JP2009005939A - 炊飯器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】調理物を収納する内鍋2と、内鍋2を収納する炊飯器本体と、当該炊飯器に振動を与えて内鍋2に収納された調理物を振動させる加振手段6と、加振手段6の加振動作を制御する制御手段4と、を備え、制御手段4は、内鍋2の振幅が0.1μm以上となるように加振手段6の加振動作を制御する。
【選択図】図17
Description
図1は、本発明の実施の形態1に係る炊飯器1の側断面図である。
炊飯器1には、炊飯のため所定量の米と水を入れた内鍋2が納められている。内鍋2は炊飯器1本体と着脱自在に構成されている。また、内鍋2は、サポーター8に支持されて本体に収納されている。
炊飯器1の蓋を閉じて操作パネル3に搭載されている炊飯スイッチ(図示しない)を押すと、炊飯開始の情報が制御装置4に送られ、制御装置4に搭載されているマイコン(図示しない)に組み込まれた制御プログラムの指示にしたがって炊飯動作が進行する。
ここでは、加振装置6はサポーター8に取り付けられており、サポーター8を加振することで内鍋2を振動させている。
なお、加熱制御や加振制御は、温度センサ7やマイコン内に組み込まれた時間測定手段(図示しない)を入力要素としてコントロールされる。時間測定手段は、マイコンの内部クロックや、外部から無線通信等により時刻を取得する手段などにより実現することができる。
例えばサポーター8に穴を開けて内鍋2に直接接するようにしても良いし、また、別の部位に取り付けてもかまわない。
図2(a)は、炊飯器1を裏面から見た図であり、ここでは4個の足部9a〜9dと、それぞれの足部に備えられた足部弾性体10a〜10dで、炊飯器1を支えている例を示している。
図2(b)は、足部9cのみ拡大した図である。足部弾性体10a〜10dは、それぞれの足部9a〜9dの中央に配置してもよいが、図2(b)のように、中心よりも外側寄りに配置すると、炊飯器1の底面が熱変形して反った場合も確実に床面に接するので、より確実に安定した振動を生み出すことができなお良い。
操作パネル3に搭載されている炊飯スイッチが押されると、炊飯動作が開始する。炊飯動作は、(1)予熱工程、(2)沸騰工程、(3)蒸らし工程、を経て終了する。
これらの処理は、全て制御装置4に搭載されているマイコンに組み込まれた制御プログラムで実現される。
予熱工程は約15分から20分程度の時間を要し、水温を約50℃から約60℃程度まで上げて、その後温度一定制御させる工程である。本工程では、米に水を吸わせることと、糖化酵素の働きで糖度を増加させる作用がある。
(2)沸騰工程
沸騰工程では、火力を上げて水を沸騰状態にさせ、鍋内の水がなくなるまで沸騰を継続させる。本工程では、米のでんぷんをアルファ化させる作用がある。
鍋内の水がなくなるとそれまで水の蒸発潜熱で消費されていた熱が鍋温度を上昇させることに使われるようになり、急激に鍋温度が上昇する。これをドライアップと呼び、鍋底の温度センサ7でこの温度上昇をとらえて沸騰工程を終了とし、以降蒸らし工程に入る。
(3)蒸らし工程
10分から15分程度蒸らした後、炊飯を終了する。
ただし、炊飯動作が沸騰工程に入ってしまうと、米表面が糊化するため米内への吸水は難しくなる。そのため、予熱工程で米の芯まで十分に吸水させることが重要である。
つまり、予熱工程の吸水具合によりおいしさが異なってくることとなる。
予熱工程中の糖化酵素の働きにより、米のおいしさの一要素である糖が生成されるが、この糖化酵素が最もよく働く温度帯域は40℃から60℃、特に活性化する温度は55℃から60℃とされており、また、60℃を超えると酵素が失活するとされている。
温度ムラが大きいと、鍋内の場所によって、この温度帯域にとどまる時間が異なり、その結果場所により甘さが異なったり、場合によっては一部60℃を超えてしまう場所も生じ、場所により糖度が低い部分が生じ、全体としても糖度が少ないご飯となってしまう場合があった。
つまり、温度ムラを極力抑えることでどの部分でも糖化酵素が十分に働き、全体としてもおいしいご飯が炊けることがわかる。
米に振動を与えるためには、炊飯器に振動を与えて内鍋を振動させるとよい。以下、振動を与える構成について説明する。
超音波振動子を用いる場合は、素子のコストや駆動するための電源部にコストがかかるという課題がある。一方、低周波の場合は、超音波に比べ加振のためのモータや電源部を低コストで実現でき、また小さな電力で大きな振幅が得られる利点がある。
同じ性能が得られるのであれば、より低コストで製造できる製品のほうが消費者にも安価で提供でき、特に炊飯器のような製品では重要であり、低周波による加振装置の課題を克服して、こちらを搭載するほうが望ましい。
図3(A)は加振装置6の全景を示しており、図3(B)は、加振装置6のケース12と蓋13を分解したもの、図3(C)は加振装置6の内容物を示している。
これらを組み合わせた全長はケース12の内寸よりも大きく、ばねを圧縮して組み入れ、蓋をすることで、ケース内部でばね圧により固定されることとなる。
なお、連結用部材16の長さは、ばねが圧縮されてもケース12や電磁石14に接触しない長さに設計されている。
連結用部材16と永久磁石17は、永久磁石17の磁力のみで固定されている。なお、接着剤や両面テープを介しても良い。
なお、円筒ばねを用いた場合は、連結用部材16を先端に向かうにつれ細くする等で対応すればよい。この場合は、より安価なばねで実現できるが、逆に連結用部材16の加工が複雑になり、トータルコストは上昇する可能性もあるので、よく見積もる必要がある。
電磁石14の対面には永久磁石17が連結用部材16の先端に固定されており、電磁石14の極性変化に応じて、吸引と反発を繰り返すこととなる。その結果、ばね15a、15bの圧縮伸張が生じ、連結用部材16が滑らかに振動することとなる。
さらに、ばね15a、15bは円錐形状をしているので、連結用部材16がばね15a、15b自体と接触することを避けることができ、その結果、振動音の少ない静かな振動を実現できるメリットがある。
また、電磁石14は永久磁石17や連結用部材16よりも上部に位置するように構成されているので、万一ばねが劣化した場合でも、電磁石14と永久磁石17の接触を避けることができ、安定した効果を発揮できる。
穴18は制御装置4のある方向に位置しており、最短距離で制御装置4と接続できるようになっている。また、制御装置4を冷却する冷却風が制御装置4の方向から流れてくるので、その風が穴18から加振装置6の内部に入りやすいようになっており、加振装置6内の電磁石14を冷却する効果を得る。
加振装置6は、その他はほとんど密閉されており、振動により生じる音の漏れを抑制し、使用者に不快感を与えない構造とすることが出来るメリットもある。
図4に示すように、連結用部材16の先端を凹状に削り、その中に永久磁石17を入れる構成にすると、永久磁石17の横ズレが防止できるので、接着剤無しで磁力のみで安定してつけることができ、あるいは接着力の弱い安価な接着剤や両面テープなどで簡単に固定するのみでよく、簡単な構成で磁石を固定できるメリットがある。
加振装置6’は、ケース12’と蓋13’、そして内部部品で構成される。内部部品は図3の場合と同様なので説明を省略する。
ケース12’と蓋13’はねじを通すための穴19を備え、炊飯器にねじ止め固定される。これらの構成について、次の図5で説明する。
図6に示すように、ケース12’と蓋13’は、ねじを通すための穴19で、炊飯器に設置する際に友締めされるよう構成されている。この構成により、組立作業が容易になり、作業時間も短縮され、結果として組立工賃を抑制でき、安価な炊飯器を提供できるメリットがある。
なお、図示していないが、片側に凸形状のピンを立て、受け側にそのピンが入る穴を構成しておけば、さらに位置決めが容易になり、作業性が向上する。
同図に示すように、サポーター8に斜めに取り付ける形態でも良い。この場合は、効果的に内釜に立て振動を与えることができ、対流を促進し内釜内の温度分布を改善することで加熱ムラが抑制され、さらに内釜の円周方向にも水の回転移動を生じさせることができるのでさらに内釜内の温度分布を改善することで加熱ムラが抑制され、低コストでおいしいご飯を提供できる炊飯器を得ることができる。
同図に示すように、加振装置6を炊飯器本体の内側の部品に取り付ける際に、炊飯器本体と加振手段6の間に緩衝材20を介在させることも有効である。加振装置6ではばねによる振動のほかに高調波成分が生じる場合があり、耳につく音となってしまう場合があるが、緩衝材20を介在させることによりこの高調波成分を除去することが出来、音の静かな振動装置6を得ることが出来ることとなる。
炊飯器は、一般に、上から見たときには、卵形状をしたものか、正方形に近い形状のものがほとんどである。
図9(A)は、卵形状をした炊飯器を上から見た図で、大きな部材としては内鍋2と制御装置4、蓋開閉のためのばね部材21があり、四隅のコーナー部に縦方向に伸びた空間22a、b、c、dが存在する。
図9(B)は、正方形タイプの炊飯器で、この場合は制御装置4は蓋に設置されるので、この図内には存在しないが、内鍋2と蓋開閉のためのばね部材21があり、やはり四隅のコーナー部に空間22a、b、c、dが存在する。
加振装置6は、上述のコーナー部のいずれかに設置する。
図9(C)は、四隅以外に設置しようとした場合で、この時は、空間22を設けて加振装置6を設置するスペースを確保するため、炊飯器本体の一部を膨らませる等の処置が必要となり、コストもかかるし見栄えも悪くなり、好ましくない。
先に述べたが、電磁石14は商用交流電源に接続され、交流周波数に応じて電流の向きが変化し、電磁石の片方の面に注目すると、その磁極が交流周波数で変化する。電磁石14の対面には永久磁石17が連結用部材16の先端に固定されており、電磁石14の極性変化に応じて、吸引と反発を繰り返すこととなる。
その結果、ばね15a、15bの圧縮伸張が生じ、連結用部材16が滑らかに振動することとなる。
図10は、負荷である電磁石に交流電流が印加されている場合で、グラフは交流電流を示している。これにより、電磁石の極性もプラスとマイナスに変化する。
このように、交流電流である商用電源を用いれば、簡単に加振装置6を振動できる。
同図に示すように、電磁石14へ半波電流を印加しても良い。図11の回路図は、交流を半波電流に変換する回路の一例で、ダイオード23により、一方の電流は遮断され、結果としてグラフのような半波交流電流を得ることができる。
なお、半波整流の手法は図11に示すものに限られるものではなく、適宜最適な手段で半波整流を行えばよい。
半波交流電流を用いた加振動作について、次の図12で説明する。
ここでは、プラスの電流が流れると電磁石14の永久磁石と向き合う面がN極に、また、永久磁石の電磁石側の磁極をS極とした例で説明する。他の場合でも同様に説明できることはいうまでも無い。
結果として、強い吸引力と弱い吸引力を繰り返すこととなり、加振装置6が振動することとなる。
なお、半波の場合は、電流の休止期間が生じることにより、電磁石14の発熱を抑制できるので、長時間の加振を行っても過熱の問題がないという利点がある。
図12(c)に示すように、鉄芯24の大きい径を電磁石14のボビン内に埋め込む形とすれば、さらに平面が確保でき、ケース12に安定して納まるので、さらに良い。
なお、鉄芯24の大きい径側はケース12(あるいは蓋13’)で押さえられるので、反対側に抜けてしまうことはない。
半波電流が電磁石14に流れている間は、電磁石14の永久磁石17側の極性がS極になり、永久磁石17の上表面のS極と反発し合い、反発力が生じる。電磁石14への通電が途切れている間は、鉄芯24と永久磁石17の間の弱い吸引力が生じている。
結果として、強い反発力と弱い吸引力を繰り返すこととなり、加振装置6が振動することとなる。
また、この場合は鉄芯24と永久磁石17の間に強い吸引力が生じないので、永久磁石17と電磁石14の接触の心配が無く、永久磁石17と電磁石14の接触を確実に抑制することができる。
以下では、振動の強さや振動発生のタイミング、それらの効果について説明する。
図16の黒点のグラフは、加振装置6により振幅1μmで加振した場合、白点のグラフは、加振を行わず自然吸水させた場合を示している。
なお、吸水率の数値は、5分毎に米をサンプル抽出して吸水率を計測したものであり、自然吸水させた場合の20分経過時の値を100として正規化している。計測は、予熱工程の20分間で行った。
このように、予熱工程における加振を行うことにより、吸水率の向上効果が得られることが分かる。次に、振動の振幅について、より詳細に検討する。
図17(a)に示すように、予熱工程の含水率は、振動を与えることで上昇する。振動を与えない場合の含水率を100で正規化した場合、振幅0.5μmで101.8、1μmでは103.0、1.5μmで104.0の含水率となる。
このように、振幅が増加するに従い、米の含水率も増加する。
したがって、同図のグラフより、少なくとも0.1μm以上の振幅を与えることで、含水率の増加効果が得られることがわかる。
さらには、予熱工程の時間を短くして、炊飯時の消費エネルギーを減少させた状態で炊飯を行ったとしても、振動を与えて含水率を増加させることにより、これまでと同等のおいしさのご飯を提供できるメリットが得られる。
周波数以外にも、例えば電磁石への通電量が少ないと、電磁石14の吸引力が低下し、振幅が小さくなってしまうため、同様に適切な通電量の制御が必要である。
加振装置6で与えられる振動は、特に予熱工程で与えることが有効である。これは、50℃から60℃の温度帯に内釜全体を置くことで、糖化酵素の働きにより、内釜全体の糖度が向上し、よりおいしいご飯が炊けることになることによる。
ただし、内釜がこの温度帯にあるときに温度ムラが生じていると、糖化酵素の働きにも同様にムラが生じ、ご飯の糖度の偏り等により美味しさに影響を及ぼしてしまう。
したがって、少なくとも水温が50℃から60℃になるまでの期間において温度ムラを減少させることが、美味しいご飯を炊く上で重要となる。
沸騰工程に入ると火力も強まることから、水の対流が活発になり、温度ムラは自然に改善されるのだが、その前の予熱工程では水温を60℃一定に維持しようとする制御を行うため、水の対流は活発とはならず、温度ムラが自然に改善されることはない。
したがって、本実施の形態1においては、予熱工程において温度が50℃〜60℃の状態にある時に、加振装置6により振動を与えることで、内釜内部の水を攪拌して、温度の均一化を実現することを図っている。
制御装置4は、温度センサ7の検出値を受け取り、水温が50℃〜60℃である期間において、加振装置6を動作させて振動を発生させ、内釜内部の水を攪拌して、温度の均一化を図る。
特に、沸騰工程の初期の60℃から100℃に到達するまでの期間は、温度ムラが存在し、この温度ムラは糖度形成には影響は少ないがかたさや粘りといった要素のムラにはつながってくるので、均一炊飯を実現する観点からも温度むらは少ない方が望ましい。よって、この間も振動を与えることも有効である。
ただし、沸騰工程中で水が全て蒸発して無くなってしまった状態では、水の温度ムラも存在しなくなるので、振動を与える必要はない。よって、水がなくなった時点で振動を停止し、省エネに配慮する。
また、60℃から水がなくなるまでの間のタイミングで振動を終了させても良い。
例えば、沸騰工程立ち上げが終了した、沸騰状態近傍である、ほぼ水温が80℃から100℃になった時点で終了してもかまわない。
80℃から100℃の時点では、水は沸騰状態近傍にあり、以降沸騰が盛んで対流が十分に起こり、自然に温度ムラが改善されることから、この時点で振動を加える効果は小さい。したがって、このタイミングで停止し、省エネに配慮する。
炊飯器1に振動を与える際、加振装置6をずっと継続的に振動させてももちろん良いが、その場合、電磁石14の発熱が生じるので注意を要する。そこで、加振装置6を間欠的に動作させることを考える。
加振装置6への通電率を間欠的にすることで、電磁石14の温度上昇を抑制しつつ、含水率増加の効果も得られることがわかる。その結果、電磁石14の寿命を延ばすことができること、電磁石14の巻線の耐熱グレードを下げることができ、コストが下がり、ユーザーへの供給価格も下げることができるといったメリットが得られる。
なお、通電率の制御は、例えば制御装置4に搭載されているマイコンに組み込まれた制御プログラムで実現できる。
図19において、41は抵抗、42はリレー素子である。交流電源に接続された電磁石14は、回路途中に抵抗41とリレー42を介している。
電磁石14に流れる電流を増大させれば、電磁石14の磁力が強まり、永久磁石17との吸引あるいは反発力が大きくなり、加振装置6の振幅が増大し、結果、炊飯器の振幅も増大する。
逆に、電磁石14に流れる電流を抑制すると、電磁石14の磁力が弱まり、永久磁石17との吸引あるいは反発力が小さくなり、加振装置6の振幅が小さくなり、結果、炊飯器の振幅も小さくなる。
電磁石14へ流れる電流は、その前段に入っている抵抗41の値で変えることができる。抵抗値が大きければ、電流は小さく、抵抗値が小さければ電流は大きくなる。
図19で(a)が選択された場合は、抵抗41の抵抗値が小さいため、電磁石14に大きな電流が流れ、加振装置6は最も強く振動する。リレー42の接点が(b)(c)(d)(e)(f)となるに従い、抵抗値が大きくなって電磁石14に流れる電流も小さくなり、結果振動も弱くなる。
なお、リレー42の(a)から(f)までの全ての接触が切れている場合は、電磁石14への電流が流れないので、振動無しの状態も作ることができる。
このように振動強さを選択できることで、以降説明する、炊飯量や炊飯メニュー、水温に応じた振動の制御が実現できる。また、夜間などは、静音モードを設定することも可能であり、使用者の使い勝手が向上する。
炊飯量を判断したら、少量では振動を弱く、中量では中位に、多量では強く与える。これは、多量の場合、水の量も多いため、より温度ムラが起こりやすくなるからで、そのため強い振動を与える必要がある。少量の場合は、多量に比べて温度ムラは生じにくいので、消費エネルギーの小さい弱振動でよい。
図20(B)は、振動強さの制御を振動の通電率のみで実現している例で、炊飯量が少量の場合には、通電率を50%と低めに設定している。多量の場合は、通電率を100%と高く設定している。
なお、図19で示した炊飯量と振動強さは一例であって、炊飯量をもっと細かく設定して振動強さを細かくコントロールすれば、さらに吸水に優れた、エコロジーでおいしい炊飯を実行できる。
あるいは、ユーザに操作パネル3で炊飯量をボタン入力してもらう方法でも良いし、炊飯器の足につけた重量センサで重量を測定して判断する方法でもよい。
例えば玄米は白米に比べ、外皮の影響から米への吸水に時間がかかるため、炊飯メニューで玄米が選択された場合は、振動を強くすることで吸水を促進させ含水率を向上させるよう機能させる。
また、炊飯メニューでおかゆが選択された場合は、おかゆは多量の水で一気に煮る炊飯となることから、加振を与えることにあまり意味はなくなるので、振動無しとする。
図21(B)は、振動強さの制御を振動の通電率のみで実現している例で、白米の場合は通電率75%、玄米の場合は通電率100%と高く、おかゆの場合は0%と設定している。
なお、図21で示した炊飯メニューと振動強さは一例であって、他の炊飯メニューでも同様に効果具合と消費エネルギーを勘案して振動強さを選択することで、吸水に優れた、エコロジーでおいしい炊飯を実行できる。
水温を判断したら、低温では振動を強く、中量では中位に、多量では弱く与える。これは、低温の場合、部分的に温度が上昇することで温度ムラが大きくなるため、強い振動を与える必要がある。高温の場合は、低温に比べて温度ムラは生じにくいので、消費エネルギーの小さい弱振動でよい。
図22(B)は、振動強さの制御を振動の通電率のみで実現している例で、炊飯量が低温の場合には、通電率を100%と高く設定している。高温の場合は、通電率を50%と低く設定している。
なお、本実施例の水温と振動強さは一例であって、水温をもっと細かく設定して振動強さを細かくコントロールすれば、さらに吸水に優れた、エコロジーでおいしい炊飯を実行できる。
なお、内鍋の存在の検知は、例えば炊飯初期にIHコイルに極短時間電流を流してその電流値を読み取り、異常値であれば内鍋が無いと判断することにより行う。内鍋が存在しないと判断した場合は、警告音を発して加熱を停止するようにしてもよい。
実施の形態1では、振動について、主に予熱工程での振動と、一部沸騰工程での振動について説明した。本発明の実施の形態2では、保温工程における振動について説明する。
また、高温であると、ご飯のにおいや乾燥によるぱさつき、変色などが生じて、おいしくなくなるといった現象が起こる。
その結果、再び蓋を開けたときの、特定部位のみへの露の落下を抑制でき、おいしいご飯を提供できるメリットがある。
また、蓋をあけた後は露が生じやすいので振動時間を増やすなどの制御も有効である。
実施の形態1〜2で説明したように、炊飯器に振動を与えることによりさまざまな効果が得られるが、振動を与える時、同時に振動音も生じてしまう課題がある。この振動音は、特に振動音に慣れるまでは、従来の炊飯器で聞いてきた音とは異なることから、故障したのではないかと判断されてしまう可能性もある。
(2)液晶表示部や操作パネル近傍、あるいはその他任意の見やすい位置に、LEDなどの発光体を配置し、振動にあわせて点灯や点滅をさせたり、振動中は休止期間も含めて点灯させる。
(3)振動開始の合図として報知音を鳴らす、もしくは音声で振動開始や振動中であることを報知する。
いずれの手法を用いて報知手段を実現する場合であって、報知手段の動作は、例えば制御装置4に搭載されているマイコンに組み込まれた制御プログラムで実現できる。
Claims (13)
- 調理物を収納する内鍋と、
前記内鍋を収納する炊飯器本体と、
当該炊飯器に振動を与えて前記内鍋に収納された調理物を振動させる加振手段と、
前記加振手段の加振動作を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記内鍋の振幅が0.1μm以上となるように前記加振手段の加振動作を制御する
ことを特徴とする炊飯器。 - 調理物の温度を検出する温度検出手段を備え、
前記制御手段は、
前記温度検出手段の検出値を受け取り、その値が50℃以上60℃以下である期間において、前記加振手段を加振させる
ことを特徴とする請求項1に記載の炊飯器。 - 前記制御手段は、前記加振手段を間欠的に加振させる
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の炊飯器。 - 前記制御手段は、
前記加振手段の加振強度を制御し、または加振の有無を制御する
ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の炊飯器。 - 調理物の量を検知する量検知手段を備え、
前記制御手段は、
前記量検知手段の検出値を受け取り、その検出値に応じて、前記加振手段の加振時間、加振強さ、通電率の少なくとも1つを制御することにより、
前記量検知手段の検出値に応じて前記加振手段の加振強さを制御する
ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の炊飯器。 - 当該炊飯器の炊飯メニューを設定する操作部を備え、
前記制御手段は、
前記操作部の設定値を受け取り、その設定値に応じて、前記加振手段の加振時間、加振強さ、通電率の少なくとも1つを制御することにより、
前記操作部の設定値に応じて前記加振手段の加振強さを制御する
ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の炊飯器。 - 前記制御手段は、
前記温度検出手段の検出値を受け取り、その検出値に応じて、前記加振手段の加振時間、加振強さ、通電率の少なくとも1つを制御することにより、
前記温度検出手段の検出値に応じて前記加振手段の加振強さを制御する
ことを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の炊飯器。 - 前記制御手段は、
前記温度検出手段が温度検出を行っている間は前記加振手段の振動を停止させる
ことを特徴とする請求項2ないし請求項7のいずれかに記載の炊飯器。 - 前記内鍋が前記本体に収納されているか否かを検出する内鍋検出手段を備え、
前記制御手段は、
前記内鍋検出手段が内鍋の収納を検出している際に、前記加振手段の振動を停止させる
ことを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の炊飯器。 - 前記制御手段は、
前記温度検出手段の検出値を受け取り、その検出値が沸騰温度近傍に達した際に、前記加振手段の振動を停止させる
ことを特徴とする請求項2ないし請求項9のいずれかに記載の炊飯器。 - 前記制御手段は、
当該炊飯器が保温動作を行っている際に、前記加振手段を断続的に振動させる
ことを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の炊飯器。 - 前記加振手段の加振状態を報知する報知手段を備えた
ことを特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれかに記載の炊飯器。 - 前記報知手段は、
光源による光、液晶画面による表示、報知音、音声案内による報知、のうち少なくとも1つを用いて前記加振手段の加振状態を報知する
ことを特徴とする請求項12に記載の炊飯器。
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