JP3222650U - 電磁調理器 - Google Patents
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Abstract
【課題】電磁調理器により調理される調理物に超音波または音波を付与するに際して適切な超音波を付与することが可能な電磁調理器を提供する。【解決手段】筐体3と、この筐体3の上部に設けられる調理用容器の載置部1と、載置部1の下部に配置される加熱調理用の電磁コイル5と、超音波または音波を発生させて調理用容器に超音波または音波を伝達する超音波/音波発生部4と、超音波/音波発生部が発生する超音波または音波の周波数を制御可能な制御部とを備えている。【選択図】図2
Description
本考案は、超音波または音波を利用した電磁調理器に関する。
調理物に超音波または音波を与えて適当な振動を与えることで、風味や特質を向上させたり、調理物への味の浸透を促進するなどの調理効果があることが知られている。その他にも、ワイン等に適当な振動を与えることで風味や特質が変わることも知られている。また、調理物に振動を与える場合、振動周波数や振幅の大きさによってその効果が変わる。
下記の特許文献1に開示される超音波調理器は、超音波振動子と、該超音波振動子の近傍に装着したコイルとを備え、電磁調理器(IH調理器、誘導加熱)から発生する電磁界でコイルに発生した起電力で超音波振動子を起動する。そして、ケースの上に軟質シート又は水性ゲルを介して煮炊きする物を入れた調理鍋を載置して調理するものである。これにより、調理鍋の中の煮炊きするものを煮込むとともに、超音波によって煮炊きする物にだし汁が浸透して更においしくなるという効果を有する。
しかしながら、上記特許文献の構成は、電磁調理器の出力が超音波振動子を駆動するために使用されるものであり、本来の調理に必要な加熱の電力が低下して調理に要する時間が長くなるという欠点があった。また、上記特許文献の電磁調理器の加熱効率については、電磁調理器と加熱される鍋の間に超音波調理器が設けられるため電磁調理器と加熱される鍋の間に空隙が(距離)生じることにより電磁調理器から加熱用鉄板に与えられるエネルギー(鉄系金属に発生する渦電流)効率が低下する欠点があった。
さらに、超音波振動子により加振する周波数は、電磁調理器の周波数に固定されるため、調理物によってはその周波数が最適な状態ではないこともありうる。
本考案は上記実情に鑑みてなされたものであり、その課題は、電磁調理器により調理される調理物に超音波または音波を付与するに際して適切な超音波または音波を付与することが可能な電磁調理器を提供することである。
上記課題を解決するため本考案に係る電磁調理器は、
筐体部と、この筐体部の上部に設けられる調理用容器の載置部と、
前記載置部の下部に配置される加熱調理用の電磁コイルと、
超音波または音波を発生させて調理用容器に超音波または音波を伝達する超音波/音波発生部と、
この超音波/音波発生部が発生する超音波または音波の周波数を制御可能な制御部と、を備えていることを特徴とするものである。
筐体部と、この筐体部の上部に設けられる調理用容器の載置部と、
前記載置部の下部に配置される加熱調理用の電磁コイルと、
超音波または音波を発生させて調理用容器に超音波または音波を伝達する超音波/音波発生部と、
この超音波/音波発生部が発生する超音波または音波の周波数を制御可能な制御部と、を備えていることを特徴とするものである。
かかる構成による電磁調理器の作用・効果を説明する。載置部の上に載置される調理用容器(鍋・フライパンなど)内の調理物に対しては、電磁コイルにより誘導加熱調理がなされる。また、調理用容器に超音波または音波を伝達する超音波/音波発生部を備えている。制御部は、超音波/音波発生部が発生する超音波または音波の周波数を制御可能であり、かつ、電磁コイルの駆動に依存することなく、独立して制御が可能である。従って、調理物の特性にあった周波数に基づいて超音波または音波を付与することができる。その結果、電磁調理器により調理される調理物に超音波または音波を付与するに際して適切な超音波を付与することができる。また、載置部の下部に加熱調理用の電磁コイルが配置されており、加熱効率が低下することもない。
本考案において、超音波または音波による振動が前記筐体部に伝達するのを抑制する緩衝材を備えていることが好ましい。
超音波または音波の振動が筐体に伝わるとその分超音波または音波が減衰するので、それを抑制するための緩衝材を設けることで効率よく超音波または音波を調理物に伝達することができる。
本考案に係る前記載置部には、穴が形成され、前記超音波/音波発生部の上端面が調理用容器に直接接触可能に構成されていることが好ましい。
かかる構成により、調理用容器に対して直接的に超音波または音波を伝達することができ、効率よく超音波または音波を伝達することができる。
本考案において、前記載置部の裏面に、前記超音波/音波発生部の上端面が接触するように構成されていることが好ましい。
かかる構成によると、載置部に穴を形成することなく、載置部を介して超音波または音波を間接的に伝達することができる。
本考案において、前記上端面に音の発生を抑制するための保護材を設けたことが好ましい。かかる構成により、騒音の発生を抑制しつつ超音波を伝達させることができる。
本考案において、調理用容器が載置部の面上で移動するのを抑制する突出部を設けたことが好ましい。
超音波または音波を調理用容器に伝達しているときに調理用容器が載置面上で移動する可能性があるので、突出部を設けることで調理用容器の移動を抑制して安定した状態で調理を行うことができる。
本考案に係る前記超音波/音波発生部は、磁石と可動コイルの組み合わせからなり、前記制御部は、可動コイルに流す電流を制御することが好ましい。なお、磁石は永久磁石でもよいし電磁石であっても良い。
かかる構成によれば、可動コイルを駆動することで超音波または音波を伝達することができる。可動コイルに流す電流を制御することで超音波または音波の周波数や振幅などを調整することができる。
本考案に係る電磁調理器(IH調理器)の好適な実施形態を図面を用いて説明する。図1は、第1実施形態に係る電磁調理器の平面図である。図2は、第1実施形態に係る電磁調理器の内部構造を示す断面模式図である。図2において、鍋を想像線で示している。
<第1実施形態>
図1に示すように、電磁調理器は、載置部1と操作部2を有する。載置部1は、ほぼ円形であり、鍋、フライパンなどの調理用容器がその上に置かれる。操作部2は、電源ボタン、温度設定部などが設けられており、周知の構成及び機能を有する。載置部1の中央には、穴10が形成されているが、これについては後述する。なお、載置部1の形状は特定の形状に限定されるものではない。
図1に示すように、電磁調理器は、載置部1と操作部2を有する。載置部1は、ほぼ円形であり、鍋、フライパンなどの調理用容器がその上に置かれる。操作部2は、電源ボタン、温度設定部などが設けられており、周知の構成及び機能を有する。載置部1の中央には、穴10が形成されているが、これについては後述する。なお、載置部1の形状は特定の形状に限定されるものではない。
載置部1は、結晶化ガラス、強化ガラス、セラミックガラス等の素材で形成されるが、特定の素材に限定されるものではない。筐体3の上部は開口しており、その開口をふさぐように載置部1が取り付けられる。載置部1の中央に穴10が形成されている。
中央部に超音波/音波発生部4が設けられており、その上端面4aが穴10に挿入されて、直接調理用容器に接触可能になっている。超音波/音波発生部4は、超音波または音波を発生して、調理用容器に伝達させる機能を有する。なお、上端面4aには保護材9が設けられており、超音波または音波を伝達するときの不快な音の発生を抑制する。なお、保護材9はなくてもよいが、保護材9を設けるときは保護材9の上面が超音波/音波発生部4の上端面であると定義する。保護材9としては、例えば、シリコンゴムを用いることができる。
載置部1の下方には加熱用の電磁コイル5が設けられている。この電磁コイル5により調理用容器の中にある食材の誘導加熱(IH)を行う。電磁コイル5自体は周知の構成である。電磁コイル5の中央には穴が形成されており、その穴を超音波/音波発生部4が貫通するように配置される。また、電磁コイル5の下部にも超音波/音波発生部4を構成する部材が配置される。
調理用容器の中にある調理物は電磁コイル5により加熱されるが、さらに、超音波/音波発生部4により発生する超音波または音波により調理物に対して振動を与えることができる。これにより、風味や特質を向上させたり、調理物への味の浸透を促進するなどの調理効果を付与するものである。
超音波/音波発生部4は超音波だけでなく音波も発生可能な機能を有する。超音波か音波かは与える周波数により制御することができる。調理物に対する効果は超音波だけでなく音波であっても与えることができる。音波領域と超音波領域のそれぞれの特性を反映させることで調理物に対してより効果的な振動を付与することができる。
筐体3の内壁から棚部30が突出しており、電磁コイル5の上下方向の位置決め等を行う。穴10の近傍には、温度センサー6が設けられており、載置部1を介して調理用容器の中にある調理物の温度を検出する。また、載置部1の裏面であって、筐体3の内壁の近くに緩衝材7が設けられている。緩衝材7は、超音波が筐体3の方へ伝達するのを抑制する。これにより、不快な音の発生を抑制することができる。緩衝材7は、載置部1の裏面の適宜の箇所(複数箇所)に設けることもできるし、リング状に形成して単一の部材としてもよい。緩衝材7として、例えば、シリコンゴムを用いることができる。
図6は、制御ブロックを示す図である。制御部8として、温度制御部80と発振制御部81を有している。温調制御部80は、温度センサー6により温度を検出して設定された温度になるように電磁コイル5の制御を行う。発振制御部81は、超音波/音波発生部4により発生する超音波または音波の周波数や振幅等の制御を行う。なお、制御部8の機能は一部のみを取り上げて説明するものであり、他にも電磁調理器を制御するための種々の機能を備えている。制御部8は、マイコン等により構成される。
前述の特許文献1においては、超音波振動子により加振する周波数は、電磁調理器の周波数に固定される。従って、超音波の周波数を制御することができない。しかしながら、調理物によってはその周波数が最適な状態ではないこともありうる。そこで、本考案において、周波数を制御することで調理物に対して最適な周波数を付与することができる。例えば、操作部2において調理物の種類を選択できるようにし、選択された調理物に対応した周波数の超音波または音波を発生できるようにすることができる。
また、電磁コイル5の制御は、超音波/音波発生部4の制御とは独立しており、特許文献1のように電磁コイル5による加熱エネルギーが超音波/音波発生部4のために使用されることはなく、効率よく加熱することができる。
また、特許文献1の構成は電磁調理器の上にさらにコイルと超音波振動子を備えたユニットが搭載されており、電磁調理器と調理用容器との間にかなりの距離が生じている。これにより、電磁調理器から調理用容器に与えられるエネルギー(渦電流発生)効率が低下する。これに対して、本考案の場合は、図2からも分かるように、電磁コイル5と載置部1(調理用容器)の間に大きな距離はない。電磁コイル5と超音波/音波発生部4とは、それらの配置空間が完全に上下に分断されているのではなく、電磁コイル5の中央部に形成された穴に超音波/音波発生部4が部分的に貫通するような構成を採用している。これにより、上下方向のスペースを圧縮して効率のよい部品配置となっている。
次に、超音波/音波発生部4の構成及び原理を図5の模式図により説明する。なお、この図は原理を説明するためのものであり、寸法関係は実際とは異なるものである。磁性体で形成されるヨーク40の上に永久磁石41が搭載されている。永久磁石41の上にはさらに磁性体によるプレート42が設けられている。
ヨーク40の中央に位置する円柱部43には、ボビン44が嵌合され、このボビン44の外周に電磁コイル45が巻回されている。この構成により、ボビン44と電磁コイル45が一体的に垂直方向に可動になる。ボビン44の外周とプレート42の間にはバネ(コイルスプリング)46が設けられており、安定した支持構造としている。バネ46に代えてダンパーを採用してもよい。バネ46は、円周方向に沿って4カ所設けられるが、何カ所設けるかについては適宜設定することができる。
この構成による超音波/音波発生部4は、電磁コイル45に電気信号を付与することで発生するローレンツ力を利用して音波領域から超音波領域までの音波や超音波を発生させるものである。発生する音波や超音波の周波数は、付与する電気信号の周波数により決まる。従って、任意の周波数に対応することが可能であり特定の周波数に固定されない。従って、調理物に適した周波数を加えることが可能になる。
また、圧電式や磁歪式の超音波振動子は自己発熱や加熱による温度上昇が超音波振動子の耐熱温度特性に影響を及ぼすことがあるが、本考案においてはこのような超音波振動子を使用しないので、耐熱の問題を回避することができ温度の制約を受けにくくなる。なお、発振制御部81により音響的に人に聞こえる可聴周波数領域を除外するように制御してもよい。
また、発振制御部81は調理物の種類に応じて発生させる周波数や電力の大きさ、電気信号の印加時間を制御することができる。調理物の種類については、操作部2を介して入力することができる。また、付与する電気信号の種類として連続波や間歇波を選択制御することができる。
また、音波領域から超音波領域までの周波数に対して音波または超音波を効率的に発生させる手段として、静磁場中の電磁コイルのインダクタンスを変える手段がある。さらに特定の周波数に対して効率を上げたり振動の大きさを強調する手段として電磁コイルに対してコンデンサーと組み合わせることによって直列共振回路を構成して効率を上げることもできる。なお、並列共振回路ではインピーダンスが高くなるので直列共振回路が好ましい。
<第2実施形態>
図3は、第2実施形態に係る電磁調理器の平面図である。図4は、第2実施形態に係る電磁調理器の内部構造を示す断面模式図である。
図3は、第2実施形態に係る電磁調理器の平面図である。図4は、第2実施形態に係る電磁調理器の内部構造を示す断面模式図である。
第1実施形態と異なる点は、載置部1に穴が形成されていない点である。載置部1の裏面に超音波/音波発生部4の上端面4aの保護材9が当接している。その他の構成は第1実施形態と同じであるので説明を省略する。
<別実施形態>
本実施形態では、超音波/音波発生部4は1つが設けられているが複数設けられていてもよい。この場合、2つの超音波/音波発生部4を同じ制御にしてもよいし、周波数を変えて制御してもよいし、印加時間もそれぞれ個別に制御できることが好ましい。また、電気信号を連続波にするか間歇波にするかも個別に制御できることが好ましい。本考案に係る超音波/音波発生部4は、超音波と音波の両方を発生するものだけではなく、超音波のみを発生するものであってもよいし、音波のみを発生するものであってもよい。
本実施形態では、超音波/音波発生部4は1つが設けられているが複数設けられていてもよい。この場合、2つの超音波/音波発生部4を同じ制御にしてもよいし、周波数を変えて制御してもよいし、印加時間もそれぞれ個別に制御できることが好ましい。また、電気信号を連続波にするか間歇波にするかも個別に制御できることが好ましい。本考案に係る超音波/音波発生部4は、超音波と音波の両方を発生するものだけではなく、超音波のみを発生するものであってもよいし、音波のみを発生するものであってもよい。
本実施形態では、電磁コイルを上下移動可能な構成にしていたが、これに代えて、電磁コイルを固定し永久磁石を上下動させて超音波または音波を発生するように構成してもよい。また、永久磁石に代えて電磁石を用いてもよい。
本実施形態において、調理用容器が載置部1の面上で移動するのを抑制する突出部を設けてもよい。例えば、突出部としては、所定の高さを有するリング状の土手を形成することができる。あるいは、所定の長さの円弧状の土手を複数個形成してもよい。若しくは、勘合方式(調理用容器が載置部1と勘合する構造)による方法でも良い。
1 載置部
2 操作部
3 筐体
4 超音波/音波発生部
4a 上端面
40 ヨーク
41 永久磁石
42 プレート
43 円柱部
44 ボビン
45 電磁コイル
5 電磁コイル
6 温度センサー
7 緩衝材
8 制御部
80 温度制御部
81 発振制御部
9 保護材
10 穴
2 操作部
3 筐体
4 超音波/音波発生部
4a 上端面
40 ヨーク
41 永久磁石
42 プレート
43 円柱部
44 ボビン
45 電磁コイル
5 電磁コイル
6 温度センサー
7 緩衝材
8 制御部
80 温度制御部
81 発振制御部
9 保護材
10 穴
Claims (7)
- 筐体部と、この筐体部の上部に設けられる調理用容器の載置部と、
前記載置部の下部に配置される加熱調理用の電磁コイルと、
超音波または音波を発生させて調理用容器に超音波または音波を伝達する超音波/音波発生部と、
この超音波/音波発生部が発生する超音波または音波の周波数を制御可能な制御部と、を備えていることを特徴とする電磁調理器。 - 超音波または音波による振動が前記筐体部に伝達するのを抑制する緩衝材を備えていることを特徴とする請求項1に記載の電磁調理器。
- 前記載置部には、穴が形成され、前記超音波/音波発生部の上端面が調理用容器に直接接触可能に構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電磁調理器。
- 前記載置部の裏面に、前記超音波/音波発生部の上端面が接触するように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電磁調理器。
- 前記上端面に音の発生を抑制するための保護材を設けたことを特徴とする請求項3又は4に記載の電磁調理器。
- 調理用容器が載置部の面上で移動するのを抑制する突出部を設けたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電磁調理器。
- 前記超音波/音波発生部は、磁石と可動コイルの組み合わせからなり、前記制御部は、可動コイルに流す電流を制御するものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の電磁調理器。
Priority Applications (1)
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JP2019002000U JP3222650U (ja) | 2019-06-04 | 2019-06-04 | 電磁調理器 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2019002000U JP3222650U (ja) | 2019-06-04 | 2019-06-04 | 電磁調理器 |
Publications (1)
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2019
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