JP2009001868A - 圧粉磁心用磁性粉の製造方法 - Google Patents

圧粉磁心用磁性粉の製造方法 Download PDF

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Abstract


【課題】水アトマイズ法により製造された磁性粉を圧粉磁心材料として用いるに当り、その保磁力を高めることなく、比抵抗を上昇させて、従来より優れた磁気特性を備えた圧粉磁心用磁性粉の製造方法を提供する。
【解決手段】水アトマイズ法で製造された磁性粉に機械的衝撃を与えて解砕処理することにより該磁性粉を球状化する球状化工程と、前記球状化された磁性粉を還元焼鈍する還元焼鈍工程とを備えた、圧粉磁心用磁性粉の製造方法であって、前記還元焼鈍工程において、前記球状化された磁性粉を解砕しつつ還元焼鈍することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、圧粉磁心の製造に用いられる磁性粉の製造方法に関する。
圧粉磁心の磁気特性を向上させるために、その原料である鉄粉や鉄基合金粉などの磁性粉の形状を加工してから絶縁処理することが有効なことが知られている。特に、水アトマイズ法で製造された磁性粉は、粒子の表面に二次粒子と呼ばれる小さな粒子が付着して複雑な形状をしているため、ガスアトマイズ法で製造された球状の磁性粉よりも形状加工の効果が大きいと考えられる。
例えば、特許文献1には、磁性粉の表面に絶縁処理を行う前にボールミル等にて解砕処理を行って、粒子表面に凝縮した(付着した)二次粒子をあらかじめ脱離させておくことで、絶縁処理後、成形のための樹脂混合時に二次粒子が剥離して絶縁層のない部分が露出することによって渦電流損が増大すること(換言すれば、比抵抗が低下すること)を防止する方法が開示されている。
しかしながら、上記のような磁性粉の解砕処理は、ボールミル等による機械加工により粒子自体に歪(加工歪)を与えるものであるため、粒子自体の保磁力が増大する(すなわち、ヒステリシス損が増大する)問題がある。
そこで、例えば、非特許文献1および特許文献2には、上記ボールミル等による解砕処理後の磁性粉に熱処理(還元焼鈍)を行って上記加工歪を除去してから、絶縁処理を行う方法が開示されている。
しかしながら、上記還元焼鈍を行うと、せっかく上記ボールミル等による解砕処理にて脱離した二次粉が、今度は焼結反応により再度付着してしまうこととなる。したがって、上記還元焼鈍の後に、再度、解砕処理が必要となるが、このような再度の解砕処理は、磁性粉に歪を再び導入することとなり、粒子自体の保磁力(直流保磁力)が増大してしまい、その後に絶縁処理を行っても、磁気特性の向上効果が減殺される結果となる(図2に示す従来工程のフロー図を参照)。
前田ら,「圧粉磁心材料の低鉄損化(第6報)」,粉体粉末冶金協会平成18年度春季講演大会講演概要集,社団法人粉体粉末冶金協会,平成18年,p.135 特開平11−354359号公報(請求項1、段落[0011]) 特開2006−302958号公報(段落[0032])
そこで本発明は、水アトマイズ法により製造された磁性粉を圧粉磁心材料として用いるに当り、その保磁力を高めることなく、比抵抗を上昇させて、従来より磁気特性に優れた圧粉磁心用磁性粉の製造方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、水アトマイズ法で製造された磁性粉に機械的衝撃を与えて解砕処理することにより該磁性粉を球状化する球状化工程と、前記球状化された磁性粉を還元焼鈍する還元焼鈍工程とを備えた、圧粉磁心用磁性粉の製造方法であって、前記還元焼鈍工程において、前記球状化された磁性粉を解砕しつつ還元焼鈍することを特徴とする圧粉磁心用磁性粉の製造方法である。
請求項2に記載の発明は、前記還元焼鈍工程における磁性粉の解砕を、回転式還元炉内に磁性粉とともにセラミックボールを装入することにより行う、請求項1に記載の圧粉磁心用磁性粉の製造方法である。
請求項3に記載の発明は、前記セラミックボールは、その密度を2〜4g/cm、その直径を0.5〜5mm、および、その装入量を磁性粉の装入量に対して質量比で2〜5倍とし、還元焼鈍の温度を600〜800℃とする、請求項1または2に記載の圧粉磁心用磁性粉の製造方法である。
請求項4に記載の発明は、前記還元焼鈍工程の後に、前記還元焼鈍後の磁性粉の表面に電気絶縁材料を被覆する絶縁処理工程を備えた、請求項1〜3のいずれか1項に記載の圧粉磁心用磁性粉の製造方法である。
本発明によれば、還元焼鈍工程において、球状化された磁性粉を高温下にて解砕しつつ還元焼鈍することで、焼結反応による粒子の再付着が防止されるとともに、焼鈍後の冷間での解砕を不要とし、磁性粉への歪の再導入が防止される。この結果、従来より優れた磁気特性を備えた圧粉磁心用磁性粉が製造できるようになった。また、還元焼鈍後の解砕処理工程を省略できるので、作業工程が簡略化され、製造コストも低減できる。
本発明に係る圧粉磁心用磁性粉の製造方法は、水アトマイズ法で製造された磁性粉に機械的衝撃を与えて解砕処理することにより該磁性粉を球状化する球状化工程と、前記球状化された磁性粉を還元焼鈍する還元焼鈍工程とを備えた、圧粉磁心用磁性粉の製造方法であって、前記還元焼鈍工程において、前記球状化された磁性粉を解砕しつつ還元焼鈍することを特徴とする。
以下、図1に示す本発明工程のフロー図を参照しつつ、本発明をさらに詳細に説明する。
[球状化工程]
既述したように、水アトマイズ法で製造された磁性粉(原料粉)は、粒子の表面に小さな二次粒子が付着して、表面に多数の突起や角張った部位(角部)を有する複雑形状を形成している。そこで、このような磁性粉に機械的衝撃を与えて解砕処理することで、突起や角部を除去して粒子を球状化することができる。解砕手段(解砕装置)としては、ボールミルの他、アトライタ、V型ミキサ、ジェットミルなど、常用の破砕機、粉砕機、混合機などを用いることができる。解砕時間は、使用する解砕手段(解砕装置)により異なるが、例えば、振動ボールミルやV型ミキサを用いる場合、後記実施例で示すように、10〜20分程度とすればよい。
[還元焼鈍工程]
球状化された磁性粉は、上記解砕処理により機械的衝撃を受けて多数の加工歪(転移、欠陥)が導入されているので、このような歪を除去するため還元焼鈍を行う。
還元焼鈍は、例えば、リンダ炉などの回転式還元炉に上記球状化処理後の磁性粉とともにセラミックボールを装入し、炉を回転しながら磁性粉を加熱処理することにより行えばよい。これにより、磁性粉は、加熱焼鈍されて球状化処理で導入された加工歪が除去されるとともに、炉内を転動するセラミックボールによる解砕作用によって磁性粉の焼結が防止される。
セラミックボールを用いるのは以下の理由による。すなわち、例えばカーボン鋼球やジルコニアボールなど金属製の重いボールを用いると、粒子が偏平加工されやすくなり、このように偏平加工された粉末を用いて圧粉磁心を成形すると、圧粉磁心の特徴である等方性が失われてしまうこととなる。これに対し、セラミックボールのように比較的軽量のボールを用いることにより、粒子を偏平化することなく、解砕を行うことができる。セラミックボールの材質としては、硬質で強度および耐摩耗性に優れた、例えばアルミナ製のものが推奨される。また、上記粒子の偏平化を防止しつつ、解砕を効果的に行うため、セラミックボールの密度は2〜4g/cm、その直径は0.5〜5mmのものを用い、その装入量は磁性粉の装入量に対して質量比で2〜5倍とするのが推奨される。すなわち、セラミックボールの密度、直径、装入量がそれぞれ上記範囲の下限値より小さくなると、セラミックボールの粒子への衝突エネルギが減少して解砕の効率が低下するいっぽう、セラミックボールの密度、直径、装入量がそれぞれ上記範囲の上限値より大きくなると、上記セラミックボールの粒子への衝突エネルギが増大して粒子が偏平化されやすくなるためである。なお、セラミックボールの直径の好ましい下限値としての0.5mmは、還元焼鈍後に磁性粉とセラミックボールとを容易に篩分けできる限界値としての意味もある。
還元焼鈍は、水素雰囲気下で、600〜800℃の温度で熱処理するのが推奨される。還元焼鈍の時間は、例えば、後記実施例で示すように、2時間程度とすればよい。水素雰囲気下で焼鈍することで、焼鈍中に磁性粉表面が酸化するのを防止することができる。また、還元焼鈍の温度を、上記従来技術(非特許文献1では950℃、特許文献2では好適範囲として700℃以上900℃未満)に比べて、低めの600〜800℃の範囲とすることで、焼鈍による歪除去の効果を十分に確保しつつ、セラミックボール転動による解砕作用とあいまって磁性粉の焼結をより確実に防止することができる。また、このような比較的高温下での解砕操作によっては、粒子に再度歪が導入されるおそれはない。
したがって、本還元焼鈍処理により、磁性粉から歪が除去されて保磁力が十分に低くなるとともに、磁性粉の焼結が効果的に防止されて球状化が維持される。
[絶縁処理工程]
上記還元焼鈍後の磁性粉の表面に電気絶縁材料を被覆する。電気絶縁材料の被覆処理は、還元焼鈍後の磁性粉に、例えば、りん酸ほう酸化マグネシウム水溶液を添加混合した後、乾燥させて行うことができる。
このように、球状化が維持された磁性粉を絶縁処理することで、後の成形工程での二次粒子の剥離に伴う絶縁不良を効果的に防止して、絶縁処理後の磁性粉の比抵抗が確実に高まり、上記磁性粉自体の低い保磁力とあいまって、従来より優れた磁気特性を備えた圧粉磁心用磁性粉が得られる。
〔成形工程〕
このようにして絶縁処理された磁性粉に、例えばステアリン酸カルシウムなどの潤滑剤を少量添加して、所定形状の金型に充填し、プレス成型機にて圧縮成形することで、水アトマイズ法で製造された原料粉(磁性粉)を用いても、従来より磁気特性に優れた圧粉磁心が製造できる。
本発明に係る圧粉磁心用磁性粉の製造方法の作用効果を確証するため、以下の試験を実施した。
原料粉(磁性粉)としては、下記のすべての試験において、水アトマイズ法で製造した純鉄粉(株式会社神戸製鋼所製、商品名「アトメル300NH」、平均粒径:約80μm)を用いた。
〔絶縁処理磁性粉の製造試験〕
[試験1]
上記原料粉(磁性粉)に対し、球状化処理および還元焼鈍を行わずに、直ちに、絶縁処理を行った。具体的には、原料粉1kgに対し、りん酸ほう酸化マグネシウム水溶液50mLの割合で添加し、5分間混合した後、大気中200℃で30分乾燥して絶縁処理を行った。なお、りん酸ほう酸化マグネシウム水溶液は、水:1000g当り、HPO:193g、HBO:30g、MgO:31g、#62(界面活性剤):5mLを含むものである。そして、この絶縁処理後の磁性粉に、潤滑剤としてステアリン酸カルシウムを0.5質量%混合し、外径45mm、内径33mmの断面ドーナツ形の金型を用い、室温にて、成形後の成形体密度が7.2g/cmになるように圧縮成形を行った。
[試験2]
上記原料粉(未処理の磁性粉)50kgに対して、5/8インチのカーボン鋼球400kgを混合し、振動ボールミルにて振幅8mm×振動数1200回/分×10分の条件で球状化処理を行った。この球状化処理後の磁性粉を、100%H雰囲気下、900℃×2時間の条件で還元焼鈍を行い、焼鈍後の磁性粉を、冷間にてフェザーミルを用いて解砕を行った。そして、この解砕後の磁性粉に、上記試験1と同様の条件で、りん酸ほう酸化マグネシウム水溶液により絶縁処理を施した。
[試験3]
上記原料粉(未処理の磁性粉)10kgに対して、5/8インチのカーボン鋼球80kgを混合し、V型ミキサにて45rpm×20分の条件で球状化処理を行った。この球状化処理後の磁性粉を、上記試験2と同様に、100%H雰囲気下、900℃×2時間の条件で還元焼鈍を行い、焼鈍後の磁性粉を、冷間にてフェザーミルを用いて解砕を行い、この解砕後の磁性粉に、上記試験1と同様の条件で、りん酸ほう酸化マグネシウム水溶液により絶縁処理を施した。
[試験4]
上記試験2と同じ条件で、振動ボールミルにより上記原料粉(未処理の磁性粉)を球状化処理した。この球状処理後の磁性粉に、種々の密度および直径のセラミックボール(比較のため、カーボン鋼球、ジルコニアボールも使用)を種々の混合比率で混合し、内径200mmのリンダ炉(回転式還元炉)を用いて、100%H×10L/分、60rpm×2時間の条件で還元焼鈍を行った。焼鈍後の磁性粉を、冷間での解砕を行うことなく直ちに、上記試験1と同様の条件で、りん酸ほう酸化マグネシウム水溶液により絶縁処理を行った。
[試験5]
上記試験3と同じ条件で、V型ミキサにより上記原料粉(未処理の磁性粉)を球状化処理した。この球状処理後の磁性粉に、上記試験4の代表条件と同じ条件で、リンダ炉による還元焼鈍を行った。焼鈍後の磁性粉を、上記試験4と同じく、冷間での解砕を行うことなく直ちに、上記試験1と同様の条件で、りん酸ほう酸化マグネシウム水溶液により絶縁処理を行った。
〔絶縁処理後の磁性粉の磁気特性評価〕
上記絶縁処理後の各磁性粉の磁気特性を評価するため、以下に詳細に説明するように、各磁性粉を用いて圧粉成形体を作製し、その圧粉成形体の磁気特性の測定を行った。
上記試験1〜5の絶縁処理後の各磁性粉に、潤滑剤としてステアリン酸カルシウムを0.5質量%混合し、外径45mm、内径33mmのドーナツ形状の水平断面を有する金型を用い、室温にて、圧縮成形後の成形体密度が7.2g/cmになるようにプレス成形機にて圧縮成形し、圧粉成形体を製造した。なお、成形体の密度は、成形体の質量と外形寸法より算出した体積から計算で求めることができる。
そして、絶縁処理後の磁性粉の磁気特性を各圧粉成形体の比抵抗と直流保磁力を測定した。比抵抗の測定は、4端子法で行った。プローブには理化電子社製「RM−14L」を用い、測定器には岩崎通信社製デジタルマルチメータ「VOAC−7510」を使用し、4端子抵抗測定モードで測定を行った。測定は、端子間距離を7mmとし、プローブを、ストロークが5.9mm、スプリング荷重が10−Sのタイプで測定試料に押し当てて実施した。なお、10−Sの仕様は、フルストローク5.9mmで、2/3ストロークの際の荷重が155gである。
表1に、磁性粉の処理条件および圧粉成形体の磁気特性の測定結果を示す。
Figure 2009001868
上記表1の試験1(試料No.1)に示すように、球状化処理を行わない場合は、粒子自体に加工歪が存在しないため直流保磁力は低いものの、絶縁が不十分となり比抵抗が小さくなることがわかった。
また、同表の試験2(試料No.2)および試験3(試料No.3)に示すように、球状化処理後、通常の還元焼鈍処理を行い、その後、冷間で解砕処理を行った場合は、球状化処理により絶縁は良好となり比抵抗は高くなるものの、還元焼鈍後の冷間での解砕処理により粒子自体に加工歪が導入され、直流保磁力が上昇することがわかった。
また、同表の試験4の試料No.4〜6に示すように、磁性粉に硬質のボールを混合して解砕しつつ還元焼鈍処理した場合、ボールの密度が所定値(4g/cm)より高くなると、絶縁は十分に確保され比抵抗は高く維持されるものの、粒子が偏平化して直流保磁力が上昇する傾向があることがわかった。
また、同表の試験4の試料No.7〜10に示すように、磁性粉にアルミナボール(セラミックボール)を混合して解砕しつつ還元焼鈍処理した場合、アルミナボール(セラミックボール)の直径が所定値(5mm)より大きくなると、上記ボール密度の影響と同様、絶縁は十分に確保され比抵抗は高く維持されるものの、粒子が偏平化して直流保磁力が上昇することがわかった。
また、同表の試験4の試料No.11〜16に示すように、磁性粉にアルミナボール(セラミックボール)を混合して解砕しつつ還元焼鈍処理した場合、アルミナボール(セラミックボール)の混合比率が所定値(質量比で磁性粉の2倍)より小さくなると、還元焼鈍による歪除去の効果により粒子自体の直流保磁力は低く維持されるものの、解砕が不十分となり粒子自体の比抵抗が低下することがわかった。他方、セラミックボールの混合比率が所定値(質量比で磁性粉の5倍)より大きくなると、解砕は十分行われて絶縁は十分に確保され比抵抗は高く維持されるものの、粒子が偏平化して直流保磁力が上昇することがわかった。
また、同表の試験4の試料No.17〜21に示すように、磁性粉にアルミナボール(セラミックボール)を混合して解砕しつつ還元焼鈍処理した場合、還元焼鈍温度が所定温度(600℃)より低くなると、粒子の焼結は起こりにくくなり比抵抗は高く維持されるものの、歪除去が不十分となり直流保磁力が上昇する傾向にあり、他方、還元焼鈍温度が所定温度(800℃)より高くなると、歪除去は十分に行われて直流保磁力は低く維持されるものの、二次粒子の焼結による非球状化により絶縁が不十分となり比抵抗が低下する傾向があることがわかった。
なお、同表の試験4の試料No.5と試験5の試料No.22(試料No.8,13,18も同じ)とを比較してわかるとおり、原料粉の球状化処理に用いる解砕装置(解砕手段)の種類によらず、ほぼ同等の比抵抗および直流保磁力が得られることが明らかである。
本発明工程を説明するためのフロー図である。 従来工程を説明するためのフロー図である。

Claims (4)

  1. 水アトマイズ法で製造された磁性粉に機械的衝撃を与えて解砕処理することにより該磁性粉を球状化する球状化工程と、前記球状化された磁性粉を還元焼鈍する還元焼鈍工程とを備えた、圧粉磁心用磁性粉の製造方法であって、
    前記還元焼鈍工程において、前記球状化された磁性粉を解砕しつつ還元焼鈍することを特徴とする圧粉磁心用磁性粉の製造方法。
  2. 前記還元焼鈍工程における磁性粉の解砕を、回転式還元炉内に磁性粉とともにセラミックボールを装入することにより行う、請求項1に記載の圧粉磁心用磁性粉の製造方法。
  3. 前記セラミックボールは、その密度を2〜4g/cm、その直径を0.5〜5mm、および、その装入量を磁性粉の装入量に対して質量比で2〜5倍とし、還元焼鈍の温度を600〜800℃とする、請求項1または2に記載の圧粉磁心用磁性粉の製造方法。
  4. 前記還元焼鈍工程の後に、前記還元焼鈍後の磁性粉の表面に電気絶縁材料を被覆する絶縁処理工程を備えた、請求項1〜3のいずれか1項に記載の圧粉磁心用磁性粉の製造方法。
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