JP2008545668A - テトラヒドロピラン誘導体類の調製方法 - Google Patents

テトラヒドロピラン誘導体類の調製方法 Download PDF

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Abstract

【課題】テトラヒドロピラン誘導体類の調製方法。
【解決手段】本発明は、ホモアリルアルコールおよびアルデヒドからハロゲン化されたテトラヒドロピラン誘導体類を調製する方法、これらのテトラヒドロピラン誘導体類および更なるテトラヒドロピラン誘導体類を調製するためのこれらのテトラヒドロピラン誘導体類の使用に関する。特に、本発明は、ハロゲン化されたテトラヒドロピラン誘導体の調製に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、テトラヒドロピラン誘導体類の調製方法、これらのテトラヒドロピラン誘導体類および更なるテトラヒドロピラン誘導体類を調製するためのこれらのテトラヒドロピラン誘導体類の使用に関する。特に、本発明は、ハロゲン化されたテトラヒドロピラン誘導体の調製に関する。
分子の中心的構成要素としてテトラヒドロピラン環を有する化合物類は、例えば、天然または合成芳香物質、薬剤またはメソゲン性または液晶化合物の成分として、またはこれらの有益な物質を合成するための前駆体として、有機化学において重要な役割を演じている。
ここで特に興味深いものは、2位および/または5位に適切な(メソゲン性)置換基、環および/または環系を有するメソゲン性または液晶テトラヒドロピラン誘導体であるが、それらは液晶媒体中での使用にとって幾つかの有利な電気光学的および更に物理的特性を有しているからである。従って、基本的に、構造的多様性の大きい各種の2,5−2置換テトラヒドロピラン誘導体の入手方法の途を加えて開く非常に単純で有効な合成方法に対する要求がある。
この型の2つの合成方法は、金属アルキリデン錯体触媒によるオレフィンメタセシス反応の使用に基づく。これらの方法の助けで、2,5−2置換ジヒドロピラン誘導体が、閉環交差メタセシス(DE102004021338A1;特許文献1)またはエニンメタセシスおよび更に交差メタセシスしてもよい(DE102004022891A1;特許文献2)ことにより入手でき、それぞれの場合で、適当な金属カルベン錯体(金属アルキリデン錯体)(例えば、Grubbs第一世代またはGrubbs第二世代または関連する触媒、とりわけWO96/04289(特許文献3);WO97/06185(特許文献4);T.M.Trnkaら、Acc.Chem.Res.2001、34、18(非特許文献1);S.K.Armstrong、J.Chem.Soc.、Perkin Trans.I、1998、371(非特許文献2);J.Renaudら、Angew.Chem.2000、112、3231(非特許文献3)参照)。2つの方法の概略がスキーム1aおよびスキーム1bにそれぞれ示されており、「radical」および「radical」は、それぞれ適当な(メソゲン性)置換基、環および環系を表す。よって、所望の2,5−2置換テトラヒドロピラン誘導体も入手可能なジヒドロピランより(触媒的)水素化によって調製できる。
Figure 2008545668
Figure 2008545668
しかしながら、使用される金属アルキリデン触媒が高額であるため、これらの2つの合成方法はいつでも価値がある訳ではなく、結果として、より安価な方法が望ましいこととなる。
J.O.MetzgerおよびU.Biermann、Bull.Soc.Belg.、103、1994、393〜397(非特許文献4)には、4−塩素置換テトラヒドロピラン誘導体の形成を伴う、塩化アルミニウムが導入されたホルムアルデヒドの置換アルケン上への付加反応が記載されており、引き続きBuSnHを使用するフリーラジカル法により対応するハロゲンを含まないテトラヒドロピラン誘導体に転化できる。それらには、2位および5位に2つの置換基を有する1種類の4−クロロテトラヒドロピラン誘導体の合成例が1つ記載されており、出発化合物としてこれらの置換基の両方を有するホモアリルアルコールが必要である。しかしながら、この合成方法は転化率および転用性が低く、2置換ホモアリルアルコールを使用するため、非常に限られた構造的範囲のみを有する2,5−2置換テトラヒドロピラン誘導体の前駆体の調製ができるのみである。
E.Hanschke、Chem.Ber.88、1955、1053〜1061(非特許文献5)には、無置換ホモアリルアルコールをホルムアルデヒドとハロゲン化水素存在下で無置換のC1〜4−アルカニルアルデヒドおよびクロチルアルデヒドと共に塩酸存在下高い気圧で反応させることが記載されており、更なる反応に望ましい4−ハロゲン置換テトラヒドロピラン誘導体は、更なる生成物を伴って選択性なく低収率で得られるのみである。
J.S.Yadavら、Synth.Comm.(2002)、32、1803〜1808(非特許文献6)には、(1−アリール)アリルアルコールと共にベンズアルデヒド誘導体を環化することが記載されている。得られる4−クロロテトラヒドロピランは、所望の方法には不十分である。生成物は、3位および5位で無置換である。提案されている試薬は、溶媒なしでマイクロ波と共にビスマス(III)の塩化物であるが、臭化物およびヨウ化物ではない。
DE102004021338A1 DE102004022891A1 WO96/04289 WO97/06185 T.M.Trnkaら、Acc.Chem.Res.2001、34、18 S.K.Armstrong、J.Chem.Soc.、Perkin Trans.I、1998、371 J.Renaudら、Angew.Chem.2000、112、3231 J.O.MetzgerおよびU.Biermann、Bull.Soc.Belg.、103、1994、393〜397 E.Hanschke、Chem.Ber.88、1955、1053〜1061 J.S.Yadavら、Synth.Comm.(2002)、32、1803〜1808
従って、テトラヒドロピラン誘導体の単純で有効な調製方法を示すことを目的とし、それ自身は(更なる)メソゲン性または液晶性2,5−2置換テトラヒロドピラン誘導体を合成するための出発化合物として機能する。加えて、テトラヒドロピラン誘導体は、合成の中ですでに完全にまたは部分的に、望まれるトランス−立体化学性を有しているべきである。
この目的は、本発明に従い、式IIのホモアリルアルコールを、式IIIのアルデヒドまたはそれのアセタールまたは水和物と、少なくとも1個の塩素、臭素またはヨウ素原子を含む少なくとも1種類のルイス酸の存在下および/または少なくとも1個の塩素、臭素またはヨウ素イオンを含むブレンステッド酸の存在下で反応させることを特徴とする式Iのハロゲン化されたテトラヒドロピラン誘導体類の調製方法により達成される。
Figure 2008545668
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Figure 2008545668
ただし、式I、IIおよびIII中、
a、b、c、d、eおよびfは、互いに独立に、0または1を表し、ただし、a+b+c+d+e+fは、1、2、3または4に等しく、
は、塩素、臭素またはヨウ素を表し、
は、H、ハロゲン、−CN、1〜15個のC原子を有するアルキル基を表し、該基は無置換であるか、−CNにより1置換されているか、ハロゲンにより1置換または多置換されており、ただし加えて、これらの基中の1個以上のCH基は、鎖中の酸素原子が互いに直接結合しないようにして、−C≡C−、−CH=CH−、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−CO−O−または−O−CO−で置き換えられていてもよく、
は、H、ハロゲン、−CN、−NCS、−NO、−OH、−SF、−O−アラルキル、1〜15個のC原子を有するアルキル基を表し、該基は無置換であるか、−CNにより1置換されているか、ハロゲンまたは−O−アラルキルにより1置換または多置換されており、ただし加えて、これらの基中の1個以上のCH基は、鎖中の酸素原子が互いに直接結合しないようにして、−C≡C−、−CH=CH−、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−CO−、−CO−O−または−O−CO−で置き換えられていてもよく、
、A、A、A、AおよびAは、互いに独立に、回転されたものまたは鏡像のものでもよく、以下を表し、
Figure 2008545668
は、単結合、1〜6個の炭素原子を有し無置換かFおよび/またはClで1置換または多置換されているアルキレン架橋を表すか、または−CHO−、−OCH−、およびAがシクロヘキシレンおよびシクロヘキセニレン環ではない場合、−CFO−を表し、
は、単結合、1〜6個の炭素原子を有し無置換かFおよび/またはClで1置換または多置換されているアルキレン架橋を表し、
、Z、ZおよびZは、互いに独立に、単結合、1〜6個の炭素原子を有し無置換かFおよび/またはClで1置換または多置換されているアルキレン架橋を表すか、または−CHO−、−OCH−、−CFO−を表し、ただし、−CFO−架橋はシクロヘキシレンまたはシクロヘキセニレン環にそのO原子を介して直接結合しておらず、
n1、n2およびn3は、互いに独立に、0、1、2、3または4であり、
、Y、Y、Y、YおよびYは、互いに独立に、H、ハロゲン、−CN、C1〜6−アルカニル、C2〜6−アルケニル、C2〜6−アルキニル、−OC1〜6−アルカニル、−OC2〜6−アルケニル、−OC2〜6−アルキニルを表し、ただし、脂肪族基は無置換であるか、ハロゲンにより1置換または多置換されており、好ましくはHまたはFであり、および
は、−CH−、−CF−または−O−を表し、
ただし、
aおよびbが同時に0の場合、Rは水素を表さず、および
a、b、c、d、eおよびfの全てが同時に0の場合、RおよびRはHまたは無置換のアルカニルではない。
(a+b)=0の場合、Rは、好ましくは、水素、ハロゲンおよびCNではない。(c+d+e+f)=0の場合、Rは、好ましくは、H、ハロゲン、−CN、−NCS、−NO、−OH、−SF、−O−アラルキルおよびアルコキシ基ではない。
簡単のため、式I中のテトラヒドロピラン環の位置の番号は、−他に明らかに示さない限り−、本記載中では以下の通りである。
Figure 2008545668
発明による方法では、容易に入手でき安価な試薬の助けによって、式Iのテトラヒドロピラン誘導体を単純なやり方で、良好な収率および高い化学的および立体的選択性で入手可能となる。式Iのテトラヒドロピラン誘導体はそれ自身さらにメソゲン性または液晶テトラヒドロピラン誘導体を調製するために使用することができる。
本発明による方法は、少なくとも1つの塩素、臭素またはヨウ素原子を含んでいる少なくとも1種類のルイス酸の存在下、少なくとも1つのクロリド、ブロミドまたはヨウ化物陰イオンを含んでいる少なくとも1種類のブレンステッド酸(プロトン酸)の存在下または上に定義される少なくとも1種類のルイス酸および上に定義される少なくとも1種類のブレンステッド酸の混合物の存在下で実行することができる。本発明による方法は1種類以上の異なるルイスおよび/またはブレンステッド酸を使用して実行することができ、3種類以下の異なる酸を使用することが好ましい。本発明の方法において、1種類のみのルイス酸またはブレンステッド酸またはルイス酸とブレンステッド酸の混合物の使用が特に好ましい。上および下において「酸」と言う場合、−他に示さない場合−、単一の酸および複数の異なる酸の両方を意味する。1種類より多い酸の使用においては、それらが互いに化学的に相溶性があり、好ましくない副反応を引き起こさない限り、複数の酸を選択することは特に制限されない。
本発明の第1の好ましい実施形態では、式IIIのアルデヒドとの式IIのホモアリルアルコールの反応は、少なくとも1つの塩素、臭素またはヨウ素原子を含んでいる少なくとも1種類のルイス酸がある状態で行なわれる。それぞれの場合で、ルイス酸がこれらのハロゲン原子の1つの型のみを含むこと、即ち、任意の非ハロゲン基または配位子の存在に加えて、塩素原子だけまたは臭素原子だけまたはヨウ素原子だけを含むことが望ましい。式Iのテトラヒドロピラン誘導体のハロゲン置換基Xは、少なくとも1種類のルイス酸のこのハロゲン原子に対応する。ルイス酸は、非常に特に好ましくは、臭素原子を含んでいる。
少なくとも1種類のルイス酸は、式M(XおよびRM(Xn−1の化合物を含む群から好ましくは選ばれ、ただし
Mは、B、Al、Ga、In、Sn、Ti、Fe、Zn、Nb、Zr、AuまたはBiを表し、
は、Cl、BrまたはIを表し、
は、1〜10個の炭素原子を有する直鎖状または枝分状のアルキル基を表し、および
nは2、3、4または5の整数で、それがMの形式上の酸化数と等しいように選択される。
これらのルイス酸の例は、塩化ジイソブチルアルミニウムおよびBIII(X、AlIII(X、GaIII(X、InIII(X、SnIV(X、TiIV(X、FeIII(X、ZnII(X、ZrIV(X、Nb(X、AuIII(XおよびBiIII(Xであり、ただし、Xは塩素、臭素またはヨウ素で、好ましくは塩素または臭素で、特には臭素である。
使用されるルイス酸の正確な量は広範囲において変化させることができ、−特に使用される最低量に関して−とりわけ、ルイス酸の分子1つ当たりのハロゲン原子Xの数に依存する。よって、原子Mの形式上の酸化数が4(IV)であるルイス酸で、反応させる式IIのホモアリルアルコールに基づいて25mol%ほどの少量で、反応物の完全な転換を保証するのに十分である。一般に、ルイス酸は約20mol%〜約300mol%の量で使用され、好ましくは約34mol%〜約250mol%の量および特に好ましくは約50mol%〜約200mol%の量であり、ただし、量は、各場合において式IIのホモアリルアルコールに基づく。
反応温度は一般に約−80℃および+40℃の間で、ただし反応温度の正確な選択は選択されたそれぞれのルイス酸の性質に依存する。したがって、好ましい温度範囲は、ホウ素ハロゲン化物で−70〜−40℃、Al、In、SnおよびTiハロゲン化物で−50℃〜0℃、およびZnおよびBiハロゲン化物で0℃〜+40℃である。反応時間は一般に1時間および72時間の間、好ましくは2時間および36時間の間および特に好ましくは4時間および24時間の間である。本発明による反応はルイス酸を、固体または溶液で、式IIのホモアリルアルコールおよび式IIIのアルデヒドの適切な溶媒に溶解または懸濁された混合物に加えることができる。またはルイス酸を最初に導入し、例えば引き続きアルデヒドおよびホモアリルアルコールを加えてもよく、その逆の順序でもよい。
少なくとも1種類のルイス酸は特に好ましくは式M(Xの化合物で、ただし、Mは、B、Al、Fe、ZnまたはBiであり、Xは特にBrを表わす。ルイス酸は特にAlBr、ZnBrまたはBiBrである。
本発明の更なる好ましい実施形態において、本発明の方法は、少なくとも1つの塩素、臭素またはヨウ素アニオンを含むブレンステッド酸の存在下で行なわる。ブレンステッド酸の例は塩化水素、臭化水素およびヨウ化水素である。ブレンステッド酸は例えばガスとして使用することができ、本発明による方法の他の反応物を含む例えば適切な溶媒の中の混合物に通し、また、ブレンステッド酸を含む溶液を使用することも可能で、例えば、氷酢酸中のHBrである。本発明の方法で使用されるブレンステッド酸は、特に好ましくは臭化水素である。ブレンステッド酸は、−特にハロゲン化水素酸の場合−、化学量論的または化学量論を超える量(式IIのホモアリルアルコールに基づいた)で使用され、好ましくは約100mol%〜約350mol%の量、非常に好ましくは約100mol%〜約225mol%の量、特には約150mol%以下の量である。
この実施形態中の反応温度は、一般に約0℃および約+70℃の間の温度、好ましくは約10℃および約40℃の間、特に好ましくは室温近傍(18〜25℃)である。反応時間は一般に1時間および72時間の間、好ましくは2時間および36時間の間および特に好ましくは4時間および24時間の間であり、選択された溶媒によっても影響を受け、例えば、その反応は、一般に水より氷酢酸の中でより速く進む。本発明による反応は、適切な溶媒に溶解または懸濁された式IIのホモアリルアルコールおよび式IIIのアルデヒドの化合物に、ブレンステッド酸を溶液として加えるか、また、ガスとしてブレンステッド酸を通過させることにより行うことができる。
本発明の更なる好ましい実施形態において、式IIIのアルデヒドとの式IIのホモアリルアルコールの反応は、少なくとも1種類のルイス酸および少なくとも1種類のブレンステッド酸の混合物の存在下で実行される。それらが互いに化学的に相溶性をもち、好ましくない副反応に結びつかないように、これらの酸が選択される。ルイス酸がブレンステッド酸と同じハロゲン原子を有することが有利で、即ち、例えば、臭化水素酸に加えM(Br)のルイス酸ブロミドが使用される。好ましい組み合わせはHBrとBiBrまたはAuBrとである。反応が対応する方法(即ち、約0℃および約50℃の間の反応温度および約100:約0.5:約2のルイス酸に対するブレンステッド酸のモル比)で行なわれる場合、ルイス酸は容易にブレンステッド酸とは異なっているハロゲン原子を含むことができる。例えばFeClおよびHBrの組み合わせの場合である。そして、この変法によって調製された式Iの化合物は、Xとしてブレンステッド酸のハロゲンを含んでおり、よってFeClおよびHBrを備えた前記例では、XはBrである。
本発明のこの実施形態によれば、1種類以上のルイス酸のみを使用しブレンステッド酸を使用しない実施形態に比べ、極めて少量のルイス酸を使用するのみでよい。使用されるブレンステッド酸はルイス酸より一般に安価であるため、この変法により低コストの結果となる。同時に、ルイス酸を使用することにより、ブレンステッド酸のみを使用する場合の条件よりも、本発明の方法を穏和な条件下(特に低い反応温度)で行うことができる。
原則として、ルイス酸およびブレンステッド酸は、互いへの任意の所望の混合比の中で使用することができる。しかしながら、ブレンステッド酸に対してルイス酸は、好ましくは約0.1mol%〜約20mol%の量、特に好ましくは約0.3mol%〜約10mol%の量、特には約0.5mol%〜約2mol%の量で使用される。ここで、ブレンステッド酸は、式IIのホモアリルアルコールに対して少なくとも化学量論的(約100mol%)〜化学量論を超える量(約350mol%)量で好ましくは使用される。
本発明のこの実施形態中の反応温度は一般に約−10℃および約+70℃の間である。式IIIのアルデヒドおよび式IIのホモアリルアルコールを第1に最初に適切な溶媒に導入することが好ましく、ルイス酸を約−10℃〜約+35℃で加え、ブレンステッド酸をガスとして約0℃〜約+50℃で−好ましくは外部から冷却して−反応媒体が飽和するまで続いて通過させる。ブレンステッド酸の適切な溶液も使用することができる。反応時間は一般に数分および24hの間、好ましくは10分および6時間の間および特に好ましくは15分および3時間の間である。
本発明の反応は、それぞれの実施形態の中で溶媒なしのやり方および好ましくは溶媒または溶媒混合物中で原理的に行える。ここで、適切な溶媒は、それら自身が酸として働かないものか、少しの程度だけそうであるものであり、使用される酸に対して不活性なものである。媒体の正確な選択は特に反応物の溶解挙動および酸に依存する。適切な溶媒で、それらは反応媒体として単独でまたは2種類または3種類の溶媒の混合物で使用することができるものは、例えば水;ヘキサン、石油エーテル、ベンゼン、トルエン、キシレンのような炭化水素;トリクロロエチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルムおよび特にはジクロロメタンのような塩素化炭化水素;メタノール、エタノール、2−プロパノール、n−プロパノール、n−ブタノールのようなアルコール;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)または1,4−ジオキサンのようなエーテル;エチレングリコールモノメチルまたはモノエチルエーテル(メチルグリコール、エチルグリコールまたはポリエチレングリコール)、エチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム)のようなグリコールエーテル類;二硫化炭素;ニトロメタンまたはニトロベンゼンのようなニトロ化合物で、ただし、本発明で使用される酸としてルイス酸(単独でまたはブレンステッド酸と一緒に)の使用においては、水とアルコールは溶媒または溶媒の成分としては使用されない。脂肪族および塩素化炭化水素、特に好ましくは塩素化炭化水素、特にはジクロロメタンである。
驚くべきことに、本発明による方法が実行される場合、互いに2位および5位の置換基がトランス配置にある式Iのテトラヒドロピラン誘導体の立体異性体が、主にまたは排他的に形成されることが分かった。この状況は、これらの化合物を液晶媒体中で使用するか、更なるメソゲン性または液晶テトラヒドロピラン誘導体を調製するために主な利点である。2位および5位の置換基のトランス配置により、伸ばされた分子の形状を有するビスエカトリアルコンホーメンションが可能となるからであって、メソゲン性の特性には重要である。本発明による方法で調製される式Iのテトラヒドロピラン誘導体は、一般に、シス−2,5−異性体に対するトランス−2,5−異性体の比で約75:25または80:20〜100:0を有する。メソゲン性または液晶テトラヒドロピラン誘導体の他の調製方法は、普通、シス−2,5−異性体の含有量が非常に多い異性体混合物を与える。
生成物が結晶の形式で生成される場合、作業後に、単離された生成物で測定される特に高い選択性が生じる。結晶の形成は、本方法からの生成物の高い純度に有利である。
更に驚くべきことに、本発明の方法で調製される式Iの化合物の4位のハロゲン置換基Xも、主にまたは排他的に5位の置換基に対してトランス配置をとることが分かった。よって、本発明によるこの方法によって、2位、4位および5位の3つの置換基が、全エカトリアル配置を配向しているテトラヒドロピラン誘導体が、高い選択性で形成される。
少なくとも1種類のルイス酸、−単独または少なくとも1種類のブレンステッド酸と組み合わせて−が反応に関与する場合、本発明による反応の高選択率は特に明らかとなる。
高い立体化学の選択性に加えて、本発明による方法は、さらなる利点によって識別される。式IIのテトラヒドロピラン誘導体を良好から非常に良好な収率で入手できる。加えて、式IIIのアルデヒドとの式IIのホモアリルアルコールの反応は、高い化学的選択性で起こる、つまり、好ましくない副生成物が生成されないか、非常に少量のみ生成されるかであり、式Iのテトラヒドロピラン誘導体の更なる使用に影響しない。本発明による方法で使用される酸試薬は容易に通常商業的および安価に入手でき、それを取り扱うには如何なる特別または通常でない予防も必要としない。
本発明の方法は、高い構造的多様性で、更なるテトラヒドロピラン誘導体を調製するための集中的合成の方策の途を開くことが、特に利点であることが示され、特に式IIのホモアリルアルコールから出発して、式IIIのアルデヒドの基を変化させることで、式Iの種々に置換されたテトラヒドロピラン誘導体の広範囲な調製が可能となる。同じことが相補的な手法にもあてはまり、即ち、特に式IIIのアルデヒドより出発して、式IIのホモアリルアルコールの基を変化させることでも、高い構造的多様性をもって、式Iのテトラヒドロピラン誘導体を調製できる。
中央のハロゲン化されたテトラヒドロピラン環に加えて、本発明の方法により調製できる式Iの化合物は更なる環を有していなくてもよく、1つ、2つ、3つまたは4つのさらなる環(または環系)を有していてもよく、つまり指数a、b、c、d、eおよびfの和は、0、1、2、3または4に等しい。(a+b+c+d+e+f)は、好ましくは1より大きく、特に1、2または3、そして非常に特に、1または2である。式IIのホモアリルアルコールおよびさらに式Iのテトラヒドロピラン誘導体が、環を有していないかまたは5位に1つ環を有していることがここでは好ましく、即ち、a+bは好ましくは0または1である。更に、式IIIのアルデヒドおよびさらに式Iのテトラヒドロピラン誘導体が、環を更に有していないかまたは2位に1つ、2つまたは3つの更なる環を有していることが好ましく、即ち、c+d+e+fは0、1、2または3に等しく、特に1または2である。
はルイス酸および/またはブレンステッド酸の選択によって決定され、好ましくは臭素または塩素、特には臭素である。臭素の方が塩素より容易に還元的に脱離できる。
は、好ましくは、アルカニル、アルケニル、アルコキシまたはアルケニルオキシであり、それぞれ1〜10個の炭素原子を有しており、無置換であるか、1つ以上のフッ素および/または塩素原子によって置換されており、そしてaおよび/またはbが1の場合、塩素、フッ素または臭素を表すことも好ましい。Rは、特に好ましくは、アルカニルまたはアルコキシを表し、それぞれ1〜8個の炭素原子を有しており、無置換であるか、1個以上のフッ素および/または塩素原子によって置換されているか、特に好ましくは1個、2個、3個、4個、5個または6個の炭素原子を有する直鎖状のアルカニルで、無置換であるか、1個以上のフッ素原子で置換されている。
は、好ましくは、Cl、F、Br、−OH、−CO−C1〜6−アルカニル、−O−アラルキル、−CH(CHO−「保護基」)またはアルカニル、アルケニル、アルコキシまたはアルケニルオキシで、それぞれ1〜8個の炭素原子を有しており、無置換であるか、1個以上のフッ素原子、塩素原子またはOH基で置換されており、特に好ましくはF、Cl、−OH、−CO−C1〜6−アルカニル、−OCH−フェニル、−CH(CHOCH−アリル)またはアルカニルまたはアルコキシで、それぞれ1〜8個の炭素原子を有しており、無置換であるか、1個以上のフッ素および/または塩素原子によって置換されており、および特にF、Cl、−CO−メチル、−エチル、−n−プロピル、−i−プロピル、−n−ブチル、−t−ブチルもしくは−n−ヘキシル、−OCH−フェニル、−CH(CHOCH−フェニル)で置換されているか、または1個、2個、3個、4個、5個または6個の炭素原子を有する直鎖状アルカニルまたはアルコキシで、それぞれは無置換であるか、1個以上のフッ素原子によって置換されている。
およびRはさらに前記要素によってCH基による複数の置換を経て生じる基も包含し、それらが通常の場合、例えばRについては、アリール硫酸エステル−O(SO)−Arまたは−O(SO)−CHも含まれ、引き続く合成において保護基または脱離基として役立つ。アルキル基のすべてのCH基を示された基で置換することも可能である。この目的のためには、S−Sの直接結合および−S−O−鎖は一般に通常ではなく、好ましくはRまたはRの一部ではない。
(a+b)=0の場合、Rは好ましくは水素、ハロゲンおよびCNを表さない。(c+d+e+f)=0の場合に、Rは好ましくは水素、ハロゲン、−CN、−NCS、−NO、−OH、−SF、−O−アラルキルまたはアルコキシを表さない。
環AおよびAは、好ましくは互いに独立に、1,4−シクロヘキシレンまたは1,4−フェニレンを表し、1〜4個のフッ素原子によって置換されていてもよく、および特に好ましくは
Figure 2008545668

である。
環A、A、AおよびA、好ましくは、互いに独立に、1,4−シクロヘキシルエンまたは1,4−フェニレンを表し、0〜4個のフッ素原子によって置換されており、および特に好ましくは
Figure 2008545668
である。
およびZは、好ましくは互いに独立に、単結合または2個、4個または6個の炭素原子を有するアルキレン架橋を表わし、1つ以上のフッ素原子によって置換されてもよい。ZおよびZは、特に好ましくは両方とも単結合である。
、Z、ZおよびZは、好ましくは互いに独立に、単結合、−CHO−または−CFO−を表わし、ただし、−CFO−架橋は、好ましくはシクロヘキシレンまたはシクロヘキセニレンにそのO原子を介して直接連結されていない。特に好ましくは、互いに独立に、単結合、−CFO−または−CHO−であり、非常に特に好ましくは、それぞれの場合で、Z、Z、ZおよびZのうちの1つは単結合ではない。架橋要素であるZ、Z、ZまたはZが酸素原子を含んでいる場合、これは、式III中のアルデヒド基へ好ましくは直接接合されない。架橋要素であるZ、Z、ZまたはZは、特に好ましくは、それらが式Iのテトラヒドロ環またはアルデヒド基に直接結合している場合、酸素原子を含まないように選択される。
式IIの特に好ましいホモアリルアルコールは、式II−1〜II−9から選択される。
Figure 2008545668
Figure 2008545668

式中、Rは上で定義されるとおりであり、好ましくは1〜7Cアルキル基を表す。
本発明の方法の更なる好ましい実施形態にて、式IIのホモアリルアルコールを式IIIのアルデヒドとルイス酸および/またはブレンステッド酸の存在下で反応させて入手できる式Iの化合物は、置換基Xを還元的に脱離することで、式IVのテトラヒドロピラン誘導体を与える。
Figure 2008545668
ただし、a、b、c、d、e、f、R、R、A、A、A、A、A、A、Z、Z、Z、Z、Z、Zは、独立に式Iで上に定義される通りであり、即ち、置換基は、一般に、式I、II、IIIおよびIV中で、異なる定義を有してよい。
本発明は、更に、式IIのホモアリルアルコールを、式IIIのアルデヒドまたはそれのアセタールまたは水和物と上述のように反応させる少なくとも1つの工程を含む式IVの化合物の調製方法を含む。
Figure 2008545668
Figure 2008545668
本発明の方法は、好ましくは、式Iの化合物上の置換基Xを還元的に脱離することを特徴とする工程を更に有し、ただし、テトラヒドロピラン環の他の置換基は、誘導体化のために異なる意味を有することもできる。この更なる工程は、好ましくは、IIのIIIとの反応の後に還元的脱離によって行われ、特に好ましくは、環形成後に更なる中間工程なしで行われる。
IVを与えるIの還元的脱離の好ましい実施形態は、フリーラジカル連鎖反応を含み、反応の過程において−形式的に考えれば−式Iのテトラヒドロピラン誘導体中のハロゲン原子Xが取り除かれ水素原子で置き換えられる。ここで、反応される式Iの化合物中のXは臭素または塩素であることが特に好ましく、特に臭素である。
本発明の還元的脱離の好ましい実施形態は、好ましくは水素化有機スズまたは水素化有機ケイ素の存在下で行う。ここで、好ましい水素化有機スズは水素化トリアルキルおよびアラルキルジアルキルスズ、特に好ましくは水素化トリアルキルスズ、特には水素化トリ−n−ブチルスズ(BuSnH)である。典型的には、還元されるべき式Iの化合物に基づき1〜10等量および好ましくは2〜4等量の水素化スズを使用する。更に、固体、好ましくは固体有機担体に結合している水素化有機スズの使用が好ましく、非常に特に好ましい固体担体に結合している水素化有機スズは、BuSnHLi(Buはn−ブチル)(その場で形成されたもの)をα−ハロアルキルポリスチレンと反応させて得られるものである(例えば、U.Gerigkら、Synthesis(1990)、448〜452およびG.Dumartinら、Synlett.(1994)、952〜954参照)。固体担体に結合した水素化有機スズは、通常、式Iの化合物に基づき2〜4等量で使用される。
好ましい水素化有機ケイ素は置換シランで特に好ましくはトリス(トリアルキルシリル)シラン、特にトリス(トリメチルシリル)シラン(TTMSS)である(例えば、M.Ballestriら、J.Org.Chem.1991、56、678〜683参照)。水素化有機ケイ素は、普通、還元されるべき式IIの化合物に基づき1〜3等量、好ましくは1.1〜1.5等量の量で使用される。TTMSSを、例えば、水素化ホウ素ナトリウムNaBHの水素化金属錯体(例えば、M.Lesageら、Tetrahedron Lett.第30巻、2733〜2734、1989参照)のような更なる還元剤と組み合わせて使用することが非常に特に好ましい。この変法では半化学量論的な量の実際の還元剤TTMSSを使用でき、水素化ホウ素ナトリウムによって反応サイクルの過程中に再形成され、よって、より安価なNaBHを使用することにより、比較的高価なTTMSSの相当量を節約できる。典型的な混合比は、式Iの化合物を基礎として2〜10倍量、好ましくは約5倍量のNaBHおよび5〜20mol%、好ましくは約10mol%のTTMSSである。
水素化有機スズまたは水素化有機ケイ素を使用する本発明の好ましい実施形態は、例えばAIBN(2,2’−アゾビスイソブチロニトリル)またはtert−ブチルヒドロパーオキサイドの適当なアゾまたはペルオキシ化合物のような少なくとも1種類のフリーラジカル鎖反応開始剤(「フリーラジカル開始剤」)存在下で、UV光存在下で通常行われる。フリーラジカル開始剤はこの型の反応の従来量で使用され、好ましくは式Iの化合物を基礎にて1〜20mol%の量である。フリーラジカル開始剤の代わりかこれに加えて、UV照射の作用により反応を開始することもできる。
本発明のこの実施形態に適当な溶媒は、ヘプタン、ベンゼン、キシレンのような炭化水素およびジメトキシエタンまたはメトキシエタノールのようなエーテルである。反応は20〜140℃で通常行われる。反応時間は一般的に2〜24時間である。
本発明の更なる好ましい実施形態において式I中のXは臭素であり、還元的脱離は水素と水素化触媒および塩基、好ましくはアミンの存在下で行う。水素化触媒は、均一系触媒(例えば、アルキル−および/またはアリール−置換ホスフィンまたはホスファイト配位子のPd(0)またはPd(II)またはNi(0)またはNi(II)錯体)または好ましくは不均一系遷移金属触媒である。水素化触媒は、特に好ましくは不均一系パラジウム、白金またはニッケル触媒、特にはパラジウムである。炭素上パラジウムまたは酸化アルミニウム上パラジウムが特に好ましい。塩基は、好ましくは窒素性塩基またはアミン、特には3級アミンである。
アミンは、好ましくはトリアルキルアミン、特に好ましくはジイソプロピルエチルアミンまたはトリエチルアミンであり、特にはトリエチルアミンである。反応は3〜20倍の量のTHF中で行なわれ、1および50barの間の水素圧で、1〜24時間の過程に渡り、約20〜約120℃の温度である。
この好ましい実施形態の場合、基および置換基が適切に選択されていれば、本発明の還元的脱離の性能の結果、対応する脱ハロゲン化されたテトラヒドロピラン環へのハロゲン化されたテトラヒドロピラン環の転化のみならず、特定の保護基を還元的に除去できる。とりわけ、このことは、RがO−アラルキル基、特に置換されていてもよいO−ベンジル基を表わす式Iの化合物に当てはまる。
上記還元的脱離の2つの好ましい実施形態は、とりわけ、式IVのテトラヒドロピラン誘導体を与える式Iのテトラヒドロピラン誘導体の還元的脱離が、テトラヒドロピラン環の2位および5位の中で置換基の配置を保って起こるという事実によってとりわけ識別される。したがって、2位の置換基が5位の置換基に対してトランスを向いているように、2位、4位および5位の3つすべての置換基がエカトリアル配置である式Iのハロゲン化されたテトラヒドロピランを、立体化学を保ったままで、トランス2,5−2置換を備えた式Iの対応するヒドロピラン誘導体を与える。
本発明の更に好ましい実施形態において、式IVのテトラヒドロピラン誘導体を与える式Iの還元的脱離は2工程で行われ、ただし、第1工程(A)において、式Iのテトラヒドロピラン誘導体がジヒドロピラン誘導体、特に式Vaおよび/またはVbに転化され、
および、第2工程(B)において、この方法で形成されたジヒドロピラン誘導体式Vaおよび/またはVbを式IVのテトラヒドロピラン誘導体に転化する。
Figure 2008545668
ただし、a、b、c、d、e、f、R、R、A、A、A、A、A、A、Z、Z、Z、Z、Z、Zは、式Iで上に定義される通りである。
式Iのテトラヒドロピラン誘導体からのHXの脱離は、強塩基を使用して実行される。とりわけ、適切な塩基は、アルコキシド、例えばナトリウムエトキシドまたはカリウムtert−ブトキシドのような例えばアルカリ金属アルコキシド、および強力な非イオンの窒素塩基、特に20より大きいpKaの値を有するものであることがわかった。これらの強力な非イオンの窒素塩基の例はJ.G.Verkade、Topics in Current Chemistry 220、3〜44で言及されているものであり、とりわけ、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン(DBN);1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU);および1,1,3,3−テトラメチルグアニジン(TMG);7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン(MTBD)および2,8,9−トリイソプロピル−2,5,8,9−テトラアザ−1−ホスファビシクロ[3.3.3]ウンデカン(TTPU)である(S.Arumugam、J.G.Verkade、J.Org.Chem.1997、62、4827も参照)。
脱離は適切な不活性溶媒または溶媒混合物中で実行され、例えば芳香族炭化水素で、例えばトルエンまたはエーテル、例えば1,4−ジオキサン、ジメトキシエタンおよびテトラヒドロフランである。非極性溶剤の使用は特に好まれる。一般に、反応は室温および沸点の間の温度で行われ、好ましくは約60℃から沸点、特に好ましくは約80℃から沸点までの高温である。第1工程(A)の反応時間は一般に約1時間から約48時間、好ましくは約4時間から約16時間である。
本発明のこの好ましい実施例の工程(A)を実行する場合、式VaおよびVbの2つのジヒドロピラン誘導体の混合物が通常形成され、ほとんどの場合、約2:1の異性体比率である。異性体は一般に、−僅かでも生じるのであれば−二次的な量で生じる。(幾つかの場合、環内二重結合が4,5−および3,4−位でない更なる異性体ジヒドロピラン化合物も得られる。本発明によって、これらの二重結合異性体も式IVの所望のテトラヒドロピラン誘導体に容易に転化される。)さらなる工程(B)の前で、クロマトグラフィーのような従来の分別法を使用して異性体を分離することは原理的には可能であるが、これは一般に実行されない。本発明によるこの実施形態に従って入手可能な式Vbの化合物は、テトラヒドロピラン環の2位および5位の置換基のコンフィギュレーションに関して式Iの出発化合物と同じコンフィギュレーションを有している。よって、全エカトリアル配置を有する式Iのテトラヒドロピラン誘導体は、式Vbの対応するトランス−2,5−2置換テトラヒドロピラン誘導体を容易に与える。
式IVのテトラヒドロピラン誘導体の形成用の工程(B)は、触媒的水素化で実行される。ここで水素化は均一系触媒または不均一系触媒で実行することができる。式Vbのジヒドロピラン誘導体に関して、水素化自身および水素化が実行される条件の選択は、複素環の2位および5位の置換基の立体化学的方向性に影響しない。よって、通常および好ましくは存在している式Vbのトランス−2,5−2置換化合物は、立体化学性を保持して、式IVの対応するトランス−2,5−2置換テトラヒドロピランを与える。しかしながら、式Vaのジヒドロピラン誘導体に関しては、式IVのテトラヒドロピラン誘導体の形成のための更なる反応手段は、一般に、互いに関連のある複素環酸素の2位および5位の置換基の配置に影響を及ぼす。よって、不均一系の触媒作用による水素化は、例えば不均一系のパラジウム、白金またはニッケル触媒上で、シス−2,5−コンフィギュレーションの式IVのテトラヒドロピランを、主にまたは排他的に生成する。その異性化はカリウムtert−ブトキシドのような例えば強塩基を使用し、酸を使用し、またはCsFまたはフッ化テトラブチルアンモニウムのようなフッ素を含有する化合物を使用し、所望の2,5−トランス−コンフィギュレーションの式IVの異性体を得ることができる。対照的に水素化を均一系触媒で行うとすれば、例えば、Wilkinson触媒であるクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)(Cl−Rh[P(C)の存在下、10〜100barの水素圧、約80℃〜約120℃の温度、約6〜約48時間の反応時間に渡り、適切な溶媒(例えばトルエン)中(ドイツ国特許出願DE102004036068A1参照)の場合、式IVの化合物の所望の2,5−トランス異性体が過剰に得られる−通常、シス異性体に対するトランス異性体の比率は3:1である。式IVの所望のトランス−2,5−2置換テトラヒドロピラン誘導体を、良好な収率で入手できる。
本発明は、更に式Iの化合物に関連する。
Figure 2008545668

ただし、
a、b、c、d、eおよびfは、互いに独立に、0または1を表し、ただし、a+b+c+d+e+fは、1、2、3または4に等しく、
は、塩素、臭素またはヨウ素を表し、
は、H、ハロゲン、−CN、1〜15個のC原子を有するアルキル基を表し、該基は無置換であるか、−CNにより1置換されているか、ハロゲンにより1置換または多置換されており、ただし加えて、これらの基中の1個以上のCH基は、鎖中の酸素原子が互いに直接結合しないようにして、−C≡C−、−CH=CH−、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−CO−O−または−O−CO−で置き換えられていてもよく、
は、H、ハロゲン、−CN、−NCS、−NO、−OH、−SF、−O−アラルキル、1〜15個のC原子を有するアルキル基を表し、該基は無置換であるか、−CNにより1置換されているか、ハロゲンまたは−O−アラルキルにより1置換または多置換されており、ただし加えて、これらの基中の1個以上のCH基は、鎖中の酸素原子が互いに直接結合しないようにして、−C≡C−、−CH=CH−、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−CO−、−CO−O−または−O−CO−で置き換えられていてもよく、
、A、A、A、AおよびAは、互いに独立に、回転されたものまたは鏡像のものでもよく、以下を表し、
Figure 2008545668
は、単結合、1〜6個の炭素原子を有し無置換かFおよび/またはClで1置換または多置換されているアルキレン架橋を表すか、または−CHO−、−OCH−、およびAがシクロヘキシレンおよびシクロヘキセニレン環ではない場合、−CFO−を表してもよく、
は、単結合、1〜6個の炭素原子を有し無置換かFおよび/またはClで1置換または多置換されているアルキレン架橋を表し、
、Z、ZおよびZは、互いに独立に、単結合、1〜6個の炭素原子を有し無置換かFおよび/またはClで1置換または多置換されているアルキレン架橋を表すか、または−CHO−、−OCH−、−CFO−を表し、ただし、−CFO−架橋はシクロヘキシレンまたはシクロヘキセニレン環にそのO原子を介して直接結合しておらず、
n1、n2およびn3は、互いに独立に、0、1、2、3または4であり、
、Y、Y、Y、YおよびYは、互いに独立に、H、ハロゲン、−CN、C1〜6−アルカニル、C2〜6−アルケニル、C2〜6−アルキニル、−OC1〜6−アルカニル、−OC2〜6−アルケニル、−OC2〜6−アルキニルを表し、ただし、脂肪族基は無置換であるか、ハロゲンにより1置換または多置換されており、および
は、−CH−、−CF−または−O−を表し、
ただし、
aおよびbが同時に0の場合、Rは水素を表さず、および
a、b、c、d、eおよびfの全てが同時に0の場合、RおよびRはHまたは無置換のアルカニルではない。
c、d、eおよびfが全て同時に0の場合、Rは、好ましくは、1〜15個のC原子を有するアルキル基を表し、該基は無置換であるか、−CNにより1置換されているか、ハロゲンまたは−O−アラルキルにより1置換または多置換されており、ただし加えて、これらの基中の1個以上のCH基は、鎖中の酸素原子が互いに直接結合しないように、−C≡C−、−CH=CH−、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−CO−、−CO−O−または−O−CO−で置き換えられていてもよい。
これらの化合物は、更なる2,5−2置換テトラヒドロピラン誘導体を調製するための出発化合物または中間体化合物として適する。示された通り、置換基Xは水素で置き換えられることができる。Xは既知の求核置換反応で他の基に置換されてもよく、興味深い構造を与える。
本発明の式Iの化合物の基、置換基および指数a、b、c、d、e、f、X、R、R、A、A、A、A、A、A、Z、Z、Z、Z、Z、Zは、好ましくは、本発明の調製方法に関連して上の式Iに示される好ましい意味、特に好ましい意味と同じ意味を有する。
2,5−位の置換基は好ましくは互いにトランスの配置である。いす形配座では、この場合、これらの置換基は両者ともエカトリアル配置となる。
中心テトラヒドロピラン環の2位、4位および5位の3つの置換基がエカトリアル配置である本発明の式Iのテトラヒドロピラン誘導体が特に好ましい。
本発明による方法中で使用される式IIおよびIIIの出発化合物は、文献(例えば、Houben−Weyl、Methoden der organischen Chemie[Methods of Organic Chemistry]、Georg−Thieme−Verlag、Stuttgartのような合成有機化学の標準的な著作)に記載されているようにそれ自身既知の方法により調製でき、既知で前記反応に適当な反応条件下で正確に行われる。しかしながら、それ自身既知で詳細には述べられていない変法を行うこともできる。
式IIIのアルデヒドは、商業的に入手可能かまたは、例えば先行技術の中で既知の反応による他のアルデヒドから入手可能である。よって、シクロヘキシル環へホルミル基が接合される式IIIのアルデヒド(例えば、式IIIでcが1に等しく、Zは単結合を表わし、Aがシクロヘキシレン基を表す場合)は、DE19612814A1で示された方法によって調製することができる。ホルミル基が置換されていてもよいフェニレン基に例えば単結合を介して連結されているか(例えば、式III中のcが1に等しく、Zが単結合を表しおよびAがフェニレン基を表す場合)、アルキレン架橋、−CHO−、−OCH−または−CFO−介して環基に結合されている(例えば、式III中のcが1に等しく、Zがアルキレン架橋の−CHO−、−OCH−または−CFO−を表しおよびAが請求項1および上の記載で示される意味の1つを有する場合)さらなる式IIIのアルデヒドは、対応するカルボン酸エステルまたはカルボン酸誘導体から調製することができ、これは水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBAL−H)等の適当な還元剤を使用して文献より既知の方法および/または商業的に入手できる(とりわけ、ドイツ国特許出願DE102004021334A1参照)。
ホルミル基が単結合を介してテトラヒドロピラニル基の5位へ結合されており、2位が置換されている式IIIのアルデヒドも、同様にして入手できる。ここで、出発材料は例えば対応するカルボン酸エステルまたはニトリル前駆体で、例えばスキーム1aに示されるメタセシス法(ただし、例えばradicalは−CO−アルキルまたは−CN)および引き続く触媒的水素化、例えばWilkinson触媒のような均一系触媒を使用して得ることができ、これを水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBAL−H)と反応させて、ホルミル誘導体を得る。
同様に、式IIのホモアリルアルコールは先行技術より既知か、商業的に入手できるか、それ自身文献より既知の合成方法により容易に調製できる。スキーム2に、式Aのアリルハライド誘導体から出発する合成経路の概要を示す。
Figure 2008545668
Aより出発して、例えばアルデヒドR−[A−Z−[A−Z−CHOより出発して、例えばReformatsky合成により不飽和エステルR−[A−Z−[A−Z−CH=CH−CO−アルカニルを得て、引き続きDIBAL−Hを使用して還元し対応するアリルアルコールR−[A−Z−[A−Z−CH=CH−CHOHを得て、最後にPBr(Hal=Br)、PClまたはSOCl(Hal=Cl)またはHI(Hal=I)を使用して、適当な金属または有機金属試薬との反応により化合物Bを得るが、ここで「Met」は、使用される金属または有機金属試薬に依存して、Cu、Bi(radical)、In(radical)、Sn(radical)、Sn(radical)、Zn(radical)、Ge(radical)を表し、「radical」は1種類以上の適当な基または該金属上の配位子を表す。形成されたBは中間体として先立って単離することなく行うこともできるが、更なるBとホルムアルデヒド(または合成上同等のもの)との反応により、対応する処理の後に、式IIの所望のホモアリルアルコールを得る。
式IIのホモアリルアルコールの更なる入手を、スキーム3に示すように行い、「Hal」はスキーム2中の上と同じ意味を有し、「Met」は好ましくはCu(I)である(A.Carpita、R.Rossi、Synthesis、1982、469参照)。
Figure 2008545668
ハロゲン化物Cは、−スキーム2中の方法に対応するやり方で−適当な試薬を使用して有機金属誘導体Dに転化され、引き続きEと反応させて酢酸ホモアリルFを得る。そして、式IIの所望のホモアリルアルコールを、Fから鹸化によって入手する。
更に、R−[A−Z−[A−Z−がアルキル基を表す式IIのホモアリルアルコールも、クロトン酸のジアニオンのアルキル塩化物R−[A−Z−[A−Z−Halを使用する対応するアルキル化およびLiAlHを使用する引き続く還元により入手できる。このジアニオは、例えばリチウムジイソプロピルアミド(LDA)の2等量との反応よりクロトン酸から得る(P.E.Pfeffer、L.S.Silbert、J.Org.Chem.(1971)、36、3290;R.H.van der Veen、H.Cerfountain、J.Org.Chem.(1985)、50、342参照)。
本発明との関係において、用語「アルキル」は、−明細書または特許請求の範囲において別に定義されなければ−、その最も一般的な意味において、直鎖状または分岐状で、飽和または不飽和で、1〜15個(即ち、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15個)の炭素原子を有する脂肪族炭化水素基を示し、この基は無置換またはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素、カルボキシル、ニトロ、NH、N(アルカニル)および/またはシアノで1置換または多置換されており、ただし、同一または異なる置換基により多置換されていてもよい。脂肪族炭化水素鎖中のアルキル基も、それ自身、官能基化されていてもよい。
このアルキル基が飽和している基の場合、「アルカニル」とも呼ばれる。更に、「アルキル」との語は、置換されていないかまたは対応して同一または異なって、特にF、Cl、Br、Iおよび/またはCNによって1置換または多置換された炭化水素基も含み、1個以上のCH基は、鎖中のヘテロ原子(OまたはS)が互いに直接結合しないように、−O−(「アルコキシ」、「オキサアルキル」)、−S−(「チオアルキル」)、−SO−、−CH=CH−(「アルケニル」)、−C≡C−(「アルキニル」)、−CO−O−または−O−CO−で置き換えられていてもよい。好ましくは、アルキルは直鎖または分岐しており、無置換または置換された、1、2、3、4、5、6、7または8個の炭素原子を有するアルカニル、アルケニルまたはアルコキシ基である。アルキルがアルカニル基を表す場合、これは、好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、CF、CHF、CHF、CFCFである。アルカニル基は、特に好ましくは直鎖で無置換かFで置換されている。
アルキル基中の1個以上のCH基を−O−で置き換える場合もあるため、「アルキル」との語は、「アルコキシ」または「オキサアルキル」基も含む。アルコキシは、酸素原子がアルコキシ基で換基された基または置換された環に直接結合しているO−アルキル基を意味し、アルキルは上に定義される通りであるが;アルキルは好ましくはアルカニルまたはアルケニルである。好ましいアルコキシ基は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシおよびオクチルオキシであり、ただし、これらの基のそれぞれも、好ましくは1個以上のフッ素原子によって置換されていてよい。特に好ましくは、アルコキシは、−OCH、−OC、−O−n−C、−O−n−C、−O−t−C、−OCF、−OCHF、−OCHFまたは−OCHFCHFである。本発明との関連において、「オキサアルキル」との語は、隣接しているヘテロ原子(OまたはS)がないように末端でないCH基の少なくとも1個が−O−で置き換えられているアルキル基を意味する。好ましくは、オキサアルキルは式C2a+1−O−(CH−の直鎖の基を含み、aおよびbは、それぞれ互いに独立に、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10を表し、特に好ましくは、aは1〜6の整数で、bは1または2である。
上で定義されるようなアルキル基中の1個以上のCH基が硫黄に置き換えられている場合、「チオアルキル」基が存在する。「チオアルキル」は、好ましくは、式C2a+1−S−(CH−の直鎖の基を含み、aは、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10で、bは、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10で、特に好ましくは、aは1〜6の整数で、bは1または2である。同様に、チオアルキル基はF、Cl、Br、Iおよび/または−CNで置換されていてもよく、好ましくは、無置換である。
本発明との関連において、「アルケニル」との語は、1個以上の−CH=CH−基が存在する上で定義されたアルキル基を意味する。この基中に2個の−CH=CH−基が存在する場合、「アルカジエニル」と呼ぶこともできる。アルケニル基は2〜15個(即ち、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15個)の炭素原子を含むことができ、および分岐または好ましくは直鎖である。この基は置換されていないかまたは同一または異なって1置換または多置換されており、特にF、Cl、Br、Iおよび/またはCN、即ち、−CH=CH−単位の一方または両方の水素および/またはアルケニル基の更なるCHまたはCH基の水素が対応する置換基で置き換えられていてもよい。更に、1個以上のCH基がそれぞれ互いに独立に、ヘテロ原子(OまたはS)が互いに直接結合しないように、−O−(「アルケニルオキシ」)、−S−、−C≡C−、−CO−、−(CO)O−、−O(CO)−で置き換えられていてもよい。CH=CH基の両方の炭素原子上に水素以外がある場合、例えば、末端基でない場合、CH=CHには2種類の立体配置、即ち、E異性体およびZ異性体が存在する。対応する状態を、ハロゲンおよび/または−CNで置換されたC=C二重結合に適用する。一般に、E異性体(トランス)が好ましい。好ましくは、アルケニル基は2、3、4、5、6または7個の炭素原子を含み、ビニル、アリル、1E−プロペニル、2−プロペニル、1E−ブテニル、1E−ペンテニル、1E−ヘキセニル、1E−ヘプテニル、2−プロペニル、2E−ブテニル、2E−ペンテニル、2E−ヘキセニル、2E−ヘプテニル、3−ブテニル、3E−ペンテニル、3E−ヘキセニル、3E−ヘプテニル、4−ペンテニル、4Z−ヘキセニル、4E−ヘキセニル、4Z−ヘプテニル、5−ヘキセニルまたは6−ヘプテニルを意味する。特に好ましいアルケニル基は、ビニル、アリル、1E−プロペニル、2−プロペニルおよび3E−ブテニルである。
アルキル基中の1個以上のCH基が−C≡C−で置き換えられている場合、アルキニル基が存在する。1個以上のCH基を−CO−O−または−O−CO−で置き換えることも可能である。ここで、好ましいこれらの基は次の通りである:アセトキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、ペンタノイルオキシ、ヘキサノイルオキシ、アセトキシメチル、プロピオニルオキシメチル、ブチリルオキシメチル、ペンタノイルオキシメチル、2−アセトキシエチル、2−プロピオニルオキシエチル、2−ブチリルオキシエチル、2−アセトキシプロピル、3−プロピオニルオキシプロピル、4−アセトキシブチル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、ペントキシカルボニル、メトキシカルボニルメチル、エトキシカルボニルメチル、プロポキシカルボニルメチル、ブトキシカルボニルメチル、2−(メトキシカルボニル)エチル、2−(エトキシカルボニル)エチル、2−(プロポキシカルボニル)エチル、3−(メトキシカルボニル)プロピル、3−(エトキシカルボニル)プロピルおよび4−(メトキシカルボニル)ブチル。
アルキル基のCH基が無置換または置換された−CH=CH−で置き換えられており、隣接するCH基がCO、−CO−O−または−O−CO−で置き換えられている場合、この基は直鎖または分岐していてもよい。好ましくは直鎖で4〜12個のC原子を有している。従って、特に好ましくは、アクリロイルオキシメチル、2−アクリロイルオキシエチル、3−アクリロイルオキシプロピル、4−アクリロイルオキシブチル、5−アクリロイルオキシペンチル、6−アクリロイルオキシヘキシル、7−アクリロイルオキシヘプチル、8−アクリロイルオキシオクチル、9−アクリロイルオキシノニル、メタアクリロイルオキシメチル、2−メタアクリロイルオキシエチル、3−メタアクリロイルオキシプロピル、4−メタアクリロイルオキシブチル、5−メタアクリロイルオキシペンチル、6−メタアクリロイルオキシヘキシル、7−メタアクリロイルオキシヘプチルまたは8−メタアクリロイルオキシオクチルを意味する。
アルキル基、アルカニル基、アルケニル基またはアルコキシ基が少なくとも1個のハロゲンで置き換えられている場合、好ましくは、この基は直鎖である。ハロゲンは、好ましくは、FまたはClである。多置換の場合、好ましくは、ハロゲンはFである。得られる基は、ペルフルオロ化された基も含む。1置換の場合、フッ素または塩素置換は任意の所望の位置で構わないが、好ましくはω位である。
本発明との関係において、「アルキレン」または「アルキレン架橋」は、−明細書または特許請求の範囲において別に定義されなければ−、鎖中に1、2、3、4、5、6、7、8個の炭素原子を有する2価の脂肪族炭化水素基を表し、ハロゲン、CN、カルボキシル、ニトロ、アルカニル、アルコキシ、−NHまたは−N(アルカニル)で1置換または多置換されていてもよく、ただし、同一または異なる置換基により多置換されていてもよい。「アルキレン」または「アルキレン架橋」は、好ましくは、直鎖で1、2、3、4、5、6個の炭素原子を有する飽和脂肪族基を意味し、無置換であるかフッ素により1置換または多置換されており、特に、−CHCH−、−CHCHCH−、−(CH−、−CFCF−または−(CF−を意味する。
本発明との関係において、用語「アラルキル」はアリールアルキル基、即ち、アリール置換基がアルキル架橋を介して、原子、鎖、他の基または官能基に連結されている基を表す。そのアルキル架橋は、好ましくは、飽和2価炭化水素基(「アルキレン」)、特に、メチレン(−CH−)またはエチレン(−CH−CH−)である。アラルキル基の好ましい例は、ベンジルおよびフェネチルである。本発明の目的のためには、「アラルキル−O−ラジカル」は、アルキル架橋に結合している酸素原子を介して更なる原子、鎖、他の基または官能基に連結されているアラルキル基である。アラルキル−O−ラジカルの好ましい例は、O−ベンジルおよびO−CH−CH−フェニルである。このアラルキル基中のメチレン基は、今度は−O−、−SO−、−(CO)−などのようなヘテロ架橋で置き換えられてもよく、従来の脱離および保護基を与える。
本発明との関係において、用語「アリール」は芳香族または部分的に芳香族環系を表し、狭義にはベンゼン環を表し、それの電子的特性を修正するか立体的にスクリーニングするために(例えば、tert−ブチル)、例えば1〜5Cのアルキル、ハロゲン、ニトロ、シアノなどのような単純な基で1置換、2置換または3置換されていてもよい。アリール基は好ましくはフェニル基またはp−トリル基である。
本発明との関係において、「ハロゲン」はフッ素、塩素、臭素またはヨウ素を表す。
本発明との関係において、「アセタール」は、アルコール(例えば、エタノール)の1等量のアルデヒド(「ヘミアセタール」とも言う)上への、またはアルコールの2等量(または2つのアルコール)のアルデヒドのカルボニル官能基上への(形式的な)付加反応の生成物を意味する。本発明との関係において、アルデヒドの「水和物」は、水の1等量のアルデヒド(「ヘミ」または「セミ水和物」とも言う)のカルボニル官能基上への、または水の2等量のアルデヒドのカルボニル官能基上への(形式的な)付加反応の生成物を意味する。アルデヒドは、対応するアセタール(およびヘミアセタール)と、またはその水和物(およびヘミ水和物)との平衡状態でも存在してよいことを、ここで注意しなければならない。
本発明で使用する化合物の基または置換基または本発明で使用する化合物自身が光学活性または立体異性でもよい基、置換基または化合物として存在し得る場合、例えば不斉中心を有するために、これらも本発明に含まれる。これらの化合物は、異性体的に純粋な状態、例えば、純粋な鏡像異性体、ジアステレオマー、EまたはZ異性体、トランスまたはシス異性体、または任意の所望の比率の異性体の混合物、例えば、ラセミ体、E/Z異性体混合物またはシス/トランス異性体混合物で存在しうることは言うまでもない。
本発明の方法で使用される化合物に存在する任意の反応し得る官能基または置換基を、本発明の反応および/または前または引き続く反応および/または一連の作業における好ましくない反応から保護するために、反応が完了した時に再び開裂して除ける保護基を使用できる。適当な保護基の使用方法は当業者に公知であり、例えば、T.W.Green、P.G.M.Wuts:Protective 基s in Organic Synthesis、第3版、John Wiley&Sons(1999)に記載されている。
以下の例は、本発明を制限することなく、本発明を説明するものである。
<GWP1(一般操作方法1)
最初に、0.1molの式IIIのアルデヒドおよび0.1molの式IIのホモアリルアルコールを100mlのジクロロメタンに導入する。0.05mol〜0.06molの固体形態のルイス酸を、この混合物に加える。反応が完了(TLCチェック)したら、反応混合物をシリカゲルを通して濾過するか、または水系の処理を行う。この場合、100mlの水を混合物に滴下で加え、そして30mlの濃塩酸を加える。相分離が完了するまで、混合物を撹拌する。水、塩酸およびヘプタンを有機相に加え、攪拌後、水相を分離し除去する。水相をジクロロメタンで抽出し、有機相をあわせ、蒸発させる。残渣を更にシリカゲル上のクロマトグラフィー、結晶化または蒸留により精製する。
GWP1によって得られた式Iのテトラヒドロピラン誘導体の反応条件上の詳細なデータおよび収率を表1に示す。
<GWP2>
最初に、0.05mol〜0.055molのルイス酸を100mlのジクロロメタンに導入し、懸濁液を攪拌する。そして、式IIIのアルデヒド(0.1mol)を数回に分けて導入する。引き続き、式IIのホモアリルアルコール(0.1〜0.11mol)を加える。反応が完了(TLCチェック)したら、−GEP1で上に記載したように−反応混合物をシリカゲルを通して濾過するか、または水系の処理を行う。
GWP2によって得られた式Iのテトラヒドロピラン誘導体の反応条件上の詳細なデータおよび収率を表2に示す。
<GWP3>
最初に、0.1molの式IIIのアルデヒド、0.1molの式IIのホモアリルアルコールおよび0.5〜5mol%のルイス酸を、100mlのジクロロメタンに0℃〜室温の温度で導入する。そして、ガス状ハロゲン化水素酸を、外部より冷却しながら飽和するまで通す。そして、反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に攪拌しながら加える。有機相を分離し除去して、乾燥し、蒸発させる。残渣をシリカゲル上のクロマトグラフィー、結晶化または蒸留で精製する。
GWP3によって得られた式Iのテトラヒドロピラン誘導体の反応条件上の詳細なデータおよび収率を表3に示す。
<GWP4>
水または氷酢酸中の1.5モル等量の飽和ハロゲン化水素酸溶液を、式IIIのアルデヒドおよび式IIのホモアリルアルコールのジクロロメタン中の0.1M溶液に、攪拌しながら加え、任意に0.5〜5mol%のルイス酸を添加してもよい。反応が完了(TLCチェック)したら、反応混合物をGWP1で記載したように処理する。
GWP4によって得られた式Iのテトラヒドロピラン誘導体の反応条件上の詳細なデータおよび収率を表4に示す。
<式Iのハロゲン化されたテトラヒロドフラン誘導体からの式IVの化合物の調製>
<GWP5−不均一触媒およびトリアルキルアミン存在下での還元的脱離>
式Iの臭素化された物質を適当量のテトラヒドロフラン(式Iの化合物の体積または重量の約4倍および12倍の間)に溶解し、10〜30重量%(Iに基づく)の5%の炭素上パラジウム(54.7%の水を含む)、2.5モル等量のトリエチルアミンおよび2倍量(物質に基づいて)の水を加え、圧力オートクレーブ中で、4〜6barの圧力の水素を使用し、理論量の水素が取り込まれるまで混合物を水素化する。冷却の後、反応混合物を濾過し、濾液を氷上に注ぎ、濃塩酸を使用してpHを1に調節する。混合物をヘプタンまたはヘプタン/トルエン混合物で2回抽出する。合わせた有機相を水で4回洗浄し、乾燥し、蒸発させる。更なる精製を、−生成物の性質に依存して−結晶化、クロマトグラフィーおよび/または蒸留で行う。
GWP5によって得られた式IVのテトラヒドロピラン誘導体の反応条件上の詳細なデータおよび収率を表5に示す。
<水素化トリブチルスズを使用する還元的脱離>
Figure 2008545668
18.5g(0.05mol)の4−クロロテトラヒドロピランである表2からのNo.9を、500mlのベンゼン中の32g(0.11mol)の水素化トリブチルスズおよび0.81g(5mmol)のアゾジイソブチロニトリルと一緒に24時間、還流で加熱する。溶媒を引き続き蒸発させて除去し、残渣を200mlのメチルtert−ブチルエーテル(MTBE)中で回収する。232mlの10%KF水溶液(0.4molのKF)および1.08g(2.5mmol)の18−クラウン−6を加え、混合物を激しく攪拌する。有機相を乾燥し、蒸発させ、ヘプタン/トルエン(9:1)でシリカゲルを通して濾過し、再蒸発後得られる残渣をヘプタンから再結晶する。IV−aの収率(最適化せず):8.7g(52%)。
<トリス(トリメチルシリル)シラン(TTMSS)を使用する還元的脱離>
Figure 2008545668

600mlの1,2−ジメトキシエタン中の20.75g(0.05mol)の4−ブロモテトラヒドロピラン(表1からのNo.16)を、60mg(2mmol)のp−メトキシベンゾイルペルオキシドを添加後、1.24g(5mmol)のTTMSSおよび9.5g(0.25mol)のNaBHと共に、12時間、石英器具中で攪拌しながら、波長254nmの光を照射する。その後、引き続き溶媒を真空で蒸発させて取り除き、残渣をヘプタン/シリカゲルでシリカゲルを通して濾過する。蒸発させ、ヘプタンから再結晶し、IV−bを得る。収率(最適化せず):8.1g(48%)。
<式Vaおよび/またはVbの化合物を与える式Iの化合物の脱ハロゲン化水素>
<例A>
Figure 2008545668
156g(0.487mol)の4−ブロモ−2−(4−ブロモフェニル)テトラヒドロピラン(表1からのNo.3a、b)(異性体化合物、2,4−シス:2,4−トランス=84:16)を、330mlのトルエン中の87.2ml(0.73mol)の1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン(DBN)と共に還流下、攪拌しながら3時間温め、その間に懸濁が生じる。冷却後、400mlの水および希硫酸を使用して混合物のpHを3に調整し激しく混合する。有機相を分離および除去し、水およびNaHCO溶液で洗浄し、シリカゲルを通して濾過し、蒸発させ、105gのA1およびA2を含む生成混合物を65:35の比で得る。
<例B>
Figure 2008545668
49.7g(0.15mol)の異性体的に純粋な4−ブロモ−2−(4−ブロモフェニル)−5−メチルテトラヒドロピラン(表3からのNo.2)を、200mlのトルエン中の27.8g(0.225mol)のDBNと共に、還流下、4時間、攪拌する。そして混合物を0℃に冷却し、析出する塩を濾別し、濾液を濃縮し、トルエン/ヘプタン(1:1)でシリカゲルを通して濾過する。濾液を蒸発し、残渣をエタノールより結晶化する。得られた唯一の異性体は、4,5−ジヒドロ−5−メチルテトラヒドロピランB1である。収率(最適化せず):15.6g(73%)。
<例C>
Figure 2008545668

例Bに類似して、テトラヒドロピラン誘導体(表3からのNo.3)(異性体混合物2,4−シス:2,4−トランス=85:15;32.9g、0.107mol)よりC1を得る;収率(最適化していない):89%。
<例D>
Figure 2008545668
例Bに類似して、テトラヒドロピラン誘導体(表3からのNo.4)(異性体的に純粋2,4−シス)よりD1を得る;収率(最適化していない):93%。
<例E>
Figure 2008545668
23.0g(0.0556mol)の4−ブロモテトラヒドロピラン(表3からのNo.6)(異性体混合物)を、60mlのトルエン中の10.36g(0.0834mol)のDBNと共に、還流下、3時間、攪拌する。そして、混合物を室温まで冷却し、400mlの水を加え、そして希硫酸を使用して攪拌しながら混合物を酸性とする。乾燥およびトルエン/ヘプタン混合物(1:1)でシリカゲルを通して濾過後、分離された有機相を濾液より、E1およびE2を含みE1が主な異性体である異性体混合物17.8g(96%)を与える。
<例F>
Figure 2008545668

窒素下で、100g(219mmol)のブロモテトラヒドロピラン(表1からのNo.18)を165mlのトルエンに溶解し、38.5mlのDBNを加え、混合物を5時間、煮沸で加熱する。200mlの水を冷却された反応物に引き続き加え、希硫酸を使用して酸性化する。有機相を300mlのヘプタンで希釈し、分離し、炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、蒸発させる。得られる残渣をシリカゲル(トルエン)を通し、57.1gの化合物F1(含有量:60%;収率:41%)を得る。
<式IVのテトラヒドロピランを与える式Vの化合物の水素化>
Figure 2008545668
1mol%の塩化トリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)を、600mlのエタノールおよび200mlのトルエンの混合物中の0.2mol(66.4g)の例Eからの異性体混合物E1およびE2に加える。密封されたオートクレーブ中の混合物を50barまで窒素を注入してガス抜きを3回行い、それぞれの場合で引き続いて圧抜きをする。10barの水素を注入後、混合物を100℃で24時間温める。冷却および減圧後、反応混合物を蒸発させ、ヘプタン/トルエン(8:2)でシリカゲルを通して濾過する。そして、エタノールおよびヘプタンから再結晶して、24.8g(理論の37%)の99.5%の水素化生成物IV−cを全てがトランス配座で得る(融点62℃、C62SmB218I、10%のネマチック混合物ZLI−4792から外挿された透明点231℃)。
Figure 2008545668
Figure 2008545668
Figure 2008545668
Figure 2008545668
Figure 2008545668
Figure 2008545668
Figure 2008545668
Figure 2008545668
Figure 2008545668
Figure 2008545668
<物質の特性解析>
核磁気共鳴スペクトル(NMR)または質量スペクトルまたは相データによる表1〜5に示す物質の特性解析を以下に行う。既述のサンプル(全エカトリアル配置の主要異性体2H−3,4,5,6−テトラヒドロピラン誘導体で、イス型コンフォメーションである)のNMRスペクトルのプロトンの帰属は、以下の式を参照して行われる。
Figure 2008545668
<表1からのテトラヒドロピラン誘導体I>
1a)CDCl中の250MHzH−NMRスペクトル
信号の位置はテトラメチルシランに対するppmで引用され、結合定数Jの大きさはヘルツ(Hz)で示される。略号mは多重項、sは一重項、dは二重項、tは三重項、qは四重項を表わす。これらの詳細は、列記される全ての他のNMRスペクトルにも当てはまる。
4a:m4.13;H6e:ddd3.96 J=12,4,2;H6a:dt3.37 J=12,2;H2a:m3.25;H3eおよびH5e:m2.08〜2.3;H5a:dq2.05 J=12,4;H3a:q1.73 J=12;側鎖の2つのメチレン基4つのH:m1.25〜1.6;CH基:t0.9 J=7。
1b)NMRスペクトルは1aと同一。
2)CDCl中の250MHzHスペクトル
4a:m4.1;H6e:ddd3.95 J=12,4,2;H6a:dt3.35 J=12,2;H2a:m3.0;16H:m0.9〜2.3、残りのテトラヒドロピラン、シクロヘキシレンおよび側鎖メチレンのプロトン;CH:t0.85 J=7。
3a)CDCl中の500MHzHスペクトル
4つの芳香族H:AB−q、中心7.33、臭素置換に対する2つのo−H:d7.46 J=8;テトラヒドロピラニル置換に対する2つのo−H:d7.19 J=8;H2a,H4a,H6e:m4.08〜4.33;H6a:dt3.57 J=12,2;H3e:ddd2.44 J=12,4,2;H5e,H5a:m2.05〜2.28;H3a:q1.98(J=12)。
3b)3aと同一のNMR。
4)CDCl中の250MHzHスペクトル
2つの芳香族H:m6.95;H4a,H6e,H2a:m4.08〜4.32;H6a:dt3.56 J=12,2;H3e:ddd2.44 J=12,4,2;H5a,H5e:m2.06〜2.32;H3a:q1.93 J=12。
5)CDCl中の500MHzHスペクトル
フェニリックベンジル基の5つの芳香族H:m7.27〜7.45;2つ目のフェニル環の4つの芳香族H:AB−q、中心7.09、この中でテトラヒドロピラニル置換に対する2つのo−H:d7.27 J=8;ベンジルオキシ置換に対する2つのo−H:d6.94 J=8;ベンゼン性CH基の2つのH:s5.06;H2a,H4a:m4.27;H6e:d,d,d4.13 J=12,4,2;H6a:dt3.56 J=12,2;H3e:ddd2.44 J=12,4,2;H5e,H5a:m2.0〜2.5;H3a:q2.10 J=12。
6)CDCl中の500MHzHスペクトル
4つの芳香族H:AB−q、中心7.09;エステル基に対する2つのo−H:d8.02 J=8;テトラヒドロピラン置換に対する2つのo−H:d7.40 J=8;H2a:dd440 J=12,2;H6e:dd4.21 J=12,4;H4a:m3.92;OCH:s3.92;H6a:t3.25 J=12;H3e:ddd2.53 J=12,4,2;H3a:q2.13 J=12;H5a:m2.1;CH:d1.05 J=7。
7)CDCl中の500MHzHスペクトル
4つの芳香族H:AB−q、中心7.09;テトラヒドロピラン置換に対する2つのo−H:d7.15 J=8;フェノール性OH基に対する2つのo−H:d6.75 J=8;H2a:dd4.25 J=12,2;H6e:dd4.18 J=12,4;H4a:dt4.02 J=12.4;H6a:t3.27 J=12;H3e:ddd2.47 J=12,4,2;H3a:q2.22 J=12;H5aおよびCH側鎖の1つのH:m1.93;その側鎖の更なるH:1.23;CH:t0.93 J=7。
8)CDCl中の250MHzHスペクトル
4つの芳香族H:AB−q、中心6.95;テトラヒドロピラン置換に対する2つのo−H:d7.15 J=8;フェノール性OH基に対する2つのo−H:d6.75 J=8;H2a:dd4.27 J=12,2;H4a:dt4.15 J=12.4;H6e:dd4.08 J=12.2;H6a:t3.26 J=12;H3e:ddd2.45 J=12,4,2;H3a:q2.10 J=12;H5aおよびCH側鎖の1つのH:m1.68〜1.98;その側鎖の2つのCHの更なる3つのH:m1.10〜1.53;CH;t0.90 J=7。
融点:104°C
9)CDCl中の250MHzHスペクトルinCDCl
4つの芳香族H:AB−q、中心6.99;テトラヒドロピラン置換に対する2つのo−H:d7.20 J=8;フェノール性OH基に対する2つのo−H:d6.78 J=8;H2a:dd4.30 J=12,2;H6eおよびH4a;m4.10〜4.25;H6a:t3.28 J=12;H3e:ddd2.48 J=12,4,2;H3a:q2.17 J=12;H5aおよびCH側鎖の1つのH:m1.72〜2.00;その側鎖の3つのCHの更なる5つのH:m1.15〜1.5;CH:t0.95 J=7。
11)CDCl中の250MHzHスペクトル
フェニリックベンジル基の5つの芳香族H:m7.28〜7.45;2つ目のフェニル環の4つの芳香族H:AB−q、中心7.10;その中のテトラヒドロピラン置換に対する2つのo−H:d7.26 J=8;O−ベンジル基に対する2つのo−H:d6.94 J=8;ベンジル性CH基の2つのH:s5.06;H2a:dd4.28 J=12,2;H6e:dd4.07 J=12,4;H4a:dt3.98 J=12,4;H6a:t3.22 J=12;H3e:ddd2.48 J=12,4,2;H3a:q2.18 J=12;H5a:m2.07;CH:d1.03 J=7。
12)CDCl中の250MHzHスペクトル
その側鎖の更なるH5つの芳香族H:m7.30〜7.47;2つ目のフェニル環の4つの芳香族H:AB−q、中心7.09;その中のテトラヒドロピラン置換に対する2つのo−H:d7.25 J=8;O−ベンジル基に対する2つのo−H:d6.93 J=8;ベンジル性CH基の2つのH:s5.05;H2add4.27 J=12,2;H6e:dd4.19 J=12,4;H4a:dt4.03 J=12,4;H6a:t3.26 J=12;H3e:ddd2.50 J=12,4,2;H3a:q2.18 J=12;H5aおよびCH側鎖の1つのH:m1.83〜2.0;CH側鎖の2つ目のH:m1.12〜1.38;CH:t0.93 J=7。
13)CDCl中の250MHzHスペクトル
その側鎖の更なるH5つの芳香族H:m7.29〜7.44;2つ目のフェニル環の4つの芳香族H:AB−q、中心7.09;テトラヒドロピラン置換に対する2つのo−H:d7.25 J=8;O−ベンジル基に対する2つのo−H:d6.93 J=8;ベンジル性CH基の2つのH:s5.05;H2a:dd4.26 J=12,2;H6e:dd4.17 J=12;H4a:dt4.02 J=12,4;H6a:t3.25 J=12;H3e:ddd2.48 J=12,4,2;H3a:q2.20 J=12;H5aおよびCH側鎖の1つのH:m1.78〜2.05側鎖中の3つCH基の5つのH:m1.10〜1.45CH:t0.90 J=7。
14)CDCl中の250MHzHスペクトル
Figure 2008545668

t7.35 J=8(o−Hカップリングおよびm−Fカップリング);残りの4つの芳香族H:m7.09〜7.26;H2a:dd4.40 J=12,2;H6e:dd4.10 J=12,4;H4a:dt3.78 J=12,4;H6a:t3.25 J=12;H3e:ddd2.43 J=12,4,2;H3aおよびH5a:m1.83〜2.20;CH:d1.07 J=7。
15)CDCl中の400MHzHスペクトル
Figure 2008545668
t7.38 J=8(o−Hカップリングおよびm−Fカップリング);残りの4つの芳香族H:m7.10〜7.23;H2a:dd4.37 J=12,2;H6e:dd4.12 J=12,4;H4a:dt3.93 J=12,4;H6a:t3.25 J=12;H3e:ddd2.55 J=12,4,2;H3a:q2.14 J=12;H5a:m2.08;CH:d1.07 J=7。
16)CDCl中の500MHz−Hスペクトル
4つの芳香族H:m6.95;H2a:dd4.35 J=12,2H6e:dd4.12 J=12,4;H4a:m3.91;H6a:t3.23 J=12;H3aおよびH5a:m=2.05;CHd1.06 J=7。
17)D−ジメチルスルホキシド中の500MHz−Hスペクトル
2つの芳香族H:m7.26;H4a:dt4.10 J=12,4;H6e:dd3.87 J=12,4;H2a:m3.10;H6a:t3.03 J=12;H3e:ddd2.25 J=12,4,2;H5a:m2.10;H3aおよび10つのシクロヘキシレンH:m1.00〜2.04;CHd0.93 J=7。
20)質量スペクトル
分子ピークM(+)460、462:検出されず;369、371:(M−91)(+)ベンジル;290:369、371−Br;289:369、371−HBr;91:PhCH(+)(基底ピーク)。
21)CDCl中の250MHz−Hスペクトル
2つの芳香族H:m2.95;OCHの5つのH、H4a,H2a,H6e:m4.2〜4.5;H6a:t3.59 J=12;H5a:dt3.04 J=12,4;H3e:ddd2.54 J12,4,2;H3a:q1.99 J=12;CH:t1.30 J=7。
質量スペクトル:
分子ピークM(+)366、368;287:366、368−Br;286:366、368−HBr;241:286−45(OC) =
Figure 2008545668
286のレトロジエン分解物;

126=
Figure 2008545668
98:126−エチレン−McLafferty、基底ピーク。
<表2からのテトラヒドロピラン誘導体>
1)表1からの3aと同一のNMR。
2)表1、No.7のNMRと同一。
3)表1からのNo.8と同一のNMR。
融点:104℃。
4)表1からのNo.9と同一のNMR。
9)表1からのNo.14と同一のNMR。
<表3からのテトラヒドロピラン誘導体>
1a)、1b)表1からのNo.3aと同一のNMR。
2)CDCl中の250MHz−H−NMRスペクトル
4つの芳香族H:AB−q、中心7.34;臭素置換に対する2つのo−H:d7.48 J=8;テトラヒドロピラン置換に対する2つのo−H:d7.19 J=8;H6e:ddd4.04 J=12,2,1;H4a:dt3.96 J=12,4;H2a:d3.89 J=12;H6e:dt3.55 J=12,2;H3aおよびH5e:m2.77〜2.38;H5a:m1.98;CH:d0.86 J=7。
3)CDCl中の250MHz−H−NMRスペクトル
Clに対する芳香族オルトH:t7.36 J=8(o−Hカップリングおよびm−Fカップリング);残りの2つの芳香族H:m7.10〜7.25;H2a:dd4.30 J=12,2;H6e:dd4.08 J=12,4;H4a:dt3.88 J=12,4;H6a:t3.20 J=12;H3e:ddd2.48 J=12,4,2;H3aおよびH5a:m1.95〜2.17;CH:d1.04 J=7。
5)質量スペクトル
338、336:分子ピーク;319、317:M−19(F);257:M(+)−Br;97:C13?、55:C?−基底ピーク。
7)質量スペクトル
414、412:分子ピーク;333:M−Br;332:M−HBr
Figure 2008545668

55:基底ピーク。

9)質量スペクトル
598、596:分子ピーク;579、577:M−19(F);
Figure 2008545668
517:598、596−Br;516:598、596−HBr;
451、449:分子ピーク−
Figure 2008545668
(C2126BrFO)、基底ピーク。
<表4からのテトラヒドロピラン誘導体I>
化合物No.1a、1bおよび1eのNMRスペクトルは、表1からの化合物No.3aと同一である。
<表5からのテトラヒドロピラン誘導体IV>
1a/b)CDCl中の250MHz−Hスペクトル
4つの芳香族H:AB−q、中心6.89、テトラヒドロピラン置換に対する2つのo−H:d7.10 J=8;フェノール性OH基に対する2つのo−H:d6.52 J=8;H2a:dd4.28 J=12,2;H6e:dm3.97 J=12,4;H6a:t3.15 J=12;H3e,H4e,H5aおよびH3a:m1.57〜1.94;H4a:dq1.22 J=12,4;CH:d0.75 J=7。
融点:91℃。
2a/b)CDCl中の300MHz−Hスペクトル
4つの芳香族H:AB−q、中心6.88、テトラヒドロピラン置換に対する2つのo−H:d7.15 J=8;フェノール性OH基に対する2つのo−H:d6.60 J=8;H2a:dd4.20 J=12,2;H6e:dm4.07 J=12,4;H6a:t3.20 J=12;H3e:dm1.99 J=12,?;H4e:dm1.80 J=12;H3a,H5a:m1.50〜1.75;側鎖−CHおよびH4a:m1.1〜1.3;CH:t0.92 J=7。
融点:92℃。
3)CDCl中の250MHz−Hスペクトル
4つの芳香族H:AB−q、中心6.95、テトラヒドロピラン置換に対する2つのo−H:d7.20 J=8;フェノール性OH基に対する2つのo−H:d6.70 J=8;H2a:dd4.20 J=12,2;H6e:dm4.07 J=12,4;H6a:t3.20 J=12;H3e:dm1.99 J=12,?;H4e:dm1.80 J=12,?;H3a,H5a:m1.50〜1.75;2つの側鎖CHおよびH4aの4つのH:m1.10〜1.30;CH:t0.92 J=7。
融点:94℃。
4a/b)CDCl中の250MHz−Hスペクトル
4つの芳香族H:AB−q、中心6.95、テトラヒドロピラン置換に対する2つのo−H:d7.20 J=8;フェノール性OH基に対する2つのo−H:d6.70 J=8;H2a:dd4.20 J=12,2;H6e:dm4.06 J=12,4;H6a:t3.18 J=12;H3e:dm1.97 J=12;H4e:dm1.82 J=12;H5aおよびH5a:m1.53〜1.74;3つの側鎖CH基の6つのHおよびH4a:m1.05〜1.45;CH:t0.90 J=7。
融点:87℃。
6)CDCl中の250MHzH−NMRスペクトル
Figure 2008545668

t7.32 J=8(o−Hカップリングおよびm−Fカップリング);残りの4つの4芳香族H:m7.18;H2a:dd4.28 J=12,2;H6e:dm4.09 J=12,4;H6a:t3.20 J=12;H3eおよびH4e:m1.83〜2.12;H3aおよびH5a:m1.47〜1.80;3つの側鎖CH基の6つのHおよびH4a:m1.05〜1.40;CH:t0.87 J=7。
融点:58℃(C58I)。
7)CDCl中の400MHz−H−NMRスペクトル
Figure 2008545668
t7.32 J=8(o−Hカップリングおよびm−Fカップリング);残りの4つの芳香族H:m7.18;H2a:dd4.28 J=12,2;H6e:dm4.04 J=12,?;H6a:t3.18 J=12;H3eおよびH4e:m1.86〜2.0;H5a:m1.78;H3a:dq1.60 J=12,4;H4a:dq1.32 J=12,4;CH:d0.86 J=7。
融点:55℃(C55I)。

Claims (19)

  1. 1つの反応工程において、式IIのホモアリルアルコールを、式IIIのアルデヒドまたはそれのアセタールまたは水和物と、少なくとも1個の塩素、臭素またはヨウ素原子を含む少なくとも1種類のルイス酸の存在下および/または少なくとも1個の塩素、臭素またはヨウ素イオンを含むブレンステッド酸の存在下で反応させることを特徴とする式Iのハロゲン化されたテトラヒドロピラン誘導体類の調製方法。
    Figure 2008545668

    Figure 2008545668
    Figure 2008545668
    (ただし、式I、IIおよびIII中、それぞれの場合で独立に、
    a、b、c、d、eおよびfは、互いに独立に、0または1を表し、ただし、a+b+c+d+e+fは、1、2、3または4に等しく、
    は、塩素、臭素またはヨウ素を表し、
    は、H、ハロゲン、−CN、1〜15個のC原子を有するアルキル基を表し、該基は無置換であるか、−CNにより1置換されているか、ハロゲンにより1置換または多置換されており、ただし加えて、これらの基中の1個以上のCH基は、鎖中の酸素原子が互いに直接結合しないようにして、−C≡C−、−CH=CH−、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−CO−O−または−O−CO−で置き換えられていてもよく、
    は、H、ハロゲン、−CN、−NCS、−NO、−OH、−SF、−O−アラルキル、1〜15個のC原子を有するアルキル基を表し、該基は無置換であるか、−CNにより1置換されているか、ハロゲンまたは−O−アラルキルにより1置換または多置換されており、ただし加えて、これらの基中の1個以上のCH基は、鎖中の酸素原子が互いに直接結合しないようにして、−C≡C−、−CH=CH−、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−CO−、−CO−O−または−O−CO−で置き換えられていてもよく、
    、A、A、A、AおよびAは、互いに独立に、回転されたものまたは鏡像のものでもよく、
    Figure 2008545668
    を表し、
    は、単結合、1〜6個の炭素原子を有し無置換かFおよび/またはClで1置換または多置換されているアルキレン架橋を表すか、または−CHO−、−OCH−、およびAがシクロヘキシレンおよびシクロヘキセニレン環ではない場合、−CFO−を表してもよく、
    は、単結合、1〜6個の炭素原子を有し無置換かFおよび/またはClで1置換または多置換されているアルキレン架橋を表し、
    、Z、ZおよびZは、互いに独立に、単結合、1〜6個の炭素原子を有し無置換かFおよび/またはClで1置換または多置換されているアルキレン架橋を表すか、または−CHO−、−OCH−、−CFO−を表し、ただし、−CFO−架橋はシクロヘキシレンまたはシクロヘキセニレン環にそのO原子を介して直接結合しておらず、
    n1、n2およびn3は、互いに独立に、0、1、2、3または4であり、
    、Y、Y、Y、YおよびYは、互いに独立に、H、ハロゲン、−CN、C1〜6−アルカニル、C2〜6−アルケニル、C2〜6−アルキニル、−OC1〜6−アルカニル、−OC2〜6−アルケニル、−OC2〜6−アルキニルを表し、ただし、脂肪族基は無置換であるか、ハロゲンにより1置換または多置換されており、および
    は、−CH−、−CF−または−O−を表し、
    ただし、
    aおよびbが同時に0の場合、Rは水素を表さず、および
    a、b、c、d、eおよびfの全てが同時に0の場合、RおよびRはHまたは無置換のアルカニルではない。)
  2. 少なくとも1種類のルイス酸を使用することを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 該ルイス酸は、式M(XおよびRM(Xn−1の化合物を含む群から選ばれ、ただし、
    Mは、B、Al、In、Sn、Ti、Fe、Zn、Nb、Zr、AuまたはBiを表し、
    は、Cl、BrまたはIを表し、
    は、1〜10個の炭素原子を有する直鎖状または枝分状のアルキル基を表し、および
    nは2、3、4または5の整数で、それがMの形式上の酸化数と等しいように選択される
    ことを特徴とする請求項1または2記載の方法。
  4. 該ルイス酸は、それぞれの場合で使用される式IIのホモアリルアルコールに基づき、約25mol%〜約300mol%の量、好ましくは約50mol%〜約200mol%の量で使用されることを特徴とする前記請求項の一項以上に記載の方法。
  5. 該ブレンステッド酸は臭化水素酸であることを特徴とする前記請求項の一項以上に記載の方法。
  6. 少なくとも1種類のルイス酸および少なくとも1種類のブレンステッド酸の混合物を使用することを特徴とする前記請求項の一項以上に記載の方法。
  7. 該ルイス酸は、該混合物中で、それぞれの場合で使用される式IIのホモアリルアルコールに基づき、0.1〜20mol%の量、好ましくは0.25〜10mol%の量で使用されることを特徴とする前記請求項の一項以上に記載の方法。
  8. は臭素であることを特徴とする前記請求項の一項以上に記載の方法。
  9. 式Iの化合物は水素以外の1つの置換基をそれぞれ2位および5位に有しており、これらの置換基は互いにトランスの配置であることを特徴とする前記請求項の一項以上に記載の方法。
  10. (a+b+c+d+e+f)は1以上、特に1、2または3であることを特徴とする前記請求項の一項以上に記載の方法。
  11. 式Iの化合物。
    Figure 2008545668
    (ただし、
    a、b、c、d、eおよびfは、互いに独立に、0または1を表し、ただし、a+b+c+d+e+fは、1、2、3または4に等しく、
    は、塩素、臭素またはヨウ素を表し、
    は、H、ハロゲン、−CN、1〜15個のC原子を有するアルキル基を表し、該基は無置換であるか、−CNにより1置換されているか、ハロゲンにより1置換または多置換されており、ただし加えて、これらの基中の1個以上のCH基は、鎖中の酸素原子が互いに直接結合しないようにして、−C≡C−、−CH=CH−、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−CO−O−または−O−CO−で置き換えられていてもよく、
    は、H、ハロゲン、−CN、−NCS、−NO、−OH、−SF、−O−アラルキル、1〜15個のC原子を有するアルキル基を表し、該基は無置換であるか、−CNにより1置換されているか、ハロゲンまたは−O−アラルキルにより1置換または多置換されており、ただし加えて、これらの基中の1個以上のCH基は、鎖中の酸素原子が互いに直接結合しないようにして、−C≡C−、−CH=CH−、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−CO−、−CO−O−または−O−CO−で置き換えられていてもよく、
    、A、A、A、AおよびAは、互いに独立に、回転されたものまたは鏡像のものでもよく、
    Figure 2008545668
    を表し、
    は、単結合、1〜6個の炭素原子を有し無置換かFおよび/またはClで1置換または多置換されているアルキレン架橋を表すか、または−CHO−、−OCH−、およびAがシクロヘキシレンおよびシクロヘキセニレン環ではない場合、−CFO−を表してもよく、
    は、単結合、1〜6個の炭素原子を有し無置換かFおよび/またはClで1置換または多置換されているアルキレン架橋を表し、
    、Z、ZおよびZは、互いに独立に、単結合、1〜6個の炭素原子を有し無置換かFおよび/またはClで1置換または多置換されているアルキレン架橋を表すか、または−CHO−、−OCH−、−CFO−を表し、ただし、−CFO−架橋はシクロヘキシレンまたはシクロヘキセニレン環にそのO原子を介して直接結合しておらず、
    n1、n2およびn3は、互いに独立に、0、1、2、3または4であり、
    、Y、Y、Y、YおよびYは、互いに独立に、H、ハロゲン、−CN、C1〜6−アルカニル、C2〜6−アルケニル、C2〜6−アルキニル、−OC1〜6−アルカニル、−OC2〜6−アルケニル、−OC2〜6−アルキニルを表し、ただし、脂肪族基は無置換であるか、ハロゲンにより1置換または多置換されており、および
    は、−CH−、−CF−または−O−を表し、
    ただし、
    aおよびbが同時に0の場合、Rは水素を表さず、および
    a、b、c、d、eおよびfの全てが同時に0の場合、RおよびRはHまたは無置換のアルカニルではない。)
  12. 該式Iのテトラヒドロピラン誘導体の3つの置換基は全エカトリアル配置であることを特徴とする前記請求項記載の化合物。
  13. (a+b+c+d+e+f)は1以上、特に1、2または3であることを特徴とする前記請求項の一項以上に記載の化合物。
  14. 該式Iのテトラヒドロピラン誘導体を還元的脱離反応により、式IVのテトラヒドロピラン誘導体を得ることを特徴とする前記請求項の一項以上に記載の方法。
    Figure 2008545668

    (ただし、a、b、c、d、e、f、R、R、A、A、A、A、A、A、Z、Z、Z、Z、Z、Zは、独立に請求項1で定義される通りである。)
  15. 該還元的脱離は水素化有機スズまたは有機ケイ素試薬を使用して行われることを特徴とする前記請求項の一項以上に記載の方法。
  16. は臭素で、および該還元的脱離は触媒および塩基存在下での脱臭素の水素化であることを特徴とする前記請求項の一項以上に記載の方法。
  17. 該式Iの該テトラヒドロピラン誘導体を脱ハロゲン化水素反応によりジヒドロピラン誘導体、特に式Vaおよび/またはVbを得ることを特徴とする前記請求項の一項以上に記載の方法。
    Figure 2008545668
    (ただし、a、b、c、d、e、f、R、R、A、A、A、A、A、A、Z、Z、Z、Z、Z、Zは、独立に請求項1で定義される通りである。)
  18. 前記請求項によって形成される該ジヒドロピラン誘導体を水素化して、請求項14で定義されるように該式IVの化合物を得ることを特徴とする前記請求項の一項以上に記載の方法。
  19. 請求項1記載の少なくとも1つの方法工程を含み、ただし、式I、II、IIIおよびIV中のa、b、c、d、e、f、R、R、A、A、A、A、A、A、Z、Z、Z、Z、Z、Zは、それぞれ独立に定義されていることを特徴とする請求項14記載の式IVの化合物の調製方法。
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