JP4235567B2 - トナーの製造方法 - Google Patents

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本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法、またはトナージェット方式記録法の如き画像形成方法に用いられるトナーの製造方法に関する。
電子写真法の如き画像形成方法においては、静電荷像を現像するためのトナーが使用される。トナーの製造法としては粉砕法及び重合法に大別され、簡便且つポピュラーな製造方法としては粉砕法が挙げられる。その一般的な製造方法としては、転写材に定着させるための結着樹脂、トナーとしての色味を出させる着色剤が使用され、必要に応じて粒子に電荷を付与させるための荷電制御剤、トナー自身に搬送性などを付与するための磁性材料や、離型剤、流動性付与剤等の添加剤を加えて混合し、溶融混練し、冷却固化した後、混練物を粉砕手段により微細化し、必要に応じて所望の粒度分布に分級したり、更に流動化剤などを添加したりして、画像形成に供するトナーとしている。また、二成分現像方法に用いるトナーの場合には、各種磁性キャリアと上記トナーとを混合した後、画像形成に供する。
粉砕手段としては各種粉砕装置が用いられるが、図14に示す如きジェット気流を用いたジェット気流式粉砕機、特に衝突式気流粉砕機が用いられることが多い。衝突式気流粉砕機は、ジェット気流の如き高圧気体で粉体原料を搬送し、加速管の出口より噴射し、加速管の出口の開口面に対向して設けた衝突部材の衝突面に衝突させて、その衝撃力により粉体原料を粉砕する。
例えば、図14に示す衝突式気流粉砕機では、高圧気体供給ノズル435を接続した加速管出口に対向して衝突部材436を設け、加速管に供給した高圧気体により、加速管の中途に連通させた粉体原料供給口から加速管内に粉体原料を吸引し、粉体原料を高圧気体とともに噴出して衝突部材436の衝突面に衝突させ、その衝撃によって粉砕し、粉砕物を粉砕物排出口より排出させている。
しかしながら、上記の衝突式気流粉砕機は、粉体原料を高圧気体とともに噴出して衝突部材の衝突面に衝突させ、その衝撃によって粉砕するという構成のため、小粒径のトナーを生産するためには多量のエアーを必要とする。そのため電力消費が極めて多く、エネルギーコストという面において問題を抱えている。特に近年、環境問題への対応から装置の省エネルギー化が求められている。また、衝突式気流粉砕機でトナーを粉砕すると、発生する微粉量が多くなり、後工程の分級工程において分級収率の低下を招き、トナー生産性上好ましくない。
これに対し、エネルギー的にジェット気流式粉砕機より効率的な粉砕装置として、図3に示す機械式粉砕装置が用いられている(例えば、特許文献1、文献2、文献3参照)。この機械式粉砕機は、高速回転する回転子と、回転子の周囲に配置されている固定子との間に形成された環状空間に粉体原料を導入することにより粉砕する。機械式粉砕機によれば、ジェット気流式粉砕機より格段に省エネルギーで微粉砕でき、しかも過粉砕されることが少ないため微粉の発生が少なく、収率を向上させることが可能となる。
これらの粉砕機によって粉砕されたトナー粒子の形状に着目すると、ジェット気流式粉砕機で粉砕されたトナー粒子は不定形で角張った形状であり、機械式粉砕機で粉砕されたトナー粒子は角が取れ、丸みを有する形状であることが知られている。これは粉砕プロセスの相違によるものと考えられる。即ち、ジェット気流を利用した粉砕法では、大部分の粉砕は、粒子同士の衝突もしくは衝突部材との衝突によって行われるが、機械式粉砕機においては、大部分の粉砕は高速回転する回転子及び固定子の壁面に粒子が衝突して行われるためである。また、機械式粉砕においては、少なからず粉砕によって発熱が生じ、熱球形化による効果もあって、粉砕されたトナー粒子の形状は丸みを帯びるとも考えられる。
このため機械式粉砕機で粉砕されたトナー粒子は、ジェット気流式粉砕機で粉砕されたトナー粒子より比表面積が小さくなるため、流動性が良好になり、また空隙が小さくなるため、充填性に優れ、更に外添剤の添加量が少量で済むというメリットがある。また、帯電性や転写性に優れるなど品質面のメリットも挙げられる。即ち、機械式粉砕機によれば、優れた品質のトナーを省エネルギー且つ高収率で生産することができる。
しかしながら近年、複写機やプリンターの高画質化・高精細化に伴い、現像剤としてのトナーに要求される性能も一段と厳しくなり、トナーの粒子径は小さくなり、トナーの粒度分布としては、粗大な粒子が含有されず且つ超微粉体(=粒径3.00μm未満の微粉体)の少ないシャープなものが要求されるようになってきている。
更に、クリーナーレスや廃トナー量削減達成のために、トナーの転写性の向上が求められていることから、トナー粒子の表面形状を改質する更なる球形化が要求されるようになってきている。
例えば、前述したトナーの製造方法としては、機械的衝撃力により球形化したトナーが提案されている(例えば、特許文献4参照)。またトナー形状を球形化する方法としては、上記の機械的衝撃力による方法の他にも、熱風により表面を溶融する方法、熱を利用する方法等が知られている(例えば、特許文献5参照)。
しかしながら機械的衝撃力による方法においては、球形化の際、特に過粉砕が起こりやすりトナーにおいては、球形化に伴う衝撃により、トナーが粉砕されてしまい、微粉及び超微粉量が多くなってしまうという問題点があり、トナー生産性上及び品質上好ましくない。またトナーは熱により表面組成が変化する間題があり、特に離型剤として添加するワックス成分の存在状態が変化するため、熱により表面を溶融する方法においてもトナー品質上好ましくない。
このように、トナーには数多くの異なった性質が要求されるために、トナーの特性は、使用する原材料に加えて、トナーの製造方法によって影響されることも多い。特に近年、超微粉体の少ないシャープな粒度分布を有するトナー表面改質粒子を、収率良く、安定的に作り出すことが要求されている。
特開昭59−24855号公報 特開昭59−105853号公報 特公平3−15489号公報 特開平9−85741号公報 特開2000−29241号公報
本発明の目的は、こうした問題点を解消して、超微粉体の少ないシャープな粒度分布を有するトナー表面改質粒子を、より収率良く、安定的に得られるトナーの製造方法を提供することにある。
更に本発明の目的は、良好な現像性、転写性並びにクリーニング性、及び安定した帯電性を有する、長寿命のトナーを得るトナーの製造方法を提供することにある。
本発明は、少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有する混合物を溶融混練し、得られた混練物を冷却した後、冷却物を粉砕手段によって粗粉砕し、
得られた粗粉砕物からなる粉体原料を、少なくとも粗粉砕物を微粉砕するために、粉砕手段内に投入するための粉体投入口と、固定子と、少なくとも中心回転軸に取り付けられた回転子と、微粉砕された粉体を粉砕手段から排出するための粉体排出口とを少なくとも有し、該固定子は該回転子を内包しており、該固定子の表面と該回転子の表面とは所定の間隙を有するように回転子は配置されて粉砕ゾーンを形成するよう構成されている機械式粉砕機に導入し、該粉砕ゾーンにおいて、該回転子の回転に伴って粉体原料を微粉砕し、
該機械式粉砕機によって得られた微粉砕物を、分級機に導入し、導入した微粉砕物を少なくとも微粉体及び粗粉体に分級し、分級された粗粉体を粉体原料と混入し、該機械式粉砕機に導入して粉砕し、
該分級機によって得られた微粉体を、少なくとも所定粒径以下の粉体を装置外へ連続的に排出除去する分級ローターを有する分級手段と、機械式衝撃力を用い、分散ローターを有する表面処理手段、及び該分級手段と該表面処理手段との間の空間を該分級手段へ導入される前の第一の空間と該分級手段により微粉体から所定粒径以下の粉体を分級除去た中粉体を該表面処理手段へ導入するための第二の空間に仕切る案内手段を有するよう構成され、該分級ローター及び該分散ローターが耐磨耗処理されており、該分級ローターの耐磨耗処理後の表面硬化層の硬度がビッカース硬度Hv750以上950未満であり、該分散ローターの耐磨耗処理後の表面硬化層の硬度がビッカース硬度Hv1000以上1300以下である回分式の表面改質装置に導入し、前記微粉体を第一の空間に導入し、該分級手段により所定粒径以下の粉体を装置外へ連続的に排出除去しながら、第二の空間を経由して、機械式衝撃力を用いる該表面処理手段へ導入して表面改質処理を行い、再び第一の空間へ循環させることにより、一定時間分級と機械式衝撃力を用いる表面改質処理を繰り返すことにより、該微粉体から所定粒径以下の粉体が除かれた、表面改質処理粒子であるトナー粒子を得ることを特徴とするトナーの製造方法に関する。
本発明者は、上記した従来技術の課題を解決すべく鋭意検討の結果、
(1)粗粉砕物からなる粉体原料を微粉砕するための粉砕機を、少なくとも粗粉砕物を微粉砕するために、粉砕手段内に投入するための粉体投入口と、固定子と、少なくとも中心回転軸に取り付けられた回転子と、微粉砕された粉体を粉砕手段から排出するための粉体排出口とを少なくとも有し、該固定子は該回転子を内包しており、該固定子の表面と該回転子の表面とは所定の間隙を有するように回転子は配置されて粉砕ゾーンを形成するよう構成されている機械式粉砕機とし、
(2)該機械式粉砕機の粉砕ゾーンにおいて、該機械式粉砕機の回転子の回転に伴って粉体原料を微粉砕することで、微粉の少ないシャープな粒度分布を持つ微粉砕物が得られ、
(3)該微粉砕物を分級するための分級機を、少なくとも微粉体及び粗粉体に分級が可能な分級機とし、該分級機により、粗粉体のない分級された微粉体(=被表面改質粒子)が得られ、
(4)該微粉体(=被表面改質粒子)を、少なくとも所定粒径以下の微粉体及び超微粉体を装置外へ連続的に排出除去する分級手段と、機械式衝撃力を用いる表面処理手段、及び該分級手段と該表面処理手段との間の空間を該分級手段へ導入される前の第一の空間と該分級手段により微粉体を分級除去された中粉体を該表面処理手段へ導入するための第二の空間に仕切る案内手段を有するよう構成された回分式の表面改質装置に導入し、
(5)該微粉体(=被表面改質粒子)を第一の空間に導入し、該分級手段により所定粒径以下の微粉体及び超微粉体を装置外へ連続的に排出除去しながら、第二の空間を経由して、機械式衝撃力を用いる該表面処理手段へ導入して表面改質処理を行い、再び第一の空間へ循環させることにより、一定時間分級と機械式衝撃力を用いる表面改質処理を繰り返すことにより、
(6)所定粒径以下の微粉体及び超微粉体が除かれた、表面改質処理粒子であるトナー粒子を、収率良く得られることを知見して本発明に到った。
更に本発明者は、該回分式表面改質装置から得られる表面改質処理粒子であるトナー粒子を、超微粉体を除かれたトナー粒子とするためには、該回分式表面改質装置内の表面処理手段及び分級手段に表面処理(=耐磨耗処理)を施し、且つ、該回分式表面改質装置内の表面処理手段の表面硬化層の硬度と、分級処理手段の表面硬化層の硬度を異ならせることが必要であることを知見して本発明に到った。
本発明によれば、粗粉砕物からなる粉体原料を微粉砕するための粉砕機を、少なくとも粗粉砕物を微粉砕するために、粉砕手段内に投入するための粉体投入口と、固定子と、少なくとも中心回転軸に取り付けられた回転子と、微粉砕された粉体を粉砕手段から排出するための粉体排出口とを少なくとも有し、該固定子は該回転子を内包しており、該固定子の表面と該回転子の表面とは所定の間隙を有するように回転子は配置されて粉砕ゾーンを形成するよう構成されている機械式粉砕機とし、該機械式粉砕機の粉砕ゾーンにおいて、該機械式粉砕機の回転子の回転に伴って粉体原料を微粉砕することで、微粉の少ないシャープな粒度分布を持つ微粉砕物が得られ、該微粉砕物を分級するための分級機を、少なくとも微粉体及び粗粉体に分級が可能な分級機とし、該分級機により、粗粉体のない分級された微粉体(=被表面改質粒子)が得られ、該微粉体(=被表面改質粒子)を、少なくとも所定粒径以下の微粉体及び超微粉体を装置外へ連続的に排出除去する分級手段と、機械式衝撃力を用いる表面処理手段、及び該分級手段と該表面処理手段との間の空間を該分級手段へ導入される前の第一の空間と該分級手段により微粉体を分級除去された中粉体を該表面処理手段へ導入するための第二の空間に仕切る案内手段を有するよう構成された回分式の表面改質装置に導入し、該微粉体(=被表面改質粒子)を第一の空間に導入し、該分級手段により所定粒径以下の微粉体及び超微粉体を装置外へ連続的に排出除去しながら、第二の空間を経由して、機械式衝撃力を用いる該表面処理手段へ導入して表面改質処理を行い、再び第一の空間へ循環させることにより、一定時間分級と機械式衝撃力を用いる表面改質処理を繰り返すことにより、所定粒径以下の微粉体及び超微粉体が除かれた、表面改質処理粒子であるトナー粒子を、収率良く得ることができる。
更に本発明によれば、該回分式表面改質装置内の表面処理手段及び分級手段に表面処理(=耐磨耗処理)を施し、且つ、該回分式表面改質装置内の表面処理手段の表面硬化層の硬度と、分級処理手段の表面硬化層の硬度を異ならせることにより、超微粉体の少ないシャープな粒度分布を有するトナー表面改質粒子を、より収率良く、安定的に得られ、更には、良好な現像性、転写性並びにクリーニング性、及び安定した帯電性を有する、長寿命のトナーを得るトナーの製造方法が提供される。
以下、好ましい実施の形態を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
まず、本発明のトナーの製造方法について、図面を参照しながら具体的に説明する。
図1は本発明のトナーの製造方法における基本的な工程フローを示した略図であり、図2は同じく本発明のトナーの製造方法における好ましい工程フローを示した略図である。
図1において、本発明のトナーの製造方法は、
少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有する混合物を溶融混練し、得られた混練物を冷却した後、冷却物を粉砕手段によって粗粉砕し、
(1)該粗粉砕物からなる粉体原料を、第1定量供給機に導入し、
(2)該第1定量供給機から所定量の粉体原料を、少なくとも粗粉砕物を微粉砕するために、粉砕手段内に投入するための粉体投入口と、固定子と、少なくとも中心回転軸に取り付けられた回転子と、微粉砕された粉体を粉砕手段から排出するための粉体排出口とを少なくとも有し、該固定子は該回転子を内包しており、該固定子の表面と該回転子の表面とは所定の間隙を有するように回転子は配置されて粉砕ゾーンを形成するよう構成されている機械式粉砕機に導入し、該粉砕ゾーンにおいて、該回転子の回転に伴って粉体原料を微粉砕し、
(3)該微粉砕された微粉砕物を機械式粉砕機の粉体排出口から排出して第2定量供給機に導入し、
(4)第2定量供給機から所定量の微粉砕物を、分級機に導入し、
(5)該分級機に導入した微粉砕物を少なくとも微粉体及び粗粉体に分級し、分級された粗粉体を粉体原料と混入し、該機械式粉砕機に導入して粉砕し、
(6)分級された微粉体(=被表面改質粒子)を第3定量供給機に導入し、
(7)第3定量供給機から所定量の微粉体(=被表面改質粒子)を、少なくとも所定粒径以下の微粉体及び超微粉体を装置外へ連続的に排出除去する分級手段と、機械式衝撃力を用いる表面処理手段、及び該分級手段と該表面処理手段との間の空間を該分級手段へ導入される前の第一の空間と該分級手段により微粉体及び超微粉体を分級除去されたトナー粒子を該表面処理手段へ導入するための第二の空間に仕切る案内手段を有するよう構成された回分式の表面改質装置に導入し、
(8)前記微粉体(=被表面改質粒子)を第一の空間に導入し、該分級手段により所定粒径以下の微粉体及び超微粉体を装置外へ連続的に排出除去しながら、第二の空間を経由して、機械式衝撃力を用いる該表面処理手段へ導入して表面改質処理を行い、再び第一の空間へ循環させることにより、一定時間分級と機械式衝撃力を用いる表面改質処理を繰り返すことにより、
(9)所定粒径以下の微粉体及び超微粉体が除かれた、表面改質処理粒子であるトナー粒子を得る。
更に本発明のトナーの製造方法は、該回分式表面改質装置内の表面処理手段及び分級手段に表面処理(=耐磨耗処理)を施し、且つ、該回分式表面改質装置内の表面処理手段の表面硬化層の硬度と、分級処理手段の表面硬化層の硬度を異ならせることにより、超微粉を除かれた表面改質処理粒子であるトナー粒子を得る。
次に、本発明に用いられる粉砕手段及び分級手段及び表面改質手段について略図を用いて更に詳細に説明する。
〔粉砕手段〕
まず、本発明の粉砕手段に用いる機械式粉砕機による粉砕方法の概略を、図3〜図7を用いて説明する。
図3は、本発明に使用する機械式粉砕機を組込んだ粉砕システムの一例を示し、図4は図3において高速回転する回転子の斜視図を示す。
図3では、横型の一般的な機械式粉砕装置の概略断面図を示しているが、縦型であっても構わない。ケーシング313、ケーシング313内にあって冷却水を通水できるジャケット316、ケーシング313内にあって中心回転軸312に取り付けられた回転体からなる高速回転する表面に多数の溝が設けられている回転子314、回転子314の外周に一定間隔を保持して配置されている表面に多数の溝が設けられている固定子310、更に、被処理原料を導入するための原料投入口311、処理後の粉体を排出するための原料排出口302とから構成されている。
以上のように構成してなる機械式粉砕機では、図3に示した定量供給機315から機械式粉砕機の原料投入口311へ所定量の粉体原料が投入されると、原料は粉砕処理室内に導入され、該粉砕処理室内で高速回転する表面に多数の溝が設けられている回転子314と、表面に多数の溝が設けられている固定子310との間に発生する衝撃と、この背後に生じる多数の超高速渦流、並びにこれによって発生する高周波の圧力振動によって瞬間的に粉砕される。その後、原料排出口302を通り、排出される。粒子を搬送しているエアー(空気)は粉砕処理室を経由し、原料排出口302、パイプ219、補集サイクロン229、バグフィルター222、及び吸引フィルター224を通って装置システムの系外に排出される。本発明においては、この様にして、粉体原料の粉砕が行われるため、微粉及び粗粉を増やすことなく所望の粉砕処理を容易に行うことができる。
このような機械式粉砕機としては、例えば、イノマイザ(ホソカワミクロン社製)、クリプトロン(川崎重工社製)、スーパーローター(日清エンジニアリング社製)、ターボミル(ターボ工業社製)、トルネードミル(日機装社製)等を挙げることができ、これらをそのまま、或いは適宜改造して用いることができる。
粉砕法によるトナーの製造方法においては、粒径2mm程度にする粗粉砕工程と、所望の粒径にする微粉砕工程との間に中粉砕工程を入れても構わないが、本発明の効果を最大限発揮できるのは、トナー粗砕物から1パスで直接微粒径化するプロセスである。
本発明は、結着樹脂及び着色剤を少なくとも含有する混合物を溶融混練し、得られた混練物を冷却した後、冷却物を粗粉砕し、粗粉砕物から成る粉体原料を粉砕手段によって粉砕し、得られた粉砕物を分級手段によって分級し、得られた分級物を表面改質手段によって表面改質する工程を有するトナーの製造方法において、該粉砕手段は、少なくとも中心回転軸に取り付けられた回転体である回転子と、該回転子表面と一定間隔を保持して回転子の周囲に配置されている固定子とを具備し、且つ間隔を保持することによって形成される環状空間が気密状態となるように構成されている機械式粉砕機であり、該回転子及び該固定子はいずれも複数の凸部と、該凸部と該凸部との間に形成される凹部とを有し、該回転子及び該固定子の少なくとも一方が有する該凹部が底部に平坦面を有していることを特徴とするトナーの製造方法である。
本発明に用いる機械式粉砕機の特徴は、図5〜図7に示す通り、回転子及び固定子はいずれも複数の凸部と、該凸部と該凸部との間に形成される凹部とを有し、回転子及び固定子の少なくとも一方が有する凹部が底部に平坦面を有する形状とすることである。
回転子及び固定子の少なくとも一方が有する凹部が底部に平坦面を有することにより、凹部の断面積、すなわち粉砕処理室の体積を大きくすることができ、この部分での圧力損失を小さくできるので、凹部が底部に平坦面を有しない場合(図12)と比較して、より効率の良い粉砕ができる。凹部が底部に平坦面を有するのは固定子だけでも良いし(図5)、回転子だけでも良く(図6)、両者の凹部の底部に平坦面を有しても良い(図7)。
即ち、凹部が底部に平坦面を有しない場合の粉砕面形状(図12)に比べ、本発明で用いる回転子及び/または固定子の粉砕面形状(図5〜図7)では、凹部の形状がその底部において平坦面を有する形状とすることにより、全体としては台形または矩形形状となるため、この部分での圧力損失を小さくでき、回転子と固定子との間に発生する衝撃がより強くなり、粉砕効率が向上する。
図7を用いて説明すると、本発明に用いる機械式粉砕機内の回転子及び/または固定子の形状として、より好ましいのは、回転子の凹部底面から立ち上がる凸部の回転子回転方向後方側の斜面を回転子第1斜面とし、該回転子第1斜面は、回転軸中心と該回転子第1斜面の立ち上がりの箇所(A)とを結んだ線を基準線として、マイナス側に10°以上80°未満の傾斜角(α1)を有し、かつ、該固定子の凹部底面から立ち上がる凸部の回転子回転方向前方側の斜面を固定子第1斜面とし、該固定子第1斜面は、回転軸中心と該固定子第1斜面の立ち上がりの箇所(A’)とを結んだ線を基準線として、プラス側に10°以上80°未満の傾斜角(β1)を有する形状である。
このように回転子の回転方向に、回転子と固定子の粉砕面に傾斜角を有することにより、回転子・固定子の粉砕面の摩耗を少なくするだけでなく、凹部において渦流が発生しやすく、粉砕効率が向上する。
更に、該回転子の凹部底面から立ち上がる凸部の回転子回転方向前方側の斜面を回転子第2斜面とし、該回転子第2斜面は、回転軸中心と該回転子第2斜面の頂点(C)とを結んだ線を基準線として、プラス側に20°未満の傾斜角(α2)を有する形状であることが好ましく、更に、該固定子の凹部底面から立ち上がる凸部の回転子回転方向後方側の斜面を固定子第2斜面とし、該固定子第2斜面は、回転軸中心と該固定子第2斜面の頂点(C’)とを結んだ線を基準線として、マイナス側に20°未満の傾斜角(β2)を有する形状であることが好ましく、プラス側に20°未満の傾斜角α2とマイナス側に20°未満の傾斜角β2を同時に満足することが更に好ましい。
このように粉砕面の裏側に傾斜面を有することにより、凹部において更に渦流が発生しやすく、粉砕効率が向上する。
また、凹部の底部は平坦面の両端に曲面を有することが好ましく、このような形状を有することにより、凹部において更に渦流が発生しやすく、粉砕効率が向上する。
更に、回転子及び/または固定子は、凸部の一部または全部が湾曲面で形成され、回転子及び/または固定子は、凹部の底部が平坦面で形成されていることが好ましく、このような形状を有することにより、トナーに対する衝撃力がより強くなり、粉砕効率が向上する。
上述のような構成の回転子及び固定子の寸法としては、回転軸方向に垂直な面の固定子の断面図6において、凸部の高さH(mm)が1.0乃至3.0mmであり、凹部の底部の平坦面の長さL1(mm)が1.0乃至3.0mmであることが好ましく、下記関係を満足することがより好ましい。
0.25H≦L1≦2.5H
また、回転子及び/または固定子の凸部上面の長さをL2とし、凸部該上面と対向している面の長さをL3とした場合に、L2及びL3が下記条件
L2<L3
を満足することが、更に好ましい。
上記の規定及び関係を満足することにより、図12に示す形状の回転子・固定子を有する従来の機械式粉砕機で得られる粒度分布を、より高い粉砕供給量で得ることができ、トナー生産効率の向上が可能となる。
また、該機械式粉砕機内の回転子と固定子との間の最小間隔は0.5乃至10.0mmであることが好ましく、1.0乃至5.0mmとすることが更に好ましい。回転子と固定子との間の間隔を0.5乃至10.0mm、より好ましくは1.0乃至5.0mmとすることで、トナーの粉砕不足や過粉砕を抑えることができ、効率良く粉砕原料を粉砕することができる。回転子と固定子との間の間隔が10.0mmより大きい場合、粉砕されずにショートパスを起こしてしまいトナー生産性という点から十分満足できるものではない。また回転子と固定子との間の間隔が0.5mmより小さい場合、装置自体の負荷が大きくなるのと同時に、粉砕時に過粉砕され、トナーの熱変質や機内融着を起こしやすいのでこちらもトナー生産性という点から十分満足できるものではない。
また、より好ましいトナーの粉砕の形態としては、粉砕機内に+30℃以下の空気を送風することが好ましく、その空気の温度は+30乃至−50℃であることが更に好ましく、+20乃至−40℃であることが特に好ましい。上記の冷風発生手段により、機械式粉砕機内の粉体導入口に連通する渦巻室212内の室温T1を+20℃以下、より好ましくは+20乃至−40℃、更に好ましくは+10乃至−30℃とすることがトナー生産上及び現像性能上、好ましい。
該機械式粉砕機内の渦巻室の室温T1を+20℃以下、より好ましくは+10乃至−30℃とすることにより、トナーの熱変質を抑えることができ、効率良く粉砕原料を粉砕することができ、トナー粒子の形状分布のバラツキを抑え、カブリの発生を少なくする。粉砕機内の渦巻室の室温T1が+20℃を超える場合、粉砕時にトナーの熱変質や機内融着を起こしやすく、トナー生産上及び現像・転写性能上、問題となることがある。
上記冷風発生手段321で使用する冷媒としては、地球全体の環境問題という点から代替フロンが好ましい。代替フロンとしては、R134A、R404A、R407C、R410A、R507A、R717等が挙げられるが、この中で省エネルギー性や安全性という点から、特にR404Aが好ましい。
また、機械式粉砕機内で生成した微粉砕物は、機械式粉砕機の後室320を経由して粉体排出口302から機外へ排出される。その際、機械式粉砕機の後室320の室温T2が30乃至60℃であることがトナー生産上及び現像・転写性能上好ましい。
該機械式粉砕機の後室320の室温T2を30乃至60℃とすることにより、トナーの熱変質を抑えることができ、効率良く粉砕原料を粉砕することができ、トナー粒子の形状分布のバラツキを抑え、カブリの発生を少なくする。機械式粉砕機の温度T2が30℃より小さい場合、粉砕されずにショートパスを起こしている可能性がありトナー生産性という点から十分満足できるものではない。また、60℃より大きい場合、粉砕時に過粉砕されている可能性があり、トナーの熱変質や機内融着を起こしやすく、トナー生産上及び現像・転写性能上、問題となることがある。
また、粉砕原料を機械式粉砕機で粉砕する際に、機械式粉砕機の渦巻室212の室温T1と後室320の室温T2の温度差ΔT(T2−T1)を30乃至80℃とすることが好ましく、更には35乃至70℃とすることがトナー生産上及び現像、転写性能上好ましい。機械式粉砕機の温度T1と温度T2とのΔTを30乃至80℃、より好ましくは35乃至70℃とすることにより、トナーの熱変質を抑えることができ、効率良く粉砕原料を粉砕することができ、トナー粒子の形状分布のバラツキを抑え、カブリの発生を少なくする。機械式粉砕機の温度T1と温度T2とのΔTが30℃より小さい場合、粉砕されずにショートパスを起こしている可能性がありトナー生産性という点から十分満足できるものではない。また、80℃より大きい場合、粉砕時に過粉砕されている可能性があり、トナーの熱変質や機内融着を起こしやすく、トナー生産上及び現像・転写性能上、問題となることがある。
更に、上記の機械式粉砕機で粉砕する粉体原料は、ガラス転移温度Tgが45乃至75℃である結着樹脂を含有し、機械式粉砕機の渦巻室212の室温T1が+20℃以下であり、且つ、Tgより40乃至80℃低く温調することがトナー生産上及び現像・転写性能上好ましい。機械式粉砕機の渦巻室212の室温T1を+20℃以下であり、且つTgよりも40乃至80℃低くすることにより、熱変質の大きな要因となる結着樹脂の変質を抑えることができ、効率良く粉砕原料を粉砕することができ、トナー粒子の形状分布のバラツキを抑え、カブリの発生を少なくする。また、機械式粉砕機の後室320の室温T2はTgよりも0乃至30℃低くなるよう温調することが好ましい。機械式粉砕機の後室320の室温T2をTgよりも0乃至30℃低くすることにより、トナーの熱変質を抑えることができ、効率良く粉砕原料を粉砕することができ、トナー粒子の形状分布のバラツキを抑え、カブリや飛び散りの発生を少なくする。
尚、本発明において、結着樹脂のガラス転移温度Tgは示差熱分析装置(DSC測定装置)、DSC−7(パーキンエルマー社製)を用い、下記の条件で測定した。
試料:5〜20mg、好ましくは10mg
温度曲線:昇温I(20℃→180℃、昇温速度10℃/min.)
降温I(180℃→10℃、降温速度10℃/min.)
昇温II(10℃→180℃、昇温速度10℃/min.)
昇温IIで測定されるTgを測定値とする。
測定法:試料をアルミパン中にいれ、リファレンスとして空のアルミパンを用いる。吸熱ピークが出る前と出た後のべースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点をガラス転移点Tgとした。
微粉砕機の後室の室温T2を上記のように温調するために、機械式粉砕機本体の機内冷却手段として、機械式粉砕機はジャケット構造316を有する構造とし、冷却水(好ましくはエチレングリコール等の不凍液)を通水することが好ましい。この方法によれば、通水する水温及び水量によっても該機械式粉砕機の後室の室温T2を制御することができる。
尚、冷却水(好ましくはエチレングリコール等の不凍液)は、冷却水供給口317よりジャケット内部に供給され、冷却水排出口318より排出される。
尚、粒度分布の測定は種々の方法によって測定できるが、本発明においてはコールターカウンターのマルチサイザーを用いて行った。
測定装置としては、コールターカウンターのマルチサイザーII型或いはIIe型(コールター社製)を用い、個数分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科機製)及び一般的なパーソナルコンピューターを接続し、電解液は特級または1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。測定法としては前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記コールターカウンターのマルチサイザーII型により、100μmアパーチャーを用いて測定する。トナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布とを算出し、体積分布から求めた重量基準の重量平均径を求める。
次に、本発明のトナーの製造方法に用いる分級機による分級方法の概略を、図8及び図9を用いて説明する。
〔分級手段〕
分級機としては、慣性分級方式のエルボージェット(日鉄鉱業社製)、図9に示す遠心力分級方式のターボプレックス(ホソカワミクロン社製)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製)等の気流式分級機或いは、風力式篩のハイボルター(新東京機械社製)等の篩分機が挙げられる。
本発明のトナーの製造法に用いる分級機としては、慣性分級方式の多分割気流式分級機が特に好ましい。
好ましい多分割気流式分級機の一例として、図8(断面図)に示す形式の装置を一具体例として例示し説明する。
図8において、側壁22及びGブロック23は分級室の一部を形成し、分級エッジブロック24及び25は分級エッジ17及び18を具備している。Gブロック23は左右に設置位置をスライドさせることが可能である。また、分級エッジ17及び18は、軸17a及び18aを中心にして、回動可能であり、分級エッジを回動して分級エッジ先端位置を変えることができる。各分級エッジブロック24及び25は左右に設置位置をスライドさせることが可能であり、それにともなってそれぞれのナイフエッジ型の分級エッジ17及び18も左右にスライドする。この分級エッジ17及び18により、分級室62の分級域30は3分画されている。
原料粉体を導入するための原料供給口70を原料供給ノズル16の最後端部に有し、該原料供給ノズル16の後端部に高圧エアー供給ノズル71と原料粉体導入ノズル72とを有し且つ分級室62に開口部を有する原料供給ノズル16を側壁22の右側に設け、該原料供給ノズル16の下部接線の延長方向に対して長楕円弧を描く様にコアンダブロック26が設置されている。分級室62の左部ブロック27は、分級室62の右側方向にナイフエッジ型の入気エッジ19を具備し、更に分級室62の左側には分級室62に開口する入気管14及び15を設けてある。
分級エッジ17,18、Gブロック23及び入気エッジ19の位置は、被分級処理原料であるトナーの種類及び所望の粒径により調整される。
また、分級室62の上面にはそれぞれの分画域に対応させて、分級室内に開口する排出口11,12及び13を有し、排出口11,12及び13にはパイプの如き連通手段が接続されており、それぞれにバルブ手段のごとき開閉手段を設けてよい。
原料供給ノズル16は直角筒部と角錘筒部とからなり、直角筒部の内径と角錘筒部の最も狭い箇所の内径の比を20:1から1:1、好ましくは10:1から2:1に設定すると、良好な導入速度が得られる。
以上のように構成してなる多分割分級域での分級操作は、例えば次のようにして行う。即ち、排出口11,12及び13の少なくとも1つを介して分級室内を減圧し、分級室内に開口部を有する原料供給ノズル16中を該減圧によって流動する気流と高圧エアー供給ノズル71から噴射される圧縮エアーのエゼクター効果により、好ましくは流速10〜350m/秒の速度で粉体を原料供給ノズル16を介して分級室に噴出し、分散する。
分級室に導入された粉体中の粒子は、コアンダブロック26のコアンダ効果による作用と、その際流入する空気のごとき気体の作用とにより湾曲線を描いて移動し、それぞれの粒子の粒径及び慣性力の大小に応じて、大きい粒子(粗粉体)は気流の外側、即ち分級エッジ18の外側の第1分画、中間の粒子(中粉体)は分級エッジ18と17の間の第2分画、小さい粒子(微粉体)は分級エッジ17の内側の第3分画に分級され、分級された大きい粒子(粗粉体)は排出口11より排出され、分級された中間の粒子(中粉体)は排出口12より排出され、分級された小さい粒子(微粉体)は排出口13よりそれぞれ排出される。
上記の粉体の分級において、分級点は、粉体が分級室62内へ飛び出す位置であるコアンダブロック26の下端部分に対する分級エッジ17及び18のエッジ先端位置によって主に決定される。更に、分級点は分級気流の吸引流量或いは原料供給ノズル16からの粉体の噴出速度等の影響を受ける。
以上説明した多分割気流式分級機は、特に電子写真法による画像形成法に用いられるトナーを分級する場合に有効である。
更に、図8に示す形式の多分割気流式分級機では、原料供給ノズル,原料粉体導入ノズル,高圧エアー供給ノズルを多分割気流式分級機の上面部に具備し、該分級エッジを具備する分級エッジブロックが、分級域の形状を変更できるようにその位置を変更し得るようにしたため、従来の気流式分級装置よりも分級精度を飛躍的に向上させることができる。
尚、分級工程で分級されて発生した粗粉体は、再度粉砕工程に戻して粉砕する。また分級工程で発生した微粉体は、トナー原料の配合工程に戻して再利用することがトナー生産性上好ましい。
次に、本発明のトナーの製造方法に用いる回分式表面改質装置による表面改質方法の概略を、図10及び図11を用いて説明する。
〔表面改質手段〕
図10は、本発明に使用する回分式表面改質装置の概略図を示し、図11は図10において高速回転する表面改質手段の上面図の一例を示す。
図10に示す回分式表面改質装置では、本体ケーシング30、本体ケーシングの上部にあって、開閉可能なよう設置された天板43、微粉排出部である微粉排出ケーシング44、冷却水或いは不凍液を通水できる冷却ジャケット31、表面改質手段である、本体ケーシング30内にあって中心回転軸に取り付けられた、上面に角型のディスク或いは円筒型のピン33を複数個有し、高速で回転する円盤上の回転体である分散ローター32、分散ローター32の外周に、一定間隔を保持して配置されて、表面に多数の溝が設けられている固定体であるライナー34(尚ライナー表面上の溝は、なくても構わない)、更に、表面改質された原料を所定粒径に分級し、微粉体及び超微粉を本体ケーシング30外に排出するための手段である分級ローター35、分級ローター35により分級された微粉体及び超微粉を装置外に排出するための微粉排出口45、更に、冷風を導入するための冷風導入口46、被表面改質粒子を導入するための原料投入口37及び原料供給口39、更に、表面改質時間を自在に調整可能となるように、開閉可能なように設置された原料供給弁38、製品排出弁41、表面改質後の粉体を排出するための製品排出口40及び製品抜取口42、更に、分級手段である分級ローター35と、表面改質手段である分散ローター32−ライナー34との間の空間を、分級ローター35へ導入される前の第一の空間47と、分級ローター35により微粉を分級除去された粒子を表面処理手段へ導入するための第二の空間48に仕切る案内手段である円筒形のガイドリング36とから構成されている。分散ローター32上に複数個設置された角型のディスク或いは円筒型のピン33と、ライナー34との間隙部分が表面改質ゾーン49であり、分級ローター35及び該ローター周辺部分が分級ゾーン50である。
尚、分級ローターの設置方向は図10に示したように縦型でも構わないし、横型でも構わない。また、分級ローターの個数は図10に示したように単体でも構わないし、複数でも構わない。また、分散ローター及び分級ローターの回転方向は同一方向であることが好ましい。分散ローターと分級ローターの回転方向を逆にすると、分級ローターに対する負荷が大きくなり、正常な運転が行えずトナー生産性という点から十分満足できるものではない。また、該回分式表面改質装置天板と分級ローターは密着させず、隙間を設けることが装置構成上好ましい。該間隔は1.0mm以下が好ましい。また、該間隔からエアーが吹き出す構成とすることが好ましい。該間隔が1.0mmを超えると、該間隔からエアーが吹き出す構成となっていても、被表面改質粒子が該間隔から分級ローターを通過せずに、微粉ケーシング内に侵入するというショートパスが発生する恐れがあり、トナー生産性という点から十分満足できるものではない。尚、該間隔から吹き出すエアー流量としては0.5m3/min以上が好ましく、1.0m3/min以上がより好ましい。また、エアー圧としては0.05MPa以上が好ましく、0.1MPa以上がより好ましい。
以上のように構成してなる回分式表面改質装置では、製品排出弁39を閉とした状態で、原料供給弁38を開とし、原料投入口37から被表面改質粒子を投入し、一定時間経過後原料供給弁38を閉とする。原料供給口39より装置内に投入された被表面改質粒子は、まずブロワー(図示しない)により吸引され、分級ローター35で分級される。その際、分級された所定粒径以下の微粉体及び超微粉体は、微粉排出ケーシング44、微粉排出口45を通り装置外へ連続的に排出除去される。所定粒径以上の粗粉体は遠心力によりガイドリング36の内周(第二の空間48)に沿い、旋回しながら、分散ローター32により発生する循環流にのり表面改質ゾーン49へ導かれる。表面改質ゾーン49に導かれた粗粉体は、分散ローター32上に複数個設置された角型のディスク或いは円筒型のピン33と、ライナー34との間で機械式衝撃力を受け、表面改質される。表面改質された表面改質粒子は、機内を通過する冷風及びブロワー吸引流にのって、ガイドリング36の外周(第一の空間47)に沿い、旋回しながら分級ゾーン50に導かれ、分級ローター35により、再度微粉体及び超微粉体は微粉排出ケーシング44、微粉排出口45を通り機外へ排出され、粗粉体は、循環流にのり、再度表面改質ゾーン49に戻され、繰り返し表面改質作用を受ける。一定時間経過後、製品排出弁41を開とし、製品抜取口42より表面改質粒子を回収する。
尚、該回分式の表面改質装置で発生した微粉体及び超微粉体は、サイクロン、バグ等の捕集機器により回収し、トナー原料の配合工程に戻して再利用することがトナー生産性上好ましい。
本発明のトナーの製造方法の特徴は、図10に示す回分式の表面改質装置を使用することにより、トナーの表面形状を所望のものにコントロールし、更に、微粉及び超微粉カット分級を行うことによりシャープな粒度分布を持つ、超微粉体の少ない表面改質粒子を、より収率良く得ることである。
即ち、本発明者が検討した結果、表面改質工程で使用する表面改質装置を図10に示す様な回分式の表面改質装置とし、表面改質粒子を所定粒径に分級する分級ローターを内蔵するタイプとし、更に表面改質する際、該回分式表面改質装置内の各機器構成の関係や、表面改質ゾーンのおける運転条件を適切な状態に設定・制御することにより、過粉砕されやすいトナーを表面改質する場合においても、表面改質時における微粉体及び超微粉体量の増加を防止し、且つ、トナーの粒度分布をシャープに分級することができる。更に、原料供給弁を開閉する時間、及び製品排出弁を開放する時間を任意に設定することにより、装置内におけるトナーの滞留時間を調整でき、トナーの表面形状を任意にコントロールでき、良好な現像性、転写性並びにクリーニング性、及び安定した帯電性を有する、長寿命のトナーを得ることができる。
上記の理由として、表面改質粒子の表面形状は、表面改質装置内での表面改質粒子の滞留時間に依存している。つまり、表面改質粒子の表面形状をコントロールするためには、表面改質装置内の表面改質粒子の滞留時間をコントロールすることが重要である。本発明において、表面改質工程で使用する表面改質装置を、図9に示す様な、回分式の表面改質装置とすることで、原料供給弁閉から製品排出弁開放までの表面改質時間、分散ローター上面の歯形状及び回転周速、分散ローターとライナーとの間隔、ガイドリングと分散ローターとの間隔等を適切な状態に制御することにより、表面改質時における微粉及び超微粉の増加を防止し、表面改質粒子の表面改質装置内での滞留時間をコントロールでき、表面改質粒子の表面形状を任意にコントロールすることができる。また、表面改質された表面改質粒子を所定粒径に分級する分級ローターを内蔵することで、ブロワー風量及び分級ローターの回転周速を適切な状態に制御することにより、所定粒子以下の微粉体及び超微粉体は装置外へ連続的に排出され、粗粉は再度表面改質できるため、所定粒径以下の微粉体及び超微粉体が除かれたシャープな粒度分布を持つ表面改質粒子を、より収率良く得ることができる。
更に、本発明のトナーの製造方法の特徴は、該回分式の表面処理装置内の表面改質手段である、分散ローター上に複数個設置された角型のディスク或いは円筒型のピン及びライナーの表面がめっきでコーティングされていることである。
これらの母材には、S45C等の炭素鋼やSCM材等のクロムモリブデン鋼などが用いられることが多いが、母材のままでは耐摩耗性能に問題があり、分散ローター上に複数個設置された角型のディスク或いは円筒型のピン及びライナーの交換頻度が高いという問題がある。本発明に用いる該回分式の表面処理装置内の特徴は、これらの表面を、耐摩耗性を有するめっきでコーティングして用いることである。
耐摩耗性を有するめっきでコーティングすることにより、表面硬さが大きく、耐摩耗性が高くなり、長寿命の角型のディスク或いは円筒型のピンやライナーとなる。めっきにより表面を均一かつ滑らかに仕上げ、摩擦係数を小さくして耐摩耗性を向上させることが可能となる。
本発明に用いるめっきの種類としては、トナー粉体原料を粉砕するのに必要な耐摩耗性を有していれば特に限定されず、例えば、ニッケルめっき、無電解ニッケルめっき(めっき液にダイヤモンド、シリコンカーバイド、コランダム、タングステンカーバイド等の微粉末を添加したコンポジットめっきでも良い)、クロムめっき、ロジウムめっき、ルテニウムめっき、これらを多層に重ねた多層めっき等を使用することができるが、耐摩耗性に優れるという点でクロムめっき(硬質クロムめっき)が好ましく、特に好ましく用いられるのは、少なくとも炭化クロムを含有するクロム合金めっきである。クロム合金に存在する、分子間結合力の強い炭化クロム(Cr236)が母材表面との密着性を高め、剥離やクラックといった現象の発生頻度を極力少なくすることができる。
上記の炭化クロム含有クロム合金めっき層の厚さは20乃至300μmであることが好ましく、30〜200μmであることが更に好ましい。めっき厚が20μm未満では耐磨耗性向上効果が十分に発揮されず、300μmを超える場合にはコーティング処理が困難になり、コーティングコストが増大する。このような炭化クロムを含有するクロム合金めっきとしては、ダイクロン(日本コーティング社等)めっき/コーティングが挙げられる。
更に、本発明のトナーの製造方法の特徴は、該回分式の表面処理装置内の分級手段である、分級ローターの表面が耐磨耗処理されており、該分級ローターの表面硬化層の硬度と、上述した耐磨耗処理を施した表面処理手段である分散ローター上に複数個設置された角型のディスク或いは円筒型のピン及びライナーの表面硬化層の硬度が異なることを特徴とする。
本発明者が検討した結果、該分級ローターの表面硬化層の硬度と、分散ローター上に複数個設置された角型のディスク或いは円筒型のピン及びライナーの表面硬化層の硬度を異ならせることにより、分級ローター近傍のトナー粒子の分散状態が良化されることで、超微粉体を効果的に排出でき、分散ローター近傍のトナー粒子の分散状態を良化でき、表面改質処理が効果的に行えることが分かった。
本発明者が検討した結果、該分級ローターの表面硬化層の硬度は、ビッカース硬度HV500以上1000未満であることが好ましく、分散ローター上に複数個設置された角型のディスク或いは円筒型のピン及びライナーの表面硬化層の硬度は、ビッカース硬度HV1000以上1400以下であることが好ましい。
上述した通り、該分散ローター上に複数個設置された角型のディスク或いは円筒型のピン及びライナーに炭化クロムを含有するクロム合金めっきを施すことにより、ビッカース硬度がHV1000以上1400以下である優れた耐磨耗性を有する角型のディスク或いは円筒型のピン及びライナーとすることができ、交換頻度を少なくすることができる。表面硬さがHV1000未満では耐摩耗性が低下し始めると同時に、分散ローター近傍のトナー粒子の分散状態が不安定になり、表面改質処理が効果的に行えずトナー生産性という点から十分満足できるものではない。また、表面硬さがHV1400を超える場合には表面が硬すぎて脆くなるため剥離・クラックが生じやすくなり、交換頻度が増加し始めるためこちらもトナー生産性という点から十分満足できるものではない。
尚、本発明における表面硬さは、例えば島津製作所、ダイナミック微小硬度計DVH−200を用いて測定することができ、荷重0.4903Nを30秒間保持する条件で測定することが好ましい。
尚、該分級ローター表面の耐磨耗処理方法は、公知のものが使用できるが、本発明者が検討した結果、耐磨耗処理方法としては、Ni、Coを主成分とする自溶性合金にWCまたはCrCを複合し、溶射処理することで溶射被膜を形成させた後、再度溶射被膜を溶融処理することで、耐磨耗面を形成させる処理が好ましい。このような処理方法としては、スミトモハードメタル(住友重機械鋳鍛社)が挙げられる。
該分級ローター表面に上述した耐磨耗処理を施すことにより、ビッカース硬度がHV500以上1000未満である優れた耐磨耗性を有する分級ローターとすることができ、交換頻度を少なくすることができる。表面硬さがHV500未満では耐摩耗性が低下し始めるためトナー生産性という点から十分満足できるものではない。また、表面硬さがHV1000を超える場合には分級ローターの表面が硬すぎて、分級ローター近傍での分散状態が不安定になりやすく、超微粉体を効果的に排出できなくなるためトナー生産上及びトナー品質上問題となることがある。
本発明のトナーの製造法において、表面改質粒子の表面改質の度合を示すものとして、本発明においては平均円形度をその指標とした。
本発明における平均円形度は、粒子の形状を定量的に表現する簡便な方法として用いたものであり、本発明では東亜医用電子製フロー式粒子像分析装置FPIA−1000を用いて測定を行い、測定された粒子の円形度を下式により求め、測定された全粒子の円形度の総和を全粒子数で除した値を平均円形度と定義する。
Figure 0004235567
測定方法としては、ノニオン型界面活性剤約0.1mgを溶解している水10mlにトナー約5mgを分散させ分散液を調製し、超音波(20kHz、50W)を分散液に5分間照射し、分散液濃度を5000〜20000個/μlとして、前記装置によりトナーの円形度を測定する。
本発明における「平均円形度」とは、表面改質粒子の凹凸の度合の指標であり、トナーが完全な球形の場合1.000を示し、トナー形状が複雑になるほど平均円形度は小さな値となる。
本発明のトナーの製造方法においては、該回分式表面改質装置における表面改質時間としては、5秒以上180秒以下、更に好ましくは、15秒以上120秒以下であることが好ましい。該表面改質時間が5秒未満の場合、表面改質時間が短時間過ぎるため、表面改質粒子が得られずトナー品質上好ましくない。また、表面改質時間が180秒を超える場合、表面改質時間が長時間過ぎるため、表面改質時に発生する熱による表面変質や、機内融着の発生、及び処理能力の低下を招くので、トナー生産性という点から十分満足できるものではない。
更に、本発明のトナーの製造方法においては、該回分式表面改質装置内に導入する冷風温度T1を5℃以下とすることが好ましい。該回分式表面改質装置内に導入する冷風温度T1を5℃以下(より好ましくは0℃以下、更に好ましくは−5℃以下)とすることにより、表面改質時に発生する熱による表面変質や、機内融着を防止することができる。該回分式表面改質装置内に導入する冷風温度T1が5℃以上を超えるものとすると、表面改質時に発生する熱による表面変質や、機内融着を起こしやすいので、トナー生産性という点から十分満足できるものではない。
また、該回分式表面改質装置内に導入する冷風の発生装置で使用する冷媒としては、地球全体の環境問題という点から代替フロンが好ましい。
代替フロンとしては、R134A、R404A、R407C、R410A、R507A、R717等が挙げられるが、この中で、省エネルギー性や安全性という点から、特にR404Aが好ましい。
尚、該回分式表面改質装置内に導入する冷風は、装置内の結露防止という面から、除湿したものであることがトナー生産性上好ましい。除湿装置としては公知のものが使用できる。給気露点温度としては、−15℃以下が好ましく、更には−20℃以下が好ましい。
更に、本発明のトナーの製造方法においては、該回分式表面改質装置内は、機内冷却用のジャケットを具備しており、該ジャケットに冷媒(好ましくは冷却水、更に好ましくはエチレングリコール等の不凍液)を通しながら被表面改質粒子を表面改質処理することが好ましい。該ジャケットによる機内冷却により、表面改質時における熱による表面変質や機内融着を防止することができる。
尚、該回分式表面改質装置のジャケット内に通す冷媒の温度は5℃以下とすることが好ましい。該回分式表面改質装置内のジャケット内に通す冷媒の温度を5℃以下(より好ましくは0℃以下、更に好ましくは−5℃以下)とすることにより、表面改質時に発生する熱による表面変質や、機内融着を防止することができる。該冷却ジャケット内に導入する冷媒の温度が5℃を超えるものとすると、表面改質時に発生する熱による表面変質や、機内融着を起こしやすいので、トナー生産性という点から十分満足できるものではない。
更に、本発明のトナーの製造方法においては、該回分式表面改質装置内の分級ローター後方にある、微粉排出口内の温度T2を60℃以下とすることが好ましい。該回分式表面改質装置内の分級ローター後方にある、微粉排出口内の温度T2を60℃以下(更に好ましくは50℃以下)とすることにより、表面改質時に発生する熱によるの表面変質や、機内融着を防止することができる。該回分式表面改質装置内の分級ローター後方にある、微粉排出口内の温度T2を、60℃を超えるものとすると、表面改質ゾーンにおいては、それ以上の温度が影響していると推察され、表面改質時に発生する熱による表面変質や、機内融着を起こしやすいので、トナー生産性という点から十分満足できるものではない。
更に、本発明のトナーの製造方法においては、該回分式表面改質装置内の分級ローター後方にある、微粉排出口内の温度T2と、該回分式表面改質装置に導入する冷風温度T1との温度差ΔT(T2−T1)を100℃以下とすることが好ましい。該回分式表面改質装置内の分級ローター後方にある、微粉排出口内の温度T2と、該回分式表面改質装置に導入する冷風温度T1との温度差ΔT(T2−T1)を100℃以下(更に好ましくは80℃以下)とすることにより、表面改質時に発生する熱による表面変質や、機内融着を防止することができる。該回分式表面改質装置内の分級ローター後方にある、微粉排出口内の温度T2と、該回分式表面改質装置に導入する冷風温度T1との温度差ΔT(T2−T1)を、100℃を超えるものとすると、表面改質ゾーンにおいては、それ以上の温度が影響していると推察され、表面改質時に発生する熱による表面変質や、機内融着を起こしやすいので、トナー生産性という点から十分満足できるものではない。
更に、本発明のトナーの製造方法においては、該回分式表面改質装置内の分散ローターとライナーとの間の最小間隔が0.5mm乃至15.0mmとすることが好ましく、更には、2.0mm乃至10.0mmとすることが好ましい。
また、該分散ローターの回転周速は30m/sec乃至175m/secとすることが好ましく、更には、40m/sec乃至160m/secとすることが好ましい。
更に、該回分式表面改質装置内の該ガイドリングと、装置内壁との間の最小間隔が20.0mm乃至60.0mmとすることが好ましく、更には、25.0mm乃至55.0mmとすることが好ましい。
更に、該回分式表面改質装置内の分散ローター上面に設置されている角型のディスク或いは円筒形のピンの上部と、該円筒型のガイドリングの下部との間の最小間隔が2.0mm乃至50.0mmとすることが好ましく、更には、5.0mm乃至45.0mmとすることが好ましい。
本発明者が検討した結果、該回分式表面改質装置内の分散ローターとライナーとの間の最小間隔を0.5mm未満とすると、装置自体の負荷が大きくなるのと同時に、表面改質時に過粉砕され熱による表面変質や機内融着を起こしやすいのでトナー生産性という点から十分満足できるものではない。また、該分散ローターとライナーとの間の最小間隔を、15.0mmを超えるものとすると、表面改質粒子を得るために処理能力を落とさなければならず、こちらもトナー生産性上十分満足できるものではない。
また、該回分式表面改質装置内の分散ローターの回転周速を30m/sec未満とすると、所定の円形度を得るためには処理能力を落とさなければならず、トナー生産性上十分満足できるものではない。また、該分散ローターの回転周速を175m/secを超えるものとすると、装置自体の負荷が大きくなるのと同時に、表面改質時に表面改質粒子が過粉砕されると同時に、熱による表面変質や機内融着を起こしやすいので、こちらもトナー生産性という点から十分満足できるものではない。
また、該回分式表面改質装置内の該ガイドリングと、装置内壁との間の最小間隔が20.0mm未満とすると、ガイドリング外側の第二の空間での滞留時間が短くなり、表面改質粒子が十分に表面改質されない状態でガイドリング内側の第一の空間へ流出する可能性があり、トナー生産性上十分満足できるものではない。また、該回分式表面改質装置内の該ガイドリングと、装置内壁との間の最小間隔が60.0mmを超えるものとすると、分散ローター近傍での表面改質粒子の滞留時間が長くなり、表面改質時に過粉砕され熱による表面変質や機内融着を起こす可能性がありこちらもトナー生産性という点から十分満足できるものではない。
また、該回分式表面改質装置内の分散ローター上面に設置されている角型のディスク或いは円筒形のピンの上部と、該円筒型のガイドリングの下部との間の最小間隔が2.0mm未満とすると、装置自体の負荷が大きくなるのと同時に、ガイドリング内側の第一の空間での滞留時間が長くなり、表面改質時に過粉砕され熱による表面変質や機内融着を起こしやすいのでトナー生産性という点から十分満足できるものではない。また、該分散ローター上面に設置されている角型のディスク或いは円筒形のピンの上部と、該円筒型のガイドリングの下部との間の最小間隔を、50.0mmを超えるものとすると、表面改質粒子が十分に表面改質されない状態でガイドリング外側の第二の空間へ流出するというショートパスを起こす可能性があり、こちらもトナー生産性上十分満足できるものではない。
本発明者が検討した結果、該回分式表面改質装置の運転条件を上述の範囲に制御することにより、表面改質時における微粉及び超微粉の増加を防止し、表面改質時における熱の影響を少なくでき、表面改質粒子の表面形状を所望のものにコントロールでき、良好な現像性、転写性並びにクリーニング性、及び安定した帯電性を有する、長寿命のトナーを得ることができる。
本発明のトナーはTHF可溶分のGPCにより測定される分子量分布において、分子量2,000〜50,000の領域に少なくとも一つピークを有し、分子量1000〜30000の成分が50〜90%存在することを特徴とし、好ましくは分子量5,000〜30,000の領域に少なくとも一つのピークが存在し、分子量1000〜30000の成分が55〜90%存在することをしているものが良い。分子量が5000未満の場合、トナーとして適度な弾性を持てなくなるため、定着性は向上するものの表面処理中に微粉の発生が増加しこの微粉がトナー粒子に付着することにより帯電が不均一になりもトナーの環境安定性が悪化する。従って、高温高湿のような環境で画像濃度が低下する。更に帯電が不均一になることによりカブリ、画質が悪化する。更に、保存性も悪化する。また、低分子側の分子量が50,000以上の場合、トナーとしての弾性が高くなるため、表面処理の処理量が減少し生産性が低下する。また、定着性が悪化するため、耐久初期において定着部材への付着が生じ易くなる。
分子量1000〜30000の成分が55%未満の場合トナーとしての弾性が高くなるため、表面処理の処理量が減少し生産性が低下する。また、定着性が悪化するため、耐久初期において定着部材への付着が生じ易くなる。また、分子量1000〜30000の成分が90%よりも多い場合、トナーとして適度な弾性を持てなくなるため、定着性は向上するものの表面処理中に微粉の発生が増加しこの微粉がトナー粒子に付着することにより帯電が不均一になりもトナーの環境安定性が悪化する。従って、高温高湿のような環境で画像濃度が低下する。更に帯電が不均一になることによりカブリ、画質が悪化する。更に、保存性も悪化する。
このように、トナーのTHF可溶分のGPCによる分子量分布において、この様なピークを有するトナーは定着性、耐オフセット及び保存性がバランスよく保たれるだけではなく、表面処理による微粉発生が効果的に抑えられ、トナーの帯電性を均一にし現像性、画質の優れたトナーとなる。
本発明において、トナー及び結着樹脂のTHF(テトラヒドロフラン)を溶媒としたGPCによる分子量分布は次の条件で測定される。
40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに溶媒としてTHFを毎分1mlの流速で流し、THF試料溶液を約100μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント値との関係から算出した。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては例えば、東ソー社製或いは昭和電工社製の分子量が102〜107程度のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。また、検出器はRI(屈折率)検出器を用いる。尚、カラムとしては市販のポリスチレンジェルカラムを複数本組み合せるのが良く、例えば昭和電工社製のshodex GPC KF−801,802,803,804,805,806,807,800Pの組み合せや、東ソー社製のTSKgel G1000H(HXL)、G2000H(HXL)、G3000H(HXL)、G4000H(HXL)、G5000H(HXL)、G6000H(HXL)、G7000H(HXL)、TSKgurd columnの組み合せを挙げることができる。
また、試料は以下のようにして作製する。
試料をTHF中に入れ、数時間放置した後、十分振とうしTHFとよく混ぜ(試料の合一体が無くなるまで)、更に12時間以上静置する。その時THF中への放置時間が24時間以上となるようにする。その後、サンプル処理フィルター(ポアサイズ0.2〜0.5μm、例えばマイショリディスクH−25−2(東ソー社製)など使用できる。)を通過させたものをGPCの試料とする。また、試料濃度は、樹脂成分が0.5〜5mg/mlとなるように調整する。
本発明のトナー製造方法によれば、該表面改質工程で得られた表面改質粒子の平均円形度を0.935以上とすることができる。これは、上述した通り、該表面改質装置の原料供給弁閉から製品排出弁開放までの表面改質時間、分散ローター上面の歯形状及び回転周速、分散ローターとライナーとの間隔、ガイドリングと分散ローターとの間隔等を適切な状態に制御することにより、トナーの表面形状を任意にコントロールすることができるためである。
また本発明のトナー製造方法によれば、3.0μm未満の粒子の微粉量(=超微粉体)を15個数%以下に抑えることができる。これは、上述した通り、粉砕工程で使用する粉砕手段を機械式粉砕機とすることで、衝撃式粉砕機に比べ、シャープな粒度分布を有する微粉砕物が得られ、次工程の分級工程で使用する分級手段を多分割気流式分級機とすることで、微粗粉の少ないシャープな粒度分布を有する被表面改質粒子が得られ、次工程の表面処理工程で使用する表面改質装置を微粉体及び超微粉体を連続的に機外に排出できる分級ローターを内蔵する回分式の表面処理装置とすることで、段階的に微粗粉及び超微粉の少ないシャープな粒度分布を有する表面改質粒子を得ることができるためである。更に、該分級ローターの表面硬化層の硬度と、分散ローター上に複数個設置された角型のディスク或いは円筒型のピン及びライナーの表面硬化層の硬度が異ならせることにより、分散ローター近傍のトナー粒子の分散状態を良化でき、表面改質処理が効果的に行え、更に分級ローター近傍のトナー粒子の分散状態が良化されることで、超微粉体を効果的に排出できると考えている。
次に、本発明のトナーの製造方法で、トナーを製造する手順について説明する。
まず、原料混合工程では、トナー内添剤として、少なくとも樹脂、着色剤を所定量秤量して配合し、混合する。混合装置の一例としては、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー等がある。
更に、上記で配合し、混合したトナー原料を溶融混練して、樹脂類を溶融し、その中の着色剤等を分散させる。該溶融混練工程では、例えば、加圧ニーダー、バンバリィミキサー等のバッチ式練り機や、連続式の練り機を用いることができる。近年では、連続生産できる等の優位性から、1軸または2軸押出機が主流となっており、例えば、神戸製鋼所社製KTK型2軸押出機、東芝機械社製TEM型2軸押出機、ケイ・シー・ケイ社製2軸押出機、ブス社製コ・ニーダー等が一般的に使用される。更に、トナー原料を溶融混練することによって得られる着色樹脂組成物は、溶融混練後、2本ロール等で圧延され、水冷等で冷却する冷却工程を経て冷却される。
上記で得られた着色樹脂組成物の冷却物は、次いで、粉砕工程で所望の粒径にまで粉砕される。粉砕工程では、まず、クラッシャー、ハンマーミル、フェザーミル等で粗粉砕され、更に、イノマイザ(ホソカワミクロン社製)、クリプトロン(川崎重工社製)、スーパーローター(日清エンジニアリング社製)、ターボミル(ターボ工業社製)、トルネードミル(日機装社製)等の機械式粉砕機で微粉砕される。粉砕工程では、このように段階的に所定のトナー粒度まで粉砕される。更に、粉砕工程で得られた微粉砕品を慣性分級方式の多分割気流式分級機を用いて分級し、その後、表面改質工程で表面改質=球形化処理を行い、表面改質粒子を得る。
尚、表面改質工程で分級されて発生したトナー微粉体及び超微粉体は、トナー原料の配合工程に戻して再利用することがトナー生産性上好ましい。
更に、本発明のトナーの製造方法においては、上記のようにして得られたトナー粒子に、少なくとも平均粒径が50nm以下の無機微粒子を外添剤として外添する。トナー粒子に外添剤を外添処理する方法としては、表面改質されたトナー粒子と公知の各種外添剤を所定量配合し、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の粉体にせん断力を与える高速撹拌機を外添機として用いて、撹拌・混合することが好ましい。この際、外添機内部で発熱を生じ、凝集物を生成し易くなるので、外添機の容器部周囲を水で冷却する等の手段で温度調整をすることがトナー生産性上好ましい。
次に、本発明で使用する結着樹脂及び着色剤を少なくとも含むトナー粒子の原材料について説明する。
〔樹脂〕
本発明に用いられる結着樹脂としては、従来より、結着樹脂として知られている種々の樹脂化合物を使用することができ、例えば、ビニル系樹脂、フェノール樹脂、天然樹脂変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニール、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロインデン樹脂、石油系樹脂等が挙げられる。中でもビニル系樹脂とポリエステル系樹脂が帯電性や定着性の点で好ましい。
ビニル系樹脂としては、例えばスチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチレンスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンの如きスチレン誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンの如きエチレン不飽和モノオレフィン類;ブタジエンの如き不飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、弗化ビニルの如きハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルの如きビニルエステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンの如きビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンの如きN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類:アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドの如きアクリル酸またはメタクリル酸誘導体;α,β−不飽和酸のエステル、二塩基酸のジエステル類;アクリル酸、メタクリル酸、α−エチルアクリル酸、クロトン酸、ケイヒ酸、ビニル酢酸、イソクロトン酸、アンゲリカ酸等のアクリル酸及びそのα−またはβ−アルキル誘導体;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、アルケニルコハク酸、イタコン酸、メサコン酸、ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸等の不飽和ジカルボン酸及びそのモノエステル誘導体または無水物等のビニル系モノマーを用いた重合体が挙げられる。
上記ビニル系樹脂では、前述したようなビニル系モノマーが単独または二つ以上で用いられる。これらの中でもスチレン系共重合体、スチレン−アクリル系共重合体となるようなモノマーの組合せが好ましい。
また、本発明に用いられる結着樹脂は、必要に応じて以下に例示するような架橋性モノマーで架橋された重合体または共重合体であってもよい。
前記架橋性モノマーとしては、架橋可能な二以上の不飽和結合を有するモノマーを用いることができる。このような架橋性モノマーとしては、以下に示すような種々のモノマーが従来より知られており、本発明のトナーに好適に用いることができる。
前記架橋性モノマーには、芳香族ジビニル化合物として例えば、ジビニルべンゼン、ジビニルナフタレンが挙げられ;アルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物として例えば、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが挙げられ;エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類としては、例えば、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが挙げられ;芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類として例えば、ポリオキシエチレン(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、ポリオキシエチレン(4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロバンジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが挙げられ;ポリエステル型ジアクリレート類として例えば、商品名MANDA(日本化薬)等が挙げられる。
多官能の架橋剤としては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの;トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメリテート等が挙げられる。
本発明に用いられる結着樹脂としては、以下に示すポリエステル樹脂も好ましい。ポリエステル樹脂は、全成分中45〜55mol%がアルコール成分であり、55〜45mol%が酸成分であることが好ましい。
アルコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、下記(B)式で表されるビスフェノール誘導体;
Figure 0004235567
(式中、Rはエチレンまたはプロピレン基を示し、x及びyはそれぞれ1以上の整数であり、かつx+yの平均値は2〜10である。)
(C)式で示されるジオール類;
Figure 0004235567
またはグリセリン、ソルビット、ソルビタン等の多価アルコール類等が挙げられる。
また、酸成分としてはカルボン酸が好ましくは例示することができ、二価のカルボン酸としてはフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸の如きべンゼンジカルボン酸類またはその無水物;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸の如きアルキルジカルボン酸類またはその無水物;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸の如き不飽和ジカルボン酸またはその無水物等が挙げられ、また、3価以上のカルボン酸としてはトリメリット酸、ピロメリット酸、べンゾフェノンテトラカルボン酸やその無水物等が挙げられる。
特に好ましいポリエステル樹脂のアルコール成分としては、前記(B)式で示されるビスフェノール誘導体であり、酸成分としては、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸またはその無水物、コハク酸、n−ドデセニルコハク酸またはその無水物、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸の如きジカルボン酸類;トリメリット酸またはその無水物のトリカルボン酸類が挙げられる。これらの酸成分及びアルコール成分から得られたポリエステル樹脂を結着樹脂として使用した熱ローラ定着用トナーとして定着性が良好で、耐オフセット性に優れているからである。
〔磁性体〕
本発明のトナーを磁性トナーとして用いる場合、磁性トナーに含まれる磁性材料としては、通常使用されている磁性体であれば特に限定されないが、例えばマグネタイト、マグヘマイト、フェライトの如き酸化鉄、及び他の金属酸化物を含む酸化鉄;Fe、Co、Niのような金属、または、これらの金属とAl、Co、Cu、Pb、Mg、Ni、Sn、Zn、Sb、Be、Bi、Cd、Ca、Mn、Se、Ti、W、Vのような金属との合金、及びこれらの混合物等が挙げられる。
具体的には、磁性材料としては、四三酸化鉄(Fe34)、三二酸化鉄(γ−Fe23)、酸化鉄イットリウム(Y3Fe512)、酸化鉄カドミウム(CdFe24)、酸化鉄ガドリニウム(Gd3Fe512)、酸化鉄銅(CuFe24)、酸化鉄鉛(PbFe1219)、酸化鉄ニッケル(NiFe24)、酸化鉄ニオジム(NdFe23)、酸化鉄バリウム(BaFe1219)、酸化鉄マグネシウム(MgFe24)、酸化鉄ランタン(LaFeO3)、鉄粉(Fe)、コバルト粉(Co)、ニッケル粉(Ni)等が挙げられる。上述した磁性材料を単独でまたは二種以上組合せて使用する。特に好適な磁性材料は、四三酸化鉄またはγ−三二酸化鉄の微粉末である。
これらの強磁性体は平均粒径が0.05〜2μmで、795.8kA/m印加での磁気特性が抗磁力1.6〜12.0kA/m、飽和磁化50〜200Am2/kg(好ましくは50〜100Am2/kg)、残留磁化2〜20Am2/kgのものが、特に電子写真画像形成方法に用いる上で好ましい。
更に、これらの磁性体は、結着樹脂100質量部に対して、60〜200質量部、更に好ましくは80〜150質量部含有させることが好ましい。
〔着色剤〕
前述したように本発明のトナーでは磁性体を着色剤として用いても良いが、その他の着色剤として非磁性の着色剤等も用いることができる。このような非磁性の着色剤としては、任意の適当な顔料または染料が挙げられる。例えば顔料としては、カーボンブラック、アニリンブラック、アセチレンブラック、ナフトールイエロー、ハンザイエロー、ローダミンレーキ、べンガラ、フタロシアニンブルー、インダンスレンブルー等がある。これらは結着樹脂100質量部に対し0.1〜20質量部、好ましくは1〜10質量部の添加量が良い。また、同様に染料が用いられ、結着樹脂100質量部に対し0.1〜20質量部、好ましくは0.3〜10質量部の添加量が良い。
本発明に用いられる着色剤は、黒色着色剤として、カーボンブラック、磁性体、以下に示すイエロー/マゼンタ/シアン着色剤を用い、黒色に調色されたものが利用される。
イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、168、174、176、180、181、191等が好適に用いられる。
マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノン、キナクドリン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、144、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221、254が特に好ましい。
シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アンスラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物などが利用できる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66が特に好適に利用できる。
〔ワックス〕
本発明に用いられるワックスには、従来より、離型剤として知られている種々のワックス成分を用いることができ、次のようなものがある。例えば炭化水素系ワックスとしては、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィン共重合物、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックス等がある。
官能基を有するワックスとしては、酸化ポリエチレンワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物;または、それらのブロック共重合物;キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろうの如き植物系ワックス;みつろう、ラノリン、鯨ろうの如き動物系ワックス;オゾケライト、セレシン、ペトロラクタムの如き鉱物系ワックス;モンタン酸エステルワックス、カスターワックスの如き脂肪族エステルを主成分とするワックス類:脱酸カルナバワックスの如き脂肪族エステルを一部または全部を脱酸化したものが挙げられる。
更に、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸、または更に長鎖のアルキル基を有する長鎖アルキルカルボン酸類の如き飽和直鎖脂肪酸;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸の如き不飽和脂肪酸;ステアリルアルコール、エイコシルアルコール、ベヘニルアルコール、カウナビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコール、または更に長鎖のアルキル基を有するアルキルアルコールの如き飽和アルコール;ソルビトールの如き多価アルコール;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドの如き脂肪族アミド;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドの如き飽和脂肪族ビスアミド;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミドの如き不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミドの如き芳香族系ビスアミド;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムの如き脂肪族金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);ベヘニン酸モノグリセリドの如き脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂を水素添加することによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物等が挙げられる。
ビニルモノマーでグラフトされたワックスとしては、脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸の如きビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックスがある。
好ましく用いられるワックスとしては、オレフィンを高圧下でラジカル重合したポリオレフィン;高分子量ポリオレフィン重合時に得られる低分子量副生成物を精製したポリオレフィン;低圧下でチーグラー触媒、メタロセン触媒の如き触媒を用いて重合したポリオレフィン;放射線、電磁波または光を利用して重合したポリオレフィン;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス;ジントール法、ヒドロコール法、アーゲ法等により合成される合成炭化水素ワックス;炭素数一個の化合物をモノマーとする合成ワックス;水酸基、カルボキシル基またはエステル基の如き官能基を有する炭化水素系ワックス;炭化水素系ワックスと官能基を有する炭化水素系ワックスとの混合物;これらのワックスを母体としてスチレン、マレイン酸エステル、アクリレート、メタクリレート、無水マレイン酸の如きビニルモノマーでグラフト変性したワックスが挙げられる。
また、これらのワックスを、プレス発汗法、溶剤法、再結晶法、真空蒸留法、超臨界ガス抽出法または融液晶析法を用いて分子量分布をシャープにしたものや低分子量固形脂肪酸、低分子量固形アルコール、低分子量固形化合物、その他の不純物を除去したものも好ましく用いられる。
〔荷電制御剤〕
本発明のトナーは、その帯電性を更に安定化させるために、必要に応じて荷電制御剤を用いることができる。荷電制御剤は、結着樹脂100質量部当たり0.1〜10質量部、好ましくは1〜5質量部使用するのが、トナーの帯電性を制御する上で好ましい。
荷電制御剤としては、従来より知られている種々の荷電制御剤を使用することができるが、例えば以下のものが挙げられる。
トナーを負荷電性にする負荷電性制御剤として、例えば有機金属錯体またはキレート化合物が有効である。モノアゾ金属錯体、芳香族ヒドロキシカルボン酸の金属錯体、芳香族ジカルボン酸系の金属錯体が挙げられる。他には、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、その無水物、またはそのエステル類、または、ビスフェノールのフェノール誘導体類等が挙げられる。好ましいものとしては、モノアゾ金属化合物で、置換基としてアルキル基、ハロゲン、ニトロ基、カルバモイル基等を有するフェノール、ナフトールから合成されるモノアゾ染料の、Cr、Co、Feの金属錯化合物が挙げられる。また芳香族カルボン酸の金属化合物も好ましく用いられ、アルキル基、ハロゲン、ニトロ基等を有する、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレンのカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、ジカルボン酸の金属化合物が挙げられる。
トナーを正荷電性にする正荷電性制御剤としては、ニグロシン、ニグロシン誘導体、トリフェニルメタン化合物、有機四級アンモニウム塩等が挙げられる。例えば、ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変性物、トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートなどの四級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、リンタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物など)、高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイドなどのジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートなどのジオルガノスズボレート類;これらを単独で或いは2種類以上組合せて用いることができる。
〔外添剤〕
本発明のトナーは、前述したように、トナー粒子の他に、トナーの流動性や帯電性等を調整するための外添剤を含むことが一般的である。このような外添剤として、本発明のトナーに流動性向上剤を添加しても良い。流動性向上剤は、トナー粒子に外添することにより、流動性が添加前後を比較すると増加し得るものである。例えば、フッ化ビニリデン微粉末の如きフッ素系樹脂粉末;湿式製法シリカ、乾式製法シリカの如き微粉末シリカ、微粉末酸化チタン、微粉末アルミナ、それらをシラン化合物、チタンカップリング剤、シリコーンオイルにより表面処理を施した処理微粉末等がある。
疎水化方法としては、微粉体と反応または物理吸着する有機ケイ素化合物等で化学的に処理することによって付与される。
有機ケイ素化合物としては、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロロシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、アリルジメチルクロロシラン、アリルフェニルジクロロシラン、ベンジルジメチルクロロシラン、ブロモメトリジメチルクロロシラン、α−クロロエチルトリクロロシラン、β−クロロエチルトリクロロシラン、クロロメチルジメチルクロロシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、へキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサン及び1分子当たり2〜12個のシロキサン単位を有し末端に位置する単位にそれぞれ一個宛のSiに結合した水酸基を含有するジメチルポリシロキサン等がある。更に、ジメチルシリコーンオイルの如きシリコーンオイルが挙げられる。これらは一種または二種以上の混合物で用いられる。
本発明で用いられる0.1〜5.0μmの粒子としては無機微粒子、有機微粒子、及びこれらの混合物及び複合物が使用可能である。具体的には、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム等の金属酸化物、及び、フッ素樹脂粉末、樹脂微粒子等が挙げられる。特に帯電特性的にもチタン酸ストロンチウム、酸化セリウムが好ましい。
〔荷電制御剤II〕
本発明のトナーは荷電制御剤を含有することが好ましい。
トナーを負荷電性に制御するものとして下記化合物が挙げられる。
有機金属錯体、キレート化合物が有効であり、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸の金属錯体が挙げられる。他には、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノールのフェノール誘導体類が挙げられる。
中でも、下記式(1)で表されるアゾ系金属錯体が好ましい。
Figure 0004235567
〔式中、Mは配位中心金属を表し、Sc,Ti,V,Cr,Co,Ni,MnまたはFe等が挙げられる。Arはアリール基であり、フェニル基、ナフチル基の如きアリール基であり、置換基を有してもよい。この場合の置換基としては、ニトロ基、ハロゲン基、カルボキシル基、アニリド基及び炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のアルコキシ基がある。X,X’,Y及びY’は−O−,−CO−,−NH−,−NR−(Rは炭素数1〜4のアルキル基)である。C+はカウンターイオンを示し、水素、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、脂肪族アンモニウム或いはそれらの混合イオンを示す。〕
特に中心金属としてはFeまたはCrが好ましく、置換基としてはハロゲン、アルキル基またはアニリド基が好ましく、カウンターイオンとしては水素、アルカリ金属、アンモニウムまたは脂肪族アンモニウムが好ましい。カウンターイオンの異なる錯塩の混合物も好ましく用いられる。
下記式(2)に示した塩基性有機金属錯体も負帯電性を与える荷電制御剤として好ましい。
Figure 0004235567
トナーを正荷電性に制御するものとして下記の化合物がある。
ニグロシン及び脂肪酸金属塩等によるニグロシン変成物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートなどの四級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩の如きオニウム塩及びこれらのレーキ顔料;トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、りんタングステン酸、リンモリブデン酸、リンタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物など);高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイドの如きジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートの如きジオルガノスズボレート類;グアニジン化合物;イミダゾール化合物が挙げられる。これらを単独で或いは2種類以上組合せて用いることができる。
これらの中でも、トリフェニルメタン化合物、カウンターイオンがハロゲンでない四級アンモニウム塩が好ましく用いられる。下記式(3)
Figure 0004235567
〔式中R1はHまたはCH3を示し、R2及びR3は置換または未置換のアルキル基(好ましくは、C1〜C4)を示す。〕
で表されるモノマーの単重合体;前述したスチレン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルの如き重合性モノマーとの共重合体を正荷電性制御剤として用いることができる。この場合、この単重合体及び共重合体は荷電制御剤としての機能と、結着樹脂(の全部または一部)としての機能を有する。
特に下記式(4)で表される化合物が本発明のトナー正荷電性制御剤として好ましい。
Figure 0004235567
〔式中、R1,R2,R3,R4,R5及びR6は、各々互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基または、置換もしくは未置換のアリール基を表す。R7,R8及びR9は、各々互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基を表す。A-は、硫酸イオン、硝酸イオン、ホウ酸イオン、リン酸イオン、水酸イオン、有機硫酸イオン、有機スルホン酸イオン、有機リン酸イオン、カルボン酸イオン、有機ホウ酸イオン、テトラフルオロボレートの如き陰イオンを示す。〕
電荷制御剤をトナーに含有させる方法としては、トナー粒子内部に添加する方法と外添する方法がある。これらの電荷制御剤の使用量としては、結着樹脂の種類、他の添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくは結着樹脂100質量部に対して0.1〜10質量部、より好ましくは0.1〜5質量部の範囲で用いられる。
次に、本発明の実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。
[実施例1]
・結着樹脂:100質量部
(スチレン−アクリル酸ブチル−マレイン酸ブチルハーフエステル共重合体)
(Tg62℃、分子量:Mp13000、Mw600000、分子量1000〜30000の成分の存在比:60%)
・磁性酸化鉄:90質量部
(平均粒子径0.22μm、795.8kA/m磁場での特性Hc5.1kA/m、σs85.1Am2/kg、σr5.1Am2/kg)
・モノアゾ金属錯体(負荷電制御剤、オリエント社製E−88):2質量部
・低分子量エチレン−プロピレン共重合体:3質量部
上記の処方の材料を、ヘンシェルミキサーでよく混合した後、温度130℃に設定した2軸混練機にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて2mm以下に粗粉砕し、トナー製造用粉体原料である粉体原料(粗粉砕物)を得た。
得られた粉体原料を、図1に示す装置システムで粉砕、分級、表面改質を行った。即ち、粉砕手段として、図3に示す機械式粉砕機301(ターボ工業社製ターボミルT250−RS型を以下の通り改造した改造機)を用いて微粉砕し、分級手段として、図9に示す遠心力分級機(ホソカワミクロン社製ターボプレックス)を用いて分級し、表面改質手段として図10に示す表面改質装置を用いて表面改質及び分級した。
(粉砕手段)
本実施例では、機械式粉砕機301の回転子314及び固定子310の粉砕面形状を図5に示す形式のものとした。即ち、固定子のβ1の角度を45°、β2を10°、固定子の凸部の高さHを2.0mm、固定子の凹部低部の平坦面の長さL1を1.4mmとした。また、回転子314の周速を130m/sec、回転子314と固定子310の間隙を1.3mmとし、粉砕供給量19.5kg/hrとしたことで、重量平均粒径が6.5μmであり、粒径4.00μm以下%が48個数%、粒径3.00μm以下の粒子が40個数%含有する微粉砕品を得た。
(分級手段)
得られた微粉砕品を、図9に示す遠心力分級機(ホソカワミクロン社製ターボプレックス)に導入して粗粉体カット分級し、被表面改質粒子を得た。この時、得られる被表面改質粒子の目標粒度を、重量平均径6.8±0.3μm、4.00μm以下%40個数%以下とした。本実施例においては、分級ローター124の回転周速を適切に制御することで、重量平均径が6.8μmであり、粒径4.00μm以下の粒子が38個数%、粒径3.00μm以下の粒子が38個数%含有する粒度分布を有する被表面改質粒子を回収率88%で得ることができた。また得られた被表面改質粒子の平均円形度を測定した結果、0.952であった。
尚、回収率は、微粉砕品の投入量に対する、被表面改質粒子の回収量の割合で算出した。
(表面改質手段)
得られた被表面改質粒子を、図10に示す回分式の表面改質装置で表面改質した。その際、本実施例においては、該分散ローター上部に角型のディスクを8個設置し、該角型のディスク及びライナーに、炭化クロムを含有するクロム合金めっきを施すことにより、ビッカース硬度HV1200を有するディスク及びライナーとし、該分級ローター表面に、Ni、Coを主成分とする自溶性合金にWCまたはCrCを複合し、溶射処理することで溶射被膜を形成させた後、再度溶射被膜を溶融処理する表面処理を施したことで、ビッカース硬度HV850を有する分級ローターとした。
また、ガイドリングと分散ローター上角型ディスクの間隔を10mm、分散ローターとライナーとの間隔を5mmとし、分散ローターの回転周速を115m/secとした。またサイクルタイムを45secとし、ジャケットに通す冷媒の温度及び冷風温度T1を−10℃とした。
この状態で120分間運転した結果、分級ローター後方の温度T2は34℃で安定した。従って、ΔT(T2−T1)は44℃であった。
この時、得られる表面改質粒子の目標粒度を、重量平均径を6.8±0.3μmとし、4.00μm以下%を20個数%以下とした。本実施例においては、分級ローターの周速を70m/sec、ブロワー風量を15m3/minとすることで、重量平均径が6.8μmであり、粒径4.00μm以下の粒子が15個数%、粒径3.00μm以下の粒子が10個数%含有するシャープな粒度分布を有する表面改質粒子を回収率85%で得ることができた。また得られた微粉砕品の平均円形度を測定した結果、0.967であった。
尚、回収率は、中粉体品の投入量に対する、表面改質粒子の回収量の割合で算出した。
更に、分級品トナーの表面形状観察を電界放射形走査電子顕微鏡(FE−SEM:日立製作所 S−800)を用い、倍率を10000倍とし、目視にて観察し、以下の基準で評価した。結果を表2に示す。
A:円形なシルエット
B:多少楕円形なシルエット
C:曲面であるが、異形
D:角形なシルエット
次に、該表面改質粒子100質量部に、ヘキサメチルジシラザンとシリコーンオイルで疎水化処理された一次粒径12nmの乾式シリカを1.0質量部添加し、ヘンシェルミキサーにて外添混合して評価用トナーとした。
このトナーを用いて、キヤノン製のLBP−930改造機(235mm/secに相当する1.5倍のプリントスピードに改造)に搭載して画出し試験を行い、以下の項目でトナーの画像特性を評価した。
(評価−1)
評価用トナーを現像器中に330g入れ、低温低湿室(15℃,50%)に一晩(12時間以上)放置する。濃度評価用チャートを使用して200枚の画出しを行う。この前後でベタ白画像におけるカブリを測定する。評価レベルは以下に示す。
カブリ測定用反射測定器REFLECTMETER(東京電色(株))にて、上記の白画像及び未使用紙の反射率を測定し、両者の差をカブリとする。結果を表2に示す。
尚、カブリは以下の計算式で算出した。
カブリ%=未使用紙反射率−ベタ白反射率
A:カブリ0.5%未満
B:カブリ0.5以上1.5%未満
C:カブリ1.5以上2.0%未満
D:カブリ2.0%以上
(評価−2)
評価用トナーを現像器中に入れ、高温高湿室(32.5℃、85%)に一晩(12時間)放置する。現像器の質量を測定後、現像器を設置し、現像スリーブを3分間から回転させた。この時、本体内のクリーナー部及び廃トナー回収部は事前に一旦取外し、質量を測定しておく。印字比率6%のテストチャートを用いて、500枚画出しを行い、転写率を評価した。結果を表2に示す。
尚、転写率は以下の計算式で算出した。
転写率=
{現像器減少量−(クリーナー部増量+廃トナー回収部増量)}/現像器減少量×100
A:90%以上
B:88%以上、90%未満
C:86%以上、88%未満
D:85%以下
また、表面改質装置運転終了後、同装置内の分散ローター上の角型のディスク、ライナー及び分級ローターの磨耗、融着について目視で確認し、下記の基準で判断した。結果を表2に示す。
A:機内各機器に融着、磨耗なし
B:機内各機器に磨耗、融着が軽微見られるが実用可
C:機内各機器に磨耗、融着が若干見られるが実用可
D:機内各機器に磨耗、融着が顕著に見られ、実用不可
[実施例2]
実施例1で得た粉体原料を、図2に示す装置システムで粉砕、分級、表面改質を行った。即ち、粉砕手段として、図3に示す機械式粉砕機301(ターボ工業社製ターボミルT250−RS型を改造した改造機)を用いて微粉砕し、分級手段として、図8に示す多分割気流式分級機を用いて分級し、表面改質手段として図10に示す表面改質装置を用いて表面改質及び分級した。
(粉砕手段)
本実施例では、粉体原料を図3に示す機械式粉砕機301にて微粉砕した。この時機械式粉砕機301の回転子314及び固定子310の粉砕面形状及び運転条件を実施例1と同様とした。その結果、本実施例においては、重量平均粒径が6.5μmであり、粒径4.00μm以下%が48個数%、粒径3.00μm以下の粒子が40個数%含有する微粉砕品を得た。
(分級手段)
得られた微粉砕品を、図8に示す多分割気流式分級機にて分級した。この時、得られる中粉体品の目標粒度を、重量平均径6.8±0.3μm、4.00μm以下%30個数%以下とした。本実施例においては、粉体が分級室32内へ飛び出す位置であるコアンダブロック26の下端部分に対する分級エッジ17及び18のエッジ先端位置、及び分級気流の吸引流量、原料供給ノズル16からの粉体の噴出速度等を適切に制御することで、重量平均径が6.8μmであり、粒径4.00μm以下の粒子が24個数%、粒径3.00μm以下の粒子が25個数%含有するシャープな粒度分布を有する中粉体品を回収率85%で得ることができた。また得られた中粉体品の平均円形度を測定した結果、0.954であった。
(表面改質手段)
得られた中粉体品を、図10に示す回分式の表面改質装置で表面改質した。その際、本実施例においては、該回分式の表面処理装置の各運転条件を実施例1と同様とした。
この状態で120分間運転した結果、分級ローター後方の温度T2は35℃で安定した。従って、ΔT(T2−T1)は45℃であった。
この時、得られる表面改質粒子の目標粒度を、実施例1と同様とした。その結果、本実施例のおいては、重量平均径が6.7μmであり、粒径4.00μm以下の粒子が13個数%、粒径3.00μm以下の粒子が10個数%含有するシャープな粒度分布を有する表面改質粒子を回収率87%で得ることができた。また得られた微粉砕品の平均円形度を測定した結果、0.968であった。このトナー表面形状のSEM写真結果を表2に示す。
次に、該表面改質粒子を実施例1と同様に外添混合処理を行い、評価用トナーとした。その結果、表2に示すように、良好な結果が得られた。また、表面改質装置運転終了後、同装置内を点検したところ、分散ローター上部の角型ディスク及びライナーに磨耗、融着は発生していなかった。
[実施例3]
実施例1で得た粉体原料を、図2に示す装置システムで粉砕、分級、表面改質を行った。即ち、粉砕手段として、図3に示す機械式粉砕機301(ターボ工業社製ターボミルT250−RS型を改造した改造機)を用いて微粉砕し、分級手段として、図8に示す多分割気流式分級機を用いて分級し、表面改質手段として図10に示す表面改質装置を用いて表面改質及び分級した。
(粉砕手段)
本実施例では、粉体原料を図3に示す機械式粉砕機301にて微粉砕した。この時機械式粉砕機301の回転子314及び固定子310の粉砕面形状及び運転条件を実施例1と同様とした。その結果、本実施例においては、重量平均粒径が6.5μmであり、粒径4.00μm以下%が48個数%、粒径3.00μm以下の粒子が40個数%含有する微粉砕品を得た。
(分級手段)
得られた微粉砕品を、図8に示す多分割気流式分級機にて分級した。この時、多分割分級機の運転条件を実施例2と同様とした。その結果、本実施例においては、重量平均径が6.8μmであり、粒径4.00μm以下の粒子が24個数%、粒径3.00μm以下の粒子が25個数%含有するシャープな粒度分布を有する中粉体品を回収率85%で得ることができた。また得られた中粉体品の平均円形度を測定した結果、0.954であった。
(表面改質手段)
得られた中粉体品を、図10に示す回分式の表面改質装置で表面改質した。その際、本実施例においては、該分散ローター上部に角型のディスクを8個設置し、該角型のディスク及びライナーに、炭化クロムを含有するクロム合金めっきを施し、めっき層の厚さを適宜調整することにより、ビッカース硬度HV1000を有するディスク及びライナーとした。また、該分級ローター表面に、Ni、Coを主成分とする自溶性合金にWCまたはCrCを複合し、溶射処理することで溶射被膜を形成させた後、再度溶射被膜を溶融処理する表面処理を施したことで、ビッカース硬度HV750を有する分級ローターとした。また、ガイドリングと分散ローター上角型ディスクの間隔、分散ローター上角型ディスクとライナーとの間隔、分散ローター及び分級ローターの周速、ブロワー風量、サイクルタイム、ジャケットに通す冷媒の温度及び冷風温度T1を実施例1と同様とした。
この状態で120分間運転した結果、分級ローター後方の温度T2は30℃で安定した。従って、ΔT(T2−T1)は40℃であった。
この時、得られる表面改質粒子の目標粒度を、実施例1と同様とした。その結果、本実施例においては、重量平均径が6.7μmであり、粒径4.00μm以下の粒子が12個数%、粒径3.00μm以下の粒子が8個数%含有するシャープな粒度分布を有する表面改質粒子を回収率86%で得ることができた。また得られた微粉砕品の平均円形度を測定した結果、0.962であった。このトナー表面形状のSEM写真結果を表2に示す。
次に、該分級品トナーを実施例2と同様に外添混合処理を行い、評価用トナーとした。その結果、表2に示すような結果が得られた。また、表面改質装置運転終了後、同装置内を点検したところ、分散ローター上部の角型ディスク及びライナーに軽微磨耗、融着が発生していた。
[実施例4]
実施例1で得た粉体原料を、図2に示す装置システムで粉砕、分級、表面改質を行った。即ち、粉砕手段として、図3に示す機械式粉砕機301(ターボ工業社製ターボミルT250−RS型を改造した改造機)を用いて微粉砕し、分級手段として、図8に示す多分割気流式分級機を用いて分級し、表面改質手段として図10に示す表面改質装置を用いて表面改質及び分級した。
(粉砕手段)
本実施例では、粉体原料を図3に示す機械式粉砕機301にて微粉砕した。この時機械式粉砕機301の回転子314及び固定子310の粉砕面形状及び運転条件を実施例1と同様とした。その結果、本実施例においては、重量平均粒径が6.5μmであり、粒径4.00μm以下%が48個数%、粒径3.00μm以下の粒子が40個数%含有する微粉砕品を得た。
(分級手段)
得られた微粉砕品を、図8に示す多分割気流式分級機にて分級した。この時、多分割分級機の運転条件を実施例2と同様とした。その結果、本実施例においては、重量平均径が6.8μmであり、粒径4.00μm以下の粒子が24個数%、粒径3.00μm以下の粒子が25個数%含有するシャープな粒度分布を有する中粉体品を回収率85%で得ることができた。また得られた中粉体品の平均円形度を測定した結果、0.954であった。
(表面改質手段)
得られた中粉体品を、図10に示す回分式の表面改質装置で表面改質した。その際、本実施例においては、該分散ローター上部に角型のディスクを8個設置し、該角型のディスク及びライナーに、炭化クロムを含有するクロム合金めっきを施し、めっき層の厚さを適宜調整することにより、ビッカース硬度HV1300を有するディスク及びライナーとした。該分級ローター表面に、Ni、Coを主成分とする自溶性合金にWCまたはCrCを複合し、溶射処理することで溶射被膜を形成させた後、再度溶射被膜を溶融処理する表面処理を施したことで、ビッカース硬度HV950を有する分級ローターとした。また、ガイドリングと分散ローター上角型ディスクの間隔、分散ローター上角型ディスクとライナーとの間隔、分散ローター及び分級ローターの周速、ブロワー風量、サイクルタイム、ジャケットに通す冷媒の温度及び冷風温度T1を実施例1と同様とした。
この状態で120分間運転した結果、分級ローター後方の温度T2は38℃で安定した。従って、ΔT(T2−T1)は48℃であった。
この時、得られる表面改質粒子の目標粒度を、実施例1と同様とした。その結果、本実施例においては、重量平均径が6.8μmであり、粒径4.00μm以下の粒子が15個数%、粒径3.00μm以下の粒子が14個数%含有するシャープな粒度分布を有する表面改質粒子を回収率90%で得ることができた。また得られた微粉砕品の平均円形度を測定した結果、0.969であった。このトナー表面形状のSEM写真結果を表2に示す。
次に、該表面改質粒子を実施例1と同様に外添混合処理を行い、評価用トナーとした。その結果、表2に示すように、良好な結果が得られた。また、表面改質装置運転終了後、同装置内を点検したところ、分散ローター上部の角型ディスク及びライナーに磨耗、融着は発生していなかった。
Figure 0004235567
Figure 0004235567
[参考例]
実施例1で得た粉体原料を、図2に示す装置システムで粉砕、分級、表面改質を行った。即ち、粉砕手段として、図3に示す機械式粉砕機301(ターボ工業社製ターボミルT250−RS型を改造した改造機)を用いて微粉砕し、分級手段として、図8に示す多分割気流式分級機を用いて分級し、表面改質手段として図10に示す表面改質装置を用いて表面改質及び分級した。
(粉砕手段)
本参考例では、粉体原料を図3に示す機械式粉砕機301にて微粉砕した。この時機械式粉砕機301の回転子314及び固定子310の粉砕面形状及び運転条件を実施例1と同様とした。その結果、本参考例においては、重量平均粒径が6.5μmであり、粒径4.00μm以下%が48個数%、粒径3.00μm以下の粒子が40個数%含有する微粉砕品を得た。
(分級手段)
得られた微粉砕品を、図8に示す多分割気流式分級機にて分級した。この時、多分割分級機の運転条件を実施例2と同様とした。その結果、本参考例においては、重量平均径が6.8μmであり、粒径4.00μm以下の粒子が24個数%、粒径3.00μm以下の粒子が25個数%含有するシャープな粒度分布を有する中粉体品を回収率85%で得ることができた。また得られた中粉体品の平均円形度を測定した結果、0.954であった。
(表面改質手段)
得られた中粉体品を、図10に示す回分式の表面改質装置で表面改質した。その際、本実施例においては、該分散ローター上部に角型のディスクを8個設置し、該角型のディスク、ライナー及び該分級ローター表面に表面処理(=耐磨耗処理)を施さなかった。
尚、該分散ローター上部の角型ディスク、ライナー及び分級ローター表面のビッカース硬度はHV300であった。
この状態で120分間運転した結果、分級ローター後方の温度T2は31℃で安定した。従って、ΔT(T2−T1)は41℃であった。
この時、得られる表面改質粒子の目標粒度を、実施例1と同様とした。その結果、重量平均径が6.8μmであり、粒径4.00μm以下の粒子が14個数%、粒径3.00μm以下の粒子が10個数%含有するシャープな粒度分布を有する表面改質粒子を回収率89%で得ることができた。また得られた微粉砕品の平均円形度を測定した結果、0.963であった。このトナー表面形状のSEM写真結果を表1に示す。
次に、該表面改質粒子を実施例1と同様に外添混合処理を行い、評価用トナーとした。その結果、表1に示すような結果が得られた。また、表面改質装置運転終了後、同装置内を点検したところ、分散ローター上部の角型ディスク及びライナーに若干磨耗、融着が発生していた。
Figure 0004235567
Figure 0004235567
[比較例]
実施例1で得られた粉体原料を、図13に示す装置システムで粉砕、分級、表面改質を行った。即ち、第一分級及び粉砕手段として、図14に示す気流式分級機及び衝突式気流粉砕機(日本ニューマチック工業社製IDS−5型)を用いて第一分級及び微粉砕し、第二分級手段として、図8に示す多分割気流式分級機を用いて分級し、表面改質手段として図15に示す表面改質装置を用いて表面改質した。
(粉砕手段)
本比較例においては、該衝突式気流粉砕機で使用する圧縮空気圧を0.60MPaとした。また、得られる微粉砕品の目標粒度を実施例と同様、重量平均径6.5±0.5μmとし、目標粒度を得るために、原料供給量を46kg/hrとした。
この時、該衝突式気流粉砕機で粉砕されて得られた微粉砕品は、表5に示すように、重量平均径が6.5μmであり、粒径4.00μm以下の粒子が62個数%、粒径3.00μm以下の粒子が60個数%含有する粒度分布を有していた。実施例と比較すると、微粉及び超微粉の値が大きく、ブロードな粒度分布であった。
(分級手段)
次に、上記の衝突式気流粉砕機で粉砕されて得られた微粉砕品を、図8に示す多分割気流式分級機にて第二分級した。この時、得られる中粉体品の目標粒度を、重量平均径6.8±0.3μm、4.00μm以下を15個数%以下とした。その結果、重量平均径が6.8μmであり、粒径4.00μm以下の粒子が10個数%、粒径3.00μm以下の粒子が40個数%含有する粒度分布を有する中粉体品を、回収率66%でた。また得られた中粉体品の平均円形度を測定した結果、0.932であった。
(表面改質手段)
次に、得られた中粉体品を図15に示す表面改質装置に導入して表面改質を行った。
図15において151は本体ケーシング、158はステーター、177はステータージャケット、163はリサイクルパイプ、159は排出バルブ、219は排出シュート、164は原料投入シュートである。
該装置において、原料投入シュート164から供給された粉体粒子及び他の微小固体粒子は、衝撃室168内で主として高速で回転している回転ローター162に配置された複数のローターブレード155によって瞬間的な打撃作用を受け、さらに周辺のステーター158に衝突して粉体粒子同士または、他の微小固体粒子同士の凝集をほぐしながら系内に分散させると同時に、粉体粒子表面に他の微小固体粒子を静電気力、ファンデルワールス力等により付着させるか、粉体粒子のみの場合は、粒子の角取り又は球形化が行なわれる。この状態は粒子の飛行と衝突に伴って進んで行く。即ち、ローターブレード155の回転により発生する気流の流れに伴って、該粒子は、163のリサイクルパイプを複数回通過することにより処理される。さらにローターブレード155及びステーター158から該粒子が繰り返し打撃作用を受けることにより、他の微小固体粒子は、粉体粒子表面またはその近傍に均一に分散し固定化されるか、粉体粒子のみの場合は、粒子の形状が球形化されていく。
固定化が完了した該粒子は、排出弁制御装置128により排出バルブ159を開くことにより、219の排出シュートを通過し吸引ブロア224と連通しているバグフィルター222等により捕集される。
本比較例においては、ローターブレード155を有する回転ローター162の最長径が242mmであるものを使用し、回転ローター162の回転周速は90m/secとした。また微粉砕品の投入量を300gとし、サイクルタイムを180秒として表面改質粒子を得た。
得られた表面改質粒子の粒度分布を測定したところ、本比較例においては、重量平均径が6.5μmであり、粒径4.00μm以下の粒子が18個数%、粒径3.00μm以下の粒子が20個数%含有しており、表面改質する以前の分級品粒度と比較して粒径4.00μm以下の粒子の個数%が増加し、粒径3.00μm以下の粒子の個数%は減少していた。粒径4.00μm以下の微粉が増加したのは、トナーが過粉砕され、粒径3.00μm以下の粒子の超微粉が減少したのは、超微粉が表面改質粒子に埋め込まれたためと推察される。得られた表面改質粒子の平均円形度を測定した結果、0.960であった。更に、このトナーの表面形状をSEM写真により観察した。結果を表5に示す。
次に、該表面改質粒子を実施例1と同様に外添混合処理を行い、評価用トナーとした。その結果、表5に示すように、実施例と比べ劣る結果となった。また、表面処理装置運転終了後、同装置内を点検したところ、ローターブレードに若干融着が発生していた。
Figure 0004235567
本発明のトナーの製造方法を説明するためのフローチャートである。 本発明のトナーの製造方法を説明するための別のフローチャートである。 本発明のトナーの粉砕工程において使用される一例の機械式粉砕機の概略的断面図である。 図3に示す回転子の斜視図である。 図3の機械式粉砕機におけるD−D’面での概略的断面図である。 本発明の機械式粉砕機の他の実施形態におけるD−D’面での概略的断面図である。 本発明の機械式粉砕機の更に他の実施形態におけるD−D’面での概略的断断面図である。 本発明の分級工程において使用される一例の分級装置の概略的断面図である。 本発明の分級工程において使用される更に一例の分級装置の概略的断面図である。 本発明の表面改質工程において使用される一例の表面改質装置の概略的断面図である。 図10に示す分散ローターの上面図の一例を示す概略図である。 従来の機械式粉砕機におけるD−D’面での概略的断面図である。 比較例のトナーの製造方法を説明するためのフローチャートである。 比較例の第一分級及び粉砕工程において使用される一例の装置の概略的断面図である。 比較例の表面改質工程において使用される一例の表面改質装置の概略的断面図である。
符号の説明
11,12,13 排出口
14,15 入気管
16 原料供給ノズル
17,18 分級エッジ
19 入気エッジ
22,23 側壁
24,25 分級エッジブロック
26 コアンダブロック
27 左部ブロック
30 分級域
30 本体ケーシング
31 冷却ジャケット
32 分散ローター
33 角型ディスク
34 ライナー
35 分級ローター
36 ガイドリング
37 原料投入口
38 原料供給弁
39 原料供給口
40 製品排出口
41 製品排出弁
42 製品抜取口
43 天板
44 微粉排出ケーシング
45 微粉排出口
46 冷風導入口
47 第一の空間
48 第二の空間
49 表面改質ゾーン
50 分級ゾーン
62 分級室
70 原料供給口
71 高圧エアー供給ノズル
72 原料粉体導入ノズル
121 本体ケーシング
122 分級室
123 案内室
124 分級ローター
125 原料投入口
126 エアー投入口
128 周波数変換機
129 微粉排出管
130 微粉回収手段
131 吸引ファン
132 ホッパー
133 ローターリーバルブ
135 分散ルーバー
151 本体ケーシング
155 ローターブレード
158 ステーター
159 排出バルブ
163 リサイクルパイプ
164 原料投入シュート
168 衝撃室
177 ステータージャケット
178 排出弁制御装置
212 渦巻室
219 パイプ
220 デイストリビュータ
222 バグフィルター
224 吸引ブロワー
229 捕集サイクロン
301 機械式粉砕機
302 粉体排出口
310 固定子
311 粉体投入口
312 回転軸
313 ケーシング
314 回転子
315 第1定量供給機
316 ジャケット
317 冷却水供給口
318 冷却水排出口
320 後室
321,329 固定子凸部の波形形状
322,330 固定子凹部底部の平坦面
323,331 固定子凹部の台形形状
324 回転子凹凸部の波形形状
325 固定子凹凸部の波形形状
326,332 回転子凹部の台形形状
327,333 回転子凹部底部の平坦面
328,334 回転子凸部の波形形状
335,337,339 固定子の凹凸部の波形形状
336,338,340 回転子の凹凸部の波形形状
337 回転子の第1斜面
338 回転子の第2斜面
339 固定子の第1斜面
340 固定子の第2斜面
431 粉砕機
432 分級機
433 原料供給機
434 搬送管
435 ノズル
436 衝突板
437 粉砕室
438 コレクター
439 本体ホッパー部
440 センターコア
441 セパレートコア
442 排出管
443 二次エアー供給口

Claims (34)

  1. 少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有する混合物を溶融混練し、得られた混練物を冷却した後、冷却物を粉砕手段によって粗粉砕し、
    得られた粗粉砕物からなる粉体原料を、少なくとも粗粉砕物を微粉砕するために、粉砕手段内に投入するための粉体投入口と、固定子と、少なくとも中心回転軸に取り付けられた回転子と、微粉砕された粉体を粉砕手段から排出するための粉体排出口とを少なくとも有し、該固定子は該回転子を内包しており、該固定子の表面と該回転子の表面とは所定の間隙を有するように回転子は配置されて粉砕ゾーンを形成するよう構成されている機械式粉砕機に導入し、該粉砕ゾーンにおいて、該回転子の回転に伴って粉体原料を微粉砕し、
    該機械式粉砕機によって得られた微粉砕物を、分級機に導入し、導入した微粉砕物を少なくとも微粉体及び粗粉体に分級し、分級された粗粉体を粉体原料と混入し、該機械式粉砕機に導入して粉砕し、
    該分級機によって得られた微粉体を、少なくとも所定粒径以下の粉体を装置外へ連続的に排出除去する分級ローターを有する分級手段と、機械式衝撃力を用い、分散ローターを有する表面処理手段、及び該分級手段と該表面処理手段との間の空間を該分級手段へ導入される前の第一の空間と該分級手段により微粉体から所定粒径以下の粉体を分級除去た中粉体を該表面処理手段へ導入するための第二の空間に仕切る案内手段を有するよう構成され、該分級ローター及び該分散ローターが耐磨耗処理されており、該分級ローターの耐磨耗処理後の表面硬化層の硬度がビッカース硬度Hv750以上950未満であり、該分散ローターの耐磨耗処理後の表面硬化層の硬度がビッカース硬度Hv1000以上1300以下である回分式の表面改質装置に導入し、前記微粉体を第一の空間に導入し、該分級手段により所定粒径以下の粉体を装置外へ連続的に排出除去しながら、第二の空間を経由して、機械式衝撃力を用いる該表面処理手段へ導入して表面改質処理を行い、再び第一の空間へ循環させることにより、一定時間分級と機械式衝撃力を用いる表面改質処理を繰り返すことにより、該微粉体から所定粒径以下の粉体が除かれた、表面改質処理粒子であるトナー粒子を得ることを特徴とするトナーの製造方法。
  2. 分散ローターの耐磨耗処理は、耐磨耗性を有するめっきであり、該めっきがクロムめっきであることを特徴とする請求項に記載のトナーの製造方法。
  3. 該めっきが少なくとも炭化クロムを含有するクロム合金めっきであることを特徴とする請求項に記載のトナーの製造方法。
  4. 該分級機は交差気流とコアンダ効果を利用して粉体を気流分級する多分割気流式分級機であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  5. 該回分式表面改質装置に導入されるトナーが結着樹脂100質量部に対し、磁性体60〜200質量部を含有する磁性トナーであることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  6. 該表面回分式改質装置に導入されるトナーが、THF可溶分のGPCにより測定される分子量分布において、分子量2,000〜50,000の領域に少なくとも一つピークを有し、分子量1000〜30000の成分が50〜90%存在することを特徴とするトナーであることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  7. 該機械式粉砕機の該回転子及び固定子は、いずれも波形形状の複数の凸部と、該凸部と該凸部との間に形成される凹部とを有し、該回転子及び該固定子の少なくとも一方が有する該凹部が底部に平坦面を有し、
    該回転子の凹部底面から立ち上がる凸部の回転子回転方向後方側の斜面を回転子第1斜面とし、該回転子第1斜面は、回転軸中心と該回転子第1斜面の立ち上がりの箇所(A)とを結んだ線を基準線として、マイナス側に10°以上80°未満の傾斜角(α1)を有し、且つ、
    該固定子の凹部底面から立ち上がる凸部の回転子回転方向前方側の斜面を固定子第1斜面とし、該固定子第1斜面は、回転軸中心と該固定子第1斜面の立ち上がりの箇所(A’)とを結んだ線を基準線として、プラス側に10°以上80°未満の傾斜角(β1)を有することを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  8. 該回転子の凹部底面から立ち上がる凸部の回転子回転方向前方側の斜面を回転子第2斜面とし、
    該回転子第2斜面は、回転軸中心と該回転子第2斜面の頂点(C)とを結んだ線を基準線として、プラス側に20°未満の傾斜角(α2)を有することを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  9. 該固定子の凹部底面から立ち上がる凸部の回転子回転方向後方側の斜面を固定子第2斜面とし、
    該固定子第2斜面は、回転軸中心と該固定子第2斜面の頂点(C’)とを結んだ線を基準線として、マイナス側に20°未満の傾斜角(β2)を有することを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  10. 該回転子の凹部底面から立ち上がる凸部の回転子回転方向前方側の斜面を回転子第2斜面とし、
    該回転子第2斜面は、回転軸中心と該回転子第2斜面の頂点(C)とを結んだ線を基準線として、プラス側に20°未満の傾斜角(α2)を有し、且つ、
    該固定子の凹部底面から立ち上がる凸部の回転子回転方向後方側の斜面を固定子第2斜面とし、
    該固定子第2斜面は、回転軸中心と該固定子第2斜面の頂点(C’)とを結んだ線を基準線として、マイナス側に20°未満の傾斜角(β2)を有することを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  11. 該凹部の低部は平坦面の両端に曲面を有している請求項1乃至10のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  12. 該回転子は、凸部の一部が湾曲面で形成され、固定子は、凹部の底部が平坦面で形成されている請求項1乃至11のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  13. 該回転子は、凸部が湾曲面で形成され、固定子は、凹部の底部が平坦面で形成されている請求項1乃至12のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  14. 回転軸方向に垂直な面の該固定子の断面図において、凸部の高さH(mm)が1.0乃至3.0mmであり、凹部の底部の平坦面の長さL1(mm)が1.0乃至3.0mmである請求項1乃至13のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  15. 該凸部の高さHと、該凹部の底部の平坦面の長さL1とが下記関係
    0.25H≦L1≦2.5H
    を満足している請求項14のトナーの製造方法。
  16. 該回転子及び/固定子の凸部上面の長さをL2とし、凸部該上面と対向している面の長さをL3として場合に、L2及びL3が下記条件
    L2<L3
    を満足していることを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  17. 粉体原料を冷風と共に機械式粉砕機内に導入する請求項1乃至16のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  18. 冷風の温度が+10乃至−30.0℃である請求項17に記載のトナーの製造方法。
  19. 該機械式粉砕機は、機内冷却用の冷却手段を具備している請求項1乃至18のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  20. 該機械式粉砕機は、機内冷却用のジャケットを具備しており、ジャケット内に冷却水を通しながら粉体原料を粉砕する請求項1乃至19のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  21. 該機械式粉砕機は粉体導入口に連通して渦巻室を有し、渦巻室の室温T1が温度+20℃以下である請求項1乃至20のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  22. 該機械式粉砕機内で生成した微粉砕物は機械式粉砕機の後室を経由して粉体排出口から機外へ排出され、該後室の室温T2が温度30乃至60℃である請求項1乃至21のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  23. 結着樹脂のガラス転移点Tgが45乃至75℃であり、機械式粉砕機の渦巻室の室温T1が+20℃以下であり且つTgよりも40乃至80℃低くなるよう温調する請求項1乃至22のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  24. 結着樹脂のガラス転移点Tgが45乃至75℃であり、機械式粉砕機の後室の室温T2がTgよりも乃至30℃低くなるよう温調する請求項1乃至23のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  25. 該表面改質工程の機械的衝撃力を用いる表面処理手段が、上面に角型のディスク或いは円筒型のピンを複数個有し、高速で回転する円盤上の回転体と、該回転体との間に間隔をおいて固定配置される固定体とから構成される表面処理装置により行われることを特徴とする請求項1乃至24のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  26. 該回分式表面改質装置が、表面処理時間を任意に調整可能となるように、開閉可能な排出弁を有することを特徴とする請求項1乃至25のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  27. 該回分式表面改質装置における表面処理時間が、5秒以上180秒以下であることを特徴とする請求項1乃至26のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  28. 該回分式表面改質装置に導入する冷風温度T1が5℃以下であることを特徴とする請求項1乃至27のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  29. 該回分式表面改質装置が機内冷却用のジャケットを具備しており、該ジャケット内に冷媒を通しながら前微粉砕物を表面改質処理することを特徴とする請求項1乃至28のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  30. 該回分式表面改質装置の該ジャケット内に通す冷媒の温度が5℃以下であることを特徴とする請求項1乃至29のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  31. 該回分式表面改質装置の該分級手段である分級ローター後方の温度T2が60℃以下であることを特徴とする請求項1乃至30のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  32. 該回分式表面改質装置に導入する冷風温度T1と該回分式表面改質装置の該分級手段である分級ローター後方の温度T2との温度差(T2−T1)が100℃以下であることを特徴とする請求項1乃至31のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  33. 該回分式表面改質装置の該表面処理手段である回転体と固定体との間の最小間隔が0.5mm乃至15.0mmであり、該回転体の回転周速が30乃至175m/secであることを特徴とする請求項1乃至32のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  34. 該回分式表面改質装置の該案内手段である円筒型ガイドリングと、装置内壁との間の最小間隔が20.0mm乃至60.0mmであり、該回分式表面改質装置の該表面処理手段である回転体上部に設置されている角型のディスク或いは円筒型のピンの上部と該円筒型ガイドリングの下部との間の最小間隔が2.0mm乃至50.0mmであることを特徴とする請求項1乃至33のいずれかに記載のトナーの製造方法。
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