JP2009018706A - 制御装置 - Google Patents

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    • B60W2552/15Road slope

Abstract

【課題】
重力加速度の路面の斜面成分を算出し、重力加速度の路面の斜面成分に基づいて、ブレーキ力又は駆動力を制御して、坂路発進時の車両の後退防止することのできる制御装置を提供する。
【解決手段】
制御装置において、車速を検出する車速センサと、車速センサの検出結果に基づいて車両の停車状態を判定する停車判定手段とを備え、コントローラは、停車判定手段が停車状態を判定している時に、動力源出力センサで検出された動力源の出力及びブレーキトルクセンサで検出されたブレーキトルクに基づいて重力加速度の車両が走行している走行路面の車両前後方向の傾斜成分を演算し、該演算結果に基づいて車両発進時において動力源の出力乃至ブレーキ力を制御する。
【選択図】図2

Description

本発明は、坂路発進時の車両の後退防止するために、ブレーキ力又は駆動力の制御に関する。
トルクコンバータを有した自動変速機おいては、走行レンジにおいてアクセル全閉状態であっても、エンジンのアイドル回転により駆動されたトルクコンバータからのトルクが車両に伝達されてクリープ走行が可能である。一方、トルクコンバータを有していないCVTや自動MTや2ペダルMT(クラッチペダルレス)等の自動変速機では、走行レンジにおいてアクセル全閉状態のときにクラッチを部分係合させてクリープ走行を可能にする制御が行われることが多い。
坂路発進時の車両の後退を防止するためには、運転者のブレーキペダルの踏み戻しによりマスタシリンダのブレーキ液圧が減少することから、アクセルペダルの踏み込みによる駆動力の変化に応じて、マスタシリンダのブレーキ液圧に依らずにブレーキ力を変化させたり、アクセルペダルが踏み込まれるまではアクセルペダルの踏み込みによらずに駆動力を変化させる必要がある。このとき、重力加速度の斜面成分は坂路の傾斜により異なり、車両を停止させるためのブレーキ力あるいは駆動力が異なってくることから、傾斜角度に応じて、ブレーキ力や駆動力を制御する必要がある。そのために路面の傾斜角を測定する必要がある。
前後加速度センサは、制動時の加速度を計測するために搭載されていることが多く、その容量は例えば、1.5〜2Gである。これに対して、1度の路面の勾配で発生する斜面方向の加速度成分は、G×sin(1°)=0.0175G相当であり、前後加速度センサの1%F.S.程度であり、前後加速度センサでは分解能の下限で使用することとなるため、路面傾斜角を測定するには高い精度が望めない。
また、傾斜角計測専用の高精度なセンサを搭載するにはコストがかかる。また、傾斜センサは車体に取り付けられるため、正確に路面傾斜角を測定するには路面と車体の傾きを検出する手段が別途必要となる。
坂路発進時の車両の後退を防止するための先行技術としては、特許文献1がある。特許文献1には、車両が0Km/hになると、エンジンが停止しても、ブレーキ液圧を保持して、ブレーキ力を発揮させて、ブレーキペダルが開放されて、エンジンが自動始動されると、ブレーキ力を徐々に低減して、車両の後ずさりを防止することが記載されている。
特許第3598491号公報
しかしながら、ブレーキペダルの踏み戻しに応じてブレーキ力を制御したり、駆動力を制御したりすることがなかったことから、以下の問題点があった。ブレーキペダルが開放されてからアクセルペダルの踏み込みにより駆動力が発揮されるとき、ブレーキ力の開放が早すぎると、ブレーキ力が開放された時点では、駆動力が十分発揮されておらず、駆動力に比して重力加速度の斜面成分が大となり、車両が後退してしまうという問題点がある。
また、ブレーキ力の開放が遅すぎた場合には、駆動力が重力加速度の斜面成分に等しくなりブレーキ力が無くても車両が停止する時点でもブレーキ力が残存し、ブレーキの引き摺りが発生するという問題点がある。
更に、路面の傾斜角に基づいてブレーキ力を制御する場合、傾斜角を計測するセンサを専用に設けた場合はコストアップに繋がり問題である。また、前後方向加速度センサを用いて傾斜角を算出する場合は精度上の問題があり、精度良く、車両の後退を防止することはできない。
特許文献1では、エンジンの始動による駆動トルクを算出して、駆動トルク及び重力加速度の斜面成分に従ってブレーキ力を制御するものでなかったことから、上記と同様の問題点があった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、傾斜角をセンサにより計測するのではなく、重力加速度の路面の斜面成分を算出し、重力加速度の路面の斜面成分に基づいて、ブレーキ力又は駆動力を制御して、坂路発進時の車両の後退を防止することのできる制御装置を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明によれば、動力源と、前記動力源の出力を検出する動力源出力センサと、運転者により操作され、前記動力源の出力を調整するための動力源操作手段と、車輪ブレーキと、運転者により操作され、前記車輪ブレーキを操作するためのブレーキ操作手段と、前記車輪ブレーキが発生しているブレーキトルクを検出するブレーキトルクセンサと、前記動力源の出力及び前記車輪ブレーキのブレーキ力を調整可能なアクチュエータを制御するコントローラとを備えた制御装置において、車速を検出する車速センサと、前記車速センサの検出結果に基づいて車両の停車状態を判定する停車判定手段とを備え、前記コントローラは、前記停車判定手段が車両の停車状態であると判定している時に、前記動力源出力センサで検出された前記動力源の出力及び前記ブレーキトルクセンサで検出されたブレーキトルクに基づいて、車両が走行している走行路面の車両前後方向の重力加速度の傾斜成分を演算し、該演算結果に基づいて、前記ブレーキ操作手段の操作及び前記動力源操作手段の操作に基づく車両発進時において、前記動力源の出力及び前記ブレーキ力のいずれか一方を制御することを特徴とする制御装置が提供される。
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明において、前記コントローラは、前記ブレーキ操作手段の運転者の操作によるブレーキ操作に基づき前記車輪ブレーキ力が所定値に減少した所定の時点から前記動力源操作手段が運転者により操作されるまでは、車両の停止に必要とされる車輪ブレーキ力が一定に保持されるように前記アクチュエータを制御し、前記動力源操作手段が操作されてからは、前記動力源操作手段の運転者による操作に基づいて発揮される駆動力及び前記傾斜成分に基づいて、車両を停止するのに必要な車輪ブレーキ力が発揮されるように前記アクチュエータを制御することを特徴とする制御装置が提供される。
請求項3記載の発明によれば、請求項1記載の発明において、前記コントローラは、前記ブレーキ操作手段の運転者の操作によりブレーキ操作に基づき前記車輪ブレーキ力が減少するときには、前記ブレーキトルクセンサにより検出されたブレーキトルク及び前記傾斜成分に基づいて、車両の停止に必要とされる駆動力が発揮されるように前記アクチュエータを制御することを特徴とする制御装置が提供される。
請求項1記載の発明によると、車両が停車している時に、動力源出力センサで検出された動力源の出力及びブレーキトルクセンサで検出されたブレーキトルクに基づいて、車両が走行している走行路面の車両前後方向の重力加速度の傾斜成分を演算し、演算結果に基づいて車両発進時において動力源の出力及びブレーキ力のいずれか一方を制御するので、路面の斜面の傾斜センサを必要とせず、傾斜に応じたブレーキの引き摺りや進行方向に対する後ずさりのない発進制御を行うことができる。
請求項2記載の発明によると、ブレーキ操作手段が開放に向かって操作されると車輪ブレーキ力が減少するが、車輪ブレーキ力が減少した所定の時点から動力源操作手段が運手者により操作されるまでは、車両停止に必要とされるブレーキトルクが一定に保持されるようにアクチュエータを制御するので、車両が後退することがない。また、動力源操作手段が操作されてからは、動力源操作手段の運転者による操作量及び傾斜成分に基づいて、車両を停止するのに必要なブレーキ力が発揮されるようにアクチュエータを制御するので、ブレーキの引き摺りや進行方向に対する後ずさりのない発進制御を行うことができる。
請求項3記載の発明によると、ブレーキ操作手段が開放に向かって操作されるとき、ブレーキトルクセンサにより検出されたブレーキトルク及び傾斜成分に基づいて、車両を停止するのに必要な駆動力が発揮されるようにアクチュエータを制御するので、動力源操作手段が操作されるまでは、ブレーキ操作が開放に向かって操作されたときでも、車両が進行方向に対して後ずさりをすることがない。また、動力源操作手段が操作されたとき、ブレーキの引き摺りや進行方向に対する後ずさりのない発進制御を行うことができる。
図1は本発明の実施形態に係る車両のブレーキ系及び駆動系を示す概略構成図である。図1に示すように、車体1は、エンジン2、スロットル弁4、スロットル弁駆動装置6、自動変速機7、ECU8、液圧式ブレーキ装置10、ブレーキペダル12、アクセルペダル14、左前輪16FL、右前輪16FR、左後輪16RL、右後輪16RR、左前輪ブレーキ18FL、右前輪ブレーキ18FR、左後輪ブレーキ18RL、右後輪ブレーキ18RR、左前輪ブレーキトルクセンサ20FL、右前輪ブレーキトルクセンサ20FR、左後輪ブレーキトルクセンサ20RL、右後輪ブレーキトルクセンサ20RR、左前輪速度センサ22FL、右前輪速度センサ22FR、左後輪速度センサ22RL、右後輪速度センサ22RR、スロットル開度センサ24及びアクセルペダル開度センサ26を具備する。
エンジン2及び自動変速機7は、駆動輪である左前輪16FL及び右前輪16FRを駆動するために車体1の前部に搭載される。ECU8は、アクセルペダル開度センサ26により検出される運転者のアクセルペダル14の踏み込み量に応じて、スロットル弁駆動装置6を制御して、駆動力を発揮させる。また、後述するように、トルクコンバータを有しない自動変速機7においては、走行レンジにおいて、車体1の停止時にも発進クラッチを部分係合させてクリープトルクを発揮するよう制御を行う。また、坂路発進において、車両が停止しているとき、スロットル開度及びエンジン回転数並びにトルクコンバータを有する自動変速機7においてはエンジン回転数とメインシャフト回転数に基づくトルコン増幅率に基づき駆動トルクTdを算出し、駆動トルクTdに自動変速機7の変速比と最終減速比を掛け合わせた値をタイヤ半径と荷重の積で除算した駆動力Fd(N/Kg)と、ブレーキトルクセンサ20FL〜20RRより検出されたブレーキトルクTbを荷重とブレーキディスク有効半径との積で除算した各車輪16FL〜16RRに作用するブレーキ力の総和のブレーキ力Fb(F/Kg)から、重力加速度の坂路の斜面成分Fg(N/Kg)を算出する。ブレーキペダル12が踏み戻されて、車輪ブレーキ18FL〜18RRのブレーキ液圧の低下に伴いブレーキ力が車体1の停止時のブレーキ力Fb以下になると、このブレーキ液圧が、運転者がアクセルペダル14を踏み込むまで保持されるように、液圧式ブレーキ装置10を制御する。
運転者がアクセルペダル14を踏み込むと、アクセルペダル14の踏み込みに応じて発揮された駆動トルクTdを上述したと同様に算出し、駆動トルクTdを荷重とタイヤ半径との積で除算して車体1に作用する駆動力Fdを算出し、重力加速度の坂路の斜面成分Fgと駆動力Fdから車両を停止するに必要な目標ブレーキ力Fbに対応するブレーキトルクを発揮せしめるためのブレーキ液圧が各車輪ブレーキ18FL、ブレーキ18FR、ブレーキ18RL、18RRに供給されるように、液圧式ブレーキ装置10を駆動制御する。
図2に示す液圧式ブレーキ装置10のマスタシリンダ52には、負圧ブースタ54を介してブレーキペダル12からブレーキ操作力が入力される。マスタシリンダ52は、タンデム型に構成されたものであり、例えば、左前輪ブレーキ18FL、右後輪ブレーキ18RRに対応する出力ポート58と、右前輪ブレーキ18FR及び左後輪ブレーキ18RLに対応する出力ポート60とを備え、出力ポート58,60には液圧路61,62がそれぞれ接続される。出力ポート58側のブレーキ装置と、出力ポート60側のブレーキ装置は同一構成であるので、出力ポート58側のブレーキ装置について説明し、出力ポート60側のブレーキ装置については説明を省略する。車輪ブレーキ18FL〜18RRは、液圧配管FPにより液圧式ブレーキ装置10に接続される。
マスタシリンダ52の出力液圧は、吸入弁66及び吐出弁68を有し、モータ63で駆動されるポンプ64で増圧可能であり、吐出弁68は液圧路61に接続されている。
液圧路70及びブレーキ18FL,18RR間には、調整装置72が設けられており、この調圧装置72は、液圧路61と液圧路70との間に設けられる比例型常開型電磁弁88と、液圧路61及びチェック弁89間に設けられる常閉型電磁弁87と、左前輪ブレーキ18FL及び液圧路70間に設けられる常開型電磁弁76と、右後輪ブレーキ18RR及び液圧路70間に設けられる常開型電磁弁78と、各ブレーキ18FL,18RR側から液圧路70側へのブレーキ液圧の流通を許容して常開型電磁弁76,78にそれぞれ並列に接続される一対の一方向弁80,82と、リザーバ83と、各車輪ブレーキ18FL,18RR及びリザーバ83間にそれぞれ設けられる常閉型電磁弁84,86とを備える。リザーバ83は、吸入弁66にチェック弁89を介して接続されている。
調整装置72は、ブレーキ操作時にマスタシリンダ52の出力を、常閉型電磁弁87を閉弁し、比例型常開型電磁弁88及び常開型電磁弁76,78を開弁するともに、常閉型電磁弁84,86を閉弁することにより、液圧路70及び液圧配管FPを通して、車輪ブレーキ18FL,18RRに供給する。常閉型電磁弁87を閉弁し、比例型常開型電磁弁88を閉弁、常開型電磁弁76,78を開弁するともに、常閉型電磁弁84,86を閉弁することにより車輪ブレーキ18FL〜18RRのブレーキ圧を保持する。
常開型電磁弁76,78を閉弁するともに、常閉型電磁弁84,86を開弁することによりこのブレーキ圧保持状態から解放する。常閉型電磁弁87を閉弁し、常開型電磁弁76,78を開弁し、常閉型電磁弁84,86を閉弁するとともに、比例型常開電磁弁88の通電量を制御して比例型常開電磁弁88を徐々に開弁することにより、液圧配管FPのブレーキ液圧をマスタシリンダ52側に徐々に解放する。
更に、非ブレーキ操作中に、常閉型電磁弁87を開弁し、比例型常開型電磁弁88及び常開型電磁弁76,78を開弁するともに、常閉型電磁弁84,86を開弁した状態でモータ63を作動せしめることにより、ポンプ64がマスタシリンダ52側からブレーキ液を吸収して加圧したブレーキ液を液圧路70側に吐出することになり、この状態で、比例型常開型電磁弁88を閉弁し、常閉型電磁弁84,86を閉弁し、常開型電磁弁76,78のうち制動力を付加しようとする車輪ブレーキに対応する常開型電磁弁を開弁し、他の常開型電磁弁を閉弁することにより、制御力を付加しようとする車輪ブレーキにブレーキ液圧を作動せしめて、ブレーキ力を発揮せしめる。
液圧路61は、常閉型電磁弁87を介して吸入弁66及びチェック弁89間に接続されるとともに、比例型常開型電磁弁88を介して液圧路70に接続される。
ポンプ64を駆動するモータ63のオン・オフ作動、調圧装置72の各常開型電磁弁76,78、各常閉型電磁弁84,86の開閉作動、常閉型電磁弁87の開閉作動及び比例型常開型電磁弁88の通電量による開閉量の制御及び全開・全閉の制御はECU8により制御される。
ブレーキ18FL、18FR、18RL、18RRは、液圧式ブレーキ装置10から供給されるブレーキ液圧に従って、ブレーキ力を発揮する。
ブレーキトルクセンサ20FL、20FR、20RL、20RRは、図示しないサスペンションのばね下の部材の制動時のブレーキトルクによって歪が生じる部位に設けられ、ブレーキ18FL、18FR、18RL、18RRの作動により発生したブレーキトルクを検出するブレーキトルクセンサである。
車輪速度センサ22FL、22FR、22RL、22RRは、車輪16FL、16FR、16RL、16RRの回転速度を検出するセンサである。スロットル開度センサ24は、スロットル弁4のスロットル開度を検出するセンサである。アクセルペダル開度センサ26は、アクセルペダル14の開度を検出するセンサである。センサ20FL〜20RR、22FL〜22RR、24、26の出力は、ECU8に入力される。
図3は、本発明の第1実施形態によるECU8のブレーキ力制御に係る機能ブロック図である。図3に示すように、ECU8は、停車判定手段100、重力加速度斜面成分算出手段102、ヒルホールド制御手段104、アクセルペダル踏み込み判定手段106、停車目標ブレーキ力算出手段108及びブレーキ力制御手段110を備える。
停車判定手段100は、坂路において車体1が停止しているか否かを判定する。車体1の停止の判定は、車輪速度センサ22FL〜22RRより検出された車輪速度が0であるときとする。また、坂路であることの判定は、ブレーキペダル12が踏み込まれていて、ブレーキトルクセンサ20FL〜20RRより検出されたブレーキトルクが、車体1に作用する駆動トルクと同じ方向、即ち、登坂における前進方向、降坂における後退方向に作用していることにより検出する。従って、平坦路における停車は、ブレーキトルクと駆動トルクが加えられる方向が反対方向であるので、対象外である。
重力加速度斜面成分算出手段102は、停車判定手段100が、車両が停止していると判定した場合は、以下のようにして、重力加速度Gの斜面成分Fg(N/Kg)を算出する。ここで、斜面成分Fgを荷重Wに斜面方向に作用する力(N)としても良い。
図4は、坂路における斜面成分Fg(N/kg),駆動力Fd(N/kg),ブレーキ力Fb(N/Kg)の関係を示す図である。図4(a)に示すように、重力加速度G(N/Kg)は、斜面に平行な斜面成分Fgと斜面に垂直な成分に分解される。
図4(b)に示すように、登坂路前進では、駆動力Fdと斜面成分Fgとが反対方向の力であるので、ブレーキ力Fbは、駆動力Fdと同方向に車輪18FL〜18RRに作用し、次式(1)が成り立つときに車体1は停止する。ここで、ブレーキ力Fbは、車体1に作用するブレーキ力であり、各車輪16FL〜16RRに作用するブレーキ力の総和である。また、駆動力Fdは、車体1に作用する駆動力であり、主動輪FL,FRに作用する駆動力の和である。
Fg=Fd+Fb ・・・ (1)
また、図4(c)に示すように、降坂路後退では、駆動力Fdと斜面成分Fgとが反対方向の力であるので、ブレーキ力Fbは、駆動力Fdと同方向に車輪18FL〜18RRに作用して、登坂路前進と同様に式(2)が成り立つときに車体1は停止する。
Fg=Fd+Fb ・・・ (2)
駆動力Fd(N/Kg)は、エンジン2の回転数、スロットル開度、トルクコンバータを有する自動変速機7においてはエンジン回転数とメインシャフト回転数により算出されるトルコン増幅率又はトルクコンバータを有しない自動変速機7においてはクラッチの締結量から算出される駆動トルクTdと自動変速機7の変速比と最終減速比との積を、車輪のタイヤ半径と荷重との積で除算することにより得られる。
また、ブレーキ力Fb(N/Kg)は、ブレーキトルクセンサ18FL〜18RRより検出されたブレーキトルクの総和をブレーキディスクの有効半径と荷重Wとの積で除算することにより算出される。
従って、重力加速度斜面成分算出手段102は、上記のように、駆動力Fd及びブレーキ力Fbを算出し、式(1)又は(2)より、重力加速度斜面成分Fgを算出する。尚、登坂路前進と降坂路後退の場合は同じであるので、登坂路前進の場合について説明する。
ヒルホールド制御手段104は、運転者がブレーキペダル12の踏み戻しによりマスタシリンダ52のブレーキ液圧の減少により、これ以上ブレーキ液圧が減少すると、ブレーキ液圧によるブレーキ力Fbによっては車体1の停止が維持できなくなるとき(ブレーキ力Fbが低下し始めるとき)、常閉型電磁弁87を閉弁し、常開型電磁弁76,78を開弁し、常閉型電磁弁84,86を閉弁するとともに、比例型常開型電磁弁88を閉弁することにより車輪ブレーキ18FL〜18RRのブレーキ圧を保持する。これにより、ブレーキ力Fbが保持されて、車体1の停止が維持される。
アクセルペダル踏み込み判定手段106は、運転者がアクセルペダル14を踏み込んだか否かをアクセルペダル開度センサ26により検出されるアクセルペダル開度により判定する。
停車目標ブレーキ力算出手段108は、アクセルペダル踏み込み判定手段106によりアクセルペダル14が踏み込まれたと判定された場合には、アクセルペダル開度センサ26により検出されたアクセルペダル開度に応じて、スロットル弁駆動装置6によりスロットル弁4のスロットル開度が制御されて、空気流入量が増加することにより増加した駆動トルクTdをエンジン回転数及びスロットル開度センサ24により検出されたスロットル開度等から算出する。駆動トルクTdから自動変速機7の変速比、最終減速比、タイヤ半径、荷重等から駆動力Fdを算出する。そして、式(3)より、車体1の停止を維持するために必要な目標ブレーキ力Fbを算出する。
Fb=Fg−Fd ・・・ (3)
ブレーキ力制御手段110は、常閉型電磁弁87を閉弁し、常開型電磁弁76,78を開弁し、常閉型電磁弁84,86を閉弁するとともに、図示しないテーブルにブレーキ力と該ブレーキ力を発揮せしめるための比例型常開型電磁弁88の通電量との関係が予めテーブルに格納され、目標ブレーキ力Fbを発揮させるために必要なブレーキ液圧となるように相当の通電量で比例型常開型電磁弁88を駆動して、比例型電磁弁88を徐々に開弁し、ブレーキペダル12の開放によりブレーキ液圧が減少しているマスタシリンダ52側へホイールシリンダからのブレーキ液圧の流入量を制御することにより、目標ブレーキ力Fbを発揮せしめる。これにより、ホイールシリンダのブレーキ液圧が、アクセルペダル14の踏み込みによる駆動力が増加するに伴い、徐々に減少して停車目標ブレーキ力Fbが発生し、式(3)が成り立ち、車体1の停止状態が維持される。
運転者によるアクセルペダル14の踏み込み量が増加して、駆動トルクFdが斜面成分Fgに一致すると、式(3)より目標ブレーキ力Fbが零になるので、比例型常開型電磁弁88が全開となって、ブレーキ力が零となる。
図5はブレーキ力制御方法を示すフローチャートである。図6はブレーキ力制御方法を示すタイムチャートである。図6中のaはマスタシリンダ52の液圧のブレーキディスクに作用する力に換算したマスタシリンダ液圧、bはホイールシリンダの液圧のブレーキディスクに作用する力に換算したブレーキ液圧を示す。以下、これらの図面を参照して、ブレーキ力制御方法の説明をする。
ステップS2で、車輪速度センサ22FL、22FR、22RL、22RRより検出された車輪速度が0で車輪停車し、且つブレーキペダル12が踏み込まれているか否かを判定する。肯定判定ならば、車体1の登坂路停止であると判断して、ステップS4に進み、否定判定ならば、終了する。例えば、時刻t0で車輪停車し、且つブレーキペダル12が踏み込まれていると判定したとする。この状態では、ブレーキペダル12が強く踏み込まれ、車体1を停止するに必要なブレーキ力Fbを発揮せしめるために必要なブレーキ液圧以上のブレーキ液圧がブレーキ18FL〜18RRに作用している。
ステップS4で、エンジン回転数、スロットル開度、トルコン増幅率又はクラッチの締結量等に基づいて算出した駆動トルクTdを自動変速機7の変速比、最終減速比、タイヤ半径及び荷重の積で除算して駆動力Fd(F/Kg)を算出し、ブレーキトルクセンサ18FL〜18RRより検出されたブレーキトルクの総和Tbをディスク有効半径と荷重との積で除算してブレーキ力Fb(N/Kg)を算出し、式(1)より重力加速度の斜面成分Fg(N/Kg)を算出する。尚、ここで算出された駆動力Fdは、アクセルペダル14の全閉時におけるクリープトルクによるものである。
ステップS6で、ステップS4で検出したブレーキ力Fbを停車目標ブレーキ力Fbとする。ステップS8で、ブレーキペダル12が踏み戻されているか否かを判定し、肯定判定ならば、ステップS10に進み、否定判定ならば、ステップS8で待機する。例えば、時刻t1でブレーキペダル12の踏み戻しが開始されたものとする。
ステップS10で、ブレーキトルクセンサ18FL〜18RRより検出されたブレーキトルクから算出されるブレーキ力の総和のブレーキ力が停車目標ブレーキ力Fb以下となったか否かを判定する。肯定判定ならば、ステップS12に進み、否定判定ならば、ステップS10で待機する。時刻t2でブレーキトルクが停車目標ブレーキ力Fb以下となったとする。
ステップS12で、常閉型電磁弁87を閉弁し、常開型電磁弁76,78を開弁し、常閉型電磁弁84,86を閉弁するとともに、比例型常開型電磁弁88を閉弁することにより車輪ブレーキ18FL〜18RRのブレーキ圧を保持する。時刻t2でホイールシリンダのブレーキ液圧が保持されて、ヒルホールドが開始される。時刻t3でブレーキペダル12が開放されて、マスタシリンダ32のブレーキ液圧はブレーキ力0に相当するものとなるが、ホイールシリンダのブレーキ液圧は、一定に保持されているので、車体1は停止状態を維持される。
ステップS14で、アクセルペダル14が踏み込まれたか否かを判定する。肯定判定ならば、ステップS16に進み、否定判定ならば、ステップS14で待機する。時刻t4でアクセルペダル14が踏み込まれたものとする。
ステップS16で、アクセルペダル14の踏み込みによりスロットル弁4がスロットル弁駆動装置6により駆動されて発揮された駆動トルクTdをエンジン回転数及びスロットル開度等より算出し、駆動トルクTdから駆動力Fdを算出し、重力加速度の斜面成分Fg及び駆動力Fdを式(3)に代入して、車体1を停止させるためにアクセルペダル14の踏み込み時の目標ブレーキ力Fbを算出する。
ステップS18で、目標ブレーキ力Fbが発揮されるように、ブレーキ力と通電量との関係を記憶したメモリより読み出した目標ブレーキ力Fbに対応する通電量で比例型常開電磁弁88を駆動して、比例型常開型電磁弁88からブレーキペダル12の開放によりブレーキ液圧が減少しているマスタシリンダ32へホイールシリンダからのブレーキ液圧が流入するよう制御する。これにより、ホイールシリンダのブレーキ液圧により停車目標ブレーキ力Fbが発生し、式(3)が成り立ち車体1の停止状態が維持される。
ステップS20で、重力加速度成分Fgが駆動力Fdに等しくなったか否かを判定する。肯定判定ならば、処理を終了する。否定判定ならば、ステップS16に戻る。例えば、時刻t5で駆動トルクFdが重力加速度の斜面成分Fgに等しくなると、停車目標ブレーキ力Fbは零となり、比例型常開型電磁弁88が全開されて、ブレーキ力Fbが零となる。このように、車体1が後退することがなく、また、時刻t5で駆動トルクFdが重力加速度の斜面成分Fgに等しくなると、ブレーキ力が零となり、ブレーキの引き摺りがなくなる。そして、時刻t5以降で駆動力Fdが重力加速度成分Fgよりも大となり、アクセルペダル14の踏み込み量に応じて加速される。
図7は、本発明の第2実施形態によるECU8の車両用動力源制御に係る車両動力源制御手段の機能ブロック図である。図7に示すように、ECU8は、停車判定手段150、重力加速度斜面成分算出手段152、停車目標駆動力算出手段154及び駆動力制御手段156を備える。
停車判定手段150及び重力加速度斜面成分算出手段152は、図3中の停車手段100及び重力加速度斜面成分算出手段102と実質的に同一なので説明を省略する。
停車目標駆動力算出手段154は、ブレーキペダル12の踏み戻しに伴うブレーキ力Fb(N/Kg)の減少分を補償するべく、車体1を停止させるために必要な停車目標駆動力Fd(N/Kg)を式(4)より算出し、停車目標駆動力Fdから目標駆動トルクTdを算出する。
Fd=Fg−Fb ・・・ (4)
駆動力制御手段156は、スロットル弁駆動装置6を制御して、目標駆動トルクTdが発揮されるように、スロットル弁4を駆動してスロットル開度を調整する。これにより、車体1に目標駆動力Fdに等しい駆動力が発揮されて、発揮した駆動力Fdとブレーキ力Fbの和が重力加速度斜面成分Fgに等しくなって、車体1が後ずさりすることなく停止する。また、ブレーキペダル12が開放されてブレーキ力Fbが零になると、式(4)より、目標駆動力Fdは重力加速度斜面成分Fgに等しくなり、アクセルペダル14が踏み込まれるまでは、重力加速度斜面成分Fdに等しい駆動力Fdが発揮・維持される。アクセルペダル14が踏み込まれると、アクセルペダル14の踏み込み量に応じた駆動トルクに重力加速度斜面成分Fgに等しい駆動力相当の駆動トルクを追加する。
図8は車両用動力源制御方法を示すフローチャートである。図9は車両用動力源制御方法を示すタイムチャートである。図9中のaはマスタシリンダ52の液圧のブレーキディスクに作用する力に換算したマスタシリンダ液圧を示す。以下、これらの図面を参照して、ブレーキ力制御方法の説明をする。
ステップS50で、車輪速度センサ22FL〜22RRより検出された車輪速度が0で車輪停車し、且つブレーキペダル12が踏み込まれているか否かを判定する。肯定判定ならば、登坂路であると判断し、ステップS52に進み、否定判定ならば、終了する。例えば、時刻t0で車輪停車し、且つブレーキペダル12が踏み込まれていると判定したとする。
ステップS52で、エンジン回転数及びスロットル開度等に基づいて駆動力Fd(N/Kg)、ブレーキトルクセンサ18FL〜18RRより検出されたブレーキトルクから総和のブレーキ力Fb(N/Kg)を算出し、式(1)より重力加速度斜面成分Fg(N/Kg)を算出する。
ステップS54で、ブレーキペダル12が踏み戻されているか否かを判定し、肯定判定ならば、ステップS56に進み、否定判定ならば、ステップS54で待機する。例えば、時刻t1でブレーキペダル12の踏み戻しが開始されたものとする。
ステップS56で、ブレーキトルクセンサ18FL〜18RRより検出されたブレーキトルクから総和のブレーキ力Fbを算出し、ブレーキ力Fb及び重力加速度斜面成分Fgを式(4)に代入して、停車目標駆動力Fdを算出し、停車目標駆動力Fdから目標駆動トルクTdを算出する。
ステップS58で、スロットル弁駆動装置6を制御して、目標駆動トルクTdに等しい駆動トルクが発揮されるように、スロットル弁4を駆動してスロットル開度を調整して、車体1に停車目標駆動力Fdを与える。これにより、ブレーキペダル12の引き戻しによりマスタシリンダ32のブレーキ液圧の減少によりブレーキ力Fbが低下しても、車体1の停止状態を維持するための駆動力Fdを発揮するので、車体1が後退りすることなく、停止する。また、ブレーキペダル12が開放された時点では、ブレーキ力Fbが零、駆動力Fdが重力加速度斜面成分Fgに等しくなるので、車体1が後退りすることなく、停止する。例えば、時刻t2でブレーキペダル12が開放されたものとする。
ステップS60でアクセルペダル14が踏み込まれたか否かを判定する。肯定判定ならば、ステップS62に進み、否定判定ならば、ステップS56に戻る。時刻t3でアクセルペダル14が踏み込まれたとする。従って、時刻t2でブレーキペダル12が開放されて、時刻t3でアクセルペダル14が踏み込まれるまでは、駆動力Fdは重力加速度の斜面成分Fgに保持されて、車体1が後退りすることなく、停止する。
ステップS62で、駆動トルク制御を解除して、アクセルペダル14の踏み込み量に応じた駆動力が発揮されるように制御する。尚、アクセルペダル14の踏み込み量が一定となるまでは、重力加速度斜面成分Fgに等しい駆動力Fdを増加する。時刻t4でアクセルペダル14が踏み込まれると、それ以降、アクセルの踏み込み量に応じて車体1が加速される。このとき、重力加速度斜面成分Fgに等しい駆動力を追加させるので、アクセルペダル14の踏み込んでも車体1が減速することはない。
以上説明した本実施形態によれば、ブレーキペダル12の踏み戻しによるブレーキ力の減少分を駆動力により補うので、車体1が後ずさりすることなく停止する。また、ブレーキ力が零になると、重力加速度斜面成分Fgに等しい駆動力Fdを発揮して維持するので、ブレーキの引き摺りを防止できる。アクセルペダル14が踏み込まれたとき、重力加速度斜面成分Fgに等しい駆動力を発揮するので、車体1がスムーズに加速する。更に、車体1が停止を維持するに必要な最小限の駆動力Fdを発揮するので、停車中に無駄な燃料を消費することを低減できるとともに、発進クラッチを必要以上に磨耗させて、温度変化や潤滑油の変性などによる伝達トルク特性の変化といった影響も排除することができる。
また、ブレーキペダル12を開放したときに車体1が前進後退のどちらに運動を始めるかは、ブレーキトルクセンサ18FL〜18RRで検出されたブレーキトルクからブレーキ力を算出し、その総和のブレーキ力Fbの符号により分かる。例えば、車輪16FL〜16RRの前進方向に抗するブレーキ力、即ち、後退方向のブレーキトルクを負、逆に、前進方向のブレーキトルクを正とする。
図4(b)に示す登坂路前進では、車輪16FL〜16RRの後退方向に抗する前進方向のブレーキトルクが作用することから、ブレーキトルクセンサ18FL〜18RRの出力信号の符号は正となり、ブレーキトルクが0になると、重力加速度斜面成分Fgが駆動力Fdよりも大きくなって車体1は後退することが分かる。
一方、図4(c)に示す降坂路後退では、車輪16FL〜16RRの前進方向に抗する後退方向のブレーキトルクが作用することから、ブレーキトルクセンサ18FL〜18RRの出力信号の符号は負となり、ブレーキトルクが0になると、重力加速度斜面成分Fgが駆動力Fdよりも大きくなり車体1は前進する。
従って、車体1の前進後退を判定するための専用のセンサを用いることなく、ブレーキトルクセンサ18FL〜18RRの出力信号から演算した総和のブレーキ力の符号により、ブレーキ力が0になると、車体1がどちらの方向に進むかを判断することができる。登坂路におけるずり下がり防止といった動作を車輪16FL〜16RRが動き出す前に行うことができる。
更に、ブレーキ力の方向と駆動力の方向とが逆方向であれば、平坦路における車両の停止であることが分かる。これは、シフトレバーにより選択された前進・後退のいずれのギヤが選択されているかにより駆動力の方向が分かり、ブレーキ力の符号により駆動力の方向が分かるので、平坦路における車両停止と坂路における車両停止とを区別できる。
本発明が適用される車両システムの概略構成図である。 図1中の液圧式ブレーキ装置の構成図である。 本発明の第1実施形態によるブレーキ力制御に係るブロック図である。 本発明の原理を示す図である。 本発明の第1実施形態によるブレーキ力制御方法を示すフローチャートである。 本発明の第1実施形態によるブレーキ力制御方法を示すタイムチャートである。 本発明の第2実施形態による車両動力源制御に係るブロック図である。 本発明の第2実施形態による車両動力源制御方法に係るフローチャートである。 本発明の第2実施形態による車両動力源制御方法に係るタイムチャートである。
符号の説明
4 スロットル弁
6 スロットル弁駆動装置
8 ECU
10 液圧式ブレーキ装置
16FL、16FR、16RL、16RR 車輪
18FL、18FR、18RL、18RR ブレーキ
20FL、20FR、20RL、20RR ブレーキトルクセンサ
22FL、22FR、22RL、22RR 車輪速度センサ
100,150 停車判定手段
102,152 重力加速度斜面成分算出手段
104 ヒルホールド制御手段
106 アクセルペダル踏み込み判定手段
108 停車目標ブレーキ力算出手段
110 ブレーキ力制御手段
154 停車目標駆動力算出手段
156 駆動力制御手段

Claims (3)

  1. 動力源と、前記動力源の出力を検出する動力源出力センサと、運転者により操作され、前記動力源の出力を調整するための動力源操作手段と、車輪ブレーキと、運転者により操作され、前記車輪ブレーキを操作するためのブレーキ操作手段と、前記車輪ブレーキが発生しているブレーキトルクを検出するブレーキトルクセンサと、前記動力源の出力及び前記車輪ブレーキのブレーキ力を調整可能なアクチュエータを制御するコントローラとを備えた制御装置において、
    車速を検出する車速センサと、
    前記車速センサの検出結果に基づいて車両の停車状態を判定する停車判定手段とを備え、
    前記コントローラは、前記停車判定手段が車両の停車状態であると判定している時に、前記動力源出力センサで検出された前記動力源の出力及び前記ブレーキトルクセンサで検出されたブレーキトルクに基づいて、車両が走行している走行路面の車両前後方向の重力加速度の傾斜成分を演算し、該演算結果に基づいて、前記ブレーキ操作手段の操作及び前記動力源操作手段の操作に基づく車両発進時において、前記動力源の出力及び前記ブレーキ力のいずれか一方を制御することを特徴とする制御装置。
  2. 前記コントローラは、前記ブレーキ操作手段の運転者の操作によるブレーキ操作に基づき前記車輪ブレーキ力が所定値に減少した所定の時点から前記動力源操作手段が運転者により操作されるまでは、車両の停止に必要とされる車輪ブレーキ力が一定に保持されるように前記アクチュエータを制御し、前記動力源操作手段が操作されてからは、前記動力源操作手段の運転者による操作に基づいて発揮される駆動力及び前記傾斜成分に基づいて、車両を停止するのに必要な車輪ブレーキ力が発揮されるように前記アクチュエータを制御することを特徴とする請求項1記載の制御装置。
  3. 前記コントローラは、前記ブレーキ操作手段の運転者の操作によりブレーキ操作に基づき前記車輪ブレーキ力が減少するときには、前記ブレーキトルクセンサにより検出されたブレーキトルク及び前記傾斜成分に基づいて、車両の停止に必要とされる駆動力が発揮されるように前記アクチュエータを制御することを特徴とする請求項1記載の制御装置。
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