JP2009011987A - 水素貯蔵材料の再生方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】水素貯蔵材料の水素放出/水素吸収のサイクルにより劣化した性能を回復させるための水素貯蔵材料の再生方法を提供する。
【解決手段】Mg(NH2)2とLiHのナノ複合体を有する水素貯蔵材料の第1の再生方法は、水素放出と水素吸収のサイクルを所定回数行った後の材料を、非酸化雰囲気においてミリング処理することで、実質的に製造時の水素貯蔵材料へと再生する。第2の再生方法は、水素放出と水素吸収のサイクルを所定回数行った後の材料を、NH3ガス雰囲気において所定温度に加熱して所定時間保持した後、この熱処理によって得られた材料を非酸化雰囲気においてミリング処理することで、実質的に製造時の水素貯蔵材料へと再生する。第3の再生方法は、水素放出と水素吸収のサイクルを所定回数行った後の材料を、NH3ガス雰囲気においてミリング処理することで、実質的に製造時の水素貯蔵材料へと再生する。
【選択図】図3
【解決手段】Mg(NH2)2とLiHのナノ複合体を有する水素貯蔵材料の第1の再生方法は、水素放出と水素吸収のサイクルを所定回数行った後の材料を、非酸化雰囲気においてミリング処理することで、実質的に製造時の水素貯蔵材料へと再生する。第2の再生方法は、水素放出と水素吸収のサイクルを所定回数行った後の材料を、NH3ガス雰囲気において所定温度に加熱して所定時間保持した後、この熱処理によって得られた材料を非酸化雰囲気においてミリング処理することで、実質的に製造時の水素貯蔵材料へと再生する。第3の再生方法は、水素放出と水素吸収のサイクルを所定回数行った後の材料を、NH3ガス雰囲気においてミリング処理することで、実質的に製造時の水素貯蔵材料へと再生する。
【選択図】図3
Description
本発明は、水素放出/水素吸収の繰り返しにより劣化した水素貯蔵材料の性能を回復させるための水素貯蔵材料の再生方法に関する。
NOXやSOX等の有害物質やCO2等の温室効果ガスを出さないクリーンなエネルギー源として燃料電池の開発が盛んに行われており、既に幾つかの分野で実用化されている。この燃料電池技術を支える重要な技術として、燃料電池の燃料となる水素を貯蔵する技術がある。水素の貯蔵形態としては、高圧ボンベによる圧縮貯蔵や液体水素化させる冷却貯蔵、水素貯蔵物質による貯蔵等が知られている。
これら水素貯蔵形態の中の1つである水素貯蔵物質による貯蔵方法は、分散貯蔵や輸送の点で有利である。水素貯蔵物質としては、水素貯蔵効率の高い材料、つまり水素貯蔵物質の単位重量または単位体積あたりの水素貯蔵量が高い材料、低い温度で水素の吸収/放出が行われる材料、良好な耐久性を有する材料が望まれる。
公知の水素貯蔵物質として、金属と金属アミド、または、金属水素化物と金属アミド化合物を原料とし、その金属がリチウムとマグネシウムである水素貯蔵材料が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。この材料系では、190℃〜230℃に水素放出ピークを有する水素貯蔵材料が得られている。一般的に、例えば、燃料電池自動車等における水素供給源として用いる水素貯蔵材料に対しては、水素放出と水素吸収とを何度も繰り返して行うことができる良好なサイクル特性が要求される。
しかしながら、マグネシウムアミド−水素化リチウム系水素貯蔵材料のように、これまで開発されているMg−Li−N−H系水素貯蔵材料には、水素放出/水素吸収のサイクルを繰り返すことによって、水素放出ピーク温度が徐々に高温化するという現象が認められる。そのため、水素貯蔵材料を加熱する温度を一定にすれば、得られる水素量が減少することになる。一方、一定量の水素を放出させようとすると、水素貯蔵材料を加熱する温度を水素放出/水素吸収のサイクルを重ねるごとに高くしなければならないという問題が生じる。さらに、水素放出/水素吸収のサイクルを重ねることによって性能が低下した水素貯蔵材料の安易な廃棄は、コストや資源の有効利用の観点から好ましいものではない。
特開2006−305486号公報
特開2007−91497号公報
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、水素貯蔵材料の水素放出/水素吸収のサイクルにより劣化した性能を回復させるための水素貯蔵材料の再生方法を提供することを目的とする。
本発明は第1発明として、マグネシウムアミドと水素化リチウムのナノ複合体を有する水素貯蔵材料の再生方法であって、水素放出と水素吸収のサイクルを所定回数行った後の前記水素貯蔵材料を、非酸化雰囲気においてミリング処理することを特徴とする水素貯蔵材料の再生方法を提供する。
本発明は第2発明として、マグネシウムアミドと水素化リチウムのナノ複合体を有する水素貯蔵材料の再生方法であって、水素放出と水素吸収のサイクルを所定回数行った後の前記水素貯蔵材料を、アンモニアガス雰囲気において所定温度に加熱して所定時間保持した後、この熱処理によって得られた材料を非酸化雰囲気においてミリング処理することを特徴とする水素貯蔵材料の再生方法を提供する。
本発明は第3発明として、マグネシウムアミドと水素化リチウムのナノ複合体を有する水素貯蔵材料の再生方法であって、水素放出と水素吸収のサイクルを所定回数行った後の前記水素貯蔵材料を、アンモニアガス雰囲気においてミリング処理することを特徴とする水素貯蔵材料の再生方法を提供する。
本発明によれば、水素放出/水素吸収のサイクルを所定回数行うことにより水素放出性能が劣化した水素貯蔵材料を、製造当初の性能を有する状態に回復させることができる。
水素貯蔵材料は、マグネシウムアミド(Mg(NH2)2)と水素化リチウム(LiH)のナノ複合体を有している。“Mg(NH2)2とLiHのナノ複合体”では、Mg(NH2)2とLiHとがナノメートルサイズで微細に相互分散しつつ、安定な組織が形成されている。
水素貯蔵材料は、例えば、[a:混合ミリング工程]金属マグネシウム(金属Mg)とリチウムアミド(LiNH2)を所定比でナノ複合化されるように混合ミリング(粉砕)する工程と、[b:熱処理工程]a工程により得られた試料を、水素ガス(H2)雰囲気下で所定温度に加熱して所定時間保持する工程と、[c:再ミリング工程]b工程により得られた試料を再ミリングする工程を経て、製造される。
この水素貯蔵材料の製造方法では、金属MgとLiNH2とLiHの3成分原料を用いてもよい。a工程では、水素貯蔵材料を少量製造する場合には遊星型ボールミル装置や振動ミルが好適に用いられ、大量製造する場合にはローラーミル,内外筒回転型ミル,アトライター,インナーピース型ミル,気流粉砕型ミル等が好適に用いられる。但し、このような例に限定されるものではない。
a工程は、不活性ガス(例えば、アルゴンガス(Ar)、窒素ガス(N2)、ヘリウムガス(He))雰囲気もしくはH2雰囲気,または不活性ガスとH2との混合ガス雰囲気において行う。これは空気中の酸素ガス(O2)や水蒸気(水分;H2O)による被処理物の特性劣化を防止し、また処理時の安全性を高めるためである。処理雰囲気は、外部雰囲気ガス(通常は空気)が処理雰囲気に流入することを防止するために、外部雰囲気ガスに対して陽圧とすることが好ましい。
b工程はa工程により得られた混合物の水素化工程であり、“水素化”とは、H2を放出することができる状態へ水素貯蔵材料を変化させることをいう。
b工程は、例えば、処理温度を140℃〜250℃とし、H2圧力(H2以外の気体を含む場合には‘H2分圧’を指す)を数十kPa以上、好ましくは0.1MPa以上として行うことが好ましい。処理温度が低いとa工程により得られた混合物における化学反応を促進させることができず、一方、処理温度を高くすると、設備負荷が大きくなるという問題が生じる。H2圧力は外部雰囲気圧力に対して陽圧であればよいが、H2圧力が低いと水素化反応が十分に進まず、水素貯蔵率が小さくなるという問題が生じる。熱処理時間は、最終的に得られる水素貯蔵材料について所望の性能が得られる限りにおいて制限はなく、処理温度を考慮して適宜設定される。
c工程はa工程と同様の条件で行うことができる。
このような水素貯蔵材料が実用に供された場合、そこでは、水素放出/水素吸収のサイクルが何度も繰り返されることになる。水素貯蔵材料からの水素放出は、一般的に実用的にも試験的にも、水素放出ピーク温度の近傍温度に加熱することによって行われる。また、水素放出後の水素貯蔵材料へ水素を再び吸収させる水素吸収(つまり、再水素化)は、水素貯蔵材料を加圧H2雰囲気に暴露して所定温度(例えば、水素放出ピーク温度近傍またはそれ以下)に所定時間保持することによって行われる。
このようなサイクル処理が所定回数行われたことによって水素放出性能が劣化した水素貯蔵材料(以下「サイクル処理材料」という)の性能を回復させる方法(以下「再生方法」という)について以下に説明する。それらの再生方法は、水素放出後のサイクル処理材料に対して行ってもよいし、水素吸収後のサイクル処理材料に対して行ってもよい。
第1の再生方法は、サイクル処理材料を非酸化雰囲気においてミリング処理することにより、実質的に製造時の水素貯蔵材料へと再生する。このようなミリング処理により、後述する実施例に示すように、水素放出性能をほぼサイクル処理前の状態に戻すことができる。水素貯蔵材料のナノ複合化構造は、サイクル処理によって結晶が粗大化したり相分離したりすることで消失し、これによって水素放出性能が低下すると考えられる。非酸化雰囲気下でのミリング処理によって、このナノ複合化構造が再生されるものと思われる。
なお、非酸化雰囲気とは、水素貯蔵材料の製造工程である上述のa工程と同じく、不活性ガス(Ar、N2、He)雰囲気もしくはH2雰囲気,または不活性ガスとH2との混合ガス雰囲気である。水素放出後のサイクル処理材料に対してH2を含む雰囲気下でミリング処理を行うと、サイクル処理材料への水素吸収処理を同時に行うことができる。
第2の再生方法は、[p:熱処理工程]サイクル処理材料をNH3(ガス)雰囲気において所定温度で所定時間保持する熱処理し、[q:ミリング工程]p工程によって得られた試料を非酸化雰囲気においてミリング処理することにより、実質的に製造時の水素貯蔵材料へと再生する。
後述する実施例に示すように、水素貯蔵材料からH2が放出される際には、微量ではあるが同時にNH3が放出される。このことから、水素放出/水素吸収のサイクル数を重ねるほど、水素貯蔵材料を構成しているMg(NH2)2量が減少し、これが水素放出ピーク温度の上昇と水素放出量の低下を招くものと考えられた。そこでp工程を行うことにより、減少したN,H成分を補うことで、サイクル処理材料の組成を製造当初の水素貯蔵材料の組成に戻すことができる。
p工程におけるNH3圧力は外部雰囲気圧力に対して陽圧であればよいが、NH3圧力が低いと反応(N,H成分のサイクル処理材料への化合)が十分に進まず、また、処理温度が低い場合も同様の問題が生じる。具体的には、処理温度を140℃〜250℃とし、NH3圧力を0.1MPa以上とする。
q工程は第1の再生方法と同様の効果を得る目的で行われる。
第3の再生方法は、サイクル処理材料をNH3(ガス)雰囲気においてミリング処理することにより、実質的に製造時の水素貯蔵材料へと再生する。この第3の再生方法は、第2の再生方法におけるp工程とq工程とを同時に行うものであるが、第2の再生方法におけるp工程のようにNH3(ガス)雰囲気における加熱処理を行わないために、N,H成分のサイクル処理材料への化合を促進する観点から、ミリング時間をq工程よりも長く設定することが好ましい。
[試料作製−出発材料の作製]
出発材料として用いる水素貯蔵材料と、この出発材料を用いて水素放出/水素吸収の処理を10サイクル行った試料(=サイクル処理材料)と、このサイクル処理材料について所定の再生処理を行った実施例1〜3にそれぞれ係る試料の作製方法を、図1にフローチャートで示す。
出発材料として用いる水素貯蔵材料と、この出発材料を用いて水素放出/水素吸収の処理を10サイクル行った試料(=サイクル処理材料)と、このサイクル処理材料について所定の再生処理を行った実施例1〜3にそれぞれ係る試料の作製方法を、図1にフローチャートで示す。
出発原料として、金属Mg粉末(高純度化学社製、粒径:180μm以下、純度:99.9%)、LiNH2粉末(シグマ・アルドリッチ社製、純度99.5%)とLiH粉末(シグマ・アルドリッチ社製、純度99.5%)を用いた。これらをモル比がMg:LiNH2:LiH=3:6:2となるように合計で1.3g秤量し、高クロム鋼製のバルブ付ミル容器に、高クロム鋼製のボールとともに投入した。ミル容器内を真空排気した後、ミル容器内圧が0.1MPaとなるように高純度Arを導入した。
続いて、ミル容器を室温,大気雰囲気に設置された遊星型ボールミル装置(Fritsch社製,型番:P−5)を用いて、250rpmの回転数で2時間、ミリングした。この混合ミリング終了後に、ミル容器を高純度Arグローブボックス内に移し、次いでミル容器の内部を真空排気し、再びミル容器に高純度Arを充填してミル容器の内圧をArグローブボックスの内圧と同等にした後、ミル容器を開いて、混合ミリングされた試料を取り出した。
こうして得られた試料を内容積が30cm3の反応容器に移し、反応容器内を真空排気した。そしてこの反応容器に高純度H2を内圧が10MPaとなるように充填し、反応容器を密閉した。この反応容器を200℃に加熱して12時間保持した。この加熱処理によって得られたMg(NH2)2とLiHの混合体を、さらに前述の遊星型ボールミル装置を用いて、ミル容器内を0.1MPaのAr雰囲気として、250rpmの回転数で2時間ミリング処理することにより、出発材料となる、Mg(NH2)2とLiHとのナノ複合体たる水素貯蔵材料(図1に“Mg(NH2)2・LiH”で示す)を得た。
[試料作製−サイクル処理材料の作製]
こうして作製した出発材料を、前述の反応容器に3g充填した。この反応容器を真空排気しながら室温から200℃に加熱し、その温度で16時間保持した後、室温まで自然冷却することにより水素放出処理を行い、引き続き、室温で高純度H2を、反応容器内圧が10MPaとなるように充填し、反応容器を密閉して200℃に加熱し、その温度で12時間保持する水素吸収処理を行った。これらの水素放出処理と水素吸収処理を1サイクルとして、これを10サイクル繰り返し、10サイクル後の試料(以下「サイクル処理材料」という)を得た。
こうして作製した出発材料を、前述の反応容器に3g充填した。この反応容器を真空排気しながら室温から200℃に加熱し、その温度で16時間保持した後、室温まで自然冷却することにより水素放出処理を行い、引き続き、室温で高純度H2を、反応容器内圧が10MPaとなるように充填し、反応容器を密閉して200℃に加熱し、その温度で12時間保持する水素吸収処理を行った。これらの水素放出処理と水素吸収処理を1サイクルとして、これを10サイクル繰り返し、10サイクル後の試料(以下「サイクル処理材料」という)を得た。
[試料作製−実施例1の作製]
サイクル処理材料を1.3g採取し、これを前述の遊星型ボールミル装置によるミリングを行うためにミル容器に投入し、ミル容器内を0.1MPaのAr雰囲気として、250rpmの回転数で2時間ミリング処理する再生処理(=第1の再生処理)を実施した。こうして得られた試料を実施例1とする。
サイクル処理材料を1.3g採取し、これを前述の遊星型ボールミル装置によるミリングを行うためにミル容器に投入し、ミル容器内を0.1MPaのAr雰囲気として、250rpmの回転数で2時間ミリング処理する再生処理(=第1の再生処理)を実施した。こうして得られた試料を実施例1とする。
[試料作製−実施例2の作製]
サイクル処理材料を2g採取し、これを前述の反応容器に投入した。反応容器内を0.6MPaのNH3(ガス)雰囲気とした後、反応容器を200℃に加熱して16時間保持し、その後、室温まで自然冷却した。前述の遊星型ボールミル装置によるミリングを行うために、高純度Arグローブボックス内にて反応容器からミル容器に試料を移し、ミル容器内を真空排気した後、ミル容器内圧を0.9MPaのAr雰囲気として、250rpmの回転数で2時間ミリング処理する再生処理(=第2の再生処理)を実施した。こうして得られた試料を実施例2とする。
サイクル処理材料を2g採取し、これを前述の反応容器に投入した。反応容器内を0.6MPaのNH3(ガス)雰囲気とした後、反応容器を200℃に加熱して16時間保持し、その後、室温まで自然冷却した。前述の遊星型ボールミル装置によるミリングを行うために、高純度Arグローブボックス内にて反応容器からミル容器に試料を移し、ミル容器内を真空排気した後、ミル容器内圧を0.9MPaのAr雰囲気として、250rpmの回転数で2時間ミリング処理する再生処理(=第2の再生処理)を実施した。こうして得られた試料を実施例2とする。
[試料作製−実施例3の作製]
サイクル処理材料を1.3g採取し、これを前述の遊星型ボールミル装置によるミリングを行うためにミル容器に投入し、ミル容器内を真空排気した後、ミル容器内圧を0.6MPaのNH3(ガス)雰囲気として、250rpmの回転数で4時間ミリング処理する再生処理(=第3の再生処理)を実施した。こうして得られた試料を実施例3とする。
サイクル処理材料を1.3g採取し、これを前述の遊星型ボールミル装置によるミリングを行うためにミル容器に投入し、ミル容器内を真空排気した後、ミル容器内圧を0.6MPaのNH3(ガス)雰囲気として、250rpmの回転数で4時間ミリング処理する再生処理(=第3の再生処理)を実施した。こうして得られた試料を実施例3とする。
[試料評価−放出水素分析]
水素雰囲気圧力をそれぞれ0.1MPa、0.5MPa、1.0MPaとして出発材料を200℃で所定時間保持したときに、この出発材料から放出されるH2(放出H2)中のNH3濃度を測定した。
水素雰囲気圧力をそれぞれ0.1MPa、0.5MPa、1.0MPaとして出発材料を200℃で所定時間保持したときに、この出発材料から放出されるH2(放出H2)中のNH3濃度を測定した。
より具体的には、20mの光路長を持つ長光路ガスセルを備えたFT−IR(MCT検出器)およびガスクロマトグラフを(TCD検出器)用いて、出発材料から放出されるガスに含まれるNH3およびH2を定量することにより、放出H2中のNH3濃度を求めた。なお、本装置は測定前に、水分の影響を排除するために、配管やガスセルを150℃で真空加熱している。出発材料約1gをSUS製の反応容器に充填し、室温から測定温度まで5℃/分で昇温し、所定時間保持した後に出発材料から放出されるガスを定量した。
[試料評価−熱分析]
上述の通りにして作製した出発材料とサイクル処理材料をそれぞれ、示差熱天秤装置(SIIナノテクノロジー社製、型番TG/DTA6200)を用いて、高純度Ar雰囲気下で昇温速度を5℃/分として、室温から400℃まで昇温し、その間の重量変化および吸発熱を調べた。
上述の通りにして作製した出発材料とサイクル処理材料をそれぞれ、示差熱天秤装置(SIIナノテクノロジー社製、型番TG/DTA6200)を用いて、高純度Ar雰囲気下で昇温速度を5℃/分として、室温から400℃まで昇温し、その間の重量変化および吸発熱を調べた。
実施例1の試料については、同じ示差熱天秤装置を用い、同じ測定条件で400℃までの吸発熱を調べた。一方、実施例2,3の試料については、同じ示差熱天秤装置を用い、同じ測定条件で400℃までの重量変化を調べた。
[試験結果−放出H2分析について]
図2に測定結果を示す。水素雰囲気圧力が低いほど放出H2中のNH3濃度は高くなり、水素放出に伴ってNH3が同期して放出されていることが分かる。このことから、水素放出/水素吸収のサイクル数を重ねるほど、水素貯蔵材料を構成しているMg(NH2)2量が減少し、水素放出量も低下していくと考えられる。第1〜第3の再生方法は、このような水素放出/水素吸収の繰り返しにより低下した水素放出量を再生するものである。
図2に測定結果を示す。水素雰囲気圧力が低いほど放出H2中のNH3濃度は高くなり、水素放出に伴ってNH3が同期して放出されていることが分かる。このことから、水素放出/水素吸収のサイクル数を重ねるほど、水素貯蔵材料を構成しているMg(NH2)2量が減少し、水素放出量も低下していくと考えられる。第1〜第3の再生方法は、このような水素放出/水素吸収の繰り返しにより低下した水素放出量を再生するものである。
[試験結果−熱分析について]
出発材料とサイクル処理材料と実施例1のそれぞれの示差熱分析曲線(DTA曲線)を図3に示す。図3に示されるDTAピーク温度を比較すると、出発材料では190℃であるが、サイクル処理材料では210℃付近となっており、水素放出反応温度が高くなっていることが確認された。このことは、水素放出/水素吸収のサイクル数を重ねるにしたがって、前述した結晶の粗大化や相分離に加えて、Mg(NH2)2量が減少することによって水素放出反応が起こり難くなることに起因すると考えられる。つまり、水素放出反応の活性化エネルギーがサイクル処理材料で大きくなっていることや、190℃での水素放出反応速度が出発材料よりもサイクル処理材料で低下していることが考えられる。
出発材料とサイクル処理材料と実施例1のそれぞれの示差熱分析曲線(DTA曲線)を図3に示す。図3に示されるDTAピーク温度を比較すると、出発材料では190℃であるが、サイクル処理材料では210℃付近となっており、水素放出反応温度が高くなっていることが確認された。このことは、水素放出/水素吸収のサイクル数を重ねるにしたがって、前述した結晶の粗大化や相分離に加えて、Mg(NH2)2量が減少することによって水素放出反応が起こり難くなることに起因すると考えられる。つまり、水素放出反応の活性化エネルギーがサイクル処理材料で大きくなっていることや、190℃での水素放出反応速度が出発材料よりもサイクル処理材料で低下していることが考えられる。
これに対して第1の再生処理を施した実施例1では、DTAピーク温度が190℃に戻っており、出発材料と同等の水素放出性能を発揮するまでに回復していることが確認された。つまり、第1の再生処理方法が水素貯蔵材料の水素放出性能の回復に有効であることが確認された。
Claims (4)
- マグネシウムアミドと水素化リチウムのナノ複合体を有する水素貯蔵材料の再生方法であって、
水素放出と水素吸収のサイクルを所定回数行った後の前記水素貯蔵材料を、非酸化雰囲気においてミリング処理することを特徴とする水素貯蔵材料の再生方法。 - マグネシウムアミドと水素化リチウムのナノ複合体を有する水素貯蔵材料の再生方法であって、
水素放出と水素吸収のサイクルを所定回数行った後の前記水素貯蔵材料を、アンモニアガス雰囲気において所定温度に加熱して所定時間保持した後、この熱処理によって得られた材料を非酸化雰囲気においてミリング処理することを特徴とする水素貯蔵材料の再生方法。 - 前記非酸化雰囲気は不活性雰囲気であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の水素貯蔵材料の再生方法。
- マグネシウムアミドと水素化リチウムのナノ複合体を有する水素貯蔵材料の再生方法であって、
水素放出と水素吸収のサイクルを所定回数行った後の前記水素貯蔵材料を、アンモニアガス雰囲気においてミリング処理することを特徴とする水素貯蔵材料の再生方法。
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