JP2008546479A - 調節可能な固定用クランプおよび方法 - Google Patents

Abstract

調節可能な固定クランプは、第１クランプ組立体および第２クランプ組立体は各々が１対の万力プレートを備える。各対の万力プレートは少なくとも２個の受け入れ部と、これら受け入れ部と相交わる少なくとも２個の挿入部を定める。一方のクランプ組立体の受け入れ部は、ネジ、ピン、または、ワイヤのような少なくとも２個の固定部材を受け入れる。他方のクランプ組立体の受け入れ部は、ロッド、バー、リング、または、これらの各種組合わせなどのような少なくとも１個のコネクタを受け入れる。付勢構造体が第１クランプ組立体と第２クランプ組立体の間に設置されて、挿入部を通して受け入れ部に固定部材をスナップ嵌めすることができるようにしている。２個以上の調節可能な固定クランプを使って、体外固定システムを形成することができる。少なくとも２本のネジ、ピン、または、ワイヤを骨に挿入し、クランプ組立体のうちの一方そこに取付ける。ネジ、ピン、または、ワイヤを骨に挿入するのに、ガイドを使うことができる。他方のクランプ組立体はロッド、バー、または、リングに接続することができる。その後、クランプ組立体は互いに相対的な配向に設定されて、適所にロックされる。
【選択図】 図１

Description

本発明は固定用クランプに関するものであり、特に、折れた骨の複数の断片を互いに隣接させた状態に維持する体外固定システムで使用するのに好適な調節可能な固定用クランプに関連している。

２個以上の骨断片を互いに接続するのに、体外固定システムが利用される。例えば、体外固定システムは、関節顆の骨折を含め、下顎の骨折を緩和するために利用されてきた。このような装置は、骨ネジ、ピン、ワイヤ、ロッド、バー、リング、または、これらの各種組合せを組み入れて、骨折した骨の治癒を支援するとともに、骨を適切に整列させることを確実にするためのものである。

骨折部を体外固定するために、少なくとも４点の固定を行うのが概ね好ましい。２本の骨ネジ、ピン、または、ワイヤが、骨折部の両側の折れた骨の断片の各々に挿入される。骨ネジ、ピン、または、ワイヤはクランプを使って固定用ロッド、バー、または、リングに接続されることにより、体外固定システムを確立している。このような構成により、折れた骨の断片は互いに相関的に回転すること、並進すること、または、その両方が阻止される。

ネジ、ピン、または、ワイヤを両側からクリップ式に留めることができるようにしたクランプは、骨固定では特に有用である。しかし、このようなクランプは１本のネジ、ピン、または、ワイヤを１本のロッド、バー、または、リングに取付ける構成になっている。現在のクランプを使った場合、４点固定式の体外固定システムでは少なくとも４個の別個のクランプを使用する必要がり、固定システムが嵩張るという結果が生じた。従って、多数のネジ、ピン、または、ワイヤを１本の固定用ロッド、バー、または、リングに接続することにより固定システムの寸法を低減することができるクランプがあるのが望まれる。

本発明は、長手方向軸線に沿って第１クランプ組立体と、第２クランプ組立体と、シャフトとを備えている調節可能な固定用クランプに関するものであり、シャフトは第１クランプ組立体および第２クランプ組立体に接続することができるとともに、長手方向軸線に沿って第１クランプ組立体および第２クランプ組立体の中に通して設置されるのが好ましい。シャフトにはヘッド部とネジを切った部分が設けられており、ネジを切った部分はナットなどのような接続装置を受け入れることができる。また別な実施形態では、少なくとも１個のクランプ組立体に、シャフトのネジを切った部分にネジ結合する内側ネジが設けられている。第１クランプ組立体および第２クランプ組立体は長手方向軸線沿いに互いに相関的に回転することができるとともに、互いに相関的に選択的に固定される。

第１クランプ組立体は第１の万力プレートおよび第２の万力プレートを有している。第１の万力プレートには穿孔と、少なくとも２個の互いから離隔されて互いに平行に延びる窪みとが設けられており、第２の万力プレートには穿孔と、上記窪みに対応する少なくとも２個の互いから離隔されて互いに平行に延びる窪みとが設けられている。第１の万力プレートの窪みおよび第２の万力プレートの窪みは少なくとも第１受け入れ部および第２受け入れ部を定める。第１の万力プレートおよび第２の万力プレートは第１挿入部および第２挿入部も定め、第１挿入部は第１受け入れ部と或る角度を成して合流しているとともに互いに連絡状態にあり、第２挿入部は第２受け入れ部と或る角度を成して合流しているとともに互いに連絡状態にある。更に、第２クランプ組立体は第３の万力プレートと第４の万力プレートを有している。第３の万力プレートには穿孔と、少なくとも２個の互いから離隔されて互いに概ね平行に延びる窪みとが設けられている。第４の万力プレートには穿孔と、上記窪みに対応して、少なくとも２個の互いから離隔されて互いに概ね平行に延びる窪みとが設けられており、第３の万力プレートの窪みおよび第４の万力プレートの窪みは少なくとも第３受け入れ部および第４受け入れ部を定める。第３の万力プレートおよび第４の万力プレートは第３挿入部および第４挿入部も定め、第３挿入部は第３受け入れ部と或る角度を成して合流しているとともに互いに連絡状態にあり、第２挿入部は第２受け入れ部と或る角度を成して合流しているとともに互いに連絡状態にある。少なくとも１対の固定部材（例えば、ネジ、ピン、または、ワイヤ）が挿入部を通して一方のクランプ組立体の受け入れ部に挿入されており、少なくとも１個のコネクタ（例えば、ロッド、バー、リング、または、これらの各種組合せ）が挿入部を通して他方のクランプ組立体に挿入されている。固定部材、コネクタ、または、これらの各種組合せは挿入部を通して受け入れ部に挿入されるが、その際の挿入方向は長手方向軸線に直交する方向か、または、長手方向軸線に対して斜角を成す方向である。

シャフトは多数の万力プレートに設けられている穿孔の中に通して設置されるが、これら穿孔は集合的に１本の長手の穿孔を形成することができる。このような構成では、第１受け入れ部は長手の穿孔の第１側に設置され、第２受け入れ部は長手の穿孔の、第１側とは反対の第２側に設置される。更に、第３受け入れ部は長手の穿孔の第１側に設置され、第４受け入れ部は長手の穿孔の、第１側とは反対の第２側に設置される。多数の万力プレートに設けられている穿孔は、すなわち、結果として形成された長手の穿孔は、受け入れ部に関して或る角度を成す方向に延びている。

万力プレートの構成は、第１の万力プレートと第２の万力プレートが長手方向軸線を中心として互いに相関的に回転するのを阻止するのに加えて、第３の万力プレートと第４の万力プレートが互いに相関的に回転するのも同様に阻止するように設定される。一実施形態では、第１の万力プレートには少なくとも１本の杭が設けられており、この杭は第２の万力プレートの少なくとも１個の開口部の内側に設置される。また別な実施形態では、第２の万力プレートには少なくとも１本の杭が設けられており、この杭は第１の万力プレートの少なくとも１個の開口部の内側に設置される。また別な実施形態では、第３の万力プレートには少なくとも１本の杭が設けられており、この杭は第４の万力プレートの少なくとも１個の開口部の内側に設置される。更にまた別な実施形態では、第４の万力プレートには少なくとも１本の杭が設けられており、この杭は第３の万力プレートの少なくとも１個の開口部の内側に設置される。このような構成により、第１の万力プレートと第２の万力プレート、第３の万力プレートと第４の万力プレート、または、これら両方の組のプレート全部が互いに関して長手方向軸線沿いに軸線方向に移動することができるようになり、互いに関して或る角度で合流することができるようになり、または、その両方を実現することができるようになる。

更に、クランプ組立体は、互いに相対的に回転することがないように構成されている。一実施形態では、クランプ組立体は各々に鋸歯状部分が設けられている。第１クランプ組立体を第２クランプ組立体から分離し、それぞれのクランプ組立体に設けられた鋸歯状部分を互いから分離するために、バネなどのような付勢部材が第１クランプ組立体と第２クランプ組立体の間に設置される。このようにして、クランプ組立体の配向を固定する前に、クランプ組立体は長手方向軸線を中心として互いに相対的に360度回転させることができる。ナットを締めると、または、シャフトのネジを切った部分をクランプ組立体の内側のネジにねじ込まれると、それぞれのクランプ組立体に設けられた鋸歯状部分が互いに噛合い、クランプ組立体が互いに対して固定される。

使用時には、調節可能クランプを使って少なくとも２個の固定部材（例えば、ネジ、ピン、または、ワイヤ）を１個以上のコネクタ（例えば、ロッド、バー、リング、または、これらの各種組合せ）に接続することができる。第１組の少なくとも２個の固定部材の第１端は骨折部に挿入される。固定部材の他方端は１個の第１調節可能クランプを含んでいる２個のクランプ組立体のうちの一方の受け入れ部（例えば、第１クランプ組立体の第１受け入れ部と第２受け入れ部）に挿入される（例えば、クリップ留めされる、または、スナップ嵌めされる）。第１組が挿入された部位に隣接して、少なくとも第２の組の固定部材が折れた骨断片に挿入され、１個の第２調節可能クランプを含んでいる２個のクランプ組立体のうちの一方の受け入れ部（例えば、第１クランプ組立体の第１受け入れ部および第２受け入れ部）に挿入される。少なくとも１個のコネクタが第１調節可能クランプと第２調節可能クランプの間に設置され、調節可能クランプの各々の２個のクランプ組立体のうちの一方の受け入れ部（例えば、第１調節可能クランプおよび第２調節可能クランプの第３受け入れ部、第４受け入れ部、または、これら両方の受け入れ部）に受け入れされる。このようにして、具体的な体外固定システムが形成される。ネジ、ピン、ワイヤ、バー、リング、または、これらの各種組合せが所望の配向になるように調節されてしまうと、２この調節可能クランプのナットを締めて、ネジ、ピン、ワイヤ、ロッド、バー、リング、または、これらの各種組合せの位置を固定することができる。また別な実施形態では、シャフトのネジを切った部分がクランプ組立体の内側のネジにねじ込まれる。或る実施形態では、３個以上の調節可能クランプを使って、体外固定システムを作成することができる。

本発明の一方法は、クランプを設ける段階と、少なくとも２個の固定部材を第１の骨区分に挿入する（例えば、クリップ留めする、または、スナップ嵌めする）段階と、固定部材を第１挿入部および第２挿入部を通してクランプの第１受け入れ部および第２受け入れ部の各々に設置する段階と、少なくとも１個のコネクタをクランプの第３受け入れ部および第４受け入れ部のうちの少なくとも一方に（例えば、第３挿入部および第４挿入部を通して）設置する段階と、第１クランプ組立体と第２クランプ組立体を互いに対してロックする段階とを含んでいる。少なくとも２個の固定部材を第１の骨区分に挿入する上述の段階は、固定部材のうちの少なくとも一方をガイドに挿入する段階を更に含んでいる。これに加えて、この方法は、第２クランプを設ける段階と、少なくとも２個の固定部材を第２の骨区分に挿入する段階と、第２のクランプを少なくとも２個のまた別な固定部材およびコネクタに取付ける段階と、少なくとも２個の追加の固定部材をコネクタに相関的にロックする段階とを含んでいる。また別な方法では、１対の傾斜面が第１受け入れ部、第２受け入れ部、第３受け入れ部、および、第４受け入れ部のうちの少なくとも１つに近接した位置に設置され、設置するこの段階は、少なくとも１個の固定部材を１対の傾斜面の間に挿入する段階を更に含んでいる。更にまた別な方法では、設置する上述の段階は、少なくとも１個のコネクタを１対の傾斜面の間に挿入する段階を更に含んでいる。

本発明は添付の図面を参照することにより、より良好に理解することができるが、添付の図面では、同一構成部材は同一参照番号で示されている。添付の図面は、或る特徴部分を単独で使用することができること、または、他の特徴部分と組合わせて使用することができることを具体的に例示しているにすぎず、当然のことながら、本発明は図示されている実施形態に限定されるものではない。

図１および図２に例示されているように、調節可能クランプ１は第１クランプ組立体２および第２クランプ組立体４を備えている。クランプ組立体２、４はシャフト６によって互いに接続されており、シャフトはクランプ組立体２、４に設けられた長手方向軸線の方向の穿孔の中に通して設置される。シャフト６は、調節可能クランプ１の長手方向軸線９４に沿って設置される。しかしながら、本発明の多様な構成要素に対して多数の修正および代用を行えることを当業者なら正しく認識するものと理解するべきである。

第１クランプ組立体２は第１の万力プレート８および上位万力プレートすなわち第２の万力プレート１０を有している。同様に、第２クランプ組立体４は下位万力プレートすなわち第３の万力プレート１２および上位万力プレートすなわち第４の万力プレート１４を有している。万力プレート８、１０、１２、１４は何であれ好適な素材から作成されるとよいが、金属（例えば、ステンレス鋼、チタン、アルミニウムなど）、可塑材、ラバー、２種類以上の素材の合金（例えば、チタン・アルミニウム・バナジウム合金など）、または、複合材（すなわち、２種類以上の素材から作成された物質）を含む、生体適合性素材であるのが好ましい。クランプ１のどの構成要素も上述の素材のいずれかから作成することができることを当業者なら認識するだろう。更に、クランプ１の多様な構成部材は互いに異なる素材から作成するようにしてもよく、例えば、一実施形態では、シャフト６、ナット８６、または、その両方がステンレス鋼から作成され、付勢部材１３０はエルギロイから作成することができ、更に、万力プレート８、１０、１２、１４、または、これらの各種組合せはチタンから作成してもよいことを、当業者なら正しく認識するだろう。

第１クランプ組立体２は、ネジ、ピン、ワイヤ、または、これらの各種組合せなどのような少なくとも２本の固定用部材を受け入れる寸法および構成に設定される。代替の実施形態では、第１クランプ組立２は、ロッド、バー、リング、または、これらの各種組合せなどのような少なくとも１本のコネクタを受け入れる。第２のクランプ組立体４は、ロッド、バー、または、リングのような少なくとも１本の細長いコネクタを受け入れる寸法および構成になっている。また別な実施形態では、第２クランプ組立体４は、ネジ、ピン、ワイヤ、または、これらの各種組合せのような少なくとも２本の固定部材を受け入れる寸法および構成になっている。

図３Ｂに例示されているように、第１クランプ組立体２の第１の万力プレート８には２個の窪み（凹部）１６、１８と穿孔８ａが設けられている。図４Ｂに例示されているように、第２の万力プレート１０には穿孔１０ａと窪み（凹部）２０、２２が設けられている。窪み２０は窪み１６に対応して第１受け入れ部２４を定め、窪み２２は窪み１８に対応して第２受け入れ部２６を定める（図１）。或る実施形態では、第１の万力プレート８および第２の万力１０には３個以上の窪み（凹部）が設けられていてもよく、その結果として、３個以上の受け入れ部が形成されてもよい。第１の万力プレート８および第２の万力プレート１０は第１挿入部２５および第２挿入部２７を定め、これら挿入部は受け入れ部２４、２６に関して或る角度を成すようにしてもよいし（例えば、直交し、または、斜角を成す）、更に、受け入れ部２４、２６と連絡状態になっていてもよい。受け入れ部２４、２６は互いに同一寸法であっても異なる寸法であってもよく、受け入れ部２４、２６の双方が、同一寸法に設定された固定用部材、固定用コネクタ、または、その両方を受け入れるようにしてもよいし、異なる寸法のものを受け入れるようにしてもよい。

窪み１６および窪み１８、窪み２０および窪み２２は互いに平行な配向にされてもよいし、または、互いに対して或る角度を成していてもよい。その結果、受け入れ部２４、２６は互いに平行であってもよいし、または、互いに対して或る角度を成していてもよい。好ましい実施形態では、１組のワイヤ（例えば、キルシュナー鋼線）が第１受け入れ部２４および第２受け入れ部２６の中に捕獲されるようにしてもよい。しかしながら、例えば、１組のネジ、１組のピンなどのような１組の固定部材が受け入れ部２４または受け入れ部２６の内部に保持されるようにしてもよいことが分かる。これに代わる例として、受け入れ部２４、２６は、例えば、ロッド、バー、または、リングなどのような少なくとも１本のコネクタを受け入れるようにしてもよい。

少なくとも２個の固定部材を収容するために、窪み１６、１８、２０、２２はどれも同じ寸法であり、また結果的に、受け入れ部２４、２６も同じ寸法である。例えば、受け入れ部２４、２６は各々が、直径が約0.8 mmから約8.0 mmまでの間のワイヤを受け入れし、このワイヤの直径は約1.0 mmから約6.0 mmであるのがより好ましく、約2.0 mmから約2.5 mmまでの間であるのが最も好ましい。更に、図１、図３Ｂ、および、図４Ｂに例示されているように、窪み１６、１８、２０、２２は断面が概ねＶ字型にするとよい。Ｖ字型の角度θは、例えば、約45度から160度の間であり、この角度は約100度から約135度であるのがより好ましく、約110度から130度であるのが最も好ましい。窪み１６および窪み１８、窪み２０および窪み２２、窪み１６および窪み２０、窪み１８および窪み２２のそれぞれの組の窪みの角度θは同じであってもよいし、異なっていてもよい点に留意するべきである。窪み１６、１８、２０、２２の断面は上記以外のどのような形状であってもよく（例えば、半円形、U字型、多角形）、更に、これら窪みの断面は寸法が、例えば、約0.5 mmから約8.5 mmの間であるとよいが、この寸法は約1.0 mmから約6.0 mmであるのがより好ましく、約2.0 mmから約3.0 mmの間であるのが最も好ましいことを、当業者なら正しく認識するだろう。

ネジ、ピン、ワイヤ、ロッド、バー、または、リングを受け入れ部２４、２６に挿入する（例えば、クリップ留めする、または、スナップ嵌めする）のを助けるために、第１の万力プレート８には傾斜面２８、３０が設けられており、第２の万力プレート１０には傾斜面３２、３４が設けられている。挿入部２５は傾斜面２８と傾斜面３２の間に配置されて、傾斜面２８、３２が挿入部２５を定めるようにし、挿入部２７は傾斜面３０と傾斜面３４の間に配置されて、傾斜面３０、３４が挿入部２７を定めるようにする。傾斜面２８、３０、３２、３４は水平面P（すなわち、長手方向軸線９４に直交する平面）に対して角度αで傾斜しているとよい。例えば、図３Bに例示されているように、傾斜面２８は約5度から約80度の間の角度αで傾斜しているとよいが、この角度は約10度から約50度の間であるのがより好ましく、約20度から約40度の間であるのが最も好ましい。傾斜面２８および傾斜面３２はネジ、ピン、ワイヤ、ロッド、バー、または、リングを案内して受け入れ部２４に入れるのを助け、傾斜面３０および傾斜面３４は受け入れ部２６に入れるのを助ける。傾斜面２８および傾斜面３０、傾斜面３２および傾斜面３４、傾斜面２８および傾斜面３２、傾斜面３０および傾斜面３４に適した角度αは互いに同じであってもよいし、または、互いに異なっていてもよいことに注目するべきである。

受け入れ部２４および受け入れ部２６は少なくとも２個の固定部材を保持することができ、例えば、１組のワイヤを保持して、これら固定部材の長手方向軸線が互いに平行になるようにする。更に、受け入れ部２４および受け入れ部２６は互いから離隔されて、固定部材の長手方向軸線が約5 mmから約25 mmまでの間の距離だけ離れるようにするとよいが、この離隔距離は約6 mmから約15 mmの間であるのがより好ましく、約6 mmから約8 mmの間であるのが最も好ましい。

更に、第１の万力プレート８にはリップ部３６、３８が設けられており、第２の万力プレート１０にはリップ部４０、４２が設けられている。リップ部３６は、窪み１６が傾斜面２８に合流する境界部に形成されており、リップ部３８は、窪み１８が傾斜面３０に合流する境界部に形成されている。更に、リップ部４０は、窪み２０が傾斜面３２に合流する境界部に形成されており、リップ部４２は、窪み２２が傾斜面３４に合流する境界部に形成されている。リップ部３６、３８、４０、４２は窪みの各々の尖点から距離ｄだけ上まで延びている。例えば、図３Bに例示されているように、リップ部３８は窪み１８の尖点４４から約0.5 mmから約5.0 mmまでの間の距離ｄだけ上まで延びており、この距離は約0.7 mmから約3.0 mmの間であるのが好ましく、約0.8 mmから約1.0 mmの間であるのが最も好ましい。リップ部３６およびリップ部４０は、ネジ、ピン、ワイヤ、ロッド、バー、または、リングが受け入れ部２４から外へ滑り出るのを阻止し、リップ部３８およびリップ部４２は受け入れ部２６から外へ滑りでるのを阻止している。リップは窪みと傾斜面が交差することにより形成されるが、リップは多数の別な方法で形成されてもよいし、更に、ネジ、ピン、ワイヤ、ロッド、バー、または、リングが受け入れ部２４、２６から外へ滑り出るのを阻止することができるのであればどんな構成であってもよいことに注目するべきである。

更に、図１、図３B、図４Bは、万力プレート８、１０の各々に２つの傾斜面と２つのリップが設けられている実施形態を例示しているが、万力プレート８、１０は傾斜面とリップをどのように組合わせた構成になっていてもよい。例えば、万力プレート８はその傾斜面２８（例えば、α＝0度）が受け入れ部２４に近接した位置に設けられていないが、万力プレート１０は、その傾斜面３２が受け入れ部２４に近接した位置に設けられているようにしてもよく、これに加えて、または、これに代えて、万力プレート８にはリップ部３６が設けられているが、万力プレート１０にはリップ部が設けられていないようにしてもよい。

ここで図５Bを参照すると、第２クランプ組立体４の第３の万力プレート１２には２つの互いに平行な窪み４６、４８と穿孔１２ａが設けられている。図６Ｂに例示されているように、第４の万力プレート１４には穿孔１４ａと窪み５０、５２が設けられている。窪み５０は窪み４６と対応して第１受け入れ部５４を定めており、窪み５２は窪み４８と対応して第２受け入れ部５６を定める（図１）。好ましい実施形態では、少なくとも１本のロッドが第３受け入れ部５４、第４受け入れ部５６、または、その両方の内側に捕獲される。しかしながら、例えば、ネジ、ピン、ワイヤ、または、コネクタなどの固定部材で、コネクタの具体例としてバーまたはリングを含むものはいずれも、受け入れ部５４、受け入れ部５６、または、その両方の内側に保持することができることが分かる。或る実施形態では、第３万力プレート１２および第４万力プレート１４には３個以上の窪みが設けられていてもよく、その結果として、３個以上の受け入れ部が設けられていてもよい。第３の万力プレート１２および第４の万力プレート１４は第３挿入部５５および第４挿入部５７が定められ、第３挿入部５５は受け入れ部５４に関して或る角度を成して（直交し、または、斜角を設け）受け入れ部５４と連絡状態になり、第４挿入部５７は受け入れ部５６に関して或る角度を成して（直交し、または、斜角を設け）受け入れ部５６と連絡状態になる。

多様な固定構成部材、多様なコネクタ、または、これらの両方を収容するために、窪み４６、５０、５２は互いに異なる寸法であってもよく、その結果として、受け入れ部５４、５６も互いに異なる寸法であってもよい。例えば、受け入れ部５４、５６は、直径が約0.8 mmから約12 mmの間であるロッドを受け入れる寸法に設定されており、この直径は約2.0 mmから約6.0 mmの間であるのがより好ましく、約2.5 mmから約4.0 mmの間であるのが最も好ましい。更に、図１、図５B、図６Bに例示されているように、窪み４６、４８、５０、５２は断面が概ねV字型である。第１の万力プレート８おおび第２の万力プレート１０と同様に、第３の万力プレート１２および第４の万力プレート１４のV字型の角度θは、例えば、約45度から160度の間であり、この角度は約100度から約135度であるのがより好ましく、約110度から130度であるのが最も好ましい。窪み４６および窪み４８、窪み５０および窪み５２、窪み４６および窪み５０、くぼみ４８および窪み５２のそれぞれの組の窪みの角度θは同じであってもよいし、異なっていてもよい点に留意するべきである。窪み４６、４８、５０、５２の断面は上記以外のどのような形状であってもよいことが分かる（例えば、丸型、U字型、多角形など）。

ネジ、ピン、ワイヤ、ロッド、バー、または、リングを受け入れ部５４、５６に挿入する（例えば、クリップ留めする、または、スナップ嵌めする）のを助けるために、第３の万力プレート１２には傾斜面５８、６０が設けられており、第４の万力プレート１４には傾斜面６２、６４が設けられている。挿入部５５は傾斜面５８と傾斜面６２の間に配置されて、傾斜面５８、６２が挿入部５５を定めるようにし、挿入部５７は傾斜面６０と傾斜面６４の間に配置されて、傾斜面６０、６４が挿入部５７を定めるようにする。第１の万力プレート８および第２の万力プレート１０と同様に、傾斜面５８、６０、６２、６４は水平面P（すなわち、長手方向軸線９４に直交する平面）に対して或る角度で傾斜しているとよい。例えば、図５Bに例示されているように、傾斜面５８は約5度から約80度の間の角度αで傾斜しているとよいが、この角度は約10度から約50度の間であるのがより好ましく、約20度から約40度の間であるのが最も好ましい。傾斜面５８および傾斜面６２はネジ、ピン、ワイヤ、ロッド、バー、または、リングを案内して受け入れ部５４に入れるのを助け、傾斜面６０および傾斜面６４は受け入れ部５６に入れるのを助ける。傾斜面５８および傾斜面６０、傾斜面６２および傾斜面６４、傾斜面５８および傾斜面６２、傾斜面６０および傾斜面６４に適した角度αは互いに同じであってもよいし、または、互いに異なっていてもよいことに注目するべきである。

上記に加えて、図５Bおよび図６Bに例示されているように、第３の万力プレート１２にはリップ部６６、６８が設けられており、第４の万力プレート１４にはリップ部７０、７２が設けられている。リップ部６６は、窪み４６が傾斜面５８に合流する境界部に形成されており、リップ部６８は、窪み４８が傾斜面６０に合流する境界部に形成されている。更に、リップ部７０は、窪み５０が傾斜面６２に合流する境界部に形成されており、リップ部７２は、窪み５２が傾斜面６４に合流する境界部に形成されている。リップ部６６、６８、７０、７２は窪みの各々の尖点から或る距離だけ上まで延びているようにするとよい。例えば、図５Aに例示されているように、リップ部６８は窪み４８の尖点７４から約0.5 mmから約5.0 mmまでの間の距離ｄ‘だけ上まで延びており、この距離は約0.7 mmから約3.0 mmの間であるのが好ましく、約0.8 mmから約1.0 mmの間であるのが最も好ましい。リップ部６６およびリップ部７０は、ネジ、ピン、ワイヤ、ロッド、バー、または、リングが受け入れ部５４から外へ滑り出るのを阻止し、リップ部６８およびリップ部７２は受け入れ部５６から外へ滑りでるのを阻止している。リップは窪みと傾斜面が交差することにより形成されるが、リップは多数の別な方法で形成されてもよいし、更に、ネジ、ピン、ワイヤ、ロッド、バー、または、リングが受け入れ部５４、５６から外へ滑り出るのを阻止することができるのであればどんな構成であってもよいことに注目するべきである。

更に、図１、図５B、図６Bは、万力プレート１２、１４の両方ともに２つの傾斜面と２つのリップが設けられている実施形態を例示しているが、万力プレート１２、１４は傾斜面とリップをどのように組合わせた構成になっていてもよい。例えば、万力プレート１２はその傾斜面５８（例えば、α＝0度）が受け入れ部５４に近接した位置に設けられていないが、万力プレート１４はその傾斜面６２が受け入れ部５４に近接した位置に設けられているようにしてもよく、これに加えて、または、これに代えて、万力プレート１２にはリップ部６６が設けられているが、万力プレート１４にはリップ部が設けられていないようにしてもよい。

ここで再び図２を参照すると、第１クランプ組立体２および第２クランプ組立体４は、穿孔８ａ、１０ａ、１２ａ、１４ａの中に通してシャフト６を設置することにより互いに接続されるが、これら穿孔が全部一緒に１本の長手の穿孔を形成する。このような構成では、受け入れ部２４はこの長手の穿孔の第１の側に設置され、受け入れ部２６は第１の側とは反対側の第２の側に設置される。更に、受け入れ部５４はこの長手の穿孔の第１の側に設置され、受け入れ部５６は第１の側とは反対側の第２の側に設置される。穿孔８ａ、１０ａ、１２ａ、１４ａは、受け入れ部２４、２６、５４、５６に関して或る角度を成す（例えば、直交する）方向に延び、その結果として、長手の穿孔も同じ方向に延びる。

シャフト６には遠位端７６および近位端７８が設けられている。遠位端７６はネジを切った部分８０を有しており、近位端７８はヘッド部８２を有している。ネジを切った部分はシャフト６の外側面に位置している。しかしながら、また別な実施形態では、ネジを切った部分はシャフト６の遠位端７６に設けられた空洞（図示せず）の内側に在り、ボルトなどのような締め具がこの空洞にネジ込まれて、内側のネジにねじ込まれるようになっている。図２に例示されているように、遠位端７６はシャフト６の径を減じた部分８４よりも長く、この部分は遠位端７６とヘッド部８２の間に位置している。このような構成はシャフト６の厚さがクランプ組立体２とクランプ組立体４の互いに対して干渉するのを防いでいる。

ネジを切った部分８０は、例えば、ナット８６などのような接続装置とネジ結合し、ナット８６が第１の方向に回転することでナット８６をヘッド部８２に向けて移動させる（すなわち、ナットを締める）。ナット８６を締めると、クランプ組立体２、４および万力プレート８、１０、１２、１４は互いに回転自在で尚且つ並進自在に固着され、また、ナット８６とヘッド部８２の間に保持される。ナット８６を締めることで２個以上の固定部材（例えば、ネジ、ピン、または、ワイヤ）と１個以上のコネクタ（例えば、ロッド、バー、リング、または、これらの各種組合せ）をクランプ１と同時にロックすることができる点に注目するべきである。ナット８６は第２方向に回転させられて、ナット８６がヘッド部８２から離れる方向に移動するようになっている（すなわち、ナットを緩める）。ナットが緩むと、クランプ組立体２，４と万力プレート８、１０、１２、１４が互いに関して自由に移動し、ネジ、ピン、ワイヤ、ロッド、バー、リング、または、これらの各種組合せが受け入れ部２４、２６、５４、５６に挿入されたり、そこから取り外されたりすることができるようになっている。ナット８６が緩んだ際にナットがシャフト６から離脱するのを防ぐために、ネジを切った部分８０はその最遠位端を変形させることができる。また別な実施形態では（図示せず）、ネジを切った部分８０は第４の万力プレート１４の内側壁８８（図６Ｂ）に加工された内側ネジ（図示せず）にねじ込まれ、ナット８６を不要にすることができる。第１クランプ組立体２および第２クランプ組立体４を互いに固定する何らかの手段は容易に想起されることが分かる。

一実施形態では、ヘッド部８２にはフランジ９０と係合部９２が設けられている。係合部９２の形状はどのようなものでもよいが、例えば、長円形、正方形、矩形、六角形、または、それ以外の多角形が挙げられる。係合部９２は第１の万力プレート８に設けられた開口部９６（図３Ｂ）に配置されるが、この開口部の形状は係合部９２の形状に対応している。対応する形状にされた係合部９２と開口部９６とが嵌合することにより、シャフトを第１クランプ組立体２に関して回転自在に固定することができるようになる。係合部９２および開口部９６が嵌合して車夫と６の回転を阻止する限りは、係合部９２と開口部９６はどのような形状であってもよい点に留意するべきである。例えば、係合部９２は丸型であってもよく、また、突起（図示せず）が設けられて、開口部９６の対応する突起に係合することができるようにしてもよい。これら２個の突起が互いに接触すると、シャフト６の回転が阻まれる。さらに、ヘッド部８２にはフランジ９０が設けられており、これが受け入れ開口部９８の中に配置されるようにしてもよい。ナット８６が締まると、フランジ９０はクランプ組立体２、４と万力プレート８、１０、１２、１４がナット８６に向けて移動するのを助ける。ナット８６はネジ回転式にヘッド部８２に接近したり遠ざかったりするが、その間、シャフト６がクランプ組立体２、４の内部での回転運動と並進運動をするのは阻止されている。当業者なら正しく認識することであるが、また別な実施形態では（図示せず）、シャフト６のヘッド部８２は第４の万力プレート１４に近接した位置に置かれ、接続装置（例えば、ナット８６）は第１の万力プレート８に近接した位置に置かれる。このような実施形態では、第１の万力プレート８は第４の万力プレート１４と類似した構成または同一構成にすることができ、第４の万力プレート１４は第１の万力プレート８と類似した構成または同一構成にすることができる。

代替の実施形態では、シャフト６のヘッド部８２は第１の万力プレート８の内部で回転することができる構成にされている。ナット８６の突起１００は窪み１０２（図６Ａ）と嵌合して、ナット８６が第４の万力プレート１４に相対的に回転するのを阻止することができる。例えば、突起１００の形状は六角形であって、窪み１０２がこれに対応する六角形の形状を有しているようにしてもよい。

ナット８６は成形ヘッド部１０１および把持面１０４を有している。操作者が器具、自分の指、または、その両方を使ってナット８６を握ってナットを回転させることができる限り、ヘッド部１０１および把持面１０４の形状はどのようなものであってもよい。把持面は粗面加工され、粗い肌理にされ、鋸歯状のものが設けられ、ぎざぎざが設けられるなどして容易にナット８６を握ることができるようにすることで、ナット８６を締めたり緩めたりすることができるようにしている。

万力プレート８、１０、１２、１４は、万力プレート８、１０、１２、１４、または、これらの各種組合せが町軸線４を中心として互いに相対的に回転するのを阻止することができる機能部を組み込んで、また、窪み１６を窪み２０と、窪み１８を窪み２２と、窪み４６を窪み５０と、窪み４８を窪み５２とそれぞれに整合状態に維持することができる。例えば、図３Ａおよび図３Ｂに例示されているように、第１の万力プレート８には２個の杭１０６、１０８が設けられており、杭１０６は杭受け入れ開口部１１０に挿入され、杭１０８は杭受け入れ開口部１１２に挿入される（図４Ｃ）。同様に、図２に例示されているように、第４の万力プレート１４には２個の杭１１４、１１６が設けられており、杭１１４は杭受け入れ開口部１１８に嵌合し、杭１１６は杭受け入れ開口部１２０に嵌合する（図５Ｃ）。杭受け入れ開口部１１０、１１２、１１８、１２０は、ネジ、ピン、ワイヤ、ロッド、バー、または、リングを受け入れ部２４、２６、５４、５６、または、これらの各種組合せに挿入した際に杭１０６、１０８、１１４、１１６が移動してそれぞれの組になる開口部１１０〜１２０の中に収まるような形状および寸法に設定されるとよい。特に、杭１０６は杭受け入れ開口部１１０の内側で回転し、長手方向軸線９４に沿って並進し、または、その両方を行い、杭１０８は杭受け入れ開口部１１２の内側で回転し、長手方向軸線９４に沿って並進し、または、その両方を行う。万力プレートには１本の杭が設けられており、この杭はまた別な万力プレートの１個の受け入れ開口部に受け入れされることに注目するべきである。更に、当業者なら正しく認識することであるが、万力プレート８が万力プレート１０に相対的に回転するのを阻止し、万力プレート１２が万力プレート１４に相対的に回転するのを阻止する何らかの構造は容易に想起される。

更に、クランプ組立体２、４は、互いに相対的に回転することを阻止することができる構成になっている。図４Ａおよび図５Ａに例示されているように、第２の万力プレート１０には鋸歯状部分１２６が設けられ、第３の万力プレート１２には鋸歯部分１２８が設けられる。このような構造により、第２の万力プレート１０および第３の万力プレート１２を互いに対して選択的に固定することができるようになる点に注目するべきである。鋸歯状部分１２６は第２の万力プレート１０と一体にされ、鋸歯状部分１２８は第３の万力プレート１２と一体にされ、または、これら鋸歯状部分は万力プレートとは別個の構造の一部であってもよく、例えば、鋸歯状部分１２６、１２８は２個の別個の座金（図示せず）の一部として作成され、互いに隣接した位置で尚且つ万力プレート１０と万力プレート１２との間に設置されてもよい。このような構造により第１クランプ組立体および第２クランプ組立体２、４を互いに固定し合うことができる。

ナット８６を緩めると、鋸歯状部分１２６、１２８は分離することができ、それにより、第２の万力プレート１０と第３の万力プレート１２、第１クランプ組立体２と第２クランプ組立体４、または、これら全部を互いに関して長手方向軸線９４を中心として回転させることができるようになり、クランプ組立体２、４は長手方向軸線９４を中心として互いに360度回転することができるようになる。ナット８６を締めると、鋸歯状部分１２６、１２８は一緒にされて、第２の万力プレート１０と第３の万力プレート１２、第１クランプ組立体２と第２クランプ組立体４、または、これら全部を固定して回転しないようにすることができる。

第２の万力プレート１０と第３の万力プレート１２、第１クランプ組立体２と第２クランプ組立体４、または、これら全部を容易に回転させるために、付勢部材１３０が鋸歯状部分１２６と鋸歯状部分１２８の間に設置されて、鋸歯状部分１２６、１２８が互いに噛合しないようにすることができる。付勢部材１３０は、例えば、コイルバネ、波型バネ、ベローズバネ、ラバー部材、可撓性の可塑部材などである。付勢部材１３０はまた、第１の万力プレート８を第２の万力プレート１０に向けて付勢させ、第２の万力プレートを第４の万力プレート１４に向けて付勢させ、または、その両方を行うことができる。このようにして、ネジ、ピン、ワイヤ、ロッド、バー、リング、または、これらの各種組合せは、ネジ、ピン、ワイヤ、ロッド、バー、リング、または、これらの各種組合せを受け入れ部２４、２６、５４、５６、または、これらの各種組合せの中に長手方向軸線９４に直交する方向または長手方向軸線９４に対して斜角を成す方向に押し込むことにより、受け入れ部２４、２６、５４、５６、または、これらの各種組合せにクリップ留めし、スナップ嵌めし、または、その両方を行うことができる。しかしながら、当業者なら正しく理解するだろうが、付勢部材１３０が設置される位置は第１の万力プレート８と第２の万力プレート１０の間、第３の万力プレート１２と第４の万力プレート１４の間、第１の万力プレート８とヘッド部８２の間、第４の万力プレート１４とナット８６の間、または、これらの位置の各種組合せである。

図７は、調節可能クランプ１が体外固定装置１３２の一部として使用されているのを例示したものである。しかしながら、ここで注目するべきは、調節可能クランプ１が下顎（関節顆）、手、橈骨遠位端（手首）、足首、足、椎骨、肋骨、各種長骨などの、どのような骨についての使用にも適した体外固定装置に組み入れることができる、という点である。更に、図７は体外固定システム１３２の１個のクランプ１を例示しているが、固定システムは多数のクランプ１を組み込むことができる。

調節可能クランプ１は固定ロッド１３６を２本以上のワイヤ（例えば、キルシュナー鋼線）と接続することができる。ガイド１４０（図８）を使って、ワイヤ１３８、１５０がまず骨（例えば、下顎）に挿入される。当業者なら当然理解することであるが、ガイドは、どのような種類の中空の構造体（例えば、管またはカニューレ）であってもよいが、ネジ、ピン、または、ワイヤを骨に挿入するために使用される。

ガイド１４０には、例えば、2.0 mmのキルシュナー鋼線を挿入する側である第１側１４２と、例えば、2.5 mmのキルシュナー鋼線を挿入する側である第２側１４４が設けられている。第１側１４２と第２側１４４の各々に、第１組織保護装置１４６と、これより短い、第２の組織保護装置１４８が設けられている。ワイヤを使う処置では、医者は皮膚に突き刺し切開部を設け、塞栓具（図示せず）と第１組織保護装置１４６を挿入して、塞栓具が骨に接触するまで組織に刺し通す。塞栓具は取り出すことができるが、組織保護装置１４６は骨を押圧したままに保たれる。医者はハンドル１４９を使って組織保護装置１４６を骨に向かわせるように案内することができる。第１組織保護装置１４６が適所に来ると、医者はワイヤ１３８を骨に挿入する。ワイヤ１３８には自動掘削先端部が設けられており、ワイヤ１３８を回転させると、ワイヤ１３８が骨を掘り進むことができる。ワイヤ１３８が骨に固定された後で、第１組織保護装置１４６は体内から取り出される。

その後、第２ワイヤ１５０がワイヤ１３８の隣で骨に挿入される。このような処置では、ワイヤ１３８が骨に固定されて、第１組織保護装置１４８が体内から取り出されると、医者は皮膚を貫く第２の突き刺し切開部を設ける。しかしながら、第１切開部がワイヤ１３８と第２ワイヤ１５０の両方を挿入するのに十分な大きさに設けられてもよいことが分かる。第２ワイヤ１５０を挿入するために、塞栓具（図示せず）および第１組織保護装置１４６は、塞栓具が骨に接触するまで組織を貫いて挿入される。更に、ガイド１４０の配向は、第１組織保護装置１４６が体内に挿入されるとワイヤ１３８が第２組織保護装置１４８の中を滑動するように設定される。このような構成はワイヤ１３８と第２ワイヤ１５０を互いから一定距離だけ離隔させた状態に維持し、最終的にはワイヤ１３８および第２ワイヤ１５０をクランプ組立体２の受け入れ部２４、２６に嵌合させることができるようになっている。次に、第２ワイヤ１５０に骨を掘り進ませてから、組織保護装置１４６と第２組織保護装置１４８（すなわち、第２組織保護装置１４８が体内にあることを想定して）が体内から取り出される。最後に、第１ワイヤ１３８と第２ワイヤ１５０は第１クランプ１のクランプ組立体２にクリップ留めされる。ワイヤ１３８、１５０を挿入する段階は、第２クランプ１（図示せず）を使って骨折部の残りの側で繰り返される。当業者なら正しく認識するだろうが、３個以上のクランプ１を使って体外固定システムを形成することもできる（例えば、骨折箇所が多数ある場合、または、骨折部の両側に多数の固定部材を挿入する必要がある場合など）。更に、ネジまたはピンなどのような固定部材をワイヤ１３８、１５０の代用としてもよい点に注目するべきである。次に、ロッド、バー、または、リングなどのコネクタが２個のクランプ１の間に設置され、第１のクランプ１と第２のクランプ１を含んでいる第２クランプ組立体４にクリップ留めされる。

使用時には、ナット８６が緩んだ状態では、調節可能クランプ１はネジ、ピン、ワイヤ、ロッド、バー、リング、または、これらの各種組合せの上にクリップ留めされ、または、スナップ嵌めされる。これは、ネジ、ピン、ワイヤ、ロッド、バー、リング、または、これらの各種組合せを挿入部２５、２７、５５、５７に通してから受け入れ部２４、２６、５４、５６の中に押し込むことによって達成されるが、押し込む方向は、長手方向軸線９４に直交する方向、または、長手方向軸線９４に対して斜角を成す方向である。これに代わる例として、ネジ、ピン、ワイヤ、ロッド、バー、リング、または、これらの各種組合せの端部を、直接、受け入れ部２４、２６、５４、５６に挿入してもよいし、また、ネジ、ピン、ワイヤ、ロッド、バー、リング、または、これらの各種組合せを案内して受け入れ部２４、２６、５４、５６に導入するのを面取り加工を施された端縁Ｃ（図１および図７）を役立てるようにしてもよい。ネジ、ピン、ワイヤ、ロッド、バー、リング、または、これらの各種組合せの端部を押して面取り加工を施された端縁Ｃを押圧すると、万力プレート８、１０を互いから離隔する方向に移動させることができるようになり、これにより、ネジ、ピン、ワイヤ、ロッド、バー、リング、または、これらの各種組合せを、直接、受け入れ部２４、２６、５４、５６に挿入することができるようになる。図示されてはいないが、面取り加工を施された端縁Ｃを万力プレート１２、１４に組み入れてもよいことが、当業者には分かるだろう。ナット８６が緩んだ状態になると、ネジ、ピン、ワイヤ、ロッド、バー、リング、または、これらの各種組合せが受け入れ部２４、２６、５４、５６、または、これらの各種組合せに挿入され（例えば、クリップ留めされ、または、スナップ嵌めされ）、第１クランプ組立体２および第２クランプ組立体４を互いに相対的に回転させることができるようになり、第１万力プレート８を移動させて第１万力プレート１０に近づけたり遠ざけたりすることができるようになり、第２万力プレート１０を移動させて第３万力プレート１２に近づけたり遠ざけたりすることができるようになり、第３の万力プレートを移動させて第４の万力プレート１４に近づけたり遠ざけたりすることができるようになり、または、これらの各種組合せの処置を行うことができるようになる。更に、ナットが緩んだ状態では、杭１０６と杭１０８は受け入れ開口部１１０と受け入れ開口部１１２の内側でそれぞれに移動することができるようになり、杭１１４と杭１１６は受け入れ開口部１１８と受け入れ開口部１２０の内側でそれぞれに移動することができるようになる。或る実施形態では、杭１０６、１０８、１１４、１１６を受け入れ部１１０、１１２、１１８、１２０の内側における移動は、回転移動であるか、並進移動であるか、または、その両方である。

ネジ、ピン、ワイヤ、ロッド、バー、リング（全て、１本または複数本）を適切に組み合わせてクランプ１に挿入してしまえば、ナット８６を締めることができ、それにより、ネジ、ピン、ワイヤ、ロッド、バー、リング、または、これらの各種組合せを受け入れ部２４、２６、５４、５６の内側にロックし、第１クランプ組立体２および第２クランプ組立体４を互いに対して固定することができる。例えば、図７に例示されているように、ロッド１３６およびワイヤ１３８、１５０をクランプ１に挿入してもよい。ロッド１３６およびワイヤ１３８、１５０が互いに対して或る角度を成すように、クランプ１を調節することができる。

前段までの説明と添付の図面は本発明の好ましい実施形態を例示しているが、添付の特許請求の範囲に記載されているような本発明の真髄および範囲から逸脱せずに、多様な追加、修正、および、代用を先の実施形態に対して行うことができることが分かる。特に、本発明は本件に記載されている以外の特殊な形態、構造、配置、規模で、しかも、記載されている以外の要素、素材、構成部材を使って実施することができ、それで尚且つ、本発明の真髄すなわち必須特性の範囲から外れないことは、当業者には明瞭である。本発明は、その原理から逸脱せずに、特殊な環境や動作要件に特に適合する多数の修正された構成、配置、規模、素材、構成部材と併用され、併用以外の態様で実施されることを、当業者なら正しく認識するだろう。よって、ここに開示されている実施形態はあらゆる点で例示を目的としているにすぎず、制約するものと考えるべきではなく、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によって示されているのであって、前段までの説明に限定されるものではない。

本発明のクランプの具体的実施形態を例示した正面図である。 図１のクランプの展開図である。 本発明の第１の万力プレートの具体的実施形態を例示した頂面図である。 図３Ａの線Ａ−Ａに沿って破断された第１の万力プレートを例示した断面図である。 本発明の第２の万力プレートの具体的実施形態を例示した頂面図である。 図４Ａの線Ｂ−Ｂに沿って破断された第２の万力プレートを例示した断面図である。 図４Ａの線Ｃ−Ｃに沿って破断された第２の万力プレートを例示した断面図である。 本発明の第３の万力プレートの具体的実施形態を例示した底面図である。 図５Ａの線Ｄ−Ｄに沿って破断された第３の万力プレートを例示した断面図である。 図５Ａの線Ｅ−Ｅに沿って破断された第３の万力プレートを例示した断面図である。 本発明の第４の万力プレートの具体的実施形態を例示した頂面図である。 図６Ａの線Ｆ−Ｆに沿って破断された第４の万力プレートを例示した断面図である。 図１のクランプを組み入れた体外固定システムの一部の具体的実施形態を例示した斜視図である。 挿入装置の具体的実施形態を例示した斜視図である。

Claims (22)

1. 長手方向軸線に沿って延びる長手の体外固定用のクランプであって、
   クランプの中を通る長手の穿孔と、
   少なくとも２個の窪みが設けられた第１の万力プレート、少なくとも２個の窪みが設けられた第２の万力プレート、第１挿入部、および、第２挿入部を有する第１クランプ組立体とを備えており、
   前記第１の万力プレートの窪みおよび前記第２の万力プレートの窪みは、少なくとも第１受け入れ部および第２受け入れ部を形成する寸法および形状に設定されており、前記第１受け入れ部は、前記長手の穿孔の一方側に設置され、前記第２受け入れ部は、前記長手の穿孔の前記一方側とは反対側に設置され、
   前記第１挿入部は、前記第１受け入れ部と連絡状態になり、前記第２挿入部は、前記第２受け入れ部と連絡状態になり、ネジ、ピン、および、ワイヤを含むグループから選択された固定部材が第１挿入部および第２挿入部を通して第１受け入れ部および第２受け入れ部の各々に挿入され、その際の挿入方向は長手方向軸線に関して或る角度を成す方向であり、
   前記クランプは、さらに、
   ロッド、バー、および、リングを含んでいるグループから選択された少なくとも１個のコネクタを受け入れる寸法および形状に設定された第３受け入れ部および第４受け入れ部を有する第２クランプ組立体と、
   前記長手の穿孔の中に通して設置され、第１クランプ組立体および第２クランプ組立体を接続するシャフトとを更に備える、
   ことを特徴とするクランプ。
2. 前記シャフトはヘッド部およびネジを切った端部を有していることを特徴とする、請求項１に記載のクランプ。
3. 前記第１クランプ組立体および前記第２クランプ組立体のうちの少なくとも一方には、前記シャフトの前記ヘッド部を受け入れる寸法および形状に設定された開口部が設けられており、ヘッド部が第１クランプ組立体および前記第２クランプ組立体のうちの少なくとも一方に相対的に回転することを阻止するようにしたことを特徴とする、請求項２に記載のクランプ。
4. 前記クランプは前記シャフトの前記ネジを切った端部にねじ込まれる接続装置を更に備えており、前記第１クランプ組立体および前記第２クランプ組立体が接続装置とシャフトの前記ヘッド部との間に設置されるようにしたことを特徴とする、請求項２に記載のクランプ。
5. 前記接続装置はナットであることを特徴とする、請求項４に記載のクランプ。
6. 前記第１クランプ組立体および前記第２クランプ組立体のうちの一方は内側ネジを備えており、前記シャフトの前記ネジを切った端部を受け入れることを特徴とする、請求項１に記載の装置。
7. 前記角度は斜角および直角を含んでいるグループから選択されることを特徴とする、請求項１に記載のクランプ。
8. 前記クランプは、前記第１クランプ組立体に動作可能に付随する第１鋸歯状部および前記第２クランプ組立体に動作可能に付随する第２鋸歯状部を更に備えており、第２鋸歯状部は第１鋸歯状部と噛合い、第１クランプ組立体を第２クランプ組立体に対して選択的に固定することができるようにしたことを特徴とする、請求項１に記載のクランプ。
9. 前記クランプは、前記第１クランプ組立体と前記第２クランプ組立体の間に変形可能な付勢部材を更に備えており、前記第１鋸歯状部を前記第２鋸歯状部から分離することにより、第１クランプ組立体および第２クランプ組立体が長手方向軸線を中心として互いに相対的に回転することができるようにしたことを特徴とする、請求項８に記載のクランプ。
10. 前記第２クランプ組立体は、少なくとも２個の窪みが設けられた第３の万力プレート、少なくとも２個の窪みが設けられた第４の万力プレート、第３挿入部、および、第４挿入部を有しており、
    前記第３の万力プレートの窪みおよび前記第４の万力プレートの窪みは、少なくとも第３受け入れ部および第４受け入れ部を形成する寸法および形状に設定されており、前記第３受け入れ部は前記長手の穿孔の一方側に設置され、前記第４受け入れ部は前記長手の穿孔の前記一方側とは反対側に設置され、
    前記第３挿入部は前記第３受け入れ部と連絡状態になり、前記第４挿入部は前記第４受け入れ部と連絡状態になり、ロッド、バー、および、リングを含むグループから選択された少なくとも１個のコネクタが第３挿入部および第４挿入部を通して第３受け入れ部および第４受け入れ部のうちの少なくとも一方に挿入され、その際の挿入方向は長手方向軸線に関して或る角度を成す方向である、
    ことを特徴とする、請求項１に記載のクランプ。
11. 前記クランプは、前記第１の万力プレート、前記第２の万力プレート、前記第３の万力プレート、および、前記第４の万力プレートのうちの少なくとも１つに動作可能に付随する少なくとも１本の杭を更に備えている、請求項１０に記載のクランプ。
12. 前記クランプは、前記第１の万力プレート、前記第２の万力プレート、前記第３の万力プレート、および、前記第４の万力プレートのうちの少なくとも１つに設けられた少なくとも１個の開口部を更に備えており、前記少なくとも１本の杭を受け入れるようにしたことを特徴とする、請求項１１に記載のクランプ。
13. 前記第１の万力プレート、前記第２の万力プレート、前記第３の万力プレート、および、前記第４の万力プレートのうちの少なくとも１つに、前記窪みのうちの少なくとも１個に近接した位置に少なくとも１つの傾斜面が設けられていることを特徴とする、請求項１０に記載のクランプ。
14. 前記少なくとも１つの傾斜面は、長手方向軸線に直交する平面に対して約20度から約40度の間の角度で傾斜していることを特徴とする、請求項１３に記載のクランプ。
15. 前記第１挿入部および前記第２挿入部は、前記第１の万力プレートの傾斜面と前記第２の万力プレートの傾斜面との間に配置されていることを特徴とする、請求項１３に記載のクランプ。
16. 前記第１の万力プレート、前記第２の万力プレート、前記第３の万力プレート、および、前記第４の万力プレートのそれぞれの前記窪みのうちの少なくとも１個は実質的にＶ字型であることを特徴とする、請求項１０に記載のクランプ。
17. 前記Ｖ字型の角度は約110度から約130度の間であることを特徴とする、請求項１６に記載のクランプ。
18. 長手方向軸線に沿って延びる長手の体外固定用のクランプであって、
    ２個の窪みが設けられた第１の万力プレート、２個の窪みが設けられた第２の万力プレート、前記第１の万力プレートの前記２個の窪みと連絡状態にある第１挿入部、および、前記第２の万力プレートの前記２個の窪みと連絡状態にある第２挿入部を有する第１クランプ組立体を備えており、
    前記第１の万力プレートの窪みおよび前記第２の万力プレートの窪みは、第１受け入れ部および第２受け入れ部を形成する寸法および形状に設定されており、
    前記第１挿入部および前記第２挿入部は前記第１の万力プレートと前記第２の万力プレートの間に配置されており、ネジ、ピン、および、ワイヤを含むグループから選択された固定部材が第１挿入部および第２挿入部を通して第１受け入れ部および第２受け入れ部の各々に挿入され、その際の挿入方向は長手方向軸線に関して或る角度を成す方向であり、
    前記クランプは、さらに、
    ロッド、バー、および、リングを含んでいるグループから選択された少なくとも１個のコネクタを受け入れる寸法および形状に設定された第３受け入れ部および第４受け入れ部を有する第２クランプ組立体と、
    前記第１クランプ組立体および前記第２クランプ組立体の中に通して設置され、第１クランプ組立体および第２クランプ組立体を接続するシャフトとを更に備える、
    ことを特徴とするクランプ。
19. 前記クランプは、前記第１クランプ組立体に動作可能に付随する第１鋸歯状部および前記第２クランプ組立体に動作可能に付随する第２鋸歯状部を更に備えており、第２鋸歯状部は第１鋸歯状部と噛合い、第１クランプ組立体を第２クランプ組立体に対して選択的に固定することができるようにしたことを特徴とする、請求項１８に記載のクランプ。
20. 前記クランプは、前記第１クランプ組立体と前記第２クランプ組立体の間に変形可能な付勢部材を更に備えており、前記第１鋸歯状部を前記第２鋸歯状部から分離することにより、第１クランプ組立体および第２クランプ組立体が長手方向軸線を中心として互いに相対的に回転することができるようにしたことを特徴とする、請求項１９に記載のクランプ。
21. 前記第２クランプ組立体は、２個の窪みが設けられた第３の万力プレート、２個の窪みが設けられた第４の万力プレート、前記第３の万力プレートの前記２個の窪みと連絡状態にある第３挿入部、および、前記第４の万力プレートの前記２個の窪みと連絡状態にある第４挿入部を有しており、
    前記第３の万力プレートの窪みおよび前記第４の万力プレートの窪みは、第３受け入れ部および第４受け入れ部を形成する寸法および形状に設定されており、
    前記第３挿入部および前記第４挿入部は前記第３の万力プレートと前記第４の万力プレートの間に配置されており、ロッド、バー、および、リングを含むグループから選択された少なくとも１個のコネクタが第３挿入部および第４挿入部を通して第３受け入れ部および第４受け入れ部のうちの少なくとも一方に挿入され、その際の挿入方向は長手方向軸線に関して或る角度を成す方向である、
    ことを特徴とする、請求項１８に記載のクランプ。
22. 前記第１の万力プレート、前記第２の万力プレート、前記第３の万力プレート、および、前記第４の万力プレートのうちの少なくとも１つに、前記窪みのうちの少なくとも１個に近接した位置に少なくとも１つの傾斜面が設けられることを特徴とする、請求項２１に記載のクランプ。

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