JP2010064816A - 乗客コンベア - Google Patents
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Abstract
【課題】ブレーキライニングが発煙に達しない異常上昇規制温度に加え、異常上昇規制温度より低い許容上限温度を検出できる乗客コンベアを得ることを目的とする。
【解決手段】駆動モータ10に制動をかける制動装置28を有する駆動機9を備える乗客コンベアにおいて、制動装置28は、ブレーキライニング30a,30bを有するインナーディスク29と、アウターディスク34と、アーマチュア37と、インナーディスク29をアーマチュア37とアウターディスク34との間に加圧挟持させてインナーディスク29に制動をかけるコイルばね65と、インナーディスク29から離反させる電磁力を発生させる制動解除手段と、ブレーキライニング30a,30bが発煙に達しない異常上昇規制温度に到達したこと、及び異常上昇規制温度より低い許容上限温度に到達したことを検出して、検出情報を出力する温度情報取得手段50Aと、を備えている。
【選択図】図3
【解決手段】駆動モータ10に制動をかける制動装置28を有する駆動機9を備える乗客コンベアにおいて、制動装置28は、ブレーキライニング30a,30bを有するインナーディスク29と、アウターディスク34と、アーマチュア37と、インナーディスク29をアーマチュア37とアウターディスク34との間に加圧挟持させてインナーディスク29に制動をかけるコイルばね65と、インナーディスク29から離反させる電磁力を発生させる制動解除手段と、ブレーキライニング30a,30bが発煙に達しない異常上昇規制温度に到達したこと、及び異常上昇規制温度より低い許容上限温度に到達したことを検出して、検出情報を出力する温度情報取得手段50Aと、を備えている。
【選択図】図3
Description
この発明はブレーキライニングの温度を検出する温度情報取得手段が制動装置に配設された駆動機を備える乗客コンベアに関する。
従来のエスカレータの電磁ブレーキ制御装置の電磁ブレーキは、駆動モータの駆動力により回転する入力軸に外嵌固定された歯車に、歯車と共回りするように、かつ、歯車の軸方向に移動可能に嵌合されたブレーキディスクと、ブレーキディスクを介して相対するブレーキシュー及びアウターディスクと、ブレーキシューをブレーキディスク側に付勢し、ブレーキディスクをブレーキシュー及びアウターディスクの間に加圧挟持させ、ブレーキシューとブレーキディスクの摩擦力及びアウターディスクとブレーキディスクの摩擦力によりブレーキディスクに制動をかけるスプリングと、スプリングの付勢力に抗してブレーキシューをブレーキディスクから離反させるための吸引力を発生させる電磁コイルと、ブレーキシューの少なくとも表面近くに設けられ、ブレーキシューが発煙に達しない温度に異常昇温した際、駆動モータを停止させる検温スイッチと、を備えている(例えば、特許文献1参照)。
従来のエスカレータの電磁ブレーキ制御装置において、ブレーキディスクの摩耗粉が歯車とブレーキディスクの間に入り込むなどすると、歯車とブレーキディスクとの間の摩擦抵抗が大きくなり、ブレーキディスクが歯車の軸方向に移動しにくくなる。この状態で、アウターディスクとの間にブレーキディスクを加圧挟持していたブレーキシューを吸引した場合、摩擦抵抗がブレーキディスクとアウターディスクとの間に残った状態でブレーキディスクが保持される。
また、電磁コイルにより発生するブレーキシューの吸引力が何らかの原因で低下するような電磁ブレーキの故障が発生すると、ブレーキシューは吸引されつつもブレーキディスクから離反されず、ブレーキシューがブレーキディスクに押圧状態に保持される。つまり、摩擦抵抗がブレーキディスクとブレーキシューとの間に残った状態でブレーキディスク及びブレーキシューが保持される。
そして、摩擦抵抗がブレーキディスクとアウターディスクとの間やブレーキディスクとブレーキシューとの間に残った状態で、ブレーキディスクが回転した場合、ブレーキディスクとアウターディスクとの間、またはブレーキディスクとブレーキシューとの間に発生する摩擦熱が小さく、ブレーキディスクが検温スイッチの検出温度に達しなかったり、達したとしても当該温度に達するのに長時間を要したりする。
これにより、ブレーキディスクが、ブレーキシューやアウターディスクとの間に摩擦力を働かせたまま長時間回転し続けるので、ブレーキディスクが不要に摩耗されてしまうという問題があった。
これにより、ブレーキディスクが、ブレーキシューやアウターディスクとの間に摩擦力を働かせたまま長時間回転し続けるので、ブレーキディスクが不要に摩耗されてしまうという問題があった。
この発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、ブレーキライニングとアウターディスク及びブレーキライニングとアーマチュアとの間の摩擦によってブレーキライニングが不測に温度上昇したときに、ブレーキライニングが発煙に達しない異常上昇規制温度に加え、異常上昇規制温度より低い許容上限温度を検出できるようにし、ブレーキライニングの不要な摩耗を検出可能に構成した乗客コンベアを得ることを目的とする。
この発明は、乗り口及び降り口の間に循環走行可能に配設された複数の踏段を走行させる駆動力を発生する駆動モータ、及び該駆動モータに制動をかける制動装置を有する駆動機を備える乗客コンベアにおいて、制動装置は、駆動モータの駆動力が伝達されて軸まわりに回転する制動軸に該制動軸の軸方向に移動可能に外嵌された主板、及び該主板の両面に取り付けられたブレーキライニングを有するインナーディスクと、インナーディスクの一面と相対するように配置され、制動軸の軸まわりの回転、及び軸方向の移動を規制されて配設されたアウターディスクと、インナーディスクを介してアウターディスクと相対するように配置され、制動軸の軸まわりの回転を規制され、軸方向に移動可能に配設されたアーマチュアと、アーマチュアをインナーディスク側に付勢してインナーディスクをアーマチュアとアウターディスクとの間に加圧挟持させてインナーディスクに制動をかける制動付勢手段と、制動付勢手段の付勢力に抗してアーマチュアをインナーディスクから離反させる電磁力を発生させる制動解除手段と、ブレーキライニングが発煙に達しない異常上昇規制温度に到達したこと、及び異常上昇規制温度より低い許容上限温度に到達したことを検出して、上昇規制温度到達信号及び許容上限温度到達信号を出力する温度情報取得手段と、を備えている。
この発明によれば、温度情報取得手段が、ブレーキライニングが発煙に達しない異常上昇規制温度に到達したことに加え、異常上昇規制温度より低い許容上限温度に到達したことを検出できるように構成されているので、ブレーキライニングの不要な摩耗の検出を、許容上限温度の検出に対応させて行うことができる。
以下、この発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る乗客コンベアの模式図、図2はこの発明の実施の形態1に係る乗客コンベアの上部機械室内の要部上面図、図3は図2の駆動機の制動装置をA方向から見た要部側面図、図4は図3のVI−VI矢視断面図、図5は図3のV−V矢視断面図、図6はこの発明の実施の形態1に係る発明の乗客コンベアのシステム構成図である。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る乗客コンベアの模式図、図2はこの発明の実施の形態1に係る乗客コンベアの上部機械室内の要部上面図、図3は図2の駆動機の制動装置をA方向から見た要部側面図、図4は図3のVI−VI矢視断面図、図5は図3のV−V矢視断面図、図6はこの発明の実施の形態1に係る発明の乗客コンベアのシステム構成図である。
乗客コンベアとしてのエスカレータ1の主な構成について説明する。
図1及び図2において、乗客コンベアとしてのエスカレータ1は、上下階床間に架設された主枠2と、主枠2の上階側及び下階側に設置された上部機械室3及び下部機械室4と、上部機械室3に配設され、駆動モータ10、駆動モータ10の駆動に連動して回転する小スプロケット14を有する減速機11、及び減速機11に配設され、駆動モータ10に制動をかける制動装置28により構成される駆動機9と、上部機械室3に配設された大スプロケット15と、を備えている。
図1及び図2において、乗客コンベアとしてのエスカレータ1は、上下階床間に架設された主枠2と、主枠2の上階側及び下階側に設置された上部機械室3及び下部機械室4と、上部機械室3に配設され、駆動モータ10、駆動モータ10の駆動に連動して回転する小スプロケット14を有する減速機11、及び減速機11に配設され、駆動モータ10に制動をかける制動装置28により構成される駆動機9と、上部機械室3に配設された大スプロケット15と、を備えている。
さらに、エスカレータ1は小スプロケット14と大スプロケット15との間に無端状に巻き掛けられ、駆動モータ10の駆動に連動させて大スプロケット15を回転せしめる駆動鎖17と、大スプロケット15と同軸に配設された上部スプロケット18と、下部機械室4に配設された下部スプロケット19と、上部スプロケット18及び下部スプロケット19に無端状に巻き掛けられ、駆動モータ10の駆動力により循環走行する踏段鎖20と、踏段鎖20に連結され、踏段鎖20の循環走行に連動して乗り口及び降り口の間を循環走行する複数の踏段21と、エスカレータ1の動作制御を行う制御手段としてのエスカレータ制御盤7と、を備えている。
また、エスカレータ1は図6に示されるように、駆動モータ10に給電するための電源71と、電源71と駆動モータ10との間の給電経路の接続と遮断を切り替え可能に構成された駆動停止手段としての遮断回路72と、を備える。
なお、図1において、踏段21は一部のみを図示している。
また、エスカレータ1は図6に示されるように、駆動モータ10に給電するための電源71と、電源71と駆動モータ10との間の給電経路の接続と遮断を切り替え可能に構成された駆動停止手段としての遮断回路72と、を備える。
なお、図1において、踏段21は一部のみを図示している。
次いで、駆動機9の詳細について説明する。
図2〜図5において、減速機11は、図示しない駆動モータ10の軸(モータ軸)の一端が挿入される筺体12と、モータ軸のトルクが伝達されるように構成され、モータ軸に連動して回転する出力軸13と、出力軸13の一端側に同軸に固定された小スプロケット14と、を備える。なお、出力軸13の一端側は、筺体12の壁から延出されている。
図2〜図5において、減速機11は、図示しない駆動モータ10の軸(モータ軸)の一端が挿入される筺体12と、モータ軸のトルクが伝達されるように構成され、モータ軸に連動して回転する出力軸13と、出力軸13の一端側に同軸に固定された小スプロケット14と、を備える。なお、出力軸13の一端側は、筺体12の壁から延出されている。
また、制動装置28は、モータ軸の回転に連動して回転する制動軸41に制動軸41の軸方向に移動可能にスプラインハブ47を介して外嵌された主板31、及び主板31の両面に取り付けられたブレーキライニング30a,30bを有するインナーディスク29と、インナーディスク29の一面と相対するように配設されたアウターディスク34と、インナーディスク29を介してアウターディスク34と相対するように配置され、制動軸41の軸方向に移動可能に配設されたアーマチュア37と、を備えている。
また、制動装置28は、アーマチュア37をインナーディスク29側に付勢し、インナーディスク29をアーマチュア37及びアウターディスク34の間に加圧挟持させ、アーマチュア37及びアウターディスク34とブレーキライニング30a,30bとの摩擦力によりインナーディスク29に制動をかける制動付勢手段としてのコイルばね65と、コイルばね65の付勢力に抗してアーマチュア37をインナーディスク29から離反させるための吸引力を発生させる制動解除手段57と、アーマチュア37及びアウターディスク34とブレーキライニング30a,30bとの間の摩擦によってブレーキライニング30a,30bが不測に温度上昇したときに、ブレーキライニング30a,30bが発煙に達しない異常上昇規制温度及び異常上昇規制温度より低い許容上限温度を検出する温度情報取得手段50Aと、を備えている。
制動軸41は、筺体12内でモータ軸のトルクが伝達されるようにモータ軸に連結され、制動軸41の一端側は、駆動モータ10と反対側の筺体12の壁から延出している。
そして、スプラインハブ47が、制動軸41の一端側に外嵌固定されている。また、主板31は、軸孔32が同心に形成された円盤形状を有している。そして、スプラインハブ47のスプライン部と噛合する溝(図示せず)が、軸孔32の内壁に設けられている。
そして、主板31は、スプライン結合によりスプラインハブ47に外嵌され、インナーディスク29はスプラインハブ47及び制動軸41と供回りするとともに、制動軸41の軸方向に移動可能になっている。
そして、主板31は、スプライン結合によりスプラインハブ47に外嵌され、インナーディスク29はスプラインハブ47及び制動軸41と供回りするとともに、制動軸41の軸方向に移動可能になっている。
また、第1キー溝41aが、図4及び図5に示されるように、制動軸41の周方向の所定部位に、制動軸41の軸方向の一端側に形成されている。さらに、第2キー溝47aが、スプラインハブ47の内壁の周方向の所定部位に、スプラインハブ47の軸方向に亘って形成されている。
そして、制動軸41とスプラインハブ47とは、第1キー溝41a及び第2キー溝47aの開口が相対するように配置されている。また、キー板25が、第1キー溝41aと第2キー溝47aをまたぐように第1キー溝41a及び第2キー溝47aに圧入されている。これにより、スプラインハブ47は、制動軸41に対して周方向の位置ずれを発生させることなく、制動軸41の回転に連動して回転する。
また、制動解除手段57は、第1制動軸挿通孔59が同心に形成された円盤形状のヨーク58、及びヨーク58に嵌装された電磁コイル62により構成されている。
さらに、環状溝60が、ヨーク58の一面に環状に開口するように第1制動軸挿通孔59に同心に形成され、また、3つのばね収納穴61が、ヨーク58の一面の外縁側に開口するように、ヨーク58の周方向に120°のピッチで所定の深さに形成されている。
なお、図3では、制動解除手段57の図示は省略し、ばね収納穴61の形成位置のみを図示している。
そして、電磁コイル62が環状溝60に配設されている。このとき、エスカレータ制御盤7が電磁コイル62への通電を制御可能に構成されている。
さらに、環状溝60が、ヨーク58の一面に環状に開口するように第1制動軸挿通孔59に同心に形成され、また、3つのばね収納穴61が、ヨーク58の一面の外縁側に開口するように、ヨーク58の周方向に120°のピッチで所定の深さに形成されている。
なお、図3では、制動解除手段57の図示は省略し、ばね収納穴61の形成位置のみを図示している。
そして、電磁コイル62が環状溝60に配設されている。このとき、エスカレータ制御盤7が電磁コイル62への通電を制御可能に構成されている。
そして、ヨーク58は、その一面がアーマチュア37と相対し、他面が筺体12の一面に密接し、制動軸41が第1制動軸挿通孔59に遊嵌状態に貫通するように、筺体12の一面に固定されている。
また、3つのボルト48が、ヨーク58の一面の外周近傍から垂直に突出するようにヨーク58の周方向に120°のピッチでヨーク58に締着固定されている。なお、ボルトのヨーク58近傍の部位は、大径部48aに構成され、大径部48aの外周面は滑らかな曲面となっている。
また、アーマチュア37は、第2制動軸挿通孔38が同心に形成された円盤形状に構成されている。さらに、ガイド孔39が図5に示されるように、アーマチュア37の周縁近傍の部位にアーマチュア37の厚み方向に孔方向を一致させて穿設されている。詳細には図示しないが、ガイド孔39は120°のピッチでアーマチュア37の周縁近傍に形成されている。
さらに、2つの第1収納穴42が、図3に示されるように、アーマチュア37の周方向に180°のピッチで、かつ径方向に所定の深さとなるようにアーマチュア37に形成されている。また、2つの第2収納穴43が、アーマチュア37の周方向に180°のピッチで、かつ径方向に所定の深さを有するようにアーマチュア37に形成されている。
このとき、ガイド孔39、第1収納穴42、及び第2収納穴43は、周方向位置を変えてアーマチュア37に形成されている。
さらに、2つの第1収納穴42が、図3に示されるように、アーマチュア37の周方向に180°のピッチで、かつ径方向に所定の深さとなるようにアーマチュア37に形成されている。また、2つの第2収納穴43が、アーマチュア37の周方向に180°のピッチで、かつ径方向に所定の深さを有するようにアーマチュア37に形成されている。
このとき、ガイド孔39、第1収納穴42、及び第2収納穴43は、周方向位置を変えてアーマチュア37に形成されている。
そして、アーマチュア37は、ボルト48がガイド孔39を貫通し、かつ、制動軸41が第2制動軸挿通孔38を貫通するように、インナーディスク29とヨーク58との間に配置されている。このとき、ボルト48の大径部48aが、図5に示されるようにガイド孔39に挿入され、アーマチュア37は、制動軸41の軸まわりの回転を規制されるとともに、大径部48aにガイドされて、制動軸41の軸方向に移動できるように構成されている。
そして、コイルばね65が、アーマチュア37の他面とばね収納穴61の底との間に縮設され、アーマチュア37をインナーディスク29側に付勢している。
また、アウターディスク34は、第3制動軸挿通孔35が同心に穿設された円盤形状に構成され、さらに、ボルト挿通孔36が、図5に示されるようにアウターディスク34の周縁近傍の部にアウターディスク34の厚み方向に孔方向を一致させて穿設されている。詳細には図示しないが、ボルト挿通孔36は120°のピッチでアウターディスク34の周縁近傍に形成されている。
さらに、2つの第3収納穴44が、図3に示されるように、アウターディスク34の周方向に180°のピッチで、かつ径方向に所定の深さを有するようにアウターディスク34に形成されている。また2つの第4収納穴45が、アウターディスク34の周方向に180°のピッチで、かつ径方向に所定の深さを有するようにアウターディスク34に形成されている。
このとき、ボルト挿通孔36、第3収納穴44、及び第4収納穴45は、アウターディスク34の周方向の位置をずらして形成されている。
このとき、ボルト挿通孔36、第3収納穴44、及び第4収納穴45は、アウターディスク34の周方向の位置をずらして形成されている。
そして、アウターディスク34は、ボルト48の一端がボルト挿通孔36に挿通され、制動軸41の一端側が第3制動軸挿通孔35に挿入されるように、かつ、インナーディスク29を介してアーマチュア37と相対するように配置されている。さらに、アウターディスク34は、その一面側及び他面側からボルト48に螺合されたナット49により、締着固定されている。つまり、アウターディスク34の制動軸41の軸まわりの回転、及び軸方向の移動が規制されている。
このとき、アーマチュア37がコイルばね65の付勢力により、インナーディスク29側に押しつけられたとき、図4及び図5に示されるようにアーマチュア37とヨーク58との間に所定のギャップBが形成されるように、アウターディスク34のボルト48の軸方向の位置が調整されている。
また、温度情報取得手段50Aは、第1検温スイッチ51a〜51d、及び第2検温スイッチ52a〜52dにより構成されている。
そして、一対の第1検温スイッチ51a,51b及び一対の第1検温スイッチ51c,51dがアーマチュア37の第1収納穴42及びアウターディスク34の第3収納穴44に収納されるように配設されている。また、一対の第2検温スイッチ52a,52b及び一対の第2検温スイッチ52c,52dがアーマチュア37の第2収納穴43及びアウターディスク34の第4収納穴45に収納されるように配設されている。
そして、一対の第1検温スイッチ51a,51b及び一対の第1検温スイッチ51c,51dがアーマチュア37の第1収納穴42及びアウターディスク34の第3収納穴44に収納されるように配設されている。また、一対の第2検温スイッチ52a,52b及び一対の第2検温スイッチ52c,52dがアーマチュア37の第2収納穴43及びアウターディスク34の第4収納穴45に収納されるように配設されている。
ここで、例えば、制動解除手段57が、アーマチュア37を吸引すべきところで吸引力を全く働かせることができないように故障すると、インナーディスク29は、ブレーキライニング30a,30bとアーマチュア37及びアウターディスク34との間に大きな摩擦力を働かせたまま回転する。この状態でインナーディスク29が回転し続けると、ブレーキライニング30a,30bの温度が発煙に至る温度に急激に上昇する。
第1検温スイッチ51a〜51dは、ブレーキライニング30a,30bが発煙に達しない異常上昇規制温度を検出して動作するように構成されている。
第1検温スイッチ51a〜51dは、ブレーキライニング30a,30bが発煙に達しない異常上昇規制温度を検出して動作するように構成されている。
なお、第1検温スイッチ51a〜51dが非動作時にあるときには、第1検温スイッチ51a〜51dから電気的にLow(OFF)の信号が出力され、第1検温スイッチ51a〜51dが動作すると、電気的にHigh(ON)の検出信号が上昇規制温度到達信号として、第1検温スイッチ51a〜51dから出力されるようになっている。
また、第2検温スイッチ52a〜52dは、異常上昇規制温度より低い許容上限温度を検出して動作するように構成されている。つまり、第2検温スイッチ52a〜52dは、ブレーキライニング30a,30bが異常上昇規制温度に至らないまでも、ブレーキライニング30a,30bとアーマチュア37及びアウターディスク34との間の摩擦により発生する予期せぬ温度上昇を検出して動作するように構成されている。
なお、第2検温スイッチ52a〜52dが非動作時にあるときには、第2検温スイッチ52a〜52dから電気的にLow(OFF)の信号が出力され、第2検温スイッチ52a〜52dが動作すると、電気的にHigh(ON)の検出信号が許容上限温度到達信号として第2検温スイッチ52a〜52dから出力されるようになっている。
なお、第2検温スイッチ52a〜52dが非動作時にあるときには、第2検温スイッチ52a〜52dから電気的にLow(OFF)の信号が出力され、第2検温スイッチ52a〜52dが動作すると、電気的にHigh(ON)の検出信号が許容上限温度到達信号として第2検温スイッチ52a〜52dから出力されるようになっている。
ここで、第1検温スイッチ51a〜51d及び第2検温スイッチ52a〜52dの温度検出部の配置箇所は、インナーディスク29がアーマチュア37及びアウターディスク34に加圧挟持されたときでも、ブレーキライニング30a,30bの表面からやや離れた場所にある。
つまり、温度差が第1検温スイッチ51a〜51d、及び第2検温スイッチ52a〜52dの温度検出部とブレーキライニング30a,30bとの間に生じる。第1検温スイッチ51a〜51d及び第2検温スイッチ52a〜52dは、当該温度差を異常上昇規制温度及び許容上限温度から差し引いた温度を検出して動作するものが用いられている。
予め、ブレーキライニング30a,30bの温度を異常上昇規制温度及び許容上限温度に設定し、各検温スイッチの温度検出部の配置箇所の温度を測定しておけば、上記検出温度を有する第1検温スイッチ51a〜51d及び第2検温スイッチ52a〜52dを用いることができる。
予め、ブレーキライニング30a,30bの温度を異常上昇規制温度及び許容上限温度に設定し、各検温スイッチの温度検出部の配置箇所の温度を測定しておけば、上記検出温度を有する第1検温スイッチ51a〜51d及び第2検温スイッチ52a〜52dを用いることができる。
また、エスカレータ制御盤7は、演算制御手段としてのCPU(図示せず)、CPUにエスカレータ1の動作を制御させるプログラムが書き込まれたROM(図示せず)、及びCPUが行う各種演算のワーキングエリアに用いられるRAM(図示せず)などを有している。
次いで、エスカレータ1のシステム構成について図6を参照しつつ説明する。
駆動モータ10は電源71に遮断回路72を介して接続されている。また、電源71は電磁コイル62と接続されている。
また、電源71は、外部からの電気的な信号入力により、遮断回路72への出力のON/OFFを切り替えられるように構成された第1スイッチ71a、及び電磁コイル62への出力のON/OFFを切り替え可能に構成された第2スイッチ71bを備えている。
駆動モータ10は電源71に遮断回路72を介して接続されている。また、電源71は電磁コイル62と接続されている。
また、電源71は、外部からの電気的な信号入力により、遮断回路72への出力のON/OFFを切り替えられるように構成された第1スイッチ71a、及び電磁コイル62への出力のON/OFFを切り替え可能に構成された第2スイッチ71bを備えている。
また、遮断回路72は、第1検温スイッチ51a〜51dの出力を入力可能に構成されている。そして、遮断回路72は、第1検温スイッチ51a〜51dのすべてが動作していないときには、駆動モータ10と電源71との間の通電経路を接続し、第1検温スイッチ51a〜51dの少なくとも一つが動作すると、駆動モータ10と電源71との通電経路を遮断するように構成されている。
エスカレータ制御盤7は、第1スイッチ71a、及び第2スイッチ71bに接続され、駆動モータ10と電源71との通電経路が接続されている状態での駆動モータ10への給電、及び電磁コイル62への給電をそれぞれ制御可能に構成されている。
また、エスカレータ制御盤7は、第1検温スイッチ51a〜51d及び第2検温スイッチ52a〜52dの出力を入力可能に構成されている。
さらに、エスカレータ制御盤7は、エスカレータ1の管理者が駐在する管理室66と通信可能に接続され、第2検温スイッチ52a〜52dの少なくとも一つから許容上限温度到達信号が入力されたと判断するとブレーキライニング30a,30bが許容上限温度に達したことを管理者に知らせる要対処信号を管理室66に送信し、第1検温スイッチ51a〜51dの少なくとも一つから上昇規制温度到達信号が入力されたと判断すると、ブレーキライニング30a,30bが異常上昇規制温度に達したことを管理者に知らせる緊急対処信号を管理室66に送信する。
さらに、エスカレータ制御盤7は、エスカレータ1の管理者が駐在する管理室66と通信可能に接続され、第2検温スイッチ52a〜52dの少なくとも一つから許容上限温度到達信号が入力されたと判断するとブレーキライニング30a,30bが許容上限温度に達したことを管理者に知らせる要対処信号を管理室66に送信し、第1検温スイッチ51a〜51dの少なくとも一つから上昇規制温度到達信号が入力されたと判断すると、ブレーキライニング30a,30bが異常上昇規制温度に達したことを管理者に知らせる緊急対処信号を管理室66に送信する。
なお、詳細には図示しないが、エスカレータ制御盤7と同様の構成を有する管理室制御盤、及び管理室制御盤により報知制御される報知手段としてのスピーカ67などが管理室66に配設されている。
要対処信号及び緊急対処信号は、管理室制御盤に受信され、管理室制御盤は、要対処信号及び緊急対処信号を受信すると、スピーカ67に当該信号を受信したことを管理者に報知させるなどの制御を行う。
要対処信号及び緊急対処信号は、管理室制御盤に受信され、管理室制御盤は、要対処信号及び緊急対処信号を受信すると、スピーカ67に当該信号を受信したことを管理者に報知させるなどの制御を行う。
次いで、上記のように構成された乗客コンベア1の動作について説明する。
エスカレータ制御盤7は、踏段21を走行させる場合、電磁コイル62及び駆動モータ10に給電させる。このとき、アーマチュア37にはインナーディスク29から離反する吸引力が働くので、インナーディスク29は非制動状態となり、モータ軸は制動されることなく回転し、踏段21が駆動モータ10の駆動に連動して走行する。
エスカレータ制御盤7は、踏段21を走行させる場合、電磁コイル62及び駆動モータ10に給電させる。このとき、アーマチュア37にはインナーディスク29から離反する吸引力が働くので、インナーディスク29は非制動状態となり、モータ軸は制動されることなく回転し、踏段21が駆動モータ10の駆動に連動して走行する。
エスカレータ制御盤7は、踏段21の走行を停止するとき、駆動モータ10への給電を停止させるが、モータ軸は慣性により回転し続けようとする。制動装置28は、この状態のモータ軸の回転に連動して回転するインナーディスク29に制動をかけてモータ軸の回転)を迅速に停止させるものである。
以下、初期状態は、駆動モータ10が駆動し、踏段21を走行させているものとして説明する。
エスカレータ制御盤7は、踏段21の走行を停止させる場合、駆動モータ10及び電磁コイル62への給電を停止させる。このとき、アーマチュア37はコイルばね65の付勢力により、インナーディスク29側に押し付けられ、インナーディスク29がアーマチュア37とアウターディスク34との間に加圧挟持される。
これにより、インナーディスク29は、アーマチュア37及びアウターディスク34とブレーキライニング30a,30bとの摩擦力により制動をかけられて停止する。
エスカレータ制御盤7は、踏段21の走行を停止させる場合、駆動モータ10及び電磁コイル62への給電を停止させる。このとき、アーマチュア37はコイルばね65の付勢力により、インナーディスク29側に押し付けられ、インナーディスク29がアーマチュア37とアウターディスク34との間に加圧挟持される。
これにより、インナーディスク29は、アーマチュア37及びアウターディスク34とブレーキライニング30a,30bとの摩擦力により制動をかけられて停止する。
このとき、インナーディスク29の摩耗粉が、スプラインハブ47とインナーディスク29の結合部に入り込んだり、スプラインハブ47のスプライン部や主板31の軸孔32の内壁に、スプライン部や軸孔32の内壁から突出するような掻き傷ができたりすると、スプラインハブ47とインナーディスク29との間の摩擦抵抗が大きくなり、インナーディスク29がスプラインハブ47の軸方向に移動しにくくなる。この状態で、アウターディスク34との間にインナーディスク29を加圧挟持していたアーマチュア37を吸引した場合、摩擦抵抗がブレーキライニング30aとアウターディスク34との間に残った状態でインナーディスク29が保持される。
また、制動解除手段57により発生させるアーマチュア37の吸引力が何らかの原因で低下するような制動解除手段57の故障が発生すると、アーマチュア37は吸引されつつもインナーディスク29から離反されず、アーマチュア37がブレーキライニング30bに押圧状態に保持される。つまり、摩擦抵抗がブレーキライニング30a,30bとアーマチュア37及びアウターディスク34との間に残った状態で、インナーディスク29及びアーマチュア37が保持される。
さらに、ボルト48の大径部48aは、アーマチュア37のガイド孔39に遊嵌状態に挿入されており、ギャップBが適切に調整されていないと、アーマチュア37は、制動軸41に直交した状態から傾くことがある。このとき、インナーディスク29が押されてアウターディスク34側に移動し、インナーディスク29がアーマチュア37とアウターディスク34との間に押圧されたまま、アーマチュア37及びインナーディスク29が保持される場合である。このため、アーマチュア37及びアウターディスク34とブレーキライニング30a,30bとが互いに押圧したままとなり、摩擦抵抗がブレーキライニング30a,30bとアーマチュア37及びアウターディスク34との間に残った状態で、インナーディスク29及びアーマチュア37が保持される。
そして、ブレーキライニング30a,30bとアーマチュア37及びアウターディスク34との間に残った摩擦抵抗が小さい場合、インナーディスク29が回転したときに発生する摩擦熱が小さいので、ブレーキライニング30a,30bの温度は徐々に上昇する。
そして、ブレーキライニング30a,30bの温度が許容上限温度に達すると、第2検温スイッチ52a〜52dの検出信号が許容上限温度到達信号としてエスカレータ制御盤7に入力される。許容上限温度到達信号が入力されたエスカレータ制御盤7は、要対処信号を管理室66に送信し、要対処信号を受信した管理室制御盤が、ブレーキライニング30a,30bが許容上限温度に到達したことをスピーカ67に報知させる。
なお、第2検温スイッチ52a〜52dは、一部が動作しなかったり、すべてが同時に動作しなかったりする場合があるが、説明の便宜上、第2検温スイッチ52a〜52dの少なくとも一つの動作を、第2検温スイッチ52a〜52dの動作と記載する。また、第1検温スイッチ51a〜51dについても同様に記載して説明する。
なお、第2検温スイッチ52a〜52dは、一部が動作しなかったり、すべてが同時に動作しなかったりする場合があるが、説明の便宜上、第2検温スイッチ52a〜52dの少なくとも一つの動作を、第2検温スイッチ52a〜52dの動作と記載する。また、第1検温スイッチ51a〜51dについても同様に記載して説明する。
これにより、管理者は、ブレーキライニング30a,30bが不要に摩耗されていると判断し、保守作業員を派遣して制動装置28の異常の対応を取らせる。
なお、ブレーキライニング30a,30bとアーマチュア37及びアウターディスク34との間の摩擦抵抗が小さい場合、ブレーキライニング30a,30bの温度が、第1検温スイッチ51a〜51dの検出温度(異常上昇規制温度)に達しなかったり、仮に達したとしても温度当該温度に達するのに長時間を要したりするので、第2検温スイッチ52a〜52dの動作後、すぐに第1検温スイッチ51a〜51dが動作することはない。
なお、ブレーキライニング30a,30bとアーマチュア37及びアウターディスク34との間の摩擦抵抗が小さい場合、ブレーキライニング30a,30bの温度が、第1検温スイッチ51a〜51dの検出温度(異常上昇規制温度)に達しなかったり、仮に達したとしても温度当該温度に達するのに長時間を要したりするので、第2検温スイッチ52a〜52dの動作後、すぐに第1検温スイッチ51a〜51dが動作することはない。
また、アーマチュア37を吸引する力を全く発揮できないような制動解除手段57の故障が発生した場合、コイルばね65の強力な付勢力がそのままアーマチュア37をインナーディスク29側に働く。このとき、インナーディスク29はアーマチュア37とアウターディスク34との間に強力に加圧挟持される。
この状態で、インナーディスク29が回転すると、急激にブレーキライニング30a,30bの温度が上昇して、第2検温スイッチ52a〜52dが動作する。そして、エスカレータ制御盤7は制動装置28に要対処信号を送信するが、その直後に第1検温スイッチ51a〜51dが動作して駆動モータ10への給電が遮断回路72により遮断され、踏段21の走行が停止する。また、第1検温スイッチ51a〜51dの検出信号が上昇規制温度到達信号としてエスカレータ制御盤7に入力され、エスカレータ制御盤7は、緊急対処信号を管理室66に送信する。そして、管理者は、緊急に保守作業員を派遣して制動装置28の異常の対応を取らせる。
この実施の形態1によれば、温度情報取得手段50Aが、ブレーキライニング30a,30bが発煙に達しない異常上昇規制温度に到達したこと及び異常上昇規制温度より低い許容限界に到達したことを検出して、上昇規制温度到達信号及び許容上限温度到達信号を出力する第1検温スイッチ51a〜51d及び第2検温スイッチ52a〜52dにより構成されている。これにより、温度情報取得手段50Aは、ブレーキライニングの不要な摩耗の検出を、許容上限温度の検出に対応させて行うことができる。つまり、管理者は、第2検温スイッチ52a〜52の出力をもとに、ブレーキライニング30a,30bが不要に摩耗されていること認知可能となる。
また、ブレーキライニング30a,30bの温度が許容上限温度に達すると、第2検温スイッチ52a〜52dからの許容上限温度到達信号がエスカレータ制御盤7に入力され、エスカレータ制御盤7は要対処信号を管理室66に送信するように構成されている。これにより、管理者は、ブレーキライニング30a,30bが不要に摩耗されていることを早期に認知できるので、制動装置28の異常に対して迅速に対処を行える。即ち、ブレーキライニング30a,30bが不要に摩耗し続けることを防止することができる。
また、発煙に達しないブレーキライニング30a,30bの異常上昇規制温度に達する前に、余裕をもって制動装置28の異常に対処できるので、突然踏段21の走行が停止することを極力回避され、利用者を困惑させることを極力防止できる。
実施の形態2.
図7はこの発明の実施の形態2に係る乗客コンベアの制動装置の側面図である。
図7において、温度情報取得手段50Bは、第1検温スイッチ51c,51d及び第2検温スイッチ52a,52bが省略され、第1検温スイッチ51a,51bと、第2検温スイッチ52c,52dと、により構成されている。また、第2収納穴43及び第3収納穴44の形成は省略されている。
他の構成は上記実施の形態1と同様である。
図7はこの発明の実施の形態2に係る乗客コンベアの制動装置の側面図である。
図7において、温度情報取得手段50Bは、第1検温スイッチ51c,51d及び第2検温スイッチ52a,52bが省略され、第1検温スイッチ51a,51bと、第2検温スイッチ52c,52dと、により構成されている。また、第2収納穴43及び第3収納穴44の形成は省略されている。
他の構成は上記実施の形態1と同様である。
上述したように、ブレーキライニング30a,30bを不要に摩耗させる状態は、以下の3つが考えられる。1つ目は、スプラインハブ47と主板31との間の摩擦抵抗が大きくなり、インナーディスク29がスプラインハブ47の軸方向に移動しにくくなった場合である。この場合、アーマチュア37が吸引してもブレーキライニング30aとアウターディスク34との間のみに摩擦力が働くので、インナーディスク29が回転するとアウターディスク34の温度が上昇する。
2つ目は、アーマチュア37が吸引されつつもインナーディスク29から離反されず、アーマチュア37がブレーキライニング30a,30bを押圧状態に保持された場合である。この場合、ブレーキライニング30a,30bとアーマチュア37及びアウターディスク34との間に摩擦力が働くので、インナーディスク29が回転するとアーマチュア37及びアウターディスク34の温度が上昇する。
3つ目は、ギャップBが適切に調整されておらず、アーマチュア37が制動軸41の軸方向に直交した状態から傾いて、インナーディスク29が押されてアウターディスク34側に移動し、インナーディスク29がアーマチュア37とアウターディスク34との間に押圧されたまま、アーマチュア37及びインナーディスク29が保持される場合である。この場合、ブレーキライニング30a,30b及びアウターディスクとアーマチュア37との間に摩擦力が働くので、インナーディスク29が回転するとアーマチュア37及びアウターディスク34の温度が上昇する。
つまり、ブレーキライニング30a,30bの温度を不測に上昇させる状態においては、少なくともアウターディスク34側の温度が上昇する。
また、ブレーキライニング30a,30bが急激に温度上昇するのは、制動解除手段57の故障によって、インナーディスク29の制動を解除すべきところに、アーマチュア37の吸引力が全くされず、ブレーキライニング30a,30bとアーマチュア37及びアウターディスク34との間に大きな摩擦力が働いたままインナーディスク29が回転する場合である。この場合、アーマチュア37及びアウターディスク34とブレーキライニング30a,30bとの間に強い摩擦力が働くので、アーマチュア37及びアウターディスク34の両方が、ブレーキライニング30a,30bの温度上昇に連動して温度上昇する。
以上を鑑みれば、アウターディスク34側に配設された第2検温スイッチ52c,52dだけで、ブレーキライニング30a,30bが許容上限温度に達したことを確実に検出できる。また、アーマチュア37側に配設された第1検温スイッチ51a,51bだけで、ブレーキライニング30a,30bが異常上昇規制温度に達したことを確実に検出できる。
温度情報取得手段50Bを備えるエスカレータ1の動作は上記実施の形態1のエスカレータ1の動作と同様である。
この実施の形態2によれば、温度情報取得手段50Bがアーマチュア37のみに配設された第1検温スイッチ51a,51bと、アウターディスク34のみに配設された第2検温スイッチ52c,52dだけで構成されている。従って、温度情報取得手段50Bを構成する第1検温スイッチ及び第2検温スイッチの配設数を温度情報取得手段50Aに比べて少なくできるので、上記実施の形態1による効果に加え、コストを削減しつつ温度情報取得手段50Bを構成できるという効果が得られる。
なお、この実施の形態2では、第1検温スイッチ51a,51bは、アーマチュア37側に配設するものとして説明したが、第1検温スイッチ51a,51bは、アーマチュア37またはアウターディスク34の少なくとも一方に配設されてさえいれば、ブレーキライニング30a,30bが異常上昇規制温度に達したことを確実に検出できる。
実施の形態3.
図8はこの発明の実施の形態3に係る乗客コンベアの制動装置の側面図、図9はこの発明の実施の形態3に係る乗客コンベアのシステム構成図である。
図8及び図9において、温度情報取得手段50Cは、温度センサ53a〜53d、及び
エスカレータ制御盤7により構成されている。温度センサ53a〜53dは、第1収納穴42、及び第4収納穴45のそれぞれに収納固定されている。
図8はこの発明の実施の形態3に係る乗客コンベアの制動装置の側面図、図9はこの発明の実施の形態3に係る乗客コンベアのシステム構成図である。
図8及び図9において、温度情報取得手段50Cは、温度センサ53a〜53d、及び
エスカレータ制御盤7により構成されている。温度センサ53a〜53dは、第1収納穴42、及び第4収納穴45のそれぞれに収納固定されている。
また、図9に示されるように温度センサ53a〜53dの出力はエスカレータ制御盤7に入力されている。また、遮断回路72は省略され、駆動モータ10と電源71とは直接接続されている。
なお、第2収納穴43と第3収納穴44の形成、及び第1検温スイッチ51a〜51dと第2検温スイッチ52a〜52dの配設は省略されている。
他の構成は上記実施の形態1と同様である。
なお、第2収納穴43と第3収納穴44の形成、及び第1検温スイッチ51a〜51dと第2検温スイッチ52a〜52dの配設は省略されている。
他の構成は上記実施の形態1と同様である。
以下、温度情報取得手段50Cを備える乗客コンベア1の動作について説明する。
エスカレータ制御盤7は、温度センサ53a〜53dの出力に基づいて、ブレーキライニング30a,30bの温度を検出している。
そして、エスカレータ制御盤7は、ブレーキライニング30a,30bの温度が許容上限温度に到達したことを検出すると、許容上限温度到達信号を要対処信号として管理室66に送信してブレーキライニング30a,30bが許容上限温度に到達したことをスピーカ67に報知させる。
エスカレータ制御盤7は、温度センサ53a〜53dの出力に基づいて、ブレーキライニング30a,30bの温度を検出している。
そして、エスカレータ制御盤7は、ブレーキライニング30a,30bの温度が許容上限温度に到達したことを検出すると、許容上限温度到達信号を要対処信号として管理室66に送信してブレーキライニング30a,30bが許容上限温度に到達したことをスピーカ67に報知させる。
また、エスカレータ制御盤7は、ブレーキライニング30a,30bの温度が異常上昇規制温度に到達したことを検出すると、上昇規制温度到達信号を第1スイッチ71aに電源71の出力をOFFさせる信号として出力し、駆動モータ10の駆動を停止させるとともに、緊急対処信号を管理室66に送信する。即ち、第1スイッチ71aが、エスカレータ制御盤7が上昇規制温度到達信号を出力したときに駆動モータ10を停止させるための駆動停止手段として動作している。
なお、他の動作は上記実施の形態1と同様である。
なお、他の動作は上記実施の形態1と同様である。
この実施の形態3によれば、実施の形態1と同様、管理者は、ブレーキライニング30a,30bが不要に摩耗されていることを認知して、制動装置28の異常に対して迅速に対処を行える。即ち、ブレーキライニング30a,30bが不要に摩耗し続けることを防止することができる。
さらに、エスカレータ制御盤7は常時ブレーキライニング30a,30bの温度を監視できるので、ブレーキライニング30a,30bが許容上限温度に到達したのちの、温度上昇の振る舞いに応じた報知を管理室66に送信することができる。例えば、エスカレータ制御盤7は、ブレーキライニング30a,30bの温度の上がり方がやや急である場合には、管理者に緊急に制動装置28の故障に対応させる信号を送信したり、温度の上がり方が鈍い場合は、管理者に緊急に至らないまでも、早急に制動装置28の故障に対処させる信号を送信したりするように構成すればよい。
さらに、エスカレータ制御盤7は常時ブレーキライニング30a,30bの温度を監視できるので、ブレーキライニング30a,30bが許容上限温度に到達したのちの、温度上昇の振る舞いに応じた報知を管理室66に送信することができる。例えば、エスカレータ制御盤7は、ブレーキライニング30a,30bの温度の上がり方がやや急である場合には、管理者に緊急に制動装置28の故障に対応させる信号を送信したり、温度の上がり方が鈍い場合は、管理者に緊急に至らないまでも、早急に制動装置28の故障に対処させる信号を送信したりするように構成すればよい。
実施の形態4.
図10はこの発明の実施の形態4に係る乗客コンベアのシステム構成図である。
温度情報取得手段50Dは、第1検温スイッチ51a〜51d、第1検温スイッチ51a〜51dと異なる温度で動作する第1検温スイッチ51e〜51h、第2検温スイッチ52a〜52d、及び第2検温スイッチ52a〜52dと異なる温度で動作する第1検温スイッチ52e〜52hを備える。
なお、図示しないが、第1検温スイッチ51e,51fはアーマチュア37に、第1検温スイッチ51g,51hはアウターディスク34に、それぞれブレーキライニング30a,30bの異常上昇規制温度の検出用として配設されている。また、図示しないが、第2検温スイッチ52e,52fはアーマチュア37に、第2検温スイッチ52g,52hはアウターディスク34に、それぞれブレーキライニング30a,30bの許容上限温度の検出用として配設されている。
図10はこの発明の実施の形態4に係る乗客コンベアのシステム構成図である。
温度情報取得手段50Dは、第1検温スイッチ51a〜51d、第1検温スイッチ51a〜51dと異なる温度で動作する第1検温スイッチ51e〜51h、第2検温スイッチ52a〜52d、及び第2検温スイッチ52a〜52dと異なる温度で動作する第1検温スイッチ52e〜52hを備える。
なお、図示しないが、第1検温スイッチ51e,51fはアーマチュア37に、第1検温スイッチ51g,51hはアウターディスク34に、それぞれブレーキライニング30a,30bの異常上昇規制温度の検出用として配設されている。また、図示しないが、第2検温スイッチ52e,52fはアーマチュア37に、第2検温スイッチ52g,52hはアウターディスク34に、それぞれブレーキライニング30a,30bの許容上限温度の検出用として配設されている。
そして、エスカレータ制御盤7は、周囲温度センサ74の出力、第1検温スイッチ51a〜51hの出力、及び第2検温スイッチ52a〜52hの出力を入力可能に構成されている。
なお、遮断回路72は省略され、駆動モータ10と電源71とは直接接続されている。
他の構成は、上記実施の形態1と同様である。
なお、遮断回路72は省略され、駆動モータ10と電源71とは直接接続されている。
他の構成は、上記実施の形態1と同様である。
そして、駆動機9は、周囲温度が変動する環境下に配設されている。
ここで、第1検温スイッチ51a〜51h、及び第2検温スイッチ52a〜52hは、ブレーキライニング30a,30bから離れて配置されている。そして、ブレーキライニング30a,30bの熱は、各検温スイッチに伝導される際に熱を奪われるが、奪われる熱量は、駆動機9の周囲温度が変動すると変動する。つまり、ブレーキライニング30a,30bが異常上昇規制温度及び許容上限温度にあるときの各検温スイッチの温度検出部の温度が駆動機9の周囲温度が変動に応じて変動する。
ここで、第1検温スイッチ51a〜51h、及び第2検温スイッチ52a〜52hは、ブレーキライニング30a,30bから離れて配置されている。そして、ブレーキライニング30a,30bの熱は、各検温スイッチに伝導される際に熱を奪われるが、奪われる熱量は、駆動機9の周囲温度が変動すると変動する。つまり、ブレーキライニング30a,30bが異常上昇規制温度及び許容上限温度にあるときの各検温スイッチの温度検出部の温度が駆動機9の周囲温度が変動に応じて変動する。
そこで、第1検温スイッチ51a〜51dと第2検温スイッチ52a〜52d及び第1検温スイッチ51e〜51hと第2検温スイッチ52e〜52hは、以下に説明する検出温度を有するものを用いて構成している。
第1検温スイッチ51a〜51d及び51e〜51hは、駆動機9の使用温度範囲を2分割した各分割温度範囲に駆動機9が配置されたときの異常上昇規制温度をそれぞれ検出するもので構成し、第2検温スイッチ52a〜52d及び52e〜52hは、駆動機9の使用温度範囲を2分割した各分割温度範囲に駆動機9が配置されたときの許容上限温度をそれぞれ検出するもので構成している。
第1検温スイッチ51a〜51d及び51e〜51hは、駆動機9の使用温度範囲を2分割した各分割温度範囲に駆動機9が配置されたときの異常上昇規制温度をそれぞれ検出するもので構成し、第2検温スイッチ52a〜52d及び52e〜52hは、駆動機9の使用温度範囲を2分割した各分割温度範囲に駆動機9が配置されたときの許容上限温度をそれぞれ検出するもので構成している。
さらに詳細には、第1検温スイッチ51a〜51d、及び第2検温スイッチ52a〜52dは、一方の分割温度範囲の代表値の環境下に駆動機9が配置され、かつ、ブレーキライニング30a,30bの温度が異常上昇規制温度及び許容上限温度にあるときの自身の温度検出部の温度を検出温度とするものを用いる。上述したように、予め、ブレーキライニング30a,30bの温度を異常上昇規制温度及び許容上限温度とした状態で駆動機9の周囲温度を変動させ、各検温スイッチの温度検出部の配置箇所の温度を測定しておけば、上記検出温度を有する第1検温スイッチ51a〜51d及び第2検温スイッチ52a〜52dを選択できる。
また、第1検温スイッチ51e〜51h、及び第2検温スイッチ52e〜52hは、他方の分割温度範囲の代表値の環境下に駆動機9が配置され、かつ、ブレーキライニング30a,30bの温度が異常上昇規制温度及び許容上限温度にあるときの自身の温度検出部の温度を検出温度とするものを用いる。
なお、各分割温度範囲の代表値は、例えば、各分割温度範囲における中間値とすればよい。
なお、各分割温度範囲の代表値は、例えば、各分割温度範囲における中間値とすればよい。
そして、エスカレータ制御盤7は、周囲温度センサ74の検出温度が含まれる分割温度範囲に駆動機9が配置されたときの異常上昇規制温度及び許容上限温度を検出する第1検温スイッチ及び第2検温スイッチを選択し、選択した第1検温スイッチ及び第2検温スイッチの出力に基づいた制御を行うように構成されている。
なお、第1検温スイッチ及び第2検温スイッチを選択するとは、第1検温スイッチ及び第2検温スイッチの出力のみを有効とすることを意味する。
なお、第1検温スイッチ及び第2検温スイッチを選択するとは、第1検温スイッチ及び第2検温スイッチの出力のみを有効とすることを意味する。
以下、温度情報取得手段50Dを備えるエスカレータ1の動作について説明する。
エスカレータ制御盤7は、選択した第2検温スイッチから許容上限温度到達信号が入力されると、要対処信号を管理室66に送信してブレーキライニング30a,30bが許容上限温度に到達したことをスピーカ67に報知させる。また、エスカレータ制御盤7は、選択した第1検温スイッチから上昇規制温度到達信号が入力されると、第1スイッチ71aに電源71の出力をOFFとする信号を送信して駆動モータ10の駆動を停止させるとともに、緊急対処信号を管理室66に送信する。即ち、第1スイッチ71aは、第1検温スイッチが上昇規制温度到達信号を出力したときに駆動モータ10を停止させるための駆動停止手段として動作している。
他の動作は上記実施の形態1と同様である。
エスカレータ制御盤7は、選択した第2検温スイッチから許容上限温度到達信号が入力されると、要対処信号を管理室66に送信してブレーキライニング30a,30bが許容上限温度に到達したことをスピーカ67に報知させる。また、エスカレータ制御盤7は、選択した第1検温スイッチから上昇規制温度到達信号が入力されると、第1スイッチ71aに電源71の出力をOFFとする信号を送信して駆動モータ10の駆動を停止させるとともに、緊急対処信号を管理室66に送信する。即ち、第1スイッチ71aは、第1検温スイッチが上昇規制温度到達信号を出力したときに駆動モータ10を停止させるための駆動停止手段として動作している。
他の動作は上記実施の形態1と同様である。
この実施の形態4によれば、第1検温スイッチが、駆動機9の使用温度範囲を2分割した各分割温度範囲に駆動機9が配置されたときの異常上昇規制温度をそれぞれ検出する2種類で構成され、第2検温スイッチが、駆動機9の使用温度範囲を2分割した各分割温度範囲に駆動機9が配置されたときの許容上限温度をそれぞれ検出する2種類で構成されている。
従って、温度情報取得手段50Dは、異常上昇規制温度及び許容上限温度に対する第1検温スイッチ及び第2検温スイッチによる検出誤差を極力抑えることができ、管理者は、ブレーキライニング30a,30bが不要に摩耗されていることを早期に、かつ、適切な時期に判断して、制動装置28の異常に対して迅速に対処を行える。
従って、温度情報取得手段50Dは、異常上昇規制温度及び許容上限温度に対する第1検温スイッチ及び第2検温スイッチによる検出誤差を極力抑えることができ、管理者は、ブレーキライニング30a,30bが不要に摩耗されていることを早期に、かつ、適切な時期に判断して、制動装置28の異常に対して迅速に対処を行える。
なお上記実施の形態4では、第1検温スイッチ及び第2検温スイッチはそれぞれ2つの検出温度を有するもので構成されるものとして説明したが。3つ以上の検出温度を有するもので構成されているものでもよい。
つまり、第1検温スイッチは、駆動機9の使用温度範囲をm分割した各分割温度範囲に駆動機が配置されたときの異常上昇規制温度をそれぞれ検出する複数種により構成され、第2検温スイッチは、駆動機9の使用温度範囲をm分割した各分割温度範囲に駆動機9が配置されたときの許容上限温度をそれぞれ検出する複数種により構成されていてもよい。このとき、使用温度範囲の分割数を増やすほど、異常上昇規制温度及び許容上限温度に対する第1検温スイッチ及び第2検温スイッチによる検出誤差を極力抑えることができる。
つまり、第1検温スイッチは、駆動機9の使用温度範囲をm分割した各分割温度範囲に駆動機が配置されたときの異常上昇規制温度をそれぞれ検出する複数種により構成され、第2検温スイッチは、駆動機9の使用温度範囲をm分割した各分割温度範囲に駆動機9が配置されたときの許容上限温度をそれぞれ検出する複数種により構成されていてもよい。このとき、使用温度範囲の分割数を増やすほど、異常上昇規制温度及び許容上限温度に対する第1検温スイッチ及び第2検温スイッチによる検出誤差を極力抑えることができる。
また、上記実施の形態4では、温度情報取得手段50Dは、第1検温スイッチ51a〜51h及び第2検温スイッチ52a〜52hにより構成されるものとして説明したが、温度情報取得手段は、第1検温スイッチ51a〜51h及び第2検温スイッチ52a〜52hの代わりに、少なくともアウターディスク34に配設した温度センサ、周囲温度センサ74、及びエスカレータ制御盤7により構成されるものでもよい。
この場合、予め、駆動機9の周囲温度が変動させて、温度センサの検出温度の異常上昇規制温度及び許容上限温度に対する誤差を測定しておき、当該誤差を補正する第1補正値及び第2補正値を駆動機9の周囲温度に応じて設定し、エスカレータ制御盤7のROMに格納しておく。
この場合、予め、駆動機9の周囲温度が変動させて、温度センサの検出温度の異常上昇規制温度及び許容上限温度に対する誤差を測定しておき、当該誤差を補正する第1補正値及び第2補正値を駆動機9の周囲温度に応じて設定し、エスカレータ制御盤7のROMに格納しておく。
そして、エスカレータ制御盤7は、第1補正値及び第2補正値のうち、周囲温度センサ74の検出温度に対応する第1補正値及び第2補正値を温度センサの検出温度に反映させた第1補正温度及び第2補正温度と上記異常上昇規制温度及び上記許容上限温度との比較、または第1補正値及び第2補正値のうち、周囲温度センサ74の検出温度に対応する第1補正値及び第2補正値を反映させた異常上昇規制温度及び許容上限温度と温度センサの検出温度との比較により、ブレーキライニング30a,30bが異常上昇規制温度及び許容上限温度に到達したことを検出するように構成する。
さらに、エスカレータ制御盤7は、ブレーキライニング30a,30bが許容上限温度に到達したことを検出すると、許容上限温度到達信号を要対処信号として管理室66に送信するように構成する。また、エスカレータ制御盤7は、ブレーキライニング30a,30bの温度が異常上昇規制温度に達したことを検出すると、上昇規制温度到達信号を駆動モータ10への電源71の給電停止用に出力し、駆動モータ10の駆動を停止させるとともに、緊急対処信号を管理室66に送信するように構成すればよい。
1 乗客コンベア、7 制御手段(エスカレータ制御盤)、9 駆動機、10 駆動モータ、21 踏段、28 制動装置、29 インナーディスク、30a,30b ブレーキライニング、31 主板、34 アウターディスク、37 アーマチュア、41 制動軸、50A〜50D 温度情報取得手段、51a〜51h 第1検温スイッチ、52a〜52h 第2検温スイッチ、温度センサ 53a〜53d、57 制動解除手段、65 コイルばね(制動付勢手段)、67 スピーカ(報知手段)、71a スイッチ(駆動停止手段)、72 遮断回路(駆動停止手段)、74 周囲温度センサ。
Claims (7)
- 乗り口及び降り口の間に循環走行可能に配設された複数の踏段を走行させる駆動力を発生する駆動モータ、及び該駆動モータに制動をかける制動装置を有する駆動機を備える乗客コンベアにおいて、
上記制動装置は、上記駆動モータの駆動力が伝達されて軸まわりに回転する制動軸に該制動軸の軸方向に移動可能に外嵌された主板、及び該主板の両面に取り付けられたブレーキライニングを有するインナーディスクと、
上記インナーディスクの一面と相対するように配置され、上記制動軸の軸まわりの回転、及び軸方向の移動を規制されて配設されたアウターディスクと、
上記インナーディスクを介して上記アウターディスクと相対するように配置され、上記制動軸の軸まわりの回転を規制され、軸方向に移動可能に配設されたアーマチュアと、
上記アーマチュアを上記インナーディスク側に付勢して上記インナーディスクを上記アーマチュアと上記アウターディスクとの間に加圧挟持させて上記インナーディスクに制動をかける制動付勢手段と、
上記制動付勢手段の付勢力に抗して上記アーマチュアを上記インナーディスクから離反させる電磁力を発生させる制動解除手段と、
上記ブレーキライニングが発煙に達しない異常上昇規制温度に到達したこと、及び上記異常上昇規制温度より低い許容上限温度に到達したことを検出して、上昇規制温度到達信号及び許容上限温度到達信号を出力する温度情報取得手段と、
を備えることを特徴とする乗客コンベア。 - 上記上昇規制温度到達信号が出力されたときに、上記駆動モータを停止させるように構成された駆動停止手段と、
上記許容上限温度到達信号が出力されたときに、上記ブレーキライニングが上記許容上限温度に到達したことを報知する報知手段と、
を備えることを特徴とする請求項1記載の乗客コンベア。 - 上記温度情報取得手段は、上記アーマチュア及び上記アウターディスクの少なくとも一方に設けられ、上記ブレーキライニングの温度が上記異常上昇規制温度に到達したことを検出し、検出信号を上記上昇規制温度到達信号として出力する第1検温スイッチと、少なくとも上記アウターディスクに設けられ、上記ブレーキライニングの温度が上記許容上限温度に到達したことを検出し、検出信号を上記許容上限温度到達信号として出力する第2検温スイッチと、により構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の乗客コンベア。
- 上記第1検温スイッチは、上記アーマチュア及び上記アウターディスクの一方のみに配設され、上記第2検温スイッチは、上記アウターディスクのみに配設されていることを特徴とする請求項3記載の乗客コンベア。
- 上記第1検温スイッチは、上記駆動機の使用温度範囲を分割した各分割温度範囲に上記駆動機が配置されたときの上記異常上昇規制温度をそれぞれ検出する複数種により構成され、
上記第2検温スイッチは、上記駆動機の使用温度範囲を分割した各分割温度範囲に上記駆動機が配置されたときの上記許容上限温度をそれぞれ検出する複数種により構成され、
上記駆動機の周囲の温度を検出する周囲温度センサと、
上記周囲温度センサの検出温度が含まれる上記分割温度範囲に上記駆動機が配置されたときの上記異常上昇規制温度及び上記許容上限温度を検出する上記第1検温スイッチ及び上記第2検温スイッチを選択し、選択した上記第1検温スイッチから上記上昇規制温度到達信号が入力されると、上記駆動停止手段に上記駆動モータの駆動を停止させ、選択した上記第2検温スイッチから上記許容上限温度到達信号が入力されると、上記報知手段に上記ブレーキライニングが上記許容上限温度に到達したことを報知させる制御手段と、を備えることを特徴とする請求項3または請求項4記載の乗客コンベア。 - 上記温度情報取得手段は、少なくとも上記アウターディスクに配設されて検出温度を出力する温度センサと、上記温度センサの出力に基づいて、上記ブレーキライニングが上記異常上昇規制温度、及び上記許容上限温度に到達したことを検出して上記上昇規制温度到達信号、及び上記許容上限温度到達信号を出力する制御手段と、により構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の乗客コンベア。
- 上記駆動機の周囲の温度を検出する周囲温度センサを備え、
上記制御手段は、上記駆動機の周囲温度に対応して設定された上記温度センサの検出温度の上記異常上昇規制温度及び上記許容上限温度に対する誤差を補正する第1補正値及び第2補正値を有し、上記周囲温度センサの検出温度に対応する上記第1補正値及び上記第2補正値を上記温度センサの検出温度に反映させた第1補正温度及び第2補正温度と上記異常上昇規制温度及び上記許容上限温度との比較、または上記周囲温度センサの検出温度に対応する上記第1補正値及び上記第2補正値を反映させた上記異常上昇規制温度及び上記許容上限温度と上記温度センサの検出温度との比較により、上記ブレーキライニングが上記異常上昇規制温度及び上記許容上限温度に到達したことを検出し、上記ブレーキライニングが上記異常上昇規制温度に到達したことを検出すると、上記上昇規制温度到達信号により上記駆動停止手段に上記駆動モータの駆動を停止させ、上記ブレーキライニングが上記許容上限温度に到達したことを検出すると、上記許容上限温度到達信号の出力により上記報知手段に上記ブレーキライニングが上記許容上限温度に到達したことを報知させることを特徴とする請求項6記載の乗客コンベア。
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JP2008230979A JP2010064816A (ja) | 2008-09-09 | 2008-09-09 | 乗客コンベア |
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2008
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