JP2009006567A - インクジェット記録装置およびインクジェット記録装置の記録方法 - Google Patents

インクジェット記録装置およびインクジェット記録装置の記録方法 Download PDF

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Abstract

【課題】インク付与によって記録媒体が膨張した時や記録媒体が搬送ローラとピンチローラから抜けた時においても所望の搬送状態を得ることができ、記録媒体へ不具合が生じることなく記録が可能なインクジェット記録装置を提供すること。
【解決手段】インクジェット記録装置は、搬送ローラから記録媒体の後端部が抜ける時期を事前に検知する検出機構を備え、制御部は、検出機構によって検出された時期の前から排出ローラの周速度を下げる。
【選択図】図3

Description

本発明は、記録媒体にインクを吐出することで記録を行うインクジェット記録装置およびインクジェット記録装置の記録方法に関するものである。
近年、一般的に用いられている、インクを記録媒体に吐出することで記録を行うインクジェット記録装置は、ランニングコストが低いことや、記録時の静粛性に優れる等の利点があることから多く用いられている。このようなインクジェット記録装置では、インクを吐出する記録ヘッドの往復移動(主走査)と、記録媒体を所定ピッチごとに間欠送り(副走査)する動作とを繰り返して、記録ヘッドの吐出口からインク吐出させることで文字や画像の記録が行われる。また、2組のローラ対で記録媒体の搬送および位置決めを行うことで、インクを吐出する吐出口と記録媒体との距離を一定に保ちながら記録が行われる。この2組のローラ対のうちの一方である、記録媒体の搬送方向の上流側に位置するローラ対は、搬送ローラと、その搬送ローラに押し当てられて回転するピンチローラとで構成されている。また、2組のローラ対のうちの他方である、記録媒体の搬送方向の下流側に位置するローラ対は、排出ローラと、その排出ローラに押し当てられて回転する拍車とで構成されている。
ピンチローラおよび拍車は、記録媒体の記録面側に位置しており、搬送ローラと排出ローラは記録媒体の非記録面側に位置している。また拍車は、記録媒体との接触面を少なくするために、拍車の周囲は鋭利な角が設けられた厚みの薄い板によって形成されている。そして、排出ローラに対する拍車の押圧力を小さくすることで、記録媒体拍車の角が記録媒体に刺さる量を少なくしている。このように、記録媒体と拍車の接触面積を小さくすることは、記録媒体上に吐出されたインクと拍車との接触により拍車側にインクが転写し、拍車がさらに回転して記録媒体にインクが再転写した際、再転写の跡が視覚的に認識できる限界以下に抑えるためである。
また、通常インクジェット記録装置の場合、排出ローラでの記録媒体の単位時間当たりの搬送量と、搬送ローラでの記録媒体の単位時間当たりの搬送量とでは、排出ローラでの搬送量の方が多く設定されている。このように設定する理由を以下で説明する。
一般的なインクジェット記録装置が記録材として用いるインクは液体であるために、記録媒体に記録するとインクのほとんど部分が記録媒体に浸透する。特に記録媒体が普通紙の場合には、インクが浸透することにより記録媒体が膨張する。排出ローラと搬送ローラの搬送量が同じであると、記録することで記録媒体には膨張による余剰分が発生し、排出ローラと搬送ローラとの間に余剰分が蓄積してしまうからである。余剰分が蓄積すると、記録が乱れることや、インクを吐出する記録素子に記録媒体が接触することなどの弊害が発生する。
このように、排出ローラでの搬送量の方を多くするには、搬送ローラと排出ローラとを同一の駆動源によって制御を行い、駆動源から各々のローラに駆動力を伝達するギアのギア比を異ならせることで実現している。
この構成の場合、搬送ローラによる記録媒体の移動距離と排出ローラによる記録媒体の移動距離の望ましい差分は、記録媒体の膨張分、つまりインクの量に依存するため、記録毎に変化する。例えば、記録媒体の膨張の最大量を見込んで移動距離の差分を設定すると、インク量によっては必要以上に排出ローラによって記録媒体を移動させることになる。
しかし、前述した様に、排出ローラによる記録媒体の押圧力を弱くして、搬送ローラによる記録媒体の押圧力よりも弱くする。そのため、記録媒体が搬送ローラに挟み込まれている限りは、排出ローラが記録媒体の過剰な移動を行っても、記録媒体の移動は追従せずにスリップすることになる。すなわち記録媒体が搬送ローラに挟み込まれている限りは、記録媒体の移動量は、搬送ローラによる移動量だけに依存する。
近年、インクジェット記録装置はデジタルカメラなどから入力された写真の画像を出力する用途として使われている。そのため、記録媒体の全面に写真の画像を記録するいわゆる『縁無し記録』が可能な記録装置が市場に普及している。『縁無し記録』の記録動作において、記録媒体の搬送方向に対する後端部への記録は、記録媒体が搬送ローラの挟み込みから離れた状態で記録を行う。この様に記録媒体が搬送ローラに挟み込まれていない状態では、記録媒体の移動量は、排出ローラによる移動量に依存することなる。
記録媒体の後端部が搬送ローラから離れた後では、記録媒体の後端部が、搬送ローラに挟まれている状態の時の搬送ローラによる移動量を基準とすると、その移動量は、搬送ローラに挟まれている状態の時よりも多くなる。記録媒体の移動量が基準の移動量よりも多くなることから、その記録には不具合が生じることになる。
そこで特許文献1には、記録媒体の後端部が搬送ローラの挟み込みから離れる直前で、排出ローラだけによる搬送量に合わせて、搬送ローラによる搬送量よりも小さい間欠送り量で記録媒体を搬送する技術が開示されている。また、特許文献2には、記録媒体が搬送ローラから抜けるタイミングを精度良く検知して、それによって搬送量を補正することで搬送量を最適化することで所望の搬送量を得る技術が開示されている。さらに特許文献3には、記録媒体を挟み込んでいるローラ対の組み合わせにより、各ローラにおける記録媒体への押し付ける圧力を制御して、この制御の結果として各ローラ対による記録媒体に対する搬送力への寄与配分を制御する技術が記載されている。
この特許文献2と特許文献3の構成を組み合わせることにより、搬送量の補正値を最適化することで所望の搬送量を得ることができる。
特開2006−143442号公報 特開2004−123313号公報 特開2001−278494号公報
特許文献1に開示されている方法では、記録媒体が搬送ローラに挟み込まれている状態のうちから、搬送量が小さい間欠送り量で記録媒体を搬送して記録が行われるため、記録媒体が搬送ローラから抜ける前と後とで記録への影響は少なくなる。しかし、搬送ローラから記録媒体が抜けた後の記録に関しては、依然として記録媒体の搬送量は排出ローラの搬送量に支配されており、記録の不具合が改善されているとはいえない。
また、特許文献2の構成では、記録媒体が搬送ローラに挟み込まれている状態から挟み込まれていない状態に移行するタイミングをリアルタイムに精度良く検知できることが前提である。しかし、搬送ローラに連動した検出部で、搬送ローラから記録媒体が抜けた瞬間を検知して正確な搬送制御を行うには、高精度な検知手段と複雑な制御が必要であることから、装置自体が高価になってしまうおそれがある。また、記録媒体が搬送ローラから抜ける時点を検知することから、制御のタイミングによっては、処理動作が遅れてしまい、所望の搬送状態を得られないおそれもある。その場合、記録には不具合が生じることになる。さらに、特許文献3の構成では各ローラの押し付け圧を精度よく制御する必要が生じるので、かなり高精度な機構が必要となってしまう。
よって本発明は、インク付与によって記録媒体が膨張した時や記録媒体が搬送ローラとピンチローラから抜けた時においても所望の搬送状態を得ることができ、記録媒体へ不具合が生じることなく記録が可能なインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
そのため、本発明のインクジェット記録装置は、記録媒体の搬送方向の上流側に位置する搬送ローラと、前記搬送方向の下流側に位置する排出ローラと、の間に、インクを吐出可能な記録ヘッドを用いて画像を記録する記録部が位置し、前記排出ローラを前記搬送ローラよりも速い周速度に制御する制御部を備えたインクジェット記録装置において、前記搬送ローラから前記記録媒体の後端部が抜ける時期を検知する検出機構を備え、前記制御部は、前記検出機構によって検出された前記時期の前から前記排出ローラの周速度を下げることを特徴とする。
また、本発明のインクジェット記録装置の記録方法は、記録媒体の搬送方向の上流側に位置する搬送ローラと、前記搬送方向の下流側に位置する排出ローラと、の間に、インクを吐出可能な記録ヘッドを用いて画像を記録する記録部が位置し、前記排出ローラを前記搬送ローラよりも速い周速度に制御する制御部を備えたインクジェット記録装置の記録方法において、前記搬送ローラから前記記録媒体の後端部が抜ける時期を検出機構によって事前に検知する工程と、前記制御部によって、前記検出機構によって検出された前記時期の前から前記排出ローラの周速度を下げる工程と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、インクジェット記録装置は、搬送ローラから記録媒体の後端部が抜ける時期を事前に検知する検出機構を備え、制御部は、検出機構によって検出された時期の前から排出ローラの周速度を下げる。その結果、インク付与によって記録媒体が膨張した時や記録媒体が搬送ローラとピンチローラから抜けた時においても所望の搬送状態を得ることができ、記録媒体へ不具合が生じることなく記録を行うことができる。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。
図1は、本実施形態のインクジェット記録装置(以下、単に記録装置ともいう)の内部がわかるようにケースカバーを取り除いた状態を示した斜視図である。本実施形態のインクジェット記録装置は、インクを吐出可能な記録ヘッド3を着脱自在に搭載するキャリッジ2と、これを移動させて記録ヘッド3の走査を行うための駆動機構を備える。キャリッジ2は、駆動源であるキャリッジモータM1の駆動力がベルト、プーリなどからなる伝動機構4を介してキャリッジ2に伝えられることによりキャリッジ2を図4の矢印A方向に往復移動させることができる。キャリッジ2には、本記録装置で用いるインクの種類に対応してインクカートリッジ6が着脱自在に搭載される。
また、記録媒体である記録紙Pを、キャリッジ2の移動方向と交差する方向に搬送する給紙機構5を備え、記録ヘッド3の走査に応じて記録紙Pを所定量で間欠送りする。さらに、本実施形態のインクジェット記録装置は、キャリッジ2の移動範囲の一端には、記録ヘッド3の吐出回復処理を行うための回復装置10を備える。このような記録装置において、記録紙Pは給紙機構5の搬送動作によって記録ヘッド3の走査領域に送り込まれ、記録ヘッド3の走査によって記録紙Pに画像や文字などの記録が行なわれる。キャリッジ2は、キャリッジモータM1の駆動力を伝達する伝動機構4を構成する駆動ベルト7の一部に連結されており、ガイドシャフト13に沿って矢印A方向に摺動自在に案内支持されている。これにより、キャリッジモータM1の駆動力がキャリッジ2に伝達されて、キャリッジ2は移動することができる。この場合、キャリッジ2は、キャリッジモータM1の正転および逆転によってそれぞれ往方向または復方向の移動を行うことができる。スケール8は、キャリッジ2の矢印A方向における位置を検出するものであり、本実施形態では、透明なPETフィルムに所定のピッチで黒色のバーを印刷したものを用いている。スケール8の一方はシャーシ9に固着され、他方は不図示の板バネで支持されている。このスケール8のバーをキャリッジ2に設けられる不図示のセンサが光学的に検出することによりキャリッジ2の位置を検出することができる。
記録ヘッド3の走査中に記録ヘッド3の吐出口列と対向する領域に不図示のプラテンが設けられており、プラテンによって平坦な面が維持された記録紙Pに対してインクを吐出することにより記録が行われる。
搬送ローラ14は、不図示の搬送ローラ用モータM2によって駆動され、ピンチローラ15は、不図示のバネにより記録紙Pを搬送ローラ14とで挟持する。ピンチローラホルダ16はピンチローラ15を回転自在に支持する。また、ローラギア17は搬送ローラ14の一端に取り付けられ、この搬送ローラギア17に不図示の中間ギアを介して伝達された搬送モータM2の回転により、搬送ローラ14が駆動される。第2の排出ローラ20は排出ローラ用モータM3の回転が伝達されることで駆動され、記録ヘッド3によって記録された記録紙Pを装置外へと排出する。なお、第2の排出ローラ20には、不図示のバネの押圧力によって不図示の拍車が押圧されており、第2の排出ローラ20と拍車とで記録紙Pを挟持している。拍車ホルダ22は拍車を回転自在に支持している。
キャリッジ2が記録動作のために往復移動する範囲(走査領域)外の所定の位置(例えばホームポジションと対応する位置)には、記録ヘッド3の吐出性能を維持するための回復装置10が配設されている。この回復装置10は、記録ヘッド3の吐出口が備えられた面(以下、吐出口面ともいう)をキャッピングするキャッピング機構11と、記録ヘッド3の吐出口面をクリーニングするワイピング機構12とを備えている。このキャッピング機構11による吐出口面のキャッピングに連動して、回復装置内の不図示の吸引機構(吸引ポンプ等)により吐出口からインクを強制的に排出させる。それによって、記録ヘッド3の吐出口内の増粘インクや気泡等を除去するなどの吐出回復処理を行う。また、非記録時等に、記録ヘッド3の吐出口面をキャッピングすることによって、記録ヘッド3を保護するとともにインクの乾燥を防止することができる。さらに、ワイピング機構12は、キャッピング機構11の近傍に配されており、記録ヘッド3の吐出口面に付着したインク滴を拭き取ることにより吐出口面のクリーニングを行う。そして、これらキャッピング機構11およびワイピング機構12により、記録ヘッド3を正常な吐出状態に保つことが可能となっている。
図2は、図1に示した装置構成を備えたインクジェット記録装置の制御系の概略構成を示すブロック図である。コントローラ600は、マイクロコンピュータ形態のCPU602、後述する記録動作の制御、また、後述するシーケンスに対応したプログラムや所要のテーブルその他の固定データを格納したROM603、記録ヘッド3における吐出制御を行う。さらにコントローラ600は、キャリッジモータM1の制御、搬送ローラ用モータ103の制御を行う。そしてコントローラ600は、排出ローラ用モータ104の制御等の制御信号を生成する特殊用途集積回路(ASIC)605、画像データを展開する領域や作業用の領域等を設けたRAM604を備えている。さらにコントローラ600はセンサ群630からアナログ信号を入力してデジタル信号に変換するA/D変換器606、CPU602、ROM603、RAM604、ASIC605およびA/D変換器606等のデータ授受を行うシステムバス601を備えている。
ホストコンピュータ610(あるいは画像読取り用のリーダや、デジタルカメラなど)は記録データの供給源であり、インターフェース(I/F)611を介して記録データ、コマンド、ステータス信号等をコントローラ600と送受信する。スイッチ群620は、電源スイッチ621、および記録ヘッド101の回復処理の起動を指示するための回復スイッチ622など、操作者による指令入力を受容するためのスイッチを有する。センサ群630は、上記スケール8と組み合わせて記録ヘッド101の移動を検出するキャリッジセンサ631、記録媒体の有無を機械的な機構を介して検出する後端センサ632、環境温度を検出する温度センサ633等から構成される。さらに、駆動回路641は、記録ヘッド3を駆動するための回路であり、駆動回路642はキャリッジモータM1を駆動するドライバを含む回路である。また、駆動回路643は搬送ローラ用モータM2を駆動するためのドライバを含む回路、駆動回路644は排出ローラ用モータM3を駆動するためのドライバを含む回路である。
このような構成において、本実施形態の記録装置は、インターフェース611を介して転送された記録データのコマンドを解析し、記録すべき画像データをRAM602上の展開領域(展開バッファ)に展開する。次に展開したデータを記録ヘッドに送る際に使用する画像データに変換してRAM602の記憶領域(プリントバッファ)上に確保される。ASIC605は、記録ヘッドによる記録走査の際に、前記プリントバッファに直接アクセスしながら記録ヘッドに対して各吐出口ごとにヒータの駆動データデータを取得し、それを記録ヘッド3に転送する。
図3は、本実施形態のインクジェット記録装置における記録媒体の搬送の構成を示した概略図である。また、図4から図7は、記録紙Pが搬送される状態を段階的に示した図である。図3から図7を用いて、本実施形態の記録装置における記録紙Pの搬送の構成および搬送制御方法について説明する。
図3に示すように、記録紙Pは給紙機構5の圧板62上にスタックされており、圧板62をピックアップローラ61の方向に押し当てることで記録紙Pがピックアップローラ61と当接する。次に、ピックアップローラ61を時計回りに回転させる動作と分離ローラ60を時計回りに回転させる動作とにより、スタックされている記録紙Pはスタックされている記録紙Pの最上部の1枚だけを搬送経路に送り出す。この記録紙Pの分離に引き続いてピックアップローラ61は時計回りに回転して、記録紙Pを搬送ローラ14とピンチローラ15で構成する搬送手段に当接する位置まで送り込む。搬送ローラ14とピンチローラ15とに記録紙Pが挟み込まれる位置までピックアップローラ61で搬送したら、ピックアップローラ61の搬送力は解除される。
記録紙Pの後端部PEを検出する検出機構である後端検知レバー50は、機械的な部材で形成されており、記録紙Pの後端を検知するためのセンサの一部である。後端検知レバー50は、その一方を搬送経路上の給紙機構5と搬送ローラ14との間に位置するように設けられており、給紙機構5と搬送ローラ14との間の記録紙Pの有無を検出することができる。また後端検知レバー50の他方は、フォトカプラ51を遮断可能な位置に設けられている。このフォトカプラ51を後端検知レバー50が遮断することで、記録紙Pの有無を検出することが可能になる。そして、これは結果的に記録紙Pの後端部PEを検知することになる。この後端検知レバー50によって、記録紙Pの後端部PEが検出されると、後述するように排出ローラ30の周速度を変更するように制御が行われる。
給紙機構5と搬送ローラ14との間の搬送経路上に記録紙Pが無い場合は、後端検知レバー50は、自重もしくはバネ部材による弱い力が反時計回りにかかっている。更にその場合には、後端検知レバー50の一端がフォトカプラ51を遮断している。
給紙動作により給紙機構5と搬送ローラ14との間の搬送経路上に記録紙Pが送られると、図4で示されるように、後端検知レバー50は記録紙Pに押されて時計回りに回転する。この動作によってフォトカプラ51を遮断していた後端検知レバー50の一端はフォトカプラ51を遮断しない状態になる。このように、後端検知レバー50がフォトカプラ51を遮断しない状態の時、排出ローラ30の周速度は、搬送ローラ14の周速度よりも速い速度で回転している。排出ローラ30の周速度を搬送ローラ14の周速度よりも速くすることで、インクの付与で生じる記録紙Pの膨張による弛みを平坦化して所望の記録面を形成している。
その後、記録紙Pが更に搬送され、図5(a)で示されるように、記録紙Pは搬送ローラ14とピンチローラ15によって記録ヘッド3と対向するプラテン40上に搬送される。さらに記録紙Pは、搬送ローラ14とピンチローラ15により第1の排出ローラ30と拍車31で構成される第1の排出手段に搬送され、次いで第2の排出ローラ20と拍車ローラ21で構成される第2の排出手段に搬送される。ここで第1の排出ローラ30は第2の排出ローラ20と同様に排出ローラ用モータM3で駆動されている。
第1の排出ローラ30と第2の排出ローラ20とによる記録紙Pの移動速度は略等しい速度になるように構成されている。すなわち設計バラツキで多少の差はあるが、設計中心値では移動速度が等しくなるように各ローラが回転するように設計する。
なお、ここまでの状態ではすべて、後端検知レバー50がフォトカプラ51を遮断しない状態が維持されており、排出ローラ30の周速度は、搬送ローラ14の周速度よりも速い速度になっている。しかし、実際の記録紙Pの搬送速度は、搬送ローラ14の周速度によって搬送される。つまり、第1の排出ローラ30は記録紙Pと接しながらスリップしている状態である。
このような搬送状態によって、記録紙Pに記録が行われてインクが付与され、記録紙Pが膨張しても、膨張した分の記録紙Pがプラテン40上、つまり搬送ローラ14と第1の排出ローラ30との間で蓄積することがないため、記録時に不具合が発生することがない。
上記のような記録紙Pの搬送方法で搬送が行なわれながら、記録ヘッド3の吐出口からインクが吐出されることで記録紙Pに記録が行われる。
なお、記録媒体がフィルムのような、インクの付与によって膨張しない材料であることがわかっている場合には、排出ローラ30と搬送ローラ14との間に記録媒体の膨張する分が蓄積しないため排出ローラ30と搬送ローラ14の周速度に差を設ける必要が無い。そのため、各記録媒体に応じて、手動操作によって、排出ローラ30と搬送ローラ14の周速度に差を設ける搬送モードと、差を設けない搬送モードとを切り替えられる。なお、周速度に差を設ける搬送モードと、差を設けない搬送モードという2種類の搬送モードに限るものではなく、記録媒体の種類(膨張の程度)に合わせて、複数種類の搬送モードを備えていてもよい。
図5(b)は、図5(a)の状態を模式的に表わした図である。図5(b)は、記録紙Pの間欠送りにおける、記録紙Pの後端部PEが搬送ローラ14から抜ける1つ前の記録の状態であり、この記録が終了後に記録紙Pが間欠送りされると、記録紙Pの後端部PEは搬送ローラ14から抜ける。ここで、記録紙Pが1回の間欠送りで送られる距離L0と、記録部と後端検知レバー50が記録紙Pの後端を検出する位置との間の距離L1と、記録部と搬送ローラ14との間の距離L2と、の関係は、L0>L1>L2という関係を満たしている。この段階では、後端検知レバー50は、まだ後端部PEを検知していないため、排出ローラ30の周速度は変更されておらず、排出ローラ30の周速度の方が搬送ローラ14の周速度よりも速い。
図6(a)は、図5における記録が終了して、記録紙Pが搬送される途中を示した図であり、図6(b)は、図6(a)を模式的に示した図である。図5の状態から記録紙Pの搬送が開始されると、搬送開始直後は排出ローラ30の周速度は、搬送ローラ14の周速度よりも速い速度で回転しているが、記録紙Pが後端検知レバー50から抜けた時点で、搬送ローラ14の周速度と同じになるように制御される。記録紙Pの後端部PEが後端検知レバー50を通過すると、後端検知レバー50は再びフォトカプラ51を遮断する。フォトカプラ51が遮断されることで、今まで搬送ローラ14よりも速い速度で回転していた排出ローラ30の周速度を下げて、搬送ローラ14の周速度と同じ速度になるように制御する。つまり、図6に示す状態では、すでに、排出ローラ30の周速度は搬送ローラ14の周速度と同じ速度で回転している。このように制御することで、記録紙Pが搬送ローラ14から抜ける際に、搬送ローラ14の周速度よりも速い周速度で回転する排出ローラ30とそれに伴って回転している拍車31によって、引っ張られて記録中に搬送速度が変化することを防ぐことができる。
図7は、図6の状態から更に記録紙Pの搬送が進んで、搬送ローラ14とピンチローラ15から抜けた状態であり、記録紙Pが搬送される途中を示した図である。記録紙Pは搬送ローラ14から抜けて、排出ローラ30のみによって搬送されるが、排出ローラ30の周速度は、すでに搬送ローラ14の周速度と同じ速度に変更されているので、搬送ローラ14から抜ける前の搬送速度と同じ搬送速度で記録紙Pの搬送が行われる。
このように、記録紙Pが搬送ローラ14とピンチローラ15から抜ける直前で、記録紙Pの後端部PEの位置を検知して、記録装置は記録紙Pの後端部PEが、搬送ローラ14とピンチローラ15から抜ける時期を知る。これによって、排出ローラ30の周速度をさげて、搬送ローラ14の回転と同じ週速度にすることで、記録紙Pの搬送速度を一定速度に保ったまま後端部PEまで記録を行うことができ、良好な記録を行うことができる。さらに、記録紙Pの膨張によっても記録に不具合が生じない搬送ができる。
なお、記録紙Pの後端部PEが後端検知レバー50を通過後、搬送ローラ14から抜けるまでの間、排出ローラ30と搬送ローラ14の周速度は同じになる。そのため、その間における、記録紙Pの膨張した分は、排出ローラ30と搬送ローラ14との間に蓄積することになる。しかし、記録紙Pのインクによる膨張は急激に膨張するものではない。そこで、記録紙Pが膨張した分が排出ローラ30と搬送ローラ14の間に蓄積することを防ぐために、後端部検知レバー50は、記録紙Pの搬送速度や記録紙Pのインクによる膨張を考慮して、十分に搬送ローラ14に近接した位置に設けている。
また、上記では記録紙Pが後端部検出レバー50を通過してフォトカプラ51が遮断されることで、排出ローラ30の周速度を搬送ローラ14と同じ速度になるように制御したが、フォトカプラ51が遮断された時点で排出ローラ30の周速度を変更しなくてもよい。つまり後端部PEが後端検知レバー50を通過後、搬送ローラ14から抜けるまでに排出ローラ30の速度を変更すれば良く、その間にタイマ等を設けて所定時間経過後に排出ローラ30の周速度が搬送ローラ14の周速度と同じ速度になるように制御してもよい。
また、本実施形態では、後端部検知レバー50によってフォトカプラ51を遮断するかしないかで記録紙Pの後端部PEの検知を行ったが、これに限定するものではなく、他の近接センサ等を用いてもよい。
本実施形態のインクジェット記録装置のケースカバーを取り除いた状態を示した斜視図である。 図1に示した装置構成を備えたインクジェット記録装置の制御系の概略構成を示すブロック図である。 本実施形態のインクジェット記録装置における記録媒体の搬送の構成を示した概略図である。 記録紙が搬送される状態を段階的に説明した図である。 記録紙が搬送される状態を段階的に説明した図である。 記録紙が搬送される状態を段階的に説明した図である。 記録紙の後端部が、搬送ローラとピンチローラから抜けた状態を示した図である。
符号の説明
2 キャリッジ
3 記録ヘッド
5 給紙機構
10 回復装置
11 キャッピング機構
12 ワイピング機構
14 搬送ローラ
15 ピンチローラ
30 排出ローラ
31 拍車
50 後端検知レバー
51 フォトカプラ
61 ピックアップローラ
62 圧板
600 コントローラ
602 RAM
610 ホストコンピュータ
P 記録紙
PE 後端部

Claims (8)

  1. 記録媒体の搬送方向の上流側に位置する搬送ローラと、前記搬送方向の下流側に位置する排出ローラと、の間に、インクを吐出可能な記録ヘッドを用いて画像を記録する記録部が位置し、前記排出ローラを前記搬送ローラよりも速い周速度に制御する制御部を備えたインクジェット記録装置において、
    前記搬送ローラから前記記録媒体の後端部が抜ける時期を検知する検出機構を備え、
    前記制御部は、前記検出機構によって検出された前記時期の前から前記排出ローラの周速度を下げることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記検出機構によって下げた排出ローラの周速度は、前記搬送ローラの周速度と同じ周速度であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記制御部は、前記記録媒体がインクを付与されることで膨張する程度に応じた、複数種類の搬送モードで前記排出ローラの周速度を制御することが可能であることを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記検出機構にはフォトカプラが用いられていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  5. 少なくとも前記搬送ローラによる前記記録媒体の搬送動作と、前記記録媒体を搬送する搬送方向と交差する方向における前記記録ヘッドの記録走査と、を繰り返すことにより、前記記録媒体に画像を記録することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記記録部と前記搬送ローラとの間の距離は、前記搬送動作による前記記録媒体の搬送量の長さよりも短いことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記検出機構が前記記録媒体の後端を検出する位置と、前記記録部との間の距離は、前記搬送動作による前記記録媒体の搬送量の長さよりも短いことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  8. 記録媒体の搬送方向の上流側に位置する搬送ローラと、前記搬送方向の下流側に位置する排出ローラと、の間に、インクを吐出可能な記録ヘッドを用いて画像を記録する記録部が位置し、前記排出ローラを前記搬送ローラよりも速い周速度に制御する制御部を備えたインクジェット記録装置の記録方法において、
    前記搬送ローラから前記記録媒体の後端部が抜ける時期を検出機構によって事前に検知する工程と、
    前記制御部によって、前記検出機構によって検出された前記時期の前から前記排出ローラの周速度を下げる工程と、
    を備えたことを特徴とするインクジェット記録装置の記録方法。
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