JP2000203483A - スイング式パワ―ユニット - Google Patents

スイング式パワ―ユニット

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JP2000203483A JP11004557A JP455799A JP2000203483A JP 2000203483 A JP2000203483 A JP 2000203483A JP 11004557 A JP11004557 A JP 11004557A JP 455799 A JP455799 A JP 455799A JP 2000203483 A JP2000203483 A JP 2000203483A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジンおよび変速機を一体に備えたスイン
グ式パワーユニットにおいて、エンジンの冷却用の補機
類の組み付け作業を容易化する。 【解決手段】 自動二輪車のスイング式パワーユニット
Pは、エンジンEと、エンジンEの駆動力を後輪Wrに
伝達するベルト式無段変速機Tとを一体に備えて車体フ
レームに揺動自在に支持される。エンジンEとベルト式
無段変速機Tとは割り面P6 において分離可能であり、
エンジン冷却用の補機類であるラジエータ49および冷
却水ポンプ53はエンジンE側に集中的に配置される。
従って、ベルト式無段変速機Tを分離したエンジンEを
割り面P6 を下にした姿勢で安定させ、この状態で上方
からラジエータ49および冷却水ポンプ53を容易に組
み付けることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンと該エン
ジンの駆動力を駆動輪に伝達する変速機とを一体に備え
て車体フレームに揺動自在に支持されたスイング式パワ
ーユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】かかるスイング式パワーユニットは小型
の自動二輪車や自動三輪車の簡便な動力源として好適で
あり、その一例が特許第2649179号公報に開示さ
れている。上記公報に記載されたものは、スイング式パ
ワーユニットのエンジンブロックがクランクシャフトに
直交する割り面で2分割されており、その一方の分割体
に変速機のケーシングが一体に形成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで上記従来のも
のは、2分割されたエンジンブロックの一方の分割体に
変速機のケーシングが一体に形成されているため、エン
ジンの組み立て時に該エンジンから変速機を分離するこ
とができない。従って、エンジンに各種の補記類を組み
付ける作業を行う際に、変速機が邪魔になってエンジン
の姿勢を作業に適した姿勢に安定させることが難しいだ
けでなく、エンジンの運搬や姿勢変更等も難しくなって
作業性が阻害される問題がある。
【0004】本発明は前述の事情に鑑みてなされたもの
で、エンジンおよび変速機を一体に備えたスイング式パ
ワーユニットにおいて、エンジンの補機類の組み付け作
業を容易化することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載された発明によれば、エンジンと該
エンジンの駆動力を駆動輪に伝達する変速機とを一体に
備え、小型の自動二輪車や自動三輪車の車体フレームに
揺動自在に支持されたスイング式パワーユニットにおい
て、エンジンと変速機とを分離可能に構成し、エンジン
の冷却用の補機類を該エンジン側に集中して配置したこ
とを特徴とするスイング式パワーユニットが提案され
る。
【0006】上記構成によれば、エンジンと変速機とを
分離可能に構成し、エンジンの冷却用の補機類を該エン
ジン側に集中して配置したので、エンジンに補機類を組
み付ける作業を行う際に変速機を分離しておけば、その
変速機が作業の邪魔になることがない。その結果、エン
ジンの運搬や姿勢変更が容易になり、かつエンジンの姿
勢を作業に適した姿勢に安定させることが容易になって
作業性が大幅に向上する。
【0007】また請求項2に記載された発明によれば、
請求項1の構成に加えて、前記エンジンの補機類はラジ
エータおよび冷却水ポンプであって、これらラジエータ
および冷却水ポンプは変速機の反対側からエンジンに組
み付け可能であることを特徴とするスイング式パワーユ
ニットが提案される。
【0008】上記構成によれば、補機であるラジエータ
および冷却水ポンプが変速機の反対側からエンジンに組
み付け可能であるため、変速機が結合される割り面を下
にしてエンジンの姿勢を安定させた状態で上方からラジ
エータおよび冷却水ポンプの組み付けを行うことが可能
になり、作業性が更に向上する。
【0009】また請求項3に記載された発明によれば、
請求項2の構成に加えて、前記冷却水ポンプはエンジン
のシリンダヘッドに支持したカムシャフトの軸端部に設
けられ、前記カムシャフトをクランクシャフトに接続す
るタイミングチェーンは変速機の反対側からエンジンに
組み付け可能であることを特徴とするスイング式パワー
ユニットが提案される。
【0010】上記構成によれば、エンジンのシリンダヘ
ッドに支持したカムシャフトの軸端部に設けた冷却水ポ
ンプと、前記カムシャフトをクランクシャフトに接続す
るタイミングチェーンとを変速機の反対側から同時にエ
ンジンに組み付けることができるので、作業性が更に向
上する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0012】図1〜図10は本発明の一実施例を示すも
ので、図1はスクータ型の自動二輪車の全体側面図、図
2は図1の要部拡大図、図3は図2の3−3線断面図、
図4は図3の4−4線矢視図、図5は図3の5−5線断
面図、図6は図3の6−6線断面図、図7は図3の7−
7線断面図、図8は図2の要部拡大図、図9は図8の9
−9線断面図、図10はパワーユニットの組み立て時の
作用説明図である。
【0013】図1および図2に示すように、操向ハンド
ル11により操舵される前輪Wfとスイング式のパワー
ユニットPにより駆動される後輪Wrとを備えたスクー
タ型の自動二輪車Vの車体フレームFは、フロントフレ
ーム12、センターフレーム13およびリヤフレーム1
4に3分割される。フロントフレーム12は、ヘッドパ
イプ121 、ダウンチューブ122 およびステップフロ
ア支持部123 を一体に備えたアルミ合金の鋳造品から
構成される。パワーユニットPがピボット15を介して
上下揺動自在に支持されるセンターフレーム13はアル
ミ合金の鋳造品から構成され、前記フロントフレーム1
2の後端に結合される。パワーユニットPの後上方に延
びるリヤフレーム14は環状のパイプ材から構成され、
その上面に燃料タンク16が支持される。センターフレ
ーム13の上面にはヘルメットケース17が支持されて
おり、シート18を一体に有するカバー19によってヘ
ルメットケース17および燃料タンク16が開閉自在に
覆われる。
【0014】パワーユニットPは、シリンダを車体前方
に向けて配置した水冷式の単気筒4サイクルエンジンE
と、エンジンEの左側面から車体後方に延びるベルト式
無段変速機Tとを一体に結合してなり、ベルト式無段変
速機Tの後部上面がリヤクッション20を介してセンタ
ーフレーム13の後端に結合される。ベルト式無段変速
機Tの上面にはエアクリーナ21が支持され、ベルト式
無段変速機Tの右側面にはマフラー22が支持され、エ
ンジンEの下面にはスタンド23が支持される。
【0015】図3〜図5から明らかなように、エンジン
Eは、クランクシャフト31に沿って鉛直方向に延びる
割り面P1 により分割された第1エンジンブロック32
および第2エンジンブロック33を備えており、第1エ
ンジンブロック32はシリンダブロックおよびクランク
ケースの半部を構成するとともに、第2エンジンブロッ
ク33はクランクケースの残りの半部を構成する。第1
エンジンブロック32の前端には割り面P2 を介してシ
リンダヘッド34が結合され、シリンダヘッド34の前
端には割り面P3 を介してヘッドカバー35が結合され
る。第1、第2エンジンブロック32,33の右側面に
は割り面P4 を介して発電機カバー35が結合される。
【0016】ベルト式無段変速機Tは、割り面P5 を介
して結合された右側の第1変速機ケーシング36および
左側の第2変速機ケーシング37を備えており、第1変
速機ケーシング36の前部右側面が、第1、第2エンジ
ンブロック32,33の左側面に割り面P6 を介して結
合される。また第1変速機ケーシング36の後部右側面
には割り面P7 を介して減速機ケーシング38が結合さ
れる。
【0017】図3に示すように、第1エンジンブロック
32に内装したシリンダ41の内部に摺動自在に嵌合す
るピストン42は、コネクティングロッド43を介して
クランクシャフト31に連接される。シリンダヘッド3
4にはカムシャフト44が回転自在に支持されており、
シリンダヘッド34に設けた図示せぬ吸気バルブおよび
排気バルブが前記カムシャフト44によって開閉駆動さ
れる。第1エンジンブロック32に設けたチェーン通路
321 内に収納されたタイミングチェーン45が、クラ
ンクシャフト31に設けた駆動スプロケット46とカム
シャフト44に設けた従動スプロケット47とに巻き掛
けられる。従って、クランクシャフト31の2回転につ
き、カムシャフト44は1回転する。
【0018】クランクシャフト31の右側に設けられた
交流発電機48は前記発電機カバー36により覆われて
おり、その発電機カバー36の右側にラジエータ49が
設けられる。ラジエータ49に冷却風を供給すべく、ク
ランクシャフト31の右端に固定された冷却ファン50
が交流発電機48およびラジエータ49間に配置され
る。また内部にサーモスタット51を収納したサーモス
タットケース52がシリンダヘッド34の右側面に割り
面P8 を介して結合されており、カムシャフト44の右
端に設けられた冷却水ポンプ53がシリンダヘッド34
およびサーモスタットケース52によって囲まれた空間
に収納される。
【0019】第1変速機ケーシング37および第2変速
機ケーシング38の内部に突出するクランクシャフト3
1の左端に、ベルト式無段変速機Tの入力回転部材であ
る駆動プーリ54が設けられる。駆動プーリ54は、ク
ランクシャフト31に固定された固定側プーリ半体55
と、固定側プーリ半体55に対して接近・離間可能な可
動側プーリ半体56とを備えており、可動側プーリ半体
56はクランクシャフト31の回転数の増加に応じて半
径方向外側に移動する遠心ウエイト57によって固定側
プーリ半体55に接近する方向に付勢される。
【0020】第1変速機ケーシング37の後部および減
速機ケーシング39間に支持された出力軸58に設けら
れた従動プーリ59は、出力軸58に相対回転可能に支
持された固定側プーリ半体60と、固定側プーリ半体6
0に対して接近・離間可能な可動側プーリ半体61とを
備えており、可動側プーリ半体61はスプリング62で
固定側プーリ半体60に向けて付勢されるとともに、固
定側プーリ半体60と出力軸58との間に発進用クラッ
チ63が設けられる。そして駆動プーリ54および従動
プーリ59間に無端状のVベルト64が巻き掛けられ
る。
【0021】第1変速機ケーシング37および減速機ケ
ーシング39間には前記出力軸58と平行な中間軸65
および車軸66が支持されており、これら出力軸58、
中間軸65および車軸66間に減速ギヤ列67が設けら
れる。そして減速機ケーシング39を貫通して右側に突
出する車軸66の右端に後輪Wrが設けられる。
【0022】而して、エンジンEのクランクシャフト3
1の回転はベルト式無段変速機Tの入力部材である駆動
プーリ54に伝達され、その駆動プーリ54からVベル
ト64、従動プーリ59、発進用クラッチ63および減
速ギヤ列67を介して後輪Wrに伝達される。
【0023】エンジンEの低速回転時には、駆動プーリ
54の遠心ウエイト57に作用する遠心力が小さいた
め、従動プーリ59のスプリング62によって固定側プ
ーリ半体60および可動側プーリ半体61間の溝幅が減
少し、変速比はLOWになっている。この状態からクラ
ンクシャフト31の回転数が増加すると、遠心ウエイト
57に作用する遠心力が増加して駆動プーリ54の固定
側プーリ半体55および可動側プーリ半体56間の溝幅
が減少し、それに伴って従動プーリ59の固定側プーリ
半体60および可動側プーリ半体61間の溝幅が増加す
るため、変速比はLOWからTOPに向かって無段で変
化する。
【0024】図3および図4から明らかなように、ラジ
エータ49の前下部とサーモスタットケースカバー52
1 とが冷却水配管71で接続され、サーモスタットケー
ス52と第1エンジンブロック32とが冷却水配管72
で接続され、シリンダヘッド34とラジエータ49の後
上部とが冷却水配管73で接続される。
【0025】エンジンEの暖機運転が完了した状態で
は、カムシャフト44により駆動される冷却水ポンプ5
3から排出された冷却水は、サーモスタットケース52
および冷却水配管72を経て第1エンジンブロック32
およびシリンダヘッド34内のウオータジャケットに供
給され、そこを通過する間にエンジンEを冷却した後に
冷却水配管73を経てラジエータ49に供給される。そ
してラジエータ49を通過する間に温度低下した冷却水
は、冷却水配管71およびサーモスタット51を経て前
記冷却水ポンプ53に戻される。一方、エンジンEが暖
機運転中であって冷却水温度が低いときにはサーモスタ
ット51が作動し、冷却水はラジエータ49を通過する
ことなくエンジンEの内部を循環して速やかに温度上昇
する。
【0026】このように、エンジンEの右側面にラジエ
ータ49、冷却ファン50、サーモスタット51、冷却
水ポンプ53、冷却水配管71,72,73等のエンジ
ン冷却用の補機類を集中的に配置したので、組み立て時
やメンテナンス時にエンジンEの姿勢を大きく変更する
ことなく前記補機類を一方向から効率よく着脱すること
が可能となり、しかも冷却水配管71,72,73の長
さを最小限に抑えることができる。
【0027】特に、エンジンEに対してベルト式無段変
速機Tが分離可能であるためにエンジンEの運搬や姿勢
変更等が容易になるだけでなく、ベルト式無段変速機T
が結合される割り面P6 を下向きにしてエンジンEを支
持することにより、前記補機類の着脱が容易なようにエ
ンジンEの姿勢を安定させることができる。またカムシ
ャフト44および冷却水ポンプ53を駆動するタイミン
グチェーン45もエンジンEの右側面に配置されている
ため、冷却水ポンプ53の組み付け時にタイミングチェ
ーン45を同時に組み付けることが可能になって作業性
が一層向上する。またエンジンブロックおよび変速機ケ
ーシングを分離不能な一体構造とした従来のものに比べ
て、個々の部品を小型化して鋳造金型のコストを削減す
ることができるだけでなく、複数種類のエンジンおよび
複数種類の変速機を種々の態様で組み合わせることが可
能になって汎用性が向上する。
【0028】更に、エンジンブロックをクランクシャフ
ト31の軸線に沿って第1エンジンブロック32および
第2エンジンブロック33に2分割し、第1エンジンブ
ロック32側にシリンダ41、ピストン42、コネクテ
ィングロッド43およびクランクシャフト31を予め組
み付けることができるので、エンジンEの組み立てが容
易になる。
【0029】図3および図5〜図7から明らかなよう
に、第1、第2エンジンブロック32,33と第1変速
機ケーシング37とは、第1変速機ケーシング37側か
ら螺入される4本のボルト74,74;75,75によ
って一体に結合される。第1変速機ケーシング37を第
1エンジンブロック32に結合する前側の2本のボルト
74,74の頭部はベルト式無段変速機Tの外部に露出
しており、第1変速機ケーシング37を第2エンジンブ
ロック33に結合する後側の2本のボルト75,75の
頭部は第2変速機ケーシング38により覆われてベルト
式無段変速機Tの外部からは目視不能である。
【0030】第1、第2エンジンブロック32,33の
左側面にはクランクシャフト31を中心とする円形の開
口76(図5参照)が形成され、また第1変速機ケーシ
ング37にもクランクシャフト31を中心とする円形の
開口77(図6および図7参照)が形成される。第1、
第2エンジンブロック32,33および第1変速機ケー
シング37を結合するとき、第1、第2エンジンブロッ
ク32,33の開口76の周縁に形成した環状の座部7
8と、第1変速機ケーシング37の開口77の周縁に形
成した環状の座部79とが、環状のシール部材80(図
3参照)を介して当接する。第1変速機ケーシング37
の開口77の直径は、ベルト式無段変速機Tの駆動プー
リ54の最大外径よりも僅かに大きくなっており、従っ
て駆動プーリ54は第1変速機ケーシング37の開口7
7を通過可能である。
【0031】また第1エンジンブロック32および第1
変速機ケーシング37には前側の2本のボルト74,7
4が貫通する各2個のボス部81,81;82,82が
突設されるとともに、第2エンジンブロック33および
第1変速機ケーシング37には後側の2本のボルト7
5,75が貫通する各2個のボス部83,83;84,
84が突設される。
【0032】従って、第1、第2エンジンブロック3
2,33を4本のボルト74,74;75,75で第1
変速機ケーシング37に結合するとき、第1、第2エン
ジンブロック32,33の4個のボス部81,81;8
3,83が第1変速機ケーシング37の4個のボス部8
2,82;84,84にそれぞれ当接する。尚、図5お
よび図6において、第1、第2エンジンブロック32,
33および第1変速機ケーシング37の相互に当接する
部分が網目で示されている。
【0033】而して、相互に当接する第1、第2エンジ
ンブロック32,33の座部78および第1変速機ケー
シング37の座部79と、相互に当接する第1、第2エ
ンジンブロック32,33のボス部81,81;83,
83および第1変速機ケーシング37のボス部82,8
2;84,84との間に、断熱空気層を構成する空間S
(図3参照)が形成される。このように、第1、第2エ
ンジンブロック32,33と第1変速機ケーシング37
との間に断熱空気層を構成する空間Sを形成することに
より、エンジンEの熱がベルト式無段変速機Tに伝達さ
れるのを防止し、ベルト式無段変速機Tの冷却機能を特
別に高めることなく熱に弱いVベルト64の耐久性を確
保することができる。
【0034】また図10に示すように、パワーユニット
Pを組み立てる際に、予めサブアセンブリとして組み立
てたエンジンEのクランクシャフト31にベルト式無段
変速機Tの駆動プーリ54を組み付けておき、その後に
第1、第2エンジンブロック32,33と第1変速機ケ
ーシング37とを4本のボルト74,74;75,75
で結合する。このとき、第1変速機ケーシング37の開
口77の直径はクランクシャフト31に組み付けた駆動
プーリ54の最大外径よりも大きいため、第1、第2エ
ンジンブロック32,33と第1変速機ケーシング37
とを支障なく結合することが可能となって組み付け性が
向上する。
【0035】図8および図9に示すように、センターフ
レーム13にゴムブッシュ91,91を介して支持した
左右一対のボルト92,92に、左右のリンクプレート
93,94が揺動自在に枢支される。車体左側のリンク
プレート93の外側面に設けた2個のボックス状のスト
ッパラバー支持部材95,95にストッパラバー96,
96がそれぞれ装着され、またセンターフレーム13に
前記ストッパラバー96,96がそれぞれ当接する2個
の受け面131 ,132 が形成される。左右のリンクプ
レート93,94は連結ロッド97および前記ピボット
15で一体に連結されており、エンジンEから前上方に
突出する左右一対のハンガーブラケット98,98が、
前記ピボット15にそれぞれゴムブッシュ99,99を
介して支持される。
【0036】而して、パワーユニットPからハンガーブ
ラケット98,98を介してピボット15に入力された
荷重は、ピボット15を支持するゴムブッシュ99,9
9の弾性変形により吸収されるとともに、リンクプレー
ト93,94がボルト92,92回りに揺動してストッ
パラバー96,96がセンターフレーム13の受け面1
1 ,132 に押し付けられて弾性変形することにより
吸収される。また前記荷重はボルト92,92をセンタ
ーフレーム13に支持するゴムブッシュ91,91の弾
性変形によっても吸収される。
【0037】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行う
ことが可能である。
【0038】例えば、実施例では自動二輪車Vのスイン
グ式パワーユニットPを例示したが、本発明のスイング
式パワーユニットPは自動三輪車に対しても適用するこ
とができる。また請求項1に記載された発明におけるエ
ンジンEの冷却用の補機類は実施例におけるラジエータ
49や冷却水ポンプ53に限定されず、オイルクーラや
オイルポンプのような他の冷却用の補機類であっても良
い。
【0039】
【発明の効果】以上のように請求項1に記載された発明
によれば、エンジンと変速機とを分離可能に構成し、エ
ンジンの冷却用の補機類を該エンジン側に集中して配置
したので、エンジンに補機類を組み付ける作業を行う際
に変速機を分離しておけば、その変速機が作業の邪魔に
なることがない。その結果、エンジンの運搬や姿勢変更
が容易になり、かつエンジンの姿勢を作業に適した姿勢
に安定させることが容易になって作業性が大幅に向上す
る。
【0040】また請求項2に記載された発明によれば、
補機であるラジエータおよび冷却水ポンプが変速機の反
対側からエンジンに組み付け可能であるため、変速機が
結合される割り面を下にしてエンジンの姿勢を安定させ
た状態で上方からラジエータおよび冷却水ポンプの組み
付けを行うことが可能になり、作業性が更に向上する。
【0041】また請求項3に記載された発明によれば、
エンジンのシリンダヘッドに支持したカムシャフトの軸
端部に設けた冷却水ポンプと、前記カムシャフトをクラ
ンクシャフトに接続するタイミングチェーンとを変速機
の反対側から同時にエンジンに組み付けることができる
ので、作業性が更に向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】スクータ型の自動二輪車の全体側面図
【図2】図1の要部拡大図
【図3】図2の3−3線断面図
【図4】図3の4−4線矢視図
【図5】図3の5−5線断面図
【図6】図3の6−6線断面図
【図7】図3の7−7線断面図
【図8】図2の要部拡大図
【図9】図8の9−9線断面図
【図10】パワーユニットの組み立て時の作用説明図
【符号の説明】
E エンジン F 車体フレーム T ベルト式無段変速機(変速機) Wr 後輪(駆動輪) 31 クランクシャフト 34 シリンダヘッド 44 カムシャフト 45 タイミングチェーン 49 ラジエータ 53 冷却水ポンプ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン(E)と該エンジン(E)の駆
    動力を駆動輪(Wr)に伝達する変速機(T)とを一体
    に備え、小型の自動二輪車や自動三輪車の車体フレーム
    (F)に揺動自在に支持されたスイング式パワーユニッ
    トにおいて、エンジン(E)と変速機(T)とを分離可
    能に構成し、エンジン(E)の冷却用の補機類を該エン
    ジン(E)側に集中して配置したことを特徴とするスイ
    ング式パワーユニット。
  2. 【請求項2】 前記エンジン(E)の補機類はラジエー
    タ(49)および冷却水ポンプ(53)であって、これ
    らラジエータ(49)および冷却水ポンプ(53)は変
    速機(T)の反対側からエンジン(E)に組み付け可能
    であることを特徴とする、請求項1に記載のスイング式
    パワーユニット。
  3. 【請求項3】 前記冷却水ポンプ(53)はエンジン
    (E)のシリンダヘッド(34)に支持したカムシャフ
    ト(44)の軸端部に設けられ、前記カムシャフト(4
    4)をクランクシャフト(31)に接続するタイミング
    チェーン(45)は変速機(T)の反対側からエンジン
    (E)に組み付け可能であることを特徴とする、請求項
    2に記載のスイング式パワーユニット。
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