JP2009012905A - エレベータ用巻上機の制動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】この発明は、ライニングと回転部(ブレーキドラムあるいはディスク)の温度上昇を抑制し、損傷防止の可能なエレベータ用巻上機の制動装置を提供する。
【解決手段】制動装置200は、推力を受けて主軸を中心に回動するブレーキドラム209にライニング201を押し付けることによりブレーキドラム209の回動を摩擦によって制動する方式である。この制動装置200は、ライニング201の近傍に設けられた冷却媒体の噴射口から、ライニング201に向けて冷却媒体を噴射する冷却機構を備えたことを特徴とする。この冷却機構は、巻上機制御回路301、冷却媒体保管容器302、供給弁開閉機器303、集合配管具304及びこれらを接続する配管から構成される。
【選択図】図3

Description

この発明は、通常の静止保持時、及び電源遮断や非常制動指令が発令された時に、固定側に設置された摩擦部材(例えばライニング)で回転体の制動面を押圧することによって、静止保持あるいは制動するエレベータ用巻上機の制動装置に関する。
特開平8−193238号公報(特許文献1)では、例えばその図6、図7等に示すパッドには或る金属元素を含む材料を用いることで耐摩耗性を向上させて、信頼性と耐久性を高めたとある。回転部は、摩擦熱の放熱能力を高めるために、2枚構造にしてその間に空間を設けることにより、複雑な構造にはなるが放熱面積を増やしている。上記回転部にパッドが当接して上記回転部の回動を制動する。この従来技術は、回転部の放熱面積を増やしているが、あくまで回転部自身の放熱によって温度上昇を抑制しているため、接触部で発生する制動エネルギーが放熱能力よりも大きい場合、回転部及びパッドの温度が高温になり、摩擦低下を引き起こす。
特表2006−500298号公報(特許文献2)は、例えばその図1に示すように、ライニングが回転部に当接して当該部の温度が上昇して摩擦低下の兆候を監視するために、ライニングとシューの隙間に温度センサーを配設してライニングの温度監視を連続監視している。この特許文献2の制動装置は上記のように構成されていて、通常の静止保持時、及び電源遮断や非常制動指令が発令された時に、固定側に設置されたライニングが回転体の制動面を押圧することによって静止保持、或いは制動する。またその時のライニング状態を温度データを取ることで連続監視する。
特開平8−193238号公報 特表2006−500298号公報
上記のような従来の制動装置において、非常制動が発生した場合、ライニング及び回転部の圧接部は、摺動摩擦による発熱で高温となり、制動エネルギーが大きい場合にはライニングの摺動面が焼けて炭化し、且つ回転部は過熱によって変色する事がある。この時、ライニングの制動特性は著しく低下し、制動装置の役割を果たせなくなり、故障につながる。また、特許文献2のように連続監視していたとしても、巻上機における通常運転時は、静止保持のため、非常制動のようなライニングと回転部は摺動せず、過熱の問題はないが、非常制動が発生し過熱となった場合、温度監視して異常を発見し故障を検出できるが、その時点でライニング及び回転部は損傷しており、損傷防止にはつながらない。
この発明は、かかる課題を解消するためになされたものであり、ライニングと回転部の温度上昇を抑制し損傷防止の可能なエレベータ用巻上機の制動装置を提供することを目的とする。
この発明のエレベータ用巻上機の制動装置は、
推力を受けて主軸を中心に回動する回転部に摩擦部材を押し付けることにより前記回転部の回動を摩擦によって制動するエレベータ用巻上機の制動装置において、
前記摩擦部材の近傍に設けられた冷却媒体の噴射口から前記摩擦部材に向けて冷却媒体を噴射する冷却機構を備えたことを特徴とする。
この発明により、ライニングの温度上昇を抑制し、ライニングの損傷防止の可能なエレベータ用巻上機の制動装置を提供することができる。
実施の形態1.
図1〜図6を用いて、実施の形態1を説明する。実施の形態1は、エレベータ用巻上機の制動装置(以下、単に制動装置という)に関する。実施の形態1の制動装置は、摩擦部材を回転部に押し付けることにより生じる摩擦力で制動する方式である。本実施の形態1の制動装置は、摩擦部材を冷却する冷却機構を備えたことが特徴である。特に、冷却機構は回転中の回転部(ブレーキドラムあるいはディスク)に摩擦部材(ライニングあるいはディスクパッド)を押し付けて制動するときに、この制動に連動して、回転部に押し付けられている摩擦部材に向けて冷却媒体を噴射する点が特徴である。この冷却機構を備えることにより、例えば非常制動時において、制動摩擦状態における短時間でのライニングの著しい温度上昇を抑制し、適切なライニング性能を確保することができる。以下に詳細を説明する。
以下の実施の形態1〜実施の形態3ではドラムブレーキについて説明するが、ディスクブレーキについても同様である。ドラムブレーキの場合は、回転部はブレーキドラム(ロータドラム)であり、摩擦部材はライニングである。ディスクブレーキの場合は、回転部はディスクであり、摩擦部材はディスクパッドである。ディスクブレーキの場合は、ブレーキドラムをディスク、ライニングをディスクパッドと読み替えることで、ドラムブレーキについての説明が当てはまる。
図1は、制動装置としてドラムブレーキを備えたエレベータ用の巻上機100の外観を示す。図2は、冷却機構300の構成を示す図である。本実施の形態1の制動装置は、図1の制動装置200が図2の冷却機構300を備えた構成である。
図1は、エレベータ用の巻上機100を示す図である。図1は、正面から見た場合をしている。巻上機100の機能を説明する。エレベータ用の巻上機100は、駆動綱車(後述する図5の駆動綱車103)にエレベータのかごを懸吊するロープが巻き掛けられる。ロープの他端にはエレベータのかごの昇降を補助するための重りが懸吊されている。巻上機100は、モーター(図示していない)が駆動綱車103を回動してエレベータのかごを昇降する。巻上機100では、駆動綱車103に連動して回動するブレーキドラム209を内側からライニング201を有するブレーキシュー202で押圧して制動する。これにより、昇降させたエレベータのかごを制動する。通常の具体的な制動動作は次の様である。次の停止階でエレベータのかごを停止させるには、モーターの回転を停止させて駆動綱車103の回転を停止させる。これにより、エレベータのかごを次の停止階で停止させる。そして、エレベータのかごを静止保持するため、制動装置200(例えば電磁ブレーキ)により、駆動綱車103に連動して回動するブレーキドラム209を内側からブレーキシュー202で押圧して制動する。
(制動装置200)
制動装置200は、ブレーキドラム209に内蔵される。制動装置200は、可動鉄心205と電磁石になる固定鉄心206とを備える。可動鉄心205には、調整用ボルト204及び球面座203を介して、ブレーキシュー202が取り付けられている。ブレーキシュー202には摩擦部材であるライニング201が取り付けられている。制動装置200は、固定鉄心206に内蔵した電磁コイル207に通電して可動鉄心205を固定鉄心206に吸引することによって、ブレーキシュー202のブレーキドラム209に対する制動を解放する。また、電磁コイル207への通電を遮断して吸引力を無くすと、圧縮状態である押し付けバネ208の力でブレーキシュー202がブレーキドラム209のドラム面210(ドラムの内周面。制動面という場合もある。)に押し付けられることにより、ブレーキドラム209を制動する。
(トルク受け部211)
また、巻上機100のブレーキ装置では、巻上機100の強度部材であるハウジング102がブレーキシュー202にかかるブレーキドラム209の回転トルクを受けるトルク受け部211となっている。即ち、静止保持の場合において、ブレーキドラム209が図1のA方向に回転しようとする重量配分(重りと乗員との重量関係)のときにブレーキシュー202をドラム面210に押圧して制動すると、ブレーキドラム209の回転トルクにより、ブレーキシュー202は、ブレーキドラム209が回転しようとする方向であるA方向に変位する。このとき、トルク受け部211(図1の上部の方)がブレーキシュー202の側面に当接して、A方向に変位しようとするブレーキシュー202を拘束する。ブレーキドラム209がA方向と逆方向に回転しようとする場合も同様である。なお、トルク受け部211は、ハウジング102と一体的に設ける必要はなく、固定鉄心206と一体的に設けてもよく、リジッドに固定されていればよい。
(冷却機構300)
図2の冷却機構300の構成を説明する。図2に示すように、冷却機構300は、巻上機制御回路301(冷却媒体噴射制御部)、冷却媒体保管容器302(冷媒容器)、供給弁開閉機器303(供給弁開閉部)、集合配管具304(冷却媒体分配部)及び冷却媒体保管容器302と供給弁開閉機器303とをつなぐ配管、供給弁開閉機器303と集合配管具304をつなぐ配管、及び冷却媒体の噴射口333を有する配管を備える。冷却媒体332の充填された冷却媒体保管容器302は、配管310−1を介して供給弁開閉機器303に接続している。供給弁開閉機器303は供給弁341を備えるとともに、配管310−2を介して集合配管具304に接続している。供給弁開閉機器303は、巻上機制御回路301の出力した制御信号320に応じて供給弁341を開閉する。供給弁341が開かれると冷却媒体332が配管310−2を介して集合配管具304に供給される。集合配管具304は、供給弁開閉機器303から出力された冷却媒体332を複数の配管に分配する分配機器である。図2では、集合配管具304は、供給弁開閉機器303から出力された冷却媒体を配管310−3aと配管310−3bとに分配しているが、これは一例である。配管310−3aは、冷却媒体保管容器302から供給された冷却媒体332を先端のノズル331aの噴射口333aからライニング201aに向けて噴射する。配管310−3bについても、配管310−3aと同様である。なお、冷却媒体保管容器302は、図2のように冷却手段によって冷却しても構わない。冷却手段としては、例えばペルチェ素子である。
図3〜図5を参照して、実施の形態1における冷却機構300を備えた制動装置200の構成を具体的に説明する。
図3は、図1の制動装置200に図2の冷却機構300を取り付けた場合を示す図である。図1の制動装置200はブレーキシューは片側2個のものを示したが、図3では左右のブレーキシューが各1個の場合を示した。ハッチング部分は、制動装置200の構成部品を示している。すなわち、ハッチングは、ブレーキドラム209、ライニング201、ブレーキシュー202、調整用ボルト204、可動鉄心205、固定鉄心206につけた。また、集合配管具304からは、左のライニング201に向かって噴射口333を有する配管310−4、310−5の2本が延びており、同様に、左のライニング201に向かって噴射口333を有する配管310−6、配管310−7の2本が延びている。
図4は、図3に示した巻上機100の左半分の内部構造を示す図である。図4には、ブレーキドラム209の一部、電磁コイル207、押し付けバネ208を表した。
図5は、図4のA−A矢視を示す図である。図5は、冷却媒体332がライニング201(摩擦部材の一例)に向けて噴射口333から噴射される状態を説明する図である。配管310−6にはノズル331が形成されている。ノズル331の噴射口333から冷却媒体332がライニング201に向けて噴射される。図5に示すように、ノズル331の噴射口333は、ライニング201の近傍に配置されている。
図6は冷却機構300の動作を示すフローチャートである。図6及び図2,3,5等を参照して、冷却機構300の動作を説明する。
(1)冷却媒体保管容器302には、大気圧よりも高い高圧の冷却媒体332が充填されている。冷却媒体としては、例えば、空気あるいは窒素あるいは不活性ガス(ヘリウム、アルゴン等)である。冷却媒体保管容器302は、巻上機100の近傍もしくは巻上機100から離間して保守し易い位置に配置される。冷却媒体保管容器302は、取り替えが可能である。なお、建屋に冷却媒体を供給する配管が具備されている場合は、冷却媒体保管容器302の代わりに、その冷却媒体を供給する配管の供給口に供給弁開閉機器303を接続してもよい。
(2)供給弁開閉機器303は、冷却媒体保管容器302から冷却媒体332が供給されるが、通常の状態では供給弁開閉機器303の供給弁341は閉じられており、冷却媒体332は配管310−2には出力されない。
(3)巻上機制御回路301は、噴射口333からの冷却媒体332の噴射を制御する冷却媒体噴射制御部としても機能する。巻上機制御回路301(冷却媒体噴射制御部)は、制動を指示する所定の入力信号340を入力すると(S101)、供給弁341を開くことを指示する制御信号320を供給弁開閉機器303に出力する(S102)。図1の説明でも述べたように、エレベータの通常運転時には、モーターの回転停止により駆動綱車103の回転が停止してエレベータのかごを停止させ、かごを静止保持するため制動装置200で制動する。しかし、冷却機構300は、そのような通常運転時の静止保持のための制動ではなく、回転中のブレーキドラム209をライニング201で制動する場合において、ブレーキドラム209のドラム面210(内周面)に押し付けられているライニング201に向けて冷却媒体332を噴射する。
(4)例えば、巻上機制御回路301(冷却媒体噴射制御装置)は、制動を指示する所定の入力信号340を入力すると、制動装置200が電磁ブレーキであれば、電磁ブレーキの通電を遮断する制御信号350を電磁ブレーキに出力するとともに、供給弁341を開くことを指示する制御信号320を供給弁開閉機器303に出力する。制動を指示する所定の入力信号340とは、例えば、エレベータ用巻上機100の電源遮断を通知する電源遮断信号や非常制動を指示する非常制動信号である。すなわち、巻上機制御回路301は、制動を指示する所定の入力信号340として、電源遮断信号あるいは非常制動信号を入力すると、制動信号350により制動装置200の電磁コイル207の通電を遮断する。制動装置200は、電磁コイル207の通電が遮断されると、押し付けバネ208によって、ブレーキシュー202に装着されたライニング201がドラム面210(内周面)に押し付けられる。これにより回転中のブレーキドラム209にブレーキがかけられる。
(5)このとき巻上機制御回路301は、同時に、供給弁341を開くことを指示する制御信号320を供給弁開閉機器303に出力する。供給弁341を開くことを指示する制御信号320により、次のように、回転中のブレーキドラム209を制動するライニング201を冷却することができる。
(6)供給弁開閉機器303は、供給弁341を開くことを指示する制御信号320を入力すると、供給弁341を開く(S103)。
(7)供給弁341が開かれると、例えば図2の場合で説明すると、冷却媒体保管容器302に充填されている冷却媒体332の圧力は高圧であるため、冷却媒体保管容器302に充填されている冷却媒体332が、供給弁開閉機器303から配管310−2を介して集合配管具304により配管310−3aと配管310−3bとに分配され、噴射口333a及び噴射口333bからライニング201a,201bに向けて噴射される(S104)。これにより回転中のブレーキドラム209のドラム面210に押し付けられたライニングを冷却することができる。噴出された冷却媒体332は、ライニング201等の周囲の構成機器の熱を奪って巻上機100の機外に放出される。冷却媒体332が噴射される噴射口は、冷却媒体332がその噴射口からライニングに向けて噴射されると、その噴射口からライニングを経て巻上機の機外へ抜ける流路を形成するような形状であり、そのような位置に配置される。
(8)巻上機制御回路301(冷却媒体噴射制御装置)は、供給弁341を開くことを指示する制御信号320を出力した後、所定の期間が経過すると、供給弁341を閉じることを指示する制御信号320を供給弁開閉機器303に出力する(S105)。
(9)供給弁開閉機器303は、供給弁341を閉じることを指示する制御信号320を入力すると、供給弁341を閉じる(S106)。
(10)供給弁341が閉じられると、噴射口333からの冷却媒体332の噴射が止まる(S107)。
(11)なお、巻上機制御回路301は、供給弁341を開くことを指示する制御信号320、供給弁341を閉じることを指示する制御信号320を出力した場合は、出力したことを示す信号を他の所定の装置に出力する。
以上のように、巻上機の通常運転時における静止保持においては、設計計画値内の制動能力で使用されるため、ライニングと回転部が圧接する部位の温度は問題にならない。しかし、かごが走行中で巻上機が回転している際(回転部が回転中)に、電源遮断もしくは非常制動信号を受けた場合には、この情報を受けて冷却媒体の供給弁開閉機器の供給弁が「開」となり、冷却媒体保管容器から配管、ノズルを経由して冷却媒体(計装圧縮空気もしくは圧縮窒素ガス)を上記圧接する制動面に回転部が停止するまで、もしくは停止後ある一定時間吹付けることに拠り、摺動摩擦で発生する発熱による急激な温度上昇を抑制する。
この結果、ライニングは焼損や炭化することなく、回転部も過熱に拠る変色などが抑えられるので、非常制動後も取り替えることなく連続的に使用可能となる。
実施の形態2.
図7〜図9を用いて、実施の形態2を説明する。実施の形態2は、ノズル331を用いる代わりに、ノズル331に相当する貫通穴を形成したトルク受け部211(巻上機固定部)を用いることにより、この貫通穴にノズル331と同等の機能を持たせるようにしたものである。さらに実施の形態2では、制動面210の表面温度を非接触で検知する温度センサー335を使用する場合を説明する。
(トルク受け部211)
図7の一点鎖線の範囲を拡大した図が、図8である。図8は、トルク受け部211に、貫通穴であるトルク受け部貫通穴212を形成した状態を示している。このトルク受け部貫通穴212にノズル331と同等の機能を持たせるようにした。すなわち、集合配管具304に接続した配管310−6がトルク受け部貫通穴212の入力口に接続している。冷却媒体332は、トルク受け部貫通穴212の噴射口213からライニング201に向けて噴射する。下側のトルク受け部貫通穴212についても同様である。
(温度センサー335)
図8は、温度センサー335を示す図である。図8は図7のA矢視である。温度センサー335は、ブレーキドラム209の制動面210の表面温度(即ちライニング201の周辺温度)を非接触に検知する。温度センサー335の検知信号は、巻上機制御回路301(冷却媒体噴出制御部)に送られる。巻上機制御回路301は、温度センサー335の検知信号を入力すると、検知信号の示す温度が或る閾値以上に達しているかどうかを判定する。巻上機制御回路301は、制動を指示する所定の制動指示信号(例えば非常制動信号)を入力した場合には、制動面の温度が或る閾値以上に達したと検知信号に基づき判定した場合に限り、供給弁341を開くことを指示する制御信号320を供給弁開閉機器303に出力する。逆に言えば、巻上機制御回路301は、制動を指示する所定の制動指示信号(例えば非常制動信号)を入力したとしても、制動面の温度が或る閾値以上に達したと判定しない限り、供給弁341を開くことを指示する制御信号320を供給弁開閉機器303に出力しない。
このように、温度センサー335の検知信号に基づき温度を判定することで、冷却媒体の消費を抑制できる。
実施の形態3.
図10、図11を用いて実施の形態3を説明する。実施の形態3は、ライニングに冷却媒体の通過する通路を形成した実施形態である。図10は実施の形態3におけるライニング400を示す図である。図10の(a)は正面図である。図10の(b)は左側面図である。図10の(c)はA−A断面図である。
ライニング400には、冷却媒体332を通過させる溝である冷却媒体用溝401が、縦に2本、横に4本形成されている。また、ライニング400には、貫通穴であるライニング貫通穴402が8個形成されている。図11は、ライニング400の用いられ方を示す模式図である。図11に示すようにライニング400はブレーキシュー410に取り付けられるが、ブレーキシュー410には冷却媒体332を通過させる貫通穴であるブレーキシュー貫通穴411が計8箇所あけられている。ブレーキシュー貫通穴411の一端には、集合配管具304から伸びる配管310が接続する。ブレーキシュー貫通穴411の他端は、ライニング貫通穴402のブレーキシュー410側の端部に接続する。配管から供給される冷却媒体332は、ブレーキシュー貫通穴411からライニング貫通穴402を抜けて図10に示すように4方向の経路に導かれる。この場合、図11に示すように、ライニング400は、ブレーキドラム209の制動面210に押し付けられているので、ライニング貫通穴402を抜けた冷却媒体332によりライニング400とブレーキドラム209とが冷却される。
この発明は、以上説明したように、非常制動時に短時間での制動摩擦状態におけるライニングの著しい温度上昇を抑制して、適切なライニング性能を確保することができる。
以上の実施の形態の制動装置では、回転部(ブレーキドラムもしくはブレーキディスク板)と摩擦部材(ライニングあるいはディスクパッド)とが接触する部位に冷却媒体を強制的に供給する冷却機構を設けた。また通常運転中のエレベータにおいて、電源遮断や非常制動指令を受けた時に、一定時間上記冷却媒体を供給し、且つ強制冷却が実行されたことを示す信号を伝達できる機構を有するものとした。さらに、回転部の温度を非接触で感知する温度センサーを回転部近傍に設置して、温度の閾値を超える信号を受けて、一定時間上記冷却媒体を供給する機構を有するものとした。
以上の実施の形態では、推力を受けて主軸を中心に回動する回転部(ドラムもしくはディスク板)と、上記回転部に当接して上記回転部の回動を制動するブレーキライニングを備えたエレベータ用巻上機の制動装置であって、上記ライニングの近傍にノズルを配置し、ライニング及び当接している回転部に冷却媒体を強制的に供給する機構を有することを特徴とするエレベータ巻上機の制動装置を説明した。
以上の実施の形態では、上記冷却機構は、電源遮断や非常制動の信号を受けて冷却媒体の供給源の弁を開とし、一定時間を経過後に弁を閉にする供給弁開閉機器を備えたことを特徴とするエレベータ巻上機の制動装置を説明した。
以上の実施の形態では、上記冷却機構において、冷却媒体は大気よりも圧力が高く、巻上機の近傍もしくは巻上機から離間して保守し易い位置にその取替え可能な容器を配置し、(もしくは建屋に冷却媒体を供給する配管が具備されている場合は、その供給口に上記供給弁開閉機器を備えた上で、)配管で巻上機内部に接続されて、ライニング近傍で放出された後には無害な気体状態であるとともに、周囲の構成機器の熱を奪って巻上機の機外に放出されることを特徴とするエレベータ巻上機の制動装置を説明した。
以上の実施の形態では、上記冷却機構において、回転部近傍に回転部の温度を非接触で感知する温度センサーを設置して、温度の閾値を超える信号を受けて冷却媒体の供給源の弁を開とし、一定時間を経過後に弁を閉にする供給弁開閉機器を備えたことを特徴とするエレベータ巻上機の制動装置を説明した。
実施の形態1に係る巻上機の外観を示す図。 実施の形態1に係る冷却機構300を示す図。 実施の形態1に係る巻上機の外観を示す図。 図3に示した巻上機の左半分の内部構造を示す図。 図4のA−A矢視を示す図。 実施の形態1に係る冷却機構300の動作を示すフローチャート。 実施の形態2に係る巻上機の外観を示す図。 図7の一点鎖線範囲の拡大図。 実施の形態2に係る温度センサー335の配置を示す図。 実施の形態3に係るライニング400を示す図。 実施の形態3に係るライニング400の使用状態を示す図。
符号の説明
100 巻上機、101 軸、102 ハウジング、103 駆動綱車、200 制動装置、201 ライニング、202 ブレーキシュー、203 球面座、204 調整用ボルト、205 可動鉄心、206 固定鉄心、207 電磁コイル、208 押し付けバネ、209 ブレーキドラム、210 制動面、211 トルク受け部、212 トルク受け部貫通穴、213 噴射口、300 冷却機構、301 巻上機制御回路、302 冷却媒体保管容器、303 供給弁開閉機器、304 集合配管具、310 配管、320 制御信号、331 ノズル、332 冷却媒体、333 噴射口、334 流路、335 温度センサー、340 入力信号、341 供給弁、400 ライニング、401 冷却媒体用溝、402 ライニング貫通穴、410 ブレーキシュー、411 ブレーキシュー貫通穴。

Claims (8)

  1. 推力を受けて主軸を中心に回動する回転部に摩擦部材を押し付けることにより前記回転部の回動を摩擦によって制動するエレベータ用巻上機の制動装置において、
    前記摩擦部材の近傍に設けられた冷却媒体の噴射口から前記摩擦部材に向けて冷却媒体を噴射する冷却機構を備えたことを特徴とするエレベータ用巻上機の制動装置。
  2. 前記冷却機構は、
    制動を指示する所定の制動指示信号を入力したときに、前記噴射口から前記摩擦部材に向けて冷却媒体を噴射することを特徴とする請求項1記載のエレベータ用巻上機の制動装置。
  3. 前記所定の制動指示信号は、
    前記エレベータ用巻上機の電源遮断を通知する電源遮断信号と非常制動を指示する非常制動信号とのいずれかであることを特徴とする請求項2記載のエレベータ用巻上機の制動装置。
  4. 前記冷却機構は、
    前記摩擦部材の周辺の温度を検知する温度センサーを備えるとともに、前記所定の制動指示信号を入力した場合であっても、前記温度センサーの出力した検知信号が所定の閾値以上の温度を示す場合に限り、前記噴射口から前記摩擦部材に向けて冷却媒体を噴射することを特徴とする請求項2または3のいずれかに記載のエレベータ用巻上機の制動装置。
  5. 前記冷却機構は、
    冷却媒体が充填された冷媒容器であって前記エレベータ用巻上機の周辺に配置されるとともに他の冷媒容器と取り替え可能な冷媒容器に充填された冷却媒体を前記噴射口から噴射することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のエレベータ用巻上機の制動装置。
  6. 前記冷却媒体は、
    前記噴射口から前記摩擦部材に向けて噴射されると、前記噴射口から前記摩擦部材を経て前記エレベータ用巻上機の機外へ抜ける流路を形成することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のエレベータ用巻上機の制動装置。
  7. 前記冷却媒体は、
    空気と不活性ガスとのいずれかであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のエレベータ用巻上機の制動装置。
  8. 前記摩擦部材は、
    回動中の前記回転部に押し付けられ、
    前記冷却機構は、
    前記摩擦部材が回動中の前記回転部に押し付けられることと連動して、前記噴射口から前記摩擦部材に向けて冷却媒体を噴射することを特徴とする請求項1記載のエレベータ用巻上機の制動装置。
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