JP2009009639A - 光ディスク装置及びその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】マーク再生信号の波形を理想的な波形に近づけるべくレーザ光の記録波形や記録パワーを記録学習し高品質の再生信号を実現可能な光ディスク装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る光ディスク装置は、光ディスクにデータを記録すると共にデータを読み取る光ピックアップと、記録パワーを光ピックアップに設定すると共に、記録波形を生成し光ピックアップに設定する記録パラメータ設定部と、光ピックアップの出力信号から再生信号を得る再生部とを備え、記録パラメータ設定部は、先頭パルス、終端パルス、及び前記先頭パルスと前記終端パルスとの間に設けられる複数の中間パルスからなるマルチパルスによって記録波形を生成し、再生信号から所定の符号長の再生信号を抽出し、所定の符号長の再生信号波形のうち前縁近傍及び後縁近傍を除いた中央部が平坦となるように中間パルスの最適なデューティ比を決定する、ことを特徴とする。
【選択図】 図7
【解決手段】本発明に係る光ディスク装置は、光ディスクにデータを記録すると共にデータを読み取る光ピックアップと、記録パワーを光ピックアップに設定すると共に、記録波形を生成し光ピックアップに設定する記録パラメータ設定部と、光ピックアップの出力信号から再生信号を得る再生部とを備え、記録パラメータ設定部は、先頭パルス、終端パルス、及び前記先頭パルスと前記終端パルスとの間に設けられる複数の中間パルスからなるマルチパルスによって記録波形を生成し、再生信号から所定の符号長の再生信号を抽出し、所定の符号長の再生信号波形のうち前縁近傍及び後縁近傍を除いた中央部が平坦となるように中間パルスの最適なデューティ比を決定する、ことを特徴とする。
【選択図】 図7
Description
本発明は、光ディスク装置及びその制御方法に係り、特に、書換え可能な光ディスクに対してデータを記録し再生する光ディスク装置及びその制御方法に関する。
光ディスクには、CD、DVD、HD−DVD、BDといった記録密度の異なる種類の光ディスクが存在する他、再生専用の光ディスク、1回だけ記録が可能な光ディスク、複数回書換え可能な光ディスク等、種々のタイプの光ディスクが存在する。
これらの光ディスクのうち、書換え可能な光ディスクの多くは相変化型光ディスクと呼ばれる種類の光ディスクであり、例えば、CD−RW、DVD−RW、DVD−RAM、HD DVD−RW、HD DVD−RAM等が該当する。
これらの相変化型光ディスクにデータを記録する際には、記録層に照射するレーザ光の熱を利用し、マークを形成するときには記録層をアモルファス状態にし、スペースを形成するときには記録層を結晶状態にしている。記録したデータを再生する際には、アモルファス状態と結晶状態とでレーザ光の反射率が異なることを利用して、マークとスペースとを識別している。
一般に、記録層に形成されるマークの形状は、レーザ光の記録パワーや記録波形に依存する他、光ディスクの種類や特性の固体差にも依存する。従って、最適なマーク形状を得るための記録パワーや記録波形は光ディスク毎に微妙に異なる。そこで、実際のデータを光ディスクに記録する前に、光ディスクの所定の領域に設けられているテスト領域(PCA:Power Calibration Area)に試し書きを行って、最適な記録パワーや記録波形を学習し決定する手順がとられており、これを記録学習と呼んでいる。
記録学習に関してはこれまでにも種々の方法が提案されている。例えば、特許文献1は、トラック上に等間隔で分割したセルと呼ばれる微小な領域に、多値データ(例えば0〜7の8種類の多値データ)の値の大きさに対応した長さのマーク形状で記録する、という技術を開示している。通常の光ディスク装置が、「0」又は「1」の2値データに基づいてマークとスペースを形成しているのに対して、特許文献1が開示する技術では多値データ入力基づいてマークを形成しており、若干特殊な技術分野での記録方法を取り扱っている。しかしながら、この文献中にも、試し書きしたデータの再生波形から最適な記録パワーを決定する技術が開示されている。
特開2006−127568号公報
一般に、光ディスクに形成されるマークやスペースの符号長の種類は規格上限定されており、例えば従来型のDVDでは、同期信号等の特殊な符号を除くと3T〜11Tである。また、HD DVDでは2T〜11Tの範囲である。ここで「T」は記録の単位長を表わしている。
ある特定の符号長のマークの再生信号の振幅は、その符号長の期間は常に一定の値を示すことが理想的である。例えば、最も長い11Tマークからの再生信号は、11Tの期間中、常に一定の振幅値を示すことが理想的である。別言すれば、11Tマークからの再生信号の前縁と後縁を除いた中央部が平坦な波形が理想的な波形である。
しかしながら、実際の再生信号の波形では、11Tの前縁近傍の振幅値が大きく後縁に向かって徐徐に振幅が低下したり、逆に11Tの前縁近傍の振幅値が小さく後縁に向かって徐徐に振幅が大きくなったりして、必ずしも中央部が平坦な波形とはならない。この平坦さは、符号長が長いほど判断が容易である。
平坦にならない理由の一つとして、トラック上に形成されるマーク形状の幅が前縁から後縁に向かって徐々に変化し、均一な幅のマークが生成されていないことが挙げられている。
実際の再生信号の波形と理想的な波形との乖離が大きくなると、結果的に符号誤り率の増加として現れてくる。特に、HD DVD等の高密度型の光ディスクでは、PRML(Partial Response Maximum Likelihood)方式と呼ばれる信号処理を採用している。PRML方式では、再生信号からデータを復号するときに振幅情報を利用しているため、再生信号の波形歪みは復号性能に大きく影響する。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、マーク再生信号の波形を理想的な波形に近づけるべくレーザ光の記録波形や記録パワーを記録学習し、高品質の再生信号を実現することができる光ディスク装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る光ディスク装置は、請求項1に記載したように、光ディスクに記録用レーザ光を照射してデータを記録すると共に、前記光ディスクに再生用レーザ光を照射して記録されたデータを読み取る光ピックアップと、前記記録用レーザ光のレーザパワーを前記光ピックアップに設定すると共に、前記記録用レーザを変調する記録波形を生成し前記光ピックアップに設定する記録パラメータ設定部と、前記光ピックアップの出力信号から再生信号を得る再生部と、を備え、前記記録パラメータ設定部は、先頭パルス、終端パルス、及び前記先頭パルスと前記終端パルスとの間に設けられる複数の中間パルスからなるマルチパルスによって前記記録波形を生成し、前記再生部にて得られた再生信号から所定の符号長の再生信号を抽出し、前記所定の符号長の再生信号波形のうち前縁近傍及び後縁近傍を除いた中央部が平坦となるように前記中間パルスの最適なデューティ比を決定する、ことを特徴とする。
また、上記課題を解決するため、本発明に係る光ディスク装置の制御方法は、請求項8に記載したように、(a)光ピックアップによって光ディスクに記録用レーザ光を照射してデータを記録すると共に、前記光ディスクに再生用レーザ光を照射して記録されたデータを読み取り、(b)前記記録用レーザ光のレーザパワーを前記光ピックアップに設定すると共に、前記記録用レーザを変調する記録波形を生成し前記光ピックアップに設定し、(c)前記光ピックアップの出力信号から再生信号を得る、ステップを備え、ステップ(b)では、先頭パルス、終端パルス、及び前記先頭パルスと前記終端パルスとの間に設けられる複数の中間パルスからなるマルチパルスによって前記記録波形を生成し、ステップ(c)にて得られた再生信号から所定の符号長の再生信号を抽出し、前記所定の符号長の再生信号波形のうち前縁近傍及び後縁近傍を除いた中央部が平坦となるように前記中間パルスの最適なデューティ比を決定する、ことを特徴とする。
本発明に係る光ディスク装置及びその制御方法によれば、マーク再生信号の波形を理想的な波形に近づけるべくレーザ光の記録波形や記録パワーを記録学習し、高品質の再生信号を実現することができる。
本発明に係る光ディスク装置、及び光ディスク再生方法の実施形態について、添付図面を参照して説明する。
(1)光ディスク装置の構成と全般動作
図1は、本実施形態に係る光ディスク装置1の構成例を示す図である。
図1は、本実施形態に係る光ディスク装置1の構成例を示す図である。
光ディスク装置1は、CD−RW、DVD−RW、DVD−RAM、HD DVD−RW、HD DVD−RAM等の相変化型の光ディスク100に対して情報の記録及び再生を行うものである。光ディスク100には、螺旋状に溝が刻まれており、溝の凹部をグルーブ、凸部をランドと呼び、グループ又はランドの一周をトラックと呼ぶ。ユーザデータはこのトラック(グルーブのみ又はグルーブ及びランド)に沿って、強度変調されたレーザ光を照射してデータの符号長に対応するマークとスペースを形成することで記録される。マークを形成する場合は、後述するマルチパルスのレーザ光を記録層に照射し記録層をアモルファス化する。スペースを形成する場合は、マルチパルスのピークパワーよりも弱いイレースパワーのレーザ光を照射し記録層を結晶化する。
データ再生は、記録時のピークパワーやイレースパワーより弱いリードパワーのレーザ光をトラックに沿って照射して、トラック上にあるマークとスペースとの反射光強度の変化を検出することにより行われる。
光ディスク100はスピンドルモータ2によって回転駆動される。スピンドルモータ2に設けられたロータリエンコーダ2aからは回転角信号が提供される。回転角信号はスピンドルモータ2が1回転すると、例えば5パルス発生する。この回転角信号からスピンドルモータ2の回転角度及び回転数を判断でき、スピンドルモータ制御回路62では、これらの情報に基づいてスピンドルモータ2の回転駆動制御を行っている。
光ディスク100に対する情報の記録、再生は、光ピックアップ3によって行われる。光ピックアップ3は、送りモータ4とギア4b及びスクリューシャフト4aを介して連結されており、この送りモータ4は送りモータ制御回路5により制御される。送りモータ4が送りモータ制御回路5からの送りモータ駆動電流により回転することにより、光ピックアップ3が光ディスク100の半径方向に移動する。
光ピックアップ3には、図示しないワイヤ或いは板バネによって支持された対物レンズ30が設けられている。対物レンズ30は駆動コイル31の駆動によりフォーカシング方向(レンズの光軸方向)への移動が可能である。また、駆動コイル32の駆動によりトラッキング方向(レンズの光軸と直交する方向)への移動が可能である。
レーザ駆動回路(記録部)6は、変調部72にてETM(Eight to Twelve Modulation)方式や8/16変調方式等で変調された記録データ基づいて、書き込み用の駆動電流をレーザダイオード(レーザ発光素子)33に供給する。変調部72には、パーソナルコンピュータ等のホスト装置200からI/F部71を介して記録用のデータが供給される。
一方、レーザ駆動装置6は情報読取り時には、書き込み用の駆動電流よりも小さな読み取り用の駆動電流をレーザダイオード33に提供する。
フォトダイオード等により構成されるパワー検出部34(フロントモニタ(FM)と呼ぶ場合もある)はレーザ発光素子33が発生するレーザ光の一部をハーフミラー35により一定比率だけ分岐し、光量、即ち発光パワーに比例した信号を受光信号として検出する。検出した受光信号はレーザ駆動回路6に供給される。レーザ駆動回路6はパワー検出部34からの受光信号に基づいて、制御部70の記録パラメータ決定部73等で決定及び設定された記録パワー、記録波形、再生時パワー、及び消去時パワーで発光するように、レーザ発光素子33を制御する。
レーザ発光素子33はレーザ駆動装置6から供給される駆動電流に応じてレーザ光を発生する。レーザ発光素子33から発せられるレーザ光は、コリメータレンズ36、ハーフプリズム37、対物レンズ30を介して光ディスク100上に照射される。
一方、光ディスク100からの反射光は、対物レンズ30、ハーフプリズム37、集光レンズ38、およびシリンドリカルレンズ39を介して、光検出器40に導かれる。
光検出器40は、例えば4分割の光検出セルから成り、これら光検出セルの検知信号は再生部60のRFアンプ64に出力される。RFアンプ64は光検知セルからの信号を処理し、ジャストフォーカスからの誤差を示すフォーカスエラー信号FE、レーザ光のビームスポット中心とトラック中心との誤差を示すトラッキングエラー信号TE、及び光検知セル信号の全加算信号である再生信号を生成する。
フォーカスエラー信号FEはフォーカス制御回路8に供給される。フォーカス制御回路8はフォーカスエラー信号FEに応じてフォーカス駆動信号を生成する。フォーカス駆動信号はフォーカシング方向の駆動コイル31に供給される。これにより、レーザ光が光ディスク100の記録膜上に常時ジャストフォーカスとなるフォーカスサーボ制御が行われる。
一方、トラッキングエラー信号TEはトラック制御回路9に供給される。トラック制御回路9はトラッキングエラー信号TEに応じてトラック駆動信号を生成する。トラック制御回路9から出力されるトラック駆動信号は、トラッキング方向の駆動コイル32に供給される。これによりレーザ光が光ディスク100上に形成されたトラック上を常にトレースするトラッキングサーボ制御が行われる。
上記フォーカスサーボ制御およびトラッキングサーボ制御が行われることで、レーザ光の焦点は、光ディスク記録面のトラック上を精度良く追従することができる。この結果、光検出器40の各光検出セルの出力信号の全加算信号RFには、記録情報に対応して光ディスク100のトラック上に形成されたマークやスペースからの反射光の変化が正確に反映され、品質の良い再生信号を得ることができる。
この再生信号(全加算信号RF)は、プリアンプ/等化器65に入力され、ここで適宜の振幅に増幅されアナログ的な波形整形が行われる。プリアンプ/等化器65の出力は、AD変換部66にて、PLL回路61からの再生用クロック信号によってサンプリングされ、多値のデジタルデータに変換される。
デジタル化された再生信号は、適応等化部67に入力され、所定のパーシャルレスポンスの種類(クラス)に応じた波形等化処理が行われる。適応等化部67は、例えば適応型のトランスバーサルフィルタで構成される。後段のビタビ復号部80で復号された復号データに対して理想的なパーシャルレスポンスを持つ基準データを生成し、この基準データと入力データとの誤差がゼロとるようにトランスバーサルフィルタの重み係数を適応させることによって波形等化を行っている。
適応等化部67の出力である等化再生信号はビタビ復号部80に入力される。ビタビ復号部80では、例えば、ビダビ復号処理により、入力された等化再生信号の系列から最尤推定によって記録データを復号し、復号データを得る。
なお、適応等化部67やビタビ復号部80は、HD DVD等で採用されているPRML処理方式に対応する構成例であるが、この構成に限定するものではなく、従来型のDVDやCDを再生する場合には、所謂2値化スライス処理に対応する構成とすればよい。
復号データはエラー訂正部75に入力され、ここでエラー訂正処理が行われた後I/F部71を介してホスト装置200に出力される。
記録パラメータ設定部81は、本実施形態に係る光ディスク装置1の特徴に関係する構成であり、長符号抽出部82、傾き算出部83、及び記録パラメータ決定部84を備えて構成されている。
記録パラメータ設定部81では、ユーザデータの記録に先立ち、試し書きによる所謂記録学習を行って記録パワーや記録波形等の記録パラメータの最適値を決定する。記録学習後、最適な記録パラメータを光ピックアップ3の記録部6に設定し、ユーザデータの記録を行っていく。記録学習には種々の方式があるが、本実施形態では、再生信号の波形に注目し、特に長符号の再生信号波形の中央部(前縁近傍の立ち上がり領域と、後縁近傍の立ち下がり領域を除いた領域)が平坦な波形となるように記録パラメータを決定するものとしている。
試し書きのデータは特に限定するものではないが、例えば2T乃至11T(或いは3T乃至11T)の符号長が混在するランダムなデータでよい。この試し書きデータを再生・復号し、長符号抽出部82では、特定の長い符号長のマーク、例えば11Tマークの再生信号タイミングを抽出する。一方、傾き算出部83には、サンプリングされた再生信号の振幅値が入力される。この振幅値は、AD変換部66の出力から取り込む形態でも良いし、適応等化部67の出力から取り込む形態でも良い。
傾き算出部83では、長符号抽出部82から出力される長符号の再生タイミングと、再生信号の振幅値とから、長符号マーク再生信号の中央部の複数の振幅値を取り出し、これらの振幅値から中央部の傾きを算出する。
後述するように、中央部の傾きは、マルチパルスの中間パルスのデューティ比に依存することが判っている。そこで、記録パラメータ決定部84では、中間パルスのデューティ比を変化させながら試し書きと再生を繰り返し、中央部の傾きがゼロとなるようなデューティ比を求め、中央部の傾きがゼロとなるデューティ比を最適なデューティ比(最適な記録パラメータ)として決定している。以下、より詳細にこの最適記録パラメータの決定方法について説明する。
(2)記録パラメータ決定方法
図2は、記録データ(図2(a))と、記録波形(図2(b))の一例を示す図である。図2の例示では記録データとして11Tマークを取り、このときの記録波形を示している。記録波形は、図2に示したように、先頭パルス(A)、複数の中間パルス(B)、及び終端パルス(C)からなるマルチパルスである。この記録波形が、11Tマークを記録するときのレーザ光の駆動電流波形に対応するものである。
図2は、記録データ(図2(a))と、記録波形(図2(b))の一例を示す図である。図2の例示では記録データとして11Tマークを取り、このときの記録波形を示している。記録波形は、図2に示したように、先頭パルス(A)、複数の中間パルス(B)、及び終端パルス(C)からなるマルチパルスである。この記録波形が、11Tマークを記録するときのレーザ光の駆動電流波形に対応するものである。
図2(b)において、「Tsfp」は記録データの立ち上がりエッジから1クロック(1T)後を基準とした時の先頭パルスの立ち上がりエッジまでのパルス幅である。「Tefp」は、同じく1クロック後を基準とした時の先頭パルスの立ち下がりエッジまでのパルス幅である。つまり、先頭パルスのパルス幅は(「Tsfp」+「Tefp」)となる。
「Telp」は、記録データの立下りエッジの1クロック前を基準とした時の終端パルスの立下りエッジまでのパルス幅である。そして「Temp」は各中間パルスのパルス幅である。
各中間パルスの立ち上がりは、破線で示したクロック基準に固定されおり、中間パルスのパルス周期は1Tとなっている。従って、中間パルスのパルス幅「Temp」を変えることにより、中間パルスのデューティ比を変えることができる。
図3は、長符号マーク(例えば11Tマーク)の再生信号波形の一例を示す図である。再生信号波形は、再生部60のAD変換部66の出力、或いは適応等化部67の出力から得られる波形である。図3に例示した波形は、好ましくない再生信号波形の例であり、中央部が平坦でなく振幅が前縁から後縁に向かって大きくなる右肩上がりの傾きを持っている。この傾きがなく、中央部が平坦な波形が理想的な波形である。
図4乃至図6は、中間パルスのデューティ比を変化させたときの再生信号波形を例示する図である。
図4は、最適なデューティ比に設定されたときの再生信号波形を示す図である。図4(a)及び図4(b)は夫々記録データ(11Tマーク)と記録波形を示す図である。図4(c)は、この記録波形で記録されたマーク形状(トラックの上方向から見た図)を示す図であり、先端から終端までほぼ均一な幅のマーク形状が形成されている。図4(d)は、このマーク形状のマークから得られる再生信号波形を例示した図である。前縁部と後縁部を除いた中央部の振幅の傾きはゼロとなっており、平坦な理想的な波形となっている。
これに対して、図5は、中間パルスのデューティ比が最適値に対して高めに設定されたときの様子を示す図である。デューティ比が高くなると、マーク形状は図5(c)に示したように先端から終端に向かって幅が徐徐に大きくなる形状を示す。この結果、再生信号波形は、図5(d)に示したように、中央部が正の傾きをもち(右肩上がり)平坦とはならず、振幅が徐徐に大きくなっている。
これとは逆に、図6は、中間パルスのデューティ比が最適値に対して低めに設定されたときの様子を示す図である。デューティ比が小さくなると、マーク形状は図6(c)に示したように先端から終端に向かって幅が徐徐に小さくなる形状を示す。この結果、再生信号波形は、図6(d)に示したように、中央部が負の傾きをもち(右肩下がり)平坦とはならず、振幅が徐徐に小さくなっている。
このように、中間パルスのデューティ比が最適値からずれると、再生信号波形の中央部が正又は負の傾きをもち、理想的な再生信号波形とはならない。このような理想波形からの乖離は、ジッタの増加や誤った復号の要因となり、結果的にはデータ誤り率の増加となる。
他方、図4乃至図6から理解できるように、中間パルスのデューティ比を変えることによって再生信号波形の中央部の傾きを変化させることができる。つまり、中間パルスのデューティ比を変えながら、再生信号波形の中央部の傾きを計測し、その傾きがゼロとなるデューティ比を求めることによって最適なデューティ比を決定することができる。本実施形態に係る光ディスク装置1では、この考え方に基づいて最適デューティ比を決定している。
図7は、本実施形態に係る最適デューティ比(最適記録パラメータ)の決定処理の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップST1にて、予め設定した初期記録パラメータを光ピックアップの記録部6に設定する。次に、設定した初期記録パラメータで光ディスク100にテスト記録を行う(ステップST2)、記録したデータを再生する(ステップST3)。
次のステップST4は、再生信号波形の中央部の傾きを求める処理である。図8は、再生信号波形として、11マークの再生信号波形を例示している。前述したように、長符号抽出部82によって、所定の符号長のデータ(この場合11Tマーク)の再生タイミングが特定される。このタイミングによって、傾き算出部83に入力される再生信号ストリームの中から必要とするサンプリングデータを抽出することができる。図8の例では、11Tマークを中心として、その前後を含めたA0からA15までの16点の振幅値のサンプリングデータを傾き算出部83に取り込んでいる。
これら16点の内、A0,A1,A13、A14、A15のサンプリングデータは例えば符号間干渉により前後の符号長の影響を受け不確定となると考えられるため除く。また、A2,A3,A11、A12も11Tマークの後縁部近傍の立下り、或いは前縁部近傍の立ち上がり領域に該当するサンプリングデータとなるため除く。そして、残ったA4からA10のサンプリングデータを、中央部の傾きkを求めるための有効データとして取り扱う。
本実施例では、傾きk算出時の中央部をA4からA10までとしたが、中央部の定義はこの限りではない。
有効データから傾きkを求める方法は特に限定するものではないが、最も簡単な方法は、中央部の両端のサンプリングデータA4とA10の2つのサンプリングデータの差分を傾きkとする方法である。具体的には、k=(A4−A10)、として傾きkを求める方法である。
また、真ん中のサンプリングデータA7をさらに用いてもよい。例えば、A4とA7から第1の傾きk1を求め(k1=(A4−A7))、A7とA10から第2の傾きk2を求め(k2=(A7−A10))、第1の傾きk1と第2の傾きk2の平均値を傾きkとする方法でもよい。
この他、A4からA10までの7つのサンプリングデータから最小自乗法によって近似直線を求め、この近似直線の傾きを中央部の傾きkとする方法でも良い。
このようにして求めた傾きkが略ゼロであるか否かの判定をステップST5で行う。例えば、傾きkがゼロに近い閾値範囲内であれば、ゼロと判定する。
傾きkがゼロではない場合、さらにステップST7にて傾きの正負が判定される。傾きkが正の場合、即ち中央部の波形が右肩上がりの場合には、図5に示したようにデューティ比が最適値に対して高めに設定されていると考えられるため、ステップST8にて現在のデューティ比を下げる。一方、傾きkが負の場合、即ち中央部の波形が右肩下がりの場合には、図6に示したようにデューティ比が最適値に対して低めに設定されていると考えられるため、ステップST9にて現在のデューティ比を上げる。変更したデューティ比にて再度テスト記録を行う。この処理を、傾きkがゼロ判定されるまで繰り返す。
ステップST5にて、傾きkがゼロ判定されると、ステップST6へ進み、その時の記録パラメータ(デューティ比)を最適記録パラメータ(最適デューティ比)として決定する。
ここまでは、中間パルスのデューティ比を変更することのよって傾きkの調整をする方法を説明したが、デューティ比に換えて各中間パルスのレーザピークパワーを変更して傾きkの調整をする方法としてもよい。中間パルスのデューティ比の変更もレーザピークパワーの変更も何れも中間パルスの平均レーザパワーを変更することになり、同様の効果を得ることができる。また、中間パルスのデューティ比の変更と、中間パルスのレーザピークパワーの変更とを組み合わせた調整方法としてもよい。
以上説明してきたように、本実施形態に係る光ディスク装置1及びその制御方法によれば、マーク再生信号の波形を理想的な波形に近づけるべくレーザ光の記録波形や記録パワーを記録学習し、高品質の再生信号を実現することができる。
なお、本発明は上記の実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い。
1 光ディスク装置
3 光ピックアップ
6 記録部
33 レーザ発光素子
60 再生部
66 AD変換部
67 適応等化部
81 記録パラメータ設定部
82 長符号抽出部
83 傾き算出部
84 記録パラメータ決定部
3 光ピックアップ
6 記録部
33 レーザ発光素子
60 再生部
66 AD変換部
67 適応等化部
81 記録パラメータ設定部
82 長符号抽出部
83 傾き算出部
84 記録パラメータ決定部
Claims (14)
- 光ディスクに記録用レーザ光を照射してデータを記録すると共に、前記光ディスクに再生用レーザ光を照射して記録されたデータを読み取る光ピックアップと、
前記記録用レーザ光のレーザパワーを前記光ピックアップに設定すると共に、前記記録用レーザを変調する記録波形を生成し前記光ピックアップに設定する記録パラメータ設定部と、
前記光ピックアップの出力信号から再生信号を得る再生部と、
を備え、
前記記録パラメータ設定部は、
先頭パルス、終端パルス、及び前記先頭パルスと前記終端パルスとの間に設けられる複数の中間パルスからなるマルチパルスによって前記記録波形を生成し、
前記再生部にて得られた再生信号から所定の符号長の再生信号を抽出し、前記所定の符号長の再生信号波形のうち前縁近傍及び後縁近傍を除いた中央部が平坦となるように前記中間パルスの最適なデューティ比を決定する、
ことを特徴とする光ディスク装置。 - 前記記録パラメータ設定部は、
前記光ディスクの所定のテスト記録領域に記録する、異なるデューティ比の中間パルスを有する複数の記録波形を生成し、
前記記録波形にて記録されたデータの再生信号波形から前記中央部の傾きを求め、前記傾きが略ゼロとなる再生信号に対応する前記記録波形のデューティ比を前記中間パルスの最適なデューティ比として決定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。 - 前記記録パラメータ決定部は、
前記再生信号波形をサンプリングした複数の振幅値に基づいて前記中央部の傾きを求め、前記傾きが略ゼロとなるように前記中間パルスの最適なデューティ比を決定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。 - 前記記録パラメータ決定部は、
前記中央部の両端近傍の各1点の振幅値の差分が略ゼロとなるように前記中間パルスの最適なデューティ比を決定する、
ことを特徴とする請求項3に記載の光ディスク装置。 - 前記記録パラメータ決定部は、
前記中央部の複数の振幅値から最小自乗法に基づいて近似直線を求め、前記近似直線の傾きが略ゼロとなるように前記中間パルスの最適なデューティ比を決定する、
ことを特徴とする請求項3に記載の光ディスク装置。 - 光ディスクに記録用レーザ光を照射してデータを記録すると共に、前記光ディスクに再生用レーザ光を照射して記録されたデータを読み取る光ピックアップと、
前記記録用レーザ光のレーザパワーを前記光ピックアップに設定すると共に、前記記録用レーザを変調する記録波形を生成し前記光ピックアップに設定する記録パラメータ設定部と、
前記光ピックアップから出力される信号から再生信号を得る再生部と、
を備え、
前記記録パラメータ設定部は、
先頭パルス、終端パルス、及び前記先頭パルスと前記終端パルスとの間に設けられる複数の中間パルスからなるマルチパルスによって前記記録波形を生成し、
前記再生部にて得られた再生信号から所定の符号長の再生信号を抽出し、前記所定の符号長の再生信号波形のうち前縁近傍及び後縁近傍を除いた中央部が平坦となるように前記中間パルスの最適なレーザパワーを決定する、
ことを特徴とする光ディスク装置。 - 前記記録パラメータ設定部は、
前記中央部が平坦となるように前記中間パルスの最適なデューティ比をさらに決定する、
ことを特徴とする請求項6に記載の光ディスク装置。 - (a)光ピックアップによって光ディスクに記録用レーザ光を照射してデータを記録すると共に、前記光ディスクに再生用レーザ光を照射して記録されたデータを読み取り、
(b)前記記録用レーザ光のレーザパワーを前記光ピックアップに設定すると共に、前記記録用レーザを変調する記録波形を生成し前記光ピックアップに設定し、
(c)前記光ピックアップの出力信号から再生信号を得る、
ステップを備え、
ステップ(b)では、
先頭パルス、終端パルス、及び前記先頭パルスと前記終端パルスとの間に設けられる複数の中間パルスからなるマルチパルスによって前記記録波形を生成し、
ステップ(c)にて得られた再生信号から所定の符号長の再生信号を抽出し、前記所定の符号長の再生信号波形のうち前縁近傍及び後縁近傍を除いた中央部が平坦となるように前記中間パルスの最適なデューティ比を決定する、
ことを特徴とする光ディスク装置の制御方法。 - ステップ(b)では、
前記光ディスクの所定のテスト記録領域に記録する、異なるデューティ比の中間パルスを有する複数の記録波形を生成し、
前記記録波形にて記録されたデータの再生信号波形から前記中央部の傾きを求め、前記傾きが略ゼロとなる再生信号に対応する前記記録波形のデューティ比を前記中間パルスの最適なデューティ比として決定する、
ことを特徴とする請求項8に記載の光ディスク装置の制御方法。 - ステップ(b)では、
前記再生信号波形をサンプリングした複数の振幅値に基づいて前記中央部の傾きを求め、前記傾きが略ゼロとなるように前記中間パルスの最適なデューティ比を決定する、
ことを特徴とする請求項8に記載の光ディスク装置の制御方法。 - ステップ(b)では、
前記中央部の両端近傍の各1点の振幅値の差分が略ゼロとなるように前記中間パルスの最適なデューティ比を決定する、
ことを特徴とする請求項10に記載の光ディスク装置の制御方法。 - ステップ(b)では、
前記中央部の複数の振幅値から最小自乗法に基づいて近似直線を求め、前記近似直線の傾きが略ゼロとなるように前記中間パルスの最適なデューティ比を決定する、
ことを特徴とする請求項10に記載の光ディスク装置の制御方法。 - (a)光ピックアップによって光ディスクに記録用レーザ光を照射してデータを記録すると共に、前記光ディスクに再生用レーザ光を照射して記録されたデータを読み取り、
(b)前記記録用レーザ光のレーザパワーを前記光ピックアップに設定すると共に、前記記録用レーザを変調する記録波形を生成し前記光ピックアップに設定し、
(c)前記光ピックアップの出力信号から再生信号を得る、
ステップを備え、
ステップ(b)では、
先頭パルス、終端パルス、及び前記先頭パルスと前記終端パルスとの間に設けられる複数の中間パルスからなるマルチパルスによって前記記録波形を生成し、
ステップ(c)にて得られた再生信号から所定の符号長の再生信号を抽出し、前記所定の符号長の再生信号波形のうち前縁近傍及び後縁近傍を除いた中央部が平坦となるように前記中間パルスの最適なレーザパワー決定する、
ことを特徴とする光ディスク装置の制御方法。 - ステップ(b)では、
前記中央部が平坦となるように前記中間パルスの最適なデューティ比をさらに決定する、
ことを特徴とする請求項13に記載の光ディスク装置の制御方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2007169450A JP2009009639A (ja) | 2007-06-27 | 2007-06-27 | 光ディスク装置及びその制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007169450A JP2009009639A (ja) | 2007-06-27 | 2007-06-27 | 光ディスク装置及びその制御方法 |
Publications (1)
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JP2009009639A true JP2009009639A (ja) | 2009-01-15 |
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JP (1) | JP2009009639A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112805782A (zh) * | 2018-11-15 | 2021-05-14 | 松下知识产权经营株式会社 | 光盘装置 |
-
2007
- 2007-06-27 JP JP2007169450A patent/JP2009009639A/ja active Pending
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CN112805782A (zh) * | 2018-11-15 | 2021-05-14 | 松下知识产权经营株式会社 | 光盘装置 |
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