【発明の詳細な説明】
外固定クランプおよびシステム
発明の背景
外骨格固定システムは、通常、複数または複雑骨折を含む重篤な傷害の骨接合
術の際に、骨折した骨または関節に使用される。患者の皮膚を貫き、骨折した骨
の中にピンがねじ込まれる。クランプがピンを共通の連接棒に固定して、骨を動
かないようにする剛性のフレームが作り上げられる。
Kirschner−Ehmer外固定システムは、一般に獣医整形外科に用
いられる。システムには、以下のものが含まれる。標準連接棒、連接棒の両端の
上をスライドできるクランプ、固定ピン、固定ピンの軸を受け入れるための貫通
孔を頭部の近くに有し、連接バーの周りにクランプを締め付けるためのボルト。
Kirschner−Ehmerシステムでは、連接バー上の2つのすでに取
り付けられたクランプの間にクランプを追加的に取り付けたり、または中間のク
ランプを取り外すには、連接棒全体を分解しなければならない。これは、Kir
schner−Ehmerクランプは、連接棒が軸方向に挿入される広い溝につ
づく狭いスロットを含むからである。連接棒は、直交方向に組み立てられるよう
にスロットに嵌合することはできない。したがって、外科医は、エンドピンを骨
の中に挿入する前に、連接棒上に必要なクランプの数を予め定め、これらを連接
棒上にスライドさせて取り付けねばならない。このことは、外科手術の完了時ま
たはその後の患者の診察時に、ピンまたはクランプが追加されねばならなくなっ
た場合には、特に用法上の大きな制約条件となる。さらに、Kirschner
−Ehmerクランプは、締め付けられる時に塑性変形を受け、永久変形を生じ
、材料が疲労する。したがって、クランプの再利用は妨げられる。さらに、Ki
rschner−Ehmerクランプは、Ilizarov外リング固定装置の
ようなリング固定装置には
使用できない。
Synthes(登録商標)製の固定クランプでは、連接棒を分解せずに、2
つの取り付けられたクランプの間で連接棒にクランプを直交方向に取り付けるこ
とができる。固定クランプは、連接棒を取り付けるためのスロット、連接棒に直
角方向にピンを取り付けるための孔、クレビス型のクランプ、ならびに、孔の中
のピンおよび連接棒上のクランプを同時に固定するボルトとナットを備えている
。この構成は、連接棒に対して直角にピンを取り付ける場合に限られ、機械的に
複雑である。
Synthes(登録商標)およびKirschner−Ehmerの構成は
、荷重が周期的に反復作用する時に特に緩みやすい。Kirschner−Eh
mer装置は、ピンが回るのを防止するのにボルトの軸方向の張力に全面的に依
存している。周期的な荷重によりわずかに緩んだだけでも、ボルトの軸方向の張
力は減少し、ピンは連接棒に対して回転しやすくなる。Synthes(登録商
標)の構成では、連接棒にわずか2点で接触するに過ぎないクランプに依存して
いることから、同装置は緩みやすい傾向を示す。
発明の概要
本発明は、従来のシステムに比して多数の長所をもつ外固定クランプに関する
ものである。本発明のクランプ本体は、Kirschner−Ehmerデザイ
ンに比して、連接棒を直交方向に受け取るのに充分な幅のスロット(細長いくぼ
み)を備えている。したがって、発明によるクランプは、取り付けられた2つの
クランプの間の連接棒に追加して取り付けることができる。しかも、この機能は
、同等の機能を果たす他の従来のクランプよりも簡単で廉価な構成で実現するこ
とができる。さらに、クランプの剛性は大幅に高められている。
好ましい実施形態においては、ピンをクランプに固定するために、比較的長い
ボルトの代わりに、クランプ本体のコネクタ孔に挿入されるピ
ンコネクタが用いられる。このコネクタは、固定ピンを取り付けるためのピン孔
および連接棒に係合するための面を有する。固定ピンがクランプ本体に押し付け
られ、連接棒係合面が連接棒をスロットに押し込んで、連接棒がスロットの奥に
位置するように、コネクタは、コネクタ孔に入れ込まれる。コネクタと連接棒と
の間の干渉は、クランプ本体に対するピンの回転および連接棒に対するクランプ
本体の回転を阻止する抵抗となる。さらに、連接棒はコネクタにより常にスロッ
トの中に完全に位置するから、クランプ本体は連接棒に対してスナップ式に嵌合
する必要はない。本発明では、スロットは連接棒の幅に合致するように機械加工
されることが望ましい。
本実施形態を別の観点から見た場合、ボルトは、コネクタ孔の末端に挿入され
てピンコネクタにねじ込まれ、ピンコネクタをコネクタ孔に引き込む。前記の代
わりに、コネクタの外側にねじを切ってもよいが、いずれの場合にも、コネクタ
は、クランプに連結するために必要なクリアランスの量を減らすために、全長を
短縮されるべきである。すなわち、クランプが組み立てられると、コネクタは、
クランプ本体の幅を横切って部分的にしか延びることはなく、残りの距離は、末
端に挿入されたボルトまたは類似の装具によりカバーされる。
本発明を別の観点から見た場合、固定ピンを取り付けるための器具が用いられ
る。器具は、連接棒を横方向(連接棒の軸方向に直交する方向)に受け入れるた
めのスロット(細長いくぼみ)を備えた設置用クランプを含む。カニューレが、
クランプ上にスライドのできる形で取り付けられており、柔質組織を貫通して骨
の表面にまで挿入される。カニューレは、それを通して固定ピンを挿入するため
に骨にまで到達していると同時に、柔質組織が固定ピンにより裂傷または火傷を
負うことを防止している。
ねじ山をもつ(雄ねじの)ピンを安全に挿入するための機器の好ましい実施形
態においては、カニューレは、外部カニューレに挿入される内
部カニューレを含む。内部カニューレの径はねじ山をもつピンの軸径に相当し、
外部カニューレの径はピンのねじ径に相当する。カニューレを柔質組織を通して
骨の表面に進めるために、トロカールが、カニューレの中にスライドさせて挿入
される。トロカールが抜き取られ、ピンの軸径に相当する下孔を骨に穿孔するた
めに、内部カニューレにドリルが挿入される。ドリルビットおよび内部カニュー
レが抜き取られ、カニューレを通して骨の中まで深さゲージを挿入して、下孔で
の骨の太さが測定される。ねじ山をもつピンが適切な長さに切断され、孔の中に
ねじ込まれると同時に、外部カニューレは、ピンとの干渉から柔質組織を保護す
る。
本発明は、さらに別の観点から見れば、一般に固定ピンの設置を容易にするた
めの照準装置および方法をも特徴として含む。装置は、ピンがその間に連結され
る第1および第2連接棒に取り付けられるフレームを有する。ピンの取付作業を
容易にするためのガイドが、フレームに取り付けられている。
特定の実施形態では、ガイドは、フレームの孔か、あるいはフレームの一部で
あるスリーブとすることができる。このガイドは、ピンを種々な角度で取り付け
るための役割を果たすことができる。フレームは、ピンのためのクランプが連接
棒の上または下のいずれかに取り付けることのできるように、調整可能であるこ
とが望ましい。フレームは、また連接棒の間の各種の間隔に合わせて拡げられる
ことが望ましい。
本発明の前記の、ならびに他の特徴は、部品の構造および組み合わせの各種の
新規な細部および他の長所を含め、添付の図面に基づいて詳述され、請求範囲に
指摘される。本発明を具現化する特別の方法と装置は、図示により表現されてい
るが、これが本発明の限定を意味するものではないことを理解されたい。本発明
の原理と特徴は、本発明の範囲から逸脱することなく、各種の多くの実施形態に
おいて利用することができる。
図面の簡単な説明
添付の図面では、全図面を通し、同一部品には同一記号が用いられる。図面は
、必ずしも正確に縮尺されているとは限らない。発明の原理を図示する場合には
、むしろ誇張の手段が使用されている。図面において、
図1は、骨折した骨を動かないようにするために、共通の連接棒に固定ピンを
取り付ける複数の固定クランプを含む、外固定クランプシステムの斜視図である
。
図2は、本発明の固定クランプの分解斜視図である。
図3は、本発明の固定クランプが組み立てられた状態での部分破断の斜視図で
ある。
図4は、組み立てられた固定クランプの断面図で、ピンコネクタ、クランプ本
体および連接棒の間の接触の領域を特定している。
図5A−5Fは、本発明による固定ピンの芯出し、挿入および取付の操作手順
の側面断面図である。
図5B’は、本発明によるトロカール、内部カニューレおよび外部カニューレ
を含むピン取付ツールの拡大図である。
図6Aおよび6Bは、市販のKirschner−Ehmerクランプと本発
明のクランプとの性能を比較して、変位または位置の関数としての作用荷重をプ
ロットした図である。
図7A、7Bおよび7Cは、ある実施形態での実寸を示すコネクタの平面、側
面、底面の各図である。
図8は、カニューレを収容するのに充分な幅のピン孔をもつ改善されたコネク
タの寸法を示す側面図である。
図9A、9Bおよび9Cは、図6A−6Cに示されたコネクタに適合する、あ
る実施形態の構成に用いられたクランプ本体の寸法を示す右側面、平面および左
側面を示す図である。
図10は、本発明の照準装置の斜視図である。
図11は、本発明の照準装置の側面図である。
好ましい実施形態の詳細な説明
図1は、本発明の原理にしたがって組み立てられたクランプ100を用いる外
固定システム10の斜視図である。このようなシステム10にでは共通して、多
数のクランプ100が、連接棒14に固定ピン12を接続するために用いられて
いる。ピン12は、通常ステンレス鋼製であり、(雄ねじの)ねじ山(positive
-profile threads)125をもつことが望ましい。固定連接棒14にもステンレ
ス鋼を使用することができるが、炭素繊維またはアクリル樹脂を使用することも
できる。本発明によれば、クランプ100は、316もしくは304ステンレス
鋼、炭素繊維、またはガラス繊維を使用することもできる。
本発明のシステムは、種々の状況下で使用することができる。低コストである
ことと、取り付けた直後にも患者が動くことのできることから、このシステムは
、獣医学の分野でも使用することができる。しかし、これらの特長によれば、人
間に対しても、例えば、戦場または第三世界の国々での応急処置に特に有用であ
る。
最大の応力は、ピンと骨との境界に生じ、早期の緩みの原因となり得る。した
がって、剛性が最大のピンを選ぶことが重要である。ピンの剛性はピンの半径の
4乗に比例するから、ねじ山をもつピンを使用することが望ましい。ねじ山をも
つピンは、ピン軸よりも大きい径のねじをもつためにピンの剛性が高まり、ピン
と骨との接合強度が高まる。ねじ山をもつピンは、軸にねじ(谷)を切削されて
著しく剛性が減少するピンに比較して好ましい。
図2は、本発明のクランプ100の分解図である。一般に、クランプ100は
、クランプ本体110、固定ピン12を保持するピンコネクタ112、および、
クランプ本体110に固定ピン12が押し付けられる
ようにコネクタ孔116にピンコネクタ112に押し込みまたは引き込むため手
段からなる。図示された実施形態においては、ピンコネクタは、クランプ本体1
10の末端側から挿入された3/8”(インチ)長さの六角頭ボルト114をね
じ込まれる。ボルト114の10−32の雄ねじ132は、ピンコネクタ112
の雌ねじ118と噛み合う。
クランプ本体110は、一般に、スロット120を形成する“U”字型の断面
をもつ。スロット120の高さhが、クランプ本体が連接棒14を横から(連接
棒14の軸方向すなわち長手方向に直交する方向から)被うことができるように
選ばれていることにより、連接棒14を、矢印aの方向にスロット120の中に
挿入することが可能である。スロット120の開口は、挿入を容易にするために
互いに向かい合った面に面取り121を施すことができる。クランプ本体110
が連接棒を横方向に受け取ることができるので、クランプ100は、他のシステ
ム、例えば、タイプ−2およびタイプ3固定システムに沿うIlizarovリ
ング固定棒にも使用することができる。
好ましい実施形態において、スロット120の高さhは、連接棒14の外径d
に等しい寸法に機械加工される。この寸法決めにより連接棒はスロットに軽い締
まりばめの状態で嵌入するために、クランプ本体−連接棒14の界面での遊びは
、クランプが締め付けられる前でも限定される。前記の代わりに、スロット高さ
hは、連接棒14の外径dよりも幾らか大きい寸法に機械加工されるか、または
逆に小さい寸法に機械加工することにより、クランプに連接棒が嵌入する際にス
ナップ力を働かせることができる。後者の場合には、クランプ本体110は、幾
らか撓むことによりスロット高さhをわずかに増大させた後に、連接棒14を嵌
入させることができる。しかし、クランプ本体を取り付けるのに必要な力は、通
常の外科医のもつ力を上回るべきではない。
ピンコネクタ112は、固定ピン12を保持するための径方向に延びるピン孔
122をもつ。ピン孔122は、コネクタピン12を楽に通し
得る大きさであるべきだが、ピン12と孔の内壁との間の遊びが過大であっては
ならない。クランプ100が完全に組み上がると、ピンコネクタ112がコネク
タ孔116に引き込まれ、ピン12の軸124がクランプ本体110の基端の外
面126に押し付けられる。
好ましい実施形態においては、ピンコネクタ112は、ドーム型の基端128
をもち、また、末端では雌ねじ118を切られている。ドーム状の形状は、外面
が患者の動作中にひっかかたりしないようにするためである。雌ねじを設けるこ
とにより、コネクタ112の全長lを短くすることが可能となり、クランプの構
成が容易となる。ピンコネクタ112は、クランプの組立が終わった時にコネク
タロッド114に接触する末端に、さらに面取りを施される。
前記に代わる実施形態においては、(孔径方向に)閉じたピン孔122の代わ
りにスロットタイプ(溝型)の孔を用いることにより、連接棒に係合する面13
0と短縮された全長を維持しつつ、フック状の部材を作り出すことができる。し
かし、この実施形態の短所は、孔122に比して形状が比較的複雑であることか
ら通常寸法が長くなるピンスロットの機械加工のコストが高いこととともに、ス
ロットが長いことからコネクタの剛性が低下することである。
図3は、組み立てられたクランプ110の斜視図で、ピンコネクタ112と連
接棒14との間の結合状態を示すために、一部を破断して示している。ボルト1
14を締め付けることにより、ピン12を、クランプ本体110の末端外面12
6に対して引っ張る。この動作により、ピンはクランプに押し当てられ、ピンコ
ネクタ112、したがって、ピン12の回転が防止される。さらに、ピン12は
、コネクタ112に対して軸方向に移動することを防止される。
ボルト114をさらに締め付けると、コネクタ112の連接棒係合面130が
連接棒14に係合する。この干渉作用は、締め付けられたクランプ100のいか
なる移動をもさらに阻止する多くの効果をもつ。第一
に、連接棒係合面130と連接棒14の外面との摩擦が、さらに、ピンコネクタ
112のいかなる回転をも防止する。さらに、この結合の結果、ピンコネクタに
生じる力は、連接棒14を矢印bの方向に押す。これにより、連接棒14がスロ
ット120の背壁134に押し付けられる形で位置し、連接棒14とクランプ本
体110との間に剛的な機械的連結を作り出し、連接棒14の周りのクランプ本
体の回転、または連接棒14に沿った摺動を阻止する。
好ましい実施形態においては、クランプ本体110は、ボルト114が締め付
けられる時に、連接棒上に、または、これに接近して大きく変形することはない
。連接棒14とクランプ100との間の動きを防止することのできるのは、連接
棒係合面130と連接棒14との間の干渉に過ぎない。
図4は、先行技術のクランプに比較して剛性を高める本発明において組み立て
られたクランプ100の主要な接触点を図示する断面図である。最初の接触領域
410は、連接棒係合面130と連接棒14の外面との間にある。この接触領域
は、クランプ本体110に対する連接棒14の回転を防止し、連接棒がスロット
120の中で完全に位置することを保障する。ピンコネクタ112に押し付けら
れる連接棒14から生じる力により、ピンコネクタは、第2の接触領域412で
のコネクタ孔116の内壁にさらに押しつけられる。これにより、荷重がピン1
12に作用する時に、ピンコネクタ112の回転がさらに防止される。
ピンコネクタ112の他の実施形態では、ピン孔122は、カニューレを入れ
るのに充分な直径、例えば3/16インチをもつ。この改善されたコネクタは、
クランプ100を穿孔およびピン12挿入のためのガイドまたは装具として用い
る時に有用である。
図5A〜5Fは、本発明による固定ピンの芯出し、挿入、位置設定およびクラ
ンプ動作の手順を示す側面断面図である。図5Aにおいては、2本のピンが、骨
折位置24を挟む骨21の両端に挿入される。クラン
プ100は、ピン12を連接棒14に固定する。ピン12は、柔質組織22を通
過して骨21全体を貫通する。
図5Bにおいては、トロカール572、内部カニューレ574および外部カニ
ューレ576を含むピン設置ツール570が、連接バー14上に、クランプ本体
110およびビン孔を拡大されたピンコネクタ112とともに摺動し得るように
取り付けられている。カニューレ574,576は、トロカール572に対して
同心円の位置にある(図5B’参照)。トロカール572は、カニューレ574
,576を柔質組織22を通して骨21の表面にまで所望の角度で進ませる。ツ
ール570は、クランプの中でさらに締め付けられることにより、外部カニュー
レ576が骨の表面から逸脱することを阻止する。
トロカール572を内部カニューレ574から引き抜いた後、図5Cに示すよ
うにドリルビット586がその中に挿入される。内部および外部カニューレ57
4、576は、柔質組織22を回転するドリルビット586のもたらす創傷また
は火傷から保護する。ドリルビット586は、径の大きい固定ピン12のための
孔563を骨にあける。
図5Dにおいては、深さゲージ588が内部カニューレ574に挿入され、骨
21の中の孔563を通って、挿入するピンの適切な長さが求められる。深さゲ
ージ588は、末端にフック589を含んでいるために、フックが完全に骨21
を貫通した時、医師はピン588を注意深く引っ張ることにより、骨の反対側表
面を正確に探ることができる。次に、医師は、深さゲージが挿入された長さを測
定し、これにあった長さのピン12を作る。
図5Eにおいては、内部カニューレ574が取り外され、ねじ山をもつピン1
2が孔の中に通され、この間外部カニューレ576は、柔質組織22がピン12
により傷つくことを防止する。ピン12は、深さゲージ589により予め求めら
れた深さにまで挿入される。ピンが位置決めされると外部カニューレ576が取
り外され、ピンコネクタ112は、
ピン孔が標準サイズのものに取り替えられる。この方法で、ねじ山125をもつ
ピン12が、図5Fに示すように、前もって取り付けられた2組のピンとクラン
プの間で、連接バー14上で、芯出しされ、挿入され、クランプされる。
図6Aおよび6Bは、本発明の固定クランプと市販のKirschner−E
hmer外固定クランプの性能を比較した場合の、位置の関数としての荷重を示
すグラフである。データは、三角の留め金により支持された垂直方向の3/16
インチ連接棒上にクランプを施すことを可能にする特別設計の治具を使用して得
られたものである。3.2ミリメートル径のピンが、水平の実験装置の中で、連
接棒に対して垂直にセットされた。3.2ミリメートル径のピンに荷重を作用さ
せるための装置は、凹型12mm径のベアリングが3.2mm径ピンへの荷重を
ロードセルを介して作用させる構造を備えていた。サーボ油圧式の機械的試験機
が力を作用させ、荷重とアクチュエータピンデータの採取に用いられた。クラン
プボルトの中心点から作用力までの距離は、25mmであった。10N力の予備
荷重が、位置ランプ上の3.2mm径ピンに0.01mm/秒の割合で与えられ
た。この動作は、4mmにわたって続いた。
図6Aは、クランプが40インチ−ポンドのトルクで締め付けられた時に採取
されたデータである。本発明によるクランプ(ダークライン)510は、市販の
Kirschner−Ehmerクランプ(グレーライン)512よりも変形に
対する抵抗が大きいことを示した。図6Bに示すように、本発明のクランプのも
つ大きい変形抵抗は、クランプが70インチ−ポンドのトルクにより締め付けら
れた時にも認められた。この場合にも、本発明のクランプ(ダークライン)51
0は、市販のクランプ(グレーライン)512よりも大きい変形抵抗を示した。
図7A、7Bおよび7Cは、コネクタ112における寸法を示している。図7
Aは、コネクタの外径を示す平面図である。図7Bは、コネクタ112の側面図
で、1/8インチ径のピン孔122を示している。ピ
ン孔の中心とコネクタ112の下端までの間の距離cは、孔122に保持された
ピン12がクランプ本体110に押し付けられると同時に、連接棒係合面130
が連接棒14に係合することを保障する上で重要である。連接棒係合面130は
、29.5度の角度で形成されたコネクタの端末の面取りにより構成される。最
後に、図7Cは、コネクタ112を下面から見た図である。この図は、端末径、
10−32の雌ねじおよびその深さを示している。
図8は、3/16インチ径のピン孔122を示す改善されたコネクタ112の
側面図である。このタイプは、ドリルガイドとして使用するのに適しており、ピ
ン孔は、カニューレを受け入れるのに充分な大きさをもつ。
図9A、9Bおよび9Cは、クランプ本体110における寸法を示す。図9A
は、スロットの寸法を示す側面図である。図9Bは、平面図である。最後に、図
9Cは、クランプ本体110の外側寸法を示す別の側面図である。
図10は、クランプ100に適合する設計であるが、他のクランプシステムに
も使用することのできる、本発明による照準装置を示す斜視図である。照準装置
は、肢(手足)20の両側に一つずつ設けられた2つの連接棒14にピンが固定
されるタイプ−2固定システムに、ピン12を設置する時に最も有効に使用され
る。
照準装置900は、基端直交部材916、基端直交部材916から直角に延び
ている連接部材912、および、ピン12がその中に設置される肢20の末端側
にあって基端直交部材に平行に延びる末端直交部材914から構成されるフレー
ムを備える。
基端直交部材916は、頂端の近くにクランプスロットを図10の方向にもつ
。クランプスロット918は、基端直交部材916を連接棒14に取り付けるこ
とを可能にする改善されたクランプ本体110を、収容することができる。改善
されたクランプ本体910は、クランプ本体
910のコネクタねじ孔941にねじ込まれる雄ねじをもつ、長寸のつまみボル
ト915により、クランブスロット918の中に保持される。カニューレ孔92
0は、基端直交部材916のクランプスロット918の上に形成される。
改善されたクランプ910の中に保持される連接棒14に対してのカニューレ
孔920の方向は、取り付けられたピンを図2のクランプ100を介して連接棒
に取り付けることのできる方向である。すなわち、カニューレ孔920の中心と
改善されたクランプ910の中のスロットの中心との間の距離は、図2の組み立
てられたクランプの中のピンコネクタ112のピン孔122の中心とクランプ本
体110のスロット120の中心との間の距離に等しい。
前記に代わる実施形態においては、カニューレ孔920の代わりにスリーブ構
造が用いられる。このようなスリーブは、部材に固定的に取り付けられるか、ま
たは、連接棒14に対してピンを各種の角度で取り付けるために、連続的にもし
くは特定の角度でピボット運動ができるように取り付けることができる。
連接部材912は、基端直交部材916の下端部で、ほぞ孔とほぞの形式で矩
形孔922にはめ込まれる。連接部材912は、孔922の中に止めねじ924
を用いて保持される。
末端直交部材914は、連接部材912から直角方向に延びている。矩形孔9
26は末端直交部材の中に形成され、この中で、連接部材912は、患者の肢の
組織の厚みに合わせて摺動することができる。末端直交部材914は、タイプ−
2固定システムにおける末端連接棒を連結するために、第1および第2のスロッ
ト936、938を備える。
クレビスクランプ部材928は、末端直交部材914の下端に被せられ、連接
部材912は、クレビス部材の脚を通る直交通路930を通って延びる。クレビ
ス部材928を通って末端直交部材914の下端にねじ込まれるつまみねじ93
2が締め付けられることにより、クレビス部
材が末端部材914に押し付けられ、連接部材912が末端部材914の矩形孔
926に固定され、連接部材上での末端部材の移動が阻止される。
図11は、カニューレ孔920および改善されたクランプ本体910に対する
スロット936、938の位置を、わかりやすく図解した照準装置900の図で
ある。カニューレ孔920の軸心942は、2つのスロット936、938のそ
れぞれの中心から等距離にある点943において、末端直交部材914と交差す
る。点943とスロット936、938のいずれかの中心との間の距離は、カニ
ューレ孔920の軸心と改善されたクランプ本体910におけるスロットの中心
との間の距離に等しい。前記関係は、スロット936とクランプ本体910を2
分する線944により図示されている。前記関係から、図2に記載された本発明
によるクランプ100の一つは、末端側の連接棒14上に取り付けることが可能
であり、カニューレ946を通して挿入されて肢の骨21に設置されるピンを取
り付けるための理想的な位置にあると言える。2つのスロット936、938は
、末端側連接棒14の上または下にクランプ100を取り付けることを可能にす
るために、設けられている。
本発明による照準装置900は、患者の柔質組織を貫いて骨21の表面にまで
挿入された状態で、カニューレ946を保持する。しかし、ピンが設置されるべ
き骨の表面を正確に位置決めするために、極めて細い整形外科用ピンを最初に使
用することができる。カニューレが挿入されて骨に達すると、ピン12がカニュ
ーレに挿入され骨21を穿孔貫通して末端側連接棒14に達する。ピンが正しく
設置されると、照準装置とカニューレが取り外され、ピン14はクランプ100
を用いて2つの連接棒に取り付けられる。
他の応用では、基端部材916は、止めねじ924を外すことにより、連接部
材912から切り離されることができる。この形態の場合は、タイプ−1固定シ
ステムのための照準装置として有用である。
この発明は、特にその好ましい実施形態に基づいて図示され記載されたが、こ
の分野の熟練者によっては、形状および細部における各種の改変を、付随の請求
範囲に定められた発明の精神と範囲から逸脱することなく、施すことができるも
のと理解される。
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DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
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