JP2009000239A - ヘッドレスト用インサート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 一のインサート半割品2の内面29に突起部24cを先端に設けたピン24が立設する一方、他のインサート半割品3の内面39に筒孔付きボス36が立設し、ステー4を両インサート半割品2,3で挟んで、前記ピン24の突起部24cが前記筒孔の筒内壁37aに設けた内鍔38を貫通し該内鍔に係止されて、両インサート半割品が一体化されるヘッドレスト用インサートにおいて、前記内鍔38が、前記突起部24cを係止固定できる厚みを有し且つスリット38bを形成して複数個に分断されてなる鍔片38aと、該スリットを取り囲む前記各鍔片の周縁に薄膜状にして且つ弛ませた状態で結合して該スリットを塞ぐ薄壁38cと、を具備する。
【選択図】 図1
Description
具体的には、第一カバー2A、第二カバー3Aとでステー4を挟む構造が、図9,図10のようなインサート(特許文献1ではカバー)として開示されている。インサートを椀状に半割成形した第一カバー2Aの内面にピン24(特許文献1では凸スナップ)が設けられる。一方、第二カバー3Aの内面に筒孔付きボス36(特許文献1では凹スナップ)が設けられる。さらに筒孔付きボス36の筒内壁には内鍔38kが設けられている。
そして、ステー水平部41とステー垂直部40の上端部分とに、第一,第二カバー2A,3Aを前後から挟み込むことにより、ステー4に対し揺動可能なるようにして嵌合一体化されるインサートを形成する(図11)。より詳しくは、ステー4の水平部に回動可能に取着された保持板5(特許文献1ではプレート)を、透孔52を利用して第一カバー2Aのピン24に組付けた後、ステー水平部41とステー垂直部40の上端部分とに、第一,第二カバー2A,3Aを前後から挟み込むことにより、前記ピン24がボス36に挿着し、ピン24の突起部24cが内鍔38を貫通し該突起部24cが内鍔38に係止され一体化する(図11)。ピン24とボス36との嵌合は、第一,第二カバー2A,3Aの一体化を確実になすため、保持板5の挟着用上段二カ所の他、下段にも設けている。
請求項2の発明たるヘッドレスト用インサートは、請求項1で、薄壁と鍔片とで形成する鍔複合体の内周縁から筒孔の中心に向け、薄膜状で弛ませた状態で延設され、該鍔複合体の鍔孔よりも孔径を小さくする環状の小径薄膜部がさらに設けられることを特徴とする。請求項3の発明たるヘッドレスト用インサートは、請求項1又は2で、ボスの先端面に前記筒孔を周回するようにバリ状の薄皮体が立設することを特徴とする。
これに対し、請求項1の発明のごとく、内鍔が、前記突起部を係止固定できる厚みを有し且つスリットを形成して分断されてなる鍔片と、該スリットを挟んで対向する前記鍔片の端縁同士を、薄膜状で弛ませた状態で結合した、該スリット塞ぐ薄壁と、を具備すると、発泡成形時にスリットから発泡原料がインサート内へ進入しようとしても、薄壁で阻止できる。その一方で、薄壁はスリットを挟んで対向する鍔片の端縁同士を、薄膜状で弛ませた状態で結合しているので、鍔片の動きに自由度を与え、ピンのボスとの組み付け時には鍔片,薄壁がピンの押入力に応じて変形し、突起部が内鍔を容易に貫通し該内鍔に係止される。ピンとボスとの組み付け時の労力負担を軽減できる。ボスに対する押入力が従来に比し小さくて済み、突起部も削られなくなり、ピンとボスの嵌合後に嵌合外れといった事態も起こらない。
請求項2,3の発明のごとく、小径薄膜部や薄皮体がさらに設けられると、ピンとボスとの嵌合によって、該小径薄膜部がピンに密着し、また該薄皮体がピン又は保持板と密着し、発泡成形時に発泡原料がピンとボスとの嵌合隙間からインサート内へ進入するのも防止できる。
図1〜図8は本発明のヘッドレスト用インサート(以下、単に「インサート」という。)の一形態を示すもので、図1はステー付きインサートの分解斜視図、図2は(イ)が図1の一のインサート半割品に係るピンの拡大斜視図、(ロ)が他のインサート半割品の筒孔付きボスの拡大斜視図である。図3は図2のI-I線矢視図で、ピンが保持板の透孔を挿通した後にボスに挿着する断面図、図4は図2のII-II線矢視図で、ピンが保持板の透孔を挿通した後にボスに挿着する断面図、図5は、(イ)が図2(ロ)のボスの拡大平面図、(ロ)が(イ)のIV-IV線矢視図である。図6の(イ),(ロ)は図5(ロ)に代わる他態様図、図7は図5の薄壁と鍔片とで形成する鍔複合体の内周縁から、さらに筒孔の中心に向けて小径薄膜部を延設した他態様図で、図5(イ),(ロ)に対応する。図8は図3のボス先端面に筒孔を周回するようにバリ状の薄皮体を立設した他態様図で、図4(イ),(ロ)に対応する。
そして、前記内鍔38は、前記突起部24cを係止固定できる厚みを有し且つスリット38bを形成して複数個に分断されてなる鍔片38aと、該スリットを挟んで対向する前記各鍔片の端縁同士を、薄膜状にして且つ弛ませた状態で結合した、該スリット38bを塞ぐ薄壁38cと、を具備する。
そして、椀状の第一半割品の内面29にはピン24が複数立設する。本実施形態はピン24が図1のごとく第一半割品2の内面29の上段に二個、下段に二個設けられる。該ピン24に対向する第二半割品3の各位置には筒孔付きボス36が立設する。下段の二個のピン24はこれらに対向する第二半割品3のボス36にそのまま挿着されるが、上段の二個のピン24は、ステー4の水平部41に回動自在に取付けられた保持板5の透孔52に挿通後、ボス36に挿着される。これらピン24のボス36への挿着が、前記凹状枠23と前記凸状枠33の嵌合と、また係止爪35(後述)に係る突起部分35bの前記通孔23a1への嵌合と同時進行して、第一半割品2と第二半割品3とが一体化される。また、前記ピン24が板状保持板5の透孔52へ挿通することによって、ステー4に対し揺動可能にして嵌合一体化されるインサート1が形成される。符号25はステー用筒部で、第一半割品2と第二半割品3とを一体化したとき、ステー4付きインサート1にして、保持板5に回動自在に取付けられたステー4の垂直部40が、該筒部25の抜孔25aを通ってインサート外方へ突き出す。
内鍔38は、ピン24のボス36への挿着で、突起部24cを係止固定できる厚みを有し且つ筒孔Qの中心から放射線状にスリット38bを形成して複数個に分断されてなる鍔片38aを備え、さらに該スリットを挟んで対向する前記各鍔片38aの端縁同士を、薄膜状にして且つ弛ませた状態で結合した、該スリット38bを塞ぐ薄壁38cを備える。
薄壁38cは図5(イ)のごとくスリット38bを形成する両鍔片38aの側端面と側端面間をつなぐ筒内壁37aに接合してスリット38bを覆い、該スリット38bを通過するのを遮断する。薄壁38cによってスリット38bが塞がれ、両半割品が一体化した後の発泡成形で、発泡原料6aはスリット38bからインサート内へ進入できなくなる。それでいて、鍔片38aの分割構成によって、ピン24の突起部24cが内鍔38を貫通する際、鍔片38aは図3の鎖線図示のごとく可撓性を有して弾性変形し、突起部24cを通過させ易くする。鍔片38aが図3の鎖線のごとく変形するにあたり、薄壁38cは薄膜状にしてさらに変形し易く且つ弛ませた状態で鍔片38aの内周縁に結合しているので、鍔片38aの弾性変形に追随する弛み分を有し、鍔片38aの動きを制限することはない。スリット38bを設けても内鍔38でのシール性を確保しながら、ピン24のボス36への挿着時に、突起部24cが内鍔38を貫通するのを円滑にする。無理して突起部24cを内鍔38に貫通させて、従来の問題であった突起部24cが削れられる心配もない。尚、突起部24c側にも内鍔38への貫通が円滑になるよう割溝24c1を形成するので、突起部24cが削れられる虞は更にない。
前記突起部24cが筒内壁37aに設けた内鍔38を貫通し該内鍔38に係止されて、ピン24がボス36に挿着すると、図3(ロ),図4(ロ)の姿態となる。突起部24cはその底面部分が鍔片38aに係止されて内鍔38からボス筒37の基端側へ突き出す。内鍔38の内径はピン24の前記頸部24dの直径よりも少し大きくし、且つ鍔片38aの厚みは頸部24dの長さよりも若干小さい。そして、内鍔38からボス筒37の先端面37bまでの筒内を前記支柱主部24bが収まる大きさにする。ピン24がボス36に挿着すると、ボス先端面37bとピン側段差面24a1とが当接又は近接する。但し、上段側の二個のボス筒37の高さは、支柱主部24bよりも保持板5の厚み分だけ低くする。ボス36とピン24とで保持板5を挟んで、ボス36にピン24が挿着すると、図3(ロ)のごとくボス先端面37bとピン側段差面24a1によって保持板5が挟着される。
内鍔38に係る鍔片38a,スリット38b,薄壁38cは、凸状枠33,係止爪35と一緒に第二半割品3の成形で一体成形される。
図8に示した薄皮体37cと図7に示した小径薄膜部38dを併用すれば、発泡成形時に発泡原料6aがピン24とボス36との嵌合隙間からインサート内へ侵入するのをより完璧に阻止でき、一層好ましくなる。
一方、上記スリット38bを設ければ、発泡成形時に発泡原料6aがインサート内に侵入する虞がある。図9のごとくその箇所にマスキングテープ9等を貼着することを余儀なくされるが、本発明のインサートはこうしたマスキングテープ代やその作業工数分のコストを必要としない。すなわち、スリット38bを塞ぐ薄壁38cを設けているので、発泡成形時に発泡原料6aがインサート内へ侵入するのを該薄壁38cが阻止し、上記問題を難なく解決する。薄壁38cは薄膜状にして且つ弛ませた状態でスリット38bを挟んで対向する各鍔片の端縁同士を結合しているので、ピン24のボス36への挿着時における鍔片38aの弾性変形の動きを制限することもない。
加えて、小径薄膜部38dや薄皮体37cを設けることによって、発泡成形時に発泡原料6aがインサート内へ侵入するのをさらに完璧に阻止でき、品質安定維持に優れた効果を発揮する。
2 一のインサート半割品(第一半割品)
24 ピン
24c 突起部
29 内面
3 他のインサート半割品(第二半割品)
36 ボス
37a 筒内壁
38 内鍔
38a 鍔片
38b スリット
38c 薄壁
38d 小径薄膜部
38e 薄皮体
39 内面
Q 筒孔
4 ステー
Claims (3)
- 一のインサート半割品の内面に突起部を先端に設けたピンが立設する一方、他のインサート半割品の内面に筒孔付きボスが立設し、ステーを両インサート半割品で挟んで、前記ピンの突起部が前記筒孔の筒内壁に設けた内鍔を貫通し該内鍔に係止されて、両インサート半割品が一体化されるヘッドレスト用インサートにおいて、
前記内鍔が、前記突起部を係止固定できる厚みを有し且つスリットを形成して複数個に分断されてなる鍔片と、該スリットを挟んで対向する前記各鍔片の端縁同士を、薄膜状にして且つ弛ませた状態で結合した、該スリットを塞ぐ薄壁と、を具備することを特徴とするヘッドレスト用インサート。 - 前記薄壁と前記鍔片とで形成する鍔複合体の内周縁から筒孔の中心に向け、薄膜状で弛ませた状態で延設され、該鍔複合体の鍔孔よりも孔径を小さくする環状の小径薄膜部がさらに設けられる請求項1記載のヘッドレスト用インサート。
- 前記ボスの先端面に前記筒孔を周回するようにバリ状の薄皮体が立設する請求項1又は2記載のヘッドレスト用インサート。
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