JP2008223782A - 空気調和機の室外機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】圧縮機固定ボルトは、頭部2と、頭部2の一面側に配設された、圧縮機が締結される軸部3と、頭部2の他面側に配設された、軸方向に延びるセレーションが外周面に形成された、リング状の嵌入部4と、を備える。この嵌入部4は、底板5に形成された嵌入孔に嵌入され、かつその先端が筐体の外部に突出される。このとき、頭部2は、底板5の上面に接触するように配置される。筐体の外部に突出された嵌入部4から派生したかしめ部4bと頭部2が底板5を挟持する。
【選択図】図3
Description
この固定用ボルトを底板24に取り付ける際に、従来は、底板24に接触するフランジ部(頭部)をスポット溶接して固定していた。このスポット溶接により底板24には相当量の入熱がある。底板24の耐食性確保のために、底板24の表面にはめっきが施されている。このめっきが、スポット溶接の入熱により、部分的に蒸発・消失することがあった。耐食性の低下を補うため、スポット溶接を行った後に、スポット溶接によりめっきが損傷した部分に耐食性の塗料を塗布すれば、耐食性の低下を防止することができる。しかし、この方法では、工程が増えてしまうとともに、塗料が乾燥するまでの間、次工程に進むことができず、生産効率を低下させる。
例えば、特許文献1には、図8に示すように、固定用ボルト30の塑性変形部31をプレス加工により塑性変形させてかしめる方法が開示されている。同様な方法として、特許文献2には、図9(a)に示すように、底板40に設けられた貫通孔を介して、固定用ボルト41の下端部42を底板40の下方へ突出させた後、図9(b)のように、この突出した下端部42をかしめ等にて圧潰して圧潰部43を形成し、この圧潰部43と頭部44とで底板40を挟む構造が開示されている。
特許文献1、特許文献2に提案されている構造により、固定用ボルトを必要な強度で底板に固定することができるとともに、スポット溶接及び塗装を廃止することができる。しかしながら、この構造は、固定用ボルトの回転を抱束する部材が設けておらず、そのため圧縮機の取り付け作業時のナットを締付ける際に、その締付けトルクが大きくなると固定用ボルトが空回りする虞がある。
特許文献3は、軸部51をボルト用孔56に挿入する以外に、突起53を突起用孔57に位置決めして挿入する必要があり、固定用ボルト50を所定の位置に配置する作業が煩雑である。また、小径の突起53では十分な強度を得ることができないため、圧縮機の取り付け作業時のナット締付けトルクによっては、突起53が破断する虞がある。
ここで、嵌合部62を塑性変形させてかしめ部62aを形成するには、相当に大きな外力を負荷する必要がある。しかるに、特許文献4の嵌合部62は軸部63と一体的に形成されているため、かしめ部62aを形成することは容易ではない。外力を負荷することにより、嵌合部62の一部が軸部63から剥離するおそれもある。つまり、特許文献4に開示された固定用ボルト60は、かしめを行うことが容易でなく、結局、固定用ボルト60の回転を拘束することが難しい。
本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、セレーションによる回転の拘束に加えて、かしめによる回転の拘束を有効に行えるボルト状の固定部材を提案し、圧縮機を底板に適切に固定することのできる室外機を提供することを目的とする。
(第1の実施形態)
図1は第1の実施形態による圧縮機固定ボルト1を示す斜視図、図2は第1の実施形態による圧縮機固定ボルト1を底板5の所定位置に配置した状態を示す部分断面図、図3は第1の実施形態による圧縮機固定ボルト1によって圧縮機の固定脚8を固定した状態を示す部分断面図である。
頭部2の一面側には、頭部2と連接される軸部3が形成されている。軸部3の所定領域の外周にはねじ山が形成されている。図示しない圧縮機は、振動防止用の弾性部材等を介在させた状態で、このねじ山部分に締付けられるナット9により、圧縮機固定ボルト1に締結される。
頭部2の他面側、つまり軸部3が形成された面と対向する面側に、頭部2と連接される嵌入部4が形成されている。嵌入部4は、リング状の形態をなしており、その外周面にセレーション4aが形成されている。このセレーション4aは、嵌入部4(または軸部3)の軸方向に延設されている。嵌入部4の頭部2からの突出高さは、底板5の厚さよりも大きく設定されている。また、嵌入部4は、軸部3と同軸上に配置されている。
圧縮機固定ボルト1の頭部2が底板5と接するまで嵌入されると、図2に示すように、嵌入部4の先端から所定長までの部分が、底板5から突出する。この突出した部分は、筐体の外部に位置することになる。
また、かしめ加工の際に、嵌入部4は嵌入孔5hに嵌入されている部分が拡径しようとする向きに外力を受ける。この外力により、嵌入孔5hに嵌入されている部分の嵌入部4は、嵌入孔5hの内部から底板5に向けて圧接される。したがって、圧縮機固定ボルト1をより強固に底板5に固定することができ、軸部3に軸のぶれが発生することを防止する。
一方、かしめ加工において、頭部2及び軸部3に対しては外力が直接作用しないために、頭部2及び軸部3に変形、変位が生ずることは想定されない。また頭部2と底板5との接触面が互いに平面であるため、軸部3の軸がぶれることもない。
図4は第2の実施形態による圧縮機固定ボルト10を示す斜視図、図5は第2の実施形態による圧縮機固定ボルト10を底板15の所定位置に配置した状態を示す部分断面図、図6は第2の実施形態による圧縮機固定ボルト10によって圧縮機の固定脚8を固定した状態を示す部分断面図である。
頭部12の一面側には、頭部12と連接される軸部13が形成されている。軸部13の所定領域の外周にはねじ山が形成されている。図示しない圧縮機は、振動防止用の弾性部材等を介在させた状態で、このねじ山部分に締付けられるナット9により、圧縮機固定ボルト10に締結される。
以上までは第1の実施形態と同様の構成であるが、第2の実施形態は、軸部13が形成された頭部12の面と同一の面側に、頭部12と連接される嵌入部14が形成されている。嵌入部14は、やはりリング状の形態をなしており、軸部13の周囲に配置されている。軸部13と嵌入部14との間には所定の間隙が形成されている。嵌入部14の外周面には、セレーション14aが形成されている。このセレーション14aは、嵌入部14(または軸部13)の軸方向に延設されている。嵌入部14の頭部12からの突出高さは、底板15の厚さよりも大きく設定されている。また、嵌入部14は、軸部13と同軸上に配置されている。
圧縮機固定ボルト10の頭部12が底板15と接するまで嵌入されると、図5に示すように、嵌入部14の先端から所定長までの部分が、底板15から突出する。この突出した部分は、第1の実施形態とは異なり、筐体の内部に位置することになる。
第2の実施形態においても、かしめ部14bは、底板15の下面との接触面にセレーション14aが形成されており、また、かしめ加工の際に、嵌入部14は嵌入孔15hに嵌入されている部分が拡径しようとする向きに外力を受けるので、圧縮機固定ボルト10の回転を拘束する力が非常に大きい。
Claims (3)
- ボルト状の固定部材及びナットからなる固定具により、室外機の筐体を構成する底板の上面に圧縮機を取付け固定した空気調和機の室外機であって、
前記固定部材は、
頭部と、
前記頭部の一面側に配設された、前記圧縮機が締結される軸部と、
前記頭部の他面側に配設され、かつ軸方向に延びるセレーションが外周面に形成された、リング状の嵌入部と、を備え、
前記嵌入部は、前記底板に形成された固定部材用孔に嵌入され、かつその先端が前記筐体の外部に突出され、
前記頭部は、前記底板の前記上面に接触され、
かつ、前記筐体の外部に突出された前記嵌入部がかしめられて、前記頭部とともに前記底板を挟持することを特徴とする空気調和機の室外機。 - ボルト状の固定部材及びナットからなる固定具により、室外機の筐体を構成する底板の上面に圧縮機を取付け固定した空気調和機の室外機であって、
前記固定部材は、
頭部と、
前記頭部の一面側に配設された、前記圧縮機が締結される軸部と、
前記頭部の一面側であって前記軸部の外周側に所定の間隔を隔てて配設され、かつ軸方向に延びるセレーションが外周面に形成された、リング状の嵌入部と、を備え、
前記嵌入部は、前記底板に形成された固定部材用孔に嵌入され、かつその先端が前記筐体の内部に突出され、
前記頭部は、前記底板の前記上面と対向する下面に接触され、
かつ、前記筐体の内部へ突出された前記嵌入部がかしめられて、前記頭部とともに前記底板を挟持することを特徴とする空気調和機の室外機。 - 前記底板に形成された前記固定部材用孔の開口形状が、前記リング状の嵌入部の外周の形状に合致することを特徴とする請求項1又は2に記載の空気調和機の室外機。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2007058417A JP2008223782A (ja) | 2007-03-08 | 2007-03-08 | 空気調和機の室外機 |
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