JP2010067322A - 再生装置、強度変調ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】参照光と共にコヒーレント光を照射して読み出しを行う場合において、上記コヒーレント光の光強度に起因して生じる再生像のコントラスト低下の抑制を図り、再生特性の向上を図る。
【解決手段】偏光方向制御型の空間光変調器(偏光方向制御器4)と偏光ビームスプリッタとの組み合わせで光強度変調を行うように構成する。例えば上記空間光変調器と偏光ビームスプリッタとの間に偏光方向制御素子(例えば1/2波長板)を挿入し、本来は偏光ビームスプリッタにて除去されるべきOFFピクセル(データ「0」の画素)の光が上記偏光ビームスプリッタを介して対物レンズ側にわずかに導かれるようにする。その上で、コヒーレント光の生成にあたっては、信号光エリア内の各画素を「1」ではなく「0」で変調する。このことで、コヒーレント光として微少な光量による光を生成することができ、結果、再生像のコントラストの向上が図られ、再生特性が向上する。
【選択図】図7

Description

本発明は、参照光と信号光との干渉縞によってデータが記録されたホログラム記録媒体についての再生を行う再生装置、及び偏光ビームスプリッタを利用した光強度変調を行う強度変調ユニットに関する。
特開2006−107663号公報 特開2007−79438号公報 特開2008−152827号公報
例えば上記の特許文献1,2にあるように、信号光と参照光との干渉縞によりホログラムを形成することでデータの記録を行い、また上記干渉縞としてのホログラムにより記録されたデータを上記参照光の照射によって再生するホログラム記録再生方式が知られている。このホログラム記録再生方式としては、上記信号光と上記参照光とを同軸上に配置して記録を行う、いわゆるコアキシャル方式が知られている。
図21、図22は、コアキシャル方式によるホログラム記録再生手法について説明するための図として、図21は記録手法、図22は再生手法についてそれぞれ示している。
先ず、図21において、記録時には、光源からの入射光に対し、SLM(空間光変調器)101にて空間光強度変調(光強度変調、又は単に強度変調とも称する)を施すことで、図のように同軸上に配置された信号光と参照光とを生成するようにされる。SLM101は、例えば画素単位で入射光を透過/遮断する液晶パネルなどで構成することができる。
このとき、上記信号光としては、記録データに応じた強度パターンを与えるようにして生成する。また、上記参照光は、予め定められた所定の強度パターンを与えるようにして生成する。
このようにSLM101にて生成された信号光及び参照光は、位相マスク102に入射する。このとき、位相マスク102によっては、図示されるように信号光・参照光に対してランダム位相パターンが与えられる。
ここで、信号光・参照光に対してランダムな位相変調パターンを与えるのは、信号光と参照光との干渉効率の向上や、信号光・参照光のスペクトルの拡散を図ることでDC成分を抑圧し、高記録密度化を図るためである。
このようなDC成分の抑圧を図るための具体的な位相変調パターンとしては、例えば「0」「π」の2値によるランダムパターンを設定するものとされている。すなわち、位相変調を行わないピクセル(つまり位相=0)と、位相をπ(180°)だけ変調するピクセルとが半々となるようなランダムな位相変調パターンを設定するものである。
ここで、SLM101による光強度変調によっては、信号光として、その光強度が記録データに応じて「0」「1」に変調された光が生成される。このような信号光に対し、「0」又は「π」による位相変調が施されることによっては、光の波面の振幅として、「−1」「0」「1(+1)」を有する光がそれぞれ生成されることになる。すなわち、光強度「1」で変調されたピクセルについて位相「0」の変調が与えられたときは、振幅は「1」であり、位相「π」による変調が得られたときは振幅は「−1」となる。なお、光強度「0」のピクセルについては位相「0」又は「π」の何れの変調に対しても振幅は「0」のままである。
確認のために、図23に位相マスク102が無い場合(図23(a))と有る場合(図23(b))とでの信号光・参照光の違いを示しておく。なお、この図23においては色濃度により光の振幅の大小関係を表現している。具体的に、図23(a)では黒色→白色により振幅「0」→「1」を表し、図23(b)では黒色→灰色→白色により振幅「−1」→「0」→「1(+1)」を表している。
上記位相マスク102による位相パターンは、ランダムパターンとされている。これによって、SLM101から出力される信号光内の光強度「1」のピクセルを振幅「1」と「−1」とにランダム(半々)に分けることができるようにされている。このように振幅「1」と「−1」とにランダムに分けられることで、フーリエ面(周波数平面:この場合はメディア上での像と考えればよい)において均質にスペクトルをばらまくことができ、これによって信号光におけるDC成分の抑圧を図ることができる。また位相マスク102によれば、参照光のDC成分の抑圧も図られ、結果として上記フーリエ面におけるDC成分の発生の防止が図られる。
このようにDC成分の抑圧が図られれば、データ記録密度の向上を図ることができる。
なぜなら、DC成分が生じた場合、該DC成分によって記録材料が大きく反応し、ホログラムの多重記録を行うことができなくなってしまう。すなわち、DC成分が記録された部分に対しては、それ以上ホログラム(データ)を多重させて記録することができなくなってしまうからである。
上記のようなランダム位相パターンによってDC成分の抑圧が図られれば、データの多重記録が可能となり、高記録密度化が図られる。
説明を戻す。
上記位相マスク102を介した信号光、参照光は、共に対物レンズ103によって集光されてホログラム記録媒体HMに対して照射される。これにより、ホログラム記録媒体HMにおいては、信号光(記録像)に応じた干渉縞(回折格子:ホログラム)が形成される。すなわち、該干渉縞の形成によってデータが記録されるものである。
続いて、再生時においては、先ず図22(a)に示されるように、入射光に対するSLM101の空間光変調(強度変調)によって、参照光を生成するようにされる。そして、このように生成された参照光が位相マスク102→対物レンズ103を介してホログラム記録媒体HMに対して照射される。
このように参照光がホログラム記録媒体HMに照射されることにより、図22(b)に示すように、記録されたホログラムに応じた回折光が得られ、該回折光がホログラム記録媒体HMからの反射光として出力されることになる。すなわち、記録データに応じた再生像(再生光)が得られる。
そして、このようにして得られた再生像を、例えばCCD(Charge Coupled Device)センサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサなどとされるイメージセンサ104で受光し、該イメージセンサ104の受光信号に基づき、記録されたデータの再生が行われる。
ここで、上記のようにしてホログラム記録再生システムでは、記録データに応じた強度情報を有する信号光について、「0」「π」による位相変調を施した上で記録を行うことでDC成分の抑圧を図り、ホログラムの多重記録を可能としている。
このような位相変調記録を行った場合、先の図23(b)に示したように、信号光には振幅情報として「0」「+1」「−1」の3値が含まれることになる。つまり、これらの3値がホログラム記録媒体HMに対して記録されるものである。
しかしながら、ここで問題となるは、再生時において再生像の検出を行うイメージセンサ101は、光強度の情報しか検出できないという点である。
ここで、ホログラム記録再生システムの光学系は、一般的にSLM、対物レンズ、メディア、接眼レンズ(対物レンズ)、イメージセンサのそれぞれがレンズの焦点距離だけ離間して配置されている、4f光学系に基づく構成となっている。いわゆるフーリエ変換ホログラムと呼ばれる構成である。
このようなフーリエ変換ホログラムの構成では、先に説明した記録再生の一連の動作を、次のようにみなすことができる。すなわち、SLMの記録データパターンはフーリエ変換されてホログラム記録媒体(メディア)に投影され、メディアの読み出し信号(再生像)は逆フーリエ変換されてイメージセンサに投影される。そして、イメージセンサでは、そこに入力される光の波面の振幅の絶対値が2乗された、光の強度を検出しているというものである。
この点から、従来のホログラム記録再生システムは、強度・位相の双方を記録可能とされるのに対し、再生側ではそのうちの強度の情報しか再生できないという、非線形性を有するものとなっている。従来のホログラム記録再生システムでは、このような非線形性の問題から、位相変調記録を行った場合に適正にデータ再生を行うことが非常に困難とされていた。
このような非線形性の問題の解決を図るべく、先に本出願人は、メディアに記録された位相の情報(具体的にこの場合は振幅「−1」の情報)も適正に読み出す「線形読み出し」を実現するための技術を提案している。具体的には、上記した特許文献3に記載される所謂「コヒーレント加算方式」と呼ばれる読み出し手法である。
この「コヒーレント加算方式」では、再生時において、次の図24に示されるようなコヒーレント光を生成し、該コヒーレント光を参照光と共にホログラム記録媒体HMに照射するようにされている。すなわち、先の図22にて説明した通常の再生手法では、再生像を得るための参照光のみを照射するものとされていたが、コヒーレント加算方式ではさらにコヒーレント光も併せて照射するものである。
上記コヒーレント光は、光強度、及び位相がそれぞれ均一となるように生成された光を指す。またコアキシャル方式において、上記コヒーレント光としては、図24にも示しているように記録時に信号光を生成した領域(信号光エリアと呼ばれる)と同じ領域にて光を透過させることで生成するようにされている。
次の図25を参照して、コヒーレント加算方式による再生手法について具体的に見ていく。
先ず前提として、コヒーレント加算方式による再生を行う場合には、位相変調素子として、可変的な位相変調が可能な位相変調器(図25(a)中の位相変調器101b)を設けることになる。ここで、コヒーレント加算方式により再生を行う記録再生システムでは、入射光に与える位相パターンとして、記録時には上述した多重記録を可能とするための位相パターン(位相マスク102に相当する2値ランダム位相パターン)、再生時にはコヒーレント光生成のための後述する均一な位相パターンを設定する必要がある。つまりこのことから、この場合の位相変調素子としては、可変的な位相変調が可能な位相変調器101bを用いる必要がある。
この場合、SLM101としては、入射光に対する強度変調を行う強度変調器101aと、上記位相変調器101bとが一体的に形成されて構成される。このようなSLM101により、入射光の強度と位相とを任意に変調することが可能とされる。
図25(a)に示すように、この場合の再生時には、上記SLM101により参照光とコヒーレント光とを生成する。
再生時において、先ず参照光については、記録時と同じ強度パターン及び位相パターンを有するものを生成する。つまり、再生対象とするホログラムを記録したときと同じ強度・位相パターンによる参照光を生成するものである。これは、多重記録したホログラムを適正に再生するには、そのホログラムを記録したときのパターンと同パターンの参照光を照射する必要があるためである。換言すれば、或るパターンを有する参照光を照射して記録したホログラムは、そのパターンを有する参照光を用いてのみ適正に再生できるものである。
この意味で、再生時における参照光としては、記録時と同じ強度・位相パターンを有するものを生成する。
上述したようにコヒーレント光としては、記録時において信号光を生成したエリア(信号光エリア)にて入射光を透過させることで生成する。具体的に、このコヒーレント光としては、強度変調器101aにて信号光エリア内の各画素を所定の強度に変調することで、その強度が均一となるようにされている。
「コヒーレント加算方式」は、このように均一な強度を有するようにされたコヒーレント光と、上記参照光の照射に応じて得られる再生像とを共にイメージセンサ104にて結像させ、これによりイメージセンサ104において、再生像とコヒーレント光との合成光についての検出が行われるようにするものである。
このとき、コヒーレント光は、再生像と同位相の成分として加算されるようにする。このため、コヒーレント光の位相は、再生像の位相(再生像内の基準位相)と同位相に揃える。
なお、上記「再生像内の基準位相」とは、再生像内に含まれるSLM101の画素単位の像(記録信号)のうち、位相「0」(0π)による変調が与えられて記録された画素の位相を指すものである。
ここで、上記のように再生像内の基準位相は、位相変調器101bにて0πによる位相変調が与えられて記録された信号の位相である。従って、コヒーレント光の位相をこの再生像内の基準位相に対して一致させるためには、コヒーレント光に対しても、位相変調器101bにて位相「0」による位相変調を与えれば良いと考えられる。
但し、ホログラム記録再生システムにおいては、ホログラム記録媒体HM(メディア)に参照光を照射して得られた再生像の位相が、メディアに記録された信号の位相からπ/2だけずれたものとなる点を考慮しなければならない。つまり、仮に、コヒーレント光に対し位相「0」による変調を与えた場合には、再生像内の基準位相とコヒーレント光の位相とに「π/2」の位相差が生じてしまい、コヒーレント光を再生像と同位相の成分として適正に加算することができなくなってしまう。
この点を考慮し、コヒーレント光の位相を再生像内の基準位相と一致させるためには、位相変調器101bにおいて、図のように「π/2」による変調を与える。具体的にこの場合の位相変調器101は、信号光エリア内の各画素にてπ/2による位相変調を与えるものである。
上記により説明したSLM101の空間光変調により参照光とコヒーレント光とが生成されることに応じて、図25(b)に示されるようにして、再生像と、該再生像と同位相のコヒーレント光とが、対物レンズ103を介してイメージセンサ104に対して導かれることになる。このとき、上記コヒーレント光は、再生像と同位相の成分として加算されたものとしてイメージセンサ104にて検出される。
「コヒーレント加算方式」では、このような「再生像+コヒーレント光」の成分がイメージセンサ104にて検出されるようにした上で、検出された「再生像+コヒーレント光」の画像信号に対し、以下のような処理を施して線形読み出し信号を得る。
先ずは、上記「再生像+コヒーレント光」の画像信号について、各画素の値の平方根を計算する。
その上で、この平方根計算結果から、加算したコヒーレント光の成分を除去する処理を行う。具体的には、例えば平方根計算結果の値から加算したコヒーレント光の強度の値を減算するものである。
ここで、上記により説明したコヒーレント光の加算・平方根計算・加算分の除去の一連の動作によって、線形読み出しが実現されることについて説明する。
なお、以下の説明にあたり、再生像の振幅は例えば±0.078の範囲内であるとする。すなわち、再生像の振幅は最大値=0.078、最小値=−0.078であるとする。
また、加算したコヒーレント光の強度の値は、例えば0.1であったとする。
先ず、比較のため、コヒーレント加算を行わずに従来どおり参照光の照射のみで読み出しを行った場合について考察してみる。
先に説明したフーリエ変換ホログラムと上記再生像の振幅の最大値・最小値の前提によると、この場合の再生像の振幅の最大値、最小値に応じて得られるイメージセンサ104の出力値は、その2乗値である「6.1E-3」という同じ値で得られることになる。このようにイメージセンサ104にて「+1」と「−1」に相当する値が同じ値で検出されることで、以降でどのような信号処理を行っても、失われた位相情報を正確に復元することはできないものとなってしまう。つまり、非線形な歪みが発生するものである。
一方、「コヒーレント加算方式」として、参照光と共にその位相が再生像と同位相とされるコヒーレント光を照射する場合には、コヒーレント光の強度に応じた値を、再生像に対して加算することができる。なお確認のために述べておくと、このようなコヒーレント光は、振幅・位相が均一となるようにされたDC成分であるので、記録されたホログラムと干渉することはない。
ここで、上記説明によると、この場合のコヒーレント光の加算量は例えば0.1とされる。これによると、再生像にはこの0.1の成分が加わることによって、最大値0.078は0.1782=0.032、最小値-0.078は0.0222=4.8E-4という強度としてイメージセンサ104により検出される。この場合、イメージセンサ104の出力に対しては、上述のように平方根が計算され、その後加算された成分を除去するということが行われる。従って振幅の最大値0.078は0.178−0.1=0.078によって元の値に復元でき、また最小値-0.078としても0.022−0.1=-0.078により元の値に復元することができる。
このようにして「コヒーレント加算方式」による再生手法によれば、位相変調記録によって記録された位相情報が失われない、線形な読み出しを実現することができる。
なお、ここで重要となるのは、再生像に対するコヒーレント光の加算量(強度値)である。すなわち、上記のような線形読み出しを実現するにあたり、コヒーレント光の加算量は、イメージセンサ104による強度検出(2乗値化)に対して負の折り返しを生じさせないように、少なくとも「再生像の振幅の最小値の絶対値よりも大きな値」という条件が満たされる必要があることになる。
この点から「コヒーレント加算方式」において、上記コヒーレント光としては、再生像に対して加算されるときの強度が「再生像の振幅の最小値の絶対値よりも大きな値」で、且つ位相が「再生像の基準位相と同位相」とされることが必要最低限の条件となる。
上記のようにして「コヒーレント加算方式」によれば、位相変調記録によるDC成分抑圧の面での高記録密度化を図る上で振幅「−1」「0」「+1」の3値が記録される場合に、振幅「0」と共に位相情報を含む「−1」「+1」を適正に読み出すことができ、線形読み出しを実現することができる。
しかしながら、従来のコヒーレント加算方式では、再生像とコヒーレント光との強度差について全く考慮されていない点が問題となる。
ここで、再生像は、ホログラム記録媒体HMに記録されたホログラムに対し参照光が照射されることに応じた回折現象によって得られるものである。つまり、再生像の光量(光強度)は、このような回折現象における回折効率に依存して決まるものである。
具体的に、ホログラム記録再生システムにおける回折効率ηは、一般に10-3〜10-4程度である。
これに対し、再生像に加算されるコヒーレント光の強度は、強度変調器101aから出力されホログラム記録媒体HMを介しイメージセンサ104に導かれるまでの間の光量のロス分のみで決まる。つまり、コヒーレント光は、再生像と比較して単純に上記のような回折効率による光量のロス分が無いことから、再生像に対して非常に強度の強い光となることが分かる。
具体的に、コヒーレント光の強度を「1」に設定したと仮定した場合、イメージセンサ104にて検出される振幅I(振幅「1」が記録された画素の振幅、振幅「−1」が記録された画素の振幅の双方)は、

で表される。ここで、回折効率η=10-4とすれば、

である。
これは、バックグラウンド光となるコヒーレント光の強度に対し、再生像のコントラスト(振幅「1」〜振幅「−1」)が非常に低いことを意味しており、この場合はわずか2%の強度差を検出しなければならないこととなってしまう。
このようにコントラストの低い再生像を精度良く検出するのは非常に困難となる。このため従来では、再生特性の悪化が避けられない状況にあった。
そこで、本発明では以上のような問題点に鑑み、再生装置として以下のように構成することとした。
つまり、信号光と参照光との干渉縞によってデータが記録されたホログラム記録媒体に対して光照射を行うための光源を備える。
また、駆動信号に応じて画素単位で入射光の偏光方向制御を行うように構成され且つ上記信号光の生成領域としての信号光エリアと上記参照光の生成領域としての参照光エリアとが設定された偏光方向制御器と、上記偏光方向制御器を介した光が入射するように設置された偏光ビームスプリッタと、上記光源から上記偏光ビームスプリッタまでの間の光路中に挿入されると共に、入射光の偏光方向を変化させることが可能に構成された偏光方向制御素子とを備える。
また、上記光源より出射され上記偏光方向制御素子と上記偏光方向制御器と上記偏光ビームスプリッタとを介した光を対物レンズを介して上記ホログラム記録媒体に対して照射するように構成された光学系を備える。
さらに、上記ホログラム記録媒体に対し上記参照光とコヒーレント光とを照射させるための上記偏光方向制御器に対する駆動制御として、上記参照光エリアについては、上記対物レンズ側に光が導かれるべき画素を第1の制御値に基づく駆動信号で駆動し、上記対物レンズ側に光が導かれるべきでない画素を第2の制御値に基づく駆動信号で駆動すると共に、上記信号光エリアについては、各画素を上記第2の制御値に基づく駆動信号で駆動する変調制御部を備えるようにした。
また、本発明では再生装置として以下のようにも構成することとした。
すなわち、信号光と参照光との干渉縞によってデータが記録されたホログラム記録媒体に対して光照射を行うための光源を備える。
また、駆動信号に応じて画素単位で入射光の偏光方向制御を行うように構成され且つ上記信号光の生成領域としての信号光エリアと上記参照光の生成領域としての参照光エリアとが設定されていると共に、その光学基準軸が、上記入射光の偏光方向軸に対して傾けられるようにして設置された偏光方向制御器と、上記偏光方向制御器を介した光が入射するように設置された偏光ビームスプリッタとを備える。
また、上記光源より出射され上記偏光方向制御器と上記偏光ビームスプリッタとを介した光を対物レンズを介して上記ホログラム記録媒体に対して照射するように構成された光学系を備える。
さらに、上記ホログラム記録媒体に対し上記参照光とコヒーレント光とを照射させるための上記偏光方向制御器に対する駆動制御として、上記参照光エリアについては、上記対物レンズ側に光が導かれるべき画素を第1の制御値に基づく駆動信号で駆動し、上記対物レンズ側に光が導かれるべきでない画素を第2の制御値に基づく駆動信号で駆動すると共に、上記信号光エリアについては、各画素を上記第2の制御値に基づく駆動信号で駆動する変調制御部を備えるようにした。
また、本発明では強度変調ユニットとして以下のように構成することとした。
つまり、駆動信号に応じて画素単位で入射光の偏光方向制御を行うように構成された偏光方向制御器を備える。
また、上記偏光方向制御器に入射する光又は上記偏光方向制御器を介した光が入射する位置に挿入され、且つ入射光の偏光方向を変化させることが可能に構成された偏光方向制御素子を備える。
さらに、上記偏光方向制御器と上記偏光方向制御素子とを介した光が入射するようにして設けられた偏光ビームスプリッタを備えるようにした。
さらに、本発明では強度変調ユニットとして以下のようにも構成することとした。
すなわち、駆動信号に応じて画素単位で入射光の偏光方向制御を行うように構成され、且つその光学基準軸が入射光の偏光方向軸に対して傾けられるようにして設置された偏光方向制御器と、上記偏光方向制御器を介した光が入射するようにして設けられた偏光ビームスプリッタとを備えるものである。
上記のように本発明の再生装置は、光源から偏光ビームスプリッタまでの間の光路中に対し、偏光方向制御素子が挿入されたものとなる。この偏光方向制御素子により、上記偏光方向制御器を介して偏光ビームスプリッタに入射する光の偏光方向を、上記偏光方向制御器にて調整される本来の偏光方向から所定角度だけずらすことができる。
このような角度ずれが与えられることで、本来は対物レンズ側に導かれることのない、第2の制御値に基づき駆動した画素の光は、偏光ビームスプリッタにてその全てが除去されものとはならずに、その一部が対物レンズ側に導かれることになる。このとき、逆に本来は対物レンズ側に導かれるべき第1の制御値に基づき駆動した画素の光は、偏光ビームスプリッタにてその一部が除去されるものとなり、光量の低下が生じる。
ここで、当然のことながら、対物レンズ側に導かれるべきとして上記第1の制御値に基づき駆動された画素の光は、偏光ビームスプリッタにおける光量ロスが最小限に抑えられるべきである。これに対し、コヒーレント光の強度は、再生像のコントラスト向上の観点からずれば、「再生像の振幅の最小値の絶対値」以下とならない範囲で可能な限り小とされるのが好ましい。
この点から本発明では、参照光エリアについては、通常通り、ONとすべき画素(対物レンズ側に光が導かれるべき画素)は第1の制御値に基づく駆動、OFFとすべき画素(対物レンズ側に光が導かれるべきでない画素)は第2の制御値に基づく駆動を行うとした上で、コヒーレント光の生成を行う信号光エリアの各画素については、本来はOFF画素の制御値となる上記第2の制御値に基づき駆動するものとしている。
このような偏光方向制御器の駆動制御とすることで、上述の偏光方向制御素子を設けた場合において、ONとすべき画素の光についての上記偏光ビームスプリッタでの光量ロスは最小限に抑えつつ、コヒーレント光の強度についてはできるだけ小さくすることができる。すなわちこれにより、ほぼ通常通りの強度による参照光が照射されるようにした上で、コヒーレント光としては、微少な強度による光を対物レンズ側に導くことができる。
この結果、再生像についてはほぼ従来と同様の強度のものが得られるようにしつつ、従来の光強度「1」の変調により生成されるコヒーレント光と比較して大幅に減光されたコヒーレント光を照射することができる。
また、本発明の再生装置としては、偏光方向制御素子は備えず、偏光方向制御器自体を、その光学基準軸が入射光の偏光方向軸に対して傾けられるようにして配置するようにもしている。このように偏光方向制御器の光学基準軸をずらす構成とした場合にも、上記偏光方向制御素子を備えた場合と同様の作用が得られる。
上記のようにして本発明の再生装置によれば、従来よりもコヒーレント光を減光することができ、それにより再生像の明暗のコントラストが相対的に向上されるようにすることができる。そしてその結果として、再生特性の向上が図られる。
また、本発明の強度変調ユニットによれば、本来はOFF(光強度=0)とされるべき画素についての制御値となる第2の制御値による駆動に応じて、微少な強度による光を生成することが可能な強度変調ユニットを提供することができる。また逆に、本来はON(光強度=1)とされるべき画素についての制御値となる第2の制御値による駆動に応じて、本来の「1」の強度よりもわずかに減光された光を生成することが可能な強度変調ユニットを提供することができる。
以下、発明を実施するための最良の形態(以下実施の形態とする)について説明していく。
なお、説明は以下の順序で行う。

1.第1の実施の形態(偏光方向制御素子を挿入)
[記録再生装置の構成]
[第1の実施の形態としての減光手法]
2.第2の実施の形態(偏光方向制御器自体を傾ける)
3.第3の実施の形態(部分的偏光方向制御素子を用いる)
3−1.第1例(部分的偏光方向制御素子をスライド駆動)
3−2.第2例(部分的偏光方向制御素子を回転駆動)
4.第4の実施の形態(部分的偏光方向制御器を用いる)
5.変形例
1.第1の実施の形態(偏光方向制御素子を挿入)
[記録再生装置の構成]

図1は、第1の実施の形態としての記録再生装置の内部構成を示したブロック図である。
ここで、以下の各実施の形態では、本発明の再生装置が記録機能も有する記録再生装置として構成される場合を例示する。
この図1に示す第1の実施の形態の記録再生装置は、コアキシャル方式によるホログラム記録再生を行うように構成される。コアキシャル方式は、信号光と参照光とを同一光軸上に配置し、それらを共に所定位置にセットされたホログラム記録媒体に照射してホログラムの形成によるデータ記録を行い、また再生時には参照光をホログラム記録媒体に対して照射することで上記ホログラムとして記録されたデータの再生を行うものである。
また、本実施の形態の記録再生装置は、記録時において、記録密度向上のための位相変調記録を行うと共に、再生時には、線形読み出しを実現するための「コヒーレント加算方式」による再生を行う。
また、本実施の形態の記録再生装置は、図中のホログラム記録媒体HMとして、反射膜を備えた反射型のホログラム記録媒体に対応する構成が採られる。
図1において、レーザダイオード(LD)1は、記録再生のためのレーザ光を得るための光源として設けられる。このレーザダイオード1としては、例えば外部共振器付きレーザダイオードが採用され、レーザ光の波長は例えば410nm程度とされる。
レーザダイオード1からの出射光はコリメータレンズ2を介した後、偏光ビームスプリッタ3に導かれる。
偏光ビームスプリッタ3は、x偏光を透過、y偏光(上記x偏光と偏光方向が直交する)を反射する。従って、上記のようにレーザダイオード1から出射され偏光ビームスプリッタ3に入射したレーザ光(直線偏光)は、x偏光が当該偏光ビームスプリッタ3を透過し、y偏光のみが当該偏光ビームスプリッタ3にて反射される。
偏光ビームスプリッタ3で反射されたレーザ光(y偏光)は、後述する偏光方向制御素子18を介して偏光方向制御器4に入射する。
なお、上記偏光方向制御素子18については後述するものとし、ここでは説明の便宜上、当該偏光方向制御素子18は挿入されていないものとして扱う。
上記偏光方向制御器4は、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal:強誘電性液晶)としての反射型液晶素子を備えて構成され、入射光について、画素単位で偏光方向を制御するように構成されている。
この偏光方向制御器4は、駆動信号に応じて液晶分子の配向状態が変化する液晶素子を有し、図中の空間光変調制御部16からの駆動信号に応じて、各画素ごとに入射光の偏光方向を90°変化、或いは入射光の偏光方向を不変とするようにして空間光変調を行う。具体的には、駆動信号がONの画素は偏光方向の角度変化=90°、駆動信号がOFFの画素は偏光方向の角度変化=0°となるように、駆動信号に応じ画素単位で偏光方向制御を行うように構成されている。
図示するようにして、上記偏光方向制御器4からの出射光(偏光方向制御器4にて反射された光)は、偏光ビームスプリッタ3に再度入射する。
ここで、図1に示す記録再生装置では、偏光方向制御器4による画素単位の偏光方向制御と、入射光の偏光方向に応じた偏光ビームスプリッタ3の選択的な透過/反射の性質とを利用して、画素単位の空間光強度変調(光強度変調、或いは単に強度変調とも称する)を行うようにされている。
図2は、このような偏光方向制御器4と偏光ビームスプリッタ3との組み合わせにより実現される強度変調動作のイメージを示している。図2(a)はON画素の光について、図2(b)はOFF画素の光についてそれぞれその光線状態を模式的に示している。
上述もしたように、偏光ビームスプリッタ3はx偏光を透過、y偏光を反射するので、上記偏光方向制御器4には、y偏光が入射することになる。
この前提を踏まえると、偏光方向制御器4にて偏光方向が90°変化された画素の光(駆動信号ONの画素の光)は、偏光ビームスプリッタ3に対しx偏光で入射することになる。このことで、偏光方向制御器4におけるON画素の光は、偏光ビームスプリッタ3を透過することになり、ホログラム記録媒体HMに対して導かれることになる(図2(a))。
一方、駆動信号がOFFとされ偏光方向が変化されなかった画素の光は、偏光ビームスプリッタ3にy偏光で入射する。つまり、偏光方向制御器4におけるOFF画素の光は偏光ビームスプリッタ3にて反射されて、ホログラム記録媒体HMに対しては導かれないようになっている(図2(b))。
このようにして、画素単位で偏光方向制御を行う偏光方向制御器4と、偏光ビームスプリッタ3との組み合わせにより、画素単位による光強度変調を行う強度変調部が形成されている。
なお確認のために述べておくと、偏光方向制御器4としては、上記のような駆動信号のON/OFFに応じた90°/0°の偏光方向制御が可能となるように、その取付角度(入射面に平行な面内における回転角度)が調整されているものとなる。
具体的に、この場合の偏光方向制御器4は、その光学基準軸が、入射光の偏光方向軸(この場合はy軸)と一致する状態となるようにして設置されることになる。
ここで、本実施の形態ではホログラム記録再生方式としてコアキシャル方式が採用されている。コアキシャル方式が採用される場合、偏光方向制御器4においては、信号光と参照光とを同一光軸上に配置するために、次の図3に示すような各エリアが設定される。
この図3に示されるようにして、偏光方向制御器4においては、その中心(光軸中心)を含む略円形の所定範囲のエリアが、信号光エリアA2として設定される。そして、この信号光エリアA2の外側には、ギャップエリアA3を隔てて、略輪状の参照光エリアA1が設定されている。
これら信号光エリアA2、参照光エリアA1の設定により、信号光と参照光とを同一光軸上に配置するようにして照射することができる。
なお、上記ギャップエリアA3は、上記参照光エリアA1にて生成される参照光が信号光エリアA2に漏れ込んで信号光に対するノイズになることを避けるための領域として定められている。
図1に戻り、空間光変調制御部16は、上記偏光方向制御器4に対する駆動制御を行うと共に、後述する位相変調器8に対する駆動制御を行うことで、記録時には位相変調記録のための例えば2値ランダム位相パターン(位相「0」と位相「π」の数が略半々)の与えられた信号光と参照光を生成させ、また、再生時には、記録時と同じ強度・位相パターンを有する参照光と、コヒーレント光とを生成させる。
なお、この空間光変調制御部16の具体的な動作内容については後述する。
上記偏光方向制御器4を介し、さらに上記偏光ビームスプリッタ3を透過した光は、図のようにリレーレンズ5→アパーチャー6→リレーレンズ7が同順で配置されたリレーレンズ系に導かれる。図示するようにリレーレンズ5によっては、偏光ビームスプリッタ3を透過したレーザ光が所定の焦点位置に集光するようにされ、リレーレンズ7によっては集光後の拡散光としてのレーザ光が平行光となるように変換される。アパーチャー6は、上記リレーレンズ5による焦点位置(フーリエ面:周波数平面)に設けられ、光軸を中心とする所定範囲内の光のみを透過、それ以外の光を遮断するように構成される。このアパーチャー6により、ホログラム記録媒体HMに記録されるホログラムページのサイズが制限され、ホログラムの記録密度(つまりデータ記録密度)の向上が図られる。
上記リレーレンズ系を介したレーザ光は、位相変調器8に導かれる。この位相変調器8は、入射光に対し画素単位で空間光位相変調(単に位相変調とも称する)を施すように構成され、先の偏光方向制御器4と同様の参照光エリアA1、信号光エリアA2、及びギャップエリアA3が設定されている。
位相変調器8は、偏光方向制御器4とのピクセルマッチング(偏光方向制御器4の各画素と位相変調器8の各画素がそれぞれ1対1で対応する状態)がとられるように、その挿入位置が、上記リレーレンズ系により形成される、偏光方向制御器4の実像面となる位置とされ、且つ、入射面に平行な面上での位置については、偏光方向制御器4の参照光エリアA1、信号光エリアA2、ギャップエリアA3を介した光が、それぞれ、位相変調器8の参照光エリアA1、信号光エリアA2、ギャップエリアA3に入射する状態が得られるように調整されている。
ここで、本実施の形態の場合、上記位相変調器8としては、画素単位で可変的な位相変調が可能な透過型の液晶パネルを用いるものとしている。
このように画素単位で可変的な位相変調が可能な液晶パネルとしては、内部の液晶素子を、次の図4に示す考えに基づき構成することで実現することができる。
図4(a)は、液晶パネル内の液晶素子に駆動電圧を印加していない状態(つまり駆動電圧OFFの状態)での液晶分子の様子を示し、図4(b)は液晶素子に所定レベルでの駆動電圧を印加した状態(駆動電圧ONの状態)での液晶分子の様子を示している。
図示するようにして図4(a)の駆動電圧OFFの状態では、液晶分子は水平配向となり、また図4(b)に示す駆動電圧ONの状態では液晶分子は垂直配向に変化することになる。
このとき、液晶素子の屈折率nについて、駆動電圧OFFによる上記水平配向時の屈折率をnh、所定レベルでの駆動電圧ONによる上記垂直配向時の屈折率をnvとすると、液晶素子の厚さをdとした場合、駆動電圧OFF時に与えられる位相変化量は「d×nh」となり、駆動電圧ON時に与えられる位相変化量は「d×nv」となる。従ってこのことから、駆動電圧のON/OFFによって与えることのできる位相差Δndとしては、
Δnd=d×nh−d×nv
により表されるものとなる。
この関係式より、画素単位で所要の位相差を与えるにあたっては、液晶素子の厚さdを調整すればよいことがわかる。
本実施の形態の位相変調器8としては、液晶素子の厚さdを調整することで、例えば位相差Δnd=πとなるように設定している。すなわち、これによって各画素ごとに、上記ON/OFFとしての駆動電圧の切換を行うことで「0」と「π」の2値による光位相変調を施すことが可能とされているものである。
また、上記のように所定レベルによる駆動電圧ON時と駆動電圧OFF時とで位相「0」「π」の変調を行うことができるということは、駆動電圧レベルを上記所定レベルまで段階的に制御することで、位相は「0」〜「π」まで段階的に変化させることができる。例えば、駆動電圧レベルを上記所定レベルの1/2とすれば、位相「π/2」による変調も可能となる。
なお確認のために述べておくと、このような位相変調器8は、その光学基準軸の方向が、入射光の偏光方向(この場合はx方向である)と一致する状態で用いるものである。
説明を図1に戻す。
上記位相変調器8を介した光は、偏光ビームスプリッタ9に導かれる。この偏光ビームスプリッタ9としてもx偏光を透過、y偏光を反射するように構成され、従って上記位相変調器8を介して導かれたレーザ光は偏光ビームスプリッタ9を透過する。
上記偏光ビームスプリッタ9を透過したレーザ光は、リレーレンズ10→アパーチャー11→リレーレンズ12が同順で配置されたリレーレンズ系に導かれる。このリレーレンズ系による作用は、先に説明したリレーレンズ5、アパーチャー6、リレーレンズ7によるリレーレンズ系と同様である。
上記リレーレンズ10→アパーチャー11→リレーレンズ12によるリレーレンズ系を介したレーザ光は、1/4波長板13を介した後、対物レンズ14によってホログラム記録媒体HMの記録面上に集光するようにして照射される。
ここで、後述もするが、記録時においては、偏光方向制御器4と偏光ビームスプリッタ3との組による強度変調部と位相変調器8とによる空間光変調が行われることで、信号光と参照光とが生成される。従って記録時においては、上記により説明した光路によりこれら信号光と参照光とがホログラム記録媒体HMに対して照射され、その結果、ホログラム記録媒体HMには、これら信号光と参照光との干渉縞(回折格子:ホログラム)が形成される。つまりこれにより、データの記録が行われる。
また、再生時には、偏光方向制御器4と偏光ビームスプリッタ3との組による強度変調部と位相変調器8とによる空間光変調が行われることで、参照光と、コヒーレント光とが生成される。参照光が上記の光路によってホログラム記録媒体HMに照射されることで、ホログラム記録媒体HMに形成されたホログラムに応じた回折光が再生光(再生像)として得られる。この再生光は、ホログラム記録媒体HMからの反射光として記録再生装置側に戻されることになる。
また、上記コヒーレント光は、ホログラム記録媒体HMにて反射され、記録再生装置側に戻されることになる。
このようにしてホログラム記録媒体HMからの反射光として得られる再生光・コヒーレント光は、対物レンズ14を介した後、1/4波長板13→リレーレンズ12→アパーチャー11→リレーレンズ10を介して偏光ビームスプリッタ9に導かれる。
上記再生光は、1/4波長板13のはたらきによりy偏光で偏光ビームスプリッタ9に入射することになる。このため、再生光は偏光ビームスプリッタ9にて反射され、イメージセンサ15に対して導かれる。また上記コヒーレント光も偏光ビームスプリッタ9にて反射され、イメージセンサ15に対して導かれることになる。
イメージセンサ15は、例えばCCD(Charge Coupled Device)センサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサなどの撮像素子を備え、上記のようにして導かれたホログラム記録媒体HMからの再生光(再生像)及びコヒーレント光を受光し、電気信号に変換する。これによって再生時には、上記再生像(記録された像)にコヒーレント光が加算された成分についての光強度検出結果を表す受光信号(画像信号)が得られる。
イメージセンサ15により得られた画像信号(再生像+コヒーレント光)は、データ再生部17に供給される。
データ再生部17は、上記画像信号に対する所定の再生信号処理、及びデコード処理を行うことで、記録データの再生を行う。なお、データ再生部17の内部構成、及びその動作については後述する。
〜位相変調記録〜
ここで、図1に示す記録再生装置には、アパーチャー6(及び11)が設けられ、メディア上におけるホログラムページの占有面積の縮小化に伴う、高記録密度化が達成される。
なお確認のために述べておくと、ホログラムページとは、信号光と参照光の1度の照射により形成される干渉縞と同義である。換言すれば、このホログラムページは、ホログラム記録媒体HMに記録することのできるデータの最小単位を指すものとも定義することができる。
本実施の形態の記録再生装置では、このようなアパーチャーによるホログラムページの占有面積の縮小化の面での高記録密度化と共に、さらに、先の図21や図23を参照して説明したような、「0」「π」の位相変調(例えば2値ランダム位相パターン)を与えた信号光・参照光の照射による記録を行うことで、DC成分の抑圧を図ることによる記録密度の向上も図るものとしている。いわゆる、位相変調記録による記録密度の向上である。
図1において、このような位相変調記録は、空間光変調制御部16が偏光方向制御器4及び位相変調器8を駆動制御することで実現されるものとなる。
図5は、図1に示される偏光方向制御器4、位相変調器8、空間光変調制御部16を抽出して示し、さらに、空間光変調制御部16の内部構成も示している。なおこの図5では、偏光方向制御器4の入/出射光、位相変調器8の入/出射光も併せて示している。
図5において、空間光変調制御部16内には、符号化部21、マッピング部22、偏光制御ドライバ23、及び位相変調パターン生成部24、位相変調ドライバ25が備えられる。
先ず、記録時において、符号化部21に対しては、図1にも示した記録データが入力される。符号化部21は、このように入力される記録データに対し、記録フォーマットに従った所定の記録変調符号化処理を施す。
マッピング部22は、記録時において上記符号化部21にて符号化されたデータを、記録フォーマットに従って信号光エリアA2内に配列する。つまり、このような信号光エリアA2へのデータのマッピング処理により、1ホログラムページ分のデータパターンが生成される。
また、マッピング部22は、このような信号光エリアA2内へのデータマッピングと共に、参照光エリアA1の所定の画素を「1」、それ以外の画素を「0」とし、且つギャップエリアA3と参照光エリアA1より外周部分とを全て「0」としたデータパターンを生成し、このデータパターンと上記信号光エリアA2内のデータパターンとを併せて偏光方向制御器4の全有効画素分のデータパターンを生成する。
このようにして生成された偏光方向制御器4の全有効画素分のデータパターンは、偏光制御ドライバ23に供給され、当該偏光制御ドライバ23は、このデータパターンに基づき偏光方向制御器4の各画素を駆動制御する。
ここで、この場合の偏光制御ドライバ23は、データ「1」が割り当てられた画素、すなわち対物レンズ14側に光が導かれるべき画素(ONピクセルとも称する)については、ONレベルによる駆動信号(電圧ON)を割り当てる。また、データ「0」が割り当てられた画素、すなわち対物レンズ14側に光が導かれるべきでない画素(OFFピクセルとも称する)については、OFFレベルによる駆動信号(電圧OFF)を割り当てるようにされている。
先の図2を参照して説明したように、この場合の光学系の構成によれば、偏光方向制御器4において、駆動電圧ONに応じて偏光方向が90°変化された画素の光が、対物レンズ14側に導かれるようになっている。従って、上記のようなデータ「0」「1」に応じた各画素の駆動信号の割り当てにより、偏光制御ドライバ23が偏光方向制御器4の各画素を駆動制御することで、データ「1」が割り当てられたON画素の光が対物レンズ14側に導かれ、データ「0」が割り当てられたOFF画素の光は対物レンズ14側に導かれないようになっている。
上記により説明したようなマッピング部22のデータマッピングに基づく偏光制御ドライバ23による偏光方向制御器4の駆動制御が行われることで、記録時には、図1に示した偏光ビームスプリッタ3から対物レンズ14側への出射光として、記録データに応じたパターンにより強度変調の施された信号光の元となる光と、さらに所定の強度パターンを有する参照光の元となる光とが得られるものとなる。
また、記録時において、空間光変調制御部16では、このような偏光方向制御器4に対する駆動制御のための動作(つまり強度変調のための動作)と共に、位相変調器8に対する駆動制御のための動作も行う。
先ず、位相変調パターン生成部24は、予め設定された所定のデータパターンに基づき、位相変調器8の信号光エリアA2内に設定すべき位相変調パターンを生成する。本実施の形態の場合も、位相変調記録時に与える位相変調パターンについては、2値ランダム位相パターンが設定されているものとする。
また、これと共に位相変調パターン生成部24は、位相変調器8の参照光エリアA1に設定すべき位相変調パターンとして、所定の位相変調パターンを生成する。参照光エリアA2に設定する位相変調パターンとしても、2値ランダム位相パターンとする。
そして位相変調パターン生成部24は、このようにして生成した信号光エリアA2と参照光エリアA1についてのそれぞれの位相変調パターン(対応する各画素の制御パターン)を併せて、位相変調器8の全有効画素分の位相変調パターンを生成する。このとき、信号光エリアA2と参照光エリアA1以外の画素については、例えば位相「0」に対応した値を設定する。
そして、このようにして生成した位相変調パターンを位相変調ドライバ25に供給する。
位相変調ドライバ25は、位相変調パターン生成部24から供給される位相変調パターンに基づき、位相変調器8の各画素を駆動制御する。これによって位相変調器8から出力される信号光として、2値ランダム位相パターンによる位相変調の施された信号光、参照光を得ることができる。
〜コヒーレント加算〜
ここで、先にも述べたように、再生時において参照光のみを照射するホログラム記録再生系では、再生像についての画像信号を検出するイメージセンサが、位相情報までを検出することができないという意味で、非線形性を有するものとなっている。
そして、このような非線形性の問題から、再生時に参照光のみを照射するシステムでは、適正なデータ再生を行うことが非常に困難とされていた。
この点を考慮し、本実施の形態の記録再生装置では、線形読み出しを可能とすべく、再生時に参照光と共にコヒーレント光を併せて照射し、コヒーレント加算方式による再生を行うものとしている。
ここで、コヒーレント光は、振幅、位相が均一となるようにされた光を意味する。具体的に、その位相は、参照光の照射に応じてホログラム記録媒体HMから得られる再生像内の基準位相と同位相となるようにされ、且つ、強度は、再生像に対して加算されるときの強度が、再生像の振幅の最小値の絶対値よりも大となるように調整された光を指す。
ここで、上記「再生像内の基準位相」とは、記録時において、位相「0」による変調が与えられて記録されたピクセルの位相であるとする。
このようなコヒーレント光と参照光との照射による読み出しを実現するために、先の図5に示した空間光変調制御部16は、再生時において以下の動作を行う。
先ず、前提として、参照光と共に照射するコヒーレント光は、記録時に信号光を生成した領域(信号光の光線領域)にて生成するものである(先の図24を参照)。
この前提を踏まえた上で、先ず、空間光変調制御部16におけるマッピング部22は、再生時において、参照光エリアA1については記録時と同様の「0」「1」のパターンを割り当てる。すなわち、再生時においては、参照光として、記録時と同様の強度パターンによる光を生成するようにされるものである。
ここで、本実施の形態の場合において、再生時の信号光エリアA2に割り当てる値(つまりコヒーレント光の生成にあたり割り当てる値)については、説明の便宜上、後述するものとする。
従来、本例の偏光方向制御器4のような偏光方向制御型の空間光変調器と偏光ビームスプリッタとの組み合わせで強度変調を行う強度変調部を用いるシステムでは、再生時の信号光エリアA2については、「1」を割り当てるものとされていた。
ここでは仮に、再生時のマッピング部22では、信号光エリアA2に対して割り当てる値として従来と同様の「1」が設定されるものとして説明を続ける。
再生時においてマッピング部22は、上記のようにして参照光エリアA1については記録時と同様の「0」「1」のデータパターンを割り当て、さらに信号光エリアA2の全域には「1」を割り当てた上で、他の領域をすべて「0」としたデータパターンを生成する。そして、このデータパターンを偏光制御ドライバ23に供給する。
偏光制御ドライバ23は、上記マッピング部22から供給された偏光方向制御器4の全画素分のデータパターンに応じて、偏光方向制御器4の各画素を駆動制御する。
これにより、図1に示した偏光ビームスプリッタ3から対物レンズ14側への出射光として、記録時と同じ強度パターンの与えられた参照光の元となる光と、信号光の光線領域において、この場合はその全域が光強度「1」に対応する強度で均一となるようにされたコヒーレント光の元となる光とが得られる。
また、図5において、再生時には、さらに位相変調パターン生成部24及び位相変調ドライバ25が以下の動作を行う。
すなわち、位相変調パターン生成部24は、位相変調器8の参照光エリアA1について、記録時と同様の位相変調パターンとしてのデータパターンを生成すると共に、さらに信号光エリアA2について、その全域を所定の値で埋めたデータパターンを生成する。そして、これらのデータパターンを合わせて位相変調器8の全有効画素分のデータを生成し、これを位相変調ドライバ25に対して供給する。
ここで、先の図4にて説明したように、位相変調器8は、駆動電圧レベルに応じて可変的に各画素の位相を変調することが可能に構成される。具体的には、駆動電圧レベルに応じ各画素ごとに位相を「0」〜「π」の間で可変的に変調することができる。
これに対応して、位相変調ドライバ25は、位相変調パターン生成部24からの値「0」〜「1」(例えば256階調であれば0〜255)に応じた駆動電圧レベルにより位相変調器8の各画素を駆動するように構成されている。
上記のようにして位相変調パターン生成部24により生成されたデータパターンで信号光エリアA2内が所定値で埋められた場合、位相変調ドライバ25は、位相変調器8の信号光エリアA2内の各画素をその値に応じた駆動電圧レベルで駆動する。これによって信号光エリアA2を透過して得られるコヒーレント光の位相を、上記所定値に応じて可変的に設定できるようにされている。
ここで、コヒーレント光の位相としては、上述のようにして再生像内の基準位相と同位相であることが条件とされる。このような「再生像内の基準位相と同位相」とするにあたって位相変調器8がコヒーレント光(信号光エリアA2内)に与えるべき位相変調量としては、同じ位相変調器8が記録時に位相「0」の変調を与えた画素の位相を基準位相=「0」としたとき、当該基準位相から「π/2」の位相差を与えることのできる位相変調量とすればよい。つまり位相変調器8においては、信号光エリアA2内にて「π/2」の位相変調量による位相変調を施せばよい。
このようにコヒーレント光に対し「π/2」による位相変調を与えるのは、以下のような理由による。
すなわち、ホログラム記録再生方式では、ホログラム記録媒体HMに対して参照光を照射して再生像を得たとき、当該再生像の位相が、記録信号の位相からπ/2だけずれるという現象が起こる(この点については下記の参考文献1を参照)。この点から、再生像内の基準位相は「0」のままではなく、「π/2」だけずれるものであり、これに対応させるべく、コヒーレント光に与える位相としても「π/2」に設定すればよいものである。

参考文献1・・・Kogelnik,H "Coupled wave theory for thick hologramgrating". Bell System Technical Journal,48,2909-47
このようにして、コヒーレント光の生成にあたっては、位相変調器8において信号光エリアA2内の各画素で位相「π/2」による変調を与える。
この位相「π/2」による変調を与えるために、上述した位相変調パターン生成部24では、信号光エリアA2内の値として「0.5」(256階調の場合「127」に対応する値)を割り振る。
上記により説明した空間光変調制御部16の動作により、再生時においては、参照光と共に、位相が再生像内の基準位相と同位相で且つ強度が再生像の振幅の最小値の絶対値よりも大きくなるようにされたコヒーレント光がホログラム記録媒体HMに対して照射されることになる。すなわち、本実施の形態では、参照光の照射によってホログラム記録媒体HMに記録されたデータに応じた再生像が得られる一方で、コヒーレント光がホログラム記録媒体HMに照射された後、反射光として上記再生像と共にイメージセンサ15に対して導かれることになる。
このとき、コヒーレント光の位相は再生像と同位相となるように変調されているので、コヒーレント光は、イメージセンサ15に結像するときに再生像と同位相の成分として加算されることになる。これによりイメージセンサ15は、再生像に対してコヒーレント光が加算された成分についての読み出し信号を得るようにされる。
本実施の形態では、上記のようにしてイメージセンサ15にて得られる、コヒーレント光が加算された再生像についての読み出し信号(画像信号)に基づき、図1に示したデータ再生部17が記録データの再生を行うことになる。
図6に、データ再生部17の内部構成を示す。なお、この図6ではイメージセンサ15も併せて示している。
図示するようにしてデータ再生部17には、線形化処理部26、及び再生処理部27が設けられている。
線形化処理部26は、イメージセンサ15により得られたコヒーレント光+再生像についての検出結果としての画像信号を入力し、線形読み出しのための処理を行う。
この場合の線形化処理部26には、図示するようにして平方根計算部26a、及びオフセット除去部26bが備えられている。
平方根計算部26aは、イメージセンサ15によって得られる画像信号を構成する各値について、その平方根を計算し、その結果をオフセット除去部26bに供給する。
なお確認のために述べておくと、イメージセンサ15によっては、検出された光の強度が例えば256階調などの所定階調による振幅値で表されるものとなっている。平方根計算部26aは、このようなイメージセンサ15の各画素の振幅値について、その平方根計算を行うことになる。
また、上記オフセット除去部26bは、平方根計算部26aにより得られた平方根の値から、コヒーレント光の成分(すなわち検出対象である再生像に対するオフセット成分)を除去するための処理を行う。具体的に、この場合のオフセット除去部26bは、平方根計算部26aにより得られた各画素の振幅値の平方根の値について、それぞれコヒーレント光の加算量に応じた値を減算する処理を行う。
ここで、上記コヒーレント光の加算量とは、再生像に対して加算されるコヒーレント光の強度を指す。すなわち、オフセット除去部26bにて平方根計算結果値から減算する値は、最終的に再生像に対して加算される(イメージセンサ15にて結像する)ときのコヒーレント光の強度の値を設定することになる。
なお、ここではコヒーレント光の加算分の除去として、平方根計算結果値からコヒーレント光の加算量の値を減算する手法を例示したが、このように明示的な減算処理を行うのではなく、例えば平方根計算部26aにより得られる平方根計算結果としての画像信号に対しDC成分を除去するフィルタ処理を施すなど、他の手法によってコヒーレント光の加算分の除去を行うようにすることもできる。
ここで、コヒーレント光+再生像の検出結果について上記のような線形化処理が行われることによっては、位相変調記録によりホログラム記録媒体HMに記録されることとなった位相の情報も適切に表す線形読み出し信号を得ることができる。具体的には、位相変調記録により記録された振幅「+1」「−1」の差を適切に表す信号を得ることができる。
先にも述べたように、例えば再生像の振幅「+1」に相当する最大値が「0.078」、「−1」に相当する最小値が「−0.078」であると仮定し、また、コヒーレント光の加算量が再生像の最小値の絶対値「0.078」よりも大となる例えば「0.1」に設定されていたとした場合、イメージセンサ15では、最大値0.078が0.1782=0.032による強度、最小値-0.078が0.0222=4.8E-4という強度で検出されることになる。そしてこれら0.032、4.8E-4という検出結果について、それぞれ上記線形化処理が施されることで、再生像の振幅の最大値0.078については0.178−0.1=0.078によって元の値に復元でき、また最小値-0.078としても0.022−0.1=-0.078により元の値に復元することができる。
このようにして、コヒーレント光+再生像の検出結果について平方根計算及びコヒーレント光の加算分の除去による線形化処理を施す「コヒーレント加算方式」による再生手法が採られることで、位相変調記録によって記録された位相情報が失われない、線形な読み出し信号を得ることができる。
上記線形化処理部26の線形化処理により得られた線形読み出し信号は、再生処理部27に供給される。
再生処理部27は、上記線形読み出し信号としての画像信号に基づき、記録データを再生し、再生データを得る。
具体的に、再生処理部27では、上記線形読み出し信号としての画像信号に対し、符号間干渉(ピクセル間干渉)抑制のためのイコライジング処理を行う。また、このイコライジング処理後の画像信号を対象として、当該画像信号中に含まれている偏光方向制御器4の画素単位の値(データピクセルの値)を取得するためのリサンプリング処理を行う。さらには、リサンプリング処理により取得した各データピクセルの値に基づく「0」「1」のデータ識別処理、及び先に説明した符号化部21による記録変調符号の復号化処理等を行って、記録データを再生する。
ここで、本実施の形態の場合、位相変調記録が行われることに伴ってホログラム記録媒体HMに記録される振幅の情報は「+1」「0」「−1」の3値となるが、このうち「+1」「−1」については、共にデータ「1」として記録されたものであり、従って再生時にはこれら「+1」「−1」としての振幅情報は共にデータ「1」として識別することになる。つまり、再生処理部27による上記データ識別処理としては、振幅「0」に相当する値についてはデータ「0」と識別し、振幅「+1」「−1」に相当する値については共にデータ「1」と識別することになる。
[第1の実施の形態としての減光手法]

ここで、これまでの説明からも理解されるように、ホログラム記録再生システムでは、再生時においてホログラム記録媒体HMに記録されたホログラムに対し参照光を照射し、それにより生じる回折現象を利用して再生像を得るようにされている。この点より、ホログラム記録再生システムにおいて、再生像の光量(光強度)は、ホログラム記録媒体HMに記録されたホログラムの回折効率に依存して決まることが分かる。
一般的に、ホログラム記録再生システムにおける回折効率ηは、10-3〜10-4程度である。
一方で、再生像に対して加算されるコヒーレント光の強度は、強度変調部(偏光方向制御器4・偏光ビームスプリッタ3)から出力されホログラム記録媒体HMを介しイメージセンサ15に導かれるまでの間の光量のロス分のみで決まる。つまり、コヒーレント光は、単純に上記のような回折効率による光量のロス分が無いことから、再生像の強度と比較して非常に強い強度となることが分かる。
ここで、本実施の形態の場合、偏光方向制御型の空間光変調器と偏光ビームスプリッタとの組み合わせによる強度変調部により、信号光の光線領域内にて光を透過させることでコヒーレント光の元となる光を生成するようにされている。
このとき、偏光方向制御型の空間光変調器としての偏光方向制御器(FLC)4は、駆動電圧のON/OFFに応じて、入射光の偏光方向を90°/0°に変化させるように構成されている。従って、このような偏光方向制御器4を用いた強度変調を行う場合、従来では、先に説明したように信号光エリアA2内に「1」を割り当てるようにされ、これに伴いコヒーレント光の強度としては、光強度「1」に対応した強度に調整されることになる。
このようにコヒーレント光の強度が「1」に対応する強度に調整される場合、イメージセンサ15にて検出される振幅I(振幅「1」が記録された画素の振幅、振幅「−1」が記録された画素の振幅の双方)は、先にも述べたように、

となる。ここで、回折効率η=10-4とすれば、

である。
これは、バックグラウンド光となるコヒーレント光の強度に対し、再生像のコントラスト(振幅「+1」〜振幅「−1」)が非常に低いことを意味しており、この場合はわずか2%の強度差を検出しなければならないこととなってしまう。
このようにコントラストの低い再生像を精度良く検出するのは非常に困難であり、このため従来では、再生特性の悪化が避けられない状況にあった。
そこで、本実施の形態では、偏光方向制御型の空間光変調器と偏光ビームスプリッタとの組み合わせによる強度変調部を用いる場合において、コヒーレント光の強度を上記「1」に対応する強度よりも減衰させ、それによって相対的に再生像のコントラストが向上されるようにすることで、再生特性の改善を図るようにする。
このために、第1の実施の形態の記録再生装置では、図1に示されるようにして、偏光ビームスプリッタ3と偏光方向制御器4との間に、偏光方向制御素子18を挿入するものとしている。
この偏光方向制御素子18は、位相子(位相板)で構成される。この位相子は、偏光方向に応じた異方性を有し且つ位相差π(λ/2の位相差)を発生させるように構成される。具体的にこの場合は、1/2波長板を用いる。
図1に示す記録再生装置では、このような1/2波長板としての偏光方向制御素子18が、偏光方向制御器4の近傍(つまり実像面近傍)において、その光学基準軸が、入射光(初めに入射する光:この場合は偏光ビームスプリッタ3側から入射するy偏光)の偏光方向軸に対して所定角度だけ傾けられるようにして光路中に挿入されている。
ここで、偏光方向制御素子18の光学基準軸と、当該偏光方向制御素子18への入射光の偏光方向軸とのなす角度を「θ」とおく。
上記のようにして光路中に挿入された偏光方向制御素子18によってもたらされる作用について、次の図7、図8を参照して説明する。
図7は、図1に示される偏光ビームスプリッタ3、偏光方向制御素子18、及び偏光方向制御器4を抽出して示すと共に、これら各光学素子を介する再生時における光線の状態を併せて示している。またこの図7では、偏光方向制御素子18の光学基準軸と当該偏光方向制御素子18への入射光の偏光方向軸とのなす角度θも示している。
図7において、先ず、先の図1に示した偏光方向制御素子18の挿入位置によれば、当該偏光方向制御素子18には、偏光ビームスプリッタ3側から光が入射されると共に、この入射光が偏光方向制御器4を介して(反射されて)再度入射することになる。図中の各矢印S1、S2、S3、S4は、偏光方向制御素子18に対し偏光ビームスプリッタ3側から入射する光(S1)、この光S1が偏光方向制御素子18を介した後の光(S2)、光S2が偏光方向制御器4を介した後の光(S3)、さらに光S3が偏光方向制御素子18を介した後の光(S4)を表している。
ここで、これら光S1〜S4として表すように偏光方向制御素子18→偏光方向制御器4→偏光方向制御素子18→偏光ビームスプリッタ3の順で光が導かれる場合、偏光方向制御素子18の上記角度θに応じて偏光ビームスプリッタ3の透過率(偏光方向制御素子18側から入射する光についての透過率)が変化することになる。
ジョーンズベクトルを用いた解析により、このように偏光方向制御素子18→偏光方向制御器4→偏光方向制御素子18→偏光ビームスプリッタ3の順で光が導かれる場合における、角度θと上記偏光ビームスプリッタ3の透過率との関係を求めた。
結果を図8に示す。
図8において、実線は、データ「1」(第1の制御値)に基づく駆動信号により駆動されるONピクセルの光について、角度θ(横軸)と偏光ビームスプリッタ3の透過率(縦軸)との関係を示し、破線はデータ「0」(第2の制御値)に基づく駆動信号により駆動されるOFFピクセルの光について角度θと偏光ビームスプリッタ3の透過率との関係を示している。
なお、縦軸の透過率は、偏光方向制御器4への入射光の光強度を「1」としたときの、偏光ビームスプリッタ3の透過光の光強度を表すものとしても見ることができる。
この図8に示すように、偏光ビームスプリッタ3の透過率は、角度θの45°を1周期として、正弦波状に変化する。具体的に、実線で示すONピクセルの光についての透過率は、角度θ=0°のとき透過率=1を開始位置として、当該透過率=1を振幅の最大値、透過率=0.5を振幅の中心、透過率=0を振幅の最小値にもつ正弦波状に変化する。この場合において、透過率は、角度θの22.5°周期で1→0→1…と交互に変化する。
また、破線で示すOFFピクセルの光についての透過率は、上記ONピクセルの光についての透過率の変化特性とは逆相の正弦波状に変化する。つまり、OFFピクセルの光についての透過率変化特性は、透過率=1を振幅の最大値、透過率=0.5を振幅の中心、透過率=0を振幅の最小値にもつ点は共通となるが、角度θ=0°のとき透過率=0が開始位置となり、角度θの22.5°周期で透過率が0→1→0…と交互に変化する正弦波状となる。
この図8からも明らかなように、偏光方向制御素子18の光学基準軸と入射光の偏光方向軸とのなす角度θ(つまり偏光方向制御素子18の面何回転角度)の調整により、ONピクセルの光とOFFピクセルの光の光量を制御することができる。
本実施の形態ではこの点を利用し、上記角度θとして微量の角度を与えた上で、コヒーレント光の生成にあたり再生時の信号光エリアA2に割り当てる値を、従来の「1」ではなく「0」に設定するものとしている。
図8によると、角度θが微量に与えられた場合、「0」に応じた駆動信号により駆動されるOFFピクセルの光についての透過率は、「0」よりもわずかに上昇することとなる。つまりこのことで、上記のように再生時の信号光エリアA2に「0」を割り当てるようにすることで、コヒーレント光として、微少な光量による光を生成することができる。換言すれば、従来の光強度「1」に対応する強度によるコヒーレント光よりも、大幅に減光されたコヒーレント光を生成することができるものである。
参考として、先の図7では、再生時の光線状態として、このように信号光エリアA2を「0」に応じた駆動信号により駆動して微少な光量によるコヒーレント光が生成される様子を表している。
ここで、先に説明したように、再生像に対して加算されるコヒーレント光の強度は、少なくとも「再生像の振幅の最小値の絶対値よりも大」となるように設定されればよい。この場合、上記角度θとしては、少なくともこのようなコヒーレント光の強度についての条件を満たすようにして設定することになる。
一例として、本実施の形態の場合、角度θについては、偏光ビームスプリッタ3におけるOFFピクセルの光(つまりコヒーレント光の元となる光)についての透過率が1%〜0.1%程度となるようにして設定するものとしている。
再生像のコントラストが向上されるようにする観点からずれば、加算されるコヒーレント光の強度は、「再生像の振幅の最小値の絶対値」以下とならい範囲で、可能な限り小とされることが好ましい。
とろこで、このように角度θを与えた場合、ONピクセルの光についての偏光ビームスプリッタ3における透過率は「1」から低下してしまうことになる。
先の説明によれば、記録時の参照光エリアA1・信号光エリアA2の双方、及び再生時の参照光エリアA1については、通常通りONピクセルをデータ「1」(第1の制御値)に基づき駆動しOFFピクセルをデータ「0」(第2の制御値)に基づき駆動するものとしている(図7にも示してある)。従って、このことによると、記録時の信号光・参照光の双方、及び再生時の参照光について、光量低下が生じることは避けられないものとなる。
但し、これまでの説明からも理解されるように、本実施の形態はコヒーレント光の減光を目的とするものであり、コヒーレント光の強度としては、上記のように「再生像の振幅の最小値の絶対値」以下とならい範囲で可能な限り小となるようにするものである。この点から、上記角度θについては、非常にわずかな角度を与えさえすればよく、従って上記のような信号光や参照光の光量低下は非常にわずかに抑えることができ、実際の記録再生動作に破綻を来すような影響は与えないようにすることができる。すなわち、問題なく記録再生動作を行うことができる。
ここで、コヒーレント光の強度については、参照光の照射に応じて得られる再生像のコントラストの相対的な向上を図るという目的から、偏光ビームスプリッタ3から対物レンズ14側に導かれる参照光の元となる光の強度をI1、同じく偏光ビームスプリッタ3から対物レンズ14側に導かれるコヒーレント光の元となる光の強度をI2とした場合、必要最小限の条件として、少なくとも「I1>I2」の条件は満たす必要がある。これは、先の図8においては、「ONピクセルの透過率>OFFピクセルの透過率」の条件とすることに相当する。
このような条件が満たされるべく、この場合の角度θとしては、少なくとも、
0°<θ<11.25°
33.75°<θ<45°
45°<θ<56.25°
78.5°<θ<90°
の何れかの範囲内に設定する、ということが必須となる。
確認のために、上記により説明した第1の実施の形態としての手法によるコヒーレント光の減光を実現するための、空間光変調制御部16による再生時の動作について説明しておくと、図5に示したマッピング部22は、再生時において、先に述べたようにして参照光エリアA1については記録時と同様の「0」「1」のデータパターンを割り当てた上で、信号光エリアA2についてはその全域(全画素)に「0」を割り当て、さらにこれら参照光エリアA1・信号光エリアA2以外の他の領域には「0」を割り当てて、偏光方向制御器4の全有効画素分のデータパターンを生成する。
そして、このように生成したデータパターンを、偏光制御ドライバ23に対して供給する。
なお、このように供給されたデータパターンに応じて行われる上記偏光制御ドライバ23による偏光方向制御器4の駆動制御動作や、記録時における空間光変調制御部16による動作については既に説明済みであるので、改めての説明は省略する。
以上のようにして第1の実施の形態によれば、コヒーレント光の強度を従来の強度「1」に対応する強度よりも大幅に減光することができる。この結果、再生像の明暗のコントラストの向上が図られ、それによって再生特性の向上を図ることができる。
2.第2の実施の形態(偏光方向制御器自体を傾ける)

図9は、第2の実施の形態の記録再生装置の内部構成を示したブロック図である。
なお、以下の説明において、既に説明済みとなった部分については同一符号を付して説明を省略するものとする。
第2の実施の形態は、偏光方向制御器4自体を傾けて配置することで、偏光方向制御素子18で得ていた作用と同様の作用を得るようにするものである。
具体的に、図9に示す第2の実施の形態の記録再生装置では、図1に示した記録再生装置に備えられていた偏光方向制御素子18が省略される。その上でこの場合は、偏光方向制御器4が、その光学基準軸が入射光の偏光方向軸(この場合はy軸)に対して所定の角度θだけ傾けられるようにして配置される。
図10は、第2の実施の形態の減光手法について説明するための図として、図9に示す偏光ビームスプリッタ3と偏光方向制御器4とを抽出して示すと共に、これらの素子を介する再生時の光線の状態を併せて示している。また、この図10では偏光方向制御器4の光学基準軸の方向についても示している。
ここで、図示するようにして偏光ビームスプリッタ3側から偏光方向制御器4に入射する光をS5、当該光S5が偏光方向制御器4を介して得られる、偏光ビームスプリッタ3に再度入射する光をS6とおく。
これまでの説明からも理解されるように、偏光方向制御器4への入射光としての光S5の偏光方向軸はy軸と一致するものとなる。このとき、偏光方向制御器4の光学基準軸と、当該偏光方向制御器4への入射光としての上記光S5の偏光方向軸とのなす角度θに対する、上記光S6の偏光ビームスプリッタ3における透過率の変化特性は、先の図8に示したものと同様に、角度θに応じた周期で透過率が変化する特性となる。
但し、第1の実施の形態では、偏光方向制御素子18を往復した光が偏光ビームスプリッタ3に導かれるものとなるので、透過率の変化は、角度θの45°周期で変化するものとなったが、この場合は光の往復は無いので、透過率の変化は角度θの90°周期で変化するものとなる。
具体的に、ONピクセルの光については、角度θ=0°で透過率「1」の状態を基準として、角度θが大きくなるに従って徐々に透過率が低下し角度θ=45°で透過率が「0」に至る。その後、角度θが大きくなると透過率が上昇し角度θ=90°で再び透過率「1」となる。また、OFFピクセルの光については、その逆相、つまり角度θ=0°で透過率「0」の状態を基準として、角度θが大きくなるに従って徐々に透過率が上昇し角度θ=45°で透過率が「1」に至り、その後の角度θの増加に応じては透過率が徐々に低下し角度θ=90°で透過率が「0」に戻る。
つまり、第1の実施の形態の場合と比較して透過率の角度θに対する変化周期は2倍となるが、角度θに応じて透過率が変化する点は同様である。
ここで、第2の実施の形態の記録再生装置においても、空間光変調制御部16においては、記録時・再生時の駆動制御動作として第1の実施の形態の場合と同様の動作が行われる。つまり図10にも示しているように、記録時においては、参照光エリアA1・信号光エリアA2で共に、通常通りONピクセルについては「1」(第1の制御値)に基づく駆動信号で駆動しOFFピクセルについては「0」(第2の制御値)に基づく駆動信号で駆動するようにされる。また、再生時においては、参照光エリアA1は通常通りONピクセルを「1」、OFFピクセルを「0」に基づく駆動信号でそれぞれ駆動し、信号光エリアA2は、全域を「0」に基づく駆動信号で駆動するようにされている。
従って第2の実施の形態の記録再生装置としても、再生時においては、強度「1」よりも大幅に減光されたコヒーレント光を生成することができる。
確認のために述べておくと、第2の実施の形態においても、角度θについては、偏光ビームスプリッタ3におけるOFFピクセルの光(つまりコヒーレント光の元となる光)についての透過率として、再生像に対して加算されるコヒーレント光の強度が「再生像の振幅の最小値の絶対値」以下とならない範囲で可能な限り小となるようにすることのできる透過率が設定されるようにして設定すればよい。
具体的に、この場合の角度θに応じた透過率の変化特性によれば、少なくとも先に説明した「I1>I2」の条件(「ONピクセルの透過率>OFFピクセルの透過率」の条件)が満たされるためには、角度θについて、
0°<θ<22.5°
67.5°<θ<90°
の何れかの範囲内とすることが必要最小限の条件とされた上で、これら何れかの範囲内において、再生像に対して加算されるコヒーレント光の強度が「再生像の振幅の最小値の絶対値」以下とならない範囲で小となるようにして設定されればよいものである。
上記のようにして偏光方向制御器4を通常の使用時から傾けて配置する第2の実施の形態によっても、コヒーレント光を減光することができ、相対的に再生像のコントラストを向上させて再生特性の向上を図ることができる。
3.第3の実施の形態(部分的偏光方向制御素子を用いる)
3−1.第1例(部分的偏光方向制御素子をスライド駆動)

ここで、先の第1、第2の実施の形態の記録再生装置においては、光路中に対して偏光方向制御素子18が常時挿入される、或いは偏光方向制御器4自体が傾けられて配置されている。このため、コヒーレント光についての減光が可能となる一方で、記録時・再生時において、信号光と参照光の光量低下が生じるものとなっていた。
しかし、理想的には、このような信号光・参照光の光量低下を生じさせずにコヒーレント光の減光のみが行われるようにすることが望ましい。そこで第3の実施の形態では、このような信号光・参照光の光量低下の防止を図りつつ、コヒーレント光の減光を行うことのできる手法を提案する。
具体的に、第3の実施の形態は、入射光の偏光方向を変化させる位相子が部分的に形成された部分的偏光方向制御素子を用いるものとし、当該部分的偏光方向制御素子によって、再生時の信号光エリアについてのみ偏光方向制御が行われるようにすることで、記録時・再生時における信号光、参照光の光量低下の防止とコヒーレント光の減光との両立を図るものである。
このような第3の実施の形態としての手法として、以下では第1例と第2例とを挙げる。
第3の実施の形態の第1例は、上記部分的偏光方向制御素子をスライド駆動して、記録時/再生時で上記位相子が形成された領域が光路に対して出し入れされるようにすることで、再生時の信号光エリアA2についてのみ選択的に偏光方向制御が行われるようにするものである。
図11は、第3の実施の形態の第1例としての記録再生装置の内部構成を示したブロック図である。
図11において、第3の実施の形態の第1例としての記録再生装置の構成は、先の図1に示した記録再生装置と比較して、偏光方向制御素子18に代えて部分的偏光方向制御素子30が設けられ、且つ、当該部分的偏光方向制御素子30をスライド移動可能に保持するスライド駆動部31と、当該スライド駆動部31を駆動制御して上記部分的偏光方向制御素子30のスライド移動させる制御部32とが設けられる点が異なる。
図12は、部分的偏光方向制御素子30の構造を示している。
図示するようにして部分的偏光方向制御素子30は、その一部に位相子(位相板)30aが形成される。この位相子30aとしても、この場合は1/2波長板を用いる。
部分的偏光方向制御素子30における、上記位相子30aが形成された領域サイズは、信号光エリアA2のサイズ以上で且つ参照光エリアA1には重ならないように設定されている。
また、部分的偏光方向制御素子30は、その全体のサイズとして、入射面に平行な面におけるx方向の長さLxが、少なくとも参照光エリアA1の直径以上となるようにされている。ここで、上記参照光エリアA1の直径とは、参照光エリアA1の外側円についての直径を指すものである。
また、上記x方向とは直交するy方向の長さについては、上記位相子30aの形成領域の一方の端部から部分的偏光方向制御素子30の一方の端部までの長さLy1が、少なくとも参照光エリアA1の直径以上となるようにされている。さらに、上記位相子30aの形成領域の他方の端部から部分的偏光方向制御素子30の他方の端部までの長さLy2は、信号光エリアA2の縁から参照光エリアA1の外側円までの距離以上となるようにされている。
部分的偏光方向制御素子30において、上記位相子30aの形成領域以外の領域は、例えば透明ガラスや透明樹脂など入射光の偏光方向を変化させない材料で構成する。
図13(a)、図13(b)は、第3の実施の形態の第1例としての減光手法について説明するための図として、図11に示される偏光ビームスプリッタ3、偏光方向制御器4、及び部分的偏光方向制御素子30を抽出して示している。図13(a)は記録時の部分的偏光方向制御素子30の駆動状態、図13(b)は再生時の部分的偏光方向制御素子30の駆動状態についてそれぞれ示している。また各図では、記録時、再生時の光線状態も併せて示している。また、図13(b)では再生時における位相子30aの光学基準軸の方向も併せて示している。
図13(a)に示すように、記録時には、部分的偏光方向制御素子30における位相子30aが、光路中から外される状態が得られるように、部分的偏光方向制御素子30を駆動する。具体的には、部分的偏光方向制御素子30における位相子30aが形成される以外の領域(図12におけるLy1の部分)により、参照光までの範囲がカバーされるようにして、部分的偏光方向制御素子30をスライド駆動する。このことで、記録時には、信号光、参照光についての光量低下が防止される。
そして、再生時には、図13(b)に示されるようにして、部分的偏光方向制御素子30における位相子30aが、光路中に挿入される状態が得られるように部分的偏光方向制御素子30を駆動する。具体的に、この場合の部分的偏光方向制御素子30の光学系中における挿入位置によれば、偏光方向制御器4の信号光エリアA2に入射することになる光全体が位相子30a内に入射する状態が得られるように、部分的偏光方向制御素子30を駆動する。本例の場合、信号光エリアA2は参照光エリアA1の内側に配置され、その中心がレーザ光の光軸と一致するものとなっているので、この場合は、位相子30aの中心を上記光軸と一致させるようにして部分的偏光方向制御素子30を駆動するものとすればよい。
このような部分的偏光方向制御素子30の駆動により、再生時には、信号光の光線領域内の光についてのみ、第1の実施の形態の場合と同様の偏光方向制御作用が得られるものとなる。換言すれば、参照光の光線領域内の光については、位相子30aによる偏光方向制御の影響を与えないようにすることができる。
このことで再生時には、先の第1の実施の形態の場合と同様のコヒーレント光の減光が可能とされた上で、参照光についての光量低下の防止が図られるものとなる。
なお確認のために述べておくと、この場合は、図13(b)に示すように位相子30aが光路中に挿入された状態において、位相子30aの光学基準軸と当該位相子30aへの入射光(この場合もy偏光である)の偏光方向軸とのなす角度θが、少なくとも先に説明したコヒーレント光の強度条件を満たすことのできる角度となるようにして、部分的偏光方向制御素子30の取付角度、或いは位相子30aの部分的偏光方向制御素子30への形成角度を設定することになる。
上記により説明した記録時/再生時の部分的偏光方向制御素子30の駆動は、図11に示すスライド駆動部31及び制御部32によって行われる。
図11において、スライド駆動部31は、上記制御部32からの駆動信号に基づき、部分的偏光方向制御素子30をスライド駆動する。例えばこの場合のスライド駆動部31は、モータの回転駆動力をスライド方向の駆動力に変換する機構を有し、上記モータが上記制御部32からの駆動信号により駆動制御されることで、上記部分的偏光方向制御素子30をスライド駆動するように構成されている。
ここで先の説明によれば、部分的偏光方向制御素子30は、記録時には位相子30aが光路外に外される状態となるように駆動され、再生時には偏光方向制御器4の信号光エリアA2に入射することになる光全体が位相子30a内に入射する状態が得られるべく位相子30aの中心と光軸とが一致する状態が得られるようにして駆動される必要がある。
制御部32は、このような記録時/再生時のそれぞれの部分的偏光方向制御素子30の駆動状態が得られるようにして予め定められた極性やパルス幅(時間)による駆動信号を、スライド駆動部31に対して与える。これにより、上記記録時/再生時それぞれの部分的偏光方向制御素子30の駆動状態が得られるようになっている。
なお、上記の記録時/再生時の部分的偏光方向制御素子30の駆動状態が得られるようにするにあたっては、これら記録時/再生時の駆動状態が得られるように部分的偏光方向制御素子30のスライド量を制限するストッパ(位置決め部材)を設ける手法を採ることもできる。その場合、制御部32は、少なくとも記録時/再生時で上記駆動信号の極性を切り換える(つまりスライド方向を切り換える)ように構成されていればよい。
上記のようにして第3の実施の形態の第1例によれば、再生時の信号光光線領域内についてのみ選択的に偏光方向制御が行われるようにすることができ、その結果、記録時における信号光・参照光の光量低下、及び再生時における参照光の光量低下の防止を図りつつ、コヒーレント光の減光を行うことができる。
3−2.第2例(部分的偏光方向制御素子を回転駆動)

第3の実施の形態の第2例は、部分的偏光方向制御素子を回転駆動して(つまり位相子が回転駆動されるようにして)、再生時の信号光光線領域内においてのみ選択的に偏光方向制御が行われるようにすることで、信号光・参照光の光量低下の防止とコヒーレント光の減光との両立が図られるようにするものである。
図14は、第3の実施の形態の第2例としての記録再生装置の内部構成を示したブロック図である。
第2例の記録再生装置は、先の図11に示した第1例の記録再生装置との比較では、部分的偏光方向制御素子30に代えて、部分的偏光方向制御素子33が設けられる。また、スライド駆動部31と制御部32とが省略された代わりに、上記部分的偏光方向制御素子33を回転駆動可能に保持する回転駆動部34と、当該回転駆動部34による回転動作を制御する制御部35とが設けられる。
上記部分的偏光方向制御素子33には、先の第1例における部分的偏光方向制御素子30の場合と同様のサイズによる位相子30aが形成されている。但し、この部分的偏光方向制御素子33としては、先の第1例の部分的偏光方向制御素子30の場合における長さLx、Ly1、Ly2についての制限とは異なる制限が課される。具体的に、この場合の部分的偏光方向制御素子33としては、位相子30aの形成された領域の中心から、x方向における各端部までのそれぞれの長さ、及びy方向における各端部までのそれぞれの長さが、共に参照光エリアA1の半径(光軸から参照光エリアA1の外側円までの距離)以上となるようにされていればよい。
回転駆動部34は、位相子30aに対して信号光の光線領域内の光全体(この場合も偏光方向制御器4の信号光エリアA2に入射することになる光全体)が入射する状態となるようにして、部分的偏光方向制御素子33を回転駆動可能に保持する。具体的にこの場合、回転駆動部34は、上記位相子30aが形成された領域の中心が光軸と一致する状態で部分的偏光方向制御素子33を回転駆動可能に保持する。
そして回転駆動部34は、このように回転駆動可能に保持する部分的偏光方向制御素子33を、制御部35から供給される駆動信号に応じて回転駆動する。
例えばこの場合の回転駆動部34はモータを備え、当該モータが上記制御部35からの駆動信号により駆動制御されることで、上記部分的偏光方向制御素子33を回転駆動するように構成されている。
制御部35は、上記回転駆動部34における上記モータに与える駆動信号の極性やパルス幅を制御することで、上記部分的偏光方向制御素子33を所要の回転方向に所要角度だけ回転駆動させる。
図15は、第3の実施の形態の第2例としての減光手法について説明するための図であり、図15(a)は記録時、図15(b)は再生時について示している。なお、これら図15(a)、図15(b)においては、図14に示される偏光ビームスプリッタ3、部分的偏光方向制御素子33、及び偏光方向制御器4を抽出して示している。また図15(a)では記録時の光線状態及び位相子30aの光学基準軸の方向を、図15(b)では再生時の光線状態及び位相子30aの光学基準軸の方向も併せて示している。
これら図15(a)、図15(b)の比較として示すように、第2例の減光手法においては、記録時に位相子30aの光学基準軸が入射光(この場合もy偏光)の偏光方向軸と一致した状態、再生時には位相子30aの光学基準軸が入射光の偏光方向軸から角度θだけ傾けられた状態が得られるようにして、部分的偏光方向制御素子33を回転駆動することになる。
これにより記録時には、信号光、参照光の双方の光線領域の光について、部分的偏光方向制御素子33(位相子30a)による偏光方向制御が行われないようにすることができ、これによって記録時における信号光・参照光の光量低下の防止が図られる。
そして、再生時には、位相子30aについて、先の図13(b)の状態と同じ状態が得られることになる。このことで、この場合も再生時においては、信号光の光線領域内の光の強度(コヒーレント光の強度)を、角度θに応じて調整(減衰)できる一方で、参照光の光線領域については、位相子30aによる偏光方向制御が行われない状態となるので、参照光の光量低下の防止が図られる。
このようにして第2例の手法によっても、再生時の信号光光線領域内についてのみ選択的に偏光方向制御が行われるようにすることができ、その結果、記録時における信号光・参照光の光量低下、及び再生時における参照光の光量低下の防止を図りつつ、コヒーレント光の減光を行うことができる。
ここで、この場合の制御部35は、記録時と再生時とで、部分的偏光方向制御素子33の回転角度が、それぞれ位相子30aの光学基準軸と入射光の偏光方向軸(この場合はy軸)とが一致する状態となる回転角度、位相子30aの光学基準軸と入射光の偏光方向軸とにθによる角度差が与えられた状態となる回転角度となるようにして予め定められた極性、パルス幅(時間)による駆動信号を、記録時/再生時にそれぞれ回転駆動部34に供給することで、図15(a)(b)にて説明した記録時/再生時それぞれの部分的偏光方向制御素子33の回転駆動状態が得られるように制御を行うように構成されている。
なお、この場合としても、回転動作に対するストッパとなる位置決め部材を設けることで、図15(a)(b)にて説明した記録時/再生時それぞれの部分的偏光方向制御素子33の回転状態が得られるようにすることもできる。その場合制御部35は、少なくとも回転駆動部34による部分的偏光方向制御素子33の回転方向の制御を行うように構成されればよい。
4.第4の実施の形態(部分的偏光方向制御器を用いる)

第4の実施の形態としても、信号光・参照光の光量低下の防止とコヒーレント光の減光との両立を図るものである。但し、第4の実施の形態では、部分的偏光方向制御素子として用いる素子が、第3の実施の形態の場合とは異なる。
第4の実施の形態では、駆動信号に応じて入射光の偏光方向を制御するように構成された可変制御素子が部分的に形成された部分的偏光方向制御器を用いることで、再生時の信号光光線領域についてのみ選択的に偏光方向制御が行われるようにして、信号光・参照光の光量低下の防止とコヒーレント光の減光との両立が図られるようにするものである。
図16は、第4の実施の形態としての記録再生装置の内部構成を示したブロック図である。
この図16に示されるように第4の実施の形態の記録再生装置は、先の第3の実施の形態の第1例の記録再生装置(図11)と比較して、スライド駆動部31及び制御部32が省略された上で、部分的偏光方向制御素子30に代えて部分的偏光方向制御器36が挿入され、さらに当該部分的偏光方向制御器36を駆動制御する制御部37が設けられる。
上記部分的偏光方向制御器36は、次の図17に示されるようにして、上記可変制御素子が形成された制御対象領域Acとそれ以外の領域とが形成されている。制御対象領域Acのサイズは、先の位相子30aと同様に、信号光エリアA2(図中一点鎖線で示す)以上で且つ参照光エリアA1(図中破線で示す)には重ならないように設定されている。
また、部分的偏光方向制御器36の全体のサイズとしては、上記制御対象領域Acの中心から、x方向における各端部までのそれぞれの長さ、及びy方向における各端部までのそれぞれの長さが、共に参照光エリアA1の半径以上となるように設定されている。
上記制御対象領域Acにて形成された可変制御素子は、制御部37からの駆動信号のON時とOFF時とで、位相差πを発生させる(位相変調量πによる位相変調を行う)ように構成されている。
また、部分的偏光方向制御器36における、上記可変制御素子の形成された制御対象領域Ac以外の領域は、入射光の偏光方向を変化させない材料、例えば透明ガラスや透明樹脂などで構成されている。
ここで、制御対象領域Acに形成される上記可変制御素子は、液晶素子を備えて構成され、当該液晶素子の厚みの調整により、上記駆動信号のOFF時(液晶分子の水平配向時)とON時(液晶分子の垂直配向時)とで、π(λ/2)による位相差を発生させるように構成されている(この構造は先の図4にて説明した位相変調器8の構造と同様である)。
ここで、上記のように構成された可変制御素子は、駆動信号ON時に1/2波長板と同様の性質を有することになる。
この点から第4の実施の形態の記録再生装置では、部分的偏光方向制御器36を、上記可変制御素子(制御対象領域Ac)の光学基準軸が、入射光の偏光方向軸(この場合もy軸)に対し角度θだけ傾けられた状態となるようにして光学系中に挿入しておくものとしている。このとき、部分的偏光方向制御器36は、制御対象領域Acに対して信号光の光線領域内の光全体(偏光方向制御器4の信号光エリアA2に入射する光全体)が入射されるようにして光学系に挿入する。具体的には、部分的偏光方向制御器36の中心(上記制御対象領域Acの中心でもある)が、レーザ光の光軸と一致するように挿入する。
その上で、記録時には上記可変制御素子の駆動信号をOFF、再生時には上記駆動信号をONとする。このような部分的偏光方向制御器36に対する駆動制御は、図16における制御部37が行う。
上記のような記録時/再生時の駆動制御が行われることで、上記可変制御素子(制御対象領域Ac)による入射光の偏光方向制御は、再生時の信号光の光線領域内についてのみ行われるようにすることができる。
具体的に、記録時には、部分的偏光方向制御器36に対する入射光(行き及び帰り)について、その偏光方向は不変とされ、結果、信号光・参照光の光量低下の防止が図られる。そして再生時には、信号光の光線領域内の光について、制御対象領域Acにおける偏光方向制御によって、偏光ビームスプリッタ3に再度入射する光の偏光方向が角度θに応じて変化され、結果、コヒーレント光についての減光が行われることになる。また、上記により説明した部分的偏光方向制御器36のサイズ設定、及びその光路中への挿入状態によれば、再生時には、参照光の光線領域の光についての偏光方向制御は行われないものとなるので、再生時における参照光の光量低下の防止も図られる。
この結果、第4の実施の形態によっても、信号光・参照光の光量低下の防止とコヒーレント光の減光との両立が図られる。
5.変形例

以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明としてはこれまでに説明した具体例に限定されるべきものではない。
例えば、これまでの説明では、信号光・参照光の光量低下の防止を図るための手法として、再生時の信号光の光線領域内における光についてのみ選択的に偏光方向制御を行うことで、記録時の信号光と参照光の光量低下の防止、及び再生時の参照光の光量低下の防止の双方を図る場合を例示したが、例えば次の図18に示されるように参照光の領域も含むようにサイズを拡大した偏光方向制御素子を形成した部分的偏光方向制御素子を用いるようにし、記録時の信号光・参照光の光量低下の防止のみが図られるようにすることもできる。
図18(a)は、先の位相子30aよりもサイズの拡大された位相子40aを備える部分的偏光方向制御素子40を用い、これをスライド駆動するとした場合の光学系の構成例を示している。先の図11に示した光学系の構成からの変更点は、部分的偏光方向制御素子30に代えて部分的偏光方向制御素子40が設けられる点である。
上記部分的偏光方向制御素子40は、図18(b)に示すように、位相子40aのサイズが、参照光エリアA1の直径以上となるようにされている。また、部分的偏光方向制御素子40のx方向の長さLxとしても参照光エリアA1の直径以上、さらに、y方向における上記位相子40aが形成されない部分の長さLyも参照光エリアA1の直径以上となるようにされる。
この場合、制御部32によるスライド駆動部31の駆動制御により、記録時には、部分的偏光方向制御素子40の上記位相子40aが形成されていない部分に対して参照光の光線領域内の光全体が入射される状態(位相子40aが光路中から外される状態)が得られるようにし、再生時には、上記位相子40aに対し参照光の光線領域の光全体が入射される状態(位相子40aが光路中に挿入された状態)が得られるように部分的偏光方向制御素子40をスライド駆動する。
このことで、記録時には位相子40aによる偏光方向制御が行われずに記録時の信号光・参照光についての光量低下の防止が図られ、再生時には、位相子40aによる偏光方向制御が行われることでコヒーレント光の減光を行うことができる。
なお、ここでは部分的偏光方向制御素子40をスライド駆動する場合を例示したが、先の第3の実施の形態の第2例のように回転駆動する構成とすることも勿論可能である。また、位相子40aによる偏光方向制御を行うのではなく、第4の実施の形態の場合のように可変制御素子を部分的に形成した部分的偏光方向制御器(この場合、制御対象領域Acのサイズは上記位相子40aのサイズと同様)を用い、再生時にのみ上記可変制御素子の駆動信号をONとすることで同様の効果を得るようにすることもできる。
また、この変形例の手法において、偏光方向制御素子としては位相子や上記可変制御素子を部分的に形成せず全域に形成してもよい点については言うまでもない。
また、このように記録時の信号光・参照光の光量低下の防止のみが図られるようにする手法としては、上記により説明した手法に限らず、例えば第2の実施の形態のように偏光方向制御素子を設けない構成とする場合において、偏光方向制御器4を記録時/再生時で所要の回転角度差が与えられるようにして回転駆動するという手法を採ることも可能である。
また、これまでの説明では、位相子30a(又は40a)を光路に対して出し入れするための具体的な構成例として、部分的偏光方向制御素子30(40)をスライド駆動する構成を例示したが、これに代えて、例えば部分的偏光方向制御素子30(又は40)を光路から跳ね上げる/下げるといった駆動をする駆動部を設けるなど、スライド駆動以外の他の駆動手法により位相子30a(40a)が光路に対して出し入れされるように駆動することもできる。
また、これまでの説明では、偏光ビームスプリッタを用いた強度変調を行うために用いる偏光方向制御型の空間光変調器として、偏光方向制御器4としての、反射型による空間光変調器を用いる場合を例示したが、これに代えて、透過型の空間光変調器を用いることもできる。
図19、図20は、透過型による偏光方向制御型の空間光変調器としての、偏光方向制御器41を用いた場合の光学系の構成例をそれぞれ示している。
図19の例は、レーザダイオード1からの出射光がコリメータレンズ2を介した後、偏光方向制御素子18を介して偏光方向制御器41に入射する。このとき、偏光方向制御素子18には、y偏光が入射するように調整しておく(このような調整は偏光方向制御素子18の前段に1/2波長板などの偏光方向制御素子を別途設けておくことなどで実現できる)。
この場合、偏光方向制御器41を介した光として、ONピクセルの光はほぼ全てが偏光ビームスプリッタ3を透過して対物レンズ14側に導かれ、またOFFピクセルの光はほぼ全てが偏光ビームスプリッタ3にて反射され(つまり僅かに透過し)、これによって対物レンズ14側に微少な光量で導かれるものとなる。なお、偏光ビームスプリッタ3〜対物レンズ14の間の光学系の構成は図1に示したものと同様とすればよい。
また、図20の例としても、レーザダイオード1からの出射光がコリメータレンズ2を介した後、偏光方向制御素子18を介して偏光方向制御器41に入射する。但しこの図20の例では、偏光方向制御器41を介した光を、偏光ビームスプリッタ3にて反射させて対物レンズ14側に導くものとされる。これに応じこの場合の例では、偏光方向制御素子18にy偏光でなくx偏光で光が入射するように調整しておく。このことで、偏光方向制御器41を介した光として、ONピクセルの光(偏光方向が90°変化される)はほぼy偏光に近い状態で偏光ビームスプリッタ3に入射し、ほぼ全てが偏光ビームスプリッタ3にて反射されて対物レンズ14側に導かれる。またOFFピクセルの光はほぼx偏光に近い状態とされてほぼ全てが偏光ビームスプリッタ3を透過する(僅かに反射する)こととなって、結果、対物レンズ14側に微少な光量で導かれるものとなる。なお、この場合も偏光ビームスプリッタ3〜対物レンズ14の間の光学系の構成は図1と同様とすればよいが、図1の構成によると、上記偏光ビームスプリッタ3を反射した光は、もう一方の偏光ビームスプリッタ9を透過して対物レンズ14側に導かれるものとなっている。この場合の光学系としては、上記偏光ビームスプリッタ3の反射光が対物レンズ14側に導かれるようにするために、上記偏光ビームスプリッタ9の反射光が対物レンズ14側に導かれるように構成すればよい。
ここで、これら図19、図20では偏光方向制御素子として第1の実施の形態の場合の偏光方向制御素子18が用いられる場合を例示したが、偏光方向制御素子としては勿論、他の実施の形態で例示したものを用いることもできる。
また、これまでの説明では、本発明の偏光方向制御素子(偏光方向制御素子18、部分的偏光方向制御素子30又は33、部分的偏光方向制御器36)を、偏光ビームスプリッタ3と偏光方向制御器4との間における、偏光方向制御器4の近傍(実像面の近傍)に挿入する場合を例示したが、これらの挿入位置は例示したものに限定されるべきものではない。
但し、ここで注意すべきは、偏光方向制御器・偏光方向制御素子との偏光方向制御に応じた強度変調は、最終的に偏光ビームスプリッタにて行われるという点である。つまりこのために、本発明の偏光方向制御素子の挿入位置としては、少なくとも光源から偏光ビームスプリッタまでの間とする必要はある。
ここで、特に第3,第4の実施の形態及び先の図18に示した変形例について、対象とする領域に対し適正に偏光方向制御が行われるようにする観点からすると、部分的偏光方向制御素子30,33,40、部分的偏光方向制御器36の挿入位置は、偏光方向制御器4の実像面に近いほど好ましいものとなる。さらに言えば、別途リレーレンズ系を設けて、偏光方向制御器4の実像面を形成した上で、当該実像面に対して挿入するのが最も好ましいものとなる。
また、これまでの説明では、偏光方向が90°変化される画素がONピクセル、偏光方向が0°変化(つまり不変)とされる画素がOFFピクセルとなる場合を例示したが、逆に偏光方向が90°変化される画素がOFFピクセル、偏光方向が不変とされる画素がONピクセルとなる場合も有り得る。
例えば、先の図19の構成において、偏光方向制御素子18への入射光を先に述べたy偏光でなくx偏光とする場合には、ONピクセル(つまり対物レンズ14側に光が導かれるべき画素)については偏光方向が略x方向のままで維持され、OFFピクセル(対物レンズ14側に光が導かれるべきでない画素)については偏光方向が略y方向となるように変化させる必要がある。
また、図20の場合も、偏光方向制御素子18への入射光を先のx偏光でなくy偏光とする場合には、同様にONピクセルについては偏光方向が略y方向のままで維持され、OFFピクセルについては偏光方向が略x方向となるように変化させる必要がある。
従ってこの場合は、ONピクセルに対応する第1の制御値(「1」)に応じては偏光方向制御器の駆動信号としてOFF信号(電圧OFF)を割り当てて偏光方向が不変となるようにし、OFFピクセルに対応する第2の制御値(「0」)に応じては駆動信号としてON信号(電圧ON)を割り当てて偏光方向を90°変化させるようにする。具体的には、このように第1,第2の各制御値に対する駆動信号のON/OFFの関係が実施の形態の場合と逆となるように、偏光制御ドライバ23の構成を変更すればよい。
また、これまでの説明では、反射型のホログラム記録媒体HMに対応する場合の記録再生装置の構成を例示したが、反射膜を備えない透過型のホログラム記録媒体に対応する構成とすることも可能である。
透過型のホログラム記録媒体の場合、再生時の参照光の照射に応じては、再生像がホログラム記録媒体を抜けるようにして反対側に出力されることになる。
この点から、この場合の記録再生装置としては、光源側から見てホログラム記録媒体の反対側となる位置に別途対物レンズを設け、当該対物レンズに再生像を入射させることになる。そして、この対物レンズを介して得れる再生像を、イメージセンサ15に対して導くように光学系を構成する。なおこの場合、記録媒体からの反射光として得られる再生像を抽出するための1/4波長板13は必須ではなく、省略することができる。
確認のために述べておくと、透過型のホログラム記録媒体に対応する構成とした場合も、ホログラム記録再生の基本動作自体は反射型の場合と同様であり、記録時は信号光と共に参照光を照射してホログラム記録媒体上にそれらの干渉縞によってデータを記録し、再生時はホログラム記録媒体に対し参照光・コヒーレント光を照射して、「コヒーレント加算方式」による再生を行うことに変わりはない。
また、これまでの説明では、円形とされる信号光エリアA2の外側に輪状の参照光エリアA2が設けられる場合を例示したが、信号光エリア、参照光エリアの形状は、これら円形や輪状に限定されるものではない。また、参照光エリアを内側、信号光エリアを外側に配置することもできる。
第3,第4の実施の形態で例示した部分的偏光方向制御素子30又は33、部分的偏光方向制御器36のそれぞれは、参照光・信号光の生成のための偏光方向制御器にて設定される信号光エリア、参照光エリアの形状やその配置関係に応じ、少なくとも上記偏光方向制御器の参照光エリアに入射する光又は上記参照光エリアを介した光が入射する領域以外の領域であって、且つ上記偏光方向制御器の信号光エリアに入射する光又は上記信号光エリアを介した光が入射する領域を含む領域が位相子、或いは可変制御素子で構成されたものであればよい。
また、先の図18の変形例で用いた部分的偏光方向制御素子40については、少なくとも参照光の光線領域と信号光の光線領域の光について偏光方向を変化させることが可能に構成されればよく、従って、少なくとも上記偏光方向制御器の信号光エリアと参照光エリアを含む領域に入射する光又は当該領域を介した光が入射する領域が、位相子、或いは可変制御素子で構成されたものであればよい。
また、これまでの説明では、本発明の再生装置が、記録と再生の双方が可能な記録再生装置として構成される場合を例示したが、記録機能を有さない再生専用装置として構成することもできる。
再生専用装置の場合、第3,第4の実施の形態や図18の変形例で例示したように、再生時にのみ選択的に偏光方向制御素子による偏光方向制御が行われるようにするための構成は不要とすることができる。
この点を踏まえると、再生専用装置とする場合には、図1のように全域が位相子で構成された偏光方向制御素子18を光学系に挿入する構成、或いは部分的偏光方向制御素子30,33を、位相子30aが信号光の光線領域全体をカバーする状態となるように挿入した構成、或いは部分的偏光方向制御素子40を、位相子40aが信号光+参照光の光線領域全体をカバーする状態となるように挿入した構成の何れかとすればよい。
なお、何れの構成とする場合も、位相子の光学基準軸が入射光の偏光方向軸に対し角度θだけ傾けられた状態となるように挿入する点については言うまでもない。
また、これまでの説明では、本発明の強度変調ユニット、すなわち、偏光方向制御器と上記偏光方向制御器に入射する光又は上記偏光方向制御器を介した光が入射する位置に挿入された偏光方向制御素子と、上記偏光方向制御器と上記偏光方向制御素子とを介した光が入射するようにして設けられた偏光ビームスプリッタとを備える強度変調ユニット、或いは、光学基準軸が入射光の偏光方向軸に対して傾けられるようにして設置された偏光方向制御器と、この偏光方向制御器を介した光が入射するようにして設けられた偏光ビームスプリッタとを備える強度変調ユニットが、コヒーレント光の減光の用途に用いられる場合を例示したが、本発明の強度変調ユニットとしては他の用途に用いることもできる。
本発明の強度変調ユニットによれば、本来はOFF(光強度=0)とされるべき画素についての制御値となる第2の制御値による駆動に応じて、微少な強度による光を生成することが可能となる。また逆に、本来はON(光強度=1)とされるべき画素についての制御値となる第2の制御値による駆動に応じて、本来の「1」の強度よりもわずかに減光された光を生成することが可能となる。
第1の実施の形態としての再生装置の内部構成を示したブロック図である。 偏光方向制御型の空間光変調器と偏光ビームスプリッタとの組み合わせによる強度変調手法について説明するための図である。 空間光変調器において設定される参照光エリア、信号光エリア、ギャップエリアの各エリアについて説明するための図である。 画素単位で可変的な空間光位相変調が可能な位相変調器の構造について説明するための図である。 空間光変調制御部の内部構成について説明するための図である。 データ再生部の内部構成について説明するための図である。 第1の実施の形態としての減光手法について説明するための図である。 偏光方向制御素子(光学基準軸)の回転角と偏光ビームスプリッタにおける透過率との関係を、それぞれONピクセルの光とOFFピクセルの光とについて示した図である。 第2の実施の形態としての再生装置の内部構成を示したブロック図である。 第2の実施の形態としての減光手法について説明するための図である。 第3の実施の形態の第1例としての再生装置の内部構成を示したブロック図である。 第3の実施の形態の第1例としての部分的偏光方向制御素子の構造について説明するための図である。 第3の実施の形態の第1例としての減光手法について説明するための図である。 第3の実施の形態の第2例としての再生装置の内部構成を示したブロック図である。 第3の実施の形態の第2例としての減光手法について説明するための図である。 第4の実施の形態としての再生装置の内部構成を示したブロック図である。 第4の実施の形態としての再生装置が備える部分的偏光方向制御器の構造について説明するための図である。 記録時の信号光・参照光の光量低下のみを防止する変形例について説明するための図である。 偏光方向制御型の空間光変調器として透過型の空間光変調器を用いる変形例について説明するための図である。 偏光方向制御型の空間光変調器として透過型の空間光変調器を用いる変形例の他の例について説明するための図である。 コアキシャル方式によるホログラム記録再生方式(記録時)について説明するための図である。 コアキシャル方式によるホログラム記録再生方式(再生時)について説明するための図である。 信号光、参照光の振幅を位相マスク有り/無しの場合で比較して示した図である。 コヒーレント光について説明するための図である。 コヒーレント加算方式について説明するための図である。
符号の説明
1 レーザダイオード(LD)、2 コリメータレンズ、3,9 偏光ビームスプリッタ、4,41 偏光方向制御器、5,7,10,12 リレーレンズ、6,11 アパーチャー、8 位相変調器、13 1/4波長板、14 対物レンズ、15 イメージセンサ、16 空間光変調制御部、17 データ再生部、18 偏光方向制御素子、21 符号化部、22 マッピング部、23 偏光制御ドライバ、24 位相変調パターン生成部、25 位相変調ドライバ、26 線形化処理部、26a 平方根計算部、26b オフセット除去部、27 再生処理部、30,33,40 部分的偏光方向制御素子、30a,40a 位相子、31 スライド駆動部、32,35,37 制御部、34 回転駆動部、37 部分的偏光方向制御器、Ac 制御対象領域、HM ホログラム記録媒体

Claims (15)

  1. 信号光と参照光との干渉縞によってデータが記録されたホログラム記録媒体に対して光照射を行うための光源と、
    駆動信号に応じて画素単位で入射光の偏光方向制御を行うように構成され且つ上記信号光の生成領域としての信号光エリアと上記参照光の生成領域としての参照光エリアとが設定された偏光方向制御器と、
    上記偏光方向制御器を介した光が入射するように設置された偏光ビームスプリッタと、
    上記光源から上記偏光ビームスプリッタまでの間の光路中に挿入されると共に、入射光の偏光方向を変化させることが可能に構成された偏光方向制御素子と、
    上記光源より出射され上記偏光方向制御素子と上記偏光方向制御器と上記偏光ビームスプリッタとを介した光を対物レンズを介して上記ホログラム記録媒体に対して照射するように構成された光学系と、
    上記ホログラム記録媒体に対し上記参照光とコヒーレント光とを照射させるための上記偏光方向制御器に対する駆動制御として、上記参照光エリアについては、上記対物レンズ側に光が導かれるべき画素を第1の制御値に基づく駆動信号で駆動し、上記対物レンズ側に光が導かれるべきでない画素を第2の制御値に基づく駆動信号で駆動すると共に、上記信号光エリアについては、各画素を上記第2の制御値に基づく駆動信号で駆動する変調制御部と
    を備える再生装置。
  2. 上記再生装置は、上記ホログラム記録媒体に対する記録機能も有しており、
    上記偏光方向制御素子は、位相子により上記入射光の偏光方向を変化させるように構成されており、
    再生時にのみ、上記位相子により上記偏光方向制御器に入射する光又は上記偏光方向制御器を介した光についての偏光方向制御が行われるようにして上記偏光方向制御素子を動かすように構成された駆動部をさらに備える
    請求項1に記載の再生装置。
  3. 上記駆動部は、
    上記位相子が記録時と再生時とで光路に対して出し入れされるようにして上記偏光方向制御素子を駆動するように構成されている
    請求項2に記載の再生装置。
  4. 上記駆動部は、
    光路中に挿入された状態の上記偏光方向制御素子を記録時と再生時とで所定の回転角度差が与えられるようにして回転駆動するように構成されている
    請求項2に記載の再生装置。
  5. 上記偏光方向制御素子は、
    上記偏光方向制御器の参照光エリアに入射する光又は上記参照光エリアを介した光が入射する領域以外の領域であって且つ上記偏光方向制御器の信号光エリアに入射する光又は上記信号光エリアを介した光が入射する領域を含む領域のみが上記位相子で構成された部分的偏光方向制御素子とされ、
    上記駆動部は、
    再生時にのみ、上記位相子で構成された領域により上記信号光エリアに入射する光又は上記信号光エリアを介した光についての偏光方向制御が行われるようにして上記部分的偏光方向制御素子を動かすように構成されている
    請求項2に記載の再生装置。
  6. 上記駆動部は、
    上記位相子で構成された領域が記録時と再生時とで光路に対して出し入れされるようにして上記部分的偏光方向制御素子を駆動するように構成されている
    請求項5に記載の再生装置。
  7. 上記駆動部は、
    上記位相子で構成された領域が光路中に挿入された状態の上記部分的偏光方向制御素子を、記録時と再生時とで所定の回転角度差が与えられるようにして回転駆動するように構成されている
    請求項5に記載の再生装置。
  8. 上記偏光方向制御素子は、少なくとも上記偏光方向制御器における信号光エリアと参照光エリアを含む領域に入射する光又は上記領域を介した光が入射する領域が、上記位相子で構成されている
    請求項2に記載の再生装置。
  9. 上記位相子は1/2波長板である請求項2に記載の再生装置。
  10. 上記再生装置は、上記ホログラム記録媒体に対する記録機能も有しており、
    上記偏光方向制御素子は、駆動信号に応じて入射光の偏光方向を変化させるように構成された可変制御素子により上記入射光の偏光方向を変化させるように構成されており、
    再生時にのみ、上記可変制御素子に上記駆動信号を与えることで上記偏光方向制御器に入射する光又は上記偏光方向制御器を介した光についての偏光方向制御を行わせる駆動制御部をさらに備える
    請求項1に記載の再生装置。
  11. 上記偏光方向制御素子は、
    上記偏光方向制御器の参照光エリアに入射する光又は上記参照光エリアを介した光が入射する領域を除く領域であって且つ上記偏光方向制御器の信号光エリアに入射する光又は上記信号光エリアを介した光が入射する領域を含む領域が、上記可変制御素子で構成された部分的偏光方向制御器とされる
    請求項10に記載の再生装置。
  12. 上記偏光方向制御素子は、少なくとも上記偏光方向制御器の信号光エリアと参照光エリアを含む領域に入射する光又は上記領域を介した光が入射する領域が、上記可変制御素子で構成されている
    請求項10に記載の再生装置
  13. 信号光と参照光との干渉縞によってデータが記録されたホログラム記録媒体に対して光照射を行うための光源と、
    駆動信号に応じて画素単位で入射光の偏光方向制御を行うように構成され且つ上記信号光の生成領域としての信号光エリアと上記参照光の生成領域としての参照光エリアとが設定されていると共に、その光学基準軸が、上記入射光の偏光方向軸に対して傾けられるようにして設置された偏光方向制御器と、
    上記偏光方向制御器を介した光が入射するように設置された偏光ビームスプリッタと、
    上記光源より出射され上記偏光方向制御器と上記偏光ビームスプリッタとを介した光を対物レンズを介して上記ホログラム記録媒体に対して照射するように構成された光学系と、
    上記ホログラム記録媒体に対し上記参照光とコヒーレント光とを照射させるための上記偏光方向制御器に対する駆動制御として、上記参照光エリアについては、上記対物レンズ側に光が導かれるべき画素を第1の制御値に基づく駆動信号で駆動し、上記対物レンズ側に光が導かれるべきでない画素を第2の制御値に基づく駆動信号で駆動すると共に、上記信号光エリアについては、各画素を上記第2の制御値に基づく駆動信号で駆動する変調制御部と
    を備える再生装置。
  14. 駆動信号に応じて画素単位で入射光の偏光方向制御を行うように構成された偏光方向制御器と、
    上記偏光方向制御器に入射する光又は上記偏光方向制御器を介した光が入射する位置に挿入され、且つ入射光の偏光方向を変化させることが可能に構成された偏光方向制御素子と、
    上記偏光方向制御器と上記偏光方向制御素子とを介した光が入射するようにして設けられた偏光ビームスプリッタと
    を備える強度変調ユニット。
  15. 駆動信号に応じて画素単位で入射光の偏光方向制御を行うように構成され、且つその光学基準軸が入射光の偏光方向軸に対して傾けられるようにして設置された偏光方向制御器と、
    上記偏光方向制御器を介した光が入射するようにして設けられた偏光ビームスプリッタと
    を備える強度変調ユニット。
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