以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る無線通信端末装置100の構成を示すブロック図である。
無線通信端末装置100は、ディジタルテレビチューナ部150を有し、ディジタルテレビチューナ部150は、内部クロック生成回路102、RF回路104、アナログ/ディジタル(以下「A/D」と記載する)部105、直交検波部106、ローパスフィルタ(以下「LPF」と記載する)107、OFDM復調回路108、復号回路109、制御回路111、周波数誤差検出部114、可変ループフィルタ115及び数値制御発振器(Numerical Controlled Oscillator:以下「NCO」と記載する)116を含む。
TVチューナ基準周波数発生部101は、例えば水晶発振回路であり、ディジタルテレビ放送信号を受信処理するための基準周波数信号を生成して、生成した基準周波数信号を内部クロック生成回路102へ出力する。なお、TVチューナ基準周波数発生部101は、チューナ用ICに含まれている場合が多く、その際に、水晶振動子はチューナ用ICに外付けされる。
内部クロック生成回路102は、TVチューナ基準周波数発生部101から入力した基準周波数信号を用いてディジタルテレビチューナ部150の内部で使用する各種クロックを生成する。そして、内部クロック生成回路102は、生成した各種クロックをRF回路104及びその他の回路に供給する。
アンテナ103は、ディジタルテレビ放送信号を受信してRF回路104へ出力する。
RF回路104は、アンテナ103から入力したディジタルテレビ放送信号を増幅するとともに、増幅したディジタルテレビ放送信号から所定のチャネルの信号を選択してLow−IF信号に周波数変換する。また、RF回路104は、A/D部105の入力レベルが一定となるよう自動利得制御処理を行う。そして、RF回路104は、周波数変換及び自動利得制御処理後のLow−IF信号をA/D部105へ出力する。
A/D部105は、RF回路104から入力したLow−IF信号をA/D変換して直交検波部106へ出力する。
直交検波部106は、A/D部105から入力したディジタルLow−IF信号をNCO116から入力したローカル信号で直交検波して、ディジタルベースバンド信号のI成分及びQ成分をLPF107へ出力する。
LPF107は、直交検波部106から入力したディジタルベースバンド信号のI成分及びQ成分より、直交検波により発生する和周波数成分を除去してOFDM復調回路108及び周波数誤差検出部114へ出力する。
OFDM復調回路108は、LPF107から入力したI成分及びQ成分からなるディジタルベースバンド信号をOFDM復調して復調信号を生成し、生成した復調信号を復号回路109へ出力する。
復号回路109は、OFDM復調回路108から入力した復調信号をデインタリーブ及び誤り訂正等の復号処理し、復号処理後のディジタル放送信号を外部へ出力する。これにより、無線通信端末装置100は、図示しない表示画面にディジタル放送による画像を表示することが可能になる。
端末制御部110は、無線通信端末装置100全体の制御を行う。また、端末制御部110は、所定のタイミングで各種の処理の実行命令を発行する。例えば、端末制御部110は、チャネル選局、ディジタルテレビチューナ部150の各ブロックの初期化、ディジタルテレビチューナ部150の各ブロックの停止処理、伝送系アンプの起動処理、伝送系アンプの停止処理、充電回路の動作開始、及び充電回路の動作停止の各種の処理の実行命令を発行する。ここで、伝送系アンプとは、セルラ通信方式の信号の伝送用アンプであり、例えば通信端末装置100に設けられた携帯電話機能による通話を行う際の音声信号の伝送用アンプである。
制御回路111は、ディジタルテレビチューナ部150の各ブロックの制御を行う。例えば、制御回路111は、端末制御部110からのチャネル選局、ディジタルテレビチューナ部150の各ブロックの初期化またはディジタルテレビチューナ部150の各ブロックの停止処理の実行命令を受けて、RF回路104のLo周波数の設定、各ブロックの初期化または各ブロックの停止処理を行う。
特定処理実行通知部112は、端末制御部110から各種の処理の実行命令を発行するタイミングを収集する。そして、特定処理実行通知部112は、TVチューナAFCループ定数制御部113に対して、急激な基準周波数変動を引き起こす特定処理の実行命令を発行するタイミングを通知する。例えば、特定処理実行通知部112は、急激な基準周波数変動を引き起こす特定の内部処理の実行命令を発行するタイミングとして、伝送系送信アンプの起動処理の実行命令を発行するタイミング、伝送系送信アンプの停止処理の実行命令を発行するタイミング、充電回路の動作開始の実行命令を発行するタイミングまたは充電回路の動作停止の実行命令を発行するタイミングを通知する。また、送信アンプの出力は無線通信端末装置100と図示しない基地局との距離で異なり、距離が近い場合は、送信アンプの出力は低いとともに発熱も低いので、必ずしも自動周波数制御ループ定数を変更する必要はない。従って、特定処理実行通知部112は、端末制御部110から送信パワーの設定情報も合わせて収集し、所定の閾値以上の送信パワーが設定された場合にのみ上記の通知を行うようにしても良い。なお、端末制御部110と特定処理実行通知部112とは、別のデバイス(CPU)である必要はなく、同じデバイスに設けても良い。
制御手段としてTVチューナAFCループ定数制御部113は、特定処理実行通知部112から通知を受けた場合は、通知を受けない場合に比べて小さい時定数を設定するように可変ループフィルタ115に指示する。具体的には、TVチューナAFCループ定数制御部113は、特定処理実行通知部112から通知を受けた場合は、通知を受けない場合よりも、可変ループフィルタ115のゲインまたは平滑化パラメータ(フィルタの帯域、移動平均数または忘却係数等)の少なくとも一方を、自動周波数制御における追従性の高い設定に切り換えるように指示する。例えば、TVチューナAFCループ定数制御部113は、伝送系送信アンプの起動、伝送系送信アンプの停止、充電回路の動作開始または充電回路の動作停止の際に、可変ループフィルタ115のゲインを大きくするかまたは可変ループフィルタ115の帯域を広くし、所定の時間経過後に元の設定に戻すように指示する。なお、設定の切り換えは、必ずしも2段階である必要はなく、3段階以上でも良い。
周波数誤差検出部114は、LPF107から入力したベースバンド信号のI成分及びQ成分から周波数誤差を検出する。そして、周波数誤差検出部114は、検出結果である周波数誤差信号を可変ループフィルタ115へ出力する。
可変ループフィルタ115は、TVチューナAFCループ定数制御部113からの指示に従って時定数を設定し、設定した時定数で周波数誤差検出部114から入力した周波数誤差信号を通過させるとともに周波数誤差信号を積分してNCO116へ出力する。なお、可変ループフィルタ115の構成の詳細については後述する。
ローカル信号生成手段としてのNCO116は、可変ループフィルタ115から入力した周波数誤差信号から、所定の発信周波数のディジタル正弦波及びディジタル余弦波からなるローカル信号を生成する。そして、NCO116は、生成したローカル信号を直交検波部106へ出力する。
次に、可変ループフィルタ115の構成について、図2を用いて説明する。図2は、可変ループフィルタ115の構成を示すブロック図である。なお、図2において、可変ループフィルタ115は、ゲイン係数と忘却係数の設定を変えるものであるが、これに限らず、時定数を変えるものであれば、TVチューナAFCループ定数制御部113の指示に従って任意のパラメータを設定することができる。
メモリ201は、複数のゲイン係数Kを各アドレスに記憶しており、TVチューナAFCループ定数制御部113から入力したループフィルタ制御信号で指示されたアドレスに記憶しているゲイン係数Kを乗算器204へ出力する。
メモリ202は、複数の忘却係数αを各アドレスに記憶しており、TVチューナAFCループ定数制御部113から入力したループフィルタ制御信号で指示されたアドレスに記憶している忘却係数αを乗算器205へ出力する。
メモリ203は、複数の(1−α)の値を各アドレスに記憶しており、TVチューナAFCループ定数制御部113から入力したループフィルタ制御信号で指示されたアドレスに記憶している(1−α)の値を乗算器206へ出力する。
乗算器204は、周波数誤差検出部114から入力した周波数誤差信号にメモリ201に記憶しているゲイン係数Kを乗算して乗算器205へ出力する。
乗算器205は、乗算器204から入力したK倍された周波数誤差信号にメモリ202に記憶している忘却係数αを乗算して加算器207へ出力する。
乗算器206は、遅延器208から入力した1周期前の周波数誤差信号にメモリ203に記憶している(1−α)を乗算して加算器207へ出力する。
加算器207は、乗算器205から入力したα倍した周波数誤差信号と乗算器206から入力した(1−α)倍した周波数誤差信号とを加算して遅延器208及び加算器209へ出力する。
遅延器208は、加算器207から入力した周波数誤差信号を1周期遅延させて乗算器206へ出力する。
加算器209は、加算器207から入力した周波数誤差信号と遅延器210から入力した1周期前の周波数誤差信号とを加算して、加算結果を制御信号としてNCO116へ出力する。
遅延器210は、加算器209から入力した周波数誤差信号を1周期遅延させて加算器209へ出力する。
なお、図2において、ゲイン係数Kと忘却係数αの双方の切り替えを可能な構成にしたが、これに限らず、ゲイン係数Kと忘却係数αのいずれか一方のみを切り替えるものであっても良い。また、図2において、ゲイン係数Kと忘却係数αを別々の乗算器で周波数誤差信号に乗算したが、これに限らず、1つの乗算器で乗算しても良いし、乗算器での乗算の代わりにビットシフトを行っても良い。また、図2において、移動平均フィルタを用いる構成にしたが、移動平均フィルタに限定するものではない。
因みに、携帯電話では、信号伝送系で用いられるパワーアンプの発熱量が非常に大きいため、ディジタルテレビチューナ部150と伝送系送信アンプとの実装による位置関係によっては、伝送系送信アンプの発熱により基準発振器の周波数は大きな影響を受ける。つまり、通話若しくは通信を開始した場合、即ち伝送系送信アンプがOFFからONになった場合、及び通話若しくは通信を停止した場合、即ち伝送系送信アンプがONからOFFになった場合に急激な温度変動が生じ、基準周波数が変動する。基準周波数が変動した場合に、RF回路104がチャネル選択するとともに出力するLow−IF信号のキャリア周波数は変化する。この変化が急激な場合は、自動周波数制御が追従できず、周波数誤差が大きくなってBER特性が劣化する。充電回路の発熱量も大きいため、充電回路とディジタルテレビチューナ部150との実装による位置関係によっては、充電回路の発熱による基準発振器の周波数に対する影響も無視できない。本発明の実施の形態1は、このような課題を解決するものである。
また、無線通信端末装置100内のTVチューナ基準周波数発生部101を実装する位置は、温度変動の少ない位置に実装することにより急激な周波数変動に対する性能劣化を大幅に低減することができる。
このように、本実施の形態1によれば、基準周波数を乱すような特定の処理を行う時は、追従性の高い自動周波数制御を行うことにより、急激な周波数変動による受信性能の劣化の低減と通常状態における高い受信性能の維持との両立を図ることができる。
(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2に係る無線通信端末装置300の構成を示すブロック図である。
図3に示す無線通信端末装置300は、図1に示す実施の形態1に係る無線通信端末装置100に対して、合成回路313及び受信品質判定部314を追加し、アンテナ103、RF回路104、A/D部105、直交検波部106、LPF107、OFDM復調回路108、端末制御部110、制御回路111及び特定処理実行通知部112の代わりに、アンテナ301、302、RF回路303、304、A/D部305、306、直交検波部307、308、LPF309、310、OFDM復調回路311、312、端末制御部315、制御回路316及び特定処理実行通知部317を有する。なお、図3において、図1と同一構成である部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
無線通信端末装置300は、ダイバーシチチューナであるディジタルテレビチューナ部350を有し、ディジタルテレビチューナ部350は、内部クロック生成回路102、復号回路109、周波数誤差検出部114、可変ループフィルタ115、NCO116、RF回路303、304、A/D部305、306、直交検波部307、308、LPF309、310、OFDM復調回路311、312、合成回路313、受信品質判定部314及び制御回路316を含む。
アンテナ301は、ディジタルテレビ放送信号をシングルブランチ受信、またはアンテナ302と共にダイバーシチ受信し、受信したディジタルテレビ放送信号をRF回路303へ出力する。
アンテナ302は、ディジタルテレビ放送信号をシングルブランチ受信、またはアンテナ301と共にダイバーシチ受信し、受信したディジタルテレビ放送信号をRF回路304へ出力する。
内部クロック生成回路102は、TVチューナ基準周波数発生部101から入力した基準周波数信号を用いてディジタルテレビチューナ部350の内部で使用する各種クロックを生成する。そして、内部クロック生成回路102は、生成した各種クロックをRF回路303、RF回路304及びその他の回路に供給する。
RF回路303は、制御回路316の制御に従って、電源の供給を受けて起動する場合と電源の供給を受けずに停止する場合とを切り換える。また、RF回路303は、起動している際に、アンテナ301から入力したディジタルテレビ放送信号を増幅するとともに、増幅したディジタルテレビ放送信号から所定のチャネルの信号を選択してLow−IF信号に周波数変換する。また、RF回路303は、A/D部305の入力レベルが一定となるよう自動利得制御処理を行う。そして、RF回路303は、周波数変換及び自動利得制御処理後のLow−IF信号をA/D部305へ出力する。
RF回路304は、制御回路316の制御に従って、電源の供給を受けて起動する場合と電源の供給を受けずに停止する場合とを切り換える。また、RF回路304は、起動している際に、アンテナ302から入力したディジタルテレビ放送信号を増幅するとともに、増幅したディジタルテレビ放送信号から所定のチャネルの信号を選択してLow−IF信号に周波数変換する。また、RF回路304は、A/D部306の入力レベルが一定となるよう自動利得制御処理を行う。そして、RF回路304は、周波数変換及び自動利得制御処理後のLow−IF信号をA/D部306へ出力する。
A/D部305は、RF回路303から入力したLow−IF信号をA/D変換して直交検波部307へ出力する。
A/D部306は、RF回路304から入力したLow−IF信号をA/D変換して直交検波部308へ出力する。
直交検波部307は、A/D部305から入力したディジタルLow−IF信号をNCO116から入力したローカル信号で直交検波して、ディジタルベースバンド信号のI成分及びQ成分をLPF309へ出力する。
直交検波部308は、A/D部306から入力したディジタルLow−IF信号をNCO116から入力したローカル信号で直交検波して、ディジタルベースバンド信号のI成分及びQ成分をLPF310へ出力する。
LPF309は、直交検波部307から入力したディジタルベースバンド信号のI成分及びQ成分より、直交検波により発生する和周波数成分を除去してOFDM復調回路311及び周波数誤差検出部114へ出力する。
LPF310は、直交検波部308から入力したディジタルベースバンド信号のI成分及びQ成分より、直交検波により発生する和周波数成分を除去してOFDM復調回路312及び周波数誤差検出部114へ出力する。
OFDM復調回路311は、LPF309から入力したI成分及びQ成分からなるディジタルベースバンド信号をOFDM復調して復調信号を生成し、生成した復調信号を合成回路313及び受信品質判定部314へ出力する。
OFDM復調回路312は、LPF310から入力したI成分及びQ成分からなるディジタルベースバンド信号をOFDM復調して復調信号を生成し、生成した復調信号を合成回路313及び受信品質判定部314へ出力する。
合成回路313は、OFDM復調回路311及びOFDM復調回路312から入力した2系統の復調信号の合成を行う。この際に、合成回路313は、合成後のS/Nが最大になるように重み付けして互いの復調信号を加算する最大比合成を用いる。そして、合成回路313は、最大比合成後の信号を復号回路109へ出力する。
復号回路109は、合成回路313から入力した最大比合成後の信号をデインタリーブ及び誤り訂正等の復号処理し、復号処理後のディジタル放送信号を外部へ出力する。これにより、無線通信端末装置300は、図示しない表示画面にディジタル放送による画像を表示することが可能になる。
受信品質判定部314は、OFDM復調回路311から入力する復調信号及びOFDM復調回路312から入力する復調信号を用いてBERまたはS/Nを検出し、BERまたはS/Nの検出値と所定の閾値との比較結果に基づいて、ダイバーシチ受信すべきか否かを判定する。具体的には、受信品質判定部314は、BERの検出値が閾値未満の場合またはS/Nの検出値が閾値以上の場合にダイバーシチ受信すべきでないと判定し、BERの検出値が閾値以上の場合またはS/Nの検出値が閾値未満の場合にダイバーシチ受信すべきであると判定する。そして、受信品質判定部314は、判定結果を制御回路316へ出力する。
端末制御部315は、無線通信端末装置300全体の制御を行う。また、端末制御部315は、所定のタイミングで各種の処理の実行命令を発行する。例えば、端末制御部315は、チャネル選局、ディジタルテレビチューナ部350の各ブロックの初期化、ディジタルテレビチューナ部350の各ブロックの停止処理、及びダイバーシチ受信とシングルブランチ受信の切り換えの各種の処理の実行命令を発行する。
制御回路316は、ディジタルテレビチューナ部350の各ブロックの制御を行う。例えば、制御回路316は、端末制御部315からのチャネル選局、ディジタルテレビチューナ部350の各ブロックの初期化またはディジタルテレビチューナ部350の各ブロックの停止処理の実行命令を受けて、RF回路303、304のLo周波数の設定、各ブロックの初期化または各ブロックの停止処理を行う。また、制御回路316は、端末制御部315のダイバーシチ受信またはシングルブランチ受信の切り換え処理の実行命令を受けた際に、ダイバーシチ受信とシングルブランチ受信の切り換えの制御を行う。即ち、制御回路316は、受信品質判定部314から入力した判定結果がダイバーシチ受信する場合には、RF回路303及びRF回路304に対して電源の供給を受けるように制御し、受信品質判定部314から入力した判定結果がシングルブランチ受信する場合には、RF回路303とRF回路304の内の受信品質が劣化している何れか一方に対して、電源の供給を受けないように制御する。
特定処理実行通知部317は、急激な基準周波数変動を引き起こす特定の内部処理の実行命令を発行するタイミングとして、ダイバーシチ受信とシングルブランチ受信の切り換え処理の実行命令を発行するタイミングを制御回路316から抽出する。そして、特定処理実行通知部317は、TVチューナAFCループ定数制御部113に対して、抽出したダイバーシチ受信とシングルブランチ受信の切り換え処理の実行命令を発行するタイミングを通知する。
TVチューナAFCループ定数制御部113は、特定処理実行通知部317から通知を受けた場合は、通知を受けない場合に比べて小さい時定数を選択するように可変ループフィルタ115に指示する。具体的には、TVチューナAFCループ定数制御部113は、特定処理実行通知部317から通知を受けた場合は、通知を受けない場合よりも、可変ループフィルタ115のゲインまたは平滑化パラメータ(フィルタの帯域、移動平均数または忘却係数等)の少なくとも一方を、自動周波数制御における追従性の高い設定に切り換えるように指示する。例えば、TVチューナAFCループ定数制御部113は、ダイバーシチ受信とシングルブランチ受信の切り換えの際に、可変ループフィルタ115のゲインを大きくするかまたは可変ループフィルタ115の帯域を広くし、所定の時間経過後に元の設定に戻すように指示する。なお、設定の切り換えは、必ずしも2段階である必要はなく、3段階以上でも良い。
周波数誤差検出部114は、LPF309またはLPF310の少なくとも一方から入力したベースバンド信号のI成分及びQ成分から周波数誤差を検出する。そして、周波数誤差検出部114は、検出結果である周波数誤差信号を可変ループフィルタ115へ出力する。
NCO116は、可変ループフィルタ115から入力した周波数誤差信号から、所定の発信周波数のディジタル正弦波及びディジタル余弦波からなるローカル信号を生成する。そして、NCO116は、生成したローカル信号を直交検波部307及び直交検波部308へ出力する。
なお、可変ループフィルタ115の構成は図2と同一であるので、その説明は省略する。
また、無線通信端末装置300内のTVチューナ基準周波数発生部101を実装する位置は、温度変動の少ない位置に実装することにより急激な周波数変動に対する性能劣化を大幅に低減することができる。
因みに、2系統の受信回路を持つディジタルテレビチューナ部350では、省電力化のために1系統の動作を止める処理を行うと、アナログ回路の電力変化に伴う温度変動や、電源の共通インピーダンスによる電圧変動が発生し、これらにより基準周波数が変動してBER特性が劣化する。この場合の電力変化及び発熱量変化は比較的小さいが、熱源が基準信号発振回路であるTVチューナ基準周波数発生部101の近傍に存在するので、TVチューナ基準周波数発生部101における温度変動が急峻なものになり、周波数に対する影響が大きくなる。
また、無線通信端末装置300では、RF回路303またはRF回路304の電源のONまたはOFFにより発熱量が変化することによりTVチューナ基準周波数発生部101の温度が変化し、これにより発振周波数が変化する。また、無線通信端末装置300では、RF回路303またはRF回路304の電源のONまたはOFFにより電源の共通インピーダンスに起因して発振器の電圧が変化し、これにより発振周波数が変化する。発振周波数の変化は、OFDM復調回路311及びOFDM復調回路312から見るとキャリア周波数(IF)の変化に相当し、この変化が急激な場合には変化に自動周波数制御が追従できず、周波数誤差が大きくなってBERが劣化する。
また、温度変化に起因する周波数変動は、RF回路303またはRF回路304のONまたはOFFを行った後、若干遅れて急激な周波数変化が始まり、その後に熱平衡に達するまで緩やかな変化を続ける。一方、電源に起因する周波数変動は、RF回路303またはRF回路304のONまたはOFFの直後に急激な周波数変化が起こる。
そこで、本実施の形態2では、RF回路303またはRF回路304のONまたはOFFのタイミングに合わせて、例えば可変ループフィルタ115のゲインを大きくするかまたは帯域を広くして、自動周波数制御の追従性が高い設定となるように制御する。そして、無線通信端末装置300は、所定の時間経過後に、例えば可変ループフィルタ115のゲインを小さくするかまたは帯域を狭くして、雑音耐性の高い設定に戻す。
このように、本実施の形態2によれば、ブランチの起動処理または停止処理のタイミングで追従性の高い自動周波数制御を行うことにより、急激な周波数変動による受信性能の劣化の低減と通常状態における高い受信性能の維持との両立を図ることができる。
(実施の形態3)
図4は、本発明の実施の形態3に係る無線通信端末装置400の構成を示すブロック図である。
図4に示す無線通信端末装置400は、図1に示す実施の形態1に係る無線通信端末装置100に対して、TVチューナ基準周波数発生部101を除き、端末制御部110の代わりに端末制御部402を有するとともに、特定処理実行通知部112の代わりに特定処理実行通知部403を有し、伝送系基準周波数発生部401を追加する。なお、図4において、図1と同一構成である部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
無線通信端末装置400は、ディジタルテレビチューナ部450を有し、ディジタルテレビチューナ部450は、内部クロック生成回路102、RF回路104、A/D部105、直交検波部106、LPF107、OFDM復調回路108、復号回路109、制御回路111、周波数誤差検出部114、可変ループフィルタ115及びNCO116を含む。
伝送系基準周波数発生部401は、セルラ通信方式のデータ伝送の際の基準周波数(CLK)をディジタルテレビチューナ部450の基準周波数として用いるものであり、生成したセルラ通信方式のデータ伝送の際の基準周波数信号を内部クロック生成回路102へ出力する。
内部クロック生成回路102は、伝送系基準周波数発生部401から入力した基準周波数信号を用いてディジタルテレビチューナ部450の内部で使用する各種クロックを生成する。そして、内部クロック生成回路102は、生成した各種クロックをRF回路104及びその他の回路に供給する。
端末制御部402は、無線通信端末装置400全体の制御を行う。また、端末制御部402は、所定のタイミングで各種の処理の実行命令を発行する。例えば、端末制御部402は、チャネル選局、ディジタルテレビチューナ部450の各ブロックの初期化、ディジタルテレビチューナ部450の各ブロックの停止処理、ハンドオーバー開始、及びハンドオーバー停止の各種の処理の実行命令を発行する。ここで、ハンドオーバー処理とは、無線通信端末装置400が基地局からハンドオーバーするように指示を受けた際の処理であり、基地局からハンドオーバーする指示を受ける前の周辺セルのセルサーチは含まない処理を意味する。
制御回路111は、ディジタルテレビチューナ部450の各ブロックの制御を行う。例えば、制御回路111は、端末制御部402からのチャネル選局、ディジタルテレビチューナ部450の各ブロックの初期化またはディジタルテレビチューナ部450の各ブロックの停止処理の実行命令を受けて、RF回路104のLo周波数の設定、各ブロックの初期化または各ブロックの停止処理を行う。
特定処理実行通知部403は、急激な基準周波数変動を引き起こす特定の内部処理の実行命令を発行するタイミングとして、ハンドオーバーの開始処理または終了処理の実行命令を発行するタイミングを端末制御部402から抽出する。そして、特定処理実行通知部403は、TVチューナAFCループ定数制御部113に対して、抽出したハンドオーバーの開始処理または終了処理の実行命令を発行するタイミングを通知する。
TVチューナAFCループ定数制御部113は、特定処理実行通知部403から通知を受けた場合は、通知を受けない場合に比べて小さい時定数を選択するように可変ループフィルタ115に指示する。具体的には、TVチューナAFCループ定数制御部113は、特定処理実行通知部403から通知を受けた場合は、通知を受けない場合よりも、可変ループフィルタ115のゲインまたは平滑化パラメータ(フィルタの帯域、移動平均数または忘却係数等)の少なくとも一方を、自動周波数制御における追従性の高い設定に切り換えるように指示する。例えば、TVチューナAFCループ定数制御部113は、ハンドオーバーの開始処理または終了処理の際に、可変ループフィルタ115のゲインを大きくするかまたは可変ループフィルタ115の帯域を広くし、所定の時間経過後に元の設定に戻すように指示する。なお、設定の切り換えは、必ずしも2段階である必要はなく、3段階以上でも良い。
なお、可変ループフィルタ115の構成は図2と同一構成であるので、その説明は省略する。
また、無線通信端末装置400内の伝送系基準周波数発生部401を実装する位置は、温度変動の少ない位置に実装することにより急激な周波数変動に対する性能劣化を大幅に低減することができる。
因みに、小型化及び低コスト化を図るために、基準発振回路を他の機能ブロックと共通化することは有効である。その場合、基準発振器近傍の熱源による基準発振器の周波数に対する影響に加えて、以下のような課題がある。
携帯電話が、ディジタルテレビチューナの基準発振器の周波数としてセルラ伝送に用いる基準クロックを用いる場合、ハンドオーバー時の基地局との同期処理により基準周波数が瞬時に変化する。この周波数変動によりBERの劣化が発生する。
伝送系基準周波数発生部401は、一般的に高精度且つ高安定のTCXO(Temperature Compensated Xtal Oscillator)が用いられるが、ハンドーバーのときの基地局との同期処理により周波数が変化する(基地局間で最大0.04ppm程度)。無線通信端末装置400によっては、数段階に分けて周波数を変化させる処理を行うものもあるが、この場合には瞬時変化となるため周波数変化の傾きが大きく、周波数の変化に伴うBERへの影響が大きくなる。
そこで、本実施の形態3では、ハンドオーバー処理開始時には、自動周波数制御における追従性が高くなる設定に切り換え、ハンドオーバー処理終了時には、自動周波数制御の設定を元に戻す。これにより、ハンドオーバー処理中は、追従性が高い設定を継続することができる。なお、ハンドオーバー処理終了時に自動周波数制御の設定を元に戻す場合に限らず、ハンドオーバー処理開始時から一定時間後に戻しても良い。
このように、本実施の形態3によれば、ハンドオーバーの開始処理または終了処理の際に、追従性の高い自動周波数制御を行うことにより、急激な周波数変動による受信性能の劣化の低減と通常状態における高い受信性能の維持との両立を図ることができる。
(実施の形態4)
図5は、本発明の実施の形態4に係る無線通信端末装置500の構成を示すブロック図である。
図5に示す無線通信端末装置500は、図1に示す実施の形態1に係る無線通信端末装置100に対して、TVチューナ基準周波数発生部101を除き、GPS受信部501、GPS基準周波数発生部502及びバッファ503を追加し、端末制御部110の代わりに端末制御部504を有し、特定処理実行通知部112の代わりに特定処理実行通知部505を有する。なお、図5においては、図1と同一構成である部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
無線通信端末装置500は、ディジタルテレビチューナ部550を有し、ディジタルテレビチューナ部550は、内部クロック生成回路102、RF回路104、A/D部105、直交検波部106、LPF107、OFDM復調回路108、復号回路109、制御回路111、周波数誤差検出部114、可変ループフィルタ115及びNCO116を含む。
GPS受信部501は、GPS基準周波数発生部502から入力した基準周波数信号に同期して、図示しないGPSアンテナで受信したGPS信号からGPS情報を再生して無線通信端末装置500の位置情報を生成する。
GPS基準周波数発生部502は、GPS信号を受信するための基準周波数信号を生成して、生成した基準周波数信号をGPS受信部501及びバッファ503へ出力する。
バッファ503は、内部クロック生成回路102及びGPS受信部501の2つの回路のドライブのために設けられるものであり、ドライブ能力不足を補強するものである
内部クロック生成回路102は、バッファ503を介してGPS基準周波数発生部502から入力した基準周波数信号を用いてディジタルテレビチューナ部550の内部で使用する各種クロックを生成する。そして、内部クロック生成回路102は、生成した各種クロックをRF回路104及びその他の回路に供給する。
端末制御部504は、無線通信端末装置500全体の制御を行う。また、端末制御部504は、所定のタイミングで各種の処理の実行命令を発行する。例えば、端末制御部504は、チャネル選局、ディジタルテレビチューナ部550の各ブロックの初期化、ディジタルテレビチューナ部550の各ブロックの停止処理、及びGPS受信部501の起動または停止の各種の処理の実行命令を発行する。
制御回路111は、ディジタルテレビチューナ部550の各ブロックの制御を行う。例えば、制御回路111は、端末制御部504からのチャネル選局、ディジタルテレビチューナ部550の各ブロックの初期化またはディジタルテレビチューナ部550の各ブロックの停止処理の実行命令を受けて、RF回路104のLo周波数の設定、各ブロックの初期化または各ブロックの停止処理を行う。
特定処理実行通知部505は、急激な基準周波数変動を引き起こす特定の内部処理の実行命令を発行するタイミングとして、GPS受信部501の起動処理または停止処理の実行命令を発行するタイミングを端末制御部504から抽出する。そして、特定処理実行通知部505は、TVチューナAFCループ定数制御部113に対して、抽出したGPS受信部501の起動処理または停止処理の実行命令を発行するタイミングを通知する。
TVチューナAFCループ定数制御部113は、特定処理実行通知部505から通知を受けた場合は、通知を受けない場合に比べて小さい時定数を選択するように可変ループフィルタ115に指示する。具体的には、TVチューナAFCループ定数制御部113は、特定処理実行通知部505から通知を受けた場合は、通知を受けない場合よりも、可変ループフィルタ115のゲインまたは平滑化パラメータ(フィルタの帯域、移動平均数または忘却係数等)の少なくとも一方を、自動周波数制御における追従性の高い設定に切り換えるように指示する。例えば、TVチューナAFCループ定数制御部113は、GPS受信部501の起動処理または停止処理の際に、可変ループフィルタ115のゲインを大きくするかまたは可変ループフィルタ115の帯域を広くし、所定の時間経過後に元の設定に戻すように指示する。なお、設定の切り換えは、必ずしも2段階である必要はなく、3段階以上でも良い。
無線通信端末装置500内のGPS基準周波数発生部502を実装する位置は、温度変動の少ない位置に実装することにより急激な周波数変動に対する性能劣化を大幅に低減することができる。
因みに、小型化及び低コスト化を図るために、基準発振回路を他の機能ブロックと共通化することも有効である。その場合、基準発振器近傍の熱源による基準発振器の周波数に対する影響に加えて、以下のような課題がある。
GPS受信回路等の基準周波数が変化しないものであっても、回路ブロックの起動及び停止により、発振回路に対する負荷の変動や電源電圧の変動が起こり、これらにより発振周波数が変化しBERの劣化が生じる。
GPS信号を受信しない場合、GPS受信部501の電源をOFFにするので、GPS基準周波数発生部502の負荷インピーダンスの変化や電源電圧の変動が起こり、これらにより基準周波数が変化する。
そこで、本実施の形態4では、GPS受信部501の起動処理または停止処理のタイミングに合わせて、可変ループフィルタ115のゲインを大きくするかまたは可変ループフィルタ115の帯域を広くすることにより、自動周波数制御の追従性が高い設定になるように制御する。そして、無線通信端末装置500は、所定の時間経過後に可変ループフィルタ115のゲインを小さくするかまたは可変ループフィルタ115の帯域を小さくすることにより、雑音耐性の高い設定に戻す。
このように、本実施の形態4によれば、必要に応じて起動するGPS受信部に供給する基準周波数をディジタルテレビチューナの基準周波数として用いる場合において、GPS受信部の起動処理または停止処理に伴うGPS基準周波数発生部の負荷インピーダンスの変化や電源電圧の変動により基準周波数が変化する際に、追従性の高い自動周波数制御を行うことにより、急激な周波数変動による受信性能の劣化の低減と通常状態における高い受信性能の維持との両立を図ることができる。
なお、本実施の形態4において、GPS受信部501の起動処理または停止処理の際に、追従性の高い自動周波数制御の可変ループフィルタ115のゲインまたは平滑化パラメータを設定したが、これに限らず、GPS受信部501以外の基準周波数を共用する機能の動作開始処理または動作停止処理の際に、追従性の高い自動周波数制御の可変ループフィルタ115のゲインまたは平滑化パラメータを設定しても良い。
(実施の形態5)
図6は、本発明の実施の形態5に係る無線通信端末装置600の構成を示すブロック図である。
図6に示す無線通信端末装置600は、図1に示す実施の形態1に係る無線通信端末装置100に対して、温度検出部601及び温度変化量検出部602を追加する。なお、図6において、図1と同一構成である部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
無線通信端末装置600は、ディジタルテレビチューナ部650を有し、ディジタルテレビチューナ部650は、内部クロック生成回路102、RF回路104、A/D部105、直交検波部106、LPF107、OFDM復調回路108、復号回路109、制御回路111、周波数誤差検出部114、可変ループフィルタ115及びNCO116を含む。
温度検出部601は、例えばサーミスタであり、TVチューナ基準周波数発生部101の近傍の温度を検出し、検出結果を温度変化量検出部602へ出力する。
温度変化量検出部602は、温度検出部601から入力する温度の検出結果に基づいて、単位時間における温度の変化量、即ち温度変化の傾きを検出する。そして、温度変化量検出部602は、検出結果をTVチューナAFCループ定数制御部113へ出力する。
TVチューナAFCループ定数制御部113は、特定処理実行通知部112から通知を受けた場合は、通知を受けない場合に比べて小さい時定数を選択するように可変ループフィルタ115に指示する。具体的には、TVチューナAFCループ定数制御部113は、特定処理実行通知部112から通知を受けた場合は、通知を受けない場合よりも、可変ループフィルタ115のゲインまたは平滑化パラメータ(フィルタの帯域、移動平均数または忘却係数等)の少なくとも一方を、自動周波数制御における追従性の高い設定に切り換えるように指示する。例えば、TVチューナAFCループ定数制御部113は、伝送系送信アンプの起動、伝送系送信アンプの停止、充電回路の動作開始または充電回路の動作停止の際に、可変ループフィルタ115のゲインを大きくするかまたは可変ループフィルタ115の帯域を広くし、所定の時間経過後に元の設定に戻すように指示する。なお、設定の切り換えは、必ずしも2段階である必要はなく、3段階以上でも良い。
また、TVチューナAFCループ定数制御部113は、温度変化量検出部602から入力した検出結果における温度変化の傾きが所定の閾値を越えた場合に、自動周波数制御の設定を切り換える。例えば、TVチューナAFCループ定数制御部113は、可変ループフィルタ115のゲインまたは平滑化パラメータ(フィルタの帯域、移動平均数または忘却係数等)の少なくとも一方の設定を切り換える。
次に、無線通信端末装置600の動作について、図7を用いて説明する。図7は、温度及び温度変化の傾きと時間との関係を示す図である。
温度検出部601は、温度#700を検出し、温度変化量検出部602は、検出した温度#700または検出した温度#700に対応する検出電圧等から温度変化の傾き#701を計算する。そして、温度変化量検出部602は、計算した温度変化の傾き#701が所定の切り換え閾値#702を越えた場合、TVチューナAFCループ定数制御部113に通知する。温度変化量検出部602は、負の温度変化も検出する必要があるため、計算した温度変化の傾き#701の絶対値を求めて、求めた温度変化の傾き#701の絶対値と閾値とを比較する。図7は、正の温度変化の場合を示したものである。
TVチューナAFCループ定数制御部113は、温度変化量検出部602からの通知により、自動周波数制御の設定を通常設定#704から高追従性設定#705に切り換え、通知が無くなった際に通常設定#704に戻す。図7に示すように、通知が無くなった時刻t1から所定の時間T10経過後に通常設定#704に戻す。
TVチューナAFCループ定数制御部113は、特定処理実行通知部112からの通知があった場合は、上記実施の形態1〜4と同様の設定を行う。また、TVチューナAFCループ定数制御部113は、特定処理実行通知部112からの通知と温度変化量検出部602からの通知の複数の通知を受けた場合には、高追従性設定を優先する。例えば、TVチューナAFCループ定数制御部113は、特定処理実行通知部112からの伝送系パワーアンプの停止処理の通知により自動周波数制御における追従性の高い設定にした直後に、温度変化量検出部602から通知を受けた際に、伝送系パワーアンプの停止後の所定時間が経過しても、温度変化量検出部602から通知を受けている状態であれば、追従性の高い設定を継続する。
無線通信端末装置600内のTVチューナ基準周波数発生部101を実装する位置は、温度変動の少ない位置に実装することにより急激な周波数変動に対する性能劣化を大幅に低減することができる。
このように、本実施の形態5によれば、温度変化量が閾値を超えた場合に、追従性の高い自動周波数制御を行うことにより、急激な周波数変動による受信性能の劣化の低減と通常状態における高い受信性能の維持との両立を図ることができる。
なお、上記実施の形態1〜実施の形態5において、ディジタル直交検波の際に用いるローカル信号をNCOにより生成するディジタル自動周波数制御回路、及びこのディジタル自動周波数制御回路を用いたLo−IF受信機に対して各実施の形態を適用する場合について説明したが、これに限らず、アナログVCO(voltage controlled oscillators)を用いたダイレクトコンバージョン受信機に対して各実施の形態を適用することができる。この場合、RF回路は、アナログローカル信号で受信信号を直交検波することにより、アナログのベースバンド信号(I信号及びQ信号)を出力する。