JP2009017626A - スライド構造体用の給電装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ワイヤハーネスの屈曲部に過大な応力が作用したり、ワイヤハーネスの圧縮力でガイドレールにスライダを押し付けたりする心配を解消する。
【解決手段】ワイヤハーネス8の垂下部8aの一方をスライド構造体2側に固定するハーネス固定部10と、垂下部の他方を屈曲させて保持する首振り部材6と、垂下部の一方から固定構造体9側に首振り部材をオフセットして首振り自在に軸支する支持部材5とを備えたスライド構造体用の給電装置1を採用する。支持部材5にスライダ4を設け、スライダをガイドレール3にスライド自在に係合させた。支持部材5が、固定構造体側にオフセットした位置で首振り部材6の両端を軸支する部分17aと、垂下部8aの他方に続くワイヤハーネス部分8bを首振り部材から固定構造体側に首振り自在に導出させる開口11とを備えた。
【選択図】図1
【解決手段】ワイヤハーネス8の垂下部8aの一方をスライド構造体2側に固定するハーネス固定部10と、垂下部の他方を屈曲させて保持する首振り部材6と、垂下部の一方から固定構造体9側に首振り部材をオフセットして首振り自在に軸支する支持部材5とを備えたスライド構造体用の給電装置1を採用する。支持部材5にスライダ4を設け、スライダをガイドレール3にスライド自在に係合させた。支持部材5が、固定構造体側にオフセットした位置で首振り部材6の両端を軸支する部分17aと、垂下部8aの他方に続くワイヤハーネス部分8bを首振り部材から固定構造体側に首振り自在に導出させる開口11とを備えた。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えば自動車のスライドドアに常時給電を行うべく、ワイヤハーネスを首振り自在に配索したスライド構造体用の給電装置に関するものである。
図9〜図10は、従来のスライド構造体用の給電装置の一形態を示すものである(例えば特許文献1参照)。
このスライド構造体用の給電装置42は、自動車のスライドドア41から車両ボディ47にワイヤハーネス43を配索してスライドドア側の電装品や補機等に常時給電を行うべく、ワイヤハーネス43を屈曲自在に収容する合成樹脂製のプロテクタ50と、プロテクタ内でワイヤハーネス43を上向きに付勢する金属製の板ばね44とを備え、プロテクタ50の垂直な壁部53に沿って湾曲状の周壁54との間でワイヤハーネス43を板ばねの力で持ち上げてハーネス余長の吸収を行わせるものである。
プロテクタ50はスライドドア41に縦置きに固定され、ワイヤハーネス43がプロテクタ50から渡り空間46を経て車両ボディ47のステップ部48の近傍のハーネス固定具60に車両前後方向揺動自在に配索されている。
プロテクタ50はプロテクタベース51とプロテクタカバー52とで構成されている。プロテクタベース51とプロテクタカバー52とはワイヤハーネス43や板ばね44を内側に組み付けた後、相互に係止固定される。
板ばね44はワイヤハーネス43と共にプロテクタ50の前端下部側に固定され(固定部を符号59で示す)、板ばね44の先端に合成樹脂製のキャップ49が固定され、キャップ49でワイヤハーネス43を摺接自在に支持している。
ワイヤハーネス43は複数本の電線43aを合成樹脂製のコルゲートチューブ43bで覆って構成され、コルゲートチューブ43bの前端下部がプロテクタ50にテープ巻き等で固定されている。コルゲートチューブ43bは凹溝と凸条とを蛇腹状に交互に有して良好な屈曲性を発揮する。
ワイヤハーネス43の一方の電線部分43aがプロテクタ50の前部から導出されてスライドドア側の補機等に接続され、ワイヤハーネス43の他方のコルゲートチューブ部分43bがプロテクタ50の長形の下部開口55から渡り空間46を経て車両ボディ47側の固定具60まで揺動自在に配索されている。渡り空間46においてワイヤハーネス43の各電線43aがコルゲートチューブ43bによって外部との干渉や水滴や塵等から安全に保護されている。
図9はスライドドア41の全閉状態、図10は同じく全開間近の半開状態をそれぞれ示している。スライドドア41の全閉状態でワイヤハーネス43は後方へ引っ張られ、スライドドア41の全開状態でワイヤハーネス43は前方へ引っ張られ、特にスライドドア41の半開状態でワイヤハーネス43は下向きに弛もうとするが、板ばね44で上向きに付勢されて弛み(余長)が吸収され、垂れ下がりによる挟み込み等が防止される。
図11〜図12は従来のスライド構造体用の給電装置の他の形態を示すものである(特許文献2参照)。
このスライド構造体用の給電装置61は、自動車のスライドドア62に設けられた横長のガイド部材63と、ガイド部材63のレール部にスライド自在に係合したスライダ64と、スライダ64に垂直な軸部で水平方向に揺動自在に支持された首振り部材65(図12)と、ガイド部材63の内側に略U字状に屈曲して配索され、首振り部材65から車両ボディ(図示せず)にかけて屈曲自在に配索されたキャタピラ状のハーネス外装部材66とを備えるものである。
スライドドア62と車両ボディとの間(渡り部)において外装部材66はチューブ67で覆われている。外装部材66とスライダ64の内側に複数本の電線(ワイヤハーネス)68(図12)が挿通されている。
図11の状態からスライドドア62を矢印A方向(車両後方)に開くことで、スライダ64がガイド部材63に沿って前方に相対移動しつつ、ワイヤハーネス68が外装部材66と共にガイド部材63内で略J字状に伸長する。スライドドア62の開閉に伴ってワイヤハーネス68が外装部材66と共に伸縮することで、ハーネス余長が吸収される。
特開2001−354085号公報(図4,図7)
特開2003−25850号公報(図2,図4)
しかしながら、上記従来の図9のスライド構造体用の給電装置42にあっては、例えば小型車両に適用する場合に、プロテクタ50が大きなスペースを占めて、他の補機等のレイアウトの自由度が制限されてしまうという懸念があった。
また、上記従来の図11のスライド構造体用の給電装置61にあっては、スライドドア62の全閉時にワイヤハーネス68(図12)が略V字状に小さな角度で屈曲するために(屈曲部を符号68aで示す)、ワイヤハーネスの屈曲耐久性が低下し兼ねないという懸念や、狭いガイド部材63内でワイヤハーネス68がU字状に屈曲するために、ワイヤハーネス68の屈曲部68bの外向きの反力がスライダ64をガイド部材63のレール部に下向きに押し付けて摺動抵抗を増加させ兼ねないという懸念があった。
上記従来の図9のスライド構造体用の給電装置42の懸念に対して、出願人は先に特願2006−55889において、例えばスライドドアに搭載する矩形状のケースに水平なガイドレールを設け、ガイドレールに縦断面略コの字状のスライダをスライド自在に係合させ、スライダに首振り部材を水平方向首振り自在に係合させ、ワイヤハーネスをケース上壁の固定部からスライダの垂直な孔部と首振り部材の略L字状の孔部とを経て車両ボディ側に屈曲して導出させ、スライダの移動に伴ってケース内でワイヤハーネスの垂下部を揺動自在としたスライドドア用給電構造(図示せず)を提案している。このスライド構造体用の給電装置によって、ケースがコンパクト化されて、スライドドア内の他の補機等のレイアウトの自由度が拡大されている。
しかしながら、このスライド構造体用の給電装置にあっては、ワイヤハーネスがスライダの垂直な孔部と首振り部材の略L字状の孔部とを経て略L字状に屈曲しつつスライドドアから車両ボディ側に配索され、ワイヤハーネスがスライダと首振り部材とである程度拘束された状態となるために、スライドドアの開閉に伴って、図12の例ほどではないにせよ、ワイヤハーネスの屈曲部に大きな応力がかかり兼ねないという懸念や、ガイドレールの中間位置でワイヤハーネスの垂下部が撓みつつスライダをガイドレールに押し付けて摺動抵抗を増加させ兼ねないという懸念があった。
これらの懸念は、スライド構造体として、自動車以外の車両のスライドドアや、車両以外の例えば製造装置や検査装置等のスライドドアやスライド構造体(図示せず)に上記給電構造を適用した場合にも生じ得るものである。
本発明は、上記した点に鑑み、給電構造をコンパクト化するのは勿論のこと、ワイヤハーネスの屈曲部に過大な応力がかかることがなく、加えて、ワイヤハーネスが圧縮されてガイドレールにスライダを押し付ける心配のないスライド構造体用の給電装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係るスライド構造体用の給電装置は、ワイヤハーネスの垂下部の一方をスライド構造体側に固定するハーネス固定部と、該垂下部の他方を屈曲させて保持する首振り部材と、該垂下部の一方から固定構造体側に該首振り部材をオフセットして首振り自在に軸支する支持部材とを備えたことを特徴とする。
上記構成により、ワイヤハーネスの垂下部がハーネス固定部から固定構造体側に向けて傾斜して首振り部材まで配索され、垂下部の他方の部分が鈍角的に屈曲しつつ首振り部材に導入される。このように、ワイヤハーネスが鋭角や直角ではなく鈍角に屈曲されたことで、ワイヤハーネスの屈曲部の曲げ応力が緩和される。また、首振り部材が固定構造体側にオフセットされたことで、首振り部材とスライド構造体との間に広い空間(スペース)が確保され、この空間内で垂下部の他方の部分が非拘束で配置されたことで、首振り部材が回動(首振り)した際に、垂下部の他方の部分が空間内で何ら干渉することなくスムーズに周方向に捩れて、ワイヤハーネスの屈曲部への過大な応力の負荷が防止される。固定構造体はスライド構造体をスライド(開閉)自在に支持するものであることは言うまでもない。
請求項2に係るスライド構造体用の給電装置は、請求項1記載のスライド構造体用の給電装置において、前記支持部材にスライダが設けられ、該スライダがガイドレールにスライド自在に係合したことを特徴とする。
上記構成により、固定構造体に対してスライド構造体が開又は閉方向にスライド移動した際に、支持部材がスライダと一体にガイドレールに沿って閉又は開方向に移動し、それに伴ってワイヤハーネスの垂下部がハーネス固定部を支点に閉又は開方向に揺動しつつ、垂下部に続くワイヤハーネス部分と共に首振り部材が垂下部の揺動方向に首振り動作する。スライド構造体の半開時にスライダがガイドレールの長手方向中央に位置し、ワイヤハーネスの垂下部がハーネス固定部と首振り部材との間で短縮方向に圧縮されるが、首振り部材とスライド構造体との間の広い空間(スペース)内で垂下部の他方の部分がスムーズに撓んで(屈曲して)、この圧縮を容易に吸収することで、スライダがガイドレールに押し付けられることが防止されて低摩擦でスムーズに摺動可能となる。また、首振り部材とスライド構造体との間の広い空間(スペース)内で垂下部の他方の部分が非拘束で移動自在に配置されたことで、首振り部材がスライド方向に進退しつつ回動(首振り)した際に、ワイヤハーネスの屈曲部の曲げ応力が緩和される。スライダの進退移動時に垂下部の他方の部分は常に鈍角的に屈曲しつつ首振り部材に導入された状態を維持する。
請求項3に係るスライド構造体用の給電装置は、請求項1又は2記載のスライド構造体用の給電装置において、前記支持部材が、前記固定構造体側にオフセットした位置で前記首振り部材の両端を軸支する部分と、前記垂下部の他方に続くワイヤハーネス部分を該首振り部材から該固定構造体側に首振り自在に導出させる開口とを備えることを特徴とする。
上記構成により、支持部材に首振り部材がオフセットされた状態で軸支され、支持部材の開口からワイヤハーネス部分が固定構造体に向けて導出される。
請求項4に係るスライド構造体用の給電装置は、請求項3記載のスライド構造体用の給電装置において、前記支持部材が、前記垂下部の他方を内側の空間内に移動自在に収容する周壁を備えることを特徴とする。
上記構成により、例えば、支持部材がガイドレールに沿って進退しつつ首振り部材が首振りした際に、支持部材の周壁の内側の空間内でワイヤハーネスの垂下部の他方の部分が何ら拘束されることなく首振り方向に自由に移動することで、ワイヤハーネスの屈曲部の応力が緩和されると共に、垂下部の他方の部分が外部との干渉等から安全に保護される。周壁はスライド方向に長い形状であることが、支持部材のスライド端位置における垂下部の他方の部分の自由度を高める上で好ましい。
請求項1記載の発明によれば、首振り部材がオフセットされたことで、ワイヤハーネスの垂下部が鈍角的に屈曲しつつ首振り部材で保持され、且つ、首振り部材とスライド構造体との間に垂下部の他方を周方向捩り自在に位置させる広い空間が確保されたことで、首振り部材の回動に伴うワイヤハーネスの屈曲部の応力が緩和され、ワイヤハーネスの耐久性が高まって、スライド構造体への常時給電の信頼性が向上する。
請求項2記載の発明によれば、首振り部材とスライド構造体との間にワイヤハーネスの垂下部の他方を移動自在に位置させる広い空間が確保されたことで、首振り部材がスライド方向に進退しつつ首振りした際における、ワイヤハーネスの屈曲部の曲げ応力が緩和され、ワイヤハーネスの耐久性が高まって、スライド構造体への常時給電の信頼性が向上する。
請求項3記載の発明によれば、支持部材に首振り部材をオフセットした状態で確実に軸支して、垂下部に続くワイヤハーネス部分を首振り部材と一体にスムーズに首振り動作させることができる。
請求項4記載の発明によれば、首振り部材とスライド構造体との間の広い空間が支持部材の周壁によって確保され、請求項1〜3記載の発明の効果が確実に発揮される。また、ワイヤハーネスの垂下部の他方が外部と干渉することなく周壁で安全に保護されることで、常時給電の信頼性が高まる。
図1〜図4は、本発明に係るスライド構造体用の給電装置の一実施形態を示すものである。
図1〜図4に実線で示す如く、このスライド構造体用の給電装置1は、自動車のスライドドア(スライド構造体)2(図6)のドアインナパネル2aに固定される水平なガイドレール3と、ガイドレール3にスライド自在に係合した小さな長方形状のスライダ4(図3)と、スライダ4に一体に固定された略箱状の支持部材5と、支持部材5に水平方向回動自在に設けられた首振り部材6とを備えたものである。
図1,図2に鎖線で示すのは合成樹脂製の矩形箱状のケース7であり、ケース7を用いる場合は、ケース7の内壁面7aにガイドレール3を固定し、ケース7の外壁面をスライドドアパネル2aに固定する。本実施形態においてケース7は必須のものではない。
ケース7は、ドアインナパネル2aに固定されるベース部と、ベース部の正面側の矩形状の開口7bを覆うカバー(図示せず)とで構成され、内側にワイヤハーネス8の垂下部8aを収容して保護し、ケース下部の切欠された開口7c内に支持部材5を水平方向進退自在に位置させ、開口7cからワイヤハーネス8の水平なコルゲートチューブ部分8bを車両ボディ(固定構造体)9(図6)に向けて外部に導出させている。
ワイヤハーネス8の垂下部8aは複数本の電線で構成され、テープやバンドの部分巻き等の手段(図示せず)でばらけないように結束されている。垂下部8aを結束せずに網状チューブ等の柔軟な保護チューブで覆ってばらけ防止することも可能である。
ケース7を用いる場合は、垂下部8aの上端部分がケース7の上壁7dの孔部7eないしその近傍にバンド締め等のハーネス固定部で固定される。ケース7を用いない場合は、垂下部8aの上端部分がクランプやバンド締め等のハーネス固定部10でドアインナパネル2aに直接固定される。垂下部8aは上側のハーネス固定部10を支点に下側のスライダ4(図3)及び枠状部材5と一体にガイドレール3に沿って前後に移動(揺動)する。なお、明細書で前後上下の方向は車両の方向と一致させている。
図3,図4にも示す如く、支持部材5は合成樹脂を材料として蓋のない横長の略箱状に形成され、スライダ4(図3)に一体に続く奥側の主体部分5aと、正面側の開口11を有する略枠状の副体部分5bとの二部品が合体して構成されている。図4の如く、支持部材5の高さHはガイドレール3の縦幅Wよりも大きく、支持部材5の上下部分はガイドレール3の上下に突出している。
支持部材5の主体部分5aは、水平な底壁12と、底壁12に直交した前後及び背面側の垂直な周壁13とで構成されている。周壁13は、前後の湾曲状の壁部13aと、背面側の真直な壁部13bとで構成されている。周壁13の正面側の部分は矩形状に開口され、その開口13c(図1)に副体部分5bが水平なねじ14で締付結合されている。周壁13の上部は開口され、この上部開口13d(図1)からワイヤハーネス8の垂下部8aの下側部分が首振り部材6にかけて配索されている。
副体部分5bは、上下の細長の水平部分15と前後の縦長板状の垂直部分16とで略矩形枠状の枠壁を構成し、枠壁の上側の水平部分15の中央に上側の軸受壁17(図3)が一体に主体部分5aの内側に向けて水平に突出形成されている。軸受壁17は、首振り部材6の上側の軸部18を周方向回動自在に係合させる孔部(軸支する部分)17aを中央に有すると共に、孔部17aの上側に近接して手前側(スライダ4から遠ざかる方向)に、孔部17aの一部を覆うストッパ壁17b(図3)を有している。上側の軸部18の上端に小径な副軸18aが偏心して立設され、副軸18aがストッパ壁17bに当接することで、首振り部材6の首振り角度(回動端位置)が規定される。
首振り部材6の下側の垂直な軸部(図示せず)は主体部分5aの底壁12の孔部ないし凹部(図示せず)に周方向回動自在に係合している。すなわち、副体部分5bを主体部分5aから分離した状態で、ワイヤハーネス8に装着した首振り部材6の下側の軸部(図示せず)が主体部分5aの底壁12の孔部(図示せず)に係合され、副体部分5bを主体部分5aに合体させる際に、首振り部材6の上側の軸部18が副体部分5bの軸受壁17の孔部17aに係合され、その状態で副体部分5bが主体部分5aにねじ14で締め付け結合される。
なお、先に上側の軸部18を副体部分5bの孔部17aに係合させておくことも可能である。下側の軸部にも上側の軸部18と同様に小径な副軸(18a)が垂設され、底壁12に副軸(18a)を当接させるストッパ壁(17b)ないしストッパ部が設けられることが好ましい。このようにして、首振り部材6が支持部材5の手前側にオフセットして水平方向回動自在に軸支される。図3の如く首振り部材6の上下の軸部18の中心はワイヤハーネス8の垂下部8aの軸心からガイドレール3の厚み方向すなわち車両ボディ側にオフセットされている。
首振り部材6は上下の軸部18を各孔部17aに回動自在に係合させた状態で、副体部分5bの正面側の開口11から首振り部材6の一部分をワイヤハーネス8の水平なコルゲートチューブ部分8bと共に外部に突出可能である。
首振り部材6は略矩形枠状に形成され、内側にワイヤハーネス8を挿通させる孔部19を有し、孔部19の内面にコルゲートチューブ8bの周方向の凹溝(図示せず)を係合させる凸条(図示せず)を有し、上下に二分割可能で、コルゲートチューブ8bを固定した状態で上下の分割首振り部材6a,6bが垂直なねじ20で相互に締付結合されている。なお、これら支持部材5のねじ14や首振り部材6のねじ20を例えば係止爪と係合凹部等の係止手段(図示せず)に代えることも可能である。
コルゲートチューブ8bは縦断面長円形(平型)のもので、垂れ下がりにくくなっている。コルゲートチューブ8bは周方向の凹溝と凸条(図示せず)とを交互に配列した蛇腹形状で水平方向の良好な屈曲性を有する既存のものである。
首振り部材6が支持部材5の正面側にオフセット配置されたことで、支持部材5の周壁13の内側に、ワイヤハーネス8の垂下部8aの下側部分8a1を遊動自在に収容する広い空間(スペース)21が形成されている。この空間21内でワイヤハーネス8の垂下部8aが水平方向に屈曲されて首振り部材6の孔部19に導入されている(ワイヤハーネス8の屈曲部を符号8cで示す)。このワイヤハーネス8の屈曲部8cが空間21内で周壁13に干渉することなく自由に位置している。空間21はワイヤハーネス8の垂下部8aを拘束せずに自由に動かすためのものである。
図1は、図5の鎖線及び図6の如くスライドドア2を閉じた全閉状態であり、支持部材5はスライダ4(図3)と共にガイドレール3の後端側に位置し、ワイヤハーネス8の垂下部8aは後方に揺動し、首振り部材6はワイヤハーネス8の水平部分(コルゲートチューブ部分)8bと共に後方に回動し、ワイヤハーネス8の水平部分8bは車両ボディ9側のハーネス固定部22に向けてほぼ真直に伸びている。
図3は、ガイドレール3の長手方向中間位置で首振り部材6をワイヤハーネス8の水平部分8bと共に後方に回動させた状態、図4は、図7のスライドドア2の半開時に、首振り部材6をワイヤハーネス8の水平部分8bと共に前方に回動させた状態を示すものである。図7の状態から図6の如くスライドドア2を閉じ操作する途中で、図3の状態を得る。図3と図4の間で、スライドドア2の半開時にガイドレール3の中間位置で首振り部材6はガイドレール3にほぼ直交して車両ボディ9の幅(左右)方向を向く。
図2は、図5の実線及び図8の如くスライドドア2を開いた全開状態であり、支持部材5はスライダ4(図3)と共にガイドレール3の前端側に位置し、ワイヤハーネス8の垂下部8aは前方に揺動し、首振り部材6はワイヤハーネス8の水平部分(コルゲートチューブ部分)8bと共に前方に回動し、ワイヤハーネス8の水平部分8bは前方の車両ボディ側のハーネス固定部22の近傍で後向きに屈曲している。スライドドア2は図6の閉じ時に車両ボディ9に密着し、図7の開き初期時に車両ボディ9からドア厚み方向に外側に離間する。図6で符号2bは車両ボディのレール(図示せず)に係合するスライドヒンジである。
図1〜図2の過程で、図3の如く、首振り部材6の回転軸中心はガイドレール3の厚み方向に、すなわちワイヤハーネス8の垂下部8aを沿わせるスライドドアパネル2a又はケース7の背壁7aから車両内側に大きく離間しており、図4の如く、ワイヤハーネス8の垂下部8aが余裕をもって上から下に傾斜状に首振り部材6に配索され、首振り部材6の手前で直角よりも大きな角度θで(鈍角的に)屈曲する(屈曲部を符号8cで示す)。その状態は、支持部材5がガイドレールに沿う横長形状であるので、特に図1のスライドドア2の全閉時と図2のスライドドア2の全開時に顕著となる。ワイヤハーネス8の垂下部8aは、図5の如く首振り部材6に向けてほぼ真直に傾斜する。
これらにより、ワイヤハーネス8の屈曲部8cに過大な曲げ応力が作用せず、ワイヤハーネス8の耐久性が高まって常時給電の信頼性が向上する。
例えば、発明の課題で説明したように、ワイヤハーネス8を先行技術のスライダ(図示せず)と首振り部材(図示せず)とで拘束した場合には、図5に鎖線8a´で示すように、ワイヤハーネス8が首振り部材6から垂直に立ち上がり、次いで屈曲して傾斜状に上側のハーネス固定部10に続くというように、首振り部材6から上向きに導出された屈曲部分8cに大きな応力がかかる懸念があるが、本実施形態のようにワイヤハーネス8の屈曲部分8cが略箱状の支持部材5の内側の空間21内で拘束されずに自由になっていることで、上記懸念が解消されている。支持部材5の周壁13はワイヤハーネス8の屈曲部8cを外部との干渉等から安全に保護する。
また、ワイヤハーネス8を先行技術のスライダと首振り部材とで拘束した場合には、スライドドア2の半開時に、図5でガイドレール3の長手方向中央に支持部材5が位置した際に、ワイヤハーネス8の垂下部8aの長さが短縮され、上側のハーネス固定部10と首振り部材6との間で垂下部8aが圧縮され、その圧縮力でスライダ4をガイドレール3に下向きに押し付ける懸念があるが、本実施形態によれば、略箱状の支持部材5の内側空間21内でワイヤハーネス8の垂下部8aの屈曲部8cの上側部分がスムーズに圧縮変形することで、下向きの押し付け力が吸収(解消)され、支持部材5がスライダ4と共にガイドレール3に沿って小さな力でスムーズに摺動し、これによってスライドドア2の開閉操作性が高まることも期待される。
なお、上記実施形態においては、支持部材5を底壁12と周壁13とで略箱状に形成したが、支持部材5の形状はこれに限るものではなく、例えば、周壁13の上端部の高さをガイドレール3の上端と同程度まで低くしたり、あるいは周壁13の一部ないし全部を排除したりすることも可能である。この場合、支持部材5の主体部分5aの底壁12と枠状の副体部分5bとは、首振り部材6を回動自在に支持する上で必要であるので、例えば、スライダ4に底壁12を直交させ、底壁12に枠状の副体部分5bを一体に立上げ形成することも可能である。この場合、首振り部材6の上側の軸部18は例えば副体部分5bの水平な軸受壁17を上向きに撓ませ可能とすることで、軸受壁17の孔部17aに係合させることができる。但し、副体部分5bを支える強度を高める面では周壁13がある方がよい。周壁13を用いて底壁12を排除し、副体部分5bの上下に軸受壁17を一体に設けることも可能である。
また、上記実施形態においては、首振り部材6に軸部18を設けたが、首振り部材6に孔部ないし凹部(図示せず)を設け、この孔部ないし凹部に係合する軸部を支持部材5に設けることも可能である。また、上記実施形態においては、真直なガイドレール3を用いたが、下向きに湾曲した円弧状のガイドレール(図示せず)を用いてレール中央位置でのワイヤハーネス8の垂下部8aの圧縮によるスライダ4の押し付けを防ぐことも可能である。ガイドレール3としては、図1に示すものの他に、例えばドアインナパネル2aに真直状や円弧状の長孔をあけることでガイドレールとすることも可能である。
また、上記実施形態においては、断面長円形のコルゲートチューブ8bを用いたが、断面円形のコルゲートチューブやビニルチューブ等の他のハーネス保護チューブを用いたり、あるいは、ハーネス保護チューブを排除して、複数本の電線をテープ等で結束した状態でワイヤハーネスとして用いることも可能である。但し、これらはワイヤハーネスの垂れ下がりが比較的許容される場合に限る。複数本の電線を首振り部材6で保持する場合は、例えば上下一対の首振り分割部材6a,6bで複数本の電線を挟持する。
また、ガイドレール3とスライダ4を排除して、支持部材5を直接、ドアインナパネル2aに固定して、ワイヤハーネス8の鉛直方向の垂下部を周方向に捩らせることで、スライドドア開閉時の首振り部材6の回動を吸収させることも可能である。但し、この場合は、スライドドア2のスライドストロークが比較的短い場合に限る。図1の実施形態においても首振り部材6の回動時にワイヤハーネス8の垂下部8aが周方向に捩られることで、首振り部材6の回動が吸収されている。
また、上記実施形態においては、自動車のスライドドア2を用いた例で説明したが、スライド構造体として、自動車以外の車両のスライドドアや、車両以外の装置等のスライドドアやスライド構造体を用いることも可能である。これらの場合、車両ボディ9や装置本体等は固定構造体と総称される。
1 給電装置
2 スライドドア(スライド構造体)
3 ガイドレール
4 スライダ
5 支持部材
6 首振り部材
8 ワイヤハーネス
8a 垂下部
8b コルゲートチューブ部分(ワイヤハーネス部分)
9 車両ボディ(固定構造体)
10 ハーネス固定部
11 開口
13 周壁
17a 孔部(軸支する部分)
21 空間
2 スライドドア(スライド構造体)
3 ガイドレール
4 スライダ
5 支持部材
6 首振り部材
8 ワイヤハーネス
8a 垂下部
8b コルゲートチューブ部分(ワイヤハーネス部分)
9 車両ボディ(固定構造体)
10 ハーネス固定部
11 開口
13 周壁
17a 孔部(軸支する部分)
21 空間
Claims (4)
- ワイヤハーネスの垂下部の一方をスライド構造体側に固定するハーネス固定部と、該垂下部の他方を屈曲させて保持する首振り部材と、該垂下部の一方から固定構造体側に該首振り部材をオフセットして首振り自在に軸支する支持部材とを備えたことを特徴とするスライド構造体用の給電装置。
- 前記支持部材にスライダが設けられ、該スライダがガイドレールにスライド自在に係合したことを特徴とする請求項1記載のスライド構造体用の給電装置。
- 前記支持部材が、前記固定構造体側にオフセットした位置で前記首振り部材の両端を軸支する部分と、前記垂下部の他方に続くワイヤハーネス部分を該首振り部材から該固定構造体側に首振り自在に導出させる開口とを備えることを特徴とする請求項1又は2記載のスライド構造体用の給電装置。
- 前記支持部材が、前記垂下部の他方を内側の空間内に移動自在に収容する周壁を備えることを特徴とする請求項3記載のスライド構造体用の給電装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007173856A JP2009017626A (ja) | 2007-07-02 | 2007-07-02 | スライド構造体用の給電装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007173856A JP2009017626A (ja) | 2007-07-02 | 2007-07-02 | スライド構造体用の給電装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009017626A true JP2009017626A (ja) | 2009-01-22 |
Family
ID=40357859
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007173856A Withdrawn JP2009017626A (ja) | 2007-07-02 | 2007-07-02 | スライド構造体用の給電装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009017626A (ja) |
-
2007
- 2007-07-02 JP JP2007173856A patent/JP2009017626A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20100907 |