JP2009007493A - タイヤスチールケース用ゴム組成物およびそれを用いたタイヤスチールケースを有するタイヤ - Google Patents

タイヤスチールケース用ゴム組成物およびそれを用いたタイヤスチールケースを有するタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】タイヤにおける耐久性を悪化させずに、加工性、低燃費性を改善したタイヤスチールケース用ゴム組成物を提供する。
【解決手段】蛋白質の指標としての総チッ素含有率が0.3重量%以下である脱蛋白天然ゴムを含有するタイヤスチールケース用ゴム組成物、およびそれを用いたタイヤスチールケースを有するタイヤ。
【選択図】なし

Description

本発明は、タイヤスチールケース用ゴム組成物およびそれを用いたタイヤスチールケースを有するタイヤに関する。
一般に、自動車用タイヤには大きな荷重がかかるため、補強材としてスチールコードが用いられている。とくに走行中にタイヤが発熱することによって、ゴムとスチールコードとが剥離すると、致命的なタイヤ故障の原因となる。
ところで、タイヤの転がり抵抗を低減するためにスチールケースゴムに発熱性の低い配合を用いる技術が使用されてきた。低燃費スチールケースゴムをさらに低発熱化させるためには、カーボンブラックの含有量を減らすことやカーボンブラックの粒径を大きくすることが考えられる。しかし、カーボンブラックの配合量を少なくしたり、粒径の大きいカーボンブラックを用いると、ゴム組成物の強度が低下する。この強度低下は、タイヤ耐久性の低下や剛性の低下の原因となるので望ましくない。
また、一般に、スチールケースゴムに使用されるゴム組成物において、ゴム成分としては天然ゴムが使用されているが、このなかには蛋白質や脂質などの非ゴム成分が5〜10重量%ほど存在している。これらの非ゴム成分、とくに蛋白質は分子鎖の絡み合いの原因となると言われており、ゲル化を引きおこす要因となり、ゲル化がおこるとゴムの粘度が上昇し、加工性が悪化するという欠点がある。一般的に、天然ゴムの加工性を改良するために、練りロール機や密閉式混合機で素練りし、分子量を下げるという方法が用いられているが、このような素練りは分子主鎖をランダムに切断してしまうため、燃費特性の悪化を引きおこす。
そこでゲル化の要因の一つとしてあげられている蛋白質を除去する方法が知られており、得られた脱蛋白天然ゴムをタイヤのコンポーネント用のゴムとして使用することが提案されている(特許文献1参照)。しかし、該特許文献に記載されたゴム組成物は耐久性の点で改善の余地がある。
特許第3294901号公報
本発明は、タイヤにおける耐久性を悪化させずに、加工性、低燃費性を改善したタイヤスチールケース用ゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明は、蛋白質の指標としての総チッ素含有率が0.3重量%以下である脱蛋白天然ゴムを含有するタイヤスチールケース用ゴム組成物に関する。
脱蛋白天然ゴムの総チッ素含有率が0.1重量%以下であることが好ましい。
ゴム成分中の脱蛋白天然ゴムの含有率が10〜100重量%であることが好ましい。
ゴム成分中の脱蛋白天然ゴムの含有率が50〜100重量%であることが好ましい。
ゴム成分100重量部に対して、カーボンブラックを50〜75重量部含有することが好ましい。
また、本発明は、タイヤスチールケース用ゴム組成物を用いたタイヤスチールケースを有するタイヤにも関する。
本発明によれば、所定の脱蛋白天然ゴムを含むことで、タイヤにおける耐久性を悪化させずに、加工性、低燃費性能を改善したタイヤスチールケース用ゴム組成物を提供することができる。
本発明のタイヤスチールケース用ゴム組成物は、所定の脱蛋白天然ゴム(以下、DPNRということもある)を含むゴム成分を含有する。
本発明では、天然ゴム(NR)中に5〜10重量%程度含まれ、ゲル化を引きおこす蛋白質を除去し、蛋白質の指標としての総チッ素含有率を0.3重量%以下にしたDPNRをゴム成分の一部として配合することで、加工性、低燃費性を改善している。なお、NRを脱蛋白する処理としては、特開平6−329838号公報、特開2005−47993号公報などに記載されている従来から公知の方法を採用することができる。また、脱蛋白するNRとしては、RSS#3やTSR20など、従来から使用されるグレードのものを使用することができる。
本発明では、脱蛋白天然ゴムの蛋白質含有量の指標として総チッ素含有率を用いている。脱蛋白天然ゴムの総チッ素含有率は0.3重量%以下、好ましくは0.1重量%以下、より好ましくは0.05重量%以下である。総チッ素含有率が0.3重量%をこえると、ゲル化を引き起こす要因となり、加工性、低燃費性が悪化する。なお、脱蛋白天然ゴムの総チッ素含有率の下限値は低い方が好ましく、できればチッ素を含有しないことが望ましいが、製法などの制限から、下限は通常0.05重量%である。
DPNRの重量平均分子量は、生ゴム強度が高く、機械的強度に優れる点から、140万以上が好ましく、160万以上がより好ましい。なお、DPNRの重量平均分子量の上限値はとくに制限はないが、加工性に優れる点から、通常250万以下が好ましい。
また、DPNRはゲル分が減少したNRであり、トルエン不溶分として測定されるDPNRのゲル含有率は、未加硫ゴムの粘度の上昇を抑制でき、加工性に優れる点から、10重量%以下が好ましい。なお、DPNRのゲル含有率は低い方が好ましく、できればゲル分を含有しないことが望ましいが、製法などの制限から、下限は通常2重量%である。
ゴム成分中のDPNRの含有率は10重量%以上、好ましくは50重量%以上である。DPNRの含有率が10重量%未満では、DPNRを配合することによる加工性の改善効果が小さくなるため好ましくない。また、ゴム成分中のDPNRの含有率の上限値は、とくに制限はなく、100重量%でもよいが、コストを抑制でき、接着性については充分な効果が得られることから、80重量%以下が好ましい。
本発明では、ゴム成分として、DPNR以外のゴム成分を使用する場合、DPNRと併用するゴム成分としては、たとえば、NR、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)などがあげられるが、機械的強度に優れる点から、NR、IRが好ましい。
NRとしては、DPNRに使用するNRと同様に、RSS#3やTSR20など、従来から使用されるグレードのものを使用することができる。
本発明のタイヤスチールケース用ゴム組成物には、さらに、充填剤を含むことが好ましい。
充填剤としては、カーボンブラックがよく知られており、カーボンブラックのかわりにシリカを用いてもタイヤスチールケース用ゴム組成物として同等の効果が得られる。また、これら以外にも、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、クレー、タルクなどもあげられる。なかでも、補強性に優れる点から、カーボンブラックが好ましい。
充填剤の配合量は、機械的強度に優れる点から、ゴム成分100重量部に対して50重量部以上が好ましく、55重量部以上がより好ましい。また、充填剤の配合量は、発熱性、低燃費性に優れる点から、ゴム成分100重量部に対して75重量部以下が好ましく、70重量部以下がより好ましい。なお、充填剤としてカーボンブラックを使用する場合には、その配合量はゴム成分100重量部に対して50〜75重量部が、シリカを使用する場合には、その配合量はゴム成分100重量部に対して50〜75重量部が好ましい。
充填剤としてカーボンブラックを使用する場合、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積(N2SA)は、発熱性、低燃費性が良好であるという点から、170m2/g以下が好ましく、140m2/g以下がより好ましく、120m2/g以下がさらに好ましい。また、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積(N2SA)は、機械的強度が良好であるという点から、40m2/g以上が好ましく、60m2/g以上がより好ましく、70m2/g以上がさらに好ましい。
本発明では、充填剤としてシリカを使用する場合、シランカップリング剤を含有することが好ましい。本発明で好適に使用できるシランカップリング剤は、従来からシリカと併用される任意のシランカップリング剤とすることができる。具体的には、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)ジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリメトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド等のスルフィド系、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン等のメルカプト系、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニル系、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ系、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン等のグリシドキシ系、3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシラン等のニトロ系、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、2−クロロエチルトリエトキシシラン等のクロロ系等があげられる。カップリング剤添加効果とコストの両立からビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が好適に用いられる。これらシランカップリング剤は1種、または2種以上組み合わせて用いてもよい。
シランカップリング剤の配合量は、適正なコストでカップリング効果が得られ、よりいっそう良好な補強性や耐摩耗性が達成できる点から、シリカ100重量部に対して1〜15重量部が好ましく、4〜10重量部がより好ましい。
本発明のタイヤスチールケース用ゴム組成物は、さらに、有機コバルトをゴム成分中に含有してもよい。
有機コバルトとしては、たとえば、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸コバルト、オレイン酸コバルト、マレイン酸コバルト、ホウ素三デカン酸コバルトなどの有機酸コバルトなどがあげられ、これらの有機コバルトは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、ステアリン酸コバルトが好ましい。
有機コバルトの含有量は、コバルト金属に換算して、ゴム成分100重量部に対して0.05重量部以上が好ましく、0.1重量部以上がより好ましい。また、有機コバルトの含有量は0.2重量部以下が好ましく、0.18重量部以下がより好ましい。
本発明では、さらに、有機コバルトを含有することで、接着強度を維持しながら、耐熱性および耐久性を向上させることができる。
本発明のタイヤスチールケース用ゴム組成物は、前記ゴム成分、充填剤および有機コバルト以外にも、従来からタイヤ工業において使用される配合剤、たとえば、レジン、老化防止剤、酸化亜鉛、硫黄などの加硫剤、加硫促進剤などを適宜配合することができる。
本発明のタイヤスチールケース用ゴム組成物は、一般的な方法で製造される。すなわち、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロールなどで前記ゴム成分、必要に応じてその他の配合剤を混練りし、その後加硫することにより、本発明のタイヤスチールケース用ゴム組成物を製造することができる。
本発明のタイヤスチールケース用ゴム組成物は、機械的強度に優れるという理由から、タイヤ部材のなかでもタイヤスチールケースとして使用するものである。
ここで、タイヤスチールケースとは、タイヤ構造を保持し、タイヤの骨格の役割を持つ、スチールとゴム組成物の複合体のことをいう。
本発明のタイヤは、本発明のタイヤスチールケース用ゴム組成物を用いて通常の方法で製造される。すなわち、必要に応じて前記配合剤を配合した本発明のゴム組成物を、未加硫の段階でタイヤのタイヤスチールケースの形状にあわせて押出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧してタイヤを製造する。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、実施例および比較例で使用した各種市販薬品について説明する。
天然ゴム(NR):RSS#3
カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製のショウブラックN330T(チッ素吸着比表面積:71g/m2
レジン:エクソンモービル(有)製のエスコレッツ1102
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
ステアリン酸コバルト:サンユインダストリアル(株)製のCOST−S
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤DZ:大内新興化学工業(株)製のノクセラーDZ(N,N’−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
調製例1:脱蛋白天然ゴム(1)(DPNR(1))の調製
マレーシアのソフテック社製の高アンモニアタイプの天然ゴムラテックス(固形分60.2%)150mlをゴム固形分が10%になるように2Lの蒸留水で希釈し、0.12%のナフテン酸ソーダで安定化させ、リン酸二水素ナトリウムを添加してpHを9.2に調整した。ついで、脱蛋白酵素アルカラーゼ(ノボノディスクバイオインダストリー(株)製)7.8gを100mlの蒸留水に分散させて、前記希釈した天然ゴムラテックスに加えた。ラテックスのpHを再度9.2に調整した後、37℃で24時間維持して脱蛋白処理を行なった。脱蛋白処理を完了したラテックスに対して、陰イオン性界面活性剤ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(花王(株)製のKP4401)を1重量%の割合で添加し、10000rpmで30分間遠心分離を行なった。遠心分離後、上層に分離したクリーム状のゴム分を取り出し、さらに水で希釈することにより、ゴム固形分60%の脱蛋白処理された天然ゴムラテックスを得た。
脱蛋白処理された天然ゴムラテックスをガラス板上にキャストし、室温で乾燥させた後、減圧下で乾燥させてポリマーを得た。
得られたポリマーと市販の高アンモニア天然ゴムラテックス(野村貿易(株)製のHytex)をガラス板上に流延し、室温で乾燥させた後、減圧下で乾燥させた。乾燥後、アセトンと2−ブタノンの混合溶媒(3:1)で抽出し、ホモポリマーなどの不純物を除去し、脱蛋白天然ゴム(1)(DPNR(1))を得た。
得られたDPNR(1)の総チッ素含有率をケルダール試験法で測定したところ、0.034重量%であった。
調製例2:脱蛋白天然ゴム(2)(DPNR(2))の調製
脱蛋白酵素アルカラーゼを2.0g加えたこと以外は調製例1と同様に、脱蛋白天然ゴム(2)(DPNR(2))を得た。
得られたDPNR(2)の総チッ素含有率をケルダール試験法で測定したところ、0.25重量%であった。
調製例3:脱蛋白天然ゴム(3)(DPNR(3))の調製
脱蛋白酵素アルカラーゼを0.1g加えたこと以外は調製例1と同様に、脱蛋白天然ゴム(3)(DPNR(3))を得た。
得られたDPNR(3)の総チッ素含有率をケルダール試験法で測定したところ、0.35重量%であった。
(総チッ素含有率)
ケルダール試験法により総チッ素含有率を測定した。
(ゲル含有率)
本発明において、生ゴム中のゲル含有率は、トルエン不溶分として測定した値を意味する。生ゴムを1mm×1mmに切断したサンプル70mgを計り取り、これに35mlのトルエンを加え1週間冷暗所に静置した。ついで、遠心分離してトルエンに不溶のゲル分を沈殿させ上澄みの可溶分を除去し、ゲル分のみをメタノールで洗浄した後、乾燥し重量(mg)を測定した。つぎの式によりゲル含有率(%)を求めた。
(ゲル含有率)=(乾燥後の重量)/(最初のサンプル重量)×100
(重量平均分子量)
ゲルパーミエイションクロマトグラフィー法により測定(溶媒:テトラヒドロフラン)し、重量平均分子量を求めた。
NRおよびDPNR(1)〜(3)についての分析の結果を表1に示す。
Figure 2009007493
実施例1〜6および比較例1〜3
(株)神戸製鋼所製の1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄および加硫促進剤を除く各種材料を90℃排出で5分間混練りして混練り物を得た。その後、オープンロール上で、得られた混練り物に硫黄および加硫促進剤を加えて70℃の条件下で2分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。さらに、得られた未加硫ゴム組成物を150℃の条件下で30分間プレス加硫することで、実施例1〜6および比較例1〜3のタイヤスチールケース用ゴム組成物を得た。なお、以下の特性評価において、実施例1〜6および比較例1〜3では比較例1を基準配合とした。
(ムーニー粘度)
JIS K 6300「未加硫ゴムの試験方法」に準じて、(株)島津製作所製のムーニー粘度試験機を用い、1分間の予熱によって熱せられた130℃の温度条件にて、小ローターを回転させ、4分間経過した時点での未加硫ゴム組成物のムーニー粘度を測定した。そして、基準配合のムーニー粘度指数を100とし、以下の計算式により、各配合のムーニー粘度を指数表示した。なお、ムーニー粘度指数の値が大きいほど加工しやすく、加工性が優れていることを示す。
(ムーニー粘度指数)=(基準配合のムーニー粘度)
÷(各配合のムーニー粘度)×100
(粘弾性試験)
(株)岩本製作所製の粘弾性スペクトロメーターVESを用いて、初期歪み10%、動歪み2%および振動周波数10Hzの条件下で70℃におけるtanδおよびE*を測定した。そして、基準配合の転がり抵抗指数およびゴム強度指数を100とし、以下の計算式により、各配合のtanδおよびE*をそれぞれ指数表示した。なお、転がり抵抗指数が大きいほど低燃費性に優れることを示し、ゴム強度指数が大きいほどゴム強度に優れることを示す。
(転がり抵抗指数)=(比較例1のtanδ)÷(各配合のtanδ)×100
(ゴム強度指数)=(各配合のE*)÷(比較例1のE*)×100
(接着性試験)
11R22.5サイズのタイヤを試作し、タイヤのトレッド部分のブレーカー/ケースを周方向に25mm巾でサンプリングし、ブレーカー/ケース間の剥離強度を測定した。そして、基準配合である比較例1の剥離強度を100とし、以下の計算式により各配合の接着力を指数表示した。接着指数が大きいほど接着力が強く、耐久性に優れることを示す。
(接着指数)=(各配合の剥離強度)÷(比較例1の剥離強度)×100
上記評価結果を表2および3に示す。
Figure 2009007493
Figure 2009007493

Claims (6)

  1. 蛋白質の指標としての総チッ素含有率が0.3重量%以下である脱蛋白天然ゴムを含有するタイヤスチールケース用ゴム組成物。
  2. 脱蛋白天然ゴムの総チッ素含有率が0.1重量%以下である請求項1記載のタイヤスチールケース用ゴム組成物。
  3. ゴム成分中の脱蛋白天然ゴムの含有率が10〜100重量%である請求項1または2記載のタイヤスチールケース用ゴム組成物。
  4. ゴム成分中の脱蛋白天然ゴムの含有率が50〜100重量%である請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤスチールケース用ゴム組成物。
  5. ゴム成分100重量部に対して、カーボンブラックを50〜75重量部含有する請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤスチールケース用ゴム組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のタイヤスチールケース用ゴム組成物を用いたタイヤスチールケースを有するタイヤ。
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