JP2009006504A - インクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録装置 Download PDF

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Abstract

【課題】対称型の記録ヘッドのように多くの吐出口列を有する構成であっても、オリフィスプレートに付着したインクに起因する混色を極力回避することが可能な吐出口配列構成を有するインクジェット記録ヘッドを提供する。
【解決手段】同色同吐出量の2列の吐出口列の間の中心線が、全ての吐出口列から所定以上の距離を置くように各吐出列が配置されている。これにより、各色の吐出口列は、同色同吐出量の2列の吐出口列によって最もインクが付着しやすい領域のいずれからも外れ、混色現象を回避することが出来る。
【選択図】図5

Description

本発明は、インクを吐出する複数の吐出口を複数色分備えたインクジェット記録ヘッドの、オリフィスプレートにおける吐出口配列構成に関する。
近年、画像出力装置として、比較的小型で使いやすいシリアル型のカラーインクジェット記録装置が、一般に広く普及している。シリアル型のインクジェット記録装置では、記録ヘッドからインクを吐出しながらこれを記録媒体に対して走査する記録主走査と、記録主走査とは交差する方向に記録媒体を所定量搬送する副走査を間欠的に繰り返すことにより段階的に画像を形成する。この場合、画像を高速に出力したい場合においては、記録ヘッドの往路走査と復路走査の両方でインクを吐出する、いわゆる双方向記録が採用される。
但し、複数色のインクを用いて双方向記録を行う場合には、記録ヘッドの走査方向によって、記録媒体に対するインクの付与順序が逆転することから、色むらという画像問題が提起される。例えばシアンとイエローの混色によってグリーン画像を記録する場合であっても、記録媒体に対し先にシアンを付与してからイエローを付与して形成したグリーンと、先にイエローを付与してからシアンを付与して形成してグリーンとでは、同じ発色にはならない。よって、往路走査および復路走査で記録した発色の異なる2種類のグリーンが、副走査方向に交互に配置することになるので、これが色むら弊害となって画像を劣化させるのである。
特許文献1には、このような色むら弊害を解決するための対称型の記録ヘッドの構成が開示されている。対象型の記録ヘッドでは、各色のインクの吐出口列が複数列ずつ用意されており、往路走査であっても復路走査であっても記録媒体に対するインクの付与順番が等しくなるように、これら吐出口列が対称的に配置されている。
図9は、上記対称型の記録ヘッドにおける吐出口の配列例を説明するための模式図である。図において、オリフィスプレート1004には、同じ種類のインクを吐出する吐出口がピッチTで副走査方向に配列して構成される吐出口列が、主走査方向に6列分並列されている。ここで、C1およびC2はシアンインクを吐出する吐出口列、M1およびM2はマゼンタインクを吐出する吐出口列、Y1およびY2はイエローインクを吐出する吐出口列をそれぞれ示している。このように各色2列ずつの吐出口列が左右対称に配置していることにより、往路走査においても復路走査においても、記録媒体に対するインクの付与順序は、シアン→マゼンタ→イエロー→イエロー→マゼンタ→シアンの順に統一される。従って、高速出力のために双方向記録を行っても色むら弊害が発生することはない。
また、図9に示す記録ヘッドでは、同色の2つの吐出口列(例えばC1とC2)は、副走査方向に互いにT/2ピッチだけずれて配置している。このような構成であれば、記録ヘッドの1回の記録走査では、副走査方向にT/2のピッチでドットが配列される高解像な記録画像を得ることが出来る。すなわち、個々の吐出口列が600dpi(ドット/インチ;参考値)のピッチで配列している場合、記録媒体には1200dpiの解像度を有する画像を記録することが出来る。
なお、特許文献1には、図9に示したような記録ヘッドを用いながら、往路走査ではC1、M1およびY1のみによって記録を行い、復路走査ではC2、M2およびY2のみによって1パス双方向で記録する方法も開示されている。このような記録方法を採用すれば、色むら弊害のない画像を、低解像度ではあるが高速に出力することが可能となる。
図10は、対称型の記録ヘッドの別の構成例を説明するための模式図である。ここでは、シアンインクおよびマゼンタインクに対し、それぞれ4列の吐出口列が用意されている。すなわち、C1、Cs1、C2およびCs2はシアンインクを、M1、Ms1、M2およびMs2はマゼンタインクをそれぞれ吐出し、Y1およびY2はイエローインクを吐出する。また、Cs1、Cs2、Ms1およびMs2は、C1、C2、M1、M2、Y1およびY2に比べて少ないインクを吐出する吐出口列となっている。近年では、画像のハイライト部の粒状感を低減したり、階調性を向上させたりするために、このように1つのインク色につき2段階以上の吐出量を実現するインクジェット記録ヘッドも数多く提供されている。
特開2001−171119号公報
しかしながら、図9や図10のように、多くの吐出口列を配列させた対称型の記録ヘッドでは、記録動作時のミストやサテライトも多く、これらがオリフィスプレートに付着することによる新たな問題も招致されている。
多数の吐出口列の高密度な吐出動作においては、オリフィスプレート1004から記録媒体に向けての気流が発生し、これが吐出中のインクや浮遊するミストの進行方向に影響を与える。本発明者らの検討によれば、このような気流は記録ヘッドの主走査方向における外側から内側に向けて流れやすく、多くのインクミストを、使用する吐出口列間の中央に集める傾向があることが確認された。任意のインク色を単独で記録する際、同色かつ同吐出量のインクを吐出する2つのノズル列では、互いの吐出頻度がほぼ同等となり、その2つの吐出口列のほぼ中央に最も多くのインクが付着するのである。よって、図10のように、同色かつ同吐出量のノズル列が左右に対称的に配置する構成においては、オリフィスプレートの中央近傍、すなわちX−X´で示す中心線近傍に全色のインクが最も多く付着する。
図11は、全吐出口列を用いて所定の周波数で一様な画像を記録した後の、オリフィスプレートにおけるインクミストの付着状態を説明するための図である。図に示すように、オリフィスプレートの中央近傍、すなわちノズル列Y1とノズル列Y2の間に最も多くのインクが付着している。このような状態においては、付着したインクがY1やY2の吐出口に進入することもあり、その状態で画像を記録すると、イエロー画像に他色インクによる混色が発生し、画像を劣化させてしまう。
本発明は、上記問題点を鑑みてなされたものである。よって、その目的とするところは、対称型の記録ヘッドのように多くの吐出口列を有する構成であっても、オリフィスプレートに付着したインクに起因する混色を極力回避することが可能な吐出口配列構成を有するインクジェット記録ヘッドを提供することである。
そのために本発明においては、インクを吐出する吐出口を配列してなる吐出口列の複数を、前記配列の方向とは交差する方向に並列して構成されるインクジェット記録ヘッドにおいて、前記複数の吐出口列は、同色で同吐出量のインクを吐出する第1の吐出口列と第2の吐出口列を少なくとも含み、前記第1の吐出口列と前記第2の吐出口列の間の中心線は、前記複数の吐出口列のいずれとも所定以上の距離をおいて配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、各色の吐出口列は、同色同吐出量の2列の吐出口列によって最もインクが付着しやすい領域のいずれからも外れ、混色現象を回避することが出来るようになる。
図1は、本発明に適用可能なシリアル型のカラーインクジェット記録装置200の内部構成を説明するため斜視図である。キャリッジ201は、インクを吐出する記録ヘッド100と記録ヘッド100に3色のインクを供給するインクタンク202を搭載した状態で、スクリュー軸204の回転に伴い、図の主走査方向に対し往復に移動走査する。この移動走査の際に、記録ヘッド100から記録信号に基づいた吐出を行うことにより、記録媒体Pに1行分の画像が記録される。このような1回の記録走査が終了すると、記録媒体Pは搬送ローラ205の回転によって、副走査方向に所定量搬送される。以上のような記録走査と搬送動作とを交互に繰り返すことにより、記録媒体Pに段階的に画像が形成されていく。
キャリッジ201には記録ヘッド100が着脱可能に搭載され、また、図2を参照するに、記録ヘッド100に対しても各色のインクを収容した3つのインクタンク202Y、202Mおよび202Cがそれぞれ独立に着脱可能になっている。
図3は、記録ヘッド100の構成を、より詳細に説明するための図である。記録ヘッド100には、インクを吐出するための構成を備えた記録素子基板110と、記録装置本体から記録信号を受信し、これを記録素子基板110の個々の記録素子に吐出を実行させるために送信するコネクタ120などが備えられている。
図4(a)および(b)は、記録素子基板110の構造を説明するための平面図および断面図である。記録素子基板110はシリコン基板105上に、様々な配線やインクを導くためのオリフィスプレート104を積層して構成される。ここで、図4(a)は、記録素子基板110の、主に配線構造を説明するための平面図である。シリコン基板105には、インクを吐出する為に利用されるエネルギを発生するための複数のヒータ107が、記録解像度に対応したピッチで配列されている。図において、107−Lは、相対的に大きな量のインクを吐出するための大ヒータであり、107−Sは相対的小さな量のインクを吐出するための小ヒータである。個々のヒータ列の側部には駆動回路108が配備されており、多数の接続素子109から受信した記録信号に基づいて個々のヒータ107を駆動する。1組の大ヒータ列と小ヒータ列の間には、個々のヒータの位置にインクを共通して供給するためのインク供給路111が形成されている。
図4(b)は、以上のように配線およびインク供給路111が形成されたシリコン基板105上に、オリフィスプレート104を積層した状態を説明するための断面図である。オリフィスプレート104には、個々のヒータに対応する位置にインク路および吐出口101が設けられている。101−C1は大吐出量のシアンインクを吐出するための吐出口、101−Cs1は小吐出量のシアンインクを吐出するための吐出口である。また、101−M1は大吐出量のマゼンタインクを吐出するための吐出口、101−Ms1は小吐出量のマゼンタインクを吐出するための吐出口である。更に、101−Y1および101−Y2は大吐出量のイエローインクを吐出するための吐出口である。本例において、大吐出量とは5pl、小吐出量とは2plをそれぞれ表している。同色インクを吐出する大小の組、すなわち101−C1と101−Cs1、101−M1と101−Ms1、さらに101−Y1と101−Y2は、それぞれ同じインク供給路111C、111Mおよび111Yからインクが供給されている。なお、インク供給路111は、〈100〉シリコンからなるシリコン基板105に異方性エッチングにより形成されるので、その断面形状は図のように台形になっている。
ここでは、オリフィスプレート104とインク路が一体に形成されている例で説明したが、吐出口のみが形成されたオリフィスプレートとシリコン基板との間にインク路が形成された流路壁を設ける構造であっても良い。
接続素子109が受信した記録信号に基づいて、駆動回路108が個々のヒータ107を駆動することにより、ヒータ表面に存在するインク中に発泡が生じ、この発泡の成長エネルギによって個々の吐出口からインク滴が吐出される仕組みになっている。
以上説明した本発明に適用可能なインクジェット記録装置およびインクジェット記録ヘッドにおける、本発明の特徴的なオリフィスプレート上の吐出口配列状態の例を、いくつかの実施例として、以下に説明する。
図5は、実施例1のオリフィスプレート104における吐出口の配列状態を説明するための平面図である。本実施例においても、図10で説明した従来例と同様、C1、C2、M1、M2、Y1、Y2、Cs1、Cs2、Ms1およびMs2の全10列の吐出口列が、副走査方向に半ピッチずつずれながらも、中心線A−A´を軸として左右対称に配置されている。これにより、1パス双方向の記録動作を行っても、1200dpiという高解像な画像を、色むらのない状態で記録することが出来る。
以下、本実施例の吐出口配列についてより具体的に説明する。本実施例の大吐出量の吐出口列C1、C2、M1、M2、Y1およびY2からは、各色5plのインクが吐出され、小吐出量の吐出口列Cs1、Cs2、Ms1およびMs2からは、2plのインクが吐出される。また、隣接する大吐出量の吐出口列間距離(例えば、C1とM1とY1)および隣接する小吐出量の吐出口列間距離(例えばCs1とMs1)は、それぞれ1.376mmとなっている。更に、Y1およびY2以外の隣接する同色の吐出口列の吐出口列間距離(例えばC1とCs1やM1とMs1)は0.254mmであるが、2つのイエローの吐出口列Y1およびY2の距離Lは、0.454mmとなっている。
図5を図10と比較するに、本実施例では、このように2つのイエローの吐出口列Y1およびY2の距離Lが、従来に比べて長くなっていることが特徴となる。すでに説明したように、記録中に浮遊するミストやサテライトは、オリフィスプレート1004の中心線近傍に集積しやすく、それは本実施例の記録ヘッドについても同様である。しかしながら、本実施例のように、最も中心線A−A´に近い位置に対照的に配置する2列Y1およびY2を、中心線A−A´から更に離すことによって、これら吐出口列を構成する吐出口内に中心線近傍に付着するインクが侵入するのを抑制することが出来る。
本発明者らは、本実施例の効果を確認するために、Y1およびY2の距離L=0.454mmとした本実施例の記録ヘッドと、他の構成は本実施例をと同様でありながらY1およびY2の距離L=0.254mmとした記録ヘッドを用意した。この0.254mmという距離は、隣接する同色吐出口列間の距離、すなわちC1とCs1の距離やM1とMs1の距離に一致する。そして、これら2つの記録ヘッドを用い、所定の記録条件の下で記録動作を実行した後、Y1およびY2における混色の発生状況をそれぞれの記録ヘッドについて確認した。具体的には、対称的に配置するシアンのノズル列C1およびC2の個々の吐出口より15KHzの駆動周波数でインクを吐出させながら、主走査方向に600dpiの記録解像度で、100%の一様な画像をA4サイズの記録媒体1枚に記録した。これにより、C1およびC2の吐出口列から合わせて122,880,000回の吐出動作が行われる結果となった。また、記録中の紙間距離すなわちオリフィスプレート104の吐出口面と記録媒体との距離は1.5mmとした。
その後、記録ヘッドに対するメンテナンス処理などを一切行わずに、吐出口列Y1およびY2を均等に用いて一様なイエロー画像を記録し、出力された画像において混色状態を確認した。結果、L=0.254mmの従来の記録ヘッドで記録したイエロー画像には、シアンインクの混色が確認されたのに対し、L=0.454mmとした本実施例の記録ヘッドで記録したイエロー画像では、混色は確認されなかった。
なお、本実施例のように、1つのインク供給路で2つの大吐出量の吐出口列に対応する構成においては、2列の距離Lがあまり短いと吐出時のクロストークに起因した濃度むらが懸念される場合がある。しかし、本実施例のように、2つの吐出口列間の距離をより広げる構成においては、供給路から個々の吐出口まで導く個々のインク路の距離も延びるので、クロストークを抑制させるという別の効果も得られる。
図6は、実施例2のオリフィスプレート104における吐出口の配列状態を説明するための平面図である。本実施例においても、従来例や実施例1と同様、C1、C2、M1、M2、Y1、Y2、Cs1、Cs2、Ms1およびMs2の全10列の吐出口列が、副走査方向に半ピッチずつずれながらも、左右対称の順番に配置されている。各吐出口列から吐出されるインクの量についても、従来例や実施例1と同様である。
本実施例では、隣接する同色の吐出口列の吐出口列間距離、すなわちC1とCs1、M1とMs1、Y1とY2、Ms2とM2、およびCs2とC2の距離は、従来例と等しく全て0.254mmである。また、図に見るように、隣接する同色の吐出口列間の中心線をそれぞれc1、m1、y1、m2およびc2とし、これらの互いの距離をD1、D2、D3およびD4とすると、D1=D2=D4=1.376mmである。その一方で、D3はこれよりも大きな2.003mmとなっている。このようにすることにより、従来では、中心線に最も近いY1とY2は、中心線から0.0254mm/2=0.127mmしか離れていなかったが、本実施例では中心線B−B´に最も近いY2であっても、中心線から0.5mm離れた位置に配置する。
すでに説明したように、ミストやサテライトが付着しやすい部分とは、同色同吐出量の2つの吐出口列の中心線近傍となる。よって、シアンおよびマゼンタに関しては、大吐出量の吐出口列についても小吐出量の吐出口列についても、B−B´近傍に最も多くのインクが付着しやすいことになる。従って、本実施例のように、この中心線に最も近い位置にあるイエローの吐出口列を、図のように中心線の片側に寄せながらも中心線から十分に距離を置いた位置に配置させることによっても、イエローにおける混色を回避することが出来る。
なお、本例の場合、イエローの吐出口列Y1およびY2の吐出に伴うインクの付着は、中心線B−B´から外れた、Y1とY2の中心線の位置となる。但し、ここに付着したイエローインクが、同じインクをする吐出吐出口列Y1およびY2に進入しても、混色は起こらない。よって、本実施例においても実施例1と同様の効果を得ることが出来る。
本発明者らは、本実施例の効果を確認するために、D3=2.003mmとした本実施例の記録ヘッドと、他の構成は本実施例をと同様でありながらD1=D2=D3=D4=1.376mmとした記録ヘッドを用意した。そして、これら2つの記録ヘッドを用い、実施例1と同じ記録条件の下で記録動作を実行した後、Y1およびY2における混色の発生状況をそれぞれの記録ヘッドについて確認した。結果、D3=1.376mmの従来の記録ヘッドで記録したイエロー画像には、シアンインクの混色が確認されたのに対し、D3=2.003mmとした本実施例の記録ヘッドで記録したイエロー画像には、混色は確認されなかった。
図7は、実施例3のオリフィスプレート104における吐出口の配列状態を説明するための平面図である。本実施例においても、従来例や上記実施例と同様、C1、C2、M1、M2、Y1、Y2、Cs1、Cs2、Ms1およびMs2の全10列の吐出口列が、副走査方向に半ピッチずつずれながらも、所定の順番に並列されている。各吐出口列から吐出されるインクの量についても、従来例や実施例1と同様である。
本実施例では、双方向記録で記録媒体に対するインクの付与順序が往方向および復方向で等しくなるようにしながらも、各色各吐出量に用意された2列ずつの吐出口列の中心線が、オリフィスプレートの中心線に一致しないように配置させていることを特徴とする。
以下、個々の吐出口列の配列状態を具体的に説明する。図10、図6および図7で示した従来例や上記実施例では、外側から順に、シアンの大液滴用、シアンの小液滴用、マゼンタの大液滴用、マゼンタの小液滴用、イエローの大液滴用の順で個々の吐出口列が配列されていた。このような構成においては、全てのインク色、全ての吐出量において、その中心線がオリフィスプレート104の中心線と一致していた。これに対し、図7に示す本実施例では、最も外側に配置するのは、片側はシアンの大吐出量の吐出口列であるが、もう片側はシアンの小吐出量の吐出口列となっている。そして、その内側において、シアンの小吐出量の吐出口列とシアンの大吐出量の吐出口列がそれぞれ左右に配置している。更に内側に配置するマゼンタの大吐出量と小吐出量の吐出口列に関しても、上記シアンと同様の配置関係になっている。このような構成においては、同色同吐出量を吐出する2列の吐出口列の中心線、すなわちこれら吐出口列の吐出動作に伴って発生するミストが多く付着する箇所は、オリフィスプレート104の中心線C−C´よりも左右いずれかにずれる結果となる。
例えば、図7において、シアンの大吐出量を吐出するC1とC2の中心線はオリフィスプレートの中心線C−C´に対し左側にずれ、Ms1とY1の間に位置するようにしている。シアンの小吐出量を吐出するCs1とCs2の中心線はオリフィスプレートの中心線C−C´に対し右側にずれ、M2とY2の間に位置するようにしている。また、マゼンタの大吐出量を吐出するM1とM2の中心線はオリフィスプレートの中心線C−C´に対し左側にずれ、Ms1とY1の間に位置するようにしている。更に、マゼンタの小吐出量を吐出するMs1とMs2の中心線はオリフィスプレートの中心線C−C´に対し右側にずれ、M2とY2の間に位置するようにしている。本実施例においては、このように中心線の位置を各色各吐出量で異ならせつつも、オリフィスプレートの略中心に位置するイエローの2つの吐出口列を互いに近づけることにより、シアンやマゼンタの中心線がイエローの吐出口列の間から外れるようにしている。
具体的な数値を、図を参照しながら以下に示す。本実施例において、シアンおよびマゼンタの隣接する吐出口列間の距離D7は0.75mmとしているのに対し、イエローの吐出口列Y1およびY2の距離D8は0.254mmとしている。また、隣接する同色の吐出口列間の中心線c1、m1、y1、m2およびc2の互いの距離D1、D2、D3およびD4は、全て等しく1.376mmとしている。このような構成において、イエローの吐出口列Y1およびY2は、シアンおよびマゼンタの個々の中心線から外れ、近い方の吐出口列でも、0.248mmの距離をおくことが出来る。これは、従来例の0.127mmに対し、略倍の距離となっている。
本発明者らは、本実施例の効果を確認するために、図7に示した本実施例の記録ヘッドと、従来例の記録ヘッドを用い、実施例1と同じ記録条件の下で記録動作を実行した後、Y1およびY2における混色の発生状況をそれぞれの記録ヘッドについて確認した。結果、従来の記録ヘッドで記録したイエロー画像には、シアンインクの混色が確認されたのに対し、図7に示す本実施例の記録ヘッドで記録したイエロー画像には、混色は確認されなかった。
図8は、本実施例の変形例を説明するための吐出口の配列状態を示す平面図である。双方向記録時の記録媒体に対するインクの付与順所を一定に保ちながら、各色各吐出量の中心線をオリフィスプレート104の中心線からずらす方法は、図7に示す配列に限るものではない。図8では、マゼンタの大吐出量の吐出口列M1、M2と小吐出量の吐出口Ms1およびMs2の配置状態を、図7に対して更に変更しながらも、各色各吐出量で中心線の位置を異ならせるようにした例を示している。具体的には、シアンの大液滴を吐出するC1とC2の中心線はオリフィスプレートの中心線C−C´に対し左側にずらし、シアンの小液滴を吐出するCs1とCs2の中心線はオリフィスプレートの中心線C−C´に対し右側にずらす。また、マゼンタの大液滴を吐出するM1とM2の中心線はオリフィスプレートの中心線C−C´に対し右側にずらし、マゼンタの小液滴を吐出するMs1とMs2の中心線はオリフィスプレートの中心線C−C´に対し左側にずらす。このような配置状態であっても、図7と同様に、本実施例の効果を得ることが出来る。
以上説明した3つの実施例では、いずれにおいても、同色同吐出量の2列の吐出口列(第1の吐出口列および第2の吐出口列)の間の中心線が、全ての吐出口列から所定以上の距離を置くように各吐出列が配置されている。すなわち、同色同吐出量の第1の吐出口列と第2の吐出口列によって最もインクが付着しやすい領域から外れるように、各色の吐出口列が配置されている。本発明者らの鋭意検討によれば、このような所定距離とは、0.2mm以上であることが好ましいことが確認された。
なお、以上の実施例では、シアン、マゼンタおよびイエローの3色のインクを用い、イエローを中央に配置する構成で説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではない。双方向記録を行った際に、往方向でも復方向で喪記録媒体に対するインクの付与順序が等しくなるように配置される構成であれば、より多くのインク色やより多段階の液適量を用いてもよいし、イエローを中心とするような配列順序でなくても構わない。また、インクの液滴量が複数段階に用意されていない記録ヘッド構成、例えば図9のような記録ヘッドであっても、実施例1や実施例2で説明した本発明の効果を得ることは出来る。
本発明に適用可能なシリアル型のカラーインクジェット記録装置の内部構成を説明するため斜視図である。 記録ヘッドに対し、3つのインクタンクを独立に着脱する様子を説明するための図である。 記録ヘッドの構成を詳細に説明するための図である。 (a)および(b)は、記録素子基板の構造を説明するための平面図および断面図である。 実施例1のオリフィスプレートにおける吐出口の配列状態を説明するための平面図である。 実施例2のオリフィスプレートにおける吐出口の配列状態を説明するための平面図である。 実施例3のオリフィスプレートにおける吐出口の配列状態を説明するための平面図である。 実施例3のオリフィスプレートにおける吐出口の配列状態の別例を説明するための平面図である。 対称型の記録ヘッドにおける吐出口の配列例を説明するための模式図である。 対称型の記録ヘッドの別の構成例を説明するための模式図である。 全吐出口列を用いて所定の周波数で一様な画像を記録した後の、オリフィスプレートにおけるインクミストの付着状態を説明するための図である。
符号の説明
100 記録ヘッド
101 吐出口
104 オリフィスプレート
105 シリコン基板
107 ヒータ
108 駆動回路
109 接続素子
110 記録素子基板
111 インク供給路
200 インクジェット記録装置
201 キャリッジ
202 インクタンク
204 スクリュー軸
205 搬送ローラ

Claims (10)

  1. インクを吐出する吐出口を配列してなる吐出口列の複数を、前記配列の方向とは交差する方向に並列して構成されるインクジェット記録ヘッドにおいて、
    前記複数の吐出口列は、同色で同吐出量のインクを吐出する第1の吐出口列と第2の吐出口列を少なくとも含み、
    前記第1の吐出口列と前記第2の吐出口列の間の中心線は、前記複数の吐出口列のいずれとも所定以上の距離をおいて配置されていることを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  2. 前記第1および第2の吐出口列とは異なる同色のインクを吐出する2列の前記吐出口列が、前記中心線を挟んで隣接して配置していることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド。
  3. 前記第1および第2の吐出口列とは異なる同色のインクを吐出する2列の前記吐出口列が、前記中心線の片側に隣接して配置していることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド。
  4. 前記複数の吐出口列は、同色で同吐出量のインクを吐出する第1の吐出口列と第2の吐出口列を、複数のインク色および複数の吐出量について含み、前記中心線の位置は、インク色あるいは吐出量ごとに異なっていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド。
  5. 前記配列の方向とは交差する方向の往方向においても復方向においても、インク色の配列する順番が等しくなるように、前記複数の吐出口列が並列して構成される請求項1乃至4のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッド。
  6. 隣接する2列の前記吐出口列に対し、共通して同色のインクを供給するためのインク供給路を備えていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッド。
  7. 前記2列の吐出口列は互いに吐出量の異なるインクを吐出することを特徴とする請求項6に記載のインクジェット記録ヘッド。
  8. 前記2列の吐出口列は前記配列の方向に対し、前記吐出口の配列するピッチが互いにずれていることを特徴とする請求項7に記載のインクジェット記録ヘッド。
  9. 前記複数の吐出口列は、シアン、マゼンタおよびイエローのインクを吐出する吐出口列を含むことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッド。
  10. 請求項5に記載の記録ヘッドを、記録媒体に対し相対的に移動させながらインクを吐出する往復の記録走査と、前記記録媒体を搬送する副走査とを間欠的に行うことにより、前記記録媒体に段階的に画像を記録することを特徴とするインクジェット記録装置。
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