JP4115260B2 - エレベータ異常検出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エレベータ駆動用モータに付設され、コイルに流される電流により制御されるマグネットブレーキの異常を検出することができるエレベータの異常検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、エレベータのブレーキにはマグネットブレーキが用いられており、このマグネットブレーキは、コイルに電流を流すことによりアマチュアを吸引し、ライニングをディスクから離隔させ、乗かごの走行を可能とするとともに、前記電流を遮断することにより前記アマチュアを復帰させ、前記ライニングを前記ディスクに当接させて制動力を働かせるようになっている。
【0003】
一方、このような構成のマグネットブレーキは、種々の理由により固渋して前記アマチュアの吸引動作に支障を来たすことがあり、このような異常が発生すると正常なブレーキ制動力を失うこととなるため、重大な事故を引き起こすことが考えられる。したがって、マグネットブレーキの異常を確実に検出することが求められている。
【0004】
このため、従来、例えば特開平11−222371号公報に記載されるように、温度センサにより前記ライニングの温度を計測するとともに、この計測値が判定値を超えた場合、前記ライニングと前記ディスクとの間のギャップが正常ではなく、異常な摩擦熱を発生しているとし、異常情報をエレベータを遠隔にて監視する監視センタに送信するようにしたものが提案されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−222371号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述した従来のものでは、マグネットブレーキの異常判断は、温度センサにより計測した計測値と判定値との比較で行っていた。しかし、地域あるいは季節によりエレベータ設置場所の気温は変化し、したがって温度センサによる計測値にも気温変化に伴うばらつきが生じる。これにより正確に異常を検出するために地域あるいは季節毎に判定値を考慮する必要があり、その設定には煩雑な手間を要する。また、マグネットブレーキはエレベータ駆動用モータと隣接した構造であり、このモータで発生する熱がマグネットブレーキに伝達され、マグネットブレーキの温度を上昇させるが、エレベータの稼働現場毎にエレベータ稼働率も異なリ、モータが発生する熱量も異なるため、上記の判定値を設定する際にモータからの熱伝達も考慮する必要がある。
【0007】
本発明はこのような従来技術における実情に鑑みてなされたもので、その目的は、精度良くマグネットブレーキの異常を検出することのできるエレベータの異常検出装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するための第1の手段は、エレベータ駆動用モータの回転軸に連結されたディスクと、コイルへの通電に応じて吸引され、ライニングを前記ディスクから離間させるアマチュアとを含み、コイルへの通電解除によりブレーキ動作を行うマグネットブレーキの異常を検出するエレベータ異常検出装置において、前記マグネットブレーキにおけるライニングとディスクの接触で生じた熱が伝達するところの温度を検出する温度検出手段と、前記コイルに通電されてブレーキが解除された直後に前記温度検出手段により検出された第1の温度と、前記コイルへの通電が解除されてブレーキが作動する直前に前記温度検出手段により検出された第2の温度とを比較する温度比較手段と、前記温度比較手段によって求められた第1の温度と第2の温度との温度差が所定値より大きければ、前記マグネットブレーキが異常であると判断する制御手段と、を備えており、前記温度比較手段による第1の温度と第2の温度との比較、および、前記制御手段によるマグネットブレーキの異常の判断を、エレベータ停止中に行うことを特徴とする。
【0009】
第2の手段は、エレベータ駆動用モータの回転軸に連結されたディスクと、コイルへの通電に応じて吸引され、ライニングを前記ディスクから離間させるアマチュアとを含み、コイルへの通電解除によりブレーキ動作を行うマグネットブレーキの異常を検出するエレベータ異常検出装置において、前記マグネットブレーキにおけるライニングとディスクの接触で生じた熱が伝達するところの温度を検出する温度検出手段と、前記コイルへの通電が解除されてブレーキが作動した後に前記温度検出手段により検出された第1の温度と、前記ブレーキの作動から所定時間継続して制動力を働かせた後に前記温度検出手段により検出された第2の温度とを比較する温度比較手段と、前記温度比較手段によって求められた第1の温度と第2の温度との温度差が所定値より大きければ、前記マグネットブレーキが異常であると判断する制御手段と、を備えており、前記温度比較手段による第1の温度と第2の温度との比較、および、前記制御手段によるマグネットブレーキの異常の判断を、エレベータ停止中に行うことを特徴とする。
【0010】
の手段は、第1またはの手段において、前記マグネットブレーキが異常であることを報知する報知手段をさらに備え、前記制御手段は前記マグネットブレーキが異常であると判断したときには、前記報知手段によりその旨報知することを特徴とする。
【0011】
第4の手段は、ブレーキ解除指令に応じてコイルに電流を流すことによりアマチュアを吸引し、ライニングをディスクから離隔させ乗かごの走行を可能とするとともに、ブレーキ動作指令に応じて前記電流を遮断することにより前記アマチュアを復帰させ、前記ライニングを前記ディスクに当接させて制動力を働かせるエレベータ駆動用モータのマグネットブレーキの異常を検出するエレベータ異常検出装置において、前記マグネットブレーキにおけるライニングとディスクの接触で生じた熱が伝達するところの温度を検出する温度検出手段と、前記ブレーキ解除指令に応じて前記アマチュアが吸引されたときに前記温度検出手段により検出された第1の温度と、前記ブレーキ動作指令に応じて前記アマチュアが復帰する前に検出された第2の温度とを比較する温度比較手段と、前記温度比較手段によって求められた第1の温度と第2の温度との温度差が所定値より大きければ、前記マグネットブレーキが異常であると判断する制御手段と、を備えており、前記温度比較手段による第1の温度と第2の温度との比較、および、前記制御手段によるマグネットブレーキの異常の判断を、エレベータ停止中に行うことを特徴とする。
【0012】
第5の手段は、第4の手段と同様の前提のエレベータ異常検出装置において、前記マグネットブレーキにおけるライニングとディスクの接触で生じた熱が伝達するところの温度を検出する温度検出手段と、前記マグネットブレーキ動作指令に応じて前記アマチュアが復帰した後に前記温度検出手段により検出された第1の温度と、前記アマチュアが復帰してから所定時間継続して制動力を働かせた後に前記温度検出手段により検出された第2の温度とを比較する温度比較手段と、前記温度比較手段によって求められた第1の温度と第2の温度との温度差が所定値より大きければ、前記マグネットブレーキが異常であると判断する制御手段と、を備えており、前記温度比較手段による第1の温度と第2の温度との比較、および、前記制御手段によるマグネットブレーキの異常の判断を、エレベータ停止中に行うことを特徴とする。
【0013】
の手段は、第4またはの手段において、監視センタに対して通信を行う通信手段をさらに備え、前記制御手段は、前記マグネットブレーキが異常であると判断したとき、前記通信手段を介して前記監視センタに異常情報を送信することを特徴とする。
【0014】
前記第1の手段では、マグネットブレーキに設けられた温度検出手段は、コイルに通電されてブレーキが解除された直後の第1の温度、およびコイルへの通電が解除されてブレーキが作動する直前の第2の温度をそれぞれ計測する。温度比較手段は第1の温度と第2の温度を比較し、制御手段は、この比較結果に基づいて正常あるいは異常を判断する。すなわち、温度比較手段は、正常であればブレーキ作動前後のライニングがディスクに当接していない2つのタイミングマグネットブレーキの温度、すなわち第1の温度と第2の温度を比較することになり、これら第1の温度と第2の温度との温度差が所定値よりも大きくはならないから異常とは判断しない。一方、ブレーキ異常は通常、ライニングとディスクとの間に固渋が発生することから生じ、ブレーキに固渋が生じていると、摩擦熱によりマグネットブレーキの温度は高くなり、第1の温度と第2の温度との温度差が所定値よりも大きくなるから異常と判断でき、これにより異常容易に検出できる。
【0015】
また、これらの第1の温度の計測および第2の温度の計測にはそれぞれマグネットブレーキ設置場所の気温が同等に影響していることから、気温そのものが判定に及ぼす影響は無視できる。したがって、精度良くマグネットブレーキの異常を検出することができる。なお、マグネットブレーキは、動力系統のブレーキとして一般に用いられることも多いので、気温の影響が考えられるが、第1の温度の計測および第2の温度の計測にはそれぞれエレベータ設置場所の気温が同等に影響していることから、気温そのものが判定に及ぼす影響は無視できる。
【0016】
前記第2の手段では、マグネットブレーキに設けられた温度検出手段は、コイルへの通電が解除され、ブレーキが作動した後の第1の温度と、前記ブレーキの作動から所定時間継続して制動力を働かせた後の第2の温度とをそれぞれ計測する。温度比較手段は第1の温度と第2の温度を比較し、制御手段はこの比較結果に基づいて正常あるいは異常を判断する。ブレーキに固渋が生じていると、摩擦熱により上昇した温度が一定時間経過後に低くなることから、第1の温度と第2の温度との温度差が所定値より大きければ異常と判断でき、これにより異常容易に検出できる。
【0017】
前記第の手段では、マグネットブレーキに異常が発生していると制御手段が判断したときには、報知手段からその旨報知するので、マグネットブレーキに異常が生じたことが管理者側で直ぐに分かり、ブレーキ異常への対応を速やかにとることができる。
【0018】
前記第の手段では、ブレーキ解除指令に応じてアマチュアが吸引されたときの第1の温度、およびブレーキ動作指令に応じてアマチュアが復帰する前の第2の温度をそれぞれ計測する。次いで、温度比較手段によって第1の温度第2の温度が比較され、さらに制御手段によって前記温度比較手段の比較結果に基づいてマグネットブレーキの異常の有無を判断する。この判断は、第1の手段のようにして行われる。すなわち、第1の温度と第2の温度との温度差が所定値以下である場合、すなわちライニングとディスクに固渋がなく温度上昇が無い場合正常と判断され、一方、温度差が所定値より大きい場合にはマグネットブレーキに固渋が生じていると判断される。このように固渋検出は第1の温度および第2の温度との比較で行われるが、これらの第1の温度の計測および第2の温度の計測にはそれぞれエレベータ設置場所の気温が同等に影響していることから、気温そのものが判定に及す影響は無視できる。したがって、精度良くブレーキの異常を検出することができる。
【0019】
前記第の手段では、マグネットブレーキ動作指令に応じてアマチュアが復帰した後の第1の温度と、マグネットブレーキ動作指令に応じてアマチュアが復帰してから所定時間継続して制動力を働かせた後の第2の温度をそれぞれ計測する。温度比較手段は、第1の温度と第2の温度を比較し、制御手段は、この比較結果に基づいて正常あるいは異常を判断する。ブレーキに固渋が生じていると、摩擦熱により上昇した温度が一定時間経過後に低くなることから、第1の温度と第2の温度との温度差が所定値より大きければ異常と判断でき、これにより異常容易に検出できる。
【0020】
前記第の手段では、制御手段はマグネットブレーキが異常であると判断したとき、通信手段を介して前記監視センタに異常情報を送信するので、マグネットブレーキに異常が生じたことがエレベータ装置の管理センサ(監視センタ)側で直ぐに分かり、ブレーキ異常への対応を速やかにとることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。
【0022】
1は本発明の実施形態に係るエレベータの異常検出装置の構成を示すブロック図、図2はエレベータに備えられるマグネットブレーキの構成図、図3は図1の異常検出装置の動作手順を示すフローチャートである。
【0023】
一般にエレベータは図1に示すように、モータ1により付与される駆動力により図示しない乗かごを昇降させるとともに、モータ1に取付けられたマグネットブレーキ2により制動力が付与され、乗かごは停止するようになっている。そして、これらのモータ1およびマグネットブレーキ2は制御装置10により制御されている。
【0024】
実施形態における異常検出装置20は、制御装置10に接続されるとともに、マグネットブレーキ2の温度を計測する温度検出手段としての温度センサ3を備え、かつ通信手段としての公衆回線30を介して監視センタ40に接続されている。
【0025】
前記マグネットブレーキ2は図2に示すように、モータ1の回転軸1aに連結され、一体に回転するディスク2aと、コイル2bへの通電に応じて吸引されるアマチュア2cと、このアマチュア2cの吸引によりディスク2aから離隔する方向に移動するライニング2dと、アマチュア2cに復帰力を付与する制動ばね2eとを備えている。そして、コイル2bに電流を流すと、コイル2bが制動ばね2eの弾性力に打ち勝ってアマチュア2cを吸引し、ライニング2dをディスク2aから離隔させる。これにより、ディスク2aおよび回転軸1aはフリーとなり、乗かごの走行が可能となる。一方、コイル2bへの通電が遮断されると、アマチュア2cの吸引力が開放され、アマチュア2cは前記制動ばね2eの弾性力により復帰し、ライニング2dがディスク2aに当接して制動力が働くようになっている。
【0026】
実施形態にあっては図3に示すように、異常検出装置20は利用者による呼び登録に応じて乗かごを走行させるために制御装置10から出力されるエレベータ走行指令を検出し(手順S1)、制御装置10から出力されるブレーキ解除指令を検出すると(手順S2)、温度センサ3によって第1の温度Xを計測し、この第1の温度Xを記憶する(手順S3)。すなわち、前記ブレーキ解除指令に応じてアマチュア2cが吸引されたときの温度を計測して記憶する。次に、乗かごを停止させるために制御装置10から出力されるブレーキ動作指令を検出すると(手順S4)、温度センサ3によって第2の温度Yを計測し、この第2の温度Yを記憶する(手順S5)。すなわち、前記ブレーキ動作指令に応じてアマチュア2cが復帰する前の第2の温度Yを計測して記憶する。前記第1の温度Xはブレーキが解除された直後の温度であり、前記第2の温度Yはブレーキが作動する直前の温度である。
【0027】
この後、アマチュア2cが復帰してライニング2dがディスク2aに当接し、乗かごが停止したことが検出されると(手順S6)、第1の温度Xおよび第2の温度Yが異常検出装置20内の比較手段としての図示しない比較回路で比較される(手順S7)。この比較値(Y−X)が所定値(判定値)以下である場合、すなわち、温度上昇が所定値以下の場合、ライニング2dとディスク2aに固渋がなく正常と判断される。一方、前記比較値(Y−X)が所定値より大きい場合には、マグネットブレーキ2に固渋が生じていると判断され、通信手段30を介して監視センタ40に異常情報が送信される(手順S8)。
【0028】
このように構成した実施形態では、異常検出装置20によるマグネットブレーキ2の固渋検出は第1の温度Xおよび第2の温度Yの比較で行われるが、これらの第1の温度Xの計測および第2の温度Yの計測にはそれぞれエレベータ設置場所の気温が同等に影響していることから、気温そのものが判定に及ぼす影響は無視できる。したがって、精度良くマグネットブレーキ2の異常を検出することが可能となる。また、マグネットブレーキ2に固渋が生じていると判断されると監視センタ40に異常情報が送信されることから、迅速な対応を実現することができる。さらに、この実施形態では、監視センタ40への異常情報の送信は、公衆回線30を介して行われているが、専用回線であっても無線回線であっても良く、また、同じビル内に監視センタ40あるいは監視部が設けられている場合には、当該ビルに敷設された通信線を使用するようにすることもできる。
【0029】
なお、実施形態では、マグネットブレーキ2、制御装置10及び異常検出装置20によって異常検出可能なマグネットブレーキ装置を構成している。従って、エレベータ装置のみならず、マグネットブレーキ2を使用する装置全般の異常検出装置として、前記マグネットブレーキ装置を使用することも可能である。また、制御装置10及び異常検出装置20が、第1及び第の手段における温度比較手段及び制御手段を構成している。
【0030】
また、本実施形態では、ブレーキが解除された直後の第1の温度Xと、ブレーキが作動する直前の第2の温度Yとを比較し、ブレーキ固渋を検出したが、逆の言い方をすれば、ブレーキ作動から所定時間後にブレーキの温度が一定値以上低下していれば、それだけブレーキが異常発熱しており、固渋していると判断できる。これを図4を用いて説明する。
【0031】
図4は、マグネットブレーキにおけるブレーキ固渋時の温度変化を示す図である。図において、L3はブレーキ温度、L4はエレベータ走行信号、T4はブレーキ作動後の所定時間、T5はブレーキ温度下降異常判定値をそれぞれ示す。
【0032】
マグネットブレーキ2に固渋が生じている場合は、エレベータ走行中(L4の凸部)においてもブレーキが作動しているため、ブレーキ温度L3が上昇する。このため、エレベータが停止し、ブレーキ作動(アマチュア2c復帰後)から所定時間T4経過する間に、ブレーキ温度が判定値(T5)以上下降することとなる。したがって、ブレーキ作動後(アマチュア2c復帰後)の第1のブレーキ温度と、ブレーキ作動(アマチュア2c復帰後)から所定時間T4経過後の第2のブレーキ温度を比較して温度下降が所定の判定値を越えた場合、マグネットブレーキ2の固渋と判定することも可能である。
【0033】
記した所定時間T4経過する間にエレベータが走行、停止したなら、正確な温度下降値を検出できないため、この異常判定は、ブレーキ作動(アマチュア2c復帰後)から所定時間継続してブレーキが制動力を働かせた際、すなわちエレベータ停止中に行われる。
なお、本実施形態では、マグネットブレーキ2の温度を計測する温度センサ3をライニング2dに装着するようにしたが、温度センサ3はライニング2dとディスク2aの接触で生じた熱が伝達するところであればマグネットブレーキ2の何処に設置しても良い。
【0034】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、精度良く異常を検出することのできるマグネットブレーキ装置及びこのマグネットブレーキ装置を使用したエレベータの異常検出装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係るエレベータの異常検出装置を示すブロック図である。
【図2】 エレベータに備えられるマグネットブレーキの構成図である。
【図3】 図1の異常検出装置の異常検出手順を示すフローチャートである。
【図4】 マグネットブレーキにおけるブレーキ固渋時の温度変化を示す図である
【符号の説明】
1 モータ
2 マグネットブレーキ
3 温度センサ(度検出手段)
10 制御装置
0 異常検出装置
30 公衆回線
40 監視セン

Claims (6)

  1. エレベータ駆動用モータの回転軸に連結されたディスクと、コイルへの通電に応じて吸引され、ライニングを前記ディスクから離間させるアマチュアとを含み、コイルへの通電解除によりブレーキ動作を行うマグネットブレーキの異常を検出するエレベータ異常検出装置において、
    前記マグネットブレーキにおけるライニングとディスクの接触で生じた熱が伝達するところの温度を検出する温度検出手段と、
    前記コイルに通電されてブレーキが解除された直後に前記温度検出手段により検出された第1の温度と、前記コイルへの通電が解除されてブレーキが作動する直前に前記温度検出手段により検出された第2の温度とを比較する温度比較手段と、
    前記温度比較手段によって求められた第1の温度と第2の温度との温度差が所定値より大きければ、前記マグネットブレーキが異常であると判断する制御手段と、
    を備えており、
    前記温度比較手段による第1の温度と第2の温度との比較、および、前記制御手段によるマグネットブレーキの異常の判断を、エレベータ停止中に行うことを特徴とするエレベータ異常検出装置。
  2. エレベータ駆動用モータの回転軸に連結されたディスクと、コイルへの通電に応じて吸引され、ライニングを前記ディスクから離間させるアマチュアとを含み、コイルへの通電解除によりブレーキ動作を行うマグネットブレーキの異常を検出するエレベータ異常検出装置において、
    前記マグネットブレーキにおけるライニングとディスクの接触で生じた熱が伝達するところの温度を検出する温度検出手段と、
    前記コイルへの通電が解除されてブレーキが作動した後に前記温度検出手段により検出された第1の温度と、前記ブレーキの作動から所定時間継続して制動力を働かせた後に前記温度検出手段により検出された第2の温度とを比較する温度比較手段と、
    前記温度比較手段によって求められた第1の温度と第2の温度との温度差が所定値より大きければ、前記マグネットブレーキが異常であると判断する制御手段と、
    を備えており、
    前記温度比較手段による第1の温度と第2の温度との比較、および、前記制御手段によるマグネットブレーキの異常の判断を、エレベータ停止中に行うことを特徴とするエレベータ異常検出装置。
  3. 前記マグネットブレーキが異常であることを報知する報知手段をさらに備え、
    前記制御手段は前記マグネットブレーキが異常であると判断したときには、前記報知手段によりその旨報知することを特徴とする請求項1または2記載のエレベータ異常検出装置。
  4. ブレーキ解除指令に応じてコイルに電流を流すことによりアマチュアを吸引し、ライニングをディスクから離隔させ乗かごの走行を可能とするとともに、ブレーキ動作指令に応じて前記電流を遮断することにより前記アマチュアを復帰させ、前記ライニングを前記ディスクに当接させて制動力を働かせるエレベータ駆動用モータのマグネットブレーキの異常を検出するエレベータ異常検出装置において、
    前記マグネットブレーキにおけるライニングとディスクの接触で生じた熱が伝達するところの温度を検出する温度検出手段と、
    前記ブレーキ解除指令に応じて前記アマチュアが吸引されたときに前記温度検出手段により検出された第1の温度と、前記ブレーキ動作指令に応じて前記アマチュアが復帰する前に検出された第2の温度とを比較する温度比較手段と、
    前記温度比較手段によって求められた第1の温度と第2の温度との温度差が所定値より大きければ、前記マグネットブレーキが異常であると判断する制御手段と、
    を備えており、
    前記温度比較手段による第1の温度と第2の温度との比較、および、前記制御手段によるマグネットブレーキの異常の判断を、エレベータ停止中に行うことを特徴とするエレベータ異常検出装置。
  5. ブレーキ解除指令に応じてコイルに電流を流すことによりアマチュアを吸引し、ライニングをディスクから離隔させ乗かごの走行を可能とするとともに、ブレーキ動作指令に応じて前記電流を遮断することにより前記アマチュアを復帰させ、前記ライニングを前記ディスクに当接させて制動力を働かせるエレベータ駆動用モータのマグネットブレーキの異常を検出するエレベータ異常検出装置において、
    前記マグネットブレーキにおけるライニングとディスクの接触で生じた熱が伝達するところの温度を検出する温度検出手段と、
    前記マグネットブレーキ動作指令に応じて前記アマチュアが復帰した後に前記温度検出手段により検出された第1の温度と、前記アマチュアが復帰してから所定時間継続して制動力を働かせた後に前記温度検出手段により検出された第2の温度とを比較する温度比較手段と、
    前記温度比較手段によって求められた第1の温度と第2の温度との温度差が所定値より大きければ、前記マグネットブレーキが異常であると判断する制御手段と、
    を備えており、
    前記温度比較手段による第1の温度と第2の温度との比較、および、前記制御手段によるマグネットブレーキの異常の判断を、エレベータ停止中に行うことを特徴とするエレベータ異常検出装置。
  6. 監視センタに対して通信を行う通信手段をさらに備え、
    前記制御手段は、前記マグネットブレーキが異常であると判断したとき、前記通信手段を介して前記監視センタに異常情報を送信することを特徴とする請求項4または5記載のエレベータ異常検出装置。
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