JP2009002911A - 電流センサおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】検出対象電流による誘導磁界をより高精度に検出可能な電流センサを提供する。
【解決手段】第1および第2のモジュール10,20は、それぞれ、スペーサ103,104を介して対向配置された集積基板101,102の対向する面101S,102Sに設けられている。第1および第2のモジュール10,20は、それぞれ、素子基板11,21とMR素子層12,22と薄膜コイル層13,23とを備える。MR素子層12,22には、一定方向に固着された磁化方向を有する固着層と、非磁性の中間層と、誘導磁界に応じて磁化方向が変化すると共に固着層の磁化方向と異なる方向の異方性磁界を発現する自由層とを含む積層構造をそれぞれ有するMR素子が設けられている。ここで、それらの積層構造は、その積層面に沿った同一階層に設けられている。
【選択図】図3

Description

本発明は、導体を流れる電流の変化を高感度に検出可能な電流センサおよびその製造方法に関する。
一般に、制御機器の回路に流れる制御電流を正確に測定するにあたっては、その回路内に抵抗を直列接続し、この抵抗の電圧降下を測定する方法を用いる。しかし、この場合には、制御系とは異なる負荷が加わることとなり制御系に対して何らかの悪影響を与える可能性が生じてしまう。このため、制御電流によって発生する電流磁界の勾配を検出することによって間接的に測定する方法が用いられている。具体的には、U字状の湾曲導体に制御電流を供給し、その湾曲導体の周囲に生じる電流磁界の変化をホール素子によって検出するする方法である(例えば、特許文献1参照)。
特公平7−123090号公報
しかし、上記のような電流センサでは、小型化が困難であることに加え、磁界変化に対する検出感度の直線性あるいは高周波応答性の面で不十分であるなどの問題点が指摘されるようになった。このため、ホール素子の替わりに巨大磁気抵抗効果(Giant Magneto-Resistive effect)を発現する巨大磁気抵抗効果素子(以下、GMR素子)を制御電流による電流磁界中に配置し、その勾配を検出するようにした電流センサが提案されている。このようなGMR素子を用いた電流センサであれば、検出感度や応答性が向上するうえ、温度変化に対しても安定した検出特性が得られる。
ところで、最近では、より微弱な磁束や電流の検出が可能であると共によりいっそうコンパクトな全体構成を有する磁気センサや電流センサが強く求められるようになっている。しかしながら、GMR素子を用いた磁気センサや電流センサであっても、寸法の小型化に伴い、外部からのノイズ(不要な磁界など)の影響を受けやすくなるので、検出感度や応答性の面での安定性向上が課題となっている。これまでにも、GMR素子の形状を細長い短冊状として形状異方性を高めるなど、いくつかの試みがなされているが、十分に安定した性能レベルに達しているとは言い難い状況である。
本発明はかかる問題に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、検出対象電流による誘導磁界をより高精度に検出可能な電流センサを提供することにある。さらに、本発明の第2の目的は、そのような電流センサを効率的に製造する方法を提供することにある。
本発明の第1の電流センサは、検出対象電流の供給により誘導磁界を発生する導体の近傍に配置され、その検出対象電流を検出するものであって、一定方向に固着された磁化方向を有する固着層と、非磁性の中間層と、誘導磁界に応じて磁化方向が変化すると共に固着層の磁化方向と異なる方向の異方性磁界を発現する自由層とを含む積層構造をそれぞれ有する第1および第2の磁気抵抗効果素子を備えるようにしたものである。ここで、第1および第2の磁気抵抗効果素子における各積層構造が、その積層面に沿った同一階層に設けられ、第1の磁気抵抗効果素子の抵抗値と第2の磁気抵抗効果素子の抵抗値とが誘導磁界に応じて互いに逆方向に変化するようになっている。本発明における異方性磁界とは、結晶構造や形状などに起因する全ての異方性磁界を意味する。また、「逆方向」とは、抵抗値の増減の方向が逆であることを意味する。したがって、第1の磁気抵抗効果素子の抵抗値が増加したときには第2の磁気抵抗効果素子の抵抗値は減少し、第1の磁気抵抗効果素子の抵抗値が減少したときには第2の磁気抵抗効果素子の抵抗値は増加する、という関係にある。
本発明の第2の電流センサは、検出対象電流の供給により誘導磁界を発生する導体の近傍に配置され、検出対象電流を検出する電流センサであって、一定方向に固着された磁化方向を有する固着層と、非磁性の中間層と、誘導磁界に応じて磁化方向が変化すると共に固着層の磁化方向と異なる方向の異方性磁界を発現する自由層とを含む積層構造をそれぞれ有する第1から第4の磁気抵抗効果素子を備えるようにしたものである。ここで、第1から第4の磁気抵抗効果素子における各積層構造が、その積層面に沿った同一階層に設けられており、第1の磁気抵抗効果素子の抵抗値と第3の磁気抵抗効果素子の抵抗値とが、誘導磁界に応じて互いに同方向に変化し、第2および第4の磁気抵抗効果素子の抵抗値が、誘導磁界に応じて第1および第3の磁気抵抗効果素子の抵抗値と逆方向に変化するようになっている。
本発明の第1または第2の電流センサでは、第1および第2の磁気抵抗効果素子(または第1から第4の磁気抵抗効果素子)における各積層構造が同一階層に設けられている。具体的には、各積層構造の厚み方向において、各積層構造の一方の表面同士および他方の表面同士がそれぞれ完全に一致し、または、各積層構造の一部が互いに等しい高さ位置にある。すなわち、各積層構造は、厚み方向と直交する方向へ平行移動した際に(積層面と平行に移動した際に)少なくともその一部が重なり合う位置関係にある。このような構成により、第1および第2の磁気抵抗効果素子における各積層構造を、検出対象電流が供給される導体に対して全て等しい距離に配置することが比較的容易となる。したがって、それらの積層構造が互いに異なる階層に位置する場合と比べ、導体へ検出対象電流が供給された際に各積層構造に対して付与される誘導磁界の差分が小さくなる。
本発明の第1の電流センサでは、第1および第2の磁気抵抗効果素子における各自由層が全て同一階層に位置することが望ましい。同様に、本発明の第2の電流センサでは、第1から第4の磁気抵抗効果素子における各自由層が全て同一階層に位置することが望ましい。
本発明の第1の電流センサでは、第1の磁気抵抗効果素子の積層構造と、第2の磁気抵抗効果素子の積層構造とが、それらの積層面と平行な中心軸を回転中心として互いに回転対称な関係にあることが望ましい。本発明における「回転対称な関係」とは、磁化の大きさや方向を含めて構造上の対称性を有する関係を意味する。詳細には、第1の磁気抵抗効果素子の積層構造が回転中心軸を中心として180°回転(製造誤差程度のずれを含む)したときに、第2の磁気抵抗効果素子の積層構造と等価な関係となることをいう。ここでいう等価な関係とは、そのままの状態で、あるいは、一方が平行移動すれば互いに重なり合う(一致する)構造を有する関係を意味する。このような構成とすれば、第1および第2の磁気抵抗効果素子において、自由層の異方性磁界の方向と固着層の磁化方向との相対角度が互いに等しくなる。すなわち、自由層の磁化方向と固着層の磁化方向との初期状態での相対角度が互いに等しくなる。なお、初期状態とは、第1および第2の磁気抵抗効果素子に対し、導体から生じる誘導磁界を含む外部磁界が何ら付与されていない状態を意味する。この初期状態は、例えば、自由層の磁化が飽和する磁界と同等以上の大きさを有するバイアス磁界(リフレッシュ磁界ともいう。)を、第1および第2の磁気抵抗効果素子の双方に対して回転中心軸に沿って印加することで得られる。
本発明の第2の電流センサでは、第1および第3の磁気抵抗効果素子の各積層構造は、互いに等価な関係にあり、第2および第4の磁気抵抗効果素子の各積層構造は、互いに等価な関係にあり、第1および第3の磁気抵抗効果素子の各積層構造と第2および第4の磁気抵抗効果素子の各積層構造とが、それらの積層面と平行な中心軸を回転中心として互いに回転対称な関係にあることが望ましい。ここでいう等価な関係とは、一方が平行移動することで互いに重なり合う(一致する)こととなる構造を有する関係をいう。構造とは、磁化の大きさや方向を含む概念である。このような構成とすれば、第1から第4の磁気抵抗効果素子の全てにおいて、自由層の異方性磁界の方向と固着層の磁化方向との相対角度が互いに等しくなる。すなわち、自由層の磁化方向と固着層の磁化方向との初期状態での相対角度が互いに等しくなる。
本発明の第1および第2の電流センサでは、バイアス磁界(リフレッシュ磁界)印加手段を設け、それが発生するバイアス磁界(リフレッシュ磁界)を一時的に付与することによって各磁気抵抗効果素子の自由層を飽和させるようにすれば、自由層の磁化方向が外部からの不要な磁界(外乱磁界)によって乱された場合であっても、自由層の磁化方向が一定方向に揃うこととなる。特に、各磁気抵抗効果素子における自由層の異方性磁界を一致させ、その方向(自由層の異方性磁界の方向)に沿ってバイアス磁界(リフレッシュ磁界)を発生させるようにバイアス磁界印加手段を配置すれば、自由層の異方性磁界の方向が安定化し、磁気抵抗効果素子の出力が高いレベルで安定化する。なお、外乱磁界の影響がほとんどなく、かつ、自由層の異方性磁界の方向が十分に安定である場合には、バイアス磁界を付与しなくともよい。
本発明の第1および第2の電流センサでは、第1および第2の磁気抵抗効果素子(または第1から第4の磁気抵抗効果素子)を保持する保持部材をさらに備え、この保持部材が、第1および第2の磁気抵抗効果素子における各積層構造の積層面と平行であり、かつ、外部に露出した基準平面を有するようにするとよい。そのような構成であれば、その基準平面が検出対象電流の流れる方向と平行をなすように本発明の第1の電流センサを導体の近傍に配置することで、第1および第2の磁気抵抗効果素子(または第1から第4の磁気抵抗効果素子)における各積層構造が導体に対して全て等しい距離に位置することとなる。
本発明の第1の電流センサでは、第1および第2の磁気抵抗効果素子のそれぞれに対し、互いに等しい値の定電流を供給する第1および第2の定電流源と、定電流によって第1および第2の磁気抵抗効果素子のそれぞれに生ずる電圧降下の差分を検出する差分検出器とを備えることで、電圧降下の差分に基づいて検出対象電流が検出される。その場合、電圧降下の差分に応じた補償電流が流れることにより、検出対象電流に基づいて第1および第2の磁気抵抗効果素子に印加される各誘導磁界とは逆方向の補償磁界を第1および第2の磁気抵抗効果素子の各々に付与するように構成された補償電流ラインをさらに備えるようにするとよい。第1の磁気抵抗効果素子と第2の磁気抵抗効果素子との特性上のばらつきや、回路中の接続抵抗のばらつき、あるいは温度分布に起因した誤差が低減されるからである。
本発明の第2の電流センサでは、第1および第2の磁気抵抗効果素子の一端同士が第1の接続点において接続され、第3および第4の磁気抵抗効果素子の一端同士が第2の接続点において接続され、第1の磁気抵抗効果素子の他端と第3の磁気抵抗効果素子の他端とが第3の接続点において接続され、第2の磁気抵抗効果素子の他端と第4の磁気抵抗効果素子の他端とが第4の接続点において接続されてなるブリッジ回路を備えるようにするとよい。第1の接続点と第2の接続点との間に電圧が印加されたときに生ずる第3の接続点と第4の接続点との間の電位差に基づいて検出対象電流が検出されるからである。さらに、その電位差に応じた補償電流が流れる補償電流ラインを設け、検出対象電流に基づいて第1から第4の磁気抵抗効果素子に印加される各誘導磁界とは逆方向の補償磁界を第1から第4の磁気抵抗効果素子の各々に付与するようにするとよい。第1から第4の磁気抵抗効果素子の相互間における特性上のばらつきや、回路中の接続抵抗のばらつき、あるいは温度分布に起因した誤差が低減されるからである。
本発明の第1の電流センサの製造方法は、検出対象電流の供給により誘導磁界を発生する導体の近傍に配置され、検出対象電流を検出する電流センサを製造する方法であって、以下の(A1)から(A4)の各工程を含むようにしたものである。
(A1)一の基体上に、一定方向の異方性磁界を発現すると共に誘導磁界に応じて磁化方向が変化する第1の強磁性層と、非磁性の中間層と、第1の強磁性層よりも大きな保磁力を有する第2の強磁性層とを順に積層してなる積層構造をそれぞれ含む複数の磁気抵抗効果素子を一括して形成する工程。
(A2)複数の磁気抵抗効果素子の全てについて、異方性磁界の方向と異なる方向となるように第2の強磁性層の磁化方向を一括して設定する工程。
(A3)基体を磁気抵抗効果素子ごとに複数に分割することで、それぞれ一の磁気抵抗効果素子が設けられた第1および第2の素子基板を取り出す工程。
(A4)第1および第2の素子基板を、磁気抵抗効果素子における各積層構造がその積層面に沿った同一階層に位置し、かつ、誘導磁界に応じて第1の素子基板における磁気抵抗効果素子の抵抗値と第2の素子基板における磁気抵抗効果素子の抵抗値とが互いに逆方向の変化を示すように配置する工程。
本発明の第2の電流センサの製造方法は、検出対象電流の供給により誘導磁界を発生する導体の近傍に配置され、検出対象電流を検出する電流センサを製造する方法であって、以下の(B1)から(B4)の各工程を含むようにしたものである。
(B1)一の基体上に、一定方向の異方性磁界を発現すると共に誘導磁界に応じて磁化方向が変化する第1の強磁性層と、非磁性の中間層と、第1の強磁性層よりも大きな保磁力を有する第2の強磁性層とを順に積層してなる積層構造をそれぞれ含む複数の磁気抵抗効果素子を一括して形成する工程。
(B2)複数の磁気抵抗効果素子の全てについて、異方性磁界の方向と異なる方向となるように第2の強磁性層の磁化方向を一括して設定する工程。
(B3)基体を複数に分割することで、2つの磁気抵抗効果素子を各々含む第1および第2の素子モジュールを形成する工程。
(B4)第1および第2の素子モジュールを、第1から第4の磁気抵抗効果素子における各積層構造がその積層面に沿った同一階層に位置し、かつ、誘導磁界に応じて第1の素子モジュールにおける磁気抵抗効果素子の抵抗値と第2の素子モジュールにおける磁気抵抗効果素子の抵抗値とが互いに逆方向の変化を示すように配置する工程。
本発明の第1または第2の電流センサの製造方法では、第1および第2の素子基板(または第1および第2の素子モジュール)における各積層構造を同一の階層に配置するようにしたので、各積層構造を、検出対象電流が供給される導体に対して全て等しい距離に配置することが比較的容易な電流センサが得られる。このようにして得られた電流センサでは、それらを互いに異なる階層に配置された積層構造を有する電流センサと比べ、導体へ検出対象電流が供給された際に各積層構造に対して付与される誘導磁界の差分が小さくなる。
本発明の第1の電流センサの製造方法では、第1および第2の素子基板を、双方の第1の強磁性層が同一階層に位置するように配置することが望ましい。同様に、本発明の第2の電流センサの製造方法では、第1および第2の素子モジュールを、双方の第1の強磁性層が同一階層に位置するように配置することが望ましい。
本発明の第1の電流センサの製造方法では、第1および第2の素子基板を、第1の素子基板における積層構造と第2の素子基板における積層構造とがそれらの積層面と平行な中心軸を回転中心として互いに回転対称な関係となるように配置することが望ましい。そうすることで、第1の素子基板における磁気抵抗効果素子と第2の素子基板における磁気抵抗効果素子との相互間において、固着層の磁化方向と自由層の異方性磁界の方向との相対角度の誤差が比較的小さくなる。すなわち、自由層の磁化方向と固着層の磁化方向との初期状態での相対角度が互いに等しくなる。
本発明の第2の電流センサの製造方法では、第1および第2の素子モジュールを、第1の素子モジュールにおける積層構造と第2の素子モジュールにおける積層構造とがそれらの積層面と平行な中心軸を回転中心として互いに回転対称な関係となるように配置することが望ましい。そうすることで、4つの磁気抵抗効果素子の相互間において、固着層の磁化方向と自由層の異方性磁界の方向との相対角度の誤差が比較的小さくなる。すなわち、自由層の磁化方向と固着層の磁化方向との初期状態での相対角度が互いに等しくなる。
本発明の第1または第2の電流センサによれば、第1および第2の磁気抵抗効果素子(または第1から第4の磁気抵抗効果素子)における各積層構造を同一階層に設けるようにしたので、検出対象電流の供給により誘導磁界を発生する導体の近傍に配置してその検出対象電流を検出するにあたり、各積層構造が互いに異なる階層に位置する場合と比べ、各積層構造に及ぶ誘導磁界の誤差を低減することができる。よって、検出対象電流が微弱であっても高精度な測定が可能となる。特に、第1および第2の磁気抵抗効果素子(または第1から第4の磁気抵抗効果素子)における各自由層が同一階層に位置するようにすれば、いっそう高精度な測定が可能となる。また、第2の電流センサにおいては、第1から第4の磁気抵抗効果素子を、それらの積層面に平行な中心軸から互いに等しい距離に配置することで、第1から第4の磁気抵抗効果素子に対してより均質な誘導磁界を付与することができ、いっそう高精度な測定が可能となる。
さらに、第1および第2の磁気抵抗効果素子の各積層構造を、それらの積層面と平行な中心軸を回転中心として互いに回転対称な関係とし、または、第1および第3の磁気抵抗効果素子の各積層構造を互いに等価な関係とすると共に第2および第4の磁気抵抗効果素子の各積層構造を互いに等価な関係とし、かつ、第2および第4の磁気抵抗効果素子の各積層構造を、第1および第3の磁気抵抗効果素子の各積層構造に対してそれらの積層面と平行な中心軸を回転中心とした回転対称な関係とすれば、初期状態における両者の抵抗の差に起因するオフセット出力を低減することができる。よって、検出対象磁界に基づく出力を、より高精度に検出することができる。
さらに、第1および第2の磁気抵抗効果素子(または第1から第4の磁気抵抗効果素子)を保持する保持部材をさらに備え、この保持部材が、第1および第2の磁気抵抗効果素子(または第1から第4の磁気抵抗効果素子)における各積層構造の積層面と平行であり、かつ、外部に露出した基準平面を有するようにすれば、導体と本発明の第1および第2の電流センサとの相対位置をより正確かつ容易に決定することができ、検出対象電流の検出を簡便に行うことができる。
また、本発明の第1および第2の電流センサの製造方法によれば、上記のような高精度な検出能力を有する電流センサを効率よく製造することができる。
本発明の第1および第2の磁気センサによれば、さらに、バイアス磁界印加手段を設け、全ての磁気抵抗効果素子に対してバイアス磁界を一時的に付与するようにすれば、自由層を飽和させ、その磁化方向を一旦揃えることができる(すなわち初期状態とすることができる)。したがって、全ての磁気抵抗効果素子にバイアス磁界を印加してから検出対象磁界を検出するようにすれば、極めて微小な検出対象電流であっても、よりいっそう高精度に、かつ安定して検出することができる。特に、第1および第2の磁気抵抗効果素子に含まれる双方の自由層における異方性磁界の方向、または、第1から第4の磁気抵抗効果素子に含まれる全ての自由層における異方性磁界の方向を中心軸と一致させるようにした場合には、上記のリフレッシュ磁界をその異方性磁界の方向に印加することで容易に初期状態を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
最初に、図1から図3を参照して、本発明における第1の実施の形態としての電流センサの全体構成について説明する。図1は、本実施の形態の電流センサの斜視構成を表す部分破断図であり、図2は、その分解斜視図である。なお、図2では、検出対象電流Imが供給される導体40についても併せて記載し、電流センサとの位置関係を表している。また、図3(A)は矢印IIIに沿って眺めた構成図であり、図3(B)は、第1および第2のモジュール10,20(後述)を含む断面図である。但し、図1および図3では導体40(後述)の図示を省略し、図2および図3ではコイル30(後述)の図示を省略している。
この電流センサは第1および第2のモジュール10,20を備えており、例えばY軸に沿って延在する直線部分41を有する導体40(図2参照)の近傍に配置され、導体40に流れる制御信号等の検出対象電流Imの有無や大きさを検出するものである。第1および第2のモジュール10,20は、積層構造を有する磁気抵抗効果(MR;Magneto-Resistive effect)素子5A,5B(後出)をそれぞれ含んでおり、それらの積層面と平行な中心軸CLを回転中心として互いに回転対称な関係にある。すなわち、一方のMR素子(例えばMR素子5A)を中心軸CLを回転中心として180°回転させると、他方のMR素子(MR素子5B)と構造上、等価な関係にある。ここでいう等価な関係とは、そのままの状態で、あるいは、一方が平行移動すれば互いに重なり合う(一致する)構造を有する関係を意味する。なお、中心軸CLは、後述する異方性磁界Hk1,Hk2の方向と平行をなしているとよい。本実施の形態では、中心軸CLをY軸とし、MR素子5A,5Bにおける積層構造の積層面が延在する面内においてY軸と直交する軸をX軸とし、積層構造の積層方向に対応する、X軸およびY軸と直交する軸をZ軸とする。
導体40は、例えば銅(Cu)などの高導電性の金属材料を用いてめっき法などにより形成された薄膜である。導体40に検出対象電流Imが供給されると、直線部分41の周囲に誘導磁界Hmが発生するようになっている。導体40の端部40S,40Eは、コンタクト層(図示せず)などを介して外部の配線と接続されている。第1および第2のモジュール10,20は誘導磁界Hmを検出するものであり、直線部分41が延在する階層と異なる階層において直線部分41に沿って配置されている。すなわち、第1および第2のモジュール10,20は、積層方向に投影すると直線部分41と重なり合う領域に設けられている。
この電流センサでは、検出対象電流Imが端部40Sから端部40Eへ流れると、第1のモジュール10におけるMR素子5Aおよび第2のモジュール20におけるMR素子5Bに対して誘導磁界Hmが+X方向に付与され、検出対象電流Imが端部40Eから端部40Sへ流れると、MR素子5AおよびMR素子5Bに対して誘導磁界Hmが−X方向に付与されることとなる。
第1のモジュール10は保持部材としての集積基板101の面101Sに固定されている一方、第2のモジュール20は保持部材としての集積基板102の面102Sに固定されている。集積基板101および集積基板102は、スペーサ103,104を介して面101Sおよび面102Sが対向するように配置されている。集積基板101における面101Sとは反対側の面101K、および集積基板102における面102Sとは反対側の面102Kは、いずれも基準平面であり、導体40の直線部分41と平行に配置される。集積基板101,102およびスペーサ103,104は、例えば酸化アルミニウム(Al2 3 )によって構成されている。集積基板101,102は図示しない配線パターンや差分検出器AMP(後出)を有するプリント回路基板であり、素子基板11,21と共に後出の図11に示す回路を構成している。
電流センサは、さらに、リフレッシュ磁界Hrefを発生させるコイル30を備えている。コイル30は、集積基板101,102の周囲を中心軸CLを中心として巻回している導線である。このコイル30は、電流が流れることにより、異方性磁界Hk1,Hk2の方向(ここでは+Y方向)にリフレッシュ磁界Hrefを発生させ、それをMR素子5A,5Bに印加するものである。リフレッシュ磁界Hrefは、後述する自由層53A,53Bの磁化が飽和する磁界と同等以上の強度を有している。
第1のモジュール10は、集積基板101の側から素子基板11とMR素子層12と薄膜コイル層13とを順に積層したものである。集積基板101には、素子基板11が接着層(図示せず)を介して接着されている。同様に、第2のモジュール20は、集積基板102の側から素子基板21とMR素子層22と薄膜コイル層23とを順に積層したものである。集積基板102には、素子基板21が接着層(図示せず)を介して接着されている。
ここで図4および図5を参照して、第1のモジュール10の構成について詳細に説明する。図4は、第1のモジュール10を拡大して表した分解斜視図であり、図5は、図4に示したV−V切断線に沿った矢視方向における断面図である。
MR素子層12は、例えば100μm程度の厚みをなすシリコンウェハなどの素子基板11上に形成された2つの素子パターン50A1,50A2を有するMR素子5Aを、酸化アルミニウム(Al2 3 )などの絶縁層Z1で覆うようにしたものである。素子パターン50A1,50A2は、磁性層を含む複数の機能膜が積層されたスピンバルブ構造を有し、巨大磁気抵抗効果を発現するものである。素子パターン50A1,50A2は、素子基板11上においてY軸に沿って互いに平行をなすように延在すると共にY軸と直交するX軸に沿って互いに隣在し合うように配設され、連結部55Aおよび連結部56Aによって互いに並列接続されている。なお、素子パターン50A1,50A2についてのさらなる詳細な構造については後述する。
薄膜コイル層13は、MR素子層12の上に形成された薄膜コイル61Aを、Al2 3などの絶縁層Z2で覆うようにしたものである。薄膜コイル61Aは、薄膜コイル層13の膜面内(XY平面内)において巻回するように構成された薄膜パターンであり、素子パターン50A1,50A2のそれぞれと対応してY軸に沿って延在する巻線体部分62A,63Aを含んでいる。薄膜コイル61Aは、例えば銅(Cu)などの高導電性の金属材料からなり、補償電流Id(後出)が供給されることで補償電流ラインC(後出)の一部として機能するものである。
薄膜コイル層13の上には電極膜71A〜74Aが設けられており、このうち、電極膜73Aがコンタクトホール(図示せず)を介して連結部55Aと接続され、電極膜74Aがコンタクトホール57A(図5参照)を介して連結部56Aと接続されている。素子パターン50A1,50A2は、スパッタリング法などを用いて例えば0.8μmの厚みを有するように形成される。薄膜コイル61Aにおける一方の端部64Aはコンタクトホール(図示せず)を介して電極膜71Aと接続されており、他方の端部65Aはコンタクトホール(図示せず)を介して電極膜72Aと接続されている。なお、−Y方向へ検出対象電流Imが流れる場合、第1のモジュール10では、補償電流Idが端部65Aから端部64Aへ向かって流れるようになっている。
第2のモジュール20は、第1のモジュール10とほぼ同様の構成を有している。すなわち、図6および図7に示したように、素子基板21、MR素子層22および薄膜コイル層23は、素子基板11、MR素子層12および薄膜コイル層13とそれぞれ対応した構成となっている。図6は、第2のモジュール20を拡大して表した分解斜視図であり、図7は、図6に示したVII−VII切断線に沿った矢視方向における断面図である。MR素子層22において、MR素子5Aに対応するMR素子5Bは、素子パターン50A1,50A2に対応する素子パターン50B1,50B2を有している。素子パターン50B1,50B2は、連結部55Bおよび連結部56Bによって並列接続されている。また、薄膜コイル層23において、薄膜コイル61Aに相当する薄膜コイル61Bは、素子パターン50B1,50B2のそれぞれと対応してY軸に沿って延在する巻線体部分62B,63Bを含んでおり、薄膜コイル61Aと同様に補償電流Idが供給されることで補償電流ラインCの一部として機能するものである。さらに、薄膜コイル層23の上には電極膜71B,72B,73B,74Bが設けられており、このうち、電極膜73Bがコンタクトホール(図示せず)を介して連結部55Bと接続され、電極膜74Bがコンタクトホール56B(図5参照)を介して連結部56Bと接続されている。薄膜コイル61Bにおける一方の端部64Bはコンタクトホール(図示せず)を介して電極膜71Bと接続されており、他方の端部65Bはコンタクトホール(図示せず)を介して電極膜72Bと接続されている。−Y方向へ検出対象電流Imが流れる場合、第2のモジュール20では、補償電流Idが端部64Bから端部65Bへ向かって流れるように接続される。
第2のモジュール20では、以下に説明するように、素子パターン50B1,50B2における磁化J51Aの向きが、第1のモジュール10の素子パターン50A1,50A2における磁化J51Bの向きと異なっている。
図8(A)は、図4および図5に示した素子パターン50A1,50A2を拡大した分解斜視図であり、図9(A)は、図6および図7に示した素子パターン50B1,50B2を拡大した分解斜視図である。素子パターン50A1,50A2は、例えば素子基板11の側から、誘導磁界Hmをはじめとする外部磁界に応じて方向が変化する磁化J53Aを有する自由層53Aと、特定の磁化方向を発現しない非磁性の中間層52Aと、一定方向に固着された磁化J51Aを有する固着層51Aとが順に積層されたものである。同様に、素子パターン50B1,50B2は、例えば素子基板21の側から、誘導磁界Hmをはじめとする外部磁界に応じて方向が変化する磁化J53Bを有する自由層53Bと、特定の磁化方向を発現しない非磁性の中間層52Bと、一定方向に固着された磁化J51Bを有する固着層51Bとが順に積層されたものである。
自由層53A,53Bは、いずれも+Y方向の異方性磁界Hk1,Hk2を発現している。ここでの異方性磁界Hk1,Hk2とは、自由層53A,53Bの結晶構造に起因する異方性磁界成分や、自由層53A,53Bの形状に起因する異方性磁界成分を含む全ての異方性磁界を意味するものである。本実施の形態では、異方性磁界Hk1,Hk2が中心軸CL(Y軸)と平行をなしている。固着層51A,51Bの磁化J51A,J51Bの方向は、図1にも示したように、中心軸CLと直交する直交軸PLからわずかに傾いている。詳細には、磁化J51Aの方向は、+X方向から+Y方向へ角度β1だけ傾いた方向であり、磁化J51Bの方向は、−X方向から+Y方向へ角度β2だけ傾いた方向である。角度β1および角度β2は、互いに等しいことが望ましい。磁化J51A,J51Bの方向と異方性磁界Hk1,Hk2の方向との相対角度は、いずれも0°より大きく90°未満である。
図8(B),図9(B)に、固着層51A,51Bの詳細な構成を示す。固着層51A,51Bは、中間層52A,52Bの側から磁化固定膜54A,54Bと反強磁性膜55A,55Bと保護膜56A,56Bとが順に積層されたものである。磁化固定膜54A,54Bはコバルト(Co)やコバルト鉄合金(CoFe)などの強磁性材料からなり、この磁化固定膜54A,54Bの示す磁化方向が固着層51A,51B全体としての磁化J51A,J51Bの方向となる。一方、反強磁性膜55A,55Bは、白金マンガン合金(PtMn)やイリジウムマンガン合金(IrMn)などの反強磁性材料により構成されている。反強磁性膜55A,55Bは、ある一方向のスピン磁気モーメントと、それとは逆方向のスピン磁気モーメントとが完全に打ち消し合った状態にあり、磁化固定膜54A,54Bの磁化方向を固定するように作用している。また、保護膜56A,56Bは、タンタル(Ta)やハフニウム(Hf)などの化学的に安定な非磁性材料からなり、磁化固定膜54A,54Bや反強磁性膜55A,55Bなどを保護するものである。さらに、自由層53A,53Bは、ニッケル鉄合金(NiFe)などの軟磁性材料により構成されており、中間層52A,52Bは、例えば銅や金(Au)などの高導電性の非磁性材料により構成されている。
既に述べたように、MR素子5Aを構成する素子パターン50A1,50A2と、MR素子5Bを構成する素子パターン50B1,50B2とは、中心軸CLを回転中心として互いに回転対称な関係にある。そのうえ、素子パターン50A1,50A2と、素子パターン50B1,50B2とは、その積層面に沿った仮想の共通平面を含む同一の階層に位置している(図3(B)参照)。ここでいう「同一の階層」とは、各素子パターン50A1,50A2,50B1,50B2の少なくとも一部が、厚み方向において互いに等しい高さ位置にあることを意味する。すなわち、各素子パターン50A1,50A2,50B1,50B2をXY平面内において平行移動すると、少なくともそれらの一部が互いに重なり合う位置関係にある。特に、素子パターン50A1,50A2における自由層53Aと、素子パターン50B1,50B2における自由層53Bとが、仮想の共通平面を含むように互いに等しい高さ位置に存在することが望ましい。
ここで、図8(A),図9(A)は、誘導磁界Hmをはじめとする含む外部磁界が付与されていない無負荷状態を示している。この場合、MR素子5Aにおける磁化のベクトルとMR素子5Bにおける磁界のベクトルとは、中心軸CLを回転の中心として互いに回転対称な関係となっている。また、自由層53Aの磁化J53Aは、固着層51Aおよび自由層53Aの間に生ずる交換結合磁界Hin1と、自由層53Aの異方性磁界Hk1との合成磁界H1の方向を向いている(図10(A))。同様に、自由層53Bの磁化J53Bは、固着層51Bおよび自由層53Bの間に生ずる交換結合磁界Hin2と、自由層53Bの異方性磁界Hk2との合成磁界H2の方向を向いている(図10(B))。一方、固着層51A,51Bの磁化J51A,J51Bは、異方性磁界Hk1,Hk2と0°よりも大きく90°未満の相対角度をなす方向を向いており、例えば合成磁界H1,H2とそれぞれ角度α1,α2をなしている。角度α1,α2は、誘導磁界Hmの有無にかかわらず、いずれも90°であることが望ましい。そのような構成とすることで、MR素子5A,5Bが最大の出力を発現するからである。交換結合磁界Hin1,Hin2は、それぞれ磁化J51A,J51Bと正反対のベクトルを有している。素子パターン50A1,50A2における磁化J51A、異方性磁界Hk1および交換結合磁界Hin1は、それぞれ素子パターン50B1,50B2における磁化J51B、異方性磁界Hk2および交換結合磁界Hin2と等しいことが望ましい。なお、図10(A),図10(B)は、素子パターン50A1,50A2および素子パターン50B1,50B2における磁化の向きおよび大きさと、磁界の向きおよび大きさとを説明するための説明図である。
素子パターン50A1,50A2に対し、例えば図10(A)に示した誘導磁界Hmが+X方向に印加されると、自由層53Aの磁化J53Aは合成磁界H1と誘導磁界Hmとの合成ベクトルV1の方向へ向きを変える。このとき、磁化J51Aと磁化J53Aとの角度は角度α1よりも小さくなるので、MR素子5Aの抵抗値R1は減少する。一方、素子パターン50B1,50B2に対しても図10(B)に示したように図10(A)と同方向(+X方向)の誘導磁界Hmが印加されるので、自由層53Bの磁化J53Bは合成磁界H2と誘導磁界Hmとの合成ベクトルV2の方向へ向きを変える。このとき、磁化J51Bと磁化J53Bとの角度は角度α2よりも大きくなるので、MR素子5Bの抵抗値R2は増大する。このように電流センサ1では、誘導磁界Hmの印加に伴い、MR素子5Aの抵抗値R1と、MR素子5Bの抵抗値R2とが互いに逆向きの変化を示すように構成されている。
次に、本実施の形態の電流センサの回路構成について説明する。図11は、電流センサの回路構成を表す概略図である。図11では、Y軸に沿って延在する直線部分41を含む導体40についても併せて示す。MR素子5A,5Bは、直線部分41に沿って配置されている。図11では、MR素子5A,5Bをそれぞれ抵抗体として表している。ここでは、検出対象電流Imが端部40Sから端部40Eへ向かって流れることにより、MR素子5A,5Bに対して+X方向の誘導磁界Hmが印加される様子を表している。
第1のモジュール10は、MR素子5Aのほか、素子基板11上に形成された定電流源CG1(図1では図示せず)を有している。一方、第2のモジュール20は、MR素子5Bのほか、素子基板21上に形成された定電流源CG2(図1では図示せず)を有している。これらの定電流源CG1,CG2は、MR素子5A,5Bと共に図11のような回路を構成している。MR素子5AおよびMR素子5Bの一端同士(例えば電極膜73Aおよび電極膜73B)は第1の接続点P11において接続され、定電流源CG1および定電流源CG2の一端同士は第2の接続点P12において接続されている。第1の接続点P11は最終的に接地されており、第2の接続点P12には電源Vccが接続されている。さらに、MR素子5Aの他端(第1の接続点P11とは反対側となる電極膜74A)は、第3の接続点P13において定電流源CG1の他端(第2の接続点P12とは反対側となる端部)と接続されており、MR素子5Bの他端(第1の接続点P11とは反対側となる電極膜74A)は、第4の接続点P14において定電流源CG2の他端(第2の接続点P12とは反対側となる端部)と接続されている。ここで、定電流源CG1はMR素子5Aに対して定電流I1を供給し、定電流源CG2はMR素子5Bに対して定電流I2を供給するようになっている。
さらに、この電流センサは差分検出器AMPを有しており、その入力側には第3の接続点P13および第4の接続点P14がそれぞれ接続されている。差分検出器AMPの出力側には、直列接続された薄膜コイル61Aと薄膜コイル61Bとを含む1本の補償電流ラインCが接続されている。この差分検出器AMPは、第1の接続点P11と第2の接続点P12との間に電圧が印加されたときの第3の接続点P13と第4の接続点P14との間の電位差(MR素子5A,5Bのそれぞれに生ずる電圧降下の差分)を検出し、補償電流ラインCに補償電流Idを供給するものである。補償電流ラインCにおける差分検出器AMPと反対側の端部は、抵抗体RLを介して接地されている。抵抗体RLにおける差分検出器AMPの側には、補償電流検出手段Sが接続点T1において接続されている。ここでは、補償電流ラインCを補償電流Idが流れることにより、薄膜コイル61Aの巻線体部分62A,63Aおよび薄膜コイル61Bの巻線体部分62B,63Bにおいて誘導磁界Hmと逆方向の補償磁界Hdが発生するように構成されている。すなわち、補償磁界Hdが−X方向に発生し、誘導磁界Hmを打ち消す方向に作用するようになっている。
この作用について、図11に加えて図12を参照して詳細に説明する。図12は、図5および図7に示した断面構成の要部を拡大したものであり、電流の流れる方向と、その電流によって生ずる磁界の方向との関係について模式的に表している。ここでは図示しない導体40に対して−Y方向へ(紙面手前から奥へ)向かうように検出対象電流Imが供給されると、MR素子5A,5Bに対しては+X方向(紙面左方向)の誘導磁界Hmが印加されることとなる。このとき、補償電流Idは、各素子パターン50A1,50A2に対応する巻線体部分62A,63Aの中をそれぞれ+Y方向へ(紙面奥から手前へ)向かうように流れると共に、各素子パターン50B1,50B2にそれぞれ対応する巻線体部分62B,63Bの中をそれぞれ−Y方向へ向かうように流れるように構成されている。したがって、右ねじの法則により、巻線体部分62A,63Aの周囲には紙面上、反時計回りの補償磁界Hdが生じ、一方の巻線体部分62B,63Bの周囲には紙面上、時計回りの補償磁界Hdが生じるので、結果として、各素子パターン50A1,50A2,50B1,50B2に対しては−X方向(紙面右方向)への補償磁界Hd(すなわち、誘導磁界Hmとは反対向きの補償磁界Hd)が付与されることとなる。
次に、この電流センサの製造方法について説明する。
まず、シリコンウェハなどの基体Sの表面に複数のMR素子を一括して形成する。具体的には、まず、図13に示したように、NiFeなどの軟磁性材料からなる自由層53Zと、銅などの非磁性導電材料からなる中間層52Zと、自由層53Zよりも大きな保磁力を有する材料(例えばCoFe)からなる固着層51Zとを基体Sの上に順に積層して積層膜50Zを形成する。この際、全体に亘って一定方向の磁界を印加しながら自由層53Zを成膜することによりその異方性磁界Hkの方向を設定する。積層膜50Zを形成したのち、図14に示したように、その積層膜50Zをフォトリソグラフィ法などによってパターニングすることで、自由層53、中間層52および固着層51からなる所定の寸法形状をなす複数の素子パターン50をそれぞれ基体S上の所定位置に形成する。固着層51については異方性磁界Hkと異なる方向となるように磁化の固着化(規則化)を一括して行う(図示せず)。具体的には、例えば、異方性磁界Hkと異なる方向に(0°より大きく90°未満の相対角度をなすように)1.6kA/m以上160kA/m以下の強さを有する磁界を印加しつつ、250℃以上400℃以下の温度で4時間程度のアニール処理を施すことにより磁化の方向を一括して設定する。この規則化処理によって、外部磁界が零である初期状態での固着層51の磁化J51と自由層53の磁化J53との角度が決まる。そののち、図15に示したように、所定の数(ここでは2つ)の素子パターン50の両端を連結する連結部55,56をそれぞれ形成することにより、複数のMR素子5を得る。図15は、基体Sに形成されたMR素子5の平面構成を表す上面図である。こののち、複数のMR素子5の全体を絶縁層によって覆うことでMR素子層を形成したのち、各MR素子に対応する位置にめっき法などにより薄膜コイルを複数形成し、さらに全体を他の絶縁層によって覆うようにする。
次いで、MR素子5ごとに基体Sを複数に分割する(切り分ける)ことで、素子基板11上にMR素子層12と薄膜コイル層13とが形成された第1のモジュール10(図4参照)と、素子基板21上にMR素子層22と薄膜コイル層23とが形成された第2のモジュール20(図6参照)とを取り出す。ところで、磁化J51と磁化J53との相対的な角度については、同一の基体上に形成されたMR素子同士であっても、若干のばらつきを有することとなる。しかしながら、その角度は、より近い領域に形成されたMR素子同士であれば比較的小さな誤差となる。よって、この電流センサを作製するにあたっては、可能な限り狭い領域内から選択されたMR素子を組み合わせることが望ましい。得られた第1および第2のモジュール10,20を、それぞれ集積基板101,102に貼り付けたのち、集積基板101,102上において定電流源CG1,CG2の形成や配線をおこなう。こののち、自由層53A,53Bの異方性磁界Hk1,Hk2の方向と平行な中心軸CLを回転中心として互いに回転対称な位置となるように、第1のモジュール10が固定された集積基板101と第2のモジュール20が固定された集積基板102とを、スペーサ103,104を介して貼り付ける。こうすることで、誘導磁界Hmに応じて抵抗値R1,R2が互いに逆方向の変化を示すようになる。また、集積基板101と集積基板102とを貼り付ける際には各素子パターンが同一の階層となるようにする。
最後に、一体化された集積基板101,102の周囲を巻回するようにコイル30を設ける。例えば、銅からなる極細線(φ30μm程度)を巻き付けることでコイル30を形成する。これにより、本実施の形態の電流センサが完成する。
このように構成された電流センサを使用し、誘導磁界Hmに基づいて検出対象電流Imを検出する方法について以下に説明する。
以下、図11を参照して、検出対象電流Imによって形成される誘導磁界Hmを測定する方法について説明する。
誘導磁界Hmを検出する準備段階として、まず、コイル30にリフレッシュ電流を流すことにより、自由層53A,53Bの磁化が飽和する磁界と同等以上の大きさを有するリフレッシュ磁界Href(図10)を、MR素子5A,5Bの各々に対して異方性磁界Hk1,Hk2の方向に沿って一時的に印加する。こうすることで、自由層53A,53Bにおける磁化J53A,J53Bの方向を初期状態にリセットすることができる。すなわち、磁化J53A,J53Bの方向を同一方向(異方性磁界Hk1,Hk2の方向)に一旦揃えることができる。この結果、MR素子5A,5Bのヒステリシス現象に伴う検出誤差を回避することができる。さらに、異方性磁界Hk1,Hk2の方向に沿ってリフレッシュ磁界Hrefを一時的に印加することで自由層53A,53Bの結晶磁気異方性が安定化するので(その結果、異方性磁界Hk1,Hk2も安定化するので)、電流センサ1の出力が高いレベルで安定する。
図11において、第1の接続点P11と第2の接続点P12との間に所定の電圧を印加した際の定電流源CG1,CG2からの定電流をそれぞれI1,I2とし、MR素子5A,5Bの抵抗値をそれぞれR1,R2とする。誘導磁界Hmが印加されていない場合、第3の接続点P13における電位V1は、
V1=I1×R1
であり、第4の接続点P14における電位V2は、
V2=I2×R2
となる。よって、第3の接続点P13と第4の接続点P14との間の電位差は、
V0=V1−V2
=I1×R1−I2×R2 …(1)
ここで、定電流I1と定電流I2とが互いに等しい(すなわちI1=I2=I0である)場合には、式(1)は、
V0=I0×(R1−R2) …(2)
となる。
この回路では、誘導磁界Hmが印加されたときに、電位差V0を測定することにより抵抗変化量が得られる。例えば誘導磁界Hmが印加されたときに、抵抗値R1,R2がそれぞれ変化量ΔR1,ΔR2だけ増加したとすると、式(2)は、
V0=V1−V2
=I0×(R1−R2)
=I0×{(R1+ΔR1)−(R2+ΔR2)} …(3)
となる。
本実施の形態では、MR素子5A,5Bにおける各素子パターン50A1,50A2,50B1,50B2が、導体40の直線部分41が延在する階層とは異なる同一の階層に位置しているので、素子パターン50A1,50A2,50B1,50B2のそれぞれと直線部分41との距離は互いにほぼ等しい関係にある。このため、各素子パターン50A1,50A2,50B1,50B2に対してほぼ等しい強度の誘導磁界Hmが付与される。したがって、MR素子5A,5Bは、より正確な変化量ΔR1,ΔR2を示すこととなる。
すでに述べたように、MR素子5A,5Bは誘導磁界Hmによって各々の抵抗値R1,R2が互いに逆方向の変化を示すように配置されていることから、変化量ΔR1と変化量ΔR2とは互いの正負が逆の符号となる。したがって、式(3)において、誘導磁界Hmが印加される前の抵抗値R1および抵抗値R2は互いに打ち消し合う一方で、変化量ΔR1および変化量ΔR2はそのまま維持される。
仮に、第1および第2のMR素子11A,11Bが全く同一の特性を有するとした場合、すなわち、
R1=R2=R
かつ
ΔR1=−ΔR2=ΔR
であると仮定した場合、式(3)は、
V0=I0×(R1+ΔR1−R2−ΔR2)
=I0×(R+ΔR−R+ΔR)
=I0×(2×ΔR) …(4)
となる。したがって、外部磁界と抵抗変化量との関係が既知であるMR素子5A,5Bを用いるようにすれば、誘導磁界Hmの大きさを測定することができる。式(4)で表される電位差V0は、合成ベクトルV1,V2と、磁化J51A,J51Bとのなす角度によって決まるものである。
ところで、磁化J51Aと合成磁界H1との角度α1と、磁化J51Bと合成磁界H2との角度α2とが一致していなければ、検出対象磁界Hmを測定する前段階である初期状態においてオフセット出力が生じる(式(2)においてV0=0とならない)こととなる。検出対象磁界Hmが印加されていない無負荷状態であっても、MR素子5Aの抵抗値R1とMR素子5Bの抵抗値R2との差分が零とならないからである。
本実施の形態では、MR素子5A,5Bは、異方性磁界Hk1の方向と異方性磁界Hk2の方向とが互いに一致しているうえ、異方性磁界Hk1,Hk2と平行な中心軸CLを回転中心として互いに回転対称な関係を有している。このため、角度α1および角度α2が実質的に同等である。さらに、MR素子5A,5Bは一括形成されたものであるので、実質的に同等の性能を有している。よって、オフセット出力は極めて小さなものとなる。
さらに、この電流センサでは、第3の接続点P13において検出される電位V1と第4の接続点P14において検出される電位V2とが差分検出器AMPに供給されて、その差分(電位差V0)が零となるような補償電流Idが出力される。差分検出器AMPからの補償電流Idは補償電流ラインCに供給され、MR素子5A,5Bの近傍を所定の方向へ流れることにより誘導磁界Hmとは逆方向の補償磁界Hdを発生させる。この補償磁界Hdは、回路中の接続抵抗のばらつきやMR素子5A,5Bの相互間における特性のばらつき、温度分布の偏り、あるいは外部からの妨害磁界などに起因する誤差分をキャンセルするように作用するので、結果として誘導磁界Hmのみに比例した大きさに近づくこととなる。したがって、補償電流検出手段Sにおいて、出力電圧Voutを測定し、既知の抵抗体RLとの関係から補償電流Idを算出することにより、誘導磁界Hmをより正確に求めることができ、ひいては検出対象電流Imの大きさを高精度に推定することができる。
以上説明したように、本実施の形態の電流センサによれば、MR素子5A,5Bにおける各素子パターン50A1,50A2,50B1,50B2を、導体40の直線部分41が延在する階層とは異なる同一の階層に配置するようにしたので、素子パターン50A1,50A2,50B1,50B2のそれぞれと直線部分41との距離を全てほぼ等しくすることができる。このため、各素子パターン50A1,50A2,50B1,50B2に対してほぼ等しい強度の誘導磁界Hmを付与することができるので、MR素子5A,5Bの抵抗値R1,R2は、より正確な変化を示すこととなり、誘導磁界Hm、ひいては検出対象電流Imを高精度に測定することができる。特に、誘導磁界Hmに応じて磁化J53A,J53Bの方向が変化する自由層53A,53Bが、直線部分41に対して互いに対応する高さ位置に存在するようにすれば、MR素子5A,5Bの抵抗値R1,R2の変化がより精密となり、よりいっそう高精度な測定が可能となる。
特に、MR素子5A,5Bをそれぞれ素子基板11,21に設け、基準平面としての面101K,102Kをそれぞれ有する集積基板101,102の面101S,102Sにそれら素子基板11,21を固定するようにしたので、面101K,102Kが直線部分41と平行をなすように電流センサを配置することで、素子パターン50A1,50A2,50B1,50B2のそれぞれと直線部分41との距離が等しくなるように簡便に設定することができる。
また、MR素子5A,5Bを、積層面と平行な中心軸CLを中心として互いに回転対称な関係を有するようにしたので、初期状態において、磁化J53Aの方向と磁化J51Aの方向との相対角度α1と、磁化J53Bの方向と磁化J51Bの方向との相対角度α2とが互いに等しくなる。そのうえ、誘導磁界Hmに応じて、MR素子5Aの抵抗値R1とMR素子5Bの抵抗値R2とが互いに逆方向の変化を示すこととなる。その結果、相対角度α1と相対角度α2との誤差に起因するオフセット出力を低減することができ、より高精度に誘導磁界Hmを測定することができる。
さらに、コイル30を設けるようにしたので、自由層53A,53Bの磁化J53A,J53Bの方向が外部からの不要な磁界(外乱磁界)によって乱された場合であっても、MR素子5A,5Bに対して異方性磁界Hk1,Hk2の方向へリフレッシュ磁界Hrefを印加することができる。これにより、自由層53A,53Bを飽和させ、一旦、磁化J53A,J53Bを一定方向(合成磁界H1,H2の方向)へ揃えることができる。そのうえ、リフレッシュ磁界Hrefを印加することで、異方性磁界Hk1,Hk2の方向も安定化する。したがって、MR素子5A,5Bに対してリフレッシュ磁界Hrefを印加してから誘導磁界Hmを検出するようにすれば、微小な検出対象電流Imであっても、高精度に、かつ安定して測定することができる。
また、本実施の形態では、同一の基体Sの上に一括形成した複数のMR素子5の全てについて、自由層53の磁化容易軸Hkと固着層51の磁化J51の方向とが互いに異なるように一括して規則化を行ったのち、その基体Sから切り出した第1および第2のモジュール10,20を、中心軸CLを回転中心として互いに回転対称な位置となるように固定するようにしたので、角度α1と角度α2との誤差や、MR素子5A,5Bにおける感度などの性能面での誤差を極めて低く抑えることができる。
さらに、第3の接続点P13において検出される電位V1と第4の接続点P14において検出される電位V2との差分(MR素子5A,5Bのそれぞれに生ずる電圧降下の差分)V0に基づいた補償電流Idが供給される補償電流ラインCをさらに備え、薄膜コイル61A,61Bによって誘導磁界Hmとは逆方向の補償磁界HdをMR素子5A,5Bに対してそれぞれ付与するようにしたので、MR素子5A,5B同士の特性のばらつきや回路中の接続抵抗のばらつき、あるいは温度分布などに起因した出力電圧Voutの変化をキャンセルすることができ、誘導磁界Hmを、より高感度かつ高精度に検出することができる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明における第2の実施の形態としての電流センサの構成について説明する。本実施の形態の電流センサは、第1および第2のモジュール10,20の構成が異なることを除き、他は第1の実施の形態の電流センサと同様である。したがって、主に第1の実施の形態の電流センサとの相違点について説明することとし、それ以外の点についての説明は適宜省略する。
図16および図17は、それぞれ、本実施の形態の電流センサにおける第1のモジュール10および第2のモジュール20の斜視構成を表す概略図である。
上記第1の実施の形態の電流センサは、2つのMR素子(MR素子5A,5B)と2つの定電流源(定電流源CG1,CG2)とによって構成されるものである。これに対し、本実施の形態の電流センサは、4つのMR素子(MR素子5A〜5D)によって構成されるものである。
図16に示したように、本実施の形態の第1のモジュール10では、素子基板11の上に設けられたMR素子層12が、MR素子5Aと共にMR素子5Cを含むように構成されている。MR素子5Aは2つの素子パターン50A1,50A2を有し、MR素子5Cは2つの素子パターン50C1,50C2を有している。素子パターン50A1,50A2は、Y軸に沿って互いに平行をなすように延在すると共にX軸に沿って互いに隣在し合うように配設され、連結部55Aおよび連結部56Aによって互いに並列接続されている。同様に、素子パターン50C1,50C2は、Y軸に沿って互いに平行をなすように延在すると共にX軸に沿って互いに隣在し合うように配設され、連結部58Aおよび連結部59Aによって互いに並列接続されている。
また、薄膜コイル層13には、MR素子5Aに対応する薄膜コイル61Aと、MR素子5Cに対応する薄膜コイル61CとがそれぞれXY平面内において巻回するように設けられている。詳細には、薄膜コイル61Aは、素子パターン50A1,50A2のそれぞれと対応してY軸に沿って延在する巻線体部分62A,63Aを含んでおり、薄膜コイル61Cは、素子パターン50C1,50C2のそれぞれと対応してY軸に沿って延在する巻線体部分62C,63Cを含んでいる。薄膜コイル61A,61Cは、補償電流Idが供給されることで補償電流ラインCの一部として機能するものである。
薄膜コイル層13の上には電極膜71A〜78Aが設けられており、このうち、電極膜73A,74A,77A,78Aが、それぞれコンタクトホール(図示せず)を介して連結部55A,56A,58A,59Aと接続されている。また、薄膜コイル61Aにおける一方の端部64Aはコンタクトホール(図示せず)を介して電極膜71Aと接続されており、他方の端部65Aはコンタクトホール(図示せず)を介して電極膜72Aと接続されている。さらに、薄膜コイル61Cにおける端部64C,65Cは、それぞれコンタクトホール(図示せず)を介して電極膜75A,76Aと接続されている。なお、−Y方向へ検出対象電流Imが流れる場合、補償電流Idが、薄膜コイル61Aの内部を端部64Aから端部65Aへ向かって流れ、薄膜コイル61Cの内部を端部65Cから端部64Cへ向かって流れるようになっている。
一方、本実施の形態の第2のモジュール20では、図17に示したように、素子基板21の上に設けられたMR素子層22が、MR素子5Bと共にMR素子5Dを含むように構成されている。また、薄膜コイル層23には、MR素子5Bに対応する薄膜コイル61B共にMR素子5Dに対応する薄膜コイル61DがXY平面内において巻回するように設けられている。MR素子5Bは、素子パターン50B1,50B2に対応する素子パターン50B1,50B2を有しており、それらは連結部55Bおよび連結部56Bによって並列接続されている。一方、MR素子5Dは、素子パターン50D1,50D2に対応する素子パターン50D1,50D2を有しており、それらは連結部58Bおよび連結部59Bによって並列接続されている。また、薄膜コイル61Bは、素子パターン50B1,50B2のそれぞれと対応してY軸に沿って延在する巻線体部分62B,63Bを含んでおり、薄膜コイル61Dは、素子パターン50D1,50D2のそれぞれと対応してY軸に沿って延在する巻線体部分62D,63Dを含んでいる。薄膜コイル61B,61Dは、補償電流Idが供給されることで補償電流ラインCの一部として機能するものである。
さらに、薄膜コイル層23の上には電極膜71B〜78Bが設けられており、このうち、電極膜73B,74B,77B,78Bが、それぞれコンタクトホール(図示せず)を介して連結部55B,56B,58B,59Bと接続されている。また、薄膜コイル61Bにおける一方の端部64Bはコンタクトホール(図示せず)を介して電極膜71Bと接続されており、他方の端部65Bはコンタクトホール(図示せず)を介して電極膜72Bと接続されている。さらに、薄膜コイル61Dにおける端部64D,65Dは、それぞれコンタクトホール(図示せず)を介して電極膜75D,76Dと接続されている。なお、−Y方向へ検出対象電流Imが流れる場合、補償電流Idが、薄膜コイル61Bの内部を端部64Bから端部65Bへ向かって流れ、薄膜コイル61Dの内部を端部65Dから端部64Dへ向かって流れるようになっている。
本実施の形態のMR素子5A,5Cにおける素子パターン50A1,50A2,50C1,50C2は、上記第1の実施の形態におけるMR素子5Aの素子パターン50A1,50A2と全く同じ構成である。同様に、本実施の形態のMR素子5B,5Dにおける素子パターン50B1,50B2,50D1,50D2は、上記第1の実施の形態におけるMR素子5Bの素子パターン50B1,50B2と全く同じ構成である。すなわち、MR素子5AとMR素子5Cとは互いに等価な関係にあり、MR素子5BとMR素子5Dとは互いに等価な関係にある。したがって、MR素子5A,5Cは、MR素子5B,5Dに対して中心軸CLを中心とした回転対称な関係にある。このような構成により、導体40に検出対象電流Imが流れ、誘導磁界Hmが発生すると、MR素子5AおよびMR素子5Cは互いに同じ挙動を示し、MR素子5BおよびMR素子5Dは、いずれもMR素子5AおよびMR素子5Cと逆の挙動を示すこととなる。
ここで、素子パターン50A1,50A2,50C1,50C2は、中心軸から互いに等しい距離に位置することが望ましい。これにより、それらの各素子パターンに対してより均質な誘導磁界Hmを付与することができ、いっそう高精度な測定が可能となるからである。
この電流センサの製造方法は、上記第1の実施の形態とほぼ同様である。
具体的には、まず、シリコンウェハなどの基体の表面に複数のMR素子を一括して形成したのち、MR素子5を2つずつ含むようにその基体を複数に分割する(切り分ける)ことで、図16に示した第1のモジュール10と、図17に示した第2のモジュール20とを取り出す。得られた第1および第2のモジュール10,20を、それぞれ集積基板101,102に貼り付けたのち、中心軸CLを回転中心として互いに回転対称な位置となるように、第1のモジュール10が固定された集積基板101と第2のモジュール20が固定された集積基板102とを、スペーサ103,104を介して貼り付ける。その際、MR素子5A〜5Dの各素子パターンが同一の階層となるようにする。
最後に、一体化された集積基板101,102の周囲を巻回するようにコイル30(図1参照)を設けるなど、所定の工程を経ることで本実施の形態の電流センサが完成する。
また、本実施の形態の電流センサの回路構成は図18に示した通りである。ここでは、MR素子5AおよびMR素子5Bの一端同士が第1の接続点P11において接続され、MR素子5CおよびMR素子5Dの一端同士が第2の接続点P12において接続され、MR素子5Aの他端とMR素子5Dの他端とが第3の接続点P13において接続され、MR素子5Bの他端とMR素子5Cの他端とが第4の接続点P14において接続されることにより、ブリッジ回路が構成されている。
この電流センサでは、誘導磁界Hmの変化に応じて、MR素子5C,5Dが、それぞれ、MR素子5A,5Bと全く同様の挙動を示す。図18において、第1の接続点P11と第2の接続点P12との間に所定の電圧を印加した際の定電流をI0とし、MR素子5A〜5Dの抵抗値をそれぞれR1〜R4とする。誘導磁界Hmが印加されていない場合、第2の接続点P12と第1の接続点P11との電位差Vは、
V=I1×R4+I1×R1=I2×R3+I2×R2
=I1×(R4+R1)=I2×(R3+R2) …(5)
と表すことができる。また、第3の接続点P13における電位V1および第4の接続点P14における電位V2は、それぞれ、
V1=V−V4
=V−I1×R4
V2=V−V3
=V−I2×R3
と表せる。よって、第3の接続点P13と第4の接続点P14との間の電位差V0は、
V0=V1−V2
=(V−I1×R4)−(V−I2×R3)
=I2×R3−I1×R4 …(6)
ここで、(5)式から
V0={R3/(R3+R2)}×V−{R4/(R4+R1)}×V
={R3/(R3+R2)−R4/(R4+R1)}×V …(7)
となる。このブリッジ回路では、誘導磁界Hmが印加されたときに、上記の式(7)で示された第3および第4の接続点P13,P14間の電圧V0を測定することにより、抵抗変化量が得られる。誘導磁界Hmが印加されたときに、抵抗値R1〜R4がそれぞれ変化量ΔR1〜ΔR1だけ増加したとすると、すなわち、抵抗値R1〜R4がそれぞれ、
R1→R1+ΔR1
R2→R2+ΔR2
R3→R3+ΔR3
R4→R4+ΔR4
のように変化したとすると、検出対象磁界Hmを印加したのちは、式(7)より、
V0={(R3+ΔR3)/(R3+ΔR3+R2+ΔR2)−(R4+ΔR4)/(R4+ΔR4+R1+ΔR1)}×V …(8)
となる。すでに述べたように、この電流センサでは、MR素子5A,5Cの抵抗値R1,R3とMR素子5B,5Dの抵抗値R2,R4とが逆方向に変化するので、変化量ΔR3と変化量ΔR2とが打ち消し合うと共に変化量ΔR4と変化量ΔR1とが打ち消し合うこととなる。このため、誘導磁界Hmの印加前後を比較した場合、式(8)の各項における分母の増加はほとんど無い。一方、各項の分子については、変化量ΔR3と変化量ΔR4とは必ず反対の符号を有するので、打ち消し合うことなく増減が現れることとなる。誘導磁界Hmが印加されることにより、MR素子5B,5Dでは、抵抗値は変化量ΔR2,ΔR4(ΔR2,ΔR4<0)の分だけそれぞれ変化する(実質的に低下する)一方で、MR素子5A,5Cでは、抵抗値は変化量ΔR1,ΔR3(ΔR1,ΔR3>0)の分だけそれぞれ変化する(実質的に増加する)からである。
本実施の形態では、MR素子5A〜5Dにおける各素子パターン50A1,50A2,50B1,50B2,50C1,50C2,50D1,50D2の全てが、導体40の直線部分41が延在する階層とは異なる同一の階層に位置しているので、各素子パターン50A1,50A2,50B1,50B2,50C1,50C2,50D1,50D2に対してほぼ等しい強度の誘導磁界Hmが付与される。したがって、MR素子5A〜5Dは、より正確な変化量ΔR1,ΔR2,ΔR3,ΔR4を示すこととなる。
特に、MR素子5A〜5Dは、一括して形成されたものであり、同一の特性を有するので、すなわち、
R=R1=R2=R3=R4
かつ
ΔR=ΔR1=−ΔR2=ΔR3=−ΔR4
であるので、式(8)は、
V0={(R+ΔR)/(2R)−(R−ΔR)/(2R)}×V
=(ΔR/R)×V
となる。
このように、外部磁界と抵抗変化量との関係が既知であるMR素子5A〜5Dを用いるようにすれば、誘導磁界Hmの大きさを測定することができ、その誘導磁界Hmを派生する検出対象電流Imの大きさを推定することができる。
さらに、この電流センサでは、上記第1の実施の形態と同様、第3の接続点P13において検出される電位V1と第4の接続点P14において検出される電位V2とが差分検出器AMPに供給されて、その差分(電位差V0)が零となるような補償電流Idが出力される。差分検出器AMPからの補償電流Idは補償電流ラインCに供給され、MR素子5A〜5Dの近傍を所定の方向へ流れることにより誘導磁界Hmとは逆方向の補償磁界Hdを発生するようになっている。
以上説明したように、本実施の形態の電流センサによれば、MR素子5A〜5Dにおける各素子パターン50A1,50A2,50B1,50B2,50C1,50C2,50D1,50D2の全てを、導体40の直線部分41が延在する階層とは異なる同一の階層に配置するようにしたので、誘導磁界Hm、ひいては検出対象電流Imを高精度に測定することができる。特に、自由層が、直線部分41に対して互いに対応する高さ位置に存在するようにすれば、MR素子5A〜5Dの抵抗値R1〜R4の変化がより精密となり、よりいっそう高精度な測定が可能となる。
以上、いくつかの実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記の実施の形態等に限定されず、種々の変形が可能である。例えば上記第1の実施の形態では、異方性磁界Hk1,Hk2の方向が互いに一致するようにMR素子5A,5Bを配置するようにしたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図19に示したように、異方性磁界Hk1,Hk2が中心軸CLから外れていてもよい。但し、異方性磁界Hk1の方向や磁化J51Aの方向などが異方性磁界Hk2の方向や磁化J51Bの方向などと中心軸CLを中心として互いに回転対称な関係となっていることが望ましい。この場合、中心軸CLに沿ってリフレッシュ磁界Hrefを印加することで初期状態が得られ、オフセット出力電圧を実質的に零とすることができる。なお、中心軸CLは、異方性磁界Hk1,Hk2、磁化J51A,J51Bおよび交換結合磁界Hin1,Hin2の各ベクトルを全て含む面(通常は積層面)と平行な軸とする。
また、上記実施の形態では、保持部材として平板状のプリント回路基板である集積基板101,102を例示して説明したが、これに限定されるものではない。例えば柔軟性を有するフレキシブル基板を保持部材として用いることもできる。また、上記実施の形態では、図1に示したように磁気抵抗効果素子が形成された素子基板を集積基板101,102の中央付近に配置するようにしたが、その配置に限定されるものではない。すなわち、図1では中心軸CLを集積基板101,102のX軸方向の中心位置としたが、中心軸CLがどちらかに偏っていてもよい。また、集積基板101,102には、磁気抵抗効果素子以外の他のデバイスが設けられていてもよい。さらに、磁気抵抗効果素子(MR素子5A〜5D)、補償電流ライン(薄膜コイル61A〜61D)、素子基板(素子基板11,21)および保持部材(集積基板101,102)の相互の寸法比についても各図に示したものに限定されない。
本発明における第1の実施の形態としての電流センサの構成を示す部分破断図である。 図1に示した電流センサの分解斜視図である。 図1に示した電流センサの側面図および断面図である。 図1に示した第1のモジュール10の構成を示す分解斜視図である。 図1に示した第1のモジュール10の構成を示す断面図である。 図1に示した第2のモジュール20の構成を示す分解斜視図である。 図1に示した第2のモジュール10の構成を示す断面図である。 図1に示した第1のモジュール10の要部である素子パターン50A1,50A2の構成を示す分解斜視図である。 図1に示した第2のモジュール20の要部である素子パターン50B1,50B2の構成を示す分解斜視図である。 図8に示した素子パターンにおける磁化の向きおよび磁界の向きの関係を説明する説明図である。 図1に示した電流センサの回路構成を示す回路図である。 図1に示した第1および第2のモジュール10,20における補償電流Idの向きと補償磁界Hdの向きとの関係を説明する説明図である。 図1に示した電流センサの製造方法を説明するための一工程を表す断面図である。 図13に続く一工程を説明するための断面図である。 図14に続く一工程を説明するための上面図である。 本発明における第2の実施の形態としての電流センサの要部構成を示す分解斜視図である。 本発明における第2の実施の形態としての電流センサの他の要部構成を示す分解斜視図である。 第2の実施の形態としての電流センサの回路構成を示す回路図である。 第1の実施の形態の変形例としての電流センサの要部における磁化の向きおよび磁界の向きの関係を説明する説明図である。
符号の説明
1,2…電流センサ、10…第1のモジュール、11,21…素子基板、12,22…磁気抵抗効果(MR)素子層、13,23…薄膜コイル層、20…第2のモジュール、30…コイル、40…導体、41…直線部分、5A,5B…磁気抵抗効果(MR)素子、50A1,50A2,50B1,50B2…素子パターン、101,102…集積基板、CG1,CG2…定電流源、CL…中心軸、PL…直交軸、β1,β2…角度。

Claims (28)

  1. 検出対象電流の供給により誘導磁界を発生する導体の近傍に配置され、前記検出対象電流を検出する電流センサであって、
    一定方向に固着された磁化方向を有する固着層と、非磁性の中間層と、前記誘導磁界に応じて磁化方向が変化すると共に前記固着層の磁化方向と異なる方向の異方性磁界を発現する自由層とを含む積層構造をそれぞれ有する第1および第2の磁気抵抗効果素子を備え、
    前記第1および第2の磁気抵抗効果素子における各積層構造が同一階層に設けられ、
    前記第1の磁気抵抗効果素子の抵抗値と前記第2の磁気抵抗効果素子の抵抗値とが前記誘導磁界に応じて互いに逆方向に変化する
    ことを特徴とする電流センサ。
  2. 前記第1の磁気抵抗効果素子の積層構造と、前記第2の磁気抵抗効果素子の積層構造とは、それらの積層面と平行な中心軸を回転中心として互いに回転対称な関係にある
    ことを特徴とする請求項1に記載の電流センサ。
  3. 前記中心軸は、前記第1および第2の磁気抵抗効果素子の双方における自由層の異方性磁界の方向と一致している
    ことを特徴とする請求項2に記載の電流センサ。
  4. 前記第1および第2の磁気抵抗効果素子における各自由層が全て同一階層に位置する
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電流センサ。
  5. 前記第1および第2の磁気抵抗効果素子を保持する保持部材をさらに備え、
    前記保持部材は、前記第1および第2の磁気抵抗効果素子における各積層構造の積層面と平行であり、かつ、外部に露出した基準平面を有する
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電流センサ。
  6. 前記第1および第2の磁気抵抗効果素子は、それぞれ異なる素子基板に形成されている
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電流センサ。
  7. 前記第1の磁気抵抗効果素子が形成された素子基板は、対向配置された一対の保持部材における一対の対向面のうちの一方に設けられ、
    前記第2の磁気抵抗効果素子が形成された素子基板は、前記一対の対向面のうちの他方に設けられている
    ことを特徴とする請求項6に記載の電流センサ。
  8. 前記一対の保持部材は、前記第1および第2の磁気抵抗効果素子における各積層構造の積層面と平行であり、かつ、外部に露出した基準平面を有する
    ことを特徴とする請求項7に記載の電流センサ。
  9. 前記第1および第2の磁気抵抗効果素子のそれぞれに対し、互いに等しい値の定電流を供給する第1および第2の定電流源と、
    前記定電流によって前記第1および第2の磁気抵抗効果素子のそれぞれに生ずる電圧降下の差分を検出する差分検出器と
    を備えた
    ことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の電流センサ。
  10. 前記電圧降下の差分に応じた補償電流が流れることにより、前記検出対象電流に基づいて前記第1および第2の磁気抵抗効果素子に印加される各誘導磁界とは逆方向の補償磁界を前記第1および第2の磁気抵抗効果素子の各々に付与するように構成された補償電流ラインをさらに備えた
    ことを特徴とする請求項9に記載の電流センサ。
  11. 前記異方性磁界の方向に沿ったバイアス磁界を前記第1および第2の磁気抵抗効果素子に対して印加するバイアス磁界印加手段を備えた
    ことを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の電流センサ。
  12. 検出対象電流の供給により誘導磁界を発生する導体の近傍に配置され、前記検出対象電流を検出する電流センサであって、
    一定方向に固着された磁化方向を有する固着層と、非磁性の中間層と、前記誘導磁界に応じて磁化方向が変化すると共に前記固着層の磁化方向と異なる方向の異方性磁界を発現する自由層とを含む積層構造をそれぞれ有する第1から第4の磁気抵抗効果素子を備え、
    前記第1から第4の磁気抵抗効果素子における各積層構造が同一階層に設けられ、
    前記第1の磁気抵抗効果素子の抵抗値と前記第3の磁気抵抗効果素子の抵抗値とが、前記誘導磁界に応じて互いに同方向に変化し、
    前記第2および第4の磁気抵抗効果素子の抵抗値が、前記誘導磁界に応じて前記第1および第3の磁気抵抗効果素子の抵抗値と逆方向に変化する
    ことを特徴とする電流センサ。
  13. 前記第1から第4の磁気抵抗効果素子は、前記第1から第4の磁気抵抗効果素子における各積層構造の積層面と平行な中心軸から互いに等しい距離に位置する
    ことを特徴とする請求項12に記載の電流センサ。
  14. 前記第1および第3の磁気抵抗効果素子の各積層構造は、互いに等価な関係にあり、
    前記第2および第4の磁気抵抗効果素子の各積層構造は、互いに等価な関係にあり、
    前記第1および第3の磁気抵抗効果素子の各積層構造と、前記第2および第4の磁気抵抗効果素子の各積層構造とは、それらの積層面と平行な中心軸を回転中心として互いに回転対称な関係にある
    ことを特徴とする請求項12または請求項13に記載の電流センサ。
  15. 前記中心軸は、前記第1から第4の磁気抵抗効果素子の全てにおける自由層の異方性磁界の方向と一致している
    ことを特徴とする請求項14に記載の電流センサ。
  16. 前記第1から第4の磁気抵抗効果素子における各自由層が全て同一階層に位置する
    ことを特徴とする請求項12から請求項15のいずれか1項に記載の電流センサ。
  17. 前記第1から第4の磁気抵抗効果素子を保持する保持部材をさらに備え、
    前記保持部材は、前記第1から第4の磁気抵抗効果素子における各積層構造の積層面と平行であり、かつ、外部に露出した基準平面を有する
    ことを特徴とする請求項12から請求項16のいずれか1項に記載の電流センサ。
  18. 前記第1および第3の磁気抵抗効果素子は第1の素子基板に形成され、前記第2および第4の磁気抵抗効果素子は前記第1の素子基板とは異なる第2の素子基板に形成されている
    ことを特徴とする請求項12から請求項17のいずれか1項に記載の電流センサ。
  19. 前記第1の素子基板は、対向配置された一対の保持部材における一対の対向面のうちの一方に設けられ、
    前記第2の素子基板は、前記一対の対向面のうちの他方に設けられている
    ことを特徴とする請求項18に記載の電流センサ。
  20. 前記一対の保持部材は、前記第1から第4の磁気抵抗効果素子における各積層構造の積層面と平行であり、かつ、外部に露出した基準平面を有する
    ことを特徴とする請求項19に記載の電流センサ。
  21. 前記第1および第2の磁気抵抗効果素子の一端同士が第1の接続点において接続され、前記第3および第4の磁気抵抗効果素子の一端同士が第2の接続点において接続され、前記第1の磁気抵抗効果素子の他端と前記第3の磁気抵抗効果素子の他端とが第3の接続点において接続され、前記第2の磁気抵抗効果素子の他端と前記第4の磁気抵抗効果素子の他端とが第4の接続点において接続されてなるブリッジ回路と、
    前記第1の接続点と前記第2の接続点との間に電圧が印加されたときに生ずる前記第3の接続点と前記第4の接続点との間の電位差に応じた補償電流が流れることにより、前記検出対象電流に基づいて前記第1から第4の磁気抵抗効果素子に印加される各誘導磁界とは逆方向の補償磁界を前記第1から第4の磁気抵抗効果素子の各々に付与するように構成された補償電流ラインと
    をさらに備えたことを特徴とする請求項12から請求項20のいずれか1項に記載の電流センサ。
  22. 前記異方性磁界の方向に沿ったバイアス磁界を前記第1から第4の磁気抵抗効果素子に対して印加するバイアス磁界印加手段を備えた
    ことを特徴とする請求項12から請求項21のいずれか1項に記載の電流センサ。
  23. 前記バイアス磁界印加手段は、コイルからなる
    ことを特徴とする請求項11または請求項22に記載の電流センサ。
  24. 前記固着層の磁化方向は、前記固着層および自由層の間に生ずる交換結合磁界と前記自由層の異方性磁界との合成磁界の方向と直交している
    ことを特徴とする請求項1から請求項23のいずれか1項に記載の電流センサ。
  25. 検出対象電流の供給により誘導磁界を発生する導体の近傍に配置され、前記検出対象電流を検出する電流センサを製造する方法であって、
    一の基体上に、一定方向の異方性磁界を発現すると共に前記誘導磁界に応じて磁化方向が変化する第1の強磁性層と、非磁性の中間層と、前記第1の強磁性層よりも大きな保磁力を有する第2の強磁性層とを順に積層してなる積層構造をそれぞれ含む複数の磁気抵抗効果素子を一括して形成する工程と、
    前記複数の磁気抵抗効果素子の全てについて、前記異方性磁界の方向と異なる方向となるように前記第2の強磁性層の磁化方向を一括して設定する工程と、
    前記基体を前記磁気抵抗効果素子ごとに複数に分割することで、それぞれ一の前記磁気抵抗効果素子が設けられた第1および第2の素子基板を取り出す工程と、
    前記第1および第2の素子基板を、前記磁気抵抗効果素子における各積層構造が同一階層に位置し、かつ、前記誘導磁界に応じて前記第1の素子基板における磁気抵抗効果素子の抵抗値と前記第2の素子基板における磁気抵抗効果素子の抵抗値とが互いに逆方向の変化を示すように配置する工程と
    を含むことを特徴とする電流センサの製造方法。
  26. 前記第1および第2の素子基板を、前記第1の素子基板における積層構造と前記第2の素子基板における積層構造とがそれらの積層面と平行な中心軸を回転中心として互いに回転対称な関係となるように配置する
    ことを特徴とする請求項25に記載の電流センサの製造方法。
  27. 検出対象電流の供給により誘導磁界を発生する導体の近傍に配置され、前記検出対象電流を検出する電流センサを製造する方法であって、
    一の基体上に、一定方向の異方性磁界を発現すると共に前記誘導磁界に応じて磁化方向が変化する第1の強磁性層と、非磁性の中間層と、前記第1の強磁性層よりも大きな保磁力を有する第2の強磁性層とを順に積層してなる積層構造をそれぞれ含む複数の磁気抵抗効果素子を一括して形成する工程と、
    前記複数の磁気抵抗効果素子の全てについて、前記異方性磁界の方向と異なる方向となるように前記第2の強磁性層の磁化方向を一括して設定する工程と、
    前記基体を複数に分割することで、2つの前記磁気抵抗効果素子を各々含む前記第1および第2の素子モジュールを形成する工程と、
    前記第1および第2の素子モジュールを、前記第1から第4の磁気抵抗効果素子における各積層構造が同一階層に位置し、かつ、前記誘導磁界に応じて前記第1の素子モジュールにおける磁気抵抗効果素子の抵抗値と前記第2の素子モジュールにおける磁気抵抗効果素子の抵抗値とが互いに逆方向の変化を示すように配置する工程と
    を含むことを特徴とする電流センサの製造方法。
  28. 前記第1および第2の素子モジュールを、前記第1の素子モジュールにおける積層構造と前記第2の素子モジュールにおける積層構造とがそれらの積層面と平行な中心軸を回転中心として互いに回転対称な関係となるように配置する
    ことを特徴とする請求項27に記載の電流センサの製造方法。
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