JP2016120748A - 車両の内装トリム - Google Patents

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Abstract

【課題】車両の内装トリムに関し、成形型の型費低減を実現する。
【解決手段】車体の開口部周縁に形成されたフランジ15にシール部材7を挟装してなるシール構造を具備した車両の内装トリム1において、面部2,固定部3,ヒンジ部4を設ける。面部2には、フランジ15よりも車体の室内側を被覆させる。固定部3は、面部2の端辺にて、一対の側壁3A,3Bを有するU字型の溝状に形成し、一方の側壁3Aをフランジ15とともにシール部材7に挟装させて固定する。ヒンジ部4には、他方の側壁3Bと面部2との間を回動自在に連結させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、車体の開口部周縁のシール線に対して取り付けられる内装トリムに関する。
従来、車両のドア開口周りやトランク開口周りには、ウェザーストリップ(オープニングトリム等)のシール部材が張り巡らされている。シール部材は、車両内部への雨水,塵埃の進入を防止するシール線として機能するほか、ドア,トランクリッドを閉鎖するときの荷重を吸収する緩衝材として、あるいは、開口部の開放状態における美観を向上させる装飾材として機能する。
開口部周りのシール部材は、開口部の周縁に形成されたフランジに対して取り付けられる。フランジは、インナパネル及びアウタパネルの端辺同士を重ね合わせて板状(鍔状)に形成した部位であり、開口部を囲むように配置される。一方、シール部材には一対の壁部が設けられ、壁部の間にフランジを挟み込むことで、シール部材が車体に固定される。また、シール部材の一方の壁部には、中空の筒状部が取り付けられる。この筒状部は、車体とドアとの隙間を埋めるパッキンとなる部位であり、開口部周縁に沿って配置される。
ところで、このようなシール部材には、車室の内表面に貼り付けられる内装トリム(ピラートリム,クォータートリム等)の端部を係止,固定するためのシールリップが形成されたものがある。シールリップは、例えばフランジを挟み込む一対の壁部から延設され、内装トリムの端辺に押し付けられる。このように、シールリップの先端と内装トリムの端辺とを圧着させることで、内装トリムの端辺がシール線に沿って位置合わせされた状態で係止,固定される(特許文献1参照)。
特開2014-151896号公報
しかしながら、上記のような内装トリムの取り付け構造では、内装トリムの端辺を固定するための保持力がシールリップの弾性力に依存して変化することになる。したがって、例えば車両の室内温度の変化や経時劣化によってシール部材の弾性力が低下したような場合には、シールリップから内装トリムの端辺に与えられる圧着力が減少し、内装トリムの位置ずれが生じやすくなる。このような内装トリムの取り付け位置に関する精度低下は、室内の美観を損なうだけでなく、内装トリムの内側に配置される照明装置や乗員保護装置(例えばエアバッグ装置やシートベルト装置等)の動作に支障をきたすおそれがある。
また、上記の取り付け構造には、内装トリムの位置ずれが、直接的にシール線に影響を与えやすいという課題もある。すなわち、内装トリムに対して室内側から荷重が作用してその端辺位置がずれた場合に、シール部材が変形してシール線の位置が正規の位置から外れてしまうおそれがある。このようなシール線の位置ずれは、防水,気密性能(シール性能)や緩衝性能を低下させる要因の一つとなる。
一方、上記のような内装トリムの取り付け構造において、内装トリムの端辺に断面U字型の溝部を形成し、溝部とシール部材とを係合させることで内装トリムの位置ずれを防止することも考えられる。この場合、溝部を開口部側に向かって開放した向きに配置すれば、開口部まわりのフランジと溝部とをまとめてシール部材で挟み込むことができ、シール線の位置ずれを抑制することができる。
しかしながら、この内装トリムの成形工程における離型方向は、溝部の離型方向とは必ずしも一致しない。例えば、溝部を開口部側に向かって開放した向きに成形しようとすると、この溝部の内側に配置される金型を抜く方向が、トリム表面の離型方向とは異なる方向になる場合がある。つまり、溝部の部分が内装トリムのアンダーカット(金型の離型方向が多方向となるような凸凹形状)となってしまい、スライド用の金型を用意しなければならない。したがって、成形型の費用がかさみ、製品の製造コストが上昇しうる。
本件は上記のような課題に鑑み創案されたものであり、開口部周縁のシール線に対して取り付けられる車両の内装トリムに関し、成形型の型費低減を実現することを目的の一つとする。なお、この目的に限らず、後述する「発明を実施するための形態」に示す各構成から導き出される作用効果であって、従来の技術では得られない作用効果を奏することも、本件の他の目的として位置付けることができる。
(1)ここで開示する車両の内装トリムは、車体の開口部周縁に形成されたフランジにシール部材を挟装してなるシール構造を具備した車両の内装トリムである。この内装トリムは、前記フランジよりも前記車体の室内側を被覆する面部を備える。また、前記面部の端辺にて、一対の側壁を有するU字型の溝状に形成され、一方の前記側壁を前記フランジとともに前記シール部材に挟装されて固定される固定部を備える。さらに、前記固定部における他方の前記側壁と前記面部とを回動自在に連結するヒンジ部を備える。
前記ヒンジ部は、柔軟性,可撓性を有する合成樹脂素材〔例えば、PP(ポリプロピレン樹脂),PE(ポリエチレン樹脂)〕で薄肉に形成されたリビングヒンジであることが好ましい。また、樹脂成形性の観点から、前記ヒンジ部は、前記面部及び前記固定部と同一組成で一体に成形されることが好ましい。
(2)前記固定部が、前記一対の側壁の間に橋架されて前記固定部の口開き変形を抑制するリブを有することが好ましい。
前記リブは、前記U字型の溝状に形成された前記固定部の外側に設けられることが好ましい。これにより、前記フランジに挟装される前記シール部材と前記リブとの干渉が抑制される。
(3)前記面部が、前記他方の側壁に当接して前記固定部を支持する第二リブを有することが好ましい。
前記第二リブは、前記他方の側壁における、溝の深さ方向の全長寸法よりも長い寸法に形成されることが好ましい。これにより、前記他方の側壁の全体が前記第二リブによって支持され、支持状態が安定化するとともに前記内装トリムの取り付け精度が向上する。
(4)前記ヒンジ部が、前記開口部周縁のうち直線状に形成された部位に配置されることが好ましい。これにより、前記ヒンジ部を屈曲させたときに無理な力が生じにくくなり、屈曲状態が安定化するとともに、前記内装トリムの取り付け精度が向上する。
なお、前記内装トリムの成形工程において、前記固定部が、U字形状の開放端側を前記車両の車室側に向けた姿勢となるように成形されることが好ましい。この場合、少なくとも前記成形工程後、前記固定部を前記シール部材に挟装させるまでの間に前記ヒンジ部を折り曲げて、前記開放端側を前記開口部側に向いた姿勢とすることが好ましい。また、前記成形工程の直後に、前記ヒンジ部に折り曲げ加工を繰り返し施してもよい。樹脂の分子が半流動状態にある高温状態で前記ヒンジ部を繰り返し屈曲させることで、回動軸に垂直な方向に沿って、繊維の配列が揃いやすくなり、ヒンジ性能が向上する。
開示の車両の内装トリムによれば、ヒンジ部を介して面部と固定部とを回動自在に連結することで、成形時にアンダーカットが生じない向きで固定部を成形することができる。これにより、金型の離型方向を一方向にすることができ、スライド用の成形型を廃止して、成形型費を低減することができる。
実施形態の内装トリムが取り付けられた車両の室内を示す透視図である。 図1中のA部の水平断面を模式的に示す断面図である。 トリムの裏側(室内から見えない側)を模式的に示す斜視図である。 (A)は固定部の折り曲げ方向を示す断面図、(B)はトリムの固定部を拡大して示す断面図である。 (A)はトリムの取り付け手順を説明するための断面図、(B)はトリムに荷重が作用した状態を説明するための断面図である。
図面を参照して、実施形態としての車両の内装トリムについて説明する。以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができるとともに、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることが可能である。
[1.構成]
[1−1.車両]
図1は、本実施形態の内装トリムが適用された車両20の室内透視図である。車両20の室内には、車体の表面を被覆する多種多様な内装トリム(ガーニッシュ,カバー等とも呼ばれる)が取り付けられる。例えば、室内のピラー側面には、フロントピラートリム16,センターピラートリム17,クォータトリム1等が取り付けられる。これらの内装トリムはそれぞれ、フロントピラー,センターピラー,クォータピラー(リアピラー)の室内側表面を覆うように固定される。また、天井面にはヘッドライニング18が取り付けられ、側面ドアの内表面にはドアトリム19が取り付けられる。これらの内装トリムは、柔軟性,可撓性を有する比較的軟質の合成樹脂素材〔例えば、PP(ポリプロピレン樹脂),PE(ポリエチレン樹脂)等〕で成形されたインジェクション部品である。
車両20の側面ドアの開口部周りには、その周縁に沿ってシール部材が配設される。シール部材は、ウェザーストリップ(オープニングトリム等)とも呼ばれるゴム成形品であり、室内への雨水,塵埃の進入を防止するシール線として機能する。また、シール部材は、開口部が形成された車体側と、その開口部を閉塞するドア側との双方に配設される。
図1中の破線は、リアドア11の開口部周縁12(車体側)に固定されるウェザーストリップ7を示すラインである。ウェザーストリップ7は、シール線としての機能だけでなく、リアドア11を閉鎖するときの衝撃を吸収する緩衝材としての機能を持ち、開口部の開放状態における美観を向上させる装飾材としても機能する。ウェザーストリップ7の配設形状は、開口部の周縁に沿った形状とされ、好ましくは開口部全体を囲むように環状に配設される。
[1−2.ウェザーストリップ]
ウェザーストリップ7は、開口部周縁12に形成された車体のフランジ15を挟み込んだ姿勢で固定される。一方、クォータトリム1は、ウェザーストリップ7に係止されるだけでなく、フランジ15と一緒にウェザーストリップ7に挟み込まれて固定される。本実施形態のクォータトリム1の固定箇所は、開口部周縁12のうち直線状に形成された部位に配置される。ここで、固定箇所(図1中のA部,クォータトリム1とウェザーストリップ7との取り合い箇所)の水平断面を図2に示す。以下、クォータトリム1のことを単にトリム1と呼ぶ。
ウェザーストリップ7が固定されるフランジ15は、車体のインナパネル及びアウタパネルの端辺同士を重ね合わせて板状(鍔状)に形成した部位であり、開口部を囲むように配置される。フランジ15の表面の向きは、一側が室内側向きとなり、他側が室外側向きとなるように配置される。また、フランジ15の幅寸法は、ウェザーストリップ7による挟み込み幅の寸法に応じた大きさに設定される。なお、図2中のフランジ15は、リアピラーのアウタ部材13及びインナ部材14を重合してなる部位である。リアドア11の開口部に隣接する前方の車体部分においては、センターピラーのアウタ部材及びインナ部材の重合箇所がフランジ15となる。
図2に示すように、ウェザーストリップ7には、シール部8,はさみ部9,トリムリップ部10が設けられる。
シール部8は、車体のフランジ15とリアドア11との隙間を埋めるパッキンとなる筒状の部位であり、筒の向き(筒軸の方向)が開口部周縁12に沿うように配置される。シール部8は、弾性変形しやすいように中空に形成される。また、シール部8の表面は、閉鎖されたリアドア11に圧着状態で当接する。これにより、車室のシール機能や緩衝機能が確保される。
はさみ部9は、フランジ15を挟み込んで固定される部位であり、外壁9A及び内壁9Bの端辺同士を壁9Cで接続したU字型の溝状に形成される。フランジ15は、外壁9Aと内壁9Bとの間に挿入されて固定される。また、外壁9Aにおける内壁9Bとの対向面には、内壁9Bに向かって突出した外リップ9Dが形成される。同様に、内壁9Bの外壁9Aとの対向面には、内リップ9Eが突設される。これらの外リップ9D,内リップ9Eは、外壁9Aと内壁9Bとの間に挿入されたフランジ15の表面に圧着状態で当接する。これにより、ウェザーストリップ7がフランジ15から外れにくくなる。
トリムリップ部10は、はさみ部9の内壁9Bと壁9Cとの接続箇所から室内側に向かって延設された板状の部位である。トリムリップ部10は、その先端がトリム1の端辺に圧着しうる長さに形成される。これにより、トリム1の端辺がシール線に沿って位置合わせされた状態で係止,固定される。また、トリムリップ部10は、シール線に近接するトリム1の端部を被覆して、リアドア11の開放時における美観を向上させる役割も担う。
[1−3.トリム]
図3に示すように、トリム1には、面部2,固定部3,ヒンジ部4が設けられる。
面部2は、フランジ15よりも室内側を被覆するカバー状の部位であり、リアピラーのインナ部材14の表面に対してある程度の間隔を空けて、インナ部材14の室内側を覆うように設けられる。ここで、面部2のうち室内に面した平面状の部位を中央部2Aと呼び、中央部2Aの端部側でフランジ15に向かって屈曲した部位を屈曲端部2Bと呼ぶ。また、図3中に矢印で示すように、中央部2Aの表面に対して垂直な方向を、車室方向(車室中央に向かう方向)とする。
固定部3は、面部2の端辺に固定される部位であり、一対の側壁3A,3Bを有する断面U字型の溝状(U字溝状)に形成される。この固定部3には、外側壁3A(一方の側壁)と内側壁3B(他方の側壁)とが設けられ、これらの端辺同士が中側壁3Cで接続されて、U字形状とされる。前述のはさみ部9のU字形状がフランジ15を挟持するものであるのに対し、固定部3のU字形状は、はさみ部9の内壁9Bを収容するものである。固定部3は、U字形状における開放端側をウェザーストリップ7側に向けた姿勢で、外側壁3Aがフランジ15と当接するように配置される。これにより、外側壁3Aがフランジ15と一緒にウェザーストリップ7のはさみ部9に挟装されて固定される。
図4(A)に示すように、U字形状の溝における深さ方向の寸法(外側壁3A及び内側壁3Bの高さ寸法)はL1であり、溝の幅方向の寸法(外側壁3Aと内側壁3Bとの距離寸法)はWである。また、図3に示すように、U字形状の溝における延長方向の寸法(外側壁3A及び内側壁3Bの奥行き寸法)はDである。寸法L1,Wは、少なくとも溝内にはさみ部9の内壁9Bが収容されうる大きさに設定される。また寸法Dは、トリム1のサイズや取り付け精度,厚み寸法等を考慮して設定される。
トリム1の成形工程における固定部3の成形形状は、U字形状の開放端側が車室方向を向いた姿勢となるように設計される。例えば、外側壁3A,内側壁3Bが面部2の中央部2Aに対して垂直となるように成形される。U字形状の開放端の向きは、図4(A)中では上方となる。これにより、トリム1のアンダーカット(金型の離型方向が多方向となるような凸凹形状)が解消され、金型を複数の方向にスライドさせることなく容易に成形できる形状となる。
ヒンジ部4は、固定部3の内側壁3Bと面部2の屈曲端部2Bとを回動自在に連結する部位であり、柔軟性,可撓性を有する合成樹脂素材〔例えば、PP(ポリプロピレン樹脂),PE(ポリエチレン樹脂)〕で形成されたリビングヒンジである。本実施形態のトリム1は、面部2,固定部3,ヒンジ部4が同一組成で一体に成形されており、ヒンジ部4は他の部分よりも薄肉に形成されることでヒンジ機能が実現される。図4(B)に示すように、ヒンジ部4は、内側壁3Bの端面3Dと屈曲端部2Bの端面2Cとの間を接続するように帯状に形成され、その全長は寸法Dとほぼ同一寸法とされる。また、ヒンジ部4の配設箇所は、開口部周縁12のうち直線状に形成された部位とされる。
このヒンジ部4は、トリム1の成形工程後、車両20に取り付けられるまでの間に折り曲げられる部位となる。例えば、図4(A)中に矢印で示すように、固定部3におけるU字形状の開放端側がリアドア11の開口部側(図中右側)に向いた姿勢となるように、ヒンジ部4が折り曲げられる。これにより、図4(A)中に破線で示すように、固定部3の全体がヒンジ部4を中心として回動する。固定部3の外側壁3Aをフランジ15に当接させたとき、U字形状の開放端はウェザーストリップ7のはさみ部9に向かって開いた姿勢となる。
固定部3の外側壁3Aと内側壁3Bとの間には、第一リブ5(リブ)が設けられる。第一リブ5は、固定部3の(U字形状における開放端側の)口開き変形を抑制するための補強部材であり、外側壁3Aと内側壁3Bとの間を橋渡しするような形状に形成される。図3に示す第一リブ5は、中側壁3Cの外側(溝の外側)に壁体を立設することで、外側壁3Aと内側壁3Bとを橋架したものである。固定部3の寸法L1,Wに余裕があれば、中側壁3Cの内側(溝の内側)に第一リブ5を形成してもよい。一方、はさみ部9の内壁9Bとの干渉を抑制する上では、固定部3の外側に第一リブ5を設けることが好ましい。なお、図4(A)に示すように、第一リブ5を含む外側壁3A及び内側壁3Bの高さ寸法はL3である。
面部2の裏側には、ヒンジ部4が折り曲げられたときに固定部3の内側壁3Bを支持する第二リブ6が形成される。第二リブ6は、図3に示すように、ヒンジ部4の延在方向における中央部付近に配置される。第二リブ6の外端面6Aは、面部2の中央部2Aに対して平行となるように配置される。これにより、ヒンジ部4を中心として固定部3を90°回転させた時点で、内側壁3Bと外端面6Aとが面接触し、それ以上の回転移動が規制される。
図4(A)に示すように、第二リブ6の幅方向の寸法はL2である。この寸法L2は、少なくとも寸法L1よりも大きな値に設定される。これにより、内側壁3Bの全体が第二リブ6の外端面6Aに接触し、固定部3が第二リブ6に確実に支持される。また、寸法L2は、好ましくは寸法L3よりも大きな値に設定される。これにより、内側壁3Bだけでなく第一リブ5の内端面5Aも第二リブ6の外端面6Aに接触するため、支持状態が安定化するとともにトリム1の取り付け精度が向上する。
[2.作用]
図3,図4(A)に示すように、トリム1はアンダーカットのない形状に成形される。すなわち、トリム1の成形工程における形状は、固定部3の開放端側が車室方向を向いた姿勢となるように設計される。一方、成形工程後には、トリム1のヒンジ部4が折り曲げられ、固定部3の向きが変更される。このとき、固定部3の内側壁3Bが第二リブ6の外端面6Aに面接触して安定的に支持され、面部2に対する固定部3の相対位置が固定される。固定部3の開放端側の向きは、リアドア11の開口部側に開放された向きとなる。
固定部3が折り曲げられたトリム1は、リアピラーにおけるインナ部材14の室内側を覆うように取り付けられる。トリム1は、図5(A)に示すように、固定部3の外側壁3Aがフランジ15に接触するように位置決めされる。一方、ウェザーストリップ7は、図5(A)中に矢印で示すように、開口部周縁12に沿って形成されたフランジ15に挟装される。このとき、はさみ部9の内壁9Bが固定部3の外側壁3Aと内側壁3Bとの間に挿入される。
図5(B)に示すように、フランジ15にウェザーストリップ7が取り付けられると、外壁9Aから突設された外リップ9Dがフランジ15の表面に密着した状態となり、内壁9Bから突設された内リップ9Eが外側壁3Aの表面に密着した状態となる。外側壁3Aは、フランジ15と一緒に重ね合わされた状態で、はさみ部9に挟装される。また、トリム1の端部は、シール線の近傍でウェザーストリップ7のトリムリップ部10に被覆される。つまり、トリム1の端部は、トリムリップ部10に係止されるとともに、はさみ部9に挟装固定される。これにより、シール線に対するトリム1の位置ずれが生じにくくなり、トリム1の取り付け精度が向上する。
はさみ部9に挟装固定されるトリム1の固定部3は、ヒンジ部4を挟んで面部2に連結されており、面部2に対して回動自在とされる。これにより、面部2の変形,移動の影響が固定部3に伝達されにくくなる。ここで仮に、トリム1の表面に荷重が入力され、図5(B)に示すように面部2が変形,移動した場合について検討する。もしも面部2と固定部3とが剛に結合されていたとすれば、面部2とともに固定部3が室内側へと引っ張られ、シール線の位置ずれが生じうることになる。
これに対して、上記のトリム1は面部2と固定部3とがヒンジ部4を介して回動自在に連結されているため、面部2に対する固定部3の回転変位(回転方向の移動)が許容される。つまり、図5(B)に示すように、内側壁3Bと第二リブ6との間に隙間が生じるように面部2が変形する一方、固定部3には位置ずれが生じない。また、面部2の変位はトリムリップ部10の変形によって吸収されるため、ウェザーストリップ7のシール部8,はさみ部9に位置ずれが生じることはなく、シール線に対するトリム1の取り付け状態が安定的に維持される。
[3.効果]
(1)上記のトリム1では、面部2と固定部3とがヒンジ部4を介して回動自在に連結されるため、成形工程でアンダーカットが生じないような向きに固定部3の姿勢を設定することができる。例えば、図4(A)に示すように、固定部3の開放端側を車室方向に向けた姿勢で成形することができる。これにより、金型の離型方向を一方向にすることができ、スライド用の成形型を廃止することができる。したがって、成形に使用される金型の費用を低減させることができる。また、成形型のスライド操作が不要となることから、成形時間の短縮,作業性の向上,成形品質の安定化を図ることができる。
また、ヒンジ部4のヒンジ性能は、樹脂の高分子配向を回動軸(屈曲回転軸)に垂直な方向(ヒンジの回動方向)に揃えることで向上させることができる。例えば、樹脂の分子が半流動状態にある高温状態でヒンジ部4を繰り返し折り曲げることで、繊維の配列をヒンジの回動方向に沿って揃えることができ、ヒンジ性能を向上させることができる。したがって、トリム1の成形工程の直後にヒンジ部4を屈曲させて、固定部3を図4(A)中に破線で示す姿勢に折り曲げておくことが好ましい。これにより、ヒンジ部4の硬化や破断の発生を抑制することができ、トリム1の製品品質を高めることができる。
(2)上記のトリム1では、固定部3の外側壁3Aがフランジ15と一緒にウェザーストリップ7に挟装されて固定される。これにより、例えばウェザーストリップ7のトリムリップ部10のみでトリム1の端部を係止するような既存の構造と比較して、トリム1の位置ずれを抑制することができ、トリム1の位置決めを精度よく行うことができる。したがって、トリム1の取り付け精度,位置決め精度を向上させることができる。
(3)上記の固定部3は、ヒンジ部4を介してトリム1の面部2に連結される。ヒンジ部4は、固定部3と面部2とを互いに回動自在に連結する部位である。このヒンジ部4により、面部2に対する固定部3の回転変位が許容される。したがって、トリム1をシール線に対して取り付ける際に、ヒンジ部4を撓ませながら固定部3をはさみ部9に挟み込ませることができ、組み付け作業性を向上させることができる。
(4)車体に組み付けられた後には、固定部3に対する面部2の向き(面部2の法線方向)の変化が許容される。これにより、面部2の変形,移動の影響が固定部3に伝達されにくくなり、シール線の位置ずれを抑制することができる。例えば、トリム1の表面に荷重が入力されて面部2が図5(B)に示すように変形,移動した場合であっても、固定部3が室内側に引っ張られることがない。したがって、シール線に対するトリム1の取り付け状態を安定的に維持することができ、防水,気密性能(シール性能)及び緩衝性能を確保することができる。
(5)また、面部2と固定部3との相対変位が許容されることから、室内側から面部2に衝突荷重が作用したような場合にも、固定部3の固定状態を維持しつつ面部2を弾性的に変形させることが可能となる。これにより、車幅方向の荷重に対するトリム1の緩衝性能を向上させることができ、乗員保護性を高めることができる。さらに、トリム1の面部2とインナ部材14との間にスポンジ,ゴム,バネ等を介装したとしても、固定部3の固定状態が維持されるため、乗員保護性をより高めることができる。
(6)図3に示すように、トリム1の固定部3には、第一リブ5が立設される。第一リブ5は、固定部3に取り付けられるウェザーストリップ7と干渉しないように、はさみ部9の内壁9Bを避けた位置で固定部3の外側壁3Aと内側壁3Bとの間に橋架される。これにより、固定部3の口開き変形を抑制することができるとともに、外側壁3Aと内側壁3Bとの距離を保つことができ、固定部3の形状安定性を高めることができる。したがって、トリム1の屈曲端部2Bとフランジ15との間の寸法を安定的に維持することができ、トリム1の取り付け精度,位置決め精度をより向上させることができる。
(7)図3に示すように、トリム1の面部2の裏側には、第二リブ6が立設される。第二リブ6は、折り曲げられた固定部3の内側壁3Bに当接し、第一リブ5の内端面5Aにも当接する。このように、回動自在の固定部3を第二リブ6に支持させることで、面部2に対する固定部3の相対回転位置を安定させることができ、トリム1の形状安定性を高めることができる。したがって、固定部3に対する屈曲端部2Bの面勾配(向き)を安定的に維持することができ、トリム1の取り付け精度,位置決め精度をより向上させることができる。
(8)トリム1のヒンジ部4は、開口部周縁12のうち直線状に形成された部位(例えば、図1中のA部)に配置される。これにより、ヒンジ部4の回動軸が直線状となり、ヒンジ部4を屈曲させたときに無理な力が生じにくくすることができる。したがって、ヒンジ部4の屈曲状態を安定化することができ、トリム1の取り付け精度,位置決め精度をさらに向上させることができる。
[4.変形例]
上述した実施形態に関わらず、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。本実施形態の各構成は、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせてもよい。
例えば、上述の実施形態では、クォータピラー(リアピラー)の室内側表面を覆うクォータトリム1とウェザーストリップ7との取り合い部分の構造を例示したが、上記の構造はフロントピラートリム16やセンターピラートリム17,ヘッドライニング18等に適用することも可能である。少なくとも、車体の開口部周縁12に形成されたフランジ15にシール部材を挟装してなるシール構造に隣接する内装トリムであれば、上記の構造を適用可能であり、上述の実施形態と同様の効果を奏するものとなる。
1 トリム(内装トリム,クォータトリム)
2 面部
3 固定部
3A 外側壁(一対の側壁の一方)
3B 内側壁(一対の側壁の他方)
4 ヒンジ部
5 第一リブ(リブ)
6 第二リブ
7 ウェザーストリップ(シール部材)
8 シール部
9 はさみ部
10 トリムリップ部
12 開口部周縁
15 フランジ
20 車両

Claims (4)

  1. 車体の開口部周縁に形成されたフランジにシール部材を挟装してなるシール構造を具備した車両の内装トリムであって、
    前記フランジよりも前記車体の室内側を被覆する面部と、
    前記面部の端辺にて、一対の側壁を有するU字型の溝状に形成され、一方の前記側壁を前記フランジとともに前記シール部材に挟装されて固定される固定部と、
    前記固定部における他方の前記側壁と前記面部とを回動自在に連結するヒンジ部と、
    を備えたことを特徴とする、車両の内装トリム。
  2. 前記固定部が、前記一対の側壁の間に橋架されて前記固定部の口開き変形を抑制するリブを有する
    ことを特徴とする、請求項1記載の車両の内装トリム。
  3. 前記面部が、前記他方の側壁に当接して前記固定部を支持する第二リブを有する
    ことを特徴とする、請求項1又は2記載の車両の内装トリム。
  4. 前記ヒンジ部が、前記開口部周縁のうち直線状に形成された部位に配置される
    ことを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の車両の内装トリム。
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