JP2009015942A - 光ディスク装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】粗悪な光ディスクであるかどうかを正確に判定するディスク装置を提供する。
【解決手段】
光ディスク装置1は、スピンドルモータ2、PUヘッド3、FE/TE生成部41、駆動回路42、記録/再生処理回路6、レーザパワー制御回路62、レーザ駆動回路63、HD66、HDD67、制御部7を備える。PUヘッド3は、ディスクにレーザ光を照射して、データを記録したり、読み出したりする。FE/TE生成部41は、FE信号、TE信号を生成する。制御部7は、処理70〜74を行うプログラムを記憶している。粗悪ディスク判定処理70は、ストラテジー確認処理71、外形品質判定処理72、OPC処理73を行った結果、いずれかの処理で異常があれば、粗悪ディスクと判定する処理である。外形品質判定処理72は、FE信号、TE信号にもとづいて、偏芯、面振れを判定する。
【選択図】図8

Description

本発明は、データを光ディスクへ移動、コピーする光ディスク装置に関する。
従来の光ディスク記録装置では、粗悪な光ディスクにデータを記録すると、安定した記録が出来ないことから、光ディスク(以下単にディスクという)の記録前に予め、粗悪なディスクかどうかを判別していた。
粗悪なディスクには、図1(A)のように、ディスク100の中心101に対し、中心孔102が中心からずれているものがある(以下では、偏芯ディスクと称する。)。また、図1(B)、図1(C)に示すようにディスクの内周に対し外周が反っているものがある。また、これらの態様をいずれも有するディスクも存在する。
粗悪なディスクにデータを記録した場合、仮にトラックに追従制御(トラッキングサーボ制御と称する)して、全部のトラックにデータを記録できたとしても、光ディスク上にピットを適正に形成できない場合があった。このような場合、多少のピット形状が適正でなくても、誤り訂正技術により訂正できる。
一方、著作権上の観点からコピーが1回に制限されているコピーワンスのディスクがある。このようなディスクをいったん、ハードディスク等にコピーすると、光ディスクへの2度目のコピーはできず、移動しかできない。したがって、孫ディスクへのデータの記録が終了すると、適正に記録できたとみなして、元のデータを消去していた。
特許文献1は、第1の記憶装置から、第2の記憶装置にデータを移動する場合に記録品位結果等をユーザに報知するデータ処理装置が開示されている。
特開2005−353180公報
しかしながら、ディスクのデータの読み取りの誤りが一定の限度を超えると、誤り訂正ができず読み取りエラーになる場合があった。特に、光ディスクにデータを移動する場合には、問題が生じていた。すなわち、光ディスクに適正に記録できなかった場合でも、光ディスク装置は、元データを消去することがあった。そうすると、特に、コピーワンスのディスクのコンテンツをハードディスクに移動した後に、光ディスクに移動する場合には、コンテンツを移動後、光ディスクを読み取れない場合には、実質上、移動したコンテンツを完全に使用できなくなる問題があった。
本発明は、このような問題にかんがみ、粗悪ディスクをより確実に判定して確実にテータを移動またはコピーすることができるディスク装置を提供することを目的とする。
本発明のディスク装置は、前記課題を解決するために以下の構成を備えている。
(1) 光ディスク装置本体にセットされている光ディスクにレーザ光を照射して、前記光ディスクにデータを記録したり、前記光ディスクに記録されたデータを読み取るPU(Pick-Up)ヘッドと、
前記光ディスクに記録するデータ形式にコード化するデータ処理部と、を備える光ディスク装置において、
前記PUヘッドを用いて、前記光ディスクで反射したレーザ光の強度に基づいて、前記光ディスクのゆがみの程度を判定する外形品質判定手段と、
個々の光ディスクにデータを記録する際の記録用パラメータを記憶する記録用パラメータ記憶部と、
前記PUヘッドを用いて前記光ディスクの一部にテスト記録を行い、前記光ディスクにデータを記録するに最適な前記レーザ光の記録パワーを測定するOPC(Optimum Write Power Control)を、内周側の所定の第1領域とそれよりも外側の第2領域で行うOPC手段と、
以下の(A)〜(C)のいずれかの場合、すなわち、
(A)前記光ディスクユニットを用いて前記光ディスクを読み取った結果、前記ディスクに対応する記録用パラメータが前記記録用パラメータ記憶部に記憶されていない場合、
(B)前記外形品質判定手段が光ディスクのゆがみの程度が所定範囲を超えていると判定した場合、
(C)前記OPC手段が測定した前記光ディスクの最適な記録パワーが、前記第1、第2の領域での値の差が所定の閾値を越えている場合、
のいずれかの場合には前記光ディスクが粗悪な光ディスクと判定するディスク判定手段と、を備える。
この構成では、(A)〜(C)の場合には、粗悪な光ディスク(記録を正常に行えない可能性が高い光ディスク)と判定する。(A)では、前記ディスクに対応する記録用パラメータが前記記録用パラメータ記憶部に記憶されていない場合、例えば、光ディスク装置が記憶するライトストラテジーに対応しない製造者ID(identification)が記録されたディスク等を粗悪ディスクと判定する。このように判定した場合、装置にセットした光ディスクに対応するライトストラテジーがないので、適切にピットを形成できない可能性が高い。そこで、この場合には、粗悪ディスクと判定する。
(B)光ディスクのゆがみ(たとえば、ディスクに平行な方向の偏芯、またはディスクに垂直な方向の反り、面ぶれ等)の程度が所定範囲を超えている場合には、たとえストラテジーが適正であっても、トラッキングサーボ制御ができなかったり、トラッキングサーボ制御できたとしても、トラックへの追従の精度または信頼性が低下して、ピットが適正に形成できない可能性が高い。そこで、このようなディスクを粗悪ディスクと判定する。
(C)では、前記OPC手段が前記第1、第2の領域で前記光ディスクの最適な記録パワーを測定し、その測定した値の差が所定の閾値を越えている場合、実際に記録する場合の最適な条件は、OPCを行って得られた最適値から異なる可能性が高い。そこで、このようなディスクを粗悪ディスクと判定する。
(A)〜(C)のように判定しているので、粗悪ディスクをより確実に判定できる。
(2) 前記ディスク判定手段は、前記光ディスクが粗悪な光ディスクと判定した場合には、その旨を報知する報知手段を備える。
粗悪ディスクである旨を報知するので、ユーザは、光ディスクに誤ってデータを記録して、読み取りができないなどの問題を未然に防ぐことができる。
(3) 前記外形品質判定手段は、前記ディスクの外周から内側へ段階的に移動した位置P1〜Pn(nは整数)で前記光ディスクのゆがみの程度を判定し、前記光ディスクのゆがみの程度が、前記所定範囲に収まるような位置Pk(kは1〜nのいずれか)を探索し、
前記OPC手段は、前記OPCを行う前記第1の領域を外側から内側へ段階的に移動させて、前記第1、第2の領域での値の差が前記閾値に収まるような、前記第1の領域を探索し、
前記ディスク判定手段は、前記外形品質判定手段が探索した前記第1の領域と、前記OPC手段が探索した位置Pkに基づいて、前記光ディスクの記録可能領域を検出する。
このようにすれば、単に、ディスク全体を粗悪ディスクと判定するのではなくて、より精密に、記録できる領域を検出するので、ディスク全体を無駄にしなくて済む。
(4) 前記光ディスク装置に、光ディスクへのデータの記録が指示された場合に、
前記データ処理部は、前記記録が指示されたデータが、前記ディスク判定手段が検出した前記光ディスクの記録可能領域に収まるように、前記データを圧縮する。
この構成では、前記記録が指示されたデータを圧縮して記録可能領域に収まるように記録するので、ディスク全体を無駄にしなくても済む。
(5) 前記外形品質判定手段は、前記PUヘッドが照射するレーザ光の強度に基づいて、前記光ディスクのトラックからの垂直、水平方向のずれ量を判定し、前記ずれ量に基づいて、前記光ディスクのトラックに追従させるトラッキングサーボ制御を行い、当該制御を行っている間の前記ずれ量に基づいて前記光ディスクのゆがみの程度を判定するようにしてもよい。
(6) 前記外形品質判定手段は、前記PUヘッドの照射位置を通過したトラックの数を測定した結果に基づいて、前記光ディスクのゆがみの程度を判定するようにしてもよい。
この発明によれば、記録を正常に行えない可能性が高い粗悪ディスクかどうかを記録前に判定できる。
以下、図2を用いて本発明の実施形態である光ディスク装置について説明する。
図2は、第1実施形態の光ディスク装置1の構成の一部を示すブロック図である。光ディスク装置1は、スピンドルモータ2と、ピックアップヘッド3(以下「PUヘッド3」という。)と、RF信号増幅回路40と、TE/FE生成部41と、駆動回路42、ウォブル検出回路5、記録/再生処理回路6、レーザパワー制御回路62、レーザ駆動回路63、デコーダ65、制御部7を備えている。
ディスク100は、光ディスクであり、例えば、CD、DVD等である。スピンドルモータ2は、ディスク100を回転させる。
PUヘッド3は、公知の光ディスク装置と同様に、ピックアップレンズ30、レーザダイオード31、ビームスプリッタ32、フォトディテクタ33、コリメータレンズ(不図示)などを備え、ディスク100にレーザ光を照射しその反射光を検出する。
また、PUヘッド3は、2つのアクチュエータ34を備えている。即ち、DVD100に照射するレーザ光の焦点をその光軸方向に移動させるフォーカシングアクチュエータと、前記レーザ光をDVD100の半径方向に移動させるトラッキングアクチュエータを備えている。
ビームスプリッタ32は、レーザダイオード31の出射光とDVD100で反射した光とを分ける。フォトディテクタ33は、例えば4分割された受光素子で構成できる。フォトディテクタ33は、DVD100からの反射光を判定する。コリメータレンズは、点光源であるレーザダイオード31の出射光を平行光に変換する。
PUヘッド3の作用は以下のとおりである。すなわち、レーザダイオード31が、レーザ駆動回路63の駆動により、所定の強度でレーザ光を出力する。このレーザ光はコリメータレンズを経てビームスプリッタ32で反射して、ピックアップレンズ30でDVD100表面に集光される。また、このレーザ光はDVD100で反射し、この反射光は4つのフォトディテクタ33で判定され、フォトディテクタ33はそれぞれ判定信号を出力する。
RF信号増幅回路40は、フォトディテクタ33で検出された4つの判定信号を全加算したRF信号を増幅する。このRF信号はDVD100上のデータを読み取るために用いる。
TE/FE生成部41は、光フォトディテクタ33から出力された信号に基づいて、トラッキングエラー信号TE、フォーカスエラー信号FEを生成し、TE、FEを駆動回路42に出力する。ここで、TE、FEは、トラック位置との水平、垂直方向の誤差を表すエラー信号である。駆動回路42はTE、FEに基づいてアクチュエータ34を駆動する駆動信号を生成する。アクチュエータ34は、駆動信号を入力して、レンズ30を移動させる。これらの作用により、レーザ光をディスク100のトラックに追従させることができると共に、レンズ30のフォーカスをディスク100の表面に合わせることができる。
ここで、トラッキングエラー信号TEは、ディスクのトラックの中心と前記ピックアップヘッドから照射されたレーザ光の照射位置とのずれ量を示すエラー信号であり、ディスク100に対し水平方向のずれ量を示している。フォーカスエラー信号FEは、ディスクの記録面と前記ピックアップヘッドから照射されたレーザ光の集光位置とのずれ量を示すエラー信号であり、ディスク100に対し垂直方向のずれ量を示している。
TE/FE生成部41によるトラッキングエラー信号TE、フォーカスエラー信号FEの生成については、公知の方法を用いればよい。例えば、フォーカスエラー信号については、フォトディテクタ33の4つの判定信号を右回りにA,B,C,Dとして、FE=(A+C)−(B+D)の演算により算出することができる。
なお、フォトディテクタ33は、必ずしも4分割されていることに限定されるものではなく、ディスク100の回転時に、ディスク100の水平方向、垂直方向のずれ量の振幅を得ることができればよい。例えば、トラッキングエラーを判定するのに、3ビーム法を用いる場合には、ディスク100のトラック方向の両側に副ビームを照射するから、フォトディテクタ33を3つの受光部に分割すればよい。また、プッシュプル法を用いる場合は、フォトディテクタ33を2つの受光面に分割すればよい。
ウォブル検出回路5は、PUヘッド3のフォトディテクタ33で判定した差動信号の入力を受けて、ウォブル信号を抽出する。ウォブル検出回路5は、ウォブル信号を記録/再生処理回路6に出力する。ここで、ウォブル(wobble)は、DVD100の案内溝に設けられた蛇行した形状をしており、ウォブル信号は、ディスク上にデータを記録する場合の記録する位置を示す。ウォブル信号は記録用クロックを生成し、ディスクの回転数を制御するために使用する。このウォブル検出回路5としては、既知のウォブル判定のための回路構成を用いればよく、ここでは説明を除く。また、ディスクの回転数、データを記録する位置を制御する方法は、ウォブル以外にも、LPP(Land Pre-Pit)等がある。ディスクの回転数、データを記録する位置を制御できる方法であれば、ウォブルに限られない。
記録/再生処理回路6は、RF信号からDVD100のデータ記録面の記録トラックによる反射率の変化を検出する。再生時には、RF信号増幅回路40から出力されたデータに対して、記録/再生処理回路6は、DVD100上の記録トラックの有無に従った2値化を行う。これにより、DVD100に記録されているデータの読取を行う。この再生回路としては、一般的なデータ再生のための回路構成を用いればよい。また、記録/再生処理回路6は、制御部7から指示されたキャラクタや画像のOSD(On-Screen Display)を表示器105に出力するOSD回路を備え、各種の光ディスク装置1の状態を表示する。
レーザパワー制御回路62は、レーザの強度を制御する。レーザ駆動回路63は、レーザダイオード31に駆動電流を出力する。DVD100のデータ記録時には、レーザ駆動回路63が、データ記録および消去するのに必要なレーザ強度の信号をレーザダイオード31に与えるようにレーザ駆動回路63の出力電流を制御する。読み出し時には、レーザ駆動回路63が、記録時の強度より弱い信号をレーザダイオード31に与えるようレーザ駆動回路63の出力電流を制御する。デコーダ65は、記録/再生処理回路6で処理されたRF信号を再生信号にデコードする。また、図示しないD/A変換器を通して、表示器105に映像信号を出力する。ただし、デジタル入出力端子を備えた表示器に対して、映像信号を出力する場合には、D/A変換器を通す必要はない。
HD66(ハードディスク)は、記憶装置である。HDD67は、HD66をドライブして、データの記録、読み出しを行う。たとえば、HD66のデータをディスク100にダビングするときは、HD66のデータを読み出し、回路6,62、63がこの読み出したデータを処理し、PUヘッド3がHD66のデータをディスク100に記録する。
制御部7は、図示していないマイコン(CPU、RAM、ROMなどを含む)、またはマイコンを含むシステムICで構成され、各種制御や信号処理を行う。制御部7は、スピンドルモータ2の駆動部、レーザパワー制御回路62、RF信号増幅回路40、TE/FE生成部41、ウォブル検出回路5など、光ディスク装置1の各部を制御する。また、制御部7内のROMは、各種の処理70〜74を実行するサブルーチンを記憶している。制御部7は、これらのプログラムを呼び出して実行させる。粗悪ディスク判定処理70は、処理71〜73のサブ処理を用いて、装置1にセットしたディスク100が粗悪ディスクか判定する処理である。処理70〜74の詳細については後述する。
操作部79は、リモコンおよびリモコン受光部、または操作子で構成し、制御部7を操作するための入力をユーザから受け付ける。
トレイ8は、図示しない駆動部を備え、制御部7の指示を受けて、ディスク100を装置1に出し入れする。
表示器105、スピーカ106は、それぞれ、光ディスク装置1の外部にあり、記録/再生処理回路6で生成した映像信号に基づいて、映像、音声を出力する。スピーカ106は、表示器105に付属のものでもよい。
なお、以上の図2の説明では、機能ごとに分離したブロックで説明したが、実装上は、これらの機能のうち、いずれかが複数の機能が一体となったシステムICで構成してもよいし、一つのブロックを複数に分離して構成してもよい。
以下、図3〜図9を用いて、処理70〜74について説明する。
図3を用いて、ストラテジー75のデータ形式の例を説明する。図3に示すように、制御部7のROMは、製造者ID、記録パワー、記録パルス幅が関連付けられたデータのセットを複数、記憶している。ディスク100には、製造者IDが記録されているから、制御部7は、ディスク100に記録された製造者IDを介して、ディスク100に対応する記録パワー、記録パルス幅を得ることができる。
図4を用いて、ストラテジー確認処理71のフローについて説明する。
ST1で、ディスク100の製造者IDをディスク100から読み取る。例えば、ディスク100がDVD−R等であれば、リードイン領域に記録されている。
ST2で、製造者IDに対応するストラテジー75を制御部7内のROMから検索する。
なお、制御部7のROMは、本発明の「記録用パラメータ記憶部」に相当する。ストラテジー75を電源オフのときでも継続的に記憶できるのであれば、「記録用パラメータ記憶部」は、制御部7の内部でなくても、制御部7が直接的にまたは間接的にアクセスできればよい。
ST3で、ST2で検索した結果が存在する場合には(ST3のYES)、制御部7は、製造者IDに対応するストラテジー75が存在すると判定する。検索結果が存在する場合には(ST3のYES)、制御部7は、製造者IDに対応するストラテジー75が存在すると判定する。検索結果が存在しない場合には(ST3のNO)、ST5に移動する。ST5で、制御部7は、製造者IDに対応するストラテジー75が存在しないと判定する。ST4、ST5の後、図4のフローは、終了する。
次に、図5、図6のフローを用いて、外形品質判定処理72について説明する。図5、図6は、外形品質判定処理72の実施例1、実施例2を示している。
図5の実施例1について、ST11では、スピンドルモータ2がディスク100を回転させると共に、図示しないスレッドモータがPUヘッド3を所定の半径位置(例えば、振れが比較的大きい最外周の位置)へ移動させる。ST12では、PUヘッド3をディスク100上のトラックに追従制御させる、トラッキングサーボ制御を試行する。この制御において、RF信号増幅回路40、FE/TE生成部41、駆動回路42を用いる。
ST13で、ST12で行ったトラッキング制御が可能か判断する。この制御が可能であれば(ST13のYES)、ST14に移動する。この制御が可能でなければ(ST13のNO)、ST17で偏芯または反りの程度が所定範囲を超えていると判定する。その後、図5のフローは終了する。
ST14で、サーボ制御時のTE信号、FE信号の振れ幅(以下、これらまたはこれらに基づいて演算した値を総称してサーボ振れ量と称する。)を検出する。ここで、TE信号の振れ幅は、ディスク100に平行方向の振れ幅を表わしている。したがって、TE信号の振れ幅に基づいて、図2(A)に示すような偏重心ディスク(ディスク100の中心101から、中心孔102がずれているディスク)かどうかを判定できる。また、FE信号の振れ幅の方向は、ディスク100に垂直な方向である。したがって、この振れ幅は、面ぶれや、図2(B)に示すような反りを表わしている。
なお、以上のサーボ振れ量により検出できるディスクの偏芯、面振れ、反り等を総称して、光ディスクのゆがみと称する。これらは、本発明の「光ディスクのゆがみ」に相当る。実施例2も同様であるが、実施例2では主として、ディスク100に平行方向の振れを検出できる。
ST15では、ST14で判定したサーボ振れ量が閾値以内かどうか判断する。この判断は、例えば、サーボ制御時のTE信号、FE信号の振れ幅それぞれについて、個別に閾値を設けて判断してもよいし、これらの積等の演算をしたものと閾値と比較してもよい。また、TE信号、FE信号の振れ幅と何らかの閾値との対比で比較できればよい。
ST15でサーボ振れ量が閾値以内であれば(ST15のYES)、ST16で、偏芯または反りの程度が所定範囲内と判定する。閾値を越えていれば(ST15のNO)、ST17で、偏芯または反りの程度が所定範囲を超えていると判定する。
図6の実施例2について、ST21で、図示しないスレッドモータがPUヘッド3を所定の半径位置(例えば、振れが比較的大きい最外周の位置)へ移動させる。ST22では、PUヘッド3が停止した位置で、レーザダイオード31がディスク100にレーザの照射を開始する。ST23で、スピンドルモータ2は、ディスク100を回転させる。
なお、ST21〜ST23の順序はどのようなものでもよいし、同時でもよい。
ST24で、ディスク100が回転している状態で、制御部7は、ディスク100のトラックを横断するときに判定されるトラック横断パルスの数を数える。トラックを横断するときに、フォトディテクタ33の出力電圧が変動することから、フォトディテクタ33の出力の変動を所定の閾値でハイとローに分離して、パルスを生成することができる。例えば、トラック横断パルスは、RF信号増幅回路40の出力電圧をパルスに変換する記録/再生処理回路6により生成すればよい。または、フォトディテクタ33の出力の変動を所定の閾値でハイとローに分離して、パルスを生成する回路を設けてもよい。
PUヘッド3を停止した状態で偏芯したディスクを回転させると、PUヘッド3が照射しているディスク100上の位置は、トラックを横断することになる。偏芯の度合いが大きいほどトラック横断パルスの数が多くなる。ST23では、1周分のトラック横断パルスの数を数える。単に1周測定してもよいし、複数周を測定して平均してもよい。
ST24で、1周当たりのトラック横断パルスが所定範囲内かどうか判定する。ST25で1周当たりのトラック横断パルスが所定範囲内であれば(ST25のYES)、ST26で、偏芯または反りの程度が所定範囲内と判定する。閾値を越えていれば(ST25のNO)、ST27で、偏芯または反りの程度が所定範囲を超えていると判定する。
次に図7のフロー図を用いて、装置1のOPC処理73について説明する。図7(B)は、図7(A)のST32またはST35のサブフローである。図7(A)のST31で、内周側のリードイン領域内のPCA(Power Calibration Area)に移動する。ST32で、β測定処理を行う。このβは、OPCを行うときの指標となる値であり、所定のレーザ強度で8/16変換され記録されたピットを読み取った時の非対称性を表わす値である(例えば、ECMA359のAnnex H等参照。)。
ST32は、図7(B)のサブフローで構成される。ST321で、レーザパワーを所定の値に設定する。ST321〜ST323では、このレーザパワーの設定値を複数の段階に設定して、これらのステップを繰り返し実行する。ST322では、ST321で設定したレーザパワーでテスト記録を行う。ST323では、βを計算する。βは、RF信号のHiをA1、LOWをA2(A2<0)として、β=(A1+A2)/(A1−A2)で表わせる。βが最小の場合に最適値となる。ST324で、以上のST321〜ST323を繰り返し、βが最小となるレーザパワーを選択する。
ST34で、最外周側の所定位置へ移動する。ST35で、ST32と同様、β測定処理を行う。ST36で、βが最小となる記録パワーを探索する。なお、ST32と、ST36で探した記録パワーが大きく異なる場合には、ディスク100が粗悪ディスクであると判断できる。
次に図8のフロー図を用いて、装置1の粗悪ディスク判定処理70について説明する。ST41で、図4で示したストラテジー確認処理71を行う。ST42で、ストラテジーがあるかどうか判定し、ストラテジーがある場合には(ST42のYES)、ST43に移動する。ストラテジーがない場合には(ST42のNO)、ST48に移動してセットしたディスク100が粗悪ディスクであると判定し、その後、図8のフローは終了する。
ST43で、図5、図6で示した外形品質判定処理72のうちいずれかを行う。ST44で、偏芯または反りの程度が所定範囲を越えているかどうか判定する。この所定範囲を超えている場合には(ST44のYES)、ST48に移動してセットしたディスク100が粗悪ディスクであると判定し、その後、図8のフローは終了する。偏芯または反りの程度が所定範囲内であれば(ST44のNO)、ST45に移動する。
ST45で、図7で示したOPC処理73を行う。ST46で、OPCの値が外周、内周で差が第2の閾値を超えている場合には(ST46のYES)、ST48で、粗悪ディスクであると判定し、その後、図8のフローは終了する。ST42、ST44、ST46の判定がいずれもNOであれば、粗悪ディスクでないと判定し、図8のフローは終了する。
次に図9のフロー図を用いて、装置1の粗悪ディスク処理74について説明する。この処理は、図8のST48に分岐した場合の処理を表わしている。ST51で、「このディスクは粗悪ディスクであり、記録ができないか、記録できても読み取れないおそれがあります」旨のOSD(On-Screen Display)を表示器105に出力する。
ST52で、記録するかどうかのキー入力をはい、いいえの2者択一で受け付ける。ST53で、操作部79から記録する旨のキー入力を受けた場合には(ST53のYES)、ST54で、制御部7は、記録の開始を指示する。
例えば、この記録がHD66に記録された動画のダビングであれば、HDD67は、HD66からデータを読み取り、記録/再生処理回路6、回路62、63を介してディスク100に映像信号を記録する。さらにHD66に記録されたデータが著作権上コピーワンスの制限がかかったデータであれば、HDDに記録された時点で1度コピーされているので、さらに、ディスク100に記録することができないが、ディスク100にデータを移動することは可能である。そこで、ディスク100に記録した後、HD66からデータを削除する。
ST53で、操作部79から記録しない旨のキー入力を受けた場合には(ST53のNO)、ST55で、ディスクトレイ8の駆動部は、ディスク100を排出する。
図10、図11を用いて以上の実施形態の応用にかかる第2の実施形態について説明する。第2実施形態では、図2の構成をそのまま用いることができるが、制御部7が行う粗悪ディスク検出処理70、粗悪ディスク処理74が異なる。図10、図11は、それぞれ、第1実施形態の図8、図9にフローを付加したものであり、図8、図9と同一の機能のステップには、同一のステップ番号を付している。
第2実施形態では、図8のST44(図5のST17)で「偏芯または反りの程度が所定範囲を超えていると判定」した場合(ST44のYES)の処理が異なる。最外周から所定間隔ごとに(必ずしも一定間隔でなくてもよい。)内側に移動して(ST442、ST441のNO)、ST16「偏芯または反りの程度が所定範囲内と判定」する範囲を探索する。ST441では、このように内側に移動した結果、最内周側に(ディスクにデータを記録できる領域内で最内周側、以下、「最内周側」というときは、同じ。)移動したかどうか判断する。この処理は、最内周側に到達するまで(ST441がNOである限り)繰り返す。最内周側に到達すれば(ST441のYES)、ディスク100全域にわたり偏芯が大きいディスクであると判定できる。この場合、ST48で、粗悪ディスクであると判定する。
粗悪ディスク判定処理70として図10の処理を行えば、仮に最外周で「〜超えていると判定」(ST17)しても、直ちには図8のST44のYESとならないし、直ちには「〜超えていると判定」(ST48)しない。ディスク100全体が使用できなくなるのではなく、使用できる範囲を探索することができる。
また、第2実施形態では、最外周よりも内周側で「〜超えていると判定」(ST17)とすることを解消した場合には、ST450で、図8のST45、図7のST34で設定する外周側を、ST441、ST442で探索した「所定範囲内と判定」(図5のST16)した範囲内の最外周側に設定する。最外周で「〜範囲内と判定」(ST16)した場合には、図8のST45、図7のST34で設定する外周側を、最外周側に設定する。
図10のST46の判定で、OPCの値が外周、内周で差が大きい場合(ST46のYES)、ST450で設定した内周側よりも内周側で再度β測定処理を行う(ST462)。ST462のβ測定処理は、最内周側に到達しない限り(ST461のNO)、OPCの値の外周と内周との差が一定範囲内になるまで、段階的に内周側に移動しながら繰り返し実行される(ST46のYES)。最内周側に到達すれば(ST461のYES)、ST48で、粗悪ディスクであると判定する。
OPCの値が外周、内周で差が一定範囲になれば(ST46のNO)、ST471で、記録できる範囲を判定し、フローは終了する。ここで、記録できる範囲とは、内周側から、ST462で最終的にβ測定処理を行った位置の内側まである。
以上、図10の処理により、ST462で最終的にディスク100のうち部分的に使用できる範囲を判定できる。
図11を用いて、第2実施形態の粗悪ディスク処理(第1実施形態の図9の処理に対応する)について説明する。この処理は、ディスク100のうち、ST471で記録できる範囲を判定した場合に実行する。なお、すべての領域が使用できないと判定した場合には、図9のフローを本実施形態に適用することができる。
第2実施形態では、ST511で「光ディスク100のうち部分的にデータを記録できる」旨のOSDを出力する。また、ST521で、データを圧縮して記録するかどうかのキー入力を操作部79から受け付ける。記録できる領域は、ディスクの全範囲でなく部分的であるから、元のデータのすべてをそのままで記録することができない場合には、データを圧縮して記録するかどうかの承諾をユーザから受け付ける。この圧縮方法としては、可逆的に圧縮してもよいし、映像信号、音声信号ならビットレートを下げて記録してもよい。
ST531で、データを圧縮して記録する旨のキー入力を受け付けた場合には(ST531のYES)、ST53で、記録ディスク100のうち記録できる範囲にデータが収まるように、データを圧縮して記録する。ST521で、記録しない旨のキー入力を受け付けた場合には(ST531のNO)、ST54で、ディスクトレイ8を駆動してディスク100を排出する。ST531、ST54の後、フローは終了する。
粗悪ディスクの態様を表す図 第1実施形態の光ディスク装置の構成を表すブロック図 ディスクに記録されたストラテジーのテーブルの内容の例を表すフロー図 第1実施形態の光ディスク装置のストラテジー確認処理を表すフロー図 第1実施形態の光ディスク装置の外形品質判定処理の実施例1を表すフロー図 第1実施形態の光ディスク装置の外形品質判定処理の実施例2を表すフロー図 第1実施形態の光ディスク装置のOPC処理を表すフロー図 第1実施形態の光ディスク装置のディスク判定処理を表すフロー図 第1実施形態の光ディスク装置のディスク判定処理を表すフロー図 第2実施形態の光ディスク装置のディスク判定処理を表すフロー図 第2実施形態の光ディスク装置の粗悪ディスク処理を表すフロー図
符号の説明
1−光ディスク装置、 2−スピンドルモータ、
3−PUヘッド、 30−ピックアップレンズ、 31−レーザダイオード、
32−ビームスプリッタ、 33−フォトディテクタ、 34−アクチュエータ、
40−RF信号増幅回路、 41−FE/TE生成部、 42−駆動回路、
5−ウォブル検出回路、 6−記録/再生処理回路、
62−レーザパワー制御回路、
63−レーザ駆動回路、 65−デコーダ、 7−制御部、
70−粗悪ディスク判定処理、 71−ストラテジー確認処理、
72−外形品質判定処理、 73−OPC処理、
74−粗悪ディスク処理、 75−ストラテジー、 79−操作部
8−ディスクトレイ、 66−HD、 67−HDD、
100−ディスク、 101−中心、 102−中心孔、
105−表示器、 106−スピーカ

Claims (6)

  1. 光ディスク装置本体にセットされている光ディスクにレーザ光を照射して、前記光ディスクにデータを記録したり、前記光ディスクに記録されたデータを読み取るPU(Pick-Up)ヘッドと、
    前記光ディスクに記録するデータ形式にコード化するデータ処理部と、を備える光ディスク装置において、
    前記PUヘッドを用いて、前記光ディスクで反射したレーザ光の強度に基づいて、前記光ディスクのゆがみの程度を判定する外形品質判定手段と、
    個々の光ディスクにデータを記録する際の記録用パラメータを記憶する記録用パラメータ記憶部と、
    前記PUヘッドを用いて前記光ディスクの一部にテスト記録を行い、前記光ディスクにデータを記録するに最適な前記レーザ光の記録パワーを測定するOPC(Optimum Write Power Control)を、内周側の所定の第1領域とそれよりも外側の第2領域で行うOPC手段と、
    以下の(A)〜(C)のいずれかの場合、すなわち、
    (A)前記光ディスクユニットを用いて前記光ディスクを読み取った結果、前記ディスクに対応する記録用パラメータが前記記録用パラメータ記憶部に記憶されていない場合、
    (B)前記外形品質判定手段が光ディスクのゆがみの程度が所定範囲を超えていると判定した場合、
    (C)前記OPC手段が測定した前記光ディスクの最適な記録パワーが、前記第1、第2の領域での値の差が所定の閾値を越えている場合、
    のいずれかの場合には前記光ディスクが粗悪な光ディスクと判定するディスク判定手段と、を備える光ディスク装置。
  2. 前記ディスク判定手段は、前記光ディスクが粗悪な光ディスクと判定した場合には、その旨を報知する報知手段を備える請求項1に記載の光ディスク装置。
  3. 前記外形品質判定手段は、前記ディスクの外周から内側へ段階的に移動した位置P1〜Pn(nは整数)で前記光ディスクのゆがみの程度を判定し、前記光ディスクのゆがみの程度が、前記所定範囲に収まるような位置Pk(kは1〜nのいずれか)を探索し、
    前記OPC手段は、前記OPCを行う前記第1の領域を外側から内側へ段階的に移動させて、前記第1、第2の領域での値の差が前記閾値に収まるような、前記第1の領域を探索し、
    前記ディスク判定手段は、前記外形品質判定手段が探索した前記第1の領域と、前記OPC手段が探索した位置Pkに基づいて、前記光ディスクの記録可能領域を検出する請求項1〜2のいずれかに記載の光ディスク装置。
  4. 前記光ディスク装置に、光ディスクへのデータの記録が指示された場合に、
    前記データ処理部は、前記記録が指示されたデータが、前記ディスク判定手段が検出した前記光ディスクの記録可能領域に収まるように、前記データを圧縮する請求項1〜3のいずれかに記載の光ディスク装置。
  5. 前記外形品質判定手段は、前記PUヘッドが照射するレーザ光の強度に基づいて、前記光ディスクのトラックからの垂直、水平方向のずれ量を判定し、前記ずれ量に基づいて、前記光ディスクのトラックに追従させるトラッキングサーボ制御を行い、当該制御を行っている間の前記ずれ量に基づいて前記光ディスクのゆがみの程度を判定する請求項1〜3のいずれかに記載の光ディスク装置。
  6. 前記外形品質判定手段は、前記PUヘッドの照射位置を通過したトラックの数を測定した結果に基づいて、前記光ディスクのゆがみの程度を判定する請求項1〜4のいずれかに記載の光ディスク装置。
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