JP2009012596A - 車両用空調装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷却用熱交換器および加熱用熱交換器の下流側に送風機が配置された車両用空調装置において、フェイス開口部から車室内へ吹き出される空調風とフット開口部から車室内へ吹き出される空調風との温度差を充分に確保する
【解決手段】遠心式多翼ファン21a、22aの内部空間をボス部21f、22fによって、第1ファン部21d、22dおよび第2ファン部21e、21eに分割し、温風ガイド部材18によって、第2ファン部21e、22e側へ温風を導くことによって、第1ファン部21d、22dには冷風を吸い込ませ、第2ファン部21e、21eには、冷風と温風とを混合した混合風を吸い込ませる。さらに、第1ファン部21d、22dから流出した第1ファン側流出空気をフェイス開口部側へ導き、第2ファン部21e、21eから流出した第2ファン側流出空気をフット開口部側へ導く。
【選択図】図2

Description

本発明は、冷却用熱交換器および加熱用熱交換器の下流側に送風機が配置された車両用空調装置に関する。
従来、冷却用熱交換器である蒸発器にて冷却された冷風と、加熱用熱交換器であるヒータコアにて加熱された温風との混合割合を調整して、車室内へ送風される空調風の温度を調整するエアミックス方式の車両用空調装置が知られている。
さらに、この種のエアミックス方式の車両用空調装置には、蒸発器およびヒータコアの下流側に車室内へ空調風を送風する送風機が配置された、いわゆる吸い込み型レイアウトのものがある。
この吸い込み型レイアウトの車両用空調装置では、冷風および温風が送風機内で混合されるため、送風機から吹き出される送風空気の温度分布を抑制して、例えば、乗員の顔部(上半身)側へ向けて空調風を吹き出すフェイス開口部、乗員の足元側へ向けて空調風を吹き出すフット開口部等の開口部から車室内へ均一な温度の空調風を送風できる。
その一方で、吸い込み型レイアウトの車両用空調装置では、フェイス開口部およびフット開口部から均一な温度の空調風が吹き出されるので、双方の開口部から同時に空調風を吹き出すバイレベルモードにおいて、車室内の温度分布を頭寒足熱型として、乗員の空調フィーリングを向上させることが難しい。
そこで、例えば、特許文献1の吸い込み型レイアウトの車両用空調装置では、送風機の上流側に冷風と温風とを分けて送風機へ吸入させる上流側ドア手段を配置し、送風機の下流側に送風機から吹き出された空調風を冷風と温風とに分ける下流側ドア手段を配置し、さらに、下流側ドア手段によって分けられた冷風をフェイス開口部へ導き、温風をフット開口部へ導くようにしている。
これにより、バイレベルモード時に、フェイス開口部から冷風を吹き出させ、フット開口部から温風を吹き出させるようにして、車室内の頭寒足熱型の温度分布の実現を図ろうとしている。
特開昭60−197420号公報
しかし、本発明者らの検討によれば、特許文献1の車両用空調装置を実際に作動させると、バイレベルモード時に、フェイス開口部から吹き出される空調風の温度とフット開口部から吹き出される空調風の温度との温度差を充分に確保することができず、車室内の頭寒足熱型の温度分布を実現できないことがある。
その理由は、特許文献1の車両用空調装置では、単に、送風機の上流側および下流側にそれぞれドア手段を配置しているだけなので、送風機内における冷風および温風の混合状態を調整できないからである。
つまり、例えば、送風機の回転数が変化して、送風機へ吸入された冷風および温風が送風機内で充分に混合されてしまうと、送風機から吹き出される空調風を冷風と温風とに分けることができず、フェイス開口部へ導かれる空調風とフット開口部へ導かれる空調風との温度差が小さくなってしまう。
そのため、フェイス開口部から車室内へ吹き出される空調風の温度と、フット開口部から車室内へ吹き出される空調風の温度との温度差を充分に確保することができなくなり、車室内の頭寒足熱型の温度分布を実現することができなくなってしまう。
本発明は、上記点に鑑み、冷却用熱交換器および加熱用熱交換器の下流側に送風機が配置された車両用空調装置において、フェイス開口部から車室内へ吹き出される空調風とフット開口部から車室内へ吹き出される空調風との温度差を充分に確保することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、空気が流れる空気通路を形成するケース(11)と、ケース(11)内に配置されて、空気を冷却する冷却用熱交換器(14)と、ケース(11)内に配置されて、空気を加熱する加熱用熱交換器(15)と、冷却用熱交換器(14)および加熱用熱交換器(15)の空気流れ下流側に配置されて、車室内に向けて空気を送風する遠心ファン(21a、22a)と、遠心ファン(21a、22a)から送風された空気を車室内乗員の顔部側へ向けて吹き出すフェイス開口部(25)と、遠心ファン(21a、22a)から送風された空気を車室内乗員の足元側へ向けて吹き出すフット開口部(27)とを備える車両用空調装置であって、
遠心ファン(21a、22a)は、回転軸(C)方向の両側から空気を吸い込む両吸込式ファンで構成されるとともに、遠心ファン(21a、22a)の内部空間を回転軸(C)に対して垂直に仕切って第1ファン部(21d、22d)および第2ファン部(21e、22e)に分割するボス部(21f、22f)を有し、
第1ファン部(21d、22d)側の第1吸込口(21g、22g)には、冷却用熱交換器(14)にて冷却された冷風が吸い込まれ、第2ファン部(21e、22e)側の第2吸込口(21h、22h)には、冷風と加熱用熱交換器(15)にて加熱された温風とを混合した混合風が吸い込まれ、
第1ファン部(21d、22d)から流出した第1ファン側流出空気が、フェイス開口部(25)側へ導かれ、第2ファン部(21e、22e)から流出した第2ファン側流出空気が、フット開口部(27)側へ導かれる車両用空調装置を第1の特徴とする。
これによれば、両吸込式の遠心ファン(21a、22a)の内部空間を第1ファン部(21d、22d)および第2ファン部(21e、22e)に分割するボス部(21f、22f)が設けられているので、第1ファン部(21d、22d)へ流入した冷風と第2ファン部(21e、22e)へ流入した混合風が、遠心ファン(21a、22a)の内部で混合されることがない。
従って、第1ファン側流出空気は冷風となり、第2ファン側吹出空気は混合風となるので、第1ファン側流出空気の温度を第2ファン側吹出空気の温度よりも確実に低くできる。
さらに、第1ファン側流出空気がフェイス開口部(25)側へ導かれ、第2ファン側吹出空気がフット開口部(27)側へ導かれるので、フェイス開口部(25)から車室内へ吹き出される空調風の温度を、フット開口部(27)から車室内へ吹き出される空調風の温度よりも確実に低くできる。
従って、フェイス開口部(25)から車室内へ吹き出される空調風とフット開口部(27)から車室内へ吹き出される空調風との温度差を充分に確保することができる。その結果、例えば、上述のバイレベルモード時に、車室内の頭寒足熱型の温度分布を確実に実現して、乗員の空調フィーリングを確実に向上できる。
なお、本発明において、第1ファン部(21d、22d)側の第1吸込口(21g、22g)に、冷風が吸い込まれるとは、第1吸込口(21g、22g)に冷風のみが吸い込まれることを意味するものではない。
すなわち、冷却用熱交換器(14)および加熱用熱交換器(15)の空気流れ下流側にて冷風と温風とが混合し得る場合には、第1吸込口(21g、22g)に冷風が温風よりも多く、あるいは優先的に吸い込まれるという意味である。
また、上記第1の特徴の車両用空調装置において、具体的に、温風の流れのうち加熱用熱交換器(15)から第1吸込口(21g、22g)側へ向かう流れを遮るように配置されて、温風を第2吸込口(21h、22h)側へ導く温風ガイド部材(18)を備えていてもよい。これにより、容易に、第1吸込口(21g、22g)に、冷風を吸い込ませ、第2吸込口(21h、22h)に、混合風を吸い込ませることができる。
また、上述の第1の特徴の車両用空調装置において、温風ガイド部材(18)は、ケース(11)に一体に形成された壁部で構成されていてもよいし、第1吸込口(21g、22g)側へ導く温風の風量を変化させるドア手段で構成されていてもよい。
温風ガイド部材(18)をドア手段で構成することによって、第1吸込口(21g、22g)に冷風のみならず、温風も吸い込ませることができるので、第1ファン側流出空気の温度と第2ファン側吹出空気の温度との温度差を自在に調整制御することができる。
その結果、フェイス開口部(25)から車室内へ吹き出される空調風とフット開口部(27)から車室内へ吹き出される空調風との温度差を自在に調整制御する、いわゆる上下独立温度コントロールを行うこともできる。
また、本発明は、空気が流れる空気通路を形成するケース(11)と、ケース(11)内に配置されて、空気を冷却する冷却用熱交換器(14)と、ケース(11)内に配置されて、空気を加熱する加熱用熱交換器(15)と、冷却用熱交換器(14)および加熱用熱交換器(15)の空気流れ下流側に配置されて、車室内に向けて空気を送風する遠心ファン(21a、22a)と、遠心ファン(21a、22a)から送風された空気を車室内乗員の顔部側へ向けて吹き出すフェイス開口部(25)と、遠心ファン(21a、22a)から送風された空気を車室内乗員の足元側へ向けて吹き出すフット開口部(27)とを備える車両用空調装置であって、
遠心ファン(21a、22a)は、回転軸(C)方向の両側から空気を吸い込む両吸込式ファンで構成されるとともに、遠心ファン(21a、22a)の内部空間を回転軸(C)に対して垂直に仕切って第1ファン部(21d、22d)および第2ファン部(21e、22e)に分割するボス部(21f、22f)を有し、
第1ファン部(21d、22d)側の第1吸込口(21g、22g)には、冷却用熱交換器(14)にて冷却された冷風と加熱用熱交換器(15)にて加熱された温風とを混合した混合風が吸い込まれ、第2ファン部(21e、22e)側の第2吸込口(21h、22h)には、温風が吸い込まれ、
第1ファン部(21d、22d)から流出した第1ファン側流出空気が、フェイス開口部(25)側へ導かれ、第2ファン部(21e、22e)から流出した第2ファン側流出空気が、フット開口部(27)側へ導かれる車両用空調装置を第2の特徴とする。
これによれば、第1の特徴の車両用空調装置と同様に、第1ファン部(21d、22d)へ流入した混合風と第2ファン部(21e、22e)へ流入した温風が、遠心ファン(21a、22a)の内部で混合されることがない。
従って、第1ファン側流出空気は混合風となり、第2ファン側吹出空気は温風となるので、第1ファン側流出空気の温度を第2ファン側吹出空気の温度よりも確実に低くでき、さらに、フェイス開口部(25)から車室内へ吹き出される空調風の温度を、フット開口部(27)から車室内へ吹き出される空調風の温度よりも、確実に低くできる。
これにより、フェイス開口部(25)から車室内へ吹き出される空調風とフット開口部(27)から車室内へ吹き出される空調風との温度差を充分に確保することができる。その結果、第1の特徴の車両用空調装置と同様に、例えば、バイレベルモード時に、乗員の空調フィーリングを向上できる。
なお、本発明において、第2ファン部(21e、22e)側の第2吸込口(21h、22h)に、温風が吸い込まれるとは、第2吸込口(21h、22h)に温風のみが吸い込まれることを意味するものではない。
すなわち、冷却用熱交換器(14)および加熱用熱交換器(15)の空気流れ下流側にて冷風と温風とが混合し得る場合には、第2吸込口(21h、22h)に温風が冷風よりも多く、あるいは優先的に吸い込まれるという意味である。
また、上記第2の特徴の車両用空調装置において、具体的に、冷風の流れのうち冷却用熱交換器(14)から第2吸込口(21h、22h)側へ向かう流れを遮るように配置されて、冷風を第1吸込口(21g、22g)側へ導く冷風ガイド部材(29)を備えていてもよい。これにより、容易に、第1吸込口(21g、22g)に、混合風を吸い込ませ、第2吸込口(21h、22h)に、温風を吸い込ませることができる。
また、上述の第2の特徴の車両用空調装置において、冷風ガイド部材(29)は、ケース(11)に一体に形成された壁部で構成されていてもよいし、第2吸込口(21h、22h)側へ導く冷風の風量を変化させるドア手段で構成されていてもよい。
冷風ガイド部材(29)をドア手段で構成することによって、第2吸込口(21h、22h)に温風のみならず、冷風も吸い込ませることができるので、フェイス開口部(25)から車室内へ吹き出される空調風とフット開口部(27)から車室内へ吹き出される空調風との温度差を自在に調整制御する上下独立温度コントロールが可能となる。
また、上述の第1、2の特徴の車両用空調装置において、さらに、ケース(11)内に配置されて、遠心ファン(21a、22a)を収容するとともに、遠心ファン(21a、22a)から流出した空気が通過する流出空気通路(21c、22c)を形成するファンケーシング(21b、22b)を備え、ファンケーシング(21b、22b)には、流出空気通路(21c、22c)を、第1ファン側流出空気が通過する第1流出空気通路(21i、22i)と第2ファン側流出空気が通過する第2流出空気通路(21j、22j)とに仕切る仕切板(21k、22k)が設けられていてもよい。
これによれば、第1ファン部(21d、22d)から流出した空気と第2ファン部(21e、22e)から流出した空気がファンケーシング(21b、22b)の内部で混合してしまうことを抑制できるので、フェイス開口部(25)から車室内へ吹き出される空調風とフット開口部(27)から車室内へ吹き出される空調風との温度差を、より一層、充分に確保することができる。
また、上述の第1、2の特徴の車両用空調装置において、さらに、フット開口部(27)を開閉するフットドア(28)を備え、フットドア(28)は、フット開口部(27)を開いたときに、第2ファン側吹出空気をフット開口部(27)側へ導くようにガイドする形状になっていてもよい。
これによれば、第1ファン側流出空気に対して温度の高い第2ファン側吹出空気をフット開口部(27)側へ導くことができるので、フェイス開口部(25)から車室内へ吹き出される空調風とフット開口部(27)から車室内へ吹き出される空調風との温度差を、より一層、充分に確保することができる。
また、上述の第1、2の特徴の車両用空調装置において、冷却用熱交換器(14)の熱交換面は、回転軸(C)に対して平行に配置され、加熱用熱交換器(15)の熱交換面は、回転軸(C)に対して平行に配置され、遠心ファン(21a、22a)は、回転軸(C)に同軸上に2つ設けられており、2つの遠心ファン(21a、22a)のそれぞれの第1ファン部(21d、22d)は、互いに対向する側に配置されていてもよい。
これによれば、後述する実施形態に説明するように、冷却用熱交換器(14)および加熱用熱交換器(15)の下流側の回転軸(C)方向中央部近傍に相対的に温度の低い空気を集中させて2つの遠心ファン(21a、22a)の第1ファン部(21d、22d)に吸入させ、回転軸(C)方向両端部近傍に相対的に温度の高い空気を集中させて2つの遠心ファン(21a、22a)の第2ファン部(21e、22e)に吸入させるレイアウトを容易に実現できる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
(第1実施形態)
図1〜3により、本発明の第1実施形態について説明する。図1は、本実施形態の車両用空調装置における室内空調ユニット10の断面図である。図2は、図1のA−A断面図であり、図3は、図1のB−B断面図である。なお、各図の前後上下左右の各矢印は、室内空調ユニット10の車両搭載状態における方向を示している。
なお、この室内空調ユニット10は、車室内最前部の計器盤(インストルメントパネル)の内側のうち、車両幅方向(左右方向)の略中央部に配置されている。また、室内空調ユニット10は、その外殻を形成するとともに、車室内へ向かって送風される室内送風空気の空気通路を形成するケース11を有している。このケース11は、ある程度の弾性を有し、強度的にも優れた樹脂(例えば、ポリプロピレン)にて成形されている。
さらに、ケース11は、車両幅方向の略中央部に車両上下方向の分割面を有しており、この分割面で左右2つの分割部に分割できる。そして、左右2つの分割部は、その内部に後述する蒸発器14、ヒータコア15等の各構成機器を収容した状態で、金属バネ、クリップ、ネジ等の締結手段によって一体に結合されている。
また、図1に示すように、ケース11の車両前方側かつ上方側であって、ケース11に形成された空気通路の最上流部には、内気(車室内空気)と外気(車室外空気)とを切替導入する内外気切替部12が設けられている。この内外気切替部12には、ケース11内に内気を導入させる内気導入口12aおよび外気を導入させる外気導入口12bが形成されている。
さらに、内外気切替部12の内部には、内気導入口12aおよび外気導入口12bを開閉する内外気切替ドア13が回転自在に配置されている。具体的には、この内外気切替ドア13は、板状のドア本体部13aの一端側に、車両幅方向に延びる回転軸部13bが一体に結合された、いわゆる片持ちドアである。
そして、内外気切替部12では、図示しないサーボモータあるいはマニュアル操作によって回転軸部13bを回転させ、ドア本体部13aを回転変位させることによって、内気導入口12aおよび外気導入口12bの開口面積を連続的に調整できるようになっている。
内外気切替部12の空気流れ下流側には、蒸発器14が略上下方向(略鉛直方向)に配置されている。蒸発器14は、周知の蒸気圧縮式冷凍サイクル(図示せず)を構成する機器の1つであり、冷凍サイクル内の低圧冷媒を蒸発させて吸熱作用を発揮させることで、室内送風空気を冷却する冷却用熱交換器である。
蒸発器14の空気流れ上流側には、蒸発器14の熱交換面(コア面)の全面を覆うように、フィルタ14aが設けられている。このフィルタ14aは、内外気切替部12からケース11内へ流入した内気および外気中の粉塵等を捕捉するものである。
蒸発器14の空気流れ下流側の車両後方側かつ上方側には、ヒータコア15が配置されている。ヒータコア15は、図示しないエンジン冷却水回路を循環する高温のエンジン冷却水を内部に流入させ、エンジン冷却水と蒸発器14にて冷却された冷風とを熱交換させて、冷風を再加熱する加熱用熱交換器である。
このヒータコア15も略上下方向に配置されているが、上側よりも下側が車両後方側へ若干傾斜するように配置されている。これにより、後述するエアミックスドア20の作動空間を確保している。なお、蒸発器14およびヒータコア15が略上下方向に配置されるとは、その熱交換面(コア面)が略上下方向に延びるように配置されることを意味する。
ヒータコア15の車両後方側には、ケース11に一体に形成された壁部16が配置されており、ヒータコア15と壁部16との間には、ヒータコア15にて加熱された温風が上方から下方へ流れる温風通路17が形成される。また、温風通路17の下流側には、後述する第1、2送風機21、22が配置されている。
さらに、温風通路17の最下流部には、温風の流れをガイドする温風ガイド部材18が配置されている。この温風ガイド部材18は、内外気切替ドア13と同様の片持ちドア構造の構成になっている。
従って、図示しないサーボモータあるいはマニュアル操作によって、車両幅方向に延びる回転軸部18bを回転させ回転軸部18bに結合された板状の本体部18aを回転変位させることによって、温風の流れ方向を変化させることができるようになっている。なお、温風ガイド部材18の詳細については後述する。
蒸発器14の後方側であって、かつ、ヒータコア15の下方側には、冷風通路19が形成されている。この冷風通路19は、蒸発器14通過後の冷風がヒータコア15を迂回して流れるバイパス通路である。また、冷風通路19の下流側(車両後方側)には第1、2送風機21、22が配置されている。
さらに、図1に示すように、蒸発器14の直後には、ヒータコア15側へ流入させる冷風および冷風通路19側へ流入させる冷風の風量割合を調整するエアミックスドア20が配置されている。このエアミックスドア20は、車両上下方向に円弧状に湾曲して延びる板状部20aを、ギア機構20bを介して、図示しないサーボモータあるいはマニュアル操作によって板状部20aの湾曲方向に駆動変位させるスライドドアで構成されている。
より具体的には、エアミックスドア20の板状部20aを車両上方に移動(スライド)させることによって、冷風通路19側の通路開度を増加させ、ヒータコア15側の通路開度を減少させる。逆に、板状部20aを車両下方に移動(スライド)させることによって、冷風通路19側の通路開度を減少させ、ヒータコア15側の通路開度を増加させる。
そして、このエアミックスドア20の開度調整によって、第1、2送風機21、22へ吸入される冷風および温風の風量割合が調整され、第1、2送風機21、22から、車室内に向けて送風される室内送風空気の温度調整がなされる。つまり、エアミックスドア20は、室内送風空気の温度調整手段を構成する。
前述の如く、蒸発器14およびヒータコア15の空気流れ下流側には、図2に示すように、2つの送風機(第1、2送風機21、22)が配置されている。この第1、2送風機21、22は、車室内に向けて空気を送風するもので、これらの2つの送風機21、22の基本的構成は同一である。
まず、第1送風機21は、図2に示すように、車両幅方向に延びる回転軸C回りに一定間隔で環状に配置された複数枚のブレードを有する周知の遠心式多翼ファン21a、この遠心式多翼ファン21aを収容するとともに、この遠心式多翼ファン21aから流出した空気が通過する流出空気通路21cを形成するスクロールケーシング21b等を有して構成される。
この遠心式多翼ファン21aは、回転軸C方向の両側から空気を吸い込む両吸込式の送風ファンである。さらに、遠心式多翼ファン21aの内部には、遠心式多翼ファン21aの内部空間を回転軸Cに対して垂直に仕切って第1ファン部21dおよび第2ファン部21eに分割する略平板状のボス部21fが設けられている。
なお、本実施形態では、第1ファン部21dは、図2、3に示すように、第1送風機21のうち車両幅方向右側に配置され、第2ファン部21eは、第1送風機21のうち車両幅方向左側に配置されている。また、第1ファン部21d側の空気吸込口が第1吸込口21gとなり、第2ファン部21d側の空気吸込口が第2吸込口21hとなる。
スクロールケーシング21bは、流出空気通路21cの通路断面積が、遠心式多翼ファン21aの回転方向に向かって徐々に拡大する渦巻き形状のファンケーシングであり、ケース11に一体に形成されている。また、第1吸込口21gおよび第2吸込口21hに対応する部位に2つの開口部が設けられている。従って、この2つの開口部を介して、第1吸込口21gおよび第2吸込口21hへ空気が吸入される。
さらに、スクロールケーシング21bの内部には、流出空気通路21cを、第1ファン部21dから流出した第1ファン側流出空気が通過する第1流出空気通路21iと第2ファン部21eから流出した第2ファン側流出空気が通過する第2流出空気通路21jとに仕切る仕切板21kが設けられている。
次に、第2送風機22は、第1送風機21と同様の遠心式多翼ファン22aおよびスクロールケーシング22b等を有して構成される。この第2送風機22は、第1送風機21に対して車両幅方向右側に配置されるとともに、第2送風機22の遠心式多翼ファン22aは、第1送風機21の遠心式多翼ファン21aと同軸上に配置されている。
また、第2送風機22の遠心式多翼ファン22aにも、第1送風機21と同様のボス部22fが設けられ、第1ファン部22dおよび第2ファン部22eが形成されている。なお、第2送風機22については、第1送風機21とは逆に、第1ファン部22d(第1吸込口22g)が、第2送風機22のうち車両幅方向左側に配置され、第2ファン部22e(第2吸込口22h)が、第2送風機22のうち車両幅方向右側に配置される。
従って、第1、2遠心式多翼ファン21a、22aのそれぞれの第1ファン部21d、22dは、互いに対向する側に配置されている。
さらに、第2送風機22のスクロールケーシング22bの内部にも、流出空気通路22cを、第1ファン部22dから流出した第1ファン側流出空気が通過する第1流出空気通路22iと第2ファン部22eから流出した第2ファン側流出空気が通過する第2流出空気通路22jとに仕切る仕切板22kが設けられている。
なお、それぞれの遠心式多翼ファン21a、22aは、各送風機21、22の間であって、車両幅方向略中央部に配置された、共通の電動モータ23から回転駆動力を伝達されて空気を送風する。もちろん、電動モータ23を2つ設けて、それぞれの遠心式多翼ファン21a、22aを独立して回転駆動させるようにしてもよい。
ここで、前述の温風ガイド部材18の詳細について説明する。前述の如く、温風ガイド部材18は、温風通路17の最下流部配置されており、さらに、図2に示すように、その本体部18aの車両幅方向の範囲(長さ)は、第1送風機21のボス部21f(仕切板21k)から第2送風機22のボス部221f(仕切板22k)へ至る範囲(長さ)になっている。
つまり、ヒータコア15から第1、2送風機21、22の第1吸込口21g、22g側へ向かう温風の流れを遮るように配置されている。そのため、ヒータコア15にて加熱された温風は、矢印Dに示すように、第1吸込口21g、22g側へは流れにくくなり、第2吸込口21h、22h側へ流れる。
一方、蒸発器14にて冷却された冷風は、矢印E1に示すように、第1吸込口21g、22g側へ流れ、矢印E2に示すように、第2吸込口21h、22h側へ流れる。従って、第1吸込口21g、22gには、蒸発器14にて冷却された冷風を優先的に吸い込ませ、第2吸込口21h、22hには、蒸発器14にて冷却された冷風とヒータコア15にて加熱された温風とを混合した混合風を優先的に吸い込ませることができる。
また、温風ガイド部材18の回転軸部18bは、第1、2送風機21、22の回転軸Cに対して平行に延びており、蒸発器14の熱交換面(コア面)およびヒータコア15の熱交換面(コア面)もそれぞれ回転軸Cに対して平行に配置されている。
次に、ケース11の上面部であって、車両前後方向略中央部には、第1、2送風機21、22から送風された空気を車両前面窓ガラスに向けて吹き出すデフロスタ開口部24が設けられている。具体的には、このデフロスタ開口部24を通過した空気は、図示しないデフロスタダクトおよび車両計器盤上面に設けられたデフロスタ吹出口を介して、車両前面窓ガラスの内面に向けて吹き出される。
さらに、ケース11の上面部であって、デフロスタ開口部24の後方には、第1、2送風機21、22から送風された空気を車室内乗員の顔部側へ向けて吹き出すフェイス開口部25が設けられている。具体的には、このフェイス開口部25を通過した空気は、図示しないフェイスダクトおよび車両計器盤前面等に設けられたフェイス吹出口を介して、車室内乗員に向けて吹き出される。
そして、図1に示すように、デフロスタ開口部24およびフェイス開口部25の直下には、デフロスタ開口部24を通過させる空調風およびフェイス開口部25を通過させる空調風の風量を調整するデフロスタ・フェイスドア26が配置されている。
このデフロスタ・フェイスドア26は、前述のエアミックスドア20と同様に、車両前後方向に円弧状に湾曲して延びる板状部26aを、ギア機構26bを介して、図示しないサーボモータあるいはマニュアル操作によって板状部26aの湾曲方向に駆動変位させるスライドドアで構成されている。
より具体的には、デフロスタ・フェイスドア26の板状部26aを車両後方に移動させることによって、デフロスタ開口部24の開度を増加させ、逆に、板状部26aを車両前方に移動させることによって、フェイス開口部25の開度を増加させることができる。
さらに、ケース11の車両幅方向両側面の上方部には、図3に示すように、第1、2送風機21、22から送風された空気を車室内乗員の足元側へ向けて吹き出すフット開口部27が設けられている。具体的には、このフット開口部27を通過した空気は、図示しないフットダクトおよび車室内の乗員の足元近傍に設けられたフット吹出口を介して、車室内乗員の足元側に向けて吹き出される。
また、各フット開口部27には、フット開口部27を開閉するフットドア28が配置されている。このフットドア28は、板状のドア本体部28aの略中央部に車両前後方向に延びる回転軸部28bが一体に結合された、いわゆるバタフライドアである。そして、図示しないサーボモータあるいはマニュアル操作によって回転軸部28bを回転させ、ドア本体部28aを回転変位させることで、フット開口部27を開閉する。
また、このフットドア28の一方の先端部は、フット開口部27を開いたときに、近い側の各送風機21、22の流出空気通路21c、22cを仕切る仕切板21k、22kの先端部に向かって延びる形状になっている。すなわち、各送風機21、22の第2流出空気通路21j、22jから吹き出された第2ファン側吹出空気をフット開口部27側へ導くようにガイドする形状になっている。
次に、本実施形態の電気制御部の概要を説明する。上述したエアミックスドア20、デフロスタ・フェイスドア26およびフットドア28用の各サーボモータ並びに第1、2送風機21、22用の電動モータ23等の各種アクチュエータは、図示しない空調制御装置の出力側に接続されており、空調制御装置から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
空調制御装置は、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成される。この空調制御装置は、そのROM内に空調装置制御プログラムを記憶しており、その空調装置制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行い、出力側に接続された空調制御機器の作動を制御する。
空調制御装置の入力側には、外気温Tam、内気温Tr、車室内に入射する日射量Ts等の車両環境状態を検出するセンサ群、および、車両用空調装置の作動指令信号を出力する作動スイッチ、車室内目標温度Tsetを設定する温度設定スイッチ等が設けられた操作パネルが接続される。
次に、上記構成において本実施形態の作動を説明する。車両作動状態において、作動スイッチが投入されると空調制御装置がROMに記憶している空調装置制御用プログラムを実行する。空調装置制御用プログラムが実行されると、前述のセンサ群により検出された検出信号および操作パネルの操作信号が読込まれる。そして、これらの信号に基づいて、車室内吹出空気の目標吹出温度TAOが算出される。
さらに、空調制御装置は目標吹出温度TAOに基づいて、第1、2送風機21、22の回転数(送風量)、デフロスタ・フェイスドアおよびフットドアの開閉状態(吹出モード)、エアミックスドア20の目標開度等を決定し、決定した制御状態が得られるように各種アクチュエータに制御信号を出力する。
そして、再び、操作信号および検出信号の読込み→TAOの算出→新たな制御状態の決定→制御信号の出力といったルーチンを繰り返す。
ここで、デフロスタ・フェイスドア26およびフットドア28の開閉状態(吹出モード)の制御状態について説明する。吹出モードは目標吹出温度TAOに基づいて、あらかじめ空調制御装置に記憶された制御マップを参照して決定される。本実施形態では、目標吹出温度TAOが低温域から高温域へと上昇するにつれて吹出モードをフェイスモード→バイレベルモード→フットモードへと順次切替える。
以下、各吹出モードにおけるデフロスタ・フェイスドア26およびフットドア28の開閉状態について説明する。
フェイスモードは、フェイス吹出口から乗員の顔部側に向けて空調風を吹き出すモードである。従って、フェイスモードでは、デフロスタ・フェイスドア26は、フェイス開口部25を全開する位置に回転操作され、フットドア28は、フット開口部27を全閉する位置に回転操作される。
フットモードは、フット吹出口から乗員の足元側へ向けて空調風を吹き出すモードである。従って、フットモードでは、デフロスタ・フェイスドア26は、フェイス開口部25を全閉する位置に回転操作され、フットドア28は、フット開口部27を全開する位置に回転操作される。
バイレベルモードは、フェイス吹出口から乗員の顔部側と向けて空調風を吹き出すと同時にフット吹出口から乗員の足元側に向けて空調風を吹き出すモードである。従って、バイレベルモードでは、デフロスタ・フェイスドア26は、フェイス開口部25を開く位置に回転操作され、フットドア28は、フット開口部27を開く位置に回転操作される。
なお、乗員のマニュアル操作によって吹出モードの1つとして、デフロスタモードを実行することもできる。このデフロスタモードは、デフロスタ吹出口から車両窓ガラス側に向けて空調風を吹き出すモードである。従って、デフロスタモードでは、デフロスタ・フェイスドア26は、デフロスタドア24を全開する位置に回転操作される。
以上の吹出モードのうち、本実施形態では、特にバイレベルモードにおいて以下のような優れた効果を発揮できる。
具体的には、車両用空調装置が作動し、空調制御装置の制御信号が出力されると、第1、2送風機21、22が作動する。前述の如く、図2の矢印E1に示すように、第1ファン部21d、22dへ冷風が優先的に吸い込まれ、矢印DおよびE2に示すように、第2ファン部21e、22eへ混合風が優先的に吸い込まれる。
この際、第1ファン部21d、22dおよび第2ファン部21e、22eの間にボス部21f、22fが設けられているので、第1ファン部21d、22dへ流入した冷風と第2ファン部21e、22eへ流入した混合風が、遠心式送風ファン21a、22bの内部で混合されることがない。
従って、図3の矢印Fに示す第1ファン部21d、22dから流出した第1ファン側流出空気は冷風となり、図3の矢印Gに示す第2ファン部21e、22deから流出した第2ファン側吹出空気は混合風となるので、第1ファン側流出空気の温度を第2ファン側吹出空気の温度よりも確実に低くできる。
さらに、矢印Fに示すように、第1ファン側流出空気が車両幅方向略中央部を流れて、フェイス開口部25側へ導かれ、矢印Gに示すように、第2ファン側吹出空気が車両幅方向左右両側近傍を流れて、フット開口部27側へ導かれる。
従って、フェイス開口部25から車室内へ吹き出される空調風の温度を、フット開口部27から車室内へ吹き出される空調風の温度よりも確実に低くして、その温度差を充分に確保できる。その結果、バイレベルモード時に、車室内の頭寒足熱型の温度分布を確実に実現して、乗員の空調フィーリングを向上できる。
さらに、温風ガイド部材18を片持ちドア構造で構成しているので、温風ガイド部材18の回転位置を変化させることによって、第1吸込口21g、22gに冷風のみならず、温風も吸い込ませることができる。従って、フェイス開口部25から車室内へ吹き出される空調風とフット開口部27から車室内へ吹き出される空調風との温度差を調整制御する、上下独立温度コントロールが可能となる。
さらに、スクロールケーシング21b、22bを、第1流出空気通路21i、22iと第2流出空気通路21j、22jとに仕切る仕切板21k、22kが設けられているので、第1ファン側流出空気と第2ファン側流出空気が混合してしまうことを抑制できる。
その結果、第1ファン側流出空気の温度と第2ファン側吹出空気の温度との温度差を、より一層、確実に確保できる。
さらに、フットドア28の一方の先端部が、フット開口部27を開いたときに、近接する側の各送風機21、22の仕切板21k、22kの先端部に向かって延びる形状になっているので、第1ファン側流出空気に対して温度の高い第2ファン側吹出空気をフット開口部27側へ導くことができる。
その結果、フェイス開口部25から車室内へ吹き出される空調風とフット開口部27から車室内へ吹き出される空調風との温度差を、より一層、充分に確保することができる。
さらに、本実施形態のように、蒸発器14の熱交換面、ヒータコア15の熱交換面および第1、2送風機21、22の回転軸Cを平行に配置することで、車両幅方向中央部近傍に相対的に温度の低い空気を集中させ、車両幅方向左右両端側近傍に相対的に温度の高い空気を集中させるレイアウトを容易に実現できる。
その結果、容易に、相対的に温度の低い空気をフェイス開口部25側へ導き、相対的に温度の高い空気をフット開口部27側へ導くことができる。
なお、本発明者らの検討によれば、本実施形態の構成により、フェイス開口部25から車室内へ吹き出される空調風とフット開口部27から車室内へ吹き出される空調風との温度差を16℃以上確保できることが判っている。
(第2実施形態)
第1実施形態では、温風の流れをガイドする温風ガイド部材18を設けた例を説明したが、本実施形態では、図4〜6に示すように、温風ガイド部材18を廃止して、冷風の流れをガイドする冷風ガイド部材29を設けた例を説明する。
なお、図4は、本実施形態の車両用空調装置における室内空調ユニット10の断面図である。図5は、図4のA−A断面図であり、図6は、図4のB−B断面図である。また、図4〜6では、第1実施形態と同一もしくは均等部分には同一の符号を付している。
図4に示すように、本実施形態の冷風ガイド部材29は、冷風通路19に配置されている。この冷風ガイド部材29は、温風ガイド部材18と同様の片持ちドア構造の構成になっている。従って、図示しないサーボモータあるいはマニュアル操作によって、車両幅方向に延びる回転軸部29bを回転させ回転軸部29bに結合された板状の本体部29aを回転変位させることによって、温風の流れ方向を変化させることができるようになっている。
さらに、冷風ガイド部材29は、図5に示すように、車両幅方向左右両端側に2つ設けられており、各冷風ガイド部材29の本体部29aの車両幅方向の範囲(長さ)は、ケース11の左右両端側から近い方の第1、2送風機21、22の第2吸込口21h、22hへ至る範囲(長さ)になっている。
つまり、蒸発器14から第1、2送風機21、22の第2吸込口21h、22h側へ向かう冷風の流れを遮るように配置されている。そのため、蒸発器14にて冷却された冷風は、第2吸込口21h、22h側へ流れにくくなり、矢印E3に示すように、第1吸込口21g、22g側へ流れる。
一方、ヒータコア15にて加熱された温風は、矢印D2に示すように、第1吸込口21g、22g側および第2吸込口21h、22h側へ流れる。従って、第1吸込口21g、22gには、蒸発器14にて冷却された冷風とヒータコア15にて加熱された温風とを混合した混合風を優先的に吸い込ませ、第2吸込口21h、22hには、ヒータコア15にて加熱された温風を優先的に吸い込ませることができる。
その他の構成は、第1実施形態と同様である。従って、本実施形態の車両用空調装置を作動させた際のバイレベルモード時には、以下のように、第1実施形態と同様の優れた効果を発揮できる。
具体的には、車両用空調装置が作動して、第1、2送風機21、22が作動すると、前述の如く、第1ファン部21d、22dへ混合風が優先的に吸い込まれ、第2ファン部21e、22eへ混合温風が優先的に吸い込まれる。
この際、第1ファン部21d、22dおよび第2ファン部21e、22eの間にボス部21f、22fが設けられているので、第1ファン部21d、22dへ流入した混合風と第2ファン部21e、22eへ流入した温風が、遠心式送風ファン21a、22bの内部で混合されることがない。
従って、図6の矢印Fに示す第1ファン部21d、22dから流出した第1ファン側流出空気は混合風となり、図6の矢印Gに示す第2ファン部21e、22deから流出した第2ファン側吹出空気は温風となるので、第1ファン側流出空気の温度を第2ファン側吹出空気の温度よりも確実に低くできる。
さらに、矢印Fに示すように、第1ファン側流出空気が車両幅方向中央部近傍を流れて、フェイス開口部25側へ導かれ、矢印Gに示すように、第2ファン側吹出空気が車両幅方向左右両側近傍を流れて、フット開口部27側へ導かれるので、フェイス開口部25から車室内へ吹き出される空調風の温度を、フット開口部27から車室内へ吹き出される空調風の温度よりも確実に低くできる。
従って、フェイス開口部25から車室内へ吹き出される空調風の温度を、フット開口部27から車室内へ吹き出される空調風の温度よりも確実に低くして、その温度差を充分に確保できる。その結果、バイレベルモード時に、車室内の頭寒足熱型の温度分布を確実に実現して、乗員の空調フィーリングを向上できる。
さらに、冷風ガイド部材29を片持ちドア構造で構成しているので、温風ガイド部材29の回転位置を変化させることによって、第2吸込口21h、22hに温風のみならず、冷風も吸い込ませることができる。従って、第1実施形態と同様に、上下独立温度コントロールが可能となる。
(他の実施形態)
本発明は上述の実施形態に限定されることなく、以下のように種々変形可能である。
(1)第1実施形態では、温風ガイド部材18を片持ちドア構造で構成して、上下独立温度コントロールを可能としているが、このような上下独立温度コントロールを必要としない場合は、温風ガイド部材を固定部材で構成してもよい。具体的には、壁部16から温風通路17へ向けて突出する突出部や延設部を設ければよい。
(2)第2実施形態では、冷風ガイド部材29を片持ちドア構造で構成して、上下独立温度コントロールを可能としているが、このような上下独立温度コントロールを必要としない場合は、冷風ガイド部材を固定部材で構成してもよい。具体的には、冷風通路19を形成するケース11の壁面から冷風通路へ向けて突出する突出部や延設部を設ければよい。
(3)上述の実施形態では、第1、2送風機21、22の2つを設け、2つの遠心式多翼ファン21a、22aを採用した例を説明したが、送風機の数はこれに限定されない。例えば、両吸込式の遠心式多翼ファンを有する送風機を1つのみ設けて、一方の吸込口から相対的に温度の低い空気を吸い込み、他方の吸込口から相対的に温度の高い空気を吸い込むようにしてもよい。
(4)上述の実施形態では、フット開口部27を開いた時に、フットドア28の一方の先端部が、近接する側の送風機21、22の仕切板21k、22kの先端部に向かって延びる形状になっているが、その他の形状としてもよい。
すなわち、フットドア28が、第2ファン側吹出空気をフット開口部27側へ導くようにガイドする形状になっていなくても、上述の実施形態によれば、従来技術に対して、フェイス開口部25から車室内へ吹き出される空調風とフット開口部27から車室内へ吹き出される空調風との温度差を充分に確保できる。
(5)上述の実施形態では、各スクロールケーシング21b、22bに仕切板21k、22kを設けているが、この仕切板21k、22kを設けなくてもよい。すなわち、上述の実施形態によれば、従来技術に対して、フェイス開口部25から車室内へ吹き出される空調風とフット開口部27から車室内へ吹き出される空調風との温度差を充分に確保できる。
第1実施形態の車両用空調装置の室内空調ユニットの断面図である。 図1のA−A断面図である。 図1のB−B断面図である。 第2実施形態の車両用空調装置の室内空調ユニットの断面図である。 図4のA−A断面図である。 図4のB−B断面図である。
符号の説明
11…ケース、14…蒸発器、15…ヒータコア、18…温風ガイド部材、
21a、22a…遠心式多翼ファン、21b、22b…スクロールケーシング、
21c、22c…流出空気通路、21d、22d…第1ファン部、
21e、21e…第2ファン部、21f、22f…ボス部、
21g、22g…第1吸込口、21h、22h…第2吸込口、
21i、22i…第1流出空気通路、21j、22j…第2流出空気通路、
21k、22k…仕切板、25…フェイス開口部、27…フット開口部、
28…フットドア、29…冷風ガイド部材。

Claims (11)

  1. 空気が流れる空気通路を形成するケース(11)と、
    前記ケース(11)内に配置されて、前記空気を冷却する冷却用熱交換器(14)と、
    前記ケース(11)内に配置されて、前記空気を加熱する加熱用熱交換器(15)と、
    前記冷却用熱交換器(14)および前記加熱用熱交換器(15)の空気流れ下流側に配置されて、車室内に向けて前記空気を送風する遠心ファン(21a、22a)と、
    前記遠心ファン(21a、22a)から送風された空気を車室内乗員の顔部側へ向けて吹き出すフェイス開口部(25)と、
    前記遠心ファン(21a、22a)から送風された空気を車室内乗員の足元側へ向けて吹き出すフット開口部(27)とを備える車両用空調装置であって、
    前記遠心ファン(21a、22a)は、回転軸(C)方向の両側から空気を吸い込む両吸込式ファンで構成されるとともに、前記遠心ファン(21a、22a)の内部空間を前記回転軸(C)に対して垂直に仕切って第1ファン部(21d、22d)および第2ファン部(21e、22e)に分割するボス部(21f、22f)を有し、
    前記第1ファン部(21d、22d)側の第1吸込口(21g、22g)には、前記冷却用熱交換器(14)にて冷却された冷風が吸い込まれ、
    前記第2ファン部(21e、22e)側の第2吸込口(21h、22h)には、前記冷風と前記加熱用熱交換器(15)にて加熱された温風とを混合した混合風が吸い込まれ、
    前記第1ファン部(21d、22d)から流出した第1ファン側流出空気が、前記フェイス開口部(25)側へ導かれ、
    前記第2ファン部(21e、22e)から流出した第2ファン側流出空気が、前記フット開口部(27)側へ導かれることを特徴とする車両用空調装置。
  2. さらに、前記温風の流れのうち前記加熱用熱交換器(15)から前記第1吸込口(21g、22g)側へ向かう流れを遮るように配置されて、前記温風を前記第2吸込口(21h、22h)側へ導く温風ガイド部材(18)を備えることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  3. 前記温風ガイド部材(18)は、前記ケース(11)に一体に形成された壁部で構成されていることを特徴とする請求項2に記載の車両用空調装置。
  4. 前記温風ガイド部材(18)は、前記第1吸込口(21g、22g)側へ導く前記温風の風量を変化させるドア手段で構成されていることを特徴とする請求項2に記載の車両用空調装置。
  5. 空気が流れる空気通路を形成するケース(11)と、
    前記ケース(11)内に配置されて、前記空気を冷却する冷却用熱交換器(14)と、
    前記ケース(11)内に配置されて、前記空気を加熱する加熱用熱交換器(15)と、
    前記冷却用熱交換器(14)および前記加熱用熱交換器(15)の空気流れ下流側に配置されて、車室内に向けて前記空気を送風する遠心ファン(21a、22a)と、
    前記遠心ファン(21a、22a)から送風された空気を車室内乗員の顔部側へ向けて吹き出すフェイス開口部(25)と、
    前記遠心ファン(21a、22a)から送風された空気を車室内乗員の足元側へ向けて吹き出すフット開口部(27)とを備える車両用空調装置であって、
    前記遠心ファン(21a、22a)は、回転軸(C)方向の両側から空気を吸い込む両吸込式ファンで構成されるとともに、前記遠心ファン(21a、22a)の内部空間を前記回転軸(C)に対して垂直に仕切って第1ファン部(21d、22d)および第2ファン部(21e、22e)に分割するボス部(21f、22f)を有し、
    前記第1ファン部(21d、22d)側の第1吸込口(21g、22g)には、前記冷却用熱交換器(14)にて冷却された冷風と前記加熱用熱交換器(15)にて加熱された温風とを混合した混合風が吸い込まれ、
    前記第2ファン部(21e、22e)側の第2吸込口(21h、22h)には、前記温風が吸い込まれ、
    前記第1ファン部(21d、22d)から流出した第1ファン側流出空気が、前記フェイス開口部(25)側へ導かれ、
    前記第2ファン部(21e、22e)から流出した第2ファン側流出空気が、前記フット開口部(27)側へ導かれることを特徴とする車両用空調装置。
  6. さらに、前記冷風の流れのうち前記冷却用熱交換器(14)から前記第2吸込口(21h、22h)側へ向かう流れを遮るように配置されて、前記冷風を前記第1吸込口(21g、22g)側へ導く冷風ガイド部材(29)を備えることを特徴とする請求項5に記載の車両用空調装置。
  7. 前記冷風ガイド部材(29)は、前記ケース(11)に一体に形成された壁部で構成されていることを特徴とする請求項6に記載の車両用空調装置。
  8. 前記冷風ガイド部材(29)は、前記第2吸込口(21h、22h)側へ導く前記冷風の風量を変化させるドア手段で構成されていることを特徴とする請求項6に記載の車両用空調装置。
  9. さらに、前記ケース(11)内に配置されて、前記遠心ファン(21a、22a)を収容するとともに、前記遠心ファン(21a、22a)から流出した空気が通過する流出空気通路(21c、22c)を形成するファンケーシング(21b、22b)を備え、
    前記ファンケーシング(21b、22b)には、前記流出空気通路(21c、22c)を、前記第1ファン側流出空気が通過する第1流出空気通路(21i、22i)と前記第2ファン側流出空気が通過する第2流出空気通路(21j、22j)とに仕切る仕切板(21k、22k)が設けられていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  10. さらに、前記フット開口部(27)を開閉するフットドア(28)を備え、
    前記フットドア(28)は、前記フット開口部(27)を開いたときに、前記第2ファン側吹出空気を前記フット開口部(27)側へ導くようにガイドする形状になっていることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  11. 前記冷却用熱交換器(14)の熱交換面は、前記回転軸(C)に対して平行に配置され、
    前記加熱用熱交換器(15)の熱交換面は、前記回転軸(C)に対して平行に配置され、
    前記遠心ファン(21a、22a)は、前記回転軸(C)に同軸上に2つ設けられており、
    前記2つの遠心ファン(21a、22a)のそれぞれの第1ファン部(21d、22d)は、互いに対向する側に配置されていることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
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