JP2009014284A - 冷却貯蔵庫 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】貯蔵室15の天井部にドレンパンを兼ねた合成樹脂製のエアダクト50が張られることで、冷却器29を収容した冷却器室34が形成される。エアダクト50の上面には、凍結防止ヒータ81,82が配線された金属製の伝熱プレート70が張られる。エアダクト50の底面50Aにおける奥側の半分の領域には、前後方向に細長い複数本の支持リブ100が、左右方向に間隔を開けて突出形成される。伝熱プレート70は支持リブ100上に載せられた状態で、リベット63Aによりエアダクト50に固定され、結果伝熱プレート70は底面50Aから浮いた状態で支持される。伝熱プレート70の下面側に除霜水が浸入したとしても、支持リブ100の間を通りつつエアダクト50上を流下し、伝熱プレート70とエアダクト50との間で留まるおそれがない。
【選択図】図13
Description
また、冷却器から落ちた霜の塊がエアダクト上で凍結することを防止する手段が講じられ、上記のようにエアダクトが合成樹脂製であることから、凍結防止用のヒータが設けられた金属製の伝熱プレートが備えられ、同伝熱プレートをエアダクト上に敷くようにしている。
ここで、冷却運転中に扉を開閉して庫外から暖かい空気が入ると、その熱を受けてエアダクトが温度上昇するために隙間内の薄い氷が融け、そのとき異音が発生するおそれがあった。また、初めは薄い氷も、除霜運転と冷却運転とが交互に行われることで、融解と氷結とを繰り返しつつ次第に成長する可能性もあり、そうすると、エアダクトの破損や、氷結の場所によっては排水不良を招くおそれがあった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、エアダクトと伝熱プレートとの間で氷結することを防止するところにある。
前記突部が、除霜水の流下方向に沿って細長いリブである。簡単な構造でありながらも、除霜水の流下を妨げることなく、伝熱プレートを広範囲にわたって浮かせた状態に支持することができる。
前記突部にはコーキング材等の接着剤が塗布されて、前記伝熱プレートが接着されている。伝熱プレートをリベット等の締結具でエアダクトに固定する場合、伝熱プレートを突部に接着することで位置決めして仮止めできるから、引き続く固定作業が簡単となる。
以下、本発明の一実施形態を図1ないし図13に基づいて説明する。この実施形態では、4ドア型の冷蔵庫を例示している。
図1及び図2において、符号10は冷蔵庫本体であって、内箱11と外箱12との間に発泡樹脂等からなる断熱材13が充填された前面開口のやや縦長の断熱箱体から構成されており、4本の脚14で支持されているとともに、内部が貯蔵室15となっている。貯蔵室15内には、棚柱16を介して棚網17が多段に設置できるようになっているとともに、貯蔵室15の前面開口部には、十字形に組まれた断熱性の仕切枠18が装着されることで計4個の出入口19が形成され、観音開き式の断熱扉20が上下2段に分かれて装着されている。
冷凍ユニット23は、平面方形をなす断熱性の基台24の上面に、圧縮機26、空冷式の凝縮器27等からなる冷凍装置25が載置されるとともに、下面側に冷却器29が吊り下げて取り付けられ、冷凍装置25と冷却器29とが冷媒配管30(図3)により循環接続された構造となっている。冷却器29は、背面側(図2の右側)が少し下がった斜め姿勢で取り付けられている。
一方、機械室22の底面、言い換えると貯蔵室15の天井壁15Aにおける奥側の位置には、基台24よりも一回り小さい窓孔32が形成されており、上記した冷凍ユニット23の基台24が、冷却器29を窓孔32の下面側に通しつつ同窓孔32を塞いで取り付けられている。
そして、冷凍装置25(圧縮機26)を運転しつつ冷却ファン36を駆動すると、貯蔵室15の庫内空気が冷却ファン36によって吸込口35から冷却器室34内に吸引され、その空気が冷却器29を流通する間に熱交換によって冷気が生成され、その冷気が吹出口37から貯蔵室15の奥面に沿うようにして吹き出され、貯蔵室15内に冷気が循環供給される。また、庫内サーミスタ38(図3)により庫内温度が検知され、庫内温度に応じて冷凍装置25の運転と停止とが制御されて、庫内温度が略一定の冷却温度に維持されるようになっている。
一方、上記したエアダクト50は、除霜水を受けるドレンパンを兼用している。除霜運転は、除霜ヒータ40に通電して冷却器29を加熱することにより行われ、除霜水はエアダクト50(ドレンパン)で受けられたのち、貯蔵室15の背面壁15B内に設けられた排水用通路49を通って庫外に排水されるようになっている。
エアダクト50はABS樹脂等の合成樹脂製であって、図4及び図5に示すように、平面略方形の皿状に形成されており、ただし左右の側壁51は、手前側(図4の左側)から奥側に向けて次第に背が高くなるように形成され、後記するように、同側壁51の上縁が水平姿勢をなすように取り付けられ、その取付状態において、エアダクト50の底面50Aが奥縁に向けて下り勾配となった傾斜姿勢を取るようになっている。
エアダクト50の前縁部には、左右両端部と中央部との3箇所に取付座55が形成されており、この取付座55は、エアダクト50の前壁56の上縁と面一の高さに形成され、ねじの挿通孔57が開口されている。これに対し、窓孔32の下面側における前側の縁部には、同ねじが螺合されるねじ孔(図示せず)が対応して形成されている。
エアダクト50は言い換えると、奥縁側が最深部となっており、図5に示すように、奥壁64における幅方向の中央よりも正面から見て少し左側に寄った位置に、排水路65が形成されている。排水路65は、底部側が円弧状となったU字形断面の溝状に形成され、その底壁がエアダクト50の底面50Aと連続しつつ、奥側に向けて先下がりとなった姿勢を採っている。
また、伝熱プレート70の奥壁73は、エアダクト50の奥壁64の手前側に所定間隔を開けて配されることで、その間に装着空間76が全幅にわたって形成されているとともに、奥壁73の上縁にはフランジ73Aが奥側に直角曲げして形成され、このフランジ73Aが、上記した装着空間76の上面を覆うようになっている。
このように配線された状態で、粘着面を備えたアルミ箔により奥壁73の外面並びにカバー75の上面に貼り付けられる。両リード線81Aは揃って、伝熱プレート70の右側縁に沿って前方に引き出される。
このように第2凍結防水ヒータ82が配線保持されたアルミ箔85が、伝熱プレート70上の所定位置、詳細には、図9に示すように、本体部86が伝熱プレート70の前縁部に沿い、かつ突出部87が突出板72の基端側に突出した位置において貼り付けられる。
8本の支持リブ100は左右方向に間隔を配されており、より詳細には、内側の6本の支持リブ100は、相対的に大きい等間隔を開けて配され、左右両端の支持リブ100とその内側の支持リブ100との間には、上記よりも小さい間隔が開けられてる。また、左右両端の支持リブ100は、左右の取付板52との間に、上記の小さい方の間隔の半分程度の間隔を開けて配されている。
また、支持リブ100は、図6に示すように、幅狭(1.4mm程度)であって、特にその高さHは、エアダクト50の底板の厚さより少し小さい寸法(3mm弱)を有している。
エアダクト50の組み付け並びに取り付けは、以下のようにして行われる。図9に示すように、伝熱プレート70の奥壁73からカバー75にわたり、第1凍結防水ヒータ81が配線される。それとともに、伝熱プレート70の前縁に沿った領域に、第2凍結防止ヒータ82がアルミ箔85を介して所定の形態で配線される。
このように第1及び第2の凍結防止ヒータ81,82が配線装着された伝熱プレート70が、エアダクト50上に張られる。それにはまず、エアダクト50の底面50Aに設けられた支持リブ100の上面に、コーキング材を塗布する。塗布するべく支持リブ100の選択は数も含めて任意であり、また塗布位置も上面に沿った任意の箇所でよい。
この伝熱プレート70の取り付けに伴い、排水口74から突設されたカバー75が、排水路65の中央高さ位置よりも少し上方位置に嵌められる。また図12に示すように、排水路65の基端側の回りには、パッキン98が嵌着される。
次に、同図に示すように、3個の吸込口35にそれぞれ冷却ファン36が載置され、対角の2位置においてねじ60で止められて固定される。各冷却ファン36のリード線36Aも一纏めにされたのち、途中を同パースロック62で保持されて導出される。
それには、図4に参照して示すように、エアダクト50の後縁に突設された排水路65を背面壁15Bの接続管95に差し込みながら、左右の取付板52が窓孔32の左右の周面に沿って下方から入れられ、各取付板52の前後の掛止部53が、それぞれ対応する窓孔32の前後の突部32Aに掛止されて仮保持される。このとき併せて、エアダクト50から引き出された凍結防止ヒータ81,82のリード線81A,84と、冷却ファン36のリード線36Aとが、冷凍ユニット23の基台24に設けられた挿通孔(図示せず)を通して、機械室22内に導出される。
最後に、エアダクト50の前縁側に設けられた3箇所の取付座55の挿通孔57にねじを通し、天井壁15Aのねじ孔に螺合して締め付けることによりエアダクト50が固定され、エアダクト50の取り付けが完了する。
伝熱プレート70に配線された第2凍結防止ヒータ82は、冷却器29における前端部の下方に位置する。また、伝熱プレート70に突設された3本の保護リブ90のうち、左右両端部の保護リブ90については、左右のヒータ取付板41の下縁の直下に位置し、中央の保護リブ90は、冷却器29の下面における幅方向の中央部でかつ前縁から所定長内に入った箇所の下方に対応する。
除霜運転により、冷却器29等に付着した霜が溶けて除霜水となってエアダクト50上に滴下し、その底面の傾斜に倣って奥まで流下し、排水路65を通って背面壁15Bの排水用通路49を流下したのち、ドレンホースを介して所定の排水箇所に排水される。
所定の除霜運転が終了すると、冷却運転が再開される。
このような氷結が生じた場合、冷却運転中に断熱扉20を開閉して庫外から暖かい空気が入ると、その熱を受けてエアダクト50が温度上昇するために隙間内の薄い氷が融け、そのとき異音が発生するおそれがあったり、また、初めは薄い氷も、除霜運転と冷却運転とが交互に行われることで、融解と氷結とを繰り返しつつ次第に成長する可能性もあり、そうするとエアダクト50の破損や、氷結の場所によっては排水不良を招くおそれがある。
また、メンテナンス等において冷却ファン36ともどもエアダクト50が外され、その後に再装着される場合にも、エアダクト50の下面を押し上げる場合があるが、そのときも同様に、保護リブ90がエアダクト50の持ち上げを規制し、第2凍結防止ヒータ82が冷却器29の下面と干渉することが回避される。
したがって、氷結した薄い氷が融けることに起因して異音を発することがなく、また同氷が成長することに起因して、エアダクト50の破損や、排水不良を招くこともない。
支持リブ100にコーキング材を塗布し、接着により伝熱プレート70を支持リブ100に対して位置決めして仮止めできるようにしたから、引き続いて伝熱プレート70をエアダクト50にリベット63Aで固定する作業を、簡単にかつ正確に行うことができる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)伝熱プレートを浮いた状態に支持する支持リブに関し、その数や形状については適宜に変更してもよい。
(2)また、伝熱プレートを浮いた状態に支持する突部としては、上記実施形態に例示した支持リブに限らず、例えばボスのようなものをマトリックス状に配置する等、要は突部の形状や数は任意であり、また突部間に除霜水が流下するスペースが確保される限り、その配置も任意に選定できる。
(3)支持リブ上に伝熱プレートを仮止めする手段として、上記実施形態に例示したコーキング材以外に、他の接着剤を用いてもよい。
(5)伝熱プレートに配される凍結防止ヒータは、いずれか一方であってもよく、また配線の位置も変更可能である。
(6)エアダクトは、冷蔵庫本体の一方の側壁に向けて下り勾配となった姿勢で設けられるようになっていてもよい。
(7)本発明は冷蔵庫に限らず、冷凍庫、急速凍結庫等、要はドレンパンを兼ねたエアダクトが合成樹脂製であって、同エアダクト上にヒータが設けられた金属製の伝熱プレートが敷かれた構造になる冷却貯蔵庫全般に広く適用することができる。
Claims (4)
- 貯蔵庫本体の天井部には、ドレンパンを兼ねた合成樹脂製のエアダクトが一側に向けて下り勾配となった斜め姿勢で張設されることにより冷却器が収容された冷却器室が形成され、前記冷却器からの除霜水が前記エアダクト上を流下して同エアダクトの下部位置に設けられた排水路から前記貯蔵庫本体の壁面に設けられた排水部に排水されるようになっているとともに、
前記エアダクト上にはヒータが設けられた金属製の伝熱プレートが敷かれ、かつ、前記エアダクトには前記伝熱プレートを浮いた状態で支持する複数の突部が、前記除霜水の流下方向とほぼ直交する方向に間隔を開けて並んで設けられていることを特徴とする冷却貯蔵庫。 - 前記突部が、除霜水の流下方向に沿って細長いリブであることを特徴とする請求項1記載の冷却貯蔵庫。
- 前記突部にはコーキング材等の接着剤が塗布されて、前記伝熱プレートが接着されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の冷却貯蔵庫。
- 前記エアダクトにおける上部側の領域には冷却ファンが装着されるとともに、その下部側の領域の上方に前記冷却器が位置するようになっており、前記伝熱プレートは、前記エアダクトにおける前記冷却器の下方領域に加えて、前記冷却ファンの装着位置の近辺に延出して敷かれていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の冷却貯蔵庫。
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