JP2009019762A - 断熱壁体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】断熱壁体の製造コストを減少させる。
【解決手段】ヒータユニット20はケース21内に隙間22をとって同心円に設置された断熱壁体23と、断熱壁体23の内周に敷設されたヒータ34とを備え、断熱壁体23は円盤形状の天井壁部24と円筒形状の側壁部25とから構成され、側壁部25は複数個の断熱ブロック26が積み重ねられて構成されている。断熱ブロック26は断熱材を用い成形型でドーナツ形状に成形された本体27を備え、本体27の上端部の印籠結合雄部28と下端部の印籠結合雌部29とを印籠結合されて側壁部25に組み立てられる。ヒータ34を構成する発熱体32は断熱ブロック26の内周面の取付溝30にそれぞれ取り付けられる。断熱ブロックは断熱壁体の長さ仕様に関わらず同一のものを複数個、成形型で一体成形すればよいため、断熱壁体の製造コストを低減できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、断熱壁体の製造方法に関する。
例えば、半導体集積回路装置(以下、ICという。)が作り込まれる基板としての半導体ウエハ(以下、ウエハという。)に窒化シリコン(Si34 )やポリシリコン等を堆積(デポジション)させる減圧CVD装置や、酸化処理や拡散だけでなくイオン打ち込み後のキャリア活性化や平坦化のためのリフロー等にも利用される拡散装置等の基板処理装置に利用して有効なものに関する。
ICの製造方法において、ウエハに窒化シリコンやポリシリコン等のCVD膜をデポジションするのにバッチ式縦形ホットウオール形減圧CVD装置が広く使用されている。
バッチ式縦形ホットウオール形減圧CVD装置(以下、CVD装置という。)は、ウエハが搬入される処理室を形成するインナチューブおよびこのインナチューブを取り囲むアウタチューブから構成され縦形に設置されたプロセスチューブと、インナチューブ内に原料ガスを導入するガス導入管と、プロセスチューブ内を排気する排気管と、プロセスチューブ外に敷設されてプロセスチューブ内を加熱するヒータユニットとを備えており、複数枚のウエハがボートによって垂直方向に整列されて保持された状態でインナチューブ内に下端の炉口から搬入され、インナチューブ内に原料ガスがガス導入管から導入されるとともに、ヒータユニットによってプロセスチューブ内が加熱されることにより、ウエハにCVD膜がデポジションされるように構成されている。
このようなCVD装置においては、ヒータユニットはプロセスチューブを全体的に被覆する長い円筒形状に形成された断熱壁体の内周に長大に形成された発熱体が敷設されている。
そして、従来のこの種の断熱壁体はアルミナやシリカ等の断熱材が使用されてバキュームフォーム(真空吸着成形)法によって一体成形されている。
しかしながら、バキュームフォーム成形法による断熱壁体においては、CVD装置のプロセスチューブの仕様毎に専用の成形型を製作したり、仕様が変更される度に成形型を作り直す必要があるため、CVD装置の製造コストの増大を招来するという問題点がある。
本発明の目的は、製造コストを減少させることができる断熱壁体の製造方法を提供することにある。
前記した課題を解決するための手段のうち代表的なものは、次の通りである。
(1)同一形状の断熱ブロックを複数個形成し、該形成した断熱ブロックを積み重ねて異なる長さ仕様の断熱壁体を製造する断熱壁体の製造方法。
(2)前記断熱ブロックは、1つの成形型で形成される前記(1)の断熱壁体の製造方法。
(3)前記断熱ブロックは、各断熱壁体の長さ仕様に対応した個数が準備される前記(1)または前記(2)の断熱壁体の製造方法。
前記した手段によれば、断熱壁体の製造コストを低減することができる。
以下、本発明の一実施の形態を図面に即して説明する。
図1は、本発明の一実施形態である断熱壁体の製造方法によって製造された断熱壁体を使用するCVD装置を示している。
本発明に係る基板処理装置の一実施の形態であるCVD装置(バッチ式縦形ホットウオール形減圧CVD装置)は、図1に示されているように、垂直に配されて固定的に支持された縦形のプロセスチューブ1を備えている。
プロセスチューブ1はインナチューブ2とアウタチューブ3とから構成されており、インナチューブ2は石英(SiO2 )もしくは炭化シリコン(SiC)が使用されて円筒形状に一体成形され、アウタチューブ3は石英ガラスが使用されて円筒形状に一体成形されている。インナチューブ2は上下両端が開口した円筒形状に形成されており、インナチューブ2の筒中空部はボートによって垂直方向に整列した状態に保持された複数枚のウエハが搬入される処理室4を実質的に形成している。インナチューブ2の下端開口は被処理基板としてのウエハを出し入れするための炉口5を実質的に構成している。したがって、インナチューブ2の内径は取り扱うウエハの最大外径よりも大きくなるように設定されている。
アウタチューブ3は内径がインナチューブ2の外径よりも大きく上端が閉塞し下端が開口した円筒形状に形成されており、インナチューブ2にその外側を取り囲むように同心円に被せられている。
インナチューブ2とアウタチューブ3との間の下端部は円形リング形状に形成されたマニホールド6によって気密封止されており、マニホールド6はインナチューブ2およびアウタチューブ3についての交換等のためにインナチューブ2およびアウタチューブ3にそれぞれ着脱自在に取り付けられている。マニホールド6がCVD装置の機枠17に支持されることにより、プロセスチューブ1は垂直に据え付けられた状態になっている。
マニホールド6の側壁の上部には排気管7が接続されており、排気管7は高真空排気装置(図示せず)に接続されて処理室4を所定の真空度に真空排気し得るように構成されている。排気管7はインナチューブ2とアウタチューブ3との間に形成された隙間に連通した状態になっており、インナチューブ2とアウタチューブ3との隙間によって排気路8が、横断面形状が一定幅の円形リング形状に構成されている。排気管7がマニホールド6に接続されているため、排気管7は円筒形状の中空体を形成されて垂直に延在した排気路8の最下端部に配置された状態になっている。
マニホールド6の側壁の下部にはガス導入管9がインナチューブ2の炉口5に連通するように接続されており、ガス導入管9には原料ガス供給装置およびキャリアガス供給装置(いずれも図示せず)に接続されている。ガス導入管9によって炉口5に導入されたガスはインナチューブ2の処理室4内を流通して排気路8を通って排気管7によって排気される。
マニホールド6には下端開口を閉塞するシールキャップ10が垂直方向下側から当接されるようになっている。シールキャップ10はアウタチューブ3の外径と略等しい円盤形状に形成されており、プロセスチューブ1の外部に垂直に設備されたエレベータ(図示せず)によって垂直方向に昇降されるように構成されている。
シールキャップ10の中心線上には被処理基板としてのウエハWを保持するためのボート11が垂直に立脚されて支持されるようになっている。
ボート11は上下で一対の上側端板12および下側端板13と、上側端板12と下側端板13との間に垂直に立脚された複数本(本実施の形態においては三本とする。)の保持部材14とを備えており、三本の保持部材14には多数の保持溝15が長手方向に等間隔に配されて互いに対向して開口するように刻設されている。ボート11は三本の保持部材14の保持溝15間にウエハWを挿入されることにより、複数枚のウエハWを水平にかつ互いに中心を揃えた状態に整列させて保持するようになっている。
ボート11とシールキャップ10との間には断熱キャップ部16が配置されており、断熱キャップ部16はボート11をシールキャップ10の上面から持ち上げた状態に支持することにより、ボート11の下端を炉口5の位置から適当な距離だけ離間させるように構成されている。
アウタチューブ3の外部にはプロセスチューブ1の内部を加熱するヒータユニット20がアウタチューブ3の周囲を包囲するように同心円に設備されている。
図2に示されているように、ヒータユニット20はステンレス鋼(SUS)が使用されて上端閉塞で下端開口の円筒形状に形成されたケース21を備えており、ケース21の内径および全長はアウタチューブ3の外径および全長よりも大きく設定されている。
ケース21の内部にはアウタチューブ3の外径および全長よりも若干大きめの円筒形状に構築された断熱壁体23が、ケース21の内周面との間に空冷のための空間としての隙間22をとって同心円に設置されている。
断熱壁体23はケース21の内径と等しい外径を有する円盤形状の天井壁部24と、アウタチューブ3の外径よりも若干大径の内径およびケース21の内径よりも小径の外径を有する円筒形状の側壁部25とを備えている。天井壁部24は側壁部25の上端面に開口を閉塞するように被せられており、天井壁部24の上端面はケース21の天井壁の下面に当接されている。側壁部25の外径がケース21の内径よりも小径に設定されていることにより、側壁部25とケース21との間には空冷空間としての隙間22が形成されている。そして、断熱壁体23の側壁部25は図3に示された断熱ブロック26が複数個、垂直方向に積み重ねられて一本の筒体に構築されている。
図3(a)に示されているように、断熱ブロック26は短尺の円筒形状であるドーナツ形状の本体27を備えており、本体27は繊維状または球状のアルミナやシリカ等の断熱材が使用されてバキュームフォーム法の成形型によって一体成形されている。
本体27の上端部には印籠結合雄部28が外周の一部を円形リング形状に切り欠かれた状態に形成されており、本体27の下端部には印籠結合雌部29が内周の一部を円形リング形状に切り欠かれた状態に形成されている。本体27の内周面における上端と印籠結合雌部29の上端との間には、発熱体を取り付けるための取付溝30が一定深さ一定高さに没設されており、取付溝30の内周面には発熱体を位置決め保持するためのスペーサ31が複数個、周方向に等間隔に配置されて突設されている。
発熱体32はFe−Cr−Al合金やMOSi2 およびSiC等の抵抗発熱材料が使用されて、図3(b)、(c)に示されているように、波形の平板形状にプレス加工やレーザ切断加工等によって一体成形されている。
図3(d)、(e)に示されているように、発熱体32は各スペーサ31、31が波形の隙間33にそれぞれ嵌入するように取付溝30に建て込まれて取り付けられる。
次に、ヒータユニット20の構築作業について説明する。
ヒータユニット20の構築に当たり、前記構成に係る断熱ブロック26は断熱壁体23の側壁部25の長さに対応して指定された個数が準備される。この際、断熱ブロック26は断熱壁体23の長さ仕様に関わらず同一のものを複数個、バキュームフォーム法の成形型によって一体成形すればよいため、断熱壁体23の製造コストをきわめて小さく抑えることができる。すなわち、バキュームフォーム法のランニングコストはそれに使用される成形型の製造費用に大きく依存するため、断熱壁体23の長さ仕様に関わらず断熱ブロック26の成形型の製作費用を一定とすることにより、断熱壁体23の全体としての製造コストを大幅に低減することができる。
複数個の断熱ブロック26による断熱壁体23の組み立て作業の前に、各断熱ブロック26の取付溝30には発熱体32が取り付けられる。下段の断熱ブロック26の印籠結合雄部28に上段の断熱ブロック26の印籠結合雌部29が嵌入されて上下の断熱ブロック26、26が印籠結合されつつ、複数個の断熱ブロック26が次々に積み重ねられて行くことにより、指定された長さの断熱壁体23の側壁部25が組み立てられる。
印籠結合雄部28と印籠結合雌部29とが印籠結合されることにより、上下の断熱ブロック26、26同士の径方向および周方向のずれは防止された状態になる。
上下の断熱ブロック26、26の積み重ねに際して、上下の断熱ブロック26、26の発熱体32、32同士が互いに電気的に直列に接続される。これにより、一本の断熱壁体23が組み立てられた状態において、図1および図2に示されているように、複数本の発熱体32は一本の螺旋状のヒータ34の状態になる。しかも、各発熱体32は波形に形成されているため、ヒータ34の全長はきわめて長大のものとなる。したがって、ヒータ34の線密度はきわめて大きくなり、温度リカバリー時間等のヒータ特性はきわめて良好なものとなる。
指定された長さの側壁部25が複数個の断熱ブロック26によって組み立てられた後に、側壁部25の外周面には、アルミナやシリカ等の断熱材によって形成された断熱クロス35が巻かれる。この断熱クロス35によって隣合う断熱ブロック26、26同士の上方向への抜けが防止されるとともに、周方向のずれも確実に防止されることになる。
ちなみに、断熱クロス35は断熱ブロック26が積み上げられる毎に巻いてもよい。
以上のようにして組み立てられた側壁部25には天井壁部24が被せられる。
その後、側壁部25と天井壁部24との組立体である断熱壁体23にはケース21が被せられ、ヒータユニット20が構築される。ちなみに、天井壁部24が天井壁下面に敷設されたケース21を側壁部25に被せてもよい。
断熱壁体23にケース21が被せられてなるヒータユニット20における断熱壁体23の外周とケース21の内周との間に形成された隙間22は、それ自体で良好な断熱層を形成する。但し、隙間22に送風すると、断熱壁体23を強制冷却することができるため、ヒータユニット20の温度下降速度を早く設定することができる。
以上のように構築されたヒータユニット20成膜工程における作用は従来のヒータユニットのそれと同様であるから、前記構成に係るCVD装置による成膜工程の作用の説明は省略する。
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々に変更が可能であることはいうまでもない。
例えば、図4、図5および図6に示されているように構成することにより、隣合う断熱ブロック26、26間の周方向のずれを防止することができる。
図4に示された実施の形態2においては、断熱ブロック26の本体27に一対の回り止め孔36、36が厚さ方向に貫通するようにそれぞれ開設されており、両回り止め孔36、36にアルミナやシリカ等の断熱材によって形成された一対の回り止め棒37、37がそれぞれ挿通されている。
図5に示された実施の形態3においては、断熱ブロック26の本体27の印籠結合雄部28の上端面に一対の回り止め穴38、38が厚さ方向にそれぞれ没設されているとともに、印籠結合雌部29の底面の対向位置に一対の回り止め穴39、39が厚さ方向にそれぞれ没設されており、互いに対向した回り止め穴38と39とにアルミナやシリカ等の断熱材によって形成された各回り止めピン40がそれぞれ挿入されている。
図6に示された実施の形態4においては、断熱ブロック26の本体27の印籠結合雄部28の上端面に回り止め穴41が厚さ方向に没設されているとともに、180度離れた位置に回り止めピン42が厚さ方向にそれぞれ突設されており、他方、印籠結合雌部29の底面における回り止め穴41に対向する位置に回り止めピン43が突設されているとともに、回り止めピン42に対向する位置に回り止め穴44が没設されており、下段の断熱ブロック26の印籠結合雄部28と上段の断熱ブロック26の印籠結合雌部29とが印籠結合された状態において、回り止め穴41に回り止めピン43が嵌入し、回り止め穴44に回り止めピン42が嵌入することができる。
また、発熱体は断熱ブロックに一つのターン(一巻き)だけ巻回するに限らず、二つのターン(二巻き)以上巻回してもよい。
また、発熱体の取付構造は前記実施の形態のように取付溝にスペーサによって取り付けるように構成するに限らず、発熱体に突設したアンカを断熱ブロックの本体に挿入して取り付けるように構成してもよいし、発熱体を断熱ブロックに取付ピンによって取り付けるように構成してもよい。
断熱壁体とケースとの間に隙間を介設するに限らず、ケースは断熱壁体に密着するように被せてもよい。断熱クロスは省略してもよい。
ヒータユニット、断熱壁体およびケース等は円筒形状に形成するに限らず、四角形筒形状や多角形筒形状に形成してもよい。
CVD装置はバッチ式縦形ホットウオール形減圧CVD装置に限らず、横形ホットウオール形減圧CVD装置等の他のCVD装置であってもよい。
さらに、半導体製造装置はCVD装置に限らず、酸化処理や拡散だけでなくイオン打ち込み後のキャリア活性化や平坦化のためのリフロー等にも使用される拡散装置にも適用することができる。
前記実施の形態ではウエハに処理が施される場合について説明したが、処理対象はホトマスクやプリント配線基板、液晶パネル、コンパクトディスクおよび磁気ディスク等であってもよい。
本発明の一実施の形態に係るCVD装置を示す正面断面図である。 本発明の一実施の形態に係るヒータユニットを示す一部切断斜視図である。 本発明の一実施形態である断熱壁体の製造方法を示しており、(a)は断熱ブロックを示す一部切断斜視図であり、(b)は発熱体の一部省略展開図、(c)は(b)のc−c線に沿う断面図であり、(d)は断熱ブロックの発熱体の取付状態を示す一部省略展開図、(e)は(d)のe−e線に沿う断面図である。 本発明の実施の形態2に係る断熱ブロックを示す斜視図である。 本発明の実施の形態3に係る断熱ブロックを示す斜視図である。 本発明の実施の形態4に係る断熱ブロックを示す斜視図である。
符号の説明
W…プロダクトウエハ(基板)、1…プロセスチューブ、2…インナチューブ、3…アウタチューブ、4…処理室、5…炉口、6…マニホールド、7…排気管、8…排気路、9…ガス導入管、10…シールキャップ、11…ボート、12、13…端板、14…保持部材、15…保持溝、16…断熱キャップ部、17…機枠、20…ヒータユニット、21…ケース、22…隙間、23…断熱壁体、24…天井壁部、25…側壁部、26…断熱ブロック、27…本体、28…印籠結合雄部、29…印籠結合雌部、30…取付溝、31…スペーサ、32…発熱体、33…隙間、34…ヒータ、35…断熱クロス、36…回り止め孔、37…回り止め棒、38、39…回り止め穴、40…回り止めピン、41、44…回り止め穴、42、43…回り止めピン。

Claims (3)

  1. 同一形状の断熱ブロックを複数個形成し、該形成した断熱ブロックを積み重ねて異なる長さ仕様の断熱壁体を製造する断熱壁体の製造方法。
  2. 前記断熱ブロックは、1つの成形型で形成される請求項1の断熱壁体の製造方法。
  3. 前記断熱ブロックは、各断熱壁体の長さ仕様に対応した個数が準備される請求項1または請求項2の断熱壁体の製造方法。
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