JP2009002566A - 取付ボルトの取付構造およびそれを備えた空気調和機の室外機 - Google Patents
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Abstract
【課題】
駆動機器を固定する取付ボルトを容易に固定板に取り付けることができると共に、取り付けた取付ボルトが空回りしない取付ボルトの取付構造およびそれを備えた空気調和機の室外機を提供する
【解決手段】
取付ボルト1は、ネジ山2が形成された軸部3と、多角形状のフランジ部4と、カシメ部4とを備える。固定板6は、取付ボルト1のフランジ部4が嵌合する凹部8と、取付ボルト1のカシメ部4を挿入するための穴9とが設けられた台座7が、表面から凸状に一体的に形成される。
台座7の穴9にカシメ部5を挿入すると共に、フランジ部4を凹部8に嵌合させる。その後、カシメ部5を加圧して塑性変形させ、固定板6に固定する。
【選択図】図3
駆動機器を固定する取付ボルトを容易に固定板に取り付けることができると共に、取り付けた取付ボルトが空回りしない取付ボルトの取付構造およびそれを備えた空気調和機の室外機を提供する
【解決手段】
取付ボルト1は、ネジ山2が形成された軸部3と、多角形状のフランジ部4と、カシメ部4とを備える。固定板6は、取付ボルト1のフランジ部4が嵌合する凹部8と、取付ボルト1のカシメ部4を挿入するための穴9とが設けられた台座7が、表面から凸状に一体的に形成される。
台座7の穴9にカシメ部5を挿入すると共に、フランジ部4を凹部8に嵌合させる。その後、カシメ部5を加圧して塑性変形させ、固定板6に固定する。
【選択図】図3
Description
本発明は、駆動機器を固定板に固定するための取付ボルトの取付構造およびそれを備えた空気調和機の室外機に関する。
空気調和機の室外機には、冷凍サイクルを構成する圧縮機および熱交換器や、熱交換器での熱交換を促進する室外ファン等の駆動機器が収納されている。これら駆動機器は、室外機の底部に配された固定板に、直接あるいは保持具を介して固定される。
固定方法としては、例えば、圧縮機の場合、その下部に設けられた固定脚が防振部材を介して取付ボルトに取り付けられる。そして、ナット締めされ、固定される。この構成により、圧縮機は、輸送時や運転時の振動による圧縮機自身への悪影響、あるいは、圧縮機につながる冷媒配管の破損等を防止できる。
ところで、取付ボルトは、振動等で駆動機器が外れないようにするために、そのフランジ部をスポット溶接によって固定板に強固に取り付けられている。しかし、その溶接部分には、肉厚が薄くなった溶接跡となる。溶接跡には、水が溜まりやすく、それにより、錆が生じる。すなわち、スポット溶接の溶接部分は、溜まった水によって錆が生じ、破損するという問題がある。
上記問題を解決するために、従来は、固定板に防錆塗装を施したり、固定板の材料をメッキ鋼板等の表面処理鋼板またはステンレス鋼鈑を使用する。ところが、最近は、環境問題から防錆塗装の使用が制限されている。また、防錆塗装を施した場合、仕上がるまでに時間を要するため生産性が悪い上、防錆塗装を行うための大規模な設備が必要となる問題がある。また、表面処理鋼板またはステンレス鋼鈑は、溶接性が悪く、取付ボルトを強固に固定できない問題がある。また、スポット溶接機は、そのチップに付着した皮膜を使用するたびに除去する必要があり、生産性が悪い。また、スポット溶接は、溶接強度のバラツキが生じ易く、溶接強度の安定性に欠ける上、溶接部分の肉厚が薄くなる問題がある。
上記問題を解決するために、特許文献1では、図4に示すように、取付ボルト50の根元部51をプレスにより塑性変形させることで、取付ボルト50をカシメ加工によって固定板52に取り付ける取付構造が開示されている。しかし、取付ボルト50の回り止めが設けられていないため、ナットを締付ける際、その締付けトルクにより取付ボルト50が空回りする問題がある。
そこで、特許文献2および特許文献3では、取付ボルト60をカシメ加工によって固定板63に取り付けると共に、フランジ部61に設けられた取付ボルトの軸方向に突出する突起62を固定板63に食い込ませることで、取付ボルト60の空回りを防止する取付構造が開示されている。
特開平10−325569公報
特開2001−330276公報
特開2002−039121公報
ところで、特許文献2および特許文献3では、取付ボルト60を形成する材料の硬さの違いやばらつきによって、固定板63への突起62の食込み度合いにバラツキが生じる。そのため、突起62の食込み度合いが浅い場合は、ナットの締付けトルクにより取付ボルト60が空回りすることがある。
そこで、本発明は、上記問題を鑑み、圧縮機等の駆動機器を固定する取付ボルトを、スポット溶接することなく、容易に固定板に取り付けることができると共に、駆動機器の運転時の振動やナットの取り付け時に空回りしない取付ボルトの取付構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明では、駆動機器を固定板に固定するための取付ボルトの取付構造において、前記取付ボルトは、前記駆動機器が締結される軸部と、前記軸部の一端側に設けられたフランジ部と、前記フランジ部を挟んで前記軸部と反対側に突設されたカシメ部とを備え、前記固定板は、前記取付ボルトが回転不能となるように、前記フランジが嵌合される凹部と、前記凹部に前記カシメ部が挿通される穴とが形成され、前記カシメ部を前記穴に挿通させると共に、前記フランジ部を前記凹部に嵌合し、前記カシメ部を塑性変形させ、前記カシメ部と前記フランジ部で前記固定板を挟んで前記取付ボルトを前記固定板に固定することを特徴とする。
凹部の中央部分に穴が形成されるため、カシメ部を穴に挿通させると、フランジ部は凹部に嵌合する。穴に挿通したカシメ部を、底面から加圧して塑性変形させると、塑性変形したカシメ部とフランジ部とで固定板を挟む。これにより、取付ボルトは固定板に取り付けられる。
上記構成によると、取付ボルトは、塑性変形したカシメ部とフランジ部とで固定板に強固に固定される。すなわち、取付ボルトは、スポット溶接をすることなく固定板に取り付けられるので、防錆塗装が不要の表面処理鋼板またはステンレス鋼鈑を使用することが可能となり、防錆塗装の工程を廃止できる。
フランジ部は、凹部と当接し、円周方向の回転を規制する。より効果的には、例えば、フランジ部を多角形に形成し、凹部を前記フランジ部と同形状に形成する。これにより、フランジ部の突起部と凹部の突起部とが当接するので、取付ボルトの軸中心回りの回転を規制する。フランジ部および凹部が多角形に形成されるため、フランジ部の突起部と凹部の突起部が当接する部分が多くなり、ナットの締付けトルクに対して十分な強度が保て、回転を規制することが可能となり、空回りを防止する。なお、フランジ部は、三角形や四角形といった他の多角形状の他、楕円形状、瓢箪形状等であってもよい。
取付ボルトを固定板に取り付けた際、フランジ部は、凹部の駆動機器配置側の面に密着する。そのため、例えば、駆動機器が空気調和機の室外機を構成する熱交換器の場合、熱交換器から生じる水滴が穴から漏れるのを防止できる。そのため、水漏れ防止のシール剤が不要となる。
カシメ部を固定板に貫通させているため、固定板を床等に載置した際、底面から突出した部分によって、安定性が悪い。そこで、固定板に、凹部と穴とを有する台座を固定板から突設させて形成する。この構成によると、台座の底面は、固定板の他の底面よりへこんでいるため、カシメ部を塑性変形したとき、前記カシメ部が前記固定板の底面から突出しない。したがって、固定板を床等に載置した際、固定板が安定する。
以上のとおり、本発明は、取付ボルトを固定板にカシメ加工で強固に取り付けができ、その強度は、運転時の振動や固定の締付けトルクによる破壊にも耐えるものであり、さらには、溶接不良の不安や塗装を廃止することができる。
また、フランジ部を凹部に嵌合して取り付けられるので、取付ボルトは、運転時の振動や固定の締付けトルク等による空回りを防止することができる。
以下、本発明に係る取付ボルトの取付構造について説明する。なお、説明の便宜上、実施形態は、空気調和機の室外機に備えた形態とし、駆動機器は冷凍サイクルを運転するための圧縮機とする。
図1は、本発明に係る取付ボルトの取付構造を備えた空気調和機の室外機の実施形態を示す図であって、図中の1は圧縮機を取り付ける取付ボルト1を示し、6は室外機の底部を形成する固定板6を示す。
取付ボルト1は、図2に示すように、一端側に圧縮機Aと振動を和らげるための防振部材BとをナットCにより取り付けるネジ山2が形成された軸部3と、軸部3の他端側に設けられた多角形状のフランジ部4と、フランジ部4を挟んで軸部3と反対側に突設されたカシメ部4とを備える。
なお、フランジ部4は、図中では正六角形に形成されているが、特にこの限りではなく、三角形や四角形といった他の多角形状、楕円形状、瓢箪形状等であってもよい。
固定板6は、圧縮機配置側の面(以下、表面と言う)から凸状に隆起した台座7が一体的に形成される。台座7には、取付ボルト1のフランジ部4が嵌合する凹部8と、取付ボルト1のカシメ部4を挿入するための穴9とが設けられている。
凹部8は、フランジ部4がその外周に沿って嵌合できるように、フランジ部4と同形状に形成される。凹部8の内径は、フランジ部4の外形よりも大とされる。凹部8の深さはフランジ部4の厚さよりも大に形成されるが、凹部8の底面、すなわち、固定板6に対して圧縮機配置側と相対する側の面(以下、底面と言う)は、カシメ部5を加圧して塑性変形したときに、塑性変形したカシメ部5が固定板6の底面から突出しないように形成される。
具体的には、図3に示すように、固定板6の底面から台座7の表面までの高さをH、台座7の表面から凹部8の底面までの深さをD、カシメ部5の厚さをtとすると、それぞれの関係は、
H≧D+t・・・(1)
となり、この(1)式を満たすことで、塑性変形したカシメ部5が固定板6の底面から突出することはない。
H≧D+t・・・(1)
となり、この(1)式を満たすことで、塑性変形したカシメ部5が固定板6の底面から突出することはない。
穴9は、凹部8の中央に形成され、表面から底面に貫通する貫通穴である。穴9は、カシメ部5が挿入しやすいように、表面側の周端が面取り加工される。穴9の内径は、カシメ部5の外形より僅かに大きいことが望ましい。これにより、穴9へのカシメ部5の挿入を容易にすると共に、カシメ部5を加圧して塑性変形させ、カシメ部5の外径が広げられたときのカシメ強度が得られる。
次に、取付ボルト1を固定板6に取り付ける動作について、図3を用いて説明する。
先ず、台座7の穴9にカシメ部5を表面側から挿入する。カシメ部5を穴9に挿入すると、フランジ部4は、台座7の凹部8に嵌合される。その後、フランジ部4の軸部側の面を押さえながら、台座7の底面から突出したカシメ部5を加圧して塑性変形させる。これにより、取付ボルト1は、固定板6に固定される。
この後、圧縮機Aや防振部材Bを軸部3に装着し、ナットCをネジ山に螺合させ、固定する。このようにして、所望の状態に圧縮機Aを固定することができる。
このようにすれば、塑性変形したカシメ部5とフランジ部4が固定板6を挟むため、固定板6に対して取付ボルト1がその軸方向に移動することがない。さらに、圧縮機Aを取り付ける際のナットCの締付けトルクにも耐える強度を得ることができる。
また、取付ボルト1を固定板6に固定するときにスポット溶接を不要にできる。そのため、固定板6の材料に防錆力の有る表面処理鋼板等を使用することが可能となり、表面処理鋼板等を使用すれば、従来必要であった防錆塗装も廃止することができる。
さらに、多角形のフランジ部4がフランジ部4と同形状の凹部8に嵌合されているため、フランジ部4の突起と凹部8の突起とが当接し、円周方向の回転を規制する。すなわち、ナットCを取り付ける際の締付けトルクに対して十分な強度が保て、回転を規制することが可能である上、カシメ部5に力が働かないため、空回りを防止することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で上記実施形態に多くの修正および変更を加え得ることは勿論である。例えば、本実施形態では、駆動機器を熱交換器で説明しているが、特にこれに限られることはない。例えば、自動販売機を固定する際に用いても良い。また、駆動機器に限られず、公衆電話の固定や看板の固定等に用いても良い。
本実施形態は、熱交換器が本体と分離した分離型空気調和機に備えた場合で説明しているが、特にこの限りではなく、熱交換器と本体が一体型の空気調和機であっても良い。
フランジ部の大きさや形状を選択すれば、ナットの締付けトルクに耐える強度を確保することができる。すなわち、締付けトルクが大きいときは、フランジ部および凹部の形状をより突起が多い多角形状に形成するか、あるいは、フランジ部と凹部とが接する面積を大きくして、締付けトルクに対する強度を増加させることができる。
1 取付ボルト
2 ネジ山
3 軸部
4 フランジ部
5 カシメ部
6 固定板
7 台座
8 凹部
9 穴
50 取付ボルト
51 根元部
52 固定板
60 取付ボルト
61 フランジ部
62 突起
63 固定板
A 圧縮機
B 防振部材
C ナット
2 ネジ山
3 軸部
4 フランジ部
5 カシメ部
6 固定板
7 台座
8 凹部
9 穴
50 取付ボルト
51 根元部
52 固定板
60 取付ボルト
61 フランジ部
62 突起
63 固定板
A 圧縮機
B 防振部材
C ナット
Claims (4)
- 駆動機器を固定板に固定するための取付ボルトの取付構造において、
前記取付ボルトは、前記駆動機器が締結される軸部と、前記軸部の一端側に設けられたフランジ部と、前記フランジ部を挟んで前記軸部と反対側に突設されたカシメ部とを備え、
前記固定板は、前記取付ボルトが回転不能となるように、前記フランジが嵌合される凹部と、前記凹部に前記カシメ部が挿通される穴とが形成され、
前記カシメ部を前記穴に挿通させると共に、前記フランジ部を前記凹部に嵌合し、前記カシメ部を塑性変形させ、前記カシメ部と前記フランジ部で前記固定板を挟んで前記取付ボルトを前記固定板に固定することを特徴とする取付ボルトの取付構造。 - 固定板に台座が形成され、
前記台座は、前記凹部と前記穴とを有し、
カシメ部を塑性変形したとき、前記カシメ部が前記固定板の底面から突出しないように、前記台座は、前記固定板から突設されたことを特徴とする請求項1に記載の取付ボルトの取付構造。 - フランジ部は、多角形に形成され、
凹部は、前記フランジ部と同形状に形成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の取付ボルトの取付構造。 - 駆動機器は、冷凍サイクルを運転するための圧縮機とされ、
請求項1〜3のいずれかに記載の取付ボルトの取付構造を備えたことを特徴とする空気調和機の室外機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007163273A JP2009002566A (ja) | 2007-06-21 | 2007-06-21 | 取付ボルトの取付構造およびそれを備えた空気調和機の室外機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007163273A JP2009002566A (ja) | 2007-06-21 | 2007-06-21 | 取付ボルトの取付構造およびそれを備えた空気調和機の室外機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009002566A true JP2009002566A (ja) | 2009-01-08 |
Family
ID=40319142
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007163273A Pending JP2009002566A (ja) | 2007-06-21 | 2007-06-21 | 取付ボルトの取付構造およびそれを備えた空気調和機の室外機 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2009002566A (ja) |
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2007
- 2007-06-21 JP JP2007163273A patent/JP2009002566A/ja active Pending
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