記載の炊飯器。
  6. 制御手段は、白米、無洗米、玄米などの米の種類や炊き方に応じた炊飯メニューと、前記炊飯メニューを選択する選択手段とを有し、選択された炊飯メニューに応じて消費電力量を変更するようにした請求項1〜5のいずれか1項に記載の炊飯器。
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