JP2009016887A - 信号検出装置及び信号検出方法並びにそのプログラムと記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】MIMO−OFDMシステムにおける受信機装置の小型化、軽量化、受信機装置の消費電力量の縮小を行い、大量生産に適した受信機装置内の信号検出装置を提供する。
【解決手段】サブキャリアの各グループの代表チャネル行列を生成し、該代表チャネル行列に基づいて、受信品質の悪い送信系統から候補信号点選定を行い、その後、残りの受信品質の良い送信系統から候補信号点選定を行う、各送信系統における候補信号点選定の実施順番を決定する。各グループに属する各サブキャリアに対して、チャネル行列をQR分解し、対応する受信系列を線形フィルタリングして、変換受信系列を生成し、各グループに属する各サブキャリアに対して、空間順番が並び替えられた送信系列の候補の絞り込みを行う。候補の絞り込みを行った結果、その候補の中の最も尤度メトリックが小さい候補を暫定推定結果とし、本来送信された空間順番に並び直して、最終推定結果を出力する。
【選択図】図1

Description

本発明は、MIMO(Multiple Input Multiple Output)チャネルを利用して複数の信号系列を同一の周波数上に多重化して送信する無線通信システム(またはMIMOシステムと呼ぶ)において、その受信機装置側では空間多重化された信号に対する信号検出(あるいは信号分離)を行う信号検出装置及び信号検出方法並びにそのプログラムと記録媒体
に関する。
無線通信においては、限られた周波数資源を用いて通信の大容量化を図るための周波数利用効率の向上が必須となっている。周波数利用効率を向上させる技術として、複数の送信アンテナと複数の受信アンテナを用いて、同一時刻において同一周波数帯域上に空間多重チャネルを構成し、情報伝送レートを向上させるMIMO(Multiple Input Multiple Output)システムが提案されている。
また、情報信号を互いに直交する複数のサブキャリアに乗せて送信するOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)マルチキャリア変調方式がある(以下、OFDM方式と呼ぶ)。OFDM方式は、各サブキャリアの帯域を狭くすることにより周波数選択性フェージングをフラットフェージング化することが可能であり、更に、ガードインターバル(Guard Interval ; GI)を付加することによりマルチパスフェージングによるシンボル間干渉の影響を軽減できる。従って、OFDM方式は無線LAN、WiMaxやデジタルテレビ放送などの無線通信・放送システムで広く用いられている。上記のMIMOシステムとOFDM方式が組合せたものをMIMO−OFDMシステムと呼ぶ。
ここで、空間多重信号信号検出器の機能、つまり、空間多重された送信系列中のT個ある信号を再生する従来技術として線形法(Zero-forcing: ZF規範及びMinimum mean square error: MMSE規範)、順番付け連続干渉除去法(Ordered successive interference cancellation: OSIC)、最尤推定法(Maximumm likelihood detection: MLD)等がある。この中でMLDの誤り率特性が一番優れる。また、見方を変えると誤り率特性が優れるということは、低信号対雑音比(signal to noise ratio: SNR)での通信が可能であることを意味しており、通信エリアの拡大にも貢献する。また、MLDを用いた場合には、伝搬路相関に起因する誤り率特性劣化への耐性が最も強く、受信側で用いる受信アンテナの数分だけ受信ダイバシチ効果が得られる特徴がある。ここで言う信号検出とは、信号推定あるいは信号分離や干渉キャンセルと呼ぶ場合もあるが、本質的には、受信機で受け取った空間多重化された送信信号に対して、その送信信号を受信機側で正確に再生するための信号処理技術である。従来のMLDの基本原理は以下のように示す。
Figure 2009016887
Figure 2009016887
Figure 2009016887
ここで、以下の表記の簡単化のため、sTX(n)=sFD(n)、wTX(n)=wFD(n)と定義する。更に、sTX,Candidate(n)は実際の送信系列sTX(n)ではなく、sTX(n)である可能性のある送信系列候補である。sTX,Candidate,t(n)はsTX,Candidate(n)のt番目要素であり、t番送信信号sTX,t(n)の候補信号点である。CはsTX,Candidate,t(n)の生成に用いるコンスタレーション(送信機側で用いるコンスタレーションと同様なものである)を表す。
異なるサブキャリア間、また、異なるアンテナ間においては、異なるコンスタレーションを用いて信号を生成することも可能である。例えば、サブキャリア3における第2送信信号はQPSKコンスタレーションを使いながら、サブキャリア25における第4送信信号は64−QAMコンスタレーションを使っても良い。その場合ではCをサブキャリアnと空間送信信号番号tに依存する形としてC(n)と書くことになる。以下の表記の簡単化のため、ここでは、送信信号生成に用いるコンスタレーションをCと書き、全てのサブキャリア及び空間送信信号においては、同一のコンスタレーションを使用する前提で説明を進める。異なるコンスタレーションを適用する場合では、CをC(n)に置き換えればよい。Λ(sTX(n))はMLDが最尤推定時に用いる尤度メトリックであり、それは受信系列XFD(n)とレプリカXFD,Replica(n)(つまり、式(3)のように、送信系列候補sTX,Candidate(n)に基づいて生成される仮受信系列のことである。明らかに、送信系列候補とレプリカは一対一の関係にある。)とのL次ノルムである。
一般的には、L=2として、2次ノルムを用いることが多い。MLDでは、式(1)のようにMIMO−OFDM信号の各サブキャリアnにおいて、可能な全てのレプリカの中に最も尤度メトリックの小さいものを推定結果とする信号検出方法である。
ここで、MLDの誤り率特性は諸信号検出方法の中でも最も良いと知られているが、各サブキャリアnにおける必要なレプリカ計算と尤度メトリック計算の数は|C|(|C|はコンスタレーションCのサイズを表す。例えば、64−QAMコンスタレーションの場合では|C|=64となる)となり、つまり、送信信号の数(つまり、送信系列に含まれる要素の数)Tの増加に伴い、指数的に増加する。一例として、M=64、T=R=4のMIMOシステムにおいて、送信系列生成に用いるコンスタレーションを16−QAMとした場合では、受信機側で1つのMIMO−OFDM信号を検出するには64×16=64×65536=4194304通りのレプリカ及びそれらの尤度メトリックを計算しなければならない。これは膨大な回路規模、記憶容量や消費電力を必要とするMLDの演算量には膨大すぎて実用には向かないという課題が分かる。従って、MIMO−OFDMシステムの受信機の空間多重信号信号検出器で優れた受信品質が有するMLDを実現するには、膨大な演算量(多数の送信系列候補に基づくレプリカ計算に起因する)を大幅に削減する必要がある。なお、MLD方式の送信信号の検出手法についての技術が非特許文献1に開示されている。
"Space Division Multiplexing (SDM) for OFDM Systems",van Zelst A.、van Nee, R、and Awater, G.A.,「Vehicular Technology Conference Proceedings, 2000. VTC 2000-Spring Tokyo. 2000 IEEE 51st Volume 2」,15-18 May 2000 p.1070 -1074
従来のMLD方式による送信信号の検出手法をMIMO−OFDMシステムに適用した場合は以下の課題が存在する。
まず第1に、所要演算量が大きい。つまり、計算するレプリカと尤度メトリックの数は送信信号の数及び適用するコンスタレーションサイズに伴い、指数的に増大してしまい、所要演算量は膨大であり、実現するのが困難である。
また第2に、所要記憶容量が大きい。つまり、レプリカと尤度メトリックの数が膨大であるため、それらのレプリカ及びメトリックを記憶するためには膨大な記憶容量が必要になる。
また第3に、所要回路規模が大きい。つまり、所要演算量及び所要記憶容量が非常に大きいため、それに伴い、従来のMLD方式を実装した場合の所要回路規模が非常に大きい。
また第4に、所要消費電力が大きい。つまり、所要消費電力は所要演算回路規模やその動作クロック周波数などに比例するため、従来のMLD方式による電力消費量が非常に大きいと考えられる。従って、バッテリによって動作するMIMOシステムの動作時間の長持ちが困難である。
また第5に、小型化・軽量化が困難である。つまり、無線送受信機、特に無線携帯端末においては小型化・軽量化が望ましいが、従来のMLD方式では所要演算回路規模及び所要消費電力が大きいため、それによって実装された装置の小型化・軽量化は困難である。
また第6に、製品の大量生産に適さない。つまり上記の課題を踏まえて、従来のMLD方式によるハードウェア並びにソフトウェアでの経済的な実装は極めて困難である。従って、従来のMLD方式を実装したMIMOシステムを備えた無線装置における製造コストが高くなり、大量生産に適さない。
また上記の各課題は、OFDMのサブキャリア数Nや、MIMOの送信アンテナ数T、とコンスタレーションサイズ|C|の増加に伴い顕著になる。
そこでこの発明は、処理演算量と所要演算回路規模とを軽減することで、MIMO−OFDMシステムにおける受信機装置の小型化、軽量化や、受信機装置の消費電力量の縮小を行い、大量生産に適した受信機装置内の信号検出装置及び信号検出方法並びにそのプログラムと記録媒体を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明は、MIMO−OFDMシステムのサブキャリアのグループ分けを行い、各グループの代表チャネル行列を生成するサブキャリアグループ分け手段と、前記各グループの代表チャネル行列を用いて、前記各グループの各送信系統における候補信号点選定の実施順番を決定する候補信号点選定順番決定手段と、前記各グループに属する各サブキャリアに対して、チャネル行列をQR分解し、対応する受信系列を線形フィルタリングして、変換受信系列を生成するQR分解及び線形フィルタリング処理手段と、前記各グループに属する各サブキャリアに対して、空間順番が並び替えられた送信系列の候補の絞り込みを行う送信系列候補絞込み手段と、前記各グループに属する各サブキャリアに対して、前記送信系列の候補の絞り込みを行った結果、その候補の中の最も尤度メトリックが小さい候補を暫定推定結果とし、前記候補信号点選定の実施順番に基づいて、本来送信された空間順番に並び直して、最終推定結果を出力する最尤推定手段と、を備え、前記送信系列候補絞込み手段においては、前記各グループに属する各サブキャリアに対して、候補信号点選定が実施していないあるレイヤにおける基準信号を生成する基準信号生成手段と、前記基準信号と各送信系統が有するダイバシチ効果に合せて設定した候補信号点の数に基づいて、現在のレイヤにおける候補信号点の選定を行う候補信号点選定手段と、前記各グループに属する各サブキャリアに対して、前記選定された候補信号点に対応する部分レイヤ系列候補の累積メトリックを算出する累積メトリック算出手段と、前記各グループに属する各サブキャリアに対して、前記算出した累積メトリックのうち、上限値を超えた累積メトリックとそれに対応する部分レイヤ系列候補を候補から外して、送信系列の候補の絞り込みを行う候補除外手段と、の各手段の処理を繰り返すことを特徴とする信号検出装置である。
また本発明は、上述の信号検出装置において、前記サブキャリアグループ分け手段が、周波数領域チャネルまたは時間領域チャネルのいずれかに基づいて、サブキャリアのグループ分けを行うことを特徴とする。
また本発明は、上述の信号検出装置において、前記候補信号点選定順番決定手段が、前記各グループの代表チャネル行列に基づいて、受信品質の悪い送信系統から候補信号点選定を行い、その後、残りの受信品質の良い送信系統から候補信号点選定を行う、各送信系統における候補信号点選定の実施順番を決定することを特徴とする。
また本発明は、上述の信号検出装置において、前記候補信号点選定手段が、各送信系統における前記候補信号点選定の実施順番に対して、選定する候補信号点の数の上限を設定し、先に候補信号点選定が実施されるダイバシチ効果の小さい送信系統には大きな最大候補数を設定し、後に候補信号点選定が実施されるダイバシチ効果の大きい送信系統には小さな最大候補数を設定し、レイヤ信号について、基準信号を円心としたある半径の円の選定範囲において、当該円の内部に入るコンスタレーション信号点を候補信号点と選定することを特徴とする。
また本発明は、上述の信号検出装置において、前記候補除外手段が、雑音信号の2乗ノルムがある一定の確率で、上限値を下回るように前記累積メトリックの上限値を設定し、当該上限値を超えた累積メトリックとそれに対応する部分レイヤ系列候補を候補から外すことを特徴とする。
また本発明は、上述の信号検出装置において、前記MIMO−OFDMの信号が持つN個のサブキャリアをB個の各グループに分けるとともに、前記グループのうちb番目のグループに属する各サブキャリアの番号をn=1,2,・・・,Nとする場合に、前記各グループのうちb番目グループについての1つの代表チャネル行列HFD(b)を、そのグループに含まれる一部あるいは全部のサブキャリアに対応する周波数領域チャネル行列を足し合わせて生成することを特徴とする。
また本発明は、上述の信号検出装置において、全てのサブキャリアを1つのグループとし、当該グループにおける代表チャネル行列HFD(1)を、当該1つのグループに含まれる一部あるいは全部の遅延波に対応する時間領域チャネル行列を足し合わせて生成することを特徴とする。
また本発明は、上述の信号検出装置において、前記候補信号点選定順番決定手段が、T個のステップを用いて、T個の送信系統のそれぞれについての候補信号点選定の順番を決定する際に、最初のd(b)個のステップにおいては、受信品質の最も悪い送信系統をk(k=1から昇順でd(b)まで)番目に候補信号点選定し、次に、残りのT-d(b)個のステップでは、受信品質の最も良い送信系統をk(k=d(b)+1から昇順でTまで)番目に候補信号点選定するように、各送信系統における候補信号点選定の実施順番を決定することを特徴とする。
また本発明は、上述の信号検出装置において、前記候補信号点選定順番決定手段が、d(b)個のステップを用いて、T個の送信系統のそれぞれについての候補信号点選定の順番を決定する際に、まず、d個のステップでは、受信品質の最も悪い送信系統をk(k=1から昇順でd(b)まで)番目に候補信号点選定し、また、d(b)+1番目からT番目までに候補信号点選定が実施される送信系統の決定は行わず、残りのT−d(b)個の送信系統に対してd(b)+1番目からT番目までの内の任意の順番で候補信号点選定するように、各送信系統における候補信号点選定の実施順番を決定することを特徴とする。
また本発明は、上述の信号検出装置において、前記候補信号点選定順番決定手段が、T個のステップを用いて、T個の送信系統のそれぞれについての候補信号点選定の順番を決定する際に、まず、最初のT(b)−d個のステップでは受信品質のd(b)+1番目に悪い送信系統をk(k=Tから降順でd(b)+1まで)番目に候補信号点選定し、次に、残りのd(b)個のステップでは、受信品質の最も良い送信系統がk(k=d(b)から降順で1まで)番目に候補信号点選定するように、各送信系統における候補信号点選定の実施順番を決定することを特徴とする。
また本発明は、上述の信号検出装置において、前記候補信号点選定順番決定手段が、d(b)個のステップを用いて、T個の送信系統のそれぞれについての候補信号点選定の順番を決定する際に、まず、d(b)個のステップでは、受信品質のT−d(b)+1番目に良い送信系統をk(k=d(b)から降順で1まで)番目に候補信号点選定し、また、d(b)+1番目からT番目までに候補信号点選定が実施される送信系統についての決定は行わず、残りのT−d(b)個の送信系統に対してはd(b)+1番目からT番目までの内の任意の順番で候補信号点選定を実施するように、各送信系統における候補信号点選定の実施順番を決定することを特徴とする。
また本発明は、上述の信号検出装置において、前記候補信号点選定順番決定手段が、1個のステップを用いて、T個の送信系統のそれぞれについての候補信号点選定の順番を決定する際に、完全チャネル行列の各送信系統に対応する各順番メトリックを昇順に並べ、d(b)個の最も受信品質の悪い送信系統に対しては、受信品質の悪い順に、k(k=1から昇順でd(b)まで)番目に候補信号点選定し、残りのT−d(b)個の送信系統に対しては、受信品質の良い順に、k(k=d(b)+1から昇順でTまで)番目に候補信号点選定するように、各送信系統における候補信号点選定の実施順番を決定することを特徴とする。
また本発明は、上述の信号検出装置において、前記候補信号点選定順番決定手段が、1個のステップを用いて、T個の送信系統のそれぞれについての候補信号点選定の順番を決定する際に、完全チャネル行列の各送信系統に対応する各順番メトリックを昇順に並べ、d(b)個の最も受信品質の悪い送信系統に対しては、受信品質の悪い順に、k(k=1から昇順でd(b)まで)番目に候補信号点選定し、また、d(b)+1番目からT番目までに候補信号点選定が実施される送信系統の決定は行わず、残りのT−d(b)個の送信系統に対しては、d(b)+1番目からT番目までの内の任意の順番で候補信号点選定するように、各送信系統における候補信号点選定の実施順番を決定することを特徴とする。
また本発明は、上述の信号検出装置において、前記候補信号点選定順番決定手段は、上述の何れか複数の前記候補信号点選定順番決定手段の処理を組み合わせて、各送信系統の候補信号点選定の実施の順番を決定することを特徴とする。
また本発明は、信号検出装置における信号検出方法であって、サブキャリアグループ分け手段が、MIMO−OFDMシステムのサブキャリアのグループ分けを行い、各グループの代表チャネル行列を生成し、候補信号点選定順番決定手段が、前記各グループの代表チャネル行列を用いて、前記各グループの各送信系統における候補信号点選定の実施順番を決定し、QR分解及び線形フィルタリング処理手段が、前記各グループに属する各サブキャリアに対して、チャネル行列をQR分解し、対応する受信系列を線形フィルタリングして、変換受信系列を生成し、送信系列候補絞込み手段が、前記各グループに属する各サブキャリアに対して、空間順番が並び替えられた送信系列の候補の絞り込みを行い、最尤推定手段が、前記各グループに属する各サブキャリアに対して、前記送信系列の候補の絞り込みを行った結果、その候補の中の最も尤度メトリックが小さい候補を暫定推定結果とし、前記候補信号点選定の実施順番に基づいて、本来送信された空間順番に並び直して、最終推定結果を出力し、前記送信系列候補絞込み手段においては、前記各グループに属する各サブキャリアに対して、候補信号点選定が実施していないあるレイヤにおける基準信号を生成する基準信号生成処理と、前記基準信号と各送信系統が有するダイバシチ効果に合せて設定した候補信号点の数に基づいて、現在のレイヤにおける候補信号点の選定を行う候補信号点選定処理と、前記各グループに属する各サブキャリアに対して、前記選定された候補信号点に対応する部分レイヤ系列候補の累積メトリックを算出する累積メトリック算出処理と、前記各グループに属する各サブキャリアに対して、前記算出した累積メトリックのうち、上限値を超えた累積メトリックとそれに対応する部分レイヤ系列候補を候補から外して、送信系列の候補の絞り込みを行う候補除外処理と、を繰り返すことを特徴とする信号検出方法である。
また本発明は、信号検出装置のコンピュータを、MIMO−OFDMシステムのサブキャリアのグループ分けを行い、各グループの代表チャネル行列を生成するサブキャリアグループ分け手段、前記各グループの代表チャネル行列を用いて、前記各グループの各送信系統における候補信号点選定の実施順番を決定する候補信号点選定順番決定手段、前記各グループに属する各サブキャリアに対して、チャネル行列をQR分解し、対応する受信系列を線形フィルタリングして、変換受信系列を生成するQR分解及び線形フィルタリング処理手段、前記各グループに属する各サブキャリアに対して、空間順番が並び替えられた送信系列の候補の絞り込みを行う送信系列候補絞込み手段、前記各グループに属する各サブキャリアに対して、前記送信系列の候補の絞り込みを行った結果、その候補の中の最も尤度メトリックが小さい候補を暫定推定結果とし、前記候補信号点選定の実施順番に基づいて、本来送信された空間順番に並び直して、最終推定結果を出力する最尤推定手段、として機能させ、さらに、前記送信系列候補絞込み手段において、前記各グループに属する各サブキャリアに対して、候補信号点選定が実施していないあるレイヤにおける基準信号を生成する基準信号生成手段、前記基準信号と各送信系統が有するダイバシチ効果に合せて設定した候補信号点の数に基づいて、現在のレイヤにおける候補信号点の選定を行う候補信号点選定手段、前記各グループに属する各サブキャリアに対して、前記選定された候補信号点に対応する部分レイヤ系列候補の累積メトリックを算出する累積メトリック算出手段、前記各グループに属する各サブキャリアに対して、前記算出した累積メトリックのうち、上限値を超えた累積メトリックとそれに対応する部分レイヤ系列候補を候補から外して、送信系列の候補の絞り込みを行う候補除外手段、として機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
また本発明は、信号検出装置のコンピュータを、MIMO−OFDMシステムのサブキャリアのグループ分けを行い、各グループの代表チャネル行列を生成するサブキャリアグループ分け手段、前記各グループの代表チャネル行列を用いて、前記各グループの各送信系統における候補信号点選定の実施順番を決定する候補信号点選定順番決定手段、前記各グループに属する各サブキャリアに対して、チャネル行列をQR分解し、対応する受信系列を線形フィルタリングして、変換受信系列を生成するQR分解及び線形フィルタリング処理手段、前記各グループに属する各サブキャリアに対して、空間順番が並び替えられた送信系列の候補の絞り込みを行う送信系列候補絞込み手段、前記各グループに属する各サブキャリアに対して、前記送信系列の候補の絞り込みを行った結果、その候補の中の最も尤度メトリックが小さい候補を暫定推定結果とし、前記候補信号点選定の実施順番に基づいて、本来送信された空間順番に並び直して、最終推定結果を出力する最尤推定手段、として機能させ、さらに、前記送信系列候補絞込み手段において、前記各グループに属する各サブキャリアに対して、候補信号点選定が実施していないあるレイヤにおける基準信号を生成する基準信号生成手段、前記基準信号と各送信系統が有するダイバシチ効果に合せて設定した候補信号点の数に基づいて、現在のレイヤにおける候補信号点の選定を行う候補信号点選定手段、前記各グループに属する各サブキャリアに対して、前記選定された候補信号点に対応する部分レイヤ系列候補の累積メトリックを算出する累積メトリック算出手段、前記各グループに属する各サブキャリアに対して、前記算出した累積メトリックのうち、上限値を超えた累積メトリックとそれに対応する部分レイヤ系列候補を候補から外して、送信系列の候補の絞り込みを行う候補除外手段、として機能させるためのプログラムである。
本発明によれば、MIMOシステムにおける空間多重信号に対する従来のMLD信号検出方式が抱える所要演算量と回路規模が大きい、所要記憶容量が大きい、小型化・軽量化が困難、消費電力が大きい、大量生産に適さないなどの課題を、初期化処理、レイヤ系列候補絞込み処理、最尤推定処理を組み合わせることによって解決した。そして、従来方式との一番の違いは、従来技術では全ての送信信号系列候補及びそれらのメトリックを計算するのに比べ、本発明では従来MLD方式の誤り率特性を維持しながら、サブキャリアグループ分け処理1−1、候補信号点選定の実施順番決定処理1−2、候補信号点選定処理2−2、候補除外処理2−4を行ったこと、および、サブキャリアグループ分け処理1−1から最尤推定処理までの全ての処理を効率的に繋いで演算することにより、計算する送信系列候補及びそれらの尤度メトリックの数を大幅に削減しながら、MLD方式の誤り率特性を維持できることである。
つまり、本発明によれば、従来のMLD方式の優れた誤り率特性を維持しながら、従来のMLD方式をMIMO−OFDMシステムに適用した場合の以下の課題が解決可能である。
まず、計算する送信系列候補及びそれらのメトリックの数は、送信信号数及びコンスタレーションサイズにほぼ線形比例するので、所要演算量が大幅に削減できる。また、記憶する送信系列候補及びそれらのメトリックの数が大幅に削減できるため、それらを記憶するための記憶容量を小さくすることができる。また所要演算量及び所要記憶容量が小さくなるため、それに伴い従来MLD方式比べ、実装における所要回路規模を小さくすることができる。また、所要消費電力は所要回路規模やその動作クロック周波数などに比例するので、所要回路規模が演算量及び記憶容量の削減によって小さくなるため、結果として所要消費電力を小さくすることができる。さらに、所要回路規模及び所要消費電力を小さくすることによって、本発明を実装した装置の小型化・軽量化が可能になり、無線送受信機、特に無線携帯端末においては小型化・軽量化を行うことができる。そして、以上の効果により、ハードウェア並びにソフトウェアでの経済的な実装が可能である。従って、本方式のMIMOシステムを備えた無線装置における製造コストが安くなり、大量生産に適することが可能となる。
以下、本発明の一実施形態による信号検出方法を図面を参照して説明する。
図1は同実施形態によるMIMO−OFDMシステムの構成を示すブロック図である。
図1のMIMO−OFDMシステムは、MIMOシステムとOFDM方式が組合わせたものであり、図1には、そのシステムモデルを示している。この図において、符号10は送信機装置である。また20は受信機装置である。そして、図1に示すように、MIMOシステムの送信機装置10では、送信データストリームが空間信号生成器に入力され、T個の周波数領域送信信号系列が生成される。ただし、異なるサブキャリア間、また、異なるアンテナ間においては、異なるコンスタレーションを用いて信号を生成することが可能である。それらの周波数領域信号がT個のIFFTを通して周波数領域(Frequency Domain: FD)から時間領域(Time Domain: TD)へ変換され、そしてガードインターバル:GIを付加してから、ベースバンドからパスバンドへ変換され、T本のアンテナを通して同時に同一周波数帯域内において送信される。
MIMO−OFDMシステムの受信機装置20では、R本の受信アンテナを用いて空間で多重されたT個の送信信号を受信して、R個受信信号が得られる。そのR個の受信信号について、まず、パスバンドからベースバンドへ変換した後、GIを除去する。次に、R個のFFTを通して受信信号を送信機装置10側とは反対に時間領域から周波数領域へ変換してR個の周波数領域受信信号系列を得る。その出力が空間多重信号検出器30に入力される。空間多重信号検出器30は空間多重化された送信信号を検出(つまり、推定)する機能を有し、その処理結果として検出されたT個の推定送信信号を出力する。更に、推定送信信号を空間信号再生器に入力させて、送信されたデータストリームが再生される。ここで言う信号検出とは、信号推定あるいは信号分離や干渉キャンセルと呼ぶ場合もあるが、本質的には、受信機装置20で受け取った空間多重化された送信信号に対して、その送信信号を受信機装置20側で正確に再生するための信号処理技術である。本発明の実施場所はこのMIMO−OFDMシステムの受信機装置20にある空間多重信号検出器30である。以下では、識別のため、必要に応じて周波数領域及び時間領域信号をそれぞれFDとTDを下文字付けることとする。送信機装置10側で生成される周波数領域空間信号は、以下の行列のように表せる。
Figure 2009016887
この式(4)において、SFD(m)はm番目のMIMO−OFDM送信信号の周波数領域行列表現であり、T行N列を有する。行番号は空間(つまり、アンテナ)インデックスであり、列番号はサブキャリア(つまり、周波数)インデックスである。SFD(m)の各列ベクトルは1つの送信系列と呼び、T個の送信信号が含まれる。そのSFD(m)をT個のIFFT(Inverse Fast Fourier Transfer)を用いて周波数領域から時間領域へ変換し、更に、ガードインターバル:GIを付加すると次のような時間領域送信信号を生成される。ガードインターバル:GIの長さはGとする。
Figure 2009016887
式(5)においては、STD(m)はm番目のMIMO−OFDM送信信号の時間領域行列表現であり、T行G+N列を有する。行番号は空間インデックスを表し、列番号は時間サンプルインデックスを表す。一方、受信側では、チャネルを通って受け取った受信信号は次のようになる。
Figure 2009016887
式(6)において、XTD(m)はm番目MIMO−OFDM受信信号の時間領域行列表現であり、はT行G+N列を有する。送信信号の時間領域行列表現と同様に、行番号は空間インデックスを表し、列番号は時間サンプルインデックスを表す。この時間領域受信信号をまず、GIを除去して、次に、R個のFFT(Fast Fourier Transfer)を用いて再び時間領域から周波数領域へ変換され、次の周波数領域受信信号が得られえる。
Figure 2009016887
式(7)においてXFD(m)はm番目MIMO−OFDM受信信号の周波数領域行列表現であり、T行N列を有する。送信信号の周波数領域行列表現と同様に、行番号は空間インデックスを表し、列番号はサブキャリアインデックスを表す。XFD(m)の各列ベクトルは1つの受信系列と呼び、R個の受信信号が含まれる。場合によっては、MIMO−OFDM信号のすべてのサブキャリアを使わずに、一部のサブキャリアだけに情報信号を載せる使い方がある。その場合は、情報載せないサブキャリアにおける信号成分はヌル信号(つまり、“0”信号)と見なせば良い。上記のようにIFFTとFFTを用いた送信信号及び受信信号における周波数領域と時間領域の間の変換は、数学的に式(8)、式(9)のように表す。
Figure 2009016887
Figure 2009016887
式(8)、式(9)において、FはN行N列FFT変換行列であり、NはOFDMのサブキャリア数の上限であり、FFTのポイント数と呼ぶ。FFT変換行列の定義は以下ようになる。
Figure 2009016887
その行列Fのn行l列要素は以下のように定義される。
Figure 2009016887
ここで、jは虚数を意味する。また、GとGはそれぞれ送信機装置10側と受信機装置20側におけるGI付加とGI除去行列であり、式(12)、式(13)のように定義される。
Figure 2009016887
Figure 2009016887
なお、ガードインターバルGIの長さはGとする。GはIFFTの出力である時間領域信号の最後のG個のサンプルを信号系列の先頭に付け加える機能を有する。また、GはFFTの入力である時間領域信号の先頭のG個のサンプルを除去する機能を有する。以上の定義を踏まえて、MIMO−OFDMシステムにおける時間領域の送受信関係式は式(14)のように表せる。
Figure 2009016887
ここで、sTD(m,k−l)とxTD(m,k)とはm番目MIMO−OFDM時間領域信号におけるk−1番目時間サンプルでの時間領域送信系列とk番目時間サンプルでの時間領域受信系列であり、wTD(m,k)は対応する時間領域雑音である。Nはチャネルがもつ遅延波の数を表している。また式(15)で示すHTD(m,l)はm番目MIMO−OFDM信号を送受信時における時間領域の1番目遅延波に対応するチャネル行列であり、R行T列を有する。
Figure 2009016887
一方で、MIMO−OFDMシステムにおける周波数領域の送受信関係式は式(16)のように表せる。
Figure 2009016887
ここで、SFD(m,n)とXFD(m,n)とはm番目MIMO−OFDM周波数領域信号におけるn番目サブキャリアでの周波数領域送信系列と周波数領域受信系列(本発明の技術は主に周波数領域での信号処理となるため、以下では簡単に送信系列と受信系列と呼ぶ)である。WFD(m,n)は対応する周波数領域雑音である。式(17)で示すHFD(m,n)は、m番目のMIMO−OFDM信号を送受信する時における周波数領域のn番目サブキャリアに対応するチャネル行列であり、R行T列を有する。
Figure 2009016887
そして、本信号検出方法は、任意番目のMIMO−OFDM信号に対して、同様に処理するため、以後の説明ではMIMO−OFDM信号番号mを省略する。また、チャネル行列として用いるHFD(n)とHTD(l)は無線伝搬路のみではなく、送信機装置10のベースバンド処理部分から受信機装置20のベースバンド処理部分までの区間において、受ける様々な影響を反映したチャネル応答行列を意味する。例えば、送信機装置10側で施した異なる空間信号に対する送信電力制御の影響やパワーアンプによる非線形影響などが全てチャネルの伝搬特性としてHFD(n)とHTD(l)に反映される。受信機装置20では、チャネル行列HFD(n)あるいはHFD(n)とHTD(l)の両方を有しているものとする。更に、MIMO−OFDMシステムにおける送受信機装置間の周波数、時間、及びサンプリングタイミングの同期が正常に取れていることとする。
A.本発明の概要
次に、本発明の概要について説明する。
本発明はMIMO−OFDM信号の各サブキャリアn(n=1,2,・・・,N)に対して適用するものであり、その適用方法は大きく分けて、三つの手段となる。従来技術MLD方式では、全部で|C|通りのレプリカと対応するメトリックを計算する必要があるため、送信信号の数Tの増加に伴い、所要演算量が指数的に増大し、実システムによる実現は困難である。本発明では、初期化処理1とレイヤ系列候補絞込み処理とにより、レイヤ系列候補の絞込み(レプリカ計算と対応する尤度メトリック計算の削減と等価である)を行い、それによって演算量を大幅に減らしながらMLD方式の優れた誤り率を維持できる。
ここで、従来方式との一番の違いは、従来技術では全ての送信系列候補及びそれらのメトリックを計算するのに比べ、本発明では従来のMLD方式の誤り率特性を維持しながら、下記のサブキャリアグループ分け処理、候補信号点選定の実施順番決定処理、候補信号点選定処理、候補除外処理を行うこと、また、下記のサブキャリアグループ分け処理から最尤推定処理までの全ての処理を効率的に連続して処理することにより、計算する送信系列候補及びそれらの尤度メトリックの数を大幅に削減しながら、MLD方式の誤り率特性を維持できることである。
なお、下記の説明において、
[A]R,T;AはR行T列の行列
;行列Aのj番目の列ベクトル
ij;行列Aのi行j列要素
;行列Aの複素共役転置
;行列Aの転置
I;単位行列
‖a‖;ベクトルaのノルム
a ;スカラー(つまり1×1行列)a
;スカラーaの複素共役
|a|;スカラーaの絶対値
Σ;累加演算
をそれぞれ意味している。
<1>初期化処理
(1−1;サブキャリアグループ分け処理)MIMO−OFDMシステムのサブキャリアのグループ分けを行い、各グループの代表チャネル行列を生成する。ここで、1−1の処理を実現するには2つ通りの手段がある。
1−1−a)周波数領域チャネルに基づくサブキャリアグループ化する
1−1−b)時間領域チャネルに基づくサブキャリアグループ化する
(1−2;候補信号点選定の実施順番決定処理)1−1の処理で分けた各グループに対して、代表チャネル行列に基づいて、まず、受信品質の悪い送信系統が候補信号点選定を実施し、次に、残りの受信品質の良い送信系統が候補信号点選定を実施するように、各送信系統における候補信号点選定の実施順番を決定する。ここで、1−2の処理を実現するには7つ通りの手段がある。
1−2−a)完全順次―候補信号点選定の実施順番決定処理
1−2−b)部分順次―候補信号点選定の実施順番決定処理
1−2−c)逆完全順次―候補信号点選定の実施順番決定処理
1−2−d)逆部分順次―候補信号点選定の実施順番決定処理
1−2−e)完全並列―候補信号点選定の実施順番決定処理
1−2−f)部分並列―候補信号点選定の実施順番決定処理
1−2−g)組合せ―候補信号点選定の実施順番決定処理
(1−3;QR分解及び線形フィルタリング処理)1−1の処理で分けた各グループに属する各サブキャリアに対して、チャネル行列をQR分解して、対応する受信系列を線形フィルタリングし、変換受信系列を生成する。
<2>レイヤ系列候補絞込み処理
次に、上記1−1の処理で分けた各グループに属する各サブキャリアに対して、レイヤ系列(つまり、空間順番が並び替えられた送信系列)の候補の絞り込みを行う。このレイヤ系列候補絞込み処理では、上記1−1の処理で分けた各グループに属する各サブキャリアに対して、順番にT個あるレイヤについて、候補信号点の選定を行い、最終的に1つ以上のレイヤ系列候補(レイヤ系列候補はレプリカと一対一の関係にあるため、レイヤ系列候補の絞込みは、レプリカ計算と対応する尤度メトリック計算の削減と等価になる)とそれに対応する尤度メトリックを算出する。各レイヤでの処理は以下の4つの処理を繰り返すことになる。
(2−1)1−1の処理で分けた各グループに属する各サブキャリアに対して、候補信号点選定が実施していないあるレイヤにおける基準信号を生成する。
(2−2)1−1の処理で分けた各グループに属する各サブキャリアに対して、2−1の処理で得られた基準信号と各送信系統が有するダイバシチ効果に合せて設定した候補信号点の数に基づいて、現在のレイヤにおける候補信号点選定を行う。
(2−3)1−1の処理で分けた各グループに属する各サブキャリアに対して、2−2の処理で選定された候補信号点に対応する部分レイヤ系列候補の累積メトリックを計算する。
(2−4)1−1の処理で分けた各グループに属する各サブキャリアに対して、2−3の処理において算出された累積メトリックのうち、ある適切な上限値を超えた累積メトリックとそれに対応する部分レイヤ系列候補を候補から外し、それ以外の累積メトリックとその部分レイヤ系列候補を残す。
以上の2−1、2−2、2−3、2−4の各処理については、あるレイヤで実施した後には、次のレイヤへ進んで、そのレイヤで実施する。このように、全てのレイヤで2−1、2−2、2−3、2−4の各処理が実施されるまで繰り返す。
<3>最尤推定処理
上記1−1の処理で分けた各グループに属する各サブキャリアに対して、最尤推定を行う。また最尤推定処理においては、上記1−1で分けた各グループに属する各サブキャリアに対して、上記レイヤ系列候補絞込み処理で絞り込んだレイヤ系列候補のうち、最も対応する尤度メトリックが小さいものをそのサブキャリアにおける暫定推定結果とし、更に、1−2の処理で決定した各送信系統における候補信号点選定の実施順番に基づいて、本来送信された空間順番に並び直して、最終推定結果とする。
B.本発明の基本原理
次に、本発明の基本原理について説明する。
(1.初期化処理について)
従来のMLD方式では、全部で|C|通りのレプリカと対応するメトリックを計算する必要があるため、送信信号の数Tの増加に伴い、所要演算量が指数的に増大し、実システムによる実現は困難である。しかしながら本発明では、初期化処理と、レイヤ系列候補絞込み処理により、レイヤ系列候補の絞込み(レプリカ計算と対応する尤度メトリック計算の削減と等価である)を行い、それによって演算量を大幅に減らしながらMLD方式の優れた誤り率を維持できる。初期化処理は、レイヤ系列候補絞込み処理を実施するための準備処理であり、効率的にレイヤ系列候補の絞込みを行うための処理である。
(1−1;MIMO−OFDMシステムのサブキャリアのグループ分けを行い、各グループの代表チャネル行列を生成する処理(サブキャリアグループ分け処理)について)
MIMO−OFDMシステムはOFDMシステムの拡張として、サブキャリアの数が増えると処理量が増える特徴がある。そこで、処理量を減らすため以下のようなグループ化を考える。グループ化を実現するには2つ通りの手段がある。まず、1−1−a;周波数領域チャネルに基づくサブキャリアグループ化する処理について説明し、次に、1−1−b;時間領域チャネルに基づいてサブキャリアグループ化する処理について説明する。
(1−1−a;周波数領域チャネルに基づくサブキャリアグループ化する処理について)
図2はサブキャリアのグループ化の概要を示す図である。
図2に示すように、MIMO−OFDM信号が持つ全部N個のサブキャリアをB個のグループに分ける。そして、各グループに含まれるサブキャリアの数N,N,・・・,Nは式(18)が満たされるように設定する。
Figure 2009016887
そして、各グループの数は均一に(つまり、N=N=・・・=N=N/B)する必要はなく、チャネルの状況や所要演算量や所要通信品質を考慮しながら決定すれば良い。また、具体的にグループの数Bをいくつにするかも同様に、チャネルの状況や所要演算量や所要通信品質を考慮しながら決定すれば良い。B=1の場合では、すべてのサブキャリアを1つのグループにまとめる。B=Nの場合では、各サブキャアリアが1つのグループとなり、グループ化していない状態を意味する。グループ分けが行った後は、各グループについて1つの代表チャネル行列を生成する。以下で用いる各手段はグループ単位で適用するものなので、表記を簡単化するため、b(b=1,2,・・・,B)番目グループに属する各サブキャリアの番号をn=1,2,・・・,Nと記し、b番目グループの1番目からN番目までのサブキャリアを意味する。b番目グループにおける代表チャネル行列は次のように生成する。
Figure 2009016887
ここで、b番目グループの代表チャネル行列HFD(b)は、そのグループに含まれる一部あるいは全部のサブキャリアに対応する周波数領域チャネル行列を足し合わせたものである。
(1−1−b;時間領域チャネルに基づくサブキャリアグループ化の処理について)
次に、時間領域チャネル行列を用いた場合を考える。この場合では、常に全てのサブキャリアを1つのグループにまとめる。つまり、B=1とする。この場合の代表チャネル行列は式(20)のように決定する。
Figure 2009016887
ここで、1番目グループ(グループは1つしかないことに注意されたい)の代表チャネル行列HFD(1)は、グループ1に含まれる一部あるいは全部の遅延波に対応する時間領域チャネル行列を足し合わせたものである。一般的に、時間領域行列は周波数領域行列よりも数が少ないため(L<Nのため)、1つのグループにした場合(B=1)では、1−1−aの処理に比べ、代表チャネル行列生成の処理量が少なくなる。
上記1−1−aの処理で行うグループ分け処理(つまり、B、N,N,・・・,Nを決定する処理)は、受信機装置20側が信号検出処理を行うときに実施する必要がなく、予めに数値解析により無線システムが許容する複雑さと要求する誤り率特性の両方を満足できるようなN,N,・・・,Nを事前に特定し、データベース化すれば良い。
更に、上記1−1−aと1−1−bの処理で行う代表チャネル行列生成処理では、代表チャネル行列生成に用いる周波数領域チャネル行列におけるサブキャリアインデックスn=1,2,・・・,N、あるいは時間領域チャネル行列における遅延波インデックスl(式(20)に対応)の決定は、受信機装置20側が信号検出処理を行うときに実施する必要がなく、予めに数値解析により無線システムが許容する複雑さと要求する誤り率特性の両方を満足できるようなn∈{1,2,・・・,N}あるいはl∈{1,2,・・・,N}を事前に特定し、データベース化すれば良い。1−1の処理によるグループ分けの効果としては、グループ分けなしの場合(つまり、各グループではなく各サブキャリアに1−2の処理を適用した場合)に比べ、次の1−2の処理量が、N回からB回へ削減することが出来る。
(1−2;候補信号点選定の実施順番決定処理)
候補信号点選定の実施順番決定処理1−2では、上記1−1の処理で分けた各グループに対して、代表チャネル行列に基づいて、まず、受信品質の悪い送信系統が候補信号点選定を実施し、次に、残りの受信品質の良い送信系統が候補信号点選定を実施するように、各送信系統における候補信号点選定の実施順番を決定する。なお、1−2の処理は、1−1の処理で決定した各グループに対して適用する形となるため、各グループにおける処理は独立となる。従って、以下では一般性を失うことなく、あるグループb(b=1,2,・・・,B)について説明を進める。また、以下の処理は周波数領域で行われるため、簡単化のため、下付き文字FDを省略する。
ここで、グループbに属するサブキャリアnにおける送受信関係式は次の式(21)ように表せる。
Figure 2009016887
なおチャネル行列H(n)の各送信系統は各列ベクトルに対応する。チャネル行列H(n)の列ベクトルはそれぞれ異なる伝播品質を有しているゆえ、異なる送信系統における受信品質も違ってくる。従って、各送信系統における候補信号点選定(受信機装置20側では、実際コンスタレーション中のどの信号点が送信されたかが分からないので、各送信系統について、コンスタレーション中の送信された可能性のある信号点を候補として、送信信号を推測すること)の精度も異なる。
各グループb(b=1,2,・・・,B)に属する各サブキャリアn=1,2,・・・,Nについて、T個ある送信信号[sTX,1(n),sTX,2(n),・・・,sTX,T(n)]を同時にではなく、順番にそれぞれの候補信号点選定を実施する。
図3は各候補信号点選定の実施順番における送信系統番号の決定概要を示す図である。
候補信号点選定の実施順番決定処理1−2では、図3で示すように、サブキャリアグループ分け処理1−1で得られた各グループの代表チャネル行列H(b)を用いて、各グループの各送信系統(つまり、各アンテナ)における候補信号点選定の実施順番O(b)={O(b),O(b),・・・O(b)}を決定する。そして、各グループに属する各サブキャリアnにおける送信信号[sTX,1(n),sTX,2(n),・・・,sTX,T(n)]については、そのグループの実施順番O(b)に従って、候補信号点選定を行う。O(b)={O(b),O(b),・・・O(b)}はグループbの各送信系統における候補信号点選定の実施順番を表している。O(b)(t=1,2,・・・,T)の下付き数字tは候補信号点選定の実施順番であり、O(b)の値そのものはt番目に候補信号点選定が実施される送信系統番号である。tとO(b)とは一対一に対応している。例えば、O(5)=3というのは、グループb=5に属する各サブキャリアnについては、第O(5)=3番空間送信信号sTX,O2(5)=3(n)が2番目にその候補信号点の選定を実施することを表している。
また候補信号点選定の実施順番決定処理1−2は各サブキャリアグループb(b=1,2,・・・,B)について、代表チャネル行列H(b)を用いて、{O(b),O(b),・・・O(b)}の各要素の値(1からTまでの整数の内の1つ)を決定する処理である。ここで、候補信号点選定の実施順番決定処理1−2の処理の基準としては、まず、受信品質の悪いd(b)個の送信系統が候補信号点選定を実施し、次に、残りの受信品質の良いT−d(b)個の送信系統が候補信号点選定を実施するように、各送信系統における候補信号点選定の実施順番を決定することである。なお、候補信号点選定の実施順番決定処理1−2を実現するには以下の7通りの処理がある。
1−2−a)完全順次―候補信号点選定の実施順番決定処理について
1−2−aの処理は、Tステップに分けて、候補信号点選定の実施順番を決定して行く処理である。決定ステップk(K=1,2,・・・,T)では、k番目に候補信号点選定が実施される送信系統番号O(b)を決定する。そして、ステップk=1からk=TまでのTステップを通して{O(b),O(b),・・・,O(b)}を順次決定する。行列H[T−k+1](b)は代表チャネル行列H(b)からk−1個の列ベクトル{hO1(b),hO2(b),・・・hOk−1(b)}を除去し,残りのT−k+1個の列ベクトルから構成される次元縮小チャネル行列である。つまり、1決定ステップが終わるとチャネルHから1つの列ベクトルを除去し、それをステップごとに繰り返すことによってH の列ベクトルの次元を縮小させていく。従って、各決定ステップkと次元縮小行列H[T−k+1](b)とは一対一に対応する。初期化として、H[T](b)=H(b)と設定し、ステップk=1に対応付ける。
更に、H[T−k+1](b)のT−k+1個の列ベクトルのそれぞれh(b)p=1,・・・,T;p≠O(b),・・・,Ok−1(b)が1つの順番メトリックγ[k] (b)に対応する。つまり、H[T−k+1](b)の各送信系統が1つの順番メトリックに対応する。順番メトリックγ[k] (b)が大きければその列ベクトルに対応する送信系統の受信品質が良く、小さければその列ベクトルに対応する受信品質は悪いことになる。あるグループb(b=1,2,・・・,B)に対して、処理は以下の式(22)、式(23)のようにあらわすことができる。
Figure 2009016887
Figure 2009016887
ここで、pはステップkにおいて、候補信号点の選定を実施する可能性のある送信系統番号であり、これは1からTまでの整数の内の1つでありながら、以前の番号決定ステップ1からステップk−1までで決定された送信系統番号{O(b),・・・,Ok−1(b)}以外の整数である。
1−2−aの処理では、まず、式(22)により、最初のd(b)ステップは受信品質の最も悪い送信系統O(b)がk(k=1から昇順でd(k=1,2,・・・,d(b))まで)番目に候補信号点選定を実施し、次に式(23)により、残りのT−d(k=1,2,・・・,d(b))ステップは受信品質の最も良い送信系統O(b)がk(k=d+1から昇順でTまで)番目に候補信号点選定を実施するように、各送信系統における候補信号点選定の実施順番を決定する。
一例として、送信系統数T=4とした場合を考える。d(b)=2と設定すると、まず、ステップk=1では、チャネル行列H[4](b)=[h(b),h(b),h(b),h(b)]における順番メトリックγ[1] (b)の中で最も受信品質の悪い送信系統O(b)=3を1番目に候補信号点選定を実施すると決定する。次に、ステップk=2では、H[4](b)から列ベクトルhO1(b)=3(b)を差し引いた次元縮小チャネル行列H[3](b)=[h(b),h(b),h(b)]における順番メトリックγ[2] (b)の中で最も受信品質の悪い送信系統O(b)=1を2番目に候補信号点選定を実施すると決定する。
次に、ステップk=3では、H[3]から列ベクトルhO2(b)=1(b)を差し引いた次元縮小チャネル行列H[2](b)=[h(b),h(b)]における順番メトリックγ[3] (b)の中で最も受信品質の良い送信系統O(b)=4を3番目に候補信号点選定を実施すると決定する。最後に、ステップk=4では、H[2](b)から列ベクトルhO3(b)=4(b)を差し引いた次元縮小チャネル行列H[1](b)=[h(b)]における順番メトリックγ[4] (b)の中で最も受信品質の良い(最後のステップでは、実際には残りの送信系統はO(b)=2の1つしかないため、選ぶ必要はないが、一般性を失わないために説明している)送信系統O(b)=2を4番目で候補信号点選定を実施すると決定する。以上のように、各送信系統における候補信号点選定の実施順番{O(b)=3,O(b)=1,O(b)=4,O(b)=2}が決定される。
1−2−b)部分順次―候補信号点選定の実施順番決定処理について
1−2−bの処理は、d(b)ステップに分けて、候補信号点選定の実施順番を決定して行く処理である。なお、各決定ステップkと次元縮小行列H[T−k+1](b)とは一対一に対応する。そして、あるグループb(b=1,2,・・・,B)に対して、処理手順は以下の式(24)ように表せる。
Figure 2009016887
1−2−bの処理は、1−2−aの最初のd(b)ステップ、つまり、式(22)とは完全に同であり、d(b)ステップを用いて、受信品質の最も悪い送信系統O(b)がk(k=1から昇順でdまで)番目に候補信号点選定を実施するように、d(b)個の最初に候補信号点選定が実施される送信系統番号{O(b),O(b),・・・,Od(b)(b)}を決定する。
一方、1−2−aの処理とは異なり、1−2−bでは、d(b)+1番目からT番目までに候補信号点選定が実施される送信系統番号{Od(b)+1(b),Od(b)+2(b),・・・,O(b)}の決定は行わなく、残りのT−d(b)個の送信系統に対してd(b)+1番目からT番目までの内の任意の順番で候補信号点選定を実施すれば良いとする。従って、1−2−bの処理では、d(b)ステップによって候補信号点選定が実施される送信系統番号{O(b),O(b),・・・,Od(b)(b)}を決定した後、残りのT−d(b)個の送信系統に対しては、残ったT−d(b)個の順番を任意に割り当てる処理を行う。
1−2−c)逆完全順次―候補信号点選定の実施順番決定処理について
1−2−cの処理はTステップに分けて、候補信号点選定の実施順番を決定して行く処理である。ここで、各決定ステップkと次元縮小行列H[T−k+1](b)とは一対一に対応する。1−2−cの処理は1−2−aの処理とは異なり、1番目からT番目までに候補信号点選定が行う送信系統番号を決定するではなく、逆の順番で、T番目から降順に1番目までに各送信系統における候補信号点選定の実施順番を決定する。決定ステップk(k=1,2,・・・,T)では、T−k+1番目に候補信号点選定が実施される送信系統番号OT−k+1(b)を決定する。そして、ステップk=1からk=TまでのTステップを通して{O(b),OT−1(b),・・・,O(b)}を順次に決定する。あるグループb(b=1,2,・・・,B)に対して、処理の手順は式(25)、式(26)のように表すことができる。
Figure 2009016887
Figure 2009016887
ここで、pはステップkにおいて、候補信号点選定が実施される可能性のある送信系統番号であり、これは1からTまでの整数の内の1つでありながら、以前の決定ステップ1からステップk−1までで決定された送信系統番号{O(b),・・・,OT−k+2(b)}以外の整数である。1−2−cの処理では、まず式(25)により、最初のT−d(b)ステップは受信品質のd(b)+1番目に悪い送信系統O(b)がk(k=Tから降順でd(b)+1まで)番目に候補信号点選定を実施し、次に式(26)により、残りのd(b)ステップは受信品質の最も良い送信系統O(b)がk(k=d(b)から降順で1まで)番目に候補信号点選定を実施するように、各送信系統における候補信号点選定の実施順番を決定する。
1−2−d)逆部分順次―候補信号点選定の実施順番決定処理について
1−2−dの処理は、d(b)個のステップに分けて、候補信号点選定の実施順番を決定して行く処理である。各決定ステップkと次元縮小行列H[T−k+1](b)とは一対一に対応するが、上記1−2−cの処理における最初のT−d(b)ステップ、つまり、式(25)と異なることに注意されたい。あるグループb(b=1,2,・・・,B)に対して、処理の手順は式(27)のように表すことができる。
Figure 2009016887
つまり、1−2−dの処理は、d(b)個のステップを用いて、受信品質のT−d(b)+1番目に良い送信系統O(b)がk(k=dから降順で1まで)番目に候補信号点選定を実施するように、d(b)個の最初に候補信号点選定が実施される送信系統番号{Od(b)(b),Od(b)−1(b),・・・,O(b)}を降順に決定する。
また1−2−dの処理では、d(b)+1番目からT番目までに候補信号点選定が実施される送信系統番号{Od(b)+1(b),Od(b)+2(b),・・・,O(b)}の決定は行わず、残りのT−d(b)個の送信系統に対してd(b)+1番目からT番目までの内の任意の順番で候補信号点選定を実施すれば良いとする。従って、1−2−dの処理では、d(b)ステップによって候補信号点選定が実施される送信系統番号{Od(b)(b),Od(b)−1(b),・・・,O(b)}を決定した後、残りのT−d(b)個の送信系統に対しては、残ったT−d(b)個の順番を任意に割り当てる処理を行う。
1−2−e)完全並列―候補信号点選定の実施順番決定処理について
1−2−eの処理は、順次ではなく1ステップで候補信号点選定の実施順番を決定する処理である。あるグループb(b=1,2,・・・,B)に対して処理の手順は式(28)のように表すことができる。
Figure 2009016887
そして、1−2−eの処理では、完全チャネル行列H[T](b)=H(b)(つまり、列ベクトルの除去による次元縮小がされていないチャネル行列)の各送信系統に対応する各順番メトリックを昇順に並べ、d(b)個の最も受信品質の悪い送信系統に対しては、受信品質の悪い順に、k(k=1から降順でd(b)まで)番目に候補信号点選定を実施し、残りのT−d(b)個の送信系統に対しては、受信品質の良い順に、k(k=d(b)+1から降順でTまで)番目に候補信号点選定を実施するように、各送信系統における候補信号点選定の実施順番を決定する。なお、順次手法とは異なり、完全なチャネル行列H[T](b)=H(b)だけによって、候補信号点選定の実施順番を決定するため、順次に行列を縮小させることを回避し、実施順番決定に費やす処理量が削減される。
1−2−f)部分並列―候補信号点選定の実施順番決定処理について
1−2−fの処理は、順次ではなく1ステップで候補信号点選定の実施順番を決定する処理である。あるグループb(b=1,2,・・・,B)に対して、処理の手順は式(29)のように表すことができる。
Figure 2009016887
そして1−2−fの処理は1−2−eの処理と比較して、1番目からd(b)番目までに候補信号点選定が実施される送信系統番号{O(b),O(b),・・・,Od(b)(b)}が完全に同じである。d(b)個の最も受信品質の悪い送信系統に対しては、受信品質の悪い順に、k(k=1から降順でd(b)まで)番目に候補信号点選定を実施するように、各送信系統番号{O(b),O(b),・・・,Od(b)(b)}を決定する。
また1−2−eの処理とは異なり、1−2−fの処理では、d(b)+1番目からT番目までに候補信号点選定が実施される送信系統番号{Od(b)+1(b),Od(b)+2(b),・・・,O(b)}の決定は行わなく、残りのT−d(b)個の送信系統に対してd(b)+1番目からT番目までの内の任意の順番で候補信号点選定を実施すれば良いとする。従って、1−2−fの処理では、候補信号点選定が実施される送信系統番号{O(b),O(b),・・・,Od(b)(b)}を決定した後、残りのT−d(b)個の送信系統に対しては、残ったT−d(b)個の順番を任意に割り当てる処理を行う。
1−2−g)組合せ―候補信号点選定の実施順番決定処理の処理について
1−2−gの処理による組合せ手法とは、上記の1−2−aから1−2−fまでの手法を任意に組合わせて、各送信系統における候補信号点選定の実施順番{O(b),O(b),・・・,O(b)}を決定することである。一例として、1−2−aの処理と1−2−cの処理を組合わせて、最初のd(b)ステップでは1−2−aの処理によって1番目からd(b)番目までに候補信号点選定が実施される送信系統番号{O(b),O(b),・・・,Od(b)(b)}を決定する。また残りのT−d(b)ステップでは、1−2−cの処理によってT番目から降順にd(b)+1番目までに候補信号点選定が実施される送信系統番号{O(b),OT−1(b),・・・,Od(b)+1(b)}を決定することが考えられる。以上のように、実装上の複雑さと所要誤り率特性の両立を図りながら、どのような組合せにするかを決定すれば良い。
ここで、上記候補信号点選定の実施順番決定処理1−2における1−2−a〜1−2−gの諸手法の共通点としては、まず、受信品質の悪いd(b)個の送信系統で候補信号点選定を実施し、次に、受信品質の良い残りのT−d(b)個の送信系統で候補信号点選定を実施するように、各送信系統における候補信号点選定の実施順番を決定している。実施順番を決定するポリシーはステップd(b)(1≦d(b)≦T)で反転している(つまり、受信品質の悪い送信系統から良い送信系統へと基準を変える)のが特徴である。この順番決定ポリシーによって、後に候補信号点選定が実施される受信品質の良いT−d(b)個の送信系統には大きなダイバシチ効果が生じる。従って、それらの送信系統においては少ないコンスタレーション信号点(つまり、小さい演算量)だけで、確からしい候補信号点の選定が可能である。d(b)を更に大きく設定すれば、後に候補信号点選定が実施されるT−d(b)個の送信系統のダイバシチ効果がより向上する。
しかし、同時にd(b)が大きいということは最初に候補信号点選定が実施される受信品質の悪い送信系統の数は多くて、確からしい候補信号点を選定するには沢山のコンスタレーション信号点(つまり、大きい演算量)を考慮する必要がある。従って、所要演算量を削減する観点からはd(b)をなるべく小さく設定することが望ましい。一方、誤り率特性を向上させる観点からはd(b)をなるべく大きく設定すると良い。具体的にd(b)をどのあたりに設定すれば良いかは、実装上許容される複雑さと要求する誤り率特性の両立を図りながら決めることとなる。
また、上記1−2−aの処理から1−2−gの処理までに用いる各送信系統の受信品質を表す順番メトリックとして、様々な量が考えられる。例えば、各送信信号における受信SNR(signal to noise ratio)、受信SINR(signal to interference plus noise ratio)、上記各代表チャネル行列の列ベクトルのL(Lは任意の整数)次ノルムなどがある。候補信号点選定の実施順番決定処理1−2の処理では特に受信品質を図る量に拘らずに、受信品質を測る物差しとしてどんな量を適用しても良い。
次に、以下の1−3;QR分解及び線形フィルタリング処理や、2;レイヤ系列候補絞込み処理や、3;最尤推定処理では、上記1−1;サブキャリアグループ分け処理において決定した各グループb(b=1,2,・・・,B)に属する各サブキャリアn=1,2,・・・,Nに対して適用する。
(1−3;QR分解及び線形フィルタリング処理)
次に、サブキャリアグループ分け処理1−1で分けた各グループに属する各サブキャリアに対して、チャネル行列をQR分解して、対応する受信系列を線形フィルタリングし、変換受信系列を生成する。なお、レプリカと尤度メトリック計算の演算量を削減するため、ここではQR分解を用いる手法を導入する。候補信号点選定の実施順番の適用については、次の並び替え行列P(b)を使って説明する。P(b)はb番目グループの実施順番を反映するT行T列の並び替え行列であり、行列H(n)の右側から乗算し、H(n)の列ベクトルを並び替える機能を有する。またP(b)はsTX(n)の左側から乗算し、sTX(n)の行要素をH(n)の列ベクトルに合せて並び替える機能を有する。
Figure 2009016887
また、並び替え行列P(b)の要素は“1”か“0”によって構成され、その定義は式(31)のように表すことができる。
Figure 2009016887
P(b)の中にグループbの各送信系統における候補信号点選定の実施順番{O(b),O(b),・・・,O(b)}が含まれている。eOt(b)はT要素をもつ列ベクトルであって、そのO(b)(t=1,2,・・・,T)番目の要素は“1”であり、それ以外の要素は“0”である。一例として、T=R=3の送受信構成について、グループ5の候補信号点選定の実施順番はO(5)=2、O(5)=3、O(5)=1の場合では、P(5)は次の式(32)のようになる。
Figure 2009016887
なお、H(n)とs(n)とは順番並び替えられたチャネル行列と送信系列である。以後では、サブキャリアnにおける送信系列sTX(n)に対して、並び替え処理によって得られたs(n)をサブキャリアnにおけるレイヤ系列と呼ぶ。例えば、sTX,3(n)を3番目の空間送信信号、s(n)を3番目のレイヤ信号と呼ぶ。レイヤ系列s(n)の定義式を要素ごとに展開すると以下のようになる。
Figure 2009016887
つまり、並び替え行列P(b)を式(31)のように定義した場合では、レイヤ系列s(n)の信号成分を{i=T,T−1,・・・,1}の順番で処理することは送信系列sTX(n)の信号成分を{O(b);t=T−i+1=1,2,・・・,T}の順番で処理することになる。sTX(n)とs(n)とは実質的な違いはなく、それぞれが含む信号の順番が異なるだけである。そして、周波数領域送受信関係式を次の式(34)のように書き換えられる。
Figure 2009016887
ここで、sTX(n)=sFD(n)、wTX(n)=wFD(n)と定義する。更に、サブキャリアnの受信系列x(n)に対して、次のように線形フィルターリングをし、変換受信系列y(n)を得る。
Figure 2009016887
ここで、w(n)=Q(n)wTX(n)は線形フィルタリング後の雑音成分を表す。行列Q(n)及びU(n)は行列H(n)におけるQR分解の結果であり、それぞれ次のように定義する。
Figure 2009016887
Figure 2009016887
Figure 2009016887
Q(n)はR行R列の準ユニタリー行列、U(n)はT行T列の上三角行列である。以上の定義を踏まえて、変換受信系列y(n)を更に要素まで展開した形で次の式(39)のように書ける。
Figure 2009016887
(2;レイヤ系列候補絞込み処理)
レイヤ系列候補絞込み処理2では、上記サブキャリアグループ分け処理1−1で分けた各グループに属する各サブキャリアに対して、レイヤ系列(つまり、空間順番が並び替えられた送信系列)の候補の絞り込みを行う。従来技術のMLD方式では、全部で|C|通りのレプリカと対応するメトリックを計算する必要があるため、送信信号の数Tの増加に伴い、所要演算量が指数的に増大し、実システムによる実現は困難である。本発明では、初期化処理1とレイヤ系列候補絞込み処理2により、レイヤ系列候補の絞込み(レプリカ計算と対応する尤度メトリック計算の削減と等価である)を行い、それによって演算量を大幅に減らしながらMLD方式の優れた誤り率を維持できる。レイヤ系列候補絞込み処理2は、初期化処理1で行った初期化処理の結果を利用して、効率的にレイヤ系列候補の絞込みを行い、所要演算量の大幅削減を実現するものである。
レイヤ系列候補絞込み処理2は、サブキャリアグループ分け処理1−1で分けた各グループに属する各サブキャリアに対して、順番にT個あるレイヤについて、候補信号点の選定を実施し、最終的に1つ以上のレイヤ系列候補(レイヤ系列候補はレプリカと一対一の関係にあるため、レイヤ系列候補の絞込みは、レプリカ計算と対応する尤度メトリック計算の削減と等価になる)とそれに対応する尤度メトリックを算出する。レイヤi=Tから降順にレイヤi=1までの各レイヤについて、以下で説明する2−1;基準信号生成処理、2−2;候補信号点選定処理、2−3;累積メトリック生成処理、2−4;候補除外処理、の4つの処理を繰り返して適用する。各2−1〜2−4の各処理を説明する前に幾つかの定義を示す。
まず、最尤推定に用いる尤度メトリックを変換受信系列y(n)に合せて書き換える。
Figure 2009016887
Figure 2009016887
この場合、受信系列x(n)のレプリカxReplica(n)に対応して、変換受信系列y(n)のレプリカはyReplica(n)=U(n)sCandidate(n)となる。sCandidate(n)は実際のレイヤ系列s(n)ではなく、s(n)である可能性のあるレイヤ系列候補(送信系列候補sTX,Candidate(n)とは含む信号の順番が異なるだけである)である。次に、行列U(n)の三角構造を利用して、式(41)を次の形に書き換えることができる。
Figure 2009016887
Δ(n)はi番目レイヤにおける増分メトリックであり、次の式(43)のように定義する。
Figure 2009016887
ここで、sCandidate,i(n)はレイヤ系列候補sCandidate(n)のi番目信号成分であり、i番目レイヤ信号s(n)の候補信号点である。s (n)は候補信号点の選定に用いる基準信号である。基準信号の生成は次の式(44)によりできる。
Figure 2009016887
尤度メトリックは各レイヤにおける増分メトリックの総和である特徴を利用して、次の再帰式を導入する。
Figure 2009016887
ここで、Λ[T−i+1](n)はレイヤTから降順にレイヤiまでの候補信号点(つまり、部分レイヤ系列候補s[T−i+1] Candidate(n)=[sCandidate,i(n)・・・sCandidate,T(n)])に対応するT−i+1次累積メトリックである。この再帰式から分かるように、レイヤTからレイヤiまでの候補信号点に対応するT−i+1次累積メトリックΛ[T−i+1](n)を求めるには、レイヤTからレイヤi+1までの候補信号点に対応するT−i次累積メトリックΛ[T−i](n)とレイヤiの候補信号点sCandidate,i(n)に対応する増分メトリックΔ(n)を足し合せれば良い。累積メトリックの初期値をΛ[0](n)=0に設定して、T回の再帰処理を行えば、最尤推定に用いる尤度メトリックΛ(n)=Λ[T](n)が求められる。
上記の再帰式による尤度メトリックの計算から分かるように、レイヤ系列候補sCandidate(n)の選定は、MLD方式の式(2)、式(3)のように同時に送信系列にあるT個ある送信信号の個々について候補信号点選定をする必要はなく、s(n)からs(n)まで順番にT個のレイヤ信号について候補信号点選定をすれば良い。しかし、各レイヤ信号における候補信号点の数をコンスタレーションサイズ|C|と設定してしまえば、MLD方式と同様に|C|通りのレイヤ系列候補と尤度メトリックを計算しなければならなくなり、大幅に演算量を削減する効果は得られない。そこで、レイヤ系列候補絞込み処理2では、上記、候補信号点選定の実施順番決定処理1−2を適用したことによって得られた各送信系統のダイバシチ効果を利用して、各レイヤでの候補信号点の数を|C|よりも十分小さい値に抑え、結果的にレイヤ系列候補と対応する尤度メトリックの数を大幅に削減できる。
以下では、レイヤi=Tから降順にレイヤi=1までの各レイヤについて、2−1;基準信号生成処理、2−2;候補信号点選定処理、2−3;累積メトリック生成処理、2−4;候補除外処理を、繰り返して適用していく。
(2−1;基準信号生成処理)
基準信号生成処理2−1は、サブキャリアグループ分け処理1−1で分けた各グループに属する各サブキャリアに対して、候補信号点選定が実施していないあるレイヤにおける基準信号を生成する処理である。上記式(44)に基づいて、候補信号点の選定が実施していないあるレイヤにおける基準信号s (n)を算出する。
(2−2;候補信号点選定処理)
候補信号点選定処理2−2は、サブキャリアグループ分け処理1−1で分けた各グループに属する各サブキャリアに対して、基準信号生成処理2−1で得られた基準信号s (n)と各送信系統が有するダイバシチ効果に合せて設定した候補信号点の数に基づいて、現在のレイヤにおける候補信号点の選定を行う。処理量を減らすためには、コンスタレーション上の全ての信号点を候補信号点とせず、一部の確からしさの高い信号点だけを候補として選定する。まず、各送信系統における候補信号点選定の実施順番{O(b),O(b),・・・,O(b)}に対して、選定する候補信号点の数の上限(以下では最大候補数と呼び、{Q(b),Q(b),・・・,Q(b)}のように表記する。)を設定する。候補信号点選定の実施順番決定処理1−2を適用した場合では、順番決定ステップk=d(b)を境目に決定ポリシーを変えることによって、先に候補信号点選定が実施される受信品質の悪い送信系統{O(b),O(b),・・・,Od(b)(b)}(レイヤTからレイヤT−d(b)+1に対応)のダイバシチ効果は小さくて、後に候補信号点選定が実施される受信品質の良い送信系統{Od(b)+1(b),Od(b)+2(b),・・・,O(b)}(レイヤT−d(b)からレイヤ1に対応)のダイバシチ効果が飛躍的に向上するという特徴が生じる。この特徴を利用して、後に候補信号点選定が実施されるT−d(b)個の送信系統(ダイバシチ効果が非常大きい)の最大候補数{Qd(b)+1(b),Qd(b)+2(b),・・・,Q(b)}を小さく設定しても、十分確からしい候補信号点を選定できる。
一方、先に候補信号点選定が実施されるd(b)個の送信系統(ダイバシチ効果が小さい)の最大候補数{Q(b),Q(b),・・・,Qd(b)(b)}を小さく設定すると、十分確からしい候補信号点を選定できないだけではなく、残りのT−d(b)個の送信系統{Od(b)+1(b),Od(b)+2(b),・・・,O(b)}における候補信号点選定にも影響を及ぼし、最終的にレイヤ系列候補sCandidate(n)の確からしさを低下させ、誤り率特性が著しく劣化することになる。それを避けるためには、先に候補信号点選定が実施されるd(b)個の送信系統の最大候補数{Q(b),Q(b),・・・,Qd(b)(b)}を大きな値に設定する必要がある。従って、候補信号点選定処理2−2では、先に候補信号点選定が実施されるダイバシチ効果の小さい送信系統(レイヤTからレイヤT−d(b)+1に対応)には大きな最大候補数{Q(b),Q(b),・・・,Q(b)}を備え、後に候補信号点選定が実施されるダイバシチ効果の飛躍的に大きい送信系統(レイヤT−d(b)からレイヤ1に対応)には小さな最大候補数{Qd(b)+1(b),Qd(b)+2(b),・・・,Q(b)}を備えるという基準で最大候補数を設定する。
具体的には、以下のように各送信系統における最大候補数を決定する。まず、第1番目に候補信号点の選定が実施する送信系統O(b)(送信信号sTX,O1(b)(n)、つまり、レイヤ信号s(n)に対応する)のダイバシチ効果が最も小さいため、Q(b)=|C|/K(b)とする。K(b)は調整ファクターとして導入している。K(b)=1の場合は、コンスタレーション上の全ての信号点を候補信号点となる。
第2番目に候補信号点の選定が実施される送信系統O(b)(送信信号sTX,O2(b)(n)、つまり、レイヤ信号sT−1(n)に対応する)のダイバシチ効果が2番目に小さいため、Q(b)=|C|/K(b)とする。ここで、2番目に候補信号点の選定が実施される送信系統は第1番目よりも高いダイバシチ効果を有する特徴を利用して、備える最大候補数を意図的に削減し、つまり、K(b)をK(b)より大きな値に設定する。このようにして、第d(b)番目に候補信号点の選定が実施する送信系統Od(b)(b)(送信信号sTX,O{d(b)}(b)(n)、つまり、レイヤ信号sT−d(b)+1(n)に対応する。なお便宜上、O{d(b)}(b)=Od(b)(b)とする)の最大候補数をQd(b)(b)=|C|/Kd(b)(b)と設定して、先に候補信号点の選定が実施されるd(b)個の送信系統における最大候補数を決定する。
次に、残りのT−d(b)個の送信系統(送信信号[sTX,O{d(b)+1}(b)(n)・・・sTX,O{T}(b)(n)]、つまり、レイヤ信号[sT−d(b)(n)・・・s(n)]に対応。なお、便宜上、O{d(b)+1}(b)=Od(b)+1(b)、また、O{T}(b)=O(b)として記載している。)については、受信ダイバシチ効果が非常に大きいため、Qd(b)+1(b)、Qd(b)+2(b)、・・・Q(b)を小さく(例えば1あるいは2)設定しても、十分確からしい候補信号点を選定できる。
一例として、4送信系統4受信系統の空間多重システムにおいてQPSKコンスタレーションを用いた場合では、d(b)=1、Q(b)=|C|=4、Q(b)=Q(b)=Q(b)=1と設定しても、本発明はMLD方式と同等な誤り率特性が実現できる。この場合、MLD方式では|C|=4=256個の尤度メトリックを計算しなければならないが、本発明ではわずか4個の尤度メトリックを計算すれば良い。
最大候補数Q(b)、Q(b)、・・・、Q(b)の決定は、受信機装置が信号検出処理を行うときに実施する必要がなく、予めに数値解析により無線システムが許容する複雑さと要求する誤り率特性の両方を満足できるようなQ(b)、Q(b)、・・・、Q(b)を特定し、データベース化すれば、受信機装置は信号検出処理を行う最中にQ(b)、Q(b)、・・・、Q(b)を決定する必要がなくなる。
次に、候補信号点の選定を実施する。具体的には、レイヤ信号s(n)(送信信号sTX,O{T−i+1}(b)(n)に対応する。なお便宜上、OT−i+1(b)=O{T−i+1}(b)として記載している)について、基準信号s (n)を円心とし、ある適切な値を半径とする円を選定範囲とする。なお、コンスタレーション信号点による参照テーブルを用いれば、この円の内部に入る信号点のみを候補信号点と見なすことができる。円の半径R(n)は以下のように設定する。
Figure 2009016887
Figure 2009016887
ここで、εの値を小さくすれば、R(n;ε)が大きくなり、円に入る信号点の数が増え、処理量が大きくなるが、誤り率特性が良くなる。逆に、εの値を大きくすれば、R(n;ε)が小さく大きくなり、円に入る信号点の数が減り、処理量が小さくなるが、誤り率特性が悪くなる。具体的に、εの設定については実システムで要求される誤り率特性と所要演算量の両立を図りながら決定すれば良い。更に、式(47)のようにRi,max(n)を半径の上限として設定する。Ri,max(n)の決定については、最多QT−i+1(b)(送信系統OT−i+1(b)、つまり、レイヤiにおける最大候補数)個のコンスタレーション信号点が円に入るように設定する。
雑音情報σ(n)を使わない場合では、雑音標準分散σ(n)を無限大(つまりσ(n)=∞)と見なせば、式(46)と式(47)は次の式(48)のようになる。
Figure 2009016887
つまり、候補信号点選定に使う円の半径は常にRi,max(n)に設定する。
図4はQPSKの場合の候補信号点選定例を示す図である。
図4は、レイヤ系列のi番目レイヤ信号における候補信号点選定の一例である。1つの基準信号s (n;1)を円心として、円内に入る2つのコンスタレーション信号点をレイヤiにおける候補信号点sCandidate,i(n;1)およびsCandidate,i(n;2)として選定する。
更に、もしレイヤiの最大候補数QT−d+1(b)が1であれば、つまり、1つの候補信号しか取らない場合は、候補信号点選定処理2−2は基準信号s を普通に信号判定を行うことになる。つまり、コンスタレーション上、最も基準信号に近い信号点を候補信号とする。後に候補信号点選定が実施されるT−d(b)個の送信系統(ダイバシチ効果が非常大きい)の最大候補数{Qd(b)+1(b),Qd(b)+2(b),・・・Q(b)}が1と設定しても十分確からしい候補信号点を選定できるため、その場合は普通の信号判定を行う。
(2−3;累積メトリック生成処理)
累積メトリック生成処理2−3は、サブキャリアグループ分け処理1−1で分けた各グループに属する各サブキャリアに対して、候補信号点選定処理2−2で選定された候補信号点に対応する部分レイヤ系列候補の累積メトリックを計算する。ここで、候補信号点を選定した後では、まず、式(43)に従ってそれぞれの候補信号点における増分メトリックΔ(n;1)とΔ(n;2)を算出する。ただし、増分メトリックは既に候補信号点選定処理2−2で算出された場合、重複に増分メトリックを計算する必要はなく、直接、候補信号点選定処理2−2で得られた増分メトリックを適用する。次に、式(43)に従って増分メトリックとレイヤi+1で計算した累積メトリックΔ[T−i](n;1)と足し合わせて、レイヤiにおける累積メトリックΔ[T−i+1](n;1)とΔ[T−i+1](n;2)を算出する。
(2−4;候補除外処理)
候補除外処理2−4では、サブキャリアグループ分け処理1−1で分けた各グループに属する各サブキャリアに対して、累積メトリック生成処理2−3で算出された累積メトリックの中に、ある適切な上限値を超えた累積メトリックとそれに対応する部分レイヤ系列候補を候補から外し、それ以外の累積メトリックとその部分レイヤ系列候補を残す処理を行う。つまり、更なる演算量の削減を実現するため、累積メトリック上限値を設定して、その上限値を超えているレイヤ系列候補に関しては候補から外す。上限値Rの決定については次の式(49)による設定方法が考えられる。
Figure 2009016887
つまり、w(i:T)(n)はサブキャリアnにおける雑音信号w(n)の要素iから要素Tまでの部分雑音信号であり、w(i:T)(n)の2乗ノルムがある一定の確率λ(n)で、上限値上限値R[T−i+1](n)を下回るようにR[T−i+1](n)を設定すればよい。λ(n)が大きければ大きいほど、R[T−i+1](n)も大きくなるため、残るレイヤ系列候補が多くなり、その結果として次のレイヤでの演算量が大きくなる。反対に、λ(n)が小さければ、R[T−i+1](n)も小さくなるため、残るレイヤ系列候補が少なくなり、その結果として次のレイヤでの演算量が小さくなる。具体的に、λ(n)、つまりR[T−i+1](n)の設定については実システムで要求される誤り率特性と所要演算量の両立を図りながら決定すれば良い。ただし、累積メトリック上限値を設定しない場合では、候補除外処理2−4を省いて、基準信号生成処理2−1、候補信号点選定処理2−2、累積メトリック生成処理2−3のみを実施すれば良い。そして、基準信号生成処理2−1、候補信号点選定処理2−2、累積メトリック生成処理2−3、候補除外処理2−4の各処理は、あるレイヤで実施した後に、次のレイヤへ進んで、そのレイヤについて実施する。このように、全てのレイヤについて基準信号生成処理2−1、候補信号点選定処理2−2、累積メトリック生成処理2−3、候補除外処理2−4の各処理を繰り返して行う。
(3;最尤推定処理)
最尤推定処理3においては、サブキャリアグループ分け処理1−1で分けた各グループに属する各サブキャリアに対して、レイヤ系列候補絞込み処理2で絞り込んだレイヤ系列候補の中に最も対応する尤度メトリックが小さいものをそのサブキャリアにおける暫定推定結果とし、更に、候補信号点選定の実施順番決定処理1−2で決定した各送信系統における候補信号点選定の実施順番に基づいて、本来送信された空間順番に並び直して、最終推定結果とする。レイヤ系列候補絞込み処理2でレイヤ信号系列候補を選定した後、
Figure 2009016887
Figure 2009016887
のようにサブキャリアnにおけるT次部分レイヤ系列候補をレイヤ系列候補とし、T次累積メトリックを尤度メトリックとして、次のような最尤推定を行う。
Figure 2009016887
ここで、P(n)はレイヤ系列候補絞込み処理2の絞込みで得られた全てのレイヤ系列候補の数である。またP(n)個のレイヤ系列候補の中に対応する尤度メトリックが最も小さい(つまり、最も確からしい)ものを暫定推定結果s^(n)とする。更に、候補信号点選定の実施順番決定処理1−2で決定した実施順番{O(b),O(b),・・・,O(b)}(b=1、2、・・・、B)に基づいて、s^(n)の要素を本来の送信されたアンテナ順番に並び直して、
Figure 2009016887
により最終的な信号検出結果sTX^(n)とする。
次に上述の各回路による具体的な処理の概要について説明する。
以下の説明において、MIMO−OFDMシステムは、T=4本の送信アンテナと、R=4本の受信アンテナを備えているものとする。また、OFDMのサブキャリアはN−64個とする。また、全てのサブキャリアと送信系統はQPSK変調、つまり、QPSKコンスタレーションを使用していると仮定する。
まず、初期化処理1では、周波数領域チャネルに基づくサブキャリアグループ化する処理1−1−aにより、チャネルコンディションやハードウェアの規模などによって64個あるサブキャリアをB=4個のグループに分け、各グループのサブキャリアの数をN=22、N=12、N=16、N=14と設定する。更に、各グループにおける代表チャネル行列H(1)、H(2)、H(3)、H(4)を生成する。次に、候補信号点選定の実施順番決定処理1−2において、完全順次一時候補信号点選定の実施順番決定処理(1−2−a)により、各グループの代表チャネル行列に基づいて、グループb=1、2、3、4の各送信系統における候補信号点選定の実施順番を
O(1)={O(1)=3,O(1)=1,O(1)=2,O(1)=4}
O(2)={O(2)=4,O(2)=3,O(2)=1,O(2)=2}
O(3)={O(3)=1,O(3)=3,O(3)=2,O(3)=4}
O(4)={O(4)=2,O(4)=1,O(4)=3,O(4)=4}
と決定する。
次に、QR分解及び線形フィルタリング処理1−3において、各グループにおける候補信号点選定の実施順番O(1),O(2),O(3),O(4)に従って、各グループの各サブキャリアにおける周波数チャネル行列H(n),H(n),H(n),H(n)の列ベクトルを並び替えたチャネル行列H(n),H(n),H(n),H(n)を生成する。更に、チャネル行列H(n),H(n),H(n),H(n)をQR分解して準ユニタリー行列Q(n),Q(n),Q(n),Q(n)と三角行列U(n),U(n),U(n),U(n)を生成する。更に、準ユニタリー行列Q(n),Q(n),Q(n),Q(n)の共役複素転置を用いて、対応する受信系列x(n),x(n),x(n),x(n)に対して線形フィルタリングをし、各グループの各サブキャリアにおける変換受信系列y(n),y(n),y(n),y(n)を生成する。
次に、レイヤ系列候補絞込み処理2では、各グループの各サブキャリアに対して基準信号生成処理2−1、候補信号点選定処理2−2、累積メトリック生成処理2−3、候補除外処理2−4を順番に4つのレイヤ信号(送信系統数T=4)に適用していく。
図12はT=R=4の場合におけるレイヤ系列候補絞込みの例を示す図である。
以下では、グループb=2のn番目のサブキャリアにおいて、図12のツリー構造を用いて詳細に説明する。ここでは、d(2)=2、Q(2)=4、Q(2)=3、Q(2)=1、Q(2)=1、R[1](n)=R[2](n)=R[3](n)=R[4](n)=10とする。つまり、受信品質の悪くてダイバシチ効果の低いレイヤ4と3には最多4つと3つのコンスタレーション信号点を備え、受信品質の良くてダイバシチ効果の高いレイヤ2と1には1つだけのコンスタレーション信号点を備える。
図12で示すように、まずは、最初にレイヤ4において、基準信号生成処理2−1では、レイヤ4における基準信号S (n;1)を算出する。次に、候補信号点選定処理2−2では、基準信号S (n;1)における4つの候補信号点S(n;1),S(n;2),S(n;3),S(n;4)を選定する。次に、累積メトリック生成処理2−3では、候補信号点選定処理2−2で選定した候補信号点に対応するレイヤ4までの部分レイヤ系列候補の累積メトリックΛ[1](n;1),Λ[1](n;2),Λ[1](n;3),Λ[1](n;4)を算出する。次に、候補除外処理2−4では、累積メトリック生成処理2−3で得られた累積メトリックを上限値R[1](n)=10に比較して、R[1](n)より小さい累積メトリックと対応する部分レイヤ系列以外を除外する。ここで、全ての部分レイヤ系列候補が残る。
次に、処理はレイヤ3へ移り、まず、基準信号生成処理2−1によって4つの基準信号S (n;1),S (n;2),S (n;3),S (n;4)を生成する。次に、候補信号点選定処理2−2では、基準信号S (n;1),S (n;2),S (n;3),S (n;4)のぞれぞれにおける2つ、2つ、1つ、3つの候補信号点S(n;1),S(n;2),S(n;3),S(n;4),S(n;5),S(n;6),S(n;7),S(n;8)を選定する。次に、累積メトリック生成処理2−3では、候補信号点選定処理2−2で選定した候補信号点に対応するレイヤ3までの部分レイヤ系列候補の累積メトリックΛ[2](n;1),Λ[2](n;2),Λ[2](n;3),Λ[2](n;4),Λ[2](n;5),Λ[2](n;6),Λ[2](n;7),Λ[2](n;8)を算出する。次に、候補除外処理2−4では、累積メトリック生成処理2−3で得られた累積メトリックを上限値R[2](n)=10に比較して、R[2](n)より小さい累積メトリックと対応する部分レイヤ系列以外を除外する。ここで、3つの部分レイヤ系列候補と対応する累積メトリックが候補から外される。
次に、処理はレイヤ2へ移り、まず、基準信号生成処理2−1によって5つの基準信号S (n;1),S (n;2),S (n;3),S (n;4),S (n;5)を生成する。次に、候補信号点選定処理2−2では、基準信号S (n;1),S (n;2),S (n;3),S (n;4),S (n;5)のぞれぞれにおける1つの候補信号点S(n;1),S(n;2),S(n;3),S(n;4),S(n;5)を選定する。次に、累積メトリック生成処理2−3では、候補信号点選定処理2−2で選定した候補信号点に対応するレイヤ2までの部分レイヤ系列候補の累積メトリックΛ[3](n;1),Λ[3](n;2),Λ[3](n;3),Λ[3](n;4),Λ[3](n;5)を算出する。次に、候補除外処理2−4では、累積メトリック生成処理2−3で得られた累積メトリックを上限値R[3](n)=10に比較して、R[3](n)より小さい累積メトリックと対応する部分レイヤ系列以外を除外する。ここで、1つの部分レイヤ系列候補と対応する累積メトリックが候補から外される。
次に、処理はレイヤ1へ移り、基準信号生成処理2−1によって4つの基準信号S (n;1),S (n;2),S (n;3),S (n;4)を生成する。次に、候補信号点選定処理2−2では、基準信号S (n;1),S (n;2),S (n;3),S (n;4)のぞれぞれにおける1つの候補信号点S(n;1),S(n;2),S(n;3),S(n;4)を選定する。次に、累積メトリック生成処理2−3では、候補信号点選定処理2−2で選定した候補信号点に対応するレイヤ1までの完全レイヤ系列候補の尤度メトリックΛ[4](n;1),Λ[4](n;2),Λ[4](n;3),Λ[4](n;4)を算出する。次に、候補除外処理2−4では、累積メトリック生成処理2−3で得られた尤度メトリックを上限値R[4](n)=10に比較して、R[4](n)より小さい尤度メトリックと対応する完全レイヤ系列以外を除外する。ここで、全ての完全レイヤ系列候補が残る。以上の各レイヤにおける処理を終え、全部で4つのレイヤ系列候補と対応する尤度メトリックが得られる。
最後に、最尤推定処理3では、4つの候補の中に尤度メトリックの最も小さい2番目のレイヤ系列候補を暫定推定結果とする。更に、候補信号点選定の実施順番決定処理1−2で決定した候補信号点選定の実施順番O(2)={O(2)=4,O(2)=3,O(2)=1,O(2)=2}に基づいて、レイヤ系列の信号を本来の送信されたアンテナ順番に並び直して最終信号検出結果とする。なお、周波数領域チャネルに基づくサブキャリアグループ化する処理1−1−aの代わりに、時間領域チャネルに基づくサブキャリアグループ化の処理1−1−bを用いても良く、また、完全順次一時候補信号点選定の実施順番決定処理1−2−aの代わりに、部分順次―候補信号点選定の実施順番決定処理1−2−b、逆完全順次―候補信号点選定の実施順番決定処理1−2−c、逆部分順次―候補信号点選定の実施順番決定処理1−2−d、完全並列―候補信号点選定の実施順番決定処理1−2−e、部分並列―候補信号点選定の実施順番決定処理1−2−f、組合せ―候補信号点選定の実施順番決定処理1−2−gなどの他の候補信号点選定の実施順番決定処理を用いても良い。
C.第1実施形態
次に、本発明の第1実施形態について説明する。
C−1.第1実施形態の構成
図5は空間多重信号検出器の機能ブロック図である。
図6は初期化処理回路の機能ブロック図である。
図7はレイヤ系列候補絞込み回路の機能ブロック図である。
まず、図5が示すように、空間多重信号機検出器は、初期化処理回路11、レイヤ系列候補絞込み回路12、最尤推定回路13、及び記憶部14を備えている。そして初期化処理回路11、レイヤ系列候補絞込み回路12、最尤推定回路13においては、上記説明した初期化処理、レイヤ系列絞込み処理、最尤推定処理が行われる。なお、各回路は、それぞれの信号処理を実現するための演算素子を有しており、各回路は記憶部14に記憶されているデータを用いて、各信号処理の演算を行う。
また図6で示すように、初期化処理回路11は、サブキャリアグループ分け回路111、候補信号点選定の実施順番決定回路112、QR分解及び線形フィルタリング回路113を備えている。そしてサブキャリアグループ分け回路111では上記サブキャリアグループ分け処理1−1の演算を行い、候補信号点選定の実施順番決定回路112では上記候補信号点選定の実施順番決定処理1−2の演算を行い、QR分解及び線形フィルタリング回路113では上記QR分解及び線形フィルタリング処理1−3の演算を行う。
また図7で示すように、レイヤ系列絞込み回路12は、反復制御回路120、基準信号生成回路121、候補信号点選定回路122、累積メトリック生成回路123、候補除外回路124、を備える。そして、反復制御回路120では全てのレイヤについて基準信号生成処理2−1、候補信号点選定処理2−2、累積メトリック生成処理2−3、候補除外処理2−4の各処理を繰り返して行うための制御を行う。また基準信号生成回路121では上述の基準信号生成処理2−1の演算を行い、候補信号点選定回路122では上述の候補信号点選定処理2−2の演算を行い、累積メトリック生成回路123では上述の累積メトリック生成処理2−3の演算を行い、候補除外回路124では上述の候補除外処理2−4の演算を行う。
C−2.第1実施形態の動作
次に、第1実施形態の動作について説明する。
図8は空間多重信号検出器の処理フローを示す図である。
図9は初期化処理回路の処理フローを示す図である。
図10はレイヤ信号系列絞込み回路の処理フローを示す図である。
図11は最尤推定回路の処理フローを示す図である。
まず図8で示すように、空間多重信号検出器30では、初期化処理回路11による初期化処理を行い(ステップS1)、次にレイヤ系列候補絞込み回路12によるレイヤ系列候補絞込み処理を行い(ステップS2)、次に最尤推定回路13による最尤推定処理を行う(ステップS3)。
また図9より、初期化処理回路11の初期化処理S1において、まず、サブキャリアグループ分け処理として、全てのサブキャリアに対して、入力された各サブキャリアのチャネル行列とグループの数と各グループのサブキャリアの数に基づいて、サブキャリアのグループ分けを行い、代表チャネル行列を生成する(ステップS101)。処理結果として各グループの代表チャネル行列を出力する。次に、初期化処理回路11は、候補信号点選定の実施順番決定処理として、各グループに対して、入力された代表チャネル行列に基づいて、各送信系統における候補信号点選定の実施順番を決定する(ステップS102)。そして、結果として実施順番を出力する。また、初期化処理回路11は、QR分解及び線形フィルタリング処理として、各グループに属する各サブキャリアに対して、入力されたチャネル行列と実施順番に基づいて、実施順番を反映されたチャネル行列をQR分解し、更に、準ユニタリー行列Qの複素共役転置によって受信系列を線形フィルタリングする(ステップS103)。結果として変換受信系列と三角行列を出力する。
次に図10より、レイヤ系列候補絞込み回路12は、レイヤ系列候補絞込み処理ステップS2において、まず、反復制御回路120が反復制御処理として、各グループに属する各サブキャリアに対して、基準信号生成処理、候補信号点選定処理、累積メトリック生成処理、候補除外処理が、全てのレイヤについて処理が終わったかどうかを判定する(ステップS201)。そして、全てのレイヤが処理された場合では、結果としてレイヤ系列候補と対応する尤度メトリックを出力し、最尤推定処理へ進み、そうでなければ残った未処理のレイヤについて以下の処理を行う。
次に、基準信号生成回路121が、基準信号生成処理として、各グループに属する各サブキャリアに対して、入力された変換受信系列と三角行列と候補信号点選定が実施したレイヤの候補信号点に基づいて、基準信号を生成する(ステップS202)。そして、結果として基準信号を出力する。また次に、候補信号点選定回路122が、候補信号点選定処理として、各グループに属する各サブキャリアに対して、入力された基準信号と既定の円半径を基準に、候補信号点の選定をおこなう(ステップS203)。結果として、選定された候補信号点を出力する。また次に、累積メトリック生成回路123が、累積メトリック生成処理として、各グループに属する各サブキャリアに対して、入力された候補信号点に基づいて、対応する累積メトリックを算出する(ステップS204)。結果として累積メトリックを出力する。また、候補除外回路124が、候補除外処理として、各グループに属する各サブキャリアに対して、入力された累積メトリックと既定の上限値に基づいて、上限値を下回る累積メトリックと対応する部分レイヤ系列候補を残すと決定する(ステップS205)。そして、結果として残った累積メトリックと対応する部分レイヤ系列候補を出力する。
そして図11より、レイヤ系列候補絞込み処理で全てのレイヤの処理が終われば、最尤推定処理へ進む。そして、最尤推定回路13が、最尤推定処理として、各グループに属する各サブキャリアに対して、入力された全てのレイヤ系列候補と対応する尤度メトリックに基づいて、最尤推定を行い(ステップS301)、最も小さい尤度メトリックを有するレイヤ系列候補を暫定推定結果とする。更に、候補信号点選定の実施順番決定処理S102で決定した各送信系統における候補信号点選定の実施順番に基づいて、暫定推定結果を本来の送信されたアンテナ順番に並び直して、最終信号検出結果として出力する。なお、サブキャリアグループ分け処理と、候補信号点選定の実施順番決定処理については、上述の基本原理で説明したように、それぞれ2通り、および7通りの処理手法があり、それらを組み合わせることが可能である。
なお、上記のサブキャリアグループ分け処理S101と、候補信号点選定の実施順番決定処理S102と、QR分解及び線形フィルタリング処理S103は、MIMO−OFDMシステムにおける複素送受信関係式XFD(n)=HFD(n)sTX(n)+wTX(n)・・・(n=1,2,・・・,N)に適用したが、以下のような拡張複素送受信関係に対しても適用可能である。以下では表記の簡単化のため、下付き文字FDを省略する。
Figure 2009016887
ここで、x(n)、H(n)、w TX(n)は次のように定義する。
Figure 2009016887
Figure 2009016887
Figure 2009016887
ここで、H(n)、x(n)、w TX(n)はそれぞれ拡張チャネル行列、拡張受信系列及び拡張周波数領域雑音である。そしてパラメータaを設定することによって色々な信号処理基準に適用することが可能である。例えば、a=0の場合はzero forcing(ZF)基準になるし、a=σ (n)/σ (n)の場合にはminimum mean square error(MMSE)基準となる。また、aをチャネルのコンディションに応じて設定し、数値計算の安定性を向上させることもできる。
また、上記のサブキャリアグループ分け処理S101と、候補信号点選定の実施順番決定処理S102と、QR分解及び線形フィルタリング処理S103は、以下のようなMIMO−OFDMシステムにおける実数送受信関係に対しても適用可能である。
Figure 2009016887
ここで、x(n)、H(n)、sTX,R(n)、wTX,R(n)を次のように定義する。
Figure 2009016887
Figure 2009016887
Figure 2009016887
Figure 2009016887
ここで、Re{}は行列あるいはベクトルの実部、Im{}は行列あるいはベクトルの虚部を意味する。H(n)、x(n)、sTX,R(n)、wTX,R(n)はそれぞれ実数チャネル行列、実数受信系列、実数送信系列及び実数周波数領域雑音である。更に、複素コンスタレーションCも次のように実数コンスタレーションに変換する。
Figure 2009016887
ここで、CとCはそれぞれ複素コンスタレーションCの実数軸と虚数軸に対応する実数部コンスタレーションと虚数部コンスタレーションである。実数送信系列sTX,R(n)の最初のT個の信号はCから生成し、残りのT個の信号はCから生成する。
また、上記のサブキャリアグループ分け処理S101と、候補信号点選定の実施順番決定処理S102と、QR分解及び線形フィルタリング処理S103は、以下のようなMIMO−OFDMシステムにおける拡張実数送受信関係に対しても適用可能である。
Figure 2009016887
ここで、x (n)、H (n)、sTX,R(n)、w TX,R(n)を次のように定義する。
Figure 2009016887
Figure 2009016887
Figure 2009016887
Figure 2009016887
ここで、H (n)、x (n)、sTX,R(n)、w TX,R(n)はそれぞれ拡張実数チャネル行列、拡張実数受信系列、実数送信系列及び拡張実数周波数領域雑音である。更に、複素コンスタレーションCを式(63)で示すように、実数コンスタレーションCとCに変換する。
また、上記のサブキャリアグループ分け処理S101と、候補信号点選定の実施順番決定処理S102と、QR分解及び線形フィルタリング処理S103は、MIMO−OFDMシステムにおける複素送受信関係、拡張送受信関係、実数送受信関係、拡張実数送受信関係に適用した場合では、複素チャネル行列H(n)、拡張チャネル行列H(n)、実数チャネル行列H(n)、拡張実数チャネル行列H (n)をそのまま使うのではなく、チャネル行列に対して格子基底縮小を施し、チャネル行列の各列ベクトルが近似直交化された基底縮小チャネル行列をサブキャリアグループ分け処理S101と、候補信号点選定の実施順番決定処理S102と、QR分解及び線形フィルタリング処理S103の実施時に用いても良い。更に、基底縮小処理は、チャネル行列の列ベクトルが候補信号点選定の実施順番に従って並び替えられる前と後の両方で、あるいは前か後かの片方で、実施することが可能である。
候補信号点選定の実施順番の決定前においては、
Figure 2009016887
により行う。ここで、HL1(n)とsTX,L1(n)は次のように定義する。
Figure 2009016887
Figure 2009016887
ここで、T(n)が候補信号点選定の実施順番の決定前の基底縮小変換行列である。また、候補信号点選定の実施順番の決定後においては、
Figure 2009016887
により行う。ここで、HL2(n)とsL2(n)は次のように定義する。
Figure 2009016887
Figure 2009016887
ここで、T(n)が候補信号点選定の実施順番の決定後の基底縮小変換行列である。基底縮小変換行列T(n)とT(n)を決定する方法としては、Lenstra-Lenstra-Lovasz縮小法、Korkine-Zolotareff縮小法、Block Korkine-Zolotareff縮小法、Gaussian縮小法とMinkowski縮小法などの方法がある。
また、上述のQR分解及び線形フィルタリング処理S103では、QR分解を用いるが、各送信系統における候補信号点選定の実施順番{O(b),O(b),・・・,O(b)}を反映するQR分解は幾通りものパターンが考えられる。以下表記の便宜上、グループbのサブキャリアnを示すインデックスを省略する。ここで、行列のQR分解は、あるR行T列のチャネル行列HをR行T列の準ユニタリー行列Q、とT行T列の上三角行列Uに分解すること、あるいはR行T列のチャネル行列HをR行R列の準ユニタリー行列Q、と上三角行列Uを含むR行T列の行列Uに分解することができる。それを数式で表すと、
Figure 2009016887
あるいは、
Figure 2009016887
のように表すことができる。ここで、候補信号点選定の実施順番{O(b),O(b),・・・,O(b)}は以下のように並び替え行列P(b)で表すことができる。
Figure 2009016887
またUは次のようになる。
Figure 2009016887
また、
Figure 2009016887
つまり、0はn行T列のゼロ行列であり、0はm行T列のゼロ行列である。更に、次の条件(n,m=0,1,・・・,R−T∧n+m=R−T)が成り立つ。Uに含まれるUは以下のような上三角行列である。
Figure 2009016887
また、行列のQR分解は、あるR行T列のチャネル行列HをR行T列の準ユニタリー行列Q、とT行T列の下三角行列Lに分解すること、あるいはR行T列のチャネル行列HをR行R列の準ユニタリー行列Q、と下三角行列Lを含むR行T列の行列Lに分解することもできる。それを数式で表すと、
Figure 2009016887
あるいは、
Figure 2009016887
のように表すことができる。ここで、候補信号点選定の実施順番{O(b),O(b),・・・,O(b)}は以下のように並び替え行列P(b)で表すことができる。
Figure 2009016887
なお、下三角行列Lを算出するQR分解と上三角行列Uを算出するQR分解における並び替え行列P(b)の列ベクトルの順番は逆であることに注意されたい。<式(77)と式(83)>。またLは次のようになる。
Figure 2009016887
に含まれるLは以下のような下三角行列である。
Figure 2009016887
下三角行列LにQR分解する場合では、レイヤ系列s(n)と送信系列sTX(n)の信号成分の順番関係は以下のようになる。
Figure 2009016887
つまり、並び替え行列P(b)を式(83)のように定義された場合では、レイヤ系列s(n)の信号成分を{i=1,2,・・・,T}の順番で処理することは送信系列sTX(n)の信号成分を{O(b);t=T−i+1=1,2,・・・,T}の順番で処理することになる。従って、下三角行列LにQR分解する場合では、基準信号生成処理2−1、候補信号点選定処理2−2、累積メトリック生成処理2−3、候補除外処理2−4の各処理を実施するレイヤ順番は、レイヤTからレイヤ1までではなく、レイヤ1からレイヤTまでの順番で処理を行う。その順番に合せて、基準信号と累積メトリックの生成は次の式になる。
Figure 2009016887
Figure 2009016887
また、候補信号点選定の実施順番決定処理1−2とQR分解及び線形フィルタリング処理1−3のQR分解処理については、別々に処理する他に、同時に処理することも可能である。つまり、まず、順番{O(b),O(b),・・・O(b)}(P(b)と等価である)を決定し、次に、順番に基づいてチャネル行列の列ベクトルを並び替えてから、QR分解するのではなく、順番決定とチャネル行列の並び替えとQR分解を同時に行うことも可能である。
ここで、式(44)、式(45)と異なり、各レイヤ信号における候補信号点の選定はレイヤ信号s(n)からs(n)までの順番で実施する。また、上記の行列におけるQR分解を実現する方法としては、特願2006-086017、特願2006-314369に開示されている方法や、Classical Gram-Schmidt QR分解法、Modified Gram-Schmidt QR分解法、Householder QR分解法、Given QR分解法などがある。
更に、上記のQR分解のパターンはチャネル行列Hを対象に行った形であるが、チャネル行列Hの代わりに、拡張チャネル行列H、実数チャネル行列H、拡張実数チャネル行列H 、基底縮小チャネル行列Hを対象に行っても良い。
なお、上記の説明では、全ての送信系統において同じ変調方式、つまり、コンスタレーションCを使っているが、本発明は各送信系統で異なる変調方式を用いた場合でも同様に適用することができる。また、各送信系統で異なる変調方式を用いた場合では、全体の通信品質を向上させる手法として、チャネル品質の良い送信系統に伝送レートの高い変調方式(コンスタレーションサイズが大きい、例えば、64−QAM)を割り当て、チャネル品質の悪い送信系統には伝送レートの低い変調方式(コンスタレーションサイズが大きい、例えば、QPSK)を割り当てることは良く使われている。
一方、本発明の信号検出方法の特徴としては、まず、受信品質の悪い送信系統における候補信号点選定を実施し、次に、受信品質の良い送信系統における候補信号点選定を行うことである。従って、各送信系統のチャネル品質に応じて異なる変調方式を適用した場合では、本発明を用いることによって、高い確率で、先に、小さいコンスタレーションが適用された送信系統の候補信号点選定を実施し、後に、大きいコンスタレーションが適用された送信系統の候補信号点選定を行うことになる。その場合、レイヤ系列候補絞込み処理において、演算量を大きく左右する最初のd(b)個の処理ステップでは、コンスタレーションサイズが小さい送信系統の候補信号点選定を実施するため、計算する候補信号点の数が少なくて済む。
そして、残りのT−d(b)個の処理ステップにおいては、候補信号点選定が行う送信系統のコンスタレーションサイズは大きいが、候補信号点選定の実施順番決定処理1−2を適用することにより、残りのT−d(b)個の送信系統には高いダイバシチ効果が生じるため、コンスタレーションサイズが大きくても少ない信号点で確からしい候補信号点を選定できる。従って、本発明は、各送信系統のチャネル品質に応じて異なる変調方式を適用した場合でも、優れた誤り率を達成しながら、非常に高い演算量削減効果が得られる。
また上記の実施形態では、QPSKやQAM変調方式を例として挙げたが、他のあらゆる同期検波が可能な変調方式、つまり、コンスタレーションに対して、本技術を適用できる。例えば、多値PSK変調方式や多値ASK変調方式などが考えられる。
また、受信機装置20側で反復復調復号構成(例えば、TurboあるいはLDPC反復復調復号構成などが考えられる)を用いる場合では、信号検出器とチャネル復号器の間に反復的に情報を交換する必要がある。それに応じて、初期化処理1、レイヤ系列候補絞込み処理2、最尤推定処理3を用いて複数個のレイヤ系列候補の中に対応する尤度メトリックが最も小さい複数個の系列を推定結果とし、軟判定ビット情報を生成して、復号器へ渡し、反復復調復号処理を行う。具体的に、幾つの送信信号系列候補に限定するかは、許容受信器の複雑さと所要誤り率特性との両立を図りながら決定すれば良い。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上述の処理によれば、MIMOシステムにおける空間多重信号に対する従来のMLD信号検出方式が抱える所要演算量と回路規模が大きい、所要記憶容量が大きい、小型化・軽量化が困難、消費電力が大きい、大量生産に適さないなどの課題を、初期化処理、レイヤ系列候補絞込み処理、最尤推定処理を組み合わせることによって解決した。そして、従来方式との一番の違いは、従来技術では全ての送信信号系列候補及びそれらのメトリックを計算するのに比べ、本発明では従来MLD方式の誤り率特性を維持しながら、サブキャリアグループ分け処理1−1、候補信号点選定の実施順番決定処理1−2、候補信号点選定処理2−2、候補除外処理2−4を行ったこと、および、サブキャリアグループ分け処理1−1から最尤推定処理までの全ての処理を効率的に繋いで演算することにより、計算する送信系列候補及びそれらの尤度メトリックの数を大幅に削減しながら、MLD方式の誤り率特性を維持できることである。
つまり、本発明によれば、従来のMLD方式の優れた誤り率特性を維持しながら、従来のMLD方式をMIMO−OFDMシステムに適用した場合の以下の課題が解決可能である。
まず、計算する送信系列候補及びそれらのメトリックの数は、送信信号数及びコンスタレーションサイズにほぼ線形比例するので、所要演算量が大幅に削減できる。また、記憶する送信系列候補及びそれらのメトリックの数が大幅に削減できるため、それらを記憶するための記憶容量を小さくすることができる。また所要演算量及び所要記憶容量が小さくなるため、それに伴い従来MLD方式比べ、実装における所要回路規模を小さくすることができる。また、所要消費電力は所要回路規模やその動作クロック周波数などに比例するので、所要回路規模が演算量及び記憶容量の削減によって小さくなるため、結果として所要消費電力を小さくすることができる。さらに、所要回路規模及び所要消費電力を小さくすることによって、本発明を実装した装置の小型化・軽量化が可能になり、無線送受信機、特に無線携帯端末においては小型化・軽量化を行うことができる。そして、以上の効果により、ハードウェア並びにソフトウェアでの経済的な実装が可能である。従って、本方式のMIMOシステムを備えた無線装置における製造コストが安くなり、大量生産に適することが可能となる。
なお上述の処理を行う装置が内部に、コンピュータシステムを有し、そして、上述した処理の過程を、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶し、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理を行うようにしてもよい。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
MIMO−OFDMシステムの構成を示すブロック図である。 サブキャリアのグループ化の概要を示す図である。 各候補信号点選定の実施順番における送信系統番号の決定概要を示す図である。 QPSKの場合の候補信号点選定例を示す図である。 空間多重信号検出器の機能ブロック図である。 初期化処理回路の機能ブロック図である。 レイヤ系列候補絞込み回路の機能ブロック図である。 空間多重信号検出器の処理フローを示す図である。 初期化処理回路の処理フローを示す図である。 レイヤ信号系列絞込み回路の処理フローを示す図である。 最尤推定回路の処理フローを示す図である。 T=R=4の場合におけるレイヤ系列候補絞込みの例を示す図である。
符号の説明
10・・・送信機装置
20・・・受信機装置
30・・・空間多重信号検出器(信号検出装置)
11・・・初期化処理回路
12・・・レイヤ系列候補絞込み回路
13・・・最尤推定回路
14・・・記憶部
111・・・サブキャリアグループ分け回路
112・・・候補信号点選定の実施順番決定回路
113・・・QR分解及び線形フィルタリング回路
120・・・反復制御回路
121・・・基準信号生成回路
122・・・候補信号点選定回路
123・・・累積メトリック生成回路
124・・・候補除外回路

Claims (17)

  1. MIMO−OFDMシステムのサブキャリアのグループ分けを行い、各グループの代表チャネル行列を生成するサブキャリアグループ分け手段と、
    前記各グループの代表チャネル行列を用いて、前記各グループの各送信系統における候補信号点選定の実施順番を決定する候補信号点選定順番決定手段と、
    前記各グループに属する各サブキャリアに対して、チャネル行列をQR分解し、対応する受信系列を線形フィルタリングして、変換受信系列を生成するQR分解及び線形フィルタリング処理手段と、
    前記各グループに属する各サブキャリアに対して、空間順番が並び替えられた送信系列の候補の絞り込みを行う送信系列候補絞込み手段と、
    前記各グループに属する各サブキャリアに対して、前記送信系列の候補の絞り込みを行った結果、その候補の中の最も尤度メトリックが小さい候補を暫定推定結果とし、前記候補信号点選定の実施順番に基づいて、本来送信された空間順番に並び直して、最終推定結果を出力する最尤推定手段と、を備え、
    前記送信系列候補絞込み手段においては、
    前記各グループに属する各サブキャリアに対して、候補信号点選定が実施していないあるレイヤにおける基準信号を生成する基準信号生成手段と、
    前記基準信号と各送信系統が有するダイバシチ効果に合せて設定した候補信号点の数に基づいて、現在のレイヤにおける候補信号点の選定を行う候補信号点選定手段と、
    前記各グループに属する各サブキャリアに対して、前記選定された候補信号点に対応する部分レイヤ系列候補の累積メトリックを算出する累積メトリック算出手段と、
    前記各グループに属する各サブキャリアに対して、前記算出した累積メトリックのうち、上限値を超えた累積メトリックとそれに対応する部分レイヤ系列候補を候補から外して、送信系列の候補の絞り込みを行う候補除外手段と、
    の各手段の処理を繰り返す
    ことを特徴とする信号検出装置。
  2. 前記サブキャリアグループ分け手段は、周波数領域チャネルまたは時間領域チャネルのいずれかに基づいて、サブキャリアのグループ分けを行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の信号検出装置。
  3. 前記候補信号点選定順番決定手段は、
    前記各グループの代表チャネル行列に基づいて、受信品質の悪い送信系統から候補信号点選定を行い、その後、残りの受信品質の良い送信系統から候補信号点選定を行う、各送信系統における候補信号点選定の実施順番を決定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の信号検出装置。
  4. 前記候補信号点選定手段は、
    各送信系統における前記候補信号点選定の実施順番に対して、選定する候補信号点の数の上限を設定し、
    先に候補信号点選定が実施されるダイバシチ効果の小さい送信系統には大きな最大候補数を設定し、後に候補信号点選定が実施されるダイバシチ効果の大きい送信系統には小さな最大候補数を設定し、
    レイヤ信号について、基準信号を円心としたある半径の円の選定範囲において、当該円の内部に入るコンスタレーション信号点を候補信号点と選定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の信号検出装置。
  5. 前記候補除外手段は、
    雑音信号の2乗ノルムがある一定の確率で、上限値を下回るように前記累積メトリックの上限値を設定し、当該上限値を超えた累積メトリックとそれに対応する部分レイヤ系列候補を候補から外す
    ことを特徴とする請求項1に記載の信号検出装置。
  6. 前記MIMO−OFDMの信号が持つN個のサブキャリアをB個の各グループに分けるとともに、前記グループのうちb番目のグループに属する各サブキャリアの番号をn=1,2,・・・,Nとする場合に、前記各グループのうちb番目グループについての1つの代表チャネル行列HFD(b)を、そのグループに含まれる一部あるいは全部のサブキャリアに対応する周波数領域チャネル行列を足し合わせて生成する
    ことを特徴とする請求項2に記載の信号検出装置。
  7. 全てのサブキャリアを1つのグループとし、当該グループにおける代表チャネル行列HFD(1)を、当該1つのグループに含まれる一部あるいは全部の遅延波に対応する時間領域チャネル行列を足し合わせて生成する
    ことを特徴とする請求項2に記載の信号検出装置。
  8. 前記候補信号点選定順番決定手段は、
    T個のステップを用いて、T個の送信系統のそれぞれについての候補信号点選定の順番を決定する際に、最初のd(b)個のステップにおいては、受信品質の最も悪い送信系統をk(k=1から昇順でd(b)まで)番目に候補信号点選定し、次に、残りのT-d(b)個のステップでは、受信品質の最も良い送信系統をk(k=d(b)+1から昇順でTまで)番目に候補信号点選定するように、各送信系統における候補信号点選定の実施順番を決定することを特徴とする請求項3に記載の信号検出装置。
  9. 前記候補信号点選定順番決定手段は、
    d(b)個のステップを用いて、T個の送信系統のそれぞれについての候補信号点選定の順番を決定する際に、まず、d個のステップでは、受信品質の最も悪い送信系統をk(k=1から昇順でd(b)まで)番目に候補信号点選定し、また、d(b)+1番目からT番目までに候補信号点選定が実施される送信系統の決定は行わず、残りのT−d(b)個の送信系統に対してd(b)+1番目からT番目までの内の任意の順番で候補信号点選定するように、各送信系統における候補信号点選定の実施順番を決定することを特徴とする請求項3に記載の信号検出装置。
  10. 前記候補信号点選定順番決定手段は、
    T個のステップを用いて、T個の送信系統のそれぞれについての候補信号点選定の順番を決定する際に、まず、最初のT(b)−d個のステップでは受信品質のd(b)+1番目に悪い送信系統をk(k=Tから降順でd(b)+1まで)番目に候補信号点選定し、次に、残りのd(b)個のステップでは、受信品質の最も良い送信系統がk(k=d(b)から降順で1まで)番目に候補信号点選定するように、各送信系統における候補信号点選定の実施順番を決定することを特徴とする請求項3に記載の信号検出装置。
  11. 前記候補信号点選定順番決定手段は、
    d(b)個のステップを用いて、T個の送信系統のそれぞれについての候補信号点選定の順番を決定する際に、まず、d(b)個のステップでは、受信品質のT−d(b)+1番目に良い送信系統をk(k=d(b)から降順で1まで)番目に候補信号点選定し、また、d(b)+1番目からT番目までに候補信号点選定が実施される送信系統についての決定は行わず、残りのT−d(b)個の送信系統に対してはd(b)+1番目からT番目までの内の任意の順番で候補信号点選定を実施するように、各送信系統における候補信号点選定の実施順番を決定することを特徴とする請求項3に記載の信号検出装置。
  12. 前記候補信号点選定順番決定手段は、
    1個のステップを用いて、T個の送信系統のそれぞれについての候補信号点選定の順番を決定する際に、完全チャネル行列の各送信系統に対応する各順番メトリックを昇順に並べ、d(b)個の最も受信品質の悪い送信系統に対しては、受信品質の悪い順に、k(k=1から昇順でd(b)まで)番目に候補信号点選定し、残りのT−d(b)個の送信系統に対しては、受信品質の良い順に、k(k=d(b)+1から昇順でTまで)番目に候補信号点選定するように、各送信系統における候補信号点選定の実施順番を決定することを特徴とする請求項3に記載の信号検出装置。
  13. 前記候補信号点選定順番決定手段は、
    1個のステップを用いて、T個の送信系統のそれぞれについての候補信号点選定の順番を決定する際に、完全チャネル行列の各送信系統に対応する各順番メトリックを昇順に並べ、d(b)個の最も受信品質の悪い送信系統に対しては、受信品質の悪い順に、k(k=1から昇順でd(b)まで)番目に候補信号点選定し、また、d(b)+1番目からT番目までに候補信号点選定が実施される送信系統の決定は行わず、残りのT−d(b)個の送信系統に対しては、d(b)+1番目からT番目までの内の任意の順番で候補信号点選定するように、各送信系統における候補信号点選定の実施順番を決定することを特徴とする請求項2に記載の信号検出装置。
  14. 前記候補信号点選定順番決定手段は、
    請求項8から請求項13の何れか複数の前記候補信号点選定順番決定手段の処理を組み合わせて、各送信系統の候補信号点選定の実施の順番を決定することを特徴とする請求項3に記載の信号検出装置。
  15. 信号検出装置における信号検出方法であって、
    サブキャリアグループ分け手段が、MIMO−OFDMシステムのサブキャリアのグループ分けを行い、各グループの代表チャネル行列を生成し、
    候補信号点選定順番決定手段が、前記各グループの代表チャネル行列を用いて、前記各グループの各送信系統における候補信号点選定の実施順番を決定し、
    QR分解及び線形フィルタリング処理手段が、前記各グループに属する各サブキャリアに対して、チャネル行列をQR分解し、対応する受信系列を線形フィルタリングして、変換受信系列を生成し、
    送信系列候補絞込み手段が、前記各グループに属する各サブキャリアに対して、空間順番が並び替えられた送信系列の候補の絞り込みを行い、
    最尤推定手段が、前記各グループに属する各サブキャリアに対して、前記送信系列の候補の絞り込みを行った結果、その候補の中の最も尤度メトリックが小さい候補を暫定推定結果とし、前記候補信号点選定の実施順番に基づいて、本来送信された空間順番に並び直して、最終推定結果を出力し、
    前記送信系列候補絞込み手段においては、
    前記各グループに属する各サブキャリアに対して、候補信号点選定が実施していないあるレイヤにおける基準信号を生成する基準信号生成処理と、
    前記基準信号と各送信系統が有するダイバシチ効果に合せて設定した候補信号点の数に基づいて、現在のレイヤにおける候補信号点の選定を行う候補信号点選定処理と、
    前記各グループに属する各サブキャリアに対して、前記選定された候補信号点に対応する部分レイヤ系列候補の累積メトリックを算出する累積メトリック算出処理と、
    前記各グループに属する各サブキャリアに対して、前記算出した累積メトリックのうち、上限値を超えた累積メトリックとそれに対応する部分レイヤ系列候補を候補から外して、送信系列の候補の絞り込みを行う候補除外処理と、を繰り返す
    ことを特徴とする信号検出方法。
  16. 信号検出装置のコンピュータを、
    MIMO−OFDMシステムのサブキャリアのグループ分けを行い、各グループの代表チャネル行列を生成するサブキャリアグループ分け手段、
    前記各グループの代表チャネル行列を用いて、前記各グループの各送信系統における候補信号点選定の実施順番を決定する候補信号点選定順番決定手段、
    前記各グループに属する各サブキャリアに対して、チャネル行列をQR分解し、対応する受信系列を線形フィルタリングして、変換受信系列を生成するQR分解及び線形フィルタリング処理手段、
    前記各グループに属する各サブキャリアに対して、空間順番が並び替えられた送信系列の候補の絞り込みを行う送信系列候補絞込み手段、
    前記各グループに属する各サブキャリアに対して、前記送信系列の候補の絞り込みを行った結果、その候補の中の最も尤度メトリックが小さい候補を暫定推定結果とし、前記候補信号点選定の実施順番に基づいて、本来送信された空間順番に並び直して、最終推定結果を出力する最尤推定手段、として機能させ、さらに、
    前記送信系列候補絞込み手段において、
    前記各グループに属する各サブキャリアに対して、候補信号点選定が実施していないあるレイヤにおける基準信号を生成する基準信号生成手段、
    前記基準信号と各送信系統が有するダイバシチ効果に合せて設定した候補信号点の数に基づいて、現在のレイヤにおける候補信号点の選定を行う候補信号点選定手段、
    前記各グループに属する各サブキャリアに対して、前記選定された候補信号点に対応する部分レイヤ系列候補の累積メトリックを算出する累積メトリック算出手段、
    前記各グループに属する各サブキャリアに対して、前記算出した累積メトリックのうち、上限値を超えた累積メトリックとそれに対応する部分レイヤ系列候補を候補から外して、送信系列の候補の絞り込みを行う候補除外手段、
    として機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  17. 信号検出装置のコンピュータを、
    MIMO−OFDMシステムのサブキャリアのグループ分けを行い、各グループの代表チャネル行列を生成するサブキャリアグループ分け手段、
    前記各グループの代表チャネル行列を用いて、前記各グループの各送信系統における候補信号点選定の実施順番を決定する候補信号点選定順番決定手段、
    前記各グループに属する各サブキャリアに対して、チャネル行列をQR分解し、対応する受信系列を線形フィルタリングして、変換受信系列を生成するQR分解及び線形フィルタリング処理手段、
    前記各グループに属する各サブキャリアに対して、空間順番が並び替えられた送信系列の候補の絞り込みを行う送信系列候補絞込み手段、
    前記各グループに属する各サブキャリアに対して、前記送信系列の候補の絞り込みを行った結果、その候補の中の最も尤度メトリックが小さい候補を暫定推定結果とし、前記候補信号点選定の実施順番に基づいて、本来送信された空間順番に並び直して、最終推定結果を出力する最尤推定手段、として機能させ、さらに、
    前記送信系列候補絞込み手段において、
    前記各グループに属する各サブキャリアに対して、候補信号点選定が実施していないあるレイヤにおける基準信号を生成する基準信号生成手段、
    前記基準信号と各送信系統が有するダイバシチ効果に合せて設定した候補信号点の数に基づいて、現在のレイヤにおける候補信号点の選定を行う候補信号点選定手段、
    前記各グループに属する各サブキャリアに対して、前記選定された候補信号点に対応する部分レイヤ系列候補の累積メトリックを算出する累積メトリック算出手段、
    前記各グループに属する各サブキャリアに対して、前記算出した累積メトリックのうち、上限値を超えた累積メトリックとそれに対応する部分レイヤ系列候補を候補から外して、送信系列の候補の絞り込みを行う候補除外手段、
    として機能させるためのプログラム。
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