JP2009014377A - セルロース粒子及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
粒径の均一なセルロース粒子とその製造方法を提供する。
【解決の手段】
クロマトグラフ用充填剤に用いるセルロース粒子であって、セルロース粒子が、細菌が産生するバクテリアセルロースからなるセルロース粒子及び、基板に、分散相流路と、連続相流路と、排出流路とが形成された微小流路構造体を用いて液滴粒子を製造する方法において、セルロースが溶解しているセルロース溶液を分散相とし、セルロース溶液をせん断する溶液を連続相とし、前記分散相流路と前記連続相流路とが交差する交差部において、前記分散相流路に送液する分散相と前記連続相流路に送液する連続相とを合流させて分散相を連続相でせん断することにより、連続相内にセルロース溶液を含む液滴粒子を生成させ、連続相からセルロース粒子を得るセルロース粒子の製造方法を用いる。
【選択図】図1

Description

本発明はセルロース粒子及びその製造法に関する。より詳細に述べると、触媒、酵素、医薬品の担体やイオン交換体、吸着体等に好適なセルロース粒子及びその製造方法に関する。
セルロース粒子は多孔性の粒子であり、ゲルろ過クロマトグラフィー(GPC)用の充填剤等として広く利用されている(例えば、非特許文献1参照)。加えて、各種官能基を容易に導入できるため多種多様なイオン交換体やアフィニティークロマトグラフィーの基材として広い応用範囲を持っている。特に近年、生化学や遺伝子工学の発展に伴い生体内微量蛋白質の分離精製分野における需要が大幅に拡大しつつある。
また、細菌が産生するセルロースとしてバクテリアセルロースがある。一般に木材パルプ等から製造されるセルロースを構成する微小繊維の幅が30μm程度であるのに対して、バクテリアセルロースを構成する微小繊維の幅は100nm程度であり2桁程度も小さく、細菌が動き回りながら前記微小繊維を産生するため、前記微小繊維が100nm程度の間隔で3次元網目構造を形成する。従ってバクテリアセルロースは、乾燥すると前述した3次元網目構造の繊維間に多量の水素結合が形成され、結晶化度が高く、非常に強度が高い(特に引張弾性率はアルミと同等の33GPa程度と非常に高い)セルロースとなる(例えば、非特許文献2参照)。
セルロースの粒子を生成する方法としては、従来からいくつかの方法が用いられてきた。例えば、特許文献1に記載されている方法によれば、セルロースをアンモニア性水酸化銅溶液などのアルカリ性溶液で1〜12%の濃度で溶解し、乳化剤を含むベンゼン中にセルロース溶液を分散させ、これを酸性水溶液などの再生浴に投入してセルロース粒子を得る。この方法によって、得られるセルロース粒子は、2〜25%(W/V)のセルロース密度及び2〜2000μmの範囲の孔の大きさを有すると記載されている。しかしながら、この方法では粒径を特に制御していないため、生成した粒子の90%が50μm〜200μmの間の粒径を有し、均一な粒径を有するセルロース粒子を生成することはできなかった。一般に、ゲルろ過クロマトグラフィー用の充填剤に用いられる粒子は、均一な粒径であるほど、充填再現性に優れており、分離能が高く、圧力損失が小さくなる。従って、ゲルろ過クロマトグラフィー用の充填剤に用いられる粒子はより均一な粒径であることが求められている。
また、特許文献2に記載されている方法によれば、セルロースを例えば8%程度の水酸化ナトリウムのような所定の溶液に溶かしたセルロース溶液を、ヘキサン溶媒の中で液滴粒子にし、ヘキサン溶媒の中でその液滴粒子を溶液の固化温度以下(この場合、−16℃)に冷却して凍結させ、次いで50%硫酸などで中和することで溶液を抽出除去することにより、セルロース粒子を生成することが記載されている。この方法により、セルロースを溶かしている溶液を凍結により結晶化させた後除去することで、溶液が結晶化した部分が孔となることで、セルロース粒子の強度を保ったまま、セルロース粒子に2μm以上の孔を有する粒子を生成することができ、非常に表面積の大きいセルロース粒子を得ることができる。しかしながら、セルロース溶液を液滴粒子にする方法は、セルロース溶液を気体中や溶媒中に噴霧するスプレーノズル法や、エマルジョン分散法など、既知の方法が用いられており、粒径を精密に制御していないため、最終的にはメッシュ等で分級したとしても、例えば50〜300μmの間の粒径となってしまい、均一な粒径を有するセルロース粒子を生成することはできなかった。
また、特許文献3に記載されている方法によれば、微生物の産生するゲル状のセルロース性物質をそのまま、あるいはそれに水または水溶液、または親水性溶媒を加えた状態で、例えばホモジナイザーなどで機械的せん断力を作用させることで、セルロース粒子を生成している。しかしながら、本法では、例えば100nm〜1μmの大きさの微小繊維状のセルロースが生成されており、均一な粒径を有するセルロース粒子を生成することはできなかった。
以上のように従来の技術では、粒径のCV値が0.2未満である均一な粒径を有するセルロース粒子を生成することができなかった。
日本化学会誌、1981年(12)、1883−1889頁、1981年発行 Analytical Chemistry,Vol.77,No.21,November,2005年発行 特公昭52−11237号公報 特開昭64−43530号公報 特公平4−64521号公報
本発明の目的は、かかる従来の実情に鑑みて提案されたものであり、粒径の均一なセルロース粒子とその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は上記課題を解決するものとして、セルロースが溶解しているセルロース溶液を分散相とし、セルロース溶液をせん断する溶液を連続相とし、前記分散相を送液する分散相流路と前記連続相を送液する連続相流路とが交差する交差部において、分散相流路に送液する分散相と連続相流路に送液する連続相とを交差させて分散相を連続相でせん断することにより、連続相内にセルロース溶液を含む液滴粒子を生成させ、液滴粒子からセルロース粒子を得るセルロース粒子の製造方法を用いることにより、粒径の均一なセルロース粒子を得ることができることを見出し、遂に本発明を完成するに至った。以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、クロマトグラフ用充填剤に用いるセルロース粒子であって、細菌が産生するバクテリアセルロースからなる、セルロース粒子である。
また本発明のセルロース粒子は、粒径の標準偏差を粒径の平均値で除算した変動係数が0.2(20%)未満である、上記のセルロース粒子である。
本発明のセルロース粒子の製造方法は、基板に、分散相を送液する分散相流路と、連続相を送液する連続相流路と、分散相と連続相とを合流させて生成した分散相からなる液滴粒子を排出させるための排出流路とが形成された微小流路構造体を用いて液滴粒子を製造する方法において、セルロースが溶解しているセルロース溶液を分散相とし、セルロース溶液をせん断する溶液を連続相とし、前記分散相流路と前記連続相流路とが交差する交差部において、前記分散相流路に送液する分散相と前記連続相流路に送液する連続相とを合流させて分散相を連続相でせん断することにより、連続相内に前記セルロース溶液からなる液滴粒子を生成させ、前記液滴粒子からセルロース粒子を得る、上記のセルロース粒子の製造方法である。
また本発明のセルロース粒子の製造方法は、分散相流路と連続相流路とが交差する交差部において連続相内にセルロース溶液の液滴粒子を生成させる際、分散相流路と連続相流路とが交差する角度を予め変えた微小流路構造体を選定することで所望の粒子径の液滴粒子を得る、上記のセルロース粒子の製造方法である。
また本発明のセルロース粒子の製造方法は、分散相流路に送液する分散相と連続相流路に送液する連続相とを合流させて分散相の液滴粒子を含む連続相を生成させた後、分散相流路と連続相流路とが交差する交差部より前記分散相の液滴粒子を含む連続相が流れる排出流路に、前記分散相の液滴粒子を構成する溶液を酸アルカリ中和反応で除去するための除去溶液が送液される除去溶液流路を交差させ、当該除去溶液流路に前記除去溶液を送液して、前記液滴粒子を含む連続相と前記除去溶液とを混合接触させて、酸アルカリ中和反応により前記分散相の液滴粒子からセルロース粒子を得る、上記のセルロース粒子の製造方法である。
また本発明のセルロース粒子の製造方法は、前記排出流路において、前記分散相の液滴粒子を冷却して凍結させ、次いで前記凍結した液滴粒子を構成する溶液を除去することによりセルロース粒子を得る、上記のセルロース粒子の製造方法である。
以下では、本発明のセルロース粒子とその製造方法をさらに詳細に説明する。
本発明のセルロース粒子は、液体クロマトグラフ等のためのカラムに用いられる充填剤等に用いるセルロース粒子であって、当該セルロース粒子が、細菌が産生するバクテリアセルロースからなるものであれば特に制限は無く、粒子の大きさや形状も特に限定されるものではない。さらに、このセルロース粒子の粒径の標準偏差を粒径の平均値で除算した変動係数が0.2未満である均一な粒径の粒子であることが好ましい。なお、本発明における均一な粒径とは、粒子の大きさがほぼ等しい事を意味し、一般に、粒径の標準偏差を粒径の平均値で除算した変動係数(以下、CV値と称する)が0.5未満(50%未満)、好ましくは、0.2未満(20%未満)であることを意味する。
形状は通常、球形、長球形、ないしは扁平球形などがあるが、特殊なものとしては、円柱形、円筒形、繊維状なども許される。大きさも用途によって任意に選定されて良く、一般的なゲルろ過クロマトグラフ用の充填剤として用いる場合、その粒径は5μm〜1000μmであることが好ましい。なお、本発明における粒径とは、粒子の形状が球形であればその球の直径を示すが、粒子の形状が球形以外の場合は、その形状の最も長い部分を粒径と定義する。
また、本発明のセルロース粒子を形成するセルロースの平均重合度は特に制限されるものではない。平均重合度は、通常100〜1000程度のものが好ましいが、細菌が産生したバクテリアセルロースのように更に高重合度のものでも良く、ゲルろ過クロマトグラフィー用の充填剤として用いる場合には粒子の強度が高くなり、耐圧が増すことから、むしろ望ましい実施態様である。
なお、セルロースの重量平均重合度を求める代表的な方法を以下に述べる。検出器としてRIを内蔵したGPCシステム(Tosoh HLC−8020)を用いて以下のようにして測定する。各種セルロース試料を発煙硝酸−五酸化リン溶液でニトロ化する。コントロールとして同時にニトロ化したコットンリンターを用いる。セルロースニトロ化物はTHF(和光純薬 1級)に0.05%濃度で溶かしたのち、1.0μmポアサイズのフィルターで濾過する。GPCの溶離液にもTHFを用いる。流速は0.5mL/min、圧力は10〜13kgf/cm、サンプル注入量は100μLとする。カラムはTSKgel GMH−HR(S)(7.5ID×300mm×2本)とガードカラム(HHR(S))(Tosoh Co., Ltd..)を用い35℃で測定する。分子量算出のためにスタンダードポリスチレン(Tosoh) を用いポリスチレン換算の相対分子量を求める。2×10 から2630の分子量のポリスチレンを用い、溶出時間(t)と分子量の対数(logM)について、3次式:(logM=At +Bt +Ct+D)による近似を行いスタンダード曲線を作製する。分子量はTosohのデータ処理専用機(SC−8020)に内蔵されたプログラム(ver.3,10)により重量平均分子量を計算する。これらの分子量の値からニトロ化後の置換度を考慮して重量平均重合度を計算する。
また本発明のセルロース粒子は、その表面および/または内部に多数の空孔を有する多孔粒子であっても良い。一般にセルロース粒子は、セルロースが網目構造を形成するため、表面および/または内部に多数の空孔を有する多孔粒子となる。ここで、空孔の大きさの下限は、セルロース粒子中での液体や物質の自由な移動が妨げられなければ特に制限はない。また、空孔の大きさの上限は、粒子の強度が保たれる範囲であれば特に制限はない。一般に、ゲルろ過クロマトグラフィー用の充填剤として用いる場合には、空孔の大きさは、数十nm〜数百μm程度が好ましい。また、空孔の壁面には、更に微細な孔構造および/または凹凸構造がみられることもあるが、ゲルろ過クロマトグラフィー用の充填剤として用いる場合には粒子の表面積が増加し、高吸着量が期待できることから、むしろ望ましい態様である。更に、粒子内の空孔の配置に関しても特に制限されるものではなく、粒子の表面や内部に無秩序に空孔が形成されていてもよく、または、例えば粒子の表面から粒子の内部まで放射状に空孔が形成されていてもよい。
本発明に用いられるセルロースは、パルプ、コットンリンター、古紙、再生セルロース、細菌が産生したセルロースなどを原料とするものであり、特に制限されるものではないが、前述したように細菌が産生したバクテリアセルロースは、一般の木材パルプ等から製造された植物性セルロースに比べ、粒子表面に、より微細な孔を有しているため吸着量が高く、また結晶化度が高いため強度が高く耐圧性に優れており、ゲルろ過クロマトグラフィー用の充填剤により適していることから、細菌が産生したバクテリアセルロースであることがより好ましい。
ただし、前述したように、細菌が産生したセルロースであるバクテリアセルロースは、一般に木材パルプ等から製造されるセルロースよりも、より細かな繊維により3次元網目構造を形成することから、結晶化度が高く、非常に強度が高いセルロースであり、その純度も高いため、高吸着量、高耐圧のゲルろ過クロマトグラフィー用の充填剤と成り得、より好ましい態様となる。
本発明に用いられるバクテリアセルロースを産生する細菌は、バクテリアセルロースを産生すれば特に制限はない。例えば、アセトバクター・キシリナム、アセトバクター・パスツリアヌス等の酢酸菌(アセトバクター属)などがある。前記細菌の培養方法なども特に制限されるものではなく、例えば特開平9−132601の実施例に記載されている方法等を用いて培養すればよい。
次に、本発明におけるセルロース粒子の製造方法は、前記したように、クロマトグラフ用充填剤に用いるセルロース粒子であって、細菌が産生するバクテリアセルロースからなるセルロース粒子を製造することができれば特に制限は無い。例えば、セルロースを1〜10%程度の濃度でアルカリ性水溶液などに溶かした分散相としての溶液を、乳化剤を含む連続相で分散させ液滴粒子にした後、液滴粒子中に溶けているセルロースを酸性水溶液などで抽出・再生してセルロース粒子を生成する方法がある。この場合、連続相中にセルロース溶液を分散させる方法として、連続相と分散相を攪拌等にとり懸濁する懸濁法や、連続相中に分散相を噴霧するスプレーノズル法などがある。また、ゲル状のセルロース性物質をそのまま、あるいはそれに水または水溶液、または親水性溶媒を加えた状態で、ホモジナイザーなどで機械的せん断力を作用させることでセルロース粒子を生成する方法がる。しかしながら、いずれの方法も、生成したセルロース粒子をメッシュや重力等を利用して何度も繰り返し篩い分けを行い、粒径のCV値が0.2未満である均一な粒径を有するセルロース粒子を得る必要があり非常に時間と手間を要する。
従って、本発明におけるセルロース粒子の製造方法は、粒径のCV値が0.2未満である均一な粒径を有するセルロース粒子を容易に製造するための方法として、基板に、分散相を送液する分散相流路と、連続相を送液する連続相流路と、分散相と連続相とを合流させて生成した分散相からなる液滴粒子を排出させるための排出流路とが形成された微小流路構造体を用いて液滴粒子を製造する方法において、セルロースが溶解しているセルロース溶液を分散相とし、セルロース溶液をせん断する溶液を連続相とし、前記分散相流路と前記連続相流路とが交差する交差部において、前記分散相流路に送液する分散相と前記連続相流路に送液する連続相とを合流させて分散相を連続相でせん断することにより、連続相内に前記セルロース溶液からなる液滴粒子を生成させ、液滴粒子からセルロース粒子を得る、セルロース粒子の製造方法であることが好ましい。このようにすることで、セルロース溶液の液滴粒子を均一な径の液滴粒子にすることができるようになり、従って、その液滴粒子から得られるセルロース粒子も均一な粒径にすることができる。この方法で使用する液滴粒子生成装置を用いた第1のセルロース粒子生成装置の一例を示す概念図を図1に示した。
図1に示すセルロース粒子生成装置(32)を構成する液滴粒子生成装置(26)は、流路基板(1)とカバー体(2)からなる。流路基板には、分散相としてのセルロース容器を導入する分散相導入流路(3)と、連続相を導入する連続相導入流路(4)とを備え、さらに、前記分散相であるセルロース溶液を送液する分散相導入流路と前記連続相を送液する連続相導入流路を交差部(5)において交差させ、前記交差部から前記セルロース溶液からなる液滴粒子を含む連続相を排出する排出流路(6)が連通している。また、分散相導入流路と連続相導入流路は、交差部において任意の角度(7)で交差しており、流路設計の際に自由に角度を設定できる。なお、前記分散相導入流路、前記連続相導入流路、及び前記排出流路の幅、深さ、長さに特に制限はなく、生成するセルロース溶液の液滴粒子の大きさによって、適宜設定すればよいが、数μm〜数百μmの粒径を有するセルロース溶液の液滴粒子を生成するには、流路の幅と深さが数μm〜数百μm程度であることが好ましい。例えば、直径500μm程度のセルロース溶液の液滴粒子を生成するための流路のサイズは、幅500μm程度、深さ200μm程度である。またカバー体には、分散相としてのセルロース溶液を導入する分散相導入流路の端部と連通する分散相導入口(8)、連続相を導入する連続相導入流路の端部と連通する連続相導入口(9)、セルロース溶液の液滴粒子を含んだ連続相を排出する排出流路の端部と連通する排出口(10)のそれぞれに相当する箇所に適切な大きさの貫通孔を形成してある。流路基板とカバー体は材料に応じて既に公知の適切な方法で接合すればよく、例えば、流路基板とカバー体がセラミックのような材料であれば接着剤による接合、流路基板とカバー体が樹脂のような材料であれば圧着による接合、流路基板とカバー体がガラスのような材料であれば熱融着による接合などの方法を用いればよい。
図1に示した液滴粒子生成装置を用いた場合、液滴粒子を形成する分散相と分散相をせん断する連続相は、流路の幅と深さ、及び送液速度によって単位時間当たりの体積が正確に決まる。また、分散相と連続相の合流する交差部分では、それぞれの送液速度と粘性によって、連続相が分散相をせん断するタイミングが正確に決まる。従って、このような液滴粒子生成方法を用いることによって、粒径の均一なセルロース溶液の液滴粒子を生成することができ、従って、その液滴粒子から得られるセルロース粒子も均一な粒径にすることができる。なお、図1に示した分散相導入流路(3)と連続相導入流路(4)の交差部(5)において、セルロース溶液の液滴粒子が形成されている様子を図2示す。図2は、セルロース溶液である分散相(11)が連続相(12)によって交差部(5)でせん断され、セルロース溶液の液滴粒子(13)が生成されている様子を示している。
なお、図1に示した液滴粒子生成装置の流路の材質は、油性の連続相によって水性のセルロース溶液の液滴粒子を生成できる材質であれば特に制限はない。ただし、水性のセルロース溶液の液滴粒子を生成するには流路の内壁が非親水性であることが好ましく、例えばナイロン、ポリアセタール、アクリルやシリコンゴムなどの非親水性の樹脂などが好ましい。また、ガラスや金属などの親水性の材質で流路を構成する場合は、例えばシランカップリング剤などを流路に送液して、流路内壁を非親水性に処理すればよい。
また、本発明のセルロース粒子の製造方法は、セルロースを溶解した溶液である分散相を送液する分散相流路と、セルロース溶液をせん断する溶液である連続相を送液する連続相流路とが交差する交差部において連続相内にセルロース溶液の液滴粒子を生成させる際、分散相流路と連続相流路とが交差する角度を予め変えた微小流路構造体を選定することで所望の粒子径の液滴粒子を得る、セルロース粒子の製造方法である。
図1に示す液滴粒子を構成する分散相導入流路と連続相導入流路の交差する角度(7)によって、図3に示すように液滴粒子の粒径を変えることが可能となり、従って、その液滴粒子から得られるセルロース粒子の粒径も変えることができる。この態様の利点は、図3に示す液滴粒子の粒径の変動が比較的少ない範囲(15)で液滴粒子を生成することにより、流路を流れる連続相や分散相の送液速度が多少変動したとしても、安定して均一な粒径を有する液滴粒子を生成することができる。この場合、逆に連続相や分散相の送液速度を変えても、液滴粒子の粒径を大きく変えることはできないが、分散相導入流路と連続相導入流路の交差する角度を変えることで液滴粒子の粒径を変えることができる。例えば、図3の液滴粒子の粒径の変動が比較的少ない範囲(15)に相当する連続相の送液速度が10μL/分〜20μL/分の領域で、角度が25°の時に粒径が約80μm、角度が45°の時に粒径が約60μm、の粒子を得ることができる。なお、図3に用いた流路基板における分散相導入流路、連続相導入流路、排出流路のそれぞれの流路幅は60μm、流路深さは20μmである。
ここで、本発明におけるセルロース溶液の溶媒としては、例えば、銅アンモニア,銅エチレンジアミン、カドキセン、酒石酸鉄ナトリウム、ニッケルエチレンジアミン、ニッケルアンモニア、コバルトエチレンジアミン、亜鉛エチレンジアミン等の金属錯体の水溶液や、ジメチルアセトアミド/塩化リチウム系溶媒、N−メチルモルフォリンオキサイド、トリエチルアミンオキサイド、シクロヘキシルジメチルアミン等の各種アミン系溶媒、チオシアン酸アンモン、ヨウ化ナトリウム、硝酸ナトリウム、チオシアン酸ナトリウム、ヨウ化アンモニウム等の塩とアンモニアを組み合わせた溶媒、水酸化ナトリウムなどのアルカリ水溶液などがあるが、これらに限定されるものではない。
また本発明におけるセルロース溶液は、ジメチルスルホキサイド中でパラホルムアルデヒドをセルロースに反応させセルロースの一部をメチロール化して溶解した溶液、ジメチルホルムアミド中で四酸化二窒素をセルロースに反応させてセルロースナイトライドエステル化して溶解した溶液、ジメチルスルホキサイド中で各種アミンと二酸化イオウをセルロースに反応させて溶解した溶液、セルロースザントゲン酸ソーダ溶液(ビスコース)、及びセルロースアセテートのアセトン溶液などのセルロース誘導体の溶液であってもよく、これらに限定されるものではない。
また、本発明におけるセルロース溶液の液滴粒子を分散させる連続相は、分散相である水性のセルロース溶液に対して非親和性を有する油性の液体であれば特に制限はなく、例えば大豆油、オリーブオイル、オレイン酸、リノール酸、ヘキサン、クロロホルムなどを用いればよい。また、前記連続相中でセルロース溶液の液滴粒子を安定化するために、適宜、ツイーン、スパン、ポリビニルアルコール等の界面活性剤を適量添加してもよい。
次に、生成したセルロース溶液の液滴粒子からセルロース粒子を得る方法は、例えば、アルカリ性水溶液にセルロースを溶かしたセルロース溶液の液滴粒子を酸性水溶液などの再生浴に投入してセルロース粒子を得る方法や、アルカリ性水溶液にセルロースを溶かしたセルロース溶液の液滴粒子を連続相の中で、溶液の固化温度以下に冷却して凍結させ、次いで酸性水溶液などで中和することで溶液を抽出除去することにより、セルロース粒子を生成する方法などがあり、セルロース溶液に液滴粒子からセルロース粒子を得ることができれば、特に限定されるものではない。すなわち、図1に示した液滴粒子生成装置でセルロース溶液の液滴粒子を生成し、回収容器に入れた後、上述した方法等によりセルロース粒子を回収すれば、均一な粒径を有するセルロース粒子を得ることができる。
しかしながら、セルロース粒子の粒径をさらに均一に保つためには、セルロース溶液の液滴粒子を生成した後、回収容器に液滴粒子を一時的に貯めることなく、セルロース溶液の液滴粒子を生成後、連続してセルロース粒子を得ることが好ましい。このようにすることで、回収容器に一時的にセルロース溶液の液滴粒子を入れておくことにより、液滴粒子同士が合一したりすることを防ぐことができ、より均一なセルロース粒子を得ることができる。
従って、本発明のセルロース粒子の製造方法は、分散相流路に送液するセルロースを溶解した溶液である分散相と、連続相流路に送液するセルロース溶液をせん断する溶液である連続相とを合流させて分散相の液滴粒子を含む連続相を生成させた後、分散相流路と連続相流路とが交差する交差部より分散相の液滴粒子を含む連続相が流れる排出流路に、分散相の液滴粒子を構成する溶液を酸アルカリ中和反応で除去するための除去溶液が送液される除去溶液流路を交差させ、当該除去溶液流路に除去溶液を送液して、分散相の液滴粒子を含む連続相と除去溶液とを接触させて、酸アルカリ中和反応により分散相の液滴粒子からセルロース粒子を得ることが好ましい。この態様に用いるセルロース粒子生成装置の態様を図4、図5に示した。
図4に示すように、セルロース粒子生成装置(32)を構成する液滴生粒子成装置(26)の流路基板上で排出流路(6)に除去溶液流路(16)を交差させることで、流路の中で反応させセルロース粒子を得ることができる。なお除去溶液は、除去溶液流路と連通する除去溶液導入口(17)にチューブ(24)を接続し、シリンジ等で適切な送液速度で導入すればよい。また、排出流路と除去溶液流路が交差する角度には特に制限はない。
また図5のセルロース粒子生成装置(32)に示すように、液滴粒子生成装置(26)でセルロース溶液の液滴粒子を生成した後、セルロース溶液の液滴粒子を含む連続相を粒子回収装置(18)の導入口A(19)にチューブ(24)を接続して導入し、粒子回収装置の導入口B(20)から除去溶液を導入し、粒子回収装置の粒子回収用流路基板(21)上で導入流路A(22)と導入流路B(23)を交差部(5)で交差させ、反応流路(27)の中で反応させ排出口C(28)からセルロース粒子を得ても良い。なお除去溶液は、導入流路Bと連通する導入口Bにチューブを接続し、シリンジ等で適切な送液速度で導入すればよい。また、導入流路Aと導入流路Bが交差する角度には特に制限はない。ここで粒子回収装置は、液滴粒子生成装置と同様に、導入流路A、導入流路B、反応流路を形成した粒子回収用流路基板(21)と、導入流路Aの端部と連通した導入口A、導入流路Bの端部と連通した導入口B、反応流路の端部と連通した排出口Cに相当する貫通孔を形成した粒子回収用カバー体(29)を適切な方法で接合し、積層一体化して構成すればよい。
ここで、図4、図5における流路の幅が数百μm以下の場合は、いわゆる微小流路といわれるものであり、この場合、反応に関与する物質が移動できる範囲がミクロンオーダーの微小空間で制限されるため、拡散律速の反応が速くなり、流路内で均一に反応が進行する。従って、セルロース溶液の液滴粒子ごとに反応が不均一に進行することがなく、より均一なセルロース粒子を得ることができる。
また、本発明のセルロース粒子の製造方法は、分散相流路に送液するセルロースを溶解した溶液である分散相と、連続相流路に送液するセルロース溶液をせん断する溶液である連続相とを合流させて分散相の液滴粒子を含む連続相を生成させた後、分散相流路と連続相流路とが交差する交差部より分散相の液滴粒子を含む連続相が流れる排出流路において、分散相の液滴粒子を冷却して凍結させ、次いで凍結した液滴粒子を構成する溶液を除去することによりセルロース粒子を得ることが好ましい。
このセルロース粒子生成装置の態様を図6に示した。図6に示すように、セルロース粒子生成装置(32)を構成する液滴粒子生成装置(26)の排出口(10)にチューブ(24)を接続し、前記チューブを冷却装置(25)を介して設置する。冷却装置は、セルロースの液滴粒子を凍結させるだけの温度に冷却することができれば特に制限はなく、例えば冷凍庫などを用いればよい。
前述したように、本発明で用いる液滴粒子生成装置で生成したセルロース溶液の液滴粒子を回収容器に一時的に入れておくことにより、液滴粒子同士が合一してしまい、均一な粒子が得られなくなる可能性がある。しかしながら、図6に示すような態様にすることで、セルロース溶液の液滴粒子を生成した後、チューブの中で送液しながらセルロース粒子を凍結することが可能となり、回収容器に入れてもセルロース溶液の液滴粒子が凍結したものは合一しないため、この状態でセルロース粒子を回収することにより、より均一なセルロース粒子を得ることができる。また、チューブの径が数百μm以下の場合は、いわゆる微小流路といわれるものであり、この場合、温度制御する体積がミクロンオーダーの非常に小さい体積であることから熱容量が小さく、瞬時に溶液全体を均一に目的の温度に制御することが可能となるため、連続相中のセルロース溶液の液滴粒子を均一に凍結することが可能になることから、より均一なセルロース粒子を得ることができる。
本発明のセルロース粒子は、クロマトグラフ用充填剤に用いるセルロース粒子であって、細菌が産生するバクテリアセルロースからなることを特徴とするセルロース粒子である。このようなセルロース粒子を用いることで、リガンド等の生体材料の担持能力に優れ、吸着量が高く、耐圧性に優れたゲルろ過クロマトグラフィー用の充填剤を得ることができる。
本発明のセルロース粒子は、粒径の標準偏差を粒径の平均値で除算した変動係数が0.2未満であることを特徴とするセルロース粒子である。このようなセルロース粒子とすることで、充填再現性が優れ、分離能が高く、圧力損失が小さいゲルろ過クロマトグラフィー用の充填剤を得ることができる。
また、本発明のセルロース粒子の製造方法は、セルロースが溶解しているセルロース溶液を分散相とし、セルロース溶液をせん断する溶液を連続相とし、前記分散相を送液する分散相流路と前記連続相を送液する連続相流路とが交差する交差部において、前記分散相流路に送液する分散相を前記連続相流路に送液する連続相でせん断することによりセルロース溶液の液滴粒子を前記連続相内に生成し、前記液滴粒子からセルロース粒子を得ることを特徴とするセルロース粒子の製造方法である。このような製造方法を用いることで、メッシュや重力を利用した分級を実施することなく、容易に均一な粒径を有するセルロース粒子を生成することができる。
また本発明のセルロース粒子の製造方法は、セルロースが溶解しているセルロース溶液である分散相を送液する流路と、セルロース溶液をせん断する溶液である連続相を送液する流路とが交差する交差部において、交差する角度を予め変えることによって、所望の粒子径を有するセルロース溶液の液滴粒子を前記連続相内に生成することにより、前期連続相から所望の粒子径を有するセルロース粒子を得ることを特徴とするセルロース粒子の製造方法である。このようにすることで、セルロース粒子の粒径を容易に、かつ安定に制御することができる。
また本発明のセルロース粒子の製造方法は、セルロースが溶解しているセルロース溶液である分散相を送液する流路と、セルロース溶液をせん断する溶液である連続相を送液する流路とが交差した後、前記分散相の液滴粒子を含む前記連続相が流れる排出流路に、前記分散相の液滴粒子を構成する溶液を酸アルカリ中和反応で除去するための除去溶液が流れる除去溶液流路を交差させ、前記連続相と前記除去溶液を混合させて酸アルカリ中和反応により前記液滴粒子を構成する溶液を除去してセルロース粒子を得ることを特徴とするセルロース粒子の製造方法である。このようにすることで、生成したセルロース溶液を回収容器に一時的入れることで生じるセルロース溶液の液滴粒子の合一を防ぐことが可能となり、より均一なセルロース粒子を生成することができる。
また本発明のセルロース粒子の製造方法は、セルロースが溶解しているセルロース溶液である分散相を送液する流路と、セルロース溶液をせん断する溶液である連続相を送液する流路とが交差した後、前記分散相の液滴粒子を含む前記連続相が流れる排出流路において、前記分散相の液滴粒子を冷却して凍結させ、次いで前記凍結した液滴粒子を構成する溶液を除去することによりセルロース粒子を得ることを特徴とするセルロース粒子の製造方法である。このようにすることで、生成したセルロース溶液を回収容器に一時的入れることで生じるセルロース溶液の液滴粒子の合一を防ぐことが可能となり、更により均一なセルロース粒子を生成することができる。
以下、本発明の実施例について詳細に説明する。なお本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更が可能であることは言うまでもない。
(実施例1)
図1に実施例に用いたセルロース粒子生成装置の概念図を示す。セルロース粒子生成装置(32)を構成する液滴粒子生成装置(26)は流路基板(1)とカバー体(2)を積層一体化させて構成した。
流路基板は、長さ70mm×幅40mm×厚さ1mmのアクリル製の基板に機械加工により流路を形成した。流路は、幅800μm、深さ300μmの微小流路サイズとした。またセルロース溶液を分散相として送液する分散相導入流路(3)を、連続相を送液する連続相導入流路(4)と45°の角度で交差部(5)において交差させ、交差部においてセルロース溶液の液滴粒子を生成し、その液滴粒子を含んだ連続相を排出する排出流路(6)を分散相導入流路と連続相導入流路からそれぞれ157.5°の角度に配置して形成した。分散相導入流路と連続相導入流路の長さは20mm、排出流路の長さは30mmとした。カバー体の材料には、長さ70mm×幅40mm×厚さ1mmのシリコンゴム製の基板を使用し、分散相としてのセルロース溶液を導入する分散相導入口(8)、連続相を導入する連続相導入口(9)、セルロース溶液の液滴粒子を含んだ連続相を排出する排出口(10)のそれぞれに相当する箇所に直径1mmの貫通孔を機械加工により形成した。
流路基板とカバー体は圧着用のクリップではさみ密着させ積層一体化させた。2つの導入口には、外径約1mm×内径約0.5mmのテフロン(登録商標)製のチューブ(24)を接着剤で固定し、各々のチューブの反対側の端に送液用のシリンジ(30)を接続した。また、排出口には、外径約1mm×内径約0.5mmのテフロン(登録商標)製のチューブ(24)を接着剤で固定した。
次に、市販のバクテリアセルロース(味の素製)を1%水酸化ナトリウム水溶液に溶解し、濃度1.5%のセルロース溶液を得た。この溶液を分散相としシリンジを用いて分散相導入流路に注入した。分散相の送液速度は4μL/分で送液した。同時に、大豆油に界面活性剤としてスパン60を0.3%添加した溶液を連続相としシリンジを用いて連続相導入流路に注入し、送液速度8μL/分で送液した。分散相と連続相は、交差部で合流し、連続相である大豆油によって分散相であるセルロース溶液がせん断され、セルロース溶液の液滴粒子を生成し、回収容器(31)で回収した。
光学顕微鏡で確認したところ、生成された液滴粒子の平均直径は約850μm、粒径のCV値は8.3%となり、非常に均一な粒径を有する液滴粒子を生成することができた。
次に、回収容器を冷凍庫にいれ−3℃に冷却しセルロース溶液の液滴粒子の凍結体を得た。次にこの大豆油の溶液からセルロース溶液の凍結体を取り出し、−3℃の50%の硫酸水溶液中に投入し、−3℃に5時間保った後、セルロース粒子を取り出し水洗した。光顕微鏡で粒子を観察したところ、平均粒径は約15μmであり、粒径のCV値は9.5%となり非常に均一なセルロース粒子を得ることができた。
(実施例2)
図5に実施例2に用いたセルロース粒子生成装置の概念図を示した。セルロース粒子生成装置(32)は液滴粒子生成装置(26)及び粒子回収装置(18)からなる。液滴粒子生成装置は実施例1で用いた液滴粒子生成装置と同じものを用いた。また、粒子回収装置は液滴粒子生成装置と同様に粒子回収用流路基板(21)と粒子回収用カバー体(29)を積層一体化させて構成した。粒子回収用流路基板は、長さ70mm×幅40mm×厚さ1mmのアクリル製の基板に機械加工により流路を形成した。流路は、幅800μm、深さ300μmの微小流路サイズとした。またセルロース溶液の液滴粒子を含む連続相を送液する導入流路A(22)を、除去溶液を送液する導入流路B(23)と45°の角度で交差部(5)において交差させ、交差部から排出口C(28)に至る反応流路(27)においてセルロース溶液の液滴粒子と除去溶液を反応させ、排出口Cからセルロース粒子を回収した。導入流路Aと導入流路Bの長さは20mm、反応流路の長さは50mmとした。粒子回収用カバー体の材料には、長さ70mm×幅40mm×厚さ1mmのシリコンゴム製の基板を使用し、分散相としてのセルロース溶液の液滴粒子を含む連続相を導入する導入口A(19)、除去溶液を導入する連導入口B(20)、セルロース粒子を回収する排出口C(28)のそれぞれに相当する箇所に直径1mmの貫通孔を機械加工により形成した。
粒子回収用流路基板と粒子回収用カバー体は圧着用のクリップではさみ密着させ積層一体化させた。導入口A、導入口Bには、外径約1mm×内径約0.5mmのテフロン(登録商標)製のチューブ(24)を接着剤で固定し、導入口A(19)のチューブの反対側は、液滴粒子生成装置の排出口(10)と接続した。また導入口Bのチューブの反対側の端に除去溶液の送液用のシリンジ(30)を接続した。また、排出口Cには、外径約1mm×内径約0.5mmのテフロン(登録商標)製のチューブ(24)を接着剤で固定した。
次に実施例1で用いた1%水酸化ナトリウム水溶液に溶解した濃度1.5%のセルロース溶液を分散相としシリンジを用いて分散相導入流路に注入した。分散相の送液速度は4μL/分で送液した。同時に、大豆油に界面活性剤としてスパン60を0.3%添加した溶液を連続相としシリンジを用いて連続相導入流路に注入し、送液速度8μL/分で送液した。分散相と連続相は、交差部で合流し、連続相である大豆油によって分散相であるセルロース溶液がせん断され、セルロース溶液の液滴粒子を生成した。このセルロース溶液の液滴粒子を含む連続相はチューブを介して粒子回収装置の導入口Aに導入した。一方、粒子回収装置の導入口Bから送液速度12μL/分で除去溶液として50%の硫酸水溶液を送液した。セルロース溶液の液滴粒子を含む連続相と除去溶液は反応流路で合流し、反応流路で酸アルカリ中和反応が生じ、生成したセルロース粒子を排出口Cから回収した。なお、この場合の反応流路での反応時間は約1分である。
光顕微鏡で粒子を観察したところ、平均粒径は約13μmであり、粒径のCV値は9.2%となり非常に均一なセルロース粒子を得ることができた。
(実施例3)
図6に実施例3に用いたセルロース粒子生成装置の概念図を示した。セルロース粒子生成装置(32)を構成する液滴粒子生成装置(26)は実施例1で用いた液滴粒子生成装置と同じものを用いた。また、液滴粒子生成装置の排出口(10)にチューブ(24)を接続し、前記チューブを冷却装置(25)を介して設置した。冷却装置には市販の小型電気冷凍庫を用い、片側の壁面にチューブを導入する穴を開け、反対側の壁面に開けた穴からチューブを取り出した。凍庫内のチューブの長さは約600mmの長さにした。チューブには、外径約1mm×内径約0.5mmのテフロン(登録商標)製のチューブを用いた。
次に実施例1で用いた1%水酸化ナトリウム水溶液に溶解した濃度1.5%のセルロース溶液を分散相としシリンジを用いて分散相導入流路に注入した。送液速度は4μL/分で送液した。同時に、大豆油に界面活性剤としてスパン60を0.3%添加した溶液を連続相としシリンジを用いて連続相導入流路に注入し、送液速度8μL/分で送液した。分散相と連続相は、交差部で合流し、連続相である大豆油によって分散相であるセルロース溶液がせん断され、セルロース溶液の液滴を生成した。このセルロース溶液の液滴粒子を含む連続相はチューブを介して−3℃に設定した冷却装置に入り、冷却装置内で冷凍され、冷却装置から出ているチューブからセルロース溶液の液滴粒子の凍結体を得た。なお、この場合、冷却装置内にセルロース溶液の液滴粒子を含む連続相が滞在している時間は約12.5分である。
次にこの大豆油の溶液からセルロース溶液の凍結体を取り出し、−3℃の50%の硫酸水溶液中に投入し、−3℃に5時間保った後、セルロース粒子を取り出し水洗した。光顕微鏡で粒子を観察したところ、平均粒径は約16μmであり、粒径のCV値は8.8%となり非常に均一なセルロース粒子を得ることができた。
(実施例4)
実施例1で用いた1%水酸化ナトリウム水溶液に溶解した濃度1.5%のセルロース溶液を分散相として用い、大豆油に界面活性剤としてスパン60を0.3%添加した溶液を連続相として用い、ビーカーに分散相と連続相を約5mLずつ入れ、マグネチックスターラーを用いて500rpmで攪拌することで懸濁させ、セルロース溶液の液滴粒子を生成した。光学顕微鏡で確認したところ、生成された液滴粒子の直径は確認できたもので約10μm〜1mmの範囲の粒径を有していた。
次に、このビーカーを冷凍庫にいれ−3℃に冷却しセルロース溶液の液滴粒子の凍結体を得た。次にこの大豆油の溶液からセルロース溶液の凍結体を取り出し、−3℃の50%の硫酸水溶液中に投入し、−3℃に5時間保った後、セルロース粒子を取り出し水洗した。光顕微鏡で粒子を観察したところ、生成されたセルロース粒子の直径は確認できたもので約10μm〜150μmの範囲の粒径を有していた。
上記粒子を水で洗浄し、ポアサイズ40μmのメッシュフィルター(BD Falcon Cell Strainer 40μm)を用いてふるいにかける操作を10回繰り返したところ、平均粒径が約36μmで粒径のCV値が約14.5%の均一なセルロース粒子を得ることができた。
(比較例)
実施例1で用いた1%水酸化ナトリウム水溶液に溶解した濃度1.5%のセルロース溶液を分散相として用い、大豆油に界面活性剤としてスパン60を0.3%添加した溶液を連続相として用い、ビーカーに分散相と連続相を約5mLずつ入れ、マグネチックスターラーを用いて500rpmで攪拌することで懸濁させ、セルロース溶液の液滴粒子を生成した。光学顕微鏡で確認したところ、生成された液滴粒子の直径は確認できたもので約10μm〜1mmの範囲の粒径を有していた。
次に、このビーカーを冷凍庫にいれ−3℃に冷却しセルロース溶液の液滴粒子の凍結体を得た。次にこの大豆油の溶液からセルロース溶液の凍結体を取り出し、−3℃の50%の硫酸水溶液中に投入し、−3℃に5時間保った後、セルロース粒子を取り出し水洗した。光顕微鏡で粒子を観察したところ、生成されたセルロース粒子の直径は確認できたもので約10μm〜150μmの範囲の粒径を有しており、均一な粒径を有する液滴粒子を生成することはできなかった。
本発明における第1のセルロース粒子生成装置の一例を示す概念図及び、実施例1に用いたセルロース粒子生成装置の概念図である。 本発明における液滴粒子生成装置を用いて、セルロース溶液の液滴粒子が形成さる様子示す概念図である。 本発明における流路の交差部の角度と生成される液滴粒子の粒子径の関係の一例を示す図である。 本発明における第2のセルロース粒子生成装置の一例を示す概念図である。 本発明における液滴粒子生成装置と粒子回収装置からなる第3のセルロース粒子生成装置の一例を示す概念図及び、実施例2に用いたセルロース粒子生成装置の概念図である。 実施例3に用いたセルロース粒子生成装置の概念図である。
符号の説明
1:流路基板
2:カバー体
3:分散相導入流路
4:連続相導入流路
5:交差部
6:排出流路
7:角度
8:分散相導入口
9:連続相導入口
10:排出口
11:分散相
12:連続相
13:セルロース溶液の液滴粒子
14:セルロース溶液の液滴粒子を含む連続相
15:液滴粒子の粒径の変動が比較的少ない範囲
16:除去溶液流路
17:除去溶液導入口
18:粒子回収装置
19:導入口A
20:導入口B
21:粒子回収用流路
22:導入流路A
23:導入流路B
24:チューブ
25:冷却装置
26:液滴粒子生成装置
27:反応流路
28:排出口C
29:粒子回収用カバー体
30:シリンジ
31:回収容器
32:セルロース粒子生成装置

Claims (6)

  1. クロマトグラフ用充填剤に用いるセルロース粒子であって、細菌が産生するバクテリアセルロースからなることを特徴とするセルロース粒子。
  2. 前記セルロース粒子において、粒径の標準偏差を粒径の平均値で除算した変動係数が0.2未満であることを特徴とする請求項1記載のセルロース粒子。
  3. 基板に、分散相を送液する分散相流路と、連続相を送液する連続相流路と、分散相と連続相とを交差させて生成した分散相からなる液滴粒子を排出させるための排出流路とが形成された微小流路構造体を用いて液滴粒子を製造する方法において、セルロースが溶解しているセルロース溶液を分散相とし、セルロース溶液をせん断する溶液を連続相とし、前記分散相流路と前記連続相流路とが交差する交差部において、前記分散相流路に送液する分散相と前記連続相流路に送液する連続相とを合流させて分散相を連続相でせん断することにより、連続相内に前記セルロース溶液からなる液滴粒子を生成させ、前記液滴粒子からセルロース粒子を得ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のセルロース粒子の製造方法。
  4. 前記分散相流路と前記連続相流路とが交差する交差部において連続相内にセルロース溶液の液滴粒子を生成させる際、前記分散相流路と前記連続相流路とが交差する角度を予め変えた微小流路構造体を選定することで所望の粒子径の液滴粒子を得ることを特徴とする、請求項3に記載のセルロース粒子の製造方法。
  5. 分散相流路に送液する分散相と連続相流路に送液する連続相とを合流させて分散相の液滴粒子を含む連続相を生成させた後、分散相流路と連続相流路とが交差する交差部より前記分散相の液滴粒子を含む連続相が流れる排出流路に、前記分散相の液滴粒子を構成する溶液を酸アルカリ中和反応で除去するための除去溶液が送液される除去溶液流路を交差させ、当該除去溶液流路に前記除去溶液を送液して、前記分散相の液滴粒子を含む連続相と前記除去溶液とを接触させて、酸アルカリ中和反応により前記液滴粒子からセルロース粒子を得ることを特徴とする請求項3または請求項4に記載のセルロース粒子の製造方法。
  6. 前記排出流路において、前記分散相の液滴粒子を冷却して凍結させ、次いで前記凍結した液滴粒子を構成する溶液を除去することによりセルロース粒子を得ることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載のセルロース粒子の製造方法。
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