JP2009020305A - 記録再生装置、記録再生方法、記録装置、記録方法、再生装置、再生方法 - Google Patents

記録再生装置、記録再生方法、記録装置、記録方法、再生装置、再生方法 Download PDF

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Abstract

【課題】空間光位相変調を行うことで、ホログラム記録媒体に対し位相の情報によりデータ記録を行う記録手法と、記録したデータを再生する再生手法を提案する。
【解決手段】記録データに応じた位相変調パターンを与えた信号光と、所定の位相変調パターンを与えた参照光とをホログラム記録媒体に対して照射する。これにより、記録データを位相の情報によって上記ホログラム記録媒体に対して記録することができる。また、再生時には、参照光と、この参照光内の基準位相との位相差がπ/2となる全体位相を有するDC光とをホログラム記録媒体に対して照射する。このようにπ/2による位相差を与えることで、上記参照光の照射に応じてホログラム記録媒体から得られる再生光と上記DC光の位相を揃えることができ、上記再生光に対し、上記DC光が振幅「1」の成分として加算されるようにすることができる。
【選択図】図4

Description

本発明は、参照光と信号光との干渉縞によってデータが記録されるホログラム記録媒体に対する記録再生を行う記録再生装置とその方法に関する。また、ホログラム記録媒体に対して記録を行う記録装置とその方法、及び再生を行う再生装置とその方法に関する。
特開2007−79438号公報
ホログラム記録再生方式において、特に光ストレージ系の分野におけるホログラム記録再生方式では、空間光変調器として例えば透過型液晶パネルやDMD(Digital Micromirror Device:登録商標)などの空間光強度変調器(単に強度変調器とも呼ぶ)が使用され、信号光にbit1(例えば光強度=強)、bit0(例えば光強度=弱)のパターン配列が得られるような強度変調をかけるようにされる。そして、このように強度変調をかけて生成した光(信号光と呼ばれる)と、当該信号光とは別の参照光とをホログラム記録媒体に対して照射し、これら信号光と参照光との干渉縞によりデータ記録を行うようにされている。
このようなホログラム記録再生方式としては、信号光と参照光とを同軸上に配置して媒体に照射するコアキシャル方式が存在する。
図18は、従来のコアキシャル方式によるホログラム記録再生装置の構成例を示している。なお、図18では主に記録再生装置の光学系の構成のみを抽出して示し、他の部分については省略している。
この図18では、ホログラム記録媒体として、反射膜を備えた反射型のホログラム記録媒体に対応する記録再生装置の構成を例示している。
先ず、レーザダイオード(LD)101は、記録再生のためのレーザ光を得るための光源として設けられる。このレーザダイオード101としては、例えば外部共振器付きレーザダイオードが採用され、レーザ光の波長は例えば410nmとされる。
レーザダイオード101からの出射光はコリメータレンズ102を介した後、SLM強度変調器103に対して入射する。
強度変調器103は、例えば透過型液晶パネルなどにより構成され、図示されない駆動回路からの駆動信号に応じて各画素が駆動制御されることで、入射光に対して記録データに応じた空間光強度変調(単に強度変調とも言う)を施すようにされる。具体的には、例えば駆動信号によってONとされた画素は入射光を透過し、OFFとされた画素は入射光を透過しないといったように、画素単位(ピクセル単位)で光のON/OFF制御を行うことが可能とされる。このような強度変調器103のON/OFF制御により、「0」「1」のデータをピクセル(画素)単位で記録することが可能とされている。
上記強度変調器103にて空間光変調が施された光は、偏光ビームスプリッタ104を透過した後、リレーレンズ105→遮光マスク106→リレーレンズ107によるリレーレンズ光学系を介し、さらに1/4波長板108を介した後に対物レンズ109で集光されてホログラム記録媒体110上に照射される。
ここで、記録時においては、後述するようにして強度変調器103において記録データに応じた空間光強度変調を受けた信号光と、例えばこの信号光と同心円となる輪状の参照光とが生成されることになる。すなわち、このようにして生成された信号光と参照光とが、上記により説明した経路を経て上記ホログラム記録媒体110上に集光するようにされるものとなる。
一方、再生時においては、レーザダイオード101からの光が、記録時と同様にコリメータレンズ102を介して強度変調器103に入射される。再生時において強度変調器103は、入射光に対し再生用の強度変調を施して参照光のみを生成するようにされる。すなわち再生時においては信号光は生成せず、参照光のみをホログラム記録媒体110に対し照射するようにされている。
この参照光の照射に応じては、後述するようにしてホログラム記録媒体110上の記録データに応じた回折光が得られ、この回折光は、ホログラム記録媒体110からの反射光として、対物レンズ109を介した後、1/4波長板108→リレーレンズ107→遮光マスク106→リレーレンズ105を介して偏光ビームスプリッタ104に導かれる。偏光ビームスプリッタ104では、上記経路により導かれたホログラム記録媒体110からの反射光が反射され、その反射光は図示するようにしてイメージセンサ111に導かれる。
イメージセンサ111は、例えばCCD(Charge Coupled Device)センサやCMOS(Complementary Oxide Semiconductor)センサなどの撮像素子を備え、上記のようにして導かれたホログラム記録媒体110からの反射光(回折光)を受光し、これを電気信号に変換する。
次の図19、図20は、上記により説明した光学系の構成によって実現されるホログラム記録再生の基本動作について説明するための図である。図19は記録時、図20は再生時の動作についてそれぞれ示している。
なお、図19では、図18に示す光学系のうち強度変調器103、対物レンズ109のみを抽出して示している。また図20において、図20(a)は同様に強度変調器103、対物レンズ109のみを示し、図20(b)では対物レンズ109とイメージセンサ111のみを抽出して示している。
先ず、図19に示される記録時においては、強度変調器103が、入射光に対し、上述した参照光と、記録データに基づき「0」「1」のデータパターンに基づく光強度パターンが与えられた光(信号光)とが同心円上に配置されるようにするための強度変調を行う。
この強度変調された光(つまり参照光と信号光)を、対物レンズ109によりホログラム記録媒体110上に集光し、これにより形成される参照光と信号光の干渉縞をデータとしてホログラム記録媒体110上に記録する。
また、再生時においては、先ず図20(a)に示すようにして、強度変調器103が入射光について強度変調を施すことで参照光のみを生成し、これをホログラム記録媒体110上に集光するようにされる。その際、集光した光は、ホログラム記録媒体110に記録されたデータパターンに応じた干渉縞により回折を受け、ホログラム記録媒体110からの反射光として出力される。すなわち、この回折光は、図20(b)に示すようにして記録データを反映した光強度パターンを有しており、この回折光の有する強度パターンをイメージセンサ111で検出した結果に基づき、データ再生を行うようにされる。
ここで、上記のように強度変調器103においては、記録/再生時に対応して参照光、信号光を生成するようにされる。このため、強度変調器103においては、次の図21に示すような参照光エリアA1、信号光エリアA2、及びギャップエリアA3とが設定されている。すなわち、この図21に示されるように、強度変調器103の中心部分を含む所定の円形のエリアが、信号光エリアA2として定められている。そして、その外周部分に対しては、ギャップエリアA3を隔てて、信号光エリアA2と同じ中心を有する輪状の参照光エリアA1が定められている。
なお、上記ギャップエリアA3は、参照光が信号光エリアA2に漏れ込んでノイズになることを避けるための領域として定められている。
記録時においては、参照光エリアA1内の予め定められた画素を「1」(光強度=強)、それ以外の画素を「0」(光強度=弱)とし、且つギャップエリアA3と上記参照光エリアA1より外周部分とを全て「0」とした上で、信号光エリアA2内の各画素を記録データに応じた「0」「1」のパターンとすることで、先の図19に示したような参照光と信号光とを生成・出力することができる。
また、再生時には、参照光エリアA1を記録時と同じ「0」「1」のパターンとし、他の領域はすべてビット「0」とすることで、図20(a)に示したようにして参照光のみを生成・出力することができる。
上記のようにして、従来のホログラム記録再生方式では、記録データに応じて光の強度を制御して信号光を生成して、ホログラム記録媒体110に対してデータ記録を行っている。
しかしながら、参照光と信号光という2つの光を干渉させた干渉縞によりデータ記録が行われるホログラム記録媒体に対しては、振幅の情報のみでなく、位相の情報も記録できることが知られている。現状においては、上記のようにして記録データに応じた光強度の変調のみを行って、記録データを光強度の情報によって記録し、また再生時には記録された光強度の情報のみを読み出すことで記録データを再生するようにされている。つまりこのことから、位相情報を記録できるという点を有効に利用していないものとなっている。
そこで、本発明では以上のような問題点に鑑み、記録再生装置として以下のように構成することとした。
つまり、本発明の記録再生装置は、参照光と信号光との干渉縞によってデータが記録されるホログラム記録媒体に対する記録再生を行う記録再生装置であって、先ず、入射光に対し画素単位で空間光位相変調を行うと共に、上記信号光を生成するための領域としての信号光エリアと上記参照光を生成するための領域としての参照光エリアとが設定された位相変調器を少なくとも有し、上記参照光エリアを介した光と上記信号光エリアを介した光に位相差を与えることが可能となるように構成された位相変調手段を備える。
また、光源から発せられ上記位相変調手段を介して得られる光を上記ホログラム記録媒体に対して導く光学系を備える。
さらに、上記位相変調器に対する制御を行う位相制御手段として、記録時には、上記信号光エリア内の位相変調パターンが記録データに応じたパターンとなり且つ上記参照光エリア内の位相変調パターンが所定パターンとなるようにして上記位相変調器の各画素を駆動制御し、再生時には、上記信号光エリアを介して上記位相変調手段から出射されるDC光の全体位相と、上記参照光エリアを介して上記位相変調手段から出射される参照光内の基準位相との位相差としてπ/2の位相差が与えられるように上記各画素を駆動制御する位相制御手段を備えるものである。
このようにして本発明では、記録時には、記録データに応じた位相変調パターンを与えた信号光と、所定の位相変調パターンを与えた参照光とをホログラム記録媒体に対して照射するものとしている。これにより、記録データを位相の情報によって上記ホログラム記録媒体に対して記録することができる。
また、再生時には、参照光と、当該参照光内の基準位相との位相差がπ/2となる全体位相を有するDC光とを上記ホログラム記録媒体に対して照射するものとしている。
ここで、後述もするように、ホログラム記録媒体に記録された位相の情報は、従来のように参照光のみを照射したのでは適正に読み出すことができない。そこで、上記のようにして参照光と共に、信号光エリアを介して得られるDC光(振幅・位相が均一となるようにされたコヒーレントな光)を照射するものとしている。これにより、上記参照光の照射に応じてホログラム記録媒体から得られる再生光に対し、上記DC光が加算されるようにすることができ、このようにDC光が加算された再生光を読み出すことで、記録された位相の情報を適正に読み出すことができる。
なお、後述もするように、参照光の照射に応じて得られる上記再生光に上記DC光が正しく加算されるようにするためには、再生光内の基準位相(位相「0」が記録された部分の位相)とDC光の位相が同位相とされている必要がある。一方で、ホログラム記録再生方式においては、再生光の位相が、これを得るために照射した参照光の位相(参照光内の基準位相)に対してπ/2だけずれることになる。これらのことを考慮し、本発明では、上記のようにしてDC光の位相を、参照光内の基準位相との位相差がπ/2となるように設定している。これにより、再生光に対してDC光が適正に加算されるようにすることができる。
ここで、本発明において、上記参照光内の基準位相とは、記録時の参照光の位相変調パターンの付与時に位相変調器で位相「0」を与えた画素を介した光の位相を指す。例えば、記録時と再生時とで参照光に同じ位相変調パターンを与える場合には、再生時の参照光の位相変調パターンの付与時において、位相変調器で位相「0」を与えた画素を介した光の位相となる。
上記のようにして本発明によれば、記録データに応じた空間光変調として、空間光位相変調を行うことで、ホログラム記録媒体に対し位相の情報によりデータ記録を行う記録手法を実現することができる。また、このように記録された位相の情報を正しく読み出して、記録したデータを再生することのできる再生手法を実現できる。
また、上記のようにして再生時に参照光と共にDC光を照射する構成とすることで、従来の参照光のみを照射する手法と比較して再生光の光強度を増すことができ、これによって再生性能の向上を図ることができる。
以下、発明を実施するための最良の形態(以下実施の形態とする)について説明していく。
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態としての記録再生装置の内部構成について示した図である。なお、図1では主に記録再生装置の光学系の構成のみを抽出して示し、他の部分については省略している。
本例では、ホログラム記録再生方式として、いわゆるコアキシャル方式を採用する場合を例示する。なお、コアキシャル方式は、先にも述べたように信号光と参照光とを同一軸上に配置し、それらを共に所定位置にセットされたホログラム記録媒体に照射して干渉縞によるデータ記録を行い、また再生時には少なくとも参照光をホログラム記録媒体に対して照射することで干渉縞により記録されたデータの再生光を得る方式である。
また、本例では、ホログラム記録媒体として、反射膜を備えた反射型のホログラム記録媒体10に対応する場合の構成を例示する。
図1において、先ず、レーザダイオード(LD)1は、記録再生のためのレーザ光を得るための光源として設けられる。このレーザダイオード1としては、例えば外部共振器付きレーザダイオードが採用され、レーザ光の波長は例えば410nmとされる。
レーザダイオード1からの出射光はコリメータレンズ2を介した後、位相変調器3に対して入射する。
位相変調器3は、例えば透過型液晶パネルで構成され、後述する位相制御部13からの駆動信号によって各画素が駆動制御されることで、自らを透過する光に対して記録データに応じた空間光位相変調(以下、単に位相変調とも言う)を画素単位で施すようにされる。
このように透過光に対し画素単位による位相変調を施す位相変調器3としては、上記透過型液晶パネル内部の液晶素子を、次の図2に示す考えに基づき構成することで実現することができる。
図2(a)では、液晶パネル内の液晶素子に駆動信号(例えば駆動電圧)を印加していない状態、つまり駆動電圧OFFの状態での液晶分子の様子を示し、図2(b)では液晶素子に所定レベルでの駆動電圧を印加した状態(駆動電圧ONの状態)での液晶分子の様子を示している。
図示するようにして図2(a)の駆動電圧OFFの状態では、液晶分子は水平配向となり、また図2(b)に示す駆動電圧ONの状態では液晶分子は垂直配向に変化することになる。
このとき、液晶素子の屈折率nについて、駆動電圧OFFによる上記水平配向時の屈折率をnh、所定レベルでの駆動電圧ONによる上記垂直配向時の屈折率をnvとすると、液晶素子の厚さをdとした場合、駆動電圧OFF時に与えられる位相変化量は「d×nh」となり、駆動電圧ON時に与えられる位相変化量は「d×nv」となる。従ってこのことから、駆動電圧のON/OFFによって与えることのできる位相差Δndとしては、
Δnd=d×nh−d×nv
により表されるものとなる。
この関係式より、画素単位で所要の位相差を与えるにあたっては、液晶素子の厚さdを調整すればよいことがわかる。
本例で用いる位相変調器3としては、液晶素子の厚さdを調整することで、例えば位相差Δnd=2πとなるように設定している。すなわち、これによって各画素ごとに、上記ON/OFFとしての駆動電圧の切換を行うことで「0」と「2π」の2値による光位相変調を施すことが可能とされているものである。
このとき、上記のように所定レベルによる駆動電圧ON時と駆動電圧OFF時とで位相「0」「2π」の変調を行うことができるということは、駆動電圧レベルを上記所定レベルまで段階的に制御することで、位相は「0」〜「2π」まで段階的に変化させることができる。例えば、駆動電圧レベルを上記所定レベルの1/2とすれば、位相「π」による変調も可能となる。さらには、駆動電圧レベルを上記所定レベルの1/4とすれば、位相「π/2」による変調が可能となる。
また、この場合の位相変調器3には、後述するようにして参照光と信号光とをそれぞれ独立した光として生成することができるように、先の図21に示したものと同様に、参照光エリアA1、信号光エリアA2、ギャップエリアA3の各領域が設定されている。具体的に、この場合の位相変調器3については、その中心部を含む略円形の所定の画素範囲が信号光エリアA2とされ、この信号光エリアA2の外周側に隣接する略輪状の所定の画素範囲がギャップエリアA3、さらにこのギャップエリアA3の外周側に隣接する略輪状の所定の画素範囲が参照光エリアA1として設定されている。
図1に戻り、上記のような位相変調器3にって位相変調が施された光は、当該位相変調器3の出射面側に対して取り付けられたマスク素子12を介して出力される。
このマスク素子12には、次の図3に示されるように、上記位相変調器3と同様の参照光エリアA1、信号光エリアA2、ギャップエリアA3の領域設定が為され、ギャップエリアA3と、参照光エリアA1よりも外周側の領域とをマスク(遮光)するように構成されている。すなわちこれによって、上記位相変調器3における参照光エリアA1、信号光エリアA2を透過する光のみを透過するようにされている。このマスク素子12は、自らの参照光エリアA1、信号光エリアA2、ギャップエリアA3が、位相変調器3における参照光エリアA1、信号光エリアA2、ギャップエリアA3と一致するようにして位相変調器3に対して取り付けられている。
図1において、当該マスク素子12を介した光は、ビームスプリッタ4を透過した後、リレーレンズ5→遮光マスク6→リレーレンズ7によるリレーレンズ光学系を介し、さらに1/4波長板8を介した後に対物レンズ9で集光されてホログラム記録媒体10上に照射される。
ここで、記録時においては、後述するようにして位相変調器3が入射光に対する位相変調を行い、位相変調後の光がマスク素子12を介して出力されることで、所定の位相変調パターンが与えられた参照光と、記録データに応じた位相変調パターンが与えられた信号光とが得られる。そして、このようにして生成された信号光と参照光とが、上記により説明した経路を経て上記ホログラム記録媒体10上に集光するようにされることで、これら参照光と信号光との干渉縞によりホログラム記録媒体10に対するデータ記録が行われる。
一方、再生時においては、レーザダイオード1からの光が、記録時と同様にコリメータレンズ2を介して位相変調器3に入射される。再生時において位相変調器3は、位相制御部13による制御に基づき、入射光に対して後述する再生用の位相変調を施して参照光とDC光とを生成するようにされる。これに応じ再生時には、これら参照光とDC光とがホログラム記録媒体10に対して照射するようにされている。
参照光の照射に応じては、ホログラム記録媒体10上の干渉縞(記録データ)に応じた回折光が再生光として得られ、この回折光(再生光)は、ホログラム記録媒体10からの反射光として対物レンズ9を介した後、1/4波長板8→リレーレンズ7→遮光マスク6→リレーレンズ5を介してビームスプリッタ4に導かれる。また、上記DC光としても、ホログラム記録媒体10で反射され、同様の経路によってビームスプリッタ4に導かれる。
ビームスプリッタ4では、上記経路により導かれた再生光とDC光を反射するようにされ、この反射光は図示するようにしてイメージセンサ11に導かれる。イメージセンサ11は、例えばCCD(Charge Coupled Device)センサやCMOS(Complementary Oxide Semiconductor)センサなどの撮像素子を備え、上記のようにして導かれたホログラム記録媒体10からの反射光(再生光・DC光)を受光し、電気信号に変換する。これによって再生時には、後述するようにして上記再生光とDC光とが加算された成分が、イメージセンサ11により画像信号として読み出される。
データ再生部14は、このようにイメージセンサ11にて得られた画像信号(読み出し信号)について再生信号処理を行って、記録データを再生する。
なお、このデータ再生部14による動作については後述する。
図4は、上記構成による記録再生装置によって実現しようとする、第1の実施の形態としてのホログラム記録再生動作について説明するための図である。
図4において、図4(a)は記録時の位相変調器3における位相変調パターンを模式的に示し、図4(b)は再生時の位相変調器3における位相変調パターンを模式的に示している。
先ず、図4(a)において、記録時には、図示するようにして参照光エリアA1に対し所定の「0」「π」による位相変調パターンを与える。
また、信号光エリアA2には、記録データに応じた位相「0」「π」のパターンを与える。具体的には、「0」「1」による2値の組み合わせでなる記録データ列について、例えばビット「1」については位相「0」、ビット「0」については位相「π」を割り当てるようにして位相変調パターンを与える。
記録時において、位相変調器3がこのような位相変調を行うようにされることで、ホログラム記録媒体10に対しては、所定の「0」「π」の位相変調パターンを有する参照光と、記録データに応じた「0」「π」の位相変調パターンを有する信号光とが照射される。これによりホログラム記録媒体10に対しては、これら参照光と信号光との干渉縞によってデータが記録される。
この場合、信号光は上記のようにして「0」「π」の位相変調を受けたものであるので、このように形成される干渉縞は、位相の情報を含むものとなっている。つまりこれにより、位相情報によるデータ記録が実現される。
ここで、本例では、信号光・参照光について空間光強度変調は施さないので、これらの光の振幅は「1」(ON)で均一となる。
このように例えば「1」による振幅の光に対し、「0」による位相変調が与えられた場合(つまり位相変調器3における位相変調が施されない場合)、ホログラム記録媒体10に対しては振幅の情報として「1」が記録されることになる。
一方、振幅「1」の光に対して「π」(180度:つまり逆相)の位相変調が施された場合は、ホログラム記録媒体10には振幅の情報として「−1」が記録されることになる。
このようにして、位相「0」と「π」による変調で記録される情報は、振幅の値としてみれば、それぞれ「1」と「−1」となる。
ここで、この説明からも理解されるように、ホログラム記録再生方式においては、ホログラム記録媒体10に対して位相の情報を記録することができる。しかしながら、再生側において、仮に、従来のようにして参照光のみを照射して読み出しを行った場合には、ホログラム記録媒体10に記録された信号の光強度の読み出しはできるが、位相の情報(つまり振幅の違い)を正しく読み出すことができないものとなってしまう。これは、ホログラム記録再生系が非線形性を有していることによる。
このようなホログラム記録再生系の有する非線形性について説明しておくと、先ず、先の図1に示した構成も含め、一般的にホログラム記録再生方式による光学系は、SLM(空間光変調器)、対物レンズ、メディア、接眼レンズ、イメージセンサのそれぞれがレンズの焦点距離だけ離間して配置されている、4f光学系に基づく構成となっている。いわゆるフーリエ変換ホログラムと呼ばれる構成である。
このようなフーリエ変換ホログラムの構成では、記録再生系の一連の動作を、次のようにしてみなすことができる。すなわち、SLMの記録データパターンはフーリエ変換されてホログラム記録媒体(メディア)に投影され、メディアの読み出し信号(再生像)は逆フーリエ変換されてイメージセンサに投影される。そして、イメージセンサでは、そこに入力される光の波面の振幅の絶対値としての、光の強度を検出しているというものである。
このようなホログラム記録再生系の有する非線形性の問題から、従来のように再生時に参照光のみを照射した場合には、位相情報によって記録された信号を適正に読み出すことができないものとなっている。
このことについて、次の図5を参照して説明する。
図5は、ホログラム記録媒体10に対して光強度「1」の光に位相を組み合わせて記録される信号値を、横軸(x軸)を実数軸Re、縦軸を虚数軸Imとして表したものである。
上記実数軸Reは、原点を境に位相「0」と「π」を表す軸となる。また虚数軸Imは、原点を境に位相「π/2」と「3π/2」を表す軸となる。
或る強度を有する光に対し位相を組み合わせて記録した信号の値は、実数軸Reの値をx、虚数軸Imの値をyとした場合、座標(x、y)で表すことができる。具体的に、位相「0」を組み合わせて記録した信号値は(1,0)となる。また、位相「π」を組み合わせて記録した信号値は(−1,0)となる。さらに、位相「π/2」を組み合わせて記録した信号値は(0,1)となり、位相「3π/2」を組み合わせて記録した信号値は(0,−1)となる。
そして、このように座標(x、y)で表される信号値について、単に参照光のみを照射して読み出しを行った場合、イメージセンサ11において検出される光強度は、原点(0,0)からの距離として表されるものとなる。このことで、或る光強度(この場合は「1」)に対しどのような位相を組み合わせて記録を行ったとしても、イメージセンサ11で検出される光強度としては、記録した光強度の値「1」で同じとなってしまう。
そこで、本実施の形態では、再生時に参照光と共に、信号光エリアA2内を透過させた、振幅・位相が均一となるようにしたコヒーレントな光(DC光と呼ぶ)も併せて照射するものとしている。
ここで、このように信号光エリアA2を透過させて生成したDC光を照射するものとすれば、参照光の照射に応じて得られる再生光に対し、このDC光の有する振幅を加算することができる。具体的に、このDC光の振幅として「1」を加算することができれば、位相「0」により記録された振幅「1」の信号については、「1」+「1」とすることができる。つまりイメージセンサ11上にて検出される光強度としては(1+1)=2が検出されるようにできる。また、位相「π」により記録された振幅「−1」の信号については、「−1」+「1」とでき、これによってイメージセンサ11上では(−1+1)=0の光強度が検出されるようにすることができる。
このようにして再生光に対しDC光が加算されるようにして読み出しを行うことで、位相情報により記録されたビット「0」「1」を区別することができるようになり、データ再生を正しく行うことができる。
このようなDC光の加算読み出しの原理を、先の図5と同様の実数軸Re、虚数軸Imを用いて表すと、次の図6に示すようになる。
図6において、上記のように再生光に対して振幅「1」によるDC光が加算されるということは、図示するように各信号値に対しては、位相「0」の方向(実数軸Reの正方向)に振幅「1」が加算されるということになる。
このため、振幅「1」・位相「0」の組み合わせで記録された信号値(1,0)は図示するようにして(2,0)となり、振幅「1」・位相「π」の組み合わせで記録された信号値(−1,0)は(0,0)となる。このことから、これら信号値についてイメージセンサ11で検出される光強度は、それぞれ「2」と「0」となって、上述した結果が得られるものである。
このようなDC光の加算読み出しを実現するための、再生時の具体的な位相変調の一例を、図4(b)を参照して説明する。
先ず、再生時には、参照光エリアA1内の位相変調パターンは、記録時と同じ「0」「π」の変調パターンとする。本例のように、記録時に参照光に対し所定の位相変調パターンを与える位相多重化記録を行う場合には、このようにして再生時の参照光の位相変調パターンを記録時の参照光の位相変調パターンと同パターンとするこで、記録された信号が正しく読み出されるようにすることができる。
また、このようにして再生時の参照光の位相変調パターンを記録時と同パターンとすることで、再生時の参照光の位相は、記録時の参照光の位相と同じになる。
ここで、本明細書では、上記のような記録時の位相変調パターンの付与時に、位相「0」を与えた参照光エリアA1内の画素を基準画素とする。そして、「参照光内の基準位相」と言ったときは、参照光エリアA1内における上記基準画素を介した光の位相を指すものとする。
このことを踏まえると、上記のようにして再生時の参照光の位相変調パターンが記録時の位相変調パターンと同パターンに設定される場合、当該再生時の参照光内の基準位相は「0」となる。
また、図4(b)において、再生時の信号光エリアA2については、その全画素の位相を、参照光内の基準位相からπ/2だけずらした位相に設定する。具体的に、この場合の参照光内の基準位相は上述のように「0」であるので、信号光エリアA2内の全画素の位相は「π/2」に設定する。
ここで、先の説明によれば、DC光を加算して読み出しを行う本例の再生手法では、再生光に対し、DC光が振幅「1」の成分として加算されるようにする必要がある。このためには、再生光内において振幅の値が同じ「1」となる、位相「0」が記録された部分の位相と同位相となるようにDC光の位相を設定すればよい。
なお、この説明からも理解されるように、DC光の加算読み出しを行う上では、加算するDC光の位相は、再生光内における上記振幅「1」=位相「0」が記録された部分の位相を基準として設定すべきものとなる。このことを踏まえ、本明細書においては、このように再生光内における位相「0」が記録された部分の位相を、「再生光内の基準位相」と呼ぶこととする。
ここで、上記説明によると、DC光の位相については、参照光内の基準位相に対し「π/2」の位相差となるように設定するものとしているが、この場合、参照光の基準位相は「0」であり、このことによると、当該参照光の照射に応じて得られる再生光内の基準位相(位相「0」が記録された部分の位相)としても、同様に「0」となると考えられなくもない。つまりこのことから、DC光に設定すべき位相は、このような再生光内の基準位相と同様の「0」とすべきであると考えられなくもない。
しかしながら実際において、このようにDC光の位相を「0」とした場合には、当該DC光の位相と再生光内の基準位相とを同位相とすることができないものとなる。これは、下記の参考文献1にも記載されるように、ホログラム記録再生方式では、参照光を照射して再生光を得たとき、当該再生光の位相が、記録信号の位相からπ/2だけずれるという性質を有しているからである。つまり、このように再生光にπ/2の位相ずれが生じることに対応させるために、加算するDC光の位相としてもπ/2だけずらしたものに設定するというものである。

参考文献1.Kogelnik,H "Coupled wave theory for thick hologramgrating". Bell System Technical Journal,48,2909-47
ここで、位相の関係について整理しておくと、先ず前提として、上述のように所定の位相変調パターンが与えられた参照光を照射して位相「0」「π」の組み合わせで記録を行った場合の、記録信号内の位相「0」が記録された部分の位相(基準位相)が「0」であるとする。この前提を踏まえた上で、再生時には、上述のようにして記録時と同じ位相変調パターンを与えた参照光を照射し、再生光を得るようにされるが、このように記録時と同じ位相変調パターンによる参照光を照射すれば、単純に考えて、上記記録信号に応じて得られる再生光の基準位相は「0」のまま変化しないと予測できる。しかしながら実際には、上述のようにして再生光の位相は記録信号の位相から「π/2」だけずれたものとなってしまうことから、このことに対応させて、DC光の位相は上記のように「π/2」に設定する。この結果、再生光内の基準位相(π/2)とDC光の位相(π/2)を一致させることができるものである。
このとき、位相の関係を再生光と参照光とについて見てみると、参照光内の基準位相=「0」に対し、再生光の基準位相=「π/2」となっており、従って再生光内の基準位相は参照光内の基準位相に対し「π/2」だけずれたものとなることが理解できる。このことから、上記のようにしてDC光の位相としては、参照光内の基準位相に対し「π/2」の位相差となるように設定すればよい。
続いては、上記により説明した本実施の形態としての記録再生動作を実現するために、図1に示した位相制御部13、データ再生部14によって行われる動作について説明する。
先ず、位相制御部13について、その内部構成を次の図7に示す。なお、この図7では先の図1に示した位相変調器3とマスク素子12も併せて示している。
図7において、位相制御部13内には、記録符号化部15、マッピング部16、位相変調ドライバ17が備えられる。
位相制御部13に対しては、記録時においてビット「0」「1」の組み合わせによる記録データが供給され、この記録データが記録符号化部15に対して入力される。
記録符号化部15は、記録データを位相「0」「π」に対応する値に符号化する。具体的にこの場合は、記録データのビット「1」については位相「0」に対応する値を割り当てる。また、ビット「0」については位相「π」に対応した値を割り当てる。
マッピング部16は、記録時において上記記録符号化部15にて符号化されたデータを、記録フォーマットに従って1枚のホログラムページ内に配列する。このホログラムページとは、信号光エリアA2内に敷き詰められるデータ配列全体を指す。すなわち、信号光と参照光との干渉で一度に記録することのできるデータ単位をホログラムページと呼ぶものである。
また、マッピング部16は、このような信号光エリアA2内へのマッピングと共に、参照光エリアA1の所定の画素を位相「0」に対応した値とし、それ以外の画素を位相「π」に対応する値としたデータパターンを生成し、このデータパターンと上記信号光エリアA2内のデータパターンとを併せて位相変調器3の全有効画素分のデータパターンを生成する。そして、この全有効画素分のデータパターンを位相変調ドライバ17に対して供給し、各画素の駆動信号レベルを指示する。
ここで、位相変調器3は、先の図2において説明したように駆動信号のレベルに応じて可変的に各画素を駆動することが可能に構成される。具体的に、この場合の位相変調器3は、駆動信号のレベルに応じ、各画素ごとに位相を「0」〜「2π」の範囲内で可変的に変調することができる。これに対応して、位相制御部13内の位相変調ドライバ17は、上記マッピング部16から指示される値「0」〜「1」(例えば256階調であれば0〜255)に応じた駆動信号レベルにより位相変調器3の各画素を駆動するように構成されている。
これに伴い、マッピング部16及び記録符号化部15は、上記位相「0」に対応する値としては「0」を割り当て、上記位相「π」に対応する値としては「1/2」(127)を割り当てるようにされている。
位相変調ドライバ17は、マッピング部16より供給される上記データパターンとしての、各画素の駆動信号レベルの指示値に基づき、位相変調器3の各画素を駆動する。これにより、記録時において位相変調器3は、入射光に対して、信号光エリアA2内については画素単位で記録データに応じた「0」「π」の位相変調パターンを与え、参照光エリアA1内については画素単位で所定の「0」「π」の位相変調パターンを与えるようにして位相変調を行うようにされる。
なお、ここでは、参照光エリアA1と信号光エリアA2以外の範囲についての位相変調については特に述べなかったが、参照光エリアA1と信号光エリアA2以外の範囲については、マスク素子12によって遮光されることから、この範囲についてどのような位相変調を施したとしても本例の記録再生動作に影響が与えられるものではない。従ってこの部分の位相としては任意に設定されればよく、例えばこの場合は全て位相「0」を割り当てるものとする。なお、このことについては以下で説明する再生時の場合も同様である。
続いて、再生時の動作について説明する。
再生時において、位相制御部13内では、マッピング部16が、先の図4(b)にて説明したDC光と参照光とを生成するためのデータパターンを生成する。具体的には、参照光エリアA1を記録時と同様の位相「0」「π」(つまり「0」「1/2」)のパターンとし、且つ信号光エリアA2内を位相「π/2」に対応する値、すなわち「1/4」(63)で埋めたデータパターンを生成する。そして、このデータパターンを含む位相変調器3の全有効画素分のデータパターンを、位相変調ドライバ17に供給する。
このようなマッピング部16の再生時の動作が行われることで、位相変調器3では、入射光に対し、参照光エリアA1内については記録時と同じ「0」「π」の位相変調パターンを画素単位で与え、信号光エリアA2内については全画素に対し「π/2」による位相変調を与えるようにされる。この結果、マスク素子12からの出射光として、先の図4(b)について説明した記録時と同じ位相変調パターンによる参照光と、この参照光内の基準位相との位相差が「π/2」となるDC光が得られるようにすることができる。
再生時において、これら参照光とDC光とが照射されることに応じては、イメージセンサ11にて、参照光の照射に応じホログラム記録媒体10から得られた再生光と、この再生光内の基準位相と同位相となるようにされた上記DC光とが加算された成分についての読み出し信号が得られる。
イメージセンサ11にて得られた読み出し信号は、図1に示したデータ再生部14に対して供給される。
データ再生部14は、イメージセンサ11からの読み出し信号(画像信号)中に含まれる、位相変調器3の画素単位(データピクセル単位)の値ごとに「0」「1」のデータ識別を行って、ホログラム記録媒体10に記録されたデータを再生する。
ここで、先にも説明したように記録時においては、記録データのビット「1」について位相「0」が割り当てられ、ビット「0」について位相「π」が割り当てられている。そして、DC光の加算が行われることによっては、位相「0」により記録された振幅「1」の信号については(1+1)=2の光強度が検出される。また、位相「π」により記録された振幅「−1」の信号については(−1+1)=0の光強度が検出される。
このことに対応して、データ再生部14では、イメージセンサ11からの画像信号中における光強度「2」が検出されたデータピクセルについてはビット「1」、光強度「0」が検出されたデータピクセルについてはビット「0」と判定する。このようなデータ識別が行われることで、ホログラム記録媒体10に対して記録された「0」「1」によるデータを適正に再生することができる。
なお、上記説明では、イメージセンサ11にて得られた画像信号中における各データピクセルの位置を特定するための処理については特に言及しなかったが、このような位置特定を行うにあたっては、従来より行われている一般的な手法として、記録データ内にシンクと呼ばれる所定パターンデータを挿入しておくということが行われる。その場合、データ再生部14としては、イメージセンサ11から供給された画像信号中から上記所定パターンとしてのシンク部分を探索し、その結果検出されたシンクの位置に基づいて各データピクセルの位置を特定する処理を行う。
このような各データピクセルの位置特定手法としては、従来より提案されている手法、或いは今後提案される手法など適宜最適とされる手法が採用されればよく、ここで特に限定されるべきものではない。
また、このように各データピクセルの位置が特定された後には、データピクセルごとの値(振幅値)を取得する処理を行うことになるが、例えば従来では、特定された各データピクセルの位置の周囲の値から補間処理を行ってそのデータピクセルの振幅値を計算により取得するようにされている。これは、画像処理の分野で一般的な手法であり、双線形補間法(Bi-linear interpolation method)、3次補間法(Cubic convolution method)、双3次スプライン法 (Bicubic spline method)などが知られている。また、計算によらず、特定された位置から最もタイミングの近い信号値をそのデータピクセルの振幅値として選択する最近傍法(Nearest neighbor method)もある。
このような振幅値の取得処理についても多様な手法を採ることができ、ここでその手法について特に限定はしない。
以上のようにして本実施の形態によれば、記録データに応じた空間光変調として、空間光位相変調のみを行うことで、ホログラム記録媒体10に対し位相の情報によりデータ記録を行うことができる。また、再生時には、参照光と共にDC光を照射した読み出しを行うことで、ホログラム記録媒体10に位相の情報により記録されたデータを正しく再生することができる。
また、再生時においてDC光が照射されることで、従来の参照光のみを照射して読み出しを行う場合と比較して、再生光の光量を増加させることができる。これにより、データ検出の安定化を図ることができ、再生性能の向上が図られる。
<第2の実施の形態>

続いて、第2の実施の形態について説明する。
図8は、第2の実施の形態としての記録再生装置の内部構成を示している。なお、この図8においても先の図1と同様に主に記録再生装置の光学系の構成のみを抽出して示し、他の部分については省略している。また、図8において、既に第1の実施の形態で説明した部分については同一符号を付して説明を省略する。
第2の実施の形態の記録再生装置は、画素単位で空間光位相変調を行う位相変調器として、第1の実施の形態で用いていた透過型による位相変調器3に代え、反射型の位相変調器(反射型位相変調器20)を用いるようにしたものである。反射型の位相変調器としては、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal:強誘電性液晶)を用いたものが知られているが、本例の反射型位相変調器20としても、例えばこのFLCで構成されたものを用いる。
このように位相変調器として反射型位相変調器20を用いることに対応させて、この場合の記録再生装置では、図示するようにしてレーザダイオード1から出射されコリメータレンズ2を介して得られる光を入射するようにされたビームスプリッタ22を追加するものとしている。このビームスプリッタ22は、コリメータレンズ2からの入射光を反射して上記反射型位相変調器20側に導くようにされると共に、反射型位相変調器20からの反射光を透過して、これを後述する位相素子21を介してビームスプリッタ4に導くようにして設けられる。
なお、上記ビームスプリッタ4より後段の構成は、先の図1の場合と同様となるので改めての説明は省略する。
また、反射型位相変調器20に対しては、第1の実施の形態の場合と同様にマスク素子12が取り付けられる。反射型位相変調器20に対しては、位相変調器3と同様、予め参照光エリアA1、信号光エリアA2、ギャップエリアA3が設定されており、この場合もマスク素子12は、自らに設定される参照光エリアA1、信号光エリアA2、ギャップエリアA3が、反射型位相変調器20にて設定される参照光エリアA1、信号光エリアA2、ギャップエリアA3とそれぞれ一致するようにして反射型位相変調器20におけるレーザ光の入/出射面側に対して取り付けられる。
また、反射型位相変調器20に対しては、位相制御部13からの駆動信号が供給される。この反射型位相変調器20としても、内部の液晶素子(各画素)が上記駆動信号に基づき駆動制御されることで、入射光に対する位相変調を施すようにされている。
ここで、上記FLCも含めて、反射型の位相変調器としては、現状において位相変調の充分なダイナミックレンジを確保することが非常に困難とされている。具体的に言えば、第1の実施の形態で用いた透過型の位相変調器3のように、「π/2」などといった微妙な位相変調を施すことが非常に困難とされている。このため、現状において反射型の位相変調器は、π単位による位相変調が限界とされている。
このようにして、π単位による位相変調が限界とされて、第1の実施の形態の場合のようなπ/2単位による位相変調ができないとすると、位相変調器を用いた変調のみでは参照光の基準位相とDC光の位相とにπ/2の位相差を与えることができず、DC光の加算読み出しを適正に行うことができなくなってしまう。
そこで、第2の実施の形態では、反射型位相変調器20には「0」「π」の位相変調による参照光と信号光の生成機能のみを担わせるものとし、再生時に必要なπ/2単位による位相変調(位相差付与)は、位相素子21に担わせるものとしている。
この位相素子21としては、例えば光ディスクの分野における波長板などとして用いられる、偏光方向に応じた異方性を有する位相子(位相板)を備えて構成される。
ここで、周知のようにこのような位相子は、光学軸方位の偏光方向を有する入射光の位相を、その直交方向に対して一定量変調するものである。すなわちこのことから、位相子の光学軸方位を、入射光の偏光方向と一致する方向に設定しておくことで、当該位相子を透過した光に一定量の位相変調を与えることができるものである。
図9は、このような位相子を用いて構成した位相素子21の断面構造図を示している。
この図9に示されるように、位相素子21としては、図中の斜線部により示すように、信号光エリアA2に対応する領域が、位相子で構成された位相差付与領域21aとされる。なお以下では、位相子21aと表記することもある。また、この位相差付与領域21a以外の領域が例えばガラス材などの透過性を有する材料で構成されている。
この場合、位相差付与領域21aの直径は、少なくとも信号光エリアA2の直径以上で且つ参照光エリアA1の内径以下となるように設定されている。つまりこれによって、反射型位相変調器20の信号光エリアA2を介した光と、参照光エリアA1を介した光に対して一定量の位相差を付与することが可能とされている
本例の場合、上記位相子21aは、自らの光学軸方位が入射光の偏光方向と一致する方向とされた場合に、当該位相子21aよりも外周部分を透過した光と当該位相子21aの透過光とにπ/2の位相差を与えるようにして構成されている。この場合は、当該位相素子21aの透過光側の位相がπ/2だけ遅れるように構成されている。つまり、当該位相子21aの外周部分を透過した光の位相を「0」とした場合に、位相子21aを透過した光の位相が「π/2」となるようにされている。
但し、上記位相素子21によって信号光エリアA2を介した光と参照光エリアA1を介した光とに常にπ/2の位相差が与えられてしまっては、記録時においてもこのπ/2による位相差が与えられてしまい、先に説明した実施の形態としてのDC光の加算読み出しが有効に行われなくなってしまう。
そこで、位相素子21を記録時と再生時とで90°回転駆動することで、例えば再生時にのみ位相素子21(位相子)による位相差付与が行われるようにする。このために、図8に示される記録再生装置では、回転駆動部23と、この回転駆動部23による回転動作を制御する駆動制御部24を設けている。
図8において、回転駆動部23は、位相素子21を保持すると共に、例えばモータなどの回転手段を有し、この回転手段による回転駆動力によって上記位相素子21を回転駆動する。なお、回転駆動部23の取付位置は、上記のようにして位相素子21を保持した状態で、反射型位相変調器20の信号光エリアA2を介した光が位相子21aを介してのみ出力されるようにして設定されている。
そして、回転駆動部23には、位相素子21の回転動作に対するストッパとして、位相子21aの光学軸方位が入射光の偏光方向と一致する状態と、その状態から90°回転された状態とが得られるようにするためのストッパが設けられている。このストッパによって、正確な回転角度の制御が行われるように図られている。
駆動制御部24は、記録時と再生時とで位相素子21が90°回転されるように上記回転駆動部23を制御する。具体的に、記録時には、上記回転駆動部23におけるモータの回転方向を制御することで、位相子21aの光学軸方位が当該位相子21aへの入射光の偏光方向と一致する状態となるように位相素子21を回転させ、また再生時には、上記モータを記録時とは逆方向に回転させて、位相素子21を記録時の状態から90°回転されるようにする。
このような記録/再生時における位相素子21の回転制御が行われることで、記録時には信号光と参照光とに位相差が付与されず、先の第1の実施の形態の場合と同様の通常の記録動作が行われるようにすることができる。また、再生時には、反射型位相変調器20の信号光エリアA2を介して得られる光(DC光)と、参照光エリアA1を介して得られる光とにπ/2の位相差を与えて、参照光内の基準位相との位相差がπ/2となるDC光を生成することができる。
ここで、このような位相素子21によるπ/2単位による位相変調を行うことに対応させて、この場合の位相制御部13では、再生時において、信号光エリアA2内の各画素については位相「0」となるように制御する。具体的に、この場合の位相制御部13内のマッピング部16は、再生時において、反射型位相変調器20の参照光エリアA1内を記録時と同じ「0」「π」パターンとし、信号光エリアA2内の位相はすべて「0」で埋めた反射型位相変調器20の全有効画素分のデータパターンを生成し(この場合もギャップエリアA3と参照光エリアA1より外周部分は位相「0」とする)、このデータパターンによって位相変調ドライバ17に各画素の駆動信号レベルを指示する。
なお、確認のために述べておくと、反射型位相変調器20は、「0」と「π」の位相変調のみを行うものであり、従って当該反射型位相変調器20に対して供給する駆動信号としてはONレベルとOFFレベルの2種のみとなる。従ってこの場合のマッピング部16から位相変調ドライバ17への指示値としては、位相「0」については「0」、位相「π」については「1」となる。
上記により説明したような第2の実施の形態としての記録再生装置により、反射型位相変調器20のようにπ/2以下の単位による位相変調が不能とされた位相変調器を用いる場合にも、DC光の加算読み出しによる再生動作が実現されるようにすることができる。
なお、これまでの説明では、位相素子21が入射光に対する異方性を有する位相子21aを備えることで、π/2単位による位相差を与えるように構成する場合を例示したが、位相素子21としては、例えば断面厚の差によって透過光にπ/2単位による位相差を与えるように構成することもできる。具体的に、その場合の位相素子21としては、例えばガラス材で構成し、例えば「π/2」の位相差を与えるとした場合には、当該ガラス材の屈折率をn、入射光の波長をλとしたとき、断面厚の差tを、t=λ/{4(n−1)}に設定すればよい。
或いは、位相素子21としては、屈折率の違いによる光路長差により所定の位相差を与えるように構成することもできる。
そして、このように断面厚の差や屈折率の差によって位相差を与えるように構成した場合は、位相素子21を再生時のみ光路中に挿入することで、先の図8に示した構成とする場合と同様の効果を得ることができる。従って、この場合の位相素子21の駆動手段としては、例えば位相素子21をスライド駆動するものなど、位相素子21を光路に対して出し入れ可能に構成されたものを設ける。
また、上記説明では、信号光エリアA2を介した光の位相がπ/2だけ遅れるように位相素子21を構成する場合を例示したが、逆に、参照光側に対してπ/2の位相遅れを与えるようにしてもよい。
ここで、参照光側にπ/2の位相遅れを与えた場合、参照光内の基準位相はπ/2となるので、これに応じては、反射型位相変調器20で信号光エリアA2に与える位相として「π」を割り当てればよい。これにより、再生光の基準位相=「π」、DC光の位相=「π」で同位相とすることができる。
また、再生時に位相素子21による位相変調(位相差付与)を行うものとしたが、逆に記録時において位相素子21による位相変調が行われるようにしてもよい。
例えば、記録時において信号光側にπ/2の位相遅れを与えた場合、ホログラム記録媒体10に記録される信号の位相はπ/2ずれたものとなる。そして、この記録信号について、再生時に参照光を照射して得られる再生光の位相ずれは、さらにπ/2ずれて「π」のずれとなる。従ってこの場合には、このような「π」の位相ずれが与えられる再生光に対しDC光の位相を同位相とするために、反射型位相変調器20にて信号光エリアA2に与える位相は「π」とすればよい。
このようにして記録側で位相素子21による位相変調を行うようにした場合にも、DC光の加算読み出しを有効に行うことができる。
また、位相素子21の挿入位置がビームスプリッタ22とビームスプリッタ4の間とされる場合を例示したが、位相素子21としては、参照光エリアA1全体を透過する光と、信号光エリアA2全体を透過する光に所定の位相差を与えるために、反射型位相変調器20にて設定される参照光エリアA1と信号光エリアA2とに応じて空間的に分割されているものであるので、その挿入位置としては以下の2通りが可能である。
・反射型位相変調器20の実像面または実像面付近(必要に応じてリレーレンズ光学系を追加する)
・コリメートされたレーザ光と反射型位相変調器20の間
つまりこの条件によれば、位相素子21の挿入位置は、例えば反射型位相変調器20とビームスプリッタ22との間、リレーレンズ7と対物レンズ9との間、或いはコリメータレンズ2とビームスプリッタ22との間とすることができる。
但し、例えば上記のように反射型位相変調器20とビームスプリッタ22との間とした場合には、位相素子21に対しレーザ光が往復するようにして2度透過することになるので、この場合の位相素子21としては、このような2度の透過に応じて「π/2」の位相差を与えるように構成されることになる。
なお、このことからも理解されるように、位相素子21としては、入射光に対し少なくともπ/2以下の単位による位相変調(位相差付与)が可能となるように構成されていればよいものとなる。具体的に、上記のように反射型位相変調器20とビームスプリッタ22との間に挿入する場合は、入射光に対しπ/4単位による位相差付与が可能となるように構成されていればよい。
3−3.第3の実施の形態

続いて、第3の実施の形態について説明する。
第3の実施の形態は、DC光の加算読み出しを利用した読み出し手法として、いわゆる差動検出と呼ばれる手法を採用した再生動作を行うものである。
具体的に、この差動検出とは、再生光に対して加算するDC光として、再生光内の基準位相と同位相としたDC光と、さらに逆相(位相差π)としたDC光とを順次照射し、これらのDC光が再生光に対してそれぞれ加算された2つの読み出し結果を得た上で、その結果の差分をとるというものである。
図10は、このような差動検出を行う場合の再生時の動作の概要を模式的に示している。
先ず、この場合も再生時には、参照光に対し記録時と同じ位相変調パターンを与えるものとしている。つまり、参照光内の基準位相はこの場合も「0」である。
差動検出では、ホログラム記録媒体10に記録された1ホログラムページ分のデータの読み出しにつき、DC光の位相を変えた2回の読み出しを行うようにされる。1回目に照射されるDC光は、これまでの各実施の形態の場合と同様のDC光となる。すなわち、参照光内の基準位相との位相差がπ/2とされたDC光となる。
これにより、1回目の読み出し時には、再生光に対して、当該再生光内の基準位相と同位相(位相差0)となるDC光が加算される。すなわち、再生光に対する振幅「1」の成分となるDC光が加算された結果が読み出される。
そして、2回目の読み出し時には、図示するようにしてDC光の位相を、参照光内の基準位相との位相差が3π/2となる位相に設定する。先の説明から理解されるように、再生光の位相は、参照光内の基準位相に対してπ/2だけずれたものとなるので、上記によるDC光の位相の設定によっては、当該DC光と再生光との位相差を「π」とすることができる。
これに応じ、2回目の読み出し時には、再生光に対し、当該再生光に対する振幅「−1」の成分となるDC光が加算された結果が読み出されることになる。
ここで、図11を参照して、差動検出の原理について説明する。なお図11ではホログラム記録媒体10に対し或る光強度を有する光と任意位相の組み合わせで記録された信号を、先の図5と同様に実数軸Reと虚数軸Imを基準とした信号点により表している。図11(a)は記録信号に位相「0」による振幅aを加算した場合を、また図11(b)は記録信号に位相「π」による振幅aを加算した場合を示している。
先ず、図11の各図において、この場合も記録された信号の値は座標(x、y)として表している。
ここで、当然のことながら、参照光を照射して得られる再生光は、ホログラム記録媒体10に対して記録された信号の値を反映したものとなる。このことを踏まえると、当該再生光に対し、上述した動作のように位相差0、位相差πとなるDC光(振幅はaである)が加算されるということは、図11(a)(b)のそれぞれに示すようにして、実数軸Reと虚数軸Imとを基準として示した記録信号(x、y)に対し、それぞれ位相「0」による振幅a、位相「π」による振幅aが加算されることに相当する。
先の図5においても説明したように、記録信号についてのイメージセンサ11による検出出力値(センサ出力の値とする)は、その記録信号の座標から原点までの距離として表されることになる。このことより、図11(a)における位相「0」による振幅aが加算されたときのセンサ出力の値は、図中のcで表され、また図11(b)における位相「π」の振幅aが加算されたときのセンサ出力の値は、図中のdで表される。
このような前提を踏まえた上で、
(x,y) : 記録された信号のRe軸、Im軸の値
a : 加算された位相「0」、位相「π」の振幅
c : 位相「0」の振幅加算後のセンサ出力の値
d : 位相「π」の振幅加算後のセンサ出力の値
とすると、図11(a)に示す位相「0」による振幅aを加算した場合には、

2=(x+a)2+y2

という関係が成り立つ。
同様に、図11(b)に示す位相「π」による振幅aを加算した場合には、

2=(x−a)2+y2

という関係が成り立つことになる。
本実施の形態の差動検出としては、このように位相「0」による振幅aを加算された再生光のセンサ出力と、位相「π」による振幅aを加算された再生光のセンサ出力との差分をとるものである。つまりこのことによると、当該差動検出によっては、上記c2と上記d2との差分、ひいては「c2−d2」を計算していることに相当する。そしてその計算結果は、

2−d2={(x+a)2+y2}−{(x−a)2+y2}=4ax

となる。
このようにして差動検出によれば、xに比例した値のみが得られることになる。すなわち、ホログラム記録媒体10に対して記録された振幅の情報のみを表す値が得られるものである。
なお、このような差動検出において、加算する振幅aの大きさについては特に範囲の制約は無いが、a=0ではc2−d2=0となることから明らかなように、振幅aの値については許される範囲で大きい方が望ましい。
ここで、このようにxに比例した値が得られるということは、この場合の差動検出によれば、実数軸Re上の信号点となるようにして記録された信号であれば、これを正しく読み出すことができるということになる。
第3の実施の形態としても、これまでの各実施の形態と同様に、位相「0」と「π」の組み合わせて記録を行うものである。つまりこれら記録信号の座標は(−1,0),(1,0)であり、共にy=0である。このことから、上記のようにして差動検出によりxに比例した成分のみが正しく得られるようになれば、位相「π」の組み合わせで記録された信号(−1,0)もその振幅が負の成分であることが正しく検出されるようにすることができる。
この結果、位相の差のみで記録された信号を正しく再生することができる。
また、差動検出によれば、さらにSNR(S/N比)の改善効果を得ることができる。
ここで、実施の形態では、記録する位相の組み合わせを「0」と「π」としているので、ホログラム記録媒体10に記録される信号の値は、上述のように(1,0)または(−1,0)となる。すなわち、共にy=0となる。但し、これは理想値であって、実際にはこれら位相「0」と「π」の間の中間的な位相が生じ、xの成分のみでなくyの成分も与えられてしまうことがある。このとき、yの成分が与えられてしまうということは、原点からの距離として表されるところのセンサ出力値が、本来は(x,0)までの距離となるところが、(x、y)という異なる点までの距離とされてしまうことを意味する。このことによると、yの成分は、記録された信号に対するノイズ成分であることが理解できる。
これに対し、差動検出を行った場合は、上述のようにしてxに比例した値のみが得られることになる。つまり、これによれば、上記のようにノイズ成分とみなすことのできるyの成分が除去されるものとなるので、この結果、読み出し信号に生じるノイズ成分の抑圧が図られ、SNRの改善が図られることになる。
ここで、上記により説明したような差動検出を行うにあたっての記録再生装置の構成としては、先の第1の実施の形態の構成、または第2の実施の形態の構成の何れに基づくものとしてもよい。
例えば、第1の実施の形態の構成を採用する場合、位相制御部13内のマッピング部16の動作を、以下のように変更する。なお、記録時の動作としては第1の実施の形態の場合と同様となるので説明は省略する。
この場合のマッピング部16は、再生時において、 先の図10にて説明したような1回目と2回目の参照光・DC光の位相が設定されるように、1ホログラムページの読み出しごとに以下のような動作を行う。
先ず、参照光エリアA1については1回目、2回目の双方とも記録時と同じ位相変調パターンとする。
その上で、1回目の読み出し時の動作として、信号光エリアA2について、その全域を位相「π/2」に対応する「1/4」で埋めたデータパターンを生成し、当該データパターンと上記参照光エリアA1の位相変調パターン(データパターン)とを合わせて位相変調器3の全有効画素分のデータパターンを生成し、これを位相変調ドライバ17に対して供給する。
そして、これに続く2回目の読み出し時の動作として、参照光エリアA1は1回目と同パターンとしたままで、信号光エリアA2の全域を、位相「3π/2」に対応した「3/4」に変更した位相変調器3の全有効画素分のデータパターンを生成し、これを位相変調ドライバ17に対して供給する。
また、第2の実施の形態の構成を採用するとした場合、マッピング部16の再生時の動作を以下のように変更する。
つまり、第2の実施の形態の場合は、再生時におけるπ/2単位の位相変調は不要であるので、1回目の読み出し時には、信号光エリアA2についてその全域を位相「0」に対応する「0」で埋めたデータパターンを生成し、当該データパターンと、この場合も記録時と同パターンとなるようにした参照光エリアA1のデータパターンとを合わせて反射型位相変調器20の全有効画素分のデータパターンを生成し、これを位相変調ドライバ17に対して供給する。
また、2回目の読み出し時の動作としては、参照光エリアA1を1回目と同パターンとしたままで、信号光エリアA2の全域を位相「π」に対応した「1」に変更した反射型位相変調器20の全有効画素分のデータパターンを生成し、これを位相変調ドライバ17に対して供給する。
このように反射型位相変調器20におけるDC光の位相変調は1回目=参照光の基準位相との位相差「0」、2回目=参照光の基準位相との位相差「π」となるが、この場合は位相素子21による再生時のπ/2単位による位相差付与が行われることで、結果的に、DC光と参照光の基準位相との位相差は1回目「π/2」、2回目「3π/2」となり、これによって再生光の基準位相とDC光の位相差が1回目「0」、2回目「π」となるようにすることができる。
また、差動検出を行う場合は、イメージセンサ11にて1ホログラムページの読み出しごとに順次得られる、再生光に対し当該再生光内の基準位相との位相差が「0」となるDC光が加算された光についての読み出し結果(第1の画像信号とする)と、再生光に対し当該再生光の基準位相との位相差が「π」となるDC光が加算された光についての読み出し結果(第2の画像信号とする)について、それらの差分を計算してデータ再生を行うための構成が必要となる。
このための構成として、これまでの第1及び第2の実施の形態で用いていたデータ再生部14に代えて、次の図12に示されるようなデータ再生部25を設ける。なお、図12ではデータ再生部25の内部構成と共に、イメージセンサ11も併せて示している。
図12において、データ再生部25には、差分計算部26とデータ識別部27が備えられる。
差分計算部26は、上記のようにして1ホログラムページの読み出しごとに得られる第1の画像信号と第2の画像信号とをイメージセンサ11より入力し、それらの差分としての画像信号を得る。具体的には、第1の画像信号の値をc2、第2の画像信号の値をd2としたとき、c2−d2で表される差分計算を行うことで、先に説明した4axの値で表わされるところの画像信号を得る。
また、データ識別部27は、上記差分計算部26による差分計算結果としての画像信号を入力し、この画像信号中に含まれる位相変調器のデータピクセル単位の値ごとに「0」「1」のデータ識別を行ってデータ再生を行う。
ここで、先にも説明したように上記差分計算結果としての4axの値は、記録された信号の振幅の極性を正しく表すものとなっている。この場合、記録信号としては位相「0」=振幅「1」、位相「π」=振幅「−1」の2値の何れかであるので、データ識別部27は、これら2値を識別するために、上記差分計算結果としての画像信号中のデータピクセルごとの値の極性を判別する。この場合も記録時には、第1及び第2の実施の形態の場合と同様に、記録データのビット「1」については位相「0」、ビット「0」については位相「π」が割り当てられているので、これに対応してデータ識別部27は、上記極性が正である場合はビット「1」、負である場合はビット「0」と識別する。これによって記録された「0」「1」のデータを正しく再生することができる。
なお、第3の実施の形態では、1回目の読み出し時に再生光の基準位相とDC光の位相が同位相となるようにDC光・参照光を照射し、2回目の読み出し時に再生光の基準位相とDC光の位相差が「π」となるようにDC光・参照光を照射する場合を例示したが、これらを逆順とすることもできる。
<第4の実施の形態>

これまでの説明では、記録時において信号光エリアA2に与える位相変調パターンを、単に記録データのビット値に応じて位相「0」「π」を割り当てたパターンとする場合を例示したが、このとき、信号光内における「0」と「π」の配列がランダムとならない場合には、信号光と参照光との干渉効率の低下を招く。
また、信号光内に含まれる位相「0」=振幅「1」、位相「π」=振幅「−1」の数の比によっては、信号強度の非常に強いDC成分が記録されてしまう虞がある。具体的には、振幅「1」の数に比例して、信号強度の非常に強いDC成分が記録されてしまう虞がある。
ここで、一般的にホログラム記録再生では、ホログラム記録媒体10に対してホログラムページを多重化して記録することが想定されている。このことを考慮すると、上記のようなDC成分が記録された部分は他のホログラムページを重複して記録できない部分となり、その結果、各ホログラムページの間隔を空けて記録を行わなければならなくなってしまう。
そこで、第4の実施の形態では、信号光内に含まれる位相「0」と位相「π」の数がほぼ同数となるようにし、上記DC成分の抑圧を図る。
そのための構成として、次の図13に示されるような位相制御部30を備える。
図13において、この位相制御部30としては、先の第1〜第3の実施の形態の記録再生装置が備える位相制御部13に代えて設けられるものとなる。そして、この位相制御部30の内部構成としては、位相制御部13内の記録符号化部15に代えて、記録変調符号化部31が設けられたものとなっている。
記録変調符号化部31は、記録時において供給される記録データを、例えば次の図14に示されるような変調符号化テーブルに基づいてDCフリーな符号に変換する。なお、ここで言う「DCフリー」とは、位相「0」と位相「π」の数を同数とすることを指す。
この図14では一例として、記録データの2ビットを1シンボルとし、この記録データの1シンボルごとに、DCフリーな4値の位相の組み合わせによる符号に変換する場合の変調符号化テーブルを示している。具体的には、図示するようにして記録データの「11」の組み合わせに対しては位相「00ππ」の組み合わせが対応づけられ、「10」の組み合わせに対しては位相「0π0π」の組み合わせが対応づけられている。また記録データの「01」の組み合わせに対しては位相「0ππ0」の組み合わせが対応づけられ、「00」の組み合わせに対しては位相「π00π」の組み合わせが対応づけられている。
このようにして変調符号化テーブルには、所定ビット数を1シンボルとしたときの記録データのビット「0」「1」の組み合わせごとに、DCフリーな位相の組み合わせが対応づけられた構造となっている。記録変調符号化部31は、このような変調符号化テーブルに基づき、記録データを1シンボルごとに、DCフリーな位相の組み合わせによる符号に変換する。
なお、図14では説明の便宜上、位相の値そのものが格納されるものとして示したが、実際には位相「0」「π」に対応する値(つまり第1の実施の形態の場合であれば位相「0」=「0」、位相「π」=「1/2」、第2の実施の形態の場合であれば位相「0」=「0」、位相「π」=「1」)の組み合わせが格納されるものとなる。
図13において、この場合のマッピング部16としても、記録時において入力される符号列を記録フォーマットに従って信号光エリアA2内にマッピングする動作を行う。これにより、この場合の信号光エリアA2内には、位相「0」に対応する値と位相「π」に対応する値とがほぼ同数となるようにマッピングが行われるものとなり、このような信号光エリアA2内のパターンに基づき位相変調ドライバ17による位相変調器3(又は反射型位相変調器20)に対する駆動制御が行われることで、信号光内の位相「0」と位相「π」の数がほぼ同数となるようにすることができる。
このように信号光内の「0」と「π」の数がほぼ同数とされることで、信号光内の位相「0」と「π」の配列をランダムとすることができ、記録時における参照光と信号光との干渉効率の向上を図ることができる。また、同時にフーリエ面(ホログラム記録媒体10上での像)において均質にスペクトルをばらまくことができ、信号光内のDC成分の抑圧も図ることができる。
ここで、上記のようなDCフリーな符号による記録が行われた場合、再生側では、読み出されたDCフリー符号を元の「0」「1」による2値データに復号化することになる。
具体的に、第1及び第2の実施の形態の構成とする場合に第4の実施の形態を適用するときは、データ再生部14が、DC光の加算読み出しによってイメージセンサ11にて得られた画像信号について、位相変調器(3,20)のデータピクセル単位で位相「0」「π」を識別して位相「0」「π」の組み合わせによる符号列を得た上で、図14に示したような変調符号化テーブルを用いて上記符号列を「0」「1」の2値によるデータ列に復号化する動作を行うようにする。
また、第3の実施の形態に第4の実施の形態を適用する場合は、データ再生部25内のデータ識別部27が、差分計算部26から供給された画像信号について位相変調器(3,20)のデータピクセル単位で位相「0」「π」を識別し、位相「0」「π」の組み合わせによる符号列を得た上で、上記変調符号化テーブルを用いて上記符号列を「0」「1」の2値によるデータ列に復号化する動作を行うようにする。
このようにすることで、符号化前の元の記録データが正しく再生されるようにすることができる。
<変形例>

以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明としてはこれまでに説明した実施の形態に限定されるべきものではない。
例えば、これまでの説明では、再生時における参照光の位相パターンは記録時と同じとする場合を前提としたので、第1の実施の形態で説明したDC光の加算読み出し時において、信号光エリアA2に与える位相は「π/2」とする場合を例示したが、DC光の加算読み出しを実現するにあたっては、再生光の基準位相とDC光の位相とが同位相となるように、参照光エリアA1内の基準画素の位相と信号光エリアA2内の画素とに「π/2」による位相差が与えられるようにすればよい。
例えば、参照光の位相変調パターンを、記録時と再生時とでその「0」と「π」を入れ替えたパターンとすることで、再生時の参照光内の基準位相は、記録時の参照光内の基準位相から「π」だけずらすことができる。
このように参照光の位相変調パターンを記録時と再生時とで逆パターンとし、再生時における参照光の基準位相を記録時から「π」ずらした場合、DC光の加算読み出しを行うために信号光エリアA2の各画素に設定されるべき位相の値は、この「π」による基準位相に対し「π/2」だけずらした「3π/2」に設定すればよい。
また、位相素子21を用いる第2の実施の形態としても、再生時における参照光の位相パターンは記録時と同じとする場合を前提とし、これに応じ、信号光エリアA2に与える位相は「0」としたが、この場合もDC光の加算読み出しを実現するにあたっては、再生光の基準位相とDC光の位相とが同位相となるようにすればよい。つまり第2の実施の形態の場合は、位相素子21によるπ/2単位の位相変調が行われることに対応させて、参照光エリアA1内の基準画素の位相と信号光エリアA2内の画素とに「0」または「π」による位相差が与えられるようにすればよい。
例えば、参照光の位相変調パターンを記録時と同じとせず、上述したように記録時と逆パターンとして「π」だけずらすようにした場合には、信号光エリアA2内に対して与える位相は「π」とすればよい。
また、第2の実施の形態において、位相素子21としては位相差付与領域21aを透過した光とそれ以外の領域を透過した光とにπ/2の位相差を与えるように構成したが、これに代えて、3π/2による位相差を与えるように構成することもできる。例えばこのように3π/2の位相差を与えるように構成したとして、記録時と再生時の参照光の位相パターンを同パターンとする場合には、信号光エリアA2内に与える位相は「π」とすればよい。或いは、参照光の位相変調パターンを記録時と逆パターンとして基準位相を「π」ずらす場合には、信号光エリアA2内に与える位相は「0」とすればよい。このようにして、位相素子21がπ/2単位による位相差を与えるように構成されるという条件の下では、DC光の加算読み出しを実現するにあたって、参照光エリアA1内の基準画素の位相と信号光エリアA2内の画素とに「0」または「π」による位相差が与えられるようにすればよい。
また、第3の実施の形態では、記録時と再生時とで参照光の位相パターンを同じとする場合を前提としたことに応じ、差動検出を行うにあたって信号光エリアA2内に順次設定する位相を、第1の実施の形態の構成を適用する場合は「π/2」、「3π/2」、第2の実施の形態の構成を適用する場合は「0」、「π」としたが、差動検出を実現するにあたっては、再生光の基準位相とDC光との位相差が「0」と「π」となるようにすればよい。
この条件を満たすにあたり、例えば第1の実施の形態の構成を適用する場合には、参照光エリアA1内の基準画素の位相と信号光エリアA2内の画素とにそれぞれ「π/2」と「3π/2」による位相差が順次与えられるようにすればよい。例えば、上述のようにして参照光の位相パターンを記録時と逆パターンとして基準位相を記録時から「π」だけずらすようにした場合は、信号光エリアA2内に対して与える位相はそれぞれ「3π/2」と「π/2」とすればよい。
また、第2の実施の形態の構成を適用する場合には、参照光エリアA1内の基準画素の位相と信号光エリアA2内の画素とにそれぞれ「0」と「π」による位相差が順次与えられるようにすればよい。例えば、参照光の位相パターンを記録時と入れ替えて基準位相を「π」ずらした場合は、信号光エリアA2内に対して与える位相はそれぞれ「π」と「0」とすればよい。
また、これまでの説明では、ホログラム記録媒体10に対して記録する位相の組み合わせを「0」と「π」としたが、それ以外の位相の組み合わせで記録を行うものとしてもよい。
例えば「0」と「π/2」とした場合を想定してみると、それらの信号値は、先の図5に示したように(1,0)と(0,1)となる。DC光の加算によっては、Re軸の右方向(正方向)に振幅「1」が加算されるので、位相「0」=(1,0)は(2,0)となって光強度「2」が検出され、また位相「π/2」=(0,1)は(1,1)となって光強度として「√2」が検出されることになる。つまり、これら「2」と「√2」という光強度の差によって、記録した位相の違いを識別でき、その結果に基づいてデータ再生を行うことができる。
なお、このようにしてDC光の加算読み出しを実現するという観点のみからずれば、記録する位相の組み合わせは任意とすることが可能であるが、記録されるそれぞれの位相の差が充分に大きくない場合は、参照光を照射した際の再生光の回折効率がその分低下し、充分な再生光量が得られなくなってしまうことになる。これは、メディアに対して記録されたホログラム(つまり回折格子)と参照光との回折効率が最大となるのは、記録される位相の組み合わせが逆相の関係となる(位相差が「π」となる)ときであることによる。
従ってこのことから、各実施の形態で例示したように位相「0」と「π」の組み合わせで記録を行うものとした場合には、その分再生光量の低下の防止が図られ、再生性能の悪化防止を図ることができる。
また、特に第4の実施の形態のようにDCフリーな位相の組み合わせによる記録を行ってDC成分の抑圧を図るとした場合は、記録されるそれぞれの位相の差が小さく設定されてしまうと、充分なDC成分抑圧効果が得られなくなってしまう。つまりこの点でも、位相「0」と「π」の組み合わせで記録を行い、記録されるそれぞれの位相の差を「π」とすることが有利となる。
また、これまでの説明では、マスク素子12が位相変調器(3,20)に対して取り付けられるようにして設けられる場合を例示したが、マスク素子12としては、先の位相素子21と同様の理由から、少なくとも以下の条件が満たされる位置に対して挿入されればよい。
・位相変調器の実像面または実像面付近(必要に応じてリレーレンズ光学系を追加する)
・コリメートされたレーザ光と位相変調器の間
例えば、図1の構成においては、リレーレンズ7と対物レンズ9との間、或いはコリメータレンズ2と位相変調器3との間に対し挿入することもできる。また図8の構成においては、例えば同様にリレーレンズ7と対物レンズ9との間や、或いはコリメータレンズ2とビームスプリッタ22との間に挿入することもできる。
また、本発明の遮光手段としては、このような1つの素子として構成する場合に限らず、例えば位相変調器におけるレーザ光の入/出射面に対し遮光性を有する材料を塗布するなどして実現することもできる。
また、マスク素子12としては、ギャップエリアA3と、参照光エリアA1より外周側の領域とを遮光するように構成したが、例えば入射光のスポット径が参照光エリアA1までの径と同等とされるように調整されている場合には、敢えて参照光エリアA1より外周側の領域を遮光する必要はなく、ギャップエリアA3のみを遮光するように構成されればよい。
また、このことから、マスク素子12としては、ギャップエリアA3を設けない場合には必須の構成とはならい。つまり、例えば参照光エリアA1と信号光エリアA2の両領域の光の漏れ込みが無視できる程度に少なく、ギャップエリアA3を省略することができる場合には、マスク素子12による遮光は不要となり、マスク素子12を省略した構成とすることができる。
また、これまでの説明では、円形とされる信号光エリアA2よりも外側に当該信号光エリアA2と同じ中心をもつ輪状の参照光エリアA1が設けられる場合を例示したが、信号光エリア、参照光エリアの形状は、それらが同じ中心をもつようにして配置されていれば、このような円形と輪状の組み合わせに限定されるものではない。また、参照光エリアを内側、信号光エリアを外側に配置することもできる。
或いは、参照光エリアと信号光エリアは、次の図15に示すように半々に分割して配置するものとしてもよい。
ここで、このように参照光と信号光を半々に分割する場合における記録/再生動作について、次の図16を参照して説明しておく。なお、図16(a)、図16(b)の各図ではホログラム記録媒体10と、記録再生装置の構成のうちビームスプリッタ4、対物レンズ9、イメージセンサ11のみを抽出して示している。図16(a)では、記録時にホログラム記録媒体10に対し照射される信号光と参照光の様子を模式的に示し、図16(b)では再生時にホログラム記録媒体10に対し参照光が照射され、当該参照光の照射に応じホログラム記録媒体10から得られた再生光がイメージセンサ11上に導かれる様子を模式的に示している。
また、各図において、縦破線はレーザ光の光軸を表している。
先ず、先の図15に示したように参照光と信号光とを半々に分割して配置する場合、図16(a)に示されるようにして、参照光と信号光とはレーザ光軸を中心として対称に配置されることになる。そして記録時には、図示するようにして参照光と信号光とがホログラム記録媒体10上に集光して、これら信号光と参照光の干渉縞によってデータを記録することができる。
一方、再生時には、図16(b)に示されるようにホログラム記録媒体10に対し参照光が照射されることで、再生光が得られる。この場合、参照光としては、図示するようにレーザ光軸を境とした一方の半円部にのみ配置されるようにしてホログラム記録媒体10に照射されるので、この参照光の反射光は、図のようにしてレーザ光軸の反対側に抜けるようにして装置側に戻るようにされる。また、上記再生光は、図16(a)に示したように記録時の信号光が参照光と反対側の半円部に配置されて記録が行われることに伴い、図中の色付き矢印により示すように、レーザ光軸を基準として上記参照光の反射光が出射される側とは逆側に対して出射される。これら再生光、参照光反射光は、それぞれ対物レンズ9→ビームスプリッタ4を介してイメージセンサ11上に結像するが、このとき、上記のようにして参照光反射光は再生光に対し反対側に出射されるので、イメージセンサ11上で再生光のノイズ成分となることが防止されている。すなわち、この点で、原理上はホログラム記録媒体10に記録されたデータを適正に読み出すことが可能とされている。
しかしながら、このように参照光と信号光とを半々に分割配置する手法を採用する場合、次の図17に示されるような参照光のレンズ反射成分が、イメージセンサ11上で結像する再生光のノイズ成分となり得ることを考慮しなければならい。すなわち、再生時においてホログラム記録媒体10に対して照射される参照光は、その過程でリレーレンズ5、6や図中の対物レンズ9などの複数のレンズを介するようにされるが、このとき、それらのレンズ表面において参照光の反射光が生じる。
このようにレンズ表面にて生じた参照光の反射成分(参照光レンズ反射成分とする)は、図示するように再生光と同じ側に生じるものとなり、従ってこの場合、イメージセンサ11上では再生光に対してこの参照光レンズ反射成分が重なるようにして照射されてしまうことになる。すなわち、このことで、参照光レンズ反射成分が再生光に対するノイズ成分となり、この結果、ホログラム記録媒体10に記録されたデータについての読み出しを正しく行うことができなくなってしまう虞がある。
このような事情から、参照光と信号光とを半々に分割配置する場合に本発明の記録再生手法を適用する場合には、対物レンズ9を始めとした各レンズの表面に、参照光レンズ反射成分の発生を防止するためにAR(Anti Reflection)コート処理を施すものとすればよい。
なお、先の図16(b)では説明の便宜上、再生時に参照光のみを照射して読み出しを行う様子を示したが、このように参照光と信号光とを半々に分割配置する場合としても、同様に再生時に信号光エリアを介して生成したDC光を照射することで、先の各実施の形態で説明したものと同様の原理でDC光の加算読み出し、及び差動検出を行うことができる。
但し、現実においては、上記のようにしてレンズ表面にARコート処理を施したとしても、レンズ表面反射を100%防止することは非常に困難である。実際、現状において実用化されているARコートの反射光のオーダーは、10-3程度となる。
ここで、ホログラム記録再生方式では、記録時において信号光と参照光が同程度の強度(例えば1:1)で干渉することで、ホログラム(回折格子)が記録される。そして、再生時には、参照光の照射により、記録されたホログラムに応じた回折光が再生光として得られる。
このとき、参照光と、その照射に応じて得られる再生光との強度差(つまり回折効率)は、一般に1.0×10-3(1/1000)程度とされている。従ってこのことによると、上記のような現状で実用化されているARコート処理を施したとしても、参照光レンズ反射成分の光量は、再生光の光量と同程度までにしか抑制できないものとなってしまう。すなわち、この場合は再生光とノイズ光との強度が同程度となることで、記録データの読み出しを行うことが現実的に不可能となる。
そこで、上記のような半々に分割配置する場合には、現状よりもさらに反射光の防止効果の高いARコートを施すものとすればよい。
しかしながら、そのようなARコート処理を施すとした場合、各レンズの製造コストの増加が懸念される。例えばこのような点から、参照光と信号光とを半々に分割配置する手法は、実用性の面で問題があることは否定できない。
このことを踏まえると、参照光エリアと信号光エリアの配置関係については、好ましくは実施の形態で例示したように同心状の関係となるようにする。すなわち、このように参照光エリアA1と信号光エリアA2を同心状に配置することによっては、参照光と信号光が共にレーザ光軸の周囲を取り囲むような形状となり、これによって上述した半々配置の場合のような照射光と反射光との位置ずれを防止することができる。そして、これによれば、参照光レンズ反射成分が再生光に対して重ならないようにすることができ、この結果、適正にデータ読み出しを行うことができる。
このようにして同心状に配置するものとすれば、半々配置とする場合のような高度なARコートは不要とすることができ、これによって装置製造コストの削減が図られると共に、本発明の記録再生装置をより現実的なものとして実現できる。
また、これまでの説明では、記録再生装置が反射膜を備える反射型のホログラム記録媒体10に対応する場合を例示したが、反射膜を備えない透過型のホログラム記録媒体に対応する場合にも好適に適用できる。
その場合、再生系においては、再生光をイメージセンサ側に導くためのビームスプリッタ(4)は省略することができる。代わりにこの場合は、参照光の照射に応じて得られる再生光がホログラム記録媒体自体を透過することになるので、レーザ光の出射点側から見てホログラム記録媒体の反対側にさらに対物レンズ(集光レンズ)を設けておき、透過光としての再生光を当該集光レンズを介してイメージセンサ側に導くように構成すればよい。
確認のために述べておくと、このような透過型の場合としても記録再生の基本動作自体は反射型の場合と同様であり、記録時は信号光と共に参照光を照射してホログラム記録媒体上にそれらの干渉縞によってデータを記録し、再生時はホログラム記録媒体に対し参照光及びDC光を照射してそれにより得られる再生光及びDC光をイメージセンサで検出してデータ再生することに変わりはない。
また、これまでの説明では、本発明がホログラム記録媒体に対して記録及び再生を行う記録再生装置に適用される場合を例示したが、本発明としては、記録のみが可能な記録装置、再生のみが可能な再生装置に対しても好適に適用できる。記録装置とした場合、記録データに応じた空間光変調として位相変調を行うことでホログラム記録媒体に対し位相の情報によりデータ記録を行う記録手法を実現することができる。また、再生装置とした場合、ホログラム記録媒体に記録された位相の情報を読み出すことで記録したデータを再生することのできる再生手法を実現することができる。
なお、確認のために述べておくと、記録装置とした場合は、位相変調の最小単位がπとされる反射型位相変調器20を設けたとしても、位相素子21を設ける必要はない。つまり、記録時においてはπ/2単位による位相変調は不要にできるからである。
本発明の第1の実施の形態としての記録再生装置の内部構成を示した図である。 第1の実施の形態の記録再生装置が備える位相変調器内の液晶素子の構造について説明するための図である。 マスク素子の構造について説明するための図である。 第1の実施の形態の記録再生装置が行う記録再生動作について説明するための図として、記録時と再生時に参照光エリア、信号光エリアに与える位相変調パターンを例示した図である。 ホログラム記録媒体に対して記録される信号値を実数軸と虚数軸を用いて表した図である。 実数軸と虚数軸を用いてDC光が加算される様子を示した図である。 第1の実施の形態の記録再生装置が備える位相制御部の内部構成を示した図である。 第2の実施の形態の記録再生装置の内部構成を示した図である。 第2の実施の形態の記録再生装置が備える位相素子の構造を示した図である。 差動検出による再生手法(第3の実施の形態)について説明するための図である。 差動検出の原理説明図である。 差動検出を実現するために備えられるべきデータ再生部の内部構成を示した図である。 第4の実施の形態としての記録手法(DCフリー記録)を実現するために備えられるべき位相制御部の内部構成を示した図である。 DCフリーな記録変調符号化の例について説明するための図として、変調符号化テーブルのデータ構造例を示した図である。 信号光と参照光との配置関係についての変形例を示した図である。 信号光と参照光とを半々に分割配置する場合における記録/再生時のレーザ光の様子を模式的に示した図である。 信号光と参照光とを半々に分割配置する場合において、再生時に生じた参照光のレンズ反射成分により再生光に影響が与えられる様子を模式的に示した図である。 従来例としての記録再生装置の内部構成を示した図である。 従来の記録手法ついて説明するための図である。 従来の再生手法について説明するための図である。 強度光変調器にて設定される参照光エリア、信号光エリア、ギャップエリアの各エリアについて説明するための図である。
符号の説明
1 レーザダイオード(LD)、2 コリメータレンズ、3 位相変調器、4,22 ビームスプリッタ、5,7 リレーレンズ、6 遮光マスク、8 1/4波長板、9 対物レンズ、10 ホログラム記録媒体、11 イメージセンサ、12 マスク素子、13,30 位相制御部、14,25 データ再生部、15 記録符号化部、16 マッピング部、17 位相変調ドライバ、20 反射型位相変調器、21 位相素子、21a 位相差付与領域(位相子)、23 回転駆動部、24 駆動制御部、26 差分計算部、27 データ識別部、31 記録変調符号化部

Claims (13)

  1. 参照光と信号光との干渉縞によってデータが記録されるホログラム記録媒体に対する記録再生を行う記録再生装置であって、
    入射光に対し画素単位で空間光位相変調を行うと共に、上記信号光を生成するための領域としての信号光エリアと上記参照光を生成するための領域としての参照光エリアとが設定された位相変調器を少なくとも有し、上記参照光エリアを介した光と上記信号光エリアを介した光に位相差を与えることが可能となるように構成された位相変調手段と、
    光源から発せられ上記位相変調手段を介して得られる光を上記ホログラム記録媒体に対して導く光学系と、
    上記位相変調器に対する制御を行う位相制御手段として、記録時には、上記信号光エリア内の位相変調パターンが記録データに応じたパターンとなり且つ上記参照光エリア内の位相変調パターンが所定パターンとなるようにして上記位相変調器の各画素を駆動制御し、再生時には、上記信号光エリアを介して上記位相変調手段から出射されるDC光の全体位相と、上記参照光エリアを介して上記位相変調手段から出射される参照光内の基準位相との位相差としてπ/2の位相差が与えられるように上記各画素を駆動制御する位相制御手段と、
    を備えることを特徴とする記録再生装置。
  2. 上記位相変調手段は、
    上記位相変調器として、π/2単位による位相変調が可能な位相変調器を備え、
    上記位相制御手段は、再生時の制御として、
    上記信号光エリア内の全画素の位相と上記参照光エリア内の基準画素の位相との位相差がπ/2となるように上記位相変調器の各画素を駆動制御する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の記録再生装置。
  3. 上記位相変調手段は、
    π単位による位相変調が可能な位相変調器と、
    第1の領域と第2の領域とを有し、上記第1の領域の透過光と上記第2の領域の透過光にπ/2以下の単位による位相差を与えることができるように構成された位相素子との組み合わせで成り、
    上記位相素子を動かす駆動手段と、
    上記駆動手段を制御する駆動制御手段とをさらに備えると共に、
    上記位相制御手段は、再生時の制御として、
    上記信号光エリア内の全体画素の位相と上記参照光エリア内の基準画素の位相との位相差が0またはπとなるように上記位相変調器の各画素を駆動制御し、
    上記駆動制御手段は、
    記録時または再生時の何れか一方で上記第1の領域の透過光と上記第2の領域の透過光に位相差が与えられるように上記位相素子が動かされるようにして上記駆動手段を制御する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の記録再生装置。
  4. 上記位相制御手段は、再生時の制御として、
    上記ホログラム記録媒体に記録される1ホログラムページの読み出しごとに、上記DC光の全体位相と上記参照光内の基準位相との位相差として、上記π/2の位相差と3π/2の位相差が順次与えられるように上記各画素を駆動制御すると共に、
    上記位相制御手段の再生時の制御に伴い2種得られる上記DC光と、上記参照光の照射に応じてホログラム記録媒体から得られる再生光とを受光することで、1ホログラムページの読み出しごとに、上記2種のDC光と上記再生光とが加算された2種の画像信号を得る画像検出手段と、
    上記画像検出手段により1ホログラムページの再生ごとに得られる上記2種の画像信号の差分を計算する差分計算手段とを備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載の記録再生装置。
  5. 上記位相変調手段は、
    上記位相変調器として、π/2単位による位相変調が可能な位相変調器を備え、
    上記位相制御手段は、再生時の制御として、
    1ホログラムページの読み出しごとに、上記信号光エリア内の全画素の位相と上記参照光エリア内の基準画素の位相とにπ/2の位相差と3π/2の位相差が順次与えられるように上記位相変調器の各画素を駆動制御する、
    ことを特徴とする請求項4に記載の記録再生装置。
  6. 上記位相変調手段は、
    π単位による位相変調が可能な位相変調器と、
    第1の領域と第2の領域とを有し、上記第1の領域の透過光と上記第2の領域の透過光にπ/2以下の単位による位相差を与えることができるように構成された位相素子との組み合わせで成り、
    上記位相素子を動かす駆動手段と、
    上記駆動手段を制御する駆動制御手段とをさらに備えると共に、
    上記位相制御手段は、再生時の制御として、
    1ホログラムページの読み出しごとに、上記信号光エリア内の全画素の位相と上記参照光エリア内の基準画素の位相とに0の位相差とπの位相差が順次与えられるように上記位相変調器の各画素を駆動制御し、
    上記駆動制御手段は、
    記録時または再生時の何れか一方で上記第1の領域の透過光と上記第2の領域の透過光に位相差が与えられるように上記位相素子が動かされるようにして上記駆動手段を制御する、
    ことを特徴とする請求項4に記載の記録再生装置
  7. 上記光学系における所定位置に対して挿入され、少なくとも上記位相変調器における上記信号光エリアと上記参照光エリアとの間のギャップエリアを介した光を遮光するように構成された遮光手段をさらに備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載の記録再生装置。
  8. 上記位相制御手段は、記録時において、
    上記記録データを、位相0とπの数が同数となる組み合わせで成る符号列に変換し、当該符号列に基づき上記信号光エリア内の各画素を駆動制御する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の記録再生装置。
  9. 参照光と信号光との干渉縞によってデータが記録されるホログラム記録媒体に対する記録再生を行う記録再生装置として、入射光に対し画素単位で空間光位相変調を行うと共に、上記信号光を生成するための領域としての信号光エリアと上記参照光を生成するための領域としての参照光エリアとが設定された位相変調器を少なくとも有し、上記参照光エリアを介した光と上記信号光エリアを介した光に位相差を与えることが可能となるように構成された位相変調手段と、光源から発せられ上記位相変調手段を介して得られる光を上記ホログラム記録媒体に対して導く光学系とを備えた記録再生装置における記録再生方法であって、
    記録時において、上記信号光エリア内の位相変調パターンが記録データに応じたパターンとなり且つ上記参照光エリア内の位相変調パターンが所定パターンとなるようにして上記位相変調器の各画素を駆動制御する記録時位相制御手順と、
    再生時において、上記信号光エリアを介して上記位相変調手段から出射されるDC光の全体位相と、上記参照光エリアを介して上記位相変調手段から出射される参照光内の基準位相との位相差としてπ/2の位相差が与えられるように上記各画素を駆動制御する再生時位相制御手順と、
    を備えることを特徴とする記録再生方法。
  10. 参照光と信号光との干渉縞によってデータが記録されるホログラム記録媒体に対する記録を行う記録装置であって、
    入射光に対し画素単位で空間光位相変調を行うと共に、上記信号光を生成するための領域としての信号光エリアと上記参照光を生成するための領域としての参照光エリアとが設定された位相変調器と、
    光源から発せられ上記位相変調器を介して得られる光を上記ホログラム記録媒体に対して導く光学系と、
    上記信号光エリア内の位相変調パターンが記録データに応じたパターンとなり且つ上記参照光エリア内の位相変調パターンが所定パターンとなるようにして上記位相変調器の各画素を駆動制御する位相制御手段と、
    を備えることを特徴とする記録装置。
  11. 参照光と信号光との干渉縞によってデータが記録されるホログラム記録媒体に対する記録を行う記録装置として、入射光に対し画素単位で空間光位相変調を行うと共に、上記信号光を生成するための領域としての信号光エリアと上記参照光を生成するための領域としての参照光エリアとが設定された位相変調器と、光源から発せられ上記位相変調器を介して得られる光を上記ホログラム記録媒体に対して導く光学系とを備えた記録装置における記録方法であって、
    上記信号光エリア内の位相変調パターンが記録データに応じたパターンとなり且つ上記参照光エリア内の位相変調パターンが所定パターンとなるようにして上記位相変調器の各画素を駆動制御する、
    ことを特徴とする記録方法。
  12. 参照光と信号光との干渉縞によってデータが記録されるホログラム記録媒体に対する再生を行う再生装置であって、
    入射光に対し画素単位で空間光位相変調を行うと共に、上記信号光を生成するための領域としての信号光エリアと上記参照光を生成するための領域としての参照光エリアとが設定された位相変調器を少なくとも有し、上記参照光エリアを介した光と上記信号光エリアを介した光に位相差を与えることが可能となるように構成された位相変調手段と、
    光源から発せられ上記位相変調手段を介して得られる光を上記ホログラム記録媒体に対して導く光学系と、
    上記信号光エリアを介して上記位相変調手段から出射されるDC光の全体位相と、上記参照光エリアを介して上記位相変調手段から出射される参照光内の基準位相との位相差としてπ/2の位相差が与えられるように上記各画素を駆動制御する位相制御手段と、
    を備えることを特徴とする再生装置。
  13. 参照光と信号光との干渉縞によってデータが記録されるホログラム記録媒体に対する再生を行う再生装置として、入射光に対し画素単位で空間光位相変調を行うと共に、上記信号光を生成するための領域としての信号光エリアと上記参照光を生成するための領域としての参照光エリアとが設定された位相変調器を少なくとも有し、上記参照光エリアを介した光と上記信号光エリアを介した光に位相差を与えることが可能となるように構成された位相変調手段と、光源から発せられ上記位相変調手段を介して得られる光を上記ホログラム記録媒体に対して導く光学系とを備える再生装置における再生方法であって、
    上記信号光エリアを介して上記位相変調手段から出射されるDC光の全体位相と、上記参照光エリアを介して上記位相変調手段から出射される参照光内の基準位相との位相差としてπ/2の位相差が与えられるように上記各画素を駆動制御する、
    ことを特徴とする再生方法。
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