JP2009017448A - 携帯電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 十分なスライド開閉寿命を有する携帯電子機器を提供すること。
【解決手段】 携帯電子機器を構成する筐体間に挟まれる形で屈曲されて配置されたフレキシブル配線板について、そのフレキシブル配線板の中立軸が導体中にあって導体中心よりも屈曲外側に位置する構造にする。また、導体に加わる最大圧縮応力が、導体の耐久限度以下となるようなフレキシブル基板中の接続構造にする。
かかる構成により、フレキシブル配線板の疲労破壊を制御できるので、信頼性の高い携帯電子機器を提供することが可能となる。
【選択図】 図7

Description

本発明は、携帯用の電子機器の電気的な接続構造に係わり、特に電子機器の可動部分の接続構造に関するものである。
近年、携帯用の電子機器は小型化・薄型化がさらに求められ、その構造や使用部品はこれに応えるべく種々の工夫がなされてきた。
例えば、携帯電話において、2つの筐体で構成され一方が他方に対してスライドするタイプのものがある。このタイプの携帯電話は、待機時には2つの筐体は重なって閉じているが、通話時にはスライドさせて伸張し使用される。(以下、説明の便宜上、スライド式携帯電話と称する。)
このようなスライド式携帯電話では、ディスプレイを載せた筐体とプッシュボタンが配列された筐体とが互いにずれてスライドするが、これら2つの筐体にそれぞれ収納されている電子基板間の電気的接続は、フレキシブル配線板を用いた接続構造になっている。フレキシブル配線板は上述した2つの筐体に挟まれた狭い空間に屈曲されて収容されているので、スライド開閉時にはフレキシブル配線板は狭い空間内で屈伸が繰返されることとなり、長期間の屈曲でフレキシブル配線板の破断が懸念される。また、スライド式携帯電子機器は携帯しやすいように、ますます薄型化が進み、それに伴って、フレキシブル配線板の屈曲空間の高さも小さくなってくる。そのため、小さい屈曲高さで長期間断線しないで屈曲させることができるフレキシブル配線板を開発することが携帯電子機器の信頼性上重要である。
従来の技術では、屈曲を繰り返すことにより生じる引張歪が破断の原因であると考えられ、かかるフレキシブル配線板の破断に対して、これに対応すべく屈曲時の歪が0となる中立軸がフレキシブル配線板の導体の中心に位置する構造など配線板の積層構成に係る工夫がなされてきた(特許文献1)。また、破断の原因は、曲げたときに回路配線パターンに対し圧縮歪が大きく作用し回路配線パターンが断線に到るとも考えられていた(特許文献2)
特開平7−283494号公報 特開2004−79731号公報
しかしながら、上記知見に従った種々の携帯用電子機器の接続構造を試みたが、破断に対する防止効果は限定的であった。
本発明の目的は、2つの筐体に収容した回路基板間を接続するフレキシブル配線板を有する携帯電子機器において、上述の繰返される屈曲に起因する破断に対して耐久性を改善し、信頼性を高めることにある。
本発明の携帯電子機器は、電子部品を収容するための第1の筐体と、電子部品を収容するための第2の筐体と、第1の筐体および第2の筐体にそれぞれ収容される電子部品間を電気接続するフレキシブル配線板とを備えており、第1および第2の筐体は互いに重ね合わせた状態で相対的にスライド可能に組立てられ、第1の筐体と第2の筐体とが重ね合わされる部分に設けられた空間内にフレキシブル配線板が屈曲されて配置されているものであって、フレキシブル配線板の中立軸がフレキシブル配線板中の配線導体内にあって配線導体の中央よりも屈曲の外側方向に位置するように積層構成されたフレキシブル配線板を用い、フレキシブル配線板が屈曲された状態で配線導体に加わる最大圧縮応力が配線導体の耐久限度以下であることを特徴とする。
本発明に係る電子機器の接続構造によれば、屈曲配置されたフレキシブル基板中の配線導体の破断を抑制できるので、信頼性の高い携帯電子機器を提供することができる。
実施の形態1.
本発明は、上述したフレキシブル配線板の破断に対して、破断の起点となる現象が生じ難い接続構造を採用し、耐久性の向上を図ったものである。以下、詳細に説明する。
本願発明者は、携帯用の電子機器の小型化・薄型化に対応すべく、配線板の破断の原因を調査した。調査は、スライド式携帯電話を模擬した装置を用いた実験により行った。装置は、フレキシブル配線板を2つの筐体に挟まれた狭い空間に屈曲させて収容し、筐体をスライド運動させてフレキシブル配線板を狭い空間内で屈伸させるものであり、一種の疲労破壊試験機である。試験は、2つの筐体に挟まれた狭い空間の高さ(以下、「屈曲高さ」という。)を所望の値に設定し、フレキシブル配線板を屈曲させながらスライド運動をさせて試験した。また、係る試験を「スライド屈曲試験」と称して以下説明する。
本願発明者は、フレキシブル配線板が断線する原因を鋭意研究し次の結論に至った。すなわち、フレキシブル配線板の破断部を詳細に観察した結果、屈曲の外側の導体とその周囲の絶縁フィルムとの界面に大きな引張応力がかかることによってクラックが発生し、さらに、クラックに引張応力が繰返し加わることによって破断に至ることがわかった。さらに、クラック発生部を詳細に研究した結果、導体の絶縁フィルムとの接着力を向上するために設けた導体界面の凹凸が起点になっていることがわかった。したがって、上述の特許文献にあるような配線にかかる引張り応力と圧縮応力とを等しくしようとする緩和策はクラック発生後のクラック伸展防止に対して効果が期待できるに過ぎず、根本的な解決方法ではなかった。
そこで、従来のフレキシブル配線板を用いて、導体厚と絶縁フィルム厚を変えて実験的に上記知見を検証することにした。検証の詳細を以下説明する。なお、説明の冗長さを避けるために、上述したような屈曲の外側の導体の表面を単に「界面」と称して以下説明する。
はじめに、界面にかかる引張歪を最初に検討した。
絶縁フィルムと導体との界面での引張歪は測定ができないので、計算によって求めた。引張歪の計算方法は、つぎのようになる。
(i)屈曲させたフレキシブル基板の応力が0になる中立軸を屈曲中心からの距離(e)として求め、
(ii)次に、中立軸からの導体界面までの距離(s)を求め、
(iii)sをeで除する方法を用いた。
詳しくは、屈曲中心から中立軸までの距離(e)は以下の(1)式により算出される。
(屈曲中心と中立軸の距離e)=Σ(E∫ydA)/Σ(E・A) (1)
ここで、Eはi番目の部材のヤング率、Aはi番目の部材の断面積、yは中心点Oからi番目の部材の中心までの距離を示す。
中立軸からの距離sの面での歪εは(2)式で表される。
ε=s/e (2)
なお、上記計算は富田佳宏他著「材料力学」朝倉書店、62ページに紹介されているものを参考にした。
つぎに、上述した式を使用して界面での引張歪を算出し、界面での引張歪と破断に至るまでの屈曲回数(耐久性)との関係を実験により求めた。具体的にはスライド屈曲試験を実施し、破断に至るまでの屈曲回数に与える最大引張歪の影響を確認した。試験に用いたフレキシブル配線板の仕様(積層構成、厚み)と断線に至るまでの屈曲回数を表1に示す。なお、本試験では表1の上欄に記載した層の方向が屈曲外側方向である。また、絶縁フィルムと導体との界面が屈曲外側の界面となる。なお、一般的に使われている屈曲高さは3〜4mmであり、一般的な使用形態を模擬するため供試体5の試験において屈曲高さを3mmとして試験した。
Figure 2009017448
図1は、表1にまとめた数値を基に上述した(1)と(2)式から求めた界面の最大引張歪(計算値)と屈曲回数(耐久性)との関係を示す図である。なお、図1は両対数グラフである。
図1より、界面での最大引張歪が大きいと屈曲回数は減少する傾向にあり、両者には相関があった。このことから、屈曲回数を増やし寿命を延ばすには界面での引張歪を小さくすることが重要であることが確認できた。
ところで、携帯用の電子機器の小型化・薄型化に対応しようとするとき、耐久性は従来と同等あるいはそれ以上が望ましい。そこで、従来の使用形態に近い供試体5の耐久性が約14万回であるので、倍以上の耐久性を得るべく屈曲回数の目標値を30万回以上としてこれを達成するための構造を以下検討する。
図1を用いて、30万回以上を満たすために必要な最大引張歪を求めるとつぎのようになる。
yを最大引張歪とし、xを屈曲寿命とすると、最小二乗法にて計算した近似式は(3)で表される。
ln(y)=−0.3903ln(x)−0.1358 (3)
この(3)式を用い30万回以上を達成する条件を求めると、最大引張歪を0.006以下にする必要があることがわかった。なお、図1中の破線の右端は、最大引張歪が0.006、屈曲寿命30万回の点である。
上述の検証結果をまとめると、屈曲外側の引張応力による歪により界面近傍でクラックが発生し、その後の繰返し伸展によってクラックが成長し破断に至ることとなることがわかった。また、30万回以上を達成するためには最大引張歪を0.006以下にする必要があることがわかった。
そこで、上述のクラック発生に関する知見から、フレキシブル基板の構造を「中立軸が導体中にあって導体心よりも屈曲外側であって、最大圧縮応力は導体の耐久限度以下となるような構造」にすれば耐久性が向上することに想到した。この構造に至った理由を以下詳細に説明する。なお、ここでいう耐久限度とは、疲れ限度、疲労限度とも呼ばれる材料力学上の用語である。
一般的に物体の曲げに発生する歪は引張歪と圧縮歪のバランスが成り立っている。本願のフレキシブル基板に当てはめて考察すると、導体中心に中立軸があると引張歪と圧縮歪は同じ値になり、中立軸が中心よりも屈曲外側にあると界面での引張歪は圧縮歪よりも小さくなり、逆に、中立軸が中心よりも屈曲内側にあると引張歪は圧縮歪よりも大きくなる。また、引張歪は材料に対して引張方向に作用するため、クラックを発生させ進展させるが、圧縮歪は材料を圧縮する方向に作用するため、クラックの進展はない。そのため、クラックを発生させないようにするには導体の屈曲外側の界面での引張歪をできるだけ小さくすることが必要である。
一方、引張歪を小さくして圧縮歪を大きくし過ぎると、導体の屈曲内側の界面で圧縮歪による破断が生じることがある。この圧縮歪による破断を更に説明する。フレキシブル配線板をスライド運動させると、屈曲と平坦を繰り返すことになり、圧縮歪は屈曲時には最大値を示し平坦時には0になる。ここで、圧縮歪が大きくなり過ぎると、界面でのクラックの発生につながるので、圧縮歪側からクラックが発生することになる。したがって、圧縮歪によってクラックの発生が無いようにするためには、最大圧縮応力は導体の耐久限度以下とする必要がある。
したがって、導体の屈曲外側の界面でクラック発生を防止するためには、中立軸が導体中にあって導体中心よりも屈曲外側であることが必要である。また、導体の屈曲内側の界面でクラック発生を防止するためには最大圧縮応力は導体の耐久限度以下とする必要がある。
なお、上述のクラックの発生する圧縮歪を実験的に求めると、−0.01であった。したがって上述の試験結果を考慮すると、30万回以上に屈曲寿命を延ばすには導体内の中立軸を導体中心よりも屈曲外側におき、引張歪を0.006以下で圧縮歪よりも小さくするとともに、圧縮歪も−0.01以下になるようにすることが好ましい。
つぎに、上述の構成の詳細についてスライド式携帯電子機器を例に説明する。
図2は、本実施の形態1に係るスライド式携帯電子機器の筐体が開いているときの斜視図である。図3は、同機器の閉状態の斜視図である。また、図4は、図1中のA-A断面を矢印方向に見た断面図である。図5は、図3中のB-B断面を矢印方向に見た断面図である。図6は、フレキシブル配線板の斜視図である。また、同配線板は、図2に示す2つの筐体にそれぞれ収納されている電子基板間の電気的接続をなすものである。図6中の32は、フレキシブル配線板が折り曲げられた場合の屈曲の内側方向の外面であり、同図中の31は外側方向の界面を示す。配線導体である配線パターン2がフレキシブル配線板1中に積層されて埋め込まれている。また、図7は、図6中に示した矢印C方向から同配線板の積層状態を透視した断面模式図である。
なお、同一の符号を付したものは、同一またはこれに相当するものであり、このことは明細書の全文において共通することである。また、明細書全文に表れている構成要素の形容は、あくまで例示であってこれらの記載に限定されるものではない。また、以下説明する構造はスライド式携帯電子機器を例にとって説明するが、スライド式に限られることなく利用できる構造である。
図4を参照して、本形態の携帯電子機器は、互いにスライド移動する第1の筐体21と第2の筐体間22に空間23を設け、第1の筐体内21に収納したディスプレイなどの電子部品または電子部品を搭載した基板24と、第2の筐体内に収納した制御回路基板25間をフレキシブル配線板1で接続した構成とからなる。フレキシブル配線板1は前記屈曲高さhの空間23に屈曲されて収容され、スライド開閉時には前記屈曲空間23内で屈伸を繰返す。フレキシブル配線板1は、耐熱性のある例えばポリイミドまたはポリエステル樹脂などの絶縁フィルム基材上に形成された導体(金属材料で通常は銅)と導体を保護するためのカバーフィルムからなり可とう性が極めて高い基板である。
つぎに、フレキシブル配線板1について説明する。図7を参照して、フレキシブル配線板1の積層構成は屈曲内側から外側へ順に、表面保護層16、表面シールド層15、絶縁フィルム11、導体12、接着層14、カバーフィルム13、表面シールド層15、表面保護層16の構成である。
本実施の形態において、導体12の屈曲外側の界面に発生する引張歪を小さくする方法として、中立軸33を導体中であって導体中心34から屈曲外側31に位置させることにしたものである。具体的には、絶縁フィルム11厚は12.5μm、カバーフィルム13厚は12.5μm、接着層14厚は10μm、導体12厚は12μm、表面シールド層15は11μm、表面保護層16は11μm、とした。係る構成により図7に示すように中立軸33は導体内にあって導体中心34よりも屈曲外側31に配置することができる。なお、絶縁フィルム11にはポリイミド、カバーフィルム13にはポリイミド、導体12には銅、表面シールド層15には銀ペースト、表面保護層16にはアルキッド樹脂を主成分とする樹脂、を採用したが、これに限定されるものではない。絶縁フィルム11とカバーフィルム13には耐熱性があって可とう性のある高分子材料であればよく、ポリイミドの替わりにポリエステルなどを用いてもよい。導体12は電気抵抗が低い金属であればよくCuのほかにAlでもよい。表面シールド層15はAgペーストを用いたが、ドライプロセスまたはめっきの方法によりNi,Al、Au、Cu、などでもよい。表面保護層16は表面シールド層15を保護するために用いるもので、エポキシ樹脂、ポリウレタン、などでもよい。また、図7において、絶縁フィルム11とカバーフィルム13の外側に表面シールド層15と表面保護層16を設けた構造のフレキシブル配線板について述べたが、表面シールド層15と表面保護層16を設けなくても効果は上記と同様である。
上述した導体厚12μmの場合のフレキシブル配線板1は、屈曲高さ3.0mmで最大引張歪は0.0023、圧縮歪は−0.006となり、上述した最大引張歪0.006以下かつ最大圧縮歪−0.01以下を十分に満足することができる。実際に、導体厚12μmで屈曲試験を実施したところ30万回を満足することができた。以上をまとめると、上記の層構成は、屈曲させたフレキシブル基板の応力が0になる中立軸を導体12の中央34よりも屈曲外側に位置させることができる。そのため、界面の引張り応力を小さくでき、疲労破壊の開始点になるクラックの発生および進展を抑制できる。また、圧縮歪を小さくできるので屈曲内側で生じるクラックの発生を抑制できる。したがって、かかる構造は、電気的接続構造の耐久性を向上することができる。
本実施の形態1では、携帯電子機器に使用するフレキシブル基板の構造を「中立軸が導体中にあって導体中心よりも屈曲外側に位置する構造」にし、携帯電子機器中で屈曲された状態での「フレキシブル基板中の導体に加わる最大圧縮応力が導体の耐久限度以下となるようなレキシブル基板中の接続構造」にすれば耐久性が向上することを説明した。
また、かかるフレキシブル基板の積層構造および屈曲形態の一例を示したが、積層構造および屈曲形態は上述の例に限られず、材質の選定、積層順、各層の厚みを適宜選択し上述した材料力学的な条件を満足するものなら他の構成のフレキシブル基板、屈曲形態でも上記と同様の効果を奏するものである。
実施の形態2.
界面での最大引張歪を小さくするためには、上述した(2)式の中立軸から界面までの距離(s)を小さくすることが必要である。中立軸からの界面までの距離(s)を小さくする構成として、
1.フレキシブル配線板の導体を屈曲内側に形成する層構成、
2.導体層厚を薄くする構成、
3.ヤング率の小さい導体を使用する構成、
がある。
つぎに具体例について説明する。
上記1.の具体的方法として、導体を屈曲内側に形成した層構成と屈曲外側に形成した層構成とのちがいについて説明する。フレキシブル配線板1の層構成を屈曲内側から外側へ順に、表面保護層16(厚み11μm)、表面シールド層15(厚み11μm)、カバーフィルム13(厚み12.5μm)、接着層14(厚み10μm)、導体12(厚み18μm)、絶縁フィルム11(厚み12.5μm)、表面シールド層15(厚み11μm)表面保護層16(厚み11μm)の構成について、屈曲高さ3.0mmで屈曲させた時、導体に発生する最大引張歪は0.0078、最大圧縮歪は−0.0046となり、最大引張歪の基準0.006以下を満足しない。ところが、この積層順を逆転したフレキシブル配線板1を使用すると、中立軸からの界面までの距離を短くできるので、最大引張歪は0.0046、最大圧縮歪は−0.0078となり最大引張歪の基準0.006以下と最大圧縮歪の0.01以下を満足することができる。図8は、この形態を図示した模式図である。実際に、図8に示した形態のフレキシブル配線板1を用いてスライド屈曲試験をしたところ30万回以上を満足することがわかった。つまり、フレキシブル配線板の導体を屈曲内側に形成する層構成とした場合は実施の形態1で述べたように、電気的接続構造の耐久性が向上することになる。
さらに、屈曲高さを3.0から2.0mmに狭くして計算すると、導体12の厚が18μmの場合は最大引張歪が0.0071、最大圧縮歪が−0.0119となり、最大引張歪0.006以下、最大圧縮歪-0.01以下を満足することができない。そこで、上記2.で例示したように、導体12の厚を薄くして14μmにすると、最大引張歪は0.0047、最大圧縮歪は−0.01となって、最大引張歪の0.006以下と最大圧縮歪の-0.01以下を満足することになる。また、導体12の厚が12μmの場合は、最大引張歪は0.0034、最大圧縮歪は−0.0092となり、最大引張歪の0.006以下と最大圧縮歪の-0.01以下を十分に満足することができる。実際に、導体12の厚みが12μmで屈曲試験を実施したところ、30万回以上を満足することができた。なお、その他の積層構成は、上述の構成と同様である。つまり、フレキシブル配線板の導体を薄くした場合、例えば12μmとした場合は、実施の形態1で述べたように電気的接続構造の耐久性が向上することになる。
つぎに、上記の3.で例示した導体のヤング率を小さくする構成について説明する。導体12としては、電気抵抗が低く軟らかで曲げ易いことから銅箔を用いる。また、銅箔をアニールにて結晶粒を大きくすると、ヤング率をさらに小さくすることができる。例えば、通常100GPaの銅箔を200℃のアニールにより、75GPa程までヤング率を低下させることができる。このヤング率を低下させた銅箔を用いた場合、屈曲高さ2.0mmで計算すると、0.0039から0.0035に低下させることができ、さらに屈曲寿命を改善することができる。
本発明の効果を検証した結果の図である。 本発明の実施の形態1の携帯電子機器を示した斜視図である。 本発明の実施の形態1の携帯電子機器を示した斜視図である。 本発明の実施の形態1の携帯電子機器の断面模式図である。 本発明の実施の形態1の携帯電子機器の断面模式図である。 本発明の実施の形態1のフレキシブル基板を示した斜視図である。 本発明の実施の形態1のフレキシブル基板の断面模式図である。 本発明の実施の形態2のフレキシブル基板の断面模式図である。
符号の説明
1フレキシブル配線板 、2配線パターン、11絶縁フィルム、12導体、13カバーフィルム、14接着層、15表面シールド層、16表面保護層、21第1の筐体、22第2の筐体、23屈曲空間、24第1の筐体に収容された基板、25第2の筐体に収容された基板、31屈曲外側、32屈曲内側、33中立軸、34導体中心

Claims (3)

  1. 第1の筐体と、第2の筐体と、前記第1および第2の筐体中にそれぞれ収容される電子部品間を電気接続するフレキシブル配線板とを備え、前記第1および第2の筐体は互いに重ね合わせた状態で相対的にスライド可能に組立られ、前記第1の筐体と前記第2の筐体とが重ね合わされる部分に設けられた空間内に前記フレキシブル配線板が屈曲されて配置された携帯電子機器において、前記フレキシブル配線板はその中立軸が前記フレキシブル配線板中の配線導体内にあって前記配線導体の中央よりも屈曲の外側に位置するように積層構成され、前記屈曲により前記配線導体に加わる最大圧縮応力が前記配線導体の耐久限度以下であることを特徴とする携帯電子機器。
  2. 配線導体はフレキシブル配線板の中央よりも屈曲の内側に位置することを特徴とする請求項1に記載の携帯電子機器。
  3. 屈曲された状態において、配線導体の屈曲の外側の界面における引張歪が0.006以下であり、かつ前記配線導体の屈曲の内側の界面における圧縮歪が-0.001以下であるフレキシブル配線板を用いることを特徴とする請求項1に記載の携帯電子機器。
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