JP2009001645A - タイヤクリンチ用ゴム組成物およびそれを用いたタイヤクリンチを有するタイヤ - Google Patents

タイヤクリンチ用ゴム組成物およびそれを用いたタイヤクリンチを有するタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】転がり抵抗特性(転がり抵抗(tanδ))に優れ、耐クラック性能(引張物性、破断時伸び(EB(%)))に優れ、操縦安定性、さらに乗心地も向上させたタイヤクリンチ用ゴム組成物およびそれを用いたタイヤクリンチを有するタイヤを提供する。
【解決手段】蛋白質の指標としての総チッ素含有率が0.3重量%以下である脱蛋白天然ゴムを含むゴム成分を含有するタイヤクリンチ用ゴム組成物、およびそれを用いたタイヤクリンチを有するタイヤ。
【選択図】図1

Description

本発明は、タイヤクリンチ用ゴム組成物およびそれを用いたタイヤクリンチを有するタイヤに関する。
タイヤ部材のなかで、タイヤクリンチは、金属ホイールのリムフランジと接触する部位であり、路面から、リム、タイヤクリンチ、ビードと、動力伝達の仲介を行う役割を果たす。しかし、タイヤクリンチはリムとの摩擦による摩耗が発生しやすい部材でもある。そこで、タイヤクリンチには、充分な硬度を有する(ビード部の過度な変形を抑制する)、リムズレ性に優れる(リムずれしにくい)、tanδを低減(低発熱性に優れる)、隣接する部材(ケースやサイドウォールなど)との接着性に優れる、引張物性(破断強度や破断時伸びなど)に優れる、といった様々な機能が要求される。
そこで、タイヤの操縦安定性を向上させ、転がり抵抗特性も向上させる低減させる目的で、リニア成分の多いポリブタジエンゴムとシンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンゴムを含有するタイヤクリンチ用ゴム組成物(例えば、特許文献1参照)が知られている。しかし、引張物性(破断強度や破断時伸びなど)の向上や低発熱性の向上(tanδの低減)について改善の余地がる。
ところで、天然ゴムは、合成ゴムと比較して優れた生ゴム強度(グリーンストレングス)を有しており、加工性に優れている。また、加硫ゴムとしても機械的強度が高く、耐摩耗性にも優れているため、タイヤの内部部材にも多く使用されている。しかしながら、近年、省資源や炭酸ガス排出抑制の規制強化などの環境問題的観点より、タイヤの低燃費性が重要視されてきており、天然ゴムの優れた特性である耐摩耗性などを低下させることなく、低燃費性の向上が急務となっている。
また、天然ゴムは、天然ゴム中に存在している蛋白質や脂質などの非ゴム成分が起因となって分子同士が絡み合い、ゲル化がおこるとされている。ゲル化がおこるとゴムの粘度が上昇し、加工性が悪化するという欠点がある。一般的に、天然ゴムの加工性を改良するために、練りロール機や密閉式混合機で素練りし、分子量を下げるという方法が用いられているが、このような素練りは分子主鎖をランダムに切断してしまうため、燃費特性の悪化を引きおこす。一方、ゲル化の要因の一つとしてあげられている蛋白質を除去する方法が、ゲル化を抑制する方法として提案されている。
そこで、転がり抵抗を低減し、発熱性を抑え、かつウェット時のグリップ性能を向上させる目的で、脱蛋白質分解酵素により脱蛋白質分解処理を施し、チッ素含有率が0.1重量%以下である脱蛋白質天然ゴムを含有するタイヤ用ゴム組成物(例えば、特許文献2参照)が知られている。しかし、チッ素含有率が0.1重量%以下である脱蛋白質天然ゴムは製造上困難で、非常に高価であるという課題が残されている。
特開2004−106796号公報 特許第3294901号
本発明は、転がり抵抗特性(転がり抵抗(tanδ))に優れ、耐クラック性能(引張物性、破断時伸び(EB(%)))に優れ、操縦安定性、さらに乗心地も向上させたタイヤクリンチ用ゴム組成物およびそれを用いたタイヤクリンチを有するタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、蛋白質の指標としての総チッ素含有率が0.3重量%以下である脱蛋白天然ゴムを含むゴム成分を含有するタイヤクリンチ用ゴム組成物に関する。
前記脱蛋白天然ゴムの総チッ素含有率は、0.1重量%以下であることが好ましい。
前記ゴム成分中の脱蛋白天然ゴムの含有率は、10〜100重量%であることが好ましい。
前記ゴム成分中の脱蛋白天然ゴムの含有率は、50〜100重量%であることが好ましい。
前記ゴム成分中の脱蛋白天然ゴムの含有率は10〜80重量%、天然ゴムの含有率は0〜70重量%であり、ブタジエンゴムの含有率は20〜80重量%であることが好ましい。
前記タイヤクリンチ用ゴム組成物において、ゴム成分100重量部に対して、充填剤を40〜80重量部含有することが好ましい。
前記タイヤクリンチ用ゴム組成物において、充填剤はカーボンブラックおよび/またはシリカであることが好ましい。
また、本発明は、前記タイヤクリンチ用ゴム組成物を用いたタイヤクリンチを有するタイヤに関する。
本発明によれば、総チッ素含有率が0.3重量%以下の脱蛋白天然ゴムを所定量含有することで、転がり抵抗特性(転がり抵抗(tanδ))に優れ、耐クラック性能(引張物性、破断時伸び(EB(%)))に優れ、操縦安定性、さらに乗心地も向上させたタイヤクリンチ用ゴム組成物およびそれを用いたタイヤクリンチを有するタイヤを提供することができる。
本発明のタイヤクリンチ用ゴム組成物は、所定の脱蛋白天然ゴム(以下、DPNRということもある)を含むゴム成分を含有する。
図1は、本発明のタイヤクリンチを用いたタイヤの部分断面図である。
本発明のタイヤは、図1に示すように、例えば乗用車タイヤが有するサイドウォール1、タイヤクリンチ2、ビードコア3、ビード4、インナーライナー5、ベルト6およびトレッド7などの部品を含むことができる。図1において、ビード4は、ビードコア3から半径方向外側にのびるように、タイヤクリンチ2の内側に配されている。また、タイヤ外皮をなすサイドウォール1はトレッド7の両端部からタイヤ半径方向内方に伸び、タイヤクリンチ2は各サイドウォール1の内方端に設けられている。また、同タイヤ半径方向の内端は、金属製のリム8に接触することができる。
本発明では、天然ゴム(NR)中に、5〜10重量%程度含まれ、ゲル化を引きおこす蛋白質を除去し、蛋白質の指標としての総チッ素含有率を0.3重量%以下にした脱蛋白天然ゴム(DPNR)をゴム成分の一部として配合することで、転がり抵抗特性(低燃費性)および耐クラック性能(縁石ピンチカット性能)を改善している。なお、天然ゴムを脱蛋白する処理としては、特許第3294901号などに記載されている従来から公知の方法を採用することができる。また、脱蛋白するNRとしては、RSS#3やTSR20など、従来から使用されるグレードのものを使用することができる。
本発明では、脱蛋白天然ゴムの蛋白質含有量の指標として総チッ素含有率を用いている。脱蛋白天然ゴムの総チッ素含有率は、ゲル化を引き起こさないという理由から、0.3重量%以下、好ましくは0.1重量%以下、より好ましくは0.03重量%以下である。なお、脱蛋白天然ゴムの総チッ素含有率の下限値は低い方が好ましく、できればチッ素を含有しないことが望ましいが、製法などの制限から、下限は通常0.03重量%である。
脱蛋白天然ゴムの重量平均分子量は、生ゴム強度が高く、引張物性(破断強度や破断時伸びなど)や低発熱性(tanδの低減)に優れる点から、140万以上が好ましく、180万以上がより好ましい。なお、脱蛋白天然ゴムの重量平均分子量の上限値はとくに制限はないが、得られるゴム組成物の粘度が高くなりすぎず、加工性に優れる点から、通常200万以下が好ましい。
また、脱蛋白天然ゴムはゲル分が減少した天然ゴムであり、トルエン不溶分として測定される脱蛋白天然ゴムのゲル含有率は、未加硫ゴムの粘度の上昇を抑制でき、加工性に優れる点から、10重量%以下が好ましい。なお、脱蛋白天然ゴムのゲル含有率は低い方が好ましく、できればゲル分を含有しないことが望ましいが、製法などの制限から、下限は通常1重量%である。
ゴム成分中の脱蛋白天然ゴムの含有率は10重量%以上が好ましく、50重量%以上がより好ましい。脱蛋白天然ゴムの含有率が10重量%未満では、脱蛋白天然ゴムを配合することによる低燃費性(転がり抵抗特性)および引張物性(破断強度や破断時伸びなど)の改善効果が小さくなるため好ましくない。また、ゴム成分中の脱蛋白天然ゴムの含有率の上限値は、とくに制限はなく、100重量%でもよいが、低燃費性および引張物性に優れる点から、80重量%以下が好ましい。
本発明では、ゴム成分として、DPNR以外のゴム成分を使用する場合、DPNRと併用するゴム成分としては、例えば、NR、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)などがあげられるが、チェーフィング性能、引張物性および低発熱性に優れる点から、NR、BRが好ましい。
NRとしては、DPNRに使用するNRと同様に、RSS#3やTSR20など、従来から使用されるグレードのものを使用することができる。
NRを含む場合、ゴム成分中のNRの含有率は、ゴム成分中のDPNRの含有率が前記の条件を満たす条件であれば特に制限されないが、0〜70重量%が好ましい。
BRとしては、とくに制限はなく、従来から使用される宇部興産(株)製のBR130BやJSR(株)製のBR01などを使用することができる。
BRを含む場合、ゴム成分中のBRの含有率は、チェーフィング性能、耐摩耗性能に優れる点から、20〜80重量%が好ましく、30〜70重量%がより好ましい。
本発明のタイヤクリンチ用ゴム組成物は、DPNRを含むゴム成分に加えて、充填剤およびオイルを含むことが好ましい。
充填剤としては、とくに制限はないが、従来から使用されるカーボンブラックやシリカがあげられ、また、カーボンブラックやシリカ以外にも炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、クレー、タルクなどもあげられる。なかでも、引張強度に優れるなどの補強性を確保できるという理由からカーボンブラックを使用することが好ましく、低発熱性および破断伸びが良好であるという理由からシリカが好ましい。
充填剤としてカーボンブラックを配合する場合、カーボンブラックの配合量は、引張強度および低発熱性に優れる点から、ゴム成分100重量部に対して40〜80重量部が好ましく、50〜70重量部がより好ましい。
充填剤としてシリカを配合する場合、シリカの配合量は、低発熱性および破断伸びに優れる点から、ゴム成分100重量部に対して40〜80重量部が好ましく、50〜70重量部がより好ましい。
本発明では、充填剤としてシリカを使用する場合、シランカップリング剤を含有することが好ましい。本発明で好適に使用できるシランカップリング剤は、従来からシリカと併用される任意のシランカップリング剤とすることができる。具体的には、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)ジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリメトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド等のスルフィド系、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン等のメルカプト系、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニル系、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ系、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン等のグリシドキシ系、3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシラン等のニトロ系、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、2−クロロエチルトリエトキシシラン等のクロロ系等があげられる。カップリング剤添加効果とコストの両立からビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が好適に用いられる。これらシランカップリング剤は1種、または2種以上組み合わせて用いてもよい。
シランカップリング剤の配合量は、適正なコストでカップリング効果が得られ、より一層良好な補強性や耐摩耗性が達成できる点から、シリカ100重量部に対して4〜12重量部が好ましく、6〜10重量部がより好ましい。
オイルとしては、プロセスオイル、植物油脂、動物油脂などがあげられる。
プロセスオイルとしてはパラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイルなどがあげられる。また、環境対策で芳香族系プロセスオイルを再抽出したTreated Distillate Aromatic Extract(TDAE)、アスファルトとナフテン油の混合油であるアロマ代替オイルも使用することができる。
植物油としては、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生油、ロジン、パインオイル、パインタール、トール油、コーン油、こめ油、ごま油、オリーブ油、ひまわり油、パーム核油、椿油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、サフラワー油、桐油などがあげられる。
動物油脂としては、オレイルアルコール、魚油、牛脂などがあげられる。
なかでも、ゴム成分などのポリマーとの相溶性に優れる点から、プロセスオイルが好ましく、ナフテン系プロセスオイルおよび芳香族系プロセスオイルがより好ましい。
オイルの配合量は、得られるゴム組成物の加工性と剛性をバランスよく向上させることができるに優れる点から、ゴム成分100重量部に対して6〜14重量部が好ましく、8〜12重量部がより好ましい。
本発明のタイヤクリンチ用ゴム組成物は、前記DPNRを含むゴム成分、充填剤、シランカップリング剤およびオイル以外にも、従来からタイヤ工業において使用される配合剤、例えば、ワックス、老化防止剤、ステアリン酸、酸化亜鉛、硫黄などの加硫剤、加硫促進剤などを適宜配合することができる。
本発明のタイヤクリンチ用ゴム組成物は、一般的な方法で製造される。すなわち、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロールなどで前記ゴム成分、必要に応じてその他の配合剤を混練りし、その後加硫することにより、本発明のタイヤクリンチ用ゴム組成物を製造することができる。
ここで、タイヤクリンチ2は、タイヤ外皮をなすサイドウォール1の内方端に設けられており、金属製のリム8に接触するゴム部であり、リムとのチェーフィングを確保する役割や操縦安定性および乗心地のバランスを保つ役割がある。
本発明のタイヤクリンチ用ゴム組成物は、剛性と破断伸びをバランスよく向上させることができるという理由から、タイヤ部材のなかでもタイヤクリンチとして使用するものである。
本発明のタイヤは、本発明のタイヤクリンチ用ゴム組成物を用いて通常の方法で製造される。すなわち、必要に応じて前記配合剤を配合した本発明のゴム組成物を、未加硫の段階でタイヤのタイヤクリンチの形状にあわせて押出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧してタイヤを製造する。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、実施例および比較例で使用した各種市販薬品について説明する。
天然ゴム(NR):RSS♯3
DPNR(1):チッ素含有量0.034%(以下脱蛋白天然ゴムの調製に従い調製した)
DPNR(2):チッ素含有量0.25%(以下脱蛋白天然ゴムの調製に従い調製した)
DPNR(3):チッ素含有量0.35%(以下脱蛋白天然ゴムの調製に従い調製した)
ポリブタジエンゴム(BR):宇部興産(株)製のBR130B
カーボンブラック:三菱化学(株)製のダイヤブラックH(N330)
シリカ:デグサ製のウルトラシルVN3
シランカップリング剤:デグサ社製のSi266(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)
プロセスオイル:出光興産(株)製のダイナプロセスオイルAH40
ワックス:大内新興化学工業(株)サンノックワックス
老化防止剤:精工化学(株)製のオゾノン6C
ステアリン酸:日本油脂(株)製の桐
酸化亜鉛:東邦亜鉛(株)製の銀嶺R
硫黄:鶴見化学工業(株)製の硫黄
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
下記に示す方法により脱蛋白天然ゴムを作製し、各々分析を行なった。
天然ゴムの脱蛋白処理
(脱蛋白天然ゴム(DPNR(1))の調製方法)
ソクテック(マレーシア)製の高アンモニアタイプの天然ゴムラテックス(固形分60.2%)150mlをゴム固形分が10%になるように2Lの蒸留水で希釈し、0.12%のナフテン酸ソーダで安定化させ、リン酸二水素ナトリウムを添加してpHを9.2に調節した。ついで、脱蛋白酵素アルカラーゼ(ノボノルディスクバイオインダストリー(株))7.8gを100mlの蒸留水に分散させて、前記希釈天然ゴムラテックスに加えた。ラテックスのpHを再度9.2に調整した後、37℃で24時間維持して脱蛋白処理を行なった。脱蛋白処理を完了したラテックスに対して、陰イオン性界面活性剤ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(花王(株)製のKP4401)を1重量%の割合で添加し、10,000rpmで30分間遠心分離を行なった。遠心分離後、上層に分離したクリーム状のゴム分を取り出し、さらに水で希釈することにより、ゴム固形分60%の脱蛋白処理された脱蛋白質天然ゴムラテックスを得た。
脱蛋白天然ゴムラテックスをガラス板上にキャストし、室温で乾燥させた後、減圧下で乾燥させてポリマーを得た。得られたポリマーをガラス板上に流延し、室温で乾燥させた後、減圧下で乾燥させた。乾燥後、アセトンと2−ブタノンの混合溶媒(3:1)で抽出し、ホモポリマー等の不純物を除去し、DPNR(1)を得た。
(脱蛋白天然ゴム(DPNR(2))の調製方法)
前記脱蛋白天然ゴムの作製方法−1において、脱蛋白酵素アルカラーゼ(ノボノルディスクバイオインダストリー(株))を2.0gに代えた他は脱蛋白天然ゴムの調製方法−1と同様にして脱蛋白天然ゴムラテックスを得た。
脱蛋白天然ゴムラテックスをガラス板上にキャストし、室温で乾燥させた後、減圧下で乾燥させてポリマーを得た。得られたポリマーをガラス板上に流延し、室温で乾燥させた後、減圧下で乾燥させた。乾燥後、アセトンと2−ブタノンの混合溶媒(3:1)で抽出し、ホモポリマー等の不純物を除去し、DPNR(2)を得た。
(脱蛋白天然ゴム(DPNR(3))の調製方法)
前記脱蛋白天然ゴムの作製方法−1において、脱蛋白酵素アルカラーゼ(ノボノルディスクバイオインダストリー(株))を0.1gに代えた他は脱蛋白天然ゴムの調製方法−1と同様にして脱蛋白天然ゴムラテックスを得た。
脱蛋白天然ゴムラテックスをガラス板上にキャストし、室温で乾燥させた後、減圧下で乾燥させてポリマーを得た。得られたポリマーをガラス板上に流延し、室温で乾燥させた後、減圧下で乾燥させた。乾燥後、アセトンと2−ブタノンの混合溶媒(3:1)で抽出し、ホモポリマー等の不純物を除去し、DPNR(3)を得た。
(NRの調製方法)
市販の高アンモニア天然ゴムラテックス(野村貿易(株)製、Hytex)をガラス板上にキャストし、室温で乾燥させた後、減圧下で乾燥させてポリマーを得た。得られたポリマーをガラス板上に流延し、室温で乾燥させた後、減圧下で乾燥させた。乾燥後、アセトンと2−ブタノンの混合溶媒(3:1)で抽出し、ホモポリマー等の不純物を除去し、NRを得た。
(チッ素含有率)
ケルダール試験法によりチッ素含有率を測定した。
(分子量測定)
ゲルパーミエイションクロマトグラフィー法により測定し(溶媒:テトラヒドロフラン)、重量平均分子量を求めた。
NRおよびDPNR(1)〜(3)についての分析の結果を表1に示す。
Figure 2009001645
実施例1〜11および比較例1〜2
(株)神戸製鋼所製の1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄および加硫促進剤を除く各種材料を約150℃排出で5分間混練りして混練り物を得た。その後、2軸オープンロール上で、得られた混練り物に硫黄および加硫促進剤を加えて約80℃の条件下で5分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。さらに、得られた未加硫ゴム組成物を175℃の条件下で12分間、20kgfの条件でプレス加硫することで、実施例1〜11および比較例1〜2のタイヤクリンチ用ゴム組成物を得、および225/55R17の乗用車用タイヤを製造した。
(粘弾性試験(転がり抵抗指標tanδの測定))
(株)岩本製作所製の粘弾性スペクトロメーターVESを用いて、初期歪み10%、動歪み2%および振動周波数10Hzの条件下で60℃におけるtanδ測定した。表2においては、測定したtanδの値を転がり抵抗指標として示す。なお、tanδが小さいほど発熱性および転がり抵抗が小さく低燃費性に優れ、望ましい。
(引張試験)
前記加硫ゴム組成物からからなる3号ダンベル型試験片を用いて、JIS K 6251「加硫ゴムおよび熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に準じて引張試験を実施し、破断時伸びEB(%)を測定した。表2においては、測定したEB(%)の値を耐クラック性指標として示す。なお、EB(%)が大きいほど、耐クラック性能(縁石ピンチカット性能)に優れ、望ましい。
(実車における操縦安定性、乗心地、チェーフィング試験)
製造したタイヤを用いてサーキットコースで3000ccの高性能乗用車に装着して高シビアな条件(約150〜250km/hの連続走行)で操縦安定性、乗心地、チェーフィングの試験を実施した。
操縦安定性の評価では、ハンドリングの応答性を測定した。評価結果を1〜3の数値で表し、数値が高いほどハンドリングの応答性が良好であることを示す。
乗心地の評価では、あたりの硬さを測定した。評価結果を1〜3の数値で表し、数値が高いほど乗心地がソフトであたりがやわらかいことを示す。
チェーフィングの評価では、実車試験走行後のタイヤクリンチの外観を比較し、チェーフィング(リムチューフィングによるへたり度合い)の有無を目視により評価した。○はチェーフィングがないことを示し、△はチェーフィングが一部発生していることを示し、×はチェーフィングがかなり発生していることを示す。なお、チェーフィングがないほど、タイヤの変形が小さく良好であることを示し、チェーフィングが発生すると、タイヤの変形が大きくという理由で良好でないことを示す。
上記評価結果を表2に示す。
Figure 2009001645
本発明のタイヤクリンチを用いたタイヤの一部分断面図である。
符号の説明
1 サイドウォール
2 タイヤクリンチ
3 ビードコア
4 ビード
5 インナーライナー
6 ベルト
7 トレッド
8 リム

Claims (8)

  1. 蛋白質の指標としての総チッ素含有率が0.3重量%以下である脱蛋白天然ゴムを含むゴム成分を含有するタイヤクリンチ用ゴム組成物。
  2. 脱蛋白天然ゴムの総チッ素含有率が0.1重量%以下である請求項1記載のタイヤクリンチ用ゴム組成物。
  3. ゴム成分中の脱蛋白天然ゴムの含有率が10〜100重量%である請求項1または2記載のタイヤクリンチ用ゴム組成物。
  4. ゴム成分中の脱蛋白天然ゴムの含有率が50〜100重量%である請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤクリンチ用ゴム組成物。
  5. ゴム成分中の脱蛋白天然ゴムの含有率が10〜80重量%、天然ゴムの含有率0〜70重量%であり、ブタジエンゴムの含有率が20〜80重量%である請求項1〜4記載のタイヤクリンチ用ゴム組成物。
  6. ゴム成分100重量部に対して、
    充填剤を40〜80重量部含有する請求項1〜5のいずれかに記載のタイヤクリンチ用ゴム組成物。
  7. 充填剤がカーボンブラックおよび/またはシリカである請求項6記載のタイヤクリンチ用ゴム組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のタイヤクリンチ用ゴム組成物を用いたタイヤクリンチを有するタイヤ。
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