JP2009019582A - 小型車両用ラジエータ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ウォータジャケットを有して車体フレームに搭載されるエンジン本体の一部を構成するクランクケースの側方にラジエータが配置され、ラジエータを通過するように冷却風を吸引する冷却ファンがクランクシャフトの一端に取付けられてラジエータの内方に配置され、排風口を有して冷却ファンを側方から覆うシュラウドがラジエータおよびクランクケース間に設けられる小型車両用ラジエータ装置において、冷却ファンから排風口に冷却風を円滑に流通させて冷却効率の向上を図る。
【解決手段】冷却ファン97からの冷却風が排風口108に対応する部分でクランクケース21側に流通するのを阻止する整流板122が、排風口108および冷却ファン97よりもクランクケース21側に固定的に配設される。
【選択図】 図4

Description

本発明は、ウォータジャケットを有するエンジン本体が車体フレームに搭載され、前記エンジン本体の一部を構成するクランクケースの側方にラジエータが配置され、該ラジエータを通過するように冷却風を吸引する冷却ファンが、前記クランクケースで回転自在に支持されたクランクシャフトの一端に取付けられて前記ラジエータの内方に配置され、排風口を有して前記冷却ファンを側方から覆うシュラウドが前記ラジエータおよび前記クランクケース間に設けられる小型車両用ラジエータ装置に関する。
クランクシャフトの一端に設けられた冷却ファンの外方にラジエータが配置され、クランクケースおよびラジエータ間に設けられて前記冷却ファンを側方から覆うシュラウドに、排風口が設けられるようにしたものが、特許文献1で知られている。
特開2005−233012号公報
ところが、上記特許文献1で開示されたものでは、冷却ファンのラジエータと反対側には発電機が配置され、その発電機の側方には環状空間が形成されており、冷却ファンで吸引されてラジエータを通過した冷却風は排風口への流れるが発電機の周囲の環状空間側にも流れ込むので、排風口への冷却風の円滑な流通が妨げられ、冷却ファンのファン効率が下がるので、冷却効率が低下する要因となっている。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、冷却ファンから排風口に冷却風を円滑に流通させて冷却効率の向上を図った小型車両用ラジエータ装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、ウォータジャケットを有するエンジン本体が車体フレームに搭載され、前記エンジン本体の一部を構成するクランクケースの側方にラジエータが配置され、該ラジエータを通過するように冷却風を吸引する冷却ファンが、前記クランクケースで回転自在に支持されたクランクシャフトの一端に取付けられて前記ラジエータの内方に配置され、排風口を有して前記冷却ファンを側方から覆うシュラウドが前記ラジエータおよび前記クランクケース間に設けられる小型車両用ラジエータ装置において、前記冷却ファンからの冷却風が前記排風口に対応する部分で前記クランクケース側に流通するのを阻止する整流板が、前記排風口および前記冷却ファンよりもクランクケース側に固定的に配設されることを特徴とする。
また請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に加えて、前記整流板が、前記シュラウドに取付けられることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明の構成に加えて、前記整流板が、側面視で前記冷却ファンの半径方向最外端の回転軌跡に沿って円弧状に形成されることを特徴とする。
さらに請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明の構成に加えて、前記冷却ファンおよび前記クランクケース間に発電機が配置され、該発電機の外側方に配置される前記整流板に、該整流板の内周端からクランクケース側に延びる折り返し部が一体に設けられることを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、冷却ファンで吸引されてラジエータを通過した冷却風が、シュラウドの排風口の近傍では冷却ファンからクランクケース側に流通するのを整流板で阻止されることになり、冷却風が排風口に円滑に流通するので、ラジエータの冷却効率の向上を図ることができる。
また請求項2記載の発明によれば、シュラウドに整流板が取付けられ、整流板が取付けられたシュラウドをクランクケースに取付けることができるので、クランクケースに整流板が取付けられる場合に比べて、クランクシャフトに冷却ファンを取り付ける際に整流板が邪魔になることがなく、組付け性を高めることができる。
請求項3記載の発明によれば、整流板が、側面視で冷却ファンの半径方向最外端の回転軌跡に沿って円弧状に形成されることにより、冷却ファンからクランクケース側への冷却風の流通をより効果的に阻止することができる。
さらに請求項4記載の発明によれば、整流板の内周端からクランクケース側に折り返された折り返し部を発電機の外周に対向させることにより、発電機および整流板間を流通する少量の冷却風に乱流を生じさせないようにして、より円滑に冷却風を排風口側に流通させることができる。
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面に示した本発明の一実施例に基づいて説明する。
図1〜図8は本発明の一実施例を示すものであり、図1はスクータ型自動二輪車の左側面図、図2は図1の2−2線に沿うパワーユニットの断面図、図3は図2の3−3線矢視方向から見た一部切欠き側面図、図4は図3の4−4線断面図、図5は図3の5矢視方向から見て一部を切欠いた図、図6はラジエータカバーおよびラジエータを省略した状態での図3に対応した図、図7はシュラウドおよびラジエータを図4の7−7線矢視方向から見た図、図8は図3の8−8線断面図である。
先ず図1において、小型車両であるスクータ型自動二輪車の車体フレームFは、下端部で前輪WFを軸支するようにして該前輪WFを跨ぐフロントフォーク11ならびに該フロントフォーク11の上端に連結される操向ハンドル12を操向可能に支承するヘッドパイプ13と、該ヘッドパイプ13から後下がりに延びる円筒状のメインパイプ14と、該メインパイプ14の下部に結合されて後方に延びる左右一対のロアフレーム15…と、両ロアフレーム15…の後端部間を結ぶクロスパイプ16と、該クロスパイプ16の両端部に前端がそれぞれ連設される左右一対のリヤフレームパイプ17…と、前記両ロアフレーム15…の上方で前記メインパイプ14の中間部および両リヤフレームパイプ17…の中間部間を連結するアッパフレーム18…とを備える。
前記ロアフレーム15…は、前記メインパイプ14の下部左右両側に溶接によって結合されて両側方に延び、さらに後方側に屈曲して後方に延びるように形成されるものであり、それらのロアフレーム15…の後端部が前記クロスパイプ16の左右両端部に溶接によって結合される。
車体フレームFにおける両リヤフレームパイプ17…の前部には、後輪WRの前方側に配置される水冷式単気筒のエンジンEと、後輪WRの左側方に配置される伝動装置Mとから成るパワーユニットPが、上下に揺動することを可能として支承され、後輪WRはパワーユニットPの後部に軸支される。
前記伝動装置MはエンジンEのクランクケース21に連設されて後輪WRの左側方に延びる伝動ケース22内に収納され、この伝動ケース22の後部と、左右一対のリヤフレームパイプ17…のうち左側のリヤフレームパイプ17との間にはリヤクッションユニット23が設けられる。
前記両リヤフレームパイプ17…および前記両アッパフレーム18…間には、ヘルメット等を収納可能な物品収納部24が前記エンジンEの上方から該エンジンEの前方まで延びるようにして配置されており、該物品収納部24の後部は、前記ヘッドパイプ13の後方に配置される乗車用シート25で上方から覆われる。また前記物品収納部24の後方で両リヤフレームパイプ17…の後部間には、前記乗車用シート25の後部で上方から覆われる燃料タンク26が配置され、物品収納部24および燃料タンク26は車体フレームFで支持される。
また前記エンジンEの一部、車体フレームF、物品収納部24および燃料タンク26は、車体カバー29で覆われており、乗車用シート25上の乗員の足を載せるための左右一対のステップフロア27…と、両ステップフロア27…間で上方に隆起したフロアトンネル部28とが前記車体カバー29に形成される。
前記フロアトンネル部28は、左右一対のアッパフレーム18…で支持されるようにして前記両ステップフロア27…の内端に連設されて上方に立ち上がるとともに上部の一部を開放したトンネル主部30と、該トンネル主部30の上部開口部を開閉可能に閉鎖するカバー31とから成るものであり、前記物品収納部24の前部は該フロアトンネル部28内に収容される。
ところで、前記乗車用シート25の前部および前記メインパイプ14間には、乗車用シート25を開閉可能に支承するためのヒンジ機構(図示せず)が設けられており、乗車用シート25は、前記物品収納部24へのヘルメット等の物品の収納および取り出しを可能とするために、前方斜め上方に向けて回動することが可能であり、前記物品収納部24の前部の上方を開放すべく前記カバー31は、乗車用シート25とともに回動する。
図2および図3において、エンジンEのエンジン本体33は、車体フレームFの幅方向に延びる軸線を有するクランクシャフト34を回転自在に支承する前記クランクケース21と、シリンダボア35を有して前記クランクケース21に結合されるシリンダブロック36と、シリンダブロック36に結合されるシリンダヘッド37と、シリンダヘッド37に結合されるヘッドカバー38とを備え、前記クランクケース21は、前記クランクシャフト34の軸線に直交する結合面で左ケース半体39および右ケース半体40が結合されて成る。
このようなエンジン本体33は、前記シリンダボア35の軸線をわずかに前上がりとして車体フレームFの前後方向にほぼ沿うように、車体フレームFに搭載されるものであり、前記クランクケース21の後側上部に設けられた左右一対のブラケット41…が、車体フレームFにおけるリヤフレームパイプ17…の中間部に設けられた支持ステー42…に、支軸43およびマウントゴム44…を介して揺動可能に支承される。
前記シリンダボア35の内部に摺動自在に嵌合するピストン48は、コネクティングロッド49を介してクランクシャフト34に連接される。シリンダヘッド37にはカムシャフト50が回転自在に支持されており、シリンダヘッド37に設けられた吸気バルブおよび排気バルブ(図示せず)が前記カムシャフト50によって開閉駆動される。前記クランクケース21の右ケース半体40、シリンダブロック36およびシリンダヘッド37に設けられたチェーン通路51内にはタイミングチェーン52が収納され、該タイミングチェーン52が、クランクシャフト34に設けられた駆動スプロケット53とカムシャフト50に設けられた従動スプロケット54とに巻き掛けられる。これによりカムシャフト50にはクランクシャフト34の回転動力が1/2の減速比で伝達される。
前記シリンダヘッド37の上部側壁には、該シリンダヘッド37から後方側に延びるように彎曲した吸気管55の下流端が接続されており、この吸気管55には燃料噴射弁56が取付けられる。また吸気管55の上流端はエンジン本体33の上方に配置されるスロットルボディ57に接続され、該スロットルボディ57は伝動ケース22の上方に配置されるエアクリーナ58(図1参照)に接続される。
図2に注目して、前記伝動ケース22は、前記クランクケース21の左ケース半体39に一体に連設されて後方に延びるケース主体61と、該ケース主体61に左側から結合される左側カバー62と、前記ケース主体61の後部に右側から締結される右側カバー63とで構成される。
前記伝動装置Mは、クランクシャフト34の回転動力を無段階に変速するベルト式無段変速機64と、前記後輪WRの車軸65および前記ベルト式無段変速機64間に介設される減速ギヤ列66とで構成される。而してベルト式無段変速機64は、前記伝動ケース22におけるケース主体61および左側カバー62間に形成される変速機室67に収容され、前記減速ギヤ列66は、前記伝動ケース22におけるケース主体61および右側カバー63間に形成されるギヤ室68に収容される。
前記ベルト式無段変速機64は、前記変速機室67内で前記クランクシャフト34の左端部に設けられる駆動プーリ70と、前記変速機室67内の後部に配置される従動プーリ71と、駆動プーリ70および従動プーリ71に巻き掛けられる無端状のVベルト72とを有する。
前記駆動プーリ70は、クランクシャフト34に固定された固定側プーリ半体73と、固定側プーリ半体73に対して接近・離間可能な可動側プーリ半体74とを備えており、可動側プーリ半体74はクランクシャフト34の回転数の増加に応じて半径方向外側に移動する遠心ウエイト75によって固定側プーリ半体73に接近する方向に付勢される。
前記伝動ケース22の後部において前記ケース主体61および右側カバー63には、前記クランクシャフト34と平行な軸線を有する出力軸76が回転自在に支承されており、前記従動プーリ71は、前記出力軸76に相対回転可能に支持された固定側プーリ半体77と、固定側プーリ半体77に対して接近・離間可能な可動側プーリ半体78とを備え、可動側プーリ半体78はスプリング79で固定側プーリ半体77に向けて付勢される。また固定側プーリ半体77と出力軸76との間に発進用クラッチ80が設けられる。
前記伝動ケース22における前記ケース主体61の後部および右側カバー63には、前記出力軸76と、該出力軸76に平行な中間軸81および車軸65が回転自在に支承されており、前記減速ギヤ列66は、前記出力軸76、前記中間軸81および前記車軸65間に設けられ、右側カバー63を貫通して右側に突出する車軸65の右端に後輪WRが設けられる。
而してクランクシャフト34の回転動力は駆動プーリ70に伝達され、該駆動プーリ70からVベルト72、従動プーリ71、発進用クラッチ80および減速ギヤ列66を介して後輪WRに伝達される。
エンジンEの低速回転時には、駆動プーリ70の遠心ウエイト75に作用する遠心力が小さいため、従動プーリ71のスプリング79によって固定側プーリ半体77および可動側プーリ半体78間の溝幅が減少し、変速比はLOWになっている。この状態からクランクシャフト34の回転数が増加すると、遠心ウエイト75に作用する遠心力が増加して駆動プーリ70の固定側プーリ半体73および可動側プーリ半体74間の溝幅が減少し、それに伴って従動プーリ71の固定側プーリ半体77および可動側プーリ半体78間の溝幅が増加するため、変速比はLOWからTOPに向かって無段階で変化する。
前記伝動ケース22の前後方向中間部で前記ケース主体61および左側ケース46には、前記クランクシャフト34と平行な軸線を有するキック軸83が回転自在に支承されており、このキック軸83の前記左側カバー62からの突出端部にはキックペダル84が固定される。しかも前記キック軸83およびケース主体61間には戻しばね85が設けられる。
一方、前記クランクシャフト34の端部に設けられた被係合部材86に同軸に対向する係合部材87が、前記クランクシャフト34と同軸の軸線まわりの回転および軸線方向の移動を可能として前記伝動ケース22の左側カバー62に支承されており、前記キック軸83および前記係合部材87間には増速ギヤ列88が設けられる。而してキックペダル84の踏み込み操作によってキック軸83の回転が増速ギヤ列88で増速されて前記係合部材87に伝達され、係合部材87は被係合部材86に係合するまで前進して回転し、それによってクランクシャフト34に始動用の回転動力が伝達される。
また前記駆動プーリ70における固定側プーリ半体73の外面には、固定側プーリ半体73の回転によって変速機室67内に冷却用の空気を導入するための複数の羽根89…が固定されており、前記伝動ケース22の左側カバー62における前部には、前記固定側プーリ半体73とともに羽根89…が回転することによって外部から変速機室67内に冷却用の空気を導入するための空気導入ダクト90が取付けられる。またエンジン本体33におけるシリンダブロック36の左側面には、換気用空気を前記クランクケース21内に導入するためのリードバルブ91が取付けられる。
図4を併せて参照して、クランクシャフト34の右端部にはロータ93が固定され、このロータ93と共働して発電機95を構成するステータ94が、ロータ93で囲繞されるようにしてクランクケース21の右ケース半体40に固定される。発電機95よりも外方でクランクケース21の側方にはラジエータ96が配置されており、該ラジエータ96を通過するように冷却風を吸引する冷却ファン97が、前記発電機95を前記クランクケース21の右ケース半体40との間に挟むようにして、前記クランクシャフト34の右端に取付けられる。
さらに図5を併せて参照して、前記右ケース半体40には、前記発電機95を側方から囲繞する筒状の支持ケース40aが一体に設けられ、前記冷却ファン97を側方から覆うシュラウド98が前記ラジエータ96および前記支持ケース40a間に設けられ、前記ラジエータ96は合成樹脂製のラジエータカバー99で外方から覆われる。
前記ラジエータ96は、上部タンク100および下部タンク101が冷却コア102を介して連結されて成るものであり、このラジエータ96は、エンジン本体33が備えるクランクケース21の右ケース半体40に取付けられる。すなわち前記右ケース半体40には、前記上部タンク100の後部に対応して配置される単一の支持ボス103と、前記下部タンク101の前部および後部に対応して配置される一対の支持ボス104…とが設けられ、上部タンク100がボルト105によって前記支持ボス103に締結され、下部タンク101がボルト106…によって前記支持ボス104…に締結される。
ところでラジエータ96の少なくとも一部、この実施例ではラジエータ96における上部タンク100の前部が前記支軸43よりも下方に配置され、ラジエータ96はその前端を前記支軸43よりも前方に配置するようにしてクランクケース21の側方に配置されるものであり、前記クランクケース21に取付けられた状態でラジエータ96の姿勢は、図3で示すように、前記エンジン本体33のシリンダブロック36におけるシリンダボア35の軸線Lに対して角度αだけ後上がりに傾斜しており、ラジエータ96が取付けられた状態のエンジン本体33を支軸43を介して車体フレームFに支承した状態では、ラジエータ96は水平面に対して角度βだけ前傾した姿勢となる。しかも上部タンク100の前部は支軸43を避けるようにして後部よりも低く形成されており、側面視でラジエータ96における上部タンク100の前部が前記支軸43よりも下方に配置されることになる。
図6および図7を併せて参照して、前記シュラウド98は、前記冷却ファン97を側方から囲繞する筒部98aと、前記ラジエータ96の内面に周縁部を当接させるようにして前記筒部98aの一端に連設される当接板部98bと、上部タンク100の上部および下部タンク101の下部を除く部分で前記ラジエータ96の両側に近接、対向するようにして前記当接板部98bから突設される一対の側板部98c…とを一体に有して、合成樹脂により形成される。前記当接板部98bの略中央部には、前記ラジエータ96における冷却コア102の内面側中央部を臨ませる円形の開口部107が、前記冷却ファン97の回転軸線すなわちクランクシャフト34の軸線と同軸にして設けられ、前記筒部98aの下部には下方に向けて開く排風口108が設けられる。しかも排風口108に対応する部分で前記当接板部98bの内面には、前記開口部107の軸線から放射状に延びる複数のガイド突部109,109…が、前記開口部107の周方向に間隔をあけて突設される。
このシュラウド98は、前記ラジエータ96に取付けられるものであり、ラジエータ96における上部タンク100の前部および後部に設けられた支持部110,111に、前記シュラウド98における筒部98aの上部から上方に突設された取付け腕部112,113の先端部がクリップ114…によって取付けられ、前記ラジエータ96における下部タンク101の前後方向中間下部に設けられた支持部115に、前記シュラウド98における当接板部98bの前後方向中間部から下方に突設された取付け腕部116の先端部がクリップ114によって取付けられる。
前記ラジエータカバー99は、前記シュラウド98に取付けられるものであり、前記シュラウド98における両側板部98c…のうち前方側の側板部98cの上下に間隔をあけた位置に突設された一対の支持突部117,117と、後方側の側板部98cの上部に突設された支持突部117とに、ねじ部材118…によって締結される。
このラジエータカバー99には、前記ラジエータ96における冷却コア102の外面側を臨ませる四角形状の空気導入口119が形成されており、その空気導入口119に配置されるルーバ120がラジエータカバー99に設けられる。
而して冷却ファン97の作動時には、空気導入口119から導入された空気がラジエータ96の冷却コア102を通過して該ラジエータ96を冷却し、さらにシュラウド98の排風口108から外部に排出されることになる。
ところで前記排風口108および前記冷却ファン97よりもクランクケース21の右ケース半体40側には、冷却ファン97からの冷却風が前記排風口108に対応する部分で前記クランクケース40側に流通するのを阻止する整流板122が固定的に配設される。この整流板122は、前記シュラウド98における当接板部98bの下部に突設された一対の取付けボス123,123にねじ部材124,124で締結されることでシュラウド98に取付けられるものであり、側面視では冷却ファン97の半径方向最外端の回転軌跡に沿って円弧状に形成される。
しかも冷却ファン97およびクランクケース40間には発電機95が配置されるのであるが、その発電機95の外側方に前記整流板122が配置されており、該整流板122には、その内周端からクランクケース21側に延びる折り返し部122aが一体に設けられる。
前記ラジエータ96は、エンジン本体33のシリンダブロック35およびシリンダヘッド37に設けられたウォータジャケット125(図2参照)の冷却水を循環し得る冷却装置の一部を構成するものであり、該冷却装置は、前記ウォータジャケット125に冷却水を供給するウォータポンプ126と、前記ウォータジャケット125および前記ウォータポンプ126の吸入口135(図2参照)間に介装される前記ラジエータ96と、前記ラジエータ96を迂回して前記ウォータジャケット125からの冷却水を前記ウォータポンプ126に戻す状態ならびに前記ウォータジャケット125からラジエータ96を経由した冷却水をウォータポンプ126に戻す状態を冷却水の温度に応じて切換えるようにしてラジエータ96の前方に配置されるサーモスタット127とを備える。
前記ウォータポンプ126のポンプケース128は、図2で示すように、前記シリンダヘッド37にその右側面から嵌合、固定されるケース主体129と、該ケース主体129に締結されるポンプカバー130とから成り、回転軸線を車体フレームFの左右方向に沿わせて前記ケース主体129で液密にかつ回転自在に支承されるポンプ軸131が、カムシャフト50に同軸にかつ相対回転不能に連結される。しかもポンプケース128内に形成されるポンプ室132内で前記ポンプ軸131にインペラ133が固定される。
図8を併せて参照して、前記ポンプケース128のポンプカバー130には、内部にサーモスタット127を収納したサーモスタットケース134が、前記ポンプ軸131の軸線から前後方向(この実施例では後方)に離間するとともに前後方向で前記ポンプケース128と重なるようにして締結、固定されており、サーモスタットケース134の軸線は、上方に向かうにつれて外側方位置となるように傾斜している。
前記ラジエータ96における上部タンク100の後部には、上方に延びる給水管137が一体に設けられており、この給水管137の上端には、回転操作により開閉される給水キャップ138が装着される。前記支軸43よりも後方で前記給水管137の中間部には、前記車体フレームFの前後方向に延びる軸線を有する入口管139が、側面視で前記支軸43の上方に位置するようにして設けられる。一方、エンジン本体33におけるシリンダヘッド37には、前記ウォータジャケット125の最上端から冷却水を導出する導出管140が側面視で前記入口管139よりも下方に位置するようにして設けられており、該導出管140および前記入口管139はゴムホースである第1導管141を介して連結され、この第1導管141は導出管140から入口管139側に向かうにつれて上方位置となるように延びるものであり、側面視で前記支軸43の上方を通るように配管される。
前記上部タンク100の前部および前記入口管139間には、平板状の補強板142が設けられており、この補強板142には、支軸43を挿通させ得る円形の開口部143が、前記支軸43を介してエンジン本体33を車体フレームFに支承した状態での側面視で、支軸43の一端を臨ませるようにして設けられる。
前記導出管140の中間部には分岐接続管144が設けられる。一方、上方に向かうにつれて外側方位置となるように軸線を傾斜させたサーモスタットケース134の上部には、ウォータジャケット側接続管145が内側斜め上方に向けて突設されており、前記ウォータジャケット125からの冷却水をサーモスタット127側に導くゴムホース等の第2導管146を介して前記分岐接続管144および前記ウォータジャケット側接続管145が連結される。
またラジエータ96における下部タンク101の下部には前方に向けて出口管147が突設され、前記サーモスタットケース134の下部には、ラジエータ側接続管148が外側斜め下方に向けて突設される。而して前記出口管147および前記ラジエータ側接続管148は、ラジエータ96からの冷却水を導くゴムホース等の第3導管149を介して連結される。
またウォータポンプ126からの冷却水を導くゴムホース等の第4導管150の一端がポンプケース128に設けられた吐出管151に接続され、この第4導管150の他端は、ウォータジャケット125の下部に通じるようにしてシリンダブロック35に設けられる導入管152に接続される。
また前記ポンプケース128の上部には、該ポンプケース128内のポンプ室132内の上部からエアーを抜くためのエア抜き用導管153が接続される。
さらに給水管137には、ゴムホースを接続するための接続管154が設けられており、この接続管154は、大気に開放されてラジエータ96とは別に配置されるリザーバ(図示せず)に接続される。而してラジエータ96内の冷却水が高温となって膨張したときには余分な冷却水が前記リザーバに溢流し、ラジエータ96内の冷却水が低温となったときには前記リザーバからラジエータ96に冷却水が戻される。このようなラジエータ96およびリザーバ間での冷却水の流通により、給水管137内に溜まっていたエアーがリザーバに排出される。すなわちエンジンEの運転時にも冷却装置からのエアー抜きが良好に行なわれることになる。
このような冷却装置において、エンジンEの暖機運転が完了した状態では、カムシャフト50により駆動されるウォータポンプ126から排出された冷却水は、第4導管150を経てエンジン本体33内のウオータジャケット125に供給され、ウオータジャケット125を通過する間にエンジンEを冷却した後に第1導管141を経てラジエータ96の上部タンク100に供給される。そして上部タンク100から冷却コア102を経て下部タンク101に流通するようにしてラジエータ96を通過する間に温度低下した冷却水は、第3導管149およびサーモスタット127を経て前記ウォータポンプ126の吸入口135に戻される。一方、エンジンEが暖機運転中であって冷却水温度が低いときには、ラジエータ96を迂回して冷却水が循環するようにサーモスタット127が作動し、冷却水はラジエータ96を通過することなくウォータジャケット125、第2導管146、サーモスタット127およびウォータポンプ126を循環して速やかに温度上昇する。
図3および図5に注目して、ラジエータカバー99には、給水キャップ138の開放位置への回転を阻止する位置規制部99aが、給水キャップ138を覆うようにして一体に設けられる。しかも位置規制部99aには、給水キャップ138の一部を外部に臨ませる切欠き155が設けられている。
次にこの実施例の作用について説明すると、クランクケース21の側方にラジエータ96が配置され、該ラジエータ96を通過するように冷却風を吸引する冷却ファン97がクランクシャフト34の一端に取付けられてラジエータ96の内方に配置され、下部に排風口108を有して冷却ファン97を側方から覆うシュラウド98が、前記ラジエータ96と、クランクケース21の右ケース半体40における支持ケース40aとの間に設けられるのであるが、冷却ファン97からの冷却風が排風口108に対応する部分でクランクケース21側に流通するのを阻止する整流板122が、前記排風口108および前記冷却ファン97よりもクランクケース21側に固定的に配設されている。
したがって冷却ファン97で吸引されてラジエータ96を通過した冷却風が、シュラウド98の排風口108の近傍では冷却ファン97からクランクケース21側に流通するのを整流板122で阻止されることになり、冷却風が排風口108に円滑に流通するので、ラジエータ96の冷却効率の向上を図ることができる。
また整流板122はシュラウド98に取付けられており、整流板122が取付けられたシュラウド98をクランクケース21に取付けることができるので、クランクケース21に整流板122が取付けられる場合に比べて、クランクシャフト34に冷却ファン97を取り付ける際に整流板122が邪魔になることがなく、組付け性を高めることができる。
しかも整流板122が、側面視では冷却ファン97の半径方向最外端の回転軌跡に沿って円弧状に形成されるので、冷却ファン97からクランクケース21側への冷却風の流通をより効果的に阻止することができる。
さらに冷却ファン97およびクランクケース21間には発電機95が配置されており、この発電機95の外側方に配置される前記整流板122に、該整流板122の内周端からクランクケース21側に延びる折り返し部122aが一体に設けられるので、折り返し部122aを発電機95の外周に対向させることにより、発電機95および整流板122間を流通する少量の冷却風に乱流を生じさせないようにして、より円滑に冷却風を排風口108側に流通させることができる。
またエンジン本体33のウォータジャケット125の最上部から冷却水を導出するようにして前記エンジン本体33のシリンダヘッド37に設けられる導出管140と、エンジン本体33を含むパワーユニットPを車体フレームFに揺動可能に支承する支軸43よりも上方でラジエータ96の上部タンク100に設けられる入口管139とが、導出管140から入口管139側に向かうにつれて上方位置となるようにして側面視で前記支軸43の上方を通る第1導管141を介して連結されている。
したがってウォータジャケット125内のエアは第1導管141を経てラジエータ96側に導かれることになり、エア抜き専用の導管が不要となり、また第1導管141および支軸43の干渉を避けることができ、部品点数を低減するとともにラジエータ96の周囲の導管レイアウトを簡略化することができる。
しかも支軸43はラジエータ96の前端よりも後方に配置されるので、第1導管141の傾斜角度を抑えて第1導管141の配管長を短くすることができる。
またラジエータ96には、支軸43を挿通させ得る開口部143が、該支軸43を介してエンジン本体33を車体フレームFに支承した状態での側面視では支軸43の一端を臨ませるようにして設けられるので、クランクケース21にラジエータ96が取り付けられたエンジン本体33を車体フレームFに組付ける際に、支軸43の挿通作業に支障を来すことがない位置にラジエータ96を配置する必要がなく、ラジエータ96を最適な位置に配置し得るようにしてレイアウトの自由度を高めることができる。
また入口管139が、車体フレームFの前後方向に延びる軸線を有するとともに側面視で前記支軸43の上方に位置するようにしてラジエータ96の上部タンク100に設けられるので、ラジエータ96からの入口管139の前方への張り出しを抑え、ラジエータ96全体をコンパクトに構成することができる。
またラジエータ96の前方には、上方に向かうにつれて外側方位置となるように軸線を傾斜させたサーモスタットケース134を有するサーモスタット127が配置されており、このサーモスタットケース134の上部に、ウォータジャケット15からの冷却水を導く第2導管146を接続するためのウォータジャケット側接続管145が内側斜め上方に向けて突設され、サーモスタットケース134の下部には、ラジエータ96からの冷却水を導く第3導管149を接続するためのラジエータ側接続管148が外側斜め下方に向けて突設されるので、車体フレームFの左右方向でサーモスタット127が占めるスペースを小さくしてサーモスタット127をコンパクトに配置することができ、しかもウォータジャケット125からの冷却水を導くようにしてウォータジャケット側接続管145に接続される第2導管146、ならびにラジエータ96からの冷却水を導くようにしてラジエータ側接続管148に接続される第3導管149の長さを極力短縮することができる。
ところでウォータポンプ126は、そのポンプ軸131を車体フレームFの左右方向に沿わせてエンジン本体33におけるシリンダヘッド37の外側面に取付けられるのであるが、前記サーモスタットケース134は、ウォータポンプ126のポンプケース128に、前記ポンプ軸131の軸線から前後方向に離間するとともに前後方向でポンプケース128と重なるようにして固定されるので、ウォータポンプ126およびサーモスタット127に関連する導管141,146,149,150を、車体フレームFの左右方向でコンパクトに纏めたレイアウトとすることができる。
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
たとえば上記実施例ではスクータ型自動二輪車に適用した場合について説明したが、本発明は、自動三輪車等の他の小型車両にも適用可能である。
スクータ型自動二輪車の左側面図である。 図1の2−2線に沿うパワーユニットの断面図である。 図2の3−3線矢視方向から見た一部切欠き側面図である。 図3の4−4線断面図である。 図3の5矢視方向から見て一部を切欠いた図である。 ラジエータカバーおよびラジエータを省略した状態での図3に対応した図である。 シュラウドおよびラジエータを図4の7−7線矢視方向から見た図である。 図3の8−8線断面図である。
符号の説明
21・・・クランクケース
33・・・エンジン本体
34・・・クランクシャフト
95・・・発電機
96・・・ラジエータ
97・・・冷却ファン
98・・・シュラウド
108・・・排風口
122・・・整流板
122a・・・折り返し部
125・・・ウォータジャケット
F・・・車体フレーム

Claims (4)

  1. ウォータジャケット(125)を有するエンジン本体(33)が車体フレーム(F)に搭載され、前記エンジン本体(33)の一部を構成するクランクケース(21)の側方にラジエータ(96)が配置され、該ラジエータ(96)を通過するように冷却風を吸引する冷却ファン(97)が、前記クランクケース(21)で回転自在に支持されたクランクシャフト(34)の一端に取付けられて前記ラジエータ(96)の内方に配置され、排風口(108)を有して前記冷却ファン(97)を側方から覆うシュラウド(98)が前記ラジエータ(96)および前記クランクケース(21)間に設けられる小型車両用ラジエータ装置において、前記冷却ファン(97)からの冷却風が前記排風口(108)に対応する部分で前記クランクケース(21)側に流通するのを阻止する整流板(122)が、前記排風口(108)および前記冷却ファン(97)よりもクランクケース(21)側に固定的に配設されることを特徴とする小型車両用ラジエータ装置。
  2. 前記整流板(122)が、前記シュラウド(98)に取付けられることを特徴とする請求項1記載の小型車両用ラジエータ装置。
  3. 前記整流板(122)が、側面視で前記冷却ファン(97)の半径方向最外端の回転軌跡に沿って円弧状に形成されることを特徴とする請求項1または2記載の小型車両用ラジエータ装置。
  4. 前記冷却ファン(97)および前記クランクケース(21)間に発電機(95)が配置され、該発電機(95)の外側方に配置される前記整流板(122)に、該整流板(122)の内周端からクランクケース(21)側に延びる折り返し部(122a)が一体に設けられることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の小型車両用ラジエータ装置。
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