JP2009024073A - スチールベルトコード被覆用ゴム組成物およびそれを用いたスチールベルトを有するタイヤ - Google Patents

スチールベルトコード被覆用ゴム組成物およびそれを用いたスチールベルトを有するタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】タイヤにおける耐久性を悪化させずに、加工性、低燃費性を改善したスチールベルトコード被覆用ゴム組成物を提供する。
【解決手段】蛋白質の指標としての総チッ素含有率が0.3重量%以下である脱蛋白天然ゴム、および有機コバルトをコバルト元素換算でゴム成分100重量部に対して、0.05〜0.5重量部含有するスチールベルトコード被覆用ゴム組成物、およびそれを用いたスチールベルトコードを有するタイヤ。
【選択図】図1

Description

本発明は、スチールベルトコード被覆用ゴム組成物およびそれを用いたスチールベルトを有するタイヤに関する。
一般に、自動車用タイヤには大きな荷重がかかるため、補強材としてスチールコードが用いられている。とくに走行中にタイヤが発熱することによって、ゴムとスチールコードとが剥離すると、致命的なタイヤ故障の原因となる。そのため、耐久性およびスチールコードとのさらなる接着性が要求されている。
スチールコードとの接着性を向上させる方法としては、コバルト塩、シリカ、樹脂などをスチールコード被覆用ゴム組成物に配合することが知られている。しかし、これらを配合しても、スチールコードとの接着性が不充分であり、走行によりスチールコードからゴム組成物が剥離するなどの問題があった。
ところで、一般に、スチールコード被覆用ゴムに使用されるゴム組成物において、ゴム成分としては天然ゴムが使用されているが、このなかには蛋白質や脂質などの非ゴム成分が5〜10重量%ほど存在している。これらの非ゴム成分、とくに蛋白質は分子鎖の絡み合いの原因となると言われており、ゲル化を引きおこす要因となり、ゲル化がおこるとゴムの粘度が上昇し、加工性が悪化するという欠点がある。一般的に、天然ゴムの加工性を改良するために、練りロール機や密閉式混合機で素練りし、分子量を下げるという方法が用いられているが、このような素練りは分子主鎖をランダムに切断してしまうため、燃費特性の悪化を引きおこす。その結果、未加硫粘度が高く、加工性が悪いという問題点があった。
そこでゲル化の要因の一つとしてあげられている蛋白質を除去する方法が知られており、得られた脱蛋白天然ゴムをタイヤのコンポーネント用のゴムとして使用することが提案されている(特許文献1参照)。しかし、該特許文献に記載されたゴム組成物は金属接着性に関して言及されておらず、改善の余地がある。
特許第3294901号公報
本発明は、未加硫粘度が低く、加工性が良好であるスチールベルトコード被覆用ゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明は、蛋白質の指標としての総チッ素含有率が0.3重量%以下である脱蛋白天然ゴム、および有機コバルトをコバルト元素換算でゴム成分100重量部に対して、0.05〜0.5重量部含有するスチールベルトコード被覆用ゴム組成物に関する。
脱蛋白天然ゴムの総チッ素含有率が0.1重量%以下であることが好ましい。
ゴム成分中の脱蛋白天然ゴムの含有率が10〜90重量%であることが好ましい。
ゴム成分中の脱蛋白天然ゴムの含有率が50〜90重量%であることが好ましい。
また、本発明は、前記のスチールベルトコード被覆用ゴム組成物を用いたスチールベルトを有するタイヤにも関する。
本発明によれば、所定の脱蛋白天然ゴムを含むことで、未加硫粘度が低く、加工性が良好であるスチールベルトコード被覆用ゴム組成物を提供することができる。
本発明のスチールベルトコード被覆用ゴム組成物は、所定の脱蛋白天然ゴム(以下、DPNRということもある)を含むゴム成分を含有する。
本発明では、天然ゴム(NR)中に5〜10重量%程度含まれ、ゲル化を引きおこす蛋白質を除去し、蛋白質の指標としての総チッ素含有率を0.3重量%以下にしたDPNRをゴム成分の一部として配合することで、加工性、低燃費性を改善している。なお、NRを脱蛋白する処理としては、特開平6−329838号公報、特開2005−47993号公報などに記載されている従来から公知の方法を採用することができる。また、脱蛋白するNRとしては、RSS#3やTSR20など、従来から使用されるグレードのものを使用することができる。
本発明では、脱蛋白天然ゴムの蛋白質含有量の指標として総チッ素含有率を用いている。脱蛋白天然ゴムの総チッ素含有率は0.3重量%以下、好ましくは0.1重量%以下、より好ましくは0.05重量%以下である。総チッ素含有率が0.3重量%をこえると、ゲル化を引き起こす要因となり、加工性および金属との接着性が悪化する。なお、脱蛋白天然ゴムの総チッ素含有率の下限値は低い方が好ましく、できればチッ素を含有しないことが望ましいが、製法などの制限から、下限は通常0.05重量%である。
DPNRの重量平均分子量は、生ゴム強度が高い点から、140万以上が好ましい。
また、DPNRはゲル分が減少したNRであり、トルエン不溶分として測定されるDPNRのゲル含有率は、未加硫ゴムの粘度の上昇を抑制でき、加工性に優れる点から、10重量%以下が好ましい。なお、DPNRのゲル含有率は低い方が好ましく、できればゲル分を含有しないことが望ましいが、製法などの制限から、下限は通常3重量%である。
ゴム成分中のDPNRの含有率は10重量%以上、好ましくは50重量%以上である。DPNRの含有率が10重量%未満では、DPNRを配合することによる接着性の向上の改善効果が小さくなるため好ましくない。また、ゴム成分中のDPNRの含有率は、コストを抑制できる点から、90重量%以下が好ましく、80重量%以下が好ましい。
本発明では、ゴム成分として、DPNR以外のゴム成分を使用する場合、DPNRと併用するゴム成分としては、たとえば、NR、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)などがあげられるが、破断物性に優れる点から、NRが好ましい。
NRとしては、DPNRに使用するNRと同様に、RSS#3やTSR20など、従来から使用されるグレードのものを使用することができる。
本発明のスチールベルトコード被覆用ゴム組成物には、さらに、有機コバルトをゴム成分中に含有する。
有機コバルトとしては、たとえば、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸コバルト、オレイン酸コバルト、マレイン酸コバルト、ホウ素三デカン酸コバルトなどの有機酸コバルトなどがあげられ、これらの有機コバルトは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸コバルトが好ましい。
有機コバルトの含有量は、接着強度を維持しながら、耐熱性および耐久性を向上させることができる点、接着性が優れるという点から、コバルト元素に換算して、ゴム成分100重量部に対して0.05重量部以上であり、0.1重量部以上がより好ましく、0.2重量部以上がさらに好ましい。また、耐熱性に優れる点から、有機コバルトの含有量は、コバルト元素に換算して、ゴム成分100重量部に対して0.5重量部以下が好ましく、0.3重量部以下がより好ましく、0.2重量部以下がさらに好ましい。
本発明のスチールベルトコード被覆用ゴム組成物には、さらに、充填剤を含むことが好ましい。
充填剤としては、カーボンブラックがよく知られており、カーボンブラックのかわりにシリカを用いてもスチールベルトコード被覆用ゴム組成物として同等の効果が得られる。また、これら以外にも、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、クレー、タルクなどもあげられる。なかでも、破断物性に優れる点から、カーボンブラックが好ましい。
充填剤の配合量は、破断物性に優れる点から、ゴム成分100重量部に対して40重量部以上が好ましく、50重量部以上がより好ましい。また、充填剤の配合量は、破断物性に優れる点から、ゴム成分100重量部に対して80重量部以下が好ましく、70重量部以下がより好ましい。なお、充填剤としてカーボンブラックを使用する場合には、その配合量はゴム成分100重量部に対して30〜60重量部が、シリカを使用する場合には、その配合量はゴム成分100重量部に対して10〜70重量部が好ましい。
充填剤としてカーボンブラックを使用する場合、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積(N2SA)は、加工性に優れるという点から、130m2/g以下が好ましく、110m2/g以下がより好ましく、100m2/g以下がさらに好ましい。また、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積(N2SA)は、破断物性に優れるという点から、70m2/g以上が好ましく、80m2/g以上がより好ましく、90m2/g以上がさらに好ましい。
本発明では、充填剤としてシリカを使用する場合、シランカップリング剤を含有することが好ましい。本発明で好適に使用できるシランカップリング剤は、従来からシリカと併用される任意のシランカップリング剤とすることができる。具体的には、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)ジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリメトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド等のスルフィド系、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン等のメルカプト系、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニル系、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ系、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン等のグリシドキシ系、3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシラン等のニトロ系、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、2−クロロエチルトリエトキシシラン等のクロロ系等があげられる。カップリング剤添加効果とコストの両立からビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が好適に用いられる。これらシランカップリング剤は1種、または2種以上組み合わせて用いてもよい。
シランカップリング剤の配合量は、適正なコストでカップリング効果が得られ、よりいっそう良好な補強性や耐摩耗性が達成できる点から、シリカ100重量部に対して5〜15重量部が好ましく、6〜10重量部がより好ましい。
本発明のスチールベルトコード被覆用ゴム組成物は、前記ゴム成分、充填剤および有機コバルト以外にも、従来からタイヤ工業において使用される配合剤、たとえば、樹脂、老化防止剤、酸化亜鉛、硫黄などの加硫剤、加硫促進剤などを適宜配合することができる。
本発明のスチールベルトコード被覆用ゴム組成物は、一般的な方法で製造される。すなわち、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロールなどで前記ゴム成分、必要に応じてその他の配合剤を混練りし、その後加硫することにより、本発明のスチールベルトコード被覆用ゴム組成物を製造することができる。
本発明のスチールベルトコード被覆用ゴム組成物は、破断物性に優れるという理由から、タイヤ部材のなかでもスチールベルトコードとして使用するものである。
以下、図面を用いて、タイヤにおける、本発明のスチールベルトコード被覆用ゴム組成物によりスチールベルトコードを被覆したスチールベルトについて説明する。
図1は、本発明のスチールベルトコード被覆用ゴム組成物を用いたスチールベルトコードを被覆したスチールベルトを有する構造を示すタイヤの部分断面図である。図1に示すように、スチールベルト1とは、トレッド2とカーカス3との間に挿入される部材であり、タイヤのたわみによるトレッドの収縮を軽減することができ、耐久性が向上するという役割がある。
本発明のタイヤは、本発明のスチールベルトコード被覆用ゴム組成物を用いて通常の方法で製造される。すなわち、必要に応じて前記配合剤を配合した本発明のゴム組成物を、未加硫の段階でタイヤのスチールベルトの形状にあわせて押出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧してタイヤを製造する。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、実施例および比較例で使用した各種市販薬品について説明する。
天然ゴム(NR):RSS#3
カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製のN326(チッ素吸着比表面積:81g/m2
シリカ:デグッサ製のウルトラジルVN3(チッ素吸着比表面積:210m2/g)
シランカップリング剤:デグッサ製のSi69
老化防止剤:フレキシス製のサントフレックス6PPD(N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン)
レジン:住友ベークライト(株)製のスミライトレジンPR12686R
ステアリン酸コバルト:大日本インキ化学工業(株)製のcost−F(コバルト含有量:10%)
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製
硫黄:鶴見化学工業(株)製
加硫促進剤DZ:大内新興化学工業(株)製のノクセラーDZ−G
・天然ゴムの脱蛋白処理
(脱蛋白天然ゴムラテックス−1)
ソクテック(マレーシア)製の高アンモニアタイプの天然ゴムラテックス(固形分60.2%)150mlをゴム固形分が10%になるように2Lの蒸留水で希釈し、0.12%のナフテン酸ソーダで安定化させ、リン酸二水素ナトリウムを添加してpHを9.2に調節した。ついで、脱蛋白酵素アルカラーゼ2.0M(ノボノルディスクバイオインダストリー(株))7.8gを100mlの蒸留水に分散させて、前記希釈天然ゴムラテックスに加えた。ラテックスのpHを再度9.2に調整した後、37℃で24時間維持して脱蛋白処理を行った。脱蛋白処理を完了したラテックスに対して、陰イオン性界面活性剤ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(花王(株)製のKP4401)を1重量%の割合で添加し、10,000rpmで30分間遠心分離を行った。遠心分離後、上層に分離したクリーム状のゴム分を取り出し、さらに水で希釈することにより、ゴム固形分60%の脱蛋白処理された天然ゴムラテックスを得た。
(脱蛋白天然ゴムラテックス−2)
陰イオン性界面活性剤を非イオン性界面活性剤ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(花王(株)製の「エマルゲン810」)に代えた他は脱蛋白天然ゴムラテックス−1と同様にして脱蛋白天然ゴムラテックスを得た。
・脱蛋白天然ゴムの調製
(DPNR(1))
脱蛋白天然ゴムラテックス−1に10%蟻酸を添加してゴム分を凝固させたのち、ゴムをロールに通しながら漿液を絞り、シート状にした。これを45℃のオーブンで乾燥してDPNR(1)を得た。
(DPNR(2))
脱蛋白天然ゴムラテックス−1をガラス板上にキャストし、室温で乾燥させた後、減圧下で乾燥させてDPNR(2)を得た。
(DPNR(3))
脱蛋白天然ゴムラテックス−2に5%蟻酸を添加した後、蒸気を吹きこみながらゴム分を凝固させた。これを数回水洗した後、乾熱乾燥させてDPNR(3)を得た。
(DPNR(4))
脱蛋白天然ゴムラテックス−2にガラス板上にキャストし、室温で乾燥させた後、減圧下で乾燥させてDPNR(4)ポリマー4を得た。
それぞれ得られたポリマー1〜4および市販のハイアンモニア天然ゴムラテックス(野村貿易(株)製、Hytex)をガラス板上に流延し、室温で乾燥させた後、減圧下で乾燥させた。乾燥後、ポリマー2〜4はアセトンと2−ブタノンの混合溶媒(3:1)で、その他のポリマーはアセトンで抽出し、ホモポリマー等の不純物を除去した。
(チッ素含有率)
ケルダール試験法によりチッ素含有率を測定した。NRおよびDPNR(1)〜(4)についての分析の結果を表1に示す。
Figure 2009024073
実施例1〜2および比較例1〜2
(株)神戸製鋼所製の1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄および加硫促進剤を除く各種材料を140℃排出で4分間混練りして混練り物を得た。その後、オープンロール上で、得られた混練り物に硫黄および加硫促進剤を加えて80℃の条件下で4分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。さらに、得られた未加硫ゴム組成物を150℃の条件下で30分間プレス加硫することで、実施例1〜2および比較例1〜2のスチールベルトコード被覆用ゴム組成物を得た。
(接着性)
12.5mm間隔で平行に並べたプラスメッキスチールコードの両側からゴム組成物をコーティングして埋め込み、幅12.5mmにしたファブリックを160℃×20分加硫して試験サンプルを作製し、ASTM−D2229に準拠してワイヤーを引抜き、そのときのゴム被覆率(%)で評価した。
前記評価結果を表2に示す。
Figure 2009024073
スチールベルトコード被覆用ゴム組成物を用いたスチールベルトコードを被覆したスチールベルトを有する構造を示すタイヤの部分断面図である。
符号の説明
1 スチールベルト
2 トレッド
3 カーカス

Claims (5)

  1. 蛋白質の指標としての総チッ素含有率が0.3重量%以下である脱蛋白天然ゴム、および有機コバルトをコバルト元素換算でゴム成分100重量部に対して、0.05〜0.5重量部含有するスチールベルトコード被覆用ゴム組成物。
  2. 脱蛋白天然ゴムの総チッ素含有率が0.1重量%以下である請求項1記載のスチールベルトコード被覆用ゴム組成物。
  3. ゴム成分中の脱蛋白天然ゴムの含有率が10〜90重量%である請求項1または2記載のスチールベルトコード被覆用ゴム組成物。
  4. ゴム成分中の脱蛋白天然ゴムの含有率が50〜90重量%である請求項1〜3のいずれかに記載のスチールベルトコード被覆用ゴム組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のスチールベルトコード被覆用ゴム組成物を用いたスチールベルトを有するタイヤ。
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