JP2009008718A - 画像形成装置および画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】装置の大型化、およびプリント生産性の低下を抑制しつつ、クリーニング部材から中間転写体への再付着トナーに起因する画像の汚れを確実に防止する。
【解決手段】クリーニング部材42が中間転写体30から離間する際にクリーニング部材42から離脱して中間転写体30に再付着する再付着トナーが存在するか否かを判断し、再付着トナーが存在すると判断した場合に、一次転写領域15において再付着トナーを中間転写体30から静電潜像担持体4へ回収するように制御する。再付着トナーを回収する際、再付着トナーが一次転写領域15を通過するタイミングのみ、一次転写部材14に印加するバイアスを、一次転写バイアスとは反対の極性に切り替える。
【選択図】図2

Description

本発明は、電子写真方式の画像形成装置と画像形成方法に関し、特に、複写機、プリンタ、ファクシミリまたはこれらの機能を複合的に備えた複合機等の画像形成装置と、これらの画像形成装置を用いて画像を形成する画像形成方法に関する。
電子写真方式の画像形成装置として、4サイクル方式のカラー画像形成装置が提案されている。4サイクル方式のカラー画像形成装置は、表面に静電潜像を担持する1つの静電潜像担持体と、4色(例えば、イエロー、マゼンタ、シアンまたはブラック)のトナーを個別に収容し、収容されたトナーを静電潜像担持体上の静電潜像に付着させることで各色のトナー像を順次形成する現像装置と、静電潜像担持体に接触可能に配置され、静電潜像担持体の表面に形成された各色のトナー像が順次転写(一次転写)される中間転写体とを有する。4サイクル方式の画像形成装置では、静電潜像担持体の表面に順次形成される4色のトナー像が、静電潜像担持体と中間転写体とのニップ部(一次転写領域)において中間転写体に順次転写(一次転写)され、中間転写体上に4色のトナー像が重ねられることで、フルカラー画像が形成される。中間転写体上に形成されたフルカラー画像は、中間転写体の回転方向において一次転写領域の下流側に配置された二次転写領域において、用紙等の記録シートに転写(二次転写)される。二次転写後に中間転写体上に残留した未転写トナーは、二次転写領域よりも下流側に配置されたクリーニング部材と中間転写体とのニップ部(クリーニング領域)においてクリーニング部材により掻き取られる。
クリーニング部材は、中間転写体に対して接触離間可能に設けられる。二次転写後に中間転写体上に残留した未転写トナーがクリーニング領域を通過する際、クリーニング部材は中間転写体に接触して配置されている。その後、クリーニング部材は、次の画像を構成する1色目(例えばイエロー)のトナー像がクリーニング領域を通過するタイミングと同時か又はその直前に、中間転写体から離間するように制御される。
しかし、クリーニング部材が中間転写体から離間する際、クリーニング部材に付着していたトナーが、クリーニング部材から離脱して、中間転写体の表面に再付着する恐れがある。中間転写体に再付着したトナー(以下、「再付着トナー」という。)は、中間転写体上において次の画像に重なると、画像の汚れの原因となってしまう。
このような問題に鑑みて、連続プリント中において、再付着トナーが次の画像と重なることを防止するため、例えば次のような対策が提案されている。
例えば特許文献1に開示された第1の対策として、中間転写体の周長を長くすることが提案されている。これにより、中間転写体上において、トナー像が転写(一次転写)されない部分(非転写部分)を周方向に所定長さ確保でき、この非転写部分に再付着トナーが発生するように、中間転写体からクリーニング部材を離間させるタイミングを制御することで、再付着トナーが次の画像に重なることを回避して、画像の汚れを防止できる。
第2の対策として、クリーニング部材が中間転写体から離間する際にクリーニング部材から離脱するトナーを回収するためのダクトを、中間転写体のクリーニング領域の近傍に設置することが提案されている。このダクトにより、クリーニング部材から離脱したトナーを回収することで、このトナーが中間転写体に再付着することを防止できる。
第3の対策として、中間転写体上の再付着トナーが一次転写領域を通過した後に、次の画像の一次転写を開始することが提案されている。これにより、再付着トナーが一次転写領域を通過する際、再付着トナーを中間転写体から静電潜像担持体へ回収することが可能になる。
特開2001−175086号公報
しかし、上記の第1の対策では、中間転写体の周長を長くすることにより、中間転写体の設置スペースが増大して、装置の大型化を招くとともに、中間転写体が1回転するために要する時間が増大して、プリント生産性の低下を招いてしまう。
また、上記の第2の対策では、トナー回収用のダクトを設置することにより、部品点数が増加するとともに、ダクト設置用のスペースを確保することにより、装置の大型化を招いてしまう。
さらに、上記の第3の対策では、一次転写領域に、一次転写を促すための電界、すなわち、トナーを静電潜像担持体から中間転写体へ移動させるための電界が形成されているため、一次転写領域へ再付着トナーを通過させても、再付着トナーを静電潜像担持体へ回収することは困難である。また、再付着トナーが一次転写領域を通過した後に、次の画像の一次転写が行われるため、プリント生産性が低下してしまう。
そこで、本発明は、装置の大型化、およびプリント生産性の低下を抑制しつつ、クリーニング部材から中間転写体への再付着トナーに起因する画像の汚れを確実に防止することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る画像形成装置は、
表面に静電潜像を担持する静電潜像担持体と、
所定方向に回転可能とされ、上記静電潜像担持体に接触して設けられ、上記静電潜像担持体とのニップ部に一次転写領域を形成する中間転写体と、
上記中間転写体に接触離間可能に配置され、上記中間転写体とのニップ部に形成されるクリーニング領域において上記中間転写体上のトナーを掻き取るクリーニング部材と、
画像形成に関する各種動作を制御する制御部とを備え、
上記クリーニング部材が、上記中間転写体に対して接触離間可能に配置された画像形成装置であって、
上記制御部は、
上記クリーニング部材が上記中間転写体から離間する際に上記クリーニング部材から離脱して上記中間転写体に再付着する再付着トナーが存在するか否かを判断する判断部と、
該判断部により上記再付着トナーが存在すると判断された場合、上記一次転写領域において上記再付着トナーを上記中間転写体から上記静電潜像担持体へ回収する再付着トナー回収制御を行う回収制御部とを有することを特徴とする。
本発明に係る画像形成方法は、
静電潜像担持体に複数の色のトナー像を順次形成する工程と、
上記静電潜像担持体上の上記複数のトナー像を、一次転写領域を挟んで上記静電潜像担持体に対向配置された中間転写体へ、上記一次転写領域において順次重ねて転写する工程と、
上記一次転写領域での転写により形成された上記中間転写体上のカラー画像を、上記中間転写体上の二次転写領域において記録シートに転写する工程と、
上記二次転写領域における上記カラー画像の転写後に上記中間転写体上に残留した未転写トナーを、クリーニング領域を挟んで上記中間転写体に対向配置されたクリーニング部材により掻き取る工程と、
上記クリーニング部材により上記未転写トナーを掻き取った後、上記クリーニング部材を上記中間転写体から離間する工程と、を含む画像形成方法であって、
上記クリーニング部材が上記中間転写体から離間する際に上記クリーニング部材から離脱して上記中間転写体に再付着する再付着トナーが存在するか否かを判断する工程と、
該判断する工程において上記再付着トナーが存在すると判断した場合に、上記一次転写領域において上記再付着トナーを上記中間転写体から上記静電潜像担持体へ回収する工程と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、クリーニング部材が中間転写体から離間する際にクリーニング部材から離脱して中間転写体に再付着する再付着トナーが存在するか否かが判断され、再付着トナーが存在すると判断された場合、再付着トナーを中間転写体から静電潜像担持体へ回収する再付着トナー回収制御が行われるため、再付着トナーに起因する画像の汚れを確実に防止できる。また、再付着トナー回収制御は、再付着トナーが存在しないと判断された場合は行われないため、プリント生産性の低下を抑制できる。さらに、再付着トナー回収制御により再付着トナーを静電潜像担持体へ回収できることから、中間転写体上において再付着トナーがトナー像に重ならないように中間転写体の周長を長くしたり、クリーニング部材から離脱するトナーを回収するためのダクトを設けたりする必要がないため、装置の大型化を回避できる。
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。なお、以下の説明では、特定の方向を意味する用語(例えば、「上」、「下」、「右」、「左」及びそれらを含む別の用語、「時計回り方向」、「反時計回り方向」)を使用するが、それらの用語の使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明は技術的に解釈されるべきものでない。また、以下に説明する画像形成装置では、同一又は類似の構成部分には同一の符号を用いている。
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置2の概略構成を示す。
画像形成装置2は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又はそれらの機能を複合的に備えた複合機等の電子写真式画像形成装置である。現在、電子写真方式の画像形成装置として種々の形態のものが提案されているが、図示する画像形成装置は、所謂4サイクル方式のカラー画像形成装置である。
画像形成装置2は、その内部のほぼ中央部に、静電潜像担持体としての感光体4を備えている。感光体4は、図示しない駆動モータにより図中時計回り方向に回転駆動される。
感光体4の周囲にはその回転方向(図中時計回り方向)に沿って順に、感光体4の外周面を一様に帯電させる帯電装置(図の例ではスコロトロン帯電器)8と、感光体4上に画像を投射して各色の静電潜像を順次形成するための露光装置10と、各色のトナーを感光体4に順次供給し、これにより静電潜像を顕在化する現像装置12と、感光体4上のトナー像を後述の中間転写ベルト30へ転写させるため、感光体4と共に中間転写ベルト30を挟圧する一次転写ローラ14と、感光体用クリーニングブレード16が配置されている。
現像装置12は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナーを収容した4つの現像器18(18Y,18M,18C,18K)を図中時計回り方向に90°づつずらして現像器ラック20に順次取り付けたもので、軸21を中心に図中反時計回り方向に回転可能となっている。現像装置12は、感光体4上に各色の静電潜像が形成されるごとに、対応する現像器18の現像ローラ22(22Y,22M,22C,22K)が感光体4に近接又は接触する現像位置に移動するようにしてある。現像ローラ22には、図示しない電源より所定の現像バイアスが適宜印加される。
各現像器18には、一成分トナーまたは二成分トナーが収容されている。なお、図示は省略するが、各現像器18は、現像ローラ22にトナーを供給する供給ローラと、現像ローラ22に担持されたトナーの層厚を規制するとともに、そのトナー層を所定の帯電量に帯電させる規制部材を有している。
感光体用クリーニングブレード16は、その先端において感光体4の表面に当接しており、このブレード16により、一次転写後において感光体4の表面に残留するトナーを掻き取るようにしてある。
感光体4の上側には、中間転写ベルト30(請求項の中間転写体に相当する。)が配置されている。中間転写ベルト30は、複数のローラ14,32,34,36,38により回転可能に張架されている。
ローラ32は図示しない駆動モータに連結されている。駆動モータによりローラ32が回転すると、残りのローラ14,34,36,38が従動回転し、中間転写ベルト30が、ローラ14,34,36,38の回転に伴い、図中反時計回り方向に回転駆動される。
中間転写ベルト30としては、例えば、樹脂に導電剤を配合してなる半導電性ベルトが用いられる。ベルト30の素材として用いられる樹脂として、具体的には、例えば、ポリイミド、ポリカーボネイト等が挙げられる。ベルト30の厚みは、50μm以上であることが好ましく、具体的には、例えば50μm以上200μm以下とされる。
画像形成装置2は、中間転写ベルト30上に4色のトナー像を重ねて転写させることによりカラー画像を形成するカラーモードと、中間転写ベルト30上にブラックのトナー像のみを転写させることによりモノクロ画像を形成するモノクロモードとの間で切り替え可能となっている。
中間転写ベルト30の内側には、上述の一次転写ローラ14が、中間転写ベルト30を挟んで感光体4に対向して配置されている。一次転写ローラ14は、中間転写ベルト30に常時圧接した状態で設けられている。一次転写ローラ14には、制御回路84を介して電源(請求項のバイアス印加装置に相当する。)82が接続されている。
中間転写ベルト30の外側には二次転写ローラ40および中間転写ベルト用クリーニングブレード42が配置されている。
二次転写ローラ40は、中間転写ベルト30のローラ32で支持された部分に接触した状態と、中間転写ベルト30から離間した状態との間で切り替え可能となっている。二次転写ローラ40と中間転写ベルト30とのニップ部は二次転写領域41を形成しており、二次転写領域41を通る用紙等の記録シート46が、中間転写ベルト30と二次転写ローラ40とに挟圧されるようにしてある。二次転写ローラ40には、制御回路88を介して電源86が接続されている。
中間転写ベルト用クリーニングブレード(請求項のクリーニング部材に相当する。)42は、その先端において中間転写ベルト30のローラ36で支持された部分に当接した状態と、中間転写ベルト30から離間した状態との間で切り替え可能となっている。クリーニングブレード42のエッジが中間転写ベルト30に当接した状態では、ベルト30とのニップ部にクリーニング領域43を形成し、このクリーニング領域43において、二次転写後において中間転写ベルト30の表面に残留する未転写トナーを、クリーニングブレード42により掻き取るようにしてある。クリーニングブレード42の素材としては、例えばウレタンゴムが用いられる。なお、中間転写ベルト用のクリーニング部材としては、クリーニングブレード以外の部材を使用することも可能であり、例えば、回転ブラシまたは固定ブラシを使用してもよい。
画像形成装置2の下部には、給紙カセット44が着脱可能に配置されている。給紙カセット44内に積載収容された記録シート46は、給紙カセット44に積載された記録シート46の先端近傍に対向した位置に配置された給紙部材48の回転によって最上部のものから1枚ずつ搬送路50に送り出される。
搬送路50は、給紙カセット44から、タイミングローラ対52のニップ部、二次転写領域41、定着ローラ対56のニップ部、および排紙ローラ対60のニップ部を通って、画像形成装置2の上部に設けられた排紙部64まで延びている。
また、画像形成装置2の下部には、画像形成装置2の内部の雰囲気温度および相対湿度を検知するための温湿度センサ80が設けられている。より具体的に、本実施形態において、温湿度センサ80は、記録シート46の湿り具合を検知できるように、給紙カセット44に取り付けられている。ただし、温湿度センサ80は、画像形成装置2の内部の任意の位置に設置できる。また、本発明に用いられるセンサは、画像形成装置2内部の相対湿度または絶対湿度の少なくとも一方を検知するセンサであればよく、温湿度センサ80に限られるものではない。
画像形成装置2の上部には、画像形成に関する各種動作を制御する制御部66が設けられている。ただし、画像形成装置2において制御部66が配置される位置は特に限定されるものではない。
制御部66は、判断部68、回収制御部70、バイアス制御部72、トナー量算出部74、判定部76および転写タイミング制御部78を含む。判断部68、回収制御部70、バイアス制御部72、トナー量算出部74、判定部76および転写タイミング制御部78の具体的な構成は後述する。
次に、画像形成装置2のカラーモードにおける画像形成動作について説明する。
先ず、制御部66において外部端末又は操作部から送信されたプリント信号を受信すると、感光体4および中間転写ベルト30が所定のタイミングで回転駆動を開始する。
続いて、感光体4表面の帯電電位を安定させるための帯電処理が開始されるとともに、現像器ラック20が回転駆動して、イエローのトナーを収容した現像器18Yが感光体4に対向配置される。
その後、所定のタイミングで感光体4の露光が行われるとともに、イエローのトナーを収容した現像器18Yの駆動が開始される。また、所定のタイミングで、一次転写ローラ14に転写電圧が印加される。
感光体4の露光が行われると、感光体4上にイエロー画像用の静電潜像が形成され、その静電潜像は、現像器18Yから供給されるイエローのトナーにより顕在化される。このようにして感光体4上に形成されたイエローのトナー像(請求項の1色目のトナー像に相当する。)は、感光体4の回転により、中間転写ベルト30を挟んで一次転写ローラ14と対向する一次転写領域15に達すると、感光体4から中間転写ベルト30上へ一次転写される。
一次転写後、感光体4上に残留した未転写トナーは、感光体4とクリーニングブレード16との当接部に達すると、クリーニングブレード16のエッジで掻き取られる。
一方、中間転写ベルト30に転写されたイエローのトナー像は、ベルト30の回転とともに移動する。このとき、イエロートナー像のトナーが、二次転写ローラ40に付着したりクリーニングブレード42に掻き取られたりすることを防ぐために、イエロートナー像が二次転写領域41に到達するまでに二次転写ローラ40がベルト30から離間し、イエロートナー像がクリーニング領域43に到達するまでにクリーニングブレード42がベルト30から離間する。本実施形態において、クリーニングブレード42がベルト30から離間するタイミングは、ベルト30上においてイエロートナー像が形成され得る最大の範囲(ベタのイエロートナー像が形成される範囲)の先端がクリーニング領域43に到達するタイミングと同時またはその直前とされている。以下、説明の便宜上、ベルト30上においてトナー像が形成され得る最大の範囲を「トナー像の最大範囲」という。
ベルト30からクリーニングブレード42が離間する際、ブレード42により掻き取られた前の画像の未転写トナーが、ブレード42から離脱して、イエロートナー像を担持するベルト部分に再付着する恐れがある。この再付着トナーに起因する画像の汚れを防止するため、本発明では、後述の画像汚れ防止制御が行われる。
イエローのトナーを収容した現像器18Yは、所定のタイミングで駆動が停止され、イエロー画像の現像および一次転写が終了する。その後、再び感光体4の帯電処理が行われるとともに、現像器ラック20が回転駆動して、マゼンタのトナーを収容した現像器18Mが感光体4に対向配置される。
続いて、イエローのトナー像を形成する時と同様、マゼンタ画像の現像および一次転写、並びにクリーニングブレードによる感光体4表面の清掃が行われる。マゼンタのトナー像(請求項の2色目のトナー像に相当する。)は、一次転写の際、中間転写ベルト30上のイエローのトナー像の上に重ねられて転写される。このとき、ベルト30上に再付着トナーが存在する場合、マゼンタトナー像が再付着トナーに重なる恐れがあるが、かかる不具合は、後述の画像汚れ防止制御を行うことにより回避できる。
同様に、シアンおよびブラックのトナー像も、中間転写ベルト30上に順次一次転写され、中間転写ベルト30上に4色のトナー像が重ね合わせられる。
中間転写ベルト30上で重ね合わされた4色のトナー像は、二次転写ローラ40に転写電圧が印加された後、中間転写ベルト30によって二次転写領域41に搬送される。また、そのタイミングに合わせて、給紙カセット44に収容された記録シート46が、二次転写領域41に搬送される。
続いて、二次転写領域41において、上記4色のトナー像が中間転写ベルト30から記録シート46に転写される。トナー像が転写された記録シート46は、搬送路50のさらに下流側へ搬送され、定着ローラ56によってトナー像が記録シート46に定着された後、排紙ローラ60によって排紙部64に送り出される。
その後、二次転写ローラ40における転写バイアスの印加が、所定のタイミングで停止されるとともに、中間転写ベルト用クリーニングブレード42が、所定のタイミングで中間転写ベルト30に当接し、二次転写後において中間転写ベルト30上に残留した未転写トナーがブレード42により掻き取られる。
カラーモードで連続プリントを行う場合、制御部66により、2枚目以降の画像について、画像汚れ防止制御が行われる。
以下、画像汚れ防止制御について説明する。画像汚れ防止制御の説明において、制御の対象となる画像を「対象画像」という。なお、対象画像は、請求項の第2の画像に相当し、対象画像の前にプリントされる画像(以下、「前画像」という。)は、請求項の第1の画像に相当する。
画像汚れ防止制御は、カラーモードでの連続プリント中において、クリーニングブレード42が中間転写ベルト30から離間する際にブレード42から離脱してベルト30の表面に再付着したトナー(再付着トナー)が、記録シート46に転写されることを回避して、再付着トナーに起因する画像汚れを防止するための制御である。
画像汚れ防止制御の各処理の流れの具体例を、図2に示すフローチャートを参照しながら説明する。
まずステップS1において、温湿度センサ80により検知された装置内の雰囲気温度と相対湿度が読み込まれ、次のステップS2において、雰囲気温度および相対湿度の情報から算出される絶対湿度の情報に基づき、予め設定された複数(実施形態では15個)の絶対湿度ステップの中から該当する絶対湿度ステップが選択される。実施形態では、絶対湿度ステップとして、絶対湿度が低いものから順に、ステップ1〜ステップ15が用意されている。
続くステップS3では、前画像のデータに基づき、前画像の画像形成に使用したトナー量が、トナー量算出部74により算出され、ステップS4に進む。前画像のトナー量としては、例えば、1層のベタ画像を基準(100%)とした百分率の数値が算出される。したがって、例えば、前画像が2層のベタ画像である場合、前画像のトナー量は200%と算出される。
ステップS4では、ステップS2で選択された絶対湿度ステップと、ステップS3で算出された前画像のトナー量と、例えば図3に示すように予め設定されたテーブルとから、中間転写ベルト30上の再付着トナーの範囲が推定され、ステップS5に進む。具体的に、本実施形態では、ベルト30の回転方向における再付着トナーの範囲の長さが推定される。図3に示すように、例えば、絶対湿度ステップがステップ1、前画像で使用されたトナー量が200%であるとき、再付着トナーの範囲は50mmと推定され、絶対湿度ステップがステップ4、前画像で使用したトナー量が80%であるとき、再付着トナーの範囲は5mmと推定され、絶対湿度ステップがステップ4、前画像で使用したトナー量が60%であるとき、再付着トナーの範囲は0mmと推定される。再付着トナーの範囲の長さは、前画像で使用されたトナー量が多いほど、また、装置内部の湿度が低いときほど大きく推定される。なお、装置内部の湿度が低いときほど再付着トナーの範囲の長さが大きいと推定する理由は、湿度が低いほどベルト30および記録シート46の電気抵抗が大きくなり、一次転写および二次転写の転写量が不足しやすいことから、二次転写後にベルト30上に残留する未転写トナーの量が増加し、クリーニングブレード42によるトナーの掻き取り量が多くなるためである。
ステップS5では、ステップS4で推定された再付着トナーの範囲の長さが、予め設定された所定値、具体的には例えば0mmよりも大きいか否かが、判断部68により判断され、これにより、ベルト30上の再付着トナーの有無が判断される。ステップS5において、再付着トナーの範囲の長さが0mmよりも大きい、すなわち、ベルト30上に再付着トナーが存在すると判断されるとステップS6に進み、再付着トナーの範囲の長さが0mmである、すなわち、ベルト30上に再付着トナーが存在しないと判断されると処理が終了する。
ステップS6では、後述の再付着トナー回収制御が回収制御部70により行われ、その後、処理が終了する。
このように、画像汚れ防止制御では、判断部68によりベルト30上に再付着トナーが存在すると判断されたときのみ、再付着トナー回収制御が行われるため、プリント生産性の低下を最小限に抑えることができる。
図10は、再付着トナー回収制御を伴わない従来の制御を行う場合のタイミングチャートを示す。図10(d)〜(f)に示すように、前画像の二次転写後にベルト30上に残留した未転写トナーがクリーニングブレード42により掻き取られた後、ブレード42はベルト30から離間し、これに伴い発生した再付着トナーが、クリーニング領域43において対象画像のイエロートナー像の先端部に重なる。その後、図10(a)〜(c)に示すように、再付着トナーがベルト30の回転により一次転写領域15を通過する際、再付着トナーの範囲に対象画像のマゼンタトナー像が重ねて転写される。再付着トナーが負極性に帯電している場合、一次転写領域15において再付着トナーが感光体4へ回収されず、再付着トナーがベルト上に残されたまま全色の一次転写が終了した後、再付着トナーは、対象画像の二次転写とともに記録シート46に付着し、画像の汚れが発生してしまう。再付着トナーが一次転写領域15を通過するタイミングで、一次転写バイアスを正極性から負極性に切り替えることで、再付着トナーを感光体4へ回収することも考えられるが、再付着トナーが、クリーニング領域43において対象画像のイエロートナー像に重なる場合、および/または一次転写領域15において対象画像のマゼンタトナー像に重なる場合、一次転写バイアスを上記のように切り替えると、イエローおよび/またはマゼンタの一次転写を適正に行うことができない。このような問題に鑑みて、本発明において、再付着トナー回収制御が、次のように行われる。
図4〜図8を参照しながら、再付着トナー回収制御について説明する。以下、トナーの帯電極性が負極性である場合について説明するが、本発明は、トナーの帯電極性が正極性である場合にも適用できる。
再付着トナー回収制御は、判断部68により再付着トナーが存在すると判断された場合、一次転写領域15において再付着トナーを中間転写ベルト30から感光体4へ回収する制御である。
再付着トナー回収制御は、複数の制御パターンを有し、具体的に、本実施形態では、図4に示すように、3つの制御パターン(パターン1〜パターン3)を有する。再付着トナー回収制御が行われる際は、一次転写を通常のタイミングで行うと仮定したとき、ベルト30上において再付着トナーの範囲がイエローおよびマゼンタのトナー像に重なるか否かが判定部76により判定された後、この判定の結果に応じて、パターン1〜パターン3のうち適切な制御パターンが選択される。
再付着トナーの範囲と、イエローまたはマゼンタのトナー像との重なりの有無の判定について説明する。上述したように、クリーニングブレード42がベルト30から離間するタイミングは、イエロートナー像の最大範囲の先端がクリーニング領域43に到達するタイミングと同時またはその直前とされているため、クリーニングブレード42から離脱して最初にベルト30に再付着するトナーは、イエロートナー像の最大範囲の先端部に重なるようにベルト30に付着する。すなわち、ベルト30の回転方向において、再付着トナーの範囲の先端とイエロートナー像の最大範囲の先端とは、ほぼ一致する。また、イエロートナー像の最大範囲の先端とマゼンタトナー像の最大範囲の先端は一致するため、マゼンタトナー像の最大範囲の先端も、再付着トナーの範囲の先端とほぼ一致する。そのため、再付着トナーの範囲と、イエローまたはマゼンタのトナー像の範囲との重なりの有無を判断する際は、イエローまたはマゼンタのトナー像の最大範囲のうちの先端側の余白部分(以下、「先端余白部」という。)の長さが、再付着トナーの範囲の長さよりも大きいか否かにより判断できる。すなわち、イエローまたはマゼンタの先端余白部の長さが、再付着トナーの範囲の長さよりも大きい場合、ベルト30上において再付着トナーの範囲が先端余白部に収まるため、再付着トナーの範囲はトナー像の範囲に重ならないと判定される。一方、イエローまたはマゼンタの先端余白部の長さが、再付着トナーの範囲の長さよりも小さい場合、ベルト30上において再付着トナーの範囲が先端余白部に収まらないため、再付着トナーの範囲がトナー像の範囲に重なると判定される。
図5を参照しながら、パターン1の再付着トナー回収制御について説明する。パターン1の再付着トナー回収制御は、一次転写を通常のタイミングで行うと仮定したとき、ベルト30上の再付着トナーの範囲が、クリーニング領域43においてイエロートナー像に重ならず、一次転写領域15においてマゼンタトナー像に重ならない場合に行われる。
パターン1の再付着トナー回収制御について具体的に説明する。図5(f)に示すように、クリーニングブレード42は、ベルト30上に残留した前画像の未転写トナーを掻き取った後、ベルト30から離間する。これに伴い、図5(e)に示すように、ベルト30上に再付着トナーが発生する。このとき、再付着トナーの範囲は、図5(d)に示すように、対象画像のイエローの先端余白部に収まる。その後、再付着トナーは、ベルト30の回転により一次転写領域15へ搬送される。再付着トナーが一次転写領域15を通過するタイミングにおいて、マゼンタトナー像の一次転写が開始されるが、再付着トナーは、マゼンタの先端余白部に収まるため、マゼンタトナー像が、再付着トナーに重ねて転写されることはない。
バイアス制御部72は、図5(b)と図5(c)に示すように、一次転写バイアスを制御する。具体的に、一次転写バイアスは、負極性に帯電したトナーを感光体4から中間転写ベルト30へ移動させるために、再付着トナーが一次転写領域15を通過するタイミング以外は正極性に制御されるが、再付着トナーが一次転写領域15を通過するタイミングのみ、一次転写バイアスは正極性から負極性に切り替えられる。このとき、一次転写領域15に、負極性のトナーをベルト30から感光体4へ移動させる電界が形成され、負極性に帯電した再付着トナーをベルト30から感光体4へ回収できる。再付着トナーが一次転写領域15を通過するタイミングが終了するとすぐに、一次転写バイアスは再び正極性に切り替えられ、感光体4上のマゼンタトナー像の一次転写が適正に行われ、その後、シアンおよびブラックのトナー像の一次転写が通常通り行われる。パターン1の再付着トナー回収制御では、全色の一次転写が通常のタイミングで行われるため、プリント生産性を良好に維持できる。
図6を参照しながら、パターン2の再付着トナー回収制御について説明する。パターン2の再付着トナー回収制御は、一次転写を通常のタイミングで行うと仮定したとき、ベルト30上の再付着トナーの範囲が、クリーニング領域43においてイエローのトナー像の範囲に重ならず、一次転写領域15においてマゼンタのトナー像の範囲に重なる場合に行われる。
パターン1と同様、クリーニングブレード42のベルト30からの離間に伴い発生した再付着トナーは、図6(d)と図6(e)に示すように、対象画像のイエローの先端余白部に収まる。その後、再付着トナーの範囲が、一次転写領域15においてマゼンタトナー像に重なることを回避するため、転写タイミング制御部78は、図6(a)に示すように、一次転写のタイミングを制御する。具体的に、マゼンタトナー像の一次転写が、通常よりベルト1周分遅れたタイミングで行われる。再付着トナーが一次転写領域15を通過するタイミングでは、パターン1と同様、一次転写バイアスが正極性から負極性に切り替えられ、これにより、負極性に帯電した再付着トナーがベルト30から感光体4へ回収される。このように一次転写バイアスが通常とは逆の負極性に制御されるとき、一次転写領域15においてトナー像の転写が行われないため、対象画像の一次転写に支障をきたすことはない。マゼンタ以降のトナー像の一次転写は、通常よりベルト1周分遅れたタイミングで通常と同様に行われる。
図7を参照しながら、パターン3の再付着トナー回収制御について説明する。パターン3の再付着トナー回収制御は、一次転写を通常のタイミングで行うと仮定したとき、ベルト30上の再付着トナーの範囲がイエローのトナー像に重なる場合に行われる。この場合、再付着トナーの範囲とマゼンタのトナー像との重なりの有無に関わらず、パターン3の制御が選択される。なお、図7は、再付着トナーの範囲の長さが、マゼンタの先端余白部の長さよりも小さい場合を表しているが、再付着トナーの範囲の長さが、マゼンタの先端余白部の長さ以上である場合も、パターン3の制御は同様に行われる。
パターン3では、クリーニング領域43および一次転写領域15において、再付着トナーの範囲がイエロートナー像に重なることを回避するため、図7(a)に示すように、イエロー以降、すなわち全色のトナー像の一次転写が、通常よりベルト2周分遅れるタイミングで行われるように制御される。図7(d)と図7(e)に示すように、クリーニングブレード42のベルト30からの離間に伴い再付着トナーが発生する際、対象画像の一次転写は開始されていないため、クリーニング領域43において、再付着トナーはイエロートナー像に重ならない。その後、再付着トナーが、ベルト30の回転により一次転写領域15に搬送されたとき、依然として対象画像の一次転写は開始されておらず、一次転写領域15においても、再付着トナーはイエロートナー像に重ならない。再付着トナーが一次転写領域15を通過するタイミングでは、パターン1およびパターン2と同様、一次転写バイアスが正極性から負極性に切り替えられ、これにより、負極性に帯電した再付着トナーがベルト30から感光体4へ回収される。このように一次転写バイアスが通常とは逆の負極性に制御されるとき、対象画像の一次転写は開始されていないため、対象画像の一次転写に支障をきたすことはない。イエロー以降、すなわち全色のトナー像の一次転写は、通常よりベルト2周分遅れたタイミングで通常と同様に行われる。
再付着トナー回収制御の各処理の流れの具体例を、図8に示すフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS11では、ベルト30の回転方向における対象画像のイエロートナー像およびマゼンタトナー像の範囲の長さが読み込まれ、ステップS12に進む。
ステップS12では、一次転写を通常のタイミングで行うと仮定したとき、クリーニング領域43において再付着トナーの範囲がイエロートナー像に重なるか否かが判断される。ステップS12において、再付着トナーの範囲がイエロートナー像に重ならないと判断されるとステップS13に進み、再付着トナーの範囲がイエロートナー像に重なると判断されるとステップS17に進む。
ステップS13では、一次転写を通常のタイミングで行うと仮定したとき、一次転写領域15において再付着トナーの範囲がマゼンタトナー像に重なるか否かが判断される。ステップ13において、再付着トナーの範囲がマゼンタトナー像に重ならないと判断されるとステップ14に進み、再付着トナーの範囲がマゼンタトナー像に重なると判断されるとステップ16に進む。
ステップS14では、全色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナー像の一次転写が通常のタイミングで行われるように設定され(パターン1の制御)、ステップS15に進む。
ステップS16では、イエローのトナー像の一次転写が通常のタイミングで行われ、マゼンタ以降(マゼンタ、シアン、ブラック)のトナー像の一次転写が、ベルト1周分遅れたタイミングで行われるように設定され(パターン2の制御)、ステップS15に進む。
ステップS17では、イエロー以降、すなわち全色のトナー像の一次転写が、ベルト2周分遅れたタイミングで行われるように設定され(パターン3の制御)、ステップS15に進む。
ステップS15では、ベルト30上の再付着トナーが一次転写領域15を通過するタイミングのみ、一次転写バイアスが正極性から負極性に切り替えられて、処理が終了する。このように一次転写バイアスの極性を切り替えることで、負極性に帯電した再付着トナーがベルト30から感光体4へ回収される。
以下、第2の実施形態に係る画像汚れ防止制御について説明する。第2の実施形態では、装置2の内部の温湿環境が、所定の低湿度の条件に該当するか否かが判断され、該当しないと判断されると、他の処理が行われることなく処理が終了するように構成されている。
図9を参照しながら、第2の実施形態に係る画像汚れ防止制御の各処理の流れの具体例を説明する。
ステップS21では、第1の実施形態と同様、温湿度センサ80により検知された装置2内部の雰囲気温度および相対湿度が読み込まれ、これら雰囲気温度および相対湿度に基づき、次のステップS22で、予め設定された複数の絶対湿度ステップ(実施形態ではステップ1〜ステップ15)の中から該当する絶対湿度ステップが選択される。
続くステップS23では、ステップS22で選択された絶対湿度ステップが、比較的低湿度のステップであるか否か、具体的にはステップ1〜ステップ8のいずれかであるか否かが判断される。ステップS23において、絶対湿度ステップがステップ1〜ステップ8のいずれかであると判断されるとステップS24に進み、絶対湿度ステップがステップ1〜ステップ8のいずれでもないと判断されると処理は終了する。
ステップS24〜ステップS27の処理は、第1の実施形態のステップS3〜ステップS6の処理(図2参照)と同様に行われる。
具体的に、ステップS24では、前画像の画像形成に使用されたトナー量が算出され、次のステップS25で、ステップS22で選択された絶対湿度ステップと、ステップS24で算出された前画像のトナー量と、例えば図3に示すテーブルとから、ベルト30上の再付着トナーの範囲が推定されて、ステップS26に進む。
ステップS26では、ステップS25で推定された再付着トナーの範囲が0mmよりも大きいか否か、すなわち再付着トナーが存在するか否かが判断される。ステップS26において、再付着トナーが存在すると判断されると、ステップS27に進み、再付着トナーが存在しないと判断されると処理が終了する。
ステップS27では、第1の実施形態と同様の再付着トナー回収制御(図8参照)が行われて、処理が終了する。
このように、第2の実施形態に係る画像汚れ防止制御では、装置2の内部が所定の低湿度環境であると判断されたときのみ、その後の処理が行われ、これにより、プリント生産性の低下を最小限に抑えることができる。装置2の内部が低湿度環境でないとき、記録シート46の電気抵抗は比較的低く、二次転写領域41において転写電流が流れやすい。そのため、二次転写後にベルト30上に残留する未転写トナーは、転写電流の影響を受けて、正極性に帯電しやすい。正極性に帯電した未転写トナーは、クリーニング領域43においてクリーニングブレード42により掻き取られた後、ブレード42がベルト30から離間する際にベルト30に再付着した場合、一次転写バイアスが通常通り正極性に制御されていても、一次転写領域15を通過するときにベルト30から感光体4へ回収されるため、上記の再付着トナー回収制御を行う必要がない。一方、装置2の内部が低湿度環境にあるとき、記録シート46の電気抵抗が比較的高く、二次転写領域41において転写電流が流れ難い。そのため、二次転写後にベルト30上に残留する未転写トナーの極性が負極性に維持されやすい。負極性に帯電した未転写トナーは、クリーニング領域43においてクリーニングブレード42により掻き取られた後、ブレード43がベルト30から離間する際にベルト30に再付着した場合、一次転写バイアスが通常とは逆の負極性に制御されていなければ、一次転写領域15を通過するときにベルト30から感光体4へ回収されない。したがって、装置2の内部が所定の低湿度環境にあると判断されたときは、上記の再付着トナー回収制御が行われ、これにより、再付着トナーを確実に回収して、画像の汚れを防止できる。
以上、上述の実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
例えば、上述の実施形態では、装置内部の湿度の情報と、前画像(請求項の第1の画像)の画像形成に使用されたトナー量と、予め設定されたテーブル(図3参照)とに基づき、再付着トナーの有無を判断する構成について説明したが、本発明において、再付着トナーの有無を判断する構成はこれに限られない。例えば、上述の実施形態のテーブルに代えて、またはテーブルに加えて、所定の演算式を用いて演算を行うことにより、再付着トナーの有無を判断する構成も考えられる。
本発明の一実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。 第1の実施形態に係る画像汚れ防止制御の各処理の流れを示すフローチャートである。 再付着トナーの範囲を推定するためのテーブルである。 再付着トナー回収制御の制御パターンを示す一覧表である。 パターン1の再付着トナー回収制御の各処理のタイミングチャートである。 パターン2の再付着トナー回収制御の各処理のタイミングチャートである。 パターン3の再付着トナー回収制御の各処理のタイミングチャートである。 再付着トナー回収制御の各処理の流れを示すフローチャートである。 第2の実施形態に係る画像汚れ防止制御の各処理の流れを示すフローチャートである。 従来の制御の各処理のタイミングチャートである。
符号の説明
2:画像形成装置、4:感光体(静電潜像担持体)、12:現像装置、14:一次転写ローラ(一次転写部材)、15:一次転写領域、30:中間転写ベルト(中間転写体)、40:二次転写ローラ(二次転写部材)、41:二次転写領域、42:クリーニングブレード(クリーニング部材)、43:クリーニング領域、66:制御部、68:判断部、70:回収制御部、72:バイアス制御部、74:トナー量算出部、76:判定部、78:転写タイミング制御部、80:温湿度センサ、82:電源(バイアス印加装置)。

Claims (10)

  1. 表面に静電潜像を担持する静電潜像担持体と、
    所定方向に回転可能とされ、上記静電潜像担持体に接触して設けられ、上記静電潜像担持体とのニップ部に一次転写領域を形成する中間転写体と、
    上記中間転写体に接触離間可能に配置され、上記中間転写体とのニップ部に形成されるクリーニング領域において上記中間転写体上のトナーを掻き取るクリーニング部材と、
    画像形成に関する各種動作を制御する制御部とを備え、
    上記クリーニング部材が、上記中間転写体に対して接触離間可能に配置された画像形成装置であって、
    上記制御部は、
    上記クリーニング部材が上記中間転写体から離間する際に上記クリーニング部材から離脱して上記中間転写体に再付着する再付着トナーが存在するか否かを判断する判断部と、
    該判断部により上記再付着トナーが存在すると判断された場合、上記一次転写領域において上記再付着トナーを上記中間転写体から上記静電潜像担持体へ回収する再付着トナー回収制御を行う回収制御部とを有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 上記中間転写体を挟んで上記静電潜像担持体に対向配置された一次転写部材と、
    該一次転写部材にバイアスを印加するバイアス印加装置と、
    上記バイアスを、第1の極性と、第1の極性とは異なる第2の極性との間で切り替え可能に制御し、上記静電潜像担持体上のトナー像が上記中間転写体へ転写される際、第1の極性の上記バイアスが上記一次転写部材に印加されるように制御するバイアス制御部とを備え、
    上記再付着トナー回収制御は、上記中間転写体上の上記再付着トナーが上記一次転写領域を通過するタイミングのみ、上記バイアスを上記第2の極性に切り替える制御であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 上記所定方向において上記一次転写領域よりも下流側で且つ上記クリーニング領域よりも上流側の上記中間転写体部分に接触可能に配置され、上記中間転写体とのニップ部に二次転写領域を形成する二次転写部材を備え、
    連続プリントにおいて第1の画像の次にプリントされる第2の画像を形成する際、上記二次転写領域における上記中間転写体から記録シートへの転写後に上記中間転写体上に残留した未転写トナーが、上記クリーニング領域において上記クリーニング部材により掻き取られた後、上記制御部が、上記クリーニング部材を上記中間転写体から離間させるように制御する画像形成装置であって、
    装置内部の相対湿度または絶対湿度の少なくとも一方を検知するセンサと、
    上記第1の画像のデータに基づき、上記第1の画像の画像形成に使用したトナー量を算出するトナー量算出部とを備え、
    上記判断部は、上記センサの検知により得られる湿度の情報と、上記トナー量算出部により算出された上記トナー量の情報と、予め設定されたテーブルおよび/または演算式とに基づき、上記第2の画像の画像形成時における上記再付着トナーの有無を判断することを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の画像形成装置。
  4. 上記判断部は、上記湿度の情報と、上記トナー量の情報と、上記テーブルおよび/または演算式とから、上記中間転写体上において上記再付着トナーが存在する範囲の上記所定方向長さを求め、該長さが所定値よりも大きいときに、上記再付着トナーが存在すると判断することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 複数色のトナー像を、上記一次転写領域において上記静電潜像担持体から上記中間転写体へ順次転写させて上記中間転写体上に重ねることで、カラー画像を形成するように構成された画像形成装置であって、
    上記制御部は、
    連続プリントの際、上記第2の画像を構成するトナー像の上記静電潜像担持体から上記中間転写体への転写を通常のタイミングで行うと仮定した場合、上記第2の画像を構成する複数色のトナー像のうち最初および2番目に上記中間転写体に転写される1色目および2色目のトナー像が、上記再付着トナーの上記範囲に重なるか否かを判定する判定部と、
    該判定部により、上記1色目または2色目の少なくとも一方のトナー像が、上記再付着トナーの上記範囲に重なると判定された場合、上記再付着トナー回収制御により上記中間転写体から上記静電潜像担持体へ上記再付着トナーが回収された後に、上記再付着トナーの上記範囲に重なると判定された上記1色目および/または2色目のトナー像が、上記静電潜像担持体から上記中間転写体へ転写されるように、該転写のタイミングを制御する転写タイミング制御部とを有することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 装置内部の相対湿度または絶対湿度の少なくとも一方を検知するセンサを備え、
    上記回収制御部は、上記センサの検知により得られる湿度の情報が、所定の低湿度環境に該当し、且つ、上記判断部により上記再付着トナーが有ると判断されたとき、上記再付着トナー回収制御を行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成装置。
  7. 静電潜像担持体に複数の色のトナー像を順次形成する工程と、
    上記静電潜像担持体上の上記複数のトナー像を、一次転写領域を挟んで上記静電潜像担持体に対向配置された中間転写体へ、上記一次転写領域において順次重ねて転写する工程と、
    上記一次転写領域での転写により形成された上記中間転写体上のカラー画像を、上記中間転写体上の二次転写領域において記録シートに転写する工程と、
    上記二次転写領域における上記カラー画像の転写後に上記中間転写体上に残留した未転写トナーを、クリーニング領域を挟んで上記中間転写体に対向配置されたクリーニング部材により掻き取る工程と、
    上記クリーニング部材により上記未転写トナーを掻き取った後、上記クリーニング部材を上記中間転写体から離間する工程と、を含む画像形成方法であって、
    上記クリーニング部材が上記中間転写体から離間する際に上記クリーニング部材から離脱して上記中間転写体に再付着する再付着トナーが存在するか否かを判断する工程と、
    該判断する工程において上記再付着トナーが存在すると判断した場合に、上記一次転写領域において上記再付着トナーを上記中間転写体から上記静電潜像担持体へ回収する工程と、を含むことを特徴とする画像形成方法。
  8. 上記一次転写領域において上記トナー像を上記中間転写体へ転写する際、上記中間転写体を挟んで上記静電潜像担持体に対向配置された一次転写部材に、第1の極性のバイアスを印加する画像形成方法であって、
    上記再付着トナーを回収する工程において、上記中間転写体上の上記再付着トナーが上記一次転写領域を通過するタイミングのみ、上記一次転写部材に印加するバイアスを、第1の極性とは異なる第2の極性に切り替えることを特徴とする請求項7に記載の画像形成方法。
  9. 連続プリントにおいて第1の画像の次に第2の画像をプリントする画像形成方法であって、
    装置内部に設けられたセンサにより、装置内部の相対湿度または絶対湿度の少なくとも一方を検知する工程と、
    上記第1の画像の画像形成に使用したトナー量を算出する工程と、
    上記第2の画像の画像形成時の上記判断する工程において、上記検知する工程により得られた湿度の情報と、上記算出する工程により得られた上記トナー量の情報と、予め設定されたテーブルおよび/または演算式とに基づき、上記再付着トナーの有無を判断することを特徴とする請求項7または8のいずれかに記載の画像形成方法。
  10. 上記第2の画像を構成するトナー像の上記静電潜像担持体から上記中間転写体への転写を通常のタイミングで行うと仮定した場合、上記第2の画像を構成する複数色のトナー像のうち最初および2番目に上記中間転写体に転写される1色目および2色目のトナー像が、上記中間転写体上において上記再付着トナーが存在する範囲に重なるか否かを判定する工程と、
    該判定する工程において、上記1色目または2色目の少なくとも一方のトナー像が、上記再付着トナーの上記範囲に重なると判定した場合、上記回収する工程において上記再付着トナーを回収した後に、上記再付着トナーの上記範囲に重なると判定された上記1色目および/または2色目のトナー像が、上記静電潜像担持体から上記中間転写体へ転写されるように、該転写のタイミングを制御する工程と、を含むことを特徴とする請求項9に記載の画像形成方法。
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