JP4448019B2 - トナーの製造方法およびトナー粒子の表面を改質するための装置 - Google Patents

トナーの製造方法およびトナー粒子の表面を改質するための装置 Download PDF

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Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷の如き画像形成方法に用いられるトナーの製造方法及びトナー粒子の表面を改質するための装置に関する。
一般にトナー粒子の製造方法は粉砕法を用いる方法と重合法を用いる方法とが挙げられる。粉砕法により製造されるトナー粒子は、現状では、重合法に比して製造コストが低いという利点があり、現在においても広く複写機やプリンターに使用されるトナーに使用されている。粉砕法でトナー粒子を製造する場合、結着樹脂、着色剤等を所定量混合し、混合物を溶融混練し、混練物を冷却し、冷却されて固化した混練物を粉砕し、粉砕物を分級して所定の粒度分布を有するトナー粒子を得、得られたトナー粒子に流動性向上剤を外添してトナーを製造している。
近年複写機及びプリンタには、高画質化、省エネルギー化及び環境対応等が要求されている。これに対して、トナーは、高転写効率を達成し、廃トナーを削減するためにトナー粒子を球形化する方向に技術コンセプトが移行してきている。粉砕法によりこの様な技術コンセプトを達成する為に、機械式粉砕法によるトナー粒子の球形化の方法が提案され(特許文献1参照)、また、熱風によるトナー粒子の球形化の方法が提案されている(特許文献2参照)。しかしながら、機械式粉砕法によるトナー粒子の球形化の方法では十分な球形化が達成できない。また、熱風によるトナー粒子の球形化の方法は、トナー粒子にワックスを含有させた場合においては、ワックスの溶融が開始することでトナー粒子の表面性状を制御することが困難となり、トナー粒子の品質安定性に課題が残る。これに対して、高性能の表面処理及び微粉除去も可能なトナー粒子の表面を改質するための表面改質装置が提案されている(特許文献3参照)。しかしながら、該表面改質装置は、高球形化度を維持した場合には微粉除去効率いわゆる分級収率が低下する傾向、画像かぶり現象が生ずる傾向があることが挙げられる為、その改善が望まれている。
特開平9−85741号公報 特開2000−29241号公報 特開2002−233787号公報
本発明の目的は上記課題を解消したトナーの製造方法を提供することにある。
さらに、本発明の目的は、トナー粒子を高度に球形化でき、且つトナー粒子の収率が高いトナーの製造方法を提供することにある。
また、本発明の目的は、画像にカブリが発生しにくいトナーを効率良く製造するトナーの製造方法を提供することにある。
また、本発明の目的は、効率良くトナー粒子の表面を改質するための装置を提供することにある。
本発明は、トナー粒子を有するトナーの製造方法であり、
少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有する組成物を溶融混練する混練工程、
得られた混練物を冷却する冷却工程、
冷却固化物を微粉砕して微粉砕物を得る工程、及び
得られた微粉砕物に含まれる粒子の表面改質をおこなうための表面改質工程と、得られた微粉砕物に含まれる微粉及び超微粉を除去するための分級をおこなう分級工程とを同時に行ってトナー粒子を得る工程を有し、
表面改質工程と分級工程とを同時におこなってトナー粒子を得る工程が、回分式の表面 改質装置を用いて行われ、
該表面改質装置は、
円筒形状の本体ケーシング、
該本体ケーシングに開閉可能に設置された天板、
該微粉砕物を本体ケーシング内に投入する投入部、
該本体ケーシング内に投入された微粉砕物から所定粒径以下の微粉及び超微粉を装置外へ連続的に除去するために所定方向に回転する分級ローターを有する分級手段、
該分級手段によって除去された該微粉及び該超微粉を本体ケーシング外に排出する微粉排出部、
該微粉及び該超微粉が除去された微粉砕物に含まれる粒子を機械式衝撃力を用いて表面改質処理するための、該分級ローターの回転方向と同方向に回転する分散ローターと固定配置されているライナーとを有する表面改質手段、
本体ケーシング内に第一の空間と第二の空間とを形成するための円筒形状の案内手段、及び、
該分散ローターによって表面改質処理が行われたトナー粒子を本体ケーシング外に排出するためのトナー粒子排出部を少なくとも有し、
該本体ケーシングの内壁と円筒形状の該案内手段の外壁との間に設けられた該第一の空間は、該微粉砕物及び表面改質された該粒子を該分級ローターへ導くための空間であり、 該第二の空間は、該微粉及び該超微粉が除去された微粉砕物及び表面改質された該粒子を分散ローターで処理するための空間であり、
該表面改質装置内において、該投入部より本体ケーシング内に投入された微粉砕物を第一の空間に導入し、該分級手段により所定粒径以下の微粉及び超微粉を除去して装置外へ連続的に排出しつつ微粉及び超微粉が除去された微粉砕物を第二の空間へ移動させて、該分散ローターで処理して微粉砕物中の粒子の表面改質処理を行い、再び表面改質された粒子を含む微粉砕物を第一の空間と第二の空間とへ循環させることにより該分級と該表面改質処理とを繰り返し、これにより所定粒径以下の微粉及び超微粉が所定量以下に除去されており且つ表面改質されたトナー粒子を得をうるものであり、
該分散ローターは、該分散ローター上面の外縁部に設置された角型ディスクを含んだ外径が120mm以上であり、
角型ディスクと該ライナーとの最小間隔が、1.0mm乃至3.0mmであり、
該角型ディスクの数nと、該外径Dとが、下記式(1)の関係を満足し、
44.9≦πD/n≦125.6(mm) (1)
該分散ローターの上面に設置されている角型のディスクの高さをHとし、該分散ローターの外径をDとしたとき、下記式(2)から算出されるαの値が下記式(3)を満足することを特徴とするトナーの製造方法に関する。
H=√D×α+10.5 (2)
0.68≦α≦1.15 (3)
さらに、本発明は、トナー粒子の原料を分級し、トナー粒子の球形化処理を行うための回分式の表面改質装置であり、
本体ケーシング、該本体ケーシングに開閉可能に設置された天板、原料を該本体ケーシング内に投入する投入部、該本体ケーシング内に投入された原料から所定粒径以下の微粉及び超微粉を連続的に除去して所定粒径のトナー粒子を得るための分級ローターを有する分級手段、
該分級手段によって除去された微粉及び超微粉を該本体ケーシング外に排出するための微粉排出部、該微粉及び該超微粉が除去された粒子を、機械式衝撃力を用いて表面改質処理するための分散ローター及びライナーとを有する表面処理手段、
本体ケーシング内に第一の空間と第二の空間とを形成するための円筒形状の案内手段、及び、
該分散ローターと該ライナーとによって表面改質処理が行われたトナー粒子を本体ケーシング外に排出するためのトナー粒子排出部を少なくとも有し、
該本体ケーシングの内壁と円筒形状の該案内手段の外壁との間に設けられた該第一の空間は、該微粉砕物及び表面改質された該粒子を該分級ローターへ導くための空間であり、 該第二の空間は、該微粉及び該超微粉が除去された微粉砕物及び表面改質された該粒子を分散ローターで処理するための空間であり、
該表面改質装置内において、該投入部より本体ケーシング内に投入された原料を第一の空間に導入し、該分級手段により原料から所定粒径以下の微粉及び超微粉を除去して装置外へ連続的に排出しつつ微粉及び超微粉が除去されたトナー粒子を第二の空間へ移動させて、該分散ローター及び該ライナーで処理してトナー粒子の表面改質処理を行い、再び表面改質されたトナー粒子を含む粉体を第一の空間と第二の空間とへ循環させることにより該分級と該表面改質処理とを繰り返し、これにより所定粒径以下の微粉及び超微粉が所定量以下に除去されており且つ表面改質されたトナー粒子を得をうるものであり、
該分散ローターは、該分散ローター上面の外縁部に設置された角型ディスクを含んだ外径が120mm以上であり、
角型ディスクと該ライナーとの最小間隔が、1.0mm乃至3.0mmであり、
該角型ディスクの数nと、該外径Dとが、下記式(1)の関係を満足し、
44.9≦πD/n≦125.6(mm) (1)
該分散ローターの上面に設置されている角型のディスクの高さをHとし、該分散ローターの外径をDとしたとき、下記式(2)から算出されるαの値が下記式(3)を満足することを特徴とする表面改質装置に関する。
H=√D×α+10.5 (2)
0.68≦α≦1.15 (3)
本発明によれば、トナー粒子の表面改質に伴う過度な粉砕を防止し、熱の影響が少なく、微粉及び超微粉の少ないシャープな粒度分布を有する表面が改質されたトナー粒子がより効率良く得られ、トナー粒子の表面形状を任意にコントロールできる。また、本発明によれば、良好な現像性、転写性並びにクリーニング性、及び安定した帯電性を有する、長寿命のトナーを得ることができる。
以下、好ましい実施の形態を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
本発明者は、上記した従来技術の課題を解決すべく鋭意検討の結果、トナー粒子の原料を分級し、トナー粒子の球形化処理を行う回分式の表面改質装置において、分散ローターとライナーとの位置関係を適切な状態に設定することにより、トナー粒子の粉砕を防止し、熱の影響が少なく、微粉の少ないシャープな粒度分布を有し、球形度の高いトナー粒子が効率良く得られ、且つ知なー粒子の表面形状を、効率良くコントロールできることを知見した。さらに、本発明の表面改質装置を用いてトナー粒子の表面の改質処理を行うことにより、良好な現像性、転写性並びにクリーニング性及び安定した帯電性を有するトナー粒子が得られることを知見して本発明に到ったものである。
以下、好ましい実施の形態を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
本発明の製造方法に使用される表面改質装置に関して説明する。
本発明の表面改質装置は、微粉砕物に含まれる微粉及び超微粉を分級して除去する工程と微粉砕物の含まれる粒子の表面改質処理の工程とを同時に行うための回分式の装置である。
本発明の表面改質装置は、
円筒形状の本体ケーシング、
該本体ケーシングに開閉可能に設置された天板、
該微粉砕物を本体ケーシング内に投入する投入部、
該本体ケーシング内に投入された微粉砕物から所定粒径以下の微粉及び超微粉を装置外へ連続的に除去するために所定方向に回転する分級ローターを有する分級手段、
該分級手段によって除去された該微粉及び該超微粉を本体ケーシング外に排出する微粉排出部、
該微粉及び該超微粉が除去された微粉砕物に含まれる粒子を機械式衝撃力を用いて表面改質処理するための、該分級ローターの回転方向と同方向に回転する分散ローターと固定配置されているライナーとを有する表面改質手段、
本体ケーシング内に第一の空間と第二の空間とを形成するための円筒形状の案内手段、及び、
該分散ローターによって表面改質処理が行われたトナー粒子を本体ケーシング外に排出するためのトナー粒子排出部を少なくとも有し、
該本体ケーシングの内壁と円筒形状の該案内手段の外壁との間に設けられた該第一の空間は、該微粉砕物及び表面改質された該粒子を該分級ローターへ導くための空間であり、 該第二の空間は、該微粉及び該超微粉が除去された微粉砕物及び表面改質された該粒子を分散ローターで処理するための空間であり、
該表面改質装置内において、該投入部より本体ケーシング内に投入された微粉砕物を第一の空間に導入し、該分級手段により所定粒径以下の微粉及び超微粉を除去して装置外へ連続的に排出しつつ微粉及び超微粉が除去された微粉砕物を第二の空間へ移動させて、該分散ローターで処理して微粉砕物中の粒子の表面改質処理を行い、再び表面改質された粒子を含む微粉砕物を第一の空間と第二の空間とへ循環させることにより該分級と該表面改質処理とを繰り返し、これにより所定粒径以下の微粉及び超微粉が所定量以下に除去されており且つ表面改質されたトナー粒子を得をうるものであり、
該分散ローターは、外径が120mm以上であり、
該分散ローターと該ライナーとの最小間隔が、1.0mm乃至3.0mmである。
図1は、本発明に使用される表面改質装置の好適な一例を示す概略断面図である。図2(A)および(B)は、ディスク33を有する分散ローター32の外径Dを説明するための説明図であり、図3は、分散ローター32とライナー34との最小間隔を説明するための説明図であり、図4は、ディスク33の高さHを説明するための説明図である。
図1に示す回分式表面改質装置は、円筒形状の本体ケーシング30、本体ケーシングの上部に開閉可能なよう設置された天板43;微粉排出ケーシングと微粉排出管とを有する微粉排出部44;冷却水或いは不凍液を通水できる冷却ジャケット31;表面改質手段としての、本体ケーシング30内にあって中心回転軸に取り付けられた、上面に角型のディスク33を複数個有し、所定方向に高速に回転する円盤状の回転体である分散ローター32;分散ローター32の周囲に一定間隔を保持して固定配置された、分散ローター32に対向する表面に多数の溝が設けられているライナー34;微粉砕物中の所定粒径以下の微粉及び超微粉を連続的に除去するための分級ローター35;本体ケーシング30内に冷風を導入するための冷風導入口46;微粉砕物(原料)を導入するために本体ケーシング30の側面に形成された原料投入口37及び原料供給口39を有する投入管;表面改質処理後のトナー粒子を本体ケーシング30外に排出するための製品排出口40及び製品抜取口42を有する製品排出管;表面改質時間を自在に調整できるように、原料投入口37と原料供給口39との間に設置された開閉可能な原料供給弁38;及び製品排出口40と製品抜取口42との間に設置された製品排出弁41を有している。
本発明のトナーの製造方法に使用する表面改質装置の特徴の一つは、分散ローター32の外径Dが120mm以上であり、分散ローター32の上面に設置されているディスク33とライナー34の最小間隔を1.0〜3.0mmとすることである。好ましくは、分散ローター32の外径Dは、200乃至600mmがよい。さらに、ディスク33は、上記の如く角型のディスクが好ましい。
分散ローター32の上面に設置されているディスク33とライナー34の最小間隔とは、図3に示す通り、分散ローター32の上面に設置されているディスク33の中心部と、ライナー34の先端部との最短距離のことである。
分散ローター32の上面に設置されているディスク33と、ライナー34の最小間隔を、1.0mm乃至3.0mmすることにより、トナー粒子の表面改質に伴う過度な粉砕を防止し、熱の影響が少なく、微粉及び超微粉の少ないシャープな粒度分布を有し、球形度の高いトナー粒子が効率良く得られる。さらに、トナー粒子の表面形状を、任意にコントロールすることができ、良好な現像性、転写性並びにクリーニング性、及び安定した帯電性を有する、長寿命のトナーを得ることができる。
表面改質処理がなされたトナー粒子の表面形状は、分散ローター32の上面に複数設置されたディスク33と分散ローター32の周囲に一定間隔を保持して固定配置されたライナーとの最小間隔に影響される。分散ローター32の上面に設置されたディスク33とライナー34の最小間隔を適切な状態に制御することで、ディスクとライナーとの間で行われるトナー粒子の表面処理具合をコントロールすることが重要である。本発明において、表面改質処理工程で使用する表面改質装置として、図1に示す回分式の表面改質装置を使用し、原料供給弁38を閉じてからから製品排出弁41を開放するまでのトナー粒子の処理時間及び分散ローター32の上面に設置されているディスク33とライナー34の最小間隔を適切な状態に制御することにより、表面改質処理時における微粉及び超微粉の増加を防止し、トナー粒子の表面形状を、任意に良好にコントロールすることができる。
ライナー34は、表面に多数の溝が設けられていることが好ましい。トナー粒子の表面形状をコントロールするためには、表面改質装置内でのトナー粒子の滞留時間をコントロールすることが重要である。
分散ローター32とライナー34の最小間隔を1.0mm未満とすると、装置自体の負荷が大きくなり、表面改質時にトナー粒子が過粉砕されやすく、熱によるトナー粒子の表面の変質や装置内のトナー粒子の融着を起こしやすくなり、トナー粒子の生産性が低下する。分散ローター32とライナー33の最小間隔を、3.0mmを超える場合は、球形度の高いトナー粒子を得るために、分散ローター32を高速運転しなければならず、表面改質時にトナー粒子が過粉砕されやすく、熱によるトナー粒子の表面の変質や装置内のトナー粒子の融着を起こしやすく、トナー粒子の生産性が低下する。
更に、分散ローター32の上面に設置されているディスク33の数をnとし、分散ローター32の外径をD(図2参照)とした場合、下記式(1)の関係を満足することが好ましい。
44.9≦π×D/n≦125.6(mm) (1)
更に、分散ローター32の上面に設置されているディスク33の高さをHとし、分散ローター32の外径をDとしたとき、下記式(2)から算出されるαの値が下記式(3)を満足することが好ましい。
Figure 0004448019
0.68≦α≦1.15 (3)
図3に示すように溝を有しているライナー34は、トナー粒子の表面改質を効率的におこなう上でこのましい。ディスク33の個数は、図2(A)に示すように、分散ローター32の回転バランスを考慮して、偶数個が好ましい。分散ローター32の回転方向は、図10(A)及び(B)に示すように、通常装置上面から見て反時計方向である。
図1及び図12に示す分級ローター35は、分散ローター32の回転方向と同方向に回転するのが、分級の効率を高め、トナー粒子の表面改質の効率を高める上で好ましい。
該表面改質装置は、更に、天板43に対して垂直な軸を有する案内手段としての円筒状のガイドリング36を本体ケーシング30内に有している。該ガイドリング36は、その上端が天板から所定距離離間して設けられており、分級ローター36の少なくとも一部を覆うようにガイドリングは、支持体により本体ケーシング30に固定されている。ガイドリング36の下端は分散ローター32の角形ディスク33から所定距離離間して設けられる。該表面改質装置内において、分級ローター35と分散ローター32との間の空間が、ガイドリング36の外側の第一の空間47と、ガイドリング36の内側の第二の空間48とにガイドリング36によって二分される。第一の空間47は微粉砕物及び表面改質処理された粒子を分級ローター35へ導くための空間であり、第二の空間は微粉砕物及び表面改質処理された粒子を分散ローターへ導くための空間である。分散ローター32上に複数個設置された角型のディスク33と、ライナー34との間隙部分が表面改質ゾーン49であり、該分級ローター35及び該分級ローター35の周辺部分が分級ゾーン50である。
微粉排出管は、分級ローター35により除去された微粉及び超微粉を装置外に排出するための微粉排出口45を有している。
図10(A)および(B)は、該投入部の投入管と該微粉排出部の微粉排出管との角度θを説明するための図であり、図1の表面改質装置の概略的な上面投影図(水平投影面図)である。図11は該表面改質装置の該投入部の投入管と該微粉排出部の微粉排出管との位置関係を説明するための模式的斜視図である。
表面改質処理装置に導入される微粉砕物は、溶融混練物を冷却した固形物を粗粉砕した粗粉砕物を例えば図8に示す微粉砕システムに導入して調製することができる。微粉砕システムにおいて、粗粉砕物を原料供給機433に導入し、原料供給機433から搬送管434を経由して風力分級機432に導入する。風力分級機432は、コレクター438内にセンターコア440及びセパレートコア441を有している。風力分級機432内において、二次エアー供給口443から導入される2次エアにより粗粉砕物は、微粉砕物と粗粒子に分級される。分級された微粉砕物は、排出管442を経由してシステム外に排出され、図12に示す原料ホッパ380に導入される。分級された粗粒子は、本体ホッパー部439を経由して微粉砕機(例えば、ジェットミル)431に導入される。微粉砕機においては、圧縮空気が導入されているノズル435に粗粒子を供給し、粗粒子を高速の圧縮空気で搬送して、粉砕室437の衝突板436に衝突させて微粉砕し、粗粒子の微粉砕物を搬送管434を経由して風力分級機432に導入して、再度分級する。
微粉砕物の重量平均径が、3.5〜9.0μmであり、且つ粒径が3.17μm以下の粒子の割合が30〜70個数%であることが、後工程で効率良く分級工程及び粒子の表面処理工程を同時に表面改質装置内で効率良くおこなう上で好ましい。
図12に示す如く、原料ホッパー380に導入される微粉砕物は、定量供給機315を経由して、投入管の原料投入口37から原料供給弁38を通って原料供給口39より装置内に供給される。表面改質装置には、冷風発生手段319で発生させた冷風を冷風導入口46から本体ケーシング内に供給し、さらに、冷水発生手段320からの冷水を冷水ジャッケト31に供給し、本体ケーシング内の温度を所定温度に調整する。供給された微粉砕物は、ブロアー364による吸引風量、分散ローター32の回転及び分級ローター35の回転により形成される旋回流により、円筒状のガイドリング36の外側の第一の空間47を旋回しながら分級ローター35近傍の分級ゾーン50に到達して分級処理が行われる。本体ケーシング30内に形成される旋回流の向きは、分散ローター32及び分級ローター35の回転方向と同じであるので、装置上面よりみて反時計方向となる。
表面改質装置において、天板43と分級ローター35との接面部は密着させず、適当な隙間を設けることが好ましい。分級ローター35と天板43との対向面部の間隔は、好ましくは1.0mm以下、より好ましくは0.1乃至0.9mmがよい。該間隔からエアーが吹き出す構成とすると更に好ましい。該間隔が1.0mmを超えると、トナー粒子が該間隔から分級ローターを通過せずに、ケーシング30へのショートパスが発生する恐れがある。該間隔から吹き出すエアー流量は、0.5m3/min以上が好ましく、1.0m3/min以上がより好ましい。エアー圧は、0.05MPa以上が好ましく、0.1MPa以上がより好ましい。
更に、本発明のトナーの製造方法においては、表面改質装置におけるトナー粒子の表面改質時間が5秒乃至180秒であることが好ましく、15秒乃至120秒であることがより好ましい。表面改質時間が5秒未満の場合、球形度の高いトナー粒子が得られにくく、品質の良いトナー粒子が得られにくい。一方、表面改質時間が180秒を超える場合、表面改質時間が長すぎるため、表面改質時に発生する熱によるトナー粒子の表面が変質されやすく、装置内のトナー粒子の融着が発生しやすく、トナー粒子の生産性が低下する傾向にある。
更に、本発明のトナーの製造方法においては、該分散ローターの回転時の先端周速は30〜175m/secとすることが好ましく、40〜160m/secとすることがより好ましい。分散ローター32の周速が30m/sec未満であると、所定の円形度のトナー粒子を得るためには処理能力を落とさなければならず、トナー粒子の生産性が低下する傾向にある。一方、分散ローター32の回転周速が175m/secを超えると、装置自体の負荷が大きくなり、表面改質時にトナー粒子が過粉砕されやうく、熱によるトナー粒子の表面が変質されやすく、装置内のトナー粒子の融着を起こしやすい。
更に、本発明のトナーの製造方法においては、該表面改質装置内の分散ローター32上面に設置されているディスク33の上面と、円筒型のガイドリング36の下端の最小間隔を2.0〜50.0mmとすることが好ましく、5.0〜45.0mmとすることがより好ましい。該表面改質装置内のディスク33の上面と、円筒型のガイドリング36の下端の最小間隔を2.0mm未満であると、装置自体の負荷が大きくなりやすく、ガイドリング36の内側の第一の空間でのトナー粒子の滞留時間が長くなりやすく、表面改質時に過粉砕され熱によるトナー粒子の表面が変質されやすく、装置内のトナー粒子の融着が起こしやすい。また、ディスク33の上面と、円筒型のガイドリング36の下端の最小間隔を50.0mmが超えると、トナー粒子が十分に表面改質されない状態でガイドリング36の外側の第二の空間へ流出するというショートパスを起こしやすい。
更に、本発明のトナーの製造方法においては、該表面改質装置内のガイドリング36と、装置内壁との間の最小間隔が20.0mm乃至60.0mmとすることが好ましく、更には、25.0mm乃至55.0mmとすることが好ましい。該表面改質装置内のガイドリング36と、装置内壁との間の最小間隔が20.0mm未満であると、ガイドリング36の内側の第二の空間での滞留時間が短くなり、トナー粒子が十分に表面改質されない状態でガイドリング36の外側の第一の空間へ流出する可能性があり、トナー粒子の生産性が低下しやすい。また、表面改質装置内のガイドリング36と、装置内壁との間の最小間隔が60.0mmを超える場合、分散ローター32近傍でのトナー粒子の滞留時間が長くなり、表面改質時にトナー粒子が粉砕されやすく、熱によりトナー粒子の表面が変質されやすく、装置内でトナー粒子の融着が起こりやすい。
更に、本発明のトナーの製造方法においては、表面改質装置内に導入する冷風温度T1を5℃以下とすることが好ましい。表面改質装置内に導入する冷風温度T1を5℃以下(より好ましくは0℃以下、更に好ましくは−5℃乃至−40℃)とすることにより、表面改質時に発生する熱によるトナー粒子の表面の変質が抑制され、装置内のトナー粒子の融着を良好に防止することができる。表面改質装置内に導入する冷風温度T1が5℃を超える場合は、表面改質時に発生する熱によるトナー粒子の表面が変質されやすく、装置内のトナー粒子の融着を起こりやすい。
表面改質装置内に導入する冷風の発生装置で使用する冷媒としては、地球全体の環境問題という点から代替フロンが好ましい。代替フロンとしては、R134a、R404A、R407c、R410A、R507A、R717が挙げられる。この中で、省エネルギー性や安全性という点から、特にR404Aが好ましい。
表面改質装置内に導入する冷風は、装置内の結露防止という面から、除湿したものであることがトナー粒子の生産性上好ましい。冷風の除湿装置としては公知のものが使用できる。給気露点温度としては、−15℃以下が好ましく、更には−20℃以下が好ましい。
更に、表面改質装置は、冷却用のジャケットを更に具備していることが好ましい。該ジャケット内に冷媒(好ましくは冷却水、更に好ましくはエチレングリコールの如き不凍液)を通しながらトナー粒子を表面改質処理することが好ましい。該ジャケットにより装置内を冷却することにより、表面改質時における熱によるトナー粒子の表面の変質が抑制され、装置内のトナー粒子の融着を良好に防止することができる。
表面改質装置のジャケット内に通す冷媒の温度は5℃以下とすることが好ましい。該トナー粒子回分式表面改質装置内のジャケット内に通す冷媒の温度を5℃以下(より好ましくは0℃以下、更に好ましくは−5℃以下)とすることにより、表面改質時に発生する熱によるトナー粒子の表面の変質が抑制され、装置内のトナー粒子の融着を良好に防止することができる。
また、本発明のトナーの製造方法においては、表面改質装置内の分級ローター35後方にある、微粉排出口45内の温度T2を60℃以下とすることが好ましい。該温度T2を60℃以下(更に好ましくは50℃以下)とすることにより、表面改質時に発生する熱によるトナー粒子の表面の変質が抑制され、装置内のトナー粒子の融着を防止することができる。
更に、本発明のトナーの製造方法においては、微粉排出口内の温度T2と、表面改質装置に導入される冷風温度T1との温度差ΔT(T2−T1)を100℃以下とすることが好ましい。該温度差ΔT(T2−T1)を100℃以下(更に好ましくは80℃以下)とすることにより、表面改質時に発生する熱によるトナー粒子の表面の変質が良好に抑制され、装置内のトナー粒子の融着を防止することができる。
分級ローター35によって除去されるべき微粉及び超微粉は、ブロワー364の吸引力より分級ローター35のスリットより吸引され微粉排出管の微粉排出口45及びサイクロン入口359を経由してサイクロン369及びバグ362に捕集される。微粉及び超微粉を除去された微粉砕物は第二の空間48を経由して分散ローター32近傍の表面改質ゾーン49に至り、分散ローター32に具備される角型ディスク33(ハンマー)と本体ケーシング30に具備されたライナー34によって粒子の表面改質処理が行われる。表面改質が行われた粒子はガイドリング36に沿って旋回しながら再び分級ローター35近傍に到達し、分級ローター35の分級により表面改質された粒子からの微粉及び超微粉の除去がおこなわれる。所定の時間処理を行った後、排出弁41を開き、表面改質装置から所定粒径以下の微粉及び超微粉が除かれた表面改質されたトナー粒子を取り出す。
所定の重量平均径に調整され、所定の粒度分布に調整され、さらに所定の円形度に表面改質されたトナー粒子は、トナー粒子の輸送手段321により外添剤の外添工程に移送される。
該投入部は、該本体ケーシングの側面に形成されていることが好ましく、該微粉排出部は該本体ケーシングの上面に形成されていることが好ましい。
図10(A)及び図10(B)に示すように、表面改質装置の上面投影図において該投入部の投入管の中心位置S1から第一の空間への該微粉砕物の投入方向に伸びる直線をL1とし、該微粉排出部の微粉排出管の中心位置O1から微粉及び超微粉の排出方向に伸びる直線をL2とした時、直線L1と直線L2のなす角θが、該分級ローターの回転方向を基準にして210〜330度であることがトナー粒子の収率を高める上で好ましい。
微粉砕物(原料)の投入管の位置と微粉排出管の位置との関係がトナー粒子の収率の向上及得られるトナーのかぶり現象の改善に影響を及ぼすことを見出した。表面改質装置の上面から見た図10(A)及び図10(B)に示す上面投影図において、投入管の原料投入口37の中心位置と微分排出管の微粉排出口45の中心位置との関係が、投入部(原料投入口39)の中心位置S1から投入方向に伸びる直線をL1とし、微粉排出部の中心位置O1から排出方向に伸びる直線をL2とした時、交点M1における直線L1と直線L2のなす角度θが分級ローター35の回転方向を基準として210〜330度であることが好ましい。図10(A)及び図10(B)において、M1は、微粉排出ケーシング44の中心位置を示す。図10(B)に示すように、微粉砕物の投入管は、本体ケーシング30に対して接線方向に配置し、円筒状のガイドリング36の外壁の接線方向に微粉砕物を導入することが、微粉砕物の分級効率を高める上で好ましい。
図10(A)及び図2(B)に示すように、投入部の中心位置S1とは、投入管の径(又は幅)の中点を示し、微粉排出部の中心位置O1とは、微粉排出管の径(又は幅)の中点を示す。角度θは、中点S1を通過して原料投入方向と平行に伸びる直線L1と中点O1を通過して微粉排出方向に伸びる直線L2との交点をM2とした時に、直線S1―M2と直線O1−M2とのなす角度θをいう。角度θは分散ローター32及び分級ローター35の回転方向を正として定義する。前述したように、図10(A)及び図10(B)の場合は、M1を中心として分散ローター32及び分級ローター35が反時計方向に回転する場合である。角度θが180度の場合は投入方向と排出方向が同一かつ平行であり、角度θが0度の場合は投入方向と排出方向が逆でありかつ平行である。
本発明の表面改質装置は、鉛直方向下側より分散ローター32、微粉砕物(原料)の投入部39、分級ローター35及び微粉排出部を有している。従って、通常、分級ローター35の駆動部分(モーター等)は分級ローター35の更に上方に設けられ、分散ローター32の駆動部分は分散ローター32の更に下方に設ける。本発明で用いる表面改質装置は、例えば特開2001―259451号公報に記載されている分級ローター35のみを有するTSP分級機(ホソカワミクロン社製)の様に、微粉砕物(原料)を分級ローター35の鉛直上方向より供給することは困難である。
本発明に用いられる表面改質装置の場合は、原料供給方向及び微粉排出方向は、分級ローター35及び分散ローター32の回転面と平行又は実質的に平行になる様設けることが好ましい。微粉排出方向(吸引方向)が分級ローター35の回転面と平行又は実質的に平行の場合は、原料供給方向と微粉排出方向の角度θが所定の粒径の粒子を高収率で得るために重要である。原料供給方向と微粉排出方向の角度θを調整することにより、原料の微粉砕物中の凝集粉体を良好に微分散させた後に分級ローター35近傍の分級ゾーン50に微粉砕物を導入することができる。
微粉砕物の投入部と微粉排出部との位置関係において、角θが0乃至180度の場合は、分散ローター32で形成される旋回流により微粉砕物中の凝集粉体を充分に微分散する前に、ブロアー364の吸引力が分級ローター35を介して作用する傾向にあり、第1の空間47に投入された微粉砕物の分散が不十分となりやすく、微粉及超微粉の分級効率が低下し、分級時間が長くなり分級収率が低下する傾向にある。角度θが210〜330度の場合は、分散ローター32で形成される旋回流により微粉砕物中の凝集粉体を充分に微分散でき、分級ローターで形成される遠心力が効果的に作用する為良好な分級収率を得ることができる。上記効果をより発揮するには、角θが225〜315度であることが好ましく、さらに250〜290度であることがより好ましい。
本発明において、分級ローター35の最も径の大きい箇所の先端周速は30〜120m/secであることが好ましい。分級ローターの先端周速は50〜115m/secであることがより好ましく、70〜110m/secであることが更に好ましい。30m/secより遅い場合は、分級収率が低下しやすく、トナー粒子中に超微粉が増加する傾向にあり好ましくない。120m/secより速い場合は、装置の振動の増加の問題が生じやすい。
本発明における「表面改質」とは、粒子表面の凸凹を円滑にすることであり、粒子の外観形状を球形に近づけることをいう。このような本発明の表面改質粒子の表面改質の度合いを示すものとして、本発明においては平均円形度をその指標とする。
本発明における平均円形度は、フロー式粒子像測定装置「FPIA−2100型」(シスメックス社製)を用いて測定を行い、下式を用いて算出する。
Figure 0004448019
ここで、「粒子投影面積」とは二値化された粒子像の面積であり、「粒子投影像の周囲長」とは該粒子像のエッジ点を結んで得られる輪郭線の長さと定義する。測定は、512×512の画像処理解像度(0.3μm×0.3μmの画素)で画像処理した時の粒子像の周囲長を用いる。
本発明における円形度は粒子の凹凸の度合いを示す指標であり、粒子が完全な球形の場合に1.000を示し、表面形状が複雑になる程、円形度は小さな値となる。
また、円形度頻度分布の平均値を意味する平均円形度Cは、粒度分布の分割点iでの円形度(中心値)をci、測定粒子数をmとすると、次式から算出される。
Figure 0004448019
円形度標準偏差SDは、平均円形度C、各粒子における円形度ci、測定粒子数をmとすると次式から算出される。
Figure 0004448019
本発明で用いている測定装置である「FPIA−2100」は、各粒子の円形度を算出後、平均円形度及び円形度標準偏差の算出に当たって、得られた円形度によって、粒子を円形度0.4〜1.0を0.01ごとに等分割したクラスに分け、その分割点の中心値と測定粒子数を用いて平均円形度及び円形度標準偏差の算出を行う。
具体的な測定方法としては、容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水20mlを用意し、その中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩)を加えた後、更に測定試料を試料濃度が2000〜5000個/μlとなるように均一に分散させる。分散させる手段としては、超音波分散機「ULTRASONIC CLEANER VS−150型」(アズワン株式会社製)を用い、下記の条件で1分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、該分散液の温度が40℃以上とならない様に適宜冷却する。また、円形度のバラツキを抑えるため、フロー式粒子像分析装置FPIA−2100の機内温度が26〜27℃になるよう装置の設置環境を23℃±0.5℃にコントロールし、一定時間おきに、好ましくは2時間おきに2μmラテックス粒子を用いて自動焦点調整を行う。
[超音波発振器による分散条件]
装置:ULTRASONIC CLEANER VS−150型(アズワン株式会社製)
定格:出力 50kHz 150W
粒子の円形度測定には、前記フロー式粒子像測定装置を用い、測定時のトナー粒子濃度が3000〜1万個/μlとなる様に該分散液濃度を再調整し、粒子を1000個以上計測する。計測後、このデータを用いて、円相当径2μm未満のデータをカットして、粒子の平均円形度を求める。
更に本発明で用いている測定装置「FPIA−2100」は、トナー又はトナー粒子の形状を算出するために用いられていた「FPIA−1000」と比較して、処理粒子画像の倍率の向上、更に取り込んだ画像の処理解像度を向上(256×256→512×512)させることにより粒子の形状測定の精度が上がっており、それにより微粒子のより確実な捕捉を達成している装置である。従って、本発明のように、より正確に粒子の形状を測定する必要がある場合には、FPIA2100の方が有用である。
本発明における測定の概略は、以下の通りである。
試料分散液は、フラットで扁平なフローセル(厚み約200μm)の流路(流れ方向に沿って広がっている)を通過させる。フローセルの厚みに対して交差して通過する光路を形成するように、ストロボとCCDカメラが、フローセルに対して、相互に反対側に位置するように装着される。試料分散液が流れている間に、ストロボ光がフローセルを流れている粒子の画像を得るために1/30秒間隔で照射され、その結果、それぞれの粒子は、フローセルに平行な一定範囲を有する2次元画像として撮影される。それぞれの粒子の2次元画像の面積から、同一の面積を有する円の直径を円相当径として算出する。それぞれの粒子の2次元画像の投影面積及び投影像の周囲長から上記の円形度算出式を用いて各粒子の円形度を算出する。
図8に示すように、微粉砕物は、通常知られている衝突式気流粉砕機又は機械式粉砕機で溶融混練物の冷却物の粗粉砕物を分級し微粉砕する方法が挙げられる。機械式粉砕機としては、ターボ工業(株)製ターボミル、川崎重工業(株)製クリプトロン、ホソカワミクロン(株)製イノマイザー、日清エンジニアリング(株)製スーパーローターが挙げられる。
さらに、本発明で好適に用いられる微粉砕物を得る方法としては、I−DS型粉砕機(日本ニューマチック社製)、特開平2003−262981号公報の図1に記載されているジェットエアーを利用した衝突式気流粉砕機と、特開平2003−262981号公報の図7に記載されている分級機を使用して微粉砕物を得る方法が挙げられる。
本発明のトナー製造方法によれば、表面改質工程によって得られた表面改質粒子の平均円形度を、該表面改質工程に導入される微粉砕物の平均円形度よりも0.01〜0.40大きくすることができる。該表面改質装置の表面改質時間を任意にコントロールすることにより、トナー粒子の表面形状を任意にコントロールすることができるためである。本装置を用いることにより、平均円形度0.935〜0.980のトナー粒子(表面改質粒子)を得ることができる。転写効率の向上及び画像の中抜けの発生防止の観点からは平均円形度を0.940乃至0.980にすることが好ましい。
トナーの粒度分布は種々の方法によって測定できるが、本発明においては、次の測定装置を用いて行う。
測定装置としては、コールターカウンターTA−II型又はコールターマルチサイザーII(コールター社製)を用いる。アパチャーとして100μmアパチャーを用い、トナーの体積及び個数を測定して体積分布と個数分布とを算出する。それから、本発明に係る体積分布から求める重量基準の重量平均粒径を求める。
本発明の製造方法により製造されるトナーは、少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有するトナー粒子と、このトナー粒子に必要に応じて添加混合された外添剤とを有する。
トナー粒子の原材料について説明する。トナー粒子は、少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有し、必要に応じて、更にワックスや荷電制御剤の如き成分を含有する。
本発明に用いられる結着樹脂としては、従来トナーの結着樹脂として知られている樹脂を使用することができ、例えば、ビニル系樹脂、フェノール樹脂、天然樹脂変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロインデン樹脂、石油系樹脂が挙げられる。中でもビニル系樹脂とポリエステル樹脂が帯電性や定着性の点で好ましい。
ビニル系樹脂としては、スチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチレンスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンの如きスチレン誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンの如きエチレン不飽和モノオレフィン類;ブタジエンの如き不飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、弗化ビニルの如きハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルの如きビニルエステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンの如きビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンの如きN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドの如きアクリル酸又はメタクリル酸誘導体;α,β−不飽和酸のエステル、二塩基酸のジエステル類;アクリル酸、メタクリル酸、α−エチルアクリル酸、クロトン酸、ケイヒ酸、ビニル酢酸、イソクロトン酸、アンゲリカ酸等のアクリル酸及びそのα−又はβ−アルキル誘導体;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、アルケニルコハク酸、イタコン酸、メサコン酸、ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸等の不飽和ジカルボン酸及びそのモノエステル誘導体又は無水物等のビニル系モノマーを用いた重合体が挙げられる。
上記ビニル系樹脂では、前述したようなビニル系モノマーが単独で又は2種以上が組み合わされて用いられる。これらの中でもスチレン系共重合体、スチレン−アクリル系共重合体となるようなモノマーの組み合わせが好ましい。
また、本発明に用いられる結着樹脂は、必要に応じて以下に例示するような架橋性モノマーで架橋された重合体又は共重合体であってもよい。
架橋性モノマーとしては、架橋可能な二以上の不飽和結合を有するモノマーを用いることができる。このような架橋性モノマーとしては、以下に示すような種々のモノマーが知られており、本発明で用いるトナーに好適に用いることができる。
架橋性モノマーのうち単官能のものとしては、芳香族ジビニル化合物として、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンが挙げられ;アルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物として例えば、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが挙げられ;エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類としては、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが挙げられ;芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類として、ポリオキシエチレン(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、ポリオキシエチレン(4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロバンジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが挙げられ;ポリエステル型ジアクリレート類として、商品名MANDA(日本化薬)が挙げられる。
多官能の架橋性モノマーとしては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの;トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメリテートが挙げられる。
結着樹脂としては、以下に示すポリエステル樹脂も好ましい。ポリエステル樹脂は、全成分中45〜55mol%がアルコール成分であり、55〜45mol%が酸成分であることが好ましい。
アルコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、下記(B)式で表されるビスフェノール誘導体;
Figure 0004448019
(式中、Rはエチレン又はプロピレン基を示し、x及びyはそれぞれ1以上の整数であり、かつx+yの平均値は2〜10である。)
下記(C)式で示されるジオール類;
Figure 0004448019
又はグリセリン、ソルビット、ソルビタン等の多価アルコール類が挙げられる。
酸成分としてはカルボン酸が好ましい。二価のカルボン酸としてはフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸の如きベンゼンジカルボン酸類又はその無水物;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸の如きアルキルジカルボン酸類又はその無水物;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸の如き不飽和ジカルボン酸又はその無水物が挙げられる。 3価以上のカルボン酸としてはトリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸やその無水物が挙げられる。
特に好ましいポリエステル樹脂のアルコール成分としては、前記(B)式で示されるビスフェノール誘導体であり、酸成分としては、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸又はその無水物、コハク酸、n−ドデセニルコハク酸又はその無水物、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸の如きジカルボン酸類;トリメリット酸又はその無水物のトリカルボン酸類が挙げられる。これらの酸成分及びアルコール成分から得られたポリエステル樹脂を結着樹脂として使用した熱ローラ定着用トナーとして定着性が良好で、耐オフセット性に優れているからである。
トナーが磁性トナーの場合、磁性トナーに含まれる磁性体は通常使用されているものであれば特に限定されない。例えばマグネタイト、マグヘマイト、フェライトの如き酸化鉄、及び他の金属酸化物を含む酸化鉄;Fe、Co、Niのような金属、又は、これらの金属とAl、Co、Cu、Pb、Mg、Ni、Sn、Zn、Sb、Be、Bi、Cd、Ca、Mn、Se、Ti、W、Vのような金属との合金、及びこれらの混合物が挙げられる。
具体的には、磁性体としては、四三酸化鉄(Fe34)、三二酸化鉄(γ−Fe23)、酸化鉄イットリウム(Y3Fe512)、酸化鉄カドミウム(CdFe24)、酸化鉄ガドリニウム(Gd3Fe512)、酸化鉄銅(CuFe24)、酸化鉄鉛(PbFe1219)、酸化鉄ニッケル(NiFe24)、酸化鉄ネオジム(NdFe23)、酸化鉄バリウム(BaFe1219)、酸化鉄マグネシウム(MgFe24)、酸化鉄ランタン(LaFeO3)、鉄粉(Fe)、コバルト粉(Co)、ニッケル粉(Ni)が挙げられる。上述した磁性材料を単独で又は二種以上組み合わせて使用する。特に好適な磁性材料は、四三酸化鉄又はγ−三二酸化鉄の微粉末である。
これらの磁性体は個数平均粒径が0.05〜2μmで、795.8kA/m印加での磁気特性が抗磁力1.6〜12.0kA/m、飽和磁化50〜200Am2/kg(好ましくは50〜100Am2/kg)、残留磁化2〜20Am2/kgのものが、特に電子写真画像形成方法に用いる上で好ましい。また、これらの磁性材料は、結着樹脂100質量部に対して60〜200質量部、更に好ましくは80〜150質量部含有させることが好ましい。
着色剤として非磁性の着色剤も用いることができる。このような非磁性の着色剤としては、任意の適当な顔料又は染料が挙げられる。例えば顔料としては、カーボンブラック、アニリンブラック、アセチレンブラック、ナフトールイエロー、ハンザイエロー、ローダミンレーキ、べンガラ、フタロシアニンブルー、インダンスレンブルーがある。これらは結着樹脂100質量部に対し0.1〜20質量部、好ましくは1〜10質量部の添加量が良い。また、同様に染料が用いられ、結着樹脂100質量部に対し0.1〜20質量部、好ましくは0.3〜10質量部の添加量が良い。
非磁性の黒色着色剤として、カーボンブラック、以下に示すイエロー/マゼンタ/シアン着色剤を用い、黒色に調色されたものが利用される。
イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、168、174、176、180、181、191が好適に用いられる。
マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノン、キナクドリン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、144、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221、254が特に好ましい。
シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アンスラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物などが利用できる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66が特に好適に利用できる。
本発明におけるトナーは、更にワックスを含有していても良い。本発明に用いられるワックスには、従来、離型剤として知られている種々のワックスを用いることができ、次のようなものがある。例えば炭化水素系ワックスとしては、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィン共重合物、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックスがある。
官能基を有するワックスとしては、酸化ポリエチレンワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物;又は、それらのブロック共重合物;キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろうの如き植物系ワックス;みつろう、ラノリン、鯨ろうの如き動物系ワックス;オゾケライト、セレシン、ペトロラクタムの如き鉱物系ワックス;モンタン酸エステルワックス、カスターワックスの如き脂肪族エステルを主成分とするワックス類:脱酸カルナバワックスの如き脂肪族エステルを一部又は全部を脱酸化したものが挙げられる。
更に、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸、又は更に長鎖のアルキル基を有する長鎖アルキルカルボン酸類の如き飽和直鎖脂肪酸;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸の如き不飽和脂肪酸;ステアリルアルコール、エイコシルアルコール、ベヘニルアルコール、カウナビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコール、又は更に長鎖のアルキル基を有するアルキルアルコールの如き飽和アルコール;ソルビトールの如き多価アルコール;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドの如き脂肪族アミド;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドの如き飽和脂肪族ビスアミド;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミドの如き不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミドの如き芳香族系ビスアミド;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムの如き脂肪族金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);ベヘニン酸モノグリセリドの如き脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂を水素添加することによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物が挙げられる。
ビニルモノマーでグラフトされたワックスも本発明におけるトナーに用いることができる。このようなワックスとしては、脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸の如きビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックスがある。
好ましく用いられるワックスとしては、オレフィンを高圧下でラジカル重合したポリオレフィン;高分子量ポリオレフィン重合時に得られる低分子量副生成物を精製したポリオレフィン;低圧下でチーグラー触媒、メタロセン触媒の如き触媒を用いて重合したポリオレフィン;放射線、電磁波又は光を利用して重合したポリオレフィン;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス;ジントール法、ヒドロコール法、アーゲ法により合成される合成炭化水素ワックス;炭素数一個の化合物をモノマーとする合成ワックス;水酸基、カルボキシル基又はエステル基の如き官能基を有する炭化水素系ワックス;炭化水素系ワックスと官能基を有する炭化水素系ワックスとの混合物;これらのワックスを母体としてスチレン、マレイン酸エステル、アクリレート、メタクリレート、無水マレイン酸の如きビニルモノマーでグラフト変性したワックスが挙げられる。
また、これらのワックスを、プレス発汗法、溶剤法、再結晶法、真空蒸留法、超臨界ガス抽出法又は融液晶析法を用いて分子量分布をシャープにしたものや、低分子量固形脂肪酸、低分子量固形アルコール、低分子量固形化合物、その他の不純物を除去したものも好ましく用いられる。
トナーの帯電性を更に安定化させるために、必要に応じて荷電制御剤を用いることができる。荷電制御剤は、結着樹脂100質量部当たり0.1〜10質量部、好ましくは1〜5質量部使用するのが、トナーの帯電性を制御する上で好ましい。
荷電制御剤としては、従来より知られている種々の荷電制御剤を使用することができるが、例えば以下のものが挙げられる。トナーを負荷電性に制御する負荷電性制御剤として、例えば有機金属錯体又はキレート化合物が有効である。モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、芳香族ヒドロキシカルボン酸の金属錯体、芳香族ジカルボン酸系の金属錯体が挙げられる。他には、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、その無水物、又はそのエステル類、又は、ビスフェノールのフェノール誘導体類等が挙げられる。好ましいものとしては、モノアゾ金属化合物で、置換基としてアルキル基、ハロゲン、ニトロ基、カルバモイル基等を有するフェノール、ナフトールから合成されるモノアゾ染料の、Cr、Co、Feの金属錯化合物が挙げられる。また芳香族カルボン酸の金属化合物も好ましく用いられ、アルキル基、ハロゲン、ニトロ基を有する、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレンのカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、ジカルボン酸の金属化合物が挙げられる。
中でも、下記式(1)で表されるアゾ系金属錯体が好ましい。
Figure 0004448019
〔式中、Mは配位中心金属を表し、Sc,Ti,V,Cr,Co,Ni,Mn又はFeが挙げられる。Arはアリール基であり、フェニル基、ナフチル基の如きアリール基であり、置換基を有してもよい。この場合の置換基としては、ニトロ基、ハロゲン基、カルボキシル基、アニリド基及び炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のアルコキシ基がある。X,X’,Y及びY’は−O−,−CO−,−NH−,−NR−(Rは炭素数1〜4のアルキル基)である。C+はカウンターイオンを示し、水素、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、脂肪族アンモニウム或いはそれらの混合イオンを示す。〕
上記式(1)において、特に中心金属としてはFe又はCrが好ましく、置換基としてはハロゲン、アルキル基又はアニリド基が好ましく、カウンターイオンとしては水素、アルカリ金属、アンモニウム又は脂肪族アンモニウムが好ましい。カウンターイオンの異なる錯塩の混合物も好ましく用いられる。
下記式(2)で表される塩基性有機金属錯体も負帯電性を与える荷電制御剤として好ましい。
Figure 0004448019
トナーを正荷電性に制御する正荷電性制御剤としては、ニグロシン、ニグロシン誘導体、トリフェニルメタン化合物、有機四級アンモニウム塩が挙げられる。例えば、ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変性物、トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートの如き四級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、リンタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物など)、高級脂肪酸の金属塩が挙げられる。これらを単独で或いは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、トリフェニルメタン化合物、カウンターイオンがハロゲンでない四級アンモニウム塩が好ましく用いられる。
また、下記式(3)
Figure 0004448019
〔式中、R1はH又はCH3を示し、R2及びR3は置換又は未置換のアルキル基(好ましくは、C1〜C4)を示す。〕
で表されるモノマーの単重合体;前述したスチレン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルの如き重合性モノマーとの共重合体を正荷電性制御剤として用いることができる。この場合、この単重合体及び共重合体は荷電制御剤としての機能と、結着樹脂としての機能を有する。
特に下記式(4)で表される化合物が本発明のトナー正荷電性制御剤として好ましい。
Figure 0004448019
〔式中、R1,R2,R3,R4,R5及びR6は、各々互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基又は、置換もしくは未置換のアリール基を表す。R7,R8及びR9は、各々互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基を表す。A-は、硫酸イオン、硝酸イオン、ホウ酸イオン、リン酸イオン、水酸イオン、有機硫酸イオン、有機スルホン酸イオン、有機リン酸イオン、カルボン酸イオン、有機ホウ酸イオン、テトラフルオロボレートの如き陰イオンを示す。〕
荷電制御剤をトナーに含有させる方法としては、トナー粒子内部に添加する方法とトナー粒子に外添混合する方法がある。これらの荷電制御剤の使用量としては、結着樹脂の種類、他の添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくは結着樹脂100質量部に対して0.1〜10質量部、より好ましくは0.1〜5質量部の範囲で用いられる。
本発明のトナーは、前述したように、トナー粒子の他にトナーの流動性や帯電性等を調整するための外添剤を必要に応じて含むことが一般的である。このような外添剤として、トナーに流動性向上剤を添加しても良い。流動性向上剤は、トナー粒子に外添することにより、流動性が添加前後を比較すると増加し得るものである。例えば、フッ化ビニリデン微粉末の如きフッ素系樹脂粉末;湿式製法シリカ、乾式製法シリカの如き微粉末シリカ;微粉末酸化チタン;微粉末アルミナ;それらをシラン化合物、チタンカップリング剤、シリコーンオイルにより表面処理を施した処理微粉末がある。
疎水化方法としては、微粉体と反応又は物理吸着する有機ケイ素化合物等で化学的に処理することによって付与される。
有機ケイ素化合物としては、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロロシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、アリルジメチルクロロシラン、アリルフェニルジクロロシラン、ベンジルジメチルクロロシラン、ブロモメトリジメチルクロロシラン、α−クロロエチルトリクロロシラン、β−クロロエチルトリクロロシラン、クロロメチルジメチルクロロシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、へキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサン及び1分子当たり2〜12個のシロキサン単位を有し末端に位置する単位にそれぞれ一個宛のSiに結合した水酸基を含有するジメチルポリシロキサン等がある。更に、ジメチルシリコーンオイルの如きシリコーンオイルが挙げられる。これらは一種又は二種以上の混合物で用いられる。
本発明で用いられる0.1〜5.0μmの外添剤粒子としては無機微粒子、有機微粒子、及びこれらの混合物及び複合物が使用可能である。具体的には、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム等の金属酸化物、及び、フッ素樹脂粉末、樹脂微粒子等が挙げられる。特に帯電特性的にもチタン酸ストロンチウム、酸化セリウムが好ましい。
本発明のトナーの製造方法を、上記に挙げたようなトナーの構成材料及び外添剤を用いて製造する場合を例に説明する。上述したように、本発明のトナーの製造方法は、少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有するトナー原料粒子を製造する工程と、該トナー原料粒子を表面改質装置を用いて表面改質処理することによりトナー粒子を得る工程とを含む。本発明において、「トナー原料粒子」とは、本発明の表面改質装置によって表面改質処理がなされたトナー粒子(表面改質粒子)に対し、上記表面改質処理がなされる前の未処理のトナー粒子(原料粒子)を示すものである。また、本発明において、「被処理トナー粒子(被処理粒子)」は、本発明の表面改質装置中で分級及び表面改質処理を受けているトナー原料粒子(原料粒子)を示すものである。表面改質装置において所定の処理がなされた被処理トナー粒子(被処理粒子)が、トナー粒子(表面改質粒子)として装置外に排出される。
上記トナー原料粒子を製造する工程は、粉砕法や重合法等の従来公知の方法を用いてトナー粒子を製造する工程を用いることができ、特に限定されない。しかし、本発明の表面改質装置による表面改質処理の効果が最大限に発揮されるという点から、少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有する組成物を溶融混練して混練物を得る工程と、得られた混練物を冷却固化し、冷却固化物を衝突式気流粉砕機又は機械式粉砕機を用いて微粉砕することによりトナー原料粒子としての微粉砕物を得る工程とを含む、いわゆる粉砕法により製造される工程であることが好ましい。
上記粉砕法によるトナー原料粒子の製造方法について説明する。トナー粒子の内添剤として、少なくとも樹脂、着色剤を所定量秤量して配合し、混合する(これを「原料混合工程」という)。混合装置の一例としては、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサーがある。
更に、上記で配合し、混合したトナー原料(組成物)を溶融混練して、樹脂類を溶融し、その中の着色剤等を分散させる(これを「溶融混練工程」という)。該溶融混練工程では、例えば、加圧ニーダー、バンバリィミキサーの如きバッチ式練り機や、連続式の練り機を用いることができる。近年では、連続生産できることから、1軸又は2軸押出機が主流となっており、例えば、神戸製鋼所社製KTK型2軸押出機、東芝機械社製TEM型2軸押出機、ケイ・シー・ケイ社製2軸押出機、ブス社製コ・ニーダーが使用される。更に、トナー原料を溶融混練することによって得られる混練物としての着色樹脂組成物は、溶融混練後、2本ロールで圧延され、水冷で冷却する冷却工程を経て冷却される。
上記で得られた着色樹脂組成物の冷却物は、次いで、粉砕工程で所望の粒径にまで粉砕される。粉砕工程では、クラッシャー、ハンマーミル又はフェザーミルで粗粉砕され、更に、カウンタージェットミル(ホソカワミクロン社製)、ミクロンジェットT型(ホソカワミクロン社製)、クロスジェットミル(栗本鐵工所社製)、IDS型及びPJMジェットミル(日本ニューマチック工業社製)、スクラム・ジェットミル(徳寿工作所社製)等の衝突式気流粉砕機、或いは、イノマイザ(ホソカワミクロン社製)、クリプトロン(川崎重工社製)、スーパーローター(日清エンジニアリング社製)、ターボミル(ターボ工業社製)、トルネードミル(日機装社製)の如き機械式粉砕機で微粉砕される。粉砕工程では、このように段階的に所定のトナー粒度まで粉砕される。
好ましい衝突式気流粉砕機として、図5に示す粉砕機が挙げられる。
図5に示す衝突式気流粉砕機において、被粉砕物供給筒625より供給された被粉砕物は、中心軸を鉛直方向に配設した加速管621の加速管スロート部622の内壁と、中心が加速管621の中心軸上にある高圧気体供給ノズル623の外壁との間に形成された被粉砕物供給口624へ到達する。一方、高圧気体は高圧気体供給口626より導入され高圧気体チャンバー627を経て、1本好ましくは複数本の高圧気体導入管628を通り高圧気体供給ノズル623より加速管出口629に向かって膨張しながら噴出する。この時、加速管スロート部622の近傍で発生するエゼクター効果により、被粉砕物はこれと共存している気体に同伴されながら、被粉砕物供給口624より加速管出口629に向けて吸引され、加速管621の周囲から加速室内に供給され、加速管スロート部622において高圧気体と均一に混合されながら急加速し、加速管出口629に対向配置された粉砕室内の衝突部材630の衝突面に粉塵濃度の偏りなく均一な固気混合気流の状態で衝突して粉砕される。被粉砕物は、粉砕室内壁632との衝突でも粉砕され、微粉砕された被粉砕物は、粉砕物排出口633から排出される。
更に、粉砕工程で得られたトナー原料粒子としての粉砕品を表面改質工程で球形化処理を行い、表面改質粒子を得る。本発明においては、このようにして得られた表面改質粒子をトナー粒子としても良い。また、上記表面改質工程を経た後、必要に応じて表面改質粒子を慣性分級方式のエルボージェット(日鉄鉱業社製)、遠心力分級方式のターボプレックス(ホソカワミクロン社製)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製)の如き気流式分級機、或いは、風力式篩のハイボルター(新東京機械社製)の如き篩分機を用いて分級する分級工程を更に経て、トナー粒子を得ても良い。また、該分級工程は、表面改質工程の前にあっても構わない。
好ましい構成の回転式気流分級機として、図6に示す回転式気流分級機が挙げられる。
図6において、本体ケーシング751の内部には分級室752が形成されており、この分級室752の下部には案内室753がある。図6に示した回転式気流分級機は個別駆動方式であり、分級室752内に、遠心力を利用した強制渦を発生させて粗粉と微粉とに分級する。分級室752内には分級ローター754が設けられており、案内室753に送り込まれた粉体原料とエアーとを、分級ローター754の間からの吸引によって、分級室752内に旋回流入させる。粉体原料は原料投入口755から投入され、空気はエアー投入口756、更には原料投入口755より粉体原料と共に取り込まれる。粉体原料は、流入空気と一緒に分散ルーバー757を介して分級室752へと運ばれる。原料投入口755を経て案内室753中を流動するエアーと粉体材料とが、各分級ローター754に均一に配分される様にすることが精度よく分級される為には好ましい。分級ローター754へ到達するまでの流路は濃縮が起こりにくい形状にすることが好ましい。
分級ローター754は可動であり、且つ分級ローター754の間隔は、任意に調整することが出来る。分級ローター754のスピードコントロールは、周波数変換機を通して行われる。微粉排出管758はサイクロンや集麈機の様な微粉回収手段を介して吸引ファンに接続されており、該吸引ファンを作動させることによって分級室752に吸引力を作用させている。
分級室752内に流入した粉体原料は、高速回転する分級ローター754により分散され、各粒子に作用する遠心力によって粗粉と微粉とに遠心分離される。分級室752内の粗粉は、本体ケーシング751の下部に接続してある粗粉排出用のホッパー759を通り、ロータリーバルブを介しては排出される。
他の好ましい分級機として、図7に示す分級機が挙げられる。
図7において、側壁822及びGブロック823は分級室の一部を形成し、分級エッジブロック824及び825は分級エッジ817及び818を具備している。Gブロック823は左右に設置位置をスライドさせることが可能である。また、分級エッジ817及び818は、軸17を中心にして、回動可能であり、分級エッジを回動して分級エッジ先端位置を変えることができる。各分級エッジブロック824及び825は左右に設置位置をスライドさせることが可能であり、それにともなってそれぞれのナイフエッジ型の分級エッジ817及び818も左右にスライドする。この分級エッジ817及び818により、分級室832の分級ゾーンは3分画されている。
原料粉体を導入するための原料供給口840を原料供給ノズル816の最後端部に有し、該原料供給ノズル816の後端部に高圧エアー供給ノズル841と原料粉体導入ノズル842とを有し且つ分級室832に開口部を有する原料供給ノズル816を側壁822の右側に設け、該原料供給ノズル816の下部接線の延長方向に対して長楕円弧を描く様にコアンダブロック826が設置されている。分級室832の左部ブロック827は、分級室832の右側方向にナイフエッジ型の入気エッジ819を具備し、更に分級室832の左側には分級室832に開口する入気管814及び815を設けてある。
分級エッジ817,818、Gブロック823及び入気エッジ819の位置は、被分級処理原料であるトナーの種類及び所望の粒径により調整される。
また、分級室832の上面にはそれぞれの分画域に対応させて、分級室内に開口する排出口811,812及び813を有し、排出口811,812及び813にはパイプの如き連通手段が接続されており、それぞれにバルブ手段のごとき開閉手段を設けてよい。
原料供給ノズル816は直角筒部と角錘筒部とから成り、直角筒部の内径と角錘筒部の最も狭い箇所の内径の比を20:1から1:1、好ましくは10:1から2:1に設定すると、良好な導入速度が得られる。
以上のように構成してなる多分割分級域での分級操作は、例えば次のようにして行なう。すなわち、排出口811,812及び813の少なくとも1つを介して分級室内を減圧し、分級室内に開口部を有する原料供給ノズル816中を該減圧によって流動する気流と高圧エアー供給ノズル841から噴射される圧縮エアーのエゼクター効果により、好ましくは流速10〜350m/秒の速度で粉体を原料供給ノズル816を介して分級室に噴出し、分散する。
分級室に導入された粉体中の粒子はコアンダブロック826のコアンダ効果による作用と、その際流入する空気のごとき気体の作用とにより湾曲線を描いて移動し、それぞれの粒子の粒径及び慣性力の大小に応じて、大きい粒子(粗粒子)は気流の外側、すなわち分級エッジ818の外側の第1分画、中間の粒子は分級エッジ818と817の間の第2分画、小さい粒子は分級エッジ817の内側の第3分画に分級され、分級された大きい粒子は排出口811より排出され、分級された中間の粒子は排出口812より排出され、分級された小さい粒子は排出口813よりそれぞれ排出される。
尚、分級工程で分級されて発生したトナー粗粉は、再度粉砕工程に戻して粉砕する。分級工程で発生したトナー微粉は、トナー原料の配合工程に戻して再利用することがトナー生産性上好ましい。
本発明におけるトナーは、上記のようにして得られたトナー粒子のみからなるものであってもよいし、得られたトナー粒子に、更に、必要に応じて上述したような外添剤を外添混合してなるものであってもよい。トナーに外添剤を外添処理する方法としては、分級されたトナーと公知の各種外添剤を所定量配合し、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサーの如き粉体にせん断力を与える高速撹拌機を外添機として用いて、撹拌・混合することが好ましい。この際、外添機内部で発熱を生じ、凝集物を生成し易くなるので、外添機の容器部周囲を水で冷却する手段で温度調整をすることがトナー生産性上好ましい。
以下、本発明の実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。
[実施例1]
・不飽和ポリエステル樹脂 100質量部 [ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
/ポリオキシエチレン(2,2)−2,2ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
/テレフタル酸/無水トリメリット酸/フマル酸からなる不飽和ポリエステル樹脂,
重量平均分子量、17000、Tg:60℃]
・銅フタロシアニン顔料 6質量部 (C.I.ピグメンブルー15:3)
・パラフィンワックス 5質量部 (最大吸熱ピーク73℃)
・荷電制御剤(3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸のアルミニュウム錯体) 2質量部
上記の材料をヘンシェルミキサー(FM−75型、三井三池化工機(株)製)でよく混合した後、温度110℃に設定した二軸混練機(PCM−30型、池貝鉄工(株)製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、トナー粒子製造用の粗砕物を得た。
得られた粗砕物を、図5で示した高圧気体を用いた衝突式気流粉砕機(高圧気体圧力:0.6MPa、流量:27Nm3/min)と、図6で示した気流分級機ターボプレックス(350−ATP型:ホソカワミクロン(株)製)を閉回路に組んだ微粉砕装置を用いて粉砕した。得られた微粉砕物は、重量平均径5.0μm(粒径3.17μm以下の粒子を43個数%含有し、粒径8.00μm以上の粒子を0.0体積%含有)であり、平均円形度は0.936であった。
次に、得られたトナー原料粒子を図1に示す回分式表面改質装置を用い、トナー原料粒子を毎回1.36kg投入し、分級ローター回転周速90m/secで微粒子を除去しながら、分散ローター回転周速140m/secで30秒間表面処理を行った(原料供給口39よりトナー原料粒子を投入終了後、30秒間処理後、製品排出弁41を開けて表面改質粒子として取り出した)。その際、分散ローター32上面に設置されている角型ディスク33とライナー34の最小間隔を3.0mmとした。また、図1に示す回分式表面改質装置の分散ローター上面に設置されている角型のディスク33の高さHを33.5(mm)とし、分散ローター32の外径Dを400(mm)とした(従って、
Figure 0004448019
から算出されるαの値は1.15)。また、分散ローター32の上面に設置されている角型のディスク33の数を14とした。従って、π×D/n=89.7mmであった。
投入部の投入管と微粉排出部の微粉排出管との角度θは、250度であった。
分級ローター35と天板43との対向面部の間隔は、0.5mmであった。
ブロワー風量を15m3/min、ジャケットに通す冷媒の温度及び冷風温度T1を−25℃とした。この状態で繰り返し、20分間運転した結果、分級ローター後方の温度T2は29℃で安定した。従って、ΔT(T2−T1)は54℃であった。
この時、得られるトナー粒子(表面改質粒子)の目標粒度を、重量平均径:5.0±0.3μm、粒径3.17μm以下の粒子の存在量:20個数%以下とし、この粒度範囲内に調整したときの表面改質されたトナー粒子の回収率を以下の基準で評価した。回収率が高いほうがトナー粒子の生産性上好ましい。
A:収率が75%以上
B:回収率が65%以上75%未満
C:回収率が55%以上65%未満
D:回収率が55%未満
本実施例においては、重量平均径が5.2μmであり、粒径3.17μm以下の粒子を12個数%含有するシャープな粒度分布を有する表面改質されたトナー粒子を回収率78%で得ることができた。平均円形度は0.958であった。これは、後述する比較例と比較すると、より高い円形度及び回収率を達成しており、該回分式表面改質装置内の各部材の構成並びに部材同士の構造及び位置関係を適切な状態に設定した結果、分散ローター32周辺での表面改質ゾーンでの改質精度及び分級ローター35の周辺の分級ゾーンでの分級精度が向上したためと推察される。
更に、表面改質されたトナー粒子の表面の形状観察を電界放射形走査電子顕微鏡(FE−SEM:日立製作所 S−800)を用い、倍率を10000倍とし、目視にて観察し、以下の基準で評価した。結果を表2に示す。
A:円形なシルエット
B:多少楕円形なシルエット
C:曲面であるが、異形
D:角形なシルエット
また、表面改質装置運転終了後、同装置内の表面改質部である分散ローター32上の角型ディスク33及びライナー34の磨耗、融着について目視で確認し、下記の基準で判断した。
A:融着、磨耗なし。
B:磨耗、融着が軽微見られる。
C:磨耗、融着が若干見られる。
D:磨耗、融着が顕著に見られる。
次に、得られたトナー粒子100質量部に対して、BET法による比表面積が200m2/gである疎水性シリカ微粉体を1.8質量部外添混合し、トナーを得た。このトナー5質量部に対し、アクリルコートされた磁性フェライトキャリア95質量部を混合し、二成分系現像剤とした。
この現像剤を用いて、キヤノン製フルカラー複写機CLC1000改造機(定着ユニットのオイル塗布機構を取り外した)を用いて常温常湿(23℃,60%RH)下で画出し評価を行ったところ、10,000枚耐久においても、初期と耐久後の画像濃度に変化がなく、かぶりのない高画質の画像が得られた。さらに両面画像を形成させたが、転写材の表裏面共にオフセットの発生は認められなかった。また、OHPシートへの画像形成を行ったところ、透明性の良好な画像が得られた。ここで、感光体から転写材(坪量199g/m2紙)への転写効率は91%と高い転写効率を示した。
カブリは以下の基準で評価した。
A:カブリ0.5%未満
B:カブリ0.5以上1.5%未満
C:カブリ1.5以上2.0%未満
D:カブリ2.0%以上
また、転写率は以下の基準で評価した。
A:90%以上
B:88%以上、90%未満
C:86%以上、88%未満
D:85%以下
更に、高温高湿(32.5℃,85%RH)下においても、同様の画出し評価(5,000枚耐久)を行ったが、良好な画像が得られた。
本実施例における表面改質されたトナー粒子の製造条件及び評価結果を表1及び2に示す。
[実施例2]
実施例1で得たトナー原料粒子を図1に示す回分式の表面改質装置で表面改質した。その際、本実施例においては、トナー原料粒子の投入量、分級ローター35の回転周速、分散ローター32の回転周速及び表面改質時間を実施例1と同様とし、分散ローター32上面に設置されている角型ディスク33とライナー35の最小間隔を3.0mmとした。また、図1に示す回分式表面改質装置の分散ローター上面に設置されている角型のディスクの高さHを24.0(mm)とし、分散ローター32の外径Dを400(mm)とした(従って、
Figure 0004448019
から算出されるαの値は0.68)。また、分散ローター32上面に設置されている角型のディスク33の数を10とした(従って、πD/n=125.6(mm))。
ブロワー風量を15m3/min、ジャケットに通す冷媒の温度及び冷風温度T1を−25℃とした。この状態で繰り返し、20分間運転した結果、分級ローター後方の温度T2は30℃で安定した。従って、ΔT(T2−T1)は55℃であった。
得られた表面改質されたトナー粒子及び処理後の表面改質装置について、実施例1と同様に評価した。トナー粒子の製造条件及び評価結果を表1及び2に示す。
[実施例3]
実施例1で得たトナー原料粒子を図1に示す回分式の表面改質装置で表面改質した。その際、トナー原料粒子の投入量、分級ローター35の回転周速、分散ローター32の回転周速及び表面改質時間を実施例1と同様とし、分散ローター32上面に設置されている角型ディスク33とライナー34の最小間隔を1.0mmとした。また、図1に示す回分式表面改質装置の分散ローター32上面に設置されている角型のディスク33の高さHを24.0(mm)とし、分散ローター32の外径Dを400(mm)とした。従って、
Figure 0004448019
から算出されるαの値は0.68であった。また、分散ローター32上面に設置されている角型のディスク33の数を10とした。従って、πD/n=125.6mmであった。
またブロワー風量を15m3/min、ジャケットに通す冷媒の温度及び冷風温度T1を−25℃とした。この状態で繰り返し、20分間運転した結果、分級ローター後方の温度T2は30℃で安定した。従って、ΔT(T2−T1)は55℃であった。
得られたトナー粒子及び処理後の表面改質装置について、実施例1と同様に評価した。トナー粒子の製造条件及び評価結果を表1及び2に示す。
[実施例4]
実施例1で得たトナー原料粒子を図1に示す回分式の表面改質装置で表面改質した。その際、トナー原料粒子の投入量、分級ローター回転周速、分散ローター回転周速及び表面改質時間を実施例1と同様とし、分散ローター上面に設置されている角型ディスクとライナーの最小間隔を3.0mmとした。また、図1に示す回分式表面改質装置の分散ローター上面に設置されている角型のディスクの高さHを33.5(mm)とし、分散ローターの外径Dを400(mm)とした。従って、
Figure 0004448019
から算出されるαの値は1.15であった。また、分散ローター32上面に設置されている角型のディスク33の数を10とした。従って、πD/n=125.6mmであった。
またブロワー風量を15m3/min、ジャケットに通す冷媒の温度及び冷風温度T1を−25℃とした。この状態で繰り返し、20分間運転した結果、分級ローター後方の温度T2は38℃で安定した。従って、ΔT(T2−T1)は63℃であった。
得られた表面改質粒子及び処理後の表面改質装置について、実施例1と同様に評価した。トナー粒子の製造条件及び評価結果を表1及び2に示す。
参考例a
実施例1で得たトナー原料粒子を図1に示す回分式の表面改質装置で表面改質した。その際、トナー原料粒子の投入量、分級ローター35の回転周速、分散ローター32の回転周速及び表面改質時間を実施例1と同様とし、分散ローター上面に設置されている角型ディスク33とライナー34の最小間隔を3.0mmとした。また、図1に示す回分式表面改質装置の分散ローター32上面に設置されている角型のディスク33の高さHを53.9(mm)とし、分散ローター32の外径Dを400(mm)とした。従って、
Figure 0004448019
から算出されるαの値は2.17であった。また、分散ローター32上面に設置されている角型のディスク33の数を10とした。従って、πD/n=125.6mmであった。
ブロワー風量を15m3/min、ジャケットに通す冷媒の温度及び冷風温度T1を−25℃とした。この状態で繰り返し、20分間運転した結果、分級ローター後方の温度T2は43℃で安定した。従って、ΔT(T2−T1)は68℃であった。
得られたトナー粒子及び処理後の表面改質装置について、実施例1と同様に評価した。トナー粒子の製造条件及び評価結果を表1及び2に示す。
[実施例
実施例1で得たトナー原料粒子を図1に示す回分式の表面改質装置で表面改質した。その際、本実施例においては、トナー原料粒子の投入量、分級ローター35の回転周速、分散ローター32の回転周速及び表面改質時間を実施例1と同様とし、分散ローター32の上面に設置されている角型ディスク33とライナー34の最小間隔を3.0mmとした。また、図1に示す回分式表面改質装置の分散ローター32上面に設置されている角型のディスク33の高さHを24.0(mm)とし、分散ローターの外径Dを400(mm)とした。従って、
Figure 0004448019
から算出されるαの値は0.68であった。また、分散ローター32上面に設置されている角型のディスク33の数を14とした。従って、πD/n=89.7mmであった。
ブロワー風量を15m3/min、ジャケットに通す冷媒の温度及び冷風温度T1を−25℃とした。この状態で繰り返し、20分間運転した結果、分級ローター後方の温度T2は34℃で安定した。従って、ΔT(T2−T1)は59℃であった。
得られたトナー粒子及び処理後の表面改質装置について、実施例1と同様に評価した。トナー粒子の製造条件及び評価結果を表1及び2に示す。
[実施例
実施例1で得たトナー原料粒子を図1に示す回分式の表面改質装置で表面改質した。その際、トナー原料粒子の投入量、分級ローター35の回転周速、分散ローター32の回転周速及び表面改質時間を実施例1と同様とし、分散ローター上面に設置されている角型ディスク33とライナー34の最小間隔を3.0mmとした。また、図1に示す回分式表面改質装置の分散ローター32の上面に設置されている角型のディスク33の高さHを24.0(mm)とし、分散ローター32の外径Dを400(mm)とした。従って、
Figure 0004448019
から算出されるαの値は0.68であった。また、分散ローター32上面に設置されている角型のディスク33の数を28とした。従って、πD/n=44.9mmであった。
ブロワー風量を15m3/min、ジャケットに通す冷媒の温度及び冷風温度T1を−25℃とした。この状態で繰り返し、20分間運転した結果、分級ローター後方の温度T2は36℃で安定した。従って、ΔT(T2−T1)は61℃であった。
得られたトナー粒子及び処理後の表面改質装置について、実施例1と同様に評価した。トナー粒子の製造条件及び評価結果を表1及び2に示す。
Figure 0004448019
Figure 0004448019
[参考例1]
実施例1で得たトナー原料粒子を図1に示す回分式の表面改質装置で表面改質した。その際、は、トナー原料粒子の投入量、分級ローター35の回転周速、分散ローター32の回転周速及び表面改質時間を実施例1と同様とし、分散ローター32の上面に設置されている角型ディスク33とライナーの最小間隔を5.0mmとした。また、図1に示す回分式表面改質装置の分散ローター32上面に設置されている角型のディスク33の高さHを24.0(mm)とし、分散ローター32の外径Dを400(mm)とした。従って、
Figure 0004448019
から算出されるαの値は0.68であった。また、分散ローター32上面に設置されている角型のディスク33の数を10とした。従って、πD/n=125.6mmであった。
ブロワー風量を15m3/min、ジャケットに通す冷媒の温度及び冷風温度T1を−25℃とした。この状態で繰り返し、20分間運転した結果、分級ローター後方の温度T2は29℃で安定した。従って、ΔT(T2−T1)は54℃であった。
得られたトナー粒子及び処理後の表面改質装置について、実施例1と同様に評価した。トナー粒子の製造条件及び評価結果を表3及び4に示す。
Figure 0004448019
Figure 0004448019
[実施例
・結着樹脂 100質量部(スチレン−アクリル酸ブチル−マレイン酸ブチルハーフエステル共重合体;
重量平均分子量:30万、Tg65℃)
・磁性酸化鉄 90質量部(平均粒子径0.22μm、795.8kA/m磁場での特性:Hc=5.1kA/m、 σs=85.1Am2/kg、σr=5.1Am2/kg)
・モノアゾ鉄錯体 2質量部
(負荷電制御剤,T−77,保土ヶ谷化学社製)
・低分子量エチレン−プロピレン共重合体(最大吸熱ピーク温度:120℃) 3質量部
上記の材料を、ヘンシェルミキサーでよく混合した後、温度130℃に設定した2軸混練機にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて2mm以下に粗粉砕し、トナー製造用の粉体原料(粗粉砕物)を得た。
得られたトナー原料粗砕物を、図5で示した高圧気体を用いた衝突式気流粉砕機(高圧気体圧力:0.6MPa、流量:27Nm3/min)と、図6で示した気流分級機ターボプレックス(350−ATP型:ホソカワミクロン(株)製)を図8のように閉回路を組んだ微粉砕装置を用いて粉砕した。得られた微粉砕物を、図7に示す慣性分級方式の多分割分級機にて分級を行い、重量平均粒径が7.6μmであり、粒径が4.00μm以下の粒子の存在量が49個数%、粒径が3.17μm以下の粒子の存在量が38個数%のトナー原料粒子を得た。その後、図1に示す回分式の表面改質装置を用いて上記トナー原料粒子の表面改質を行った。得られたトナー原料粒子の平均円形度を測定した結果、0.935であった。
本実施例では、図7の慣性分級方式の多分割分級機を使用した。
次に、得られたトナー原料粒子を図1に示す回分式表面改質装置を用い、トナー原料粒子を毎回4.08kg投入し、分級ローター35の回転周速90m/secで微粒子及び超微粉を除去しながら、分散ローター32の回転周速140m/secで30秒間表面処理を行った。原料供給口39よりトナー原料粒子を投入終了後、30秒間処理後、製品排出弁41を開けて表面改質粒子として取り出した。その際、分散ローター32の上面に設置されている角型ディスク33とライナー34の最小間隔を3.0mmとした。また、図1に示す回分式表面改質装置の分散ローター32の上面に設置されている角型のディスク33の高さHを38.7(mm)とし、分散ローター32の外径Dを600(mm)とした。従って、
Figure 0004448019
から算出されるαの値は1.15であった。また、分散ローター32の上面に設置されている角型のディスク33の数を20とした。従って、πD/n=94.2mmであった。
ブロワー風量を30m3/min、ジャケットに通す冷媒の温度及び冷風温度T1を−25℃とした。この状態で繰り返し、20分間運転した結果、分級ローター後方の温度T2は39℃で安定した。従って、ΔT(T2−T1)は64℃であった。
重量平均径が7.8μmであり、粒径4.00μm以下の粒子を18個数%含有するシャープな粒度分布を有する表面改質粒子(トナー粒子)を回収率80%で得ることができた。また、平均円形度は0.952であった。
得られたトナー粒子及び処理後の表面改質装置について、実施例1と同様に評価した。トナー粒子の製造条件及び評価結果を表5及び6に示す。
参考例b
実施例1で得たトナー原料粒子を図1に示す回分式の表面改質装置で表面改質した。その際、トナー原料粒子の投入量、分級ローター35の回転周速、分散ローター32の回転周速及び表面改質時間を実施例8と同様とし、分散ローター32の上面に設置されている角型ディスク33とライナー34の最小間隔を3.0mmとした。また、図1に示す回分式表面改質装置の分散ローター32の上面に設置されている角型のディスク33の高さHを63.7(mm)とし、分散ローター32の外径Dを600(mm)とした。従って、
Figure 0004448019
から算出されるαの値は2.17であった。また、分散ローター32の上面に設置されている角型のディスク33の数を20とした。従って、πD/n=94.2mmであった。
ブロワー風量を30m3/min、ジャケットに通す冷媒の温度及び冷風温度T1を−25℃とした。この状態で繰り返し、20分間運転した結果、分級ローター後方の温度T2は43℃で安定した。従って、ΔT(T2−T1)は68℃であった。
得られたトナー粒子及び処理後の表面改質装置について、実施例1と同様に評価した。トナー粒子の製造条件及び評価結果を表5及び6に示す。
Figure 0004448019
Figure 0004448019
[参考例2]
実施例1で得たトナー原料粒子を図1に示す回分式の表面改質装置で表面改質した。その際、本参考例においては、トナー原料粒子の投入量、分級ローター35の回転周速、分散ローター32の回転周速及び表面改質時間を実施例8と同様とし、分散ローター32の上面に設置されている角型ディスク33とライナー34の最小間隔を5.0mmとした。また、図1に示す回分式表面改質装置の分散ローター32の上面に設置されている角型のディスク33の高さHを28.0(mm)とし、分散ローター32の外径Dを600(mm)とした。従って、
Figure 0004448019
から算出されるαの値は0.71であった。また、分散ローター32の上面に設置されている角型のディスク33の数を16とした。従って、πD/n=117.8mmであった。
ブロワー風量を30m3/min、ジャケットに通す冷媒の温度及び冷風温度T1を−25℃とした。この状態で繰り返し、20分間運転した結果、分級ローター後方の温度T2は35℃で安定した。従って、ΔT(T2−T1)は60℃であった。
得られたトナー粒子及び処理後の表面改質装置について、実施例1と同様に評価した。トナー粒子の製造条件及び評価結果を表7及び8に示す。
Figure 0004448019
Figure 0004448019
[比較例]
実施例1で得られた粉体原料を、図8に示す気流式分級機及び衝突式気流粉砕機(日本ニューマチック工業社製IDS−5型)を用いて微粉砕を行い、図7に示す多分割気流式分級機を用いて分級を行った。その後、図9に示す表面改質装置を用いて上記トナー原料粒子の表面改質を行った。
本比較例においては、該衝突式気流粉砕機で使用する圧縮空気圧を0.60MPaとし、原料供給量を15kg/hrとして微粉砕品を得た。
次に、上記の衝突式気流粉砕機で粉砕されて得られた微粉砕品を、図7に示す多分割気流式分級機にて分級し、重量平均径が5.3μmであり、粒径3.17μm以下の粒子が15個数%含有する粒度分布を有する被表面改質粒子得た。尚、得られた被表面改質粒子の平均円形度は0.923であった。
次に、得られた被表面改質粒子を図9に示す表面改質装置に導入して表面改質を行った。
ここで、本比較例で使用した表面改質装置について説明する。図9は、本比較例で使用した表面改質装置を示す。図9において、151は本体ケーシング、158はステーター、177はステータージャケット、163はリサイクルパイプ、159は排出バルブ、219は排出シュート、164は原料投入シュートである。
該装置において、原料投入シュート164から供給された粉体粒子及び他の微小固体粒子は、衝撃室168内で主として高速で回転している回転ローター162に配置された複数のローターブレード155によって瞬間的な打撃作用を受け、さらに周辺のステーター158に衝突して粉体粒子同士または、他の微小固体粒子同士の凝集をほぐしながら系内に分散させると同時に、粉体粒子表面に他の微小固体粒子を静電気力、ファンデルワールス力等により付着させるか、粉体粒子のみの場合は、粒子の角取り又は球形化が行なわれた。この状態は粒子の飛行と衝突に伴って進んで行った。ローターブレード155の回転により発生する気流の流れに伴って、該粒子は、163のリサイクルパイプを複数回通過することにより処理された。さらにローターブレード155及びステーター158から該粒子が繰り返し打撃作用を受けることにより、他の微小固体粒子は、粉体粒子表面またはその近傍に均一に分散し固定化されるか、粉体粒子のみの場合は、粒子の形状が球形化されていた。
固定化が完了した該粒子は、排出弁制御装置128により排出バルブ159を開くことにより、219の排出シュートを通過し吸引ブロア224と連通しているバグフィルター222により捕集された。
本比較例においては、ローターブレード155を有する回転ローター162の最長径が242mmであるものを使用し、回転ローター162の回転周速は90m/secとした。また被表面改質粒子の投入量を300gとし、サイクルタイムを180秒としてトナー粒子を得た。
得られたトナー粒子の粒度分布を測定したところ、本比較例においては、重量平均径が5.2μmであり、粒径3.17μm以下の粒子が18個数%含有しており、表面改質する以前の原料の粒度と比較して粒径3.17μm以下の粒子の個数%が増加していた。粒径3.17μm以下の微粉が増加したのは、トナーが過粉砕されたためと推察される。得られたトナー粒子の平均円形度を測定した結果、0.945であった。更に、このトナーの表面形状をSEM写真により観察した。結果を表9に示す。
次に、トナー粒子を実施例1と同様に外添混合処理を行い、トナーを調製した。その結果、表10に示すように、実施例と比べ劣る結果となった。また、表面処理装置運転終了後、同装置内を点検したところ、ローターブレードに若干融着が発生していた。
Figure 0004448019
Figure 0004448019
本発明の表面改質工程において使用される回分式の表面改質装置の一例の概略的断面図である。 (A)は分散ローターの水平投影面図を、(B)は分散ローターの概略的な垂直投影面図を示す。 分散ローターの角型ディスクとライナーとの関係を示す概略的断面図である。 分散ローターの角型ディスクの高さを示す概略的断面図である。 混練物を冷却し、固化した混練物の粗粉砕物を微粉砕するための微粉砕工程に使用される衝突式気流粉砕機の一例の概略断面図である。 分級工程において使用される分級機の一例の概略的断面図である。 分級工程において使用される他の分級装置の概略的断面図である。 粉砕工程及び分級工程において使用される装置の一例の概略的断面図である。 トナー粒子の表面の改質工程において使用される表面改質装置の一例の概略的断面図である。 (A)は図1に示す表面改質装置の上面投影図(水平投影面図)を、(B)は他の上面投影図を示す。 図1に示す表面改質装置の部分的な概略的な斜視図を示す。 本発明のトナーの製造方法を説明するための部分的フロー図を示す。
符号の説明
30 本体ケーシング
31 冷却ジャケット
32 分散ローター
33 角型ディスク
34 ライナー
35 分級ローター
36 ガイドリング
37 原料投入口
38 原料供給弁
39 原料供給口
40 製品排出口
41 製品排出弁
42 製品抜取口
43 天板
44 微粉排出ケーシング
45 微粉排出口
46 冷風導入口
47 第一の空間
48 第二の空間
49 表面改質ゾーン

Claims (3)

  1. トナー粒子を有するトナーの製造方法であり、
    少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有する組成物を溶融混練する混練工程、
    得られた混練物を冷却する冷却工程、
    冷却固化物を微粉砕して微粉砕物を得る工程、及び
    得られた微粉砕物に含まれる粒子の表面改質をおこなうための表面改質工程と、得られた微粉砕物に含まれる微粉及び超微粉を除去するための分級をおこなう分級工程とを同時に行ってトナー粒子を得る工程を有し、
    表面改質工程と分級工程とを同時におこなってトナー粒子を得る工程が、回分式の表面改質装置を用いて行われ、
    該表面改質装置は、
    円筒形状の本体ケーシング、
    該本体ケーシングに開閉可能に設置された天板、
    該微粉砕物を本体ケーシング内に投入する投入部、
    該本体ケーシング内に投入された微粉砕物から所定粒径以下の微粉及び超微粉を装置外へ連続的に除去するために所定方向に回転する分級ローターを有する分級手段、
    該分級手段によって除去された該微粉及び該超微粉を本体ケーシング外に排出する微粉排出部、
    該微粉及び該超微粉が除去された微粉砕物に含まれる粒子を機械式衝撃力を用いて表面改質処理するための、該分級ローターの回転方向と同方向に回転する分散ローターと固定配置されているライナーとを有する表面改質手段、
    本体ケーシング内に第一の空間と第二の空間とを形成するための円筒形状の案内手段、及び、
    該分散ローターによって表面改質処理が行われたトナー粒子を本体ケーシング外に排出するためのトナー粒子排出部を少なくとも有し、
    該本体ケーシングの内壁と円筒形状の該案内手段の外壁との間に設けられた該第一の空間は、該微粉砕物及び表面改質された該粒子を該分級ローターへ導くための空間であり、
    該第二の空間は、該微粉及び該超微粉が除去された微粉砕物及び表面改質された該粒子を分散ローターで処理するための空間であり、
    該表面改質装置内において、該投入部より本体ケーシング内に投入された微粉砕物を第一の空間に導入し、該分級手段により所定粒径以下の微粉及び超微粉を除去して装置外へ連続的に排出しつつ微粉及び超微粉が除去された微粉砕物を第二の空間へ移動させて、該分散ローターで処理して微粉砕物中の粒子の表面改質処理を行い、再び表面改質された粒子を含む微粉砕物を第一の空間と第二の空間とへ循環させることにより該分級と該表面改質処理とを繰り返し、これにより所定粒径以下の微粉及び超微粉が所定量以下に除去されており且つ表面改質されたトナー粒子を得るものであり、
    該分散ローターは、該分散ローター上面の外縁部に設置された角型ディスクを含んだ外径Dが120mm以上であり、
    該角型ディスクと該ライナーとの最小間隔が、1.0mm乃至3.0mmであり、
    該角型ディスクの数nと、該外径Dとが、下記式(1)の関係を満足し、
    44.9≦πD/n≦125.6(mm) (1)
    該分散ローターの上面に設置されている角型のディスクの高さをHとし、該分散ローターの外径をDとしたとき、下記式(2)から算出されるαの値が下記式(3)を満足することを特徴とするトナーの製造方法。
    Figure 0004448019
    0.68≦α≦1.15 (3)
  2. 該表面改質装置により処理されたトナー粒子は、円相当径2μm以上の粒子において、下記式より求められる平均円形度が0.935〜0.980であることを特徴とする請求項1に記載のトナーの製造方法。
    Figure 0004448019
  3. トナー粒子の原料を分級し、トナー粒子の球形化処理を行うための回分式の表面改質装置であり、
    本体ケーシング、該本体ケーシングに開閉可能に設置された天板、原料を該本体ケーシング内に投入する投入部、該本体ケーシング内に投入された原料から所定粒径以下の微粉及び超微粉を連続的に除去して所定粒径のトナー粒子を得るための分級ローターを有する分級手段、
    該分級手段によって除去された微粉及び超微粉を該本体ケーシング外に排出するための微粉排出部、該微粉及び該超微粉が除去された粒子を、機械式衝撃力を用いて表面改質処理するための分散ローター及びライナーとを有する表面処理手段、
    本体ケーシング内に第一の空間と第二の空間とを形成するための円筒形状の案内手段、及び、
    該分散ローターと該ライナーとによって表面改質処理が行われたトナー粒子を本体ケーシング外に排出するためのトナー粒子排出部を少なくとも有し、
    該本体ケーシングの内壁と円筒形状の該案内手段の外壁との間に設けられた該第一の空間は、該微粉砕物及び表面改質された該粒子を該分級ローターへ導くための空間であり、
    該第二の空間は、該微粉及び該超微粉が除去された微粉砕物及び表面改質された該粒子を分散ローターで処理するための空間であり、
    該表面改質装置内において、該投入部より本体ケーシング内に投入された原料を第一の空間に導入し、該分級手段により原料から所定粒径以下の微粉及び超微粉を除去して装置外へ連続的に排出しつつ微粉及び超微粉が除去されたトナー粒子を第二の空間へ移動させて、該分散ローター及び該ライナーで処理してトナー粒子の表面改質処理を行い、再び表面改質されたトナー粒子を含む粉体を第一の空間と第二の空間とへ循環させることにより該分級と該表面改質処理とを繰り返し、これにより所定粒径以下の微粉及び超微粉が所定量以下に除去されており且つ表面改質されたトナー粒子を得うるものであり、
    該分散ローターは、該分散ローター上面の外縁部に設置された角型ディスクを含んだ外径Dが120mm以上であり、
    該角型ディスクと該ライナーとの最小間隔が、1.0mm乃至3.0mmであり、
    該角型ディスクの数nと、該外径Dとが、下記式(1)の関係を満足し、
    44.9≦πD/n≦125.6(mm) (1)
    該分散ローターの上面に設置されている角型のディスクの高さをHとし、該分散ローターの外径をDとしたとき、下記式(2)から算出されるαの値が下記式(3)を満足することを特徴とする表面改質装置。
    Figure 0004448019
    0.68≦α≦1.15 (3)
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