JP2009008327A - 液中熱交換器及び熱利用システム - Google Patents
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Abstract
【課題】有効に利用できる熱をより多く採取することができる液中熱交換器及びこの液中熱交換器を用いた熱利用システムを提供すること。
【解決手段】液体中に配置される液中熱交換器10は、内部に熱媒体CHを流す複数のU字管13と、複数のU字管13に熱媒体CHを供給する供給ヘッダー15と、複数のU字管13を流れた熱媒体CHを収集する収集ヘッダー16と、液体が内部を流れ、液体をU字管13に向けて放出する複数の液孔が形成された有孔管11とを備える。熱利用システムは、液中熱交換器10と、熱媒体CHが保有する熱を利用する熱利用機器とを備える。
【選択図】図2
【解決手段】液体中に配置される液中熱交換器10は、内部に熱媒体CHを流す複数のU字管13と、複数のU字管13に熱媒体CHを供給する供給ヘッダー15と、複数のU字管13を流れた熱媒体CHを収集する収集ヘッダー16と、液体が内部を流れ、液体をU字管13に向けて放出する複数の液孔が形成された有孔管11とを備える。熱利用システムは、液中熱交換器10と、熱媒体CHが保有する熱を利用する熱利用機器とを備える。
【選択図】図2
Description
本発明は液中熱交換器及び熱利用システムに関し、特に有効に利用できる熱をより多く採取することができる液中熱交換器及びこれを用いた熱利用システムに関する。
地下ピット等の水槽に貯留された液体の熱を利用するために、この熱を採取する機器として、液中熱交換器がある。液中熱交換器の一例として、複数の可とう性のある樹脂製チューブをU字状に曲げ、各チューブ同士が接触しないように間隔を空けて管板に取り付けて構成することにより、交換熱量を増大させたものがある。この液中熱交換器は、水槽に貯留された液体中に設置され、チューブ内に熱媒体を流すことにより、液体と熱媒体との熱交換を行わせ、液体の熱を採取するものである(例えば、特許文献1参照。)。
特開2001−116471号公報(図1等)
しかしながら上述の液中熱交換器は、液体と熱媒体との熱交換が行われて各チューブの周囲の液体の温度がチューブ内を流れる熱媒体の温度に近づいてくると、有効に利用できる熱を採取できないいわゆる熱飽和の状態になってしまうことがあった。
本発明は上述の課題に鑑み、有効に利用できる熱をより多く採取することができる液中熱交換器、及びこの液中熱交換器を用いた熱利用システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様に係る液中熱交換器は、例えば図1、図2に示すように、液体L中に配置される液中熱交換器10であって;内部に熱媒体CHを流す複数のU字管13と;複数のU字管13に熱媒体CHを供給する供給ヘッダー15と;複数のU字管13を流れた熱媒体CHを収集する収集ヘッダー16と;液体Lが内部を流れ、液体LをU字管13に向けて放出する複数の液孔11h(例えば図3参照)が形成された有孔管11とを備える。
このように構成すると、液体をU字管に向けて放出する複数の液孔が形成された有孔管を備えるので、液孔から液体を放出してU字管の周囲の液体を動かすことが可能になり、これによりU字管の周囲に液体が滞留することを防いで熱飽和の状態になることを防ぐことが可能となって、有効に利用できる熱をより多く採取することが可能となる。ここで「熱」は温熱のみならず冷熱も含む概念である。本明細書において単に「熱」というときは冷熱及び/又は温熱を意味し、区別する場合は「冷熱」又は「温熱」ということとする。
また、本発明の第2の態様に係る液中熱交換器は、例えば図2に示すように、上記本発明の第1の態様に係る液中熱交換器10において、複数のU字管13が、可とう性を有する合成樹脂で形成され、かつ、有孔管11を長手方向で巻くように配設され;さらに、複数のU字管13を有孔管11に固定する固定部材12を備える。
このように構成すると、U字管が合成樹脂で形成されるので軽量化を図ることができると共に、可とう性を有するU字管を支えるための部材を有孔管で兼ねることができるので、液中熱交換器の構成をシンプルにすることができる。
また、本発明の第3の態様に係る液中熱交換器は、例えば図1に示すように、上記本発明の第1の態様又は第2の態様に係る液中熱交換器10において、有孔管11に液体Lを圧送する液中ポンプ18を備える。
このように構成すると、有孔管の液孔からU字管に向けて強制的に液体を放出することが可能になり、U字管の周囲に液体が滞留することを確実に防ぐことができる。
また、本発明の第4の態様に係る熱利用システムは、例えば図5に示すように、上記本発明の第1の態様乃至第3の態様のいずれか1つの態様に係る液中熱交換器10と;熱媒体CHが保有する熱を利用する熱利用機器31とを備える。
このように構成すると、液中熱交換器で採取した熱を有効利用することが可能になる。
本発明によれば、液体をU字管に向けて放出する複数の液孔が形成された有孔管を備えるので、液孔から液体を放出してU字管の周囲の液体を動かすことが可能になり、これによりU字管の周囲に液体が滞留することを防いで熱飽和の状態になることを防ぐことが可能となって、有効に利用できる熱をより多く採取することが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において互いに同一又は相当する部材には同一あるいは類似の符号を付し、重複した説明は省略する。図1は、本発明の実施の形態に係る液中熱交換器10を水槽61内に設置した状態を説明する模式図である。このように、液中熱交換器10は、典型的には、水槽61に貯留された液体としての熱源水Lに没入するように設置される。以下の説明において、熱源水Lに言及しているときは、適宜図1を参照することとする。
図2を参照して、液中熱交換器10の構成について説明する。図2(a)は液中熱交換器10の平面図、図2(b)は液中熱交換器10の側面図である。液中熱交換器10は、有孔管11と、固定部材12と、U字管13と、供給ヘッダー15及び収集ヘッダー16を構成するタイコ14と、液中ポンプ18(図1参照)とを備えている。なお、図2においては説明の便宜のため液中ポンプ18(図1参照)の図示を省略している。また、図2(b)と図1とが一見整合していないように見えるが、図1では説明の便宜上、U字管13を平面図で表し、その他を側面図で表している。
有孔管11は、U字管13を支持する支柱(心棒)としての機能を有すると共に、U字管13に向けて熱源水Lを放出する熱源水分配供給管としての機能を有する部材である。有孔管11は、支柱としての役割を有することからたわみにくい管である鋼管が用いられ、好ましくは耐食性の観点からステンレス鋼管が用いられる。有孔管11は、管端閉止フランジ17に、その面に対して垂直に取り付けられている。また、有孔管11は、管端閉止フランジ17の面のほぼ中央に、例えば溶接により取り付けられている。有孔管11の長さは、U字管13を支持することができるように、U字管13が張り出す長さに応じて決定される。また、有孔管11には、U字管13に向けて熱源水Lを放出するための孔である液孔11h(図3参照)が複数形成されている。
図3(a)、(b)に、液孔11hが示された有孔管11の部分詳細図を示す。図3(a)は部分詳細平面図、(b)は部分詳細側面図である。液孔11hは、典型的には、有孔管11の軸方向に延びる第1の仮想線(不図示)上と、この第1の仮想線のほぼ裏側で軸方向に延びる第2の仮想線(不図示)上とに、所定の間隔を空けて多数形成されている。所定の間隔は、U字管13の全体にわたってU字管13の周囲の熱源水Lに動きを与えることができるように熱源水Lを放出できる間隔である。なお、液孔11hは、第1及び第2の仮想線(不図示)上だけでなく、U字管13の配設状況に応じて、できるだけすべてのU字管13の周囲の熱源水Lに動きを与えることができるような方向に熱源水Lを放出できるような位置に形成されているとよい。
再び図2に戻って液中熱交換器10の構成の説明を続ける。有孔管11には、熱源水Lを導入する導入口となるチーズ11tが設けられている。チーズ11tは、管端閉止フランジ17の近傍に設けられていると、有孔管11がタイコ14の両側に延びる本実施の形態においても、液中ポンプ18(図1参照)と有孔管11とを結ぶ吐出管19(図1参照)を短くすることができる。また、管端閉止フランジ17に接続されている端部とは反対側の端部には、有孔管11の径を液孔11h(図3参照)と同程度まで絞るレジューサ11rが設けられている。なお、軸方向に熱源水Lを放出させなくてもよい場合は、レジューサ11rに代えてキャップを取り付けてもよい。
図4(a)には固定部材12の斜視図を示している。固定部材12は、U字管13を有孔管11に固定する部材である。U字管13を有孔管11に固定するとは、U字管13を有孔管11に接触させて動かなくするという意味ではなく、U字管13が振れたりたわんだりしないように有孔管11に対して相対的に動かないようにすることである。固定部材12は、円形の平板に対して、円形の中心に有孔管11を通す有孔管貫通孔12aが1つ形成され、円形を仮想分割線12dで半分に仮想分割した両側の、有孔管貫通孔12aの外側にU字管13を通すU字管貫通孔12bが多数形成されて構成されている。U字管貫通孔12bは、仮想分割線12dを軸とする線対称に、仮想分割された固定部材12の2つの領域のそれぞれに形成されている。したがって、U字管貫通孔12bは、仮想分割された固定部材12の2つの領域のそれぞれに同じ数だけ形成されている。U字管貫通孔12bの数は、U字管13が設置される数によって決定される。また、多数形成されるU字管貫通孔12b同士の間隔は、少なくとも、U字管13が取り付けられたときに各U字管13の間を熱源水Lが滞留しないように移動可能な距離が確保されるように形成される。
固定部材12は、耐食性及び経済性の観点から、典型的には合成樹脂(例えばFRP)で形成されるが、ステンレス等の鋼板で形成されていてもよい。なお、U字管貫通孔12bと同数のU字管接続孔(不図示)が、管端閉止フランジ17(図2参照)にも形成されている。固定部材12における有孔管貫通孔12aの位置に対応するのが管端閉止フランジ17における有孔管11の取り付け位置になるところ、固定部材12における有孔管貫通孔12aに対するU字管貫通孔12bの相対位置と同様の配置で、管端閉止フランジ17のU字管接続孔が形成されている。
図2に示すように、固定部材12は、1本の有孔管11に対して複数設けられている。つまり、固定部材12は、U字管13が設けられたときにU字管13が振れたりたわんだりしないような支持間隔で設けられている。逆をいえば、U字管13が振れたりたわんだりしなければ、固定部材12は1本の有孔管11に対して1つが設けられることとしてもよい。
U字管13が振れたりたわんだりという上記の説明から推察できるとおり、U字管13は可とう性を有する合成樹脂からなる部材である。U字管13は、外観がU字の形状を呈した管であり、典型的には架橋ポリエチレン管、あるいはポリブデン管が用いられ、これらがU字状に曲げられて形成されている。このような材料を用いると、U字管13の両端を供給ヘッダー15及び収集ヘッダー16に接続するためにU字管13を曲げる必要があっても継手を用いなくてよいのでU字管13の途中からの漏洩がなくなる。また、長尺の材料を任意の長さに切断して利用できるので、端材の発生が極めて少なくなると共に多様な使用条件に適合するようにU字管13の長さを決定することができる。
U字管13は、有孔管11を長手方向で巻くように配設されている。また、U字管13の両端は、管端閉止フランジ17に接続されている。U字管13の取り付け状態をさらに詳しく説明すれば以下のようになる。U字管13の一端が管端閉止フランジ17のU字管接続孔のある1つに接続され、有孔管11に沿って延びている。U字管13は、有孔管11に沿って延びる際、一端が接続されたU字管接続孔に対応する固定部材12のU字管貫通孔12b(図4(a)参照)を貫通している。そしてU字管13は、有孔管11の端部に至るとレジューサ11r(あるいはレジューサ11rから仮想分割線12d(図4(a)参照)と平行に延びる不図示の仮想軸)を巻くように曲がり、仮想分割線12d(図4(a)参照)を軸とする線対称の位置にあるU字管貫通孔bを貫通し、このU字管貫通孔bに対応する管端閉止フランジ17のU字管接続孔にU字管13の他端が接続されている。このような要領で、管端閉止フランジ17に形成されたU字管接続孔のすべてにU字管13が接続されるような本数のU字管13が配設されている。有孔管11が取り付けられ、U字管13が接続された管端閉止フランジ17は、タイコ14に取り付けられている。
図4(b)は、タイコ14の斜視図である。タイコ14は、供給ヘッダー15及び収集ヘッダー16を構成する部材である。本実施の形態におけるタイコ14は、配管を短く切断した短管14cの両端にフランジ14fが取り付けられ、短管14c内の空間を2つに分割する仕切板14bが取り付けられて形成されている。仕切板14bによって分割された短管14c内の空間のうち、一方が供給ヘッダー15を、他方が収集ヘッダー16を構成する。タイコ14は、供給ヘッダー15と収集ヘッダー16との間で熱媒体CH(図2参照)がショートサーキットすることがないように、仕切板14bが取り付けられている。短管14cの外側には、供給ヘッダー15に熱媒体CHを導入する導入口14rと、収集ヘッダー16から熱媒体CHを導出する導出口14s(図2参照)が設けられている。導入口14rは、短管14cよりも呼び径の小さい配管が、短管14cの側面に形成された熱媒体CHを流通可能な流通孔に取り付けられることにより形成されている。導出口14s(図2参照)も導入口14rと同様の構成である。フランジ14fには、タイコ14と管端閉止フランジ17(図2参照)とをボルト/ナットで接続するためのボルト挿通孔が形成されている。また、短管14cの側面には、タイコ14を支持するための吊りピース14pが設けられている。
再び図2に戻って液中熱交換器10の構成の説明を続ける。タイコ14の両端には、有孔管11及びU字管13が取り付けられた管端閉止フランジ17が取り付けられている。管端閉止フランジ17がタイコ14に取り付けられるとき、仮想分割された管端閉止フランジ17の一方の領域に接続されたU字管13のすべてが供給ヘッダー15に連通し、仮想分割された管端閉止フランジ17の他方の領域に接続されたU字管13のすべてが収集ヘッダー16に連通するように取り付けられる。
ここで図1に戻って液中熱交換器10の構成の説明を続ける。タイコ14の両側に取り付けられた管端閉止フランジ17から延びる有孔管11のチーズ11tには、熱源水Lを有孔管11に導く吐出管19がそれぞれ接続されている。タイコ14の両側のチーズ11tにそれぞれ接続された吐出管19は、互いに接合されて1本の吐出管19となり、液中ポンプ18の吐出側に接続されている。液中ポンプ18は、水槽61内に貯留された熱源水Lを吸い込んで有孔管11に圧送するものであり、典型的には水中ポンプが用いられる。液中ポンプ18は、典型的には熱源水L中に設置され、水槽61の釜場に配設されていてもよいが、液中熱交換器10自体が熱源水L内に没入されるものであるため釜場に配設されていなくてもよい。また、吐出管19の長さ(圧力損失)を考慮しつつ、U字管13の周囲にあった熱源水Lをなるべく吸い込まないために、吸込口がU字管13からできるだけ離れた位置になるように液中ポンプ18を配設してもよい。また、メンテナンスを容易にするために、液中ポンプ18を水面上に設置することも可能である。
上記のように構成された液中熱交換器10は、タイコ14の頂部の吊りピース14pに取り付けられたターンバックル(不図示)に全ネジ42が取り付けられ、全ネジ42が水槽61の天井に打設されたアンカー(不図示)にねじ込まれることにより取り付けられる。また、タイコ14に取り付けられた管端閉止フランジ17から延びる両側の有孔管11は、ステンレス製のワイヤー43を用いて水槽61の天井から吊り下げられる。
次に図5を参照して、本発明の実施の形態に係る熱利用システム100の構成を説明する。熱利用システム100は、これまで説明した液中熱交換器10と、熱利用機器としてのヒートポンプチラー31とを備えている。液中熱交換器10は、既に説明したので重複した説明は省略する。
ヒートポンプチラー31は、熱媒体CHを導入し、外部からの電気エネルギーを利用して、例えば冷暖房のために用いられる冷水及び温水を製造する機器である。すなわち、ヒートポンプチラー31を備える熱利用システム100は、例えば冷暖房システムとして利用することができる。ヒートポンプチラー31は、冷媒のヒートポンプサイクルを利用して冷媒が凝縮する際に放出する熱で水を加温して温水を製造し、冷媒の冷凍サイクルを利用して冷媒が蒸発する際に水から熱を吸収することによりこの水を冷却して冷水を製造するユニットである。このように、ヒートポンプチラー31は、ヒートポンプとしてもチラーとしても利用することができる機器である。
ヒートポンプチラー31は、液中熱交換器10のタイコ14(図2、図4(b)参照)の導入口14rと還管22で接続されており、導出口14sと往管21で接続されている。還管22には、熱媒体CHを圧送する熱媒体ポンプ28が挿入配置されている。このように構成されていることにより、ヒートポンプチラー31で熱が利用された熱媒体CHを液中熱交換器10の供給ヘッダー15(図2参照)に導くことができ、熱が利用される前の熱媒体CHを収集ヘッダー16からヒートポンプチラー31に導くことができる。
引き続き図1〜図5を参照して、液中熱交換器10及び熱利用システム100の作用を説明する。なお、液中熱交換器10の作用の説明は、熱利用システム100の作用の説明の一環として説明する。
ヒートポンプチラー31で冷水を製造した場合、ヒートポンプチラー31に導入された熱媒体CHは温度が上昇する。温度が上昇した熱媒体CHは、熱媒体ポンプ28の起動により液中熱交換器10に向けて搬送され、導入口14rから供給ヘッダー15に流入する。供給ヘッダー15に流入した熱媒体CHは、タイコ14の両側に設けられたU字管13に流入し、各U字管13内を収集ヘッダー16に向かって流れる。熱媒体CHは、U字管13内を流れることで、U字管13の外周を取り巻く熱源水Lと熱交換して温度が低下する。
このとき液中ポンプ18も起動される。液中ポンプ18が起動すると水槽61内に貯留されている熱源水Lが液中ポンプ18に吸い込まれ、吐出される。液中ポンプ18から吐出された熱源水Lは吐出管19内を流れ、チーズ11tから有孔管11に流入する。有孔管11に流入した熱源水Lは、有孔管11の末端のレジューサ11rに向かって流れる。その途中で熱源水Lは、有孔管11に形成されている多数の液孔11hからU字管13に向けて放出される。また、熱源水Lは、レジューサ11rからもU字管13に向けて放出される。熱源水Lが液孔11h及びレジューサ11rから放出されることにより、U字管13の外周を取り巻いている熱源水Lが移動する。このことにより、熱媒体CHと熱交換して温度が上昇したU字管13の周囲の熱源水Lが、温度が上昇していない熱源水Lに置換される。ゆえに、U字管13内を流れる熱媒体CHが有効に利用できる熱を採取できない程にU字管13の周囲の熱源水Lの温度が上昇したまま滞留するいわゆる熱飽和の状態になってしまうことを回避することができる。言い換えれば、U字管13内を流れる熱媒体CHは、水槽61内の熱源水L全体の温度が上昇するまで、有効に利用できる熱をより多く採取することができる。このように、液中熱交換器10によれば、液孔11h及びレジューサ11rから放出される熱源水Lが強制対流効果を奏し、熱源水Lと熱媒体CHとの間における伝達熱量を増大させることができる。
U字管13内を流れて熱源水Lと熱交換して温度が低下した熱媒体CHは、収集ヘッダー16に流入して他のU字管13内を流れてきた熱媒体CHと合流し、導出口14sを通って収集ヘッダー16から流出する。収集ヘッダー16から流出した熱媒体CHは、往管21を流れてヒートポンプチラー31に導入される。ヒートポンプチラー31に導入された熱媒体CHは、液中熱交換器10において熱源水Lと熱交換されたため、ヒートポンプチラー31で冷水を製造することができる程度に温度が低下している。ここで説明した例では、熱媒体CHは、いわゆる冷却水として機能している。ヒートポンプチラー31で製造された冷水は、例えば居室近傍に配設されたファンコイル(不図示)やエアハンドリングユニット(不図示)に搬送されて空調用空気の冷却に利用される。
以上の作用の説明では、ヒートポンプチラー31で冷水を製造する場合を説明したが、例えば暖房のために用いられる温水を製造することもできる。この場合、ヒートポンプチラー31で温水が製造されると熱媒体CHの温度は低下する。そこで、温度が低下した熱媒体CHを液中熱交換器10に導き、熱媒体CHよりも温度が高い水槽61内の熱源水Lと熱交換させて温度を上昇させる。液中熱交換器10で温度が上昇した熱媒体CHは、再びヒートポンプチラー31に導入されて温水の製造に利用される。ヒートポンプチラー31で温水を製造する場合も、温度条件以外の、熱媒体CH及び熱源水Lの流れ、液中ポンプ18及び熱媒体ポンプ28の起動等は、冷水を製造する場合と同様である。
以上の説明では、固定部材12は平板が円形に形成されて構成されているとしたが、四角形や六角形や楕円等、円形以外の形状であってもよい。つまり、設けらるU字管13の配置に応じて適切な形状とすればよい。
以上の説明では、U字管13が可とう性を有する合成樹脂管で形成されているとしたが、鋼管等の可とう性を有さない材料で形成されていてもよい。鋼管等の熱伝導率が高い材料を用いることで熱媒体CHと熱源水Lとの熱交換をより促進させることが可能になる反面、施工の容易性や漏洩を少なくする信頼性の観点からは可とう性を有する合成樹脂管を用いるとよい。
以上の説明では、有孔管11及びU字管13が設けられた管端閉止フランジ17をタイコ14の両側に設けることとしたが、有孔管11及びU字管13が設けられた管端閉止フランジ17をタイコ14の片側に設け、他方は有孔管11及びU字管13が設けられていない管端閉止フランジを取り付けてもよい。つまり、液中熱交換器10を設置するスペースや、熱媒体CHと熱源水Lとの交換熱量を勘案のうえ両側に設けるか片側に設けるかを決定すればよい。
以上の説明では、熱利用機器がヒートポンプチラーであるとしたが、融雪機やその他の熱を利用する機器であってもよい。つまり、液中熱交換器10を備える熱利用システム100では、さまざまな熱を利用する機器を適用することができる。
以上の説明では、液中熱交換器10が水槽61に蓄えられた熱源水L中に設置されることとしたが、この例以外に、例えば河川中に設置されることとしてもよい。液中熱交換器10が河川中に設置される場合、液中ポンプ18を設けなくても川の水の流れによりU字管13周囲の水が移動することが期待されるため液中ポンプ18を設けなくてもよいが、液中ポンプ18を設けるとU字管13周囲の水を確実に移動させることができるため好ましい。
10 液中熱交換器
11 有孔管
11h 液孔
12 固定部材
13 U字管
15 供給ヘッダー
16 収集ヘッダー
18 液中ポンプ
31 ヒートポンプチラー(熱利用機器)
100 熱利用システム
CH 熱媒体
L 熱源水(液体)
11 有孔管
11h 液孔
12 固定部材
13 U字管
15 供給ヘッダー
16 収集ヘッダー
18 液中ポンプ
31 ヒートポンプチラー(熱利用機器)
100 熱利用システム
CH 熱媒体
L 熱源水(液体)
Claims (4)
- 液体中に配置される液中熱交換器であって;
内部に熱媒体を流す複数のU字管と;
前記複数のU字管に前記熱媒体を供給する供給ヘッダーと;
前記複数のU字管を流れた前記熱媒体を収集する収集ヘッダーと;
前記液体が内部を流れ、前記液体を前記U字管に向けて放出する複数の液孔が形成された有孔管とを備える;
液中熱交換器。 - 前記複数のU字管が、可とう性を有する合成樹脂で形成され、かつ、前記有孔管を長手方向で巻くように配設され;
さらに、前記複数のU字管を前記有孔管に固定する固定部材を備える;
請求項1に記載の液中熱交換器。 - 前記有孔管に前記液体を圧送する液中ポンプを備える;
請求項1又は請求項2に記載の液中熱交換器。 - 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の液中熱交換器と;
前記熱媒体が保有する熱を利用する熱利用機器とを備える;
熱利用システム。
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JP2015230133A (ja) * | 2014-06-05 | 2015-12-21 | ジオシステム株式会社 | 流水利用型熱交換装置 |
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- 2007-06-28 JP JP2007170293A patent/JP2009008327A/ja active Pending
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