JP2008545802A - ヌクレオチド類縁体プロドラッグおよびその製剤 - Google Patents
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Abstract
Description
1)固体状態のTDおよびその誘導体。例えば、結晶化TD、TDの無定形固化物、固体状態のTD塩およびTDのシクロデキストリン包接化合物。これらの固体状態で存在するTDおよびその誘導体は、産業化における大規模な合成を有利し、薬物に調製できる性質がある。
2)TDの合成方法と精製方法。例えば、有機塩基が存在する条件下で極性溶媒にPMPAをピバロイルハロゲン化メチルと接触し、TDを合成する方法、ならびにコラム分離法、結晶化法および塩法等でTDを精製する方法。
3)TD油状物の固化方法。例えば、TD油状物を結晶化TD、TDの無定形固化物、固体状態のTD塩およびTDのシクロデキストリン包接化合物に変化させる。
4)TDおよびその誘導体を含む安定な組成物およびその製法。
5)固体状態のTDおよび誘導体の抗ウイルス、特に抗HIV、HBV、CMV、HSV−1、HSV−2とヒトヘルペスウイルス(人類疱疹病毒)の活性の用途。
を提供する。
PMPAの合成は既存文献によって合成できる。例えば、中国特許第98807435.4号明細書、米国特許第5733788号明細書と米国特許第6653296号明細書等を参照。また、以下のフローチャート1に示されている方法で合成してもよい。
(1)容器に炭酸ジエチル、(R)−1,2−プロパンジオール、触媒ナトリウム・アルコキシド、例えばナトリウム・メトキシドあるいはナトリウム・エトキシドを加え、エタノールを留去し、反応させ、R−炭酸−1,2−プロピレン(A)を得る;
(2)不活性ガス、例えば窒素を入れられる容器に炭酸エステル(A)、アデニン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)と触媒用量のアルカリ、例えば水酸化ナトリウムを加え、反応させて(R)−9−(2−ヒドロキシプロピル)アデニン(B)を得る;
(3)不活性ガス(例えば窒素)を入れられる容器に亜リン酸ジエチル、パラホルムアルデヒド、トリエチルアミンとトルエンを加え、TLCで亜リン酸ジエチルがなくなるまで4〜8時間加熱反応させ、反応溶液を0℃以下に冷却させ、P−トルエンスルホニルクロリドのトルエン溶液とトリエチルアミンを加え、反応させてP−トルエンスルホニルオキシメチルリン酸ジエチルを得る(C);
(4)容器に順番に(2)から得た(B)とDMFを加え、加熱溶解した後、温度を25〜75℃に下げ、水素化リチウムを加え、2時間反応させ、(R)−9−(2−ヒドロキシプロピル)アデニンのリチウム塩を生成し、P−トルエンスルホニルオキシメチルリン酸ジエチル(C)を加え、反応させて(R)−9−[2−(ジエトキシスフィノイルメトキシ)プロピル]アデニン(D)を得る;
(5)容器に順番に(4)から得た(D)、アセトニトリル、トリメチル臭化シランを加え、反応完成まで攪拌還流し、真空で揮発性液体を除去し、残留物を適量の水に溶解し、pHを3.0〜3.5に調節して(R)−9−[2−(ホスホノメトキシ)プロピル]アデニン(PMPA)を得る。また、反応溶剤はジクロロメタンあるいはクロロホルムを使ってもよい。脱保護剤はトリメチルヨウ素シランまたはトリメチルクロロシラン/ヨウ化カリウムを使ってもよい。
乾燥したPMPA固体を極性溶媒に懸濁し、有機アミン類を加え、またPMPAを溶解するように触媒使用量の相間移動触媒を加えてもよく、室温で反応混合物を0.5〜2時間攪拌し、ピバロイルハロゲン化メチルを加え、20〜70℃に2〜48時間反応させ、大量の極性有機溶媒で混合物を希釈、濾過し、弱アルカリ性水溶液と水で有機相を洗浄して、乾燥し、有機溶媒を真空除去して粗製油状のTDを得る。
1)カラム・クロマトグラフィー:
シリカゲルを固定相として、TD粗生成物を2%〜8%のメタノール−ジクロルメタンの溶液で洗浄して、TDを含有するものを収集し、溶媒を減圧除去して純化したTDを得る。この方法により得たTDは一般油状物である。室温において緩慢に分解されうる。
TDの分子に一つの強い極性のアデニン基と二つの強い親油性のピバロイル基があるため、TDは多数の極性有機溶媒に溶解できる。しかし、非極性または弱極性有機溶媒および水には溶解しにくい。
TDと酸が形成した塩は、多くのよい結晶化能があることがみられる。TDと酸が形成した塩は、必要な結晶化条件が低く、使用する結晶溶媒の量も少ない。したがって、TDを精製する一つの方法は、粗製TDと適当な酸を塩にし、結晶化させ、精製TD塩を得、精製TD塩を適当の溶媒に溶解し、弱アルカリ性の水溶液で中和し、水で洗浄して酸基を除去し、最後に水を乾燥除去し、溶媒を除去して遊離の精製TDを得る。
TD塩を水と互いに溶解しない有機溶媒に溶解する。好ましい有機溶媒は有機エステル系化合物、特に好ましくは酢酸エチルである;そして、薄いアルカリ性水溶液で溶液を洗って酸を除去する。好ましいアルカリ性水溶液は重炭酸塩水溶液である;酸を完全に中和した後、有機相は水または飽和食塩水で洗浄する;最後に、有機溶媒を乾燥除去して精製遊離TDを得る。この精製遊離TDは一般油状物で存在し、長時間置いて固化できる。
TDの油状物の安定性はよくなく、適当な製剤の調製に不利である。薬物の調製と貯蔵などに使用するためには固化を必要する。今、結晶と無定形固体状態のTD、結晶あるいは固体状態のTD塩とTDのシクロデキストリン包接化合物を製造する。
I.TDのA型結晶
本発明のTDのA型結晶は、水と他の溶媒をほとんど含まないTDの結晶である。TDのA型結晶のXRD(粉末X線回折)スペクトルは、面間距離dで示すと、通常9.774Å、6.32Å、5.726Å、4.967Å、4.849Åにピークがある。さらに典型的なピークは14.917Å、9.774Å、6.32Å、5.726Å、5.387Å、5.211Å、4.967Å、4.849Å、4.647Å、4.553Å、3.817Åにある。
組成物に無水結晶態のTDは、組成物重量の50%以上を占める、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上である。無水結晶態のTD以外、またTDの無定形固化物と他の結晶も含む。
本発明のTDのB型結晶は二つの結晶水を含むTDの結晶である。TDのB型結晶のXRDスペクトルは面間距離dで示すと、通常20.157Å、9.995Å、4.449Å、3.965Å、3.297Åにピークがある。さらに典型的なピークは20.157Å、9.995Å、5.555Å、4.696Å、4.449Å、3.965Å、3.677Å、3.297Å、3.125Å、2.822Åにある。DSC吸熱転移温度は約55℃である。
組成物に二水和物結晶態TDは組成物重量の50%以上を占める、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上である。二水和物結晶態TD以外、組成物にまたTDの無定形固化物と他の結晶も含む。
両方の間には簡単な変換関係がある:
d=λ/2sinθ。
このうち、dは面間距離、λはX線の波長(Cu−Kαに対して、λ=1.54187Å)、θは回折角である。同種化合物の同種結晶にとって、XRDスペクトルは全体としては相似性がある。ピークの位置を示すd値の誤差は一般に±2%以内で、ほとんど±1%を超えない。相対強度の誤差は大きくてもよいが、変化傾向は一致する。また、結晶が同じかどうかを判断するとき、全体から見ればよい。一つの回折線は一つの物相を代表するのではなく、特定的な”d−I/I1”データはある物相を代表するからである。また、混合物の確認の際に、含量低下等の原因で、一部分の回折線は欠失になる。このとき、高純度サンプルに全部みられたスペクトル帯に頼らなくても、一つのスペクトル帯も特定的な結晶にとって特徴的である可能性がある。例えば、本発明のA型結晶の面間距離は4.849Åのピークを有し、またはB型結晶の面間距離は4.449Åのピークを有する。
また、本発明はTDの無定形固化物を提供する。TDの無定形固化物のXRDスペクトルには明らかに、鋭利なピークがなく、一つの広い無定形固体ピークだけがある。通常、TDの無定形固化物に少量のTD結晶が混ざっている可能性がある。一般的には、TD無定形固化物の含有量は70%以上である。
1.純化のTDを良溶媒に溶解させ、激しく攪拌する条件で大量の低温の不良溶媒に加え、TDを析出させ、固化してTD無定形固体を形成する。一般には、不良溶媒の温度は−20℃以下である。
2.純化のTDを溶解した後、真空凍結乾燥で溶媒を除去してTD無定形固化物も得る。通常、この方法で得た固体粉末はXRDで示すTD無定形固体の含有量は70%以上である。
シクロデキストリンは6,7または8のグルコース分子が1,4−グリコシド結合で連接した環状オリゴ糖系化合物、水溶性の非還元的な白色の結晶性粉末である。構造は中空で丸い。空洞の口は親水性で、空洞の内部は強い疎水性である。たくさんの分子はシクロデキストリン分子に包まれて超分子構造を形成する。
TDを適量なアルコール系またはケトン系で溶解する。TDとのモル比で1〜10倍のシクロデキストリンをとって、50〜80℃の飽和水溶液にする。両方の溶液を混合して30分間以上攪拌し、冷却し、包接化合物を沈殿析出させ、濾過し、適量なアルコール系またはケトン系等の有機溶媒で洗浄し、乾燥して得る。アルコール系またはケトン系有機溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトンが好ましい。
一定量のTDを適量なアルコール系またはケトン系等の有機溶媒で溶解した後、1〜10倍量のシクロデキストリンを加え、また、適量な水を添加して混合する。十分にすり潰して糊状物にし、低温で乾燥した後、またアルコール系またはケトン系等の有機溶媒で洗浄し、乾燥して得る。
モル比1:1〜10でTDとシクロデキストリンを量って、0〜20%(v/v)のアルコール系またはケトン系等の有機溶媒を含む水に攪拌溶解し、微多孔膜で滅菌する。液体窒素タンク内に置いて凍結させ、また約24時間凍結乾燥させて得る。
溶解性分析
中国薬局方2005年版二部凡例を参照して試験を行った。正確にサンプル1gをとって、一定量の溶媒をゆっくり加え、5分ごとに激しく30秒振動し、30分以内の溶解現象を観察した。結果は次に示されている:
(一)照明試験
サンプルを開口の培養皿に均一に展開し、厚さを≦5mmとした。光強度は4500±500Lxになるように距離を調節した。5,10日目にサンプルをとって、0日目の結果と比較した。結果は次に示されている:
サンプルを開口の培養皿に均一に展開し、厚さを≦5mmとした。室温(25℃)で相対湿度75±5%の恒温恒湿培養オーブンに置いた。5,10日目にサンプルをとって測定し、0日目の結果と比較した。結果は次に示されている:
ポリエチレン薄膜ビニール袋でサンプルを密封に包装して、40±2℃、相対湿度75±5%の恒温恒湿培養オーブンに3ヶ月間置いた。1,2,3ヶ月目末にサンプルをとって測定し、0月目の結果と比較した。結果は次に示されている:
本発明によるTDまたはその生理的に許容される誘導体は、TDのA型結晶、TDのB型結晶、TDの無定形固化物、TDの塩型複合物とシクロデキストリン包接化合物であり、治療に必要する任意の経路で投与できる。一般的には、TDまたはその生理的に許容される誘導体は、経直腸、膣、鼻、局所(目、口腔、舌下)、非胃腸(皮下、筋肉、静脈内、皮内、鞘内、脳硬膜外)等経路により投与されてよい。好ましくは経口投与である。
一、急性毒性試験、半数致死量(LD50)試験
TDのフマル酸塩とTDのA型結晶をそれぞれ0.1Mのクエン酸水溶液に溶解した。動物は体重18〜22gの健康な昆明マウス140を使った。乱塊法で14群に分け、各群に10匹、雌雄はそれぞれ半数であった。
ビーグル犬はモデル動物として、アデフォビル・ジピボキシルは対照品として、TDのA型結晶の長期毒性を研究した。特にTDのA型結晶の腎臓機能に対する影響を研究した。
二ヶ月齢のダックB型肝炎ウイルスに感染されたツクシガモを使用して体内抗B型肝炎ウイルス試験をし、薬効を観察した。80匹の高郵ツクシガモは無作為に8群にわけ、各群は10匹であった。このうち、三つの群にはそれぞれTDフマル酸塩を5,15,45mg/kgで毎日一回投与した。他の三つの群にはそれぞれテノフォビルDF(tenofovir disoproxil fumarate)を5,15,45mg/kgで毎日一回投与した。もう一つの群にはアデフォビル・ジピボキシルを15mg/kgで毎日一回投与した。最後の一つの群は空白対照群であった。28日間投与し、7日ごとに採血して、PCR法でDHBV−DNAレベルに対する抑制効果を測定した。抑制率は次に示される。試験結果から、TDの体内抗ウイルス活性はテノフォビルDFとアデフォビル・ジピボキシルよりずっと高いことが分かった。
1、バイオアベイラビリティ
マウス10匹は無作為に2群に分けられ、各群は5匹であった。強制経口投与により、それぞれ3H−TDフマル酸塩30mg/kg、放射投与量135μCi/kgを投与された。テノフォビルDFは30mg/kg、135μCi/kgで投与された。時間ごとに血漿を採って、放射性を測定し、血中薬物濃度に換算した。
ウィスター系ラット30匹を使用して無作為に6群に分けた。12時間絶食した後、3群には強制経口投与で20mg/kgのTDフマル酸塩を投与した。他の3群には強制経口投与で20mg/kgのテノフォビルフマル酸塩を投与した。投与してから1,4,8時間後に大腿動脈瀉血によりTDフマル酸塩とテノフォビルフマル酸塩(対照群)の動物それぞれ1群を殺した。肝臓と腎臓を採って、化学天秤で湿重量を量って、蒸留水と1:3でホモジネートをし、1000gで10分間遠心分離した。上清液0.25mlを取って、共栓グラス試験管内に入れ、再蒸留水50μLと10mg/L濃度のPMEA水溶液50μL(内標準溶液)を加え、均一に混合した後、メタノール0.5mLを加え、1分攪拌し、10分間遠心分離した(3000r/分)。上清液20μLを取って、液体クロマトグラフィー質量分析で組織中のPMPA濃度を測定した。
クロマトグラフィーカラムはDiamonsil C−18カラム、250mm×4.6mm,粒径5μmである。移動相はメタノール−水−ギ酸(20:80:1)である。流速は0.5mL/分である。
アメリカFinnigan TSQ型クロマトグラフィー−質量分析−質量分析を使った。イオン源はESI源であった。電源電圧は4.5kVであった。衝突誘起解離電圧は40eVであった。陽イオンモード検出を使った;定量分析に用いたイオン反応はm/z288→m/z176であった。PMEAは内標準物質として、イオン反応はm/z288→m/z176であった。
(R)−炭酸−1,2−プロピレンの合成
炭酸ジエチル(380ml,15.1モル)と(R)−1,2−プロパンジオール200gの混合物に変性アルコール40ml(50ml無水エタノールに9gナトリウム・メトキシドを溶解した溶液)を加えた。そして、溶液を80℃に加熱し、ゆっくりエタノールを蒸発除去した。反応過程はTLCで(R)−1,2−プロパンジオールが微量にまたはなくなるまで検査した。120℃でエタノールが出なくなるまで送水ポンプ減圧蒸留をした。また、真空ポンプ蒸留をして無色透明な液体111グラムを得た。収率は81.2%であった。産物の純度はGC分析により97%であった。
ジエチルp−トルエンスルホニルオキシメチルスルホン酸の合成
不活性ガス(窒素)雰囲気下で、トルエン(200ml)、ジエチル亜リン酸(400ml)、パラホルムアルデヒド(120g)とトリエチルアミン(50ml)を混合し、70℃に加熱して2時間反応させた。次に還流まで加温し、続いて反応させ、TLC(展開剤はヘキサン:酢酸エチル=1:4である)でジエチル亜リン酸が微量にまたはなくなるまで反応させた。溶液は10℃以下に冷却させ、p−トルエンスルホニルクロリド(560g)を加えた。そして約5℃で緩慢にトリエチルアミン(560ml)を加え、温度は10℃を超えないように維持した。次に室温まで加温し、TLCでp−トルエンスルホニルクロリドが微量にまたはなくなるまで8時間反応させ、ろ過により固体を除去した。固体は適量のトルエンで洗浄した。洗浄液と濾過液を合わせ、5%NaCO3水溶液と水を使ってそれぞれ2回洗浄した。無水硫酸ナトリウムで水を除去した後、50℃を超えない温度で溶媒を蒸発除去し、600gの無色液体を得た。純度はGC分析により86%であった。精製せずに直接に後の反応に用いてもよい。
(R)−9−[2−(ジエチルホスフィノイルメトキシ)プロピル]アデニンの合成
不活性ガス(窒素)雰囲気下で、アデニン(100g)、水酸化ナトリウム(1.2g)、(R)−炭酸−1,2−プロピレン(84g)とN,N−ジメチルホルムアミド(700ml)を加え、TLC(10%MeOHのCHCl2溶液(容積比))で残ったアデニンが0.5%以下になるまで130℃で30時間反応混合物を攪拌した。反応混合物は25℃に冷却させ、水素化リチウム(8g)を加え、窒素が存在する雰囲気下で70℃に加温し、2時間反応させた。次に室温まで冷却させ、ジエチルp−トルエンスルホニルオキシメチルリン酸(300g)を加え、TLCで完全に反応するまで反応混合物を60℃に維持した。80℃以下で反応混合物を真空濃縮し、水(500ml)を加えて溶解した。水溶液はジクロロメタンで連続抽出され、ジクロロメタン抽出物を合わせ、80℃以下で抽出物を真空濃縮し、オレンジ色の粘性油状物200gを得た。HPLCによりオレンジ色の油状物には65%の(R)−9−[2−(ジエチルホスフィノイルメトキシ)プロピル]アデニンを含まれていた。この粗製した(R)−9−[2−(ジエチルホスフィノイルメトキシ)プロピル]アデニンは、精製せずに直接に後の反応に用いてもよい。
(R)−9−[2−(ホスホノメトキシ)プロピル]アデニン(PMPA)の合成
(R)−9−[2−(ジエチルホスフィノイルメトキシ)プロピル]アデニン(100g)粗生成物をアセトニトリル(122ml)に溶解し、窒素の存在下で臭化トリメチルシラン(207g)を加え、70℃で反応混合物を4時間還流した。TLCで原料が完全になくなった後、溶媒を減圧蒸発除去し、残留物は水200mlで洗って、20℃に冷却させ、ジクロロメタンまたは酢酸エチルで洗浄した。水相は50%水素化ナトリウム水溶液でpHを3.1〜3.5に調節し、室温で緩慢に約3時間攪拌し、濾過して固体を集め、それぞれ冷水(50ml)とアセトン(50ml)で洗浄して粗製PMPA固体60gを得た。PMPA固体の粗生成物に90℃の純水200mlを加え、十分に攪拌した後、室温まで冷却させ、一晩置いて、濾過し、冷水とアセトンで連続的に洗浄して、50℃で真空乾燥してPMPA 45グラムを得た。HPLCによるPMPAの純度は99%であった。
(R)−9−[2−[ビス(ピバロイルオキシメトキシ)ホスフィノイルメトキシ]プロピル]アデニン(TD)の合成とシリカゲルカラム分離・精製
窒素雰囲気下で、固体PMPA(40g)、無水N,N−ジメチルホルムアミド(160ml)とトリエチルアミン(120ml)を混合し、この懸濁液を緩慢に攪拌しながら、50℃に加温した。1時間後、ピバル酸クロロメチル(60ml)を添加し、温度を50〜55℃に保持し、8時間前後反応させ、冷却させて酢酸エチル(4000ml)を加え、十分に攪拌し、固体を濾過除去し、濾過液はそれぞれ5%NaHCO3と水で2回洗浄して、無水硫酸ナトリウムで水を乾燥除去した。50℃以下に有機溶媒を真空除去し、粘性の黄色油状物47gを得た。このうち、約55%の(R)−9−[2−[ビス(ピバロイルオキシメトキシ)ホスフィノイルメトキシ]プロピル]アデニンが含まれていた。200〜300メッシュのシリカゲル200gを取ってカラムに入れた。油状物(47g)を適量なシリカゲルを入れられたカラムに入れた。5%〜10%のメタノール/ジクロロメタンの混合液で洗って、TDを含む洗脱液を集め、組成を合わせ、溶媒を蒸発除去して精製TD油状物18.0gを得た。HPLCによる純度は95.2%であった。
1H−NMR(CDCl3):8.347(1H,s,H−8)、7.969(1H,s,H−2)、5.819(2H,s,NH2)、5.676(4H,m,CH2OP)、4.360(1H,dd,J=14.4,2.8,H−1)、4.132(1H,dd,J=14.4,7.2,H−1’)、3.933(1H,m,H−2)、3.898(1H,dd,J=14.0,8.8,H−4)、3.677(1H,H,dd,J=14.0,9.2,H−4’)、1.238(3H,D,J=6.0,CH3)、1.215(18H,d,J=6.0,CH3)(図1)
MS:分子イオンピークm/e:516.2(M+H+),538.2(M+Na+)(図2)
UV−VIS(メタノール):最大吸収ピーク260nm
(R)−9−[2−[ビス(ピバロイルオキシメトキシ)ホスフィノイルメトキシ]プロピル]アデニン(TD)の合成と結晶の精製
窒素雰囲気下で、PMPA(40g)とN−メチルピロリドン(160ml)、エチルジイソプロピルアミン(140ml)を混合し、50℃に加温した。30分後、ピバル酸ヨウ化メチル(65ml)を加え、温度を50〜55℃に保持し、4時間反応させ、室温まで冷却させた。反応混合物に酢酸エチル4000mlを加え、十分に攪拌し、固体を濾過除去した。濾過液はNaHCO3と水(一回200ml)でそれぞれ三回洗浄した。無水硫酸ナトリウムで水を乾燥除去し、50℃以下で有機溶媒を真空除去して粘性の黄色油状物66gを得た。このうち、約38%の(R)−9−[2−[ビス(ピバロイルオキシメトキシ)ホスフィノイルメトキシ]プロピル]アデニンが含まれていた。メタノール(200ml)で油状物を溶解し、水(800ml)を加え、白色固体を得て、濾過し、少量冷凍のエタノールで洗浄し、室温で真空乾燥した後、TDの固体21gを得た。HPLCによる純度は96.3%であった。
(R)−9−[2−[ビス(ピバロイルオキシメトキシ)ホスフィノイルメトキシ]プロピル]アデニン(TD)の合成と結晶法精製
窒素雰囲気下で、PMPA(40g)とN−メチルピロリドン(160ml)、トリエチルアミン(120ml)とトリブチル臭化ベンジル(1g)を混合し、50℃に加温し、30分後、ピバル酸クロロメチル(60ml)を加え、温度を50〜55℃に保持し、8時間前後反応させ、室温まで冷却させた。反応混合物に酢酸エチル4000mlを加え、十分に攪拌し、固体を濾過除去した。濾過液はNaHCO3と水(一回200ml)でそれぞれ三回洗浄した。無水硫酸ナトリウムで水を乾燥除去し、50℃以下に有機溶媒を真空で蒸発除去して粘性の黄色油状物53gを得た。このうち、HPLCにより約56%の(R)−9−[2−[ビス(ピバロイルオキシメトキシ)ホスフィノイルメトキシ]プロピル]アデニンが含まれていた。アセトン(200ml)で黄色油状物を溶解し、イソプロピルエーテル(800ml)を加え、混合した後、室温まで冷却させ、種結晶を加え、0℃で24時間置いた後、白色結晶を得て、濾過した後、少量のイソプロピルエーテルで洗浄して固体26gを得た。XRD分析によりこれはTDのA型結晶であった。HPLCにより純度は98.9%であった。
(R)−9−[2−[ビス(ピバロイルオキシメトキシ)ホスフィノイルメトキシ]プロピル]アデニン(TD)の合成と結晶法精製
窒素雰囲気下で、PMPA(40g)とN−メチルピロリドン(160ml)、トリエチルアミン(120ml)を混合して50℃に加温し、30分後、ピバル酸クロロメチル(60ml)を加え、温度を50〜55℃に保持し、12時間前後反応させ、室温まで冷却させ、反応混合物に4000ml酢酸エチルを加え、十分に攪拌し、固体を濾過除去した。濾過液はNaHCO3と水(一回200ml)でそれぞれ三回洗浄して、無水硫酸ナトリウムで水を乾燥除去し、50℃以下で有機溶媒を真空で蒸発除去して粘性の黄色油状物49gを得た。このうち、HPLCにより約52%の(R)−9−[2−[ビス(ピバロイルオキシメトキシ)ホスフィノイルメトキシ]プロピル]アデニンが含まれていた。アセトン(200ml)で黄色油状物を溶解し、ブチルエーテル(800ml)を加え、0℃に24時間置いた後、白色結晶を得て、濾過し、少量のブチルエーテルで洗浄して固体22gを得た。XRD分析によりこれはTDのA型結晶であった。HPLCによる純度は98.3%であった。
(R)−9−[2−[ビス(ピバロイルオキシメトキシ)ホスフィノイルメトキシ]プロピル]アデニン(TD)の合成と塩法精製
窒素雰囲気下で、PMPA(40g)とN−メチルピロリドン(160ml)、トリエチルアミン(120ml)を混合して50℃に加温し、30分後、ピバル酸クロロメチル(60ml)を加え、温度を50〜55℃に保持し、8時間前後反応させ、反応混合物に酢酸エチル4000mlを加え、十分に攪拌し、固体を濾過除去した。濾過液はNaHCO3と水(一回200ml)でそれぞれ三回洗浄した。水を除去した後、50℃以下で有機溶媒を真空で蒸発除去して粘性の黄色油状物48gを得た。HPLCにより油状物に約56%のTDを含まれていた。油状物はメタノール(100ml)に溶解した後、フマル酸溶液(7gは100mlメタノールに溶解する)を加え、0℃に攪拌しながら一晩置き、濾過してTDフマル酸塩29gを得た。得たフマル酸塩は酢酸エチルに溶解し、飽和のNaHCO3水溶液200mlで三回洗浄して、さらに水で中性に洗浄して、水相を分離し、捨てた。有機相は水を除去し、50℃以下で有機溶媒を真空で蒸発除去し、TD油状物21gを得た。室温に置いた後、油状物は次第に固体状TDに凝固した。固体は真空乾燥させた後、すり潰されて固体粉末を得られた。XRD分析によりこの固体はTDのA型結晶であった。HPLCによるTD純度は99.1%であった。
(R)−9−[2−[ビス(ピバロイルオキシメトキシ)ホスフィノイルメトキシ]プロピル]アデニン(TD)の合成と塩法精製
窒素雰囲気下で、PMPA(40g)とN−メチルピロリドン(160ml)、トリエチルアミン(120ml)を混合して50℃に加温し、30分後、ピバル酸クロロメチル(60ml)を加え、温度を50〜55℃に保持し、8時間前後反応させ、反応混合物に酢酸エチル4000mlを加え、十分に攪拌し、固体を濾過除去した。濾過液はNaHCO3と水(一回200ml)でそれぞれ三回洗浄して、水を除去した後、50℃以下で有機溶媒を真空で蒸発除去して粘性の黄色油状物60gを得た。HPLCにより油状物に約38%のTDを含まれていた。油状物はアセトン(100ml)に溶解した後、シュウ酸溶液(5gは100mlメタノールに溶解する)を加え、0℃に一晩置き、濾過してTDシュウ酸塩24gを得た。得たシュウ酸塩は酢酸エチルに溶解し、飽和のNaHCO3水溶液200mlで三回洗浄して、さらに水で中性に洗浄して、水相を分離し、捨てた。有機相は水を除去し、50℃以下で有機溶媒を真空で蒸発除去してTD油状物19gを得た。室温に置いた後、油状物は次第に固体状TDに凝固した。XRD分析によりこの固体はTD(A型結晶)と無定形TDの混合物であった。HPLCによるTD純度は99.3%であった。
TDのA型結晶の調製
95%のTD油状物2gを約35℃の無水メタノール(10ml)に溶解し、攪拌しながらこの溶液にイソプロピルエーテル(30ml)を滴下し、−4℃に置いて固体を析出させ、濾過し、真空乾燥し、TDの結晶1.38gを得た。XRD分析によりこれはTDのA型結晶であった。HPLCによる純度は98.5%であった。
TDのA型結晶の調製
95%のTD油状物2gを約40℃の無水THF(6ml)に溶解し、室温に置いて固体を析出させ、濾過し、真空乾燥してTDの結晶1.62gを得た。XRD分析によりこれはTDのA型結晶であった。HPLCによる純度は97.8%であった。
TDのA型結晶の調製
95%のTD油状物0.5gを約60℃の無水トルエン(60ml)に溶解し、室温に置いて固体を析出させ、濾過し、真空乾燥してTDの結晶0.42gを得た。XRD分析によりこれはTDのA型結晶であった。HPLCによる純度は97.2%である。
TDのA型結晶の調製
99%のTD油状物1gを1ml酢酸エチルに溶解し、速く攪拌している−20℃に冷却したヘキサン200mlに得た溶液をゆっくり滴下し、固体を析出させ、濾過し、真空乾燥してTDの結晶0.82gを得た。XRD分析によりこれはTDのA型結晶であった。HPLCによる純度は98.2%であった。
TDのA型結晶の物理特性解析
実施例11で得たTDのA型結晶はD/MAX−IIIC型自動X線回折計(日本理学電機株式会社)によりXRDスペクトル(図3)を測定した。TDのA型結晶特性は次のようであった:
TDのB型結晶の調製
99%のTD(2g)を95%のエタノール(10ml)に溶解し、室温に24時間置いてTDの結晶1.61gを得た。XRD分析により得た固体はTDのB型結晶であった。HPLCによる純度は98.8%であった。
TDのB型結晶の調製
TD(2g、95%)をアセトン(15ml)に溶解し、35〜40℃に攪拌しながら水(30ml)に滴下し、4℃に冷却させ、少量のTDのB型結晶の種結晶を加え、24時間結晶化させ、濾過し、真空乾燥して白色固体1.4gを得た。XRD分析により得た固体はTDのB型結晶であった。HPLCによる純度は97.8%であった。
TDのB型結晶の物理特性解析
実施例16から得たTDのB型結晶はD/MAX−IIIC型自動X線回折計(日本理学電機株式会社)によりXRDスペクトル(図6)を測定した。特性は次のようであった:
TDのB型結晶は35〜45℃に二つの重量減少ピークがあった。重量減少は全部で6.675%であった。TDのB型結晶に二つの結晶水を含有することが分かった。その熱重量分析(TG)スペクトルは図7のようであった。
TDの無定形固化物の調製
99%のTD油状物1gを25mlのエタノールに溶解し、−80℃前後で冷凍凝固させ、−60℃で24時間真空冷凍乾燥して白色固体0.98gを得た。XRDスペクトルは図10に示された。これはTDの無定形固体であることが分かった。
TDの無定形固体の調製
99%のTD油状物1gを1mlのジクロロメタンに溶解し、速く攪拌されている−60℃に冷却したヘキサン200mlに得た溶液をゆっくりと滴下し、続いてまた2時間速く攪拌し、固体を析出させ、濾過し、真空乾燥して固体0.95gを得た。XRD分析によりこれはTDの無定形固体であった。HPLCによる純度は98.5%であった。
TD−β−シクロデキストリン包接化合物の調製
TD20gを取って、40ml無水エタノールで溶解した。45gのβ−シクロデキストリンを取って、567mlの水を加え、60℃の飽和水溶液にした。TDのエタノール溶液をβ−シクロデキストリンの飽和水溶液に滴下し、恒温で30分攪拌し、加熱を停止した後、続いて4時間攪拌し、冷蔵庫に置き、24時間冷凍し、そして濾過し、無水エタノールでケーキを洗って、減圧乾燥し、すり潰してしてTDのβ−シクロデキストリン包接化合物62.5gを得た。収率は96%であった。薬物負荷量は30.15%であった。
TD−β−シクロデキストリン包接化合物の調製
TD10gを取って、10mlの無水エタノールで溶解した。22.7gのβ−シクロデキストリンを取って、水284mlを加えて混合し、室温で糊状物にすり潰し、低温で乾燥した後、無水エタノールで洗浄し、そして乾燥してTDのβ−シクロデキストリン包接化合物25gを得た。収率は78%であった。薬物負荷量は21.64%であった。
TD−β−シクロデキストリン包接化合物の調製
TD10.02gと22.7gのβ−シクロデキストリンを取って、8%(v/v)の無水エタノールの水溶液300mlに攪拌しながら溶解した後、0.45μmの微多孔膜により濾過し、液体窒素タンクに冷蔵させ、約24時間冷凍乾燥してTDのβ−シクロデキストリン包接化合物を得た。収率は98%であった。薬物負荷量は30.5%であった。
TDフマル酸塩の調製
TD油状物(純度95%)5.3gを30mlのメタノールに溶解し、攪拌しながら、1.16gフマル酸を含むメタノール溶液10mlを緩慢に滴下し、25℃の恒温で続いて1時間攪拌し、不溶物を濾過除去し、0〜4℃に5時間置き、吸引濾過して白色固体4.8gを得た。融点は119℃であった。
1HNMR(DMSO−d6):8.13(1H,s,H−8)、8.03(1H,s,H−2)、7.15(2H,s,NH2)、 6.63(2H,s,フマル酸H−2,H−3)、5.54(4H,m,CH2OP)、4.21(2H,ddd,J=4,1,4.4,3,4.8)、3.94(3H,m,H−4,H−4’)、1.15(18H,d,J=3.2,CH3)、1.62(3H,d,J=6,H−3)。
TDフマル酸塩の調製
純粋なTD油状物5.15gを30mlのアセトンに溶解し、攪拌すると同時に、この溶液に1.16gのフマル酸を含むメタノール溶液10mlを緩慢に滴下し、25℃の恒温で続いて1時間攪拌し、不溶物を濾過除去し、回転蒸発で溶媒を除去した。残留固体は45℃の酢酸エチル20mlに溶解し、0〜4℃に12時間置き、吸引濾過してTDフマル酸塩の白色固体5.5gを得た。融点は119℃であった。
TDシュウ酸塩の調製
TD油状物5.15gを30mlの酢酸エチルに溶解し、攪拌すると同時に、この溶液に0.9gのシュウ酸を含むエタノール溶液を緩慢に滴下し、45℃の恒温で続いて攪拌し、約20分シュウ酸エタノール溶液を滴下した後、不溶物を濾過除去し、室温まで次第に下げ、また約5時間攪拌した後、吸引濾過してTDシュウ酸塩白色固体4.6gを得た。融点は153〜154℃であった。
1HNMR(DMSO−d6):8.15(1H,s,H−8)、8.05(1H,s,H−2)、7.29(2H,s,NH2)、5.54(4H,m,CH2OP)、4.22(2H,ddd,J=0.4,14.4,35.6,H−1,H−1’,H−2)、3.95(3H,m,H−4,H−4’)、1.15(18H,d,J=2.8,CH3)、1.08(3H,d,J=6,H−3)、1HNMRスペクトルは図14に示された。
TDサリチル酸塩の調製
TDの油状物、無定形固化物または結晶5.15gを30mlの酢酸エチルに溶解し、攪拌すると同時に、この溶液に1.76gのサリチル酸を含むエタノール溶液を緩慢に滴下し、45℃の恒温で続いて攪拌し、約20分間サリチル酸エタノール溶液を滴下した後、不溶物を濾過除去し、室温に次第まで下げ、また約8時間攪拌した後、吸引濾過して得た白色固体はTDサリチル酸塩であった。融点は88℃であった。IRスペクトルは図17に示された。
TDオレアノール酸塩の調製
99%のTD結晶5.15gを30mlのジクロロメタンに溶解し、そして、100mlのエタノール:ジクロロメタン(1:1)に4.5gのオレアノール酸を含有する溶液を加え、50℃の恒温で続いて120分攪拌した後、混合物中の溶媒を真空除去して得た灰白色固体はTDのオレアノール酸塩であった。融点は242℃(分解)であった。IRスペクトルは図18に示された。
TDアスパラギン酸塩の調製
99%のTD結晶1.0gを10mlのエタノールに溶解し、攪拌すると同時に、この溶液に0.266gのアスパラギン酸(L−アスパラギン酸が好ましい)を含む水溶液を緩慢に滴下し、40℃の恒温で続いて攪拌し、約20分間アスパラギン酸水溶液を滴下した後、この温度で続いて150分攪拌した後、室温まで次第に下げ、真空冷凍乾燥して白色固体を得た。融点は163℃であった。
TDタウリン酸塩の調製
99%のTD結晶1.0gを10mlのエタノールに溶解し、この溶液に0.25gタウリン酸を含むイソプロパノール溶液を滴下し、45℃の恒温で続いて120分攪拌した後、混合物中の溶媒を真空除去して白色固体を得た。融点は172℃であった。
TD塩酸塩の調製
99%のTD結晶1.03gを10mlのTHFに溶解し、0℃で1Mの塩化水素THF溶液2.2mlを滴下し、続いて約120分攪拌した後、−20℃に一晩置き、濾過して0.95g白色固体を得た。融点は192℃(分解)であった。
TDヘミスルフェートの調製
99%のTD結晶1.03gを10mlのTHFに溶解し、攪拌して0℃で1Mの硫酸メタノール溶液2.2mlを滴下し、続いて約120分攪拌した後、真空冷凍乾燥して白色固体を得た。
TD p−トルエンスルホン酸塩の調製
99%のTD結晶1.03gを10mlのTHFに溶解し、攪拌して0℃で1Mのp−トルエンスルホン酸メタノール溶液2.2mlを滴下し、続いて約120分攪拌した後、溶媒を真空除去して白色のバブル状固体を得た。
TDのA型結晶錠剤の調製
処方(1000錠):TDのA型結晶30g、乳糖200g、デンプングリコール酸ナトリウム2g、ポリビニルピロリドン(K30)15g、ステアリン酸マグネシウム0.4g、タルク1.2g。
製法:TDのA型結晶、乳糖、デンプングリコール酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン(K30)、ステアリン酸マグネシウム、タルクはそれぞれ80篩目を通させた。そして処方量のTDのA型結晶、乳糖、デンプングリコール酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン(K30)、50%処方量のステアリン酸マグネシウム、タルクは等量追加法で均一に混合させ、乾式造粒機により18篩目を通させ、造粒をした。残ったステアリン酸マグネシウム、タルクを加え、均一に混合し、ペレット成形にし、各錠30mgのTDを含有した錠剤を得た。
TDのA型結晶錠剤の調製
処方(1000錠):TDのA型結晶10g、デンプン100g、デンプングリコール酸ナトリウム2g、ポリビニルピロリドン(K30)10g、ステアリン酸マグネシウム0.4g、タルク1.2g、炭酸マグネシウム2g。
製法:TDのA型結晶、デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン(K30)、ステアリン酸マグネシウム、タルクと炭酸マグネシウムはそれぞれ80篩目を通させた。そして処方量のTDのA型結晶、デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン(K30)と炭酸マグネシウムを均一に混合し、適量な水を加え、軟質材料にし、篩目を通して造粒をした。乾燥し、含量と水分を測定し、ステアリン酸マグネシウム、タルクを加え、均一に混合し、錠剤にして得た。
TDのフマル酸塩の錠剤の調製
処方(1000錠):TDフマル酸塩50g、デンプン1000g、L−カルニチン(L−酒石酸塩)200g、デンプングリコール酸ナトリウム20g、ポリビニルピロリドン(K30)10g、ステアリン酸マグネシウム2g、タルク5g。
製法:TDフマル酸塩と処方中の添加剤はそれぞれ80篩目を通させ、そして処方量のTDフマル酸塩、デンプン、L−カルニチン(L−酒石酸塩)、デンプングリコール酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン(K30)を混合し、適量な水を加え、軟質材料にし、篩目を通して造粒をした。乾燥して含量と水分を測定し、ステアリン酸マグネシウムとタルクを加え、均一に混合し、錠剤にして得た。
TDのA型結晶カプセル剤の調製
処方(1000錠):TDのA型結晶30g、部分アルファー化デンプン200g、タルク2g。
製法:薬物と添加剤を乾燥した後、それぞれ100篩目を通させ、そして等量追加法で処方量の薬物と添加剤を均一に混合し、混合粉末の含量と水分を測定した。粉末は直接にカプセルに充填して得た。
TDフマル酸塩カプセル剤の調製
処方(1000錠):TDフマル酸塩50g、部分アルファー化デンプン400g、L−カルニチン(L−酒石酸塩)100g、タルク2g。
製法:薬物と添加剤を乾燥した後、それぞれ100篩目を通させ、そして等量追加法で処方量の薬物と添加剤を均一に混合し、乾式造粒機により18篩目を通して造粒をし、混合粉末の含量と水分を測定した。顆粒は直接にカプセルに充填して得た。
TDのA型結晶分散錠の調製
処方(1000錠):TDのA型結晶10g、部分アルファー化デンプン20g、微結晶性セルロース60g、乳糖20g、デンプングリコール酸ナトリウム25g、ドデシル硫酸ナトリウム1g、ステアリン酸マグネシウム1g。
製法:処方量のTDのA型結晶は100篩目を通させ、処方量の部分アルファー化デンプン、微結晶性セルロース、乳糖、デンプングリコール酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウムは60篩目を通させ、均一に混合し、等量追加法で処方量の薬物と添加剤を均一に混合し、含量を測定した。粉末で直接錠剤にして得た。得た錠剤の崩壊時間は1分未満である。
TD−βシクロデキストリン包接化合物注射用粉末製剤
処方:
TD−βシクロデキストリン包接化合物(薬物負荷率30%) 10g
クエン酸三ナトリウム 5.5g
マンニトール 500g
1000mlになるように注射用水を加えた。全部で1000瓶を調製した。
製法:
処方量のクエン酸三ナトリウムは適量な注射用水に溶解させ、処方量のTD−βシクロデキストリン包接化合物(薬物負荷率30%)を加え、攪拌して溶解させ、注射用水約900mlを加え、また処方量のマンニトールを加え、攪拌して溶解させ、0.1mol/Lのクエン酸溶液でpH5.5前後に調節し、全量まで注射用水を加えた。0.03%(w/v) 注射用活性炭を添加し、30分間攪拌し、0.22μmの微多孔膜で正圧濾過して病原菌を除去し、半製品は検査に合格した後、病原菌を除去したきれいなガラス小瓶に無菌包装した。各瓶1mlとした。約24時間低温冷凍乾燥し、口を密封して得た。製品は検査に合格した後包装した。
TDフマル酸塩注射液 静脈注射用
処方:
TDフマル酸塩 3.3g
塩化ナトリウム 9.0g
注射用水 適量
全量 1000ml
全部で1000瓶を調製した。
製法:
処方量のTDフマル酸塩、塩化ナトリウムを取って、注射用水900mlを加え、80℃に加温して溶解させ、また0.1mol/Lのクエン酸溶液でpH4.0〜5.0に調節し、全量まで注射用水を加えた。0.01%w/v注射用活性炭を添加し、15分間攪拌し、砂棒より脱炭し、0.45μmの微多孔膜で濾過した。濾過液は100mlのガラス輸液瓶に装入し、ポリエステルフィルムを置いて、ゴム栓で覆って、蓋を押し、115℃に水蒸気循環で30分間滅菌し、ライトで検査して包装した。
Claims (19)
- 粉末X線回折スペクトルは、面間距離dで通常9.774Å、6.32Å、5.726Å、4.967Å、4.849Åにピークがある、(R)−9−[2−[ビス(ピバロイルオキシメトキシ)ホスフィノイルメトキシ]プロピル]アデニンの結晶。
- 粉末X線回折スペクトルは、面間距離dで通常14.917Å、9.774Å、6.32Å、5.726Å、5.387Å、5.211Å、4.967Å、4.849Å、4.647Å、4.553Å、3.817Åにピークがある、請求項2に記載の結晶。
- 示差走査熱量分析スペクトルは、100℃前後に最大吸熱ピークがある、請求項2に記載の(R)−9−[2−[ビス(ピバロイルオキシメトキシ)ホスフィノイルメトキシ]プロピル]アデニンの結晶。
- 粉末X線回折スペクトルは、面間距離dで通常20.157Å、9.995Å、4.449Å、3.965Å、3.297Åにピークがある、(R)−9−[2−[ビス(ピバロイルオキシメトキシ)ホスフィノイルメトキシ]プロピル]アデニンの結晶。
- 粉末X線回折スペクトルは、面間距離dで通常20.157Å、9.995Å、5.555Å、4.696Å、4.449Å、3.965Å、3.677Å、3.297Å、3.125Å、2.822Åにピークがある請求項5に記載の結晶。
- 示差走査熱量分析スペクトルは、55℃前後に最大吸熱ピークがある、請求項5に記載の(R)−9−[2−[ビス(ピバロイルオキシメトキシ)ホスフィノイルメトキシ]プロピル]アデニンの結晶。
- TD無定形態の含有量は70%以上である、(R)−9−[2−[ビス(ピバロイルオキシメトキシ)ホスフィノイルメトキシ]プロピル]アデニンの無定形固化物。
- HAは、硫酸、リン酸、硝酸、塩酸、ヨウ化水素酸、臭化水素酸、フッ化水素酸、タウリン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、α−ナフタリンスルホン酸、β−ナフタリンスルホン酸、(S)−ナフタレンスルホン酸、メチルスルホン酸、エチルスルホン酸、n−プロピルスルホン酸、イソプロピルスルホン酸、n−ブチルスルホン酸、s−ブチルスルホン酸、イソブチルスルホン酸、t−ブチルスルホン酸、ペンチルスルホン酸、ヘキシルスルホン酸、酢酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、グルタル酸、酒石酸、クエン酸、フマル酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、シュウ酸、ヒドロキシマレイン酸、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、フェニル酢酸、桂皮酸、アーモンド酸、マンデル酸、サリチル酸、1−フェノキシ安息香酸、ニコチン酸、パントテン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、バリン、アスコルビン酸、オレアノール酸、ウルソル酸、グリシルリジン酸、グリシルレチン酸、サルビアニン酸、フェルラ酸、グルクロン酸、グルコン酸または果糖酸である、請求項9に記載の(R)−9−[2−[ビス(ピバロイルオキシメトキシ)ホスフィノイルメトキシ]プロピル]アデニンの塩。
- HAは、フマル酸、シュウ酸、サリチル酸、オレアノール酸またはアスパラギン酸である、請求項9に記載の(R)−9−[2−[ビス(ピバロイルオキシメトキシ)ホスフィノイルメトキシ]プロピル]アデニンの塩。
- 粉末X線回折スペクトルは、面間距離dで通常18.706Å、6.112Å、4.562Å、3.645Å、3.561Å、3.033Å、2.596Åにピークがある、請求項12に記載の(R)−9−[2−[ビス(ピバロイルオキシメトキシ)ホスフィノイルメトキシ]プロピル]アデニンのフマル酸塩の結晶。
- (R)−9−[2−[ビス(ピバロイルオキシメトキシ)ホスフィノイルメトキシ]プロピル]アデニンとシクロデキストリンとのモル比は1:1〜1:10である、(R)−9−[2−[ビス(ピバロイルオキシメトキシ)ホスフィノイルメトキシ]プロピル]アデニンのシクロデキストリン包接化合物。
- 請求項2、請求項5、請求項8、請求項9、請求項12または請求項14に記載の固体状態の(R)−9−[2−[ビス(ピバロイルオキシメトキシ)ホスフィノイルメトキシ]プロピル]アデニンおよびその誘導体の抗ウイルスの用途。
- 固体状態の(R)−9−[2−[ビス(ピバロイルオキシメトキシ)ホスフィノイルメトキシ]プロピル]アデニンまたはその生理的に許容される誘導体と薬用担体とを含む組成物。
- (R)−9−[2−[ビス(ピバロイルオキシメトキシ)ホスフィノイルメトキシ]プロピル]アデニンまたはその生理的に許容される誘導体は、(R)−9−[2−[ビス(ピバロイルオキシメトキシ)ホスフィノイルメトキシ]プロピル]アデニンのA型結晶、B型結晶、無定形固化物、塩またはシクロデキストリン包接化合物である、請求項16に記載の(R)−9−[2−[ビス(ピバロイルオキシメトキシ)ホスフィノイルメトキシ]プロピル]アデニンまたはその生理的に許容される誘導体。
- L−カルニチンまたは塩をさらに含む請求項16に記載の組成物。
- アルカリ性薬用担体をさらに含む請求項16に記載の組成物。
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