JP2008239367A - 水素貯蔵材料の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】水素化マグネシウムを基材として構成される水素貯蔵材料に関し、水素放出ピーク温度の低温化、化学的安定性の向上を可能ならしめる水素貯蔵材料の製造方法を提供する。
【解決手段】所定の割合で秤量された金属マグネシウムと五酸化ニオブとを水素ガス雰囲気においてメカニカルミリング処理する。これにより、水素化マグネシウムとニオブ酸化物とが複合化されてなる水素貯蔵材料が得られる。好ましくは、この水素貯蔵材料を真空雰囲気で所定温度に加熱することにより脱水素化し、次いで水素ガス雰囲気に所定時間さらして再水素化する。
【選択図】図1A
【解決手段】所定の割合で秤量された金属マグネシウムと五酸化ニオブとを水素ガス雰囲気においてメカニカルミリング処理する。これにより、水素化マグネシウムとニオブ酸化物とが複合化されてなる水素貯蔵材料が得られる。好ましくは、この水素貯蔵材料を真空雰囲気で所定温度に加熱することにより脱水素化し、次いで水素ガス雰囲気に所定時間さらして再水素化する。
【選択図】図1A
Description
本発明は、燃料電池等の燃料として用いられる水素の貯蔵に用いられる水素貯蔵材料の製造方法に関する。
NOXやSOX等の有害物質やCO2等の温室効果ガスを出さないクリーンなエネルギー源として燃料電池の開発が盛んに行われており、既に幾つかの分野で実用化されている。この燃料電池技術を支える重要な技術として、燃料電池の燃料となる水素を貯蔵する技術がある。水素の貯蔵形態としては、高圧ボンベによる圧縮貯蔵や液体水素化させる冷却貯蔵、水素貯蔵物質による貯蔵等が知られている。
このような水素貯蔵形態の中で、水素貯蔵物質による貯蔵は、分散貯蔵や輸送の点で有利である。水素貯蔵物質としては、水素貯蔵効率の高い材料、つまり水素貯蔵物質の単位重量または単位体積あたりの水素貯蔵量が高い材料、低い温度で水素の吸収/放出を行うことができる材料、良好な耐久性を有する材料が望まれる。
公知の水素貯蔵物質としては、希土類系、チタン系、バナジウム系、マグネシウム系等を中心とする金属材料や、金属アラネード(例えば、NaAlH4やLiAlH4)等の軽量無機化合物、カーボン等が知られている(例えば、非特許文献1参照)。このうち、金属マグネシウム(金属Mg)は水素の授受を通して水素化マグネシウム(MgH2)と可逆的に変化する。
金属マグネシウムは、軽量であり、資源埋蔵量が豊富で安価であり、水素ガスと反応し7.6重量%と水素貯蔵容量が大きいことから水素を吸蔵する材料として有望な材料である。
しかしながら、水素化マグネシウムは、水素放出ピーク温度が高く、また、長時間、水素に触れない雰囲気下に置かれた場合の化学的安定性がよいものではなく、水素貯蔵/水素放出性能が低下するという問題がある。
R&D News Kansai 2002.7, p38〜40
R&D News Kansai 2002.7, p38〜40
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、水素化マグネシウムを基材として構成される水素貯蔵材料の製造方法であって、水素放出ピーク温度を低温化させることを可能ならしめる製造方法を提供する。また本発明は、水素化マグネシウムを基材として構成される水素貯蔵材料の製造方法であって、水素貯蔵材料の化学的安定性を高めることを可能とする製造方法を提供する。
本発明によれば、所定の割合で秤量された金属マグネシウムと五酸化ニオブとを水素ガス雰囲気においてメカニカルミリング処理することにより、水素化マグネシウムとニオブ酸化物とが複合化されてなる水素貯蔵材料を製造することを特徴とする水素貯蔵材料の製造方法が提供される。
こうして製造された水素貯蔵材料すなわちメカニカルミリング処理により得られた試料を、真空雰囲気で所定温度に加熱することにより脱水素化し、こうして脱水素化された試料を水素ガス雰囲気に所定時間さらして再水素化することにより、水素化マグネシウムとニオブ酸化物とが複合化されてなる水素貯蔵材料を化学的安定性に優れたものとすることができる。
このような水素貯蔵材料の製造方法において、メカニカルミリング処理は加圧水素ガス雰囲気で行うことが好ましい。また、再水素化の処理は加圧水素ガス雰囲気において行うことが好ましい。メカニカルミリング処理では、この処理により生成する水素化マグネシウムとニオブ酸化物との複合物をナノ構造化させることが好ましい。
本発明によれば、製造される水素貯蔵材料の水素放出ピーク温度を低温化させることができる。また、化学的安定性を改善することができ、長期貯蔵による性能劣化を防止することができる。
水素貯蔵材料は、水素化マグネシウム(MgH2)を基材とし、これに一定量のニオブ酸化物を含み、これら水素化マグネシウムとニオブ酸化物とが複合化されて構成される。なお、「水素貯蔵材料」は、水素を吸蔵したもの(つまり、水素放出能力を有するもの)と水素を吸蔵することができるもの(つまり、水素吸蔵能力を有するもの)の両方を指すものとする。
この水素貯蔵材料は、金属マグネシウムと五酸化ニオブのそれぞれの粉末を所定の割合で秤量し、これらを水素ガス雰囲気においてメカニカルミリング処理することにより、製造することができる。
五酸化ニオブは水素放出反応/水素吸蔵反応を促進する触媒として機能する。五酸化ニオブの過剰な添加は、単位質量当たりの水素放出量を低下させ、また、水素放出反応/水素吸蔵反応を阻害することになるので、良好な水素放出特性/水素吸蔵特性が得られるように、適宜、適切な添加量に設定される。
メカニカルミリング処理とは、所定の粉砕媒体に対して微視的な衝突を繰り返させることで、原料を粉砕し、混合し、複合化する処理をいう。処理雰囲気を水素ガス雰囲気とするのは、金属マグネシウムを水素化して水素化マグネシウムを生成させるためである。この水素ガス雰囲気とは、純水素ガス雰囲気のみならず、水素ガスと不活性ガス(例えば、窒素ガス、アルゴンガス等)の混合ガス雰囲気であってもよい。金属マグネシウムの水素化反応を促進させるために、水素ガス雰囲気は、常圧よりも高い圧力状態(以下「加圧水素ガス雰囲気」という)とすることが好ましい。
金属マグネシウムと五酸化ニオブを水素ガス雰囲気においてメカニカルミリング処理すると、金属マグネシウムと五酸化ニオブとが複合化されながら金属マグネシウムが水素化マグネシウムに変化する反応と、金属マグネシウムが水素化されて生成した水素化マグネシウムが五酸化ニオブと複合化される反応とが、同時に進行するものと考えられる。
このとき、生成した水素化マグネシウムは、五酸化ニオブを還元して、金属マグネシウムまたは酸化マグネシウムへと変化する。こうして生成した金属マグネシウムは、再び雰囲気ガスである水素と反応して水素化マグネシウムに変化する。一方、酸化マグネシウムは化学的に安定なために、そのままの状態で存在するものと考えられる。
五酸化ニオブの全部または一部は、ニオブの価数がメカニカルミリング処理前よりも低い価数へと変化したニオブ酸化物へと変化する。このような五酸化ニオブの還元現象については、発明者らが、先に特願2006−164848において開示している。したがって、水素貯蔵材料は、より正確には、水素化マグネシウムとニオブ酸化物を主成分とするが、これに副生成物としての酸化マグネシウムを含んでいるものと考えられる。
なお、メカニカルミリング処理中は、通常、被処理物である粉体試料の温度が上昇するが、上述の通りにメカニカルミリング処理を水素ガス雰囲気において行うことにより、水素化マグネシウムの一部または全部が金属マグネシウムに変化し、水素が脱離することを抑制することもできる。
メカニカルミリング処理を行うための具体的な装置としては、水素貯蔵材料を少量生産する場合には、振動型ミリング装置、遊星型ボールミル装置等が挙げられる。このうち、振動型ミリング装置は、ミリング処理中にミリング容器に水素を供給することができるという利点がある。
水素貯蔵材料を大量生産する場合には、特開2004−306016号公報に開示されているような、発明者らの提案によるローラーミルや内外筒回転型ミル,アトライターミル,インナーピース型ミル,気流粉砕型ミル等を用いることができる。
上記方法により製造された水素貯蔵材料は、水素を貯蔵している状態では水素化マグネシウムとニオブ酸化物とが複合化された形態を取り、水素を放出した状態では、金属マグネシウムとニオブ酸化物とが複合化された形態を取っており、これらの形態が水素の授受を介して相互に変化する。酸化マグネシウムは、化学的に安定な物質であり、生成量も微量であることから、実質的に水素の授受には関与しないものと考えられる。
これらの水素貯蔵材料を構成する各成分は、メカニカルミリング処理によりナノ構造化・組織化されていること、つまり、各成分がナノオーダーレベルで極めて微細にかつ均一に分散した微構造となっていることが好ましい。
上述した製造方法により製造された水素貯蔵材料は、後述する実施例1,2に示されるように、水素放出ピーク温度が低温化し、また、水素貯蔵率も大きいという優れた特性を有する。
また、こうして得られた水素貯蔵材料に、さらに脱水素化と再水素化をこの順序で施すことにより、後述する実施例に示されるように、水素貯蔵率を維持しつつ、水素ガス雰囲気下になくともその化学的安定性を向上させることができ、さらに水素放出ピーク温度が低温化するように、水素貯蔵材料の特性改善を行うことができる。このような効果は、水素貯蔵材料の微視的な複合構造が安定化されることにより発現するものと考えられる。
メカニカルミリング処理の終了後の試料を長時間放置すると、水素放出特性が劣化する。これは、経時的に微視的な複合構造が変化することによるものと考えられる。そのため、脱水素化処理はメカニカルミリング処理後、速やかに行うことが好ましい。脱水素化処理は、真空雰囲気において、水素化マグネシウムからの脱水素反応により金属マグネシウムが生成する加熱条件で行うことができる。例えば、処理温度は、200℃〜400℃とすることができる。
こうして脱水素化された試料を、水素ガス雰囲気に所定時間さらして再水素化する。つまり、金属マグネシウムを水素化マグネシウムに戻す。この再水素化処理は常温で行うことができ、加熱を必要としない点でプロセス的に有利である。水素ガス雰囲気は、加圧水素ガス雰囲気とすることが好ましい。この再水素化処理では、処理中に試料を攪拌することも好ましい。
以下、上述した水素貯蔵材料の製造方法により製造された水素貯蔵材料の水素放出特性について実施例を参照しながら詳細に説明する。
以下に記す水素貯蔵材料の製造には、出発原料として、金属マグネシウム粉末(以下、元素記号(Mg)との区別のために「Mg粉末」と記す)(高純度化学社製、純度:99.9%)、水素化マグネシウム粉末(MgH2;アズマックス社製、純度:95%)、五酸化ニオブ(Nb205;シグマ・アルドリッチ社製、純度:99.99%)を用いた。
また、以下に示す実施例1に係る水素貯蔵材料の製造工程におけるメカニカルミリング処理には、振動型ミリング装置(セイワ技研社製、型番:RM−10)を用いた。また実施例2〜4および比較例1〜5のそれぞれに係る水素貯蔵材料の製造工程におけるメカニカルミリング処理には、ドイツ国フリッチュ社(Fritsch社)製の遊星型ボールミル装置:P−7型を使用した。
図1A〜図1Cに、実施例と比較例に係る各試料の製造方法を示す。
[実施例1]
図1Aに示されるように、Mg粉末と、このMg粉末のモル数の1mol%に相当するNb205とを、全重量が900mgとなるように高純度Arグローブボックス中で秤量し、これらの粉末と20個のジルコニア製ボール(直径:8mmφ)とを、鋼鉄製のミル容器(内容積:30cm3)に装入し、このミル容器内を水素ガス雰囲気(内圧:6MPa)とし、振動型ミリング装置を用いて、20時間、粉末混合を行った。こうして、ナノメートルサイズでMgH2と触媒たるNb205とがナノ構造化・組織化された実施例1の試料を得た。
図1Aに示されるように、Mg粉末と、このMg粉末のモル数の1mol%に相当するNb205とを、全重量が900mgとなるように高純度Arグローブボックス中で秤量し、これらの粉末と20個のジルコニア製ボール(直径:8mmφ)とを、鋼鉄製のミル容器(内容積:30cm3)に装入し、このミル容器内を水素ガス雰囲気(内圧:6MPa)とし、振動型ミリング装置を用いて、20時間、粉末混合を行った。こうして、ナノメートルサイズでMgH2と触媒たるNb205とがナノ構造化・組織化された実施例1の試料を得た。
[実施例2]
図1Bに示されるように、Mg粉末と、このMg粉末のモル数の1mol%に相当するNb205とを、全重量が300mgとなるように高純度Arグローブボックス中で秤量し、これらの粉末と20個のジルコニア製ボール(直径:7mmφ)とを、鋼鉄製のミル容器(内容積:30cm3)に装入し、このミル容器内を水素ガス雰囲気(内圧:1MPa)とし、遊星型ボールミル装置を用いて、400rpmの回転速度で20時間公転させて粉末混合を行った。こうして、ナノメートルサイズでMgH2と触媒たるNb205とがナノ構造化・組織化された実施例2の試料を得た。
図1Bに示されるように、Mg粉末と、このMg粉末のモル数の1mol%に相当するNb205とを、全重量が300mgとなるように高純度Arグローブボックス中で秤量し、これらの粉末と20個のジルコニア製ボール(直径:7mmφ)とを、鋼鉄製のミル容器(内容積:30cm3)に装入し、このミル容器内を水素ガス雰囲気(内圧:1MPa)とし、遊星型ボールミル装置を用いて、400rpmの回転速度で20時間公転させて粉末混合を行った。こうして、ナノメートルサイズでMgH2と触媒たるNb205とがナノ構造化・組織化された実施例2の試料を得た。
[比較例1]
図1Cに示されるように、MgH2と、このMgH2のモル数の1mol%に相当するNb205とを、全重量が300mgとなるように高純度Arグローブボックス中で秤量し、これらの粉末と20個のジルコニア製ボール(直径:8mmφ)とを、鋼鉄製のミル容器(内容積:30cm3)に装入し、このミル容器内を水素ガス雰囲気(内圧:1MPa)とし、遊星型ボールミル装置を用いて、400rpmの回転速度で20時間公転させて粉末混合を行った。こうして、ナノメートルサイズでMgH2と触媒たるNb205とがナノ構造化・組織化された比較例1の試料を得た。
図1Cに示されるように、MgH2と、このMgH2のモル数の1mol%に相当するNb205とを、全重量が300mgとなるように高純度Arグローブボックス中で秤量し、これらの粉末と20個のジルコニア製ボール(直径:8mmφ)とを、鋼鉄製のミル容器(内容積:30cm3)に装入し、このミル容器内を水素ガス雰囲気(内圧:1MPa)とし、遊星型ボールミル装置を用いて、400rpmの回転速度で20時間公転させて粉末混合を行った。こうして、ナノメートルサイズでMgH2と触媒たるNb205とがナノ構造化・組織化された比較例1の試料を得た。
[比較例2]
図1Cに示されるように、300mgのMgH2を高純度Arグローブボックス中で秤量し、これと20個のジルコニア製ボール(直径:8mmφ)とを、鋼鉄製のミル容器(内容積:30cm3)に装入し、このミル容器内を水素ガス雰囲気(内圧:1MPa)とし、遊星型ボールミル装置を用いて、400rpmの回転速度で20時間公転させて粉末混合を行った。こうして、微粉砕されたMgH2からなる比較例2の試料を得た。
図1Cに示されるように、300mgのMgH2を高純度Arグローブボックス中で秤量し、これと20個のジルコニア製ボール(直径:8mmφ)とを、鋼鉄製のミル容器(内容積:30cm3)に装入し、このミル容器内を水素ガス雰囲気(内圧:1MPa)とし、遊星型ボールミル装置を用いて、400rpmの回転速度で20時間公転させて粉末混合を行った。こうして、微粉砕されたMgH2からなる比較例2の試料を得た。
[比較例3]
原料試薬であるMgH2をそのまま比較例3の試料とした。
原料試薬であるMgH2をそのまま比較例3の試料とした。
[実施例3,4]
図1Bに示されるように、実施例2の試料を高純度Arグローブボックス中でステンレス製の反応容器に移し、真空雰囲気下、220℃で12時間保持し、脱水素化処理を行った。この処理後の試料を室温で取り出して、1MPaの水素圧下で8時間、再水素化処理を行った。こうして得た試料を高純度Arグローブボックス内に載置された試料瓶に移して保管した。この保管時間が13日間のものを実施例3の試料とし、保管時間が40日のものを実施例4の試料とした。
図1Bに示されるように、実施例2の試料を高純度Arグローブボックス中でステンレス製の反応容器に移し、真空雰囲気下、220℃で12時間保持し、脱水素化処理を行った。この処理後の試料を室温で取り出して、1MPaの水素圧下で8時間、再水素化処理を行った。こうして得た試料を高純度Arグローブボックス内に載置された試料瓶に移して保管した。この保管時間が13日間のものを実施例3の試料とし、保管時間が40日のものを実施例4の試料とした。
[比較例4]
図1Aに示されるように、実施例1の試料の一部を高純度Arグローブボックス内に載置された試料瓶に移して、40日間保管した試料を比較例4の試料とした。
図1Aに示されるように、実施例1の試料の一部を高純度Arグローブボックス内に載置された試料瓶に移して、40日間保管した試料を比較例4の試料とした。
[比較例5]
図1Bに示されるように、実施例2の試料の一部を高純度Arグローブボックス内に載置された試料瓶に移して、60日間保管した試料を比較例5の試料とした。
図1Bに示されるように、実施例2の試料の一部を高純度Arグローブボックス内に載置された試料瓶に移して、60日間保管した試料を比較例5の試料とした。
[水素貯蔵特性の評価]
上述の通りにして製造した各試料について、高純度Arグローブボックス内に設置されたTG−MASS装置(熱重量・質量分析装置)を用いて、昇温速度を5℃/分として、脱離ガス分析を行った。
上述の通りにして製造した各試料について、高純度Arグローブボックス内に設置されたTG−MASS装置(熱重量・質量分析装置)を用いて、昇温速度を5℃/分として、脱離ガス分析を行った。
実施例1,2と比較例1〜3の昇温に伴う脱離ガスの質量分析法(MASS)による水素放出曲線(水素放出スペクトル)を図2Aに、熱重量曲線(TG曲線)を図2Bにそれぞれ示す。ここで、実施例1=線A、実施例2=線B、比較例1=線a、比較例2=線b、比較例3=線cで示されている。
図2Aに示されるように、実施例1(線A)と実施例2(線B)では、水素放出曲線の水素放出ピーク温度が、比較例1〜3(線a〜c)の水素放出ピーク温度よりも低温側に現れており、水素放出温度が低温化していることが確認された。特に、出発原料にMg粉末を用いることで、この効果が顕著に現れることが確認された。
また、図2Bに示されるように、実施例1,2では、水素放出ピーク温度が比較例1〜3の水素放出ピーク温度よりも低温化したにもかかわらず、これらの最終的な水素放出量は同等であること、つまり、低温で殆どの水素を放出する特性があることが確認された。
実施例1と比較例4の各試料の昇温に伴う脱離ガスの質量分析法による水素放出スペクトルを図3Aに、熱重量曲線を図3Bにそれぞれ示す。ここで、実施例1=線A、比較例4=線dで示されている。
図3Aに示されるように実施例1の試料を高純度Arグローブボックス内で40日間保管していた比較例4の試料では、水素放出曲線のピークが2ピークに分離し、しかも水素放出ピーク温度が高温化する結果が得られ、図3Bに示されるように、水素放出量も大幅に低下することが確認された。
実施例2と比較例5の各試料の昇温に伴う脱離ガスの質量分析法による水素放出スペクトルを図4Aに、熱重量曲線を図4Bにそれぞれ示す。ここで、実施例2=線B、比較例5=線eで示されている。
図4Aに示されるように、実施例2の試料を高純度Arグローブボックス内で60日間保管していた比較例5の試料では、比較例4と同様に、水素放出曲線のピークが2ピークに分離し、しかも水素放出ピーク温度が高温化する結果が得られた。図4Bに示されるように、水素放出量は、比較例5では400℃まで昇温したならば実施例2と同等になった。
実施例2〜4の各試料の昇温に伴う脱離ガスの質量分析法による水素放出スペクトルを図5Aに、熱重量曲線を図5Bにそれぞれ示す。ここで、実施例2=線B、実施例3=線C、実施例4=線Dで示されている。
図5A,5Bに示されるように、実施例2の試料の脱水素化/再水素化を行った場合には、高純度Arグローブボックス内で13日間保管した実施例3の試料であっても40日間保管した実施例4の試料であっても、実施例2の試料の水素放出特性と対比して、水素放出ピーク温度が低温化し、水素放出量は同等であるという優れた特性を示すことが確認された。
Claims (5)
- 所定の割合で秤量された金属マグネシウムと五酸化ニオブとを水素ガス雰囲気においてメカニカルミリング処理することにより、水素化マグネシウムとニオブ酸化物とが複合化されてなる水素貯蔵材料を製造することを特徴とする水素貯蔵材料の製造方法。
- 前記メカニカルミリング処理により得られた試料を、真空雰囲気で所定温度に加熱することにより脱水素化し、
こうして脱水素化された試料を、水素ガス雰囲気に所定時間さらして再水素化することにより、水素化マグネシウムとニオブ酸化物とが複合化されてなる水素貯蔵材料を製造することを特徴とする請求項1に記載の水素貯蔵材料の製造方法。 - 前記再水素化の処理は、加圧水素ガス雰囲気において行うことを特徴とする請求項2に記載の水素貯蔵材料の製造方法。
- 前記メカニカルミリング処理を加圧水素ガス雰囲気で行うことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の水素貯蔵材料の製造方法。
- 前記メカニカルミリング処理を、この処理により生成する水素化マグネシウムとニオブ酸化物との複合物をナノ構造化させる条件で行うことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の水素貯蔵材料の製造方法。
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