JP3082689B2 - 電気炊飯器 - Google Patents

電気炊飯器

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JP3082689B2
JP3082689B2 JP32437796A JP32437796A JP3082689B2 JP 3082689 B2 JP3082689 B2 JP 3082689B2 JP 32437796 A JP32437796 A JP 32437796A JP 32437796 A JP32437796 A JP 32437796A JP 3082689 B2 JP3082689 B2 JP 3082689B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、電磁誘導加熱式
の電気炊飯器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電磁誘導加熱式の電気炊飯器では、ワー
クコイルにより飯米収容部である内鍋自体にうず電流を
誘起して当該内鍋自体を発熱させて炊飯するようになっ
ている(例えば特開平2−121608号公報参照)。
【0003】したがって、その構成上、ヒータ式の電気
炊飯器で使用されているような非磁性体であるアルミニ
ウム製の内鍋を使用することはできず、一般にアルミニ
ウムに磁性体であるステンレス鋼を接合したクラッド材
(合わせ板)が使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記クラッ
ド材はその構造上から必然的に高価であり、製品コスト
を高くする問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本願各発明は、それぞれ
上記のような問題を解決することを目的としてなされた
ものであって、該目的を達成するために、各々次のよう
な課題解決手段を備えて構成されている。
【0006】(1) 請求項1の発明 すなわち、先ず本願請求項1の発明の電気炊飯器は、容
器本体と、該容器本体内の底部から開口縁部付近に亘っ
て設けられた外鍋と、該外鍋内に収納される内鍋と、上
記外鍋の底部および側部に対応して設けられた電磁誘導
式の加熱手段とを備え、上記外鍋を磁性体金属により形
成し、上記電磁誘導式の加熱手段により発熱させること
によって上記内鍋を加熱するようになっている。
【0007】したがって、内鍋はヒータ式の電気炊飯器
のものと同様のアルミニウム製等非磁性体のものであっ
ても良くなり、電磁誘導式の加熱手段により底部および
側部が発熱し、ヒータプレートとしての作用を果たす外
鍋からの熱によって十分に全面が加熱されるようにな
る。
【0008】その結果、製品コストが低下するととも
に、炊飯量の多少に拘わらず、内鍋内の飯米が加熱ムラ
なく、効率良く炊き上げられる。
【0009】(2) 請求項2の発明 次に、本願請求項2の発明の電気炊飯器は、上記請求項
1の発明の構成において、上記外鍋の底部に、上記内鍋
の底部と密着するヒータプレートを設けている。
【0010】したがって、加工上比較的容易に内鍋底部
との面一性が確保されるようになり、当該ヒータプレー
トが内鍋底部と均密に当接することによって外鍋から内
鍋への熱伝達特性が向上するとともにその蓄熱作用によ
り内鍋底部を加熱ムラなく均一に加熱できるようにな
る。
【0011】(3) 請求項3の発明 次に、本願請求項3の発明の電気炊飯器は、容器本体
と、該容器本体内の底部から開口縁部付近に亘って設け
られた外鍋と、該外鍋内に収納される内鍋と、電磁誘導
式の加熱手段とを備え、上記外鍋を磁性体金属により形
成し、上記電磁誘導式の加熱手段により発熱させること
によって上記内鍋を加熱するようにした電気炊飯器にお
いて、上記外鍋の容器本体内底部には異物逃がし用の凹
部を設けている。
【0012】したがって、内鍋収納時において外鍋との
間に異物が存在したような時にも、該異物が凹部内に逃
がされ、外鍋と内鍋が均密に当接するので、異物があっ
ても問題なく内鍋の全面を加熱することができるように
なり、やはり飯米全体への均一加熱が実現される。
【0013】(4) 請求項4の発明 次に、本願請求項4の発明の電気炊飯器は、容器本体
と、該容器本体内の底部から開口縁部付近に亘って設け
られた外鍋と、該外鍋内に収納される内鍋と、電磁誘導
式の加熱手段とを備え、上記外鍋を磁性体金属により形
成し、上記電磁誘導式の加熱手段により発熱させること
によって上記内鍋を加熱するようにした電気炊飯器にお
いて、上記外鍋の開口縁部を、上記容器本体の肩部に対
して断熱部材を介して固定するようにしている。
【0014】したがって、容器本体の肩部に対する遮熱
作用が図られるとともに、その取付けが容易になる。
【0015】(5) 請求項5の発明 さらに、本願請求項5の発明の電気炊飯器は、容器本体
と、該容器本体内の底部から開口縁部付近に亘って設け
られた外鍋と、該外鍋内に収納される内鍋と、電磁誘導
式の加熱手段とを備え、上記外鍋を磁性体金属により形
成し、上記電磁誘導式の加熱手段により発熱させること
によって上記内鍋を加熱するようにした電気炊飯器にお
いて、上記外鍋を容器本体に対して取り出し自在に設け
るとともに、内鍋の底部に水留め部および外鍋内との連
通孔を形成し、外鍋および内鍋両者の容器本体への収納
時において外鍋と内鍋とで2重鍋を構成するようになっ
ている。
【0016】したがって、先ず内鍋はヒータ式の電気炊
飯器のものと同様のアルミニウム製等非磁性体のもので
あっても良くなり、ヒータプレートとして作用する外鍋
からの熱によってその全面が十分に加熱されるようにな
ることに加え、炊飯時に外鍋と内鍋との2重構造空間内
に充満した高温の蒸気が内鍋底部の連通孔を介して内鍋
内の飯米に供給され、該高温の蒸気により飯米全体が加
熱されることから、焦げめをつけることなく、ふっくら
とした美味しい御飯を炊き上げることができる。
【0017】そして、その場合において、上記のように
内鍋底部に水留め部があるので、特に「むらし工程」に
おいて、該水留め部内に残された水を蒸発させることに
より、加湿作用を伴なわせながら、むらしを行うことが
できるようになり、よりふっくらとした御飯の炊き上げ
が可能となる。
【0018】
【発明の効果】以上の結果、本願各発明の電気炊飯器に
よると、次のような有益な効果が得られる。
【0019】(1) 内鍋に高価なクラッド材を使用し
なくて良くなるので、製品コストが低下する。
【0020】(2) 内鍋の全面から加熱されるので、
炊きむらが少なくなる。
【0021】(3) 高温の蒸気により飯米が加熱され
るので、焦げめのない、ふっくらとした美味しい御飯を
炊くことができる。
【0022】
【発明の実施の形態】(実施の形態1) 図1は、本願発明の実施の形態1に係る電気炊飯器本体
の構成を示している。
【0023】先ず上記電気炊飯器は、外部への取出しが
可能な内鍋と該内鍋を収容する容器本体側に固定された
外鍋とを有し、該外鍋を発熱させるワークコイルを備え
た電磁誘導加熱式のものにより構成されている。そし
て、炊飯と保温とを兼用する炊飯ジャータイプのものと
なっている。
【0024】すなわち、該電気炊飯器本体1は、、例え
ば図1に示すように、アルミニウム等の非磁性体よりな
る内鍋2と、内部に誘起されるうず電流によって自己発
熱が可能なステンレス鋼等の磁性体金属よりなる外鍋3
と、該外鍋3を保持した合成樹脂製の有底筒状の保護枠
4と、該保護枠4を保持する外部筺体である筒状の外ケ
ース5と、該外ケース5と上記保護枠4とを一体化して
形成された容器本体の上方側開口部に開閉可能に設けら
れた蓋ユニット6とから構成されている。
【0025】上記保護枠4の底部4a下面とその側部4
b外面には、相互に直列に接続されている炊飯用のワー
クコイルC11が半径方向に所定の間隔を保って2層状態
に分巻されている。また、同保護枠4の側部4b外周面
には、保温用のワークコイルC12が巻成されている。ま
た、上記保護枠4の円周面全体には磁束の通過に影響の
ない材料により鏡面が形成され、外鍋3からの放射熱を
反射するようになっている。
【0026】したがって、該構成では、上記外鍋3はそ
の底部3a側と側部3b側の両方で発熱し、内鍋2の底
部2aから側部2bまでの全面を加熱して、飯米を加熱
ムラなく効率良く炊き上げる。
【0027】また上記外ケース5は、例えば合成樹脂板
で形成された上下方向に筒状のカバー部5aと、該カバ
ー部5aの上端部に結合された合成樹脂製の肩部5bと、
上記カバー部5aの下端部に結合された合成樹脂製の底
部5cとによって上記保護枠4の底部4aとの間に所定広
さの空間部を形成する状態で全体として有底の筒状体に
構成されている。そして、その内側上部に上記のように
外鍋3を保持する同じく有底筒状構造の保護枠4を支持
している。
【0028】上記外鍋3は、その上端側縁部3cを上記
保護枠4の上方に位置する外ケース5の肩部5bの内周
縁部72の下面部に対し、上下幅が大きく、断熱性のあ
るスリーブ状の肩リング74を介してビス75により固
定されている。そして、同肩リング74には、上記ビス
75による外鍋3の締結部74aから下方にスカート状
に延びた遮熱板部74bが設けられている。該肩リング
74の上下方向内周面全体にも保護枠4と同様に熱反射
用の鏡面が形成される。
【0029】そして、上記保護枠4の底部4a下面およ
び側部4b外面の上述のように炊飯用のワークコイルC
11が設けられ、その下部にはフェライトコア7を介して
コイル台8が設けられている。
【0030】該コイル台8は、例えば半径方向に放射状
に延び全体として受皿形状の保護枠支持面を有して上記
炊飯用のワークコイルC11を支持するリブ構造のワーク
コイル支持部8a,8a・・と、該ワークコイル支持部
8a,8a・・・間に形成されたフェライトコア嵌挿溝
8b,8b・・・と、上記ワークコイル支持部8a,8
a・・・の下部側に設けられた脚部12,12・・とか
ら構成されており、上記脚部12,12・・によって上
記外ケース5の底部5c上に支持されている。該コイル
台8の上記ワークコイル支持部8a,8a・・・の側部
外周面には、上記フェライトコア嵌挿溝8b,8b・・
・の他端部(半径方向外端部)両側に位置して縦壁構造
の一対のスペーサ13,13・・が設けられており、該
スペーサ13,13・・を介して所定の間隔を保った状
態で、その外周囲に上記炊飯用のワークコイルC11から
の磁気を遮蔽するリング状の磁気遮蔽板14が下方側か
ら嵌合されて固定されている。
【0031】また、上記外ケース5のカバー部5aの図
示しない前面側上方部には操作パネル部が設けられ、そ
の裏側にはマイコン制御ユニット等を設けた操作基板が
設けられている。
【0032】また、上記コイル台8の下方部には、上記
操作基板側の上記マイクロコンピュータよりなるマイコ
ン制御ユニットによって上記炊飯用および保温用ワーク
コイルC11,C12各々のON,OFFおよびON時の通
電量制御(出力並びにデューティー制御)を相互に独立
して行う2組のワークコイル駆動回路を備えた制御基板
11が設けられている。
【0033】一方、上記保護枠4は底部4aおよび側部
4bが一体に成型されており、底部4a中央部およびコイ
ル台8のワークコイル支持部8a,8a・・・の基板中
央部には、上下方向に同心状に貫通したセンタセンサ1
6の収納空間部(嵌装穴)が形成されており、該センタ
センサ収納空間部中に上下方向に昇降自在な状態で、か
つ常時図示しないコイルスプリングにより上方に上昇付
勢された状態でセンタセンサ16が設けられている。
【0034】上記センタセンサ収納空間部は、上記コイ
ル台8中央部で上下両方向に延びるリブによって形成さ
れた筒体19内に形成され、その下部側開口部にはセン
サカバー20が嵌合され、図示しない位置でビス等によ
り上記コイル台8側筒体19一側の圧肉壁部に固定され
ている。
【0035】センタセンサ16は、本実施の形態の場
合、例えば、その筒状のセンサホルダー内上端部のセン
サ保持部に、内鍋2の制御温度検出のための第1のサー
ミスタT1と内鍋2の異常温度を検出するための第2の
サーミスタT2との2つの温度センサが中央部に位置し
て並設されており、当該センサ保持部上面には当該第
1,第2のサーミスタT1,T2をカバーするのに十分な
大きさの熱伝導性の良好な金属材料よりなるセンサキャ
ップが一体に嵌合固定されている。
【0036】センサホルダー内において上記センサ保持
部の下部は角筒状に所定長さ下方に延びて下端にリード
スイッチ取付部を形成している一方、上記下方側センサ
カバー20上には筒状のマグネット取付部が形成されて
いる。そして、同マグネツト取付部の上端に取付けられ
たマグネツトと上記リードスイッチ取付部に取付けられ
たリードスイッチとが、上記センサホルダーの昇降動作
に応じて接離することによって上記リードスイッチをO
N,OFFさせ、そのON,OFF信号によって上記内鍋
2の非セット、セット状態を検出するようになっている
(詳細は図示省略)。
【0037】一方、上記蓋ユニット6は、その外周面を
構成する合成樹脂製の外カバー6aと、該外カバー6a
の外周縁部内側に嵌合され、当該蓋ユニット6の内鍋2
への係合部を構成する合成樹脂製の内枠部6bと、該内
枠部6b内に嵌合される蓋ヒータ23を備えた放熱板6
cとによって中空構造に形成されており、上記外カバー
6aと放熱板6cとは、内枠部6bを介して外周縁部同
士が相互に結合されている。この蓋ユニット6は、上記
外ケース5の肩部5bに対して図示しない位置でヒンジ
機構を介して回動自在に取付けられており、その開放端
側には、該蓋ユニット6の所定位置に係合して蓋ユニッ
ト6の開閉を行うロックレバーが設けられている。
【0038】また、上記蓋ユニット6の略中央部には、
蒸気放出口27が上下方向に貫通して形成されている。
そして、該蒸気放出口27にはラバー製のパッキン28
が嵌合され、同パッキン28を介して蒸気放出筒29が
取付けられている。
【0039】なお、上記図示しない操作パネル部には、
例えば炊飯スタートキー、保温キー、予約キー、メニュ
ーキー、再加熱キー、液晶表示部等が設けられている。
【0040】以上のように、本願発明の実施の形態1に
係る電気炊飯器は、外ケース5および保護枠4よりなる
容器本体と、該容器本体の保護枠4内の底部4aから開
口縁部側外ケース5の肩部5b内周縁部72付近に亘っ
て設けられた外鍋3と、該外鍋3内に取出し自在に収納
される内鍋2と、電磁誘導式の加熱手段である炊飯用の
ワークコイルC11とを備え、上記外鍋3を磁性体金属に
より形成し、上記電磁誘導式の加熱手段である炊飯用の
ワークコイルC11により発熱させることによって上記内
鍋2の全面を加熱するようになっている。
【0041】したがって、該構成の場合、上記内鍋2は
ヒータ式の電気炊飯器のものと同様のアルミニウム製等
非磁性体のもので良くなり、ヒータプレートとしての作
用を果たす外鍋3からの熱によって十分に全面が加熱さ
れるようになる。
【0042】そして、上記外鍋3は、その上端側縁部3
cを例えば容器本体側外ケース5の肩部5bの内周縁部
72の下面部に対し、上下方向の幅が大きく、断熱性・
熱反射性のあるスリーブ状の肩リング74を介してビス
75により固定するようにしているので、上記肩部5b
に対する確実な遮熱作用が図られるとともに、その取付
けが容易になる。しかも、上記肩リング74には、上記
ビス75による外鍋3の締結部74aから下方にスカー
ト状に延びた遮熱板部74bが設けられているので、外
ケース5側への遮熱作用が同時に実現される。
【0043】以上の結果、本願発明の実施の形態1に係
る電気炊飯器によると、次のような有益な効果が得られ
る。
【0044】(1) 内鍋に高価なクラッド材を使用し
なくて良くなるので、製品コストが低下する。
【0045】(2) 内鍋の全面から加熱されるので、
炊きむらが少なくなる。
【0046】(3) 外鍋から肩部および外ケース側へ
の遮熱性能が高くなる。
【0047】(変形例)図2は、上記実施の形態1に係
る電気炊飯器本体において、その外鍋3の底部3aの周
縁に対してドーナツ状の凹溝よりなる異物逃がし用の凹
部71を形成した変形例の構成を示している。その他の
部分の構成は、全て図1のものと全く同一である。
【0048】該変形例の電気炊飯器では、先ず上記実施
の形態1のものと同様に、外ケース5および保護枠4よ
りなる容器本体と、該容器本体の保護枠4内の底部4a
から開口縁部側外ケース5の肩部5b内周縁部72付近
に亘って設けられた外鍋3と、該外鍋3内に取出し自在
に収納される内鍋2と、電磁誘導式の加熱手段である炊
飯用のワークコイルC11とを備え、上記外鍋3を磁性体
金属により形成し、上記電磁誘導式の加熱手段である炊
飯用のワークコイルC11により発熱させることによって
上記内鍋2の全面を加熱するようになっている。
【0049】したがって、該構成の場合、上記内鍋2は
ヒータ式の電気炊飯器のものと同様のアルミニウム製等
非磁性体のもので良くなり、ヒータプレートとしての作
用を果たす外鍋3からの熱によって十分に全面が加熱さ
れるようになる。
【0050】そして、本実施の形態では、特に上記外鍋
3の保護枠4内底部3aの周縁部にドーナツ状に異物逃
がし用の凹部71が設けられていることから、内鍋2の
収納時において該外鍋3との間に米つぶ等の異物が存在
したような時にも、該異物が上記異物逃がし用の凹部7
1内に逃がされ、外鍋3と内鍋2とが均密に当接するの
で、異物があっても問題なく内鍋2の全面を加熱するこ
とができるようになり、やはり飯米全体への均一な加熱
作用が実現される。
【0051】また、上記外鍋3は、その上端側縁部3c
を例えば容器本体側外ケース5の肩部5bの内周縁部7
2の下面部に対し、断熱性のあるスリーブ状の肩リング
74を介してビス75により固定するようにしているの
で、その取付けが容易になる。しかも、上記肩リング7
4には、上記ビス75による肩部内周縁部72に対する
締結部74aから下方にスカート状に延びた遮熱板部7
4bが設けられているので、外ケース5側への遮熱作用
が同時に実現される。
【0052】以上の結果、同変形例に係る電気炊飯器に
よると、次のような有益な効果が得られる。
【0053】(1) 内鍋に高価なクラッド材を使用し
なくて良くなるので、製品コストが低下する。
【0054】(2) 内鍋の全面から加熱されるので、
炊きむらが少なくなる。
【0055】(3) 異物炊飯が防止され、安全性が向
上するとともに炊飯ミスが少なくなる。
【0056】(4) 外鍋から肩部および外ケースへの
遮熱性能が高くなる。
【0057】(実施の形態2) 図3および図4は、本願発明の実施の形態2に係る電気
炊飯器本体の構成を示している。
【0058】先ず上記電気炊飯器は、外部への取出しが
可能な内鍋と、該内鍋を収容する容器本体側に固定され
た外鍋と、該外鍋の底部上に設けられたヒータプレート
とを有し、上記外鍋を発熱させるワークコイルを備えた
電磁誘導加熱式のものにより構成されている。そして、
炊飯と保温とを兼用する炊飯ジャータイプのものとなっ
ている。
【0059】すなわち、該電気炊飯器本体1は、、例え
ば図1に示すように、アルミニウム等の非磁性体よりな
る内鍋2と、内部に誘起されるうず電流によって自己発
熱が可能なステンレス鋼等の磁性体金属よりなる外鍋3
と、該外鍋3を保持した合成樹脂製の有底筒状の保護枠
4と、該保護枠4を保持する外部筺体である筒状の外ケ
ース5と、該外ケース5と上記保護枠4とを一体化して
形成された容器本体の上方側開口部に開閉可能に設けら
れた蓋ユニット6とから構成されている。
【0060】上記外鍋3の内側には、その底部3aから
側部3b中間付近までに亘って例えばアルミニウム材よ
りなる蓄熱機能を有した所定厚さのヒータプレート73
が耐熱性の高い充填剤又は接着剤を介して一体的に接合
されており、発熱時には該ヒータプレート73を介して
内鍋2を伝熱効率良く加熱するようになっている。符号
73aは同ヒータプレート73の底部を、73bは側部
を各々示しており、上記ヒータプレート73は上記外鍋
3と同様に底部中央側にはセンターセンサー16嵌装用
の穴が形成されている。
【0061】上記保護枠4の底部4a下面とその側部4
b外面には、相互に直列に接続されている炊飯用のワー
クコイルC11が半径方向に所定の間隔を保って2層状態
に分巻されている。また、同保護枠4の側部4b外周面
には、保温用のワークコイルC12が巻成されている。ま
た、上記保護枠4の内周面全体には、磁束の通過に影響
のない材料により鏡面が形成され、外鍋3からの放射熱
を反射するようになっている。
【0062】したがって、該構成では、上記外鍋3はそ
の底部3a側と側部3b側の両方で発熱し、ヒータプレ
ート73を介し内鍋2の底部2aから側部2bまでの全
面を伝熱効率良く加熱して、飯米を加熱ムラなく効率良
く炊き上げる。
【0063】また上記外ケース5は、例えば合成樹脂板
で形成された上下方向に筒状のカバー部5aと、該カバ
ー部5aの上端部に結合された合成樹脂製の肩部5bと、
上記カバー部5aの下端部に結合された合成樹脂製の底
部5cとによって上記保護枠4の底部4aとの間に所定広
さの空間部を形成する状態で全体として有底の筒状体に
構成されている。そして、その内側上部に上記のように
外鍋3を保持する同じく有底筒状構造の保護枠4を支持
している。
【0064】上記外鍋3は、その上端側縁部3cを上記
保護枠4の上方に位置する外ケース5の肩部5bの内周
縁部72の下面部に対し、上下幅が大きく、断熱性のあ
るスリーブ状の肩リング74を介してビス75により固
定されている。そして、同肩リング74には、上記ビス
75による外鍋3の締結部74aから下方にスカート状
に延びた遮熱板部74bが設けられている。該肩リング
74の上下方向内周面全体にも上記保護枠4と同様に熱
反射用の鏡面が形成される。
【0065】そして、上記保護枠4の底部4a下面およ
び側部4b外面の上述のように炊飯用のワークコイルC
11が設けられ、その下部にはフェライトコア7を介して
コイル台8が設けられている。
【0066】該コイル台8は、例えば半径方向に放射状
に延び全体として受皿形状の保護枠支持面を有して上記
炊飯用のワークコイルC11を支持するリブ構造のワーク
コイル支持部8a,8a・・と、該ワークコイル支持部
8a,8a・・・間に形成されたフェライトコア嵌挿溝
8b,8b・・・と、上記ワークコイル支持部8a,8
a・・・の下部側に設けられた脚部12,12・・とか
ら構成されており、上記脚部12,12・・によって上
記外ケース5の底部5c上に支持されている。該コイル
台8の上記ワークコイル支持部8a,8a・・・の側部
外周面には、上記フェライトコア嵌挿溝8b,8b・・
・の他端部(半径方向外端部)両側に位置して縦壁構造
の一対のスペーサ13,13・・が設けられており、該
スペーサ13,13・・を介して所定の間隔を保った状
態で、その外周囲に上記炊飯用のワークコイルC11から
の磁気を遮蔽するリング状の磁気遮蔽板14が下方側か
ら嵌合されて固定されている。
【0067】また、上記外ケース5のカバー部5aの図
示しない前面側上方部には操作パネル部が設けられ、そ
の裏側にはマイコン制御ユニット等を設けた操作基板が
設けられている。
【0068】また、上記コイル台8の下方部には、上記
操作基板側の上記マイクロコンピュータよりなるマイコ
ン制御ユニットによって上記炊飯用および保温用ワーク
コイルC11,C12各々のON,OFFおよびON時の通
電量制御(出力並びにデューティー制御)を相互に独立
して行う2組のワークコイル駆動回路を備えた制御基板
11が設けられている。
【0069】一方、上記保護枠4は底部4aおよび側部
4bが一体に成型されており、底部4a中央部およびコイ
ル台8のワークコイル支持部8a,8a・・・の基板中
央部には、上下方向に同心状に貫通したセンタセンサ1
6の収納空間部(嵌装穴)が形成されており、該センタ
センサ収納空間部中に上下方向に昇降自在な状態で、か
つ常時図示しないコイルスプリングにより上方に上昇付
勢された状態でセンタセンサ16が設けられている。
【0070】上記センタセンサ収納空間部は、上記コイ
ル台8中央部で上下両方向に延びるリブによって形成さ
れた筒体19内に形成され、その下部側開口部にはセン
サカバー20が嵌合され、図示しない位置でビス等によ
り上記コイル台8側筒体19一側の圧肉壁部に固定され
ている。
【0071】センタセンサ16は、本実施の形態の場
合、例えば、その筒状のセンサホルダー内上端部のセン
サ保持部に、内鍋2の制御温度検出のための第1のサー
ミスタT1と内鍋2の異常温度を検出するための第2の
サーミスタT2との2つの温度センサが中央部に位置し
て並設されており、当該センサ保持部上面には当該第
1,第2のサーミスタT1,T2をカバーするのに十分な
大きさの熱伝導性の良好な金属材料よりなるセンサキャ
ップが一体に嵌合固定されている。
【0072】センサホルダー内において上記センサ保持
部の下部は角筒状に所定長さ下方に延びて下端にリード
スイッチ取付部を形成している一方、上記下方側センサ
カバー20上には筒状のマグネット取付部が形成されて
いる。そして、同マグネツト取付部の上端に取付けられ
たマグネツトと上記リードスイッチ取付部に取付けられ
たリードスイッチとが、上記センサホルダーの昇降動作
に応じて接離することによって上記リードスイッチをO
N,OFFさせ、そのON,OFF信号によって上記内鍋
2の非セット、セット状態を検出するようになっている
(詳細は図示省略)。
【0073】一方、上記蓋ユニット6は、その外周面を
構成する合成樹脂製の外カバー6aと、該外カバー6a
の外周縁部内側に嵌合され、当該蓋ユニット6の内鍋2
への係合部を構成する合成樹脂製の内枠部6bと、該内
枠部6b内に嵌合される蓋ヒータ23を備えた放熱板6
cとによって中空構造に形成されており、上記外カバー
6aと放熱板6cとは、内枠部6bを介して外周縁部同
士が相互に結合されている。この蓋ユニット6は、上記
外ケース5の肩部5bに対して図示しない位置でヒンジ
機構を介して回動自在に取付けられており、その開放端
側には、該蓋ユニット6の所定位置に係合して蓋ユニッ
ト6の開閉を行うロックレバーが設けられている。
【0074】また、上記蓋ユニット6の略中央部には、
蒸気放出口27が上下方向に貫通して形成されている。
そして、該蒸気放出口27にはラバー製のパッキン28
が嵌合され、同パッキン28を介して蒸気放出筒29が
取付けられている。
【0075】なお、上記図示しない操作パネル部には、
例えば炊飯スタートキー、保温キー、予約キー、メニュ
ーキー、再加熱キー、液晶表示部等が設けられている。
【0076】以上のように、本願発明の実施の形態1に
係る電気炊飯器は、外ケース5および保護枠4よりなる
容器本体と、該容器本体の保護枠4内の底部4aから開
口縁部側外ケース5の肩部5b内周縁部72付近に亘っ
て設けられた外鍋3と、該外鍋3内に取出し自在に収納
される内鍋2と、電磁誘導式の加熱手段である炊飯用の
ワークコイルC11とを備え、上記外鍋3を磁性体金属に
より形成し、上記電磁誘導式の加熱手段である炊飯用の
ワークコイルC11により発熱させることによって上記内
鍋2の全面を加熱するようになっている。
【0077】したがって、該構成の場合、上記内鍋2は
ヒータ式の電気炊飯器のものと同様のアルミニウム製等
非磁性体のもので良くなり、外鍋3からの熱によって十
分に全面が加熱されるようになる。
【0078】特に、本実施の形態の場合、上記外鍋3の
底部3a上に内鍋2の底部2aと密着するアルミニウム
製のヒータプレート73を耐熱性の高い充填剤又は接着
剤を介して伝熱性良く設けているので、該ヒータプレー
ト73が内鍋2の底部2aと均密に当接することにより
外鍋3からの熱伝達特性が向上するとともにその蓄熱作
用により内鍋2の底部2aを加熱ムラなく均一に加熱で
きるようになる。
【0079】また、上記外鍋3は、その上端側縁部3c
を例えば容器本体側外ケース5の肩部5bの内周縁部7
2の下面部に対し、上下方向の幅が大きく、断熱性・熱
反射性のあるスリーブ状の肩リング74を介してビス7
5により固定するようにしているので、肩部5bに対す
る確実な遮熱作用が図られるとともに、その取付けが容
易になる。しかも、上記肩リング74には、上記ビス7
5による外鍋3の締結部74aから下方にスカート状に
延びた遮熱板部74bが設けられているので、外ケース
5側への遮熱作用も同時に実現される。
【0080】以上の結果、本願発明の実施の形態1に係
る電気炊飯器によると、次のような有益な効果が得られ
る。
【0081】(1) 内鍋に高価なクラッド材を使用し
なくて良くなるので、製品コストが低下する。
【0082】(2) 内鍋の全面から加熱されるので、
炊きむらが少なくなる。
【0083】(3) ヒータプレートを介することによ
り、比較的容易に内鍋底部との高精度な面一性が確保さ
れ、外鍋からの熱を高い熱伝達効率で内鍋に伝達できる
ようになり、加熱効率が向上する。
【0084】(4) 外鍋から肩部および外ケースへの
遮熱性能が高くなる。
【0085】(変形例) 図5は、上記実施の形態2に係る電気炊飯器本体におい
て、そのヒータプレート73の底部73aの周縁部に対
してドーナツ状の凹溝よりなる異物逃がし用の凹部71
を形成した変形例の構成を示している。なお、符号82
は、それに対応して凹状に変形された外鍋3の凹部を示
している。その他の部分の構成は、全て図3および図4
のものと全く同一である。
【0086】該変形例の電気炊飯器では、先ず上記実施
の形態1のものと同様に、外ケース5および保護枠4よ
りなる容器本体と、該容器本体の保護枠4内の底部4a
から開口縁部側外ケース5の肩部5b内周縁部72付近
に亘って設けられた外鍋3と、該外鍋3内に取出し自在
に収納される内鍋2と、電磁誘導式の加熱手段である炊
飯用のワークコイルC11とを備え、上記外鍋3を磁性体
金属により形成し、上記電磁誘導式の加熱手段である炊
飯用のワークコイルC11により発熱させることによって
上記内鍋2の全面を加熱するようになっている。
【0087】したがって、該構成の場合、上記内鍋2は
ヒータ式の電気炊飯器のものと同様のアルミニウム製等
非磁性体のもので良くなり、外鍋3からの熱によって十
分に全面が加熱されるようになる。
【0088】しかも、上記外鍋3の底部3a上には内鍋
2の底部2aと密着するアルミニウム製のヒータプレー
ト73を耐熱性の高い充填剤又は接着剤を介して伝熱性
良く設けているので、該ヒータプレート73が内鍋2の
底部2aと均密に当接することにより外鍋3からの熱伝
達特性が向上するとともにその蓄熱作用により内鍋2の
底部2aを加熱ムラなく均一に加熱できるようになる。
【0089】そして、特に本実施の形態では、上記ヒー
タプレート73の底部73aの周縁部に異物逃がし用の
凹部81が設けられていることから、内鍋2の収納時に
おいて当該ヒータプレート73の底部73aとの間に米
つぶ等の異物が存在したような時にも、該異物が上記異
物逃がし用の凹部81内に逃がされ、ヒータプレート7
3と内鍋2とが均密に当接するので、異物があっても問
題なく内鍋2の全面を加熱することができるようにな
り、やはり飯米全体への均一な加熱作用が実現される。
【0090】また、上記外鍋3は、その上端側縁部3c
を例えば容器本体側外ケース5の肩部5bの内周縁部7
2の下面部に対し、上下方向の幅が大きく、断熱性・熱
反射性のあるスリーブ状の肩リング74を介してビス7
5により固定するようにしているので、肩部5bに対す
る確実な遮熱作用が図られるとともに、その取付けが容
易になる。しかも、上記肩リング74には、上記ビス7
5による外鍋3の締結部74aから下方にスカート状に
延びた遮熱板部74bが設けられているので、外ケース
5側への遮熱作用も同時に実現される。
【0091】以上の結果、同変形例に係る電気炊飯器に
よると、次のような有益な効果が得られる。
【0092】(1) 内鍋に高価なクラッド材を使用し
なくて良くなるので、製品コストが低下する。
【0093】(2) 内鍋の全面から加熱されるので、
炊きむらが少なくなる。
【0094】(3) ヒータプレートを介することによ
り、比較的容易に内鍋底部との高精度な面一性が確保さ
れ、外鍋からの熱を高い熱伝達効率で内鍋に伝達できる
ようになり、加熱効率が向上する。
【0095】(4) 異物炊飯が防止され、安全性が向
上するとともに炊飯ミスが少なくなる。
【0096】(5) 外鍋から肩部および外ケースへの
遮熱性能が高くなる。
【0097】(実施の形態3) (電気炊飯器本体および制御回路部の構成) 図6〜図9は、本願発明の実施の形態3に係る電気炊飯
器本体各部の構成とその制御回路部の構成とを示してい
る。
【0098】先ず上記電気炊飯器は、その鍋部が、共に
電気炊飯器本体から外部に取出し得るように構成された
内鍋と外鍋との2組の鍋体よりなる2重鍋構造をなし、
内鍋側の連通孔を介して当該内鍋および外鍋の両方に水
が浸漬されるようになっているとともに、それらの下方
に例えば炊飯工程に応じて使い分けられるメインとサブ
2組のワークコイルを備えた電磁誘導加熱式のものによ
り構成されている。そして、炊飯と保温とを兼用する炊
飯ジャータイプのものとなっている。
【0099】すなわち、該電気炊飯器本体1は、、例え
ば図6および図7に示すように、底部2aおよび底部2
a周辺に位置して半径方向に配列された連通孔21,2
1・・・が形成された内鍋2と、上端側開口縁部3c上
に上記内鍋2の上端側開口縁部2cを係合支持すること
によって内鍋2との間に所定幅の2重構造空間Sを保っ
た状態で、内鍋2と共に2重壁構造の鍋を形成している
とともに、内部に誘起されるうず電流によって自己発熱
が可能なステンレス鋼等の磁性体金属よりなる外鍋3
と、該外鍋3を任意にセットし得るように形成された合
成樹脂製の有底筒状の保護枠4と、該保護枠4を保持す
る外部筺体である筒状の外ケース5と、該外ケース5と
上記保護枠4とを一体化して形成された容器本体の上部
に開閉可能に設けられた蓋ユニット6とから構成されて
いる。上記外鍋3の底部3a周縁部には、下方に凹んだ
水留め部31がドーナツ状に形成されている。
【0100】上記保護枠4の底部4aには、上記外鍋3
の底部3aの形状に対応してドーナツ状の凹部41が形
成されており、先ず凹部41内周側の下面と凹部41よ
り外周側の側部4b外面には、相互に直列に接続されて
いる第1のワークコイルC1が同凹部41を挟んで半径
方向に所定の間隔を保った状態で2層状態に分巻して設
置されている一方、凹部41の下面には相対的に巻数の
少ない第2のワークコイルC2が1層状態で設置されて
いる。
【0101】したがって、該構成では、図1に示すよう
に、外鍋3および内鍋2を上記保護枠4内に共に収納セ
ットすると、内鍋2の底部2aの連通孔21,21・・
・を介して各々の内部が相互に連通する2重壁構造の鍋
が形成される。そして、炊飯時においては、内鍋2側に
は米と水が、一方外鍋3側には水のみが収容された状態
となり、該状態において上記外鍋3は、上記水留め部3
1両側の底部3a側と側部3b側が第1のワークコイル
1により発熱せしめられる一方、上記水留め部31部
分が第2のワークコイルC2により発熱せしめられ、例
えば沸騰状態に到るまでの炊き上げ工程では上記第1,
第2のワークコイルC1,C2を共にONにして外鍋3を
介し内鍋2の底部2aから側部2bまでの全面を加熱し
て、飯米を加熱ムラなく効率良く炊き上げる一方、沸騰
維持工程では第2のワークコイルC2をOFFにし、上
記水留め部31部分の加熱を停止して水留め部31内の
水の蒸発を抑制し、続く「むらし工程」まで水を残す。
そして、「むらし工程」に入ると、上記第1のワークコ
イルC1をOFFにする一方、第2のワークコイルC2
ONにして上記水留め部31内の水を蒸発させ、高温の
蒸気で飯米を十分に蒸し上げる。そして、それによって
焦げめのないふっくらとした美味しい御飯を実現する。
【0102】また上記外ケース5は、例えば合成樹脂板
で形成された上下方向に筒状のカバー部5aと、該カバ
ー部5aの上端部に結合された合成樹脂製の肩部5bと、
上記カバー部5aの下端部に結合された合成樹脂製の底
部5cとによって上記保護枠4の底部4aとの間に所定広
さの空間部を形成する状態で全体として有底の筒状体に
構成されている。そして、その内側上部に上記のように
外鍋3を取り出し可能に任意にセットするための同じく
有底筒状構造に形成した保護枠4を支持している。符号
80は、保護枠4の側部外周に設けられた保温ヒータで
ある。
【0103】そして、上記保護枠4の底部側凹部41の
下面に第2のワークコイルC2が、また同凹部41を挟
んだ底部4a下面および側部4b外面に上述のように第
1のワークコイルC1の各分巻部が各々設けられ、それ
らの下部にはフェライトコア7を介してコイル台8が設
けられている。
【0104】該コイル台8は、例えば半径方向に放射状
に延び全体として受皿形状の保護枠支持面を有して上記
第1,第2のワークコイルC1,C2を支持するリブ構造
のワークコイル支持部8a,8a・・と、該ワークコイ
ル支持部8a,8a・・・間に形成されたフェライトコ
ア嵌挿溝8b,8b・・・と、上記ワークコイル支持部
8a,8a・・・の下部側に設けられた脚部12,12
・・とから構成されており、上記脚部12,12・・に
よって上記外ケース5の底部5c上に支持されている。
該コイル台8の上記ワークコイル支持部8a,8a・・
・の側部外周面には、上記フェライトコア嵌挿溝8b,
8b・・・の他端部(半径方向外端部)両側に位置して
縦壁構造の一対のスペーサ13,13・・が設けられて
おり、該スペーサ13,13・・を介して所定の間隔を
保った状態で、その外周囲に上記第1のワークコイルC
1からの磁気を遮蔽するリング状の磁気遮蔽板14が下
方側から嵌合されて固定されている。
【0105】また、上記外ケース5のカバー部5a前面
側上方部には操作パネル部9が設けられ、その裏側には
マイコン制御ユニット(図9参照)等を設けた操作基板
10が設けられている。
【0106】また、上記コイル台8の下方部には、上記
操作基板10側の上記マイクロコンピュータよりなるマ
イコン制御ユニットによって上記第1,第2のワークコ
イルC1,C2各々のON,OFFおよびON時の通電量
制御(出力並びにデューティー制御)を相互に独立して
行う第1,第2の2組のワークコイル駆動回路を備えた
制御基板11が設けられている。
【0107】一方、上記保護枠4は底部4aおよび側部
4bが一体に成型されており、底部4a中央部およびコイ
ル台8のワークコイル支持部8a,8a・・・の基板中
央部には、上下方向に同心状に貫通したセンタセンサ1
6の収納空間部(嵌装穴)が形成されており、該センタ
センサ収納空間部中に上下方向に昇降自在な状態で、か
つ常時コイルスプリング18により上方に上昇付勢され
た状態でセンタセンサ16が設けられている。
【0108】上記センタセンサ収納空間部は、上記コイ
ル台8の中央部で上下両方向に延びるリブによって形成
された筒体19内に形成され、その下部側開口部にはセ
ンサカバー20が嵌合され、ビスで上記コイル台8側筒
体19一側の圧肉壁部に固定されている。
【0109】センタセンサ16は、本実施の形態の場
合、例えば、その筒状のセンサホルダー16a内上端部
のセンサ保持部16bに、外鍋3の制御温度検出のため
の第1のサーミスタT1と外鍋3の異常温度を検出する
ための第2のサーミスタT2との2つの温度センサが中
央部に位置して並設されており、当該センサ保持部16
b上面には当該第1,第2のサーミスタT1,T2をカバ
ーするのに十分な大きさの熱伝導性の良好な金属材料よ
りなるセンサキャップ22が一体に嵌合固定されてい
る。
【0110】センサホルダー16a内において上記セン
サ保持部16bの下部は角筒状に所定長さ下方に延びて
下端にリードスイッチ取付部を形成している一方、上記
下方側センサカバー20には筒状のマグネット取付部が
形成されている。そして、同マグネツト取付部の上端に
取付けられたマグネツトと上記リードスイッチ取付部に
取付けられたリードスイッチとが、上記センサホルダー
16aの昇降動作に応じて接離することによって上記リ
ードスイッチをON,OFFさせ、そのON,OFF信号
によって内鍋2(および外鍋3)の非セット、セット状
態を検出するようになっている(詳細は図示省略)。
【0111】一方、上記蓋ユニット6は、その外周面を
構成する合成樹脂製の外カバー6aと、該外カバー6a
の外周縁部内側に嵌合され、当該蓋ユニット6の内鍋2
への係合部を構成する合成樹脂製の内枠部6bと、該内
枠部6b内に嵌合される蓋ヒータ23を備えた放熱板6
cとによって中空構造に形成されており、上記外カバー
6aと放熱板6cとは、内枠部6bを介して外周縁部同
士が相互に結合されている。この蓋ユニット6は、上記
外ケース5の肩部5bに対してヒンジ機構25を介して
回動自在に取付けられており、その開放端側には、該蓋
ユニット6の所定位置に係合して蓋ユニット6の開閉を
行うロックレバー26が設けられている。
【0112】また、上記蓋ユニット6の略中央部には、
蒸気放出口27が上下方向に貫通して形成されている。
そして、該蒸気放出口27にはラバー製のパッキン28
が嵌合され、同パッキン28を介して蒸気放出筒29が
取付けられている。
【0113】なお、上記操作パネル部9には、図8に示
すように、炊飯スタートキー32、保温キー33、予約
キー34、メニューキー35、再加熱キー36、液晶表
示部37等が設けられている。そして、本実施の形態に
おいては、上記メニューキー35の操作により、通常の
炊飯メニュー(例えば、普通炊き、早炊き、炊き込み、
おこわ等)に加えて蒸しメニューが追加されている。該
蒸しメニューは、上記外鍋3の底部3aに少量の水を入
れて加熱することにより行われる。
【0114】また、上記再加熱キー36は、保温中にお
いて上記第1のワークコイルC1に対して外鍋3を所定
温度まで上昇させるように再加熱指令を出力するもので
ある。
【0115】次に、図9は上記のように構成された電気
炊飯器本体の炊飯用マイコン制御ユニットを中心とする
制御回路部の構成を示す。
【0116】図中、符号40が上記外ケース5の前面側
操作パネル部9裏側の操作基板10上に設けられた炊飯
制御用のマイコン制御ユニット(CPU)であり、該マ
イコン制御ユニット40はマイクロコンピュータを中心
とし、例えば温度検出回路部、第1,第2の2組のワー
クコイルC1,C2に対応した第1,第2の2組のワーク
コイル駆動回路部、発振回路部、リセット回路部、電源
回路部、液晶表示部、LEDランプ表示部、操作スイッ
チ部等を備えて構成されている。
【0117】そして、先ず温度検出回路43部には、例
えば上記第1のサーミスタT1による外鍋3の温度(御
飯温度)の検出値が入力されるようになっている。
【0118】また、上記第1,第2の各ワークコイル駆
動回路部は、それぞれ独立して形成されており、先ず第
1のワークコイル駆動回路は、第1のパルス幅変調回路
44、第1の同期トリガー回路45、第1のIGBT駆
動回路46、第1のIGBT47、第1の共振コンデン
サ48によって、また第2のワークコイル駆動回路は、
第2のパルス幅変調回路49、第2の同期トリガー回路
50、第2のIGBT駆動回路51、第2のIGBT5
2、第2の共振コンデンサ53によって各々形成されて
いる。そして、それぞれマイコン制御ユニット40によ
り、上記第1のパルス幅変調回路44、第2のパルス幅
変調回路49をそれぞれ個々に独立して制御することに
より、例えば炊飯量(合数)に応じて上記第1,第2の
各ワークコイルC1,C2各々のON,OFF状態、並び
にON時の出力(ワット数)およびデューティー比(O
N時間)をそれぞれ炊飯工程に対応して適切に変えるこ
とによって、後述するように炊飯量(合数)と炊飯工程
とに応じて最適な加熱状態と加熱量を実現して炊きむら
のない良質の御飯を炊き上げる。
【0119】なお、図中の符号D1,D2は上記第1,第
2のIGBT47,52の保護ダイオードである。ま
た、符号55は、家庭用AC電源56との間に挿入され
た上記第1,第2のワークコイルC1,C2の電源側平滑
回路である。
【0120】一方、符号23は上述の蓋ヒータ(保温ヒ
ータは省略)、57は外ケース内底部に設けられている
冷却ファン57a用のファンモータであり、それぞれト
ライアック58,59を介してトライアック駆動回路6
0によってON,OFF駆動される。該蓋ヒータ23、
ファンモータ57の炊飯状態に対応したON,OFF制
御は、上記マイコン制御ユニット40により、上記トラ
イアック駆動回路60を制御することによってなされ
る。
【0121】また、符号61は降圧トランス、62は定
電圧電源回路であり、上記マイコン制御ユニット40の
電源回路を形成している。
【0122】さらに、符号37は液晶表示部、63は炊
飯表示、保温表示等の各種の表示を行うLEDランプ
部、64は炊飯スタートキー、メニューキー、保温キー
等の操作スイッチ部、65は制御用の発振回路、66は
リセット回路である。
【0123】(炊飯制御の内容) 次に、上記図6〜図8の構成の電気炊飯器において、上
述した図9の制御回路を使用して実施される本願発明の
実施の形態3に係る第1,第2のワークコイルC1,C2
を使用した炊飯制御(吸水工程〜保温工程まで)の内容
について、図10のフローチャートを参照して詳細に説
明する。
【0124】すなわち、先ず炊飯スタートキー32がO
N操作されると、それに対応して吸水工程に入り(ステ
ップS1)、メイン側第1のワークコイルC1を出力50
%でデューティー比16秒分の16秒(以下、これを単
に16/16(秒)のように省略して表現する)、サブ
側第2のワークコイルC2を出力50%で16/16
(秒)各々ONにする(ステップS2,S3)。
【0125】この結果、内鍋2内の水温が比較的緩やか
な上昇率で次第に上昇し、やがて所定吸水温度例えば4
0℃に達し、該吸水温度40℃に所定吸水時間t1内保
持することにより、吸水工程が実行される。そして、続
くステップS4で上記吸水時間t1の経過(t1=0)が
判定され、YESになると、ステップS5,S6で上記第
1,第2のワークコイルC1,C2を各々フルパワー(出
力100%、デューティー比16/16秒)でONにし
て強加熱する。その結果、やがて合数判定を行うための
基準温度例えば70℃に近付く。
【0126】そこで、次に上記第1のサーミスタT1
介して検出される上記温度検出回路43の出力から、上
記内鍋2の温度が合数判定開始温度70℃に達したか否
かを判定する(ステップS7)。
【0127】該判定の結果、YESと判定されると、合
数判定に進む一方(ステップS8)、NOの場合は上記
フルパワーでの加熱と上記70℃の温度判定とをYES
となるまで繰り返す(ステップS7,S5,S6,S7)。
【0128】内鍋2の温度が70℃に達してステップS
7でYESとなり合数判定動作(ステップS8)に進む
と、上記合数判定開始温度70℃からの所定時間内の温
度上昇率(又は上記70℃から所定温度までの上昇時
間)に基き、現在炊飯中の飯米の合数が、少量か、中量
か、大量かを順次判定する(ステップS9,S10)。
【0129】そして、上記合数判定の結果、先ず大炊飯
量時(ステップS9,S10で共にNOの時)には、上記
第1のワークコイルC1の出力を100%に再設定して
16/16(秒)、第2のワークコイルC2の出力を1
00%に設定して16/16(秒)、それぞれフルパワ
ー状態でONにして、沸騰状態まで最大加熱量(マック
スパワー)での炊き上げ加熱を実行する(ステップ
11,S12)。
【0130】そして、その後、上記外鍋3の温度が沸騰
温度110℃に達したか否かを判定し(ステップ
13)、該判定結果がYESになると、吹きこぼれを防
止するとともに焦げめの発生を防止し、かつ十分に加熱
力を浸透させる見地から上記第1のワークコイルC1
出力を若干落した80%、デューティー比は同じ16/
16秒に設定する一方、第2のワークコイルC2をOF
Fにして、第1のワークコイルC1のみによって沸騰加
熱状態を継続する(ステップS14,S15)。このように
沸騰維持工程では第2のワークコイルC2がOFFにさ
れる結果、上記外鍋3の底部3aの水留め部31内の水
の蒸発量が低く抑制され、続く「むらし工程」まで残さ
れることになる。
【0131】そして、さらに上記外鍋3の温度が当該大
炊飯量に対応した第1の沸騰終了温度130℃に達した
か否かを判定する(ステップS16)。その結果、外鍋3
の温度が130℃に達してYESと判定された時には沸
騰維持工程完了と認めて、ステップS17の「むらし工
程」に進み、上記第1のワークコイルC1をOFFにす
る一方、第2のワークコイルC2を出力100%、デュ
ーティー比16/16秒でONにして上記水留め部31
内に残された水を蒸発させながら内鍋2の連通孔21,
21・・・を介して内鍋2内に供給し、該高温の蒸気で
炊き上げ後の飯米を十分に加熱することによって所定設
定むらし時間t2(例えばt2=12分)内「むらし」を
実行する(ステップS18,S19,S20)。
【0132】この結果、該むらし時間t2内は、上記の
ように水留め部31内からの高温の蒸気が内鍋底部2a
の連通孔21,21・・・を通して飯米中に供給され、
加湿作用を伴ないながら加熱されるので、焦げめを形成
することなく内鍋2中の飯米がふつくらと効果的に蒸し
上げられる。
【0133】そして、上記むらし時間t2が経過する
と、保温工程(ステップS41)に進む。
【0134】以上のように、例えば炊飯量が多い時は、
先ず合数判定終了後沸騰検知までの炊き上げ工程におい
ては、第1,第2のワークコイルC1,C2を各々最大の
出力比率に設定し、大きな加熱量を内鍋2の全面に作用
させて確実に炊き上げるとともに、続く沸騰維持工程で
は吹きこぼれを防止し、かつ焦げ目を作らないように、
上記第1のワークコイルC1の出力を若干落すとともに
第2のワークコイルC2をOFFにすることによって水
留め部31内の水の蒸発を抑えながら、しっかりと炊飯
する。
【0135】そして、むらし工程では上記残された水留
め部31内の水を加熱蒸発させることによって、高温の
蒸気を内鍋2の連通孔21,21・・・を介して飯米中
に供給することによって十分なむらしを行う。
【0136】その結果、御飯の全体に均等に十分な熱が
通り、しかも焦げ目がない、ふっくらとした美味しい御
飯を大量に炊き上げることができる。
【0137】一方、上記ステップS10でYESと判定さ
れた中炊飯量時には、先ず上記第1のワークコイルC1
の出力を上記大炊飯量時の場合よりも20%小さい80
%に設定し、かつデューティー比を若干短かい14/1
6(秒)に、また第2のワークコイルC2の出力はやは
り20%小さい80%の出力でデューティー比も若干短
かい14/16(秒)に設定し、それぞれONにして、
上記大炊飯量時よりも若干弱いミドルパワーでの炊き上
げ加熱を実行する(ステップS21,S22)。
【0138】そして、その後、上記外鍋3の温度が沸騰
温度110℃に達したか否かを判定し(ステップ
23)、該判定結果がYESになると、上記第1のワー
クコイルC1の出力を上記大炊飯量時よりも20%小さ
い60%に、デューティー比も若干小さい14/16秒
に設定する一方、他方第2のワークコイルC2をOFF
にして、第1のワークコイルC1のみによって沸騰加熱
状態を維持する(ステップS24,S25)。この結果、前
述の場合同様に上記外鍋3の底部3aの水留め部31内
の水の蒸発量が低く維持され、むらし工程まで残され
る。
【0139】そして、さらに上記外鍋3の温度が上記大
炊飯量時よりも5℃低い第2の沸騰終了温度125℃に
達したか否かを判定する(ステップS26)。その結果、
内鍋2の温度が125℃に達してYESと判定された時
には沸騰工程完了と認めて、ステップS27の「むらし工
程」に進み、上記第1のワークコイルC1をOFFにす
る一方、第2のワークコイルC2の出力を上記大炊飯量
時よりも30%小さい70%に、またデューティーを2
/16秒小さい14/16秒に設定して、上記水留め部
31内の水を蒸発させながら、むらしを行う(ステップ
28,S29)。その後、上記中量炊飯に対応して設定さ
れているむらし時間t3(例えばt3=10分)の経過を
判定し、YESになると、「保温工程」に移行する(ス
テップS30,S41)。
【0140】この結果、上記むらし時間t3内は上記水
留め部31内からの高温の蒸気が内鍋底部2aの連通孔
21,21・・・を通して飯米中に供給され、加湿作用
を伴ないながら加熱されるので、焦げめを形成すること
なく内鍋2内の飯米がふっくらと効果的に蒸し上げられ
る。
【0141】以上のように、炊飯量が中量の場合には、
先ず合数判定終了後沸騰状態までの炊き上げ工程では、
第1のワークコイルC1を大炊飯量時に比較して20%
程度小さい出力、2/16秒小さいデューティー比に各
々設定して確実に炊き上げる一方、沸騰維持工程では、
大炊飯量時ほどには大きな加熱量を必要としないことか
ら第1のワークコイルC1の出力を、さらに20%余計
に落した出力60%(デューティー比は同じ)に設定す
るとともに、第2のワークコイルC2をOFFにして外
鍋3の底部3aの水留め部31内の水の蒸発量を少なく
し、続く「むらし工程」まで所定量の水を保存した上で
吹きこぼれを防止し、かつ焦げ目を作らないようにし
て、しっかりと炊飯する。
【0142】そして、むらし工程では上記残された水留
め部31内の水を加熱蒸発させることによって、高温の
蒸気を内鍋2の連通孔21,21・・・を介して飯米中
に供給することによって十分なむらしを行う。
【0143】その結果、御飯の全体に均等に十分な熱が
通り、しかも焦げ目がない、ふっくらとした美味しい中
量の御飯を効率良く炊き上げることができる。
【0144】他方、上記ステップS9でYESと判定さ
れた少炊飯量時には、先ず当該炊飯量に対応して上記第
1のワークコイルC1の出力を上記中炊飯量時の80%
よりも更に20%小さい60%に設定してデューティー
比も4/16秒短かい10/16(秒)で、また第2の
ワークコイルC2の出力を同じく中炊飯量時よりも20
%小さい60%に設定して同じくデューティー比も4/
16秒短かい10/16(秒)で、それぞれONにし
て、上記中炊飯量時のミドルパワーよりも小さいスモー
ルパワーでの炊き上げ加熱を執行する(ステップS31
32)。
【0145】そして、その後、上記外鍋3の温度が沸騰
温度110℃に達したか否かを判定し(ステップ
33)、該判定結果がYESになると、上記第1のワー
クコイルC1の出力を10%低くした50%に再設定し
てデューティー比10/16(秒)でONにする一方、
他方第2のワークコイルC2の方はOFF(出力を0
%)にして、上記第1のワークコイルC1のみによって
沸騰加熱状態を維持する(ステップS34,S35)。この
結果、上記外鍋3の底部3aの水留め部31内の蒸発量
が低く抑えられ、むらし工程まで残される。
【0146】そして、さらに上記外鍋3の温度が上記中
炊飯量時よりも5℃低い第3の沸騰終了温度120℃に
達したか否かを判定する(ステップS36)。その結果、
外鍋3の温度が同120℃に達してYESと判定された
時には、沸騰工程完了と認めて、「むらし工程」(ステ
ップS37)に移り、上記第1のワークコイルC1をOF
Fにする一方、第2のワークコイルC2を出力50%、
デューティー比10/16秒でONにして当該少炊飯量
に対応した設定むらし時間t4(例えばt4=8分)内
「むらし」を実行する。そして、同設定むらし時間t4
が経過すると、「保温工程」に移行する(ステップ
38,S39,S40,S41)。
【0147】この結果、該むらし時間t4内は上記水留
め部31内からの高温の蒸気が内鍋2の底部2aの連通
孔21,21・・・を通して飯米中に供給され、加湿作
用を伴ないながら加熱されるので、焦げめを形成するこ
となく内鍋2内の飯米がふっくらと効果的に蒸し上げら
れる。
【0148】以上のように、炊飯量が少ない時は、先ず
合数判定終了後、沸騰状態までの炊き上げ工程では、第
1,第2のワークコイルC1,C2の出力を上記中炊飯量
の時よりも、さらに小さい値に設定して側面に焦げ目を
作らないように効率良く炊き上げ、電力消費の無駄を省
く。次に、沸騰維持工程では、第2のワークコイルC2
をOFFにして、外鍋3の底部3aの水留め部31内の
水をむらし工程に到るまで保存し、第1のワークコイル
1のみで沸騰状態を継続する。そして、むらし工程に
おいて、該水留め部31内の水を加熱蒸発することによ
って、高温の蒸気を内鍋2の連通孔21,21・・・を
介して飯米中に供給することによって加熱し十分なむら
しを行う。
【0149】その結果、御飯の全体に均等に十分な熱が
通り、しかも焦げ目のない、ふっくらとした少量の美味
しい御飯を炊き上げることができるようになる。
【0150】しかも、電力の無駄がなくなり、過加熱も
生じにくいので、製品の信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の実施の形態1に係る電気炊飯器本体
の構成を示す左右方向中央部で上下に切断した断面図で
ある。
【図2】同電気炊飯器本体の変形例の構成を示す図1と
同様の断面図である。
【図3】本願発明の実施の形態2に係る電気炊飯器本体
の構成を示す左右方向中央部で上下に切断した断面図で
ある。
【図4】同電気炊飯器本体の要部の拡大断面図である。
【図5】同電気炊飯器本体の変形例の構成を示す図4と
同様の断面図である。
【図6】本願発明の実施の形態3に係る電気炊飯器本体
の構成を示す左右方向中央部で上下に切断した断面図で
ある。
【図7】同電気炊飯器本体の要部である内鍋と外鍋の重
合状態の平面図である。
【図8】同電気炊飯器本体の要部である操作パネル部の
平面図である。
【図9】同電気炊飯器本体の制御回路部の結線図であ
る。
【図10】同電気炊飯器の吸水工程からむらし工程に到
る炊飯制御の内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1は電気炊飯器、2は内鍋(飯器)、3は外鍋、4は保
護枠、5は外ケース、40はマイコン制御ユニット、T
1は第1のサーミスタ、C1は第1のワークコイル、C2
は第2のワークコイルである。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器本体と、該容器本体内の底部から開
    口縁部付近に亘って設けられた外鍋と、該外鍋内に収納
    される内鍋と、上記外鍋の底部および側部に対応して設
    けられた電磁誘導式の加熱手段とを備え、上記外鍋を磁
    性体金属により形成し、上記電磁誘導式の加熱手段によ
    り発熱させることによって上記内鍋を加熱するようにし
    たことを特徴とする電気炊飯器。
  2. 【請求項2】 外鍋底部には、内鍋底部と密着するヒー
    タプレートが設けられていることを特徴とする請求項1
    記載の電気炊飯器。
  3. 【請求項3】 容器本体と、該容器本体内の底部から開
    口縁部付近に亘って設けられた外鍋と、該外鍋内に収納
    される内鍋と、電磁誘導式の加熱手段とを備え、上記外
    鍋を磁性体金属により形成し、上記電磁誘導式の加熱手
    段により発熱させることによって上記内鍋を加熱するよ
    うにした電気炊飯器において、上記外鍋の容器本体内底
    部には異物逃がし用の凹部が設けられていることを特徴
    とする電気炊飯器。
  4. 【請求項4】 容器本体と、該容器本体内の底部から開
    口縁部付近に亘って設けられた外鍋と、該外鍋内に収納
    される内鍋と、電磁誘導式の加熱手段とを備え、上記外
    鍋を磁性体金属により形成し、上記電磁誘導式の加熱手
    段により発熱させることによって上記内鍋を加熱するよ
    うにした電気炊飯器において、上記外鍋は、その開口縁
    部を容器本体の肩部に対して断熱部材を介して固定され
    ていることを特徴とする電気炊飯器。
  5. 【請求項5】 容器本体と、該容器本体内の底部から開
    口縁部付近に亘って設けられた外鍋と、該外鍋内に収納
    される内鍋と、電磁誘導式の加熱手段とを備え、上記外
    鍋を磁性体金属により形成し、上記電磁誘導式の加熱手
    段により発熱させることによって上記内鍋を加熱するよ
    うにした電気炊飯器において、外鍋が容器本体に対して
    取り出し自在に設けられているとともに、内鍋底部には
    水留め部および外鍋内との連通孔が形成され、外鍋およ
    び内鍋両者の容器本体への収納時に外鍋と内鍋とで2重
    鍋を構成するようになっていることを特徴とする電気炊
    飯器。
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