JP2009015035A - トナーの表面改質装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】粗大な粒子が含有されず、且つ微粉体の少ないシャープな粒度分布を有するトナー表面改質粒子を得ることができるトナーの表面改質装置を提供することにある。
【解決手段】結着樹脂及び着色剤を含有するトナーの表面改質を行う為の装置であって、該表面改質装置は、(1)トナーを装置内へ導入する為の粉体流速加速手段、(2)導入されたトナーを拡散する手段、(3)拡散されたトナーの表面を改質する手段、(4)トナーを回収する手段
から構成され、該トナーを装置内へ導入する為の粉体流速加速手段の出口に少なくとも複数の穴を持つ拡散部材を具備することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法、またはトナージェット方式記録法の如き画像形成方法に用いられるトナーの表面改質装置及びトナーの製造方法に関する。
電子写真法の如き画像形成方法においては、静電荷像を現像するためのトナーが使用される。トナーの製造法としては粉砕法および重合法に大別され、簡便な製造方法としては粉砕法が挙げられる。その一般的な製造方法は、次の通りである。転写材に定着させるための結着樹脂、トナーとしての色味を出させる着色剤が使用され、必要に応じて粒子に電荷を付与させるための荷電制御剤、トナー自身に搬送性などを付与するための磁性材料や、離型剤、流動性付与剤などの添加剤を加えて混合する。溶融混練、冷却固化した後、混練物を粉砕手段により微細化し、必要に応じて所望の粒度分布に分級したり、更に流動化剤などを添加したりして、画像形成に供するトナーとしている。また、二成分系現像方法に用いるトナーの場合には、各種磁性キャリアと上記トナーとを混合した後、画像形成に供する。
近年、複写機やプリンターの高画質化・高精細化に伴い、現像剤としてのトナーに要求される性能も一段と厳しくなり、トナーの粒子径は小さく、トナーの粒度分布としては、粗大粒子が含有されず且つ微粒子の少ないシャープなものが要求されるようになってきている。
また、複写機やプリンター用の転写材としては、通常の紙以外にも様々なマテリアルに対応することが必要となってきており、トナーの転写性の向上が要求されるために、トナーの表面形状を改質し、更なる球形化が要求されるようになってきている。
更に、本体価格の低下を目的として構成部品の減少や簡素化、或は、ランニングコスト低減としての構成部品の長寿命化等への対応も現像剤としてのトナーに求められている。
このように、トナーには数多くの異なった性質が要求されるために、トナーの特性は、使用する原材料に加えて、トナーの製造方法や表面改質により工夫を行うことが必要となっている。
前述したトナーに関する製造方法や表面改質としては、機械的衝撃力により、トナーを球形化する方法(特許文献1参照)が挙げられる。また、熱を利用する製造方法、表面改質として、トナー粒子を圧縮空気により熱風中に分散噴霧させ、表面改質と球形化を達成する方法(特許文献2参照)、トナー粒子にシリカ等の添加剤を加えた後、熱処理を施し、固着させることで遊離した添加剤を除く方法(特許文献3参照)等が挙げられる。
しかしながら、機械的衝撃力による方法においては、球形化の際、その衝撃により、トナーが過粉砕されてしまい、微粉が多くなってしまうという問題点があり、特に高温高湿や低温低湿といった過酷な環境下においては、品質上好ましくない場合もある。
また、熱を利用した方法では、トナーに必要以上の熱が加わると、トナー同士が合一し、粗大な粒子が生じてしまい、これもトナーの品質上好ましくないことがある。
更に、熱可塑性粒子を熱風との接触によって球形化する際に、原料噴射口の下端出口と間隔をおいて衝突部材を設けた球形化処理装置が提案されている(特許文献4参照)。しかし、装置内の部材が熱を受けて蓄熱すると、蓄熱した部材にトナーが融着し、安定生産ができず、トナー生産性好ましくない場合もある。
このように、粗大な粒子が含有されず、且つ微粉体の少ないシャープな粒度分布を有するトナーの表面改質粒子を効率良く、安定的に作り出すためには、トナーの製造装置、製造方法の面において、改良の余地がある。
尚、本明細書内にて記載される、トナー中の粗大粒子、微粒子は以下を示す。
粗大粒子:トナー重量平均径(D4)のおよそ2倍以上の粒子群
微粒子:トナー重量平均径(D4)のおよそ1/2倍以下の粒子群
2.0μm以下の粒子:フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000型」(シスメックス社製)にて測定される2.0μm以下の粒子群
特開平9−85741号公報 特開平11−295929号公報 特開平7−271090号公報 特開2004−276016号公報
本発明の目的は、上記の如き問題点を解決し、粗大な粒子が含有されず、且つ微粉体の少ないシャープな粒度分布を有するトナー表面改質粒子を得ることができるトナーの表面改質装置及びトナーの製造方法を提供することにある。
すなわち本発明は、少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有するトナーの表面改質を行う為の装置であって、該表面改質装置は、少なくとも、
(1)トナーを装置内へ導入する為の粉体流速加速手段、
(2)導入されたトナーを拡散する手段、
(3)拡散されたトナーの表面を改質する手段、
(4)トナーを回収する手段
から構成され、該トナーを装置内へ導入する為の粉体流速加速手段の出口に少なくとも複数の穴を持つ拡散部材を具備することを特徴とするトナーの表面改質装置に関する。
また、本発明は、少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有するトナーの表面改質を行う工程を少なくとも有する、重量平均粒子径(D4)が3μm以上11μm以下のトナーの製造方法において、
該表面改質工程が、
(1)トナーを装置内へ導入する為の粉体流速加速工程、
(2)導入されたトナーを拡散する工程、
(3)拡散されたトナーを熱処理により改質する工程、
(4)トナーを回収する工程
から、少なくとも構成されることを特徴とするトナーの製造方法に関する。
本発明によれば、拡散部材を設けることにより、トナーの拡散・表面改質が均一に行われ、シャープな粒度分布を有するトナー粒子を得ることができる。
まず、本発明に用いる表面改質装置の概略を、図1、図2、図3を用いて説明する。
図1は本発明による表面改質装置の一例を示した断面図であり、図2は図1のD−D’面での概略的断面図を示す。
トナー供給口100から供給されたトナー114は、高圧エア供給ノズル115から噴射されるインジェクションエアにより、加速され、その下方にある気流噴射部材102へ向かう。図3に示すように、気流噴射部材102からは拡散エアが噴射され、この拡散エアによりトナーが上方及び外側へ拡散する。この時、インジェクションエアの流量と拡散エアの流量とを調節することにより、トナーの表面状態をコントロールすることができる。つまり、インジェクションエアにより加速されたトナーは、拡散エアによって、その表面に付着した微粒子、2.0μm以下の粒子が取り除かれるものと考えられる。
更に、熱処理装置として本発明の装置を用いる場合のために、トナーの融着防止を目的として、トナー供給口100の外周、表面改質装置外周及び移送配管(トナー回収手段)116外周には冷却ジャケット106が設けられている。尚、該冷却ジャケットには冷却水(好ましくはエチレングリコール等の不凍液)を通水することが好ましい。
熱処理装置として本発明の装置を用いる場合、拡散エアにより拡散したトナーは、熱風供給口101から供給された熱風により、表面が熱溶融処理され、改質される。この時、熱風供給口内温度C(℃)は100≦C≦450であることが好ましい。
温度が100℃未満の場合にはトナーの改質にばらつきが生じる場合があり、トナーの転写性の面で好ましくない。また、450℃を超える場合には溶融状態が進みすぎることでトナー同士の合一が進み、トナーの粗大化や融着が生じる場合があり好ましくない。
熱風により改質されたトナーは表面改質装置上部外周に設けた冷風供給口103から供給される冷風により冷却される。この時、装置内の温度管理、トナーの表面状態をコントロールする目的で、表面改質装置の本体側面に設けた第二の冷風供給口104から冷風を導入しても良い。第二の冷風供給口104の出口はスリット形状、ルーバー形状、多孔板形状、メッシュ形状等を用いる事ができ、導入方向は中心方向へ水平、装置壁面に沿う方向が、目的に応じて選択可能である。
この時、上記冷風供給口内及び第二の冷風供給口内の温度E(℃)は−20≦E≦10であることが好ましい。これら冷風温度が−20℃未満の場合には装置内の温度が下がりすぎてしまい、本来の目的である熱による表面改質が十分に為されず、トナーの転写性能を向上させることができない場合があり、好ましくない。また、10℃を超える場合には、装置内における熱風ゾーンの制御が不十分になり、粒子同士の合一が進み、粉体粒子の粗大化が生じる場合があり、好ましくない。
次に、図3を用いて、表面改質装置内に具備した気流噴射部について説明する。図3は本発明による、気流噴射部材の一例を示した断面図である。
図3に示すとおり、トナー供給口100上部から定量供給機により供給されたトナーは同管内でインジェクションエアにより加速され出口部へ向かい、装置内に設置された気流噴射部材102からの拡散エアにより外側へ拡散する。尚、気流噴射部材102の下端はトナー供給口100から5mm以上150mm以下の位置に装備されている。気流噴射部材の下端が出口から5mm未満の位置に接続された場合、装置内に導入するトナーの処理量を多く設定すると、詰まりや改質不良となる場合がある。また、150mmを超える場合には、拡散エアにより拡散したトナーを改質する熱風の効果が均一に得られない場合があり、トナーの改質にばらつきが生じる場合があり、トナーの転写性の面で好ましくない。
また、トナー供給口100の外周には、結露防止を目的とした気流供給口111を、トナー供給口100と冷却ジャケット106の間に設けても良い。この結露防止のための気流は、拡散エア、又は上記冷風、第二の冷風と共通の供給機から導入しても良く、取り入れ口を開放として、外気を取り入れても良い。また、緩衝エアとして取り入れ口を閉鎖した状態で装置を運転する事も可能である。
図3に示した本発明に用いる複数の穴を持つ拡散部材112の一例を図4に示した。図4では穴の形状は円形であるが、穴の形状は四角形でも六角形でもよく、穴の形状はどのような形状をとっても構わない。また、これら穴の形状は用途に応じて選択可能であるが、トナーを均一分散させるという観点から、穴の形状が円で、配列が交互に千鳥状になっていることが好ましい。また、図4に図示した穴113は気流噴射部材のシャフト110が通る穴である。
これら粉体流速加速手段の出口に少なくとも複数の穴を持つ拡散部材を具備することで、加速されたトナーが装置内に導入される際に、トナーの分散性が向上するために、続く拡散手段によるトナーの拡散、表面改質が均一に行われることが可能となる。なお、本発明では、少なくとも複数の穴を持つ拡散部材は、粉体流速加速手段の出口に装備されているが、その上部に同様または異なる複数の拡散部材を設けてもよい(図5)。
該粉体流速加速手段の出口の面積をZ(cm2)とし、該複数の穴の面積をB(cm2)としたとき、以下式(1)
A=(B×100)/Z (1)
で求められる複数の穴を持つ該拡散部材の開孔率A(%)は15≦A≦60であることが好ましく、該穴の面積B(cm2)は1.9×10-3≦B≦0.8であることが好ましい。開孔率が15%未満、または穴の面積が1.9×10-3cm2未満であると、粉体流速加速手段中にトナーが詰まって、装置内に均一に導入されないことがあり、好ましくない。また、開孔率が60%、または、穴の面積が0.8cm2を超えると、上述したトナー同士の分散性が向上せずに好ましくない。
複数の穴を持つ該拡散部材及び/または該粉体流速加速手段内壁は、少なくとも表面に多数の凹凸面を形成させた後に、少なくとも炭化クロムを含有するクロム合金めっきによりコーティングが施されていることが好ましい。上記のようなコーティングを施すことで、該複数の穴を持つ拡散部材及びまたは該粉体流速加速手段内壁にトナーが付着して、凝集することなく、装置内に均一にトナーを導入することができる。
本発明の効果を最大限に発揮できるのは、該表面改質が熱処理によって行われるときであるため、該表面改質が熱処理によって行われることが好ましい。
これらによれば、粉体加速工程でのトナーの分散性が向上し、続く拡散手段によるトナーの拡散、及び表面改質工程での熱処理が均一に行われることが可能となり、粗大な粒子が含有されず、且つ微粉体の少ないシャープな粒度分布を有するトナー表面改質粒子を得ることができる。
次に、本発明のトナー(重量平均粒子径3μm以上11μm以下)を製造する手順について説明する。本発明のトナーは、結着樹脂、着色剤、ワックス、及び任意の材料を溶融混練し、これを冷却して粉砕し、粉砕物の球形化処理や分級処理を行い、これに必要に応じて流動化剤を混ぜることによって製造することが可能である。
以下に具体例を示す。
まず、原料混合工程では、トナー内添剤として、少なくとも樹脂、着色剤及びワックスを所定量秤量して配合し、混合する。混合装置の一例としては、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー等がある。
更に、上記で配合し、混合されたトナー原料を溶融混練して、樹脂類を溶融し、その中に着色剤等を分散させる。その溶融混練工程では、例えば、加圧ニーダー、バンバリィミキサー等のバッチ式練り機や、連続式の練り機を用いることができる。近年では、連続生産できる等の優位性から、一軸又は二軸押出機が主流となっており、例えば、神戸製鋼所社製KTK型二軸押出機、東芝機械社製TEM型二軸押出機、ケイ・シー・ケイ社製二軸押出機、ブス社製コ・ニーダー等が一般的に使用される。更に、トナー原料を溶融混練することによって得られる着色樹脂組成物は、溶融混練後、2本ロール等で圧延され、水冷等で冷却する冷却工程を経て冷却される。
そして一般的には上記で得られた着色樹脂組成物の冷却物は、次いで、粉砕工程で所望の粒径にまで粉砕される。粉砕工程では、まず、クラッシャー、ハンマーミル、フェザーミル等で粗粉砕され、更に、川崎重工業社製のクリプトロンシステム、日清エンジニアリング社製のスーパーローター等で粉砕され、粉砕品を得る。
その後、必要に応じて慣性分級方式のエルボージェット(日鉄鉱業社製)、遠心力分級方式のターボプレックス(ホソカワミクロン社製)等の分級機等の篩分機を用いて分級し、分級品を得る。
本発明のトナーは、上記粉砕品を得た後、図1で表される表面改質装置を用いて、表面改質を行い、続いて分級をすることにより得られ、または、上記分級品の表面改質を行うことにより得られる。
更に、外添剤を外添処理する方法としては、分級されたトナーと公知の各種外添剤を所定量配合し、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の粉体にせん断力を与える高速撹拌機を外添機として用いて、撹拌・混合する方法が挙げられる。
なお、本発明の表面改質装置を用いた表面改質工程は上記分級後であっても良いし、外添処理後でもよい。
次に本発明のトナーの製造方法に用いるトナー構成材料について説明する。
本発明で用いられる結着樹脂としては、公知の樹脂が用いられるが、例えば、ポリスチレン、ポリビニルトルエンの如きスチレン誘導体の単重合体;スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−アクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体の如きスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルブチラール、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリル樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族石油樹脂が挙げられ、これらの樹脂は単独もしくは混合して用いても良い。
これらの中で、本発明の結着樹脂として好ましく用いられる重合体としては、スチレン系共重合体とポリエステルユニットを有する樹脂である。
スチレン系共重合体に用いる重合性モノマーとしては、次のようなものが挙げられる。例えば、スチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン、p−ニトロスチレンの如きスチレン及びその誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンの如き不飽和モノオレフィン類;ブタジエン、イソプレンの如き不飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニルの如きハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルの如きビニルエステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンの如きビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンの如きN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドの如きアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体。
さらに、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸の如き不飽和二塩基酸;マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物の如き不飽和二塩基酸無水物;マレイン酸メチルハーフエステル、マレイン酸エチルハーフエステル、マレイン酸ブチルハーフエステル、シトラコン酸メチルハーフエステル、シトラコン酸エチルハーフエステル、シトラコン酸ブチルハーフエステル、イタコン酸メチルハーフエステル、アルケニルコハク酸メチルハーフエステル、フマル酸メチルハーフエステル、メサコン酸メチルハーフエステルの如き不飽和二塩基酸のハーフエステル;ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸の如き不飽和二塩基酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイヒ酸の如きα,β−不飽和酸;クロトン酸無水物、ケイヒ酸無水物の如きα,β−不飽和酸無水物、前記α,β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物;アルケニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、これらの酸無水物及びこれらのモノエステルの如きカルボキシル基を有するモノマーが挙げられる。
さらに、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートなどのアクリル酸またはメタクリル酸エステル類;4−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルヘキシル)スチレンの如きヒドロキシ基を有するモノマーが挙げられる。
本発明ではポリエステルユニットを有する樹脂が特に好ましく用いられる。
前記「ポリエステルユニット」とは、ポリエステルに由来する部分を意味し、ポリエステルユニットを構成する成分としては、具体的には、2価以上のアルコールモノマー成分と2価以上のカルボン酸、2価以上のカルボン酸無水物及び2価以上のカルボン酸エステル等の酸モノマー成分が挙げられる。
本発明に用いられるトナーは、これらのポリエステルユニットを構成する成分を原料の一部とし、縮重合された部分を有する樹脂を用いることができる。
例えば、2価以上のアルコールモノマー成分として、具体的には、2価アルコールモノマー成分としては、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。
3価以上のアルコールモノマー成分としては、例えばソルビット、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセリン、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。
2価のカルボン酸モノマー成分としては、フタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸の如き芳香族ジカルボン酸類又はその無水物;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸及びアゼライン酸の如きアルキルジカルボン酸類又はその無水物;炭素数6〜18のアルキル基又はアルケニル基で置換されたコハク酸もしくはその無水物;フマル酸、マレイン酸及びシトラコン酸の如き不飽和ジカルボン酸類又はその無水物;が挙げられる。
3価以上のカルボン酸モノマー成分としては、トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸やその無水物等の多価カルボン酸等が挙げられる。
また、その他のモノマーとしては、ノボラック型フェノール樹脂のオキシアルキレンエーテル等の多価アルコール類等が挙げられる。
本発明で使用される着色剤としては、以下のものが挙げられる。
黒色着色剤としては、カーボンブラック;磁性体;イエロー着色剤、マゼンタ着色剤及びシアン着色剤とを用いて黒色に調整したものが挙げられる。
マゼンタトナー用着色顔料しては、以下のものが挙げられる。縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48:2、48:3,48:4、49、50、51、52、53、54、55、57:1、58、60、63、64、68、81:1、83、87、88、89、90、112、114、122、123、144、146、150、163、166、169、177、184、185、202、206、207、209、220、221、238、254、269;C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35が挙げられる。
着色剤には、顔料単独で使用してもかまわないが、染料と顔料とを併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点から好ましい。
マゼンタトナー用染料としては、以下のものが挙げられる。C.Iソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109、121、C.I.ディスパースレッド9、C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27、C.I.ディスパーバイオレット1の如き油溶染料、C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40、C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28などの如きの塩基性染料。
シアントナー用着色顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー1、2、3、7、15:2、15:3、15:4、16、17、60、62、66;C.I.バットブルー6、C.I.アシッドブルー45、フタロシアニン骨格にフタルイミドメチルを1乃至5個置換した銅フタロシアニン顔料。
イエロー用着色顔料としては、以下のものが挙げられる。縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属化合物、メチン化合物、アリルアミド化合物。具体的には、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、62、65、73、74,83、93、95、97,109、110、111、120、127、128、129、147、155、168、174、180、181、185、191;C.I.バットイエロー1、3、20が挙げられる。また、C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックグリーン6、ソルベントイエロー162などの染料も使用することができる。
また、上記トナーにおいて、結着樹脂に予め、着色剤を混合し、マスターバッチ化させたものを用いることが好ましい。そして、この着色剤マスターバッチとその他の原材料(結着樹脂及びワックス等)を溶融混練させることにより、トナー中に着色剤を良好に分散させることが出来る。
結着樹脂に着色剤を混合し、マスターバッチ化させる場合は、多量の着色剤を用いても着色剤の分散性を悪化させず、また、トナー粒子中における着色剤の分散性を良化し、混色性や透明性等の色再現性が優れる。また、転写材上でのカバーリングパワーが大きいトナーを得ることが出来る。また、着色剤の分散性が良化することにより、トナー帯電性の耐久安定性が優れ、高画質を維持した画像を得ることが可能となる。
着色剤の使用量は、結着樹脂100質量部に対して好ましくは0.1乃至30質量部であり、より好ましくは0.5乃至20質量部であり、最も好ましくは3乃至15質量部である。
本発明においては、トナーの性能を向上させる目的で、トナー粒子に、流動化剤、転写助剤、帯電安定化剤などの外添剤をヘンシェルミキサーの如き混合機で混合して用いることができる。
また、流動化剤としては、流動性が添加前後を比較すると増加し得るものであれば、どのようなものでも使用可能である。例えば、フッ化ビニリデン微粉末、ポリテトラフルオロエチレン微粉末の如きフッ素系樹脂粉末;酸化チタン微粉末、アルミナ微粉末、湿式製法シリカ、乾式製法シリカの如き微粉末シリカ;それらをシラン化合物、及び有機ケイ素化合物、チタンカップリング剤、シリコーンオイルにより表面処理を施した処理シリカを使用することが可能である。
また酸化チタン微粉末であれば、硫酸法、塩素法、揮発性チタン化合物例えばチタンアルコキシド,チタンハライド,チタンアセチルアセトネートの低温酸化(熱分解,加水分解)により得られる酸化チタン微粒子が用いられる。結晶系としてはアナターゼ型,ルチル型,これらの混晶型,アモルファスのいずれのものも用いることができる。
そしてアルミナ微粉末であれば、バイヤー法、改良バイヤー法、エチレンクロルヒドリン法、水中火花放電法、有機アルミニウム加水分解法、アルミニウムミョウバン熱分解法、アンモニウムアルミニウム炭酸塩熱分解法、塩化アルミニウムの火焔分解法により得られるアルミナ微粉体が用いられる。結晶系としてはα,β,γ,δ,ξ,η,θ,κ,χ,ρ型、これらの混晶型、アモルファスのいずれのものも用いられ、α,δ,γ,θ,混晶型,アモルファスのものが好ましく用いられる。
前記微粉体は、その表面がカップリング剤やシリコーンオイルによって疎水化処理をされていることがより好ましい。
微粉体の表面の疎水化処理方法は、微粉体と反応あるいは物理吸着する有機ケイ素化合物等で化学的、または物理的に処理する方法である。
上記疎水化処理方法として好ましい方法は、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成されたシリカ微粒子を有機ケイ素化合物で処理する方法である。そのような方法に使用される有機ケイ素化合物の例は、以下のものが挙げられる。ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサンおよび1分子当り2から12個のシロキサン単位を有し末端に位置する単位にそれぞれ1個宛のSiに結合した水酸基を含有するジメチルポリシロキサン。これらは1種あるいは2種以上の混合物で用いられる。
上記流動化剤は、BET法で測定した窒素吸着による比表面積が30m2/g以上、好ましくは50m2/g以上のものが流動性付与性の観点で好ましい。トナー100質量部に対して流動化剤0.1乃至8.0質量部、好ましくは0.1乃至4.0質量部使用するのが良い。
本発明においては、ドット再現性をより向上させるために、磁性キャリアと混合して、二成分系現像剤として用いることが、また長期にわたり安定した画像が得られるという点で好ましい。
磁性キャリアとしては、例えば、表面を酸化した鉄粉、或いは、未酸化の鉄粉や、鉄、リチウム、カルシウム、マグネシウム、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、クロム、希土類の如き金属粒子、それらの合金粒子、酸化物粒子、フェライト等の磁性体や、磁性体と、この磁性体を分散した状態で保持するバインダー樹脂とを含有する磁性体分散樹脂キャリア(いわゆる樹脂キャリア)、一般に公知のものを使用できる。
本発明のトナーを磁性キャリアとを混合して二成分系現像剤として使用する場合、その際のキャリア混合比率は、現像剤中のトナー濃度として、2質量%以上15質量%以下、好ましくは4質量%以上13質量%以下にすると通常良好な結果が得られる。トナー濃度が2質量%未満では画像濃度が低下しやすく、15質量%を超えるとカブリや機内飛散が発生しやすい。
上記トナーの各種物性の測定法について以下に説明する。
<トナーの重量平均粒子径(D4)の測定>
トナーの重量平均粒子径(D4)はコールターカウンターTA−II型(コールター社製)を用いて行うが、コールターマルチサイザー(ベックマン・コールター社製)を用いることも可能である。
電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。例えば、ISOTON R−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。測定法としては、前記電解水溶液100ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1ml加え、更に測定試料を5mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置によりアパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、2.00μm以上のトナーの体積,個数を測定して体積分布と個数分布とを算出した。前記算出結果を用い重量平均粒径(D4)(各チャンネルの中央値をチャンネル毎の代表値とする)を求めた。
チャンネルとしては、2.00乃至2.52μm;2.52乃至3.17μm;3.17乃至4.00μm;4.00乃至5.04μm;5.04乃至6.35μm;6.35乃至8.00μm;8.00乃至10.08μm;10.08乃至12.70μm;12.70乃至16.00μm;16.00乃至20.20μm;20.20乃至25.40μm;25.40乃至32.00μm;32.00乃至40.30μmの13チャンネルを用いる。
<トナー粒子の平均円形度の測定>
トナー粒子の平均円形度は、フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000型」(シスメックス社製)によって、校正作業時の測定・解析条件で測定した。
具体的な測定方法としては、イオン交換水20mlに、分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を適量加えた後、測定試料0.02gを加え、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散機(例えば「VS−150」(ヴェルヴォクリーア社製など)を用いて2分間分散処理を行い、測定用の分散液とした。その際、分散液の温度が10℃以上40℃以下となる様に適宜冷却する。
測定には、標準対物レンズ(10倍)を搭載した前記フロー式粒子像分析装置を用い、シース液にはパーティクルシース「PSE−900A」(シスメックス社製)を使用した。前記手順に従い調整した分散液を前記フロー式粒子像分析装置に導入し、HPF測定モードで、トータルカウントモードにて3000個のトナー粒子を計測して、粒子解析時の2値化閾値を85%とし、解析粒子径を円相当径2.00μm以上、200.00μm以下に限定し、トナー粒子の平均円形度を求めた。
測定にあたっては、測定開始前に標準ラテックス粒子(例えばDuke Scientific社製5200Aをイオン交換水で希釈)を用いて自動焦点調整を行う。その後、測定開始から2時間毎に焦点調整を実施することが好ましい。
なお、本願実施例では、シスメックス社による校正作業が行われた、シスメックス社が発行する校正証明書の発行を受けたフロー式粒子像分析装置を使用し、解析粒子径を円相当径2.00μm以上、200.00μm以下に限定した以外は、校正証明を受けた時の測定及び解析条件で測定を行った。
<トナーの比表面積BETの測定>
BET比表面積は、比表面積測定装置Tristar3000(島津製作所社製)を用いて行う。
トナーの比表面積は、BET法にしたがって、試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用いて、比表面積を算出する。比表面積の測定前には、試料管に試料を約2g精秤し、室温で、24時間真空引きを行う。真空引き後、サンプルセル全体の質量を測定し、空サンプルセルとの差から試料の正確な質量を算出する。
BET測定装置のバランスポート及び分析ポートに空のサンプルセルをセットする。次に、所定の位置に液体窒素の入ったデュワー瓶をセットし、飽和蒸気圧(P0)測定コマンドにより、P0を測定する。P0測定終了後、分析ポートに調製されたサンプルセルをセットし、サンプル質量及びP0を入力後、BET測定コマンドにより測定を開始する。後は自動でBET比表面積が算出される。
<トナーの吸熱ピーク数及び最大吸熱ピークの極大温度の測定>
温度曲線:昇温I(30℃乃至200℃、昇温速度10℃/min)
降温I(200℃乃至30℃、降温速度10℃/min)
昇温II(30℃乃至200℃、昇温速度10℃/min)
トナーの最大吸熱ピークは、示差走査熱量計(DSC測定装置)DSC2920(TAインスツルメンツジャパン社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。
測定試料は3乃至7mg、好ましくは4乃至5mgを精密に秤量する。それをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用い、測定範囲30乃至200℃の間で、昇温速度10℃/minで常温常湿下(23℃/50%RH)で測定を行う。
吸熱ピーク数は、昇温IIの過程のピークトップ数とする。
最大吸熱ピーク温度は、昇温IIの過程でのピークの中で、吸熱が最も大きいピークのトップとなる温度を測定する。
<GPCによる分子量(メインピーク)の測定(トナー)>
ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)によるクロマトグラムの分子量は次の条件で測定される。
40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を毎分1mlの流速で流し、試料濃度として0.5質量%に調整した樹脂のTHF試料溶液を100μm注入して測定する。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。カラムとしては、103乃至2×106の分子量領域を的確に測定するために、市販のポリスチレンゲルカラムを複数組み合わせるのが良く、例えば、Waters社製のμ−styragel 500、103、104、105の組み合わせや、昭和電工社製のshodex KA−801、802、803、804、805、806、807の組み合わせが好ましい。
試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作製された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えば、Pressure Chemical Co.製あるいは、東洋ソーダ工業社製の、分子量が6×102、2.1×103、4×103、1.75×104、5.1×104、1.1×105、3.9×105、8.6×105、2×106、4.48×106のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。
以下、本発明の実施例および比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(トナー粗砕物・トナー微粒子の製造)
・ポリエステルユニットを有する樹脂(重量平均分子量(Mw)82000,数平均分子量(Mn)3400、ピーク分子量(Mp)8200) 100質量部
・パラフィンワックス(最大吸熱ピーク温度78℃) 5質量部
・3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 1.0質量部
・C.I.ピグメンブルー15:3 5質量部
上記の処方の材料をヘンシェルミキサー(FM−75型、三井三池化工機(株)製)で混合した後、温度120℃に設定した二軸混練機(PCM−30型、池貝鉄工(株)製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。
得られたトナー粗砕物を、機械式粉砕機(T−250、ターボ工業(株)製)にて粉砕し、トナー微粒子を得た。
得られたトナー微粒子は重量平均粒径(D4)が5.39μm、粒径4.0μm以下のトナー粒子が57.7個数%であり、粒径10.1μm以上のトナー粒子が0.2体積%であった。更に、FPIA3000にて円形度を測定した結果、平均円形度が0.935、2μm以下粒子含有率が25.6%であった。
〔実施例1〕
トナー表面改質装置の複数の穴を持つ拡散部材、粉体流速加速手段内壁に、多数の凹凸面を形成させた後、炭化クロムを含有するクロム合金をめっきし、図1、図2、図3に示した表面改質装置の構成にて、上記トナー微粒子を表面改質した。
この時の表面改質装置の運転条件はフィード量=5kg/hrであった。また、熱風温度C=220℃、熱風流量=6m3/min.、冷風、第二の冷風温度E=5℃、冷風流量=4m3/min.、第二の冷風流量=1m3/min.、ブロワー風量=20m3/min.、インジェクションエア流量=1m3/min.、拡散エア=0.4m3/min.であった。更にこのときの複数の穴を持つ拡散部材の開孔率はA=40%、穴の面積B=0.28cm2であった。
このとき得られた表面改質微粒子の粒度分布は重量平均粒径が5.86μmであり、粒径4.0μm以下の表面改質微粒子が54.9個数%であり、10.1μm以上の表面改質微粒子が1.6体積%であった。また、そのときの収率は87%であった。
さらに、得られた表面改質微粒子を、コアンダ効果を利用した多分割分級機により、5.2μm≦D4≦5.8μm、20個数%≦粒径4.0μm以下の表面改質粒子≦35個数%、1.0体積%≧粒径10.1μm以上の表面改質粒子となるように分級した。
この後、得られた表面改質粒子の平均円形度と2μm以下の粒子含有率を測定したところ、平均円形度が0.982、2μm以下の粒子含有率が8.2%であった。
これらの結果を表1にまとめた。
尚、表面改質微粒子の粒度分布に対する評価は10.1μm以上の体積%(a)を基準とし、下記のように判断した。
A:a<3
B:3≦a<5
C:5≦a
また、表面改質微粒子の収率b〔%〕に対するの評価は下記の基準で判断した。
A:80≦b
B:70<b≦80
C:b<70
また、表面改質粒子の円形度cに対するの評価は下記の基準で判断した。
A:0.980≦c
B:0.970<c≦0.980
C:c<0.970
さらに、表面改質粒子の2μm以下の粒子含有率dに対するの評価は下記の基準で判断した。
A:d<10
B:10≦c<15
C:15≦c
〔実施例2〕
本実施例では、トナー表面改質装置の複数の穴を持つ拡散部材、粉体流速加速手段内壁に、多数の凹凸面を形成させた後、炭化クロムを含有するクロム合金をめっきしなかった、以外は実施例1と同様にして、表面改質微粒子を得た。
このとき得られた表面改質微粒子の粒度分布は重量平均粒径が5.92μmであり、粒径4.0μm以下のトナー粒子が52.1個数%であり、粒径10.1μm以上の表面改質微粒子が2.0体積%であった。また、そのときの収率は78%であった。
さらに、得られた表面改質微粒子を、コアンダ効果を利用した多分割分級機により、5.2μm≦D4≦5.8μm、20個数%≦粒径4.0μm以下の表面改質粒子≦35個数%、1.0体積%≧粒径10.1μm以上の表面改質粒子となるように分級した。
この後、得られた表面改質粒子の平均円形度と2μm以下の粒子含有率を測定したところ、平均円形度が0.980、2μm以下の粒子含有率が6.8%であった。
これらの結果を表1にまとめた。
〔実施例3〕
本実施例では、複数の穴を持つ拡散部材の開孔率をA=15%にした以外は実施例1と同様にして、表面改質微粒子を得た。
このとき得られた表面改質微粒子の粒度分布は重量平均粒径が5.63μmであり、粒径4.0μm以下のトナー粒子が56.4個数%であり、粒径10.1μm以上の表面改質微粒子が1.1体積%であった。また、そのときの収率は82%であった。
さらに、得られた表面改質微粒子を、コアンダ効果を利用した多分割分級機により、5.2μm≦D4≦5.8μm、20個数%≦粒径4.0μm以下の表面改質粒子≦35個数%、1.0体積%≧粒径10.1μm以上の表面改質粒子となるように分級した。
この後、得られた表面改質粒子の平均円形度と2μm以下の粒子含有率を測定したところ、平均円形度が0.980、2μm以下の粒子含有率が9.5%であった。
これらの結果を表1にまとめた。
〔実施例4〕
本実施例では、複数の穴を持つ拡散部材の開孔率をA=60%にした以外は実施例1と同様にして、表面改質微粒子を得た。
このとき得られた表面改質微粒子の粒度分布は重量平均粒径が6.02μmであり、粒径4.0μm以下のトナー粒子が50.9個数%であり、粒径10.1μm以上の表面改質微粒子が1.9体積%であった。また、そのときの収率は85%であった。
さらに、得られた表面改質微粒子を、コアンダ効果を利用した多分割分級機により、5.2μm≦D4≦5.8μm、20個数%≦粒径4.0μm以下の表面改質粒子≦35個数%、1.0体積%≧粒径10.1μm以上の表面改質粒子となるように分級した。
この後、得られた表面改質粒子の平均円形度と2μm以下の粒子含有率を測定したところ、平均円形度が0.982、2μm以下の粒子含有率が9.3%であった。
これらの結果を表1にまとめた。
〔実施例5〕
本実施例では、複数の穴を持つ拡散部材の開孔率をA=10%にした以外は実施例1と同様にして、表面改質微粒子を得た。
このとき得られた表面改質微粒子の粒度分布は重量平均粒径が、5.59μmであり、粒径4.0μm以下のトナー粒子が56.9個数%であり、粒径10.1μm以上の表面改質微粒子が1.0体積%であった。また、そのときの収率は77%であった。
さらに、得られた表面改質微粒子を、コアンダ効果を利用した多分割分級機により、5.2μm≦D4≦5.8μm、20個数%≦粒径4.0μm以下の表面改質粒子≦35個数%、1.0体積%≧粒径10.1μm以上の表面改質粒子となるように分級した。
この後、得られた表面改質粒子の平均円形度と2μm以下の粒子含有率を測定したところ、平均円形度が0.978、2μm以下の粒子含有率が11.6%であった。
これらの結果を表1にまとめた。
〔実施例6〕
本実施例では、複数の穴を持つ拡散部材の開孔率をA=65%にした以外は実施例1と同様にして、表面改質微粒子を得た。
このとき得られた表面改質微粒子の粒度分布は重量平均粒径が6.15μmであり、粒径4.0μm以下のトナー粒子が49.2個数%であり、粒径10.1μm以上の表面改質微粒子が3.2体積%であった。また、そのときの収率は80%であった。
さらに、得られた表面改質微粒子を、コアンダ効果を利用した多分割分級機により、5.2μm≦D4≦5.8μm、20個数%≦粒径4.0μm以下の表面改質粒子≦35個数%、1.0体積%≧粒径10.1μm以上の表面改質粒子となるように分級した。
この後、得られた表面改質粒子の平均円形度と2μm以下の粒子含有率を測定したところ、平均円形度が0.980、2μm以下の粒子含有率が9.5%であった。
これらの結果を表1にまとめた。
〔実施例7〕
本実施例では、複数の穴を持つ拡散部材の穴の面積B=0.0019cm2にした以外は実施例1と同様にして、表面改質微粒子を得た。
このとき得られた表面改質微粒子の粒度分布は重量平均粒径が5.68μmであり、粒径4.0μm以下のトナー粒子が56.9個数%であり、粒径10.1μm以上の表面改質微粒子が1.2体積%であった。また、そのときの収率は81%であった。
さらに、得られた表面改質微粒子を、コアンダ効果を利用した多分割分級機により、5.2μm≦D4≦5.8μm、20個数%≦粒径4.0μm以下の表面改質粒子≦35個数%、1.0体積%≧粒径10.1μm以上の表面改質粒子となるように分級した。
この後、得られた表面改質粒子の平均円形度と2μm以下の粒子含有率を測定したところ、平均円形度が0.980、2μm以下の粒子含有率が9.7%であった。
これらの結果を表1にまとめた。
〔実施例8〕
本実施例では、複数の穴を持つ拡散部材の穴の面積B=0.8cm2にした以外は実施例1と同様にして、表面改質微粒子を得た。
このとき得られた表面改質微粒子の粒度分布は重量平均粒径が6.06μmであり、粒径4.0μm以下のトナー粒子が49.7個数%であり、粒径10.1μm以上の表面改質微粒子が2.6体積%であった。また、そのときの収率は83%であった。
さらに、得られた表面改質微粒子を、コアンダ効果を利用した多分割分級機により、5.2μm≦D4≦5.8μm、20個数%≦粒径4.0μm以下の表面改質粒子≦35個数%、1.0体積%≧粒径10.1μm以上の表面改質粒子となるように分級した。
この後、得られた表面改質粒子の平均円形度と2μm以下の粒子含有率を測定したところ、平均円形度が0.982、2μm以下の粒子含有率が7.3%であった。
これらの結果を表1にまとめた。
〔実施例9〕
本実施例では、複数の穴を持つ拡散部材の穴の面積B=0.0016cm2にした以外は実施例1と同様にして、表面改質微粒子を得た。
このとき得られた表面改質微粒子の粒度分布は重量平均粒径が5.48μmであり、粒径4.0μm以下のトナー粒子が56.8個数%であり、粒径10.1μm以上の表面改質微粒子が0.8体積%であった。また、そのときの収率は70%であった。
さらに、得られた表面改質微粒子を、コアンダ効果を利用した多分割分級機により、5.2μm≦D4≦5.8μm、20個数%≦粒径4.0μm以下の表面改質粒子≦35個数%、1.0体積%≧粒径10.1μm以上の表面改質粒子となるように分級した。
この後、得られた表面改質粒子の平均円形度と2μm以下の粒子含有率を測定したところ、平均円形度が0.976、2μm以下の粒子含有率が11.9%であった。
これらの結果を表1にまとめた。
〔実施例10〕
本実施例では、複数の穴を持つ拡散部材の穴の面積B=1.0cm2にした以外は実施例1と同様にして、表面改質微粒子を得た。
このとき得られた表面改質微粒子の粒度分布は重量平均粒径が6.18μmであり、粒径4.0μm以下のトナー粒子が48.6個数%であり、粒径10.1μm以上の表面改質微粒子が3.6体積%であった。また、そのときの収率は86%であった。
さらに、得られた表面改質微粒子を、コアンダ効果を利用した多分割分級機により、5.2μm≦D4≦5.8μm、20個数%≦粒径4.0μm以下の表面改質粒子≦35個数%、1.0体積%≧粒径10.1μm以上の表面改質粒子となるように分級した。
この後、得られた表面改質粒子の平均円形度と2μm以下の粒子含有率を測定したところ、平均円形度が0.980、2μm以下の粒子含有率が10.8%であった。
これらの結果を表1にまとめた。
〔実施例11〕
本実施例では、熱風温度C=25℃とした以外は実施例1と同様にして、表面改質微粒子を得た。
このとき得られた表面改質微粒子の粒度分布は重量平均粒径が5.42μmであり、粒径4.0μm以下のトナー粒子が58.3個数%であり、粒径10.1μm以上の表面改質微粒子が0.6体積%であった。また、そのときの収率は95%であった。
さらに、得られた表面改質微粒子を、コアンダ効果を利用した多分割分級機により、5.2μm≦D4≦5.8μm、20個数%≦粒径4.0μm以下の表面改質粒子≦35個数%、1.0体積%≧粒径10.1μm以上の表面改質粒子となるように分級した。
この後、得られた表面改質粒子の平均円形度と2μm以下の粒子含有率を測定したところ、平均円形度が0.937、2μm以下の粒子含有率が14.2%であった。
これらの結果を表1にまとめた。
〔比較例1〕
本比較例では、上記得られたトナー粗砕物を、ジェット式粉砕機(日本ニューマチック工業社製I型ミル2型)にて、粗砕物供給量を5kg/h、粉砕圧0.6 MPaの条件で粉砕し、トナー微粒子を得た。
得られたトナー微粒子は重量平均粒径(D4)が5.46μm、粒径4.0μm以下のトナー微粒子が62.4個数%であり、粒径10.1μm以上のトナー微粒子が0.1体積%であった。更に、FPIA3000にて円形度を測定した結果、平均円形度が0.930、2μm以下粒子含有率が35.4%であった。
得られたトナー微粒子を図1の表面改質装置を用い、図2の出口に複数の穴を持つ拡散部材を装備させず(図2、図4の112の部材を装備しない状態)、該複数の穴を持つ拡散部材、粉体流速加速手段内壁に、炭化クロムを含有するクロム合金めっきを施さない装置構成にて、上記トナー微粒子を表面改質した。
この時の表面改質装置の運転条件はフィード量=5kg/hrであった。また、熱風温度C=220℃、熱風流量=6m3/min.、冷風、第二の冷風温度E=5℃、冷風流量=4m3/min.、第二の冷風流量=1m3/min.、ブロワー風量=20m3/min.、インジェクションエア流量=1m3/min.、拡散エア=0.4m3/min.であった。
このとき得られた表面改質微粒子の粒度分布は重量平均粒径が6.81μmであり、粒径4.0μm以下の表面改質微粒子が52.4個数%であり、10.1μm以上の表面改質微粒子が9.2体積%であった。また、そのときの収率は75%であった。
さらに、得られた表面改質微粒子を、コアンダ効果を利用した多分割分級機により、5.2μm≦D4≦5.8μm、20個数%≦粒径4.0μm以下の表面改質粒子≦35個数%、1.0体積%≧粒径10.1μm以上の表面改質粒子となるように分級した。
この後、得られた表面改質粒子の平均円形度と2μm以下の粒子含有率を測定したところ、平均円形度が0.968、2μm以下の粒子含有率が20.2%であった。
これらの結果を表1にまとめた。
〔比較例2〕
本比較例では、表面改質温度を25℃とした以外は比較例1と同様にして、表面改質微粒子を得た。
このとき得られた表面改質微粒子の粒度分布は重量平均粒径が5.48μmであり、粒径4.0μm以下の表面改質微粒子が63.1個数%であり、10.1μm以上の表面改質微粒子が0.1体積%であった。また、そのときの収率は75%であった。
さらに、得られた表面改質微粒子を、コアンダ効果を利用した多分割分級機により、5.2μm≦D4≦5.8μm、20個数%≦粒径4.0μm以下の表面改質粒子≦35個数%、1.0体積%≧粒径10.1μm以上の表面改質粒子となるように分級した。
この後、得られた表面改質粒子の平均円形度と2μm以下の粒子含有率を測定したところ、平均円形度が0.930、2μm以下の粒子含有率が35.0%であった。
これらの結果を表1にまとめた。
〔比較例3〕
本比較例では、比較例1で使用したトナー微粒子を、図6に示す表面改質装置に導入して表面改質を行った。
図6において151は本体ケーシング、158はステーター、177はステータージャケット、163はリサイクルパイプ、159は排出バルブ、219は排出シュート、164は原料投入シュートである。
該装置において、原料投入シュート164から供給されたトナー粒子及び他の微小固体粒子は、衝撃室168内で主として高速で回転している回転ローター162に配置された複数のローターブレード155によって瞬間的な打撃作用を受け、更に周辺のステーター158に衝突してトナー粒子同士または、他の微小固体粒子同士の凝集をほぐしながら系内に分散させると同時に、トナー粒子表面に他の微小固体粒子を静電気力、ファンデルワールス力等により付着させるか、トナー粒子のみの場合は、粒子の角取りまたは球形化が行なわれる。この状態は粒子の飛行と衝突に伴って進んで行く。即ち、ローターブレード155の回転により発生する気流の流れに伴って、該粒子は、163のリサイクルパイプを複数回通過することにより処理される。更にローターブレード155及びステーター158から該粒子が繰り返し打撃作用を受けることにより、他の微小固体粒子は、トナー粒子表面またはその近傍に均一に分散し固定化されるか、トナー粒子のみの場合は、粒子の形状が球形化されていく。
固定化が完了した該粒子は、排出弁制御装置128により排出バルブ159を開くことにより、219の排出シュートを通過し吸引ブロアー364と連通しているバグフィルター362等により捕集される。
本比較例においては、ローターブレード155を有する回転ローター162の最長径が242mmであるものを使用し、回転ローター162の回転周速は100m/secとした。また微粉砕品の投入量を180gとし、処理時間を180秒とした。これを10回程度繰り返し、表面改質粒子を得た。
このとき得られた表面改質微粒子の粒度分布は重量平均粒径が5.42μmであり、粒径4.0μm以下の表面改質微粒子が64.8個数%であり、10.1μm以上の表面改質微粒子が3.1体積%であった。また、そのときの収率は56%であった。
さらに、得られた表面改質微粒子を、コアンダ効果を利用した多分割分級機により、5.2μm≦D4≦5.8μm、20個数%≦粒径4.0μm以下の表面改質粒子≦35個数%、1.0体積%≧粒径10.1μm以上の表面改質粒子となるように分級した。
この後、得られた表面改質粒子の平均円形度と2μm以下の粒子含有率を測定したところ、平均円形度が0.962、2μm以下の粒子含有率が40.1%であった。
これらの結果を表1にまとめた。
Figure 2009015035
本発明の表面改質装置の概略的断面図である。 図1のD−D’面での概略的断面図である。 本発明の表面改質装置におけるトナー供給口及び気流噴射部材の概略的断面図である。 本発明の表面改質装置における複数の穴を持つ拡散部材の概略的断面図である。 本発明の表面改質装置におけるもう一つのトナー供給口及び気流噴射部材の概略的断面図である。 比較例の表面改質工程において使用される一例の表面改質装置の概略的断面図である。
符号の説明
100 トナー供給口
101 熱風供給口
102 気流噴射部材
103 冷風供給口
104 第二の冷風供給口
106 冷却ジャケット
111 結露防止を目的とした気流供給口
112 複数の穴を持つ拡散部材
113 気流噴射部材のシャフトが通る穴
114 トナー
115 高圧エア供給ノズル
116 移送配管
151 本体ケーシング
155 ローターブレード
158 ステーター
159 排出バルブ
163 リサイクルパイプ
164 原料投入シュート
168 衝撃室
177 ステータージャケット
128 定量供給機
359 サイクロン
362 バグ
364 ブロアー
369 サイクロン

Claims (10)

  1. 結着樹脂及び着色剤を少なくとも含有するトナーの表面改質を行う為のトナーの表面改質装置であって、該表面改質装置は、
    (1)トナーを装置内へ導入する為の粉体流速加速手段、
    (2)導入されたトナーを拡散する手段、
    (3)拡散されたトナーの表面を改質する手段、及び
    (4)トナーを回収する手段
    を少なくとも有し、該トナーを装置内へ導入する為の粉体流速加速手段の出口に少なくとも複数の穴を持つ拡散部材を具備することを特徴とするトナーの表面改質装置。
  2. 該粉体流速加速手段の出口の面積をZ(cm2)とし、該複数の穴の面積をB(cm2)としたとき、式(1)
    A=(B×100)/Z (1)
    で求められる複数の穴を持つ該拡散部材の開孔率A(%)が15≦A≦60であることを特徴とする請求項1に記載のトナーの表面改質装置。
  3. 該穴の面積B(cm2)が1.9×10-3≦B≦0.8であることを特徴とする請求項1又は2に記載のトナーの表面改質装置。
  4. 複数の穴を持つ該拡散部材及び/または該粉体流速加速手段内壁は、少なくとも表面に多数の凹凸面を形成させた後に、少なくとも炭化クロムを含有するクロム合金めっきによりコーティングが施されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のトナーの表面改質装置。
  5. 該表面改質は熱処理によって行われることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のトナーの表面改質装置。
  6. 少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有するトナーの表面改質を行う工程を少なくとも有する、重量平均粒子径(D4)が3μm以上11μm以下のトナーの製造方法において、
    該表面改質工程が、
    (1)トナーを装置内へ導入する為の粉体流速加速工程、
    (2)導入されたトナーを拡散する工程、
    (3)拡散されたトナーを熱処理により改質する工程、
    (4)トナーを回収する工程
    から、少なくとも構成されることを特徴とするトナーの製造方法。
  7. 該トナーを装置内へ導入する為の粉体流速加速工程は、該加速工程の出口に少なくとも複数の穴を持つ拡散部材を具備することを特徴とする請求項6に記載のトナーの製造方法。
  8. 該粉体流速加速手段の出口の面積をZ(cm2)とし、該複数の穴の面積をB(cm2)としたとき、以下式(1)
    A=(B×100)/Z (1)
    で求められる複数の穴を持つ該拡散部材の開孔率A(%)が15≦A≦60であることを特徴とする請求項7に記載のトナーの製造方法。
  9. 該穴の面積B(cm2)が1.9×10-3≦B≦0.8であることを特徴とする請求項7又は8に記載のトナーの製造方法。
  10. 複数の穴を持つ該拡散部材及び/または該粉体流速加速工程内壁は、少なくとも表面に多数の凹凸面を形成させた後に、少なくとも炭化クロムを含有するクロム合金めっきによりコーティングが施されていることを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載のトナーの製造方法。
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