JP2008263264A - 電子機器及び電子機器配線用ハーネス - Google Patents

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Abstract

【課題】スライド式のモバイル端末機器に極細同軸ケーブルを導入することができ、スライド屈曲に対して優れた耐性を有する電子機器とその電子機器配線用ハーネスの提供。
【解決手段】回路を有する複数の筐体がスライド可能に接合され、これらの筐体内の回路同士を電子機器配線用ハーネスによって電気的に接続してなる電子機器であって、前記電子機器配線用ハーネスは、多数本の電線を平行に並べ、300〜2700MPaのヤング率を有する筒状のジャケット材によって一括被覆してなるフラット型ケーブルが複数枚積層されたケーブル積層部を有し、該ケーブル積層部が筐体のスライド面上にU字形に配線されたことを特徴とする電子機器。
【選択図】図1

Description

本発明は、回路を有する複数の筐体がスライド可能に接合され、これらの筐体内の回路同士を極細同軸ケーブル等の電線によって電気的に接続してなる電子機器、特に、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistants)などのモバイル端末機器、および該電子機器の筐体間配線に用いるハーネスに関する。
近年、携帯電話に代表される電子機器の小型・軽量化・多機能化は急速に進展している。そのため、数多くのICチップが搭載され、伝送容量が大きくなり、伝送スピードが高速化してきており、特に伝送周波数が高周波帯域になってきている。それに伴って機器内の電気信号ノイズも増大するため、電気信号の伝送媒体には電磁波のシールド(遮蔽)特性に優れたものが要求されている。このため、機器内の内部配線材にFPC(Flexible Printed Circuit)に代わって、電磁波のシールド(遮蔽)特性に優れた極細同軸ケーブルをアッセンブリしたものが導入されている。小型の電子機器、特に携帯電話等のモバイル端末機器において、図5(a)に示すクラムシェルタイプ、図5(b)に示すジャックナイフタイプ、図5(c)に示す2軸タイプでは、既に極細同軸ケーブルをアッセンブリしたものが導入されている。
しかしながら、図5(d)に示すスライドタイプのモバイル端末機器に関しては、いまだにFPCが使用されており、極細同軸ケーブルをアッセンブリしたものは導入されていない。これは、スライドタイプの機械的構造に起因しているためであり、従来は極細同軸ケーブルの使用が難しいとされてきた。図6は、スライドタイプの電子機器1の筐体間配線材としてFPC4を適用した場合を例示する図である。この電子機器1は、第1の筐体2と、この第1の筐体2にスライド可能に接合された第2の筐体3とのそれぞれの回路を、FPC4により電気的に接続した構造になっている。
従って、スライドタイプのモバイル端末機器について、高機能化・多機能化を進めていく上では、他の構造のものと同様に極細同軸ケーブルをアッセンブリしたものを導入することが必須である。要するに、スライドタイプのモバイル端末機器について、極細同軸ケーブルをアッセンブリしたものを導入することが望まれていたわけである。例えば、極細同軸ケーブルをモバイル端末機器に導入した事例として、特許文献1,2に開示された技術が提案されている。
すなわち、極細同軸ケーブルをモバイル端末機器に用いることは公知であり、既にそのような機器が上市されていることも公知である。しかしながら、特許文献1,2にも記載されているが、極細同軸ケーブルが用いられているのは、折り畳み式(クラムシェルタイプ)、開閉+捻回(2軸タイプ)などであり、スライドタイプに適用した事例は見られない。一方、スライドタイプのモバイル端末機器の筐体間接続手段としては、FPCが用いられていることが公知である。例えば、特許文献3〜5に開示された技術が提案されている。
モバイル端末機器、特に携帯電話について、代表的な形状・構造・機械的な動作について、図5に例示する。開閉構造を有するクラムシェルタイプ(図5(a)参照)、回転構造を有するジャックナイフタイプ(図5(b)参照)、ツイストタイプといわれる開閉と回転が行える2軸構造(図5(c)参照)、及び水平移動構造を有するスライドタイプ(図5(d)参照)などである。
スライドタイプの構造に求められている特性として、高さ制限のある空間内での水平屈曲がある。代表的には3mmのスペースにて繰り返しスライドに対応できる必要がある。従来は、この構造に対して、図6に示すように、薄くてフレキシブル特性を有するプリント配線板であるFPCしか対応できなかった。これは特許文献3〜5にも同様に記載されている。
また従来、極細同軸ケーブルは、スライドタイプの構造に向かないとされてきた。それは数十本の極細同軸ケーブルを束ねてしまった場合、スライドタイプの構造に求められる特性として、高さ制限(例えば3mm)の中では、屈曲スペースとして不十分であり、繰り返し屈曲特性を満足することができないためである。
逆に、ケーブルを束にまとめる方式でも屈曲スペースが確保されている構造(クラムシェルタイプやジャックナイフタイプ)の場合は、充分な特性が確保されているので、実用化されているわけである。これは、特許文献1,2に示されている。
特開2006−286299号公報 特開2006−202641号公報 特開2006−128808号公報 特開2006−216908号公報 特許第3723539号公報
一般に、携帯電話に代表されるモバイル用電子機器にて使用される極細同軸ケーブルは、型番では、AWG46からAWG42といわれるタイプであり、そのケーブル外径は、0.2mm〜0.3mm程度である。さらに、一般的なスライドタイプ構造に使用される屈曲スペースとしては3mm程度の高さであり、10万回以上のスライド回数(耐屈曲回数)が求められている。
しかし、特に何の工夫もせずに、前述の極細同軸ケーブルを用いて高さ3mmのスペースに折り曲げた場合には、ケーブルの曲がり癖がついてしまうという問題が発生し、繰り返しのスライド回数が前記目標値に達しないものとなってしまう。
また、本発明者らが検討した結果、前記極細ケーブルを束ねた場合、多くの(例えば10万回以上)スライド回数(耐屈曲回数)を満足するための屈曲半径は、R=5mm以上必要であり、要求されるスペース(高さ3mm)では、屈曲特性を満足させることは困難である。
本発明は、前記事情に鑑みてなされ、スライドタイプのモバイル端末機器に極細同軸ケーブルを導入することができ、スライド屈曲に対して優れた耐性を有する電子機器とその電子機器配線用ハーネスの提供を目的とする。
前記目的を達成するため、本発明は、回路を有する複数の筐体がスライド可能に接合され、これらの筐体内の回路同士を電子機器配線用ハーネスによって電気的に接続してなる電子機器であって、前記電子機器配線用ハーネスは、多数本の電線を平行に並べ、300〜2700MPaのヤング率を有する筒状のジャケット材によって一括被覆してなるフラット型ケーブルが複数枚積層されたケーブル積層部を有し、該ケーブル積層部が筐体のスライド面上にU字形に配線されたことを特徴とする電子機器を提供する。
本発明の電子機器において、前記電線は、少なくとも1本が極細同軸ケーブルであることが好ましい。
また本発明は、多数本の電線を平行に並べ、300〜2700MPaのヤング率を有する筒状のジャケット材によって一括被覆されたフラット型ケーブルが複数枚積層されたケーブル積層部を有し、本発明の電子機器に配線材として用いられることを特徴とする電子機器配線用ハーネスを提供する。
本発明の電子機器配線用ハーネスにおいて、前記電線は、少なくとも1本が極細同軸ケーブルであることが好ましい。
本発明の電子機器は、多数本の電線を平行に並べ、300〜2700MPaのヤング率を有する筒状のジャケット材によって一括被覆してなるフラット型ケーブルが複数枚積層されたケーブル積層部を有する電子機器配線用ハーネスを配線材として用い、そのケーブル積層部を筐体のスライド面上にU字形に配線してなるものなので、スライドタイプの電子機器において、高さ3mm以下のスペースで極細同軸ケーブルアセンブリを可能とした電子機器を提供することができる。
本発明の手法を用いることにより、スライドタイプの電子機器において、極細同軸ケーブルアセンブリが可能となるので、従来のFPCを筐体間配線材として用いたものと比べ、伝送特性や耐ノイズ特性を向上させることができる。
本発明の電子機器配線用ハーネスは、多数本の電線を平行に並べ、300〜2700MPaのヤング率を有する筒状のジャケット材によって一括被覆してなるフラット型ケーブルが複数枚積層されたケーブル積層部を有する構成としたことで、フラット型ケーブルの耐屈曲性が良好となり、スライドタイプの電子機器において求められている10万回以上の耐屈曲回数を満たすことができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の電子機器の一実施形態を示す図であり、本実施形態では、電子機器として、携帯電話などのモバイル端末機器に本発明を適用した場合を例示している。図1(a)は収納時、(b)は引き出し時の状態をそれぞれ示している。
本実施形態の電子機器11は、回路を有する第1の筐体12及び第2の筐体13がスライド可能に接合され、これらの筐体12,13内の回路同士を電子機器配線用ハーネス14(以下、ハーネスと記す。)によって電気的に接続してなり、このハーネス14は、多数本の電線を平行に並べ、300〜2700MPaのヤング率を有する筒状のジャケット材によって一括被覆してなるフラット型ケーブルが複数枚積層されたケーブル積層部15を有し、該ケーブル積層部15が筐体のスライド面上にU字形に配線されたことを特徴としている。
ここで、U字形の配線とは、図6に示すFPC4のように所定高さ(例えば高さ3mm)の空間内で屈曲するのではなく、図1に示すハーネス14のように、横方向にRを取るようにした配線構造である。このような配線構造を採用したことによって、本実施形態の電子機器11は、各筐体12,13のスライド動作によって生じる屈曲が、所定高さの空間内での屈曲(図6参照)の場合と比べ、より大きな曲率半径で屈曲動作させることができる。
本実施形態の電子機器11は、ケーブル積層部15を筐体のスライド面上にU字形に配線してなるものなので、スライドタイプの電子機器11において、高さ3mm以下のスペースで極細同軸ケーブルアセンブリが可能である。
また本実施形態の電子機器11は、極細同軸ケーブルアセンブリが可能であることから、従来のFPCを筐体間配線材として用いた電子機器と比べ、伝送特性や耐ノイズ特性を向上させることができる。
本発明で用いるハーネス14は、300〜2700MPaのヤング率を有する筒状のジャケット材によって一括被覆してなるフラット型ケーブルが複数枚積層されたケーブル積層部15を有していればよく、その他の構成要素については特に制限されないが、通常は、各フラット型ケーブルの両端に接続用のコネクタが設けられた構造になっている。また、各筐体12,13には、ハーネス14のコネクタと接続可能な接続部を適所に有している構成になっている。
図2は、前記ハーネス14を構成するフラット型ケーブルの構造の一例を示す断面図である。本例のフラット型ケーブル16は、4本の極細同軸ケーブル17を平行に並べ、300〜2700MPaのヤング率を有する筒状のジャケット材18によって一括被覆した構成になっている。ここで、フラット型とは、複数本の極細同軸ケーブル17を平行に並べ、筒状のジャケット材18にて包んだ状態にしたものである。従って、極細同軸ケーブル同士の隙間全てにジャケット材が充填された「テープ型」とは異なり、図2に示すように、極細同軸ケーブル17とジャケット材18との間には空間が存在する。
本例で用いた極細同軸ケーブル17は、中心導体と、該中心導体を被覆する内側絶縁層と、該内側絶縁層に巻き付けられた外部導体と、該外部導体を覆う外皮とからなっている。なお、フラット型ケーブル16の構造は、本例に限定されず、2本以上の極細同軸ケーブル17又は極細同軸ケーブル以外の電線をジャケット材18で一括被覆したものであればよく、さらにケーブルや電線の組み合わせの異なる多種類のフラット型ケーブルを積層して用いることもできる。
このフラット型ケーブル16は、4本の極細同軸ケーブル17を平行に並べ、押し出し方式による一括ジャケットを施すことによって作製される。
図3及び図4は、フラット型ケーブル16を複数枚積み重ねてなるケーブル積層部15を所定の曲率半径Rで曲げた状態を示している。このケーブル積層部15の厚みa、幅b及び曲率半径Rは、使用する電子機器における収容スペースの寸法等に応じて適宜設定することができる。
本発明のハーネス14に用いるフラット型ケーブル16は、ジャケット材18として、300〜2700MPaの範囲のヤング率を有する合成樹脂材料を用いている。この合成樹脂材料としては、ヤング率が前記範囲内であればよく、特に限定されない。このジャケット材18のヤング率が300MPa未満であると、フラット型ケーブル16の剛性が低くなり、屈曲時に応力が極細同軸ケーブル17の中心導体に加わり、数万回程度又はそれ以下の屈曲回数で破断してしまう。ジャケット材18のヤング率が2700MPa以上であると、繰り返し屈曲による疲労によって、ジャケット材18自体が破断してしまい、目標の10万回の耐屈曲回数を達成することができない。
本発明のハーネス14は、多数本の電線を平行に並べ、300〜2700MPaのヤング率を有する筒状のジャケット材18によって一括被覆してなるフラット型ケーブル16が複数枚積層されたケーブル積層部15を有する構成としたものなので、フラット型ケーブル16の耐屈曲性が良好となり、スライドタイプの電子機器において求められている10万回以上の耐屈曲回数を満たすことができる。
以下、実施例により本発明の効果を実証する。
<実施例1>
・極細同軸ケーブル;型番:AWG46、外径:0.24mm。
AWGとは、米国ワイヤーゲージ(American Wire Gauge)の略称であり、同軸ケーブルの業界にて広く用いられている規格である。以下に示す要領で作製した。
極細同軸ケーブルは、直径25μmの銅合金線を3本撚って中心導体とし、その外面をフッ素樹脂で被覆して絶縁層とし、その外周に25μmの銅合金線を横巻きで巻き付けて外部導体とし、その外側にフッ素樹脂を外皮とし、外径が約240μmとなるように作製した。
・ジャケット材;3M社製、商品名;ダイニオンPFA(組成;テトラフルオロエチレンとパープルオロアルコキシエチレンとの共重合体からなる熱可塑性フッ素樹脂)。ヤング率;500MPaのグレードを使用。
上述の極細同軸ケーブルを4心と、ジャケット材を用いてフラット化を行い、図2に示すフラット型ケーブル(フラット型4心極細同軸ケーブル)を作製した。作製後の寸法は、幅:1.2mm、厚さ:0.3mmである。
ここでいうフラット化とは、テープ化とは異なるものである。フラット化は、断面円形の極細同軸ケーブル数本を平行に並べて、筒状のジャケット材にて包んだ状態にしたものである。従って、すべての箇所に充填されたテープ化とは異なり、断面円形の極細同軸ケーブルとジャケット材との間には空間が存在する。
・ケーブルの曲がり部に前記フラット型ケーブルを縦に配置し、また10本のフラット型ケーブルを積層した40芯のハーネスにおいて、ケーブル積層部は3mm幅に束ねることができた。そして、一般的なスライドタイプ構造に使用される屈曲スペースとしては、高さ3mmであるところ、本実施例のハーネスでは、フラット化したときのケーブル幅(図3中のb)に相当するので、これが1.2mmになるため、十分なクリアランスがあり、屈曲特性を発揮できる。
・前述した通り、極細同軸ケーブルでは、屈曲半径がR=5mm程度が必要である。これはフラット化した場合でもほぼ同様である。そのため、本実施例のハーネスは、ケーブル積層部を図3及び図4に示すように筐体のスライド面上にU字形に配線した。
これにより、高さ3mm、屈折半径R=5mmでの配線を可能とした。
<屈曲試験>
図7は、作製したハーネスの耐屈曲回数を測定するための屈曲試験方法の一例を説明する図であり、図7(a)は屈曲試験装置の平面図、(b)は同じ装置の側面図である。図7中、符号20は第1の試験台、21は第2の試験台、22は試験ハーネス、23はケーブル積層部、24及び25はコネクタである。
この屈曲試験においては、まず端末を加工して、中心導体とシールドを全心シリーズに接続する。次に、図7に示すように、屈曲試験装置の決められた箇所に試験ハーネスを、ケーブル積層部の一部がU字形になるように配置する。次に、屈曲動作を行うために、スライドする試料台に試験ハーネスを固定する。シリーズに繋がっている導体の両端(図示せず)を、導通を見るための測定用端子(図示せず)に接続し、導通があることを確認する。試験条件は、ストローク量が40mm、1分間に30回の往復とした。
実施例1のハーネスについて、4心タイプを10ヶ積層し、40心として試験に使用した。
導通状態のまま、前記の試験条件を実施し、導通が取れなくなるまでの回数を測定し、耐屈曲回数を調べた。試料数はN=50個であり、平均値、最大値、最小値を求めた。但し、スライド回数が10万回以上でも破断せず導通が取れていた場合は、耐屈曲回数10万回以上、もしくは、>10万回、で示すものとする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、ジャケット材の剛性が、ハーネスの繰り返し屈曲特性に関係していることを見い出した。具体的には、ジャケット材のヤング率を300MPa〜2700MPaの範囲とすることによって、目標の耐屈曲回数10万回以上が達成される。この点について以下の実施例により詳細に説明する。
<実施例2>
ジャケット材の種類、及びそのヤング率を変えたこと以外は、実施例1と同じとした。樹脂種やグレートの違いによって、A、B、C、D、E、F、G、H、Iの9種を使用した。但し、すべて上市されている汎用品である。
A;高密度ポリエチレン(HDPE)、ヤング率;100MPa。
B;アクリトニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS)ヤング率;200MPa。
C;テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルコキシエチレンとの共重合体(PFA)、ヤング率;300MPa(実施例1とはグレードが異なる)。
D;低密度ポリエチレン(LDPE)、ヤング率;1000MPa。
E;ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ヤング率;1200MPa。
F;ポリビニリデンフルオダイド(PVDF)、ヤング率;1300MPa。
G;ナイロン6、ヤング率;2200MPa。
H;硬質塩化ビニル、ヤング率2700MPa。
I;ポリスチレン(PS)、ヤング率3200MPa。
実施例2の試料について、前記<屈曲試験>と同じ条件、試料数で屈曲試験を行った。結果を表1に記す。
Figure 2008263264
表1に記した結果より、スライドタイプの屈曲では、ハーネスの耐屈曲回数がジャケット材のヤング率に依存しているのがわかる。ヤング率の小さいものをジャケット材として用いた場合、フラット型ケーブルの剛性が低いため、屈曲試験での応力が極細同軸ケーブルの中心導体に加わり、数万回程度で破断した。
試験の結果、10万回以上の耐屈曲回数を達成するためには、少なくとも300MPa以上のヤング率の材料をジャケット材として使用する必要がある。
また、実施例2の樹脂種Iでは、2〜3万回程度で破断しているが、この場合は中心導体が先に破断したわけではない。最初に破断したのは、ジャケット材であり、その直後に極細同軸ケーブルが露出し、最終的に中心導体の破断に至ったものである。従って、フラット型ケーブルのジャケット材の剛性が高すぎる場合は、繰り返し屈曲による疲労によって、ジャケット材自体が破断してしまうことになる。よって、ジャケット材は剛性だけでなく、ある程度の弾性が必要である。
すなわち、スライドタイプの屈曲試験における繰り返し屈曲の耐性には、多くても2700MPa以下のヤング率の材料をジャケット材として使用する必要がある。
なお、本実施例では4心のフラット型ケーブルを用いているが、2心以上あればフラット化することは可能であるので、特に極細同軸ケーブルの心数を制限するものではない。
また、ジャケット材の樹脂種は、本実施例に限定されず、前述したヤング率の範囲内にある別種のポリマー材料を用いることも可能である。一般に、ポリマー材料は材料種(組成)が同じであっても、分子量や結晶化度などの違いによって、ヤング率などをはじめとする力学特性が異なることが知られている。
本発明の電子機器の一実施形態を示す図であり、(a)は収納時、(b)は引き出し時におけるケーブル積層部の状態を示す平面図である。 本発明のハーネスに用いるフラット型ケーブルの一例を示す断面図である。 本発明のハーネスのケーブル積層部の一例を示す斜視図である。 本発明のハーネスのケーブル積層部の一例を示す平面図である。 電子機器の一例として開閉手法の異なる各種の携帯電話を例示する斜視図である。 筐体間配線材としてFPCを用いた従来例を示す断面図である。 本発明の実施例において耐屈曲回数の測定に用いた試験装置の概要を示し、(a)は試験装置の平面図、(b)は側面図である。
符号の説明
11…電子機器、12…第1の筐体、13…第2の筐体、14…ハーネス(電子機器配線用ハーネス)、15…ケーブル積層部、16…フラット型ケーブル、17…極細同軸ケーブル、18…ジャケット材。

Claims (4)

  1. 回路を有する複数の筐体がスライド可能に接合され、これらの筐体内の回路同士を電子機器配線用ハーネスによって電気的に接続してなる電子機器であって、
    前記電子機器配線用ハーネスは、多数本の電線を平行に並べ、300〜2700MPaのヤング率を有する筒状のジャケット材によって一括被覆してなるフラット型ケーブルが複数枚積層されたケーブル積層部を有し、該ケーブル積層部が筐体のスライド面上にU字形に配線されたことを特徴とする電子機器。
  2. 前記電線は、少なくとも1本が極細同軸ケーブルであることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
  3. 多数本の電線を平行に並べ、300〜2700MPaのヤング率を有する筒状のジャケット材によって一括被覆されたフラット型ケーブルが複数枚積層されたケーブル積層部を有し、請求項1に記載の電子機器に配線材として用いられることを特徴とする電子機器配線用ハーネス。
  4. 前記電線は、少なくとも1本が極細同軸ケーブルであることを特徴とする請求項3に記載の電子機器配線用ハーネス。
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